【ラブライブ】千歌「テニスをしよう!!」【サンシャイン】 (328)

更新遅め
三度テニヌもどき
前作のサンシャイン版

以上のことが大丈夫な方はぜひお付き合いください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490169182

全員負けたら丸坊主剃刀END期待イケメン金髪王子様の須賀京太郎様のスレ池田ァと猿荒らしてるので荒らします個人的な荒らしは善い

1 :

名無しさん@お腹いっぱい。

2017/03/19(日) 10:15:00.51 ID:5sHQK+qq0

こちらは「咲-Saki-」の登場人物、須賀京太郎と女の子達がキャッキャウフフなことをしている妄想を楽しむスレです。
妄想小ネタ・SS・雑談などをしながら、みんなで盛り上げていきましょう。
京×女の子ならハーレムなど、なんでもOKです。職人様大歓迎!どんどん投下してください。

・荒らしは徹底スルーして下さい。構う人もまた荒らしです。
・過度なエロネタ、グロ、暴力表現は禁止。18禁SSはまとめWikiに直接置いてください。
・次スレは総書き込み量が480KBを超えた後に最初に書き込む人か、>>980レスを超えた後に最初に書き込む人が宣言して立てること。
無理なら代役をお願いしてください。

○まとめWiki
咲-Saki- 京太郎SSまとめ
http://www34.atwiki.jp/kyotaross/

○避難所
http://jbbs.shitaraba.net/anime/10605/

○前スレ
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ105

2 :

名無しさん@お腹いっぱい。

2017/03/19(日) 10:15:55.68 ID:5sHQK+qq0

○過去スレ
【咲 -Saki-】 須賀京太郎ハーレムスレ
【咲 -Saki-】 須賀京太郎ハーレムスレ 2
【咲 -Saki-】 須賀京太郎ハーレムスレ 3
【咲 -Saki-】 須賀京太郎ハーレムスレ 4
【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 4
【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 5
【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 6
【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 7
【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 8
【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 9
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ10
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ11
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ12
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ13
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ14
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ15
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ16
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ統合スレ17
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ18
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ19
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ20

【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ21
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ22
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ23
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ24
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ25
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ26
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ27
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ28
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ28
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ29
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ30
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ31
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ32
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【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ34
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ35
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【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ39
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【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ41
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ42
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ43
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ44
女子校生です - SSまとめ速報
(http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1398434258/)
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ45
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ46
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【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ49
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ50
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ51
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ52
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ53
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ54
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ55
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ56
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ57
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ57(※スレタイミス 58)
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ59
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ60

【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ61
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ62
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ63
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ64
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ65
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ66
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ67
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ68
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ69
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ70
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ71
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ72
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ73
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ74
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ75
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ76
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ77
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ78
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ79
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ80

【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ81
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ82
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ83
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ84
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ85
【咲-Saki】須賀京太郎カプ総合スレ86
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ87
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ88
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ89
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ90
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ91
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ92
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ93
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ94
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ95
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ96
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ97
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ98
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ99
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ100
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ101
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ102
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ103
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ104
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ105

運営終了は犯罪です

2017/01/23(月) 22:50:07.15 ID:SuIYdvUi0

再び事前登録ハヨグーグル以下は無能

2016/11/26(土) 02:24:06.23 ID:O85f1ENv0

27 :

運営終了は犯罪です

2016/10/29(土) 07:04:59.86 ID:0zSF/yJt0

995 :

運営終了は犯罪です

2016/10/29(土) 01:42:48.05 ID:0zSF/yJt0

「ハーレムカンパニー」は、2015年10月30日(金) 12:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
「ダンジョンズ&プリンセス」は、2015年12月28日(月) 15:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
「ラビリンスバインド」は、2016年3月31日(木) 17:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
「ひつじ×クロニクル」は、2016年3月31日(木) 14:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
「レーシング娘。」は、2016年9月27日(火) 14:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
「To LOVEる-とらぶる- ダークネス -Idol Revolution-」は、2016年9月30日(金) 15:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
「ペロペロ催眠」は、2016年8月31日(水) 17:00をもちまして、全てのサービスを終了させていただきました。
これ等を終わらせた運営をユルスナ

ぜったい遵守 ぱこぱこカーニバル!!

ごちそう娘厨房終了

クーラム

最終痴漢車

そして今月感染×少女サービス終了

本当に2015年~2017年は厄年

                   /_ ̄`::ヽ_ ゚           マ /////ヌ ム

             / ̄::::´ ̄ヽ:::::::::::゚ヽ`ヽ          マ    ム ム
                /::::ア:::::::::::::::::::\:::゚::::::\::::::、         マ  //r v≦オ{
            //::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::ハ:::::::.         _ゝュ/八_j≠‐'
               ア::::::::::::::::::::::::::::::i:::::ハ:::: ....i:::::l::i       ィf 」ム__jムハ    >>1
           / :::::!:::::::!::::::::';:::::::::::゚:::::i!:::::::::::|:::::i:::.        Y  三三. ム
             '  ...i::::::::iハ::::::ヽ::::::゚ィz::i::::::::::::i::::::::::i       ⌒ヾ 「 マ ム
          i..:::::::l:::::::::};> ´ 7マ tji::::::::::::|:::::::::::!         {_リ  ハ  ム
           L::::」:;:ィハテj    ゞ'´!:;::::::::::j j::::::::|          マ Vハ  ム          _ ―rォ
           |:::::::::::ハ ゞ'        j:L;!/ /:!:::::::!           マ Vハ_ム __  ―=   ̄ ̄
           |:::::::::::::ハ  `        ィ{::::l::::::::|        r≠キ /////ハ―=   ̄ ̄
           |::::::::::::::::ム   ゚ `   イ  {::::::i::::::::|__ ―=  ̄ ヾ=<///`ー―
           j> ´ ̄ ̄ `ヽ,_, _ ―=7  ̄ ̄_\_    >-、  マ///[ ヽ
     -ー  ̄ ̄       ヾ{` 〉≦ ̄ ̄ /:::::::/ィ ̄ ア7⌒7 ̄  7{   ヽ マ//  イ
   /        _z、__ ヽ_)/ /  /:::::::/   イ/ /  仁ニニ{! ; > __)イ  / ヽ
   {        ,ィ T     ハ` ´ /=≠ /:::::/|    リ /  「≦'==ヘ!    |八_ ィ    {
   `ヾ _ イ | !     { |   /  / ィ/::::ム|    { !  !r―ニ二{.   i/(_  イ  ノ
      ` ヽj j! !      i八  ! /゚ /{::/ニi|    ム 、   マニニニ人  |!_( _  ィ {
          ̄ ̄>、   个ミ丶{ /  /゚j/ニニム    ム≧ュ_ゝ=キ  ´ ̄ L≧ュ__ イ
           /::::::`ヽ  j }`ヾj/ ムニ゚ニニ八     了/::::::::::::i      j了 ///|
            /::::::::::::::::7  ゝア ムニニ.゚ニニヽ    !::::::::::::::::::::|     h! /////{
            /::::::::::::::::/ /イ⌒ ムニニニニ゚ニニュ、 人:::::::::::::::::::i     人丶///ハ

ジャッワまぁ6期が有るさ10期では三枚目のレモンクェーサー出るって

サンシャイン頭部がだってよジャンク素袖が池田ァと猿厨シネスレ違い何だよ

ーーーーーー



千歌「みんな! テニスをしよう!!」



「「テニス!?」」

千歌「うん!」

曜「……テニスって、あのテニス?」

梨子「いつものことだけど、いきなりね」

千歌「そう! そのテニス!」

花丸「テニス……できる気がしないずら」

ルビィ「ル、ルビィも……」

善子「フッ、仕方ないわね。このヨハネの漆黒堕天のテニスを見せてーー」



果南「ねぇ、千歌?」



千歌「ん? なに? 果南ちゃん?」

果南「私たちは、なんだっけ?」

千歌「えっと……スクールアイドル!」

果南「そう。私たちはスクールアイドルだよ?」

千歌「?」

鞠莉「確かに皆でsportsするのは楽しそうだけど、ここは果南の言うとおりかもね?」

千歌「鞠莉さんも反対なんですか?」

鞠莉「んー、そうじゃないけど……」

果南「うん。まだ結成したばかりなのにいきなり脇道に反れるのは……ね?」

曜「……千歌ちゃん、流石に、ね?」

千歌「ぐぬぬ……」

-ペンデュラム召喚サレンダーサンダー登場

期待ようこそ恋ヶ崎女子DMM課金ランキング一位言ったらクリスマスイベントはクリスマス迄開催するべき

早よ麻ブラ部とUNNKO論破と池田ァと猿に汚染されたスレに神SS投稿するんだろ以外それは英語分かんないニート二年生


花丸「ほっ」

ルビィ「……うゅ」

梨子「……あはは」

果南「ま、そもそもそんな話、ダイヤがしょうちする訳がなかったし」

果南「ね? ダイーー」




ダイヤ「ぶっぶー! ですわ!!」バンッ




曜「へ?」

果南「ダ、ダイヤ……?」

ダイヤ「皆さん、何も分かってないようですわね!」

ダイヤ「これは千歌さんだけの考えではありません!」チラッ

千歌「……」コクッ

ダイヤ「これはーー」



ダイヤ「わたくしと千歌さんの発案なのですわ!!」




「「な、なんだってぇぇぇ!?」」


ダイヤ「千歌さん! 例の動画を!」

千歌「はい!」バッ


鞠莉「これは……?」

梨子「テニスの試合?」

ダイヤ「そうですわ!」

果南「これが一体なんだって言うのさ?」

ダイヤ「フフッ、この動画でテニスをしている選手をご覧なさい」

曜「えっと……?」ジーッ

善子「これって……?」ジーッ

ルビィ「! 花陽ちゃんだぁ!」

花丸「あ、星空凛さん……」

梨子「もしかして、これ……」




ダイヤ「そう!」

千歌「あの『μ's』のテニス動画なんだよ!」




「「!!!」」

ダイヤ「って、千歌さん、わたくしの台詞を盗らないでいただけますか?」

千歌「あっ、ご、ごめんなさい」

ダイヤ「コホン、とにかく!」

果南「まぁ、なんとなく言いたいことは分かったよ」

鞠莉「これでappealするってことね!」

ダイヤ「そういうことですわ」

鞠莉「そういうことなら、OKよ!!」

果南「……はぁ、こうなった二人は止められないか。それに……」チラッ



千歌「これでμ'sもアクセス数増やしたんだって!!」

千歌「ね! 曜ちゃん、梨子ちゃん!」

梨子「え、えっと……」チラッ

曜「うん」コクッ


曜「ヨーソロー!!」ビシッ

曜「渡辺曜、千歌ちゃんの案に賛成であります!」

梨子「そうね。というか、止めても無駄なんでしょ?」

千歌「っ! ありがとう! 二人とも!」



善子「フフッ、このヨハネのテニス見せてあげーー」

花丸「ルビィちゃんはどうするの?」

善子「ちょっと、ずら丸!?」

ルビィ「やゅ!! だって、μ'sがやってたんだもん!」

花丸「そっか。じゃあ、まるも」

善子「…………」

花丸「……それで、善子ちゃんは?」

善子「やるに決まってるでしょ!? って、だから、ヨハネよっ!!」


ダイヤ「さて。では、決定ですわ!」

千歌「うん! ダイヤさん!」

ダイヤ「えぇ、分かっています」



ダイヤ「これより2週間、練習期間を設けます」

ダイヤ「2週間後、団体戦を行います」

ダイヤ「人数の都合で、1人余ってしまいますが……了承ください」

ダイヤ「誰と練習をするか、どのように練習をするかは各自裁量にお任せしますわ」

ダイヤ「そして、肝心のチーム分けですが……」

ダイヤ「チーム分けは、当日行うことにしてもよろしいでしょうか?」

ダイヤ「…………異議はありませんね」



ダイヤ「それでは、2週間後、Aqours内テニス大会を開催いたしますわ!!」




ーーーーーー



輝きを求め、憧れと同じ道を歩くためッ!
今、戦いの火蓋は切って落とされたッ!!!



ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「」



曜「おーい、千歌ちゃーん!」ユサユサ

善子「だめ、死んでるわ」

梨子「あはは……」

鞠莉「Destinyとは時に残酷なものよ」



ダイヤ「……もう撮影始まっているのですが……」

果南「ダイヤ、とりあえず進めようか」

ダイヤ「そ、そうですわね」

ようこそ恋ヶ崎女子DMM課金ランキング三位現在💎残り205コンマぞろ目ダッタラ的場様ガチャ回すンゴ数か月後の未来マナイタ龍驤一位特別枠に洗卵モグラキャラ出しますね

英語難しいデス美人の狩宿巴さん通訳して下さい【浪人ダヴァちゃん】

中々ぞろ目揃わないわね絶食霞BBA放火魔作品の方

アクションカード真奇跡マスタールール4を無効にスル手札のクイック・シンクロンを墓地に捨てた場合に効果発動効果コノデュエル厨6枚EX~自分は特殊召喚出来る相手は出来ないコレゾ差別

ダイヤ「では、ルビィ、花丸さん」

ルビまる「「は、はい!」」



ルビィ「こ、こんにちはっ、えっと……く、黒澤ルビィっていいます」

花丸「おら……じゃなかった……まるは国木田花丸です」ペコッ

ルビィ「ルビィたちは内浦のスクールアイドル『Aqours』です」

花丸「今日はテニスをするずら!」

ルビィ「まるちゃん、でてるよっ」

花丸「ずら!?」

ルビィ「えと、えっと!」アタフタ



ルビィ「がんばルビィするのでみてくださいっ!!」ペコッ

花丸「ください!」ペコッ



ダイヤ「かわぃぃですわぁぁぁ」ダラァァァ

果南「ダイヤ……鼻血……」

ダイヤ「おっと、失礼しました」



花丸「ええと、試合は4ゲーム先取のたいぶれーくあり」

花丸「しんぐるす2、だぶるす1、しんぐるす1」

花丸「合計3試合を行います」

花丸「これでいいかな?」



果南「まぁ、カンペ、ガン見だったけど……いいかな」

ダイヤ「えぇ、完璧ですわ」



花丸「次、ルビィちゃんずら」ボソッ

ルビィ「ピギィッ!?」

ルビィ「ち、チームわけは、こうなってます!」

リンクカードを燃やされて某ジャッワの顔芸ミタイニ成る藤木遊作щ(゚Д゚щ)カモーン

チーム1


ダイヤ「さ! 勝ちますわよ!」

曜「ヨーソロー!!」

鞠莉「Of course!!」

ルビィ「う、うゅ……」



チーム2


果南「ふふっ、負けないよ!」

善子「このヨハネがチームにいる限り、敗北なんて言葉はあり得ないわ」ダテン

花丸「善子ちゃんは今日も元気ずら」

梨子「……うぅぅ、個性強いわよ。このチーム……」



解説席


千歌「うぅぅぅ、こんなのあんまりだよぉ……」

曜「千歌ちゃん、げ、元気出して!」

梨子「そうよ! ほら、解説ってとっても大事な役割なのよ?」

曜「うんうん! それに一番動画に映るよ!!」


千歌「……でも、試合できないじゃん」


ようりこ「「うっ……」」



果南「流石にあれは可哀想だね」

ダイヤ「厳正なくじ引きの結果ですからね」

花丸「リーダーなのに……」

ルビィ「…………」



ルビィ「……千歌ちゃん、る、ルビィ、変わろうか?」

千歌「ほんと!?」バッ

ルビィ「ピギィッ!?」ビクッ

ルビィ「……う、うん」



鞠莉「んー? ちかっち」

千歌「ほえ? なんですか、鞠莉さん?」

鞠莉「ちょっとこっちに……」

千歌「?」



ーー10分後ーー



千歌「解説がんばります!!」



ルビィ「えぇ!?」

曜「……なにしたんですか?」

鞠莉「フフフッ、Secret!」

ダイヤ「なにやら騒がしくなりましたが……」

果南「うん」



花丸「それでは!」

ルビィ「試合はじめルビィ!」



「「よろしくお願いします!」」



ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「さぁ! 始まりました!」

千歌「Aqours内対抗テニス大会!」

千歌「解説はこの、高海千歌がお送りします!」

千歌「そして、ゲストはこの二人!」



曜「いきなりテンション高いなぁ」

果南「ま、解説で納得してくれたから、よしとしようよ」



千歌「チーム1からは曜ちゃん、チーム2からは果南ちゃんが駆けつけてくれました!」

曜「ヨーソロー!」

果南「よろしくね、二人とも」



千歌「ゲストの紹介も終わったところで、選手を紹介します!」

千歌「第1試合、シングルス2で戦うのはこの二人だぁぁ!!」


「さ♪ はじめましょ♪」

「は、はい……」

「んー? 緊張してるのかしら?」

「っ」

「そんなことじゃ」



鞠莉「このマリーには勝てないわよ!」バンッ



「っ、どこまで通じるかは分からないですけど……」

「私だって……」



梨子「負けませんっ」バンッ



ーーーーーー



シングルス2



小原鞠莉 vs 桜内梨子



試合開始



ーーーーーー

一旦ここまで。
続きは8時頃書くかもしれません。
遂にサンシャインでもテニヌ始めてしまった……。

『1セットマッチ』
『サービス 鞠莉』



鞠莉「さ、いくわよ、リリー♪」ターンターン

梨子「はいっ」

鞠莉「せーのっ!」スッ



鞠莉「ほっ!」パァァン



梨子「っ、やっ!」パァァン

鞠莉「フフッ♪ ちゃーんと返せたわね♪」

鞠莉「じゃ、コレ!」パァァン

梨子「っ!?」ダッ



ーー パァァァン ーー



鞠莉「まずは1point♪」



『鞠莉 15 - 0 梨子』

ーーーーーー



曜「まずは、鞠莉ちゃん、先制かぁ」

千歌「梨子ちゃんも普通にできるんだね!」

曜「うん! それにしても……」

果南「……鞠莉のやつ、余裕がありそうだね」



ーーーーーー



鞠莉「シャイニー♪」パァァン

梨子「うっ」



『鞠莉 30 - 0 梨子』


鞠莉「リリー?」ターンターン

梨子「な、なんですか」

鞠莉「フフッ」

梨子「だ、だから、なんですか!」

鞠莉「早くマリーに本気を出させてーー」スッ



鞠莉「ーーよっ!」パァァァン



梨子「私だってーー」スッ

梨子「やっ!」パァァァン


鞠莉「フフッ♪」スッ

鞠莉「ハッ!!」パァァン


梨子「っ、まだっ」シャァァ


鞠莉「good! よくとったわね!」

鞠莉「でも、これで!」スッ



ーー パァァァン ーー



『鞠莉 40 - 0 梨子』

鞠莉「ふっふっふっ、まったく相手にならないわね」

梨子「……っ、悔しいけど、そう、みたいです」

鞠莉「あら、リリーは聞き分けがいいのね」

梨子「……はい。力の差は歴然ですから」

鞠莉「降参する?」フフッ

梨子「……いえ」

鞠莉「じゃあーー」

梨子「でも、意外でした」

鞠莉「What's?」



梨子「鞠莉さんのテニス、堅実なんですね」ニコリ

鞠莉「……」



梨子「もっと私なんかじゃ返せない球を打ってくるのを予想してたんですけど……。そういうこともないんですね」ニコリ

鞠莉「…………ふっ」

梨子「……鞠莉さん?」

鞠莉「ふっふっふっ! オーケー、オーケー!」



鞠莉「見せてあげるわ!!」

鞠莉「マリーの本気のテニス!!」

ーーーーーー



千歌「梨子ちゃんが挑発!?」

果南「お、成功成功」

曜「……そういえば、チーム2のオーダーは果南ちゃんが決めたんだっけ?」

果南「そ。まぁ、向こうのオーダー……というか、鞠莉が最初に出てくることは分かってたからね」

千歌「ほへ? なんで?」

果南「いや、だって、鞠莉目立ちたがり屋だし」

曜「あー」


果南「ま、だから、梨子ちゃんを鞠莉に当てたんだよ。普段から大人しい梨子ちゃんに煽られたら、鞠莉も余裕を失うかなぁ、ってね」


千歌「な、なるほど」

曜「案外策士だね、果南ちゃん」

果南「勿論、それ以外にも理由はあるんだけどね」

千歌「?」

曜「でも……そっか。なら、果南ちゃんの作戦は成功ってこと?」

果南「…………」



果南「……どうかな」



ーーーーーー

鞠莉「いくわよ、梨子!」ターンターン

梨子「はい!」

鞠莉「ふっ」スッ


鞠莉「はっ!!」パァァァン


梨子「球速が、上がってる!?」ダッ

梨子「っ、それに……球威も!?」グッ

梨子「でも!」シャァァァァ



ーー パァァァン ーー



「返したずら!」
「いいわよ! リリー!!」

梨子(……球威も球速も上がった)

梨子(でも、コースが少し甘くなってる)

梨子(これなら……!)



