fate/OSR (44)

このssを読んでくださる方へ

このssはリレー小説で出来上がったものです。
文体の違い、同キャラ口調の違い、伏線の丸投げ、淫夢
およそ読むに値しない
完全にお遊びでできてしまったものです。。。

それでもよろしければぜひ読んでください。。。
よろしくお願いします??

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490848207

聖杯戦争ーーー
それは60年に一度行われる魔術師による魔術師のための戦い。
魔術師はサーヴァントと呼ばれる七体にクラス分けされた、過去、現在、そして未来の英霊たちを使役し、最後に残ったものたちが聖杯を手にいれることができる。
そうーーー 
物語は第七次聖杯戦争

2025年夏 新大久保駅

野獣先輩「ぬわぁぁん、つかれたもぉぉん…」
午後11時を過ぎ、タンクトップ姿で歩く男
「やめたくなりますよ~人生ぃ~」
ニコニコ動画、なんjで晒されまくり就職活動もままならないそれ(田所浩二35才)の眼は黄色く濁っていた
「じゃけん、夜(後輩を襲いに)行きましょうね^~」

警察に追われながら市街地を暴走する男達
彼らは日々の生活に辟易し
その鬱憤を晴らすべく夜の日課を続けている
その一団に所属している
「暴走族(キャラ名)」は
バイクのテクニックこそ優れているものの
ヤンキー特有の気性の荒さを持っていない只の青年であった
聖杯戦争開始の前日
叔父に頼まれ叔父家の納屋の整理を頼まれた暴走族は
納屋の片隅に置かれた馬頭琴を目にした

ロシアーーー。
雪がしんしんと降る田舎で、ひときわ目立つこの地に不釣り合いなお屋敷があった。
リビングと思われる大きな間取りの部屋には暖炉があり、その揺らめく炎を少女は見つめていた。
すっ、と顔を上げて時計のはりを見る。
時刻は0:00になろうとしていた
「ウディア」
少女が呼ぶと近くにいた世話係と思われる男がかしずく。
「なんでございましょう」
「例のものは?」
「ここに」
そう言って200㎝はあるであろう細長い木箱を机におく。
「……そう、じゃあ始めるわ。ついてきなさい」

遠野宅にて

野獣先輩「おっ(扉)開いてんじゃ~ん」
チャイムも鳴らさずズカズカと土足で上がりこむ野獣 いつもと違って部屋の中は薄暗く、鉄臭い匂いが漂っている
遠野「先輩!?なにやってんすか?」
バツの悪そうな顔をして立ち竦む遠野 右手には赤く染まった拳銃を握っている
「ファッ!? 遠野…暴れんな…暴れんなよ…!」野獣はホモ特有の早とちりで遠野の拳銃を奪い取り組み伏せる
「しょうがねぇなあ…悩み事があるなら相談しろよ」「先輩!?!これはそういうことじゃないんです!!」「十悔い改めて十」
暴れる遠野をいつものように組み伏せる野獣 すると元々足元に描かれていたのだろうか?部屋の足元をぐるりと囲むように紅い光が仄かに灯った 足元の文字のようなものが白んだ

男は昔平和を望んでいた
争いを無くし皆が幸せに暮らすそんな世界にしたかった
争いを無くすために男は軍隊に入り
何人もの人を殺し続けた
「このままでは戦争は終わらない」
そう感じた彼は軍のトップになった
彼の軍は最強であり全ての敵を討つには充分であった
しかし、倒せども倒せども敵は現れ続けた
いつしか彼はこの世を統一するための
究極の「武器」を求めた
圧倒的な力を見せつければ
誰も争いをすることもなくなるだろう
彼はその力を探す中で聖杯の存在を知ることとなった

イギリスーー。
日はまだ昇っているものの若干肌寒く街中だというのに人通りはそう多くはない。
大通りから外れて少し狭い街路地をハンドバッグを持って、はや足で歩く男がいた。
髪は後ろで結ばれ、顔立ちが整った、まさしく伊達男という言葉が似合うような男だ。
「くそっ!」
男は乱暴に玄関のドアを開けてそのままドカッとソファーに腰をおとした。
「あのクソババア! ギリギリで赤サギだと気がつきやがって! 俺の七ヶ月がパアだ!!」
乱暴に言い放ち力一杯拳を握る。その手には怪我でもしたのかアザが浮かび上がっていた。
力んで疲れたのか男はすぐに全身の力が抜けたようにうなだれた。
「あーあ、慣れねぇことするもんじゃねーな、くっそー……。いろんな種類の詐欺ができりゃ儲けもまただいぶん違うと思ったんだが……赤サギだけは俺向きじゃねぇな」
整えられた髪をガシガシとかく。
「でもまぁ、今回は家宝とやらを手に入れれたし、これでも売っ払ってしばらくの生活費の足しにするか」
男はハンドバッグからダイヤルがついたルービックキューブほどの銀色の箱を取り出した。

