魔王「そろそろ子供を作ろうか」勇者「そうだな」 (4)

側近「側から聞いていると酷い話ですね」

魔王「まあねー。作りたくないんだけどね、まだ私若いのに」

勇者「仕方がないからな。私だって魔物と子を為す気など毛頭なかったが、仕方あるまい」

側近「の割にはノリノリですね、勇者」

戦士「ばっかお前側近、折角なんだから楽しまなきゃダメだろ」

側近「折角とは?」

戦士「勇者の好み的に、魔王はジャスト」

側近「あらあら」

魔王「まあまあ」

勇者「戦士は今日の夕飯を抜く」

戦士「そりゃないわ」

勇者「外で獣でも狩ってこい」

戦士「はっはー、ご冗談。俺に死ねって言ってるのか?」

側近「でしょうね」

魔王「だろうね」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489987483

勇者「性が乱れている」

魔王「どっちかというと、生?」

戦士「クソみたいな冗談だ」

側近「でも本当ですから」

戦士「……僧侶は」

勇者「やめろ戦士」

戦士「……」

勇者「この場に居ない人間の話をするな」

戦士「……相分かった」

魔王「きゃーこわーい勇者くーん」

側近「発情期みたいですからね、仕方ありません」

勇者「なんでも仕方ないで解決するな」

魔王「だって、実際そうだもんね」

戦士「外の様子はどうだった、側近」

側近「相も変わらず水晶が紫のまま何も映してくれませんよ」

魔王「実際、映してはいるんだろうけどね」

勇者「……『瘴気』と呼ぶことにしたんだったな」

側近「ええ、過去の文献にあれに近いものが記されていましたので、一旦はその呼称を」

戦士「で、対策は」

側近「……発生から五十年で、あの紫の霧が晴れた。何度読み返してもそれだけの情報しか得られませんよ」

勇者「……魔王、生存者は」

魔王「この北方向へ索敵魔法の範囲を広げてる。……相変わらず、何にも?」

戦士「あーやめだやめ、気が滅入ってきたから子作りの話に戻そうや」

側近「他人の子作りで気が晴れるのもどうかと思いますが」

戦士「うるせえわ。魔術の使えない俺の数少ない楽しみだわ」

勇者「楽しむな」

魔王「ドン引きだね」

戦士「あ、待って待って。また俺ここで孤立しちゃう」

側近「懐かしいですね、それ」

勇者「つっても3ヶ月前くらいだろ? 『ここ』に入ってから」

戦士「勇者は時間の感覚がいつも狂ってんな。一昨日でちょうど半年だよ」

側近「はー」

魔王「あれ、そんなに?」

戦士「くそ、この人外共も寿命が長すぎて狂っとる」

勇者「……ん?」

魔王「どうかした?」

勇者「上から声がするような」

側近「……ふふ、そんな馬鹿なことありませんよ。魔王様の索敵魔法を私が引き継いでいますが、生体反応はこの近辺じゃありません」

魔王「大丈夫?」

勇者「あ、ああ……いや、しかしだな」

戦士「晩飯作るの、俺が代わるか?」

勇者「それだけはダメだ」

側近「死活問題です」

戦士「ひどくね?」

魔王「私は美味しいと思ったけどね」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom