千早「Brand New Day」 (53)

ひびちはSSです
SS自体は既に完成しています。文字数は約1万4500、それを39レス程に分割して投下する予定
それ程長くはないと思うので、最後まで読んで頂ければ幸いです 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375741946

『それが分からないから、未だそのランクに止まってんだよ』

遅々として上がらないランクに、思わず漏れてしまった弱音
それに対する、プロデューサーの答えとは言えない答えは、そんな言葉だった

Dランク迄は確かに順調だった
だが、それ以上のランクに上がる事は、Dランクに上がって半年が経った今でも出来ていない

歌の練習は今まで以上に行っている
必要無いとそれまで切り捨てていたダンスやトークの練習も必死でやっている
ビジュアル面でも気を付けている、と自分では思う

実際、実力も付いてきたと思っている
少なくとも、Cランクレベルのアイドルになら、引けを取る事は無いだろう

だからこそ

「なんで上がらないのかしら……」

夕刻前、公園のベンチに座り、私は一人ごちる

仕事が終わり事務所から出る直前に交わしたプロデューサーとの会話
結局、プロデューサーはそれ以上の答えを教えてはくれなかった

『俺が答えを言った処で、口先だけの言葉と思われるのがオチさ
千早の心には響かない』

『まぁ、心配すんなって
千早の側にはその答えを知っているヤツがいる
そして、そいつなら、お前の心にも響かせる事が出来るだろうさ』

そう最後に言い残して、プロデューサーは次の仕事場に向かって行った

恐らく、もう一度聞いた処で同じ答えが帰って来るだろう
それも私を信頼しているから、何よりその"答えを知っている人"、とやらを信頼しているから、なのだろうが
手っ取り早く答えを教えて欲しいと、思わずにはいられなかった

「はぁ……」

思わず溜め息が漏れてしまった
正直、アイドルという物をやりたくてやっているワケではない
ただ、門徒を叩いた芸能事務所が偶々、アイドル事務所だった事と

Aランクアイドルになれば歌の仕事を優先的に選べるだとか、歌手転向もし易いだとか
そんな理由でアイドルを続けてきた

動機としては不純かもしれないが、それでも、必死に、精一杯の努力はしてきたつもりだ

それなのに、上がれない
何が、足りないのか

歌やダンスの実力なら負けはしない
ビジュアルだって磨いてきた

もし、精神的な事だとしても、受けた仕事には全力を注いでいる
確かに、アイドルという仕事自体はやりたくてやっているワケではないが
プロとして、いい加減な気持ちで仕事に臨むことも、今では無い筈だ
だから、精神的な問題も無いと思う

なのに、上がれない

「何が…… 足りないのかしら……」

もう一度、独りごちる
私の心からの声は、誰も居ない公園に、すぅっと消えていった

それに…… 誰なのかしら

答えを知っている人っていうのは

「……」

残念ながら、私は交遊関係の広い人間ではない
逆に言えば私の側に居る人、という人物も限られて来る

事務所の人間…… よね、やっぱり

私に近しい人となると、やはり事務所の人間になるだろう
……家族、という物は疾うの昔に無くなってしまったから、私の場合

「……あずさ、かな?」

なんとなく、そんな気がする
私が憧れている人でもあるし、私よりアイドルランクが上の人でもある

……だが、何処かぽやぽやした性格のあずさがモノを教える、というイメージは湧かない
あの人は、教師というより、優しい保母さんタイプに思えるから

じゃあ、あずさじゃないとしたら、一体誰なのだろうか

もう一度、私は目をつぶり思案の世界に没入した

答えを知っている人、に答えを教えて貰わない限り
私は上に上がれない、このままでは私は歌を失ってしまう
私の生きる意味が消えてしまう

そんな気がしてならないから

「はいさーい! 千早」

ふと、自分の名前が呼ばれた
目をつぶり思案していたため姿を見たわけではないが
その明るい声と、特徴的な挨拶
見なくとも分かってしまう

「ええ、こんにちは、我那覇さん」

瞳を開け、声の発信者を見る。うん、やはり間違いはなかった

我那覇響さん、同じ765プロ所属のアイドル
出会った最初の頃は、明るく積極的な性格の彼女とは、水が合わない
そんな気がして、私から彼女に近付く事はしなかった

だが、彼女はそんな事を気にする風もなく、私に話し掛けてきた
私の回りには居ないタイプの人間だったから、最初は戸惑いを覚えたものだったが
小さな身体を振り揺らし、明るく元気に話し掛けてくれる彼女と接する内に、私の第一印象は吹き飛んでいった

寧ろ、口下手で他者とのコミュニケートが苦手な私にとって
人懐こく飾り気の無い彼女は、接しやすい相手なのだろう

それに、私と同じく単身生活者であり、家事全般が得意な彼女には、色々と気を使って貰う事も多い
更に、ダンスに力を入れ始めてからは、ダンスのパートナー兼コーチ役を引き受けてくれる事も多々あった