日が傾き、街全体が茜色に染まり遠くの山々が青く染まる
少女は1日の中でもこの瞬間が一番好きだ
街の中で一番高いであろう鉄橋のへりに頬杖をつきながらそれを眺める
「ようやく…機会が巡ってきたんだよね」
スマホを片手に1人呟く
周りには無機質なドローンが飛び交い、ゆらゆらと浮かび、影法師もそれに呼応して伸び縮みしている
「今日の時間割は数学、古典…」
フリック操作しつつカバンに目をやる
乱雑に詰め込まれた教科書 時代錯誤なセーラー服に身の丈に合わない刀を二口ぶらさげている様は一見コスプレか何かに見える
「ん…こういう場合は休学ってことになっちゃうのかな…?」
「…まあ、高校生は2/3出席すればいいんだっけ?」「でもそれじゃ非行少女じゃん…ゲスの極みだよ…」
1人でブツブツと呟く少女 しかしその姿を見て訝しむ者は1人としていなかった
なぜならこの街には人間は彼女以外いないからだ

この世界には魔術なるものが存在している
その事を知ったのは軍の中でも高い地位に
ついてから知ったことだった
にわかに信じがたいが
この科学文明の裏で密かに存在しているようであった

一部の者しか入ることの許されない書庫に入り
そこで魔術についての知識を得ることにした
魔術に関する文献の中で目をひいたものがあった
万能の願望器と言われる聖杯である
万能であるというならば
私の願いも叶える事ができるはずだ
魔術の技能のない私では聖杯を制御できないだろう
まずは魔術師の協力者を探さねばならない

男は銀色の箱を開けた。
その中身を見て男は言葉を失った。
中にあったのは小指ほどの木片と細長く丸められた羊皮紙であった。
「……な、なんだよこれ。こ、これが……家宝??」
口から乾いた笑いがこみ上げる。
「こんな木の欠片と羊皮紙に俺は七ヶ月を費やしたのか……」
詐欺が失敗した男にとってはこの銀箱の中身だけが唯一の希望であった。しかし、それも今消え失せ男は虚無感と脱力感にとりつかれた。


少女とその世話係の男は地下室にいた。
「相変わらず気味の悪いとこね」
少女は興味もなさげに言う。
窓はなく、怪しげな液体の入った瓶やカラクリ人形がまたいっそう部屋を不気味にしていた。
「ユニお嬢様そろそろお時間です」
「分かってるわ、そのためにこんな陰険なとこに来たんだもの」
少女は床の埃を足で払う。
「ここでいいわ。ウディア、ここに魔方陣を描けるくらいのスペースを開けて」
「かしこまりました。ではこちらはお嬢様に預けます」
そう言って少女の足元に木箱を置いた。
少女はしゃがみこみ木箱を開けた。
弓具ーーー。
傷ひとつなく、とても古代の遺物とは思えなかった。
「すごい……」
思わず少女は感嘆する。
「本当におっしゃる通りです。それが太古の昔に大地を割り国境を作った弓を放った弓具だと、今でも信じられません」
「なによ、私の千里眼が信用ならないの」
少女はじろりと睨みつける
「いえ、そういう意味では……」
「なら、文句言わずにとっとと手を動かしなさい」


「んぁ?」
伊達男とは思えないくらいの間の抜けた声とともに男はソファーから起き上がる。
「いけねえや、いつのまにか寝ちまってたらしい」
日はいつのまにか落ち外は薄暗くなっていた。
机に目を向けると例の銀色の箱が置いてあった。
男は浅いため息をつき中の羊皮紙を取り出す。
羊皮紙は思っていたよりも大きかった。そこには闇に紫色に光る魔方陣が描かれていた。
「……おぉ」
思わず男の声が漏れる。
魔方陣とは別に羊皮紙の右側になにやら文字が書いてあった。
「ん? なんだこれ、素に銀と鉄……。なんかの呪文か?」
羊皮紙を両手で広げたまま再びソファーに仰向けになる。
「そういやぁ、死んじまったじいさんが言ってたような気がするな。魔術師が使い魔を召喚するには触媒と特殊な魔方陣が必要だって……」
男は固唾を呑む。
「ま、まさかぁ! 俺魔術師じゃないし、それに触媒ってなんだよ! 魂か? それだったらごめんだな」
よっ、と言い起き上がる。
ふと目を落とすと銀箱の中の木片に目がいった。
触媒ーーー。
先程の二文字が頭をよぎる。
「……いや、でも」
言葉とは逆に男は羊皮紙を地面に広げ木片を魔方陣の中心に置いた。
その口許は今までになく震えていた。


「お嬢様、準備ができました」
空いたスペースに少女は魔方陣を描く。
「ウディア、聖遺物を魔方陣に」
「かしこまりました」
少女の命令どうりに世話係はそれを置く。
時計の針は二本とも12に止まった。
「いくわよ」
少女は大きく息を吸い込む。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。」

「ふ、ふ、降り立つ風には……壁を。 四方の門は閉じ、お、王冠より出で、王国に至る……三叉路は循環せよ……っ」

「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
  繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

「う、つ、告げる。
汝の身は我が下に、……我が命運は汝の剣に。
聖杯の……寄る、べに従い、この意、この理に従うならば……応えよ」

「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

「「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!」」
全ての詠唱を言

部屋に立ち込めていた煙が徐々に消えていき魔方陣の中の人影が次第に見えるようになった

手を合わせ祈るような姿を見せる遠野 状況が掴めず池沼の様な表情を浮かべる野獣 そして煙の中から現れたのは…

「なんだこのガキ!?!」「先輩!?いくら事実だとしても初対面の子に失礼ですよ!!」

野獣たちの反応も無理はない 160㎝に満たない身長に身の丈に合わないスナイパーライフル 白髪に白い肌
「遠野…いくら屑でも超えちゃいけない一線があるだろ…」
歳はまだ高校生、いやもしかしたらそれ以下かもしれない
「先輩がこんな時に来るからですよ… あーもうメチャクチャだよ…」
「遠野、今からでも警察行こう…な?」「後輩を昏睡レイプする屑に言われたくないですよ!!」「まあ、多少はね?」

