男「ここに長ネギがある」 女「うん」 (28)

男「さあ、これを持って」

女「うん」

男「よーし、俺は半ケツになるぞ」ヌギヌギ

女「え、なんで」

男「ほら、それで突っついて」

女「えー……」


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男「ほぅら」

女「男のお尻を突っつくの?」

男「そうだよ、ツンツンって」

女「こ、こう?」ツンツン

男「おっ、おっ」

女「大丈夫?」ツンツン

男「おっ、大丈夫、おっ、おっ」

男「( ^ω^ )おっおっ」

女「なんか慣れてきたよ」ツンツン

男「上手いよ女」

女「フフッ」ツンツン

男「全体的にまんべんなくね」

女「ハーイ」ツンツクツンツク

男「フゥ……」

女「ネギの成分かな、なんか匂いがしてきたね」ツンツン

男「いっぱい吸い込もう」

女「男のお尻もネギ汁で輝いてる」ツンツン

男「おーう」テカッ

女「ツンツン」ツンツン

男「うん、うん……」

女「ツンツン」ツンツン

男「……」

女「ツンツン」ツンツン

男「……」

女「ツンツン」ツンツン

男「……」

女「ツンツン」ツンツン

男「えへへ」

女「ツンツン」ツンツン

男「……よし、女」

女「なに?」

男「そこのベランダに長ネギと玉ネギが一つずつあるから持ってきてくれないか?」
女「えーと……あった!」シャキーン

男「様になってきたなぁ」

男「さあ二刀流だ」

女「よっ」シャキーンッ

男「それでね、あのね、お尻のね、二つに割れたお尻のね、あふ、あの、その、盛り上がりの部分をね……」モゾモゾ

女「ええい!」グサッ

男「オッ」

女「ケツ論を!」グリッ

男「オオッ」

女「はっきりせい!」グリグリッ

男「重点的にお願いします!」

ちょっとまって理解が追い付かない

女「盛り上がってるところの弾力すごいねー」グリッ

ポヨーン

女「跳ね返ってくるよ」グリッ

ポヨーン

男「フゥ……フゥ……」

女「男?苦しいの?」グリグリグリッ

男「いいやァ……むしろ天にも昇る心地さァ……」

男「フゥー、フゥー」

女「男、本当に大丈夫?」

男「フィー……大丈夫だ……それよりも……そろそろ仕上げだ……」

女「どうすればいいの?」

男「ファー……玉ねぎを……ケツにぶつけてくれ……」

女「この玉ねぎをぶつければいいんだね」

男「女……全力でだ……三つに割るくらいだ……」

女「そんなに?」

男「そうだァ……思いっきりだァ……」

なんだこれは…

女「うん……よし」グッ

男「フィー……」

女「……」ググッ

男「フィー……」

グググッ

男「フィ……?」

女「ちょっと待ってね……もう少しでタメ終わるから……」グググッ

男「フィ……フィ……」

女「えいっ」ブンッ

ドゴォ

男「オンッ」ベキャ

女「命中!」

男「オニ……オン……」フラフラ

バタリ

女「え……男!?」

男「」

女「ちょっと男!どうしたの!」

男「」

女「ウソ、ヤダ……男……男ォ……」


パァァァァァ


女「!!」

土佐犬「!!」

グググッ

男「」フワフワ

女「男が……宙に浮いてる……」

パァァァァァ

女「また光が……」

グググッ

シャキーン

男「女さん……ありがとう」フワフワ

女「男……?」

男「私は……男であり……男ではない……」

女「男じゃないって……どういうこと?」

男「今あなたと話しているのは男さんではなく……ネギの精霊です……」

女「精霊?」

男「そうです……今は男さんの体を借りて話しているのです……」

女「よくわからないよ……」

男「あなたは男さんのお尻に様々な刺激を与えたでしょう……?」

女「うん……」

男「ネギで……」

女「うん」

男「それにより私が蘇るために必要なネギ値に達したのです……」

ほほう

まるで意味が分からんぞ…

女「蘇る?」

男「……十数年前、男さんがこの世に生を受けたとき、この体に私は宿りました」

男「まだお母様のお腹の中でした……」

男「その頃の私には何の力もありません」

男「男さんと一心同体……男さんがいなければ死んでしまいます」

男「だから私は決めたのです……この体と共に、時を待とうと」

男「来るべき時を……」

女「どうして……死んでしまったの?」

男「……今より遠い遥か昔、第二次プラント大戦がありました……」

男「植物同士による争い……激しい戦いでした……」

女「そんなことが……」

男「人間だけではありません……どこの世界でも起こること……」

男「私はその戦いで命を落としました……」

男「……しかし、命は巡ると言いますが」

男「今ならその言葉を信じたいですね……」

男「全てがそうなのか、私だけなのかはわかりませんが……」

女「そうだったんだ……」

男「今まで蓄積したネギ値から、今年中には復活できる気がしていたのですが……」

男「もう半年もすれば高校受験でしょう?」

女「うん」

男「ですからあまり後になって勉強の負担になるまいと、急きょこの儀式を執り行ったのです」

女「気を遣ってくれたんだね」

男「……一つ、お願いがあります」

女「なに?」

男「私のような食物の精霊は、意外と身近なところにいるものです……」

男「あなたは土佐犬を飼っていますね……」

女「うん、今日も一緒に遊びに来たよ」ナデナデ

土佐犬「ワン」

男「その犬にも、まだ微かですが……大豆の精霊の気配を感じます」

女「この子に?」

男「ええ、きっとその方も何かの理由があってそこにいる……」

男「そういった食物に……小さな命に気を配ってあげてください……」

女「わかった、大事にする」

男「さて……」フワフワフワ

女「!」

男「私たちはそろそろ行かなければなりません……」

女「私たちって……男も!?」

男「本当に身勝手で申し訳ありません……これから男さんはしばしの眠りに入ります……」

男「おそらく二週間ほどでしょう……」

男「そして今もなのですが……女さんへのネギ値の逆流が進んでいます……急激な増幅の反動でしょうか……」

女「私にもネギ値が?」

男「無論……」

男「儀式を交わした者同士はしばらく距離を置かなければならないのです……」

男「そうしなければ不規則なネギ値の変動により、私の復活、そしてお二人の体に様々な不調が起こります……」

女「そんな……男……一緒の高校行くって言ってたのに!」

男「……すみません、いつか急に事が起こるよりは良いと思ったのです……」

男「でも、安心してください……男さんはあなたと同じ高校を目指しますよ」

女「本当に!?」

男「ええ……私と離れても、女さんと過ごした日々は変わりません……」

女「じゃあまた会えるんだね!」

男「もちろんです……きっと祖父母の家で勉強を頑張ることになるでしょう……」

男「では……」フワフワフワ

女「行くの……?」

男「はい……」

男「女さん……あなたと過ごした日々……楽しかった」

男「幼稚園の頃……あなたが庭で長ネギを育てたいと言ったとき……すごく嬉しかったです……」

女「男……」

男「では……また春に、会いましょう……」

女「絶対だよ……」

男「お元気で」スィ-

女「男ーー!」

キラーン


女「……約束だよ」


土佐犬(いただきますの気持ちを忘れずに……)

土佐犬(食べ物に感謝しよう……)

土佐犬(僕はそう思った)



どういうことなの...

良いお話でした…

ああ……そこはかとない感動が……あるような気がしたかもしれない
この読後感……嫌いじゃない

一体何が起きているんだ…意味不明なのに清々しいこの気持ち…
これは…乙です…

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