八幡「自然な所に収まった結果」 (201)

学校

三浦「結衣~今日ってさ、暇?」

結衣「部活あるけど」

三浦「それ終わってからでもいいからさ」

結衣「ごめ~ん、ゆきのんとご飯の約束もあるから」


三浦「そうなんだ、まあいいや」

結衣「ごめんね」


三浦「…」


海老名「どうしよっか?帰る?結衣は無理みたいだし」

三浦「ん、そうしよ」

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奉仕部

結衣「やっはろ~、遅れちゃってごめん~」


雪乃「ごきげんよう、由比ヶ浜さん」

八幡「おう」


結衣「ヒッキーもゆきのんもやっはろ~」


八幡「遅かったな、なんかあったか?」

結衣「ううん、別になにもないよ。今日はどうする?」

雪乃「そうね…一色さんからの依頼で、夏の旅行先特集…そんなのが来てるわ」


八幡「あいつ、生徒会の用事でそそくさと帰って行ったしな。勝手な奴だ」


雪乃「今に始まったことじゃないけれど、しょうがないわね」


結衣「夏の旅行特集か~。つまりそういう記事を作るってことだよね?」

雪乃「そうね、それでその一つの取材を頼まれたの」

結衣「旅行の取材か~なんか大がかりだね」


八幡「ああ、つまり泊まりで行けってことだろ?」

雪乃「つまりはそういうことね」


八幡「しかもポケットマネー…」

結衣「ええ~~?自腹って…それ依頼じゃないよ…」


雪乃「取材じゃなく、遊びに行く感覚でお願いしますということだから」


雪乃「参加できないなら、それでも構わないわ」


結衣「遊びに行く感覚…それなら楽しいかも」


八幡「お前ら行く気か?」

雪乃「そうね、私は部長として行くわ。由比ヶ浜さんもいくなら、あなたはどうするの?」

八幡「俺か?俺は…」


雪乃「ああ、そうね。あなたはマズイかもしれないわね」

八幡「……」


結衣「…じゃあさ、みんな呼んだらいいんじゃないかな?」


雪乃「みんな?」


結衣「ほら、いろはちゃんとか彩ちゃんとかさ沙希とか」

雪乃「あなたがいいなら、それでも問題ないけれど」

八幡「依頼で行くのに、部活に関係しない奴呼んでいいのか?」


雪乃「取材はついででいいということだし、みんなで遊びに行くのなら大丈夫でしょう」

結衣「あはは、ゆきのんも前向きだしいいんじゃないかな」

結衣「それなら、ヒッキーも行くでしょ?」

八幡「まあそりゃ…」


結衣「よし、決まり~~!」

八幡「明るいな、旅行とかめんどくさい」

結衣「ちょっと~行く前から言わないでよ!」

雪乃「空気の読めない男は嫌われるわよ、自重しなさい」


八幡「何気に雪ノ下も前向きだな」


雪乃「高校最後の夏だもの、こういうのもいいと思ったのよ」

結衣「ゆきのんからそんな言葉が聞けるとは思わなかったな~」

雪乃「なによ、もう…あなたは…」

八幡「行くのは決定か」

結衣「うんうん、じゃあメンバーは…」


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海老名「優美子」

三浦「ん~~?」


海老名「葉山くんとどうなの?」

三浦「いきなり聞く?そういうこと」

海老名「付き合えたみたいでなによりです~。グループ崩壊しないかひやひやしたし」

三浦「ま…それはそうだけどさ」


海老名「まさか告白するなんて思わなかったし」

三浦「あーしもうまく行くとは思わなかったけど」

海老名「じゃあなんで?行っちゃえ!みたいな?」


三浦「そんな感じ」


海老名「やる~~」

三浦「うっさいし」

海老名「優美子、最近イキイキしてる感じするし、前よりも可愛くなったと思うよ」

三浦「あ、ありがと…」

海老名「照れる優美子とかいい感じ~~」


三浦「ったく、バカにしてるっしょあんた」

海老名「いや~~こうなると、あとは結衣だよね」

三浦「あんたはどうなんよ?」


海老名「わたしはまだまだいいかな~なんて思うし、やっぱり結衣だよ」

三浦「結衣ね…あいつのこと好きな男はいっぱいいるんだけどね」

海老名「肝心の結衣の心がね~」


三浦「ていうか、自然な所に収まったとおもうんだけど」

海老名「奉仕部のこと?」

三浦「うん」

海老名「ま、そうとも言うかな」

三浦「結衣が付き合わないって決めたんでしょ?あの関係壊したくないから」


海老名「女2の男1だもんね~色々ギスギスするかな」

三浦「ヒキオの奴からしたら高嶺の花もいいところだけど、あいつもそれに従ったんでしょ」

海老名「そうしてる内に、ヒキタニ君はサキサキと付き合いました~」


三浦「あの3人の中で一番最初に恋人見つけたのがヒキオってのが驚きだけど」

三浦「まあ、それが自然の流れじゃない?あの二人ぼっち同士で仲良いみたいだし」


海老名「奉仕部の関係壊さないようにするなら、いずれはこうなるよね~」

海老名「自然な所に収まったって言えるかな?」

三浦「結衣も早く忘れるしかないって」


海老名「そうなんだけど、結衣の心情としては複雑みたいだしね」

三浦「ていうか、結衣から言い出したことなんでしょ」

海老名「そうみたいだけどさ」


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奉仕部の帰り道


結衣「じゃあ、彩ちゃんといろはちゃんと優美子と隼人くんも呼んでいいよね」


八幡「ま、いいんじゃね?」


結衣「あとは…沙希」

八幡「俺から言ってみる」

結衣「うん、お願いね」


雪乃「葉山くんを呼ぶのね…不本意だけれど」

結衣「優美子の彼氏になってるからさ」

雪乃「まあ別にいいわ。それじゃあ比企谷くん、川崎さんによろしくね」

八幡「おう」

その夜

電話にて…


川崎「え?じゃあ、泊まりで行くんだ

その夜

電話にて…


川崎「え?じゃあ、泊まりで行くんだ」

八幡「まあ、そうなるな」

川崎「ふ~ん、由比ヶ浜や雪ノ下とね」

八幡「葉山たちも来るぞ」


川崎「それはいいんだけど、どうでも」

八幡「川崎も来るか?」

川崎「あんたが行くなら、行かないわけないでしょ」


八幡「そ、そうか…?」

川崎「じゃあ、あたしも行くから」

八幡「おう、来てくれるなら伝えとくな」

川崎「うん、よろしく言っておいて」


八幡「わかった」

川崎「ところでさ」

八幡「どうした?」

川崎「奉仕部ってどうなってんの?まだあるの?」


八幡「そりゃまあ…消滅はしてないぞ」

川崎「まだあるんだ」

八幡「そりゃな、意外とまだ残ってる」

川崎「…そういえばここ何日かは家の用事でご無沙汰だったけどさ」

八幡「どした急に」

川崎「明日からまた一緒に帰らない?」

八幡「…わかった。そうするか」

川崎「今日はさ…」


八幡「?」


川崎「あ、ううん。なんでもない。比企谷、また明日ね」

八幡「おいおい、言いかけてやめるのかよ」

川崎「いいでしょ別に。それじゃまた明日ね」


八幡「おう…またな」ピッ


八幡「……」


八幡「なんとなく実感してきたな、付き合ってることを…なんというか…」


小町「だよね~。恋人同士のラブラブ話を周りに聞かせるくらい余裕なんだもん」


八幡「うおっ、小町。盗み聞きはよくありませんよっ」


小町「お風呂場の近くで何言ってるんだか」

小町「でもさ~沙希さんもいるのに、結衣さんや雪乃さんと旅行だなんて」

小町「お兄ちゃん、両手に花ですらないよ!溢れてるよ!」


八幡「なんのこった、意味不明だぞ」


小町「でも旅行は事実でしょ」

八幡「ま、奉仕部の活動の一貫だけどな」

小町「生徒会の特集記事になるんだよね」

八幡「ああ」


小町「なんだかアバウトな依頼だし、ほとんどアバンチュールしたいだけじゃん」

八幡「落ち着け小町。意味が通じてないぞ」

小町「まさかお兄ちゃんに彼女できて、結衣さん達にはまだいないなんて…!」


小町「正直想像してなかった」

八幡「そんなことどうでもいいだろ」

小町「そっかな~?重要な事だと思うけど」


八幡「ま、自然な流れで収まったってことか」

小町「自然な流れね~、確かに沙希さんとお兄ちゃん、相性は良さそうだけどさ」


八幡「学校でも妬まれてないぞ。八幡ぼっちライフは健全だ」


小町「なにそれ?まあ結衣さんと付き合ってたら、色々噂が出ただろうけどさ」


八幡「雪ノ下もある意味そうだぞ」


八幡「葉山くんとどうなったの?とかそういう感じのやつが」

小町「あ~なんとなくそうなりそうだね」


八幡「まあ、俺があの二人と付き合うとかは夢の話だが」


小町「またまた、どうみたって付き合えてたでしょ」

八幡「…」

小町「そうだよお兄ちゃん。お兄ちゃんは頑張ったんだよ」


八幡「俺の妹が哲学的な話をしようとしてる」

小町「茶化さないでよ」

八幡「俺がかわいい妹にそんなことするか」


小町「あはは、だよね。えっと話戻すけど、お兄ちゃんは奉仕部のこと考えて今の現状に収めたんでしょ?」

八幡「…」

小町「まあ、小町としては川崎さんと付き合えたのは凄いと思うしさ~いや~」

八幡「なにが言いたいんだよ…それに奉仕部のことなんて考えてないぞ俺は」

小町「またまた」

八幡「奉仕部なんてどうでもいいんだよ」

小町「あの二人のことは考えてるって付け足さないのがお兄ちゃんらしいというか…誤解生むというか」


小町「まあ奉仕部は唯の飾り…ていうか部活だもんね」

八幡「まあな」

小町「でもお兄ちゃん達卒業したら廃部だよね?小町が入部して奉仕部存続させようかな」


八幡「やめろ、もっとちゃんとした部活してくれ」

小町「といっても小町、まだどこも入ってないけどね」

八幡「早く運動部に入りなさい。お兄ちゃんは心配ですよ」

小町「お兄ちゃんに心配されてもな…お兄ちゃんも入ってなかったじゃん」

八幡「俺はいいんだ。しかし、小町はちゃんと健全な道を歩みなさい」


小町「なによ?沙希さん捕まえた余裕?お兄ちゃんだってこれから沙希さんと大変でしょ?」


小町「小町のこと気にしてる余裕なんてないと思うけどな」


八幡「…」


小町「それに雪乃さん達とだって、ひと悶着ありそうだもんね」

八幡「お前、ちょっと楽しんでないか?」

小町「え~そんなことないよ?あ、そうだお兄ちゃん。旅行のおみやげなんだけどさっ」


八幡「小町…棒読み…ていうかおみやげ確定かよ…」

小町「えへへっ、お兄ちゃん。向こうでは色々気をつけた方がいいと思うよ?」

八幡「ん?」

小町「どういう風に接するのかって意味でさ」


八幡「……」

学校

ガヤガヤ

八幡「…はあ」


川崎「大きなため息なんかついてどうしたの?」


八幡「川崎」

川崎「おはよう」

八幡「おう、おはよ」


川崎「それで、どうしたの?」

八幡「いや夏休み前なのにこの暑さはなんなのかという一般的な疑問を」

川崎「なにそれ?学校行きたくなくなってたとかそういうの?」

八幡「まあそんなところだ」

川崎「比企谷…しっかりしてよ」

八幡「冗談…というか、あまり冗談じゃないけど早く休みならないかって思ってるだけだ」


川崎「休みに入ったら、あたしと海いくんでしょ」

八幡「例の旅行、海に決まったなそういえば」

川崎「知り合いと海ってシチュエーションなんて想像してなかったけど」


川崎「まさか彼氏と行くことになるなんてね、それも比企谷と」

八幡「俺も驚きだが…まあ他にもたくさんいるけどな」

川崎「それはそうだけどさ」


八幡「海…ね」


川崎「比企谷?どうしたの?」

八幡「いや…なんでもねえ」

川崎「…なんか変なこと想像してない?」

八幡「誤解だ、一色の奴はまた海で泊まりなんて面倒なこと企画したなって思っただけだって」

川崎「今回女子の比率高いしね」

八幡「話聞いてるか?」

川崎「比企谷もやっぱりさ、そういうの気になったりすんの?女子の水着とか

八幡「俺も男だからな…待て、なんの話だ」

川崎「やっぱり…あんたもそうなんだ」


八幡「誘導尋問だ」

川崎「心の中の言葉は出てきたって感じだった」

八幡「違う」

川崎「違わない」


スタスタ


葉山「あれ、あれは比企谷じゃないか」

三浦「あれ、ホントだし」

葉山「なんだか揉めてるみたいだけど、仲良さそうでいいね」

三浦「あの二人、マジで付き合ってるんだ」

葉山「結構前からじゃないか?」

三浦「そうかもだけど、あんまり実感なかったし」

三浦「こうやって見ると…ホントなんだって思って」



葉山「今度の旅行でも一緒に行くね」

三浦「向こうでラブラブとかやめてほしいし」

葉山「いや、付き合ってるなら俺達も一緒だよ」

三浦「そうだけどさ~」


葉山「しかし比企谷がね…まあ彼のことだから大丈夫だとは思うが」

三浦「…隼人、早く行こ」

葉山「ああ、そうだね」

更新

戸塚「おはよう八幡」


八幡「戸塚、おう」

川崎「おはよ」

戸塚「川崎さんもおはよう。今日は一緒に登校?」

八幡「んなわけあるか」


川崎「さっきそこで一緒になっただけだよ」

戸塚「そっか、でも不思議だね。2人が並んで登校なんて」


川崎「そう?けっこう普通に受け入れられたみたいだけど」

八幡「なにがだ?」

川崎「私達が付き合ったこと」

八幡「雪ノ下たちにか?」

川崎「なんでそこで彼女らが出てくんの?」

八幡「いや…別に」


川崎「別にじゃないでしょまったく…」


戸塚「へえ」

川崎「なに?」


戸塚「あはは、恋人って感じだなって思ってさ」

八幡「なに言ってんだよ…」

川崎「…話戻すけど、周りの連中にだから」

八幡「周り?」

戸塚「あ、そういうことか…なるほどね」

川崎「あたし達だと別に不思議じゃないっていうか…自然なんでしょ」


八幡「俺達は付き合ったことか?」


川崎「そういうこと。あたしらって一人の時が多い印象でしょ」

八幡「ま、そうかもな。それでかよ安易だな」


川崎「噂なんてそんなものでしょ」

戸塚「二人がどういう経緯で付き合ったのか興味はあるけどね」

八幡「まあ、それは…」


川崎「…結果論ていうか」


八幡「おい、俺が悪いみたく言うなよ」

川崎「何言ってんの、あんたも悪いでしょ。まあ、あたしもあれだったけど」


戸塚「…?どういうこと?」


八幡「まあ…別にいいだろ。あんまり話すことでもないし」

戸塚「まあ聞くだけ野暮かな。でもさ」

八幡「ん?」

戸塚「ちゃんと川崎さんのこと愛してるんだよね?」


八幡「…んな…!」

戸塚「どうなの?八幡?」

川崎「……」

八幡「言わないと駄目か?」

川崎「あたしに言われても困るんだけど」


八幡「それもそうか…まあ、好きだ。それは間違いない」

川崎「なに人前で変なこといってんのよ…ばか」


八幡「川崎といると落ち着くしな。その、悪くないと思う」

川崎「……あ、ありがと」



戸塚「もう僕向こうに行った方がいいかな?」


八幡「戸塚、性格悪くなってないか?」

戸塚「いや、でも安心したよ」

八幡「戸塚?」

戸塚「八幡が楽しそうで」


川崎「…」

八幡「戸塚…」

戸塚「内心は色々トラブルにならないかなって心配してたんだ」


八幡「…マジか」

戸塚「うん…て、こんなところで言うことじゃないよね。じゃあ、海楽しみにしてる」

八幡「おう」


川崎「なにが言いたかったかわかる?」

八幡「いや…」

川崎「まあ、あたしもわからないけど」

昼休み キーンコーンカーンコーン


海老名「そういえば葉山くんは?」

三浦「ん~?部活の用事でさ、いろはと食べるって」

海老名「あ~あの子と」


三浦「いろはの奴ってまだ隼人のこと狙ってんの?」

海老名「いや、それはないと思うけどな」

三浦「だって全然彼氏作らないみたいだし。2年ならいくらでもいるでしょストックが」

海老名「ストックって…まあ、色々複雑なんじゃないかな~」


三浦「いろはもヒキオのこと好きだったみたいだしね」

海老名「そうかもね、ていうかそうにしか見えないというか」

三浦「結衣の奴もそうだし…」

海老名「まあどっちも振られたってことかな」


三浦「あーしとしてはその方がよかったけどね」


海老名「優美子」

三浦「だってさ、不自然に見えるし、絶対変な噂たつし」

三浦「ヒキオの奴も、なんであんな奴とみたいなこと言われるだろうし」

海老名「まあ…それは否定できないけどさ」

三浦「あーしらが認めてたってさ、噂なんて所詮なんも知らない第3者のヤジなんだし」


三浦「自然なところに収まってないと、どうしても出てくるって」

海老名「う~ん、そうなるとサキサキと噂がたってないのは周りからも自然に見えるんだね」

三浦「ま、そういうことでしょ」


海老名「そういう意味だと葉山君と優美子もいい感じでしょ?」

三浦「あーしらの場合はみんなびびってるだけだって。内心じゃ恨まれてるし」

海老名「葉山くん人気者だしね」

三浦「付き合ってみたらわかるけど、別段そこまででもないけどね」


海老名「うわ…校内の女子を敵に回す発言っ」

三浦「まあ事実だし、でも隼人のことは前よりも好きになったかも」

海老名「なになに?付き合って心の余裕ができた?」

三浦「うっさい」

川崎「ねえ比企谷」

八幡「なんだ?」

川崎「こんな校舎の隅でごはん食べなくてもさ」


八幡「いいだろ、こういうところの方が落ち着く」

川崎「相変わらず苛められっ子気質?」


八幡「しょうがないだろ、習慣だ」

川崎「もっと自信持ったらいいのに」

八幡「一人でいることにかけては誰にも負けない自信があるぞ。一人でも余裕しゃくしゃくだ」

川崎「由比ヶ浜とかさ、他の男子が誘っても全然相手にしない子と親しいんだし」

八幡「なんだよ急に」

川崎「2年の生徒会長みたいな、学年のアイドルとも親交あるんだし」


八幡「一色か、あいつと親交あるのって自慢になるのか」

川崎「それから…ほら、彼女もできたんだし」

八幡「……」


川崎「お弁当食べよっか」

八幡「いきなり話飛ばすなよ…まあ、食うか」

川崎「今日は作ってきたんでしょ?」


八幡「まあ」

川崎「男にしてはやけにうまいよねあんたってさ、感心する」


八幡「そうか?まあ、最近はちょくちょく作ってるしな」

川崎「その卵焼き欲しい」

八幡「いいけど、食うのか?」

川崎「あたしのおかずどれでもあげるからさ」


八幡「いや待て…これは…」


川崎「照れてんの?」


八幡「バカ言うな。ちょっと恥ずかしいだけだ」

川崎「それが照れてるんでしょ。別に恋人同士だしいいんじゃない?」


川崎「それとも、恋人同士でも間接キスとか気にするわけ?」


八幡「…まあ、それもそうか。じゃあ、それもらう」

川崎「はい」

八幡「サンキュ、じゃあ卵焼き取れよ」

川崎「うん、ありがと」

川崎「あ、おいしい。さすが比企谷」

八幡「卵焼きくらい誰でもできるだろ」


川崎「そんなことないって。あたしも妹たちの為に、料理勉強したりしてるけどさ」

川崎「形もいいし、こういうのなかなか作れないと思うよ」


八幡「お前の鶏のから揚げもうまいんだが」

川崎「そ、そう?ありがと」

八幡「なんというか…」

川崎「なによ?どうしたの?」


八幡「いや、俺にしてはありえないというか…」

川崎「ありえないってなにが?」

八幡「こうやって女子と食べてることとか、色々だよ」

川崎「なんでそこで彼女って言わないかな。まあ、比企谷らしいけど」


八幡「慣れてないしな」

川崎「彼女と一緒にご飯食べて、リア充っぽいって言いたいの?」

八幡「まあ、そんなところかな。正直信じられん」


川崎「…あたしと付き合ったからってリア充になるわけ?」

八幡「川崎のレベルと付き合えて、リア充じゃないとか、どんだけリア充の壁は高いんだよ」


川崎「なっ…!あ、あんたって唐突に照れること言うよね…」


八幡「あ、悪いっ」


川崎「いや、嬉しいからいいんだけどさ」

八幡「…」

川崎「…」

川崎「早く食べないと、昼休み終わりそうだね」

八幡「そ、そうだな」パクパク


川崎(まさか比企谷が、あたしの外見褒めてくれるなんてね…)

川崎(さっきのはそういうことだよね?間違ってないよね?)

川崎(まあ、比企谷と付き合う前から体型的には少しは自信あったけどさ)

川崎(最近もウエスト変わらないのに、胸とお尻は大きくなったし)


川崎(あたしもまだま)

川崎(あたしもまだまだ成長期かな)


