【艦これ安価】提督「デレデレウイルスが漏洩した?」 (138)

明石「はい。このウイルスにかかった者は」

明石「好意を持っている相手に対して文字通り『デレデレ』になるんです」

提督「何でそんな物作ってたんだ……」

明石「作ったというか出来てしまったというか」

提督「?」

明石「実は、金剛さんから惚れ薬を作って欲しいと頼まれまして」

明石「作っていたら薬品をこぼしてしまい……」

提督「偶然の産物、ってやつか」

明石「はい」

提督「金剛も金剛だがお前もお前だな……。というか」

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提督「どうしてデレデレになると分かってるんだ?」

明石「それは、すでに被害者が……」


???「見つけた!」

明石「!」


大淀「もう明石ったら、何で私から逃げるの?」

大淀「私のこと嫌いなの? なーんてっ」エヘヘ

提督「……あれは本当に大淀か」

明石「大淀ですよ。驚くのも無理はないですけど」

明石「委員長なイメージがある彼女でも、あの有様になってしまうんです」

大淀「明石っ」ダキッ

明石「ひゃっ、ちょっと!」

大淀「一緒にお昼寝しない? ね?」

提督「た、確かにこの変わりようにも驚くが」

提督「やっぱり大淀はお前に気があったんだな」ハハ…

明石「違います! 好意と言ってもラブとライクの二種類あるじゃないですか!」

大淀「あっ、提督もどうですか? 一緒にお昼寝しませんか?」

提督「いや……遠慮しとく」

大淀「えー、いいじゃないですかー! お昼寝気持ちいいですよ?」ニコニコ

提督「そうだな、また今度な」

明石「とにかくそういうことなので……さっき提督に打ったワクチンを何本か渡しておきます」

明石「使い方を教えますね。相手の首に当てて」

プシュッ

大淀「あっ」

バタンッ

大淀「……あら? 私、ここで何をして……」

明石「ボタンを押せば一瞬ですから」

提督「分かった。感染してる艦娘がいたら使うよ」


――――


スタスタ

提督「しかし面倒なことになったな。これから昼寝でもしようと思ったのに」

提督「デレデレウイルスか……本当にそんなものが……」


↓2「あ、提督!」

提督「ん?」

加賀「提督、ちょうどいいところに」

提督「加賀か。どうかしたのか?」

加賀「ええ……聞きたいことがあるのだけれど、その前に」


加賀「今日も一段と素敵ね」フフッ

提督「え?」


加賀「ごめんなさい、素敵すぎて言わずにはいられなかったの」

加賀「あなたの姿を見るだけで、とても心が幸せになるわ」

提督「……」

加賀「話が逸れてしまったわね。聞きたいことというのは」

加賀「お昼、もう食べてしまったかしら」

提督「いや……まだだけど」

加賀「よかった、実はお弁当を作っていたら余ってしまって」

加賀「誰かいないかと探していたところなの。それで、その……よかったら……」

提督「もらうよ」

加賀「!」パァァ

加賀「本当に? 助かるわ」

提督「……」

提督(これは間違いなく感染してるな)


加賀「じゃあ中庭に行きましょうか」

提督「中庭? 食堂じゃダメなのか」

加賀「食堂は……2人きりになれないから……」ボソッ

提督「え?」


加賀「何でもないわ。たまには外で食べるのも気持ちいいでしょう?」

提督「ああ、なるほど。弁当だしな」

加賀「その通りよ。さあ行きましょう」ギュッ

提督(手まで握ってくるとは)


――――


加賀「どう? おいしい?」

提督「うまいよ。この煮物なんて最高だ」モグモグ

加賀「よかった」

提督(……さて、どうやって首にワクチンを打ち込むかな)

提督(今動いたら、弁当が台無しになってしまうし……)

加賀「♪」

提督(というか、加賀はいつも俺に冷めた態度をとってるけど)

提督(何だかんだ好いてくれてたんだな)

加賀「提督」

提督「ん?」

加賀「その……お願いがあるの」モジモジ

加賀「あーんして食べさせる、というのをやってみたいの」

提督「!?」

提督「そ、それって……カップルがやるようなやつか?」

加賀「ダメかしら」

提督「いいけど……」

加賀「ありがとう。では」スッ


加賀「はい、あーん」

提督「あーん」パクッ


加賀「どう?」

提督「味は変わらず美味しい、けど」

提督「かなり恥ずかしい……」

加賀「……ふふ」

加賀「赤くなってる提督、可愛いわ」ニコッ

提督「!?!?」

提督(か、加賀らしからぬ言動のオンパレードだな)

提督(なんか調子が狂うし、そろそろワクチンを打たないと……!)

提督「あれ? 加賀、髪に何かついてるぞ」

加賀「え?」

提督「待ってくれ。俺がとろう」

提督(弁当を安全な場所に移してっと)ササッ

加賀「何かって、何かしら」

提督「俺もよく見ないと分からない。動かないで待ってくれ」

加賀「分かったわ」

提督(こっそり後ろに回って……)


プシュッ

加賀「!」

バタンッ

提督「これでいいんだよな? なんか申し訳ないことをした気がするが」

加賀「うっ」ピクッ

加賀「……ここは……何で私、中庭にいるのかしら」

提督「起きたか」

加賀「! 提督、どうしてここに……まさか私に何か……」

提督「そんなわけないだろ。お前は俺に弁当を作ってくれたんだよ」

加賀「私があなたにお弁当を? そ、そんな覚えはないわ。偽造はやめてちょうだい」

提督(大淀の反応もそうだったけど、記憶にないか)

加賀「赤城さんのためになら分かるけど、あなたに作る理由がないし、大体……」グチグチ

提督(……長くなりそうだ)

提督「あっ! しまった、そろそろ仕事しないと!」

加賀「え?」

提督「すまん加賀、これで! この弁当はありがたく食べさせてもらうから!」ササッ

スタタタッ

加賀「……」

加賀「……何だったの、一体」


――――


スタスタ

提督「ふぅ、美味しかった」

提督「弁当箱は洗って返すか。また色々言われそうだけど」

提督「しかし、こんなのを繰り返すのか? 大変そうだな……」


↓2「いた! 提督!」

提督「!」

霰「やっと見つけた」テクテク

ギュッ

提督「!? あ、霰、どうしたんだ急に」

霰「えへへ……なんとなく、こうしたかったの」ムギュー

提督「そうか……」

提督(これは感染してるのか?)

霰「ねえ司令官……お願いしてもいい?」

提督「お願い?」

霰「うん……えっとね……その……」モジモジ


霰「抱っこ、して欲しいの」

提督「抱っこ……?」

霰「ダメ?」ウルウル

提督「そのくらいならお安い御用だよ」ヒョイッ

霰「きゃっ」

霰「もう……司令官、だいたん」ポッ

提督(なんだ大胆って)

提督「ごめんごめん、一声かけた方が良かったな」

霰「……」

提督「どうした?」

霰「すきあり」

チュッ

提督「!? お、お前……急に何を……!」

霰「ふふ……司令官の口に、ちゅーしちゃった」

霰「びっくりした?」

提督「当たり前だ」

霰「ねえ……司令官」

霰「今のって、司令官のふぁーすときす?」

提督「なっ……!」

霰「はじめてだったら、うれしいな」ポッ

提督(確定だ。霰は確実に感染してる)

提督(となれば……ちょうど首にワクチンを打てる状況だし、いけるか?)


霰「司令官」

提督「ど、どうした?」

霰「あのね……もう一つ、お願いしてもいい?」

提督「……内容によるな」

霰「言うだけ言ってみるね」


霰「霰、司令官のお嫁さんになりたい」

提督「……」


提督「……」

提督「……、っ!?」

提督(逆プロポーズ!?)

霰「だめ?」

提督「そ、それは……さすがに……はは……」

霰「……」

霰「おろして」

提督「え」

霰「一旦、おろして」

提督「あ、ああ」

スッ

霰「司令官」

提督「?」


霰「だめ?」ウルウル

提督「……あのな。さっきと同じように上目遣いで言ってもダメだ」

霰「……そっか」

霰「霰、ふられちゃったんだね」

提督「振られたってお前」

霰「泣いちゃうかも」

提督「そんなこと言われても……どうしようも……」オロオロ

霰「……ふふ」


霰「うそだよ」

提督「へ?」

霰「司令官の困ってる顔が見たかったの。大成功」ピース

提督「お、お前な……!」

霰「でもね、このお願いは聞いてほしいな」

提督「……言ってみてくれ」

霰「ぎゅーって、してほしいの。これならいいでしょ?」

提督「うん……それなら確かに」

霰「じゃあ、はい」スッ

提督(やれやれ)

ギュッ

霰「えへへ……司令官の腕の中、あったかい」

提督「……」

提督(悪いな霰、ワクチンを打たせてもらうぞ)

提督(まあ悪いのは明石なんだけど……)


プシュッ

霰「あう」

グタッ

霰「……ん……あれ? 何でこんなところにいるの」キョロキョロ

提督「気を失ったんだよ」

霰「司令官……?」

提督「歩いてたら、急に霰が倒れてな。覚えてないか?」

霰「うん、全く」

提督「そうか……演習や出撃の疲れが残ってるのかもしれないし、ゆっくり休んだらどうだ?」

霰「……そうする」

提督「それがいい。じゃあ俺はこれで」スタスタ

霰「……」

霰「霰……どうしてこんなにどきどきしてるんだろ」ドキドキ



――――

提督「心臓に悪かった。まさかあんなに積極的だとは」

提督「加賀よりグイグイきたけど、好意の大きさによって違うのか?」


↓2「提督!」

提督(……息つく暇もないな……)

阿武隈「こんなところにいたんだ! 探したんだよ、もうっ」

提督「どうかしたのか?」


阿武隈「ううん、何でもない!」

提督「……は?」


阿武隈「提督の顔が見たかったの。なーんて!」エヘヘ

提督「何だそれ……」

阿武隈「あっ、そうだ! 提督、今から時間ある?」

阿武隈「私のお部屋に招待したいなー、なんて」

提督「部屋に?」

阿武隈「間宮さんに習って、お菓子を作ってみたの! 紅茶も用意したからどう?」

提督(用あるじゃないか)

提督「時間はあるけど、さっき昼食を食べたばかりでな」

阿武隈「ならお茶だけでもいいでしょ? お願い!」

提督「……分かったよ」

阿武隈「やったー! ありがとう提督!」ギュッ

提督(普通に抱きついてきたな)

提督(まあ感染してるっぽいし、気を見計らって打つか)


――――


阿武隈「……」ニコニコ

提督「……」ズズズ

阿武隈「……」ニコニコ

提督「……なあ」

阿武隈「なあに?」

提督「さっきから黙って俺を見てるけど、何でだ」

阿武隈「カッコイイなーって思って」

提督「あ……ありがとう」

阿武隈「ふふっ。紅茶のお味はどう?」

提督「美味しいよ」

阿武隈「よかった!」ニコニコ

提督「……」

提督(何なんだ? これが目的で俺を呼んだのか?)