「……どーした? 千早? ボーっとして」

「ううん、なんでもない」

「いぬ美のお散歩かしら?」

我那覇さんの隣に居るいぬ美を見遣る

「うん、そんなところさー」

そう言って我那覇さんはいぬ美の首元を優しく撫で
いぬ美も嬉しそうに尻尾を振る

「千早は?」

「ん…… ちょっと、ね」

「悩み事……? 暗い顔してたぞ、千早」

「そういうワケじゃ……」

いや、本当は思い切り悩んでいる
アイドルランクが上がらない事は勿論、何が悪いのかすら分からない事も

だが、同い年だからなのか、弱さを見せたくないからか
自分でも分からないが、彼女にはこの悩みを打ち明けたくはなかった

「そっか……」

我那覇さんの顔に悲嘆の色が差す
素っ気なかったと、自分でも思う

それでも、私は話す事は出来なかった

「……ええ」

「……」

「……」

しばらく、私達の間には静寂が流れる

はっきりいって落ち着かない
私から話題を提供しなくても、彼女は何かしら話し掛けてくれた
何時だって笑顔を私に向けてくれていた

一緒に居るのに、こんなにも長い時間、彼女の声も笑顔も無ないなんて事は、今まで無かったかもしれない

だから、凄く、落ち着かない

なんとか、発する言葉を探していると

「っ!?」

いきなり我那覇さんが私の手を掴んできた!

「ど、どうしたの? 我那覇さん?」

「千早、この後、何か予定在る?」

「えっ? 特に無いけど…… それが何か?」

「そっか、じゃあ、自分と一緒に来て欲しい場所が在るんだけど、良いかな?」

「え、ええ、良いわよ、それで何処にっ――」

何処に行くの?

その言葉を言い終える前に、我那覇さんは私をベンチから引っ張り上げ

走り出した!

「ちょちょちょ!!? 我那覇さん?!」

「何処に行くかは着いてからのお楽しみってヤツだぞ!
そんなに遠くないし、なんくるないさー!!」

そんな言葉を最後に、我那覇さんは
私といぬ美を引き連れ、道を駆けていく

聴きたい事は多々あるが、我那覇さんの笑顔を見たら、飛んでしまった
やはり、彼女には笑顔が一番似合ってる、それに彼女の笑顔を見ると私の心まで晴れてしまう

……うん、だから私は、取り敢えず、我那覇さんの手を強く掴み、道を駆けることにした

走り始めて数分程、どうやら目的地に着いたらしい

「西根動物病院…… ?」

看板に書かれた文字を読み上げる

「いぬ美に何か?」

「ううん、そういうワケじゃないぞ、最終的な目的地は病院じゃなくて、その向こうにあるんさー」

「向こう?」

「うん、向こう」

その言葉と共に、我那覇さんはリードを握った手で病院の向こう側を指差した

「それで、悪いんだけど、いぬ美と一緒に待っててくれない?
少しの間だけでいいから」

ここまで来てしまえば断る理由など在る筈もなく、私は二つ返事で答えた

「……ええ、良いわよ。いぬ美とここに居ればいいのね」

そう言うと同時に、空いている手を差し出し、リードを受け取る

「うん、ありがと。それじゃあ、行ってくるぞ!」

そう言って、我那覇さんは私の手を離し、独り病院へ向かって行った

「なんだか、懐かしい…… わね」

自由になった手を見詰め、何と無く、呟く

昔は、そうだった
あの子と外を歩く時はよく、手を繋いでいた
何か興味を惹く物を見付けた時には、あの子は私の手を引っ張り走ったものだ

懐かしい、もう二度と会えない家族との思い出が、甦る

それと同時に、悲哀の念が沸き起こる
刻々と熱が逃げ、冷えて往く掌に、私は胸を締め付けられる様な、そんな気が、した

誰かと手を繋ぎ、離れてしまう事、それがこんなにも嬉しく、そして悲しいモノだと
本当に、久しぶりに思い出した

「……ん?」

いぬ美が私の脚に鼻を押し付けている

「どうしたの? いぬ美?」

押し付けるのを止め、いぬ美は私を見る
犬は人間の感情に敏感だ、そんな話を聞いたことが在る
それに、いぬ美は優しくて世話好きな我那覇さんの家族でもある

だから

「もしかして…… 慰めてくれてるの…… かな?」

いぬ美の眼を見ると、そんな気がする
勿論、実際の処は分からないけれども、私にはそう思えてならなかった

「ありがと」

お返しに首をワシワシと撫でて上げる
モフモフとした手触りが気持ち良い

……うん、せっかくだから、もう少し、このモフモフを堪能させて貰う事にしよう

「お待たせ! 千早!」

一分程モフモフしてただろうか、我那覇さんが帰ってきた

「おかえりなさい、我那覇さん」

「えっ? えーと、ただいま? でいいのか?」

「……多分」

思いがけず出た言葉だったから、自分でもよく分からないが

「それはそうと、我那覇さん、用事は済んだの?」

「ああ! 一先ず完了したぞ!」

「まぁ、でも、ここからが本番なんだけどね」

……?

