モバP「どちらの夢だった?」 (25)

書き溜めなし

地の文あり

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少女とは、どの様な存在であろうか。

P「そろそろ終わりにするかな。」

アイドル達を見送り、静かになった事務所で独り呟く。
半年後に控えるライブの資料製作も大分進んだ。

P「帰ろう・・・」

戸締りを確認して怖いほどに静かな階段を降りる。
昼休みの女子高校の姦しさも鳴りを潜めた夜の事務所。
頭がすっきり回転する夜風を受けて車に乗り込む。

まゆ「お仕事終わりましたかぁ?」

何度目であろう。
人間慣れと言う物は恐ろしい。

P「まゆ・・・こんな遅い時間まで車内で。」

まゆ「Pさんのことを考えていたら待ち時間も楽しいんです。」

P「風邪を引いたらどうするんだ。」

まゆ「大丈夫ですよぉ、Pさんに迷惑は掛けません。」

いつからだろう、まゆは人に迷惑を掛けない様に。
むしろ自分の体調を隠して他の子の面倒を診る様な娘だ。
それをいつからか俺の気を引こうとしばしば強引な手も使ってくる。

P「手もこんなに冷たく・・・」

P「寮まで送るよ、警備員さんには俺から連絡しておく。」

まゆ「なら、少し寄り道していきませんか?」

P「子供は寝る時間だ。」

まゆ「子供じゃないですよぉ。」

P「そう言ってるうちは子供だ。」

まゆ「なら、子供のわがままでも良いですから今夜は・・・」

P「・・・今夜だけだからな。」

まゆ「ありがとうございます、Pさん。」

夕食も兼ねて近くのレストランに入る。
こんな所を記者にでも撮られたら立場がなくなるが安全な店だと噂もあるし大丈夫だろう。
店員に二人と告げて奥の個室に通される。

まゆ「いいお店ですね。」

P「まゆが教えてくれたんじゃないか。」

まゆ「モデル時代からお話は聞いていましたが来た事はありませんでした。」

P「・・・そうか。」

正直、アイドルと二人で食事をすることは何度かあったが細心の注意を常に払っている。
しばらくの沈黙の後に料理が運ばれてくる。
その間もまゆは微笑を湛えたまま見つめてくる。

P「今日はどうしたんだ。」

P「まゆがわがままなんて珍しいな。」

まゆ「・・・今日は、聞きたいことがあって。」

まゆ「これからの為に、どうしても聞いておきたくて。」

まゆにしては歯切れが悪い。

P「もしかして悩み事か?」

まゆ「そうですね、悩みというか。」

P「現場で何かあったのか?」

まゆ「そういう訳では・・・」

いまいち要領を得ない。
悪い創造ばかりが浮かんでしまう。

P「もしや、セクハラまがいな・・・」

まゆ「そんなことはないです。」

まゆ「スタッフさんも優しい人ばかりですよ。」

P「・・・なら。」

まゆを見遣ると小さく息を吸い。
そして意を決した様に口を開いた。

まゆ「Pさんは・・・その、ロリコンなんですか?」

驚天動地とは正にこのことであろう。
担当アイドルから聞き慣れない単語が飛び出し、思考が追いつかなくなる。

P「ど、どうしてそう思ったんだ?」

冷静を装うので精一杯である。

まゆ「いえ、あの根拠はないんですが。」

まゆ「年少組みに対する時の顔、というかオーラが。」

P「・・・誤解だ。」

まゆ「本当ですか?」

P「勿論だとも。」

まゆ「ならなぜ、まゆや他の子にも手を出さないんですか?」

P「いや、プロデューサーがアイドルに手を出す前提がおかしい。」

まゆ「でも、和久井さんと高橋さんは担当のプロデューサーさんとお付き合いしてますよ。」

P「あいつらはちょっとこう、特殊だから。」

三人いるプロデューサーの内二人がアイドルと交際している。
そう思うと自分がおかしいのかな、とも思える。

P「いやいや、その理屈はおかしい。」

P「それに忙しくて誰かに夢中になる時間もないし。」

忙しいのは事実である。
実際、二人の担当アイドルを足して二倍しても自分の方が担当が多い。
そうだブラックな会社が悪いんだ、激務のせいでまゆにあらぬ誤解を受けているんだ。

まゆ「会社のせいにしちゃダメですよぉ。」

P「・・・はい。」

まゆ「それで、Pさんはロリコンなんですかぁ?」

P「ロリコンって何のことかな。」

まゆ「未発達な少女を手篭めにしたいんですかぁ?」

P「さぁね・・・どうだろう。」

まゆ「小さい子をペロペロしたいんですかぁ?」

P「に、日本語わからないや。」

まゆ「Don't make me mad.」

段々と表現が強くなっている。
表情も笑っているのに目が怖い。

P「そのなんだ、ここの料理美味しいな。」

まゆ「露骨に話を逸らさないでください。」

P「いや、その・・・」

まゆ「ちゃんと言ってくれないと。」

P「言ってくれないと?」

まゆ「事務所の皆にあることないこと言っちゃいそう♪」

P「ああ、俺はロリコンだよ。」

まゆはあることないこと言い触らす子じゃない。
冷静に対処すれば明日には、またいつも変わらない日常がある。

まゆ「そう・・・だったんですね。」

まゆ「ごめんなさい、こんな強引な手を。」

P「誰にでも間違いはある。」

P「俺は気にしてないから。」

P「さぁ、食べよう冷め切っちゃうよ。」

まゆ「でも、まゆの気持ちは変わりません。」

P「まゆはピザが好きなのか。」

まゆ「まゆが好きなのはPさんです。」

P「そうか、パルメザンか俺も好きだぞ。」

まゆ「ありすちゃんやこずえちゃんよりもですか!?」

P「何を言ってるんだ、ありすやこずえは食べ物じゃないだろ。」

まゆ「もう食べたんですか!」

P「このパスタ美味しかったぞ。」

まゆ「ちゃんと答えてください。」

P「今日のまゆは元気だなぁ。」

まゆ「誰が好みなんですか・・・」

P「え・・・」

まゆ「ありすちゃんですか、千枝ちゃんですか、みりあちゃんですか。」

P「ちょ、ちょっと。」

まゆ「まさか、舞ちゃんや仁奈ちゃんですか・・・」

まゆ「誰、なんですかぁ?」

もう誤魔かせないか。
色々なことがあった、十人もいなかった事務所は今は百人を超えて。
最初は色んな人に頭下げて、スタドリ買って。
ライブも小さな会場で観客も少なくて、でもエナドリ買って頑張って。
大きくなってプロデューサーもアイドルも増えてエナチャ買ってもっと大きくして。
それも、もう終わりか。

P「ごめんな・・・こんなプロデューサーで。」

まゆ「まゆは、どんなPさんでも大好きですよ。」

P「ありがとう。」

P「正直、俺もおかしいと思っている。」

P「年端もいかない少女を愛するなんて。」

まゆ「そんな・・・そんな悲しい顔をしないでください。」

P「でも、気持ち悪いだろロリコンなんて。」

まゆは今まで見た事ない様な真剣な顔つきで。
そっと手を包んでくれた。
自分の手が震えていたことが今、わかった。

まゆ「何度でも言います。」

まゆ「まゆはPさんを愛します。」

まゆ「例え何があろうとも。」

心の重りが軽くなる。
こんなにも素敵なアイドルが自分を信じてくれている。
なのに、自分は涙がこぼれそうなほどに震えている。

まゆ「大丈夫ですよ、まゆは貴方から離れることはありません。」

まゆ「私は、貴方を信じます。」

どれぐらい経ったのだろう。
こんな姿をアイドルに見られて慰めてもらっている。
情けない。だが、この手のぬくもりが教えてくれる。

P「ありがとう。」

優しさと信頼。
このぬくもりがそっと離れたときにやっと我に帰る事が出来た。
そして気が付くと自分の家に居た。
目の前にはまゆをはじめ、美波に凛に文香、美優さんまで。
皆、沈痛な面持ちで互いに見遣っている。

まゆ「ちょっとまゆだけじゃPさんを運べなかったので皆に連絡したんですよぉ。」

美優「あの、大丈夫ですか?」

美優「まゆちゃんから連絡があって、すぐに運転できるのが私だけだったので。」

文香「顔色が悪いようですが・・・」

美波「気分が優れないのでしたら横になりますか?」

促されるままに横になる。
どうしてこうなった。

凛「・・・それよりもさ、大事な事があるでしょ。」

凛「Pさんってロリコンなの?」

本当にどうしてこうなった。
まず、状況を整理しよう。
ここは間違いなく自分の家、周りには答えを待つ十の瞳。
問いは、俺はロリコンか。
まゆは微笑んでいるが、他の四人はどこか悔しそうな顔つき。
そうか、これは夢だ。そうに違いない。

凛「夢じゃないよ現実だよ、さぁ早く答えて。」

アイドルは読心術を持っているのか。
なら声に出さずとも分かるだろう。

凛「Pさん、ちゃんと言って。」

美波「私も気になります、その・・・」

まゆ「さぁPさんもう一回聞かせてください。」

・・・覚悟を決めよう。
もう俺は終わった身なのだから。

P「ああ、そうだ俺はロリコンだ。」

本日二度目の告白に反応は様々だ。

だが皆さほど驚いてはいなかった。
むしろ

凛「まぁ、分かってたけど。」

美波「やっぱり。」

文香「あの・・・その・・・」

美優「大丈夫ですよ、私は小さい子が好きでも。」

まゆ「そうですよ、ここに居るのはまゆと同じ。」

まゆ「どんなPさんでも受け入れられる人たちが集まっています。」

美優「ちゃんと治していきましょう。」

美優「もし、それでも駄目なら産みますから。」

凛「いいよ美優さん、ここは一番年下の私が。」

美波「凛ちゃんはトップアイドルでしょ。」

美波「それに、ここは大人と子供の狭間の大学生で。」

凛「大学生はもう十分成熟してるでしょ。」

文香「あの・・・私、本でそういう方のお話も目にしたことがあるので。」

まゆ「まゆはどんなプレイでも大丈夫ですよ。」

凛「でもやっぱり少しでも対象年齢上げないと。」

美優「そうですね、確かにこのままだと犯罪。」

まゆ「面会には毎日行きますね。」

美波「それよりも治すほうを考えましょう。」

文香「この前読んだ本ではスモッグプレイが・・・」

凛「・・・Pさんはどうなの。」

P「確かに対象年齢を上げたい。」

P「このままロリコンで終わるのは嫌だ。」

凛「ちゃんと自覚はあるんだね。」

美優「一緒に頑張っていきましょう?」

P「美優さん・・・」

まゆ「それで、Pさんの好みは誰ですか?」

美波「そうですね、ちゃんと把握しておかないと。」

勢いでここまで話がここまで進んでしまっていた。
後は野となれ、山となれ。深く考えるのはやめよう。

P「・・・女子高生だ。」

凛「え?」

P「俺は十八歳未満の女子高生に劣情を抱いてしまった。」

凛「は?」

まゆ「え、でもありすちゃんたちは。」

P「あれは、こんな子が欲しいなと思っただけだ。」

P「親心に近い。」

凛「・・・ふーん。」

P「おかしいよな、十歳近く年下の娘にこんな気持ち。」

美優「大丈夫です、私が傍に居ますから。」

文香「私はもう大学生ですし。」

美波「私、皆から大人ぽいとよく言われるので。」

美波「一緒に頑張りましょう。」

P「ああ、ありがとう。」

凛「ちょっと待って。」

P「どうした、凛?」

凛「女子高生は性的な目で見られて当然。」

まゆ「そうですよぉ、一番おいしいですよ。」

P「でもさっき対象年齢上げろって。」

凛「そんなこと言ったけ?」

まゆ「Pさんは少し疲れているんですよ。」

まゆ「少しベッド横になれば治ります、さぁ行きましょ。」

美優「待ってまゆちゃん、それじゃあPさんの治療にはなりません。」

美波「そうです、Pさんは大人に目を向けるべきなんです。」

まゆ「最初から大人はショック死してしまうかも知れませんし。」

美波「なら、なおさら大学生で二十歳未満の私が。」

文香「Pさん、大分溜まってますね。」

P「気持ち良いよ、文香。」

凛「そこは膝枕で耳かきしないで。」

文香「え、でもPさん疲れて。」

美優「Pさん二十歳未満はいけません。」

凛「でも、いやらしい目を向けるのは私なんだよね。」

まゆ「まゆはいつでも大丈夫ですよ。」

美波「大学生ですよ、やりやたい盛りですよ。」

美優「Pさん、子供は何人欲しいですか?」

文香「次は反対の耳にしますね。」

美波「凛ちゃんたちも後、数年したら。」

凛「Pさん、いや旦那のはじめては妻の私だから。」

美優「凛ちゃんはまだ結婚できないでしょう?」

美波「私は結婚も出来ますし若いですよ。」

文香「はい、Pさんコロんしてください。」

P「・・・どうしてこうなった。」

数日後

そうして俺は治療を開始した。
朝、美優さんに起こされて朝食を食べて出社する。

昼、文香と打ち合わせの後昼食。

夜、美波と美優と夕食を食べて寝床に着く。

最高の日々だ。
ロリコンも解消していけば立派な真人間に近づける。
これから素晴らしい毎日を過ごせる。
そんな期待に胸を膨らませて朝起きる。

Pさんどうですか?
素晴らしい毎日でしょう?
・・・まゆは全部知ってました。
Pさんは小さい子しか愛せない事も、そんな自分を変えたいと思うことも。
だから差し上げたんですよ、全部。
最初は本当に小さい子しか見てないから。
まゆ嘘ついちゃいました、どんな貴方でも愛せるなんて。
だから、「治療」しちゃうんです。
まゆをちゃんと愛せるように。
作られた夢の中で。
でも、それは全部幻です。
そんな幻を壊したときに、まゆはどんな風に見えるんでしょう。

まゆの夢は変わらずトップアイドルです。
でも、それはアイドルとしての夢。
まゆはもうこんなにも貴方を愛しています。
まゆの手の上で踊る貴方は可愛らしい。
逢引の証拠も、うふふ。
ねぇ、貴方の泣き顔もこんなに愛おしい。
まゆはもうすっかり貴方に染まった。
だから今度はまゆが貴方を染めてあげる。
ゆっくり、深くまで染めてあげる。
だから、はやく愛して。

すいません、これで終わりです。
昨晩、友人と飲みに行った際自分がコーヒーが好きなことを知っていたのでブレンドを作ってくれました。
日本酒とウィスキーとコーヒーは友人には悪いのですが合いません。
物凄く不味いです。

小児性愛は13歳以下とDSMでは定められているそうですが、世間は違います。
高校生同士のお付き合いと而立の男性と女子高生は明らかに見られ方が違います。
風営法でも、そして男性でも18禁が存在します。
ですが17歳の心の中までは分かりません。
拙い妄想を書き連ねる事しか出来ません。
二日酔いの残る頭で申し訳ないのですが、次は年齢層を下げて書きたいと思います。

最後に、見てくださった方ありがとうございました。

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