「恋愛相談の練習がしたいの」男「はあ?」 (13)

また妄想が溜まったので垂れながしていきます。

短いですがよろしくお願いします。

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幼馴染「そういうことだから早速やるわよ」

男「なにがそういうことだからなのかわからないんだけど」

幼馴染「あんた、私の幼馴染何年やってるの? それくらいわかりなさいよ」

男「なんて理不尽」

幼馴染「私、好きな人がいるの」

男「それは初耳」

幼馴染「でね、告白したいと思ってるの」

男「へぇ、じゃあ告白すればいいじゃん」

幼馴染「……しいのよ」ボソッ

男「え? なんだって?」

幼馴染「……恥ずかしいの」

男「ん? ボソボソなに言ってんだ?」

幼馴染「だから! 恥ずかしいって言ってんの! それくらい察しなさいよ!」

男「ははっ!」

幼馴染「なに笑ってんのよ」

男「お前に羞恥心があるなんて知らなかったもんで」

幼馴染「あんた馬鹿にしてるでしょ……?」

男「馬鹿にはしてないが馬鹿だと思ってる」

幼馴染「ていっ!」ゲシッ

男「ローキックはやめろ。普通に痛い」

幼馴染「ともかく! 私は恋愛相談がしたいの! あんたはそれに付き合いなさい!」

男「……さっきから気になってたんだけどなんで恋愛相談の練習なんだ? 告白の練習じゃないの?」

幼馴染「私にはとっておきの作戦があるのよ」

男「一応聞こうか」

幼馴染「好きな人に恋愛相談に乗ってもらうの」

男「好きな人に相談に乗ってもらうのか? 普通そういうのって女友達とかじゃないの?」

幼馴染「話は最後まで聞きなさい。恋愛相談に乗ってもらううちにどんどん親密になるでしょ?」

男「まぁ、親密にはなるだろうな」

幼馴染「それでいざ告白する時になった時、その人は思うわけ。『ああ、彼女に告白されるなんて羨ましいなぁ』って」

男「そうなのか?」

幼馴染「そういうもんなの! そこで私が『本当はあなたのことが好きだったの!』って告白すれば……」

男「告白すれば?」

幼馴染「まず間違いなくそいつは落ちる!」バーン

男「なんてことだ、馬鹿だ馬鹿だと思っていたがここまでだったとは……」

幼馴染「というわけで練習させて欲しいの」

男「そんな漫才みたいなことできるわけないだろ」

幼馴染「なんでよ! 二人の人間が顔を突き合わせて練習させて欲しいって言ったら練習させてあげるのが日本人のマナーってもんでしょ!?」

男「そんなマナーは日本には無い」

幼馴染「いいからやらせなさいよ。さっさとやらせなさいよ!」

男「女の子がそんなこと言っちゃいけません」

幼馴染「いいから練習させてよぉ……」グスッ

男「困った、今日の幼馴染はどういうわけか情緒が不安定だ」

幼馴染「練習してくれなきゃ私……折角必死になって考えたのに……」グシュッ

男「泣くなよ……わかったわかった。付き合えばいいんだろ? 付き合えば」

幼馴染「……本当?」ヒック

男「ちょっとだけだぞ?」

幼馴染「しのびねぇな」

男「構わんよ……ってなに言わせんだよ」

幼馴染「わたしー、今すっごい好きな人がいてー」

男「あれ? もう始まってる?」

幼馴染「それでー、告白したいと思ってるんですけどー、どうしたらいいですかー?」

男「なにそのムカつく話し方」

幼馴染「可愛い女の子の喋り方ってこんな感じじゃないの?」

男「それは可愛いっていうより、かわいそうな人の話し方だと思う。というより、もう既にちょっとお前がかわいそう」

幼馴染「うっさいわね! 続けるわよ! 告白したいと思ってるんだけどどうしたらいいの?」

男「告白っつってもなー、俺、お前の好きな奴がどんな奴なのか知らないし」

幼馴染「えー? その情報って必要?」

男「必要だろ。じゃなきゃアドバイスのしようがないだろ」

