スーパーロボット大戦G (330)

西暦2114年、地球人類は滅亡の危機へと晒された。

謎のケイ素生命体、フェストゥムの登場によって、地球の人口はおよそ半分まで減ってしまったのである。
しかし、人類は謎多き生物の侵攻と戦い、多くの悲劇と共に時代は進み、いつしかフェストゥムは、その活動を何故か突如として休止した。

そうして十年に及ぶ苦難の時代を一時的に乗り越えた人類は、新たな人類の秩序の集合体として地球連合を結成した後、西暦の次の新たな暦――コズミック・イラ(C.E)から始まる、宇宙開拓時代へと歩みを進めたのである。

人類は宇宙へと適応する新人類を生み出すべく、遺伝子操作によって従来の人間を遥かに超える優秀な存在――コーディネイターを誕生させた。
宇宙へと進出したコーディネイターたちは、地球の支配下にあるコロニー――プラントを創設、この頃から、遺伝子操作を介さない純粋な人類――ナチュラルと、コーディネイターは対立の始まりを見せていた。

しかしながら、その対立の傾向も一時的に止められることとなる。またも人類の敵、フェストゥムがその活動を再開したからである。
その圧倒的な戦力で地球やプラントを襲う敵に、人々は対立を忘れ、一つとなって戦った。

そうして戦いを続け、C.E.22年、北極圏に存在していた敵の中枢――地球上のフェストゥムたちを統括し、彼らの脳とも言うべき存在、コアを破壊することに人類は成功。
敵の残党との戦いは以後も続くも、人類はもう一度安寧の時代を迎えることとなった。

だが、その三年後――C.E.25年、地球側とプラントの交渉の席での爆破テロをきっかけとし、プラントの農業用コロニー「ユニウスセブン」が、地球軍側の核ミサイル攻撃の報復によって壊滅。
のちに血のバレンタインと呼ばれた事件により、急激にナチュラルとコーディネイターの対立は進み、地球連合とプラントの戦争が始まってしまう。

ナチュラルとコーディネイターの戦争とも言われるこの戦いは、当初、数で圧倒的に勝る地球連合の勝利が予想されていたが、多くの要因が重なり、連合は激しく消耗、戦いは長引くこととなってしまう。

突然に木星方面から現れた、木星蜥蜴と呼称されるエイリアンによる攻撃が開始、火星や月の裏側は制圧され、さらには木星蜥蜴はプラントと同盟を結び、地球各地にチューリップと呼ばれる母艦を降下させ、連合は一気にいくつもの領土をプラント・木星蜥蜴同盟に奪われてしまう。

そこへ追い打ちをかけるように、C.E.26年――外宇宙、木星方面から新たに登場した謎の異星人――のちにウルガルと正式に名称が発表された――が侵攻を開始、彼らは木星蜥蜴と共に幾度も宇宙にあった連合の基地を攻撃、勢力を拡大していき、地球側の勢力圏は一部の宇宙ステーションと地球全土の半分のみとなってしまった。

フェストゥム、プラント、木星蜥蜴、ウルガル。この四つの勢力との争いで、地球は大きく損耗し、果てのない戦いが続いていた。それでも、今日も世界は一日を迎える。新たな希望の生まれる、その日まで。

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地球圏 地球連合所属 宇宙ステーション スターローズ――MJP グランツェーレ スターローズ支部

スズカゼ「…チームラビッツ。今日の訓練結果も最低だったわ。何か言うことはある?」

アサギ「……スズカゼ教官、チームを変えてください。こいつらと一緒に戦うのは無理です」

スズカゼ「」ピシッ!

ラビッツ「」ビクゥ!

スズカゼ「アサギくん。その根拠は? レポートにまとめて提出しなさい。他のメンバーも、今回の訓練成績の原因を分析して同じく提出。三十分後に」

タマキ「えーっ!?」




地球連合所属 MJP機関 食堂

スルガ「ったく、アサギのせいだぞ。どーしてくれんだよなー」

アサギ「しょうがねぇだろ。っつか、訓練に負けたのが悪い。それもこれも全部お前らのせいだ」ムスッ

スルガ「自分のせいだとは思わねーのかねぇ。一人でバンバン突っ込んでいきやがって。それにつられてタマキとイズルまでやられたんだろー?」

アサギ「よく言うよ、このスナイパー気取りが。演習だってのに実弾込めやがって。違反だろあれ」

スルガ「あのなぁ。弾頭ちゃんと見とけよ、あれがペイント弾だってことくらい、入りたてのやつでも分かるっつーの」ヘン

アサギ「なんだと!」ガタッ

ケイ「よしなさいよ。…ほら、レポート仕上げないと、また罰則よ。あんたたちの巻き添えはもうゴメンだわ」ハァ

イズル「」スラスラ

ケイ「少しはイズルを見習えば? ほら、もう書いて…る」

イズル「? あ、どうこれ? さっき閃いた新しいキャラクターなんだけど」ニコニコ

ケイ「……」ハァ

イズル「あれ?」

スルガ「ったく、よくもまぁマンガなんて描いてられるよなー。この状況でさー」

ケイ「呆れるわ」

アサギ「レポート書けてるんだろうなお前……」イガー

タマキ「ううー……」フラフラ

スルガ「おっ、どうだったよ?」

タマキ「フラれたー…彼女いたー」グヌヌ

ケイ「あんたねぇ…ちょっと助けてもらったからって、すぐに告白に行く人がいる?」

タマキ「運命感じたもん! お姉さん、いつもの!」

シオン「はいはい。ほい、塩辛と白飯」トンッ

スルガ「あ、お姉さん! この後で最新鋭のMF-86の発表会を見に…」

シオン「悪いけど、私忙しいからー」スタスタ…

スルガ「……ちぇー」

アサギ「……はぁ、緊張感のないな。ここを出たらどこも戦場だってのに」

ケイ「…また木星蜥蜴に部隊が壊滅させられたそうね」

スルガ「フェストゥムも、一部の地域だけに現れるとはいえ、被害がひでぇってな。例の交戦規定アルファってやつ、何度も発令されて、味方の損耗が激しいんだと」

アサギ「おまけにプラントとの戦いは泥沼、さらには謎の宇宙からの侵略者に、日本の加藤機関とかいうのが、最近は世界中で事件起こして世の中を混乱させてるときた」

スルガ「俺たちもそのうち実戦に送られるのかねぇ」フー

ケイ「まさか、私たちまだ訓練生じゃない。それに、私たちはウルガルとの戦争だけでしょ、やらされるのは」

タマキ「ふぅん。あたしの恋が実るのと実戦、どっちが先かなー」

イズル「大丈夫だよ、いつかはうまくいくって。きっと」

タマキ「いつかっていつなの? それって近いの、遠いの?」

イズル「ええと…」

アサギ「曖昧な答えは逆効果だっての」

スルガ「ホント、女心ってのが分かってねーな」

ケイ「意味もなく励まさないでよね」

タマキ「ばかあほおたんちん」

イズル「ええー……」



地球圏 アークエンジェル――格納庫

キラ「……」

トール「キラ! 大丈夫か、キラ?」

キラ「トール、皆……」

ミリアリア「大丈夫なの? アルテミスを出てからずっと格納庫にいるって聞いて、心配で…」

キラ「大丈夫、だよ。いつまた敵が追ってくるか分からないし、なるべくはここにいた方がいいだろうと思って」

トール「だからって、メシも食わないでいたら倒れちまうよ。ほら、行こうぜ」

サイ「そうそう。さ、行こう。疲れたろ?」

キラ「でも……」

ムウ「行ってこいよ、キラ」

キラ「フラガ大尉……」

ムウ「休めるときに休めって。そうじゃないと、もしものときに皆を守るのは俺とお前の二人だけだし、いざってときに力が出ないんじゃ困るだろ?」

ムウ「――それに、友達を心配させてやるなよ」

キラ「! ……そう、ですね、そうします。すみません…行こう、皆」

スタスタ…

ムウ「……ふぅ、ありゃ相当きてるな」




キラ(ほんの数日前まで、僕たちは、連合とプラントと中立の立場を取るオーブのコロニー「ヘリオポリス」で、連合とプラントの戦争なんて関係なく、平和に暮らしてた)

キラ(ところが、急に現れた連合とプラントの軍――ザフトとの戦いが起きて、全て変わってしまった)

キラ(連合のためにオーブが内密に建造していたこの艦――アークエンジェル、それにモビルスーツ五機を受け取りに来た連合から、その情報を手に入れたザフトが奪いに来て)

キラ(モビルスーツのうち四機は取られて、なし崩し的に僕がそのうちの一機――ストライクに乗ることになり、「ヘリオポリス」は崩壊して、僕たちは今、追ってくるザフトから、コロニーの避難民たちを艦に乗せたまま、必死に逃げている)

キラ(どうしてこんなことになったんだろう……僕は、争いから逃れたかったはずなのに。どうして、こんなところにいるんだ)

キラ(逃げ出したくなる気持ちでいっぱいになるけど、でも、この艦には友達が乗っている。僕に彼らを見捨てることはできない。戦うしかない)

キラ(でも、だからって、できることなら戦いたくない。ザフトには、昔別れた親友が――アスランがいた。僕に、アスランを撃つことはできない。いや、したくない)

キラ(このまま、逃げ切れれば――)




ビーッ!ビーッ!

トール「! 警報!?」

ミリアリア「嘘、もう追いついたっていうの!?」

キラ「……っ!」バッ

サイ「キラ!」

トール「……キラは自分の戦場に行った。俺たちも急ごう!」タタッ

ミリアリア「…うん!」タタッ

サイ「くっ……」

フレイ「サイ!」

サイ「フレイ! どこかに隠れてて!」

フレイ「ねぇ、これ何!? また戦いが始まるの? 私、もうイヤよ!」

サイ「フレイ! …大丈夫だよ。俺たちのこと、キラがきっと守ってくれる。俺の友達のこと、信じてやってくれ」

フレイ「キラが…?」

サイ「ああ。とにかく、揺れるかもしれないから、何か掴まれる物の傍にいるんだ!」タタッ

フレイ「サイ! ……置いてかないでよ」




地球圏――地球連合 月面基地近くの宙域

ドーン!

マリュー「どうなっているの! 状況は?」

ナタル「現在、攻撃を受けています! …敵影を確認したところでは、例のウルガルと思われます」

マリュー「なんてこと…もう少しで地球へ到達するっていうのに…!」

ナタル「いかがされますか?」

マリュー「ここまで来て、諦めるわけにはいかないわ! ストライクとメビウスの発進を!」

ムウ『こっちは準備オーケーだ!』

キラ『僕も、行けます!』

マリュー「ごめんなさい、キラくん。もう少しで、連合の拠点に到着するわ。そこまで、あと少しだけ、力を貸してちょうだい」

キラ『分かってます。僕が、やりますから』

ミリアリア「X-105ストライク、発進、どうぞ!」

キラ『キラ・ヤマト! ストライク、行きます!』ガコッ

A・ストライク「」ギューン

ムウ『ムウ・ラ・フラガ! メビウス、出るぞ!』ガコッ

メビウスゼロ「」ギューン!




マリュー『あくまでも敵を殲滅することではなく、この場を切り抜けることを優先します! ストライクとメビウスは、アークエンジェルの護衛に徹してください。進路上の敵のみの撃破を優先して!』

ムウ『了解! …やれるか? 坊主』

キラ「…大丈夫です。あれが、ウルガルですか」

ムウ『おうともさ。数ヶ月前に突如として現れた、謎の侵略者ってやつさ。同じ人間相手じゃないから、まだ気持ちが楽だけどな』

キラ(侵略者が来てるっていうのに…どうして戦争なんてするんだ)



アスラン『キラ…! どうして俺たちが戦わないといけないんだ……!』

キラ(アスラン、君が軍人になったのは、連合もプラントも関係なく、ああいう敵と戦うためじゃないのか……?)

ムウ『キラ! 来たぞ!』

キラ「!」

ウルガル機「」ギューン

キラ「くっ…」ガコッ

A・ストライク「」ピシュッ!

ウルガル機「」サッ

キラ「! 早い!」

ムウ『チッ、補給もままならなかったってのによ…!』ガコッ

メビウスゼロ「」オールレンジアタック

ウルガル機「」チュドーン!

ムウ『うし、まずは一機!』

マリュー『対空戦闘用意! 近付いてくる敵だけを狙って!』

アークエンジェル「」ドドドドドッ…!




A・ストライク「」ピシューン!

ウルガル機「」チュドーン!

ウルガル機「」ギューン!

キラ「くっ、次から次へと……!」

ムウ『…そろそろ弾もエネルギーもやばい。くそ、このままじゃ……』

ナタル『艦長! 敵の包囲網が狭められていっています! このままでは完全に…!』

マリュー『くっ……』

ピピッ!

マリュー『っ! 何!?』

ミリアリア『つ、通信です! これは…えっと、地球連合の識別信号です! コードは…M、J、P……?』

???『こちらは地球連合所属、MJP機関、シモン・ガトゥ司令だ。これよりアークエンジェルの援護をする』ピピッ

マリュー『MJP機関……?』

ミリアリア『こちらの方へと接近する機体が複数! どれも連合の識別信号です!』

マリュー『――ガトゥ司令、救援に感謝します。キラくん、フラガ大尉、友軍と協力してこのままアークエンジェルの撤退の支援を!』

キラ「は、はい!」

レッドファイブ「」ギューン!

ムウ『来たか…あれは、ハイモブ? いや、違うな…だけどザフトの連中が使うモビルスーツとも少し違う…見たことない機体だ』

キラ(……どんな人が乗ってるんだろう…)

イズル『ええと、よろしくお願いします!』ピピッ

キラ「え……!」

ムウ『って、おいおい、まだ子供じゃないか!』

マリュー『なっ……!』

スルガ『あー、やっぱ、俺たちみたいな訓練生じゃ無理だって…こんなリアクションされてるし』

アサギ『バカ、命令なんだぞ。ちゃんとやらないと…!』

タマキ『アサギってばさっきまで逃げそうになってたくせにー』

アサギ『あれはアッシュが勝手にやったんだ! 俺じゃない!』

ケイ『……はぁ』

キラ(だ、大丈夫なのか…?)

イズル『皆、大丈夫だよ! こんなすごそうな最新鋭機を渡されたんだし、汚名挽回のチャンスだと思えば…!』

キラ「……えっと、それを言うなら汚名返上だと…」

イズル『え?』

スルガ『おお、イズルにツッコミを入れられるやつがここにもいた!』

タマキ『もしかしてザンネンな人なのら?』

キラ「え、ええ?」

ムウ『……あー、坊主ども。とりあえず、敵が来てるから、お喋りはここまでな。ムウ・ラ・フラガ大尉だ、実力の程、拝ませてもらうぜ!』ガコッ

メビウスゼロ「」ギューン!

イズル『は、はい! よし、頑張ろう、皆!』オー!

アサギ『……やらないからな、それ』

イズル『あれ?』

キラ(ほ、ホントに大丈夫なのか…?)

いったんここまで ほぼ思いつきと勢いのみで始めました たぶん途中で終わる

とりあえず参戦作品
マジェプリ 種 ファフナーexodus ナデシコTV版 ラインバレル(原作漫画) に真マジンガーとかSKL辺りを足した風になるかと思われます

こんなラインナップのエーアイスパロボが見たいだけです 
もちろんGは遺伝子(gene)と重力(gravity)のG GレコのGでもGガンダムのGでもありません 続きはまた明日にでも




イズル『ええいっ!』

レッドファイブ「」ピシュッ!ピシュッ!

ウルガル機「」チュドーン!

アサギ『これで、終わりか…』ハァ…ハァ…

スルガ『す、すげー…俺たちだけで、マジで追撃部隊全部倒しちまった…』

ムウ『こりゃ驚いた…まさか、ここまでとはな…いつの間に連合はこんな機体作ったんだ?』

マリュー『……これで、今度こそ…』

ビーッ!ビーッ!

ミリアリア『! 待ってください! 新たに後方より熱源を探知! 新手です!』

マリュー『なんですって!』

緑のウルガル機「」ギューン!

キラ「あれか…さっきまでのより一回り大きい……!」

ムウ『敵のエースか!』




???『(さぁーて。新たなラマタはどんな味かしら? まさか斥候を全部倒すなんて…見上げたのもいるじゃないの)』フフフ

ピピッ

???『(んもう、誰よ、今から楽しもうってときに…)』

???『(ラダ。ずいぶんと面白そうなラマタを見つけたようじゃないか)』

???『(ぷ、ぷぷぷ、プレエグゼス・ジアート様!)』アワワ

ジアート『(一つ私に譲ってはくれんか? せっかくの新たな狩場。その始めにはあれらはなかなかよさそうだ。……譲らぬということであれば、こちらにもそれ相応の…)』

ラダ『(め、めめめ、滅相もございませんわ! あ、あらやだ、あたしったらもう、カートリッジが切れそうですわ。これはもう今すぐに帰らなくては、では!)』




ラダ機「」ギューン!

ミリアリア『て、敵、後退しました!』

イズル『どうしてだろう?』

タマキ『きっとビビったのらー!』

ケイ『どうしたらそんなこと自信満々に言えるのかしらね……。っ! 違うわ、入れ替わって別の機体がこっちに来る!』

アサギ『何!』

ジアート機「」ギューン!

ミリアリア『新たな敵機、先ほどの機体の五倍近くの速度で迫ってきてます!』

キラ「なんだあの速さは…!」

ムウ『おいおい、敵さんはどういう推進剤使ってんだよ…』

イズル『まるで鳥みたいだ…』

マリュー『敵とこちらの距離はまだある! 全速力で逃げ切るわよ! 余計な消耗は避けないと!』

ムウ『そりゃそうだ! うし、行くぞ、坊主ども!』

イズル『了解! ……あれ、どうしたんだ?』ガコッ

アサギ『何してんだイズル! 撤退だ!』

イズル『待って、機体が動いてくれなくて…』

レッドファイブ「」ピピッ!

イズル『! レッドファイブ? いったい……っ!』

キラ「どうしたんですか?」

イズル『あ、あの、あれです! 敵のいる方向!』

ムウ『デブリ帯か? それがどうしたって…』

ケイ『待ってください。パープルツーで情報を集めます……っ、これって…』ピピピッ

ポッド「」フワフワ

ムウ『脱出ポッドだと!?』

ケイ『大変、中に人がいるわ! 熱源が一つ探知できる…!』

キラ「! 中に人が……!?」

ムウ『おいおい、なんてこった…』

イズル『早く助けないと!』

アサギ『待て! このまま助けに行ったら、あの敵とぶつかるぞ!』

スルガ『あんな目で追うのがやっとなくらい速いやつと戦うなんて、絶対やばいって!』

タマキ『でもー、そしたらあのポッドの人はどうなるの?』

ケイ『…敵に見つかれば命はないかもしれないわね』

ムウ『どうする、艦長! 相手はかなりの手練っぽいぜ! よしんば救助に行っても、増援がその間に来るかもしれないが』

キラ「……」

ナタル『艦長、ここは…!』

マリュー『……撤退します』

キラ「!」

マリュー『私たちの現状では、これ以上増援が来てしまったら、このまま安全圏までの脱出も不可能かもしれません。…この艦には、大勢の民間人を乗せています。たった一人のために、危険に晒すわけにはいかないわ。…悔しいけど』

ムウ『……そうか、あんたがそう判断するなら、俺は従うだけさ。よし、行くぞ、お前ら。撤退だ』

アサギ『……』

スルガ『……』

タマキ『……』ウーン…

ケイ『……』

キラ(……確かに、マリューさんの言うことは、その通りだ。アークエンジェルにはトールたちだっているんだ。今のうちにできるだけ逃げないと……。仕方ないんだ、僕には、どうにもできないんだから…)

イズル『――なんて、イヤです』

キラ「え……」

ケイ『イズル……?』

イズル『見捨てるなんて、イヤです!』

ナタル『急に何を…! これは命令だ、レッドファイブ。こちらの指示に従え』

イズル『まだあそこに人がいるんです! それを見捨てるなんて…!』

アサギ『バカ! 考えろ、相手はあの白いやつだけとは限らないんだぞ。すぐに敵の増援が来る可能性だってある、それに弾薬もエネルギーもかなり使ってるし、さすがに俺たちだけじゃ無理だ。もう一回さっきみたいに大勢が来たら、戦えないだろ!』

ケイ『いくらなんでも無理よ』



イズル『……無理しないと――ヒーローにはなれないだろう!』

キラ「ヒー……ロー?」

ナタル『な、何を言って……!?』

タマキ『えー、イズルのキャラじゃないのらー』

スルガ『その熱血はどっから来たんだよ』

アサギ『お前そんな熱血って性格じゃないだろ…』

ケイ『ヒーローになるって、あれ本気だったの…』

ムウ『―――く、ははっ……なんだそりゃ。ヒーローって』

イズル『え、あれぇ?』

ムウ『でも、気に入ったぜ、ヒーローか。そうだよな、男ならやっぱ、それくらい目指さないとな』フッ

マリュー『フラガ大尉!?』

ムウ『どっちみち、あいつは俺たちを追撃してくるんだ。ここで叩かないと、いつまでも追いかけっこになる』

イズル『フラガ大尉……!』

ムウ『ムウでいいぜ。言ったからにはやるぞ、ヒーロー志望くん?』

イズル『はい!』

キラ「ヒーロー……」

ムウ『おっと。キラ、お前はどうするんだ?』

キラ「ぼ、僕は……」

キラ(僕は、どうしたんだ? さっきは、トールたちのことがあるからって、あのポッドを見捨てることを考えた。でも、できるなら助けたい。そんなの、当たり前のことじゃないか……だけど、僕は…)

イズル『……あ、あの』

キラ「?」

イズル『よければ、あなたも一緒にヒーローになりませんか? すっごく操縦技術が高いの、動きを見てればはっきりと分かるし。きっと、あなたなら、ヒーローになれますよ!』

キラ「僕が……ヒーロー…」




アスラン『どうしてお前が! ナチュラルの味方なんてするんだ! 誰のために戦うっていうんだ!』



キラ(アスラン…僕は、友達を助けるために戦ってきた…! でも、たぶん、それだけじゃないんだ。目の前で誰かが危険な目に遭ってるなら、ナチュラルもコーディネイターも関係ない。助けたいって思うのは当然のことじゃないか! だから、僕は…!)

キラ「…はい。僕も、戦います!」

イズル『! お願いします! ええと…』

キラ「キラです。キラ・ヤマト」

イズル『じゃあ、ええと、キラさん! 頑張りましょう!』

アサギ『…なんかヒーローバカが増えたぞ』

タマキ『ばかあほおたんちん! なんでもー戦うの決定してるのらー!』

スルガ『……まぁ、もうあの白いのすげぇ近くに来ちまってるしなぁ』

ケイ『…このタイミングで逃げても、間違いなく逃げ切れないわね』ハァ

イズル『皆! 僕らなら大丈夫だよ! 確かに僕たちだけじゃ、ザンネンファイブで失敗したかもしれないけど! でも、今日は二人も助っ人がいるんだから!』

アサギ『どうしたらそんな前向きでいられるんだ…来るぞ!』

マリュー『ちょ、あなたたち!』

シモン『敵が接近している以上、迎撃をするしかない』ピピッ

マリュー『ガトゥ司令!』

スズカゼ『シモン司令…しかし、これでは』

シモン『問題ない。例のシステムが正常に働いてきている。これならば…』




ジアート『(どれほどのものか…試されてもらうぞ、原生種族よ!)』

ジアート機「」ギューン!