阿武隈「ねえ提督、隣に座ってもいい?」スッ

提督(返答を待たずに立ち上がるか)

提督「ああ」

阿武隈「それじゃ、お邪魔して」

ピトッ

提督「な、なんか近くないか」

阿武隈「そうかな? あたしは気にしないよ!」

提督「俺が気にする」

阿武隈「イヤなの……?」ウルウル

提督「……そうでもない」

阿武隈「えへへ!」

提督(泣きそうな顔に弱い……)

阿武隈「……ねえ提督」

提督「?」ズズズ

阿武隈「もし、あたしたちを知らない誰かが、こうやって2人並んでる姿を見たら」

阿武隈「カップルだって思うかな?」

提督「……どうだろうな」

阿武隈「……」

ギュッ

提督「なぜ手を握る」

阿武隈「な、なんとなーく」

提督「……」

阿武隈「……」

提督(ああ……これはマズい。完全にイイ雰囲気だ)

提督(すぐにでも回避してワクチンを打たないと)

阿武隈「……て、提督!」ガバッ

提督「!?」

バタンッ

阿武隈「……」ドキドキ

提督「あ、阿武隈? 何で押し倒して……」

阿武隈「……」ゴクリ

チュー

提督「!? 待て待て! キスに持っていこうとするな!」ガシッ

阿武隈「だ、大丈夫! 優しくするから!」グイグイ

提督「意味が分からん! 大体こういうのは男がリードするもんだろ!?」

阿武隈「じゃああたしが下になるから、提督が…」

提督「そういう問題でもないんだ! 言い方が悪かった!」

提督「そもそも俺は、お前とそういうことをする気はない」

阿武隈「え!? で、でもこういう時はこうしろって、本に書いてあったよ?」

提督「その本がおかしいか、お前が間違った解釈してるかのどっちかだ。とにかくどいてくれ!」

ガバッ

阿武隈「きゃっ!? ま、待って! あたし提督のことが好きです! 付き合ってください!」

提督「このタイミングで!?」

阿武隈「返事は?」

提督「お前いろいろ下手か……いや、下手という言い方もどうかとは思うけど」

阿武隈「返事は!?」グイッ

提督(必死過ぎて聞こえてないな)

提督(仕方ない……多少強引ではあるけど)スッ


提督「すまん阿武隈」

阿武隈「?」

プシュッ

バタンッ

提督「好意を持ってくれるのは嬉しいが、今は答えられない」

提督「というか、ウイルスのせいで思いの強さがおかしくなってるかもしれないしな」

阿武隈「うう」ピクッ

阿武隈「……あれ? 確か食堂にいたはずなのに……」

提督「倒れたんだよ」

阿武隈「!!」ビクッ

阿武隈「え? な、何で提督が……私のお部屋にいるんですか……?」

提督「ああ、すまん。混乱するかもしれないけど聞いてくれ、お前は…」

阿武隈「出て行ってください」

提督「待て、話を…」

阿武隈「出て行ってくださーい!!」

提督「分かった! 分かったから!」スタタタッ


バタンッ


阿武隈「……はぁ、危なかった」

阿武隈「天井に貼ってある、提督の写真を加工して作ったアイドル風ポスターを見られたら……私、生きていけないよ……」



――――

提督「一気に疲れた」

提督「また艦娘を相手にするのはキツイかも……自室で休もうかな……」


↓2「提督ー」

提督「……マジか」

ちょっと休憩…0時に再開します
阿武隈の一人称がおかしくなってしまった、すみません

山城「やっと見つけました。ここにいらしたんですね」

提督「どうかしたのか」

山城「お疲れですね」

提督「まあな……いろんなことがあってな……」フッ

山城「そ、そんな提督に、いいお話があるんですけど」スッ

提督「……間宮の食べ放題券か」

山城「2人分です。一緒にどうですか?」

提督「悪いけど、今は満腹状態でな。扶桑と行けばいいだろう」

山城「そう、ですか……扶桑姉様とは一週間前に行ったので」

山城「今度は提督と、と思ったんですけど……そういうことなら……」トボトボ

提督「……」

提督「待ってくれ山城、それは今日までなのか?」

山城「はい。恥ずかしい話なんですけど」

山城「提督をいつかお誘いしよう、しようと思ってるうちに、期限ギリギリになってしまって」

提督「……デザートなら」

山城「えっ」

提督「デザートなら付き合えるぞ。たくさんは食べられないけどな」

山城「ほ、本当ですか……? ありがとうございます!」パァァ

提督(山城のこんな笑顔、見たことないな)

提督(感染してるんだろうな……普段もこういう表情すればいいのに)

提督(まあ、好意を持ってくれてると分かっただけいいか)

スタスタ


↓2「……あれは、提督と……」


山雲「……提督と、山城さん?」


――――


提督「……デカいパフェだな」

山城「2人分ですからね」

提督「2人分にしてもデカいだろ」

山城「ふふっ、そうですね」

提督「あとなんかハートのデコレーションが多いけど」

山城「カップル用ですから」

提督「カップル?」

山城「……さ、さあ! 協力して食べましょう!」

提督「2人で食べるのか」

山城「カップル用なので」

提督(カップルを強調してくるな)

提督「うん、美味しいな」モグモグ

山城「ですね」モグモグ

山城「……提督」

提督「ん?」

山城「口、開けてください」

提督「何で」

山城「いいですから」

提督「?」アーン

山城「えいっ」

提督「!?」パクッ

山城「ふふ、あーん成功です」

提督「いきなり何をするかと思ったら……」モグモグ

山城「一度でいいからやってみたかったんです」カァァ

提督「俺は構わないけど」

山城「え!? じゃあもう1回いいですか?」

提督「ああ」

山城「あ、待ってください。やっぱり……」

山城「……た、食べさせてもらったりとかは……?」

提督「俺が山城に?」

山城「はい! ぜひ!」キラキラ

提督(キラ付けした時並みに輝いてるな)

提督「分かったよ。ほら、あーん」

山城「あ、あーん……」ドキドキ


パクッ

山城「……」モグモグ

提督「どうだ」

山城「ひあわへでふ……ひあわへふぎまふ」
  (幸せです……幸せすぎます)

提督「わ、悪い……一口が多すぎたな……」


スタスタ

山雲「あら~? 司令さんに山城さん、奇遇ですね~」

山城「!?」

提督「山雲? 遠征から帰って来たのか」

山雲「はい~。あの~、山雲もご一緒していいですか~?」

提督「俺はいいけど。山城は?」

山城「も、もちろん良いですよ!」

山雲「ありがとうござます~」

山雲「では失礼して~」

スッ

山城「!!」

提督「お、おい山雲……どうして俺の膝の上に座ってるんだ?」

山雲「ダメでしょうか~?」

提督「そうだな……山城もいるし」

山雲「ダメですか~山城さん?」

山城「ええ」キッパリ

提督(目が鋭くなったぞ……)

山雲「分かりました~。じゃあここに座ります」スッ

提督(俺の隣か)

山城(こ……この娘……!)


山城(私と提督との時間を邪魔する気!?)

山雲(うふふ、思うようにはいかせませんよ~)

提督(おいおい待て待て、まさか山雲も感染してるのか?)

提督(2人にワクチンを打つとなると……考えないといけないな)


山雲「おいしそうなパフェですね~。一口いいでしょうか~」

提督「いいか山城?」

山城「……もちろんいいですよ」

提督(あからさまに機嫌が悪くなってる)

山雲「ありがとございます~。司令さんに食べさせてもらいたいなぁ」

提督・山城「!」

提督「俺にか」

山雲「ダメでしょうか~」

提督「……」チラッ

山城「ど、どうぞ?」ピクピク

提督「……ほら、あーん」


パクッ

山雲「んー、おいしー♡」モグモグ

山雲「あっ、口にクリームがついてしまいました~」

山雲「司令さん、拭き取ってくれませんか~?」

山城「なっ!?」

山城(や、山雲……恐ろしい娘……! ドンドン攻めて行くわね)

提督「それくらい自分でやれ」フキフキ

山雲「と言いつつ拭いてくれる司令さんが、山雲はだーい好きです~」

提督「はは……次からは気をつけろよ?」

山城(ぐうっ……! さりげなく好意を伝えるなんて……わ、私も負けてられないわ!)

山城「提督、隣失礼します」スッ

ピトッ

提督「すごく近いな」

山城「で、できればずっとくっついていたいんですけどね」ボソッ

提督「え」

山城「さあ提督、まだパフェはたくさんありますから、私が食べさせてあげますよ!」

山城「はい、どーぞ♡」

提督(なんか圧を感じるぞ)

提督「ありがとう……」

パクッ

山城「あ、ごめんなさい。口元にクリームが」

提督「気にしないでくれ、拭けばいいから」

山城「……えい」ヒョイッ パクッ

提督「!?」

山雲「……」

山雲(指でクリームを拭き取って、自分の口へ……見せつけますね~)

山城「ご、ごめんなさい。つい」ドキドキ

提督「いや……」ドキドキ

山雲(初々しいカップルみたいですね~……でも)

山雲(山雲も負けませんから~)

山雲「あの~、司令さん」

提督「どうした?」


山雲「今度は~、口移しで食べさせてもらえませんか~?」

提督「……」

提督・山城「は!?」

提督「それはダメだ! さすがに!」

山雲「どうしてもですか~……?」ウルウル

提督「子犬のような目で訴えてもダメだ!!」

山城「そうですよ」


山城「口移しは私がしてもらうんですから」

提督「ッ!?」


提督「山城……お前まで何を……」

山城「提督は渡しませんっ!」

山雲「山雲も譲りませんよ~」

提督(こ、こいつら……エスカレートしてないか?)