「貴様がマスターか?」

「は?」野獣はその言葉を聞き思案し「遠野…中々イイ趣味してんじゃねえか?」ニヤつきながら遠野を見る先輩 少女はため息をつきながら
「違う、私はそこの爬虫類顔の人間に尋ねているのではない クッソ汚い汚物みたいなお前に尋ねているんだ」 「ファッ!?!頭にきますよ…」

野獣は自らの右手に令呪が刻まれていることと、これからの出来事をまだ知る由もなかった

聖杯の獲得に協力する者を
外部に漏れないように
募ってみると
協力者は案外簡単に見つかった
どうも魔術師の中でも
戦闘に出たくはないが聖杯は欲しい
そういった連中はいるようだ
こちらが魔術師だろうがそうでなかろうが
余り気にしないことについては驚いたが
スムーズに話が進むのであればそれでいい

協力者の「工房」とやらに
向かうため車に乗り込む
いつもならヘリを使うところだが
余計な手間をかけたくない

指定されたポイントに到着してみたが
周りの家と然程見た目の違いはなかった
だが、「人払い」が仕掛けられているらしく
周りにも生物の気配が全くしないことが
他の家との大きな違いであった

門の前に立ち指定されたワードを読み上げる
鍵の開く音、そして力をいれていないのに
門は開いていった

>>15続き

部屋に入ると白髪の女性がいた
髪はかなり短く中性的な顔立ちから
言われなければ男性と思ったかもしれない
彼女の左手の赤い刻印「令呪」が
自分の協力者であることを表していた
「私はロイドだ。
君が私の協力者のリサか?」
彼女はその問いかけにコクンと首を縦に振った

彼女は非常に無口なようであり
会話には些か苛立ちを感じたが
彼女から聖杯戦争を戦うための知識を得ることができた
「大体は分かった。
だが、どうやって俺をマスターにする気だ。既に君はサーヴァントと契約済みのようだか。」
「……魔翌力のないあなたにはサーヴァントの契約は出来ない。だから代わりに私が契約した。その代わり令呪を使って命令権をあなたに委譲する」

リサの左手の令呪が光ると赤い本が一冊現れた
「……この本はあくまで疑似的なものだから、サーヴァント本来のステータスや宝具を発揮できない。無理をすると本が破壊されるから気を付けて。」

これで私もマスターとして聖杯戦争に参加できるようだ
だが、まだ疑問は残っている
「ここまで君は何も言っていないが
誰を召喚した?そいつは何処にいる?」
リサは背後を指差し、
「ポセイドン、アインツベルンのヘラクレスにも引けを取らない協力なサーヴァント。」
手元の本を使いポセイドンの霊体を解除させると
2メートルはある半裸の男が出現した
「お前が仮初のマスターか。本来なら貴様の命令なぞ聞きたくもないが、せいぜい頑張るといい。」

部屋中に埃が舞った。
少女の目の前、魔方陣の中には一人の男がいた。
「おっと、今回も女のマスターか」
落ち着いた声質とはうってかわって、発した言葉はどことなく気が抜けたものであった。
少女は最初は呆然とした様子だったが、すぐに気を取り直した。
「あなたが、あのペルシャ神話の英雄で間違いないのね」
「あぁ、東方の大英雄アーラシュとは俺のことだ。よろしく頼む、マスター」


砂埃が舞う部屋に、羊皮紙が床に広がっている。
つい数秒前、呪文を言い終わった刹那、男は一瞬雷のようなものが目の前を走ったように見え本当に使い魔を呼び出してしまったのかと思った。が、しかし、それは杞憂であった。目の前にはただの羊皮紙があるだけであった。
「……はっ! やっぱりな。そんな馬鹿げた話があるかっつうの」
「何がですか?」
男の背後からイキイキとした声が聞こえた。
男は一瞬にして距離をとっり、懐に隠し持っていた銃をソイツに向ける。
「だ、誰だ。どっから入ってきやがった!」
銃を向けたソイツは二十代前半であろうか若々しいハンサムな顔つきで、身長は一般男性の平均よりも少し高いくらいだった。
若い男は妙ににこにこしていた。
「嫌だなァ、そんなマグ……そんな物騒なものこっちに向けないでくださいよ」
若い男は一歩歩み寄る。
その手にはなにやら30㎝ほどの木の棒を持っていた。
「こっちの質問に答えろよ」
「あなたが僕を召喚したんですよね? 何を疑問に思っているんですか? 僕にはあなたが分かっていないところが分からないです」
そう言ってにっこり笑った。
男は若い男をじっと見つめながら頭のなかをフルに回転させていた。
ーーー召喚
ーーー俺しかいないはずの部屋に行きなり現れた若い男
ーーー触媒
ーーー手に持っているヤツの棒切れ
嫌な汗が男のほほをつたった。
「ま、まさか本当にーーー」
「どうやら理解できたようですね。そう、僕はあなたに召喚されたサーヴァント。あなた的に言い換えると使い魔ですかね。よろしくお願いしますよ、マスター」