「じゃあ、千早、こっちに付いてきて」

「あ、あの! 我那覇さん!?」

「さぁさぁこっちこっち」

そんな言葉と共に笑顔を浮かべ彼女は動物病院の裏手に向かい歩いて行く

強引…… そんな単語が浮かばないワケでもない
だが、彼女の笑顔を見てしまうと

まぁ、なんでも、いっか

そんな気分にさせられてしまう
きっと、それも、彼女の美徳の一つなんだろう

「じゃあ、行きましょうか、いぬ美」

いぬ美に一声掛け、彼女の後に続いて行く

正直、私も気になるし、この先に、何があるのか

「とうちゃ~く」

数十メートル程歩き、我那覇さんはそう宣言した

恐らく、ここが目的地なのだろう、だが、ここは何の施設なのだろうか?

芝生に被われ、柵で囲まれている
そして結構な広さが在る
サッカーグラウンド、かとも思ったが、それよりかは狭いし、何よりゴールが無い

そんな思案をしていると

「ドッグラン、って知ってる?」

と、隣に佇む我那覇さんが教えてくれた

ドッグラン…… 何処かで聞いた事が在る

「……ああ、確か、リードを外して自由に遊ばせる事が出来る広場」

「……だったかしら」

「おおっ、さっすが千早! 博識だぞ!」

そんな大層なモノではないと思うのだけど……

「じゃあ、早速、行ってみよ~!」

高らかに宣言した我那覇さんは、私の背中を押し

「って!? 目的地ってここ!?」

「もっちろん!」

「で! でもっ! こういうのって何か利用許可とかが必要なんじゃないの!?」

「大丈夫大丈夫! 受付ならさっき済ましてきたぞ!」

……ああ、多分、病院に行ったのはその為か

「って、分かった、分かったから押さないで? 我那覇さん」

納得してもなお、背中を押してくる彼女に声を上げるも

「ダーメ、時間は有限、ちゃっちゃと行くさー」

暖簾に腕押し、全く聞いちゃいない

やはり、彼女は強引だ

……でも、きっと彼女はにこにこした顔をしているんだろう
そんな事を思ってしまうと、やはり、まぁ、なんでもいっか、と気分にさせられてしまって

「あー、ハイハイ、どうぞ好きなだけ押して頂戴」

そんな言葉と共に、結局、私は我那覇さんに背中を押されながら、ドッグランの通用口を通ったのだった

「へぇ…… ドッグランの芝生って柔らかのね」

サッカーグラウンドに足を踏み入れた事は無い私でも、公園の芝生ならば歩いた事が在る

だが、ここの芝生と公園に在る芝生はまるで違うモノだった
柔らかくて、芝生の長さも綺麗に揃えられている

ちょっとばかりそんな風に感動していると
隣から微かな金属音がした

「よし、外れたっと」

我那覇さんがいぬ美の首輪から、リードを取り外したらしい

そして我那覇さんは私を見た

……なんだろう
ニヤケてる? いや、イタズラを敢行しようとして、ウキウキしてる子供?
なんだかそんな気がする

「いぬ美! やっちゃえっ!!」

「えっ!?」

やっちゃえってなに?!

我那覇さんの不穏な言葉に驚きを感じた次の瞬間
いぬ美が悠然と、そう、熊の様に後ろ足で立ち上がり
私に襲い掛かってきた!

「……っ!」

「……?」

ワケでは無かったらしい
前足を私の肩に乗せてきただけの様だ

まぁ、当たり前か

しかし、やはりいぬ美は大きい
身長160を越える私が見上げてしまう程だ
でも、いぬ美は何故いきなりこんな事をしたのだろうか
そんな事を考えていると

ベロンと、頬を舐められた

更にもう一度ベロン

「あの? 我那覇さん?」

いぬ美は何をしているのか、飼い主である彼女に助けを求める

「一緒に遊びましょう、って事さー」

……と、言われても、犬を飼った経験の無い私には、どう遊んだら良いのか分からないんだけど

というか、何故私がいぬ美と遊ぶ事になってるんだろう……?

「というワケで、ハイ」

そう言って我那覇さんは、私にフリスビーを差し出した

「フェッチって言いながら投げてみて」

フェッチ…… ああ、Fetchか、確か、"持って来て"、だったわよね……
……んっ? フリスビーと持って来てって…… もしかして

「いぬ美ってフリスビーキャッチが出来るの?」

「うん! 出来るぞ! なんたって自慢の家族なんだからっ」

「というワケで、ハイ」

もう一度、我那覇さんはフリスビーを差し出してくる

「……」

犬に縁の無い人間でも、一度くらいは、取ってこーいと、いうヤツをやってみたいと思うモノじゃあなかろうか
多分に漏れず、私もそうだったらしい

「……よし」

我那覇さんからフリスビーを受け取り構えてみる
するといぬ美も、私の肩から前足を離し、なにやら走り出しそうな構えをとった

「少し高めに、ふんわりと投げるのがコツだぞ! 千早!」

「ええ、分かったわ」

投げる直前、彼女からアドバイスが飛んできた

高めに、ふんわり
高めに、ふんわり

我那覇さんのアドバイスを頭に刻み
私は一旦、いぬ美を見た

うん、準備万端、みたいね

いぬ美も私も準備は完了
じゃあ、一丁やってみましょうかっ!

「いぬ美! Fetch!!」

その掛け声と同時にフリスビーを投げる
少し高めに、ふんわりと

フリスビーが投げられた一瞬の後、いぬ美が猛然と駆け出した

「はっや……!」

思わず、言葉が漏れる
間抜けな感想にも聞こえるが、だが、いぬ美は想像以上に速かったのだ

そして、巨体に似合わぬ俊足振りで、いぬ美はフリスビーを猛追し、並走
段々と高度が下がるフリスビーに標準を定め、軽くジャンプ!
見事にフリスビーをキャッチしたのだった!

「凄い……!!」

茫然と、口にし

「我那覇さん! 凄い凄いっ!! いぬ美凄いよっ!!」

思わず歓声を上げてしまった

「でしょ? いぬ美は凄いんだぞっ! おっとりしてそうに見えるけどな」

「それに千早のスローもカンペキだったぞ!
初めてなのに、上手いもんさー」

「そっ、そうかしら?」

フリスビーなど投げた事はないが、確かに、自分でも上手く投げられたと思っていたりもする

そうやって我那覇さんと喜び合っていると、フリスビーをくわえたいぬ美が帰ってきた

ああぁ…… 凄いなぁ、キャッチした後、ちゃんと帰ってくるんだ
そんな事にも又感動

私の前に迄やって来たいぬ美は、お座りをし、フリスビーを差し出した

「ありがとう」

私もそう言ってフリスビーを受け取る
そして何故かいぬ美は私の顔を見つめてきた

なにかしら? そんな事を考えていると

「褒めて褒めて、だってさ」

我那覇さんが答えをくれた

ああ、なるほどね

即、私はしゃがみ

「本当に凄かったわよ、いぬ美。偉い偉い」

と、いぬ美の首や背中を撫で回す
いぬ美も気持ち良さそうしてくれてるが、モフモフとした手触りは、撫でている私まで心地好さを感じさせる

「ふふっ、良かったな! いぬ美!」

我那覇さんも私と一緒にいぬ美を労う
その笑顔と声には本当に愛情が見て取れて、なんだか母性みたいなモノが感じられた

……私と同い年の我那覇さんに対し、母性、というのも失礼な話かもしれないが

それから、私達は何度かフリスビーキャッチをしたり
抱き着いてきたいぬ美に、我那覇さんが耐えきれずゴロゴロと芝生に転がったり
それを見て笑ってしまった私に、自分だけ笑ってるなんて酷いぞ、千早!
と、二人は団結して私を転がしに掛かってきたり
抵抗虚しく芝生に転がってしまった私に、いぬ美が飛び込んできて、先程の我那覇さん宜しく
いぬ美と共に芝生をゴロゴロと転がったりと

なんだか分からない遊びをしたのだった
服には芝生の草が付きまくり、髪も乱れまくりだが
本当に、楽しい一時だった
こんなにも、そして心の底から笑ったの、いつ以来だっただろうか

……ああ、そうか、最後に笑ったのっていつだったか、もう忘れてしまっていたんだ

体力に限界が訪れた私達二人と一匹は芝生に座り込んでいた
赤く染まり始めた空を見上げた私は、意を決し、我那覇さんに今日の事を問い掛ける

「……あの、我那覇さん、今日はなんで、こんな事をしてくれたのか訊いていい?
勿論、凄く楽しかったし、良い気分転換にもなったから、凄く感謝してるんだけど
なんか、今日はいつも以上に強引だったし、なんでかな? って思って」

「……ん、そうだなー」

少し間を置き、我那覇さんは言葉を選ぶ様に、語り出した

「千早が悩み込んでたから、なにか気晴らしが出来ないかな、って思って」

「そう…… なんだ」

少し、意外だった
この悩みは、今日打ち明けたプロデューサー以外には話していなかった
それに、極力表には出さない様にしていたつもりでもある
少くとも、皆のいる前では

「一応、表には出していなかったつもりなんだけどね
そんなに私って分かりやすいのかしら……」

「んー…… まぁ、自分も確証が在ったワケじゃなくて
眼とか、雰囲気とか、かな?」

「へえ……」

……動物と暮らす人は感受性や心の機微に敏感に成る、という話を聞いた事が在る
言葉でのコミュニケーションが出来ない分、それ以外の部分でコミュニケーションを図る必要が在るからとか
もしかしたら、我那覇さんもそうなのかしら?

……我那覇さんはペット達と会話出来るそうだが

「あと…… 千早に教えたかった
……ううん、違うな…… 分かって欲しかった、から…… かな」

「……? 分かって欲しいって言うと?」

「……うーん、あのさ、千早は、いぬ美と遊んでどうだった? 楽しいって、思った?」

突然、質問を返される

正直、どうしてこの場面でいぬ美と遊んだ感想を訊かれるのか、さっぱりだが
我那覇さんの真剣な表情を見るになにかしら繋がっているのだろう
だから、私は率直な感想を口にする

「……楽しかった、心の底から笑ったのは本当に久しぶりだった」

「……そっかぁ、良かった」

そう言って我那覇さんは安堵の表情を浮かべる

「うん、じゃあ、なんで楽しかったんだと思う?
何故、楽しい、と思えたと、思う?」

「……え?」

なんで楽しかったんだって……
そう改めて聴かれると……

「なんで、かしら……」

「結局、フリスビーを投げていぬ美がキャッチしたり、いぬ美や自分と一緒に芝生を転がっただけだよね
言葉にしてみれば、何が楽しいのか分からない中身かもしれないでしょ?」

……確かに、そう言われてしまえば、その通りかもしれない

「でも、千早は楽しいと感じた」

そう、それでも私は、あの一時を心の底から楽しんでいたと断言できる

「……それはきっと、いぬ美が本心から千早と遊びたいと思ったから
本心から楽しいと思ったから
だから、千早も本当に楽しいと思えたんだと、自分は思うんだ」

いぬ美が楽しいと思ったから、私も楽しく思えた

……確かに、そうかもしれない

「人間同士でもそう、相手が本気で楽しいとか、悲しいとか思うから、自分も楽しいとか、悲しいと感じるし
逆に、自分が楽しいとか、悲しいとか、本気で想えば、相手にもそれが伝わって楽しいとか、悲しいとか、感じてくれる」

「でしょ?」

「……うん」

「そしてそれは、アイドルも同じ事だと思うんだ」

「……へ?」

なんでここでアイドルが?

「自分達アイドルのライブでお客さんが楽しんでくれる、喜んでくれる
それは、歌が上手いから? ダンスが上手いから?」

「勿論、それも重要な要素だと思うぞ」

「でも、観てくれる人に楽しんで欲しい、喜んで欲しい
そして、自分も心から楽しいと思う
そんな想いが伝わるから、観客の皆も、楽しいと感じてくれる
自分は、そう思ってるさー」

「だって本気の想いは、伝わるものなんだから」

「……」

「……」

「……ねえ、千早」

「……千早は、どんな気持ちで舞台に立ってる?」

「誰の為に舞台に立ってる?」

「……私は」

私は

「……そうか」

なにも…… 分かってなかった…… のか

――舞台を楽しんだ事は在る?

……いいえ、楽しいと、思った事なんて無かった

完璧で、完成されたパフォーマンスを見せる事こそが、アイドルとてしての仕事であり、それが全てだと、思っていたから

だから、楽しもうなんて思った事も無かったし、そんな余裕も無かった

――誰の為に、舞台に立っていた?

私が、舞台に立っていたのは……

そう、優の為
アイドルになったのも、歌を歌うのも、全て、優の為

目の前に居た、私を観てくれる人達を見ようともしなかったんだ

「……私、何やってたんだろね」

私を観てくれる人を見ようともせず
なんの想いも入って無いパフォーマンスを繰り返して

挙げ句、ランクが上がらないって落ち込んで
我那覇さんにも、事務所の皆にも迷惑掛けて

「……」

「……」

「ホント…… 大馬鹿だ」

観てくれていた人達への申し訳なさ
自分の馬鹿さ加減や、情けなさ
後悔の念が私を覆う

泣いたって、なんにもならない
それ以前に、私が泣く事自体お門違いなのに

それなのに…… 目頭が熱くなっている
そんな自分が益々嫌になってしまって

そこに

「ねえ、千早」

唐突に、それまで口を開かなかった我那覇さんが話し掛けてきた

「千早は、もう、分かったんだよね?」

「……ええ、今さらだけど、分かったと、思う」

「じゃあ、もう、大丈夫、だから」

そう言って、我那覇さんはハンカチを取り出し、私の目元を優しく拭う

どうやら、涙が出ていたらしい

「でも……」

「……でも、昨日には帰れない、だから、前だけを見て」

それは、私が最初に歌った歌……

「……違うのか? 千早」

「……違わない」

自分でも情けなくなる程の涙声だが、それでもなんとか言葉を返す
私自身が、その歌を否定するわけにはいけないから、絶対に

「うん…… だから、大丈夫さー」

そう言って、彼女は微笑む
いつもの太陽みたいな笑顔じゃない
私も初めて見る、優しくて柔らかくて、包み込まれる様な微笑みで

その微笑みを見ていると不思議と私の心は和らいでいって

「いつも、ありがと、我那覇さん……」

なんとか、精一杯の感謝を込めた言葉を、口に出来た

……そういえば、『いつも』なんだよね

漸く、落ち着きを取り戻した私は、そんな事を思った

思い返せば…… いや、想い返す必要も無いのだろう
だって、今まで何度と無く私は我那覇さんのお世話になっているのだから

生活能力が乏しかった私でも、今はそれなりの生活を送れているのは
他者とのコミュニケーションに隔たりが有った私でも、今では765プロの皆と仲間として付き合えているのは
歌唱しかアイドルとしてのスキルが無かった私でも、今ではそれなりにダンスもトークも熟せる様に成ったのは

