勇者「腹が痛い」 (4)

僧侶「ついにつきましたね、魔王城…!」

戦士「ったく、長ぇ旅だったな」

魔法使い「魔王城に着いたからと言って、やることは変わらないわ。……ただ、目の前の敵を切り伏せるだけよ」

勇者「……そうだ。あまり気張りすぎることもないさ。魔物の強さで言えば、城の中も外もそう変わらない」

僧侶「ただ仕掛けられたギミックや、入り組んだ通路には少々気を遣わないといけません」

戦士「それに、入っちまったが最後、魔王を倒すまでは出られねぇ。しっかり休息を取れるような場所もありゃしねぇ……今まで以上にきつい戦いになるのは間違いないさ」

勇者「そうかな。……俺は、俺たちなら、この旅を最高の形で終わらせられると信じてる」

魔法使い「……勇者」

勇者「警戒するのはいい。だが弱気になるのはだめだ。……俺たちは無敵の勇者パーティだ。どんな相手にだって遅れは取らない。そう信じる心だけは、絶対に忘れちゃダメだ」

僧侶「……勇者さん」

戦士「へっ。……オレとしたことが、テメーみたいな若輩に勇気づけられるなんてな」

戦士「いいぜ、勇者。オレたちゃそんなお前を信じてここまで来たんだ。そのお前がいうんなら、オレも時分を信じてみるとすらァ」

勇者「……よし、じゃあ行くぞッ、みんな!!」

グジュルルルルルル

勇者「!!?!?」ビクンッ

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魔物「キシャアアアアアアア」

魔法使い「……ッ!早速お出ましってわけね!」

戦士「オレと勇者で前へ出る!!魔法使いは後ろから援護!!僧侶はとにかくバフかけろ!」ダダッ

僧侶「は、はいっ!」

勇者「ぉっ、おっ、おほっ?」グジュルルルル

勇者(なんで……?ぁっ、なんでこんなどぎにっ?)

ザシュ!!! ザシュ!!! ザシュ!!!

戦士「チィッ!数が多すぎる!」

魔法使い「それっ」

ドガーーーン!!!

魔法使い「ちんたらやってんじゃないわよ!ほら、右からも来たわ!」

戦士「クソッタレ、わかってらあああっ!!」

勇者「ぉっ?おっ?……ぉおおぉおおおっ!!」

勇者(……今はしょうがねぇ!!とにかく今は戦うしかない!剣を振りかぶって……降ろすッ!!)

ザシュ!!!

魔物「ギエエエエエエエ」

勇者「おっほほおおおおぉおおお?!?!?!!」ギュギュルギュル

僧侶「……ッ!!勇者さんッ、大丈夫ですか!?」

勇者「んんんぃいいぃぃっ……だい、大丈夫?大丈夫だからぁ?」ガクガクガクガク

僧侶「と、とてもそうは見えませんが……」

勇者「いいから自分の仕事をしろッ!!!こっちはこっちでなんとかするッ!!!」

僧侶「は、はいっ!」

勇者(ひゅぃっ……?ぁ、あたまっ……あたまおかしくなりゅぅ……?)

戦士「……っち、勇者のやつ、どこまでもかっこつけやがって……!」

戦士「魔法使いィィィっ!!そっちは任せた!!オレは勇者の援護をする!」

魔法使い「は、ハァ!?ちょ、何言ってんのアンタ、これだけの量、私1人で……」

戦士「お前なら出来る!オレはそう信じてるぜ!!」

魔法使い「……ッ///し、仕方ないわね!!やってやろうじゃない!!」

戦士(すまねぇ、魔法使い……!だが今は勇者の方が心配だ……!)

ザシュ!!! ザシュ!!! ザシュ!!!

勇者(ははははははははははははクッソいてえええええええなんだこれえええええええ)

勇者(足をあげる度、剣を振りかぶる度、腸の奴が俺をきゅっと締め付けてきやがる!!)

勇者(腹ん中で大蛇が暴れてるみたいな感覚!!頭ん中馬鹿になりゅううううう??)

勇者「ぉほっ??ごほっ??無理ぃ??もう無理ぃ??」ギュギュルギュル

戦士「何してんだ勇者!!」ザシュ!!!

勇者「ぉっ……」

戦士「片付けんぞ、オラ!!」

勇者「ぉ、おぉおおおおおおっ??!!!」


ザシュ!!! ザシュ!!! ザシュ!!!

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