真っ白な壁と床、真っ赤な般若心経の写経 それに小さな魔方陣
学校の教室より少し広めの空間に二つの人物が相対していた
「宮本…武蔵さんでいいのよね?」
髪をかき上げながら尋ねる少女
「如何にも」 眼を閉じ、胡座をかいたまま頷く老人
「ふーん、あっそ」
想像していたより武人らしさは感じられず、どちらかというと芸術家という感じだ
髪を結う髷や少し褪せた着物、そしていかにもという感じの二本の刀
(山奥でひたすら皿焼いては壊してそうなおじいちゃんだな
臥薪嘗胆とか一所懸命とかそういうタイプではなさそうね…)
一つ、大きく息を吐く 期待外れと思ってしまったがもう後には引けない
「宜しくねおじいちゃん。 私、柊 琴音 っていうの。自分の中ではひーちゃんとかおこと、あとはそうだね~色々あだ名があるけど、まあ適当に呼んでよね宜しく」手を差し出し握手を求める 掌は一杯に広げ、最大級の笑顔で接する
「お主が、儂のマスターなのか?」眉をひそめ訝しむような表情を見せる老子
その問いに「如何にも」とあざとい笑みを浮かべながら答える少女
「やれやれ…厄介そうな娘だのう…」
老子も大袈裟に一つ、大きく、息を吐いた

話はとある少年に戻る

「馬頭琴ねぇ…叔父さんは変なものばかり集めるからなー」
この納屋はどうもかなりの昔から建っていたようあった
ふと周りを見渡せば何に使うか分からないガラクタが
ぎっしりと詰まっている
「叔父さんはこれを全部片付けさせる気かよ…

………これはなんだ?」
暗がりで今まで気づかなかったが
床の一部が木の板張りになっている
この納屋は石畳になっているから不自然だ
興味もあるし、その板に近づいて調べることにした

「これは地下室か?」
この納屋に地下室があるという話は聞いたこともない
入ってみようかと思案していると
「隆盛、飯にしないか」
後ろから叔父の呼ぶ声が聞こえた
気づけば空は暗く、日は沈みかけていた
地下室はまた今度でもいいか
そう思いながら俺は家に向かった

今日の飯は叔父さんが作ったものだが妙に不味かった
叔父さんいわく塩の量を間違えたらしい
飯もあまり食べることもできなかったし
体もだるいので早く寝ることにした

数時間後体の奥から起こる痛みで目が覚めた
目の奥を爪楊枝で何回も刺し
身体中の皮を剥ぎ、臓物という臓物を生きたまま食べられるような
そんな痛みが走る

意識が遠くなっていく
ぼやっとした視界の中で
俺の声を聞いて駆けつけた叔父さんが見えた

>>19の続き

……………
何時間たった?
ここはどこだろう?

……叔父さんの声?

「さあ隆盛今から言う言葉を続けて言うんだ。
触媒はこの弓だ。
もうすぐ、もうすぐだ。」

叔父さんの命令するがまま
念仏とはまた違った「何か」を唱えていた
足元は円形の落書き…ゲームの中で見た魔方陣のようなものが書かれていた

叔父の声が聞こえる
「これで願いは果たされる。
私を中心とした世界の創造までもうすぐだ。」

話していることはよく理解できない
でも、この人のやることは止めなくてはいけないと直感で理解した

口は止まらないが体はなんとか動く
どうすれば妨害できるか?
この弓をどかせれば止まるかもしれない

直後動かない体をどうにか動かし
魔方陣から弓を蹴り飛ばした
「隆盛!何をする!
暗示が解けかかっているのか。
最後まで役目を果たせ!」

弓をどけた直後から吐き気がしてきた
どうも弓のあった場所には
何か物を置かないとまずいらしい

近くに何か別のものはないか
!馬頭琴か、こいつを置いて…

置いた直後に詠唱は終わり召喚は完了する
目の前に現れたもう一人の少年は
民族衣装に身を包みその腕には
馬頭琴が抱えられていた
「サーヴァント、ライダー召喚に馳せ参じました。」

これで正解だったのだろうか
今の自分には分からない
後はおぞましい形相のこの男をどう対処するかだ

「よろしくお願いしますよ、マスター」
若い男はにっこりとして右手を差し出す。
が、伊達男は銃を突きつけたままだった。
「そういうわけにはいかねぇ……。詐欺師ってのはよ、人間を視るのが得意でね。あんたからはヤバさしか感じられねぇ。俺が今まで会ったことのあるどの人間よりもだ」
若い男はピクリと眉を動かす。
「さぁ、もう出てってくれ。俺だってできれば撃ちたくないんだ」
棒切れをもった若い男は何か答えようとするわけでもなく、かといって素直に部屋から出ていこうともしなかった。
静寂と沈黙が訪れる。

「つまり、魔術師(笑)の大会に出て優勝したら願いが叶うのか?」
ホモ特有の洞察力で話を理解する野獣(汚物)
「まあ…簡単に言えばそうですね」
これ以上説明するのが面倒なので適当にあしらう遠野
「やれやれ…こりゃとんだ知恵遅れじゃないか…」 少女は眼を細めながら野獣を見つめる
鼻の毛穴には油がつまり黒く変色しており、肌のいたるところにニキビがあり見るからに汚物といった感じだ
「まあ、多少はね?」
少し誇らしそうな表情を浮かべている
(この汚物ヘッドショットしたい…)
マスターとの共闘に一抹の不安を覚えた少女だった