川崎「海だけどさ」

八幡「ん?海?旅行のことか」


川崎「それそれ。けっこう楽しみなんだ実はさ」

八幡「へぇ、意外だな」

川崎「そう?」

八幡「あまり大勢で騒ぐの好きじゃないって思ってたぞ」

川崎「騒ぐのはあんまり好きじゃないけどさ」


八幡「海とかも別に興味ないだろ?」

川崎「海行くのは楽しみだし、比企谷とさ」

八幡「……あそ」

川崎「そこは、俺も沙希と行くのは楽しみだって言ってほしいところだけど」


八幡「なんで俺は葉山になってんだよ。しかも下の名前って」

川崎「あんたの中で葉山ってそういうキャラなんだ…」

八幡「あいつは天然ジゴロで意味もなく褒めたりしそうだしな」

川崎「勘違いする女は多そうなイメージはあるけどさ」


八幡「まあ葉山のことはいいとして、俺も案外楽しみにしてる」

川崎「せっかく行くんだし。楽しまないと損だよね」

八幡「おう、自腹だしな」


川崎「依頼で自腹ってどうなの?」

八幡「俺もわからん」


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同じく別の場所


葉山「そういえば、いろはと二人で食べるのは初めてかな?」

いろは「そういえばそうかもしれませんね」


いろは「2年の子に言いふらしたら、みんな悔しがると思いますよ」


葉山「ははは、あまり優美子の耳に触れることはやめてほしいな」

いろは「お二人付き合ってるんですよね?あ~あ、あたしの葉山先輩への告白が…」

葉山「おいおい、いろは。心にもないことを言わないでくれよ」

いろは「え~心にもないことって」


葉山「君は他に好きな人がいるだろ?」

いろは「ま、そっちも振られちゃいましたけどね」

葉山「告白はしたのかい?」

いろは「してませよ。最初は奉仕部のお二人のどちらかと付き合うと思ってましたし」

葉山「比企谷といろはならお似合いだと思ったけどね」


いろは「え~~?先輩とわたしなんてスッポンと月くらい差がありますっ」

葉山「そうかな?うまく行きそうだけどな」


いろは「…でも駄目でした。色々作戦は練ってたんですけど」

いろは「使う前に、先輩は違う人と付き合ったし」


葉山「自然なところに収まったのかな」

いろは「自然ですか…まあ、あの二人お似合いですけど」

葉山「比企谷といろはが付き合ったとして…しばらくは好奇の目で見られただろうな」


いろは「…葉山先輩もそういうこと言うんですね」

葉山「君も周りの眼を気にしてないか?」

いろは「そうですけど…先輩を悪く言うのは、なんだか嫌です」

いろは「それがわたしの前に好きだった葉山先輩が言うのは」

葉山「別に悪く言ったつもりはないさ」

葉山「むしろ羨ましいとさえ思うよ。彼のことは」

いろは「…」


葉山「でも周りの反応はきっと事実だよ。既に何人かの知り合いにも聞いてみたが」

いろは「戸部先輩たちですか?」

葉山「いや全く比企谷とは接点のない人にだよ」

いろは「なんて聞いたんです?」

葉山「例えば、比企谷が結衣やいろはと付き合ってたらどう思うかってね」


いろは「どんな感じですか?」

葉山「なんというか、驚いたり、嫌悪する者もいたかな」

いろは「雪ノ下先輩と付き合ったらっていうのも聞いたんですか?」

葉山「いや、雪ノ下さんは元々交友関係がない方だから気かなかったよ」


いろは「川崎先輩と付き合った時の反応とあんまり変わらないってことですか?」

葉山「おそらくね。だから、比企谷としては雪ノ下さんと付き合っても周りはあんまり気にしないかもね」

いろは「むむむ…」


葉山「いろは、顔が怖いことになってるよ」

いろは「雪ノ下先輩と先輩は…悔しいけどお似合いですよね…わたしも結ばれると思ってましたし」

葉山「ああ、でも彼らは奉仕部で色々とあったしね」


いろは「はい…三角関係ですよね」

葉山「だから、比企谷は離れたんだよ。違うか、結衣の望み通りいつもの奉仕部で居続けたんだ」

いろは「それだったら、3人共別々の人を好きになるしかないですね」


葉山「そうだね、しかし思いのほか、結衣たちは諦めてないようだ」

いろは「え~?先輩のこと諦めてないんですか?」

葉山「まあ、俺の勘違いかもしれないけどね」

葉山「比企谷に彼女はできたが…奉仕部の関係は特に変わらないし」


いろは「先輩って優しいですから、そういうのは律儀にまもるんでしょ」

葉山「かもしれないが…結衣の気持ちは複雑かもね、雪ノ下さんも」


いろは「…わたしだって、複雑です」


葉山「……」


いろは「川崎先輩か…あの人美人ですよね。スタイルもいいし」

葉山「比企谷もそういうところに惹かれたかな」

いろは「水着着てくるんですよね…あの人も」

葉山「彼女は独り身だったが…隠れファンもいるらしいしね」

いろは「はあ、前途多難だな~」

葉山「いろはは彼氏つくらないのか?」


いろは「キープしてる人はいますけど」

葉山「比企谷も以前はそうだったのか?」

いろは「まあそうですね」


いろは「恋人か~どうしよっかな…A君かB君か」

葉山「選び放題じゃないか」

いろは「葉山先輩に言われたくないです、三浦先輩に言いつけますよ」

葉山「勘弁してくれ…ははっ」

いろは「恋人…楽しそうですよね。一皮むけて成長とかもありそうだし」

葉山「確かに成長できるところはあるね」

いろは「なんかやらしいんですけど」


葉山「……」


いろは「葉山先輩ってそういうキャラでしたっけ?」

葉山「優美子にも同じこと言われたかな」

いろは「ぷぷっ、言われそうですね。あはは」


葉山「ははははっ」


いろは「少し考えます。海で修羅場とかあれば…とか思いますし」

葉山「おいおい」

いろは「それで、先輩と川崎先輩が不仲になれば…とか」

葉山「いろは…怖いよ…」

放課後

八幡「んじゃ、俺は部活行ってくる」

川崎「不思議に思うんだけどさ」


八幡「ん?」


川崎「あんまり部活って感じしないよね奉仕部って」

八幡「まあな、依頼が来ないとただの帰宅部の集まりだしな」


川崎「比企谷も文庫本読んでるしね」

八幡「ああ、まああんなところでも、今では大切な場所って思えるのが驚きだ」

川崎「大切な場所…ね」

八幡「なんだ?」


川崎「別に。今日一緒に帰るでしょ?校門のところで待つから」

八幡「本当に待つのか?無理にそんなことしなくてもいいぞ」

川崎「図書室に寄ったりして時間潰すから。終わったら連絡して」


八幡「わかった」


川崎「それじゃ」スタスタ

奉仕部


八幡「今日も依頼こねぇな」

結衣「まあいいじゃん、しょうがないよ」


雪乃「元々、それほど多く来ないものね」


結衣「それよりさ~旅行だよ、旅行!たのしみ~~」

八幡「あまり浮かれすぎるなよ」

結衣「ヒッキーに言われなくてもわかってるよ」

雪乃「あなたも彼女と浮かれすぎないようにね」

八幡「…わかってるっての」


結衣「沙希とか~いいな~。ねえ、やっぱり恋人って楽しい?」

八幡「俺に聞くか?」

結衣「この中で恋人もちってヒッキーだけじゃん」

雪乃「そうね」


八幡「そもそも聞く相手間違ってるだろ…まあ、悪くないとは思えるか」

雪乃「なんとも要領を得ない回答ね」


八幡「実際に恋人作ってみて、体験すればいいだろ」

結衣「簡単に言うしっ」

八幡(この二人なら簡単な気がするが)