提督(阿武隈の時もそうだったけど、やっぱりこのウイルスは思いを強める効果が……!)

提督(となれば、なりふり構ってられないぞ)

提督(これ以上レベルアップしないためにも、すぐにワクチンを打たないと)


山城「それじゃあこういうのはどう? 一人ずつ提督に口移ししてもらって」

山城「どっちが上手かったか答えてもらうの」

山雲「その勝負、乗ります~」

提督(美味いの字が違う気がする……こいつらもうキス感覚か。舌も入れてきそうだぞ)

提督(これ以上引き伸ばすわけにはいかない。まずは……)


提督「山城、すまん!」

プシュッ

山城「!?」

ガクッ

山雲「えっ? し、司令さん……何を……」

提督「誤解しないでくれ。これは治療なんだ」

プシュッ

山雲「うっ」

ガクッ


提督「事情を知らない人が見たら、とんでもないシーンだな」

提督「……俺が何かしたと誤解されないように、立ち去るか」

スタスタ

山城「んっ……ん? わ、私は何をして……」

山雲「zzz」

山城「……どうして隣で山雲ちゃんが寝てるの?」

ここまでにします、続きはまた明日に…
これが終わったらツンデレとかやるつもりなので、あと3人くらいで終わりたいと思ってます


――――

提督「心身共に疲労が溜まる……艦娘に見つからないように、自室に戻って昼寝するか」

提督「……その前に風呂でリフレッシュしたいけど……さすがに今の時間に入る奴はいないよな?」


『大浴場』

提督「念のため、清掃中の看板を立てておこう」ガタッ

提督「というか、風呂がここと入渠ドッグしかないのはいい加減マズい。事件を避けるため対策しないと」

提督「小さくていいから俺専用の風呂を作ってもらおう」

スタスタ


↓2「……い、今のは提督!」

提督「脱衣所に着替えもなかったし、浴室内も問題なしと」

提督「まずは体を洗おう」ジャー

提督「しかし、こんな時間に入るのは久々だな」


ガタガタ


提督(!! ……今、何か音が……気のせいか?)


スタスタ


提督(気のせいじゃない……脱衣所からこっちに歩いてくる音が……!)

提督(誰だ? 清掃中の看板が見えなかったのか?)


ガラガラ

愛宕「お邪魔しまーす!」

提督「なっ、愛宕!?」

提督「お前、どうしてここに入って……!」

愛宕「提督が暖簾をくぐるのを偶然見かけたんです。で、背中を流してあげようかなぁって」

提督(不覚。もっと周りを警戒すべきだった)

提督「はは……その気遣いは嬉しいんだけどな。1人で大丈夫だから出て行ってくれないか」

愛宕「えー? せっかく脱いだのにー!」ムニュン

提督(バスタオル越しの胸を強調……わざとか)

愛宕「それに、私もちょうど演習から帰ってきて、汗を流したかったところなんですよ」

愛宕「ご一緒しちゃダメですか……?」

提督「……分かった。けど変なことはするなよ」

愛宕「はーい!」

提督(してきそうだなこの返事は)

提督(まあ愛宕の場合、いつもこんな感じだけど)

提督「ふぅ」ザバー

提督(丁寧かつ迅速に洗おう。頭と体を同時に……)ゴシゴシ

愛宕「では、背中を流しますねー」

提督「!?」

提督「待て、変なことはするなと言っただろう」

愛宕「背中を流すことのどこが変なんですかー?」

提督「……」

提督(確かに)

提督「と、とにかく自分でやるから…」

愛宕「遠慮しないでください♪」ゴシゴシ

提督(聞く耳持たず)

提督(もういい、早く他の部位を洗って出よう)ゴシゴシ

愛宕「……」



ムニュ

提督「!?!?」

愛宕「提督の背中、大きいですね……♡」

提督「何してるんだ」

愛宕「ふふ、ごめんなさい。思わず抱きつきたくなってしまって」ムニュムニュ

愛宕「たくましくて素敵です」ムニュムニュ

提督「胸を緩急つけて押し付けている理由は?」

愛宕「提督の理性に攻撃中です」

提督「……馬鹿なことやってないで、お前もさっさと体を洗え」ザバー

愛宕「きゃっ! もー! 目に水が入りましたよー!」ゴシゴシ

提督「湯船につかるか」スタスタ

愛宕「あっ、待ってくださいよー!」ザバー ゴシゴシ

提督(あ……危なかった……反応しかけた……)


カポーン

提督「お前、何でそんなに体を洗うのが早いんだよ」

愛宕「最短コースで済ませました。早くしないと、提督逃げちゃうじゃないですか」

提督「人を獲物みたいに言うな」

提督(くっ……愛宕が体を洗い終わる前に出ようと思ったのに、予想外だ)

提督(やっぱりすぐ出ればよかったな)

愛宕「ふー、いい気持ちー」

提督(……そういえばこいつ、感染してるのか?)

