王様「全裸で歩くのにハマった」 (15)


城――

王(商人たちに騙され、裸で町を歩くはめになってしまって以来……)

王(全裸で町を歩くのにすっかりハマってしまった!)

王「よぉ~し、今日も出かけるぞぉっ!」



召使い「い、行ってらっしゃいませ……」


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町――

王「やあやあ、町のみんな! 元気にしとるかな!」スタスタ

王「裸はいいぞぉ! 体が軽いし、服を着る脱ぐの手間が省けるし、なにより開放感が全身にあふれてくる!」

王「ちょっと寒いのが難点だがな!」

王「ワーッハッハッハッハ!!!」


王「そこの若いお嬢さん!」

女「は、はいっ!」

王「どうかな? わしの裸は? んん?」

女「えぇと、大変素晴らしいかと……」

王「そのわりに視線が上を向いているようだが……」

女「そんなことは……」

王「もっと下の方を凝視してもいいんだよ? 特にお腹の下あたりをな!」

女「ううう……」

王「ワーッハッハッハッハ!!!」


城――

大臣「陛下、全裸で町を歩くのはもうおやめ下さい!」

王「なぜだ?」

大臣「だって……みっともないですよ」

王「みっともない? するとおぬしは、かつて裸で過ごしていた我らが先祖をみっともないと言うつもりか?」

王「動物はみんな、みっともないとでも言うのか?」

大臣「いえ、そんなことはないですけど……」


王「いや、わしにいわせれば、自身のありのままの姿を晒せないおぬしたちの方が」

王「よっぽどみっともない!」

大臣「は、はぁ……」

大臣「ですが、転ばれたりしたら危ないですよ、やっぱり。ケガしますよ」

王「なあに、歩くだけで転ぶほど耄碌してはおらぬ」

王「さあ、今日も町を歩くとするか! 全裸で!」

王「ワーッハッハッハッハ!!!」


町――

少年「こんなことになったのもぼくのせいだ……」

少年「ぼくが王様が裸だってことを指摘したから……」

幼女「お兄ちゃんのせいじゃないよ! あの王様が頭おかしいだけだよ!」

少年「だけど……」

幼女「あたしに任せて!」

幼女「お兄ちゃんが王様に騙されてることを気づかせたみたいに、王様の全裸をやめさせてみせるんだから!」


王「ワーッハッハッハッハ!!!」スタスタ

王「今日は温かく、絶好の全裸日和だわい!」

王「おい、みんな、目を逸らさず、わしの方をじっと見ないか!」

王「今日はバッチリムダ毛を処理しておるし、見てもらわんとつまらんではないか!」

王「張り合いがなくて困るぞぉ!」

王「……おや?」


幼女「……」ジーッ

王「おう幼き子よ」

王「そんなにわしの全裸がお気に召したのかな?」

王「さあ、遠慮せずどんどん見るがよいぞ」






幼女「ちっさ」





それ以来、王様は全裸をやめ、ちゃんと服を着るようになりました。

服を着るようになってからは、それまでとは違い、謙虚で他人の言うことをよく聞く
名君といえる王様になったということです。


めでたし、めでたし。








~おわり~

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