男子「胡桃沢、話があるんだ」 サターニャ「望むところよ!」 (33)

男子「今日こそ天真さんに告白するぞ……!」 ガヴ「ん?なんだこの手紙」
男子「今日こそ天真さんに告白するぞ……!」 ガヴ「ん?なんだこの手紙」 - SSまとめ速報
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男子「白羽さん、俺と付き合ってください!」 ラフィ「えーっと……」
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の続きです。男子は同一(ry

舞天高校に購買があるかは知りませんが、ここではあるということでお願いします。あるんだよ!


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490082884

-購買-

男子(んー……めぼしいパンは全部売り切れてるなあ)

男子(お!メロンパンが一個だけ残ってるじゃん。もーらい)バッ

男子「あ」

サターニャ「あ」

男子「……」

サターニャ「……」

男子「いいか、このメロンパンに先に触ったのは俺だ。その意味、分かるよな?」

サターニャ「そっちこそ、この世の全てのメロンパンは、私の胃に納められるべき供物だということを理解しているのかしら?」

男子「いや知らん」

サターニャ「スキありっ!」バッ


男子「あ、てめっ!返せ!」

サターニャ「ふふん、油断するのが悪いのよ!」

男子「くっ……このぉ!」ガバッ

サターニャ「なっ、ちょっと!放しなさいよ!」

男子「はっはっは!女子が男子に力比べで勝てると思って……」





おばちゃん「で、何か言うことは?」ゴゴゴ…

男子「すみませんでした」ドゲザ

サターニャ「もうしません」ドゲザ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




-ベンチ-

男子「あーあ、結局半分ずつかー」

サターニャ「別に、私が全部食べてあげてもいいのよ?」

男子「やなこった」ベー

サターニャ「ふん。それじゃあ、いただきま……」


ハッハッハッ…


男子「ん?」


犬「ワン!」


男子「あ?なんだこの犬」

サターニャ「き、来たわね!今日こそは絶対に渡さないんだから!」

男子「はあ?お前何言って……」


犬「ワンッ!」バッ

男子「って、あぶねっ!」サッ

サターニャ「この犬は、いつも私のメロンパンを奪っていく天敵よ!気を付けなさい!」

男子「なっ、なんだと!?」

犬「……」ハッハッハッ

サターニャ「く、来るな!こっち来るなー!」ブンブン

犬「ワンワン!」キラーン

男子(くっ、かくなる上は……!)

男子「ふんっ!」モゴッ

サターニャ「え!?あ、あんた何をして……」


男子「この更に2つに割ったメロンパンの内の一つを……それっ!取ってこい!」ブンッ


犬「ワンワンッ!」ダダダッ


男子「よし、行ったな」

サターニャ「……」ポカーン

男子「ほら、今のうちに!」パクッ

サターニャ「え?あ、うん!」パクッ


サターニャ「……」モグモグ

男子「……」モグモグ



サターニャ「うまーい!!」テッテレー

男子「ああ、美味いな!」


サターニャ「いやーあんたやるじゃない!まさかあの犬を追い返すなんてね!」パクパクモグモグ

男子「はっはっは!まあな!」


サターニャ「……」ゴクン

サターニャ「そういえば、あんた名前は?」

男子「俺か?俺は男子だ」

サターニャ「へぇ……男子」

男子「そういうお前は?」

サターニャ「私の名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!いずれ偉大な大悪魔となる者よ!」ドーン

男子「へぇーそりゃすごいな」

男子(なるほど。そういう設定か)


サターニャ「ふっふっふー……そうでしょ。あなた中々良いセンスしてるわね」

男子(まあ、俺にもそういう時期があったからな……)

サターニャ「気に入ったわ!あなた私の家来になりなさい!」

男子「は?」

サターニャ「遠慮しないでいいのよ?この偉大なサタニキア様の家来になれるんだもの。光栄に思いなさい!」

男子「いやいやお前何言って……」ハッ

男子(待てよ。こいつは恐らく中二病だ……それも重度の。つまり、「家来」という言葉は何かの比喩である可能性が高い)

男子(つまりこれは……「私の友達になってください」と、そういう意味だな!)

男子「……分かった。家来になってやるよ」

サターニャ「!ほ、ほんと!?」パァァ


男子「ああ。よろしく、胡桃沢」スッ

サターニャ「ええ!よろしくね、男子!」ギュッ

男子「お、おう」ドキッ

男子(あ、あれ?こいつ意外と……)

サターニャ「……?どうしたの?」

男子(って、ダメだダメだ!前にもそうやって突っ走って失敗してきたじゃないか!)

男子(胡桃沢がどういうやつなのか、もっとしっかり見極めないと……)ジッ

サターニャ「えーっと、私の顔に何か付いてるかしら?」

男子「あ、いや……何でもない」


サターニャ「まあいいわ。それより、男子は私の家来なんだから、これからは私のことを「御主人様」と呼びなさい!」

男子「へいへい。分かりましたよ、御主人様」

男子(こうして、俺と胡桃沢の奇妙な日々は始まった)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



男子(あるときは一緒にメロンパンを食べ……)


男子「御主人様、これチョコチップメロンパンって言うらしいぞ。食ってみようぜ」

サターニャ「ちょこちっぷ……?何かしらこの黒い点々は」

男子「まあまあ、まずは一口」スッ

サターニャ「変なものだったら承知しないわよ……」パクッ


サターニャ「……」モグモグ



サターニャ「!!」キラキラ

男子「おっ」

サターニャ「……っ!」パクパクモグモグ

男子「ははっ。そんなに美味かったか?」

サターニャ「ほ、ほめへつかわふ!(褒めてつかわす!)」モゴモゴ


男子(またあるときは一緒に遊び……)


サターニャ「男子!今日は天命ゲームで遊ぶわよ!」

男子「天命ゲーム?……ああ、人生ゲーム的な何かか」

サターニャ「ふふん。それで、負けた方には罰を与えるというのはどうかしら?」

男子「お、定番だな。いいぜ」


サターニャ「それじゃあ、負けた方は勝った方のお願いをひとつ聞くということで!」

男子「オーケー。後で泣いても知らねぇぞ?」

サターニャ「望むところよ!」

2人「レッツバトル!!」








サターニャ「」

男子「圧勝した……」

サターニャ「ムキー!!このルーレット壊れてるんじゃないの!?」

男子「いや、御主人様の運が悪過ぎただけだろ……まさか開始早々地獄に叩き落とされるとは思わなかったぞ」


サターニャ「うっ……い、いいのよ!私は悪魔なんだから!」

男子「負けたけどな」

サターニャ「ぐぬぬ……そ、それで、何が望みなのかしら?」

男子「そうだな……メロンパンと牛乳を買ってきて貰おうか」

サターニャ「いいわ、待ってなさい……帰ってきたら2回戦やるわよ!」

男子「いいぜ。また俺が勝つだろうけどな!」


男子(そしてまたあるときは一緒にメロンパンを食べ……)


男子「御主人様、今日は苺チョコチップホイップクリームメロンパンを持ってきたぞ!」

サターニャ「ふふふ……苦しゅうないわ!」

男子「春限定の新商品だ。絶対うまいぞー」

サターニャ「じゅるり……は、早く寄越しなさいよ!」


男子「焦るなって。ほら」スッ

サターニャ「いただきまーす!」パクッ

2人「……」モグモグ



2人「うまーい!」テッテレー



男子(こうして、俺と胡桃沢の日々はおかしくも楽しく過ぎていった)


サターニャ「いやーそれにしても、こんなに美味しいメロンパンを見つけるなんて中々やるじゃない!」モグモグ

男子「だろ?」

男子(それにしても、こいつ性格はアレだが、見た目は結構可愛いんだよな……胸のメロンパンも大きいし)

男子(特に裏表があるって訳でも無さそうだし、何より一緒に居て楽しい)

男子(前の2人は高嶺の花(猛毒)っていう感じだったが、胡桃沢はもっと等身大な感じだ。なんというか、ヒマワリのような……)

男子(これは……いけるんじゃないか?)


男子「なあ、御主人様。……いや、胡桃沢」

サターニャ「ん?」モグモグ

男子「大事な話があるんだ。今日の放課後、校舎裏に来てくれないか?」

サターニャ「……」ゴクン

サターニャ「いいけど、話って何よ?」

男子「それは、その……分かるだろ。そういうことだ」

サターニャ「んー…………あっ」ピコーン

サターニャ「なるほど、そういうことね!分かったわ!」

男子「良かった。それじゃあ、待ってるからな」

サターニャ「ええ、待ってなさい!」


男子(今度こそ……今度こそ絶対に成功させてみせる!)




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



-校舎裏-



ヒュォォォ……



サターニャ「……」

男子「……」



サターニャ「……」スッ

男子「……」スッ



サターニャ「……」

男子「……」





サターニャ「さあ、かかってきなさい!男子!」

男子(どうしてこうなった……っ!!)




サターニャ「ふん。家来の分際で主人に歯向かうとは、いい度胸ね……」

男子(くそっ、校舎裏で胡桃沢に告白するつもりが、何故か決闘をする流れに……)

サターニャ「けど、それでこそ男子!その向上心こそが、大悪魔の家来に必要なものよ!」

男子(何をどう曲解されたのかは分からないが、どうやら大事な話=家来の下剋上と勘違いされてしまったらしい)

男子(そして俺も、ひとつ重要な勘違いをしていた……)

サターニャ「ふふふ……でも、残念だったわね。あなたはこの私に絶対に勝つことは出来ないわ。何故ならば……」

男子(胡桃沢は中二病じゃない。胡桃沢は……)






サターニャ「私の体育の成績は、5だから!!」バーン


男子(ただのアホだ!!)





男子「ちょ、ちょっと待て胡桃沢!俺はお前のことが……」

サターニャ「憎い、のよね?分かっているわ……」フゥ…

男子「違うわ!話を聞け!!」

サターニャ「皆まで言うな、男子よ……もはや、誰もこの戦いを止めることは出来ない」ゴゴゴ…

男子「……」

サターニャ「私を止めたくば、勝利してみせるがいい!この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルにね!」←ちょっと楽しくなってきた

男子(ちくしょぉぉおおおおお!!)


サターニャ「さあ、見せてあげるわ!我が一族に伝わる秘伝の奥義を!」

男子(くそっ、こうなったらもうやるしかない!)

男子「分かった……胡桃沢。お前に勝って、俺のことを認めさせてやる!」

サターニャ「あら、いい表情してるじゃない」

男子(倒す倒す倒す絶対倒す……!)

サターニャ「やっと覚悟が決まったようね。さあ、愚かなる人間よ……いざ尋常に……」



2人「勝負!!」



サターニャ「うぉぉおおおおおおおおおお!!」ドドドドドドドドドドドド

男子「おらぁぁあああああああああああ!!」ドドドドドドドドドドドド



カッ!



ドゴーン……





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



-夕暮れの土手-


カー……カー……



男子「お前……中々やるじゃねぇか」ボロッ

サターニャ「ふふっ、あんたもね……」ボロッ



男子「まさか、あそこで鳩尾に蹴りを決めてくるとは思わなかったぜ……」

サターニャ「そっちこそ、あの土壇場でのラリアット、中々の威力だったわ……」


男子「……やっぱり、御主人様は強いなあ」

サターニャ「いえ、私はもう男子の御主人様じゃないわ」

男子「え?」


サターニャ「あなたと拳を交わし、拳で語り合い……そして分かった。男子は私の家来に収まる器じゃない」

男子「!じゃ、じゃあまさか……」

サターニャ「そう。男子、あなたはこれから……」




サターニャ「私の宿敵(とも)よ!よろしくね!」スッ

男子「ああ!」ガシッ



サターニャ「ふふふ……」キラキラ

男子「ははは……」キラキラ














男子「で、だ」

サターニャ「え?」

男子「実は、胡桃沢への大事な話っていうのは、決闘のことじゃない」

サターニャ「ええっ!?そうだったの!?」

男子「ああ。というかあんな誤解されるとは思ってもみなかったよ……」

サターニャ「うっ……わ、悪かったわね」

男子「まあいいさ。それで、俺が本当に言いたかった事はだな……」

サターニャ「う、うん」





男子「胡桃沢、好きだ!付き合ってくれ!」バッ

サターニャ「」


サターニャ「えええええええ!?」




男子「なんて言うか、初めて会ったときから可愛いなって思っててさ」

サターニャ「」

男子「それで一緒に過ごしている内に、胡桃沢とは気が合いそうだなって思い始めて……」

サターニャ「」

男子「だから、その……駄目か?」

サターニャ「」

男子「……胡桃沢?」



サターニャ「……い」プルプル

男子「い?」




サターニャ「イヤよ!!」ドーン

男子「」




男子「な、なんでだよ!?」

サターニャ「だ、だって、あんたと付き合うとか、なんかそういうの……キモいし!!」

男子「キモッ!?」ガーン

サターニャ「ご、ごめん。悪いけど、男子の気持ちには答えられそうにないわ……」スッ

男子「あっ!ちょ、ちょっと!」





サターニャ「その……じゃあね。私たち、友達で居ましょう」

男子「」




サターニャ「さ、さよなら!」ピュー

男子「」



男子「」








男子「くそったれぇぇぇええええええええあああああああああ!!!」ブチブチブチブチィッ!




男子「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ムシャムシャムシャムシャ


通行人(なんであの人雑草食べてるんだろう……)




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



-翌朝-

ヴィーネ「あら、サターニャ。今日はいいの?」

サターニャ「え?何がよ」

ヴィーネ「だって最近ずっと、「家来と遊ぶー」ってどこかへ行ってたじゃない」

サターニャ「ああ、それね……実は昨日、そいつに告白されちゃったのよ」

ヴィーネ「え……えええええ!?サ、サターニャまで!?」

ガヴ「なんか最近告白されるやつ多いな」


ラフィ「それで、サターニャさんは断ったんですか?」

サターニャ「んー、まあね。あいつと付き合うとか、なんかそういうのちょっとキモいし」

ヴィーネ「キ、キモいって……」

ラフィ「サターニャさんらしいですね」クスクス

サターニャ「あーあ、せっかくいいライバルが出来たと思ったのになー……まったく、罪な悪魔よね私」

ヴィーネ「相手の子も災難ね……」

ラフィ「でも、サターニャさんにはガヴちゃんが居るじゃないですか」

サターニャ「え?」

ガヴ「やめろ。私を巻き込むな」

ラフィ「私、2人は良きライバルだと思うんです」

サターニャ「そ、そうね。まあ、確かに……」








サターニャ「私のライバルはあんたしか居ないわ!勝負よガヴリール!」

ガヴ「はぁ……めんどくさ」


-おしまい-

サターニャに勘違いさせられた男子は数知れず……

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