ようやく全身に力が入るようになってきた
「叔父さ…あんた、俺を使って何をした?
説明してくれ。」
叔父さんだったものはこちらを血走った目で見ている
しばらく沈黙が続いた
「いいだろう最後になるだろうし話してやる。
俺の家系は代々魔術師の家でな。
魔術から逃げたしたのがお前の家系ってことだ。

何を言ってるのか分からない
魔術?そんなものがあるのか?
俺の様子なんか気にしてないようで
あいつは話を続ける
「………って訳だ。
俺は残念ながら魔術回路が乏しくてな。
魔術回路の豊富なお前を使えば
より強いサーヴァントが召喚できるはずだったんだよ。
お前は分かってないだろうがな、恐らく魔術師としてかなりの資質を秘めているぜ。
だから、ここまで念入りな準備をしてきたんだ。
触媒を探し、儀式の準備をし、お前の魔術回路を強引に開き、暗示をかけ、あともう少しのところで、お前は全てを無駄にしたんだ!!

叔父さんがこちらに指を向ける
「まあいい、計画しているよりも
ずっと弱いサーヴァントだが、いなければ聖杯戦争にも参加できん。
その左手を頂くとするよ」

指から光弾が射出される
この事がガントと呼ばれる
術式である事を知るのはまだ先の話だった
「危ないですマスター、下がってください!」
光弾こちらに当たる刹那、召喚された少年は隆盛の前に立ち、自ら盾となる

「おいおいお前、サーヴァントの癖に
一工程《シングルアクション》の魔術も無効化出来ないのか。
とんだヘボサーヴァントだな!
頼むから死なずに眠ってくれよ!」
一際強い光弾が少年を射す

このままでは彼は殺されてしまう
「おい、ライダー…だっけ?もう充分だから逃げてくれ。」
「しかし、マスターを守らるのがサーヴァントの責務です。
みすみすあの男に殺させはしない!」
直後少年の体が後方に勢いよく飛ぶ
「後はお前だけか。
心配すんな、左手千切るだけだからさ。」
男は口角を上げニヤリとこちらを見た

伊達男も若い男もにらみ合う。
沈黙を破ったのは若い男だった。
「……分かりました。なら、出ていかせていただく前にひとつ、話をしてもいいですか」
銃を構える男は黙ったままだった。
それでもお構いなしに若人は言う。
「ーーー聖杯戦争について、ご存じですか」


朝。
いかにもお姫様が寝るような四方にレースのついたベッドで少女は寝ていた。
目覚ましがけたましく鳴り響く。
「うーん、うるさい!」
少女ーーー、ユニは、げんこつを降り下ろし時計を止める。
ぶるっと身震いしたあと、再び布団の中で丸くなる。
「おいおい、こんな雑にあつかうな。物は大切に扱え」
どこからともなく男が部屋に現れる。ユニは布団の隙間からジロリと彼を睨む。
「必要ないときは霊体化しときなさいって言ったでしょ、アーラシュ」
「まあ、そういうな! 俺だってずっと霊体化してると身が狭いんだ」
「ちょっと! 声大きいんだけど!」
ユニは両手で耳を塞ぐ。
「そうか? そこまで大きな声を出したつもりはなかったんだが……」
困ったように頭をかく。
「なんにせよマスター、もう朝だ。そろそろ起きて朝飯でも食おうぜ。さっきから食欲を誘う匂いがしてたまらねぇ!」
そう言って鼻から深く息を吸い腹をさする。
ユニは不機嫌そうに布団から出てくる。
「アーチャー、もしかしてあのあとからずっと私のそばにいたの?」
「えっ? そうだけど」
その言葉を聞きさらにユニは不機嫌そうな顔つきになる。
「あのね、仮にも私は女の子なの。その女の子の部屋に許可なく侵入して挙げ句のはてに一晩中いたの? 信じられないわ」
「お嬢ちゃんを守るのが俺の仕事だろ? なら別に構わんだろ。それともなにか、自分は男に襲われるほどかわいい自信でもあるのか?」
アーチャーはニヤリと笑う。
「アーチャー、少しは私に対する言葉を選んだ方がいいわ。“マスターは私”なのよ」
そう言って左手の甲をさする。
アーチャーはおどけたように肩をすくませる。
「わかった、わかった。これからはリビングにででも寝る、それでいいだろ」
「ふん、最初っからそうしてればいいのよ」
捨て台詞を吐き、三再布団にもぐる。
「おいおいおい! お嬢ちゃん! また寝るのかよ! 朝御飯食べに行こうぜ!」
「あー! もううるさい! まだ寝ててもいいじゃない! 昨日夜遅かったんだから!」
布団の中からアーチャーに負けず劣らずの大声で反論する。。

>>25続き

アーチャーはクワッ! と目を見開きユニから布団を剥ぎ取る。
「人間ってのは自然から生まれた生き物だ! 日が昇ったら起きて活動し、日が落ちたら寝る。それが人が人として自然に生きるということだ。」
「うるさい! うるさい! 布団返しなさい!」
「ダメだ! 朝飯食いにいくぞ!」
アーチャーは断固として布団を渡すまいと両腕をあげ布団を持ち上げる。
ユニは全身を震わせる。
「アーチャー!」
そう言ってユニは左腕をまくる。その手の甲に令呪が輝く。
「令呪を以てーーー」
「おらっ!」
ユニが言い終わる前にアーチャーはユニを殴る。
ユニはベットから転げ落ちる。
「こんなつまらんことに令呪を使うな。もっと大人になれ大人に!」
「あ、あなたに言われたくないわよ! 信じられない!」
ベットを支えに起き上がろうとするその眼には、涙が浮かんでいた