提督(愛宕は普段から割とデレデレしてるから分かりにくい)

愛宕「それにしても」

愛宕「まさかこうして提督と裸のお付き合いをすることになるなんて、思いもしませんでした」

提督「俺もだよ。というかお前が一方的に迫って来たんだけどな」

愛宕「……提督?」

提督「何だ」

愛宕「提督って、特別に好きな艦娘はいるんですか?」

提督「特別に?」

愛宕「人としてじゃなく、異性として好きな艦娘です」

提督「……。それを聞いてどうする」

愛宕「もしいるなら」


愛宕「それが、私だったらいいなーって」

提督「……」


愛宕「いつも冗談っぽく、提督にちょっぴりエッチな悪戯しますけど」

愛宕「あれは私なりのアピールというか……その……」

愛宕「他の艦娘たちより、私を見て欲しいっていう気持ちが篭ってるんです」

提督「……しおらしいな。お前らしくない」

愛宕「ほ、本当の私はこんな感じなんですよ」

愛宕「提督……もう少し、近くに寄ってもいいですか……?」

提督「……」


ススス…


ピトッ


提督(返事してないのに。しかもほぼゼロ距離)

愛宕「私、今すごく緊張してます。裸同士だからでしょうか」

提督「……どうだろうな」

愛宕「提督……私たち今、裸ですよ」

提督「ああ」

愛宕「裸なんです。艦娘たちはここに入ってきません」

提督「清掃中の看板があるしな」

愛宕「念を押して、浴室にカギもかけました」

提督「……お前、結局それが目的か」

愛宕「……」

提督「……」


愛宕「しませんか?」

提督「しない」

愛宕「……こんなにシチュが整ってるのに?」

提督「しない」

愛宕「据え膳食わぬは?」

提督「男の恥」

愛宕「しませんか?」

提督「しない」

愛宕「……提督」

愛宕「私たちは今、裸です。艦娘たちはここに入ってきません」

愛宕「念を押して浴室に鍵もかけました。しませんか?」

提督「催眠術のつもりか。もう出るぞ」ザバッ

愛宕「ああ! 待ってください!」


ガラガラ

スタスタ

提督(感染してるかどうかは分からないけど、一応)ガサゴソ

愛宕「せっかく仲が進展すると思ったのにー! もったいないですよ提督…」


プシュッ

愛宕「きゃっ!?」

バタンッ


提督「気を失って倒れた。ということは、感染してたのか?」

提督「というか待て、この状況……かなりヤバいんじゃ……」

愛宕「んんっ」ピクッ

愛宕「……あれ? 私、ここで何を……」

提督(マズい! 着替えながら出るしかない!)

スタタタッ


愛宕「え? 今の……誰?」

愛宕「っていうか、どうして私裸なの!? しかも濡れてる!」


――――


提督「ぜぇ、ぜぇ……ギリギリ見られなかったか?」

提督「こんなことになるなら風呂は諦めればよかった! 自室へ直行だ!」


『提督の部屋』

ガチャッ

提督「よし、鍵はかけた。これで安全だ」

提督「濡れたままの体を拭いて、布団敷いて寝よう」

提督「……そういえば明石も、ワクチンを色んな艦娘に打ってるんだよな」

提督「起きる頃には、いつもの鎮守府に戻ってるといいんだが」


ガタッ

提督「!?」

↓2「あ……て、提督」

提督「な、何でお前がここにいるんだ!」

龍田「……」

提督「龍田……ここで何をしてるんだ?」

龍田「え~っと……お茶の準備よ~」

提督「お茶?」

龍田「提督が帰ってきたら、おつかれさま~の気持ちを込めて」

龍田「お茶を用意しようって考えて」

提督「それで俺の部屋に侵入したのか」

龍田「……ごめんなさい。いけないことだって分かってるの」

龍田「でも、お仕事を頑張ってる提督に何かしてあげたいって思って……それだけなの……」シュン

提督(龍田らしくないな。感染してそうだ)

提督「本当にお茶を用意してただけなのか?」

龍田「え……ええ」

提督「口ごもったな」

提督「怒らないから、正直に言ってくれ」

龍田「……えっと~」

龍田「引かないでね~?」

提督「引く?」

龍田「……その……あの……実は~」

龍田「提督の……シャツの匂いとか……お布団の匂いとか……」

龍田「ちょっとだけ嗅いでました……ごめんなさい」

提督「……それだけか?」

龍田「ええ、それだけ。興味本位なの……もう二度としないわ~……」

提督(引くって言うくらいだから、もっと凄いのが来るかと予想してた)

提督「そのくらいなら許すよ。あと今後は勝手に部屋に入らないこと」

龍田「はい。ごめんなさい」

提督(すごく素直だ)

提督「それで、お茶の用意はもうできてるのか?」

龍田「え」

提督「せっかく用意してくれたんだ。いただきたいな」

龍田「え、ええ……! 待ってて、今出すから~」スタタッ


――――


龍田「どうかしら~」

提督「うん、美味しいよ」

龍田「よかった♪」

提督(……なんというか)

提督(龍田は比較的おとなしいな。グイグイ来ない)

龍田「ねえ、提督」

提督「ん?」ズズズ

龍田「実はね~、お願いがあるの~」

提督「……」

提督(来たか)

提督「言ってみてくれ」

龍田「その、ね」


龍田「頭を、撫でて欲しいな~って」

提督「……」


龍田「ほら、遠征から帰ってきた天龍ちゃんにやるように」

龍田「頭を撫でて欲しいの~」

提督「……」

提督(それだけ?)