雪乃「私が相手がいないわ」


結衣「あたしもかな~」


八幡「由比ヶ浜もいないのか?」

結衣「え~いないよ。彩ちゃんとか…て、さすがにちょっと違うかな」


八幡「戸塚か…」

結衣「いやいや、言ってみただけだよ?本気にしないでよね」


八幡「葉山グループの連中とかはどうなんだ?」

結衣「え~?さすがに付き合うのはないかな」


雪乃「交友関係の広い由比ヶ浜さんでもこうなのよ?」

雪乃「わかったかしら?比企谷くん」

八幡「なにがだ?」


雪乃「あなたは罪深いのよ。色々と」

八幡「……」


雪乃「冗談だけれど」

八幡「冗談かよ」

雪乃「じゃあ、少し本気」

八幡「どっちなんだよ」

結衣「本気、か…」

八幡「由比ヶ浜?」


結衣「ううん、なんでもないよっ」


雪乃「あなたは本当に罪深いわね」

八幡「俺は悪人なのか」


雪乃「ある意味そうとも言えるわね」

結衣「ゆきのん言い過ぎだよ~~」

雪乃「大丈夫よ、比企谷くんがこんなことで怒ると思うの?」

結衣「それは思わないけど」


八幡「…」


雪乃「比企谷くん、携帯番号教えてもらえるかしら?」

八幡「はあ?いきなりなんだよ」

雪乃「別にいいでしょ。携帯番号教え合うほどには近しい関係なのだし」

結衣「ヒッキー、ゆきのんとも番号交換するんだ」

八幡「まあ、いまさらって気がするけどな」


雪乃「川崎さん以外にも、一色さんや折本さん達とも番号交換してるんでしょ?」

雪乃「なのに、私がその中にいないのは不公平だわ」


結衣「ヒッキー…いつのまに」

八幡「ま、まあ…川崎と付き合う前にちょこちょこと」

結衣「ちょっと~~目が泳いでるじゃんっ!」

雪乃「本当に付き合う前かしら?」

八幡「なんでそんなところ追及されないとだめなんだ…」


結衣「…」じー

雪乃「…」じー


八幡「すごいプレッシャーを感じる…」


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モブ1「そろそろ帰るか?」

モブ2「そうするか~どっか寄ってくか?」

モブ3「それより、あれってどうなったんだ?」


モブ1「あれってなんだ?」

モブ3「あれだよ、奉仕部とかいうの」

モブ2「奉仕部?ああ、そんな部活もあったっけ。葉山が言ってたかな」


モブ3「由比ヶ浜さんの所属してる部活だろ?あそこの比企谷だっけ?あいつとの関係」


モブ1「そういや一時期噂になってたな。お前って由比ヶ浜のこと好きだったのか?」

モブ3「由比ヶ浜さんなんて大抵の男が付き合いたいって思ってるだろ」

モブ1「まあ、そうかもしれんけど。俺もその一人だしな」

モブ2「たしか、川崎沙希と付き合ってるんだろ、比企谷って」

モブ1「あ~そういや弁当食ってるところ何回か見たことあるな」


モブ3「まあ、由比ヶ浜さんと比企谷なんて絶対認められないしな」

モブ1「…まあ外見的にはそうかね」

モブ2「……」

モブ3「てことは、俺が狙ってもいいんだよな?」


モブ1「まあ、いいんじゃね?」

モブ3「だよな~比企谷みたいな奴じゃなくて、隣に歩かせるならお洒落な奴じゃないとよ」


モブ3「やっぱ恥ずかしいだろ?街中歩く場合とか」

モブ1「まあ否定はできんけど」

モブ2「…」

モブ1「ていうかお前、ほんと好きなのな」

モブ3「当たり前だろ」

モブ1「確かに比企谷の奴、あんまり洒落てるって感じじゃないが」


モブ3「ああ、なんで由比ヶ浜さんと一緒にいられるんだよ。由比ヶ浜さんも嫌なんじゃね、ほんとは」


モブ1「さあな~ていうか、お前性格悪いよな」


モブ3「とにかく由比ヶ浜さんと付き合うなんて絶対認めらんねぇ。そう思ってる奴は多いだろ」

モブ1「かもな」

モブ3「川崎みたいな美人と付き合ってるのも驚きなのにな」


モブ2「えらい言われようだな…」


モブ3「うお、いきなり口開くなよっ、びっくりするだろ」

モブ2「でもよ、葉山と三浦さんはあいつのこと認めてるみたいだぞ」

モブ3「はあ?んなわけあるかよ」

モブ1「そういや戸部も言ってたな。ヒキタニ君すげーみたいなこと」

モブ3「はあ?マジかよ、なに考えてんのあいつらも」


モブ2「お前含めて男子の一部の意見は比企谷死ね!かもしれんけどな」


モブ2「三浦さんは、結構由比ヶ浜と比企谷の仲認めてるんじゃないか?」


モブ3「おいおい…」


モブ1「あ…おい」


モブ3「えっ?あ、あれは…」




雪乃「校門のところで彼女待たせるなんて、あなたも偉くなったわね」

八幡「別に偉くなったわけじゃないだろ…」

雪乃「言葉尻とらえても意味ないわよ、全く」


八幡「…」


結衣「ヒッキーのバカ~~っ」


八幡「バカ呼ばわりとかひどくね?」

結衣「バカだよ~~っ」

八幡「雪ノ下、なんとか言ってやってくれ」

雪乃「なにか言ったかしら?バカ」

八幡「…いや、もういい」


結衣「ふ~~んだ、ヒッキーなんて知らないもん」

雪乃「そうね、由比ヶ浜さん。彼女を待たせている人はほっておいて、ごはんでも食べに行きましょうか」


結衣「あ、いいねゆきのん!どこに行こうか?」


八幡「なんかすげぇ責められてるような…」



モブ1「なんだあれ…」


モブ3「あの野郎…」

モブ2「おいおい…変なこと考えるなよ」


モブ3「…なんだよ、あれ…」

雪乃「あら?川崎さんが見えるわね。早く行ってあげたら?」

八幡「言われなくても行くっての」


結衣「ヒッキー…」

八幡「なんだ?」


結衣「えっと、なんていうかさ」

八幡「…?はっきり言えよ」

結衣「ヒッキーには沙希がいるけどさ…」

八幡「…ああ」

結衣「変わらないよね?あたし達3人の関係は」


八幡「あたりまえだろ、いまさら何いってんだ」


結衣「うん、よかった!じゃあ、行ってらっしゃい」

モブ3「な、なんなんだよ…あいつは…」

モブ1「すげぇ…なんか絶対無理じゃね?勝てないだろあれには」


モブ3「な、なにいってんだよ…ただキープしてたようにしか見えねぇよ…」