鞠莉「ーー」フワッ



梨子「え?」

「ポールに向かって、打った?」
「アウトずら!」

鞠莉「いいえ、違うわ♪」

鞠莉「これはMiracle Shot」



ーー カンッ ーー



梨子「ポールに当たって……え?」



ーー ツツツツツーッ ーー



梨子「ネットの上を!?」ダッ



ーー トンッ ーー



梨子「な、なに、これ……?」

鞠莉「驚いたかしら?」フフンッ

梨子「……この技、動画で見た……」

鞠莉「そ♪」



鞠莉「『妙技・綱渡り』」

鞠莉「Excitingなショットでしょ♪」



『鞠莉 ① - 0 梨子』

ーーーーーー



果南「いや、なにさ、あれ……」

千歌「す、すごい! すごいよ!」

果南「千歌?」

曜「果南ちゃん、もしかして、動画見なかったの?」

果南「ええと、うん」



千歌「あれ、A-RISEのツバサさんが使ってた『妙技・綱渡り』だよ!!」



曜「まぁ、元は神奈川のスクールアイドルの技だって言ってたけどね」

果南「それにしたって、なんであんなショットを……」

曜「試合前の鞠莉ちゃん曰くーー」




「動画見て、1番ビビビッてきたshotを練習してきたわ!」

「え?」

「勿論、コーチを呼んだわ! これやりたいから教えて、って!」



曜「ーーだって」

果南「……これだから金持ちは……」ハァァ

千歌「ねぇねぇ、曜ちゃん!」

曜「ん? なに、千歌ちゃん?」

千歌「鞠莉さんは他にどんなショットを打てるの?」

曜「えと、確か他にも『妙技』があったはずだけど……」

千歌「!!」



果南「…………」

果南「……梨子ちゃん、大丈夫かな」



ーーーーーー

本日はここまで。
また少しの間お付き合いください。

本日夜更新予定です。

ーーーーーー



鞠莉「や♪」



ーー カンッ ーー



梨子「っ、また!?」ダッ



ーー ツツツツツーッ ーー



梨子「くっ!」バッ



ーー トンッ ーー



『鞠莉 30 - 0 梨子』



鞠莉「『妙技・綱渡り』」

鞠莉「ふふんっ! ぜっこーちょーデスネ!」ドヤッ



梨子「……うぅぅぅ」

梨子「まだ……」ターンターン

鞠莉「Come on♪」

梨子「ふっ」スッ



梨子「はぁっ!」パァァァン



鞠莉「そんな普通のサーブじゃーー」スッ

梨子「!!」ダッ

鞠莉「ーー返せないわよ?」



ーー カンッ ーー



「また!?」
「だめずら……止められ」



梨子「ううんっ! 止めるわっ」



「追いついた!!」
「動き出しが早かったようですわね」

「これならーー」



鞠莉「フフッ、very sweetよ?」

鞠莉「リリー♪」



梨子「え?」




ーー ポーーーーーン ーー


ーー トンッ ーー




梨子「『綱渡り』じゃ……ない?」

鞠莉「そう。ワタシが今、『綱渡り』を打つなんていつ言ったかしら?」

梨子「っ、じゃあ、これも……?」

鞠莉「そ♪ Miracle Shotその2!」



鞠莉「『妙技・鉄柱当て』!」ニッ



『鞠莉 40 - 0 梨子』


梨子「二つ目の『妙技』……」

鞠莉「フフッ、降参する?」

梨子「っ、しないです!」

鞠莉「そう? じゃあ、次打ってきて?」

梨子「っ」ターンターン



梨子「やっ!」パァァン



鞠莉「いいサーブね!」パァァン

梨子「っ」


梨子(鞠莉さんはきっと今、油断してる)

梨子(だから、仕掛けるならっ!)



梨子「……今よ!」ダッ



「リリーが前に出た!?」

「サーブ&ボレーですか」
「ここで!?」

鞠莉「Wow!」

梨子「これで!」グッ



梨子「やぁぁっ!!」パァァァン



「角度をつけて、返したずら!」
「決まるわ!」

「決まりましたわね。流石の鞠莉さんでも『妙技』は使えないでしょうから」
「うゆ……」


鞠莉「くっ! それは、予想外デス」ダッ


梨子(決まっーー)



鞠莉「けど」フフッ




ーー カンッ ーー




梨子「なっ!?」



ーー ツツツツツーッ ーー


ーー トンッ ーー



梨子「そん、な……」

鞠莉「残念ね、梨子」

梨子「完全に油断してたのに……」

鞠莉「えぇ、確かにね」

梨子「なら!」

鞠莉「でも、ワタシの『妙技』は破れないわよ? だってーー」



鞠莉「マリーは強いもの♪」



『鞠莉 ② - 0 梨子』

ーーーーーー



ーー カンッ ーー


鞠莉「『妙技・鉄柱当て』!」


ーー ポーーーーーン ーー



梨子「はあっ、はっ……」



『鞠莉 15 - 0 梨子』



ーー カンッ ーー


鞠莉「『妙技・綱渡り』!」


ーー ツツツツツーッ ーー



梨子「っ、はあっ、ふはっ……」



『鞠莉 30 - 0 梨子』



ーー カンッ ーー


鞠莉「One more♪ 『妙技・綱渡り』」


ーー ツツツツツーッ ーー



梨子「っ、は……はっ……」



『鞠莉 40 - 0 梨子』



ーー カンッ ーー


鞠莉「今度は『妙技・鉄柱当て』♪」


ーー ポーーーーーン ーー



梨子「っ…………はっ……」



『鞠莉 ③ - 0 梨子』



ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「……も、もう止めよ?」



千歌「ねぇ、曜ちゃん!」

曜「う、うん……そうだね。これ以上は……」

千歌「うぅぅぅ、見てられないよ……」

曜「それじゃあ、各チームの代表に言ってこよう! 私はダイヤさんに伝えてくる!」ダッ

千歌「うん。千歌は果南ちゃんとーー」



果南「………………」



千歌「果南、ちゃん?」

果南「…………千歌」

千歌「な、なに?」


果南「梨子ちゃん、呼んでもらっていいかな?」


千歌「え……?」

果南「だから、梨子ちゃんを呼んでほしいんだよ」

千歌「…………果南ちゃん、もしかしてーー」



千歌「続けるつもりなの……?」



果南「…………うん」




千歌「っ、なんで!?」

果南「なんでって……まだ梨子ちゃんは試合できるからさ」

千歌「み、見ればわかるじゃん! 梨子ちゃんはもう……!」



梨子「……千歌、ちゃん?」



千歌「っ、梨子ちゃんっ!」

梨子「どうしたの……? そんな怖い顔して……」

千歌「そ、それは……その……」ウツムキ

果南「…………」



果南「…………ね、梨子ちゃん」



梨子「……っ、果南さん」



果南「…………このまま『あれ』を使わないつもり?」



梨子「そ、それは……でも……」

千歌「え、え? 『あれ』って……?」

果南「……確かに梨子ちゃんが使うの嫌がるのは分かる。梨子ちゃんは優しいからね」

梨子「…………」

果南「でも、使わないのは……本気を出さないのは、鞠莉に失礼だよ」

梨子「で、でもっ!!」

果南「…………」

梨子「…………っ」

梨子「…………わたし、は……」

果南「…………はぁ」



果南「鞠莉は、さ」



梨子「え……?」


果南「すぐ調子に乗るんだ。回りの様子なんて見えなくなって……勝負事なら尚更ね」

果南「しかも、勝負勘とか強いから、勝ちまくるんだよ」

果南「昔からそう。それで、ダイヤとか私を負けさせてさ」

果南「ダイヤが泣くこともあったかな」

果南「それでーー」



果南「ーーいつも後悔する」



梨子「……後悔?」

果南「うん。自分が調子に乗ったせいで、私たちに嫌な思いさせたんじゃないか、って」

果南「フフッ、なら、初めから熱くならなければいいのに……ま、無理な話か」

梨子「…………」

果南「とにかく、私が何を言いたいかっていうとね」



果南「鞠莉にそんな思いさせたくないんだ」

果南「だから、梨子ちゃん……」




果南「鞠莉を倒しちゃって」ニカッ




梨子「………………」




ーーーーーー

『チェンジサービス』
『サービス 梨子』



梨子「…………」ターンターン

鞠莉「あら、続けるのね♪」

梨子「うん」

鞠莉「じゃあ、あと1game付き合ってもらうわよ?」

梨子「……っ」スッ



梨子「やっ!」パァァン



梨子「っ」ダッ

「!? また!?」
「さーぶ&ぼれーずら!」

「奇襲のつもり、でしょうけど……」

鞠莉「さっきも言ったでしょ? Sweetだって♪」パァァン

「リリーの足元に!?」
「梨子ちゃん!!」




梨子「ふっ」ポンッ



ーー フワッ ーー


鞠莉「Drop Shot!?」ダッ

「さっきのは布石だったの!?」
「本命はこっちということですか!?」

「決まーー」



鞠莉「ーーらないわよ!」ベシッ


ーー ポーーーーーン ーー



鞠莉「……っ、ロブが!?」グッ

「チャンスずら!」
「リリー!! 決めて!!」

梨子「っ」グッ

鞠莉「スマッシュっーー」

梨子「っ」スッ

鞠莉「ーーじゃ、ない!?」




梨子「やぁぁぁっ!!!」パァァァァァン




鞠莉(What's!? ここで、ドライブボレー!?)

鞠莉(このままじゃ、当たるわっ……ラケットでっ!)



梨子「ごめんね、鞠莉さん」



ーー ギュルルルル ーー



鞠莉「ボールが、ホップしーー」




ーー ベシンッ ーー




鞠莉「Ouch!!」

「ぅゅっ……おでこに……」
「痛そうですわね……」

鞠莉「うぅぅ……痛いわよ、梨子」イタタ

梨子「っ、ご、ごめんなさい……手、貸します」スッ

鞠莉「Thank You!!」グッ

梨子「……う、ううん」ウツムキ

鞠莉「って、あら?」

鞠莉「ねぇ、梨子?」




鞠莉「なんで、貴女の髪の色、Greenなの?」




ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「ね、ねぇ、果南ちゃん」

曜「鞠莉ちゃん、なに言ってるの?」

千歌「梨子ちゃんの髪の色が、緑……?」

曜「いつも通り、だよね?」

果南「…………」


果南「……うん」


果南「鞠莉のおでこに当たったでしょ?」

果南「『あれ』が梨子ちゃんの『技』だよ」

千歌「……ちょくせつこーげき?」

果南「いや、そうじゃなくて」

果南「私も一回、練習したときにやられたんだけどさ」



果南「今から10分間」

果南「鞠莉の色覚は狂う」

果南「それが梨子ちゃんの『技』」



果南「『』」

ーーーーーー



千歌「ね、ねぇ、果南ちゃん」

曜「鞠莉ちゃん、なに言ってるの?」

千歌「梨子ちゃんの髪の色が、緑……?」

曜「いつも通り、だよね?」

果南「…………うん」



果南「でも、鞠莉には緑に見えてる、みたいだね」



曜「どういうこと……?」

果南「さっき、鞠莉のおでこに当たったでしょ?」

千歌「うん! 痛そうだったよねぇ」

果南「……そ。あれが梨子ちゃんの技だよ」

千歌「…………ちょくせつこーげき?」

果南「いや、そうじゃなくて」

果南「私も一回、練習したときにやられたんだけどさ」

果南「詳しいことは分からないんだけどね。梨子ちゃんの技は『それ』を認知するところをピンポイントで麻痺させるんだ」

曜「『それ』って……?」

千歌「……なんのこと?」

果南「…………」



果南「今から大体10分間」

果南「鞠莉の『色覚』は狂う」

果南「それが梨子ちゃんの『技』」




果南「『知覚の侵略者』」




ーーーーーー

今日はここまで。
また次回。

少し更新。

梨子「…………」ターンターン

鞠莉「…………」



鞠莉(『知覚の侵略者』、ね)

鞠莉(…………)

鞠莉(なるほど。たしかにワタシの『色覚』が狂ってるみたい)



ーー パァァァン ーー



「鞠莉さん!」

鞠莉「っ!?」



鞠莉「っ、はぁっ!」ベチッ



「打ち損じよ! リリー!」

梨子「うんっーー」ダッ



梨子「やっ!!」パァァァン



『鞠莉 0 - 30 梨子』


梨子「やった!」グッ

「鞠莉さんが打ち損じ……?」
「ど、どうしちゃったんだろう……」

鞠莉「…………」



鞠莉(考え事をしてたから……っていうのは簡単だけど)

鞠莉(……それだけじゃないわ)



鞠莉(色が違う)



鞠莉(梨子のhair、コートの白線)

鞠莉(それに……ネットのcolor)

鞠莉(それが少しずつ変わっていて……)

鞠莉(返せない、訳じゃない。だけど……)



鞠莉「チョーシ狂うわね」

梨子「次、行きます!」ターンターン

梨子「ーー」スッ



梨子「やっ!!」パァァァン



鞠莉「っ」グッ



鞠莉「はあっ!」パァァァン



「今度は返したわ!」
「梨子さん!」

梨子「うん!」スッ



ーー ポンッ ーー



鞠莉「なっ!?」

「ドロップショット!」
「鞠莉さん! 走るんです!!」

鞠莉「わかってるっ!」ダッ

鞠莉(ここならーー)



ーー カンッ ーー



鞠莉「『妙技・鉄ーーえっ?」



ーー ポーーーン ーー



「浅いですわ!?」
「な、なんで……?」

鞠莉「What's!?」


梨子「はぁぁぁぁーー」ピョーン



梨子「ーーやぁっ!!」ベシィィィィン



『鞠莉 0 - 40 梨子』

ーーーーーー



千歌「鞠莉さんの動き、変だよね?」

曜「うん。果南ちゃん、あれは……」

果南「うん」



果南「鞠莉の技は確かに強い」

果南「鉄柱に当てる、ネットの上を転がる。どっちも神業だっていってもいいよ」

果南「だから、かなり繊細なコントロールが必要になるはず」


曜「それを乱されてる」


果南「そういうこと」

千歌「でもさ、そんなにちがうの……?」

果南「……普通の人からすれば、きっとそうでもないよ。それに、色が違うのなんて慣れればどうってことはないからね」

千歌「じゃあーー」



ーーーーーー


鞠莉(えぇ、慣れたわ)

鞠莉(違和感はあるけどね)

鞠莉(それでもーー)



鞠莉「返すわよ! リリー!」グッ

梨子「…………」



ーー ポーーーーーン ーー



「リリー!?」

「ろ、ろぶ……?」
「梨子さんはなにを……?」


鞠莉(打ってこいってこと……?)

鞠莉(梨子らしくない、けど……)チラッ

梨子「…………」



鞠莉「ジョートウっ!!」



ーー バッ ーー




ーー グニャリ ーー




鞠莉「っ」



ーー トンッ ーー



「あ、あれ……?」
「な、なんで、打たなかったんですの?」

「絶好のスマッシュチャンスだったのに……?」
「ず、ずら?」


鞠莉「打たなかった……んじゃないわ」

梨子「…………」


「……打てなかった、ってところかな?」

「ね? 梨子ちゃん」



梨子「はい」

梨子「今の、鞠莉さんにはきっとボールが水色に見えてます」



梨子「……この『色』と」ユビサシ

梨子「ロブを追って、見上げた『空の色』と同じ色に」




『鞠莉 ③ - ① 梨子』

今日はここまで。
もう少し更新できるかと思ったのですが……。
次回更新まで暫しお待ちください。

少しだけ更新します。
お待たせして申し訳ないです。

『サービスチェンジ』
『サービス 梨子』



梨子「いきます」ターンターン

鞠莉「っ」スッ



梨子「やぁっ!」パァァァン



鞠莉(さっきのはぐーぜんよ!)

鞠莉(ネットは赤色に見えるけど……っ!)


鞠莉「今度は返せるわ!」

梨子「…………」



梨子「緑」ボソッ



鞠莉「えっ?」




ーー グニャリ ーー




鞠莉「なっ!? 色がッ!?」

鞠莉「っ」ブンッ



『鞠莉 0 - 15 梨子』




鞠莉「また、途中で色が変わって……」

梨子「今度はボールが緑に見えましたか?」

鞠莉「……そうね。コートと同じcolorだった」

梨子「…………」



鞠莉「フフッ」

鞠莉「おもしろいじゃないッ!!」

梨子「次、いきますね」ターンターン

鞠莉「えぇっ!」

梨子「ーーーーっ」スッ



梨子「はっ!」パァァァン



鞠莉(……また変わってる)

鞠莉(ただ、ボールはgreenのままで、コートがyellow)

鞠莉(いつもと逆、ってわけね!)

鞠莉(これならーーっ)グッ



鞠莉「はあっ!!」パァァァン



「今度は返しましたわ!」
「う、うん……」

鞠莉「さぁ、Come on! 梨子!」

梨子「……」スッ



ーー ポーーーーーン ーー



「ロブ……ってことは!」

鞠莉「ボールは水色!」キョロキョロ



鞠莉(よく見なさい! マリー!)

鞠莉(梨子はcolorを変えただけ)

鞠莉(ボールが消えるわけじゃない。なら、よく見さえすればーー)