アサギ『は、速い!』

ジアート機「」ズバッ!

ブルーワン「」キーン!

アサギ『くっ、剣を受け止めるので精一杯だ…!』

スルガ『…っ、うまく避けろよ、アサギ!』カチッ

ゴールドフォー「」首← バンッ!

ジアート機「」サッ

スルガ『後ろに目が付いてるってのかよ!』

タマキ『速さなら負けないもん!』ガコッ

ローズスリー「」ギューン!

ムウ『そのまま追い込め! 見せてやるよ、避けられないオールレンジ攻撃ってやつを!』カチッ

メビウスゼロ「」オールレンジコウゲキ

ジアート『(ふっ…)』

ジアート機「」サッ

ムウ『おいおいマジかよ…! 自信無くすぜ…』

キラ『くっ、そこっ!』カチッ

A・ストライク「」ピシュッ!

ジアート『(当たりはしない!)』

ジアート機「」バラララッ!

A・ストライク「」チュドーン!

キラ『うわぁっ!』

イズル「キラさん!」

ジアート『(余所見をしている時間は与えんぞ!)』

イズル「くっ…」

レッドファイブ「」ピシュッ!ピシュッ!

ジアート機「」サッ

ジアート機「」ザンッ!

レッドファイブ「」ドゴォッ!

イズル「うわ!」

ジアート『(…つまらんな、こんなものか)』ハァ

アサギ『くそ、とんでもない腕してやがる……』

スルガ『一機だけだってのに…マジでやべぇかもな、これ』

タマキ『あんなちっこいのに速くてズルいのらー!』

ケイ『どうすればいいの…』

ムウ『チッ……』

キラ『く、うう…』

イズル(こいつ、すごく強い……! 皆も、動きが鈍くなってる…このままじゃ、やられてしまう。死ぬ、のか? 僕たち…)

ポッド「」フワフワ

イズル(…ダメだ! ここで僕たちが負けたら、あの艦に乗ってる人たちも、あそこの脱出ポッドの人も、皆死んでしまう! 僕の知ってるヒーローは、こんな状況でも諦めないで戦うんだ! 絶対に負けないために!)

イズル(――そうだ、戦え。逃げるな、戦え、戦え、戦え……!)




  特殊能力発動
――JURIA SYSTEM――


イズル「――はあああっ!」ガコッ

レッドファイブ「」ギューン!

ムウ『!? おい、一人で突っ込むな!』

キラ『……っ! 僕がフォローを!』ガコッ

A・ストライク「」ギューン!

ムウ『キラ!? ……急に熱が入ったな、あいつ』

ジアート『(ほう…まだ向かってくるか。そうこなくてはな!)』ニヤァ

ジアート機「」バララララッ!

レッドファイブ「」サッ

アサギ『速い…!』

スルガ『イズルのやつ、なんか急に強くなってねーか?』

タマキ『いつものボケボケしてるのとちがーう!』

キラ『すごい…!』

イズル「よし、これなら…やれる!」

ジアート『(まだこれくらいはできるか。……ならば、これはどうだ!?)』

ジアート機「」ギューン!

キラ『速度がまた上がって…!』

ケイ『! イズル、右!』

ジアート機「」ドゴォ!

イズル「しまった、武器が…!」

レッドファイブ「」ピピッ

イズル「!? 機体が勝手に武器を要請してる…!? そうか、これなら!」

マユ『HEPキャノン、セット!』

ダン『最大出力で発射!』

ピット艦「」バシュッ!

ジアート『(む…? ふん、武器の追加か、くだらんな!)』

ジアート機「」バララララッ!

ケイ『! いけない、キャノンが狙われてる!』



キラ『――させる、もんかああああっ!』キラキラバシューン




  特殊能力発動
  ――SEED――


A・ストライク「」ビシュッ!

ジアート機「」チュドーン!

ジアート『(何!? バランスが!)』

イズル「! 今なら、キャノンを!」

レッドファイブ「」パシィ!

イズル「やああああああっ!」

レッドファイブ「」バララララララッ!

ジアート機「」チュドーン!

ジアート『(くっ……!?)』

イズル「このままチェーンソーモードで…斬る!」

レッドファイブ「」ヂュイイイイイイッ!

ジアート『(!)』

ジアート機「」ザンッ!

ムウ『やった! 一撃確実に浴びせた!』

ジアート『(……ふ、くくく…おもしろい。お前たちの姿は覚えた。また狩場で会おう、我がラマタたちよ…!)』

ジアート機「」ギューン!

ケイ『敵、ウルガル機…完全に撤退……』

タマキ『……勝っちゃった…』

アサギ『……』

スルガ『マジかよ…』

キラ『……はぁ、はぁっ…』

イズル「か、勝ったん、だ……?」ボー

ピピッ!

ムウ『ああ、勝ったんだ。…よくやったな、ヒーローくん?』

イズル「! ヒーロー…」

ムウ『ああ。まったく、驚いたぜ。こりゃ「エンデュミオンの鷹」も名折れだな』ハハッ

イズル「ヒーロー…そっか、ヒーロー」エヘヘ…

キラ『えっと…?』

マリュー『……私語はそこまでにして。キラくん、脱出ポッドは確保できる?』

キラ『は、はい! 行きます』ガコッ




ジークフリート「敵は完全に撤退したようです。ウルガルの撃退、成功しました」

スズカゼ「そう…機体の状態は?」

レイカ「うーん…かなりボロボロねぇ。いや、相手のエースっぽいのが凄腕すぎたっていうのもあるけど…」

スズカゼ「だ、そうです。シモン司令」

ゾリグ『まさか、本当にウルガルを撃退するとは…!』

シモン「結果はご覧の通りです。…これで結果はお見せできました、ヘスター事務総長」

ヘスター『…まぁ、いいでしょう。ですがシモン、この研究への投資は、あくまでもフェストゥムに対抗するための新たな力の開発が目的。それを忘れないように』

シモン「承知しています。そのために、ファフナーのデータの一部を、アッシュの開発のためにご提供いただいたのですから」

ヘスター『ならばよろしい。…地上で記者会見を開くとしましょう。アークエンジェルの存在を隠すためにも、彼らには、盛大に表に出てきてもらう必要があります』

プツッ!

スズカゼ「シモン司令……」

シモン「…装置は――ジュリアシステムは問題なく稼動したな?」

レイカ「はい。正直、予想以上のデータが出てます。例のプロジェクトも、これなら間に合うかもしれません」

シモン「敵はウルガルだけではない。我々には多くの戦う相手がいる」

スズカゼ「では……」

シモン「…記者会見の後、チームラビッツを派遣する。シュリーナガルへ、な」

とりあえずここまで やっぱり戦闘シーンは台本形式では無理があるようです
本家っぽいノリでやってみても、微妙だったかもしれません あと二、三話くらいは考えているので書こうと思います
三次Zが出たくらいからスパロボをやり始めたものだったので、まさかもうGがあるとは露知らず ぴったりだと思ったのに…

ではまたいつか

始める前に少し修正

>>8>>9の間にちょっと入れます



地球連合所属 MJP機関――司令室

シモン「」ピッピッ

シモン「……数値としては問題はない、か」

ピピッ

???『やぁ、どうもどうも』

シモン「石神か」

石神『そろそろ、例の時間になる頃ですから。…たぶん正式な命令もぼちぼち来るんじゃないですかね。…準備、どうです?』

シモン「とりあえず形にはなった。後は本番で試すしかない」

石神『アーレア・ヤクト・エスト、というわけですな』

シモン「そうだ。賽は投げられた。我々にできるのは――」

石神『子供たちの助けだけ、ですか。…では、また後で。例の件、そろそろ真壁司令にも話を通しとかないと』

シモン「ああ、任せる。私の名を出せば、真壁もとりあえずは聞いてくれるだろう」

プツッ!

シモン「……ジュリア、そろそろだ」

地球連合所属 MJP機関――スズカゼの部屋

スズカゼ(…チームラビッツ)ピッピッ

スズカゼ(……個々の実力は問題なし。ただし、チームでの成績は最低、と。はぁ、連携さえできれば、どのチームにも負けないはずなのに…前途多難ね)

ピピッ

スズカゼ「はい?」

シモン『スズカゼ少佐。こちらに来てくれ』

スズカゼ「……任務ですか?」

シモン『……とうとう、あれを起動させる日が来た』

スズカゼ「! ……了解しました、そちらに参ります」

プツッ!

スズカゼ(……時間は待ってくれない、か)



修正終了で 失礼しました




地球圏近く――ゴディニオン

キラ(戦闘が終わって、僕たちは連合から派遣されたらしい部隊の人たちの母艦から、補給を受けることになった)

キラ(マリューさんによると、まだ僕たちは下ろしてもらえないらしい。助けに来てくれた部隊の人たちも機密の存在らしく、乗せてもらうことはできないそうだ)

キラ(とにもかくにも、僕とトールたちの手で、補給物資を積み込むことになった。もう少しで、アークエンジェルを送る予定の艦隊と合流できるから、ほんの二、三日も待てばいいらしいけど…)

トール「キラ?」

キラ「え? ああ、ごめん…何?」

ミリアリア「ホントに大丈夫? やっぱり、アークエンジェルで少し休んでた方が…」

キラ「いいんだ。それに、さっきの人たちにお礼を言いたかったし」

トール「俺たちとそう変わらない年齢っぽいんだっけ? どんな人なんだ?」

キラ「ええと…どう言えばいいのか……」

ムウ「んなもん会えば分かるだろー? ほれ、手を動かせ、手を」

トール「っとと、すみません」ガサゴソ

キラ「……あ、あの人たち…」

イズル「ええと、お疲れ様です」スタスタ

ムウ「おう、お前らか。さっきはありがとよ、おかげでどうにかなったぜ」

タマキ「い、いえいえ! ふわぁ…かっこいいー」キラキラ

ケイ「また悪い病気が始まった…」フー

アサギ「あ、あの『エンデュミオンの鷹』と呼ばれるフラガ大尉にお褒めいただいて、むしろその、えっと恐縮であります」カチコチ

スルガ「アサギ緊張しすぎだっつの」ケラケラ

アサギ「う、うるさい」デコピン

ムウ「はは、しっかし、お前らみたいなのが連合にいたとはな…あれだけの腕してて、どうして噂にも聞かなかったかねぇ」

イズル「あ、ええと、僕たち、まだ訓練生で…」

ムウ「なるほど士官候補生ってわけか。いやはや、こういうパイロットが育ってるなら、ウチもまだまだ捨てたもんじゃないな」

キラ「……」

イズル「あ! ええと、あの、キラさん、ですよね」

キラ「は、はい……」

イズル「さっきはありがとうございました、あの援護がなかったら、あいつに勝てなかったかも…」

キラ「そんな…その、僕はただ、ちょっと気が大きくなって、何が何だか分からないままに操縦しただけで…」

イズル「そんなことないですよ! 動きだってすごかったし、僕らと同い年でこれだけのパイロットの人がいるなんて、びっくりしちゃって…」アハハ

キラ「……僕は、望んでパイロットなんてやってるわけじゃないです」ウツムキ

イズル「へ?」

キラ「あの、フラガ大尉、僕戻ります。さっきの脱出ポッドも気になりますし」タタタッ

トール「キラ!」

イズル「えっと……?」

ムウ「ああー、坊主。キラはな、民間人なんだ」

アサギ「民間人…!? あの動きで……」イガー

ムウ「まぁいろいろとあってな…機密なんで、そうそう話せないけどよ」

トール「……」ウツムキ

ミリアリア「……」ウツムキ

イズル「そ、そうだったんですか。その、すみません。全然知らなくて…」

ムウ「気にしなくてもいい。別に悪気があるわけじゃないことくらい、あいつだって分かってるさ」

イズル「……ちょっと、謝ってきます!」タタッ

ムウ「お、おいおい! ……元気だねぇ」




ゴディニオン アークエンジェルとの連結通路

キラ「……」

イズル「あ、あの!」タタッ

キラ「あなたは……」

イズル「さっきはすみません。あの、僕、どうも喋るのが下手で……」

キラ「いえ、その、気にしてるわけじゃないんです。…ただ、どうして僕は戦ってるんだろう、って、考えちゃって……」

イズル「……」

キラ「僕は、戦いなんてイヤだったから、中立国のオーブの管轄まで逃げたのに。結局、こうして戦いに巻き込まれて、やりたくないのに、パイロットなんてして…」

キラ「……あなたは、連合軍の人なんですよね? どうして連合軍に? 何のために戦ってるんですか?」

イズル「どうして…ええと……」ウーン

キラ「……」

イズル「…ヒーローになるため、です。たぶん」

キラ「ヒーロー……」

イズル「昔、地球の訓練学校で過ごしてたときに、たまたまマンガ雑誌を見つけたんです。そこにはかっこいいヒーローがたくさんいて、僕もあんな風になれればなって、そう思ったんです」

キラ「……現実は、マンガみたいにはいかないですよ」

イズル「確かにそうかもしれないですけど、でも、僕はそれでも、ヒーローになりたいんです。ヒーローになって誰かを助けられれば、きっと、僕にも生まれた意味があるはずだって、そう思うから」

キラ「生まれた意味…」

イズル「えっと、僕は、キラさんには今日初めて会ったばかりだから、あんまり大したことも言えないですけど、でも、一つだけ言わせてください。さっき、あの白いやつと戦ったとき、キラさんは絶対にヒーローでしたよ。……ええと、たぶん」

キラ「僕は…ヒーローなんてものじゃ…」

トール「そんなことないって、キラ!」

キラ「! トール、ミリアリア…」

ミリアリア「さっきだけじゃないわ、これまでだって、キラは私たちのこと守ってくれたじゃない! キラだって、ヒーローなのよ」

ムウ「そこの坊主の言葉通りだよ。お前は十分にヒーローだぜ? もっと胸を張れよ。そんなんじゃ、さっきの脱出ポッドのやつに会うときにガッカリされちまう」

キラ「フラガ大尉…」

イズル「ほら、やっぱり、キラさんはヒーローなんですよ」ニコニコ

キラ「……あの、あなたの名前は?」

イズル「え? あれ、名乗ってなかったですか?」

キラ「機体のコードネームだけしか…」

イズル「ええと、イズルです。ヒタチ・イズル」

キラ「ありがとう、イズルさん。自分がヒーローだなんて、やっぱりちょっと思えないけれど、イズルさんは、ヒーローだと思いますよ。僕なんかの意見じゃ、説得力ないかもしれないですけど」

イズル「ホントですか! ありがとうございます!」パァ

ムウ「…なぁ、さっきから敬語がむず痒いんだけどよ、イズルって、いくつだ?」

イズル「え? 十六です」

トール「俺たちと同い年だ!」

イズル「あれ? そうなの?」

キラ「えっと、その…」

ムウ「軍人とか関係なくよ、お互い同い年なら遠慮した喋り方なんてしなくてもいいんじゃないか? さっきまで、一緒に戦った仲だしさ」

イズル「確かに…じゃあ、えっと、ありがとう、キラ。ヒーローって言ってもらえて、嬉しかったよ」ニコニコ

キラ「…どういたしまして、イズル」ニコリ

ムウ「」フッ

ムウ「さ、戻るぞ、お前ら。さっき通信が入って、あのポッドもこっちで面倒を見ることになったみたいだしな」

キラ「は、はい。それじゃあ、イズル」

イズル「うん。じゃあね、キラ」






キラ(――僕の戦う理由。イズルの言っていた理由は、僕にはきっと、眩しすぎて考えられないだろうけど)

トール「」ペラペラ

ミリアリア「」クスクス

ムウ「」フッ

キラ(…守りたいものが、僕にはある。そのためにここまで戦ってきたんだって自信を、少しだけ、持てるような気がした)




ゴディニオン――ブリッジ

マリュー『補給の手配に感謝します、スズカゼ少佐』

スズカゼ「いえ。こちらは命令に従っただけだから、気にしないで」

レイカ「そっちも大変ねぇ、マリュー」

マリュー『そうでもないわ、なんて強がることはできないけれど。そちらこそ、あの新型機、相当苦労したんでしょう?』

レイカ「まぁね。機密だからそんなに詳しく話せないけどー」

スズカゼ「…サイオンジ整備長、私語は慎んでちょうだい」フー

レイカ「リンリン硬いこと言わないでよー。マリューと会ったの久しぶりなんだからさー」

スズカゼ「…はぁ。まあいいわ。それで、例の脱出ポッドは?」

マリュー『調査させたところ、やはりプラントの民間船のモノのようです。とはいえ、見捨てるわけにもいきませんので、ひとまずは中を開けてから、事情を聞くつもりです』

スズカゼ「そう…では、ラミアス大尉。無事に艦隊と合流されることを祈ります」ビシッ

マリュー『はい、失礼します』ビシッ

プツッ!

スズカゼ「…それで、アッシュの方は?」

レイカ「ちょっと整備が大変かも。おまけに地上用に調整し直さないとでしょ? ちょっとかかるわね」

スズカゼ「そう…とにかく、こちらもスターローズに戻るとしましょうか」

レイカ「ウサギちゃんたちに後で会いなさいよー。たぶん、アッシュのこと、もうちょっと細かい説明してあげた方がいいわ」

スズカゼ「分かってるわよ」




ゴディニオン――ブリーフィングルーム

シモン「さて、出撃前にも少し話したが、アッシュにはこれまでの機体とは大きく異なるシステムが搭載されている――ジュリアシステムだ」

イズル「ジュリアシステム…」

シモン「この技術は、機体にパイロットの遺伝子情報を取り込み、擬似的な人格を形成し、それをパイロットとリンクさせることで機械と人間の一体化を図るというものだ。開発者のジュリア・ツダから、ジュリアシステムと名付けられた」

シモン「元々は、フェストゥムとの戦いで開発されたファフナーに着想を得ている。機械と人間の一体化によって、多少の読心能力への抵抗を持たせる。アッシュは同化現象のリスクを減らした機体の試験的な開発の結果でもあるのだ」

タマキ「どーかげんしょー?」

ケイ「…前に授業でやったでしょ、旧人類軍開発の、ザルヴァートルモデルの持つリスクよ」

スルガ「機体に乗れば乗るほど、パイロットの染色体がファフナーのコアの影響で変化して、最終的にはコアに同化されてしまうってやつだな。そもそも、このファフナーって機体が持つ歴史は長い、まず……」ペラペラ

アサギ「まぁ、とにかくそういうことだ」

タマキ「うえー……」

スズカゼ「アッシュはそういったリスクを排してるから、心配しないでいいわよ」

シモン「……とにかく、アッシュには君たちの遺伝子情報が組み込まれている。言わばもう一人の自分だろう。アッシュを受け入れ、パートナーとして扱っていくことだ」

イズル「もう一人の僕…」

スルガ「……」

タマキ「……」

アサギ「……」

ケイ「……」ウツムキ

シモン「チームラビッツ、君たちはこれから、アッシュのテストも兼ねて、いくつか特別な任務に就いてもらうこととなる」

スズカゼ「まずは、地上へ降りるわよ」

アサギ「何のためにですか?」

スズカゼ「今回、初めてウルガルが撃退された。記者会見を開いて、今回の戦闘の映像の一部を公開して、世間にこの機体の有用性をアピールするの。スポンサー集めも兼ねてね」

ケイ「私たち、見世物じゃありません」ムッ

シモン「これは任務だ。……では、後は任せる」ツカツカ

スズカゼ「はい。……じゃあ、準備を済ませておきなさい。当面はスターローズには戻らないから」スタスタ…

イズル「…記者会見かぁ。何を喋ろうかな?」アハハ

タマキ「これはチャンスなのらー! 彼氏募集しよーっと!」

スルガ「ったく、どうしたらそんな楽観的になれるのかねぇ」

アサギ「…記者会見ってことは、地球中に俺たちの姿が放送されるわけだ」イガー

ケイ「……」ハァ

いったんここまで これで一話終了といった感じです

スパロボWはエーアイスパロボでも屈指の名作 やったことない人はやるべき ナデシコ好きな人は特に そしてスパロボVも同じくらいやるべき

ではまた

地球――竜宮島 喫茶『楽園』

記者『――では、ヒタチ少尉。今回の作戦を命令されてどのようなお気持ちで挑まれたのですか?』

イズル『え?』

記者『ウルガルとの戦闘で勝利を収めた部隊は一つもなかったとされています。いくら最新鋭機を受領したとはいえ、やはり恐れもあったのでしょうか?』

イズル『え、ええっと…』ガサゴソ

記者『……あ、あのう。それはいったい…?』

イズル『あ、あの、今描いてるマンガのキャラクターでして…つまり、その、こういうような気持ちです……』

ザワザワ……

キャスター『え、えー、以上が、今回の対ウルガルのための最新鋭機を託され、見事に人類初の勝利を収めた連合軍所属の特殊軍事機関であるMJPのチームラビッツの記者会見でありましたが、いかがでしたでしょうか? 解説の桐山社長。キリヤマ重工では確か、ウルガルや加藤機関、プラントとの戦いに貢献するための新型機を開発中ということでしたが…』

桐山『そうですねェ…MJP機関の噂はかねがね聞いていましたケド、あの戦闘の映像を見たところは、連合も秘密兵器を開発したというのは真実であると思いますね』

キャスター『決して戦況をよく見せようとするための捏造ではないと?』

桐山『ええ、それはまぁ。ただ、ちょっと変なのはですね、この映像、ところどころカットが入ってるんですよね。何か映したくないモノでもあったのか知りませんが』

キャスター『それについてもいくつか意見が出ていますね。連合は話に出てきたアッシュ以外にも、何かしらの秘密兵器をまだ隠しているというものや、やはり映像が捏造である、という意見などもあります』

桐山『まぁどちらにせよ、今後の彼らの活動で真実が分かるんじゃないですか? 確か、今度ユーラシア大陸の方へと派遣されるんでしょう? そこでのフェストゥムとの戦いぶりで、我々も判断ができるんじゃないですかね』

キャスター『なるほど…』

桐山『ウチにはあまり関係ない話ですけどね。今度開く予定の展示会で発表する予定の迅雷は既にいくつか連合軍に売り出すことになっていますし』

キャスター『それはいい知らせですね。キリヤマ重工の最新機体や連合の秘密兵器の存在で、少しでも連合の苦しい戦況にも光明が見えるかもしれません。では次のニュースに……』




一騎「……」

零央「一騎先輩? 一騎先輩?」

一騎「ん? ああ、悪い御門。頼んだのはそこに置いておいてくれ」

零央「うす」

暉「まったく、しっかりしてくださいよ、一騎先輩。そんなんじゃ、張り合いがないですよ」ヤレヤレ

一騎「はは、そうかもな」

総士「……さっきのMJP機関のことか?」グツグツ

一騎「ああ、いや。なんていうか、ヘンなやつらだったな、って」

暉「…連合にあんなのがいるなんて、確かに驚きですね。この島にひどいことばっかりしてきた連中の一員だし、ろくな連中じゃないんでしょうけど」フン

一騎「そうかな……」

総士「…マジェスティックプリンス、か。部隊名としてはひどい名前だ」グツグツ

一騎「そうか? いいじゃないか、希望がありそうな名前だぞ?」

総士「…お前よりは僕の方がネーミングセンスがいいことが分かったな」グツグツ

一騎「なんだそれ。っていうか、総士、もう十分に煮込んだろ? 底が焦げちまうぞ」

総士「正確に煮込み時間は守るべきだ、五秒待て。……よし、完成だ」フッ

カランカラン

剣司「よう…って、総士? お前何してるんだ?」

咲良「料理してるなんて、珍しいもん見たわね」

総士「ちょうどいいところに来たな。皆城シチューだ、食べていくといい」ドヤァ

一騎(……俺がファフナーに乗ってたときくらいの歳のやつらが、ああやって戦ってる。……俺は、どうなんだ? 残り三年の命で、何ができるんだろう)

一騎「世界をどう祝福する、か」

総士「一騎? 早く来い。お前も食べろ」

一騎「…ああ、今行くよ」




地球――日本 東京

ゴディニオン――パイロットラウンジ

タマキ「ふぃー、疲れたのらー」グデー

スルガ「取材だの記者会見だの、移動ばっかだったな」ウヘー

アサギ「はぁ……」

スルガ「アサギー、緊張すんのはいいけど、コケるってのはねーよ」フー

アサギ「うるさい! あんなの、ちょうど引っかかるトコに段差を作ったやつが悪いんだ!」ウガー

ケイ「大丈夫だった? 結構ハデに転んだけど…」

アサギ「ん、ああ、別に問題ないよ。っつか、それよりも…」

イズル「」ボケー

スルガ「確かに。イズルのがよっぽど問題だわなぁ」

ケイ「アンタも人のこと言えないでしょうが…」

スルガ「あん? なんでだよ、俺は基本装備の八十八式九十ミリ七十口径高位荷電粒子砲と八十六式四十ミリ口径輻射誘導光子共振式速射砲のスペックの説明と、俺がいかにそれらを使いこなしたかをだな…」ペラペラ

タマキ「早口言葉らー……」

イズル「あ、そうだ、僕たちニュースにも出てるよね? 評判は……」

アサギ「うげ、そんなもん見せるなよ…ええと、マジェスティックプリンス?」

スルガ「何だそりゃ。MJPだからってか?」

タマキ「あたしプリンスじゃないんだけどー」

ケイ「……」ハァ

スズカゼ「――全員揃ってるわね?」プシュッ

ラビッツ「」ガタッ

スズカゼ「楽にして。……特殊任務へ向かう前に、一つ、命令が出たわ。これよりチームラビッツは東京湾へと出撃。ネルガルの新造戦艦の無断出航を阻止せよとのことよ」

イズル「新造戦艦…ですか?」

スルガ「あ、それ噂で聞いたことある! 重力波エネルギーを利用した最新式の宇宙戦艦ってやつ」

スズカゼ「ええ。それが連合に無断で火星へと出発するということらしいわ。ちょうど近隣の部隊ですぐに動けるのが私たちしかいないそうなの。すぐに出撃準備を整えなさい」

イズル「火星……」




地球 東京 ネルガル重工――秘密ドッグ

ユリカ「そういうわけで、私がナデシコの艦長を務めます、ミスマル・ユリカでーす! ぶいっ!」

メグミ「は、はぁ…」

ミナト「ずいぶんと若い艦長さんなのねぇ」

ゴート「……本当に大丈夫なのか? 技術クルーには、違法行為が目立つ技師。ブリッジクルーには、元声優に元社長秘書、おまけに子供ときた」

プロスペクター「技術を優先してスカウトしたものですから…まぁ、人格や年齢なんて、些細な問題ですよ、ええ」

ジュン「ねぇユリカ、本気なの? 火星に行くなんて。お父さんにだって許してもらえなかったし…」

ユリカ「お父様が私の人生を決めるわけじゃないの! これは、私が初めて自分で決めたことなんだから! ジュンくんこそ、無理についてこなくてもいいんだよ? いくら仲良しの『お友達』だからって」

ジュン「い、いや。僕はユリカについていくよ! し、心配だからね、大切な『お友達』として!」

ユリカ「ジュンくん…ありがとう! やっぱり、ジュンくんは、私の一番の『お友達』だよ!」ニコニコ

ジュン「そ、そう……そうだよね、『お友達』だよね…はは」ハァ

ルリ「……バカばっか」




地球 日本上空――シャングリラ

加藤「……例のネルガルの戦艦が、今日出発するとのことだ。我々の今回の目的は、その艦を破壊することにある」

沢渡「久嵩。今回は俺に行かせろ。前回の失態を挽回させてくれ」

陸「ふ、想像力のないあなたにできるんですかねェ? 前回はJUDAの室長に見事にしてやられたあなたに」

沢渡「テメェは黙ってろ、陸! 頼む、久嵩」

加藤「……いいだろう、今回の一件は沢渡に全て任せる。ネルガルとJUDAは水面下では協力関係にある。今回も連中の妨害が入るだろう、気をつけておけ」スタスタ…

沢渡「くくっ、そうこなくちゃな」ニヤリ

陸「精々準備していくことですねェ。想像力の足りないあなたなりに、いろいろと工夫すべきですよ」ククク…

沢渡「…ふん、うるせェよ。ユリアンヌ、お前も来いよ。手伝わせてやる」

ユリアンヌ「あらま、ご指名? ま、いいわ。私も最近は肉体労働してなかったしー」

沢渡「よし、行くぞ。…来るなら来いよ、JUDAのファクターども。前の倍の戦力でたっぷりやり返してやるぜ」

短いけど終わり インターミッション的なやつでした ではまた

地球 東京湾

アルマ「」チュドーン! バララララッ!

沢渡「その調子でどんどんやれ! ネルガルのドックは地下にある。ここらを徹底的に洗い出せ!」

ユリアンヌ『もうちょっと効率的なやり方はなかったのかしらねェ』ハァ

沢渡「へっ、大雑把にまとめてやった方が効率的だっつーの。それに、こうやって目立った方がJUDAの連中もすぐに来るだろ?」

ユリアンヌ『はいはい。……あら?』

加藤機関一般兵『隊長! こちらに向かってくる大型の機影があります!』

沢渡「あん?」

ゴディニオン「」ギューン!

沢渡「何だありゃ?」

ゴディニオン

スズカゼ「状況は?」

ジークフリート「東京湾を攻撃する機体が多数見られます。例の加藤機関のモノと見られます」

スズカゼ「…シモン司令の言っていた通りね。加藤機関もネルガルの新造艦を狙っている。レイカ、アッシュの方はどう?」

レイカ「どれもまだ地上用の整備が万全じゃないわ。出せるのはブルーワンとレッドファイブのコアユニット、それにゴールドフォーね。パープルツーもセンサーで援護するくらいはできるけど…ゴディニオンとローズスリーはまだ戦うのは無理よ」

スズカゼ「分かったわ。……ブルーワン、レッドファイブ、ゴールドフォーは出撃を。パープルツーはピット艦から援護、ローズスリーは待機よ」

イズル『了解!』

スズカゼ「ブラストオフ!」

レッドファイブ・コア「」ギューン!

ブルーワン・コア「」ギューン!

ゴールドフォー「」ギューン!

沢渡『JUDA…じゃねェか』

ユリアンヌ『あの黄色いの、ニュースで見たわね。例のマジェスティックプリンスとかいうのでしょ?』

沢渡『ほう…にしても何だあのロゴ、ふざけてるのか』

ユリアンヌ『さぁ。で、どうするの? 連合の部隊には違いないから、私たちを止めにきたんでしょうケド…』

沢渡『決まってるだろ? ぶっ潰す!』

レッドファイブ・コア「」グラッ

イズル「わ、機体が重い…」

アサギ『落ち着け。重力下で機体を動かす訓練は富良野でもやっただろ?』

スルガ『いくらスポンサー取るためだからって、こんなロゴ貼られちゃ、せっかくのアッシュもこりゃ台無しだな……っつか、ネルガルの戦艦とかいうの、全然見当たらねーけど…』

ピピッ

スズカゼ『そちらの方は地下に隠しているようだからゴディニオンとパープルツーで探すわ。あなたたちは街を攻撃してる加藤機関の方をお願い』

イズル「えっと、了解!」

アサギ『あれがニュースに出てた加藤機関か…』

スルガ『無人機じゃない、んだよな?』

イズル「あっ、そうか…撃って、いいのかな?」

アサギ『そんなこと言ったって、街を攻撃してる以上止めないとマズいだろ』

イズル「それはそうだけど…」

アルマ「」パララララッ!

イズル「わ、撃ってきた!」

アサギ『…相手が人間だろうと、敵は敵、命令は命令だ! やるぞ!』ガコッ

ブルーワン・コア「」パシュッ!パシュッ!

イズル「う、うん…」

レッドファイブ・コア「」パシュッ!パシュッ!




加藤機関一般兵『う、うわぁっ!』

アルマ「」チュドーン!

沢渡『チッ…やるじゃねーかよ、連合もよォ!』ガコッ

沢渡機「」ギューン!

イズル「! 早い!」

アサギ『あれが隊長機か!?』

沢渡『食らいなっ!』

沢渡機「」ザンッ!

ブルーワン・コア「」ドゴッ!

アサギ『くっ…!』

イズル「アサギ!」

ユリアンヌ『おっと、余所見はダメよ!』

ツバキヒメ「」チュイイイインッ!

レッドファイブ・コア「」ドゴッ!

イズル「わっ!」

スルガ『当たれ! ……うおっ、早すぎて無理だ、これじゃ!』

アサギ『くそっ、せめてアサルトイエーガーが装備できれば…!』

ピピッ!

スズカゼ『ブルーワン! アサルトイエーガーの準備ができたわ! リンケージの用意を!』

アサギ『了解、だけど、こう密着されたら……!』

スズカゼ『ゴールドフォー、援護射撃でどうにか引き離して!』

スルガ『ええっと、了解! アサギ、当たるなよ!』カチッ

ゴールドフォー「」首← バンッ!

イダテン「」サッ

沢渡『チッ、何のつもりだ?』

スズカゼ『イエーガーを射出したわ! ブルーワン、今よ!』

アサルトイエーガー「」ギューン!

アサギ『くっ…! あっ!』

ブルーワン・コア「」アサギスペシャル

スルガ『…アサギプレッシャーに弱えー……』

アサギ『違う! アッシュが勝手に避けたんだ!』ウガー

スズカゼ『…ブルーワン、落ち着いてもう一度よ』ハァ

アサルトイエーガー「」ギューン!

イダテン「」ギューン!

沢渡『へっ、何だか知らねェがさせるかよ!』

イダテン「」チュドーン!

沢渡『うおっ、な、何だ!』

ヴァーダント「」スタッ

ヴァーダント「」ザンッ!

イダテン「」ドゴッ!

沢渡『何ィ! テメェ…!』

???『隙だらけなままとは、ずいぶん余裕だな』

沢渡『こ、この…!』

沢渡機「」チュドーン!

沢渡『くっ…!?』

???『だからさァ…隙だらけだって、森次さんが言ってるじゃないっすか』

山下『ちょっとは考えないっすかねェ、ボクが狙撃してくるって』

沢渡『チッ…これだからファクターってやつは…!』

イズル「あれは…?」

スズカゼ『ブルーワン、今のうちに早く!』

アサギ『こ、今度こそ……!』

ブルーワン・コア「」リンケージ

ブルーワン「」ギューン!

アサギ『リンケージ成功…!』

スズカゼ『…遅すぎよ』

レイカ『リンリン、あれ……』

スズカゼ『分かってるわ。…増援よ』

ピピッ!

森次『こちらはJUDAの森次室長です。石神社長から話は伺っています』

スズカゼ『こちらは地球連合所属、MJP機関のスズカゼ少佐です。シモン司令からこちらも話は聞いています。援護に感謝します、森次室長』

森次『いえ。加藤機関の相手は我々の仕事ですので。このまま協力を』

スズカゼ『了解しました。……ブルーワン、レッドファイブ、ゴールドフォー。今現れた機体は味方よ。彼らと協力して、加藤機関の撃退を』

イズル「りょ、了解!」

山下『よろしくっす、噂のプリンスさん。ボクは山下っす』

スルガ『おお、美少女! しかもボクっ娘』

山下『…言っとくけど、オトコっすから』

森次『山下。くだらんことを言ってないで集中しろ』

ユリアンヌ『一気に二対五…どうするの沢渡?』

沢渡『くっ……!』

ケイ『! センサーに感あり! こちらに向かって、いくつもの小型機が来てるわ!』ピピッ

イズル「え!?」

木星蜥蜴「」ギューン!

アサギ『あれは…木星蜥蜴か!』

スルガ『どっから来たんだ!? この辺には連中の母艦なんてねーだろ!?』

沢渡『あれは…?』

ピピッ

加藤『沢渡。お前への援護だ』

沢渡『久嵩!』

加藤『プラントに口を利いてもらってな。連中とは協力関係を結ぶこととなった』

沢渡『なるほどなァ…ありがたく使わせてもらうぜ』

木星蜥蜴「」ミサイル

チュドーン!

イズル「わっ、撃ってきた!」

アサギ『連中、俺たちだけ攻撃してくるぞ!』

森次『どうやら加藤機関とは協力関係にあるようだな。気をつけろ、どちらもこちらだけを狙ってくるだろう』

スルガ『気をつけろって言われても…!』

ケイ『! センサーに反応! 地下から何か出てくるわ!』ピピッ

アサギ『ネルガルの戦艦ってやつか!?』

ケイ『いえ、これは…?』

エステバリス「」キラーン!

山下『何すかあのちっこいの!』

アキト「ど、どうなってんだ…? ここは…東京湾か?」

ピピッ

森次『そこに乗っているのは誰だ? ネルガルの者か?』

アキト「え、いや、俺は…」

ピピッ

ガイ『おい誰だよ! 俺のエステバリスに乗ってるの!』

ゴート『君は誰だ? どこの所属だ?』

アキト「て、テンカワ。テンカワ・アキト…コックです」

ウリバタケ『コックぅ? 何でコックがエステに乗れてるんだよ!』

プロスペクター『彼、IFSが使えるみたいでして…これはちょうどいいかなと、さっき雇ったんです』

ガイ『そりゃないぜ! 何で俺がぽっと出のコックに機体取られねーといけないんだよ!』ウガー

ウリバタケ『いやいや、アンタが足折ったのが悪いんだろ』

ユリカ『アキト……あなたアキトね!』

アキト「お、お前は…ユリカか!」

ジュン『え、ユリカ? 彼、知り合いなの?』

ユリカ『うん。私の王子様!』

ジュン『なっ…』

アキト「ま、待て待て! 俺は別にそんなんじゃ…」

ユリカ『ありがとうアキト! 私に会いに来てくれたんだね! それに、時間稼ぎのために出撃してくれるなんて…ユリカ感激!』ニコリ

アキト「へ、時間稼ぎ?」

エステバリス「」チュドーン!

アキト『おわああああああっ!?』

ピピッ

山下『何してるっすか! そんなトコにいたら蜂の巣っすよ!』

森次『君は戦闘に参加するのか? するなら早く戦うことだ』

アキト「ま、待ってくれよ! 俺は、ただのコックで…」

ピピッ

ガイ『この野郎、俺のゲキガンガー返せよ!』

ユリカ『アキト、がんばって!』

プロスペクター『三分ほど時間を稼いでいただければ大丈夫ですので…』

ウリバタケ『俺の整備したエステちゃんを傷物にしたら許さねーぞ、コック!』

ガイ『ゲキガンガー!』

ユリカ『アキトー!』

アキト「うるせーっ!!」

木星蜥蜴「」ミサイル

アキト「あ、う、うわ……!」

イズル『危ない!』

レッドファイブ・コア「」パシュッ!パシュッ!

木星蜥蜴「」チュドーン!

アキト「た、助かった…」

イズル『大丈夫ですか?』

アキト「あ、ありがとう…」

ケイ『イズル! 後ろ!』

木星蜥蜴「」ミサイル

レッドファイブ・コア「」チュドーン!

イズル『うわっ!』

沢渡『隙あり! 動きもしねー木偶の坊よりもまずはテメェからだ!』

イダテン「」ザンッ!

イズル『!』

アキト「あ、危な……! っ!」




火星――シェルター

木星蜥蜴「」ピー…ガガッ

アイ『お兄ちゃん!』

アキト『アイちゃん! …う、うわあああああっ!』

チュドーン!






アキト「……ち、ちくしょう!」

エステバリス「」ワイヤードフィスト

イダテン「」ドゴッ!

沢渡『な、何!?』

イズル『今のは…』

アキト「お、俺は、俺はコックになるんだ…こんなところで死ねるか! 誰かが死ぬのも、もうまっぴらだ!」

沢渡『ちいっ…上等だぜ、この……!』

アキト「う、うわああああっ!」

エステバリス「」ギュイイイインッ!

森次『おい、どこへ行く!』

山下『啖呵切って全力で逃げましたね…』

アサギ『! 待てよ、そっちは…!』

アキト「ち、ちくしょう、とにかく時間を稼げばいいんだろ!? このまま走り続けて…! え」

アサギ『海だけだ! …って遅かったか…! 追い込まれてるぞ、あいつ!』

スルガ『飛べるって感じでもねーし、どうする気だ!?』

イズル『助けないと!』

木星蜥蜴「」ゾロゾロ

沢渡『くくく…追い詰めたぜェ、さっきはよくもやりやがったな』

アキト「や、やばい…どうすれば…!」

ピピッ

ユリカ『アキト! 飛んで!』

アキト「ゆ、ユリカ?」

ユリカ『大丈夫! 私を信じて!』

アキト「…ち、ちくしょう!」

エステバリス「」ジャンプ

ユリアンヌ『あらま、自殺?』

ケイ『…! 海中よりエネルギー反応! 大きい…戦艦だわ!』

森次『例のモノか!』

ナデシコ「」ザバーッ

アキト「な、何だ、この艦?」

ユリカ『お待たせアキト! あなたのために急いで来たの!』

ルリ『敵、有効射程内に全部入ってる』

ユリカ『グラビティブラスト、発射ぁ!』

ナデシコ「」グラビティブラスト

木星蜥蜴「」チュドーン!

沢渡『なっ!』

イダテン「」サッ

スルガ『何だありゃあ! すっげー!』

アサギ『あれだけいた敵がたった一度の砲撃で…!』

山下『こないだのラインバレルなんて目じゃないっすね…』

森次『…なるほどな』

イズル『す、すごい…』

スズカゼ『これがネルガルの新造艦の力…』

沢渡『く、こ、こいつ…!』

ユリアンヌ『どうする? 増援も全部やられちゃったわよ』

沢渡『……ムカつく限りだが撤退だ! こうまでやられちまったらどうしようもねェだろ!』

イダテン「」ギューン!

ユリアンヌ『ま、そうよねェ…』

ツバキヒメ「」ギューン!

山下『あ、待て!』

森次『追撃はするな、山下。追い払えただけよしとする』

山下『は、はいっす…』

森次『さて…後は、あの艦か』

ゴディニオン

ジークフリート「加藤機関、木星蜥蜴、共に反応ありません」

スズカゼ「…ジュリアーノ、向こうとの通信は?」

ジュリアーノ「信号は掴めました。コンタクトしますか?」

スズカゼ「ええ、お願い」



ナデシコ

ピピッ

ユリカ「あれ、何この音?」

ルリ「…向こうの戦艦から通信が着てる」

ユリカ「あ、そうなの? 繋いで、ルリちゃん」

パッ

スズカゼ『こちらは地球連合所属、MJP機関のスズカゼ少佐です。ネルガルの新造艦は応答を』

ユリカ「はーい! 私がこの艦、ナデシコの艦長です、ミスマル・ユリカです! ぶいっ!」

スズカゼ『は、はぁ……。! …ミスマル、まさか…』

ユリカ「あ、ミスマル・コウイチロウは私の父です! 連合の人ならご存知ですよね」

プロスペクター「艦長、連合の方の相手をしてる場合じゃありませんよ、早いところ退散しましょう」

ユリカ「え、でもー」

スズカゼ『そちらは連合の許可も取らずに火星へと向かうと聞いています。今すぐに艦のエンジンを停止して、着艦してください。これは警告です』

プロスペクター「すみませんが聞けませんな。こちらの武装はご覧になったでしょう? 止めるのは難しいですよ。それに、MJP機関のトップの方とはウチの会長も懇意にしているんです。邪魔はしないでくださいな」

ユリカ「えーっと、そういうことだそうでーす。それじゃ、失礼します!」

ゴディニオン

ジークフリート「ネルガル艦…ナデシコ、上昇していきます」

ジュリアーノ「追撃しますか?」

スズカゼ「…いいえ。あの装備を相手に武力で止めるのは無理よ。本部へと連絡を。私たちはここまでよ」

ジークフリート「了解」




東京湾

イズル「…あ、逃げられちゃったね」

スルガ『堂々と行っちまったな…や、あれ止めろって言われても無理だとは思うけどよ』

森次『……』

ヴァーダント「」クルリ

イズル「! あ、あの、ありがとうございました。助けていただいて」

森次『気にするな。加藤機関も行ったことだし、我々はこれで失礼する』

山下『お疲れでしたー。例の「Gプロジェクト」でまた会うでしょうし、そんときはどうぞよろしくっす』

アサギ『「Gプロジェクト」?』

森次『山下』

山下『あ、すみません、森次さん』

森次『…では、失礼する』

ヴァーダント「」ギューン!

ハインド「」ギューン!

スルガ『…結局何だったんだ、あれ?』

アサギ『JUDAって言ってたよな』

イズル「JUDA…ええと、確か」

スルガ『日本の有名な医療器具メーカーだろ? それが何でロボットなんかで戦ってんだ?』

アサギ『同じ名前使ってるだけじゃないのか?』

イズル「うーん…」

ピピッ

スズカゼ『作戦は終了よ。お疲れ様、帰還して』

イズル「あ、はい……」




ゴディニオン――パイロットラウンジ

スルガ「だはー…もう動けねー」

タマキ「結局あたしずーっと、待機だったー…」

アサギ「ならいいじゃねーか…」ハァ

ケイ「まだ気にしてるの、さっきの失敗」

アサギ「言うなよ…」

イズル「あ、あはは…そういえば、結局あの小さいロボットの人にお礼言えなかったや」

ケイ「ああ、あのいきなり地下から出てきた…」

イズル「また会えるといいなぁ…」

アサギ「ったく、どうしたらそんな能天気なこと考えられるんだか…」イガー

レイカ「やっほー、ウサギちゃんたちお疲れー」シュッ

イズル「あ、ええと、お疲れ様です」

レイカ「あらら、なーに、皆してそんなしょんぼりしちゃって」

アサギ「いや、その…」

イズル「任務、失敗しちゃって…」

レイカ「ちょっとの失敗くらい気にしない気にしない!」ブハー

タマキ「お酒臭いー…」ウヘー

レイカ「あっはっは、気にしない気にしない」

スズカゼ「サイオンジ整備長! 仕事中に何してるの」シュッ

レイカ「もう今日の仕事は終わったわよー」ケラケラ

スズカゼ「はぁ…まったく」

イズル「あ、あの、スズカゼ教官…僕たち」

スズカゼ「今日はよくやったわ。あまり気にしないで」

イズル「は、はい…」

スズカゼ「それじゃ、明日は説明した通り、ユーラシアでジュリアシステムがフェストゥムにも対応できるのかをテストするから。よく身体を休めておきなさい」

レイカ「じゃねー」

シュッ

タマキ「気にしなくていいってー」ニコニコ

イズル「うん。…今日は、もう休もうか」

アサギ「…ま、そうだな」

ケイ「…そうね」

スルガ「……げっ…マジかよ」ピピッ

イズル「? どうしたのスルガ?」

スルガ「さっきの戦闘…中継されてやんの」テワタシ

イズル「! ……ザンネン、かぁ」




東京 JUDA本社――社長室

森次「ただいま戻りました、石神社長」

石神「ああ、森次クン。お疲れ、どうだった、例の戦艦とアッシュは」

森次「ネルガルの新造艦の方はかなりの脅威となるでしょう。加藤機関にしても連合にしても、このまま見過ごすとは思えません」

石神「ふぅん。アカツキクンにも、いろいろと後で聞いておかないとねェ」

森次「アッシュの方は…機体は悪くないようですが、パイロットの未熟さが伝わってきました」

石神「はは、彼と同じ感じ?」

森次「そうですね…まだ目覚めないですか、ラインバレルのファクターは」

石神「うーん、そろそろ起きると思うけどねェ。ま、焦ることもないよ。それより、その反応だと、例のプロジェクト、いけそうってことでいいかな?」

森次「及第点ではあるでしょう。例の『島』の方はどうですか」

石神「そっちは話は聞いてくれたケド…ケドね、ちょっと返答は待ってくれって」

森次「なるほど…」

石神「ま、とりあえず今日はもう休んでていいから」

森次「…では、失礼します」

ガチャ

石神「……さて、と。状況は動き出した、か。どーなるかなァ、楽しみだねェ」フフ

これでいったん区切り 二話まで終了という感じです
ところどころ沢渡機と間違えて書いてあるところはイダテンに脳内補完で直すようにお願いします どっちでもいい情報ではありますが
ではまた

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 司令室

コンコン

ミツヒロ「失礼します。ジョナサン・ミツヒロ・バートランド、アイシュワリア・フェイン、ビリー・モーガン、ただいま出向いたしました」ガチャ

ビリー「」ビシッ

アイ「」ビシッ

ナレイン「うむ。今日、例のテストパイロットたちが到着する予定だ。彼らと君たちは年も近い、いろいろと気に掛けてやってくれ」

ミツヒロ「了解しました」

ビリー「ナレイン将軍! どんな子たちなんですか、そのMJPってトコの人たちは? 最新鋭機のテストパイロットってことは、やっぱりすごいんでしょうか!」キラキラ

アイ「ビリー、落ち着きなさいよ。私、先にもうニュースで取り上げられてた映像で見てみたけど……うん、すごく個性的な感じだったわ」

ビリー「わぁ……!」キラキラ

ミツヒロ「ビリー…アイが言っているのは、おそらくだが、あまりいい意味ではないぞ」

ナレイン「まぁ、会えば分かるさ。MJPのトップとは昔からの知り合いなのでな、くれぐれも失礼はないように。ああ、それと、現場の指揮として、明日は本部からコミネ参謀次長がこちらに来る。そちらも粗相がないようにな」

ビリー「うえー…あの人嫌いです」

ミツヒロ「好き嫌いで上官を語るなよ。…まぁ、少しばかり不安ではあるが」

地球 エリアシュリーナガル上空 ゴディニオン

タマキ「おおー、すごいすごい! あれ何ー?」キャッキャッ

スルガ「すげー、空まで伸びてるぞ、あの緑の……樹? にしては、鉱物っぽいけど」

ケイ「……そうね、キレイ…」

アサギ「…フェストゥムとの戦いの最前線、って感じがしないな。てっきり、もっとひどい感じだと思ってたが」

イズル「そうだね。なんていうか、こう、戦いとはあんまり結びつく印象がないっていうか」

スルガ「でもよ、ここら一帯が一番の激戦区であることには違いないんだってよ。この街を出たらすぐ、フェストゥムの一団と出くわすこともあるって話だ」

タマキ「フェストゥム、ってさー、ええっと…」

ケイ「謎のケイ素生命体。心を読む力で、何度も人類を苦難の道に追い込んできた、不思議な侵略者……」

アサギ「何度も授業でやったろ?」

タマキ「だってー、ウルガル以外のことはあんまり気にするなってスズカゼ教官も言ってたじゃん」

スルガ「ま、確かにな。…いくら最新鋭の機体のテストのためとはいえ、とんでもねートコに送られたよな、俺ら」

アサギ「…五パーセント」

イズル「え?」

アサギ「……フェストゥムと初めて交戦した中で、生き残ったやつのこれまでの割合だよ。だいたいのやつらは、やられちまうらしい」

タマキ「うえ、マジ?」

ケイ「……」ウツムキ

イズル「大丈夫だよ! ほら、現地の部隊の人もサポートしてくれるって言ってたじゃない?」

アサギ「…だからって、油断はできないだろ」

スルガ「ったく、アサギ、お前深く考えすぎだっての。そんなんだから、ほれ…」スッ

スルガのタブレット端末「」アサギスペシャル

アサギ「ニュース映すのはやめろ!」ウガー

イズル「あはは、期待のパイロットから、すっかりまたザンネンファイブだね」

アサギ「笑い事じゃねーよ……」ハァ

スルガ「ま、おかげであのヘンテコなロゴからも解放されたし、世間の目も変わってある意味プレッシャーもなくなってよかったんじゃねーの?」ケラケラ

ピピッ

スズカゼ『これより、基地へと降下する。チームラビッツは集合するように』

スルガ「お、お呼びだ、行こうぜ」

イズル「うん。…あれ?」

???「……」ジッ

イズル(滑走路の近くに女の子がいる…。誰だろう、基地の中にいるから、関係者なんだろうけど…)

アサギ「イズル、急げよ」

イズル「あ、ごめんごめん」タタッ

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 司令室

スズカゼ「お初にお目にかかります、ナレイン・ワイズマン・ボース大将。スズカゼ・リン少佐であります。こちらが、チームラビッツの五人です」ビシッ

ラビッツ「」ビシッ

ナレイン「うむ。シモン司令から君たちの話はかねがね聞いている。よろしく頼むよ」ビシッ

スズカゼ「では、さっそく例の実験のことですが…」

ナレイン「ああ。ウチのペルセウス中隊から、精鋭メンバーを補佐に回す予定だ。――入ってきてくれ」

ガチャ

ミツヒロ「ジョナサン・ミツヒロ・バートランドです、どうぞよろしく」ビシッ

アイ「アイシュワリア・フェインです。アイって呼んでください」ニコリ

ビリー「ビリー・モーガンです。よろしくね!」ニコニコ

タマキ「わぁー…イケメン!」キラキラ

スルガ「美少女!」キラキラ

スズカゼ「す、すみません。失礼を」ハァ

ケイ「」ハァ

アサギ「ど、どうぞよろしく」ビシッ

イズル「ええと、お願いします」ビシッ

ナレイン「ふふ、君たちと彼らは年も近い。そう硬くならんでもいい。そうだ、彼らにここを案内してあげたまえ。ここのことをより多くの連合の仲間に知ってもらいたいしな」

スズカゼ「は、しかし…」

ナレイン「どちらにしろ、彼らには休息を与える予定なのだろう? ならば、ここに詳しい案内を付けた方がいい」

イズル「え、そうなんですか?」

スズカゼ「…作戦は明日行うの。本部から指揮を執る方がいらっしゃるから、それまではあなたたちにこれから一日の休暇を命じます」

スルガ「おお、ってことは…!」

スズカゼ「そ、バカンスよ。…あまり羽目を外しすぎないようにね?」

地球 エリアシュリーナガル 連合基地

タマキ「リゾート、ロマンス、バカンスー♪」

ケイ「…はぁ、頭が痛くなるから止めて、それ」

スルガ「そー硬いこと言うなって。せっかくの休みだぜ? 楽しまないとな」

ビリー「そうそう、そんなキツイ顔してたら、せっかくの美人が台無しだよ?」

ミツヒロ「ビリー。すまないな、コイツはこういうやつなんだ」

ケイ「別に。気にしてないです」

アイ「そう? ならいいけど…ええと」

イズル「あ、そっか。えっと、僕がイズル、こっちがアサギ、ケイ、タマキ、スルガ、です」

ビリー「敬語なんていいよー、君、年いくつ?」

イズル「へ? 僕とケイとスルガが十六、タマキが十五、アサギが十七…」

ビリー「なーんだ、ほぼ同い年だよ! 敬語なんて使わなくても大丈夫!」

スルガ「へへ、そっか、そういうことなら…」

タマキ「問題なしなのらー!」

アイ「ふふっ、元気なのねぇ。あの記者会見通りって感じ」

アサギ「あれ見たのか?」ウゲ

ビリー「僕はまだなんだけど、でも君たちすっごく有名みたいだよ? 連日テレビでやってるらしいんだ」

ミツヒロ「まぁ、何と言うか、個性的ではあるな」

イズル「あ、あはは…」

タマキ「気にしない気にしない。あたしたち人畜無害だもーん」

ビリー「じんち…?」

ミツヒロ「日本語の熟語というやつだよ。…意味は知らないが」

ビリー「ふぅん。ま、いいや! それで、どこを案内しようか? ここにはいろいろと見所があるよ!」

イズル「へえ…あ、でも、その前にご飯にしたいなぁ。もうお昼だよね?」

ミツヒロ「ああ、そうだな。そうするか。近くにいい店がある、案内しよう」

タマキ「やったー! 塩辛あるかなー」

スルガ「本場だしやっぱカレーだろー」

アサギ「よくもまぁ気軽にはしゃげるよ…」ハァ

ケイ「まったく…」ハァ

イズル「あはは…元気があっていいよね」

アサギ・ケイ「」ハァ

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 司令室

ワイワイガヤガヤ…

ナレイン「…元気な子たちなのだな」フッ

スズカゼ「す、すみません……」

ナレイン「いや、気にしていないよ。むしろ、ああいう子供たちがまだこの世界にいるのだと再確認できて、ありがたいものさ。ここにいると、世界はずっと絶望の渦中にあるのだと錯覚してしまいそうになる」

スズカゼ「……ご連絡いただいた、例の、新たなミールの件はどうでしょうか」

ナレイン「うむ、そうだったな。今回の実験はそれを聞くための名目だったか。エメリー」

エメリー「」ガチャ

スズカゼ「こちらの少女が……?」

ナレイン「ああ、そうだ。我らの希望の片割れ。新たな対話の道を切り開く者――エスペラントだ」

いったんここまで とりあえず三話目の始まり
ではまた

地球 エリアシュリーナガル レストラン

スルガ「へぇー、広いトコだな」

イズル「ええと、代金は軍持ちだって言ってたよね」

タマキ「あたし塩辛!」

スルガ「俺カレー!」

ケイ「塩辛なんてないでしょ…」

ビリー「塩辛って何?」

ミツヒロ「日本の独特の食料品だな、確か、海産物を塩漬けにすることで長持ちさせるんだとか」

アイ「ミツヒロは詳しいのね」

ミツヒロ「昔、父親が日本の文化の中で暮らしてたからな」メソラシ

アサギ「何でもいいけど…そうだな、俺は……」

テレビ『…の、マジェスティックプリンスでしたが、昨日未明、日本の東京湾にて無断での出航を行ったネルガルの新造戦艦を止める任務で失敗し――』

アサギ「」ピタ

ビリー「あれ? あ、君たちのニュースだよね、あれ」

スルガ「あー、まぁ、そうだな」チラッ

タマキ「」チラッ

ケイ「」チラッ

イズル「」チラッ

アサギ「……」ムー

テレビ『』アサギスペシャル

ビリー「……あっ、ええっと、うん。その、ドンマイ…?」

スルガ「そー気にすんなって。ザンネン呼ばわりされてるのはいつものことだろ? 俺たちはどうせザンネンファイブ。スペックの高いトコがあっても、結局はそこに尽きるんだよ」

アサギ「…養成所で呼ばれるのと、全世界的に呼ばれるのは違うだろ……!」ドンッ

ラビッツ「……」

ビリー「ええっと…あだっ!?」ポカッ

アイ「……ビリー、空気読みなさいよ」フー

アサギ「…俺、先に宿泊施設に戻ってる」ガタッ

ケイ「……私も、やっぱり帰るわ」ガタッ

ビリー「ええー……せっかくだし、楽しんでいきなよー」

スルガ「いいってビリー、ほっとけ、あんなやつら」

タマキ「そーそー、バカンス楽しむのらー」

店員「塩辛と白飯、カレーのお客様、お待ちどうさまです!」

スルガ「おー、きたきた!」

タマキ「いえーい!」

イズル「…僕も」ガタッ

アイ「あら、あなたも戻るの?」

イズル「ううん、特訓してくる」

ビリー「え、特訓?」

イズル「ヒーローは失敗したとき、八割くらいの確率で特訓するんだ!」グッ

タマキ「またそれー……?」ゲンナリ

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 仮想訓練施設

ミツヒロ「ここなら訓練にも使えるだろう」

イズル「えっと、ありがとうミツヒロ。わざわざ付き合ってくれて」

ミツヒロ「気にするな。俺もどちらかというと、観光案内なんてガラじゃないし。ひたむきに訓練したい気分だったんだ」

イズル「そっか」

ミツヒロ「そういえば、さっきはヒーローと言っていたが…」

イズル「うん、ヒーロー。僕の目標なんだ、ヒーローになるって」

ミツヒロ「目標…」

イズル「地球に降りる前にさ、僕と同じ年くらいのパイロットにも聞かれたんだ。どうして戦うんだ、って」

ミツヒロ「それで出てきた答えがヒーローか? ……何と言うか、その」

イズル「あはは、子供っぽい? でも、それが僕にとっての戦う理由なんだ」

ミツヒロ「戦う理由、か」

イズル「うん。ミツヒロはどうしてファフナーに乗ってるの? 生まれたときから軍人さんってことはないでしょ?」

ミツヒロ「そうだな…俺は、父親を見返すためかもな」

イズル「父親……?」

ミツヒロ「ああ。俺の父、ミツヒロ・バートランドは、今のファフナー…ザルヴァートルモデルの開発責任者だったんだけど、敵に殺されてな」

イズル「あ、えっと、ごめん……」

ミツヒロ「気にするな。…父は最低の男だった。母も俺も、あいつに付き合わされて、人生を狂わされたんだ。俺は、父のように戦うことにだけ縛られていたくはない。いつか、フェストゥムとの戦いも終わらせて、平和な世界で自由に生きていくんだ。それで、戦いに心を縛られた父の妄念を振り払いたい」

イズル「戦うことに縛られる…」

ミツヒロ「……悪い、湿っぽい話だったな。さ、訓練を始めよう」フッ

イズル「うん。よろしくね」ニコリ

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 宿泊施設

ミツヒロ「…やれやれ、すっかり夕方か」

イズル「ミツヒロ操縦うまいんだね。結局勝てなかったや」

ミツヒロ「ここでは一番努力してるつもりだからな。でもまぁ、ぎりぎりの勝利だったが」

イズル「おかげで新装備の訓練もできたし、助かったよ。…あ、せっかくだから、もう少し話してかない?」

ミツヒロ「そうか? …じゃあ、招待に預かるよ」

イズル「うん。それじゃあ」ガチャ

ミツヒロ「…何だ、この匂い」ム?

イズル「……甘い匂いがする」クンクン

イズル「」スタスタ

ケイ「……」カチャカチャ

イズル「あ、ケイ…」

ケイ「…おかえり。タマキとスルガは?」

イズル「ビリーたちとまだそこらを歩いてるみたい。僕も、別れて訓練行っちゃったから、よく分かんないけど。アサギは?」

ケイ「寝るって、さっき部屋に引っ込んだわ」

イズル「そっか。……あ、ケイ」

ケイ「何?」

イズル「付いてる、クリーム」

ケイ「え、あ……」ゴシゴシ

ミツヒロ「菓子作りが趣味なのか? …にしても、これは……」

紫や青の物体「」

ケイ「……何か?」ムッ

ミツヒロ「いや、その…個性的だな」

ケイ「…どうしてこの人が?」

イズル「あ、さっきまで訓練に付き合ってもらってたんだ。で、もう少し話でもしようかと思って」

ケイ「……そう」

イズル「うん。じゃ…」

ケイ「ケーキ」

イズル「ん?」

ケイ「…ケーキ、よかったら、食べる?」




ミツヒロ「……う、これは…」

ケイ「どうかしら?」

イズル「ええと、甘いね」ニガワライ

ケイ「…甘くないケーキはケーキじゃないわ」

ミツヒロ「とてつもなく、甘いな……」ウウッ

ケイ「私のレシピに文句でも!?」ムッ

イズル「あ、いや、ほら、ミツヒロって甘いのニガテなんだよ。ね?」

ミツヒロ「あ、ああ。すまないな、つい、久しぶりの味なものだから…」

ミツヒロ「(…なぁ、いつもこんな味付けなのか? 言っては悪いが、病気になるぞ?)」コソッ

イズル「(うーん……まぁ、僕は慣れちゃったけど…やっぱり、甘いよね)」

ケイ「」ジトー

イズル「あ、ええっと、ほら、ミツヒロってすごく操縦がうまいんだ! さっきも訓練で模擬戦してみたんだけど、全然勝てなくて」アハハ

ミツヒロ「いや、イズルもかなりの腕だ。事実勝てたのも運がいいだけだしな」

ケイ「そう。…イズルは、平気なのね。こんな状況でも、訓練とかして…」

イズル「え?」

ケイ「前から聞きたかったんだけど、不安にならないの? 命令されれば、その通りに戦って、自分の意思なんて、全然なくて」

ミツヒロ「? それが軍人というものじゃないか?」

ケイ「それは、そうだけど……そうよね、その通りだわ。私たち、それしかないのね。戦うために生まれてきて、育てられて…軍の養成所に入るときに過去の記憶まで消されて……あっ」ハッ

ミツヒロ「記憶を消されて……? いったいどういうことだ?」

イズル「あ、ええと、何でもないよ。ね?」アタフタ

ケイ「え、ええ。ごめんなさい、忘れて?」

ミツヒロ「……あ、ああ」

イズル「あ、あはは……。えっとさ、ケイ」

ケイ「何?」

イズル「僕はさ、ヒーローになりたいんだ」

ケイ「それ、前にも聞いたわよ……」

イズル「うん。……こないだキラに聞かれてから、いろいろと考えたんだけど、やっぱり、それが僕の戦う一番の理由だったんだ」

ケイ「ヒーローね…」

イズル「養成所にいたときさ、マンガばっかり読んでたんだ。そこにはかっこいいヒーローがたくさんいて、それで、ヒーローは皆に感謝されて、憧れられて…とにかく、すごかったんだ」

ケイ「……」

イズル「それで、僕もあんな風になれればいいな、って。そう思ったんだ。いつかヒーローになれば、きっと、僕の生まれてきた意味もあるって」

ケイ「…私は、そんな風には……」

ミツヒロ「なぁ、横からですまないが。戦うだけが全てではない、と俺は思う」

ケイ「……」

ミツヒロ「俺は昔、フェストゥムと戦うためにと父親の実験動物みたいに扱われて、道具のように生かされていた。でも今は違う。ビリーやアイ、ここに暮らすたくさんの人たちと出会って、俺は戦うこと以外にも生きていく理由が見つけられたんだ」

ミツヒロ「君にもきっと見つかるはずだ。戦うこと以外に、生きていくための理由が」

ケイ「生きていくための理由……」

イズル「とりあえずさ、それが見つかるまでは頑張ってみない? 皆で一緒に、ヒーローになろう?」

ケイ「……そうね。ヒーロー、か」クスリ

イズル「うん」ニコリ

ミツヒロ「…イズルは、いいリーダーになれるよ」フッ

イズル「え、そう?」

ミツヒロ「ああ、今みたいに、仲間の声に真剣に向き合うだろ? 大切なことだと俺は思う」

イズル「あはは…僕は、リーダーよりもヒーローになりたいんだけど…あ、そうだ」ガサゴソ

ミツヒロ「?」

ケイ「?」

イズル「えっと、新しくマンガのキャラを描いてみたんだ。どうかな、二人なら分かってくれると――」

ケイ「ない!」

イズル「ええ?」

ミツヒロ「…その、個性的な画力だな」メソラシ

イズル「あれぇ?」

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 ブリーフィングルーム

スズカゼ「こちらが本日の作戦の指揮を執る、コミネ・ダイ参謀次長よ。礼」

ラビッツ「」ビシッ

ペルセウス中隊メンバー「」ビシッ

コミネ「楽にしてよろしい。今回は君たち、MJP機関のアッシュを、対フェストゥムの戦闘にも役立てるためのデータ取りを行う。そもそもあの憎たらしいフェストゥムめらとの戦いは……」グダグダ

アマネ「参謀次長。彼らに自己紹介をさせていただいても?」

コミネ「……うむ。彼女は私の副官であるアマネ大尉だ」フン

アマネ「どうぞよろしく」ビシッ

コミネ「…さて、今回の戦闘の詳細を説明しよう。対象はスフィンクス型が全部で十体ほどだ。つい先日、ここの斥候部隊がこの近辺で発見した。今のところはまだ被害も出ていないが、何かしらの行動に出る可能性もある。少ない数で集まっている今のうちに叩くというわけだ。数としてもテストにはちょうどがいい」

アマネ「今回、アッシュのテストがあくまでも目的ですので、現地のファフナー部隊に関しては、イレギュラーが発生した際のフォローに徹するようにお願いします」

ナレイン「うむ。我々は手出しせず、周囲の警戒に気を張っておきましょう。フェストゥムとの戦いは常にイレギュラーへの心構えが必要となる」

コミネ「とにかく、そういうわけだ。今回は私がわざわざ本部から来て指揮を執るというのだ。分かっているのかね? 君たちには多額の予算をかけてやっているのだ。前回のような無様な姿を晒さないように! ファフナー部隊の諸君もな! ファフナーの研究にも、決して少なくない投資をしてきたのだ!」フン

ラビッツ「」ムッ

ペルセウス中隊メンバー「」ムッ

ナレイン「…まだ、作戦の開始までは時間もあります。基地を見ていかれますかな?」

コミネ「うむ、そうするとしよう。噂に名高いシュリーナガルの設備や環境、実に興味深い」フフン

スタスタ…

スズカゼ「…あなたたちはゴディニオンで待機しててちょうだい。それじゃ……」スタスタ

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 通路

スルガ「へん! 多額の予算をかけてやってるだってよ! お前は俺たちの創造主か何かかっつーの!」

タマキ「むちゃんこムカつくー!」ウガー

ビリー「ホント、会うたびに思うけど、あの人僕も嫌い!」

ミツヒロ「ビリー、大声出すなよ。聞こえたらどうする」

アイ「大丈夫よ、あの人耳が遠いんだから。まったく、これだから本部の人は…」ハァ

アサギ「前回のような無様な姿、か……」

スルガ「気にするトコそこかよ。ホント、マジメだな、お前」ヤレヤレ

イズル「ま、今回はよく戦闘データが取られて対策も出来てるスフィンクス型が相手なわけだし、ミツヒロたちも何かあればフォローしてくれるんだから、大丈夫だよ、アサギ!」

アサギ「お前にフォローされたくない!」

ケイ「…いずれにしても、あの潰れたシュークリームみたいなおっさんの指揮で戦わなきゃならないってわけね」ハァ

イズル「うん、頑張ろう!」

ラビッツ「」ジトー

ビリー「ここでそんな言葉が出るかなぁ。イズルも僕くらい空気が読めないんだね」

イズル「あれ?」

アイ「ビリーも人のこと言えないでしょうが…」

ミツヒロ「まぁ、とにかく任務が無事に終わるといいが……」

アサギ「ホントにな……」ハァ

いったんここまで
SEEDと一緒に参戦すると地球連合のひどさが設定的に磨きがかかりそう(プラントと対立してる裏で遺伝子操作された子供を内密に生産中)
ではまた

地球 エリアシュリーナガル 森林

スズカゼ『各機、配置についたわね』

イズル「こちらチームラビッツ、全員配置につきました」

ミツヒロ『こちらファフナー部隊、後方に待機完了した』

コミネ『予測ではあと一分ほどで敵の集団がここらを通りかかる。合図と同時にアッシュ各機は突入、一気に敵を排除し、離脱するのだ』

スズカゼ『それまでは各自待機よ』

ブツッ!