龍田「は……恥ずかしい」カァァ

龍田「とうとう言っちゃった……ずっと言えなかったこと……」

提督「顔を赤らめるようなことか」

龍田「ええ、とっても恥ずかしい……」

提督(龍田にとってはそうなのか? よく分からん)

龍田「それで、返事を聞かせてもらえるかしら~」

提督「断る理由もないよ」

龍田「! あ、ありがとう」

龍田「じゃあ早速」スッ

スタスタ

龍田「お願いします」グイッ

提督「食い気味だな……これでいいか?」ナデナデ

龍田「ええ……」

提督「……」ナデナデ

龍田「……♪」

提督(そろそろいいかな)パッ

龍田「えっ」

提督(まだか)

提督「……」ナデナデ

龍田「……♪」

提督(よっぽど撫でられたかったんだな)


――――


龍田「ふぅ……ありがとう、もう充分よ~」

提督「そうか」

提督(まさか5分もずっと撫でることになるとは)

提督「本当にこれだけでいいのか?」

龍田「これだけって~?」

提督「てっきり、抱きしめるとかキスとか要望されると思ってたよ」

龍田「!」

龍田「……いいの……?」カァァ

提督「えっ」

龍田「キス、して欲しい……」ドキドキ

提督(……しまった。自分で広げてしまった)

提督「すまん。こっちから言っておいてあれだが、キスはちょっと……」

龍田「そ、そうよね~。ビックリしたわ~」

提督「ははは」

龍田「うふふ」

龍田「……あ、あの」

龍田「それじゃあ、抱きしめる……とかは?」

提督「……」

龍田「……」ドキドキ

提督「まあ、それならいいけど」

龍田「!! ウ、ウソ」

提督「本当。ほら」スッ

龍田「じ、じゃあ……お言葉に甘えて……」


ギュッ


龍田「……」ドキドキ

提督(龍田ってこんなに細かったのか)

龍田「……♡」



――――


提督「龍田、そろそろいいか?」

龍田「……」

提督「龍田?」

龍田「……zzz」

提督「寝てる!?」

提督「遠征で疲れてたのか?」

龍田「……てい……とくぅ……zz」

提督「……」ガサゴソ

提督(眠ってる最中にすまん)

プシュッ

龍田「zzz」

提督「さて……どうしたものか」

提督「診察室に行って、ベッドで寝かせるか」



バタンッ

ガチャッ

提督「よし……艦娘に見つからず龍田を寝かせてきた。今度こそ眠りにつけるぞ」

提督「布団を敷いてっと」テキパキ

提督「そうだな、夕食前には起きるか……ふわぁぁ……」

提督「……zzz」


――――――――

――――――

――――


ピピピピ ピピピピ

提督「……ん……? もう起きる時間か?」

提督「ふあぁ……というか、アラームなんてセットしたっけ」

提督「……?」

提督(な、何だ……何かに抱きつかれてるぞ?)

提督(布団の中に……)

ガバッ


↓2「おはようございます」

提督「う、うわああああッ!?」

霞「おはよう司令官」

提督「霞!? お前何し……いつの間に部屋に入った!?」

霞「30分くらい前よ。部屋を訪ねたら、いびきが聞こえてきたから」

霞「一緒に寝ようと思って部屋に入ったのよ」

提督(は? 一緒に寝ようと思って? 霞が?)

霞「なによ?」

提督「いや……というか、どうやって入ったんだ。鍵がかかってたろ」

霞「なんかガチャガチャやってたら開いたわ」

提督「壊したのか!?」

霞「違うったら! 軽く回してただけ! たぶんガタが来てたのよ」

提督(はぁ……妖精さんに苦労をかけるな)

霞「そんなことより、そろそろ起きる時間よ」

霞「司令官のことだから、夕食までにお昼寝しようとしてたんでしょ?」

霞「目覚ましかけておいたから」ニコッ

提督「……」

提督(誰だこの娘)

提督(いつもの霞なら)

提督(夕食まで昼寝なんて、だらしないわ! しっかりしなさいよクズ!)

提督(くらい言いそうなのに)

霞「司令官の寝顔、写真に撮っちゃった」フフッ

霞「宝物にしよっと♪」

提督(100%感染してるな)

霞「な、なによ。私の顔になんかついてる?」

提督「いいや」

霞「そう……」

ムギュー

提督「……なあ霞、お前の言うとおりだ」

提督「俺は夕食までに起きようと思って、目覚ましのおかげで起きることができた」

霞「次からは気をつけてね」

提督「ありがとうそうする」

提督「で、布団から出たいんだけどな」

ギュー

提督「お前が離れてくれないと、それができないんだよ」

霞「ふふ、大丈夫よ! 実は1時間の余裕を持ってセットしたのよ」

提督「? じゃあまだ眠れるのか」

霞「それはダメ」

グイッ

提督(顔が近くに)

霞「い、1時間の余裕を持たせたのはね……私のワガママなの……」

提督「?」

霞「司令官と……したいの」

提督「え?」

霞「だから、新婚さんごっこしたいの」

提督「……何だそれ」

霞「ごっこって言うと子供っぽいけど、要するに」

霞「新婚さんみたいに……い、イチャイチャしたいのよ……」カァァ

提督「具体的にどんなことするんだ?」

霞「そんなこと言わせるの?」

提督(言えないようなことする気か)