鞠莉「っ、見えたわ!!」バッ



鞠莉「はぁぁっ!!」ベシィィィィン



「鞠莉さん、返したずら!」
「リリー! とって!」

梨子「…………っ、うん!」ポスッ



ーー トンッ ーー



鞠莉「前にっ!?」ダッ

「決まる!?」



鞠莉「まだよっ!!!」パァァァン



「あれも拾うの!?」
「ず、すごい……」

梨子「っ、私もっ!」グッ



梨子「やっ!」パァァン



「梨子さんのショット……!」
「少し浅い……」

梨子「っ」

鞠莉「甘いわっ! これでーー」



ーー グニャリ ーー



鞠莉「ま、また!?」フラッ



ーー パァァァン ーー



『鞠莉 0 - 30 梨子』

ーーーーーー



曜「鞠莉ちゃん、かなりやりずらそう……」

果南「まぁ、慣れた頃にまた色が変わるから。見てる方はなんともないけど、やってる方は辛かったよ」

曜「そうなんだ……。あはは、梨子ちゃんと当たらなくてよかったかも」


千歌「あ! そういえば、果南ちゃんは梨子ちゃんと試合したんだっけ?」

果南「うーん、試合ってほどのものじゃないけど、一応」

千歌「どっちが勝ったの?」

曜「おぉ、核心を突くね、千歌ちゃん」

果南「…………」



果南「…………さぁ」



千歌「えぇ!! なんではぐらかすのさ!」

果南「ま、見てれば分かるんじゃないかな」

曜「見てればって?」

果南「梨子ちゃんがどのくらい強いのかは、たぶん見ていれば分かるよ」

千歌「それって……?」

果南「本人が聞いたら、調子に乗るから言わないけど」



果南「鞠莉は強い」



果南「たぶん、色が変わることにも慣れ始めたと思うよ」

果南「変わり目に当たっちゃうと、返すのは難しそうだけどね」

曜「確かに、さっきもよろけてた!」

果南「うん。けど、少なくとも水色には対応できてたわけだし」

千歌「あ! そっか!」

果南「パターンさえ分かってしまえば、って感じじゃないかな」



ーー パァァァン ーー



果南「その証拠に、ほら」

曜「「え?」」



ーーーーーー





『鞠莉 15 - 40 梨子』




梨子「っ、はぁっ……」

鞠莉「フフフッ、返したわよ、梨子!」ビシッ

梨子「はっ、はぁ……はい……っ」

鞠莉「だいぶ息、上がってるわね?」フフッ

梨子「はぁ……はっ……」

鞠莉「…………」



鞠莉「ふーむ」

鞠莉「もしかして、梨子も消耗激しいんじゃない?」



梨子「っ」


梨子「そ、そんなこと……っ」



鞠莉「よく考えたら、自分が見てる『色』とワタシに見せてる『色』」

鞠莉「2つも考えながら、playしてるわけだものね」



梨子「うっ……」

鞠莉「あら~? その顔は……ズボシ?」

梨子「そ、そんなことないですっ!」

鞠莉「必死になってるのも、とってもアヤシイわヨ♪」

梨子「っ」



鞠莉「さ、早くサーブを打って!」

鞠莉「続き、やりましょ♪」

梨子「……っ」ターンターン

鞠莉「フフッ」

梨子「まだ、私はーー」スッ



梨子「ーーできるっ!」パァァァン



鞠莉「ボールはred、コートはgreen……」

鞠莉「そして、梨子は……」



鞠莉「Blueな表情ね♪」パァァァン



「くっ、打ち返したわッ」
「余裕ずら……!」

梨子「はっ、そんなことないです……っ!」スッ



梨子「はあっ!」パァァン



鞠莉「そう?」

鞠莉「無理はキンモツよ?」

鞠莉「Strokeも、こんなにっ!」



鞠莉「カヨワイもの!」スッ

梨子「っ、しまっーー」



ーー カンッ ーー



鞠莉「『妙技・綱渡り』!」



ーー ツツツツツーッ ーー


ーー トンッ ーー



『鞠莉 30 - 40 梨子』


梨子「っ、まだ……です」ターンターン

鞠莉「そう?」

梨子「ーーっ!」スッ



梨子「やあっ!」シャァァァ



鞠莉「……うーん? もうサーブにも力がないわよ?」

鞠莉「フラットが、スライスになっちゃってる」グッ



鞠莉「はっ!!」パァァァン



梨子「っ、やっ!」パァァァン

鞠莉「フフッ」



鞠莉「シャイニー!!」パァァァン



梨子「っ、はっ……」

「リリー!」
「梨子さんっ」

梨子「!」グッ



梨子「やっ」シャァァァ



ーーーーーー



果南「鞠莉の『妙技』が息を吹き返しはじめた、か」

曜「色に慣れたってこと?」

果南「たぶん、そうだろうね」

千歌「ほえぇ」



果南「梨子ちゃんの『色覚』は完全じゃない」

果南「何の色になるかは、梨子ちゃんがコントロールできないんだ」



曜「え? でも、ボールを消したりしてたよね?」

果南「あれは、その色になるのに合わせてたんだと思う。水色になる時にロブを出して、緑になりそうな時にサーブを打つって感じにさ」

千歌「えぇ!? それってかなり難しいよね!?」

果南「そうだね」

曜「あ! だからなんだ。梨子ちゃんがあんなに疲れてるのって……」

果南「うん。その通り」


果南「…………」

千歌「果南ちゃん」

果南「ん? なに?」

千歌「やっぱり、果南ちゃんがそこまで詳しく知ってるってことはさ、梨子ちゃんとの試合は……」

果南「…………」



千歌「果南ちゃんの勝ちだったんでしょ?」



果南「…………」

曜「果南ちゃん……?」

果南「…………」

千歌「ねぇ、果南ちゃん!」


果南「…………千歌」


千歌「! なに?」

果南「…………静かに見てよう」

千歌「え……?」




果南「そろそろ、終わるよ」




ーーーーーー




ーー カンッ ーー



梨子「っ、今度は……!?」



鞠莉「『妙技・鉄柱当て』!」



ーー ポーーーーーン ーー


ーー トンッ ーー




『鞠莉 40 - 40 梨子』



梨子「もう、完全に……」

鞠莉「Yes! 梨子の『色覚の侵略者』コーリャクしたわ!!」

梨子「そう、ですか……」ウツムキ



鞠莉「うーん。あと2pointだし、もうひとつ『妙技』見せちゃおっかな♪」



「えぇ!?」
「まだ、あるずら!?」
「そ、そんなの卑怯よ!!」

鞠莉「善子?」

「ヨハネ!」

鞠莉「ショーブの世界に卑怯なんて言葉はないのデース!!」ビシッ

「うっ」

鞠莉「そうよね! 梨子!」

梨子「……っ、はい」

梨子「…………」ターンターン

鞠莉「フフッ」

梨子「っ」スッ



梨子「やっ!」シャァァァ



「またスライス!」
「もう力が……」

「……?」
「お、おねえちゃん……?」

鞠莉「スライスとトップスピン」

鞠莉「交互に打って、体力を温存するつもり?」

鞠莉「でも、体力温存なんて、もう心配しなくてもーー」



鞠莉「ーーいいわっ!」パァァァン



梨子「……っ」

鞠莉「あと2pointで楽になるから!」

梨子「…………」スッ




梨子「…………ごめん、なさい」パァァァン




鞠莉「フフッ、なんで謝るの?」

鞠莉「そんな必要はーー」グッ





ーー カランッ ーー





鞠莉「え……?」

鞠莉「What's……?」

梨子「…………」

鞠莉「な、なに? なんで、力が……入らない……?」

梨子「…………」

「なんで、鞠莉さん、ラケットを……?」
「ず、ずら……?」

「こ、これは……まさかっ!?」




「トップスピンとスライス」

「ほぼ同じ回転数のショットを交互に打ち続けることで、一瞬腕が硬直する」




梨子「『スポット』」



梨子「そういうんだそうです」

鞠莉「り、りこ? 『色』を狂わせるのがあなたのテニスじゃ……」

梨子「……いいえ」ブンブン

鞠莉「でも、『色覚の侵略者』って、果南が……」



梨子「……鞠莉さん、それ違うんです」

鞠莉「……え?」

梨子「間違ってるんです。私は『色覚の侵略者』じゃなくて……」




梨子「『知覚の侵略者』」




梨子「『色』だけじゃなくて『触覚』も狂わせることが出来るんです」

鞠莉「なっ!?」

梨子「それに……『音』も」

「ま、まだ上があるの!?」
「『音』まで……?」




梨子「鞠莉さん」

梨子「『侵略』させてもらいますね……?」




鞠莉「ッ」ゾワッ

ーーーーーー



果南「ねぇ、千歌」

果南「さっき、私と梨子ちゃん、どっちが勝ったか聞いたよね?」

果南「……うん。わかったかな?」




果南「梨子ちゃんの勝ちだった」




果南「鞠莉は強い」

果南「その鞠莉が1番手で出てくるのは予想がついてた」

果南「だから、梨子ちゃんを当てたんだよ」




果南「チーム2の中では一番強い梨子ちゃんをね」




ーーーーーー

ーーーーーー




『鞠莉 ③ - ⑤ 梨子』



『勝者 桜内梨子』




ーーーーーー

本日はここまで。
更新が遅くなりがちですが、お付き合いいただけると幸いです。

本日更新予定です。

ーーーーーー



梨子「ごめんなさい! ごめんなさい!」



鞠莉「す、ストップ! もういいわよっ」アセアセ

梨子「で、でも……」

鞠莉「確かに、まだ目はチカチカしてるし、腕もなんだか違和感あるけど」



鞠莉「全力で戦って、負けた」

鞠莉「それが今はキモチイイのよ」ニコリ



鞠莉「だ・か・ら!」ビシッ

鞠莉「謝るのはNothingよ!」

梨子「うぅ……」

鞠莉「…………ね?」

梨子「はい……」



千歌「むぅ……」



鞠莉「Sorry! ちかっち!」

千歌「なんだかソガイカン……」

梨子「ち、千歌ちゃん……?」

千歌「いいよね、みんなは……。テニスしてもっと仲良くなってさぁ……」

梨子「あわわっ」アセアセ

鞠莉「スネちかっちになってるわね」

千歌「どーせ、わたしは外れですよぉ、だ」イジイジ

梨子「ど、どうしよう……っ」

鞠莉「……フム!」



鞠莉「ちかっち~、ちょっと」クイクイ

千歌「……?」



ーーーーーー



千歌「さぁ! 次の対戦はダブルス!」

千歌「戦うのはこの二組だよっ!!」



梨子「……鞠莉さん、なにを?」

鞠莉「フフフッ、ちょっとね♪」

「いくわよ……って」

「う、うゅ……」ビクビク

「…………不安?」

「…………ぅん」

「大丈夫よ。わたくしがついていますわ」

「…………」

「それに、貴女はーーーー」ボソッ

「え?」

「さぁ! いきますわよ!」



ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「っ、ぅん! おねえちゃんっ」




「…………うぅぅぅ、恥ずかしいずら……///」

「恥ずかしい? なに言ってるのよ!」

「だって、普通のてにすうぇあならともかく、こんな……はぁぁぁ」

「ちょっと!! なに!? 嫌なの!?」

「うん」

「即答!? せっかくカッコよくコーディネートしてあげたのに!」

「…………だって、てにすするのに、堕天使ファッションはないずら」

「その方が調子出るの!」

「なら、自分だけで着ればいいのに……」

「もうっ! ウダウダ言ってないで、合わせなさいよ!」



善子「†ヨハネ降臨†」

花丸「……ずらえる……降臨ずら……///」

ーーーーーー




ダブルス1



黒澤ルビィ   国木田花丸
黒澤ダイヤ vs 津島善子



試合開始




ーーーーーー

『1セットマッチ』
『サービス 善子』



善子「さぁ、我が堕天使サーブを受けてみなさい!」ターンターン

ダイヤ「ふぅ……来なさい」スッ



ルビィ「はなまるちゃん、はなまるちゃん」コソッ

花丸「どうしたの? ルビィちゃん?」コソッ

ルビィ「その服、すごいね!」

花丸「うっ/// まるは着たくなかったんだけど、善子ちゃんがこれじゃないと嫌だって言うから……」

ルビィ「そっかぁ、暑くない?」

花丸「うーん、それは大丈夫だよ。なんだか通気性はいいみたいだから」

ルビィ「そうなんだぁ」

花丸「動きづらいとは思うけど……」



ーー パァァァン ーー



花丸「あっ」

ルビィ「え?」



『よしまる 15 - 0 ダイルビ』



花丸「もう始まっちゃってたね」

ルビィ「ぅ、ぅゅ……おねえちゃんに怒られる……」

花丸「じゃあ、集中しよっか」

ルビィ「ぅん!」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「ご、ごめんなさい……」

ダイヤ「はぁぁ、まったく花丸さんと話していたんですの?」

ルビィ「う、ぅん……」

ダイヤ「集中なさい。ボールが当たってしまったら危ないのですから」

ルビィ「ぅ、ぅん……」スッ



善子「さぁ! ルビィ!」ターンターン

善子「堕天使サーブーー」



善子「ーー食らいなさい!」パァァァン



ルビィ「っ、だてんし……」ビクッ

ダイヤ「ルビィ!」

ダイヤ「善子さんがなにか言っていますが、ただのサービスですわ! 返せます!」

ルビィ「ぅん!」



ルビィ「えいっ!」ベシッ



善子「くっ、返されたわ!」ダッ

善子「でも、これならどうっ!」グッ



善子「漆黒の軌跡を辿りなさい!」パァァァン



ダイヤ「ルビィ、前へ!」

ルビィ「っ」ダッ

ダイヤ「それもーー」グッ



ダイヤ「ただのストロークですわ!!」パァァァン



善子「……えぇ、そうよ」

善子「ふっ」ポスッ



ーー トンッ ーー



『よしまる 30 - 0 ダイルビ』

ダイヤ「っ、また……」

ルビィ「ご、ごめん、おねえちゃん。ルビィがとれば……」

ダイヤ「いいえ。あれはわたくしのミスよ。気にしないで」ナデナデ

ルビィ「ぅぅゅ……」



ダイヤ(……とは言いましたが)

ダイヤ(ミスをした感覚はありませんでした)

ダイヤ(点を取られてしまったことが正直不思議で……)

ダイヤ(単純に善子さんが巧いだけ。ならいいのですが……)チラッ



花丸「ふぅ」

善子「フフン! ヨハネたちの魔法に手も足も出ないようね!」

花丸「普通のどろっぷしょっとずら」

善子「気分の問題なの!」

花丸「ねぇ、善子ちゃん?」

善子「ヨハネよっ!」

花丸「次は……」

善子「……えぇ」



善子「…………分かってるわ」

かなり短いですが今日はここまで。
次回からテニヌスタート。

善子「……」ターンターン

ダイヤ「ルビィ、行きますわよ?」ボソッ

ルビィ「うゅ」コクッ

花丸「…………」ジーッ

善子「堕天使ーー」スッ



善子「ーーサーブ!!」パァァァン



ルビィ「っ、おねえちゃ」

ダイヤ「ええ! 甘い、ですわ」



ダイヤ「はぁっ!!」パァァァン



「まるの横を!」
「巧い! ダイヤさん、さすが!」

花丸「……」チラッ

善子「……」コクッ

善子「そっちこそーー」ダッ

ダイヤ「追いついたんですの!?」



善子「ーー甘いわよ!!」パァァァン



ダイヤ「予想外ッ……ですが!」

ルビィ「っ」ダッ

ダイヤ「ルビィ! 今ですわ!」



ルビィ「うんっ」グッ



「ルビィちゃん、ポーチに出たよ!」
「いいタイミング。流石はダイヤだね」


ルビィ(おねえちゃんのおかげだ)

ルビィ(ルビィでもこのタイミングでポーチに出ればーー)



ルビィ「やぁぁーー」

花丸「……」スッ



ルビィ「……っ、ぅゅ!」



ーー スカッ ーー




ルビィ「あ、あれ……?」




『よしまる 40 - 0 ダイルビ』

ルビィ「……あれ? えっ?」

ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「っ」ビクッ

ダイヤ「…………」

ルビィ「お、おねえちゃ……」



ルビィ「ごめんなさいっ」



ルビィ「ルビィのせいで、せっかくのチャンスが……」

ダイヤ「……いいえ、構いません。ミスは誰にでもありますから」

ルビィ「ぅ、ぅん……」シュン

ダイヤ「……」ナデナデ



ダイヤ(ミス)

ダイヤ(それ自体は問題ではありません。ルビィにも言いましたが、誰にでもあることですわ)

ダイヤ(ただ、ミスの仕方がおかしい)

ダイヤ(ポーチに出るタイミングも、そこからの動きもほぼ完璧でした)



ダイヤ(けれど、当たらなかった)



ダイヤ「…………一体……?」



善子「ナイスよ、ずら丸!」

花丸「うん! 善子ちゃん」ニコリ

善子「だから、ヨハネ!!」

善子「さ、まずはとるわよ!」

花丸「ずら!」



ダイヤ「ルビィ」ボソッ

ルビィ「っ、な、なに……?」

ダイヤ「ルビィがリターンを返したら、わたくしが前に出ますわ」

ルビィ「それって……」

ダイヤ「……いえ、様子見です」

ルビィ「…………わかった」



善子「堕天使サーブ!!」パァァァン



ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「うんっ」グッ



ルビィ「えいっ」ポーーーン



花丸「ずら!?」

「ロブ!?」
「まるの上を抜いてーー」



ダイヤ「行きますわよ!!」ダッ



「ダイヤが前に出た!」
「!! ってことは!」



善子「くっ」パァァァン


「甘い球! ダイヤさん!」


ダイヤ(『アレ』を期待してくださった曜さんには申し訳ないですが、今は違いますわ)

ダイヤ(これは様子見。わたくしならばーー)


ダイヤ「見極めます!」



ダイヤ「っ、はぁぁぁ!!」グッ

花丸「…………」スッ




ダイヤ「え?」



ーー ベシッ ーー



ーー ポスッ ーー




『よしまる ① - 0 ダイルビ』

ダイヤ「……ネ、ネット……?」

ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「す、すみません。ルビィ……」

ルビィ「ううん……でも」

ダイヤ「えぇ。これ、ですか」

ルビィ「ぅ、ぅん」

ダイヤ「一瞬。ですが、確かに」



ダイヤ「打とうとした瞬間、意識が『ずらされ』た」

ダイヤ「ボールから彼女に」チラッ



花丸「っ、ずらぁ」



善子「フフッ、どうやら気づいたようね。ズラエルの真の力に!」

花丸「そ、そんなんじゃ……っ///」

ルビィ「し、しんの力……しゅごい……」

ダイヤ「…………一体、花丸さんは何を……?」

善子「教えてあげるわ!! ズラエルの真の力、それはーー」





花丸「『視線誘導』」




花丸「まるはね」

花丸「ルビィちゃんとダイヤさんの意識を、少しだけまるの方に向けることができるんだ」

花丸「ほんとに、少しだけ、だけど」

善子「そう、これこそーー」




善子「†『蠱惑の魔眼』†」




花丸「よ、よしこちゃん、その名前はちょっと……///」

善子「†『蠱惑の魔眼』†」キリッ

花丸「う、ぅぅぅぅ……///」




ーーーーーー

少しだけ更新。

ーーーーーー



千歌「つまり、どーいうこと?」ハテ

梨子「わ、私に聞かれても……」

鞠莉「フム……ねぇ、ちかっち?」

千歌「? なんですか、鞠莉さん?」

鞠莉「今からワタシ、何かするけど梨子のことだけ見ててね」

千歌「へ? あっ、うん」

梨子「え……?」

千歌「ジーッ……」

梨子「な、なんなの……っ?」

千歌「ジーッ…………」

梨子「ちょっ、ちょっと、千歌ちゃーー」



鞠莉「はぁぁぁッ!!!」ブンッ



千歌「わぁっ!?」ヒョイッ

鞠莉「……ね?」

梨子「い、いやいやいやいや! いきなりなにしてるんですか! 木刀なんてどこから!?」



千歌「…………なるほど」



梨子「って、千歌ちゃん!?」

千歌「フッフッフッ、理解したよ!」

梨子「さっきので!?」

千歌「…………それは、殺気とさっきをかけてーー」

梨子「ないから!」


梨子「結局、なんだったの!」

鞠莉「つまり、こういうこと」



鞠莉「本来なら、ボールを見てなきゃいけない場面で、花丸を見ちゃうのよ」

鞠莉「だから、missが多くなる」

鞠莉「ダイヤがあんなeasyなmissをやらかすんだもの」

鞠莉「なかなかじゃない?」



鞠莉「あの『蠱惑の魔眼』っていうのも♪」



ーーーーーー

『チェンジサービス』
『サービス ダイヤ』



ダイヤ「…………」ターンターン

善子「さぁ! 来てみなさい!」



ダイヤ「はあっ!!」パァァァン



善子「いくわよ! ずら丸!」

花丸「うんっ」ダッ


「このタイミングでポーチについた!?」
「それじゃあ、サイドががら空きだよ」


善子「ほっ!」パァァァン


ルビィ「おねえちゃっ!」

ダイヤ「わかってる!!」グッ


ダイヤ(『蠱惑の魔眼』……)

ダイヤ(ふざけた名前ですが、確かに厄介ですわね)

ダイヤ(見まいとすればするほどーー)



花丸「……」スッ



ダイヤ「っ!?」ベシッ

ルビィ「!」



ーー ポーーーン ーー



ダイヤ「ルビィ、下がっーー」

善子「ずら丸! スマッシュ!」

花丸「わかってるーー」グッ



花丸「ーーずらぁぁっ!」ベシィィィン



ーー パァァァァン ーー



『よしまる 15 - 0 ダイルビ』

ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「……大丈夫よ」

ルビィ「……ぅん」



ダイヤ「…………」ターンターン

ダイヤ「っ」スッ



花丸「……」スッ



ダイヤ「っ!?」ベシッ



ーー ポスッ ーー



『フォルト』



ダイヤ「っ」

ルビィ「おねえちゃん……」

ダイヤ「…………」ターンターン



ダイヤ「はあっ!」ベシッ



ーー ポスッ ーー



『ダブルフォルト』


『よしまる 30 - 0 ダイルビ』

ーーーーーー



鞠莉「巧い、わね」

梨子「はい。ダイヤさんがサーブをする直前に技を使ってる……」

千歌「それでサーブが入らないの!?」

梨子「……うん」コクッ

千歌「それじゃ、このままだと……?」



鞠莉「いえ、それはないわ」



千歌「鞠莉さん?」

鞠莉「あの技、たぶんそこまでポンポン使える技じゃないわよ?」

千歌「そうなの?」

梨子「……いや、私に聞かれても……。まぁ、でも、そうかもしれないですね。私の『知覚の侵略者』と同じで相手が慣れてしまったら、そこまでだし」

鞠莉「そ」

千歌「でも、たくさん使ってますよ?」

鞠莉「そうね。だから、善子と花丸の目的はーー」



ーーーーーー

ダイヤ「…………」ターンターン


ダイヤ(そう)

ダイヤ(お二人の目的は恐らく短期決戦)

ダイヤ(本当にわたくしとは相性が悪いですわ……)



ダイヤ「はあっ!」パァァァン



「今度は入った!」
「まるの『蠱惑の魔眼』を見極めたの?」

善子「違うわ! 使わなかっただけよ!」グッ



善子「やっ!」パァァァン



善子「だってーー」ダッ

ルビィ「よしこちゃんも前にでた!」

ダイヤ「ルビィ! 気を付けなさい!」

善子「いくわよ! ずら丸!」

花丸「うんっ!」



ダイヤ(どちらへ打つ?)

ダイヤ(善子さんが前に出たということは恐らく善子さんが仕掛けてくるはず!)

ダイヤ(ならーー)



花丸「……ずらっ」スッ



ダイヤ「はあっ!!」パァァァァン



「まるの横を!」
「巧い! これなら!」

ダイヤ(視線誘導をされても、これなら抜ける!)

ダイヤ(って、あら……善子さんはどこに……?)



善子「これなら……」

善子「と、思ったでしょう?」クスッ




ーー トンッ ーー




ダイヤ「は……?」

ルビィ「……な、なんで……?」

ダイヤ「わたくしは……貴女の反対側、花丸さんの横を抜いたはずなのに……」




ダイヤ「なぜ、貴女がそこにいるんですの!?」

ダイヤ「善子さんッ!!」




善子「クックックッ」

善子「一体何が起きたのか分からないようね」

善子「これはヨハネとズラエルの複合魔術」




善子「†『黒の羽衣』†」ドヤッ




善子「ヨハネは闇に溶け込み、何処にでも現れるのよ!!」ドヤッ

善子「さぁ! 畏れ戦くといいわ!」



『よしまる 40 - 0 ダイルビ』

ダイヤ「くっ」ターンターン


ダイヤ(何処にでも現れる?)