スルガ『へっ、お偉いさんが指揮するからってフル装備とはな……』

ケイ『それだけ失敗できない任務ってことね』

ミツヒロ『君たちにかかる期待の大きさとも言えるわけだ』

アサギ『…今度は絶対失敗しませんように』イガー

地球 エリアシュリーナガル ゴディニオン ブリッジ

ピピッ

ジークフリート「センサーに感あり。敵集団…っ!? これは……」

スズカゼ「どうしたの?」

ジュリアーノ「敵集団、想定の倍以上の数で予測進路を通ります!」

ジークフリート「確認されただけでおよそ百体ほどはいるかと思われます!」

スズカゼ「!」

コミネ「何? 敵は十体ほどではなかったのかね!?」

ナレイン「…報告されたのは昨日のことでありますが……これほどに急激に大勢が集合した例は見たことがありませんな」

コミネ「君が十体ほどであると言ったから今回の実験の相手にしたのだぞ!」

アマネ「現状の戦力ではあの数を相手にするのは厳しいでしょう。ここは撤退を…」

コミネ「こんなところまで来てむざむざ帰れと!? 危険な状況だからこそ、ジュリアシステムはパイロットを生かそうと効果を上昇させるのだろう? 作戦は開始する!」

スズカゼ「しかし――」

コミネ「開始だ!」

スズカゼ「……了解しました。各自、作戦開始! ……念のため、全員フル装備で出撃させてあります」

コミネ「ふん、当然のことだ」

ナレイン「……」

アマネ「……」




イズル「作戦開始!?」

スルガ『おいおいマジかよ…あんな数相手に戦えってのか?』

アサギ『やるしかない、か……!』

ビリー『でも、いくら何でもあの数は…! ミツヒロ! 僕たちも……』

ミツヒロ『俺たちの任務は、あくまでもイレギュラーに対応することだ』

ビリー『ミツヒロ!?』

ミツヒロ『…現在、作戦は予定とすでに大きく違っている。現場の判断だ、俺たちもチームラビッツを援護するぞ!』

アイ『…! そうこなくちゃ!』

イズル「ありがとう、ミツヒロ!」

ミツヒロ『気にするな。行くぞ!』

ペルセウス中隊各機「」ギューン!

イズル「っ!」ガコッ

レッドファイブ「」ギューン!

アサギ『くっ…俺だって!」ガコッ

ブルーワン「」ギューン!

スルガ『当たれ!』カチッ

ゴールドフォー「」首← バンッ!

フェストゥム「」サッ

スルガ『避けた!?』

ケイ『動きが素早い…! 従来のデータと全然違う!』

タマキ『うえー!?』

フェストゥム『…は、そこにいますか?』

イズル「え…?」

アサギ『何か喋ってる……!?』

フェストゥム『――あなたは、そこにいますか?』

ミツヒロ『答えるな! 敵に同化されるぞ!』

ファフナー・ミツヒロ機「」バラララッ!

フェストゥム「」ピシュン!

イズル「消えた……」

ミツヒロ『フェストゥムに格闘戦を仕掛けるのは危険だ。やつらは消える時にワームスフィアを発生させる。巻き込まれたら機体を持っていかれるぞ!』

ビリー『適度に距離を取って戦うんだ!』

アサギ『了解!』




ゴディニオン ブリッジ

コミネ「ファフナー部隊は何をしている! 勝手に戦闘に参加するなど!」

ナレイン「彼らにはイレギュラーへの対応をさせるとのことでした。現状はもう十分なほどにイレギュラーでしょう」

コミネ「……ふん、口八丁はさすがだな、ナレイン大将」グヌヌ

スズカゼ(…しかし、戦況はよくない。いくらファフナー部隊が精鋭でも、敵の物量も技量も、これまでのデータとはまったく違う…このままでは……)ハラハラ

コミネ「…うぬぬ、いつまで膠着しているのだ!? ……む! ローズスリー!」

タマキ『は、はい!?』

コミネ「何をしている! 突っ込め! 戦場のかく乱が担当だろう!」

タマキ『へ? は、はい!』

スズカゼ「!? 参謀次長お待ちください!」




タマキ『え、えーっと、えーっと』ガコッ

ローズスリー「」ギューン!

イズル「え、タマキ!?」

ミツヒロ『何をしている!? 一人で突っ込むな!』

ケイ『…! タマキ、ダメ! 囲まれてる!』

タマキ『へ?』

フェストゥム『あなたは、そこにいますか?』ワームスフィア

ローズスリー「」チュドーン!

タマキ『きゃああああああっ!?』

イズル「!? タマキイイィィィッ!」

レイカ『ローズスリー、被弾! ブースターの半分が消失! 推進力が落ちてる…! 落下するわ!』

スズカゼ『なんですって!』

ローズスリー「」ズサーッ!

タマキ『う、ううっ……』

イズル「タマキ! …助けないと!」ガコッ

レッドファイブ「」ギューン!

フェストゥム『あなたは、そこにいますか?』ワームスフィア

レッドファイブ「」サッ

イズル「くっ…!?」

アサギ『数が多すぎる…! ケイ、タマキのところに行けるルートを出してくれ! ケイ? ケイ!』

ケイ『あ、ああ……』ブルブル

スルガ『ち、ちくしょう…!』カチッカチッ

ゴールドフォー「」バンッ!バンッ!

ミツヒロ『落ち着け! 冷静になって、進路上の敵を排除するんだ!』

イズル(このままじゃタマキが危ない……! 僕がどうにかしないと! 戦え、生き残るために…!)

レッドファイブ「」ピピッ!

イズル「! レッドファイブ? …そうか! 新装備で!」

タマキ『うう……どーなってるのら…?』

フェストゥム『あなたは、そこにいますか?』ワームスフィアノタマ

タマキ『ひっ……!?』

アサギ『タマキ……!』

イズル「うおおおおおおっ!」

レッドファイブ「」バシュッ!

ミツヒロ『あれは…シールドか!』

アームガード「」エンゴボウギョ

タマキ『あ、あれ…?』

イズル「タマキ! …ありがとう、レッドファイブ! お前も一緒にヒーローになろう! マルチランチャー、お願いします!」ガコッ

レッドファイブ「」ギューン!

ダン『マルチランチャーセット! 発射!』

ピット艦「」バシュッ!

イズル「はああああっ!」

レッドファイブ「」バララララッ!

フェストゥム「」ピシュン!

ミツヒロ『イズルが隙を作った! 全機、突入!』

ペルセウス中隊各機「」ギューン!

アサギ『くっ……! 俺だって!』ガコッ

ブルーワン「」ギューン!

イズル「タマキ、無事か!」

タマキ『イズル…もう、いいよ…このままじゃ、イズルや皆も…』

イズル「しっかりしろ、タマキ!」

タマキ『でも……』

イズル「皆で生きて帰るんだ!」

ラビッツ『……!』

ミツヒロ『イズル…』フッ

タマキ『イズル……あたし――あたし、一度くらいデートしたかったーっ!』ウエーン!

イズル「えっと、それは帰ってからできるかどうかは分からないけど…」

タマキ『何そのマジ返し!』ウガー

アサギ『お前そこは嘘でもデートできるって言っておけよ…』フー

ビリー『空気読みなよー』

アイ『女心が分かってないわね』

イズル「ええー…前に意味もなく励ますなって言ったじゃないか……」

ケイ『まったく……レッドファイブ、ブルーワン、ファフナー各機はローズスリーの周囲の安全を確保して! ゴールドフォーは今から送る優先順位の通りに援護射撃を!』

ラビッツ・ペルセウス中隊『了解!』




ゴディニオン ブリッジ

レイカ「アッシュ、ファフナー各機、残弾残り半分を切った…! エネルギーもよ!」

スズカゼ「! まだあれだけの敵が残っているのに…!」

アマネ「参謀次長、ここは撤退命令を! まだ一機撃墜されているだけで状況が済んでいるうちに、早く!」

コミネ「う……に、逃げることは許さん! 戦え!」

ナレイン「次長。ここで長く戦ってきたファフナー乗りとして意見を申し上げますが、このままでは…!」

コミネ「黙れナレイン! ファフナーといいアッシュといい、貴様らにいくらかけてきたと思ってるんだ!」




コミネ『貴様らにいくらかけてきたと思ってるんだ!』

ラビッツ『!』

アッシュ各機「」ピー…ガコッ

ケイ『! レッドファイブ、ブルーワン、ゴールドフォー、攻撃を!』

イズル『りょ、了解!』

スルガ『照準がうまく定まらねー……!』

アサギ『ち、ちくしょう、動けよ…! 機械のくせに、あんな言葉なんかで一緒になって動揺するなよ!』

ミツヒロ『くっ…イズルたちの動きがまた鈍ってきた……! このままでは……』

ビリー『! み、ミツヒロ……あれ…!』

イズル「あれは…? 他のフェストゥムと違う……」

アイ『う、嘘でしょう……!』

ミツヒロ『! 最悪のタイミングだ…悪魔め……!』ギリッ

ディアブロ型フェストゥム「」ズンッ…ズンッ…




ゴディニオン ブリッジ

ナレイン「ディアブロ型だと!」

スズカゼ「一年前にハワイの輸送基地を壊滅させた……!?」

ナレイン「単体でも熟練のファフナー部隊を壊滅させるほどの危険な敵だ…! 参謀次長、状況は危険です! 撤退の命令を!」

アマネ「参謀次長!」

コミネ「う、うぬぬ…相手は一体だけだろうが! 逃げるな、戦え!」

アマネ「次長! 弾薬もエネルギーも足りてない状況です! どう考えたって撤退するべきです!」

コミネ「いつから君は私に命令できる立場になったのだアマネ大尉! 副官らしくわきまえたまえ!」

ジークフリート「! 新たな敵の反応! ……こ、これは…」

スズカゼ「なっ……!」




ズズーン…!ズズーン…!

タマキ『な、何ーっ!?』

ケイ『地響き…? いったい何が……!』

ミツヒロ『あ、あれは……何だ!?』

アザゼル型「」ユラァ…

ビリー『お、大きい……!?』

アイ『何よ、あのバケモノ……!』




ゴディニオン ブリッジ

ナレイン「何と言う大きさだ…! あんなサイズのフェストゥム、見たこともない……!」

スズカゼ「っ! 参謀次長、ここは撤退を! これは完全な異常事態です!」

アマネ「次長っ!」

コミネ「……て、撤退、だ」グヌヌ

スズカゼ「! 各機、撤退命令が出たわ! 今すぐに退却を!」

ラビッツ・ペルセウス中隊『り、了解!』




ケイ『ローズスリー、ブースターをこっちの管制で完全に切り離すわ、コアユニットで撤退して!』

ローズスリー「」パージ

タマキ『やた! 軽くなったー!』

ケイ『ブルーワン、レッドファイブ、ゴールドフォー、ファフナー各機は退路を確保、順次撤退を!』

アサギ『了解、撤退する!』

ブルーワン「」ギューン!

ミツヒロ『ビリー、アイ! 殿は俺がやる! 先に行け!』

ビリー『了解!』

アイ『気をつけてミツヒロ!』

ファフナー ビリー・アイ機「」ギューン!

イズル「! そうだ、ローズスリーがパージしたブースター…!」

ミツヒロ『大量の燃料に誘爆させれば、時間稼ぎになるか!』

レッドファイブ「」バラララッ!

ファフナー・ミツヒロ機「」バラララッ!

ディアブロ型「」チュドーン!

イズル「これで倒せれば…!」

ミツヒロ『いや、あの悪魔はあれじゃ倒せない! 急げ、イズル! 撤退だ!』

イズル「うん!」

ケイ『二人とも急いで! もう少しで他の皆は完全に撤退するわ!』

イズル「ケイは!?」

ケイ『私も今から撤退する…!』

イズル「ケイも急いで!」

ケイ『了解……っ!?』ピピッ

フェストゥム『あなたは、そこにいますか?』ワームスフィア

ケイ『あ……』

イズル「ケイっ!」

レッドファイブ「」チュドーン!

ケイ『!? イズル! そんな、私を庇って……』

ミツヒロ『っ!? イズル!』

ケイ『イズル、大丈夫!? イズル!?』

イズル「だ、大丈夫…たぶん……」ブーッ!ブーッ!

レイカ『レッドファイブ被弾! 推力を保てない…! 墜落するわ! 強制脱出装置もワームスフィアに持ってかれてる!』

スズカゼ『そんな!』

コミネ『…こうなれば、一体くらい仕方あるまい』

スズカゼ『な、何を!?』

ディアブロ型「」ズンッ…ズンッ…

イズル「け、ケイ…早く撤退して」

ケイ『で、でも、イズルが…!』

イズル「ケイが撤退したら僕も逃げるから!」

ケイ『何言ってるの! 機体の半分も無いのに……!』

イズル「逃げるんだ!」

ミツヒロ『イズル!』

イズル「ミツヒロ、ケイを連れていって!」

ミツヒロ『しかし…!』

スズカゼ『……パープルツー、ガブリエル、撤退を』

ケイ『でも、イズルが…!』

イズル「大丈夫だよ! ヒーローは絶対に生きて帰るんだ! こんなところで死んだりしないよ! まだまだ描きたいマンガもあるし、ケイのやたら甘いケーキだってまた食べるんだ!」

ケイ『イズル……!』

ミツヒロ『……くそっ、俺はまた仲間を助けられないのか……!』

ディアブロ型「」ズンッ…ズンッ…

ミツヒロ『――っ、ちくしょう! ケイ、行くぞ!』

ケイ『け、けど……!』

ミツヒロ『ここで三人まとめてやられるわけにはいかない! 行くんだ!』

ケイ『そんな……!』

イズル「大丈夫だよ、ケイ…絶対に、僕は……!」

ディアブロ型「」フリカブリ

ケイ『イズル!』

イズル「くっ……!」

ディアブロ型「」チュドーン!

ミツヒロ『っ!? 何だ!?』

ケイ『攻撃…? でも、どこから……!』

ライノス「」ギューン!

ピピッ!

ランディ『タリホー! 騎兵隊の参上だ!』

チャンドラ『こちらチームドーベルマン! これよりレッドファイブの救助を開始する!』

ランディ『おい待てチャンドラ! 俺のセリフ取るな!』

パトリック『そんなことを言ってる場合じゃないですよ、ランディさん!』

スズカゼ『チームドーベルマン!? いったい誰が彼らを…!?』

ランディ『シモン司令からの要請ですよ、スズカゼ教官殿。急に前線から呼び戻されましてね、アイツらと一緒にアッシュのテストを補助しろとのことで』

スズカゼ『アイツら……?』

ランディ『ええ、俺らだけじゃ、あの凶暴そうなのの相手はできないんでね』

チャンドラ『ランディ、話をしている場合じゃない! やつはまだ来る気だぞ!』

ディアブロ型「」ムクリ…

ディアブロ型「っ!」ダダダダダッ!

イズル「こっちに向かってくる…!」

???『――へっ、隙ありだぜ! 悪魔さんよぉっ!』

ディアブロ型「!?」チュドーン!

イズル「な、何!?」

カイザーSKL「」ダンッ!

真上『おいおい、こんな程度でフラつくのか?』フー

海動『そんなんじゃ、このカイザーの相手には足りねぇってんだ!』




ゴディニオン ブリッジ

スズカゼ「あれは……!」

ピピッ!

由木『こちらはWSOの由木大尉です! シモン司令の要請を請け、チームラビッツの援護に参りました!』

スズカゼ「……協力に感謝します! 由木大尉!」

ナレイン「あれが噂に聞くカイザーか…物々しい雰囲気だ…」

コミネ「ふん! 別働隊があるのならば、最初からこちらに寄越せばいいのだ!」

アマネ「……」ハァ




海動「へっ、もらったぁ!」

カイザーSKL「」ザンッ!

ディアブロ型『あ、なたは…あなたは、そこに……』ピシュン!

海動「チッ、ごちゃごちゃうっせぇなぁ」

フェストゥム「」ワラワラ

海動「お? んだよ、まだまだやる気あるのがいるじゃねぇか」ニタァ

真上「海動、俺に代われ。俺もやる気が出てきた」

海動「へっ、そーかよ。じゃ、好きにしな」

真上「ふっ、そうさせてもらう」ガコッ

カイザーSKL「」バララララッ!

フェストゥム「」ピシュン!ピシュン!ピシュン!ピシュン!

ランディ『おーおー。相変わらずいい腕してんなぁ』

チャンドラ『その調子で時間を稼いでくれ。もう少しでレッドファイブを脱出させられる』

海動「へん、時間なんて稼いでねーよ。このまま全滅させてやらぁ」

真上「まったくだ。…ん?」

アザゼル型「」ユラァ…

海動「アイツが親玉か?」

真上「そのようだな。さっさと始末するとしよう」

カイザーSKL「」ダダダダッ!

アザゼル型「」ワームスフィア

真上「当たりはしない!」

カイザーSKL「」ダンッ!

アザゼル型「!?」

真上「懐、取ったぞ…!」

カイザーSKL「」バララララッ!

アザゼル型「っ!」チュドーン!

海動「おーおー、隙だらけじゃねーかよ。真上、代われ!」

真上「ふん、いいだろう。強烈なのを叩き込んでやれ!」

海動「へっ、行くぜぇ、バケモンさんよぉ!」

カイザーSKL「」ザンッ!

海動「神に会うては神を斬り!」

真上「悪魔に会うては、その悪魔をも撃つ!」

海動「戦いたいから戦い!」

真上「潰したいから潰す!」

海動・真上「「――俺達に大義名分など無いのさ!」」

海動「おらあっ!」

カイザーSKL「」ズバァッ!

海動・真上「「俺たちが、地獄だ!!」」

アザゼル型「!? !?」ピシュン!

ミツヒロ『なっ……!? た、倒したのか……!?』

海動「いや、逃げられた…チッ、逃げてんじゃねーよ」

ピピッ!

由木『アモン6、ルシファー4。もう十分よ、撤退しなさい!』

海動「ああん!? 何言ってんだ、まだ敵がいんだろうが!」

由木『キリがないと言ってるのよ! ほら、さっさと戻る!』

海動「チッ…えっらそーに」

真上「仕方あるまい。楽しみはまた今度だ」

海動「ふん……」




ゴディニオン ブリッジ

ジークフリート「カイザー、ドーベルマン、レッドファイブの撤退を確認」

ジュリアーノ「安全圏まで脱出完了、敵、追ってくる気配ありません」

スズカゼ「そう…イズル…レッドファイブは?」

レイカ「機体はボロボロだけど、パイロットは無事よ」

スズカゼ「……基地に戻ったらすぐに検査ね。ローズスリーも」

コミネ「…ふん、私は部屋で待機している。アマネ大尉、今回の報告書をまとめておきたまえ」スタスタ…

アマネ「……了解いたしました。私も、行くわね」

スズカゼ「ええ。…大変ね、上司がああだと」

アマネ「もう慣れたわ。…ごめんなさい、あなたの生徒たちには、申し訳ないことをしたわ」

スズカゼ「気にしないで。…全員、無事だったんだから」

アマネ「そう言ってもらえると助かるわ。…じゃ」スタスタ…

レイカ「大変ねぇ、苦労する上司を持つと」

スズカゼ「そうね。本当に……」

ナレイン「……」

スズカゼ「ナレイン大将…?」

ナレイン「先ほどの未知の敵だが…スズカゼ少佐、後で話がある。シモン司令にも伝える必要のあることになるだろう」

スズカゼ「まさか、先ほどの敵も昨日伺った例の件に……?」

ナレイン「うむ。この辺りにいたということは、エメリーの話通り、間違いないだろう。――我々の対話を妨害しようとする、新たな敵だ」

わりと話の運びが雑なのは目を瞑っていただけると幸いです

カイザーSKLくんには、エーアイのマジンガー枠を司る新しい公務員をやってくれ!
三回連続の参戦はエーアイ系ではないそうですが、真マジンガーよりもSKL続投の方が嬉しい ではまた

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 宿泊施設

アサギ「……」

ケイ「……」

スルガ「……」

タマキ「…イズル、遅いねー」ポツリ

ケイ「そうね」

アサギ「一応、大丈夫っぽかったらしいが…相手はフェストゥムだからな、検査はちゃんとやらないと」

スルガ「…あいつ、もう戻ってこないってことはない、よな?」

ケイ「……」

ガチャ

イズル「えっと、ただいま」

スルガ「イズル!」タタッ

タマキ「おかえりー!」タタッ

ケイ「大丈夫なの?」タタッ

アサギ「もう歩いて平気なのか?」タタッ

イズル「えっと、うん。問題ないって」

タマキ「そっかー。よかったー」

イズル「うん。…ちゃんと帰ってこれて、よかった」ホッ

アサギ「…お前さ、無理しすぎなんだよ」

イズル「へ?」

スルガ「一人でがんばることねーじゃん?」

ケイ「助けが来なかったらどうなってたか……!」

タマキ「もー!」

イズル「あはは…僕、皆にツッコまれてる」ニコリ

ラビッツ「はぁ!?」

アサギ「…ったく、そこ喜ぶトコじゃねーよ…」ハァ

イズル「あはは…ほら、それより立ち話もなんだし、玄関じゃなくて中で話そう?」




イズル「はい、水」コトリ

アサギ「リーダーってそういうことが仕事じゃないだろ」

イズル「あれ? …まぁいいじゃないか。さ、続き続き」カキカキ

スルガ「ったく、あんなことの後でもマンガとはブレないねー、イズルはさー」

タマキ「まったくなのらー。…はぁ、気が抜けて急に眠くなってきたー」フラリ

ケイ「ちょ、タマキ!?」

タマキ「ケイー、このまま寝るトコまで連れてってー」ダキー

ケイ「ちょっと……!」

アサギ「赤ん坊かっての…」ハァ

イズル「はは、タマキらしくていいんじゃない?」

スルガ「……俺さ、たまに夢に見るんだ」

アサギ「ん?」

スルガ「自分が赤ん坊で、誰かに抱かれてる夢。目を閉じてるとさ、誰だか知らない人が、背中を優しくとんとん叩いてくれて――」

アサギ「……夢だろ?」

スルガ「まぁ、そうなんだけど。でも、たぶん本当にあったんだぜ? 忘れてるだけでさ」

ラビッツ「……」

スルガ「戦うために連合じゃタブーの遺伝子操作で生み出されてさ。適正年齢まで養子に出されて、その後は養成所に入れるようになったら、今度は記憶を消されて戦う勉強させられて。そんな俺たちにも、昔は普通の人みたいに育ててくれた誰かが、きっといたんだよ」

ケイ「…そうね」

スルガ「さっきさ、マジで死ぬんじゃないかとか、思ったよな?」

アサギ「…ああ」

スルガ「…もしもさぁ、死んじまったとして。そうやって背中を叩いてくれた誰かにもさ、連絡、いくのかな?」

タマキ「……うぇ、うう…」グスッ

ケイ「……」ウツムキ

アサギ「…いかないだろ、そりゃ」メソラシ

スルガ「! ……お前、ひっでーなぁ! あーあ、ったくよ、ナイーブなやつって、人のナイーブさには鈍感なんだよな!」ヘン

アサギ「なんだと!」

ケイ「やめなさいよ……まったく…あら?」

コンコン ガチャ

ビリー「イズル! 大丈夫!?」

アイ「検査が終わったって聞いたけど…あら、元気そうね」

ミツヒロ「ビリー、落ち着け。…無事なようで何よりだ、イズル」フッ

イズル「」スラスラ

ビリー「あれ? 無視?」

スルガ「あー、イズルのやつ、マンガ描いて集中しだすと周りのこと見えなくなるんだよ」

アイ「こんなに近くにいるのに、すごい集中力なのねぇ……」

ミツヒロ「というか、あんなことの後でマンガとはな。…大したやつというか、何と言うか」

タマキ「おバカ?」

アサギ「……だな」フー

ケイ「……でも、あのときイズルはタマキを守ったわ。たった一人で」ニコリ

アサギ「! …ああ、そうだな」メソラシ

ミツヒロ「……ヒーロー、か」フッ

イズル「」スラスラ

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 司令室

由木「…では、我々は先に富良野の方へと行きます。今回の一件のためにチームドーベルマンも我々も先行してやってきたためにまだ手続きが完了していませんので、正式なモノはそちらで」

スズカゼ「了解しました。…今日の協力について、改めて感謝します」

海動「へん。別に俺たちは好き勝手暴れただけだけどな」

ランディ「確かに。お前らのことだ、あれじゃまだ足りてないだろうな」

真上「まぁな。後で模擬戦でもするとしようか?」

チャンドラ「お前たちと戦うのは疲れるから勘弁してほしいところだな」フッ

パトリック「ですねぇ。勝てる気もしませんし…」ハハ

海動「何言ってやがる、連合のエースの一角なんだろ?」

ランディ「ケルベロスみたいなやつに言われてもな。俺らドーベルマンだし」

真上「ケルベロス? 生ぬるいな、俺たちは…」

ランディ「地獄だろ? はいはい」

スズカゼ「…よければ、ウチのチームラビッツと模擬戦をお願いできないかしら」

海動「あん? ラビッツって、あのガキどもか?」

スズカゼ「本当はチームドーベルマンだけにお願いしようと思ってたけど…大気圏内での戦闘に慣れている相手は多いに越したことはないわ」

真上「なるほどな…」

海動「かったりぃ。やだね、面倒だし」

由木「海動特務中尉。上官として命令します。やりなさい」

海動「チッ、わーったわーった、分かりましたよぉ、大尉殿。…ったく」

ランディ「いいねぇ、お前らのトコの上官は。美人で」

真上「いつでもこっちに来ても構わないぞ? こちらとしても面倒が減る」

由木「聞こえてるわよ。…さぁ、移動するわ。ついてきなさい」

ガチャ バタン!