モブ2「つーか同じ部活で仲良くなったんだろ」

モブ3「仲良すぎだろ…彼女いるんだろ、比企谷は」

モブ2「まあ奉仕部での時間がそれだけ凄かったってことじゃね」


モブ3「……」

モブ1「なんか入る隙なんてないだろあんなの、絶対断られるわ、告白しても」

モブ2「まあ、卒業まで無理そうだな」



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帰り道

川崎「今日早くない?終わるのさ」

八幡「まあ、お前を待たせるのもあれだしな。あいつらも気遣ってくれた」


川崎「そういうことね」


八幡「どうする?飯食べて行くか?奢るぞ」


川崎「いいってそれは。あたしも出すから」

八幡「いや、ここは男が云々ってやつだろ」


川崎「なんかすごいところ端折ってるけど、あたしにそういう気遣いいらないって」

八幡「そうか?」

川崎「うん、嬉しいけどさ」


八幡「それじゃ、とりあえず晩飯だけは食べにいくか」


川崎「うん、チョイスは比企谷に任せる」

八幡「あんま期待すんなよ、葉山みたいにはいかないから」

川崎「大丈夫だって、あたしはそういうところ気にしないから」

八幡「そう言ってもらえると助かる。変に緊張しないしな」

川崎「そういえばさ」

八幡「ん?」


川崎「途中まで、由比ヶ浜たちと来てたの?玄関の所で別れたみたいだけど」

八幡「おう、あいつらは二人で飯行くって言ってた」

川崎「ふ~ん、なんかやけに親しそうに話してなかった?あんたさ」


八幡「おい…話が逸れてないか?」


川崎「逸れてないでしょ」

八幡「とにかく飯行こうぜ、けっこう腹減ってるし」

川崎「なんかはぐらかしてない?」


八幡「そ、そんなことないだろ…」


川崎「ま、いいけどさ。ただ…」


八幡「…なんだ?」


川崎「奉仕部の二人と一緒にいるのは…その、少し考えてよ…」



八幡「…川崎」

川崎「密室に3人でいるわけだしさ…色々気になるでしょ」


川崎「あの二人可愛いし」

八幡「密室って…変な想像すんなよ」


川崎「ゴメン、変なこと言って」

八幡「いや…別に大丈夫だけどな」


川崎「…ありがと」


八幡「いくか」

川崎「うん」


スタスタ


そのころ


結衣「んじゃ、あたし達も帰ろっか」

雪乃「そうね、そうしましょう」

モブ3「ゆ、由比ヶ浜さん!ちょ、ちょっといいかな?」


結衣「え?あたし?」


雪乃「…」

モブ3「う、うん。ちょっとさ、話しておきたいことが…」

結衣「今じゃないと駄目かな?これから帰るんだけど…」

モブ3「すぐ終わるからさ」


結衣「う、う~ん…」

雪乃「由比ヶ浜さん、私に気を遣う必要はないわよ。待ってるから」


結衣「ほんとごめんね、ゆきのん」

雪乃「気にしないで」

結衣「わかった、ありがとう」

モブ1「あいつ…マジか」


モブ2「信じられないことするな…由比ヶ浜に引かれないといいが」



結衣「えっと、それでなにかな?」

モブ3「うん実はさ…」


結衣「うん」

モブ3「由比ヶ浜さん、まだ彼氏いないって聞いてるから…」

結衣「うん?」


モブ3「その…そんなに親しかったわけでもないけどさ…俺…」

結衣「ええっと」

モブ3「前から好きだったんだ由比ヶ浜さん。その…付き合ってください!」


結衣「……」

モブ3「……」

結衣「えっと、ゴメンなさい」

モブ3「…やっぱり比企谷がいいんだ?」


結衣「えっ?いや…別にヒッキーのことだけじゃなくて」

モブ3「なんで…なんでかな?由比ヶ浜さん、彼氏いないんでしょ?」

結衣「いないけど」

モブ3「俺さ…見た目とかもそんなに悪くないと思うけど…」

結衣「えっと、確かにそうかもだけど…別にそういうの見てるんじゃなくて」


モブ3「やっぱり比企谷じゃないか…なんであいつに…」

結衣「ヒッキーは関係ないよ、どうして今出てくるかな?君とあたしの話なのに」

モブ3「あいつは彼女いるんだろ…?それなのにまだ、由比ヶ浜さんと親しくしてるなんて…」


モブ3「今の彼女と別れてもすぐに由比ヶ浜さんと付き合えるみたいな…」


結衣「待ってよ…ヒッキーはそんなこと考えないよ。あたし達同じ部活なんだし、近くにいるのはあたりまえでしょ」

モブ3「由比ヶ浜さんはそれでいいの?そんな風に都合よくつかわれても」

結衣「ヒッキーはそんなこと考えてないってば」


モブ3「なんでそんなこと言えるんだよ?男なんて、周りに認められたい生き物だぜ?」

結衣「じゃあ、君が付き合いたいのは周りに自慢したいから?」

モブ3「それは…!」


結衣「ううん、ごめん。変なこと言ったよね。でもさ…」


結衣「ヒッキーは絶対そんなことしないよ。わかるんだ」

モブ3「なんでだよ?」


結衣「ヒッキーはずっと一人者だったから」

モブ3「……!」

結衣「周りに自慢する必要がないっていうか…むしろそういうの煩わしく感じるんじゃないかな」

モブ3「良くみてるんだな…あいつのこと」

結衣「そりゃあね、好きな人だし。今でも気持ちは変わらないもん」


モブ3「あははは…これはあいつらの言う通り絶対無理だよ…ははは」

結衣「ほんとごめんね。気持ちはすごくうれしいけど」


モブ3「もういいよ。でもさ…」

結衣「なに?」


モブ3「本当に彼氏作らないのか?比企谷はもう無理なんだし」

結衣「彼氏については色々考えていくかな。あたしだって別の恋もしたいと思ってるし」


モブ3「…すげぇ厚かましいと思うけどさ」


結衣「なに?」

モブ3「せめて友達から入れないかな?」

結衣「…いいよ、じゃあ番号交換しよっか」

モブ3「ま、マジで?あ、ありがとう!」

結衣「そんなにお礼言われることじゃないと思うけど」


モブ3「いやそんなことないって!」


モブ3(あ…これで他の連中に自慢できるとか考えてるのが駄目なのか…)

モブ3(これって由比ヶ浜さんのこと見てないってことだもんな…)


モブ3(彼女にしたいって思うなら…もっと由比ヶ浜さんのこと知ろうとしないとな)



雪乃「別に助けに入る必要はないようね。場合によっては立ち直れないくらいの言葉を浴びせようかと思ったけれど」



モブ1「おいおい、何気にあいつすげぇな。さっきまで比企谷ディスりまくってたくせに」


モブ2「あれ番号交換してるな。由比ヶ浜も少し気を許したのか?」

モブ1「あれってもしかして付き合えるのか、将来?」

モブ2「いや…永遠にお友達でいましょうねエンドだな。良くて」


結衣「ゆきの~~ん、おまたせ~」

雪乃「話はおわったの?」

結衣「うん、大丈夫だよ」

雪乃「そう、では晩御飯を食べに行きましょうか」

結衣「うん」



モブ3「よしよし…俺の恋愛フラグの一つ目が…これから頑張って行くぞ!」


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それから…夏休み


八幡「千葉にもこんな綺麗な海あるんだな」


川崎「まあ海に面してる県だしね」


八幡「そんなマジレスで返すなよ」


戸塚「海か、久しぶりに来たよ」

結衣「よ~し、じゃあ早速泳ごうか」


三浦「あーしもけっこう楽しみにしてたし、やっぱ海からっしょ」

葉山「やれやれ、これだと完全に遊びにきてるね」

いろは「まあまあ葉山先輩、遊びでいいじゃないですか」

葉山「取材の依頼と言う名目なんだろ?いろはが遊びと言うのかい?」


いろは「ん~、でもカップルが盛り上がるスポットみたいな記事も作る予定ですし」


三浦「それ文化祭で発表とかすんの?」

いろは「そうですね。新入生や下級生相手に発表っていうのが本音です」


いろは「来年はこういうところカップルでどうぞ!みたいな」


三浦「ヒキオ達とあーしらが実験的に使われてんのね」


いろは「はい、あとでインタビューとかさせてくださいね」

三浦「ま、そんくらいいいけど」

いろは「他の人にも頼んでますよ、近くの喫茶店特集とか」

葉山「この休みでお金がなくなる人は多そうだね…」


三浦「あんたの頼みなら喜んでやる男は多いだろうしね」

いろは「そんなことないですよ~~ちょっと上目づかいでお願いしただけです」

三浦「…なんか色々勘違いした奴も多いんじゃない?それ」


葉山「そうかもしれないな…いろは…」


いろは「えっと、それじゃあ泳ぎます?ホテルの方はチェックインまだですし」


八幡「早速いくのか」


川崎「じゃあ、比企谷。着替えてくるから」

八幡「おう」

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葉山「よし、b

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葉山「よし、ビーチパラソルも備えたしシートも置いたし」


八幡「準備はこんなもんか」


葉山「あとは麗しの女性陣が来るのを待つだけだね」

八幡「お前そういうこと言うのな。意外だ」

葉山「優美子と付き合ってから少し枷が外れたかもしれないな」


戸塚「え?そうなの?」


葉山「優美子を第一に考えるようになると、色々変わるものさ。君ならわかるだろ?」


八幡「…わからん。俺はそんな洒落た言葉は言えん」


葉山「ははは、謙遜はしなくてもいいさ」

八幡「本当のことなんだが…」

戸塚「あ、みんな来たみたいだよ」


結衣「ヒッキー、みんな~~!」


葉山「こっちだ、用意はしてあるよ」


結衣「ありがと~~」


八幡「川崎、由比ヶ浜、一色、三浦…」

葉山「こうして並んで歩いてるのを見ると、俺が言った言葉もあながち間違いじゃないだろ?」

八幡「麗しの…って下りの件か。まあ、確かに」


戸塚「あはは、みんな可愛いよね」

八幡「後ろから雪ノ下も来てるな」

葉山「5対3の比率か。俺達は恵まれてるね」


八幡「葉山、雪ノ下と一緒でも大丈夫か?」


葉山「大丈夫さ。気まずい雰囲気にはするつもりはないよ。優美子だってそこはわかってる」


八幡「…なんか雪ノ下がお前の元カノみたいな言い方だな」


葉山「雪ノ下さんに聞かれたらどうなるかわからないからやめてほしいな」


八幡「悪かった」

葉山「一応弁解しておくと…小学校低学年あたりまでは相思相愛だった気がしてるけどね」


八幡「いつの話だ…葉山、やっぱり変わったな」


葉山「そうかもしれないね」


戸塚「でもさ…5人共、美人なんだね。わかってたけど水着姿見て改めて思うよ」

葉山「確かに。総武高トップ…は言い過ぎかもしれないけど、なかなか人気が高い子ばかりだしね」

八幡(そういや川崎の水着姿見るの初めてか…黒のビキニ…ちゃんとパレオで下を隠してるのがまた…)


葉山「はは、見惚れてるな?比企谷」

八幡「な、なに言ってんだよ…!」

葉山「めずらしく声を荒げたね。図星か」

八幡「そのテンションちょっと苦手だ」


戸塚「川崎さん、凄いスタイルしてるよね…大人っぽい」

葉山「パレオ付きか…なるほど」


八幡「お前は三浦を見てやれよ…人の彼女凝視すんな」

葉山「これは失敬」

三浦「はやと~~!どうよ、この水着?」

葉山「とてもよく似合ってるよ。でもワンピースタイプの水着は意外だったよ」

三浦「そう?ま、あーしも偶にはね」


八幡(見様によっては白い競泳用水着に見えるな…エロイ)

八幡(三浦もああいう水着着るんだな)


川崎「ひ、比企谷…」

八幡「お、おう」


川崎「ど、どうかな…?」

八幡(黒のビキニ…だよな?)

八幡「いいんじゃないか?スタイルいいよな、川崎って」

川崎「…ほんと?あ、ありがと」

八幡(できればパレオ外してほしいとか言ったら怒られるか?いや、彼氏だしそれくらいは…)

川崎「どうしたの?比企谷?」

八幡「ああ…えっとな」


結衣「ヒッキー」

雪乃「比企谷くん」


八幡「あ、お前ら」


雪乃「できればその…私の水着の感想も言ってほしいのだけど」

結衣「あ、あたしのも…あはは」

八幡「え?お、おう…感想って言われてもな…」


川崎「……」


八幡(なんか川崎が見てる気がする…慎重になった方がいいか?)


いろは「あっち大変なことになりそうな予感が」

三浦「え?あ、ほんとだし」


葉山「う~ん、比企谷の言葉選びが求められるかな?」


いろは「ところで、わたしの水着はどうですか?葉山先輩」


葉山「ワンピースクロス水着ってところかい?そういう名称なのかはわからないが」


葉山「案外大胆なものを選ぶね」

いろは「もう高2ですし、これくらいは普通だと思いますよ」

葉山「色はグリーンか。なかなか可愛いと思うよ。さすがいろはだね」

いろは「ありがとうございますっ。ほら、背中もなかなか大胆に露出してるんですよ~!」


葉山「ほう、確かに」

三浦「隼人…なに見てんの?あーしの前で」


葉山「う…ごほん。いろはもそのくらいにして、本来見せようとしてた相手に見せた方がいいな」

いろは「え~?葉山先輩も本命ですよ?」

三浦「…へえ」


いろは「ていうのは冗談で…ちょっと向こういってきま~す」

三浦「ったく、いろはの奴」

葉山「ふう、寿命が縮まったよ」

三浦「ヒキオの奴見てても思うんだけど、やっぱ可愛い後輩に慕われるのって快感なわけ?」


葉山「え?な、なに言ってるんだい優美子?」


三浦「鼻の下伸ばしてさ~やだやだ」

葉山「ま、待つんだ優美子っ、いろははあくまで比企谷が好きなんだよ?なにか勘違いしていないか?」

三浦「でも前までは、隼人のこと本気だったんでしょ?」

葉山「そ、それは…」

三浦「今でも仲いいし、まんざらでもない感じ?」

葉山「あははははは…ゆ、許してほしいかな…俺は優美子一筋だよ」


三浦「あーし一筋なら問題なしっ。前まで疑ってた雪ノ下さんは完全にないみたいだし」

葉山「当たり前じゃないか」

三浦「ヒキオとか結衣の話だと、向こうが完全にないみたいだけど」

葉山「まあ、その通りだね」


三浦「ねえ隼人」

葉山「なんだい?」


三浦「雪ノ下さんとのことも今度聞かせてよね」

葉山「聞きたいのかい?」

三浦「あーしらまだあんまりお互いのこと知らないじゃん。意外と」

葉山「そうだな…そうかもしれないね」

三浦「じゃあよろしく」

葉山「ああ」

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八幡「水着の感想は…雪ノ下は」

雪乃「ええ」


八幡「白色のビキニが似合ってるな。お前の肌の色と同じで…綺麗な感じかな」

雪乃「そ、そう?ありがとう、うれしいわ」


八幡(顔赤くするのやめてくれませんかね?なんか大変なことになりそうなんで…)


川崎「……」

結衣「ヒッキー…えっと」

八幡「由比ヶ浜は…」


八幡(前にも着てたっけか?スカート付の青い水着だな)

八幡(去年より胸大きくなってないか?)

八幡「…モデルって言われても信じるかもな」


結衣「ええ?それは言い過ぎだよ…」

八幡「あ、いや。モデルのバイトとかできそうだな」

結衣「それって…あ、ありがと。恥ずかしいけど嬉しい」

結衣「スタイル褒めてくれたってことだよね?」

八幡「ま、まあ」

結衣「そっか」


八幡(あれ?俺は何を言ってるんだ?)

八幡(彼女できて変わったのは俺もか?こんな言葉をすらすらと…)

川崎「比企谷」

八幡「お、おう?」


川崎「あんたってさ…なんていうか」

八幡「な、なんだ?」

川崎「ばか」

八幡「バカとか言うなよ。成績はけっこういいぞ」

川崎「そういうこと言ってるんじゃないってわかるでしょ」


雪乃「比企谷くんがバカと言うのは同意するわ。いろんな意味で」

結衣「うんうん、だよね」


八幡「由比ヶ浜に言われると死にたくなるんだが」

結衣「ひどっ!スキンシップじゃんっ!」


八幡「本気で言ってないってのはわかってるが」


結衣「よかった~~」

川崎「彼女おいて勝手に盛り上がらないでよ」


八幡「わ、悪い…川崎」

川崎「いつもみたいに沙希って呼ばないの?」

八幡「沙希…?んん?」

川崎「…」


結衣「ええ~~!?もう下の名前呼び?」

雪乃「あら、やるわね、あなたも」


八幡「いや…ていうか」

川崎「ほら、とりあえず泳ぎに行こ」

八幡「お、おう…」

結衣「ほら、ボール行ったよ~~」

雪乃「任せてっ」


戸塚「今度は僕だね」


八幡「あっちはビーチボールか」

川崎「どうしたの?」

八幡「いや、俺達は水浴びと」

川崎「ビーチボールに混ざりたいの?比企谷ああいうの好きじゃなさそうだけど」


八幡「間違ってないが、まあ嫌いでもないか」

川崎「あたしとしてはさ、こうやって足のつくところで静かにしてるのも悪くないかなって」

八幡「なんか普段の俺達の行動みたいだな」

川崎「言えてる」

八幡「まあ俺もこういうのんびりした時間は嫌いじゃない」

川崎「うん…まああんたと一緒ていうのが大きいかな」

八幡「おい、恥ずかしいこと言うなよ」


川崎「別にいいでしょ…これくらい」

八幡「あと引っ付きすぎじゃないですかね?」

川崎「葉山たちなんて、向こうでオイル塗ってるし。あれに比べたら大したことないんじゃない?」


八幡「まあ…他のカップルも普通にイチャコラしてる感じだが」


八幡(まずい…川崎が近い…美人だな)

八幡(由比ヶ浜よりももしかしたらスタイルいいか?バストサイズとか気になるな)

川崎「あのさ比企谷」

八幡「ん?」

川崎「そろそろさ…下の名前で呼んでくれてもいいんじゃない?」


八幡「ああ…て、お前さっきは既に呼んでるかのようなこと言ってたな」

川崎「だって…あんた、あの二人と仲良すぎるし…」

八幡「いや、あれは…」


川崎「普通に男女の関係にしか見えないって」

八幡「う……」


川崎「あの二人美人だしね。由比ヶ浜は胸とかも大きいし」

八幡「いや…それはだな」

川崎「由比ヶ浜の胸に釘づけだったでしょ、バカ」

八幡「…すみません」

川崎「…あたしもさ、スタイルはそんなに悪くないと思うんだけど」

八幡「え?そりゃもちろん…」


川崎「奉仕部で育んできた、あの二人にはまだ敵わないかもしれないけどさ」


川崎「比企谷とこれからも絆深めて行きたいって思ってるよ」


八幡「川崎…」


八幡「俺は川崎が一番好きだぞ…確信してもらえるように…頑張る」

川崎「比企谷……ありがとう」


八幡「おう」


八幡「…」

川崎「…」

八幡「ところで川崎」

川崎「なに?」


八幡「その…なんというか、川崎の魅力がね」

川崎「へ?魅力がなに?」

八幡「あれだ、パレオのおかげで完全に伝わってないというか…」

川崎「パレオって…それがどうしたの?」


八幡「あれだ、川崎の均整のとれた身体を示すにはパレオを外してもいいと思うんだ」


川崎「……」

八幡「……」

川崎「素直にパレオの下を見たいって言いなよ。このスケベ」

八幡(川崎らしからぬ発言…!これは来るものがあるな…まずい)

川崎「ほ、ほら…これでいい?」


八幡「おう…サンキュ…」

川崎「お礼言われることじゃないけどさ…」


八幡(ビキニのパンツの部分を晒してくれたわけだが…)

八幡(見せてもいい部分なはずなのに、やたらエロく感じるのはなぜだ?)

八幡(あれか?パレオで隠されてたからか?俺はフェチだったのか?)


八幡(しかしこうして見ると…改めて驚かされるなこのスタイルは…)


八幡「太ももとか尻とか…腰つきと言えばいいのか、凄いな色々と」

川崎「その露骨な言い方やめてよね…もうっ」


八幡「あ…悪い。きもいな俺は」

川崎「そうじゃなくて。比企谷に言ってもらえるのは嬉しいけど…あたしも慣れてないしさ」

いろは「先輩と川崎先輩すごいいい雰囲気だし」


いろは「どこからどう見てもカップルか…あ~あ」


いろは「ていうか川崎先輩ってあんなに綺麗だったんだ。先輩釘づけだし…」



川崎「比企谷、もういい?」

八幡「お、おう…悪い。なんか無理言って悪いな」

川崎「比企谷と二人なら別にいいんだけどさ…他の人とかいるし」


八幡(ということは、向こうの岩場とかならポーズとってくれたりもするかも…待て待て)


川崎「なんか変なこと考えてない?」

八幡「べ、別に」

川崎「スケベ、エッチ」

八幡「川崎からそんな言葉が出るのはなんか微笑ましいぞ」


川崎「何言ってんのよ…もう…」



三浦「旨いっ、やっぱこういうところはラーメンとかが定番だし~~」

葉山「確かにね。フランス料理みたいのだと全く食べる気おきないね」


八幡「それは当たり前だろ」


川崎「焼きそばもいい感じかもね」

八幡「うまそうだな」

川崎「食べる?ちょっとあげるけど」


雪乃「…」

結衣「…」


八幡「いや、自分の買ってくるから」

川崎「ほら、あ~ん」

八幡「お、おい…」パク


川崎「いけるでしょ?」

八幡「ま、まあ旨いな…」

三浦「はい隼人も。あ~~ん」

葉山「さすがにラーメンは無理があるよ、優美子」


戸塚「なんだかいい雰囲気だね」


いろは「そういえば~わたし二人からナンパされたんですよ~」


結衣「えっここで?すごいね、いろはちゃん」

雪乃「こんな場所でもナンパはあるのね」


いろは「ていうか、一人でうろうろしてたからだと思うんですけどね」

いろは「さすがにカップルをナンパする人なんていませんし」


八幡「それで?どうしたんだ?」

いろは「あ、気になります?先輩」

八幡「気になるというか…これは聞く流れだろ」

いろは「そこは、俺のいろはに手を出しやがって!って怒るところでしょ」

八幡「冗談だよな?俺の寿命が縮む気がするからやめてね」


雪乃「比企谷くんなら言いかねないわね。なんせ可愛い後輩だから」

結衣「シスコンだもんね~ヒッキーって」


八幡「やめてくれ…ホント、やめてください」

川崎「奉仕部だけじゃなくて、その子とまで…やるよね比企谷って」


八幡「川崎…これは一色の冗談だからな」

川崎「わかってるよ。でも、ちょっと親しすぎるというか」


八幡「おいおい…」



葉山「それで?どうなったんだい?」

いろは「もちろん断りましたけど、なにが言いたいかって言うと」

いろは「恋っていいものな気がします」

八幡「…」

葉山「…そうだね」


いろは「ナンパでもあんまり悪い気はしなかったですよ。まあ見た目だけで来てるのは明白ですけど」

八幡「そりゃナンパだからな」

いろは「わたしが可愛すぎたってことですよね」

八幡「まあ…そうなるか」(結構大胆な水着つけてるしな。確かに可愛い)


川崎「…」ギュ

八幡「いてっ」


川崎「可愛すぎがなんて?」

八幡「ナンノコトデショウ」


葉山「さっきから地雷の上を歩いてるみたいだね」

三浦「隼人も似たようなものだけどね」

結衣「恋か~」

雪乃「そういえばこの前、番号交換した人はどうなの?あのモブみたいな人」


結衣「モブみたいって、ゆきのん…どうだろ?あたしとしてはしばらくはね…」

雪乃「あら、では振られたのね。一世一代の告白だったのに」

結衣「悪かったかな?」

雪乃「大丈夫でしょう。あのモブも悪口を言っていたのだから彼の」


葉山「彼?」

雪乃「なんでもないわ、こっちの話よ」


戸塚「僕はあんまり踏み入れない領域かな」

八幡「なに言ってんだ、天使は元々人間の領域なんかに踏み入れたら駄目だぞ。穢れる」

戸塚「ええっ?八幡…どうしたの?」


八幡「戸塚は恋愛どうとかはないだろ」

戸塚「同じ部活の子には告白されてるんだ」


八幡「なに…マジか…マジなのか…」

川崎「なんで本気でショック受けてるのよ…」

いろは「うわ…引きますよ先輩…こわい」

雪乃「さすがにちょっと怖いわ」


八幡「うるせ、いいんだよ戸塚は」


戸塚「あはは…」


いろは「周りは見る目ない人多いですしね~。こ~んな可愛い女子がいるのに」

八幡「自分で言うなよ」


雪乃「いいのよ。可愛いというのを自覚するのも重要だわ」

八幡「お前も昔からよく言ってるな…」


雪乃「ええ、私かわいいもの」


結衣「あのさ、ごはん食べたあとどうする?」


三浦「ま、せっかくだしみんなでビーチボールが鉄板じゃない?」

結衣「そうだね、それでいいかな?」

八幡「そうだな」

葉山「それで構わないよ」


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結衣「ヒッキー!えいっ!」バコッ

八幡「いてっ!」


結衣「あははははは~~~」


八幡「ったく、由比ヶ浜の奴、本気で飛ばしやがって。ほれ、川崎」


川崎「とうっ」バシッ


八幡「ぐえっ!」



三浦「なんかヒキオ狙われてるような…」

葉山「複雑な感情があるんじゃないかな」


三浦「お~コワッ…結衣も意外と怖いし」

葉山「まあ、役得とも言えるかな」

八幡(さっきから由比ヶ浜が元気よく飛ぶから集中できん)


八幡(ほら…ね?たわわなお胸がね?違う生き物みたいに右往左往するじゃないですか)


八幡(しかもスカートで隠れてる下の部分もヒラヒラと見えるわけで…いや、別に見えても大丈夫なはずなんだが…)


川崎「比企谷、大丈夫?」

八幡「大丈夫だっての、所詮ビーチボールだし」

八幡(川崎の胸もまあ揺れてるけど、由比ヶ浜ほど飛んだりしてないからそこまで揺れてない)


八幡(どっちが大きいかね…川崎には聞いてもいいと思うが)

八幡(さすがに由比ヶ浜に聞くのはマズイ…)


八幡(というか二人とも去年より明らかに成長してるよな。成長期とは恐ろしいな、まだ大きくなるか)

八幡(何センチあるんだろうか、数字で知りたい)

八幡(90近くあるのか?デカすぎだろ…)


八幡(いやいや何考えてんの、俺…)


いろは「なんか先輩、結衣先輩と川崎先輩の胸ばかり見てません?」


川崎「えっ?」

結衣「ひ、ヒッキー?」


八幡「な、なに言ってんだよ…!んなわけあるか…!」

いろは「どっちが大きいんだろうとか思ってたんじゃないですか~?」


八幡(こいつはエスパーか?ダービーか?)


結衣「や、やだぁ…いろはちゃん」

川崎「なんで由比ヶ浜の胸見てるのよ、あんたは」

八幡「待て待て、誤解だっての」


戸塚「本当に大変だね…八幡」

雪乃「所詮男は大きい方がいいのよね」


八幡「雪ノ下もなに言ってんだ…」


雪乃「揺れるくらい大きい方が見ていて楽しいものね」

八幡「おい…変なこと言うなよ…!」


川崎「比企谷…」

結衣「ヒッキー…」


八幡(うわ…微妙な雰囲気…ほら、由比ヶ浜が飛ばなくなったよ…)


三浦「自業自得だけど、ちょっとヒキオに同情するかも」

葉山「なかなか板挟みだね。まああれも青春じゃないかな」


八幡「誰か助けてくれ…わりとマジで…!」

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それから、ホテル


三浦「はい、あーしも上がりっと」

結衣「ああ、また負けちゃった…」


雪乃「由比ヶ浜さんは顔に出てしまうから」


葉山「結衣はわかりやすいね」


結衣「ちょ、みんなひどい…」


いろは「次なにやります?ポーカーとかもやったし」


戸塚「ちょっと休憩でいいんじゃないかな」


結衣「じゃあ休憩しよっか」


三浦「ていうかさ、取材とかいいの?一応取材って名目なんでしょ?」


いろは「大丈夫ですよ、昼間に色々まわってましたから」

三浦「一人でうろうろしてたのってそういうこと」

いろは「そうですね」


葉山「とはいっても、遊びにきてるだけだね、これは」


いろは「それは言わない約束ですよ、葉山先輩」

戸塚「ところで八幡と川崎さんは?」


雪乃「さっき出て行ったわね」


結衣「やらしいよねっ」


三浦「変な想像してる結衣も大概だけどね」


葉山「しかし…あの二人はうまくいきそうなのかい?」


三浦「隼人、ここでそれ言うのはデリカシーないんじゃない?」

葉山「この場所だからだよ。彼らもいないし、一度聞いてみたかった」


三浦「まあ、例えば結衣と付き合うよりはね」

結衣「優美子、それってどういう意味?あたしとヒッキーじゃダメってこと?」


三浦「あーしが結衣の前でそんなこと言うと思う?あくまで周囲の反応を言ってんの」


雪乃「とあるモブ達もあまりいい顔はしてなかったから、それはうなづけるかもしれないわね」

結衣「ゆきのん…」

いろは「周りの反応って意味だとそうでしょうね」


葉山「学校って組織に属してる以上、どうしても恋愛なんていうのは人の眼に触れるものさ」


葉山「だから、そこには必ず好奇な目線も出てくる」


三浦「そういう意味なら、ヒキオのパートナーはある意味最高のパートナーじゃない?」


結衣「…」

雪乃「…」


三浦「結衣ともしも付き合ってたとしてもさ、きっと心無い言葉の応酬は止まらないと思うし」

結衣「そうなのかな…やっぱり」

三浦「まあ、自然の流れで行きつく所に行ったって感じかな」


戸塚「でもさ、そういうのとは関係なく、八幡が選んだのが川崎さんでしょ?」

葉山「ああ、そういうことだね。それが事実だよ」


結衣「ヒッキーが沙希を選んだんだよね」

雪乃「そうね、私たちは見守るしかないわね」

いろは「こうして見ると、先輩って贅沢だな~って思います」

三浦「あ~それ、あーしも思うし。ま、あいつが努力して手に入れたものだし、いいんじゃない?」


いろは「三浦先輩らしからぬ発言ですねっ」

三浦「はあ~~?なんか言った~~?」


戸塚「自然な流れか…いい響きかな」

葉山「俺が優美子と付き合えたのもそうだとするなら、俺は幸せ者だね」


雪乃「…由比ヶ浜さん」

結衣「なに、ゆきのん?」


雪乃「奉仕部も大きく崩壊することなくここまでこれたわね」

結衣「そうだね」


雪乃「これも、あなたのあの決意のおかげな気がしてるの。その…ありがとう」

結衣「なにもお礼なんてされることじゃないよ」

雪乃「私はやはり、3人の奉仕部が大好きみたい」

結衣「あたしだってそうだよ」


雪乃「ええ、壊れないで本当によかったわ」

結衣「うん、ゆきのん」


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そのころ…


川崎「夜風が気持ちいい」


八幡「ああ、熱いけどな」

川崎「雰囲気ぶち壊しなんだけど」

八幡「まだそういうの求められても困る」


川崎「昼間はなんかエロかったくせに、こういうのは駄目なんだ」


八幡「昼間は色々すまんかった」

川崎「いや、特に悪い気はしなかったからいいけどさ」

八幡「……」


川崎「どうしたの?無言になってさ」

八幡「なら、わがままついでに明日は…」

川崎「え?」


八幡「岩陰とかに行って…色々見せてくれるとありがたいとか」

川崎「岩陰で?」

八幡「ま、まあその…な、エロイポーズとかそういうのだ…ほら、な?」

川崎「なにがそういうのよ…バカ」


八幡「一応、人には見られないと思うぞ」

川崎「考えとく…もう…」


八幡「夜風が気持ちいいな」

川崎「なんでそこで戻してんのよ…」

八幡(川崎は案外頼んだらやってくれる性格かもしれん)


八幡(今度は学校の制服とかで、スカートの中でも見せてもらうか)

八幡(俺って変態か?でもいきなり18禁に行くのも勇気がいるしな…今までモテない人生だったし)

八幡(ここは外堀を徐々に埋めて行こう)


川崎「比企谷さ、あたしと付き合ったこと後悔してないよね?」

八幡「突然どうした?前にもそんな話あったっけ」


川崎「今日のあたしが一番好きって言ってくれたのは嬉しかったよ」

八幡「そうか、それはよかった」


川崎「あたしって小心者で弱い人間だからさ…奉仕部の二人に嫉妬とかしそうだけど」

川崎「その時は…心の中では比企谷のこと信じてるって思ってほしいなって」


八幡「いや…俺もあいつらとの距離考えずに、なんか不安にさせてたな…沙希のこと」


川崎「今名前呼びって…あんまりロマンチックじゃない気がするんだけど」

八幡「俺にそういうの求めるなよ…川崎」

川崎「もう戻してるし」

八幡「そのなんだ…俺もメチャクチャ不器用だけど…これからよろしくな」


川崎「そうだね、あたしも不器用だけどさ…よろしく八幡」


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いろは「夜風にあたりに行って、もしかして…そのまましちゃってるんですかね?」


結衣「え?しちゃってるって…な、なにを…!?」


戸塚「あ、あれかな…18禁的な」


結衣「ええ~~~?」


葉山「まあ、可能性はなくはないが…」


三浦「外でしてんの?せめてラブホ行けっての」


いろは「経験者は語るってやつですね、三浦先輩っ」

三浦「んなっ!?ち、違うしまだしてないしっ!」

いろは「あれ?まだだったんですか~?」

葉山「優美子…墓穴を掘ってるよ…」


雪乃「甘いわね。比企谷くんのことだから川崎さんにスカートをめくらせてるに違いないわ」

結衣「ええっ?なにそれ?」

雪乃「それを下から満足気に覗き込んでるのよ。川崎さんに、自分が誰のものかを再確認させているのでしょうね。変態ね」

結衣「ヒッキー…幻滅だよ」


戸塚「なんだか八幡の評価が下がって言ってない?」

葉山「比企谷…早く戻ってくるんだ…取り返しがつかなくなっても知らないぞ…」



川崎「んじゃ、そろそろ戻る?」

八幡「ああ、というか…なんか戻るのが非常に怖いんだが…なんでだろうな…?悪寒がする…」



おしまい

ありがとうございました~~~

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月07日 (金) 12:23:32   ID: 3Z-rqahq

期待

2 :  SS好きの774さん   2017年04月18日 (火) 10:52:30   ID: gYI6-Txr

めっちゃ期待、頑張ってください!

3 :  SS好きの774さん   2017年05月16日 (火) 08:50:58   ID: LmUXgFb7

正直たまらん!良かったよ。

4 :  SS好きの774さん   2017年05月22日 (月) 01:13:46   ID: wpweeaZ7

ゆきのんとガハマの八幡逆レイプドロドロ昼ドラを期待したのに

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