今日だって、彼女はアイドルとして一番大切な事を、私にも理解し易い様に
受け入れられる様に、心を砕き手を尽くして教えてくれた

もし、彼女がいなかったら…… 想像すらしたくない

……だが、彼女の厚意を受ける度に思う事が在る

何故彼女はこんなにも親身になってくれるのか、と

私達の間柄は、詰まる処同じ事務所に所属するアイドルでしかなく
私自身としても誰かから愛されるキャラクターを持っている訳ではない…… 寧ろその反対なんだと思う

それなのに、何故彼女は――

一瞬の逡巡の後

「……ねぇ、我那覇さん、訊いてもいいかしら?」

「ん? なあに?」

「なんで我那覇さんは、こんなにも私に良くしてくれるの…… かな?」

結局、私は訊くという選択をした
自分でも何故訊きたいという欲求がここまであるのか、よく分からないまま

……あの一件以来、私は理由無き優しさや無償の愛というモノを信じられない人間になってしまった
だから、もしかしたら、理由を求めているのかもしれない
即物的でも良い、あやふやで目に見えない何かでは無い、理由というモノを

……或いは、単に、我那覇さんをもっと知りたいのかもしれない
彼女自身の事は勿論、彼女が私をどう思っているのか、も

「う~ん、なんで、かぁ……」

やや間を置いて我那覇さんが口を開く。だが、その声には困惑の色が見て取れる
やはり、問い自体漠然としている上に答え辛い類の物、だったと今更ながら思い始める

前言を撤回すべきかと考え始めた矢先
凛とした声が響く

「家族だから、だと思う。765プロの皆は自分にとって家族だから、だから自分が何か出来るならして上げたい
今までちゃんと考えた事無かったけど、多分、そうだと思うぞ」

……家族、か
我那覇さんらしい答えだと思う。765プロ全員を家族と言い切るのには流石に吃驚したけど
普段の彼女を鑑みれば自然な事なんだろう、家族という物に、彼女は特別な思いを持っているのだろうから

そして、それは私にも同じ事が言える

私も家族という物に特別な感情を抱いているから

ただ、我那覇さんの特別とは別の意味で…… だが
……そう、未だに嫌悪、失望、そして拒絶、そのどれでも在りどれでも無い感情を私は持ち続けている

だから、家族だから、という理由は嬉しい…… けど、それ以外の感情も確かに在る
そして、そんな感情を持ってしまう事にも又、自己嫌悪し
思わず唇を食む

だが、それと同時に頭が優しく撫でられ

「だけど、千早に対しては、それだけじゃないんだよね」

と我那覇さんは言葉を繋げた

「それだけじゃないって?」

心地良い感触に心が緩みながらも、聞き返す

「……うん、千早と初めて会った時」

「……この子は、独りで泣いているんじゃないかって」

「そう思ったんだ」

「だから――」

彼女の言っている事は、事実だ
確かに、あの一件以来、誰も居ない部屋で独り膝を抱え泣く事が、それこそ数え切れない程在った
今だにふと、思い出したかの様に泣いてしまう事も在る
でも、それは私の罪ので在り、誰にも触れられたくない私だけの罰でも在る

「だから―― カワイソウに思えて、世話を焼いてくれたのかしら?」

冷たく、無機質な声

あの頃と、同じ声

一瞬にして、私の心は変わって行く

……いや、戻ってる、のかもしれない
暗く闇い、悲しみと怒りで満たされたあの頃に

「やっぱり、ヤサシイね、我那覇さんは
ドウジョウしてくれたんだ、でも――」

なのに言葉は口を突いて出る

「我那覇さんに、私の何が分かるの?」

「確かに、765プロの皆は、私の家族の事を少なからず知ってるかもしれない
でも! 私の苦しみが! 哀しみが! 我那覇さんに分かるの?!」

酷い言葉だと、自分でも、分かる
それでも、私の口は壊れたレコードの様に、言葉を紡ぐ
彼女を傷付けている事を自覚をしながらも、私は迸る激情を止められない

でも、なんで私はこんなにも……

「同情なんて……!」

「我那覇さんだけには! そんな下らない感情で接して欲しくなかった!!」

ああ…… そうか、だからか、だから私はこんなにも……

「あっ……」

景色が滲み始めた
漸く、心の変化に体が追い付いたのだろうか

そして、ここに至って、漸く私の頭は冷え、自分の発言を回顧する
言ってはいけない事を、傷付けてしまう事を言ってしまった、それも、何度も
これまで何度も世話になっておきながら、最後には癇癪を起こして罵るだなんて

……本当に、最低だ

謝らなきゃいけない

それは分かってる、でも

なんて謝ればいい?
こんなにも酷い事を言い放っておきながら、どんな顔で、どんな言葉を掛けろというのか

怖い、本当に怖い!