ダイヤ(そんな馬鹿なことあるはずがーー)



ダイヤ「ーーないですわ!」パァァァァン



「強烈なサーブ!」

花丸「ず、ずらっ!?」ビクッ



善子「ずら丸!」



花丸「っ、うん! 善子ちゃん!」



善子「だから、ヨハーー」

花丸「すぅぅ……大丈夫!」グッ



花丸「やあっ!」ベシッ



ーー ポーーーン ーー



ダイヤ「っ、チャンスです! ルビィ!」

ルビィ「ピギィッ……っ、ぅん!」グッ



花丸「ずらぁぁ!」



ルビィ「ピギィッ!?」スカッ

ダイヤ「くっ、ここで!?」ダッ



ダイヤ「っ、はあっ!」ベシッ



善子「フフッ、ダメじゃない」

善子「そこはヨハネのテリトリーよ」ダテン

ダイヤ「ま、また……!?」




善子「はあっ!!」ベシィィィン



ーー パァァァァン ーー



善子「よしっ!」

花丸「やったずらぁぁ♪ 善子ちゃーん!」モギュッ

善子「むぐっ!? ちょ、ちょっと離れなさいよ!」

花丸「よかった、よかったよぉ……まる、足手まといになったらって怖くてぇぇ……」グスッ



善子「……っ、そんなこと!」



花丸「ずら……?」ズビッ

善子「っ、なんでもない///」プイッ

花丸「?」

善子「~~っ、とにかく!」



善子「決めるわよ、ズラエル!」ニカッ

花丸「うん! 善子ちゃん!」ニコリ


ダイヤ「また……ですか」

ルビィ「ご、ごめんなさいっ……おねえちゃ……」

ダイヤ「いえ、わたくしもまた……打たされましたから」

ルビィ「ぅゅ……」シュン

ダイヤ「…………」



ダイヤ(ボールから花丸さんへ誘導して)

ダイヤ(その隙に、善子さんが移動する)

ダイヤ(『黒の羽衣』……といいましたか。恐らくそんなカラクリでしょう)

ダイヤ(しかし、意識すればするほどに、逆効果ですわ)



ダイヤ「わたくしも、まだ……ですし……」ボソッ

ルビィ「おねえちゃん……」

ダイヤ「…………」

ルビィ「…………ねぇ、おねえちゃん。ルビィたち、このままじゃっ……」



ダイヤ「えぇ、負けるわ」



ルビィ「ぅんっ」ビクッ

ダイヤ「…………」



ダイヤ(そう。このままでは負ける)

ダイヤ(……わたくしたちには後がない)

ダイヤ(………………分かっていますわ)

ダイヤ(ならば、やることはひとつ)



ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「……な、なに?」

ダイヤ「わたくしはこれから攻めることを止めますわ」

ルビィ「っ、じゃ、じゃあっ!」

ダイヤ「えぇ」




ダイヤ「貴女がすべてを決めなさい」




『よしまる ② - 0 ダイルビ』

本日はここまで。

期間が空きましたが、本日更新します。

更新します。

『チェンジサービス』
『サービス 花丸』



花丸「いくよ、善子ちゃん」ターンターン

善子「えぇ……って、ヨハネ!!」



花丸「ずらっ!」パァァン



ダイヤ「っ、はぁっ!」パァァン

善子「ここは、私が! ずら丸は前に出なさい!」

花丸「うん!」ダッ



善子「やあっ!!」パァァン



「花丸ちゃんが前に出た!」
「また『蠱惑の魔眼』!? それとも『黒の羽衣』!?」

善子「さぁ! ダイヤさんはどう動く……って、え?」

ダイヤ「…………」ジッ

花丸「動か、ない……?」



ルビィ「ぅゅ……る、ルビィだってっ!」ダッ



花丸「ルビィちゃん!?」

善子「っ、ずら丸!」

花丸「う、うんっ」スッ



ルビィ「ピギィィィっ!!」パァァァァン



善子「くっ!」


善子(動揺して、ずら丸の『蠱惑の魔眼』が遅れたわ)

善子(こっちも反応が遅れたから……でもっ!)



善子「っ、返すわ!」ベシッ



「返した!」
「なかなかいい反応だね」

花丸「ご、ごめん、善子ちゃんっ」

善子「大丈夫! それよりーー」

花丸「うん、わかってる」スッ



善子(今度は確実にっ!!)



ルビィ「やっ!!」パァァァン



善子「っ、また!?」



ーー ポスッ ーー



ルビィ「あっ……うゅ……」

花丸「ね、ねっと、ずら……」

善子「……ふぅ」



『よしまる 15 - 0 ダイルビ』

花丸「いくよ、ルビィちゃん」ターンターン

ルビィ「う、うんっ」

花丸「っ」スッ



花丸「やっ!」パァァァン



ルビィ「っ、えいっ!」パァァァン

花丸「善子ちゃん!」

善子「分かってる!」ダッ



善子「はっ!!」パァァァン



「打球がダイヤさんの方に!」
「……って、ダイヤ……?」

ダイヤ「…………」ジッ

ルビィ「っ」ダッ

善子「な!?」



ルビィ「ピギッ!」ベシッ

ーー ポーーーン ーー



花丸「だ、ダイヤさん?」

ダイヤ「…………」ジッ

善子「っ、なんで、それをーー」ダッ



善子「ーールビィがとるのよ!」ベシィィィン



ーー パァァァァン ーー



ルビィ「っ、ピギィ!?」スカッ




『よしまる 30 - 0 ダイルビ』




ルビィ「ピギッ!?」



ーー パァァァァン ーー



『よしまる 40 - 0 ダイルビ』




ーーーーーー



梨子「一体、どういうこと?」

千歌「ダイヤさんが勝負を捨てた……?」



鞠莉「……なわけないわよね」




梨子「うん。そんなことするようには思えないです」コクリ

鞠莉「ルビィ一人だけにとらせてるのも、変よ」

千歌「……うーん? ダイヤさん、なにをしようとしてるんだろう……?」



ーーーーーー

善子「なに考えているのよ……」

花丸「う、うん。ルビィちゃんだけに打たせるなんて、ダイヤさんなんか変ずら」

善子「…………」チラッ




ルビィ「……はっ、ぅゅ……」

ダイヤ「…………っ、ルビィ」

ルビィ「っ、はぁ……はぁ……な、なに、おねえちゃ……?」

ダイヤ「っ、や、やはりわたくしもーー」



ルビィ「ぅ、うぅん……だいじょうぶ……」



ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「……っ、だって、おねえちゃんが……ぅゅ……ルビィにまかせてくれた、から」ハァハァ

ダイヤ「………………」

ルビィ「えへへ……」ニコリ



ルビィ「がんばルビィ、だもんっ♪」



ダイヤ「……………………」

ダイヤ「…………えぇ、あなたなら……大丈夫ですわ」



ダイヤ「だから……任せましたわよ」

ルビィ「うんっ」


花丸「……」ターンターン

善子「……」チラッ

花丸「……」コクン

花丸「っ」スッ



花丸「ずらぁ!」パァァァン



ルビィ「ぅ、ぅゅっ」グッ

ルビィ「えいっ!!」パァァァン

善子「っ」

善子(ルビィだけが返してるこの状況なら……)

善子(……ルビィ、悪く思わないでよ)



善子「やぁっ!!」パァァァァン



「またダイヤさんへ!!」
「ダイヤ!!」



ダイヤ「…………」ジッ



ルビィ「ぅ、ゆっ……!」ダッ

善子「っ、また!!」

「ダイヤ! なにやってるのさ!!」



ダイヤ「…………」ジッ

ルビィ「っ、ちがっーー」

ダイヤ「ーールビィ」ボソッ

ルビィ「っ」

ルビィ(おねえちゃんが責められてる……)

ルビィ(……なんで?)

ルビィ(ルビィだけが打ってるから?)

ルビィ(うぅん……ちがうの、これはさくせんなんだよ)

ルビィ(…………ちがう)

ルビィ(…………たぶん、みんなそれはわかってるんだ)

ルビィ(それでも、責められてるのは、きっとーー)




ルビィ「ルビィが弱いから」ボソッ




ルビィ(だから、おねえちゃんが責められてる……)

ルビィ(なら、ルビィは…………っ!)




ルビィ(ルビィがーーッ!!)







ルビィ「ルビィがやらなきゃ、なんだっ」




ーー パァァァン ーー



よしまる「「っ!?」」ビクッ

善子「ずら丸! 止めてッ!!」

花丸「うん!」グッ




ーー ポスッ ーー



花丸「……って、ねっと……ずら?」ホッ

善子「っ、はぁぁぁぁ……ビックリした……」ホッ




ーー シュルルルルルル ーー




「善子ちゃん! まる! まだだよ!!」

善子「へ?」

花丸「ずら?」




ーー トンッ ーー




『よしまる 40 - 15 ダイルビ』



花丸「ネットを越えて、きた?」

善子「そ、そんなのって、あり!?」



ルビィ「はっ……はぁっ……」

ダイヤ「…………ルビィ」

ルビィ「……だい、じょぶ……おねえちゃは……っ、はぁ……まってて……ルビィにーー」



ルビィ「ーールビィにまかせてっ」ニコリ


ーーーーーー



千歌「……1点、返した」

千歌「すごい、すごいよ……」



千歌「1点返したよ、ルビィちゃん!!」バシバシ



梨子「痛っ、見ればわかるわよっ、そして、痛い、千歌ちゃん!」

千歌「あ、ごめん」

鞠莉「でもみぁ、気持ちはわかるよ、ちかっち!」

千歌「! ですよね!」

鞠莉「えぇ! 梨子もそう思わない?」

梨子「それは……はい」

梨子「ダイヤさんとルビィちゃんの初得点ですから。それにーー」

鞠莉「フッフッフッ! なにかやるなら、ダイヤだと思った?」

梨子「…………正直に言うと」

千歌「でも、ルビィちゃん、あんな技、使えたんだ!!」

梨子「ボールがネットを伝って越えてくる……かぁ」

梨子「相当回転がかかっていないとできない技ですよね……」

梨子「…………ということは、ルビィちゃんの技って『回転』にまつわる……?」

千歌「そうなんですか? 鞠莉さん?」




鞠莉「…………さぁ?」




ちかりこ「「え?」」

鞠莉「ルビィが技を使ったところなんて見たことないわよ?」

梨子「そ、そうなんですか!?」

鞠莉「Yes! ま、今日までチーム分けもしてなかったし?」

梨子「そうですけど……ほら、チーム内でそんな話とか……」

鞠莉「んー? ルビィの話はNothingだったわよ?」

千歌「…………じゃあ、ルビィちゃんの技って……?」



ーーーーーー

善子「たぶん、ルビィの技は『回転』よ」

花丸「うん」コクン

善子「ずら丸の方に意識向けさせられる?」

花丸「…………うん」ターンターン



花丸「やっ!」パァァァン



ダイヤ「っ、はっ!」パァァァン


善子「……っ、今よ!」ダッ

花丸「うん!」スッ


「善子ちゃんが前にってことは!」
「『黒の羽衣』だね」


善子(ルビィが打つ前に、奇襲を仕掛ける!)

善子(ククク、先手必勝!)



善子「『黒の羽衣』!」

善子「ここよッ!!」パァァァァン



「いいコースに!!」
「決まってーー」

ダイヤ「…………っ」

ルビィ「ーーないよっ」ダッ




ルビィ「って!? ピギィッッ!?」グラッ


ーー ベチッ ーー


ルビィ「……っ、ぅゅ……」グスンッ



善子「ルビィ!?」

花丸「ルビィちゃん!?」

ダイヤ「っ!? ルーー」



ルビィ「いたい、けど……っ、ま、まだだもん……っ」グスグス



ーー トンッ ーー



善子「……え?」

花丸「……ボールが……上からネットスレスレで入って……?」




『よしまる 40 - 30 ダイルビ』

ーールビィ怪我の治療中ーー



ルビィ「ピギッ!?」ビクッ



曜「っと、ごめんね? 痛かった?」

ルビィ「ぅ、ぅゅ……」コクン

曜「でも、バイ菌入ると大変だから」

ルビィ「……ガ、ガマンします」グスッ



鞠莉「それにしても、ダイヤも酷いわよね。ルビィがこんなに頑張ってるのに……レーコク!」

ダイヤ「くっ、わ、わたくしは……」

曜「ま、まぁまぁ、鞠莉ちゃん。気持ちは分かるけどさ」

ダイヤ「…………ルビィ」チラッ



ルビィ「……だいじょぶ」



ダイヤ「…………ですが……」

ルビィ「おねえちゃんの準備ができるまで、ルビィががんばるから」

ダイヤ「っ、はい……」

鞠莉「……それで、ルビィ?」

ルビィ「? うん?」

鞠莉「ルビィはSpin……『回転』を使うの?」

ルビィ「……?」

曜「えっと、だって、さっきのネット越えとか……」

ルビィ「?」

曜「?」

ルビィ「???」



ダイヤ「ルビィに聞いても無駄、ですわよ」



鞠莉「ムダ?」

曜「えっと、どういう意味ですか?」

ダイヤ「ルビィは『それ』を意識して使っているわけではありませんから」

鞠莉「……それって?」

曜「無意識ってことですか? でも、無意識であんなショット……偶然じゃないんですからーー」



ダイヤ「いえ、偶然ですわ」

ダイヤ「ルビィのショットは偶然そうなるのです」



曜「い、いやいや、偶然って! ねぇ、ルビィちゃん?」

ルビィ「???」

曜「え、えっと……?」

鞠莉「Really……?」

ダイヤ「えぇ、だから、そうだと言っているでしょう?」

ダイヤ「回転でネットを越えたのも、当たり損なった打球がネット際に落ちるのも、偶然ですわ」



ダイヤ「ルビィの打つショットは奇跡的な結果を生み出す」

ダイヤ「すべてがすべて、そうなるわけではありません。ですが、確かにそれはあるのです」




ダイヤ「『神憑り』」




ダイヤ「わたくしはそう呼んでいますわ」



ーーーーーー

本日はここまで。

本日更新予定です。
見てくださってる方お待たせして申し訳ないです。

花丸「『神憑り』……ルビィちゃん、すごいずら……」

善子「まさに神に愛された天使ってわけね」

花丸「……善子ちゃん」

善子「……大丈夫よ、ずら丸!」

花丸「…………うん」コクッ


花丸「…………」ターンターン

ルビィ「ぅゅ……」

花丸「いくよ」



花丸「ルビィちゃん!」パァァァァン



ルビィ「っ、ゅっ!!」パァン

善子「ずら丸! 前に出なさい!」

花丸「ずら!」ダッ

善子「ルビィの球が『神憑り』ならーー」グッ



善子「ーーこっちに打てばいいでしょ!」パァァァン



「ダイヤさんの方へ打った!」

ダイヤ「っ」グッ



ルビィ「だいじょうぶ、おねえちゃんっ」



ダイヤ「ルビィ!」

善子「やっぱり出てきたわね!」

ルビィ「うゅ……っ!」スッ

善子「来なさい!」



ルビィ「えいっ!!」ベシッ


ーー ベチッ ーー



善子「コードボールっ!? って、ずら丸! ラケット!!」

花丸「ずら!?」



ーー ベシッ ーー



ーー ポンッ ーー



「ラケットに当たって……」
「コードボールで弾かれたボールが偶然ラケットに当たって、か。なるほどね」

善子「これが『神憑り』……」



『よしまる 40 - 40 ダイルビ』

花丸「善子ちゃん、ごめん……」

善子「いえ、次よ」

花丸「う、うん」

花丸「…………」ポーンポーン



花丸「えい!」パァァァン



ダイヤ「……っ」グッ



ダイヤ「はっ!」パァァァン



「ダイヤ、打った後に下がった。まだ手を出さない、みたいだね」
「ダイヤさん、まだ……」
「?」

善子「ずら丸!」

花丸「うん!」



善子「もう一回!」パァァァン



ダイヤ「っ、またですか」

ルビィ「ルビィが……っ!」ダッ

ダイヤ「えぇ……」



ーー ズキッ ーー



ルビィ「っ、ピギィ……」グラッ

ダイヤ「ルビィ!?」

ルビィ「まだっーー」ベシッ



ーー ポスッ ーー



「ルビィちゃん、足が……」
「大丈夫かな?」

善子「あ、ぶなっ」

花丸「た、助かったずら……でも、ルビィちゃん……」

善子「……まぁ、心配ね」



『よしまる Ad - 40 ダイルビ』


ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「ご、ごめんね、おねえちゃ」

ダイヤ「っ、そんな、謝らないで……ルビィ」ギュッ

ルビィ「あ、手…………えへへ」ギューッ

ダイヤ「……謝るのはわたくしですわ。わたくしのせいで、ルビィに……」

ルビィ「…………ううん」

ダイヤ「……ルビィ……?」



ルビィ「ルビィ、しんじてるもんっ」



ダイヤ「…………えぇ」

ーーーーーー




梨子「ルビィちゃんの『神憑り』」

梨子「とても強いけれど、ルビィちゃんは怪我のせいでそれを繰り出せなかったみたい」

梨子「よっちゃんと花丸ちゃんは、その隙に『蠱惑の魔眼』と『黒の羽衣』で点を取っていって……」

梨子「そしてーー」




千歌「梨子ちゃんが解説してる……それ、千歌の仕事……」

鞠莉「まぁ、梨子の方がそれっぽいから、シカタナイデース♪」

千歌「うぅ、納得いかない!」



ーーーーーー

ーーーーーー



『よしまる ③ - 0 ダイルビ』


『よしまる 40 - 15 ダイルビ』




『マッチポイント よしまる』




ーーーーーー

ルビィ「はぁっ……はっ……」ターンターン



花丸「……ルビィちゃん、辛そうずら」

善子「だからって、手加減はダメよ」

花丸「でもっ」

善子「…………辛そうだから、早く終わらせた方がいいでしょ」

花丸「…………うん」



ルビィ「っ」スッ



ルビィ「え、いっ!」パァァン




善子(サーブのスピードも落ちてる)

善子(それに、さっきまでの見てても『神憑り』が出てこなくなってきてるし)

善子(もう……限界ね)

善子(だから!)グッ



善子「終わりよ! ルビィ!!」パァァァン



ルビィ「っ、ま、まだっ」グッ



ルビィ「できるもんっ!」ベシッ



「当たり損ない……まる!」

善子「チャンスよ!」

花丸「ずら!」



ーー シュルルルル ーー



善子「っ、この音!? っ、ずら丸!」

花丸「え?」

善子「ルビィはまだ終わってない! 来るわよ!」



ルビィ「はっ、はぁ……お、おねがい……」ゼェゼェ



ーー ポスッ ーー



花丸「ネットに当たって!?」

善子「『神憑り』ッ!?」ダッ



ーー シュルルルル ーー



「スピンを使ったネット越えだね」

「まだ、ルビィちゃんはーー」

ルビィ「まだ、でき、る……」



ルビィ「まけ、ないもん……」フラッ



「ルビィちゃん!?」

花丸「ルビィちゃーー」ダッ



善子「ずら丸ッ!!」

花丸「善子ちゃんっ」ビクッ

善子「決めて!!」



花丸「っ、や、やぁぁぁぁぁっ!!!」ググッ




ーー ベシィィィィィィン ーー



ーーーーーー



ぼやけていく景色。
はっきり聞こえるのは、はなまるちゃんは打ったスマッシュの音。



…………。



……そっか。
ルビィ、負けちゃったんだ。

がんばったのに。
おねえちゃんに任せてもらったのに。

やっぱりルビィは、だめだめなんだ。

おねえちゃんに任せてもらったこともできない。
だめだめルビィなんだ。


ごめんね。
ごめんね。

おねえちゃん。




ーーーーーー

ーーーーーー




「よく、がんばりましたわ」

「ルビィ」




ーーーーーー

ルビィ「……え?」

ダイヤ「ルビィ」ギュッ

ルビィ「おねえちゃ……?」ボーッ



ダイヤ「ありがとう。もう大丈夫ですわ」ギューッ



ルビィ「そっか、そっか……。ルビィ、ちゃんとできたんだ……」

ダイヤ「えぇ、立派でしたわ」ナデナデ

ルビィ「えへへ……///」



善子「っ、今更出てきて……なに言ってるのよッ!」



ルビィ「よしこちゃん……?」

ダイヤ「…………」



善子「ルビィ一人だけに試合させて、自分は楽して!! それで終わったら、それだけ誉めて終わり!? ふざけないでッ!!」




ダイヤ「善子さん」

善子「なによ!」

ダイヤ「わたくしはこれで終わりにするつもりはありません。ここからはーー」



ダイヤ「わたくしが全てを決めます」



善子「ここから? もう試合は終わってーー」



ーー トンッ ーー



善子「……え?」

花丸「……善子ちゃん、ボール、こっちにあるずら……」

善子「……………………は?」




『よしまる 40 - 30 ダイルビ』




ダイヤ「さぁ、再開しましょうか」

ダイヤ「ここからはわたくしのステージですわ」

ルビィ「ぅ、ゅ……」ターンターン

ダイヤ「ルビィ?」

ルビィ「ぅん、なに? おねえちゃ……?」

ダイヤ「サーブは下からで構いません。それに、打ったら後ろに下がって休んでいていいわ」ニコッ

ルビィ「……ぅん」コクッ



ルビィ「えぃっ」ポーン



花丸「下から!?」

善子「ずら丸! 強打よ!」

花丸「わかってるーー」グッ



花丸「ずらぁぁ!!」パァァァァン



「強烈!? ダイヤさん!」

ダイヤ「心配はいりませんわ」スッ

善子「心配はいらない? 前衛にいたら、それは力負けするに決まってるわ!」



ダイヤ「『硬度5』」ボソッ



ダイヤ「はぁぁぁぁぁぁ!!!」パァァァァン




花丸「っ!?」

善子「なっ!?」

花丸「善子ちゃん!」

善子「とるわ!」ダッ




善子「はぁぁっ!!」グッ



ーー カランッ ーー




『よしまる 40 - 40 ダイルビ』

善子「っ、これはっ……!」ビリビリ

花丸「善子ちゃん! 大丈夫……?」

善子「ん、大丈夫よ。でも……」



善子(ずら丸のリターンは相当に強かった)

善子(だから、確かにそれをボレー出来れば、その威力は強くなる)

善子(けど、そもそも下からのサーブに対して、体重込めて打ったのよ? それをあんなに簡単にボレーするなんて……)

善子(普通だったら、インパクト面もずれるし、力負けしてもいいはずなのに……)



ダイヤ「なんで、という表情をしていますね。善子さん」

善子「っ」

ダイヤ「……図星のようですね」



ダイヤ「まずは、1ゲーム」

ダイヤ「取り返したら、教えて差し上げますわ」




ルビィ「えいっ!」ポーン



善子(下からのサーブ……)

善子(もう1回!!)



善子「やっ!!」パァァァァン



「巧いね。ダイヤのいない、空いたスペースへの強打。これなら、ダイヤは返せない。返せたとしても、確実に力負けする」

「うん。今までのダイヤさんなら、ね」

「え?」




ダイヤ「『硬度6』」ダッ




ダイヤ「はっ!!」ベシィィィィィィン




ーー パァァァァン ーー




善子「なっ!?」

花丸「ずら!?」

善子「追いついた!? あれに!?」

ダイヤ「…………言ったでしょう?」




ダイヤ「全てを決める、と」




『よしまる 40 - Ad ダイルビ』

ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「えぇ、大丈夫よ」

ルビィ「ん」コクッ



ルビィ「えい!」ポーン



善子「ずら丸!」

花丸「うん!」スッ


花丸(善子ちゃんの言いたいことはわかったよ)

花丸(強いボールはさっきみたいに返されるんだよね)

花丸(だからーー)




花丸「ほっ!」ポーーーーン




「ロブ!?」
「ダイヤの上を抜く高い、しかも、トップスピンのかかったロブだね」

善子「よしっ! これならーー」




ダイヤ「これなら、と思いましたか?」




善子「ーー!?」ゾワッ

花丸「読まれてた!?」

善子「ずら丸! 『蠱惑の魔眼』!!」

花丸「っ、うん!」スッ



ダイヤ「『硬度0』」

ダイヤ「ふっ」フワッ



善子「へ?」




ーー トンッ ーー




花丸「ドロップショット?」


善子「っ、一体なんなの!?」

花丸「ダイヤさんの『技』って……?」

ダイヤ「……そうですね。約束でしたから、教えて差し上げますわ」




ダイヤ「ルビィにすべてを任せていた間、わたくしはひたすら観察をしていました」

ダイヤ「サーブ。レシーブ。ストローク。ロブ。ドロップ」

ダイヤ「勿論、花丸さんの『蠱惑の魔眼』と善子さんの『黒の羽衣』も」

ダイヤ「すべてのショットを観察し、分析しました」

ダイヤ「時間がかかるのが難点なのですが……」



善子「……な、なんの話よ!」

花丸「さっぱりずら……」

ダイヤ「そうですわね。単刀直入に申しましょう」




ダイヤ「お二人の打球の『硬度』を見極めました」

ダイヤ「全てのショットは、わたくしには通じませんわ」




『よしまる ③ - ① ダイルビ』

ーーーーーー




千歌「『硬度』……ってなに?」

梨子「えぇと……?」

鞠莉「んー」



鞠莉「簡単に言えば、打球の強さ」



千歌「へ? そんなのなら、少し見ただけでも分かるーー」




鞠莉「打球のスピード、回転、コース、返球のタイミング」

鞠莉「二人のフォーメーションとか、打球のブレとズレ」

鞠莉「それからフォロースルーに、予備動作も含めてかしら?」




千歌「ほ、ほえ?」

梨子「つ、つまり、それって……?」




鞠莉「ダイヤはたぶん、マルたちのフォームを見ただけで、来る打球が分かる」

鞠莉「それに……その次の動きもね」



梨子「だから、全部返すって……」

千歌「ま、鞠莉さん! そんなことって……」

鞠莉「そりゃeasyなわけないわ。だからこそのルビィだったんでしょ?」

千歌「あっ、そっか!」

梨子「ルビィちゃんが頑張ってる間、そんなことを……」

鞠莉「ま、なんにしても、今のダイヤから点をとるのはソートーデース!!」

鞠莉「ダイヤの言葉を借りるならーー」




鞠莉「今のダイヤは『硬度10』」

鞠莉「『絶対に砕けない金剛石』ね」ダイヤモンド




ーーーーーー

一旦ここまで。

『チェンジサービス』
『サービス 善子』



善子「…………」

花丸「善子ちゃん……」

善子「大丈夫よ! ずら丸は『蠱惑の魔眼』使っときなさい!」

花丸「う、うん」コクッ



善子(全てのショットが効かない?)ターンターン

善子(そんなの、あるわけーー)スッ



善子「ーーないでしょ!」パァァァァン



ダイヤ「…………」

善子「ずら丸!」

花丸「うん! っ!!」スッ

善子「よし!」


善子(今、ずら丸に視線が集まってる。ミスして、ロブあげてきなさい!)


ダイヤ「…………」スッ

善子「来い!」

ダイヤ「……さてーー」




ダイヤ「『硬度6』」

ダイヤ「はっ!」パァァァン




花丸「ずら!?」

善子「ずら丸の横を!?」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』

善子「くっ……」

花丸「まる、使ってたよ」

善子「……わかってる」ターンターン



善子「はっ!」



ルビィ「っ、え、えい!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー



「ルビィちゃんはやっぱりもう……」
「辛うじて打ち返せているって感じだね」

花丸「っ」ググッ



花丸「えい!」ベシィィィィン



善子「よし!」

ダイヤ「…………えぇ、勿論、それもーー」



ダイヤ「ーー分かっていますわ」パァァァァン



「あ、あれをとった!?」
「……すごいね、ダイヤ」

善子「くっ、まだよ!」ダッ



善子「はぁっ!!」ベシッ



ルビィ「コ、コードボールッ!?」

「これは流石に……」




ダイヤ「『硬度3』」スッ



ーー ポーーーーン ーー




『よしまる 0 - 30 ダイルビ』

ーーーーーー



梨子「すごい、ですね」

梨子「スマッシュに花丸ちゃんの『技』。それに、コードボールまで……予想なんて出来るはずないのに……」



鞠莉「そ、これがダイヤよ♪」



千歌「すごいね……」

梨子「うん……」

鞠莉「んー、でも、それとは別に……」



ーーーーーー




ーー パァァァァン ーー



『よしまる ③ - ② ダイルビ』




善子「っ、また……」

花丸「善子ちゃん、ごめんね……まる……」

善子「……大丈夫よ。最初から分かってたことだし」




善子「ずら丸の『蠱惑の魔眼』が切れることは」




花丸「うん……でも、まるは……」

善子「……………………」

花丸「善子、ちゃん……?」



善子「花丸」

善子「安心しなさい」ニコッ



花丸「……え?」

善子「あんたがここまで頑張ってたんだもんね」



善子「ここからは私がやるわ」


『チェンジサービス』
『サービス ダイヤ』



ダイヤ「いきますわ」ターンターン

ダイヤ「フッーー」スッ



ダイヤ「はっ!!」パァァァァン



善子「っ、やぁ!!」パァァァァン

ダイヤ「…………」スッ




ダイヤ「『硬度0』」

ダイヤ「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー




善子「っ!?」

ダイヤ「効かない、といっているでしょう」

善子「……そうみたいね」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』

ダイヤ「…………」ターンターン

花丸「っ」グッ

ダイヤ「さて、次は最初からーー」スッ




ダイヤ「『硬度8』ですわ!」ターンターン




花丸「え!?」

「まるも『蠱惑の魔眼』が切れているとは言っても……」
「一歩も、動けなかったね……」

善子「っ、まさか……」



ダイヤ「えぇ、その通りですわ」

ダイヤ「花丸さんの動きを見極めて、動けない場所に打った」

ダイヤ「それだけです」ニコリ



『よしまる 0 - 30 ダイルビ』

ダイヤ「…………」ターンターン

花丸「っ」グッ

ダイヤ「さて、次は最初からーー」スッ




ダイヤ「『硬度8』ですわ!」パァァァァン



ーー パァァァァン ーー




花丸「え!?」

「まるも『蠱惑の魔眼』が切れているとは言っても……」
「一歩も、動けなかったね……」

善子「っ、まさか……」



ダイヤ「えぇ、その通りですわ」

ダイヤ「花丸さんの動きを見極めて、動けない場所に打った」

ダイヤ「それだけです」ニコリ



『よしまる 0 - 30 ダイルビ』

ダイヤ「あと二点、ですわね」ターンターン

善子「…………」グッ

ダイヤ「っ」スッ



ダイヤ「『硬度9』!!」

ダイヤ「はあッ!!」パァァァァン



善子「なっ!?」

善子「完全に逆に……っ」グッ



善子「っ」ベシッ


ーー ポーーーーン ーー



「なんとかとった!!」
「よく反応した……けど……」



ダイヤ「甘いですわ!」グッ


ーー ベシィィィィィィン ーー



善子「っ」

「今度は二人とも全然動けなかった……」
「これは……分が悪いね」

花丸「よ、よしこちゃん……ごめんずら……」

善子「…………」フルフル



善子(まだ……まだよ……)

善子(叩くなら、調子に乗ってる次……次で流れを掴む!!)



『よしまる 0 - 40 ダイルビ』

ダイヤ「……ルビィ、大丈夫?」

ルビィ「ほぇ、あ、ぅん」ホケーッ

ダイヤ「…………すぐ終わらせましょう」ターンターン

ダイヤ「……いきますよ、花丸さん」

花丸「っ」グッ



ダイヤ「『硬度7』」

ダイヤ「はっ!!」パァァァァン



善子「ずら丸!」

花丸「っ」


花丸(まるの『技』はたぶんほとんど使えない)

花丸(使えて1回か2回、かな……)

花丸(だから、今、まるがやらなきゃいけないのはーー)



花丸「っ、ずらっ」ベシッ



「ダイヤさんのサーブを返した!」
「やるね、まる!」

善子「ナイスよ! ずら丸!」ダッ

花丸「おねがい、善子ちゃん!」


ダイヤ「返しましたか」

ダイヤ「ですが!!」グッ



ダイヤ「『硬度9』」

ダイヤ「このゲームはこれで終わりですわ!!」パァァァァン



善子「ずら丸!」

花丸「うんっ」スッ

善子「『黒の羽衣』!」ダッ

善子「これでッ!!」パァァァァン

ダイヤ「もう、それもーー」



ダイヤ「効きませんわ!」ベシィィィィィィン



善子「……っ!?」

善子「そん、な……あっさりと」



ーー パァァァァン ーー



ーーーーーー



その時。
なんとなく、察してしまった。



もうダメなんだって。



『蠱惑の魔眼』も。
『黒の羽衣』も効かない。

そして、同時に気づいたわ。
私はずっと、ずら丸の力に頼ってきただけなんだって。

なにが、安心しなさい、よ。

ここからは私がやる?
無理に決まってるじゃない。

私は『無力』だ。
だから、この試合はもうーー






花丸「ずらぁぁぁぁっ!!!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー




善子「…………え?」



ダイヤ「っ、『硬度8』!」

ダイヤ「終わりです!!」ベシィィィィィィン



花丸「っ、まだ、ずら……」ベチッ



善子「ずら丸……?」

善子「なんで?」


なんで?
なんで必死になって食らいついてるの?
その答えは、ずら丸を見ていたら、分かった。



まだ諦めてないから。



まだどうにかなるって信じてる顔だ。



その根拠は?



どうにもならない。
そう思ってしまった私を信じているから。

………………。


まったく、馬鹿よね。
私の言葉を信じきってて、私がどうにかしてくれるって思ってる。
……どうかしてるわ。


……………………。


そっか。
きっと、さっきのダイヤはこんな気持ちだったのね。
だから、今、あんなに強いのね。

じゃあさ。
ずら丸が信じてくれてるなら、私もあんな風に強くなれるのかしら?




……違う。
違う違う違う違う!



強くなれるのかしら、じゃないわ!

ずら丸があんなに頑張ってるのよ!

体力も限界のくせに!
『技』だって使えないくせに!
それでもあんなに頑張ってる。



なら、私はーーッ!!


ーーーーーー




善子「今、強くならなきゃなのッ!!』




ーーーーーー ドクンッ ーーーーーー




ーーーーーー





ーー カンッ ーー




ダイヤ「え……?」




ーー ポーーーーーン ーー




『よしまる 15 - 40 ダイルビ』



ダイヤ「……な、なにが……っ」

「え? い、今のって……?」
「鞠莉の……『技』!」

ルビィ「……『妙技』……?」




善子『…………』

花丸「はっ、はぁ……よしこ、ちゃん……?」

善子『ごめん、花丸』ナデリ

花丸「ひゃぁ!? く、くすぐったいずら///」

善子『今度こそ安心していいわ』

花丸「………………ずら」



ダイヤ「善子さん、貴女……」

善コ『…………これで、追いつけるわ!』

ダイヤ「っ、一体なにを……!?」

ヨシコ『フッ、決まっているでしょう……?』




ヨハネ『ヨハネ、今ここにっ!

ヨハネ『堕天降臨ッ!!』ダテンッ



本日はここまで。
途切れ途切れになってしまい申し訳ないです。

可能であれば更新します。

ーーーーーー



梨子「あれって、鞠莉さんの……?」

千歌「教えたの!?」

鞠莉「NO! 教えてないわ」

梨子「でも、さっきのは確かに」

鞠莉「えぇ、マリーの『妙技・鉄柱当て』だったわ」

梨子「……なにが……?」

千歌「うーん……」



千歌「…………はっ! もしかして!」ゴソゴソ



梨子「千歌ちゃん?」

千歌「あった! これだ!!」

鞠莉「What's?」

梨子「えっと、μ'sのテニス動画……って、これ!」

千歌「そう! 穂乃果さんのこの『技』! 今の善子ちゃんと同じだよ!」

千歌「今の善子ちゃんが使ってるのは、きっとこの『技』なんだよ!」



ーーーーーー




ダイヤ「『無我の境地』ですわね」



ルビィ「むがの?」

花丸「境地ずら?」

ヨハネ『…………』

ダイヤ「えぇ、限界を超えた者のみが使えるという技です」



ダイヤ「身体能力が上がり、更に疲労を一時的ではありますが、感じなくなるほどの集中力」

ダイヤ「そして、今まで見た『技』を使うことが出来るようになる」

ダイヤ「それが『無我の境地』ですわ」



ヨハネ『…………』

ダイヤ「その境地に到達していたとは…………」

ルビィ「……」ゴクリ

花丸「善子ちゃん、すごいずら……」

ヨハネ『……………………』フッ




ヨハネ(これ、そんなすごいの!?)

ヨハネ(確かに、さっきのは無意識だったけど!)

ヨハネ(…………まぁ、いいわ!)

ヨハネ(なんでもいい! 使えるものは使って、勝つんだから!!)


ダイヤ「『無我の境地』……」ターンターン

ダイヤ「脅威ではありますが……」スッ

ヨハネ『来い!』グッ



ダイヤ「はぁっ!!」パァァァァン

ダイヤ「今のわたくしならば!」ダッ



「サーブ&ダッシュ!?」
「普通ならやらないようなプレイを……」

ヨハネ『…………っ』スッ

ダイヤ「まずはこのゲームをいただきーー」



ーー トンッ ーー



ダイヤ「な!?」

ヨハネ『……ふぅ』

ダイヤ「今、なにを!? なぜボールがもう打ち返されてーー」



ヨハネ『フフッ』

ヨハネ『ダメじゃない。ヨハネに気をとられてボールから目を離したら♪』



ダイヤ「っ、花丸さんのーーっ」

花丸「まるの『技』!?」

ヨハネ『そうよ、これこそーー』



ヨハネ『†『蠱惑の魔眼』†』ダテン



『よしまる 30 - 40 ダイルビ』


ダイヤ「…………」ターンターン



ダイヤ(……なるほど。悔しいですが、強いですね)

ダイヤ(穂乃果さんやにこにーが使っていた『技』ですから当然ですわ)

ダイヤ(…………)

ダイヤ(けれど、これはーー)



ダイヤ「『硬度9』!!」

ダイヤ「はぁっ!!」パァァァァン



花丸「っ」グッ

花丸「ーーえぃっ!」ベシッ



ーー ポーーーーン ーー



「甘い球だ!」
「ダイヤたちのチャンス、だね」

ダイヤ「はぁぁぁーー」グッ



ダイヤ「やぁっ!!」ベシィィィィィィン



ヨハネ『ずら丸っ』グッ

花丸「っ!」スカッ



ーー パァァァァン ーー



ダイヤ「そう。これはダブルスですわ」



『よしまる ③ - ③ ダイルビ』

『チェンジサービス』
『サービス 花丸』



花丸「ずらっ!!」ベチッ



ダイヤ「『硬度8』!」

ダイヤ「はぁぁっ!!」ベシィィィィン



ーー パァァァァン ーー



花丸「う、ぅぅ……」

ヨハネ『切り替えるわよ』

花丸「う、うん!」



『よしまる 0 - 15 ダイルビ』




ヨハネ『甘いわよ!』パァァァン



ーー ポスッ ーー



ダイヤ「っ!」



ーー シュルルルルルル ーー




ルビィ「ピギィッ、こ、これって!!」

ダイヤ「っ」ダッ



ーー トンッ ーー



ヨハネ『ルビィの『神憑り』……いえ』

ヨハネ『†『堕天使憑り』†』ダテン



花丸「……また勝手に名前つけてる……」ジーッ



『よしまる 15 - 15 ダイルビ』




ダイヤ「『硬度0』」フワッ



ーー トンッ ーー



ヨハネ『っ、届かないっ!』



『よしまる 15 - 30 ダイルビ』





ヨハネ『『スネイク』よ!!』パァァァァン



ーー グググググッ ーー



ダイヤ「エリーチカの『スネイク』まで!?」



『よしまる 30 - 30 ダイルビ』

ーーーーーー



『よしまる 30 - 40 ダイルビ』

『よしまる 40 - 40 ダイルビ』

『よしまる 40 - Ad ダイルビ』

『よしまる 40 - 40 ダイルビ』



ーーーーーー



千歌「き、決まらない……」

梨子「お互い、決め手にかけるって感じかな……」

鞠莉「というよりも、決め手がありすぎるんじゃないかしら? ダイヤも善子もゼーンブ決めちゃうし?」

梨子「確かにそうですね。だから、点差が広がらない……」

千歌「このままだと…………」ゴクリ

梨子「…………」ゴクリ

鞠莉「…………」ゴクリ




千歌「どうなるのー?」ホェー?




梨子「っ、ま、まぁ……そうね……お互い一歩も引いてないし、それに、点数も互角だから……」チラッ

鞠莉「んー?」



鞠莉「体力があるほうがWinner?」



梨子「……そうですね。でも……」

鞠莉「えぇ」フフッ

千歌「?」




鞠莉「二人とも、持久戦で戦おうって目じゃないわね」




ーーーーーー

ーーーーーー



ダイヤ「はっ、はあ……」

ヨハネ『はぁ……はぁ……』




ダイヤ(今の善子さんのプレイも分析は出来てはいますわ)

ダイヤ(ただ、今のままでは不十分……)

ダイヤ(μ'sの『技』も使えるのならば、このまま押しきられる可能性は十分にありますが……)

ダイヤ(……………………)

ダイヤ(……ならば、わたくしはーー)




ヨハネ(『無我の境地』、使いこなせてる)

ヨハネ(向こうもまだ完全に対応できてはいないわ)

ヨハネ(でも、このままじゃきっと対応される)

ヨハネ(それに、自分でも分かってる。この技は体力すごい使うから……)

ヨハネ(…………)

ヨハネ(……うん、決めたわ。私はーー)




ダイヤ(ーー『もうひとつ』先へ行きますわ!)

ヨハネ(ーー無理をしてでもね!!)




ーーーーーー

花丸「…………善子ちゃん」ターンターン

ヨハネ『ヨハネよ!』

花丸「無理はしないでね……」

ヨハネ『………………うん』

花丸「っ」スッ



ルビィ「おねえちゃ……」

ダイヤ「なんですの、ルビィ?」

ルビィ「えっと、その……無理、しないで……?」

ダイヤ「…………分かっていますわ」スッ




ヨハネ『はぁぁぁっ!!!』パァァァァン




「あれは!?」

ダイヤ「まさか……エリーチカの『高速サーブ』!?」

ヨハネ『当たり!』

ダイヤ「ーーっ」グッ



ーー ミシミシミシッ ーー



ダイヤ「くっ……こ、『硬度10』!」

ダイヤ「はあぁぁっ!!」バァァァァァァァン



ヨハネ『あれを、返した!?』

花丸「善子ちゃん!」

ヨハネ『っ』スッ



ヨハネ『『硬ーー』ズキッ

ヨハネ『っ、『硬度0』!』フワッ



ーー トンッ ーー



「ダイヤの『技』まで……」
「ダイヤさん!」

ダイヤ「くっ、まだ、ですわッ!」ダッ



ダイヤ「『硬度10』!!」

ダイヤ「っ」ズキッ



ダイヤ「はっ!!」パァァァァン


ルビィ「10をれんぞくでっ!?」



ダイヤ「まだまだですわッ!!」

ヨハネ『っ、こっちも!!』



花丸「っ、善子ちゃん……」

ルビィ「おねえちゃ……」




ダイヤ「はぁっ!!!」ベシィィィィィィン




ヨハネ『食らいなさい!!』バァァァァァァァン



ーーーーーー




ーー ズキズキ ーー



痛みが、引きませんわね。
まぁ、『硬度10』を連続で使ってしまいましたから……。

ですが、ここで引いては善子さんの思う壺ですわ!



全てに『硬度10』を使う。



そうすることで、善子さんは『技』を使い続けるしかなくなるはず。

『無我の境地』は諸刃の剣です。
使い続ければ、必ず綻びが生まれますわ。

その時こそーー。



ーーーーーー

ーーーーーー




ーー ズキズキ ーー



痛みが、引かない。
『技』使い続けてたし。
その上、『硬度10』なんていうパワーショットをずっと返してたらこうもなるわよ。

けど、ここで引いたら負け!



『無我の境地』は止めない!



今のところ、対応できてるのは『硬度10』だけ。

けど、あんなパワーショット使い続けられるわけないわ!
絶対チャンスはある!

その時こそーー。



ーーーーーー

ーーーーーー



そう。
二人の予想通り。
チャンスは訪れる。



ーーーーーー




ーー ポーーーーン ーー



ダイヤ「くっ」

「チャンス! 善子ちゃん!」

ヨハネ『だから、ヨハネよっ!』グッ



ヨハネ『終わりよ! 『蠱惑の魔眼』!』スッ

ヨハネ『加えて『動くことーー』




ヨハネ『ーー雷霆の如し』ッ!!!』ベシィィィィィィン




ダイヤ「負けられませんわっ!!」

ダイヤ「まだわたくしはーー」




ダイヤ「『硬度11』ッ!!!」

ダイヤ「はあぁぁぁッ!!!」ググッ




ーー パァァァァン ーー





ーー カランッ ーー





ダイヤ「はっ、はぁ……」

善子「はぁ……はっ、はぁ……」




ルビィ「……おねえちゃ……」

花丸「善子ちゃん……?」

「ボールは…………?」
「あそこだね」



ーー トンッ ーー



善子「っ」

善子「こっちのコートに……っ」




『よしまる 40 - 40 ダイルビ』



「また振り出し……」

「…………ううん。どうやら、違うみたいだよ」

「……え?」




ーー カランッ ーー




ダイヤ「痛ッーー」ズキズキ

ルビィ「おねえちゃ!!」ダッ



善子「…………」プルプル

花丸「善子ちゃん……?」


「二人とも、ラケットが……」

「うん。ダイヤはパワーショットの打ちすぎで、善子ちゃんの方は『無我の境地』の副作用かな」

「そ、それじゃあ……?」




ダイヤ「っ、いえ、まだ終わりではありませんわ!」ズキズキ

善子「え、えぇ……そのとおり、よ」フラフラ



ルビィ「…………」

花丸「…………」

ルビィ「はなまるちゃん……」チラッ

花丸「うん、ルビィちゃん」コクリ




ルビィ「あ、あの!!」

花丸「千歌ちゃんにお願いがあるずら!」




千歌「……ほぇ?」


ーーーーーー




『よしまる ③ - ③ ダイルビ』
『善子・ダイヤ試合続行不可能により』



『無効試合』




ーーーーーー

ーーーーーー


ダイヤ「納得いきませんわ……」

善子「同じく……」

千歌「……二人ともしょーかふりょー気味?」



善子「当たり前!」
ダイヤ「当たり前ですわ!」



千歌「わっ、ハモった!」

ダイヤ「これだけやって無効試合? ぶっぶーですわ!!」

善子「そうよ! まだ堕天使ヨハネの本領発揮はこれからだったのに!!」

ダイヤ「まったくですわ! 少し経てばわたくしもまだ戦えたというのに!」




千歌「……でも、二人ともルビィちゃんと花丸ちゃんに怒られたんでしょ?」




ダイよし「「うぐっ……」」

千歌「無理しすぎだって」

ダイヤ「くっ、で、ですが、黒澤家の跡取りともあろう者がーー」



千歌「ルビィちゃん、泣いてましたね」



ダイヤ「」

善子「フッ、堕天使にとって、この程度の負傷など、天界の天使を相手取ったあの大戦と比べたらーー」



千歌「花丸ちゃんも目、潤んでたよね」



善子「」

千歌「あ、二人とも固まっちゃった……」

千歌「うーん。この間に、次の試合の紹介をしちゃおう!」

千歌「さぁ! 次はこの二人だよ!」

「えっと、鞠莉ちゃんが負けて、今の試合が引き分けだったから……」

「ん? どうしたの?」

「あ、ううん。ただ、この試合で決まらないってこともあるから、そしたらどうなるんだろうなぁ……って思ったんだ」

「……あー、そっか」

「…………その顔は考えてなかったって顔だよね?」

「アハハ、正直ね」

「…………ふーん、そっか」




曜「じゃ、ちゃんと考えなきゃね」ニッ




「うーん?」

「でも、それは曜ちゃんが勝ったらって話でしょ」

「ならーー」




果南「ーー問題ないかな」


ーーーーーー




シングルス1



渡辺曜 vs 松浦果南



試合開始




ーーーーーー

今日はここまで。

本日更新予定です。

『1セットマッチ』
『サービス 果南』



果南「さ、行くよ、曜ちゃん」ターンターン

曜「……うん!」

果南「まずはーー」スッ



果南「ーーこれ!!」パァァァァン



「強烈なサーブずら!」
「う、ぅん……すごそう……」

曜「……そっか、パワー型って訳だね」

曜「でも!」グッ



曜「はぁっ!!」パァァァン



曜「このくらいなら返せる!」

果南「っ、だよね」ダッ

果南「じゃあ、もう一回!!」




果南「はあっ!」パァァァァン



曜「っ、まだーー」グッ

曜「っ!?」ベチッ



ーー ポーーーーン ーー



「ロブが!」
「果南さん! チャンスですよ!」

果南「うんっ」バッ



果南「やっ!!」ベシィィィィィィン



ーー パァァァァン ーー




曜「っ」

果南「……ふぅ」



『曜 0 - 15 果南』

果南「じゃあ、次いくよ?」ターンターン

曜「……うん」



果南「はぁっ!!」パァァァァン



曜「っ! なっ!?」グッ

曜「パワーが上がってる!」ググッ



曜「くっ!?」ベチッ



「曜、Powerで押し負けてるみたい……」
「果南さん、すごいずらぁ!」

果南「ふっ!」グッ



果南「はっ!!」パァァァァァァン



曜「っ!」グッ

曜「負けないっ!」パァァン

果南「お、粘るね! でも、これならどう?」



果南「はぁぁぁっ!!」バァァァァァァン



「な!? なんてStrokeなの!?」
「よ、ようちゃんっ……」

曜「っ!?」グッ

曜「うっ!」ベチッ



ーー ポーーーーン ーー



曜「し、しまっーー」




果南「やっ!!」ベシィィィィィィン




『曜 0 - 30 果南』

果南「流石、曜ちゃんだね」ターンターン

曜「…………」



曜(流石、なんて……)

曜(こっちは返すので精一杯。正直、あのパワーで攻められるとすこーし厳しいかな)

曜(…………でも)



果南「はぁっ!!」パァァァァン



「またキョーレツな!!」

曜「っ、大丈夫!」

「よ、曜?」

曜「パワーが全てじゃない!」ダッ



曜「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー



「ドロップ、ショット……」
「あの果南さんの球を……曜ちゃん、すごい……」



曜「…………っし!!」

果南「……へぇ」



『曜 15 - 30 果南』

果南「やるね」ターンターン

曜「果南ちゃんほどじゃないよ」

果南「っ」スッ



果南「はっ!!」パァァァン



曜「ふっ」フワッ


ーー トンッ ーー



「連続でドロップショット!?」
「果南さん!」

果南「大丈夫。そんなに心配しないでもーー」ダッ

「読まれてるわ! 曜!」



曜「うん! わかってるよ!」ダッ



果南「! 前に!」

曜「ここなら強打は出来ない!」

果南「フフッ、いいよ!」グッ



果南「はあっ!」パァァァァン



曜「なっ!?」

曜「っ」ベチッ


ーー ポーーーーン ーー



果南「はぁぁぁっ!!」ベシィィィィィィン



ーー パァァァァン ーー



果南「よっ、と……ふぅ」

曜「…………なんで……」

果南「あそこで強打はないと思った?」

曜「……っ」



果南「甘いよ、曜ちゃん」ニコッ



『曜 15 - 40 果南』

ーーーーーー



千歌「果南ちゃん強くない!?」



ダイヤ「それは果南さんですし」

善子「そうよね、果南さんだし?」



千歌「そう言われて、少し納得しちゃう自分がいる……」



ダイヤ「……まぁ、ですが、あの曜さん相手にあっさりと点をとれるのは、恐ろしいですわね」

千歌「うん! それはわたしも思った! 曜ちゃん、すっごい強いはずなのに!」

善子「……相手の出方をうかがってるってのはあるんじゃないかしら?」

ダイヤ「ふむ、確かに。わたくしもそうでしたが、まずは相手のプレイスタイルを見極めることも戦術の内ですわ」

千歌「うーん?」

善子「千歌さん?」

千歌「でも、曜ちゃん、そんなタイプかなぁ?」

ダイヤ「って、そんなことを話している間に、また決まりますわ!」



ーーーーーー





ーー パァァァァン ーー



『曜 0 - ① 果南』



果南「よし! まずはサービスゲームキープ!」

曜「……っ」

果南「さ、次は曜 ちゃん のサーブだよ。はい、ボール」スッ

曜「…………う、うん」モヤッ



曜(…………正直、ここまで強いなんて……)

曜(なんとなく、分かってはいたけどさ)

曜(…………しょうがない)



曜(『アレ』使わないと、だよね)




ーー ブンッ ーー




果南「……?」

『チェンジサービス』
『サービス 曜』



曜「すぅ……」ターンターン

果南「……」スッ

曜「……っ」スッ



曜「やぁっ!!」パァァァン



「速いずら!」

「出たわ! 曜の『クイックサーブ』!」

「そっか、打つタイミングが早いのね。だから、スピードが出てなくても体感としては速く感じるってこと……」

果南「なかなかいいサーブ、だねっ」グッ



果南「はっ!」パァァァン



曜「っ、難なく……まぁ、だよね」

果南「?」

曜「返されると思ってたよっ」ダッ

果南「……もしかして、今のが曜ちゃんの『技』だった?」



曜「一応ねっ」パァァァァン



果南「そっか」スッ

果南「はぁっ!!」パァァァァン



曜「くっ!?」



『曜 0 - 15 果南』

曜「っ、はぁ……ふぅ……」

果南「……っと、曜ちゃん?」

曜「……なに? 果南ちゃん」



果南「千歌から聞いたんだけどさ」



曜「……」ピクッ

果南「…………えぇと」

曜「…………」

果南「…………ううん。いいや、なんでもない」

曜「………………かり」ボソッ

果南「え?」



曜「…………」プイッ



果南「曜 ちゃん ?」

今日はここまで。
レス感謝です。
励みになってます。

曜「……」ターンターン

果南「……ふぅ」



曜「っ!!」パァァァァン



「また出た! 曜ちゃんの『クイックサーブ』!」

果南「またーー」クスッ



果南「ーーそれ?」パァァァン



曜「っ、だよねっ」ダッ

「前に!?」
「ネットに着くのが速いずら!」

果南「なるほどね。そのためのサーブか」

曜「っ、これなら!」スッ



曜「はぁっ!」パァァァァン



果南「いいボレー、だね」ダッ

曜「なっ!?」

「果南さんも前に出たの!?」
「は、はやいっ」



果南「ほっ!」ベシィィン



曜「っ」



『曜 0 - 30 果南』

曜「……」ターンターン



曜(あれを……返すんだ)

曜(角度もつけて……結構いいボレーだったと思ったんだけど……)

曜(ほんとーー)



曜「やっ!!」パァァァァン




果南「ふっ」フワッ



曜「………………え?」



ーー トンッ ーー



「ど、どろっぷしょっと……」
「さ、さっきの曜ちゃんみたいな……」

曜「っ」

果南「ふふっ、よかったよかった。成功したね」

曜「今のって……」




果南「お返し、だよ」ニカッ




『曜 0 - 40 果南』

ーーーーーー




善子「つっよ……」ボソッ




千歌「う、うん……」



ダイヤ「曜さんのスピードはかなりのものですわ。『クイックサーブ』。そして、そこから繰り出される多彩なプレイ」

ダイヤ「半端な相手ならば、圧倒できるでしょう」

ダイヤ「……ですが」チラッ



善子「相手が悪いわね」

千歌「スピードは曜ちゃんが勝ってるみたいだけど……」

ダイヤ「打球の重さ、柔軟さ、それに勝負勘。全てが恐ろしいほどに洗練されています」

善子「……あれ、勝てる?」

ダイヤ「………………わたくしでは無理、でしょうね」

善子「……ま、同感。勝ち筋が見えないわ」

善子「圧倒的……あれ、まるでーー」




善子「ーー『魔王』ね」




ーーーーーー

曜「…………」ターンターン

果南「次はどうやって攻めようかな」

曜「っ」スッ



曜「っ、はぁっ!」パァァァァン



ーー ポスッ ーー



『フォルト』



果南「ん?」

曜「っ」

曜「…………っ」ターンターン



曜「はぁっ!」パァァァァン



「『クイックサーブ』じゃないずら!」
「流石にSecondじゃ攻めきれないわね」

果南「ラッキー、だね」グッ

曜「……っ」



果南「やっ!!」パァァァァン



曜「っ」



曜(なにが、ラッキー……?)

曜(果南ちゃんは私のサーブ簡単に返せるのに?)

曜(っ)

曜(果南ちゃんっ)



「曜ちゃん!」

曜「っ、しまっーー」ベチッ



ーー ポーーーーン ーー



果南「! チャンス!!」グッ



果南「はぁっ!!」ベシィィィィィィン


ーー パァァァァン ーー




『曜0-②果南』

ーーーーーー



曜「…………ふぅ」



曜(やっぱり強い)

曜(スピードは確かに私が上。だけど、勝てる気がしない……)

曜(……はぁ)

曜(…………って、いやいやいや! 違う違う!)

曜(ここで勝って、引き分けに持ち込む! これが私のやること!)



曜「よーし!」

曜「全速前進っーー」




ーー曜ちゃん。

そんなに落ち込まないでよ。




曜「っ」



仕方ないって。

ね?
今回はたまたまだからさ。
今度は、きっと勝てるよ。



ーー 曜『ちゃん』 ーー




曜「…………っ」ゾワッ

曜「っ、はっ……」

曜「はぁ……はぁっ……」




曜(だ、め……だ)

曜(勝てる、気がしない……)

曜(記憶っ……昔のこと、思い出してっ……)

曜(やっぱり……私は、また……)




「曜?」




曜「…………え……?」




鞠莉「曜?」

曜「まり、ちゃん……?」




鞠莉「どうかしましたー?」

曜「っ、あ、あはは……なんでもないよ! ただ、ちょっと息切れしただけでーー」

鞠莉「本当に?」

曜「っ、ほ、ほんとうだって!」

鞠莉「んー?」ジーッ

曜「い、いったい、なんーー」




鞠莉「勝てない、と思った?」




曜「っ、そ、そんなことーー」

鞠莉「ま、果南のPlay見たらその気持ちも分かるけどね」

曜「…………」

鞠莉「ねぇ、曜? ワタシ、チョットは曜のplayを見てるわ。だから、言える」

鞠莉「ちょっとヨーリョーがいいくらいじゃ、勝てないんじゃない?」

曜「っ、鞠莉ちゃんにそんなこと言われーー」




鞠莉「『アレ』使わないの?」




曜「なんで、知ってっ!?」

鞠莉「知ってますよ。未完成だってことも」

曜「……そ、そっか。ならさ……」



鞠莉「使えばいいんじゃない?」



曜「え、え? だって!」

鞠莉「言ったでしょ? ヨーリョーいいくらいじゃ勝てないって♪」

曜「…………」

鞠莉「フフッ」



鞠莉「…………あとは曜シダイデース♪」

曜「………………うん」




ーーーーーー

『チェンジサービス』
『サービス 果南』



果南「いくよ? 曜 ちゃん 」ターンターン

曜「っ」

果南「ふっ」スッ



果南「はぁぁっ!!」パァァァァン



「ぅゅ……威力、おちてない……」
「ずらぁ……」

曜「……っ」グッ



曜「やっ!」パァァン



「返した、けど……」
「果南さんの力に完全に負けてるね、曜ちゃんのレシーブ」
「あ! また!?」



果南「ふっ」フワッ



ーー トンッ ーー




曜「…………」

「……曜」




『曜 0 - 15 果南』

果南「…………」ターンターン

曜「…………」ジーッ




曜(分かってた)

曜(果南ちゃんが強いことくらい)

曜(このままじゃ勝てないことくらいッ!)

曜(分かってるよッ)




ーー パァァァァン ーー



曜「っ!」ダッ




曜(そう)

曜(このままじゃ勝てない。だからーー)





曜「私はっーー」グッ

果南「!」ゾワッ





ーー パァァァァァァン ーー




「ずら!?」
「あ、あれ!? ボールは……?」



曜「行け!」



「打ったの!?」
「見えない、打球…………曜!」



果南「…………確かに、速いね。でも……」

果南「ーーーーっ」ジーッ



果南「見えた!!」ダッ



「えぇ!? 見えたって!?」
「曜の高速のショット……果南には見えてるみたいね」

曜「…………」

果南「すごいショットだね。けど、もう捉えたよ!!」グッ




果南「はあっ!!」ブンッ



ーー スカッ ーー




果南「……え?」



曜「…………ふぅ」

果南「……今、なにが……? 確かに捉えたはずなのに……?」

曜「…………うん。そうだと思った」

果南「曜ちゃん……?」

曜「っ……果南ちゃんなら、きっと『アレ』も見えるんだろうなって」

曜「でも、返せないよ」

曜「そういうショットだから」

果南「…………曜ちゃん」

曜「……『今度こそ』倒すよ」




曜「『音速弾』」ソニックブリッド

曜「たった今完成した私の『必殺技』で!!」




『曜 15 - 15 果南』

ーーーーーー



善子「はっや……」



ダイヤ「『音速弾』」

ダイヤ「見たところ、スライスショットでしょうね」

善子「? 確かに、スライスだとバウンド後に滑るから速くは感じるけど……果南さんが空振るほど速くなるのは変でしょ?」

ダイヤ「えぇ。ですから、そのカラクリは恐らく曜さんのスピードにありますわ!」

ダイヤ「相手の打球に対して、走り込み、その跳ね際……ライジングで返す」

ダイヤ「相手が返球モーションに入る前に打つという点では『クイックサーブ』と似ていますが、こちらは相手の打球に対して走り込みながら打つわけですから、相当難しいはずです」

ダイヤ「その上、曜さんの超人的なスピードがあってこそのーー」



千歌「お、おぉぉぉ……」

ダイヤ「って、千歌さん? こういう解説は千歌さんの仕事ではないですの!」

千歌「う、おぉぉぉぅぅぅ」

善子「千歌さん……?」





千歌「曜ちゃんスゴイ!!!!」バンッ




ダイヤ「ぴぎゃっ!?」

善子「!?!?」

千歌「スゴイよ! すごいすごい!!」

千歌「くうぅぅぅ!! かっこいい!」

千歌「なにあれ!! チカも打ちたい!!」

千歌「うぉぉぉ!!!」



善子「な、なに、これ……?」

ダイヤ「お、恐らくですが、なにかが千歌さんの琴線に触れたのかと」



千歌「だって!」バンッ



ダイヤ「ぴぎゃっ!?」ビクッ

千歌「すごいじゃん!!」

善子「だ、だから、なにがよ?」

千歌「だから! 果南ちゃんに勝てるかもしれないんだよ!!」

善子「ま、まぁ、確かに果南さん強いから、興奮するのもーー」



千歌「そうじゃなくて!!」バンッ



ダイヤ「ぴぎゃっ!?」ビクッ

善子「っ!?」ビクッ

千歌「だって、だよ!!」




千歌「曜ちゃん、初めて勝てるかもしれないんだよ! 果南ちゃんに!」




善子「……え? それってどういうーー?」




ーーーーーー

ーーーーーー



果南「……返せない打球かぁ」

果南「確かに、スゴイね」

果南「目では追えても、スイングが追いつかない」

果南「うーん? どうしようかなん?」

果南「……フフッ、なんてね」




果南「……さて、面白くなってきた」フフッ




ーーーーーー

本日はここまで。
毎回短くて申し訳ないです。

本日更新予定。




曜「『音速弾』ッ!!」パァァァァン



果南「っ」ブンッ


ーー スカッ ーー



曜「っし!!」



『曜 30 - 15 果南』

果南「うーん、流石に速いね」

果南「いい『技』だね、曜ちゃん」

曜「っ、また……」

果南「?」

曜「…………果南ちゃん、余裕そうだね」

果南「んー? そうでもないよ。どうやったら返せるかなって必死になって考えてるからさ」

曜「……どうやったら返せるか、か」

果南「……曜ちゃん?」



曜「返させないよ」

果南「………………そっか」


果南「さ、次行くよ」ターンターン

曜「…………」スッ



果南「はっ!!」パァァァァン



曜「行くよ!」ダッ

「曜ちゃん、前に!?」
「仕掛ける気ね!」



曜「『音速弾』!!」パァァァァン



果南「レシーブで!?」

果南「っ!」ダッ



果南「やあっ!!」ブンッ


ーー スカッ ーー



曜「よしっ!!」グッ

果南「うーん、参ったなぁ」



『曜 40 - 15 果南』

果南「……フフッ」ターンターン

曜「……なに?」

果南「いや、曜ちゃん、強くなったなぁって思ってね」スッ

曜「な、なんで今ーー」



果南「ふっ!!」シャァァァ



曜「!」

「スライスサーブ!?」



曜「っ、やっ!」パァァァァン



「あ、あれ? 『音速弾』は?」
「さっきみたいに、レシーブで『音速弾』を使わないの?」
「…………ううん。使えない、みたい」



果南「やっぱりね!」シャァァァ



曜「またっ!」

果南「……スライスショットには『音速弾』使えない? そんなところかな?」

曜「そんなことっ!」

果南「まだ未完成……いや、完成したばっかりみたいだし。仕方ないって」



曜「っ! な、なめないで!!」グッ

曜「『音速弾』!!」パァァァァン



ーー ポスッ ーー



曜「なっ!?」

果南「……あーあ、無理するから」



果南「焦っちゃダメだよ、曜ちゃん?」ニコリ



『曜 40 - 30 果南』

果南「『音速弾』自体がスライス回転のショットなら、同じスライス回転のショットをぶつければいい」ターンターン

果南「走り込みながらのライジングだったら、元々タイミングがシビアだしね」スッ

曜「……果南、ちゃん」




果南「こんな風に!」シャァァァ



曜「また、スライス……っ」

曜「やっ!」パァァァァン

「せっかくの必殺技なのに……ぅゅ」
「……曜」



曜(さすがは果南ちゃんだ……)

曜(せっかく完成させた技をこんなに早く……)

曜(…………)

曜(でも、『音速弾』に意識が行ってる今ならっ!)

曜(次、返ってきたら、ドロップショットをーー)




果南「…………ふっ」フワッ



曜「……………………え?」



ーー トンッ ーー




『曜 40 - 40 果南』

曜「デュース……追いつかれ……」



果南「ねぇ、曜ちゃん」



曜「っ」ビクッ

果南「確かに『音速弾』は強いよ」

果南「流石に私も返せない」



果南「けど、それ以前に打てなきゃ意味ないよね」ニコリ

曜「うっ」ゾワッ


ーーーーーー



ダイヤ「千歌さん、さっきの話ですが……」

千歌「え?」

ダイヤ「曜さんが初めて果南さんに勝てるかもと言っていたではないですか」

千歌「あ、あー。はい」

善子「あれってどういうことなの?」

千歌「えっとね……?」

千歌「わたしと果南ちゃんと曜ちゃんが幼馴染なのは知ってますよね?」

ダイヤ「えぇ」

千歌「……勝ったことないんです」

ダイヤ「はい?」




千歌「曜ちゃんは果南ちゃんに一回も勝ったことないんですよ」




ーーーーーー

ーーーーーー



昔からそうだった。

なんでもできる果南ちゃん。
本当はそうでもないけど、なんでもできるって思われてた私。



本物のヒーローと紛い物のヒーロー。



果南ちゃんと私は、昔からそんな関係だったんだと思う。
勿論、果南ちゃんはそんなつもりはない。
それは私だって分かってる。

けど、私はどこかでずっとそれを感じてた。

幼稚園の頃の鬼ごっこやかくれんぼ。
小学校の頃のサッカーや野球対決。
中学校の水泳。

私は果南ちゃんにひとつも勝てたことはなかった。
ひとつも、一度だってない。

昔の私は負ける度に、悔しがってたんだ。
なんで勝てないのって。

そして、そんな私を果南ちゃんはいつも慰めてくれた。




「曜ちゃん、そんなに落ち込まないでよ」

「仕方ないって」

「ね? 今回はたまたまだからさ」

「今度は、きっと勝てるよ」



「曜『ちゃん』」



そう言ってくれた。

………………。



同じ幼馴染の千歌ちゃんは呼び捨てで、私のことは『ちゃん』付け。



それは私を慰めるためで。
『ちゃん』がとれることは今の今までなかった。
つまり、それは私が1度も果南ちゃんに勝てなかったって証拠なわけで。




私はそう呼ばれることが、嫌だった。

本当に嫌だったんだよ。




ーーーーーー





曜「はぁぁぁっ!!!」パァァァァン



ーー ポスッ ーー




『曜 40 - Ad 果南』



曜「はぁっ……はっ……」

果南「大丈夫? 曜ちゃん?」

曜「っ、だいじょうぶ、だよ」モヤッ

果南「……そっか。なら、いいんだけど」

果南「…………」ターンターン

曜「はぁ……はっ……」

果南「ふっ」スッ



果南「はっ!!」シャァァァ



「スライスっ」
「ヨウシャないわね、果南」

曜「な、なんのっ!」ダッ

「跳ね際に!」
「ってことは、『音速弾』!? 無茶よ!」

果南「フフッ! 曜ちゃんも頑固だね」グッ




曜「ーーふっ」フワッ




「な!?」
「どろっぷしょっとずら!?」
「イヒョーを突いたわね!」

曜「行け!!」




曜(私は、ここで果南ちゃんをーーーー)







果南「やられたよ、曜ちゃん」スッ




曜「…………え? なんで、一瞬でそこに……?」

果南「別に隠してた訳じゃないよ。ネットまで『1歩』で動けるってことは」

曜「な!?」

果南「それにーー」ググググッ





果南「はぁぁぁっ!!!」バァァァァァン




曜「!?」



ーー カランッ ーー




果南「これを打てることだって隠してた訳じゃない」

果南「少し負担がかかるんだ。このーー」




果南「ーー『波動球』はさ」




『曜 0 - ③ 果南』

一旦ここまで。

本日余裕があれば更新します。

ーーーーーー



善子「なによ、あれ……?」

ダイヤ「……日本武術にある『縮地法』でしょうか」

千歌「しゅくち……?」

ダイヤ「一瞬で間合いを詰める技術で、決して瞬間移動であるとかそういったものの類いではありません。ですが……」

善子「果南さんが使うと……ってやつ?」

ダイヤ「……はい。それに……」コクッ



善子「……『波動球』」ゴクリ



ダイヤ「曜さんのラケットをいとも容易く弾き飛ばしたあの打球……回転もなにもない、ただ威力だけに特化した技ですわね」

千歌「……ね、善子ちゃんはあんなのがあるって知ってた?」

善子「知るわけないでしょ! 知ってたら、曜さんに言うわよ!」

ダイヤ「……善子さん、曜さんは相手チームですわよ?」

善子「…………あ」

ダイヤ「しかし、あと1ゲームですか……。ケガだけはしないでくださいまし、曜さん」

千歌「…………」

善子「? ……千歌さん?」




千歌「……………………曜ちゃん」ボソッ




ーーーーーー

『チェンジサービス』
『サービス 曜』



曜「…………」ターンターン

果南「いつでもいいよ」スッ

曜「……っ」ビクッ



曜「や、やっ!!」パァァァァン



果南「ん?」スッ



果南「ほっ!」パァァァァン



曜「……っ、くっ!」ビクッ

曜「ま、まだ!」ダッ



曜「『音速弾』っ」パァァァァン



果南「! おっと!」ブンッ


ーー スカッ ーー



果南「っと、油断してたね。それを見逃さなかったんだね、曜ちゃん」

曜「……そ、そんなんじゃ……」

果南「…………」

曜「つ、次、行くよ」

果南「…………うん」



『曜 15 - 0 果南』

曜「……ふ、ふぅ」ターンターン

果南「…………」



曜「やっ!!」パァァァァン



果南「今度はーー」スッ



果南「ーー油断しないよ!」シャァァァ



「スライスよ! 曜!」
「よ、ようちゃんっ」

曜「くっ……」グッ



曜「はぁっ!!」パァァァァン



果南「うんうん。そうだよね、それじゃ『音速弾』は打てない」

曜「っ、で、でも、まだ!」

果南「まだ? ……フフッ」

曜「な、なにを笑ってーー」




果南「『波動球』ッ!!」バァァァァァン




曜「!?」ビクッ



ーー バァァァァァン ーー



「ぅゅ、おとが……」
「……果南のShotはここまで……」

果南「…………手」

曜「…………え?」

果南「出さなかったね」



果南「…………いや、出せなかった?」



曜「っ、そ、そんなんじゃないよっ!!」

果南「……なら、いいけどさ」



果南「じゃあ、あと3球だけ付き合ってくれる?」ニコリ



『曜 15 - 15 果南』

曜「あと、3球だけって……」ターンターン

果南「ん? なにか変?」

曜「…………もしかしたら、取り返すかもしれないよ?」スッ

果南「…………」



曜「はぁぁっ!!!」パァァァァン



果南「……ううん。それはないかな」

曜「え?」




ーー バァァァァァン ーー




曜「っ」ビクッ



『曜 15 - 30 果南』

果南「うん。やっぱりあと3球……ううん、2球だね」

曜「な、なにを……」

果南「だってさーー」



果南「ーー今の曜ちゃんが勝てるわけないから」



曜「そ、そんなの分からなーー」

果南「分かるよ」

曜「な、なにが分かるの!? まだ試合は終わってない!」

果南「……曜ちゃん、気づいてない?」

曜「は? な、なに……」




果南「さっきからずっと手、震えてる」



曜「っ」ビクッ

曜「っ、な、なんで!? 止まれ、止まれッ!!」グッ

果南「………………」

曜「ま、まだ……私は!!」

果南「……………………」




果南「鞠莉」



「……What's? なに?」

果南「お願いがあるんだけど」

「……うん」




果南「曜ちゃん、棄権させてくれないかな?」




曜「………………え?」

果南「これ以上はたぶん無駄だから」

曜「っ、ま、待って!! なんでそんなことッ!?」

「………………よ、曜」

曜「! ま、待ってよ! 鞠莉ちゃん! 私はまだ! まだできるから!」

曜「ほら! 手だって、もうーー」



ーー ガクガク ーー



曜「ち、ちがーー違う!」

果南「………………」




果南「………………」クルッ




曜「ま、待って、待ってよ!!」

ーーーーーー



私と千歌は幼馴染みだ。
そして、千歌と曜ちゃんも幼馴染み。
勿論、私と曜ちゃんもだ。

だから、っていうわけじゃないけど、曜ちゃんともよく遊んでいた。
というよりは、勝負をすることが多かったかもしれない。

鬼ごっこやかくれんぼ。
サッカーや野球。
それに、水泳。


………………。



結果は全勝。

まぁ。
曜ちゃんも昔はすごく負けず嫌いでさ。
悔しかったんだろうね。

その度に、曜ちゃんは膨れてたよ。
というより、拗ねていた。

それで、そんな曜ちゃんを慰めるのは勿論私だった。
機嫌がなおるまで、一緒にいて、次は勝てるよってね。

まぁ、それでかな?
ずっと『ちゃん』付けで呼んでいるのは。



………………。



それと同じだ。
今回のこの試合も。

あとで、たくさん慰めなきゃね。
それが私のーー

ーーーーーー




千歌「逃げちゃダメだよ、果南ちゃん」




果南「…………え?」




ーーーーーー

コートを去ろうとした私の前には、千歌の姿があった。



果南「逃げようとした訳じゃないよ」

千歌「…………」



私の声は耳に入っていないみたいで、そのままツカツカと歩いてくる。
表情はよく見えない。
けど、



果南「…………千歌」

千歌「ね、果南ちゃん」




千歌「曜ちゃんのこと怖い?」



ポツリ。
千歌はそう言った。

……って、怖い?
誰が?
曜ちゃんが?

いやいやいや。
怖いなんて、そんなことあるわけないよ。
かわいい幼馴染みだしね。
そう、千歌と同じ。



千歌「……そうかな」



…………千歌?




千歌「果南ちゃんにとって、きっと千歌と曜ちゃんは違うよ」



違う?
千歌と曜ちゃんが?



千歌「うん」

千歌「だって、試合始まる前も、果南ちゃん変だったもん」

千歌「わざわざ自分が負けるわけない! みたいなこと言って、それに試合の間もずっとそんな風だった」

千歌「……それにさっきのだって」

千歌「ねぇ、果南ちゃん?」




千歌「もしかして、自分にそう言い聞かせてたの?」



自分に言い聞かせてた、か。



………………。



…………フフッ。
そっか。




果南「確かに、そうかもしれないね」


昔を思い返せば、曜ちゃんとはいつも勝負していた。

最初は、かわいい幼馴染みにいいところを見せようと思って。
コテンパンにした覚えがある。
…………いや。
今思うと、かなり大人げないことをしたなとは思う。



けれど。
曜ちゃんはまた私と勝負したがった。
こっぴどく負けたのに。
ただ、次も私の勝ち。

その次も。
その次の次も。
その次の次の次も。

ずっと私は曜ちゃんを負かし続けてた。



………………じゃあ、いつだろう?
いつだっただろう。
それが、曜ちゃんとの勝負がピタリと止まったのは。



…………いや。
忘れたふりはやめよう。
もう、むだだから。

中学生の時、学校の行事でやった水泳記録会。
学年代表で競ったあの日。

どうにか2秒差で勝ったあの日が最後の勝負だった。




「やっぱり、負けちゃったか」

「…………うん。今まで、ごめんね、果南ちゃん!」

「もう、こういうの止めにするから!」



それ以来、曜ちゃんとの勝負はなくなって。
私は何故かホッとしたんだ。


果南「………………そっか。うん、そうだった、ね」

千歌「…………果南ちゃん」

果南「…………あの日はさ、結構ギリギリだったんだ。余裕ぶってたけど、本当はーー」

千歌「果南ちゃん!」

果南「ん?」

千歌「千歌に言っても意味ないよー」

果南「………………フフッ、そうだね」




千歌「じゃ、いってくる!」

果南「うん。私が言えた義理じゃないけど、よろしく頼むよ、千歌」




ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「よーちゃん」

曜「ちか、ちゃん……」

千歌「ね、曜ちゃん?」



千歌「やめる?」



曜「っ」

千歌「この試合、もうやめる?」

曜「……わ、私は……」

千歌「…………」

曜「………………っ」

千歌「…………」

曜「……わ、たしは……」

千歌「……………………」



千歌「ね、よーちゃん」



曜「な、なに……?」

千歌「昔さ、一緒に見てたヒーローのテレビ覚えてる?」

曜「…………日曜日の?」

千歌「うん」

曜「……と、それが、なに?」

千歌「そのなかでさ、ヒーローが強い敵と戦って負けて諦めちゃったの覚えてる?」

曜「…………えっと……?」

千歌「あはは、やっぱり覚えてないよね?」

曜「ご、ごめん」

千歌「……ううん。たぶん、曜ちゃんにとっては些細なことだったんだと思う。けど、千歌にとってはすっっごく印象に残ってるんだ」

曜「……それって?」



千歌「もし、曜ちゃんだったらどうするって」

千歌「諦めないで戦えるって」

千歌「そう聞いたんだ」


曜「っ、そ、それで……私は……なんて?」

千歌「…………うん」



千歌「絶対諦めない!」

千歌「相手がどんなに強くても戦うんだ!」

千歌「だって、負けたままじゃ悔しいし絶対後悔するもん!」



千歌「だって」

曜「…………っ」

千歌「ね、曜ちゃん? その時と一緒じゃない? このままじゃきっと後悔するよ?」

曜「っ、で、でも……私は……ヒーローじゃない」

千歌「そんなことない」

曜「ち、千歌ちゃん……で、でも、私は違うんだよ。果南ちゃんみたいな本物のヒーローじゃない……」

曜「……ただ少しだけ要領がいいだけの偽物……偽物のヒーローだよ……」

千歌「っ!!」




千歌「そんなことないっ!!」






千歌「曜ちゃんはヒーローだよ!!」



千歌「千歌がクラスの子から少しでもいじめられたら守ってくれた!」

千歌「飛び込みの大会で見る曜ちゃんはかっこよかった!」

千歌「旅館のお手伝いしてくれる曜ちゃんはきゅーせーしゅだし!」

千歌「人気者な曜ちゃんが幼馴染みってことがすごく嬉しかったの!」

千歌「それに、落ち込んでるときに曜ちゃんはすぐ気づいてくれた!」

千歌「スクールアイドル始めるときだって…………」

千歌「って、もー!! なんかよくわかんなくなってきた!」




千歌「っ、とにかく!!」

千歌「他の誰かは知らないけど!!」

千歌「千歌にとっては、曜ちゃんは正真正銘ヒーローなの!!!」




千歌「はぁ……はぁっ」

千歌「わかった!?」




目の前で、息を荒くする千歌ちゃんを見てた。

そしたら、なんだろう?
なんだから胸の奥の方がわーっと熱くなってくるのを感じた。

それは、そう。
いつかも感じた感覚だった。
昔は……よく感じてた感覚。



曜「……千歌ちゃん」

千歌「はぁ、はっ……なに!!」

曜「やっぱり私はヒーローじゃないよ」

千歌「っ! まだそんなことーー」




曜「だって、まだ認めてもらってないから」

曜「私のヒーローに」




まだ、認めてもらってない人がいる。
私は、そうだ。

その人に『ちゃん』付けされるのが嫌だった。
だって、対等だって思われたかったから。



私の憧れる人と肩を並べられる、そんな私になりたかったから。




曜「……ねぇ、千歌ちゃん」

千歌「なに? よーちゃん?」

曜「もう一回聞いてくれないかな?」

千歌「…………」




千歌「やめる?」




曜「やめないっ!!」




ーーーーーー

本日はここまで。
曜ちゃんは少年漫画だと主人公になれる逸材だと思います。
更新遅くて申し訳ないです。
更新もあと何回かで終わる予定ですので、もう少しだけお付き合いください。

本日更新予定。

曜「……ふぅ」ターンターン

果南「曜ちゃん、手の震え、止まった?」

曜「……うん」

果南「そっか、それはよかった」ニコリ

曜「っ」スッ



曜「はぁっ!!」パァァァン



「来たずら!」
「曜の『クイックサーブ』!」

果南「ここで……ってことは!」



曜「来い!」ダッ



「もうネットに!」
「さっきよりもずっと速い!」

果南「っ」グッ



ーー ポーーーーン ーー



「ロブ!?」
「流石、果南さん……冷静ね」

曜「っ! まだだよ!!」グッ



曜「はぁぁぁぁ!!」パァァァァァン



「スマッシュ決まっーー」

果南「ってない!!」ダッ

曜「っ、『縮地』!?」




果南「『波動球』!!!」バァァァァァァァン



曜「っ、まだ!」グググッ

曜「痛っ!?」



ーー カランッ ーー




果南「よく、取ったね。あのロブ」

曜「……でも、スマッシュ返されたから」

果南「手、痛めてない?」

曜「うん」

果南「そっか。じゃあーー」




果南「ーー次で終わらせるよ」ニコリ



曜「させないよ、果南ちゃん」ニッ




『曜 15 - 40 果南』

『マッチポイント 果南』

曜「…………」ターンターン

果南「…………」スッ




曜(勝算はない)

曜(パワーでも守備範囲でも負けてる)

曜(たぶん打ち分けとかコントロールも)

曜(ただ、ひとつだけ勝ってるものは……)




曜「はぁっ!」パァァァン




果南「また……」

曜「っ!!」ダッ




曜(果南ちゃんに勝てるのは、スピードだけだ)

曜(『音速弾』はまだ返されてない)

曜(打てる状況ならだけどね……)

曜(…………)




ーー ポーーーーン ーー



「ロブ!?」
「さっきと同じ……曜!」



曜「はぁぁぁぁ!!」ベシィィィィン



果南「……無駄だよ!!」バッ

「『縮地』……本当にさっきと同じに……」
「来るわよ! 『波動球』!!」

曜「っ」グッ



曜(……一回だって成功したことないけど)

曜(『音速弾』以上に難しいことだった分かってる)

曜(……だけど、今なんだ)




果南「はぁぁぁぁ!!」バァァァァァァァン



「ピギッ!? 『波動球』!?」
「よ、曜ちゃんには返せないよ」
「曜!!」

果南「終わりだよ! 曜ちゃん!」

曜「ーーーーだ」

果南「え?」





曜「今なんだ!!」

曜「今、勝つんだ!!!」




ーー ブンッ ーー



ーー ピタッ ーー



ーー パァァァン ーー





果南「な……!?」



「い、いまのって……?」

「う、うん。『音速弾』だったと思う」

「でも、その前のって……どういうことずら……?」

「……わからない。けど、分かるのは……」




曜「っし!!」グッ




「曜が『波動球』をReturnしたってことね」



『曜 30 - 40 果南』

『マッチポイント 果南』

曜「…………」ターンターン

果南「今の……」

曜「ごめんね、果南ちゃん。集中しないと、だから」スッ



曜「やっ!!」パァァァァァン



果南「っ」グッ

「あの構え、まさか!?」
「り、りたーんでも、『波動球』打てるんですか!?」




果南「これで終わりッ!!」バァァァァァン



曜「じゃない!!」ブンッ



ーー ピタッ ーー



果南「また!?」

「打球を止めた!?」
「またさっきの! あれって曜の!?」




曜「『音速弾』!!」パァァァァァン



果南「くっ!?」


ーー スカッ ーー



曜「追い付いたよ」ニッ

果南「そう、だね」ニコリ



『曜 40 - 40 果南』

ーーーーーー



善子「まぐれ、じゃないようね」

ダイヤ「えぇ。確かに曜さんは、果南さんの『波動球』を打ち返しましたわ」

千歌「曜ちゃん、すごい! でも、どうやって返したんだろう……?」

ダイヤ「……さ、さぁ? わたくしには皆目検討もつきません」

善子「フッ、ならば、このヨハネが解説してあげるわ!!」



善子「曜さんのスイングスピード」

善子「それで空間ごと削り取ったのよ!」

善子「削り取った空間では、全ての打球の動きが止まる」

善子「このヨハネが名前を付けてあげましょう。相応しい名をーー」フフッ




善子「すべてを止める『技』」

善子「『ブラックホール』」ダテン





ダイヤ「はぁ!? そんなバカなこと!?」

千歌「でも、実際、ボールは……」



ーーーーーー



ーー ピタッ ーー



曜「はぁぁぁぁっ!」



『曜 Ad - 40 果南』



ーーーーーー



善子「ほら!!」

ダイヤ「た、確かに、そうですが! ラケットで空間を削り取るなどっ!?」

千歌「…………よく、わかんない」

ダイヤ「! そうですわよね! 千歌さんもそう思うでしょう!」

千歌「けど……」




千歌「応援、しなきゃ!」




ーーーーーー

ーーーーーー



この『技』、予想よりずっと腕を酷使してる。

辛いや。
すごく辛い。

たぶんあんまり多用できない。
でも、果南ちゃんの『波動球』を返すにはこれしかない。

なら、私をこれを打ち続けなきゃなんだ!
だって、ここで勝てなきゃ……。


…………ううん。
勝つんだ! 絶対に!