霞「えっと、流れに身を任せれば大丈夫」

霞「私が奥さんで、司令官が旦那さんになりきればいいの」

提督「……なんかよく分からないけど、ごっこ遊びをすればいいのか」

霞「そういうこと。ダメ?」

提督(ごっこ遊びなら、まあいいか)

提督「分かった、付き合おう」

霞「ありがとう。んーと……」

ギュッ

霞「……」

提督「……」

霞「何してるの?」

提督「?」

霞「私がぎゅってしたら、司令官もぎゅってし返すのよ」

提督「あ、ああ」

ギュッ

霞「んっ……そんな感じ」

提督「……」

提督(何だこれ)

霞「司令官」

提督「ん?」

霞「司令官って……私のこと好き?」

提督(こういう時は、はっきり言葉にした方がいいんだよな)

提督「大好き」

霞「! えへへ……私も大好き」ドキドキ

提督「……」

提督(このやり取り、夫婦というより恋人じゃないか)

霞「し、司令官」

提督「なんだ霞」


霞「……ちゅーしたい」カァァ

提督「……」


提督「……頬に?」

霞「ほっぺじゃイヤ」

提督「額」

霞「おでこも違う」

提督「手」

霞「違う」

提督「じゃあ…」

霞「察してよ! クイズじゃないんだから」

提督「……口か」

霞「うん」

提督「霞、それはちょっと……」

霞「なんで? 私たち夫婦でしょ?」

提督「いや、でもごっこだし」

霞「ごっこ遊びを甘く見ないで」

提督「ええ……」

霞「……」

チュッ

提督「っ!?」

霞「もう……奥さんからさせるなんて……」カァァ

提督(ふ、不意打ち……)

霞「し……司令官……」ドキドキ

提督「……?」

霞「今度は司令官から……して?」

提督「あのな霞」

霞「お願い」ウルウル

提督(顔を赤らめ瞳が潤ってる。こんな霞は一生に一度見れるかどうかだ)

提督「目を瞑ってくれ」

霞「うん……!」スッ

提督「……」

チュッ

霞「……司令官?」

提督「おでこが限界だ、すまん」

霞「むー……」


ガバッ

提督「か、霞!?」

提督(マウントポジション!?)

霞「分かったわよ……司令官が攻めてこないなら……!」

チュッ

提督「んむっ!?」

霞「っ……!」

提督「待て霞っ……ぷはっ! やめっ……!」

霞「はぁ、はぁ……ちゅっ……んっ……!」

提督(ヤバい! ヒートアップして我を……!)

提督(ワ、ワクチンを……ん?)

ガサゴソ

提督(なっ!? ワクチンがない!! 確かポケットに入れて……!)

霞「長い棒状のもの、探してるの?」

提督「!!」

霞「残念だけど私が全部ゴミ箱に捨てたわ」

提督「!?」

霞「ふふっ……知ってるのよ」

霞「司令官があれを使って、艦娘のみんなを元に戻してるとこ、見てたの」

提督「なっ……!」

ヌギヌギ

提督「お、おい霞! なに脱いで……もうごっこ遊びはやめだ! 降りろ!」

霞「ダメ……止まらないの。司令官を思う気持ちが……どんどん膨らんで……」ヌギヌギ

提督(くそ、脚の力だけで身動きが!)

霞「司令官、私と一つになりましょ? とても気持いいと思うわ」ハァ ハァ

提督「目を覚ませ霞!」

提督(一体どうすればいいんだ! このままじゃ霞は……)



ガチャッ!


スタタタッ


明石「えい!」

プシュッ

霞「っ!!」

バタンッ


提督「……あ、明石?」

明石「間に合いましたか! 物音がしたので、まさかとは思ったんですけど」

明石「霞ちゃんと一線を越える寸前だったとは」

提督「はは……た、助かったよ」


――――



――――


『食堂』

提督「……ということは、艦娘たち全員にワクチンは打ったんだな」モグモグ

明石「はい。正気に戻った艦娘にも手伝ってもらったら、スムーズに進みました」モグモグ

提督「あ……その手があったな……」

明石「まさか一人で頑張ってたんですか」

提督「恥ずかしい限りだ……」

明石「大変だったでしょう。私がもっとワクチンを渡しておけばよかったですね」

提督「もう過ぎた話だ。しかし、恐ろしいウイルスだな」

提督「感染した者の思いを強める効果があるなんて」

明石「え?」

提督「だから、感染した者の好意を強めるんだよ」

提督「おかげで俺は何度か艦娘に襲われた」

明石「へぇ……興味深いですね、それ」

明石「もっと詳しく聞かせてもらえませんか?」

提督「無駄に研究熱心だな……話したくない」

明石「お願いします! 今後何かに役立つかもしれないので!」

提督「……もうこんな騒動を起こさないと誓うか?」

明石「そんなの当たり前じゃないですか!」アハハ

提督「反省してないみたいだな」

明石「いえいえ、とんでもない。ご迷惑をおかけしました」ペコリ

提督「はぁ……そうだな。じゃあまずは加賀の話からするか」


おわり

お付き合いありがとうございました!
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