俯き頭を垂れた私に、我那覇さんの表情を覗う事は出来ない
眉間に皺を寄せ怒ってる? 目尻を下げ悲しんでる?

……もしかしたら、泣いてるのかもしれない

それを考えると、心が震えてしまう
黙りこくっている場合じゃない、謝らなきゃいけないのに

なのに、どうして、私の口からは、声が、言葉が、出てくれない――

「実はね…… 自分、たーりーに会った事が無いんさー」

「……え?」

我那覇さんの突然の言葉に思わず顔を上げる

「まだ自分が赤ん坊だった頃に死んじゃったらしくて、写真だけでしか知らないんだ」

そう語る彼女の表情は、私にも見た事がないものだった
優しさと温かさのある微笑み、だけど今では無く過去を見詰めている様な、そんな気がする

それに我那覇さんが父親を早くに亡くしていたとは、思いもしなかった

そして漸く、本当に今更、自分が言い放った言葉の本当の意味を、重さを自覚した

「子供の頃は全然寂しさとかは無かったさー、たーりーが居ないのが当たり前だったし
そもそもたーりーという存在自体よく分かってなかったからね」

「……でも、小学校に入った頃からかな…… 自分以外の皆には、たーりーという存在が当たり前にいて
それに、自分もたーりーってどういう存在なのか、何となくだけど分かってきて」

「だから、その頃は、よく泣いてた」

「たーりーに会いたいって、本当に、凄く泣いてた」

「……」

「……」

……私と、同じだ
会いたいと、何度想い、何度涙しただろう

「……変だよね、会った事も、話した事もないのに
なのに、哀しくて、寂しくて、堪らなかった
もう絶対に会えない事は、子供の自分でも分かってたのに」

私も彼女も、大切な家族を失い
悲しいと、寂しいと、そして、会いたいと思い、涙を流していた
それも、私なんかより、よっぽど幼い頃に

「それでも…… 会いたいと、思ったさー」

その声に、胸が軋む
彼女は、努めて、過去を語る様に話しているのだろう
なのに、その声には、悲哀と、まだ喪いきれない切望が感じられて
涙が溢れて来る。私は所詮第三者に過ぎないのに

それでも、彼女の『会いたい』と言う言葉に、声に
自分の過去を、そして彼女の過去に想いを募らせずにはいられなかった

それなのに、私は、私は…… 彼女に、なんて言った……?

最低なんてものじゃない
自分の言葉の意味と重さに、体が震える
許して欲しい、なんて言葉、言えるわけ無い
私の発言はそんな範疇を遥かに逸脱してしまっている

だけど、謝らなきゃいけない、許されなくとも

自分でも、情けない程に体は震え、瞳からは涙が既に流れ始めている
それでも、体と心を抑え付け、声を出そうと必死にもがく

――なのに

次の瞬間、何故か私は撫でられていた、頭を優しく
勿論、撫でてくれているのは我那覇さんで

だけど私はどういう事なのか理解出来ず、思わず顔を上げ彼女を見詰めてしまう

我那覇さんの表情、それは……

ふんわりとした微笑みを湛えていた
先程までと違い、過去では無く、私を見据えて

そして、彼女は言葉を続ける

「けどね、自分が泣いてると、いつだってにーには、こうやって頭を撫でてくれた」

そう言って彼女は再び、優しく、ゆっくりと、頭を撫でてくれる

「あんまーは、こうやって抱き締めてくれた」

そして彼女は私の背中に手を回し、ゆっくりと、引き寄せ抱き締める

「にーにもあんまーも、何も言わなかったさー」

「ただ、撫でていただけ
ただ、抱き締めていただけ」

「……けど、たったそれだけの事で、いつも自分は泣き止んでた
温かくて、嬉しくて、たったそれだけで満たされた」

「……うん、忘れた訳じゃない、会いたいと願わくなくなった訳じゃない」

「それは、今だって変わらない」

「だけど、それでも、なんくるないって、思えたんだ」

「自分には、こんなに愛してくれる人が居るって、教えてくれるから
こんなにも温もりと幸せをくれる人が居て、その人達に自分も何かしたいって
それは泣き腫らす事じゃないって」

「それだけは、分かったから」

「……確かに、たったそれだけの事かも知れないさー
でも、多分、人って、それだけで良いんだと思うんだ
難しい事なんて要らなくて、ただ、撫でるだけでも、抱き締めるだけでも…… ね」