スズカゼ「」フー

ナレイン「だいぶ疲れているようだな」フッ

スズカゼ「いえ、このくらい。…あの子たちの、今日のストレスに比べれば」

ナレイン「……例の件については、明日皆に話すとしよう。君も休みたまえ、スズカゼ少佐。これからはこれまで以上に忙しくなるだろう」

スズカゼ「…そうですね、そうします。コミネ参謀次長には…」

ナレイン「私から挨拶をしておくよ。この基地の代表は私だ」

スズカゼ「ありがとうございます。では…」スタスタ

ガチャ バタン!

ナレイン「…若いな。まだまだ、割り切れない歳か」

地球 エリアシュリーナガル 連合基地 整備ドック

レイカ「ローズスリーとレッドファイブはグランツェーレの本部で修理! 今日はコアユニットの整備だけやっておいて! …じゃ、後のことはよろしくー」フリフリ

ピットクルー「お疲れ様でしたー!」



レイカ「……さて、と。今日はもう休んでー、っとあら?」スタスタ

スズカゼ「あらレイカ。整備はどう?」

レイカ「どうも何も、レッドファイブとローズスリーは機体自体が持ってかれちゃったから一から作らないと修理はできないし、意外に仕事はないって感じ?」

スズカゼ「そう…」フー

レイカ「大丈夫? 疲れてるわねー」

スズカゼ「そりゃ疲れもするわよ。無茶な作戦でギリギリのところを見続けて…最後には、大事な生徒を見捨てそうになったわ」

レイカ「リンリンー、そう考えたってしょうがないでしょ。あの状況だもの、援軍が来なかったら、むしろ被害は増えてたわけだし…」

スズカゼ「そういう問題じゃないわよ…私が、一番諦めちゃいけないのに……」

レイカ「もー、ホントマジメなんだからー」

スズカゼ「…思い出しちゃったのよ、昔、ウルガルとの戦いで、私以外の部隊のメンバー全員がやられたときのこと」

レイカ「……そういう経験が、あの子たちの教官に選ばれた理由になったんでしょ? なら、繰り返さないようにこれから教えてあげればいいじゃない」

スズカゼ「それは、そうだけど……」

レイカ「あー、もう面倒ね! ほら、一緒に来る! こういうときはお酒でも飲んで、いろいろとぶちまけるのが一番!」グイグイ

スズカゼ「ちょ、レイカ! 知ってるでしょ、私、酒癖が……」ズルズル

レイカ「そんなの今さら気にしない! 幼馴染でしょーが!」

スズカゼ「……ありがとう」




地球 エリアシュリーナガル 連合基地 司令室

タマキ「ふぁーあ…まだ眠いー」ゴシゴシ

スルガ「ったく、こんな朝早くからなんで集合なんだ?」

アサギ「俺が知るかよ…」

ビリー「僕らも何も聞いてないなぁ」

アイ「イズルたちも呼ばれてるってことは、きっと、関係あるんでしょうけど…」

ガチャ

ナレイン「全員集合しているな」

イズル「あれ? あの、スズカゼ教官は…?」

ナレイン「彼女ならば先にゴディニオンに戻ってもらっている。いろいろと手続きがあってな」

ミツヒロ「あの、ナレイン司令。どういったご用件で俺たちを…?」

ナレイン「そのことなのだが…今から語ることは極秘事項だ。どこにも漏らさないようにな」

アイ「ビリー?」

ビリー「大丈夫だよ! もう、僕を少しは信用してよね」

ナレイン「ふふ、ここに集めたのは信用できるメンバーだけだ。問題ないさ」

アサギ「あの、僕たちも聞いて大丈夫なんですか? ここの基地の所属じゃないですけど…」

ナレイン「ああ、問題ない。そもそも、今から話すことは君たちにも関係のあることなのでな」

ケイ「私たちも、ですか?」

ナレイン「うむ。……ミールについては、君たちはどれほどのことを知っているかね?」

イズル「ミール…ええと、確か、フェストゥムのコアで……」

スルガ「フェストゥムの脳であり中枢ともいえる、いろいろな情報を高密度に集積した光子結晶体ってやつだな。四年前には北極にあった地球上のフェストゥム全部を統括するコアを破壊したけど、結局砕けてバラバラになったやつが独自に成長して別々のミールになって、今もフェストゥムは活動してる。そもそもミールってのは一説によると……」ペラペラ

ナレイン「それくらいには理解しているならば問題ない。そう、今では一つだけであった敵のミールも、分裂し、増え、敵として、あるいは――味方として、この地球に存在している」

ミツヒロ「…この街に、大きな結晶の樹があるだろう? あれもミールなんだ」

イズル「え、そうなの?」

ナレイン「うむ。世界樹、またはアショーカと呼ばれるあのミールは、このシュリーナガルを拠点とするフェストゥムたちとの共存に一役買っている存在だ。あれがあるからこそ、我々は敵との戦いに新たな道を見出せている。……対話という、な」

アサギ「対話って……フェストゥムと和平交渉するっていうんですか!?」

ビリー「今すぐってわけじゃないよ。…それに、元人類軍を指揮していた、連合のへスター事務総長は対話に反対してるしね」

アイ「私たちも、表では戦いをしているけれど、できるなら平和に解決したいの」

ナレイン「内密に動く我々を密告でもするかね?」

アサギ「それは……いえ。その、ただ、予想外の話でしたから」

ナレイン「まだ予想外の話は終わりではない。…最近、外宇宙にて撮影された写真だ」ピッ

ケイ「…これは」

タマキ「彗星?」

ナレイン「いや。これもミールだ。便宜上、『アルタイル』と名づけよう。ゆっくりとだが、地球へと向かってきている」

アサギ「新たな敵、ですか?」

ナレイン「そうなるかもしれないし、そうならないかもしれない。現在、このシュリーナガルの世界樹の力を借りて、アルタイルへと極秘に接触を図ろうとしているところだ」

イズル「接触って、どうやって?」

ナレイン「…近年、ある特殊な人間がこの地球に生まれつつあるのだ。ミールとの交信、対話を可能とする希望の存在がな」

ケイ「そんな力を持ってる人がいるんですか?」

ナレイン「いるとも。これも機密の存在だから、一般には知られることもないがね」

ガチャ

エメリー「そういう人たちのことを、『エスペラント』って言うの」

イズル「君は……? あ、おととい、基地で僕らを見てた……!」

エメリー「エメリー・アーモンドです。はじめまして、チームラビッツさん」ニコリ

ナレイン「彼女はミールとの交信を行う力を持つエスペラントの中でも特に秀でていてな。アルタイルとの接触も、彼女が行っている」

スルガ「はぁ…それで、成功したんすか?」

エメリー「いいえ…何かに妨害されていて、交信はうまくいっていないわ。それに、私たちの邪魔をしようとしてる別のミールのフェストゥムもいる」

ミツヒロ「別のミールのフェストゥム…まさか、昨日の…!」ハッ

ナレイン「そうだ。あの見たこともない巨大なフェストゥム…やつもまた、我々の対話を妨害しようとしている敵の一派であろうと見られる。昨日の集団にしても、やつがここへと攻めるために集めたのだろう」

ミツヒロ「狙いはエメリーやアショーカ、ですか」

ナレイン「その通りだ。昨日は撃退に成功したが、いつまた力を取り戻して我々の元へとやつが現れるか、それは分からない」

ビリー「またやつがここに来る…」

アイ「そうなったら、私たちだけでは防げないわ…」

ナレイン「それを見越して、私とエメリー、それにMJPのシモン司令とで協議し、他の方法を見つけることにした」

イズル「シモン司令と?」

ナレイン「そうだ。…残念ながら、エメリーの力では妨害を破ってアルタイルとの交信はできない。それ以上の力を持つエスペラントの協力が必要となる」

ミツヒロ「エメリー以上? しかし、そんな人間は今のところ確認されて…」

ナレイン「それは連合に属する人間の話だ。エメリーによると、連合とは関係を持たず、単独で行動しているあの場所に、彼女はいるらしい」

ミツヒロ「まさか…!」

ナレイン「そう、Dアイランドだ」

イズル「Dアイランド……?」

ナレイン「そうだ。フェストゥムとの戦いにおいて、連合の歴史では語られていない、影の立役者。彼らなくして、我々はここまで戦えていなかった」

ビリー「僕たちのファフナーの原型や、それにマカベ因子を提供してくれたところだよ!」

タマキ「マカベ因子ー? 何それー」

アイ「そっか、あなたたちには知られていないのね。ファフナーの操縦者に投与されている特別な因子なの。それがないと、私たちはファフナーに乗ることもできないのよ」

ミツヒロ「……マカベというのは、そのDアイランドに所属する、伝説のパイロットの名前さ。ファフナーパイロットの間じゃ、かなりの有名人でもある」

タマキ「へー、すごいんだー。何かよく分かんないけど」

ナレイン「とにかく。そのDアイランドは、連合とは別に独自でフェストゥムとの対話を目指して活動しているらしく、我々も存在は知っているが居場所までは知らない」

ケイ「それじゃあその島に行くこともできないのでは…?」

エメリー「いえ、さっき話したエスペラント…ミワって言う名前なんだけど、彼女と私、あの世界樹を通じて話すことができるの。細かい場所なら、たぶん、近付けば分かると思う」

ナレイン「それに、MJPのシモン司令は元々Dアイランドの出身でな、大まかな場所くらいならば予測できるだろうと地図を送ってくれた。これとエメリーの感覚を元に、探すことになるだろう」

アサギ「……あの、それで結局、その話と僕たちにどういう関係があるんでしょうか?」

ガチャ

スズカゼ「――私たちも、ナレイン大将たちの旅に同行することになったのよ」

イズル「スズカゼ教官!」

ケイ「それ、どういうことですか? 私たちの任務は――」

スズカゼ「これも任務の一環よ。まだアッシュの対フェストゥム戦闘のデータは完全ではないし、それにこのアルタイルがもしもこちらの敵となって地球へと到達したら、人類に未来はないと予測されているわ。……私たちが戦う相手は、ウルガルだけではなくなってしまったの」

タマキ「うえー…仕事が増えたの?」

スルガ「おまけに人類の未来ときたか…ヘビーだねぇ。ま、ウルガルもそういう意味では同じだけどよ」

イズル「人類を救う対話の手助け…うん! ヒーローっぽい!」

アサギ「よくもまぁそんなこと言ってられるな…」ハァ

ミツヒロ「あの、ナレイン司令。俺たちが呼び出された理由は…」

ナレイン「当然ながら、あの巨大なフェストゥムは、我々が動けばその目的に感づいて、いずれは追ってくることだろう。護衛が必要となる」

ビリー「ってことはもしかして…!」

ナレイン「うむ。君たち三人には、エメリーの護衛として今回の任務に同行することを命じる」

ビリー「やった! Dアイランドに行けるなんて、夢みたい!」

アイ「カズキ・マカベに会えるなんて……感激だわ!」

ミツヒロ「Dアイランド……か」

イズル「ミツヒロ? どうかしたの?」

ミツヒロ「いや、何でもない。…ということは、まだ当面は共に戦う仲間というわけだな。よろしく頼む、イズル」スッ

イズル「うん! よろしくね、ミツヒロ!」ギュッ

スルガ「友情の握手ってか。ホント、気楽なもんだねー」

ビリー「いいじゃないそういうのも。スルガたちも、これからよろしくね!」

タマキ「よろしくー!」

ケイ「……まったく、気楽なのはあんたらも一緒じゃないの」

アサギ「ホントにな…」フー

スズカゼ「……」

ナレイン「昨日のことなど嘘のような笑顔、などと思っているのかね?」

スズカゼ「……分かりますか」

ナレイン「なんとなくだがね。…彼らは若い。前をもう向き始めている。我々にできるのは、そうやって前を向く彼らのためにできることをして、教えてやれることを伝えてやることだ」

スズカゼ「…はい」

ナレイン「」フッ

ナレイン「さて、これから我々は対話のための旅へと出発する。一時間後には荷物をまとめ、滑走路に集合するように」

ラビッツ・ペルセウス中隊「了解!」

スズカゼ「出発したら、まずは先にファフナー部隊も一緒に、日本のグランツェーレ都市学園に戻るわ。そこでアッシュの修理や補給、それに――」

イズル「それに?」

スズカゼ「あなたたちの、卒業式を行います」

ここまででだいたい三話です あともう一話分だけやって終わりとしたいと思います

ちなみに第三次Zが出たくらいからスパロボに触れたと言いましたが初スパロボはKです ガンソードとファフナー目当てで買いました
ではまた

地球 東京 JUDA本社ビル 社長室

石神「……と、いうわけで。早瀬クンにはこれからもJUDAの一員として、頑張ってもらうことになりました。ほら、何か一言」

浩一「…あー、その、いろいろとゴメイワクをおかけしましたケド、一応ここに協力させてもらうことになったんで、ドウゾヨロシク」

シズナ「くぉら早瀬! やる気あるんかおのれは!」ウガー

イズナ「ま、まぁまぁ、姉さん。昨日は早瀬さんに助けられたわけだし。ちゃんとやってくれる人だよ、きっと」

山下「だとしてももうちょっと言い方ってのがあると思うんすケドねェ…」ジトー

浩一「しょうがないだろ? 俺だって、まだ実感がないんだよ。結局マトモに実戦に出たのも、そのシズナたちの手助けだけだし」

森次「……」

浩一「……何すか、森次サン」

森次「いや…せいぜい努力することだ。キミの操縦技術はまだまだ未熟だからな。…社長、私はこれで」スタスタ

石神「えー、まだちらし残ってるよ? 食べてってよー…あら、行っちゃった」

浩一「……」ハァ

浩一(ほんの一週間前のことだ。ある事故を境にとてつもない身体能力を手にして好き放題に生きていた俺は、突然に目の前に現れた巨大でとてつもなく強力なロボット――ラインバレルの唯一の操縦者、ファクターだと言われて、ある事件に巻き込まれた)

浩一(一般的には医療器具のメーカーとして有名なJUDA、それに、最近世界中でテロリストとして活動してる加藤機関だかいう連中との争いだ。ラインバレルと同じようなロボット――マキナを手に入れて悪用しようとしているらしい加藤機関と、JUDAは裏で戦っているらしい。俺と同じような、ファクターを集めて)

浩一(手に入れたラインバレルの力のおかげですっかり舞い上がっていた俺は、加藤機関の差し金で送られてきた敵に親友――矢島を殺された。目の前でいなくなった矢島を見た途端、身体中が熱くなって、頭の中も無茶苦茶になって。それで、ラインバレルで街中を大暴れしてしまった)

浩一(…で、散々暴れるだけ暴れて、気を失ってしまった俺は、おとといに目を覚まし、昨日にはJUDAと加藤機関の戦いに助太刀して、結局このJUDAの活動に参加することになった)

浩一(我ながら無茶苦茶な話だとは思う。でも、とにかく、俺は戦うと決めた。死んだ矢島に約束した、『正義の味方』になれるまで)

浩一(…これまで、手に入れた力で浮かれちまってどうしようもないほどにバカだった俺だけど、そんな俺でも、手に入れた力をもっとまともなことに使えるようになるはずだと、そう信じたい)




地球 日本上空 シャングリラ

加藤「さて。今回のターゲットはJUDAやラインバレルではない。ここを狙う」

ユリアンヌ「あらま。何でまたそんなトコを?」

加藤「このMJP機関のトップはJUDAの石神ともコネクションを持っている。どうも何かの計画を立てているらしくてな。いずれはJUDAと共に我々の障害となることだろう。芽は早いうちに摘むに限る」

陸「くくく…なるほど。加藤さん、その役目はボクにやらせてくださいよ」

沢渡「ああん? お前にできるってのかよ、陸」

陸「ええやれますとも。少なくとも、最近なりたてのファクターなんかにやられたりはしませんからねェ」ニヤニヤ

沢渡「てめぇ…もういっぺん抜かしてみろや」

加藤「よせ。…今回の件は陸に任せる。沢渡、お前は少し頭を冷やせ。どうせお前のアルマは改修中で出せないのだからな」

沢渡「くっ、そりゃそうだけどよ……!」

陸「ふふふ…あなたの分までJUDAやそのMJP機関とやらに教えてきてあげますよォ…想像力がないとどうなるかをねェ……」




日本 北海道 富良野 MJP機関 グランツェーレ都市学園 演習場

海動『おらおら! 逃げてばっかじゃ意味ねーぞ!』

真上『時には逃亡する技術が求められることもあるだろうが…今回はそんなことを訓練するのが目的ではない』

カイザーSKL「」ザンッ!

練習機(アサギ搭乗)「」ドゴッ!

アサギ『くっ…! 動きが違いすぎる!』

ケイ『ダメ、相手の情報処理が追いつかない…! たった一機だけなのに……』

タマキ『全然思ったように動けないー! ……あたし太った!?』ハッ

スルガ『そりゃアッシュに比べりゃこの練習機はグレードダウンしてるからな』

イズル「えっと、皆落ち着くんだ! 冷静にならないと逆転も…」

練習機(イズル搭乗)「」フラフラ

イズル「あれぇ?」

アサギ『お前が落ち着けよ!』

ピピッ

海動『おいおい、戦ってる最中に楽しく仲良くお喋りかぁ?』

真上『ずいぶんと余裕があるじゃないか。もっと本気を出してやるとしよう』

タマキ『うえええっ!?』

スルガ『うげ、か、勘弁してくださいよ!』

カイザーSKL「」ドドドドドッ!

ケイ『こっちに向かってくる! さっきよりもずっと速い!』

スルガ『本気出すって冗談じゃないのかよ!』

イズル「こんなときは…あれを使うしかない!」

タマキ『へ? イズル?』

スルガ『何かあるのか!?』

ケイ『イズル…!』

アサギ『いったい何を……!?』

海動『おもしれぇ!』

真上『見せてみろ!』






イズル「いきます! ……必殺! シャイニングミラクルターンスマッーシュ!」




練習機(イズル搭乗)「」クルクルクル…スッテンコロリン

イズル「うわぁっ!?」

タマキ『へ?』

スルガ『はぁ?』

ケイ『……』ハァ

海動『…おい、何してんだお前』

真上『誰も笑いを取れとは言っていないぞ』

イズル「え、えーっと…どうしよう?」

アサギ『…くっ、分かった、俺が突っ込む!』

イズル「え、ちょっと、アサギ…!」

アサギ『うわぁっ!?』

ドゴォ! ガラガラガラガラ…… チュドーン!