冬木市北部
深夜12時近く人一人いない草木が生い茂るそこから二人の人影が街を見下ろしていた
「ふむ、地形的にも申し分ない。この世でも有数の霊地だのお」
暗闇の中で呟く老人 側にいる少女はガイドブックを見ながらあーでもないこーでもないと唸っている 丘から眺めるその都市は真夜中でも燦々と光り輝いていた
「マスターよ、こんな遠くから見るだけでは全容は把握できぬぞ」
「あの光の一つ一つ、全てに人間が関わってるって思ったらなんか、こう…ゾクゾクしちゃうよね」
「話を聞けい」
横目でジロリと少女を見る彼
「ていうか、マスターって言うの禁止って言ったでしょー 琴音ちゃん、もしくはお琴にしてよ」
ムッとした表情になる少女 制服姿の彼女と和服姿の彼(64)をはたから見たら犯罪を連想してしまうだろう
「なら儂のこともおじいちゃん…ではなく。
もとい武蔵、もしくは敬意を込めて宮本殿…と呼んでほしいのう」「却下」「ふむ…」
やれやれ…という表情をする彼を尻目に彼女はまた本を見ながら唸っている
「ドローンとやらで全体を把握したのだろう ならあとは住む場所を探しながら偵察…でも良いじゃろうて」
「まーまー、まだ聖杯戦争まで一週間あるし…」本をパタンと閉じる少女
「それに、遠足って前日の準備するときが一番楽しいっていうじゃない」 笑いながら彼女は言う
「ね、おじいちゃん」「はあ…」
頭を掻きながら老人はため息をついた

指からガントが射出される
それは隆盛を行動不能にするのに
充分な威力だった
「生きたまま腕を切られるのは嫌だろう?
俺は優しいから、殺してから切断するよ。」
男は隆盛に馬乗りになり首に手をかけた

このまま俺は死ぬのか?
シニタクナイ
俺は納屋の片付けをしに来ただけなのに
シニタクナイ
何で俺がこんな目に
クルシイ クルシイ
俺はなにも悪いことはしてない!!
ナゼオレガコロサレル?
ああ、叔父さんが恨めしい
コロサレルベキハオマエ
叔父さんってこんな顔だっけ
シンデシマエ
まるで悪魔見たいだな
オマエナンカシンデシマエ
悪魔なら……叔父さんじゃないか
シンデシマエ

隆盛の意識を消える寸前、首にかかっていた力がなくなった
体は酸素を欲し、たまらず咳き込む
よく分からないが首を絞めるのを止めたらしい
叔父の方を見ると信じがたい事が起こっていた
叔父が自分で自分の首を絞めている
俺が混乱していると、そのまま叔父は死んでしまった

「ライダー、体は大丈夫か?」
「ええ、もう大丈夫です。」
「何故あいつは死んだんだ?
ライダーがやったのか?」
ライダーは驚いたようであったが俺に説明してくれた
「マスター、あなたは無意識の内に魔眼を使ったようです。
魔眼とは外界を取り込む機能をもつ眼を
逆に外界に働きかける魔術のことです。
魔眼には様々なものがありますが…
マスターの魔眼は見たところ《暗示》の性質があるようです。」
「うーん。
要約すると相手を操ることができるのか。」
「そういうことになります。
今後はあまり人と目を合わさない方がいいかもしれません。」
「分かった。
ところでライダー、俺は今の状況が分かっていないんだ。
知っている範囲で構わないから教えて欲しい。」

ライダーの話は興味深く、
俺は様々な質問をした

大方満足してきた頃
納屋の扉から日の光が差し込んできた
俺の聖杯戦争はまだ始まったばかりだ

「なるほど。……で、その聖杯戦争とやらに勝ち抜けば何でもひとつ願いが叶うと。そういうわけかい」
銃を構えたまま男は落ち着き払って言う。
「そういうわけです。あなたはあなた以外の六人のマスターと闘っていただいて勝ち抜いてもらわねばなりません」
再び若い男は一歩、歩み寄る。
「あなたには右手に先程お話しした令呪がある。それがある限り他のマスターに狙われてしまいます」
また一歩、また一歩、若い男は歩み寄る。
「どうですか、僕があなたを守りますから僕のマスターとして聖杯戦争に参加しませんか」
男は若人の話に合点がいっていないのか、眉間のシワを寄せ、依然として銃を下ろそうとしない。
「お前の話は信用ならねぇな。何でもひとつ願いを叶える器がある? 七体の英霊と闘う? はっ! 妄想はそこまでにしとけよ。嘘つくんならもっとましな嘘つきやがれ」
「……分かりました。………………ならもう貴様は用済みだ」
若い男は手に持っていた棒を振るう。
しかし、それより早く男は銃の引き金を引いた。
銃声が轟いた。


ーーー確実に心臓をぶち抜いた
男はそう思った。
だが、その確信は全く正確ではなかった。
銃弾は若人の数センチ手前で止まり床に落ちた。
男は愕然とした表情に満ちる。
ーーーありえない!
そう思わざるを得なかった。
「……分かったか、マグル。貴様に俺は殺せん」
そう言って男に向けて杖を振るう。
「インペリオ、服従せよ」
ビクンと男の体は波打つ。
「マグル、貴様の名は何と言う」
「アーシュエッター・アート。あんたの名前は?」
そう言って伊達男ーーー、アートは右手を差し出す。
「俺か? そうだな……」
若人はしばらく考え込むように顎をさする。
「…・…トム、とでも呼んでくれ」
「オーケー、トム。なら握手をしよう」
「……俺がマグルと握手すると?」
「でもよ、さっき俺に手差し出してきたじゃねーか」
「演技だ。貴様を支配下においた今、穢れた血などと握手をしようとも思わん」
「うーん、まぁ、それもそうだな」
アートは手をポケットに戻す。
「それで今後はどうするんだ、トム。他のマスターを探しにいくのか?」
「もちろんだ」
「どこに」
トムはニヤリと邪悪に笑う。
「日本ーーー、冬木だ」


「そんな怒んなって。悪かったよ、あやまる」
食卓につき朝食を食べながらアーチャーはあやまる。
謝られたユニは、しかし、なんの返事もなく、ただ黙々とご飯を食べる。
アーチャーは浅いため息をつく。
「おっさーん。お嬢ちゃんスネちったよ。どうにかなんねーのかい」
「ユニお嬢様は頑固ですからね。一度へそを曲げるとしばらくは戻りませんよ」
「あぁ……りょーかい」
暫く食器の音だけが部屋に響く。
誰も何も喋らなかった。
会話の沈黙を破るかのようにアーチャーは音をたててフォークを置く。
「お嬢ちゃん。それでいつ戦いにいくんだ。俺の方はいつでも準備万端だぜ」
ユニも手に持っていたスプーンを置く。
「……そうね、夕方にでも発つつもりよ。そうすれば昼頃には日本にーーー、冬木の地に着くでしょう。そのためのチケットはもう取ってあるわ」
「えらく手際がいいな、お嬢ちゃん。優秀だな」
「当然」
ユニの不機嫌そうな顔が少し緩んだ。

ここまで七人の各々のマスターとサーヴァントたちの
物語を書きました。


結構分かりづらいと思いますので
基本的に1スレ毎に違うサーヴァントとマスターを
書いてるものと思ってくれて構いません。

一通り書いたらまた、同じサーヴァントとマスターを書いてます。


では、ここからそれぞれの物語が交錯していくので
お楽しみください!

>>32

1レスですね
間違えました

次からは主人公?を中心にして書いていきます。
(あんまでばんないけど、、、)

???「衛宮くん…衛宮!」
自分の名前を呼ばれハッと我に帰る
衛宮「…? ここは…?」
???「周り見たらわかるでしょ」
呆れながら椅子から立ち上がり帰り支度を始める少女
部室には薬品や実験道具がいたるところに置かれている
衛宮(あー、部活中に寝ちまったのか…っていうか)

衛宮「お前誰だよお前!!?」

この穂群原学園第二棟3階の東
物理科学研究(同好)会には俺しかいない ていうか俺しか居てはいけない
柊「まーまー、落ち着きなって。
そも、お前はひどくない?私には琴音っていう立派な名前が…」
衛宮「こんな部活に女の子がいるわけないだろ!? 」
柊「あー、確かに」
よれたリュックを背負い、ガイドブックを持ちながら返事をする琴音
柊「でも去年入学した時、暇になったら入部してあげるっていったじゃない?」
衛宮「あれ?そうだったっけ?」
入学式にこんな子いたっけ? そもそも顔見知りだったか? よくよく考えるとそんな気もしなくはない 俺の記憶違いか?
じゃあまた明日とだけ言って出て行く少女
納得がいかないがもう下校時間になる 仕方なく衛宮も支度をすませ教室を出る
よく分からないが人が増えれば部費も増える
衛宮「まあいいか」
そういって自転車を漕ぎながら正門を出る
帰宅の途につく生徒も殆どいない
時刻は6時を過ぎている
(あと一人、部員がいれば…隆盛でも誘ってみるか)

「ライダー、とりあえず学校に行ってくる。
騒ぎになってもまずいしな。」
あれから体の調子は問題ない
あの異常な高熱は叔父が薬を混ぜたんだろうけど
半日もすれば元通りになっていた
「なら、私も付いていきます。
霊体化すれば周りにも気づかれないでしょう。」
「そうだな、用心すべきだしよろしく頼むよ。」

いつもと変わらない穂群原学園の道
夜の出来事が嘘のように感じるほどだ
(聖杯戦争か…
特に願いとかないんだけど
な。)
これからの事を考えていると
いつの間にか学校に着いていた

昼休憩に同じクラスの衛宮が部活に誘ってきた
後ろにいるのは衛宮と同じ部に所属している柊のようだ
「俺、夜にやることがあるから中々来れないかもしれないけど、
それでいいなら。」
「部員が集まるなら歓迎だよ。
それにそこまで本気で活動している部活じゃないしな。」