「――だから、初めて千早に会った時、何かしてあげたいって
こうやって頭を撫でて抱き締めてあげたいって、想った」

そうか…… だから、だったんだ
だから……

我那覇さんの胸の内を、想いを聞いて
駄目だ…… 涙が、止まらなくなってる
我那覇さんの手が、懐が、言葉が、温かくて嬉しくて、涙が溢れてどうしようもなくて

「ありがとう」

震えた声、自分でも恥ずかしい程の涙声
でも本当に、今の私にはこんな声しか出せなくて

「ありがとう」

それでも、もう一度言葉にする
本当に、嬉しくて温かくて幸せだから
恥ずかしくて情けない声でも、必死に声を出す、私の想いを少しでも届けたくて

彼女は何も言わなかったけど、ゆっくりと、頭を撫でてくれる

「それから…… 本当に、ごめんなさい。酷い事言って」

漸く、口に出せた謝罪の言葉
あんな事を言い放ってしまった以上、もう許されはしないと思っていた

……けど

我那覇さんはこうやって、今も変わらずに抱き締めて頭を撫で続けてくれていて
だから、甘えてしまう、許して欲しいと願ってしまう

「許して…… くれる?」

抱きつく力を少し強め、額を彼女の胸元に押しつける
まるっきり、母親に泣き着き駄々をこねる子供みたいだが、構うもんか

「……ふふ、許すも許さないも、そもそも自分、許さない、なんて一言も言ってないぞ、千早」

「確かに、悲しいとは思ったけど、自分もあの時、あんまーやにーににどうにも出来ない事を
言った事が有るから、言った千早の気持ちもなんとなく分かるし」

「言われた側の、あんまーやにーにの気持ちも、今になって、少し、分かった」

「気持ち?」

「うん…… 多分、悲しかったし、辛かったけど、それ以上に、どうにかしたいって思ったんじゃないかな
どうにも出来ない事なら、違う何かでどうにかしてあげたい、泣き止ませて笑顔にさせたいって」

「大切な人には、笑顔でいて欲しいから」

「……だからね、千早」

抱き締めてくれる力が少し強くなる
ムギュっと顔が胸に密着する
ドクンドクンと彼女の心音が良く聞こえて来る

いつか聞いた、懐かしい音が、聞こえて来る

「ごめんなさい、じゃなくて、笑顔がみたいなぁ
千早の…… 笑顔が、ね」

ああ…… もう、駄目だ、抑えられない

「ありがとう、我那覇さん
我那覇さんが言ってくれた事、すごく嬉しい
けど、ごめんなさい、今すぐ笑顔になるのは、ちょっと難しいみたい」

「……だから、もう少し、このままでいさせて
次に顔を合わせた時には絶対、笑顔でいるから
もう少し、このままでいさせて」

「ん、分かった
とびっきりの笑顔を待ってるさー」

「……だから、安心して、千早」

「千早は"眠り姫"なんかじゃないぞ
皆いるから、自分だっているから…… ね」

そう言って、彼女は私の頭を優しく撫でる

……ああ、そうか

私は"眠り姫"なんかじゃなかったんだ

助けを求めなくても、助けてくれる人がいた
独りで歩いてた筈なのに、手を繋いでくれる人がいた

ただ、気付かなかっただけ
ただ、見ようともしなかっただけで

「うん……!」

それを最後に、私は声を上げ、泣いた
あの時から、何度も何度も泣いた筈なのに、それでも、声を上げ、泣いた

そう、降り積もり澱んでいた何かが涙に変わり、ゆっくりと、流れ出して行く、そんな気がして




"Brand New Day"


――ああ、そうか

ヒトは皆、泣きながら生まれて来る
そして、母の胸の中で始めての温もりを知り、新たな世界への希望を見る

それは全てのヒトが享ける、新生へのイニシエーション

そう、今、私は、二度目のイニシエーションを
そして、新たな自分、"Brand New Day"を迎えようとしているのかも知れない
忘れていた温もりに包まれて、失ったはずの幸せに包まれて、そんな想いが私の中に広がって往く

だから、今だけは涙を流そう

泣いて泣いて涙を拭った先に在る、新しい自分を、最高の笑顔を
大切な大切な、この人に見せるために
今度こそ、手と手を繋ぎ走り出すために

今だけは、涙を流そう――

以上です。響の性格に違和感? アニマスの影響なのか単なるアホの子扱いされてますが
愛情深くて母性的で、ちょっとチョロくてアホの子だけど、根幹はしっかりしている、そんな感じですよ響は絶対マジ結婚したい
あと、はるちはひびたかも良いけど、ひびちはも良いんです。境遇は似てるけど性格は反対な処とか捗ります

それでは、これからもひびちはを、ヨ・ロ・シ・ク!!

ひびちはは始めて見たなー

完璧でした。次も期待しとります!!

おつ
すごく良かったよ

ただ「漸く」って言葉を使いすぎな気がします

朝から良いものが読めた。乙!

おつ

乙乙

面白かったよー。ひびちはもっと増えてほしいな。

レスありがとうございます
そのうち、このSSの続編か前日談を書いて投下する予定なので、その際はよろしくお願いします
ひびみきSSも書いているので、併せてそちらについてもよろしくお願いします。実はひびみきも良いんですよ

それじゃあ、HTML化の依頼に行ってきます ┗(^o^ )┓三

>>49
スレタイは?

>>50
全くの未定です。正直、プロットも何も浮んでない状況なので
その上、とんでもなく遅筆なので、書き終わって投下出来るのも数ヵ月先になるかと

>>51
まだ投下してないのね、さんくす

素晴らしいでえ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom