【ダンガンロンパ】王馬「安価でパトロールするよ!」【あんこ】 (29)

ブロリーです(大嘘)

※このssはダンガンロンパカテゴリに分類されますが、かなりアブノーマルです
※77期生、78期生、79期生(V3勢)でお送りする平和な世界線
※黒バラは未プレイ。…おしおきせずに大目に見てくだせぇ。ゴン太への愛はたくさんあるから
※性格入れ替えあり↓
苗木⇔霧切 十神⇔腐川 ジェノ⇔こまる 葉隠⇔不二咲 朝日奈⇔大神 舞園⇔桑田 大和田⇔石丸 山田⇔セレス 戦刃⇔江ノ島 日向⇔狛枝 左右田⇔ソニア 九頭龍⇔辺古山 終里⇔弐大 豚神⇔澪田 花村⇔罪木 小泉⇔西園寺 田中⇔七海 天海⇔白銀 赤松⇔最原 星⇔東条 アンジー⇔真宮寺 茶柱⇔夢野 入間⇔キーボ ゴン太⇔王馬 百田⇔春川
※ネタバレ注意
※オリ設定あり(葉隠16歳、豚神が女の子、王馬が超高校級のヒーロー等)
※安価とコンマを扱います。できるだけ健全にね
※連投禁止。コンマ取りは2回まで
※荒らし厳禁
※以上の説明で吐き気を催したり怒りを抱いたらブラウザバック推奨…てかそうしよう。肌に合わないくらい拒絶反応出てるから
※OK?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492108377

王馬「おはよう!オレは王馬小吉!超高校級のヒーローなんだ!」
王馬「別世界のオレは悪の総統みたいだけど、この時空軸では正義のヒーローだよっ!」
王馬「今回は、正義のために、色んなところをパトロールしようかな!」
王馬「ちなみにルールはこちら!」

☆るーるせつめい☆
●この物語では、王馬が色々パトロールします。まずは人物が最初に、後はシチュエーションを書こう
●次にどうするか行動を書く。その後はコンマ判定だ。これは行動した結果どうなったかを決める。結果はこちら↓
91~98…大成功!全てがハッピーエンドだよ!
81~90…成功!ほとんどハッピーエンドだよ!
71~80…中成功!7割程解決してるよ!
61~70…小成功!半分解決!だけどもう半分は…
51~60…普通!よくわからなかった。
41~50…小失敗!少しだけ失敗しちゃった!でも損害は少ないよ!
31~40…中失敗!半分失敗しちゃった!損害は普通レベルだよ!
21~30…失敗!かなり失敗しちゃった!損害は不運レベルだよ!
11~20…大失敗!取り返しのつかないことをしちゃった!損害は災厄レベルだよ!
01~10…王馬が動くまでもなかったよ!
ちなみに基本ゾロ目で誰かの手伝いが
33、77でウルトララッキー。褒美が貰えるよ
44、66でバッドエンド。死ぬよ
●これの繰り返し!

王馬「よーし!それじゃあ…!?」
↓2が人物(複数可)
↓6がシチュエーション

1995年6月7日午後。
修学旅行も何事もなく最終日を迎え、神奈川県平沢市立菊谷中学校の3年生たちは、帰りのバスに乗り込み、学校へ帰る途中だった。
もちろん、3年A組の生徒40人もだ。

 

サービスエリアに着き、トイレ休憩となった。
バスの中から一斉に生徒たちが出て行く。

「おう、良樹!
 ジュース買いに行こうぜ!」

堤良樹(男子10番)は親友の富田宗(男子11番)に誘われ、バスを出た。
新鮮な空気と爽やかな風が気持ちいい。

「あー…今すっげぇポカリ飲みてぇなぁ…宗は?」

「オレはミルクティ、大人だろ?」

どこがだよ、と2人でゲラゲラと笑いながら自販機に向かっていると、突然後ろからタックルされた。
何なんだ、と良樹が振り返ると、そこにはサッカー部でFWを務めている勢多翼(男子8番)がいた。

「ワリ、今追われてんだよ!」

翼の後ろに目をやると、猛スピードで藤岡照昌(男子15番)が迫ってきていた。
さすが陸上部、素晴らしいフォームだ。

「良樹、宗!
 どっちでもいいから翼を押さえててくれ!!」

「そうはいくかってんだ!!」

翼はするっと良樹と宗の間を抜け、照昌に劣らないスピードで走っていってしまった。

「照昌、こっちだこっちー!」

1995年6月7日午後。
修学旅行も何事もなく最終日を迎え、神奈川県平沢市立菊谷中学校の3年生たちは、帰りのバスに乗り込み、学校へ帰る途中だった。
もちろん、3年A組の生徒40人もだ。

 

サービスエリアに着き、トイレ休憩となった。
バスの中から一斉に生徒たちが出て行く。

「おう、良樹!
 ジュース買いに行こうぜ!」

堤良樹(男子10番)は親友の富田宗(男子11番)に誘われ、バスを出た。
新鮮な空気と爽やかな風が気持ちいい。

「あー…今すっげぇポカリ飲みてぇなぁ…宗は?」

「オレはミルクティ、大人だろ?」

どこがだよ、と2人でゲラゲラと笑いながら自販機に向かっていると、突然後ろからタックルされた。
何なんだ、と良樹が振り返ると、そこにはサッカー部でFWを務めている勢多翼(男子8番)がいた。

「ワリ、今追われてんだよ!」

翼の後ろに目をやると、猛スピードで藤岡照昌(男子15番)が迫ってきていた。
さすが陸上部、素晴らしいフォームだ。

「良樹、宗!
 どっちでもいいから翼を押さえててくれ!!」

「そうはいくかってんだ!!」

翼はするっと良樹と宗の間を抜け、照昌に劣らないスピードで走っていってしまった。

「照昌、こっちだこっちー!」

プログラム参加にあたって。



男子1番・和泉直正マジかよオイ…  
女子1番・麻生咲人を[ピーーー]なんて出来るわけない…
男子2番・井上稔記入なし
女子2番・斎藍あたしまだ死にたくない!!
男子3番・尾花哲也なんでこんなことに?  
女子3番・川上理映子いや…怖い…助けて…
男子4番・門脇吉孝オレ、まだ死にたくないのに!!  
女子4番・国本弘美あたしが何か悪いことしたんですか?

男子5番・坂出慎クソ政府!!!絶対ブッ[ピーーー]!!!  
女子5番・黒沢星子どうしよう  
男子6番・閑谷邦康記入なし

女子6番・佐久間佳江行人くんどうしよう…
男子7番・鈴木明也なんでこんな事に…
女子7番・仙崎桜子パパ、ママ助けて!!
男子8番・勢多翼怖い!怖い!怖い!こわい!  
女子8番・高田なつみふざけないでよ!!冗談じゃない!!
  

男子9番・高橋良太

こんなゲーム無意味だ!!
  
女子9番・津川麻保

みんなを止めなきゃ…
  

男子10番・堤良樹

みんな殺そうなんて思ってないよな?
  
女子10番・土井雫

怖いよ…

男子11番・富田宗絶対に殺さない  
女子11番・徳永礼子いやだ…逃げたい…
男子12番・仲山行人人生こーでなくっちゃな
女子12番・内藤真依子この国狂ってる
男子13番・野口素明行人くん、助けて
女子13番・中野尋代だから政府って嫌いなんだ
男子14番・廣岡誠夢…じゃねーんだな…
女子14番・西智美先立つ不幸をお許しください
男子15番・藤岡照昌いやだいやだいやだイヤダイヤダ
女子15番・能勢杏奈記入なし
男子16番・皆川玉樹人殺しなんてしたくないよ
女子16番・原田千秋最悪なbirthday
  

男子17番・美祢達哉

誰とも会いませんように

  
女子17番・日生吹雪記入なし  
男子18番・村山晋一郎「お母さん…」ってか?ザケンナ政府!

女子18番・緑沢風美ウチって不幸な少女やわ
男子19番・吉井英誰か助けて
  
女子19番・武藤萌

やっぱり来なきゃよかった
  

男子20番・和田純直

オレは絶対に乗らない
  
女子20番・矢矧彩乃記入なし

左を向くと、バスケ部コンビの和泉直正(男子1番)と村山晋一郎(男子18番)が、右を向くと男子委員長の高橋良太(男子9番)と『ラッキーボーイ』という異名で有名な廣岡誠(男子14番)がいた。
なるほど、鬼ごっこね。

 

良樹と宗は自販機の前に着いた。
良樹が飲みたがっていた清涼飲料水は売り切れていたので、どれにするかと迷っていると、後ろからトントン、と肩を叩かれた。

「ねぇ、良樹君…これ、食べない?
 風美のおごりだって」

その声は、良樹の幼馴染の土井雫(女子10番)だった。
その手にはたこ焼きが10個ほど入った箱が乗っていた。

「へぇ、緑沢のおごり?
 景気でも良いのか?」

「ちゃうちゃう、うちの心が海よりも深いだけやって!」

宗の視線の先にいた、大阪からの転校生、緑沢風美(女子18番)がひらひらと手を振った。
しかし、その顔にはしっかりと書いてある。
ジュースの1杯でもおごるんが筋ってモンやろ?、と。
それに先に気づいた宗が苦笑し、ジュースをおごってやっていた。

「あ、咲!  見て見て、これすっごい可愛い!」
「え…あ、ホントだぁ!すごい可愛い!  玉樹、達哉、見てよこれ!」

お土産コーナーで騒いでいるのは、派手な外見とは裏腹に、とても心優しい麻生咲(女子1番)と、市内でも有数のお嬢様で、大和撫子という言葉がとても似合う仙道桜子(女子7番)。
その後ろで首を傾げているのは、咲の幼馴染だという皆川玉樹(男子16番)と、玉樹とは部活で知り合ったという美祢達哉(男子17番)。
この4人はとても仲がよく、いつも一緒にいる。
咲たちが可愛いと絶賛している物、それは奇妙な形をしたキーホルダー。
玉樹・達哉は何が可愛いんだか…、という顔をしている。

 

「おい、買ったんだったらとっととどけよ」

「邪魔なんだよ、テメェら」

背後でドスのきいた声が聞こえ、良樹たちはビクッと体を震わせ振り向いた。
そこには、クラスの不良問題児ペアの井上稔(男子2番)と坂出慎(男子5番)が眉間にしわを寄せて良樹たちを睨みつけていた。

「ごごご…ごめん!」

良樹たちは慌てて前を空けた。
この2人に目をつけられれば、次の日には傷だらけで学校に行く羽目になる、という噂もあるほど2人は強暴だ。

「ったくよ…ってポカリねぇし!」

「うわ、最悪…じゃあ、オレコーラでいいや」

慎が100円玉を入れようとした時だった。

「ねぇ、ミノ!!」

「慎も聞いてよ!!」

叫び声が聞こえ、慎は100円玉を落とした。
「だーっ!」と声を上げる慎を横目に、稔は声のしたほうを見た。
そこには咲と玉樹がいた。

「…何なんだ?」

首を傾げる稔に、咲は先ほどの得体の知れないキーホルダーを突き出した。

「これ、絶対可愛いよね、ね!?」

「可愛くないよね、稔!!」

「え…はぁ…!?…あぁ……」

2人に見上げられた稔はどもってしまった。
何とか100円玉を見つけた慎も、そのキーホルダーを見て絶句してしまった。
不良問題児ペアの唯一の弱点、それが玉樹と咲だ。
稔たちに普通に接しているのは、玉樹と咲だけで、達哉と桜子は遠くで怯えて見ている。

いそいそとその場を離れた4人は、挙動不審にしている尾花哲也(男子3番)を発見した。

「おう、尾花、どうしたんだ?」
「あ、あ、堤!  あのさ、頼みが…金貸してくんない?  英が酔ったみたいでさ、茶とか飲ませたほうが良いかなって…」

見ると、哲也の後ろでは、大柄な哲也とは対称的に小柄な吉井英(男子19番)が蹲っている。
困っている人を放っておけないのも、どこか抜けているのも、哲也らしくて笑いが込み上げそうになるが、本人は必死なので、何とか堪えた。
とりあえず金を貸し、4人はバスに戻ることにした。
戻って最初に目に付いたのは、バスの最後部座席で騒いでいた行人グループの面々だ。
グループリーダーである、恐らくクラス1の美男子、仲山行人(男子12番)を中心にして、右で騒いでいるのはクラス1明るい佐久間佳江(女子6番)と、佳江と同じバレー部の内藤真依子(女子12番)。
行人の左側で行人と会話を交わしているのは、クラス1の優等生の鈴木明也(男子7番)と、その左には大人しそうな野口素明(男子13番)。
佳江は行人が好きらしいが、今は明也に行人を取られ、不機嫌そうだ。
その前の席で迷惑そうにしながらも、自らの顔に化粧を施し直しているのは、ギャル3人組だ。
リーダーの日生吹雪(女子17番)は最も不機嫌そうにしながら吊り上がる眉を描いている。
その横で矢矧彩乃(女子20番)はマニキュアを一生懸命付けている。
補助席ではクラス1の美少女と言われている中野尋代(女子13番)がビューラーで睫毛を上げている。
良樹が話し掛けられるのは、尋代だけだ。
あとの2人ははっきり言って怖い。
その斜め前では、門脇吉孝(男子4番)が閑谷邦康(男子6番)に話し掛けている。
おそらく吉孝の自慢話だろう。
聞いている邦康が気の毒だ。
その前にいるのは、大人しい川上理映子(女子3番)と黒沢星子(女子5番)。
星子は横にいる無口な国本弘美(女子4番)に必死に話し掛けているが、弘美は無視して読書をしている。
その横で楽しそうに話をしているのは、クラス公認ほのぼのカップル、和田純直(男子20番)と原田千秋(女子16番)だ。

「はいはーい、ちょっと道塞がないでくれないかねぇ!」

はっと我に返った良樹が振り向くと、そこには女子委員長の津川麻保(女子9番)をはじめとして、ソフトボール部員の八重歯が印象的な高田なつみ(女子8番)、なつみにしがみ付く、決して男を寄せ付けようとしない徳永礼子(女子11番)、女子バスケ部キャプテンの西智美(女子14番)がいた。

「あ、ワリ、ゴメンな委員長!」

「いえいえ、でも邪魔だからとっととのいてちょうだいな」

何か今日はやたら邪魔者扱いされてる気がする。
良樹は苦笑し、自分の座席に着いた。

 

「そーいやぁ…」宗がトントンと良樹の肩を突いた。

「彼女、もう苛められてないみたいだな」

「ああ、よかったよな」

2人は斜め後ろの武藤萌(女子19番)に目を遣った。
萌は吹雪らギャルグループに苛められ、3年になったころから不登校になっていたが、修学旅行は担任に勧められて来たようだ。
今は小柄な斎藍(女子2番)と、いつも笑顔を浮かべている能勢杏奈(女子15番)と楽しそうに話をしている。

「よし、誰かいないやつはいないかぁ?」

担任の中岡が点呼を取り、バスは出発した。

最初はがやがやとざわついていたが、徐々に静まり返っていった。

…あれ、何か眠いぞ…

違和感を感じた良樹は、横の宗を見た。
宗は気持ちよさそうにすやすやと眠っている。

重いまぶたを必死に上げ、前を見た。
ミラーに移るバスの運転手は、ガスマスクのようなものを付けている。

何で……?

眠いせいで頭が働かない。

「何だよ、こりゃ…」

後ろでそんな声が聞こえたような気がした。
相槌を打ちたかったが、そのまま良樹は意識を失ったので、それはかなわなかった。

全員が眠ったころ、バスは他のバスから離れ、山奥へと向かっていった。
これから起こる悪夢のような出来事を、誰一人として想像していなかった。

堤良樹(男子10番)は違和感を感じて目を開けた。

壁を見ると、この部屋には1つも窓がついていない。

周りを見ると、クラス全員がパイプ椅子に腰掛け、机に寄りかかって寝ている。
良樹の前には、男子委員長の高橋良太(男子9番)、右隣は大人しい感じの徳永礼子(女子11番)、左隣はいつも暗い国本弘美(女子4番)…この並び方は、出席番号順、テストとかの時の並び方だ。

あれ…? 今日ってテスト…?

少し考え、目を見開いた。
おかしい、テストのはずがない。
なぜなら、今日まで修学旅行だったのだから。

慌てて立ち上がり、右斜め前で眠っている幼馴染の土井雫(女子10番)の肩を揺すった。

「雫! 雫! 起きろ!!」

雫はゆっくり顔をあげ、眠たそうに目を擦った。

「あ…れ? 良樹君…? どうしたの…?」

「おかしい!ここはどこなんだ!?」

良樹は辺りを見回す雫の首を見た。何かがついている。

自分の首を確かめると、やはりついていた。首輪が。
金属製のそれは、あるとわかると重苦しく感じる。
こんな物はつけた記憶がないし、こういう趣味もない。

なんだ…?なんなんだ…?

すると、部屋の前方のドアがガラッと開き、男が4人入ってきた。
桃印の記章がついている、政府の人間だ。 一人は筋肉質で、Tシャツにジャージ。 残りの3人は軍人のようだった。 3人とも弱そうだったけど。 軍人じゃない男の方がよっぽど強そうだ。
軍人の弱体化、これからは役人も筋トレをかかさずに、何かのキャッチフレーズみたいだな。とにかく、筋肉質の男に睨まれたので、良樹は席についた。

「さーあ、みんなぁ! おはよう! 起きたまえ!!」

筋肉質の男は教室を見回し、手をパンパン叩きながら叫んだ。 その声で全員が目を覚ました。 当たり前だ。 鼓膜が破れそうなほど大きい声だったのだから。

やがて教室がざわつき始めた。

「あれ?なんで寝てたんだ?」

「ここどこなの?」

「あのマッチョだれだ?」

あちらこちらから声が聞こえた。

「みんな、静かに、静かにー!」

筋肉質の男が再び叫んだ。 部屋は一気に静かになった。

その様子を見て、男は爽やかに笑った。 どうでもいいことだが、歯が白かった。 役人も歯が命。

「えー…、オレは今日から君達の担任となりました、名前は進藤幹也!
 幹也先生と呼んでくれたまえ!  ちなみにこっちのモヤシのような軍団は、先生の補佐だ!  皆から見た左から順番に、田中、足立、西尾だー!
 よろしくな!」

進藤は親指をぐっと立て、笑った。

…担任?担任って…?

「これはどういうことですか!? 担任って…」

女子委員長の津川麻保(女子9番)が立ち上がった。いつものはっきりとした口調だった。

進藤が「あっ」と言った。

「そうだ、大事なことを言ってなかったな!  先生どーも何か抜けてるんだ、ごめんな。
 えー…このクラスは、今年のプログラム対象クラスに選ばれたぞ!  ちゃんとご両親にも伝えておいたからな!  安心したまえ!」

誰かが「うっ…」と呻いた。
何が安心したまえ、だ。安心できるわけがない。
プログラム、正式名称、戦闘実験第六十八番プログラム。全国の中学校から任意に選出した三年生の学級内で、生徒同士を戦わせ、生き残った一人のみが、家に帰ることができる、わが大東亜共和国専守防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーション。
この国の、中3なら誰もが知っていて、誰もが恐れているものだ。

それが…オレら…? マジかよ…

良樹は相変わらず爽やかな笑みを浮かべている進藤を睨みつけた。
親にも伝えたということは、それに反抗した親は既に逝っているはずだ。 政府の連中は気に入らないことがあると、すぐに発砲するから。 カルシウム不足?

「あの…」

麻保が再び口を開いた。先ほどより弱々しい声だった。

「担任って…な、中岡先生…は…?」

進藤は、横にいた足立に合図をした。すると、足立は一旦廊下に出て、袋を持ってきた。
そして、教卓の上に置き、袋の口を開けた。

「いやあぁぁぁぁぁ!!」

「うわあぁぁぁぁぁ!!」

教卓の正面に座っていた高田なつみ(女子8番)と鈴木明也(男子7番)が同時に叫んだ。

「何だ?」

「何、どうしたの?」

教室がざわめき、袋の中身を見ようと身を乗り出した生徒達が、ガタガタと机や椅子を動かす音がした。そして、その袋の中身を見て、次々と悲鳴が上がった。

良樹は息を飲んだ。

中に入っていたのは、担任の――いや、“元”を付けた方が正確だ――中岡だった。 全身に穴が開き、変わり果てた姿になっている。 中から出てきた中岡の頭の右半分は消失していて、残った左側の顔には赤黒いものが大量についている。 残った右側の目はぼんやり生徒達の方を見ていた。 中岡が着ていた灰色のスーツも黒く変色していて、ちぎれた右腕がボタッと教卓の前に落ちた。

生徒達の叫び声、泣き声はやまなかった。

「もー…このクラスは騒がしいなぁ。
 まあ、元気なことはいいことなんだけど…」

進藤は困った顔をして、頭を掻いていると、進藤の右側にいた田中が教卓のもとに歩み寄り、中岡の死体を持ち上げた(それでまた悲鳴が大きくなった)。 そして、元いた位置に戻り、丁度正面にいた和泉直正(男子1番)と麻生咲(女子1番)の方に投げつけた。 そのせいで、中岡の残った部分の骨がいくつか砕けたらしく、ベキッと鈍い音がした。

「きゃあああああ!!」

咲とその後ろに座っていた斎藍(女子2番)は泣き叫び、横の明也や良太の席の方へ逃げた。 直正は硬直し、ガタガタと震えていた。 直正の後ろの席に座っていた井上稔(男子2番)もただ呆然と中岡の方を見ていた。

「こら!田中ぁ!」進藤が怒鳴った。

「レディーの方にに死体を投げつけるなんて、君は将来お嫁さんがこないぞぉ!」

「す…すいません…」

「ほれ、さっさと片付ける!
 ごめんよ、えっと…麻生さん、斎さん!」

田中が中岡を片付けて(物扱いされていて良樹は気に食わなかったが)、廊下に出した。
咲は黙って席に着いた。 顔色はかなり悪かったが。 
藍も泣きじゃくりながら席に着いた。
そして、もう誰も何も言わなくなった。
これは現実なんだ、と誰もが自覚しただろうから。

進藤は部屋の中を見回し、頷くと喋り始めた。

「よし、じゃあ、ルールの説明だ!
 至極簡単なことだ、最後の一人になるまで殺しあってくれたまえ!
 反則などない!
 仲間を作るもよし、殺し歩くのもよしだ!
 建物に入るのも自由、物も取っても構わない!
 優勝者には、総統様のサイン色紙がもらえるぞ、うらやましいなぁ!」

だったらテメェも参加しやがれってんだ!

堤良樹(男子10番)は心の中で叫んだ。

「ただ、素手で戦うファイトではない!
 いや、それも好きなんだがね。
 そこで、このデイパックを君等に渡す!」

田中が中岡を廊下に出したついでに、デイパックが大量に乗った大きな台車を教室に入れた。

「この中にはな、水と食料、時計と磁石、そして武器が1つ入ってる!
 武器は一人一人違っている!
 銃器が入っているのもあれば、ハズレ武器が入っているものもある!
 これはどれを誰に渡すか決まっていないから安心してくれたまえ!
 さて、じゃあみんな机の中に入っている物を出してくれ!」

生徒達はガサガサと机の中のものを出した。

中にはボールペンと紙切れ、そして地図が入っていた。

「ここはな、来たことある人もいるかな?神奈川県の相模野原中央公園だ!」

相模野原中央公園。神奈川県の相模野原にある、大きな森林公園だ。

良樹は、この森林公園に来たことがあった。 たしか、小さいころ、土井雫(女子10番)の家族と一緒に。 楽しい思い出を沢山作ったこの場所が殺し合いの会場だなんて――

「正確には中央公園とその周辺だな。  まあ、詳しくは地図を見てくれ、そこで、殺し合いをするんだ!
 ちなみに、今いるのはI=07エリアにある、プレハブだ!
 えっと、それから…、禁止エリアというものがある!
 皆がちゃんと動き回るように、2時間ごとに1つずつ、入れなくなるエリアを作るんだ。
 これは、1日4回、午前0時、6時、午後0時、6時の4回に放送で知らせるから聞き逃さないようにな!」

そこまで言って、進藤が一息ついた。
それと同時に、後ろの方でガタッと音がした。 良樹が、というよりクラスの全員がそっちの方を見た。
1番端の後ろの席、閑谷邦康(男子6番)が震えながら立っていた。

「ん?君、どうしたんだい?トイレかい?  尿意とは自然の生理的欲求の1つだからね!  いいよ、行ってきたまえ!」

進藤が勝手にそう解釈して笑顔でドアを指差した。

「オレ…オレ…」

邦康はガタガタと震えながら消えそうな声で言った。

「オレ…怖い!いやだ!いやだあぁぁぁ!!」

そう叫ぶと、邦康は部屋の後ろの方のドアをガラッと開け、部屋を飛び出した。
進藤はため息をついた。

「なんだ、トイレではなかったのか。  足立、捕まえてこい。  殺したらいけないぞ」

足立は頷き、教室を出た。
ドアの方を向いていた進藤は、また前に向き直った。

「はい!注目! えっとな…どこまで言ったっけか?…あ、そうだ。  その禁止エリアには入ってはいけないぞ。  もし入ると…その首輪に注目!」

進藤に言われて初めて首輪の存在に気づいた生徒もいたようだった。

「その首輪が、生きている人間を認識して…ドッカーン!!と爆発するぞ!
 はっはー!  あと、首輪を外そうとしても爆発するからな!気をつけろぉ!」

首輪をいじくっていた生徒が慌てて首輪から手を離した。

「やめろぉ!いやだぁ!!」

足立が、邦康を抱きかかえ、教室に入って来た。
進藤は邦康の方に爽やかな笑みを向けた。 そして、前を再び向いた。

「いいかぁ、禁止エリアに入ると…こうなるんだ!」

進藤が邦康の方にリモコンのようなものを向け、スイッチを押した。 一瞬遅れて、邦康の首輪からピーという電子音が聞こえてきた。 足立は邦康から手を放した。

邦康が足をふらつかせながら、ゆっくりと歩いた。

「え…? な…何だよ…何だよ、この音……」

近くにいた、廣岡誠(男子14番)と目があった。 誠は目を見開き、体を震わせていた。 邦康はゆっくりと誠の方に歩み寄った。

「ねぇ…なんでそんな顔するんだよ…ねぇ…廣岡ぁ…」

誠は何も言えなかった。
僅かに口許が動いていたが、声帯が麻痺したかのように、声が出なかった。

「能勢さん…ねぇ…この首輪…何なの…?」

能勢杏奈(女子15番)は、段々速くなっていく電子音を聞いて、ただぼーっと邦康を見つめていた。

「ねぇ…怖いよ…何で誰も教えて…くれないの…? 藤岡ぁ…」

「う…うわあぁぁぁ…よ…寄るなあぁぁ!!」

藤岡照昌(男子15番)は席を立ち、邦康から離れた。

「え…?どうして逃げるんだよぉ…原田さん…」

原田千秋(女子16番)は体をガタガタ震わせ、「あぁ…」と声を漏らした。

ピピピピピピ、と電子音はさらに速くなっていく。
邦康の表情が引きつったものから、泣き顔へと変わっていく。

「ねぇ!なんなんだよ!君なら教えてくれるよね!?皆川!!」

皆川玉樹(男子16番)は、「邦康…」と震えた声で、泣きそうな顔で、邦康を見つめた。

「いやああああああ!!」

恐怖の頂点に達した千秋が泣き叫んだ。

それと同時にピーッと電子音が鳴り響いた。

ぼん、とごもった爆発音がし、邦康の首が胴から離れた。 先に頭が床に落ち、それからゆっくりと胴も倒れた。 邦康の目はぼんやり天井を見ていた。 胴体は、ビクビクと痙攣していたが、それもやがて止まった。

部屋中が静まり返った。

そして、ソプラノとテノールのコーラスが教室中に響き渡った。

「はい! 静かに! わかったかー!
 こうなるから、決して禁止エリアには入らないようになぁ!」

進藤が手をパンパン叩きながら叫んだ。またあの爽やかな笑顔を浮かべて。

「もしも最後に誰かが死んでから24時間以内に誰も死ななかったら、
 そこで終了!
 生き残ってる人の首輪は、一斉に爆発するぞ!
 まあ、例は少ないから安心してくれていいぞ!」

そこまで言って、進藤が咳払いをした。

「他、質問は?」

誰も何も言わなかった。

良樹は邦康の死体が転がっている方を見た。 誠も照昌も玉樹も顔色が悪い。 当たり前だが。

「質問はないようだな! では、順番に出て行ってもらうぞ!
 あっとその前に…みんな、紙切れがあるな?
 それにプログラムに参加するにあたって、何か書いてくれ!」

良樹はボールペンを右手に持った。

「何でもいい!
 ゲームに参加する意気込みでもいい、親に向けた言葉でもいいぞ!」

生徒達はそれぞれペンを走らせた。

『みんな殺そうなんて思ってないよな?』

良樹は、不安に思っていることを書いた。
少なくとも、オレは絶対に乗らない…そう思いを込めて。

「よっし!じゃあ、出て行ってもらうぞ!」

そう言うと、進藤はポケットから封筒を出し、手で封を切った。 そして紙切れを1枚取り出した。

「えー…1番最初は…君だ!
 男子16番、皆川玉樹君!」

生徒達の視線が進藤の指差した先、玉樹に集中した。

「ぼ…僕…?」

玉樹の少女と見紛うような表情が引き攣り、体が震えていた。 しかし、側に置いてあったショルダーバッグを持ち、立ち上がった。 バッグを持つ、細い白い手がガタガタと震えていた。

玉樹は部屋中を見回していた。 震えている幼馴染の麻生咲(女子1番)と目が合った。 咲の目には涙が溜まっているようだった。 玉樹は安心させるように笑顔を作っていた。 クラスメイトが目の前で死んだ後だったのでかなり無理があったが。

「そうだ!」

進藤が叫んだ。

「気をつけろよ!
 ここのエリアは、最後のヤツが出て行って20分後に禁止エリアになるからなぁ!
 さあ、皆川君、出発だ!」

玉樹は前に出た。デイパックを受け取ると、そのまま走って出て行った。

2分のインターバルを置いて、進藤が名簿に目をやった。

「次は…女子16番、原田千秋さん!」

千秋の体がビクッと震えた。邦康の死体を避けて、前にゆっくり出て行った。
デイパックを受け取ると、それをしばらく凝視したあと、進藤に投げつけた。

「あたし、いらない!!
 こんなゲームになんか、絶対乗らないんだから!!」

それだけ言い捨てて、千秋は部屋を走って出て行った。

進藤は、千秋を撃ち殺そうとした足立を止めた。

「いいじゃないか、元気で!」

そういうと進藤は爽やかに笑った。

  

次々と生徒達が出て行った。

泣きながら出て行く者、何故か誇らしげにデイパックを掲げる者、何も言わず走り去るもの、名残惜しそうに部屋中を見回す者、政府の連中を睨みつけるもの。
それぞれの思いを胸に、死の会場へ向かって…

謝罪させてください。遅れてすみませんでしたぁぁぁぁ!!!!ネットが使えない状況だったんですぅぅぅぅ!!!!



苗木『万事休すだね…』
朝日奈『そうだね…』

王馬「おや?体育館倉庫から苗木ちゃんと朝日奈ちゃんの声が!!おーい!!どうしたんだーい!!」
朝日奈『王馬か…実は、ここで苗木と道具取ってたら、閉じ込められちゃったんだ』
苗木『どうにかして出たいのだけど』
王馬「わかった!オレに任せて!」

↓3が王馬の行動。コンマがその結果

王馬「待ってて!今助けるよ!!」
朝日奈『ありがとう…でも、どうやって?』
王馬「今こそオレの力を使う時だ!!」グッ
苗木『…ん?』
王馬「ゼブルブラストォォォォ!!!!」

ドゴォォォォォォォン!!!!!!





希望ヶ峰病院

王馬「ごめん!!本当にごめん!!!加減ができなかった…!!」
朝日奈「気にしないで。私達を出すためにやったことなんだから」包帯グルグル巻き
苗木「だけどせめて鍵を取りに行くとかできなかったの…?」朝日奈に同じく
王馬「オレ、バカだからそこまで頭が回らなかった…次からはそうするよ!」
朝日奈「そういや王馬。>>29>>31だそうだけど…」
王馬「えっ!?」
>>29は複数可

セレスと十神

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年05月09日 (火) 23:15:54   ID: ODoj3d5a

こいつの存在がガチで寒い
なんら成長していない
パロは寒いわ投げるわゲームはやってないのにキャラアンチしながらss書くわゼブルブラストだわ…

2 :  SS好きの774さん   2017年08月06日 (日) 15:22:56   ID: JSqcrpwl

未プレイがss書くなやボケ。こんなゴミ読む価値もないわ。今日から黒バラは糞バラに改名しろ

3 :  SS好きの774さん   2017年08月20日 (日) 23:10:47   ID: 4_3cjl21

キャラのところを見たら内容ダンガンロンパじゃないってはっきりわかんだね

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