幼馴染「うーん……」

男「まぁ、でも好きな人に恋愛相談するわけだから遠まわしでもそいつのことを言わなきゃいけないんだろうけどな」

幼馴染「中々難しいわね」

男「そのための練習だろ? で、どんな奴?」

幼馴染「………」ジー

男「……?」

幼馴染「そいつはいつも私のこと馬鹿にしてて、口が悪くて、とっても意地悪で……」ウーン

男「やめちまえよそんな奴」

幼馴染「なんでよ!」

男「そんな性格の悪い奴の彼女になって幸せなのかお前は!?」

幼馴染「幸せよ! 多分だけど!」

男「というより最終的にそいつに告白するんだよな? そんなこと言ったら印象最悪だろ」

幼馴染「そっか。そうよね」

男「もっと相手のいいところを言ってやれよ」

幼馴染「いいところ……?」ハテ

男「お前、そいつのこと好きなんだよな?」

幼馴染「好きよ。殺しちゃいたいくらい好きよ!」

男「おっと、いきなりヤンデレ属性」

幼馴染「私のものにならないのならしょうがないよね?」

男「幼馴染にはもうちょっと広い視野を持って欲しいなぁ、俺は」

幼馴染「それで告白するにはどうしたらいいかな?」

男「普通に好きですって言えばいいだろ。男なら女の子に好きって言われたら喜ぶぜ?」

幼馴染「でもそれって味気無いじゃない」

男「馬鹿だなー、告白っていうのはそれだけで濃口なんだよ」

幼馴染「どういうこと?」

男「ただの言葉遊びだって。つまり、告白するってだけで特別なことなのに余計なことなんかしたら色々混ざってなにがなんだかわからなくなっちゃうってこと」

幼馴染「なるほど……」

男「ガツンと自分の気持ちを相手の目を見て思いっきり自分の気持ちをぶつければいいんだよ」

幼馴染「こんな感じ?」ジッ

男「そうそう」

幼馴染「私、ずっと前からあなたのことが大好きです!」

男「いいね。それで大体の男は有頂天になるってもんだ」

幼馴染「……男も有頂天になるの?」

男「え? 俺?」

幼馴染「……うん」モジモジ

男(なるほど、これも練習のうちか。幼馴染め、ちゃんと距離が近づくプランを練ってるじゃないの。よし、俺も付き合ってやるか)

男「うん、可愛かった。もし俺が幼馴染に告白されたら絶対OKしちゃうね」

幼馴染「本当?」

男「羨ましいよ。幼馴染に告白される奴が」

幼馴染「そうかな?」モジモジ

男「それで? 誰なんだ? 幼馴染の好きな奴って」

幼馴染「えー、恥ずかしいよ」

男「いいだろ? ここまで付き合ってあげたんだから。こっそり俺に教えてくれよ」

幼馴染「えー」

男「俺の知ってる奴? 知ってる奴だったら俺もサポートしてやるからさ」

幼馴染「……今日はやめとく」

男「なんだよそれ?」

幼馴染「心の準備ができたらちゃんと教えるから」

男「心の準備?」

幼馴染「ちゃんと教えてあげるから待っててね?」ニコッ

男「お、おう」ドキッ





幼馴染「……こ、こんな感じで大丈夫かな?」

男「中々良かったと思うぞ。最後はちょっとドキッとしたし」

幼馴染「ほんと? やった!」

男「まぁ、お前ならそんな遠まわしのことしなくても大丈夫だと思うけど」

幼馴染「そう思う?」

男「ああ、お前に恋愛相談される奴がちょっと羨ましいよ」

幼馴染「そっかー、そうなんだー」ムフフ

男「なにヘラヘラしてんだよ」

幼馴染「ねぇ、男。私、男に頼みたいことがあるんだけど」

男「なんだ?」

幼馴染「私、好きな人がいるんだけど、どう告白したらいいかわからないの」

幼馴染「私の恋愛相談。受けてくれる?」

男「……はい?」


終わり

以上です。

自分が書くとどうしても長くなっちゃうのでたまには短い話も書いてみたいなと思って書いてみました。
お付き合いくださりありがとうございました。

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