放課後衛宮たちと部室で過ごした
何ら変わらない放課後
ふと感じる柊に対する疑念は
いつの間にかかき消されていた

『マスター、何者かがこの学園に潜んでいます。
サーヴァントかは分かりませんが
警戒を怠らないでください。』


教会。
ここは不気味なほど静かで、不気味なほどに明かりが付いていない。
そこに男が一人。
経壇に立っていた。
「どうやら、気のはやいマスターが二人もいるようだな」
目をつむり、独り言を呟くように語りかける。
しかし、誰が答えるわけでもなく、再び男は語る。
「まぁ、サーヴァントが七体揃ってから開始というルールはないから、気のはやい、というのは取り消しておこうか」
独り言のように語っているのにも関わらず、教会に反響しているせいか、かなりの声量となっていた。
「さぁ、あのとき魔術教会で聞かせてくれた君の父の理想の結晶を見せてもらおうか。衛宮士郎の息子よ」
ふっ、と軽く笑い最後にこう付け加えた。
「まぁ、その前にはやく令呪を宿さねば死んでしまうやもしれんがな」

「……わかった」
隆盛は答える。
ーーーとは言ったものの、ここにはまだ衛宮も柊もいる。万が一のことを考えてコイツらにははやめに帰ってもらおう。
「なぁ、衛宮、柊。もうそろそろ完全下校の時間だ。部屋の鍵は俺が閉めとくからお前らは先に帰ってていいよ」
しかし、衛宮は首を横にふる
「いや、部長は俺だしそこは責務を果たさないとダメだ。気持ちだけ受け取っておくよ」
「そうね。私も副部長として残るわ」
その言葉に衛宮が反応する。
「おい、俺はそんなこと聞いた覚えがないぞ。いつの間になったんだ?」
「えー、衛宮君がいったんでしょ」
「えっ、あれ? そうだったか? うーん」
ふふっ、と柊は艶かしく笑う。
しばらくの間、二人は隆盛などお構いなしに問答を続ける。
ーーーまずいぞ、どうする!
隆盛は内心焦っていた。
ーーーライダーはサーヴァントかは分からないと言っていたけど、控えめなヤツだ。間違いなくサーヴァントがこの学園のなかにいる。ということは必然的にマスターもこの学校のなかにいるということになる……のか?
隆盛は固唾を飲み込む。
ーーーいずれにしても、この二人をはやく学校から出ていかせないと。
ふぅ、と隆盛は心を落ち着かせるかのように息をはき目を閉じる。
「衛宮、柊」
二人が隆盛を見る。
そのタイミングとほぼ同時に目を開け、“二人の目を見て言う”。
「衛宮、柊、やっぱり俺が鍵を掛けとく。二人ははやく帰りなよ」
先程とほぼ同じ文句であるのにも関わらなかったが、その結果は同じではなかった。
衛宮は少し焦点のあっていない目をし
「わかった。あとはたのむぞたかもり」
そう言って鍵を隆盛に投げる。
「じゃ、あとはあいつにまかせるからかえろうぜ、ひいらぎ」
「……うん、そうだね。それじゃあ、“またね”、隆盛君」
二人は隆盛を置いて教室を出ていった。
教室には隆盛の予定通り自分一人だけが残った。
窓から外を見る。
夕日は沈みかけ空の半分ほどは闇におおわれている。
ちらほらと街頭がつきはじめだしていた。

「あの生徒二人は帰ったのですか?」
霊体化を解きライダーは姿を表す。
「うん、二人には悪いけど暗示をかけたよ。上手くかかってよかった。
まぁ、少しミスったとすれば、叔父のときのような強い暗示はできなかったけどね」
「日本で言うところの、火事場の馬鹿力というやつでしょうね」
「ははっ、その力をいつでも出せるようにしとかなきゃな」
町に鐘の音が鳴り響いた。
教室の時計の針は18時を指していた。
「マスター!」
ライダーはなにかを感じ取ったのか戦闘体勢に入る。
「どうしたんだ!」
「この反応、間違いなくサーヴァントです!!」
ライダーは天井を睨み付ける。
「屋上か! よし、行くぞライダー!」
「はい!」

隆盛とライダーは屋上の扉を勢いよく開ける。
隆盛は回りを見渡すが人がいるような気配は感じられなかった。
ほっと方の力を抜く。
「ライダー、誰もいないじゃないか。脅かすなよ」
しかし、ライダーはある一点を見つめて戦闘体勢を解いていなかった。
隆盛はライダーの目線の先を見る。
思わず息を飲んだ。
「柊……!?」
屋上を囲うフェンスの上に少女はいた。
絶妙なバランスで爪先のみで立ち、背中に月を背負うその姿に隆盛は見とれた。
「“また”会ったね、隆盛君」
「な、なんで君が」
「なんでってーーー」
隆盛の言葉を遮るように台詞を重ねる。
「私、マスターだし」
突如、屋上に豪風が巻き起こる。
大きな鈍い音がしたかと思うと、そこには武人の姿があった。
「サーヴァントか!!」
隆盛は思わず叫ぶ。
「そうよ、それじゃあやっちゃっていいわ、おじいちゃん」
「だからおじいちゃんと言うなと言うておろうが」
そう言いながら抜刀する。
隆盛はタジッと一歩下がる。
「セイバーのサーヴァントか!?」
「いえ、若干ではありますが狂化されています。恐らくはバーサーカーではないかと」
ライダーは隆盛を守るように前にたつ。
その様子を見て柊は
「それじゃあ、やっちゃうわ!」
「あい、わかった」
バーサーカーはライダーに斬りかかった。

今日はここまでにします!
明日が楽しみですね!

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