ーーーーーー




ーー パァァァァァン ーー



曜「はっ、はぁ……」

果南「…………曜、ちゃん」



曜「まずは、はっ……1ゲーム!!」ニッ



果南「っ」ゾワッ



『曜 ① - ③ 果南』

ーーーーーー



曜「『ブラックホール』!」



ーー ピタッ ーー



曜「『音速弾』!!」



ーー パァァァァァン ーー



『曜 ② - ③ 果南』



曜「はっ…………はぁはぁ……」

果南「……辛そう、だね」

曜「……ううん、まだまだっ……」

果南「っ」ゾワッ

ーーーーーー



怖い、か。
……うん。
私はきっと怖かったんだ。

負かしても負かしても。
泣いてたのにね。
それでも、向かってくる。
そんな曜ちゃんが怖かった。



だって、分からなかったから。

負けたことなかったから。



負けても向かってくる曜ちゃんは、私には理解できなかった。
負けたら嫌なのに、なんで?
なんで何度も私に挑んでくるんだろう?
ってさ。



……でも、今、少しだけ分かったよ。
たぶん、曜ちゃんも、今の私と同じ気持ちだったんだろうな。




今、私はーー。




ーーーーーー




果南「『波動球』ッ!!」バァァァァァァァン




曜「『ブラックホール』!」ブンッ



ーー ピタッ ーー



曜「止めるよ!」

曜「何度だって、止めてみせる!!」



果南「っ!!」

果南「はぁぁぁぁ!!」ブンッ



ーー グググッ ーー



曜「!?」

曜「『音速弾』っ!」パァァァァァン




『曜 15 - 0 果南』



曜「今、動いて……」

果南「分かったよ、曜ちゃん」

曜「……え?」



果南「曜ちゃんが負けても、ずっと私と戦ってた理由」

果南「……私もさ」



果南「今、負けたくないって思ってる」ニコリ



曜「…………そっか」

果南「うん」

曜「私もさ」



曜「私も、負けたくない!!」ニッ


ーーーーーー




お互いに全力だった。
持てる『技』をギリギリまで高めて、打ち合って。



………………。



勝負なのにね。
こう言うのは変かもしれないけど。



ずっと続いてほしいな。



打ち合ってる時、私はずっとそう考えてたんだよ?
もし……ううん。
なんでもないや。

でも、やっぱり終わりはやってくるみたいで……。



先に限界がきたのは、私の方。

そこからは呆気なかったね。
簡単に点を取られてった。



悔しい、はずなのに。
でも、私はどこか充実してた。



それは、必死だったのが、私だけじゃなかったから。
初めて見たよ。
そんな表情。



だから、満足。

ほら。
こうやって倒れてる私が見てる空も、とってもきれいでーー





「満足、しないでよ」




「…………」

「まだ、これからでしょ?」

「でも……負けちゃったからさ」

「今回は、ね?」

「……………………っ」

「また戦おう? ね?」





果南「『曜』」スッ

曜「っ、う、うんっ……」ゴシゴシ





曜「……今度は、絶対倒すからねっ!」グッ

果南「うん。私に勝てるのは、きっと『曜』だけだから」

曜「っ、今、名前!!」


果南「…………『ちゃん』付けはさ、別に認めてなかったわけじゃないよ」

果南「ただ、はは……ちょっと照れくさかったというか……」

果南「でも、これからはそう呼ばなきゃね」




果南「だって、私たちは『ライバル』だからさ」

曜「っ、うん!!」




ーーーーーー



どうやら。
私はずっと認めてもらえてたみたいだった。

はぁぁぁ……。
じゃあ、今までのは私の一人相撲だったってことかぁ……。
よーそろ……。



…………でも、よし!
もう止めよう!
こんなことでウジウジするのは!
堂々と胸を張るんだ!

だって、私はーー




憧れの人と肩を並べられるんだから。
憧れの『ヒーロー』と。



ーーーーーー

ーーーーーー




『曜 ④ - ⑤ 果南』



『勝者 松浦果南』




ーーーーーー

ーーーーーー

ーーーーーー




果南「い、いや……確かにまた戦おうとは言ったけどさ……」ゲッソリ




曜「うーん? あともう少しだと思うんだけどなぁ……」

曜「果南ちゃんの『波動球』もなんとなく対抗できることがわかったし!」

果南「あの……曜?」

曜「あとは、『ブラックホール』を連続で使えるようになって……あとは『音速弾』をスライスに対しても使えるようになれば!」

果南「…………曜さん?」

曜「よし! もう一回!」グッ

果南「い、いやいやいや! 流石に私も10回連続で試合っていうのは……」

曜「打倒! 果南ちゃん! ね?」

果南「…………えっと」




果南「はぁ、ま、いいか」フフッ

曜「よーし! 全速前進!」




曜「ヨーソローッ!!!」ビシッ




ーーーーーー

ーーーーーー



後日、Aqoursのこの動画がものスゴーい再生数を記録するのも。
私たちが別のGroupとテニスで勝負するのも。
そして、曜が果南に勝つ時のことも。




これまた別のお話。




………………え?
ちかっちが解説を引き受けた理由?

…………本当に知りたい?




ーーーーーー continue ーーーーーー

ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「う、うぉぉぉ……」



鞠莉「どう? 気に入った?」

千歌「ほ、本当に貸し切りでいいの!? こんな立派なテニスコートで試合できるなんて!」

鞠莉「Off course!! ウチもここの運営資金出してるし?」

千歌「そ、そうなんだ……そ、それで、鞠莉さん?」

鞠莉「ん? あぁ、ちゃーんと呼んでるわ!」

千歌「!」

鞠莉「カモーン!!」




「はぁぁ」

「ったく! こっちも、忙しいのよ!」

「現役アイドル、なめるんじゃないわよ!!」



「……まぁ、ギャラ貰ってる以上はやるけど」



千歌「ほ、ほほほほほ、ほんもの!?」

「ったりまえよ!」

鞠莉「ふふーん! 小原家の力をもってすればこのくらいヨユーデース!」フフン



千歌「は、はははじめまして! わ、わたし! アクアってスクールアイドルやってる、たかみちきゃっていいます!」

「……知ってるわ。ま、忙しいって言っても、アイドル関係のチェックは欠かさないもの」

千歌「あ! ありがとうございやす!」



「……で?」



「やるのよね? テニス」

千歌「っ、はい!!」


ーーーーーー




EX GAME




高海千歌 vs ????




試合開始




ーーーーーー

ーーーーーー



千歌「はっ……はぁ…………はっ…………」

「……終わりね」



「……じゃ、帰るわ」

鞠莉「……………………は、はい」



千歌「っ、ま、まってくださいっ!」



「? なに?」

千歌「ま、まだ……」

「……はぁぁ、よく見なさい」スッ

千歌「え?」

「もうーー」




「ーー終わってるわ」




千歌「っ」

「……ちょっとあいつに似てたから」

千歌「……え?」

「どこかの傍迷惑なリーダーにね、雰囲気が似てんのよ、あんた」

「でも、違うわ。貴女はーー」




「ーーあまりにも、弱すぎる」



ーーーーーー




『千歌 0 - ⑥ ??』



『勝者 ????』




ーーーーーー

ーーーーーー



当事者とワタシ以外は誰も見ていなかったその試合。
その試合で、ちかっちは負けた。



1ポイントもとれずに。



相手は強い。
でも、それ以上に。




ちかっちは弱かった。





ーー Prologue for 『Next Game』 ーー





ーーーーーー fin ーーーーーー

以上で
『千歌「テニスをしよう!!」』完結になります。

レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章・表現にお付き合いいただき、また、更新遅い中でも読んでいただき、ありがとうございました。

以下、前作及び前々作並びに過去作です。
よろしければどうぞ。

前作
穂乃果「テニスをしよう!」
【ラブライブ】穂乃果「テニスをしよう!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451052732/)
前々作
穂乃果「テニスをしよう!」ツバサ「おもしろそうね」
【ラブライブ】穂乃果「テニスをしよう!」ツバサ「おもしろそうね」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462620200/)

過去作
ダイヤ「必殺仕事人」
【ラブライブ】ダイヤ「必殺仕事人」【サンシャイン】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486897851/)
真姫「マキマキ超会議?」
【ラブライブ】真姫「マキマキ超会議?」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430039332/)

次回作はテニヌからは離れます。
『ようちか百合もの』もしくは『過去作ソルゲジャー系』になるかと思います。
どちらが読みたいとかありましたらレスいただけると幸いです。
では、また。

(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」

>>1
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」

>>2
9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」

>>4

一年教室

花丸「はーい!最後に皆さんにお知らせがありまーす!」

花丸「このクラスになんと転校生が来ます!」

オー! ドンナコ-?

花丸「それは来てからのお楽しみ…ずら!」ニコッ

花丸「じゃ、今日はおしまい!」

オツカレサマデシタ-!

善子「梨子さんが言ってたのこれか…」

果南「転校生…か、なんかトラウマ」ニガワライ

善子「ふふ、トラウマってマリーさん?」

果南「うっ」

>>291
真姫「さっきのハンバーグの肉汁を無駄なく利用するためね」

曜「フライパンにトマト缶、水、コンソメを加え、煮立てる」

真姫「このために深めのフライパンを使うのね」

曜「煮立ったらハンバーグ、エリンギを加え、再び煮立たせる」

曜「煮立ったら弱火だよ」

曜「このとき砂糖、ソースを加え、塩、ブラックペッパーで味を調えておこう」

曜「アクを取りながら弱火で約20分煮込む」
http://imgur.com/6IvFaq1

真姫「20分…。暇ね」

曜「煮込み時間は長くすると濃厚になるけど、煮込みすぎるとハンバーグがカチカチになるから様子を見ながら気を付けてね」

>>288
穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net

ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ

穂乃果「ベイスターズファイトだよ っ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net

>>287
??「あの、すみません…」

曜「ん?どうしました?」

曜 (わぁ…綺麗な人だなぁ…こういうような人のこと大和撫子って言うんだっけ)

??「少し道に迷ってしまいまして…宜しければ道案内をお願いしたいのですが…」

曜「大丈夫ですよ?
どこに行きたいんですか?」

??「○○旅館というところで予約をしたのでそちらに向かいたいのですが…ご存じですか?」

曜「○○旅館ですか?分かりますよ!
こっちです!」

??「ありがとうございます、助かります」ペコリ

(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」

>>274
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」

>>270
9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」


一年教室

花丸「はーい!最後に皆さんにお知らせがありまーす!」

花丸「このクラスになんと転校生が来ます!」

オー! ドンナコ-?

花丸「それは来てからのお楽しみ…ずら!」ニコッ

花丸「じゃ、今日はおしまい!」

オツカレサマデシタ-!

善子「梨子さんが言ってたのこれか…」

果南「転校生…か、なんかトラウマ」ニガワライ

善子「ふふ、トラウマってマリーさん?」

果南「うっ」

真姫「さっきのハンバーグの肉汁を無駄なく利用するためね」

曜「フライパンにトマト缶、水、コンソメを加え、煮立てる」

真姫「このために深めのフライパンを使うのね」

曜「煮立ったらハンバーグ、エリンギを加え、再び煮立たせる」

曜「煮立ったら弱火だよ」

曜「このとき砂糖、ソースを加え、塩、ブラックペッパーで味を調えておこう」

曜「アクを取りながら弱火で約20分煮込む」
http://imgur.com/6IvFaq1

真姫「20分…。暇ね」

曜「煮込み時間は長くすると濃厚になるけど、煮込みすぎるとハンバーグがカチカチになるから様子を見ながら気を付けてね」

穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net

ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ

穂乃果「ベイスターズファイトだよ っ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net

>>264
??「あの、すみません…」

曜「ん?どうしました?」

曜 (わぁ…綺麗な人だなぁ…こういうような人のこと大和撫子って言うんだっけ)

??「少し道に迷ってしまいまして…宜しければ道案内をお願いしたいのですが…」

曜「大丈夫ですよ?
どこに行きたいんですか?」

??「○○旅館というところで予約をしたのでそちらに向かいたいのですが…ご存じですか?」

曜「○○旅館ですか?分かりますよ!
こっちです!」

??「ありがとうございます、助かります」ペコリ

>>260



>千歌「曜ちゃんはヒーローだよ!!」



>千歌「千歌がクラスの子から少しでもいじめられたら守ってくれた!」

>千歌「飛び込みの大会で見る曜ちゃんはかっこよかった!」

>千歌「旅館のお手伝いしてくれる曜ちゃんはきゅーせーしゅだし!」

>千歌「人気者な曜ちゃんが幼馴染みってことがすごく嬉しかったの!」

>千歌「それに、落ち込んでるときに曜ちゃんはすぐ気づいてくれた!」

>千歌「スクールアイドル始めるときだって…………」

>千歌「って、もー!! なんかよくわかんなくなってきた!」




>千歌「っ、とにかく!!」

>千歌「他の誰かは知らないけど!!」

>千歌「千歌にとっては、曜ちゃんは正真正銘ヒーローなの!!!」

>>254
>ポツリ。
>千歌はそう言った。

>……って、怖い?
>誰が?
>曜ちゃんが?

>いやいやいや。
>怖いなんて、そんなことあるわけないよ。
>かわいい幼馴染みだしね。
>そう、千歌と同じ。



>千歌「……そうかな」



>…………千歌?




>千歌「果南ちゃんにとって、きっと千歌と曜ちゃんは違うよ」



>違う?
>千歌と曜ちゃんが?



>千歌「うん」

>千歌「だって、試合始まる前も、果南ちゃん変だったもん」

>千歌「わざわざ自分が負けるわけない! みたいなこと言って、それに試合の間もずっとそんな風だった」

>千歌「……それにさっきのだって」

>千歌「ねぇ、果南ちゃん?」




>千歌「もしかして、自分にそう言い聞かせてたの?」

>>247
>曜「……ふ、ふぅ」ターンターン

>果南「…………」



>曜「やっ!!」パァァァァン



>果南「今度はーー」スッ



>果南「ーー油断しないよ!」シャァァァ



>「スライスよ! 曜!」
>「よ、ようちゃんっ」

>曜「くっ……」グッ



>曜「はぁっ!!」パァァァァン



>果南「うんうん。そうだよね、それじゃ『音速弾』は打てない」

>曜「っ、で、でも、まだ!」

>果南「まだ? ……フフッ」

>曜「な、なにを笑ってーー」




>果南「『波動球』ッ!!」バァァァァァン




>曜「!?」ビクッ



>ーー バァァァァァン ーー



>「ぅゅ、おとが……」
>「……果南のShotはここまで……」

>果南「…………手」

>曜「…………え?」

>果南「出さなかったね」



>果南「…………いや、出せなかった?」



>曜「っ、そ、そんなんじゃないよっ!!」

>果南「……なら、いいけどさ」



>果南「じゃあ、あと3球だけ付き合ってくれる?」ニコリ



>『曜 15 - 15 果南』

>>236




>曜「はぁぁぁっ!!!」パァァァァン



>ーー ポスッ ーー




>『曜 40 - Ad 果南』



>曜「はぁっ……はっ……」

>果南「大丈夫? 曜ちゃん?」

>曜「っ、だいじょうぶ、だよ」モヤッ

>果南「……そっか。なら、いいんだけど」

>>231
>果南「『音速弾』自体がスライス回転のショットなら、同じスライス回転のショットをぶつければいい」ターンターン

>果南「走り込みながらのライジングだったら、元々タイミングがシビアだしね」スッ

>曜「……果南、ちゃん」




>果南「こんな風に!」シャァァァ



>曜「また、スライス……っ」

>曜「やっ!」パァァァァン

>「せっかくの必殺技なのに……ぅゅ」
>「……曜」



>曜(さすがは果南ちゃんだ……)

>曜(せっかく完成させた技をこんなに早く……)

>曜(…………)

>曜(でも、『音速弾』に意識が行ってる今ならっ!)

>曜(次、返ってきたら、ドロップショットをーー)




>果南「…………ふっ」フワッ



>曜「……………………え?」



>ーー トンッ ーー




>『曜 40 - 40 果南』

>>227



>曜「『音速弾』ッ!!」パァァァァン



>果南「っ」ブンッ


>ーー スカッ ーー



>曜「っし!!」



>『曜 30 - 15 果南』

>>216

>曜「なんで、知ってっ!?」

>鞠莉「知ってますよ。未完成だってことも」

>曜「……そ、そっか。ならさ……」



>鞠莉「使えばいいんじゃない?」



>曜「え、え? だって!」

>鞠莉「言ったでしょ? ヨーリョーいいくらいじゃ勝てないって♪」

>曜「…………」

>鞠莉「フフッ」



>鞠莉「…………あとは曜シダイデース♪」

>曜「………………うん」




>ーーーーーー

寝そべり珍道中 佐世保からの来訪者

http://q2.upup.be/f/r/RwbbH0sigS.jpg

果南「また八戸に来たよ」
海未「今回はこれから岩手の龍泉洞に…」
果南「…のはずだったんだけど、家主さんがたまたま八戸港に停泊する護衛艦を見つけちゃったんだよね…」
海未「予定を変更して、お昼からの一般公開に参加します」

http://q2.upup.be/f/r/a0mvDMf6p6.jpg

海未「この艦は佐世保の護衛艦すずつき。漢字では涼月と表記します」
果南「この名前を貰った艦としては二代目なんだって」

http://q2.upup.be/f/r/NLjDN5BzTD.jpg

海未「先代の涼月は最後の戦いでの佐世保帰還、特に自分達の命と引き換えに艦を救った三人の乗員のエピソードが有名です」
果南「今は北九州市にある軍艦防波堤の一部になっているよ」

http://q2.upup.be/f/r/t4BGawxswZ.jpg

果南「艦橋です。最近の軍艦らしく出っ張りを少なくして、レーダーに写りにくいように工夫されています」
海未「横から見ると何となくモアイ像の頭に似ているね」

http://q2.upup.be/f/r/jv2AXfMdsm.jpg

果南「搭載しているヘリだよ。最大で2機積めるけど、普段積んでいるのは1機だけなんだって」
海未「ヘリの中も公開していて、私達も操縦席に座らせてもらいました」

http://q2.upup.be/f/r/19PTcv2PJE.jpg

果南「見学の後はおすすめされた八食センターで遅めの昼食だよ」
海未「馬刺とホヤの刺身を…って随分なキワモノですね…」
果南「新鮮なホヤは独特の鉄臭い味がほとんどしなくて案外食べやすいんだよ」
海未「そうなのですか…次の機会に試してみましょうか」

(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」

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