海動『……アホか』

真上『お前に言われてしまうとはな…』

グランツェーレ都市学園 格納庫

スルガ「うはー。もうダメだ、動けねー……」

アサギ「お前、さっきのあれ何だよ……」ジトー

イズル「? 必殺技だけど」

アサギ「はいはい、ヒーローにはありがちだもんな必殺技…」フー

イズル「ピンチを救うのは必殺技かと…やれると思ったんだけどなぁ」

タマキ「思っただけでうまくいくなら今頃訓練成績は全部百点なのらー!」

ケイ「はぁ……」

海動「――ったく、てめぇらやる気あんのかぁ?」

ラビッツ「!」ビクッ

真上「今日でぶっ続けの訓練を開始して三日目…こちらの被弾はドーベルマンとの演習を含めてゼロだ」

海動「張り合いがねーってレベルじゃねぇぜ」

アサギ「す、すみません…」

海動「ホントだっつーの。ったく、しかもさっきのありゃ何だ? おかげでこっちもやる気が失せちまった」

ランディ「――まぁまぁ、そう言ってやるなって。海動」

イズル「あ……」

真上「ランディか。そうは言うが、お前の後輩とやらはひどいものだぞ?」

海動「ホントに同じ士官学校の生徒なのか?」

チャンドラ「おいおい、我々はもう卒業したんだ。元生徒だよ」

パトリック「まぁ、彼らも明日には卒業だそうですから、元生徒という意味では同じ土俵なのかもしれませんけどねぇ」

ランディ「ま、何にせよ、だ。遠くからモニターしてたが、もっと冷静になることだな、チームラビッツ」

イズル「は、はい…」

ランディ「今のところ失敗ばかりで、焦るのも分かるがな。焦ったら余計に失敗が起こるだけだ。力抜けよな」

海動「これで実際の戦場であっさりくたばられちゃ、ここ三日も訓練に付き合ったのが丸っきり無駄になんだからさぁ、頼むぜぇ、うさぎさんよぉ」ギロリ

ラビッツ「」ビクッ

ランディ「だからそれ止めろって。…ま、いいや。じゃ、後でな」

スタスタ…

アサギ「せ、先輩方! ご指導ご鞭撻のほど、ありがとうございました!」ペコリ

スルガ「…あー、怖かった。チームドーベルマンもそうだけど、あのカイザーに乗ってる二人は別モンの恐怖だな」

タマキ「そー? …野性味があって、ちょっといいかもー」

ケイ「野性味っていうか、百パーセント獣ね」

イズル「こないだの作戦のときは、あの人たちが助けてくれたんだよね?」

アサギ「チームドーベルマンはここの卒業生、今じゃ宇宙でウルガルとの戦いで前線に引っ張りだこのエースチーム。カイザーに乗ってる二人は、半年前に話題になった重力炉暴走事件を止めた英雄……」

スルガ「すっげぇ経歴。やっぱ、ああいうのがヒーローってもんなのかねぇ」

イズル「ヒーロー……ん?」

ペチャクチャワイワイ

MJP生徒「…ったく、どうしてあいつらがアッシュのパイロットなんだ?」スタスタ

MJP生徒「この三日間の演習、どれもこれも負けてばっか」スタスタ

MJP生徒「ウルガルを初めて倒したってのも、まぐれだったんじゃないのか?」スタスタ

MJP生徒「ホントホント。明日ここを一足先に卒業して正式に連合軍の所属になるらしいけど、あんなんじゃすぐにやられちゃうんじゃないかねぇ」スタスタ



アサギ「あ、あいつら…勝手なこと言いやがって……」グヌヌ

スルガ「結局、俺たちザンネンファイブってわけか」

タマキ「あたしたち一生ザンネン?」

ケイ「……」

イズル「……」

ケンカ腰のモブ「よぉ、ザンネンファイブ」

アサギ「げ…」

モブの取り巻き「明日で卒業なんだってな」

モブ「まったく、噂はいろいろ聞いてるけど、頼むぜ? 少しは活躍して、俺たちみたいな他の優秀な訓練生の評判にまで傷がつかないようにしてくれよな、ザンネンファイブ!」フン

アサギ「この、いつもいつも言わせておけば……!」

モブ「ふん、やるのか?」

スルガ「アサギ、よせって」

ケイ「明日で卒業するっていうのに、騒ぎなんて起こすものじゃないわ」

アサギ「……っ」ムッ

モブ「……ふっ、じゃあな。ザンネンファイブ」

スタスタ…

タマキ「……もー、相変わらずムカつくのらー!」ウガー

ケイ「ホント、いつ来てもこんなことばかり…」ハァ

イズル「でも、何かホッとするや」

スルガ「しねーよ! お前の思考回路どうなってんだ!」

スズカゼ『チームラビッツは三十分後にブリーフィングルームへ集合せよ。繰り返す……』




グランツェーレ都市学園 司令室

ミツヒロ「ではナレイン司令。俺たちは先に輸送機の最終チェックに向かいます」

ナレイン「うむ。頼んだぞ」

ペルセウス中隊「」ビシッ!

ガチャ…バタン

シモン「……では、後のことは任せる。竜宮島には、私の名前を出せばとりあえずは話くらいなら聞いてくれることだろう」

ナレイン「ご協力に感謝いたします」

シモン「いや。こちらとしても、あの島には用件がある。むしろそれに協力させていることに礼を言う」

ナレイン「いえ、同行者が増えることくらい、問題ではありません。……しかし、そんな計画が進んでいたとは、驚きですな」

シモン「いずれは君にも話を持っていくつもりだった。『Gプロジェクト』に必要な人材として」

ナレイン「なるほど。では、手はずの通り、そのJUDAのメンバーも…」

シモン「ああ。明日、途中で拾ってくれ」

ナレイン「了解しました。…しかし、よろしかったのですかな」

シモン「何がだ?」

ナレイン「例のアッシュ部隊もフェストゥムとの戦いに連れて行くことです。彼らはまだ未熟に見えましたが…」

シモン「ここで学ぶべきことは学ばせた。アッシュに搭載されたジュリアシステムのことは?」

ナレイン「多少は知っているつもりです。擬似人格を持たせた機体との同調による人間の限界を超越した操縦を可能とさせる技術。システムの稼動の鍵は搭乗者の生存への欲求…」

シモン「そうだ。生存本能を刺激し、活性化していくことでアッシュはより力を増す。そして、それを促すには…」

ナレイン「実際に生死をかける戦場へと向かわせるしかない、と」

シモン「その通りだ。いつまでも訓練生では、前線には出せないからな。それに、彼らの支援に必要な人材は取り揃えた。……我々にはなりふり構っている余裕はない。もう十分なほどに後戻りのできないことをしてきた」

ナレイン「…それは我々も同じことです。しかし、立ち止まるわけにもいかない。我々には守るべき人々と世界がある」

シモン「……では、明日は頼む」

ナレイン「…了解しました。援助に感謝いたします」

ガチャ…バタン

シモン「……卒業、か」

グランツェーレ都市学園 ブリーフィングルーム

スズカゼ「……というわけで、アッシュ各機の修理も済んだので、明日は予定通り、式典の前にカイザーとの模擬戦を最後に訓練場で行う。これは他の生徒たちにも公開されるから、そのつもりで取り組むように」

ラビッツ「……」ショボーン

スズカゼ「どうしたの?」

アサギ「いや、その…」

スルガ「どうせ負けちまうんじゃないかって…」

ケイ「今日だって、五対一で負けてしまって…」

タマキ「ううー……」

イズル「み、皆…」

海動「戦う前から戦意喪失してどーすんだよ、ったく」

真上「その調子ではこれから生き延びるのは無理だな」

由木「あなたたちは黙ってなさい! まったく…」

スズカゼ「…大丈夫よ、明日はチームドーベルマンが加勢してくれるから! まぁ、練習機でだけど」

タマキ「ええー!」

スルガ「マジすか!」

ラビッツ「」キラキラ

ランディ「……」ム? …フム

ランディ「あー、スズカゼ教官?」

スズカゼ「何かしら?」

ランディ「少しばかり質問がある……」

アサギ「(質問?)」コソコソ

タマキ「(何だろ?)」コソコソ

スルガ「(やっぱ、こういうタイミングで聞くことなんだから、すげー重要なことなんじゃねーの?)」コソコソ

ケイ(「重要…」)コソコソ

イズル(「何だろう……?」)コソコソ

ラビッツ「」ゴクリ…

ランディ「…ヒマな曜日とプライベートアドレスを教えてくれ! デートしたい!」

ラビッツ「」ズコー!

チャンドラ「ランディ。こういうときくらい少しはマジメにやれ」

海動「ったく、色ボケしやがって」

ランディ「うるせー! 戦いと結婚なんざ俺は死んでもゴメンなんだよ、この戦闘狂! あ、そうだ、由木大尉もよかったら後で…」

由木「いえ、私はマクスウェル大尉のような人はちょっとタイプではないので…」

ランディ「ええー……」

真上「よくもまぁそうずけずけと聞きにいけるものだな」

ランディ「あのなぁ、こういうのはタイミング逃すとずっとそうなんだよ。だから俺はたとえ作戦会議をしてるときだろうと聞きにいく。っつか、別にお前らには俺のナンパは関係ないだろうが!」

チャンドラ「リーダーの生活の乱れを正すのはサブリーダーの務めだ。まったく、お前がそんな調子だから、俺たちはマンザイスリーだのガッカリスリーだの、トリオ・ザ・ドーベルマンだのと呼ばれるんだ」

アサギ「マンザイスリー…」

ケイ「ガッカリスリー…」

タマキ「さすがあたしたちの先輩なのら!」

ランディ「ガッカリスリーの何が悪い! っつか生活の乱れって何だ! お前は風紀委員かってんだ!」ガタッ

チャンドラ「何を訳の分からんことを…」ハァ

パトリック「あはは…ごめんね、君たち。ウチのチームは、いつもこんな調子なものだから…」ニコニコ

イズル「は、はぁ。…そうなんですね」ニコリ

パトリック「うん。そうなん……うげっ!?」

ランディ「パトリックー? なーにお前だけ頼れる先輩風のイメージ崩さないでちゃっかり触れ合ってるんだー?」ギリギリ…!

パトリック「ちょ、ランディさん、やめてくださいよ! く、苦し…ギブです、ギブ!」バタバタ

ドタドタ! ギャーギャー!

海動「締め付けがあめーぞ! もっとやれ!」

由木「こら、囃し立てない!」

ラビッツ「」クスクス

スズカゼ「」フッ

スズカゼ「」ピシッ!

ラビッツ「」ビクッ!

ドーベルマン「」ビクッ!

スズカゼ「…もう質問はないわね? それじゃ、話は終わりよ。……それと私、今ヒマな日はないから」

ランディ「ええっ!?」

いったんここまで
ではまた

グランツェーレ都市学園 丘陵地帯

ランディ「……」

イズル「あ、あの…」ザッ

ランディ「ん? おう、確か…」

イズル「イズルです、ヒタチ・イズル」

ランディ「そうだったそうだった。…不思議なもんだ、最近まで宇宙に出て戦ってたってのに、ここから見る夕日を、何だかつい昨日にも見てたような気になっちまうんだから。お前もきっと、明日卒業してしばらくしたら、同じ気分を味わうかもな?」

イズル「は、はぁ…」

ランディ「で? どうしたんだ? 何か用でもあるんだろ?」

イズル「ええと…その、少し教えてほしいことがありまして」

ランディ「教えてほしいこと?」

イズル「どうすれば、もっと強くなれるんでしょうか」

ランディ「あん? …そんなに慌てなくてもいいんじゃないか? 海動たちと何度も戦ってもああして無事に挑み続けてるんだ。並のパイロットじゃできないことだと思うぜ」

イズル「でも、僕はヒーローになりたいんです!」

ランディ「ヒーロー? 何でまた」

イズル「かっこいいって思うからです! 教えてください、どうしたらヒーローになれるんでしょうか!」ズイ

ランディ「お、おう。……あー、何だ、その、ちょっと話すか。そういうこと聞くなら、俺だけじゃ不十分だしな」

グランツェーレ都市学園 ランディの部屋

海動「んで? 何で俺らを呼んだんだよ」

ランディ「半年前の奇械島の事件から世界を救ったヒーローの話を聞かせてやってくれや」

真上「ヒーロー? …ああ、なるほどな」チラリ

イズル「あ、あはは…よければ、教えてください。どうすればヒーローになれるんでしょうか?」

海動「ヒーローねぇ。そういう呼ばわりは気に入らねぇな」

イズル「え」

真上「俺たちにとって世界がどうなるかなどあまり興味のないことだ。重力炉の一件にしても、単に仕事だっただけだしな」

海動「ま、そういうこったな。悪ぃが俺たちからそんな話を引っ張ってくるもんじゃねーよ」

ランディ「そうか…面倒を押し付け…いや、参考にするのにぴったりだと思ったんだがな」

イズル「へ?」

海動「本音出てるじゃねーかよ。…ま、俺たちみたいになりたけりゃ、まずお前はもっと顔を引き締めるこったな」

イズル「か、顔ですか?」

ランディ「あー、それな。そうだ、ヒーローの条件、一つ思い浮かんだ」

イズル「え、何ですか!」

ランディ「顔がいいことだ」ニッ

イズル「え?」

ランディ「やっぱヒーローって言うくらいだからな、チームの中でも一番モテるってのは大事だろ! 俺みたいに」

真上「モテる? お前がか?」

ランディ「うっせ、俺がそう言うんだからそうなんだよ。……さて、イズル、お前はどうかってーと…」ジー

イズル「」キョトン

ランディ「まぁ俺ほどじゃないが合格だ! ヒーローになれるよ、お前なら!」バンバン

イズル「は、はぁ。……え、ええっと、ありがとう、ございます」ションボリ

ランディ「……あ、あー、あと、あれだ、ええっと…」

海動「やっぱ腕っ節だろ腕っ節。何なら今から鍛えてやるよ」

イズル「う、腕っ節…」

真上「ふむ。そうだな、いいだろう、特別に銃の扱い方をお前に教えてやろう」

海動「あん? 真上ぃ、こいつにゃ今から俺が剣を教えんだよ。おめーは引っ込んでろ」

真上「分かっていないな。お前のような山猿と違ってイズルはどう見ても力が足りん。剣よりも銃を教えた方が手っ取り早い」

海動「ああん!? やるかコラ、表ぇ出ろよ」ギラリ

真上「ふん。たまには野生動物相手の運動も必要か…」フッ

海動「上等だ…ついてこいよ」

真上「いいだろう」

スタスタ…ガチャ

イズル「え、ええ? あ、あの落ち着いて…」

ランディ「あー、ほっとけほっとけ。始まると止められるのは由木大尉くらいなもんだから。…それよりもだ!」

イズル「は、はい」

ランディ「ちょうど今思い出した。ヒーローの条件をな」

イズル「ホントですか!?」

ランディ「ああ。大まかにヒーローの条件は三つだ。決断する、諦めない、仲間を信じる、だ」ビシッ

イズル「決断する、諦めない、仲間を信じる……?」

ランディ「そうだ。お前は信じてるか、仲間を」

イズル「え?」

ランディ「これまでのお前の戦闘記録を見させてもらった。お前は仲間を守ることばかりで、一人で戦ってる。それじゃあチームで任務に取り組んでる意味がないだろ?」

イズル「そ、それは…」

ランディ「お前の仲間は、わざわざお前が守ってやらなきゃならないほど、信用できないのか?」

イズル「そんなことありませんよ!」

ランディ「なら信じてやることだ。それがヒーローの第一歩だよ。……と、それはともかくとして、だ」ズイ

イズル「は、はい?」

ランディ「お前のチームに女の子二人いるだろ?」

イズル「へ? ええと、はい」

ランディ「どっちを狙ってるんだ?」

イズル「え? 狙ってるって…」

ランディ「どっちもかわいいじゃないか。お前も年頃なんだから、多少はそういうのもあるだろ。それとももうどっちかと付き合ったりしてるのか?」

イズル「い、いや、付き合うなんてそんな。僕らチームですし」

ランディ「はぁ!? 何言ってんだお前! ……なぁ、お前ら年いくつだよ?」

イズル「え、ええと。タマキが十五、僕とスルガとケイが十六、アサギが十七です」

ランディ「思春期まっさかりじゃないかよ! もっと、こう、揉めたり揉んだりしろって!」

イズル「そ、そんなこと言われても!」

ランディ「よし分かった。チームを交換しよう。お前はドーベルマン、俺がラビッツ。これからはリーダー交代だ!」

イズル「ええ!?」

ランディ「…ま、それは冗談としてだな」

イズル「目が本気だったような…」ジトー

ランディ「……あのな、明日から卒業すれば、これまでよりももっともっと厳しい戦いを経験することもある。前の作戦は生き残れたが…そうならない可能性だってある。俺たち、皆な」

イズル「……」

ランディ「だから、もっと今を大切にしておけ。一つ一つの出会いを、忘れずにいてやるんだ。俺も、話した相手のことは忘れないようにしている。そうすれば、いなくなってもそいつは自分の心の中にいつまでもいれるだろ?」

イズル「ランディさん…」

ランディ「……湿っぽくなったな。そうだ、ちょっとした映像記録の鑑賞でもするか」

イズル「映像記録…? 戦闘のですか?」

ランディ「まぁそんなところだ。アサギとスルガ、だっけか。チームの男連中を呼んでこいよ。あ、あと例のシュリーナガルの男連中もな。これから一緒に戦うんだ、もっと交流を深めるべきだ」

イズル「なるほど! じゃあ僕、呼んできます!」タタッ




ミツヒロ「なぁイズル。誘ってもらっておいてなんだが、今から何を見るんだ?」

ビリー「交流のために記録映像を見るって話だけど…」

アサギ「っつか、俺たちだけか? ケイとかタマキとかはどうした?」

イズル「あ、さっき呼んだから、たぶん来るよ、きっと」

スルガ「すげぇアバウト…明日は演習だし、あんま遅いとまずいんじゃねーの?」

ガチャ

ランディ「おう、揃ってるな」

チャンドラ「ランディ、またなのか?」

パトリック「よかったんですか? 海動たちは呼ばなくて」

ランディ「いいんだよ。あいつらこういうので萎えちまう正真正銘の戦闘バカなんだから」

イズル「? 海動さんたちだったら、戦ってるの見るの好きそうですけど…」

ランディ「戦いのベクトルが違うからな。じゃ、再生するぞ」ピッ

テレビ「」パッ

ギシギシ…アンアン…

イズル「え!?」

アサギ「!?」

ミツヒロ「こ、これは…!?」

ビリー「え、ええっ!?」

スルガ「う、うわぁ!?」ドッテーン

アサギ「お、おいイズル! これはどういうことだ!? 親睦のために戦闘記録の意見交換をするんじゃなかったのか!」

イズル「え、ええっと…」

ランディ「あん? これも戦闘記録だよ戦闘記録。ったく、お前ら若いんだからこういうモンもたまには見ろよな」

ビリー「うーん…確かに、あんまりシュリーナガルじゃこういうの見れないんだよねぇ」

ミツヒロ「……こういうことなら、悪いが俺は部屋に戻るぞ、イズル」

イズル「え、ミツヒロ?」

ビリー「何さミツヒロ。ミツヒロだって興味あるでしょ? …え、まさか」

ミツヒロ「どういう誤解を抱いているか知らないがなビリー。俺はこんな大人数でこんなものを見るのがいやなだけだ。気まずく思うんだよ」

ビリー「あー、まぁ確かに」

ランディ「ちっちっち。分かってねーな。こういうもんも一緒に見れるくらい砕けた間柄を作ろうって話なんだよ」

ミツヒロ「すみません。俺は段階を踏むタイプなので」シュッ

チャンドラ「…だ、そうだ。行ってしまったな?」

パトリック「まぁ個人の自由ですから」

ランディ「そりゃそうだ。で、どうよ、お前ら?」

イズル「え、ええと…そのう」

スルガ「お、俺も失礼しまーす」コソコソ

アサギ「お前、普段ナンパとかしてんだろ。興味あるんじゃないのか?」

スルガ「いやぁ、俺はちょっと生々しいのは、なぁ?」

ランディ「おいおい、十六にもなってそりゃないだろ」ガシッ

ビリー「そーそー。ほら、スルガ見てみなよー。すごいよ?」ガシッ

スルガ「うわ、ちょ、ちょっと…!」

テレビ「」アンアン

スルガ「!」カァ

スルガ「む、無理ー!」ダダッ

イズル「す、スルガ!? ……あっ。しまった、そういうことだったら……」

タマキ「おまちー!」シュッ

アイ「今、スルガがすごい速さで廊下を駆けていったけ、ど…」ピタ

ケイ「こんな夜中に何なの? 戦闘記録の意見交換なん、て……」ピタ

イズル「あ、えっと、そのう」

テレビ「」アッハーン

タマキ「? 何アレ? プロレス?」

ケイ「」プルプルプル

イズル「あ、あはは…」

ケイ「」パチーン!

ランディ「あらら、いい音したなぁ」ヒュー

ケイ「……どうも」ギロリ

ビリー「わお! すごい強烈だねぇ…いたたっ!?」ギリギリッ…!

アイ「…ビリ-? 明日は早いって言われたでしょう? こんなことしてる場合かしら? …さすがにミツヒロはいないのね、よかった」ホッ

ビリー「み、ミツヒロ…まさか、これを予想してたの? …いた、いたたたっ! ギブ、ギブだよ、アイ!」ズルズル

タマキ「け、ケイ? なんでイズル引っぱたいたの!? って、え、ナニナニ?」ズルズル

ケイ「いいから、帰るわよ!」ズンズン

イズル「あ、ケイ…」

ケイ「最低!」シュッ

アサギ「まったく……」フー

ランディ「いやー恐れ入ったぜ。まさか女の子も呼ぶとは。お前、とんでもない逸材だな」

イズル「……きょ、恐縮です」ヒリヒリ

グランツェーレ都市学園 演習場

MJP機関学生「」ガヤガヤ…

ビリー「イズルたち、大丈夫かな」フワァ…

アイ「これまで一回も勝ってないんでしょう? 心配ね……」

ミツヒロ「ビリー、さっきから眠そうだな。……お前、まさか朝まであれに付き合ってたんじゃないだろうな」

ビリー「ち、違うよ! っていうか、昨日は途中でアイに強制的に…いたっ!」ドン!

アイ「余計なこと言わないの。……ホント、大丈夫かしら」

ミツヒロ「あ、ああ、そうだな……心配だ」

ビリー「ぼ、僕の心配は……?」ウウッ…

スズカゼ「では、これよりチームラビッツおよびチームドーベルマンの混成部隊とWSOのカイザーとの模擬戦を始めます。…各自、準備はいいわね?」

イズル『は、はい! チームラビッツ、準備よし!』

ランディ『チームドーベルマン、準備よし』

海動『俺らもいつでもいいぜ』

スズカゼ「では――模擬戦、開始!」




アサギ『』スーハー

スルガ『今度はアロマか?』

アサギ『うっせ。緊張すんだろ?』

イズル『大丈夫だよ、アサギ。昨日のあれで十分に英気を養ったじゃないか! ここで一気に汚名を返上しよう!』

アサギ『俺は別にあんなくだらんもんで英気なんて養ってない! っつか汚名って言うな!』

イズル『…そのわりには最後まで見てたような……』

ピピッ

イズル『? 何? ケイ』

ケイ『ゆうべ…結局最後まで見てたの?』

イズル『え、ええっと』

アサギ『あー、ケイ。まさかスズカゼ教官に告発したりとかは』

ケイ『しないわよ、そんなこと。…まったく、そんな調子であの人たちに勝てると思ってるのかしら?』

イズル『だ、大丈夫だよ。確かに徹夜しちゃったけど、栄養ドリンクも飲んだし…』

ケイ『』ギロリ

イズル『あ、あはは…』

ランディ『ほれお前ら、話はそこまでだ。カイザーが来たぞ』

カイザーSKL「」ズン…ズン…

ピピッ

海動『よぉ。今日はドーベルマンもいっからなぁ、本気でいかせてもらうぜ』

真上『最初から手加減なしだ。一分もったら褒めてやろう』

スルガ『うへぇ…』

タマキ『やる気マンマンなのらー……。…でもでも、ちょっとギラついてるのかっこいいかもー』

アサギ『よくそんなこと言ってられるよ…』イガー

ランディ『ま、やれるだけやってみろって。俺たちはなるべく手を出さないで見守るから』

イズル『ええ!?』

ランディ『そりゃそうだろ。これ、お前らの卒業式前の演習なんだぜ? 俺たちが目立ってどうするよ』

チャンドラ『君たちはこの三日の演習で、自分でも気付かないほどに力をつけているはずだ。やれるさ』

パトリック『落ち着けば大丈夫だよ、自分を信じて』

アサギ『そ、そう言われても』

アッシュ各機「」ブルブル

スルガ『アッシュがビビってんですけど…』

ランディ『ジュリアシステムの力を、自分が生き残る意思を通して、引き出してみろ。そうやってビビってんのは、アッシュがお前らの意識を反映してるからだろ? 戦うんだ、さもなきゃあの戦闘狂にマジでやられるぞ?』

イズル『……』

海動『へっ、どうしたぁ! 来ないならこっちから行くぜ!』

カイザーSKL「」ドドドドッ!

ケイ『来た! 真正面から突っ込んでくる!』

アサギ『くっ…!』

イズル『……そうだ、戦わないと…』

アサギ『? イズル?』

イズル『……戦わないと死ぬ! 死んでしまうんだ…! ――行くぞ、レッドファイブ!』

レッドファイブ「」ギューン!

アサギ『! ……お、俺だって!』

ブルーワン「」ギューン!

ケイ『続くわよ、パープルツー!』

タマキ『あたしもー!』

スルガ『え、お、おい置いてくなよー! ……あ、そうだ! 今回は修理装置をゴールドフォーに積んでるからな! やばくなったら近くに来いよ!』

アッシュ各機「」ギューン!

真上『ほう…昨日よりも動きがよくなったか?』

海動『へへっ、上等じゃねーかよ。さぁ楽しもうぜぇ!』ニタァ



???

陸「……くくくっ、そうそう。そうやってせいぜい目立っててくださいよ。ふふっ、ふふふふふふふ…」

とりあえずここまでで マジェプリが参戦したときには映像鑑賞会のくだりが他作品のキャラを大量に交えて再現されたらいい
Vの発売からそろそろ二ヶ月ほど経とうとしていますが、そろそろエーアイの新作の予告くらいはありそうな予感
ではまた

海動『おらぁっ!!』

カイザーSKL「」ザンッ!

アサギ『っ、はあっ!』

ブルーワン『』キンッ!

イズル『そこ!』カチッ

レッドファイブ「」ピシュン!

スルガ『当たれ!』カチッ

ゴールドフォー「」首← バンッ!

海動『当たらねーよ!』

カイザーSKL「」サッ

スルガ『今のを避けるのかよ!』

タマキ『数撃てば当たるのらー!』

ローズスリー「」ミサイル

真上『ふっ…代われ、海動』

カイザーSKL「」バラララッ!

ミサイル「」チュドーン!

タマキ『あー!』

真上『残念だが…こちらには飛び道具もある』

アサギ『遠距離近距離どちらにも対応できるか…! 隙がないにもほどがあるだろ!』

イズル『どうすれば…!』

海動『くくくっ…! 楽しくなってきたぜぇガキども! やりゃできるじゃねーかよ!』

スルガ『……うわぁ。無茶苦茶テンション上がってるぞ』

ケイ『これまでとは全然違う…! あれが本気ってことなの……?』




ランディ『おー、すげぇ。やるじゃんあいつら』

パトリック『なんだかこれまでと全然違いますねー』

チャンドラ『ふむ。本人たちが思っていたよりも技術が向上していたんだろうな』

ランディ『まーそれもあるだろうが…ジュリアシステム、か』



ビリー「皆、がんばって!」

アイ「そこよ、背後を取れるわ!」

MJP生徒「いけ! ザンネンファイブ!」

MJP生徒「お前らが負けたらアッシュももらえない俺たちの立場がないんだぞ!」

MJP生徒「がんばってください! チームザンネンの皆さん!」

ミツヒロ「…まるでスポーツ観戦だな」




海動『おらおら! 次は防ぎきれねーぞ!』

アサギ『くっ……!』

イズル『強い…! このままじゃ……』

海動『いくぜええええっ!』

イズル『うわ……!』



演習場「」チュドーン!



イズル『!?』

タマキ『うええ!? なになに、何なのら!?』

海動『あん? 何だよ?』

真上『今のは爆発か……?』

ピピッ

陸『どうもォ。こんにちは、グランツェーレ都市学園の皆さん。ボクは加藤機関私設部隊、第八番隊隊長の王政陸です』

イズル『加藤機関!』

アサギ『どうして加藤機関がここに……?』

陸『今日は未来ある軍人の皆さんの「想像力」を試しに来ました。ふふふ…皆さんは想像できますか? 自分の未来の姿を。ボクは「想像力」を持たない皆さんに未来をあげましょう。……死という未来をね!』

演習場「」チュドーン!

海動『うおっ、またかよ!』

陸『ちょっとしたアイサツ代わりですよ。これから五分後、また爆弾が爆発します。ただし、今度はちょっと趣向を変えて、一つのモノから連鎖して複数の箇所の爆弾が爆発するように設定しました。今度のは一つ一つが強力ですからねェ。機体に乗っていても吹き飛ぶこと請け合いですよ』

ケイ『!? 位置データ? これは…!』

陸『くくく…! 今チームラビッツとそこのカイザー、それにドーベルマンの機体に、最初の一つ目、キーとなる爆弾とそれに連鎖して爆発する爆弾の位置を送らせてもらいました。その情報を元に、急いで避難することをオススメしますよ。…もっとも、逃げ場所を探すのは難しいですがねェ』

ケイ『……! ひどい…! このデータ通りに爆弾があるなら、ほぼ辺り一面が吹き飛ぶじゃない! 逃げ場所なんてないわ!』ピピピッ

ランディ『あの野郎…!』

陸『さぁさぁ、どうしますか? 「想像力」を働かせて、せいぜい生き残ってくださいね? くくっ、くくくくくくく――!』




MJP生徒「ば、爆弾って…!」

MJP生徒「ど、どうすればいいんだ!?」

スズカゼ「落ち着きなさい! …これより、できるだけ爆弾の範囲から逃れるために避難します。訓練通りに落ち着いて動きなさい!」

スギタ「私が誘導する! ついてきなさい!」

MJP生徒「」ガヤガヤ…

スズカゼ「…生徒たちは任せるから、あとはお願いね」

スギタ「ああ。君はラビッツたちに指示を」

ミツヒロ「スズカゼ艦長!」

スズカゼ「あなたたちも急いで避難を…」

ビリー「いえ、イズルたちを支援します!」

アイ「私たちにも何か手伝えるはずですから!」

ミツヒロ「行かせてください!」

スズカゼ「……協力に感謝するわ」




イズル『! カウントが始まった!』

海動『チッ、本気ってわけか』

真上『……仕方あるまい。一時休戦して爆弾を解体するぞ』

ランディ『だな。この状況で皆助かるにはそれしかない』

アサギ『ば、爆弾はこの辺りにあるみたいですけど…』

スルガ『か、解体するよか逃げ道探した方がいいんじゃ…っつか、解体なんてできるんすか!?』

チャンドラ『多少の心得はある。やれるだけやるしかないだろう』

パトリック『それにこの情報通りなら、今から五分で逃げ切れるはずがないよ?』

ピピッ

スズカゼ『その通りよ。チームラビッツ、ドーベルマン、カイザーは爆弾の解体に取り掛かって』

イズル『スズカゼ教官!』

スズカゼ『本日付で私はゴディニオンの艦長よ。教官じゃないわ』

イズル『あ、すみません』

スルガ『んなノンキに話してる場合かよ!』

イズル『あ、そ、そうだった。急がないと!』

ランディ『はは、それくらいの余裕があるなら大丈夫だな。どれ、この辺りか……?』

チャンドラ『! これは…』

スルガ『げっ、これ、モルゲンレーテ社がこないだ発表したばっかの新型じゃねーかよ!』

パトリック『分かるの?』

アサギ『こいつ、兵器だけは詳しいので…』フー

ランディ『どうだチャンドラ?』

チャンドラ『参ったな……最新式となると少しばかり私には手に負えん』

海動『かったりいな。叩っ斬ればいいんじゃねーの?』

真上『よさんか猿が。それで爆発したらどうする』

タマキ『で、でもでも。どーするのら!? このままじゃ爆発するんでしょ!?』

アサギ『こうなったらやっぱり避難するしか…!』

イズル(……このままじゃ皆死んでしまう…どうすれば……)


スルガ『――今回は修理装置をゴールドフォーに積んでるからな!』


イズル(! …そうか、もしかしたら!)

イズル『ねぇスルガ!』

スルガ『な、何だよ?』

イズル『スルガ、もしかしてこの爆弾の解体方法知ってるんじゃないの?』

スルガ『え、い、いやぁ、まぁ、確かに、ちょっと前にちらっとこれの系列の爆弾の解体方法は見たことがないわけでもないけど…でも、これ自体の解体なんてやったことねーぞ!』

イズル『ゴールドフォーの修理装置で、爆弾の解体できないかな?』

スルガ『うえ!? お、お前無理言うなよ! そりゃゴールドフォーの機械修理装置ならできないこともないだろうけど…!』

海動『ごちゃごちゃ言ってるけどよぉ、やれんのか、やれねーのか?』

真上『時間がない。はっきりしろ』

スルガ『いや、だから急に言われても…!』

ランディ『イズル、どうすんだ?』


イズル『……諦めちゃダメだ! スルガならできるよ! 僕は信じてる!』


スルガ『……! あーもう! 言っとくけど、失敗しても恨むなよな!』

イズル『スルガ!』

ランディ『ふっ、そうこなくっちゃな』

ケイ『! センサーに感あり! これは…』

アルマ「」ドドドドッ!

イズル『加藤機関の機体!』

ケイ『生命反応はないわ…奥のモノ以外全部無人機ね』

ピピッ

陸『くくく…! 万に一つにもキーとなる爆弾を解体されては困りますからねェ。妨害させてもらいますよ』

ランディ『ちっ、邪魔をする気か!』

イズル『そうはさせない! 僕たちでスルガを守るんだ!』

海動『へっ、雑魚がどれだけ来ようが関係ねー!』

真上『スルガ、さっさと爆弾を解体しろ』

スルガ『りょ、了解…!』カタカタカタ…

ランディ『よし! やるぞ、お前ら!』

アサギ『了解!』

タマキ『こーなったらやれるだけやるのらー!』

ケイ『奥の機体にさっきの加藤機関の男が乗ってるみたい! それさえ止めれば、部隊の指揮も止まるわ!』

イズル『分かった! 皆、あの機体を止めよう!』

ファフナー各機「」ギューン!

ミツヒロ『イズル、俺たちも手伝うぞ!』

イズル『! ありがとうミツヒロ! やろう、皆! 僕らの学園を守るんだ!』




海動『おらおら! どけよ!』

カイザーSKL「」ザンッ!

アルマ「」チュドーン!

ランディ『行くぜお前ら! フォーメーション攻撃だ!』

チャンドラ『了解!』

パトリック『やあああっ!』

ライノス「」パララララッ!

アルマ「」チュドーン!

ミツヒロ『ビリー、アイ、俺たちもやるぞ!』

ビリー『うん、任せて!』

アイ『突っ込みすぎないでよビリー!』

ファフナー各機「」バララララッ!

アルマ「」チュドーン!

アサギ『はあっ!』

タマキ『当ったれー!』

アルマ「」チュドーン!

イズル『くっ、数が多い! スルガ、まだ解体できない!?』

スルガ『急かすなよ…! こちとら初めての爆弾解体でキンチョーしてんだよ!』カタカタカタ…

海動『てめぇスルガ! もし失敗してみやがれよ、遠慮なく向こうで追い掛け回してやるぜ!』

スルガ『余計なプレッシャーかけないでくださいよ!』

アサギ『……命かかってる場面だってのに、気楽だなおい』

ミツヒロ『まったくだ…』フー

ランディ『いいじゃねーか。それだけ力が抜けてりゃ失敗もないだろ。おし、これが終わったら新作ビデオ見せてやるぜ、がんばりな!』

イズル『新作ですか?』

ケイ『ラ・ン・ディ・さん?』ジトー

アイ『最低だわ…』ジトー

タマキ『? またプロレス?』

陸『ふぅん。ふざけてるわりにはなかなかやるじゃないですか。しかし、無駄ですねェ。知ってますよ、ザンネンファイブさん? あなたたちは大した技量もないのに最新鋭機を与えられた落ちこぼれさんなんでしょう? どうやっても爆弾は爆発しますよォ』

アサギ『! 敵にまでザンネン呼ばわりされんのかよ!』

タマキ『なんかムカつくー!』

スルガ『ちきしょう悪かったな、ザンネンで!』カタカタカタ…

ケイ『あんまんみたいな見た目してるくせに…!』

イズル『……ザンネン…僕らは確かにそうかもしれない。けど、それだけじゃない!』

陸『ほう?』

イズル『僕たちはザンネンファイブだけど、それでも! 皆でヒーローになるんだ!』

アサギ『いやそれお前だけだし』

タマキ『あたし別にヒーローなんてどーでもいいのらー』

スルガ『まったくだな』

ケイ『……わ、私はまぁ、少しくらいは…』

イズル『あれぇ?』

陸『ふっ、やっぱり無駄なようですねェ。…おや?』

カイザーSKL「」バッ!

海動『いつまでお喋りしてんだよ! その首もらったぁ!』

カイザーSKL「」ザンッ!

ヤオヨロズ「」サッ

海動『なっ』

陸『くくく…! あなた、こう思ったんでしょう。見た目通りに機動力の低い機体だと。「想像力」が足りてないんですよォ!』

ヤオヨロズ「」ギューン!

ランディ『動けるデブかよ!』

ミツヒロ『くっ、捉えきれない!』

陸『ふふふ…さぁて、そろそろ失礼しますよ。この機動力なら爆発の範囲外まで逃れるのも容易なものです。さようなら、皆さん。あの世で「想像力」を磨くことですねェ!』

ヤオヨロズ「」ギューン!

海動『野郎…!』

真上『爆発まであとどれくらいだ?』

ケイ『残り三十秒…!』

アサギ『スルガまだか!』

スルガ『……っ』カタカタカタ…!

ビリー『スルガ、ダメなの…?』

ランディ『くっ、ここまでだってのかよ…!』

イズル『スルガ!』


陸『くくくくくくくくくっ――! さぁ、さぁさぁさぁ! キレイな花火を今ここに!』

陸『――ぼぉん!』

イズル『!』

シーン…

陸『………』

陸『………………は?』


アサギ『何も起こってない…! 俺たち、生きてる!』

陸『な、あ…っ!』

スルガ『…へ、へへっ、どうだよ、想像通りになったか?』

イズル『スルガ!』

スルガ『ったく、残り二秒か……初めて見た爆弾をいきなり解体するとか、やっぱ俺って天才!』

陸『バカな! 散々連中のスペックは調べつくしたんだ! いきなり爆弾の解体なんて、できるわけがない!』

海動『へっ、ざまあねぇな、加藤機関さんよぉ』

ランディ『俺の後輩どもを舐めないでもらおうか?』

真上『ふっ、どうやら想像が甘かったようだな?』

陸『………は』

タマキ『は?』

陸『――はははははははははははははっ!』

アサギ『な、なんだ?』

陸『くくっ、ふふふふ…甘い、甘いんですよ! 「想像力」が足りませんねェ! キーの爆弾が爆発しない場合のことを考えてないとでも!?』

陸『この機体からでも、強制的に起爆することくらいできるんですよォ! さぁ、全員吹き飛ばして…』カタカタカタ…

海動『チッ、野郎!』

真上『ここから狙い撃つ、代われ海動!』

パトリック『ダメです、間に合わない!』

イズル『くっ……!』

ヤオヨロズ「」チュドーン!

陸『うわあああああっ!?』

ミツヒロ『!? 攻撃! 誰だ?』

ケイ『センサーに感あり! 上空から何かこっちまで落ちてくる!』

イズル『あれは……?』

???『ったく、これで二度目の出撃か…やっぱスーツって慣れないなァ』

陸『な、あ、あれは…』

ラインバレル「」ドンッ!

浩一『加藤機関! 好き勝手もここまでにしてもらう! こっからは俺の――「正義の味方」の出番だ!』

ミツヒロ『何だあの機体は!?』

ランディ『ずいぶんとオイシイ登場の仕方しやがるなぁ』

スルガ『あれって、前に東京のでかい橋ぶった切ったとかいうやつじゃねーか!?』

アサギ『そういえばニュースで見たような…』



スズカゼ「あの機体は…?」

ピピッ

森次『こちらはJUDA特務室、室長の森次玲二です。応答を』

スズカゼ「! 森次室長? こちらはスズカゼ少佐です」

森次『本来の待ち合わせ場所とは違いますが、そちらの司令から加藤機関襲撃の連絡を受けましたので輸送中のこちらの戦力を援軍に出させていただきました』

スズカゼ「感謝します森次室長。このままあの機体はこちらの指揮で?」

森次『ええ、お願いします。まだ経験の浅いパイロットなので申し訳ないですが』




イズル『えっと、味方ってことでいいのかな? あの人』

アサギ『それは分からないだろ』

ミツヒロ『加藤機関を攻撃したとはいえ、こちらの味方とは限らないな』

ピピッ

スズカゼ『今現れた機体はこちらの援軍よ。連携して加藤機関に攻撃を』

イズル『了解! ほら、やっぱり味方だったよ。――あのう! 聞こえますか?』

浩一『聞こえてる! えっと、俺はアンタたちの味方だ! 名前は早瀬! 早瀬浩一!』

イズル『よろしくお願いします! あ、僕は――』

海動『のほほんと話してる場合じゃねーだろうが!』

真上『自己紹介は生き延びてからすることだ』

ヤオヨロズ「」ヨロヨロ…

陸『く、こ、この…!? な、何だ!』ガーッ!ガーッ!

ケイ『……今の一撃で向こうの起爆装置が壊れたみたいよ!』ピピピッ

イズル『ホント!?』

ランディ『おっしゃ、これでもう爆弾は心配ねーな!』

陸『……う、ぬぬぬ…っ! どうしてラインバレルがここに! 今回の襲撃がバレていたというのか!』

浩一『どうして俺がここにいるかだと? 決まってるだろ、俺が正義の味方だからだ! こんなトコで爆弾テロなんてしやがって…加藤機関は、俺が必ず止める!』

陸『くっ――くくっ、くくくくくく……!』

浩一『何がおかしい!』

陸『ふ、ふふふふっ、いや、失敬。話には聞いてますよォ。早瀬浩一クン。ボクの名前は王政陸』

浩一『自己紹介なんざどうでもいい! 食らえ!』

ラインバレル「」ザンッ!

陸『おおっと!』

ヤオヨロズ「」サッ

浩一『避けた!?』

イズル『気をつけて! そいつすごく早いんだ!』

陸『その通り! そしてェ!』

ヤオヨロズ「」バシュッ!

ラインバレル「」チュドーン!

浩一『うおっ!?』

陸『この機体の随伴式炸裂弾「神火飛鴉(シンカヒア)」によって絶大な火力を敵にぶつけるわけですよォ! どうです? 小さい見た目に反した威力は!』

浩一『こ、この野郎…!』

海動『ふん、んな花火なんぞで俺が止められるかよ!』

ランディ『これまでの礼、たっぷりしてやるぜ!』

ヤオヨロズ「」ピタ…

ケイ『動きが止まった…?』

陸『……ふっ、作戦が失敗した以上、今回は潔く引かせていただきますよォ! それでは皆さん、もっと「想像力」を養うんですねェ、生き残りたければ!』

ヤオヨロズ「」バシュッ!

浩一『くっ…! あの野郎、消えやがった!』

海動『チッ、えっらそーに語りやがって。よーするにビビったんじゃねーかよ。今度会ったらぶちのめしてやらぁ』

ランディ『まったくだ。…あーあ、疲れた』

イズル『学園の被害はどう? ケイ』

ケイ『……それほどに被害は出てないわ。他に何か怪しいモノの反応もなし』ピピピッ

イズル『そっか。……よかった、守りきれたんだ』ホッ

ピピッ

スズカゼ『お疲れ様。作戦は終了よ。……模擬戦は中止するわ。格納庫に戻って。そちらのラインバレルも』

イズル『りょ、了解』

海動『けっ、しらけちまったなぁ。せっかく楽しくなってきたってのによぉ』

真上『まったくだ。つまらん』

スルガ『……逆に助かったかもな』

アサギ『ホントにな。これ以上戦ってたらどうなったか…』イガー

タマキ『けーっきょく、ザンネンファイブの汚名は返上できなかったのらー』

ケイ『そうね……』

ピピッ

ランディ『……いや、そうでもねーぞ?』

イズル『え?』

MJP生徒「ありがとー、ザンネンファイブ!」

MJP生徒「珍しくかっこよかったぜー!」

MJP生徒「せんぱーい!」

ワーワー!

アサギ『この…! だからザンネンファイブじゃ…! ……まぁ、いいか』ハァ

スルガ『すっげー、俺たち、もしかしなくても初めて褒められてるんじゃねーか?』

タマキ『おー、すごいすごーい!』

ケイ『……ふふっ』

イズル『皆……!』ジーン


ランディ『――いい顔してるぜ? 今日のヒーロー!』

イズル『! ……はい!』ニコリ




地球 日本上空 シャングリラ

陸「……」

陸「くそがあああっ! あのゴミどもが! ボクの想像が甘いだと! 舐めやがって、舐めやがってええええええっ!」ガシャン!ドゴッ!

沢渡「おうおう、ずいぶんと荒れてんなぁ、陸よォ」

陸「沢渡さんですか…ちょうどいい、今すぐ使える兵隊とアルマを貸してくださいよ、このままじゃ済ませたくないんでねェ…!」ゼー…ハー…

沢渡「ああん? おめー人間の部下は使わないって…」

陸「いーからさっさと寄越せよ!」ドオンッ!

沢渡「……ふん、まーいい。テキトウに何人か持ってけや」

陸「ふふっ、どーも」スタスタ…

沢渡「…あいつ、もうダメなんじゃねーの」

加藤「ふふっ、使いようはまだあるさ」

沢渡「そう言うならいいケドよォ、手は打っておいた方がいいんじゃねーのか、久嵩」

加藤「ふむ…ではお前に任せよう、沢渡」

沢渡「へっ、了解」ニヤァ




地球 グランツェーレ都市学園

スルガ「ふぃー、あんなことの後だから中止にでもなるかと思ったけど、模擬戦の後は結局卒業式かぁ」

ケイ「まぁ当然といえば当然よね。卒業式なんて名ばかりの、要は士官候補生から士官になるための通過儀礼なわけだし。今さら中止したらいろいろと不都合なんじゃない?」

タマキ「キンチョーすると思ってたのにわりとあっさり終わったのらー」

アサギ「……」ハァ

イズル「あ、アサギ。ほら、アサギがこけてくれたおかげで、僕ら全然緊張しないですんだわけだし…」アハハ

アサギ「そんなフォローいらねーよ! …ん?」

ケンカ腰のモブ「」スタスタ

アサギ「…何だよ、またケンカ売りに来たのか?」

イズル「あ、アサギ……」

モブ「……あー、何だ、その。悪かったな、いろいろと言ったけど」

アサギ「!」

モブ「何だかんだ、お前らがいなくなると思うと少し寂しいぜ。でも、ま、いずれは俺も前線に出るだろうから、そん時まではがんばれよ、ザンネンファイブ!」

アサギ「この野郎!」

イズル「アサギ、まぁまぁ」

モブ「ふっ、じゃあな」スタスタ

アサギ「ったく……」

スルガ「へっ、少しは汚名返上できたんじゃねーか?」

アサギ「……まぁ、かもな」フッ

タマキ「……何ていうか、ホントに卒業なんだー」

ケイ「…そうね」

タマキ「ちょっと、寂しいかも」

スルガ「何もない俺たちには、ここ以外、帰るトコねーもんな」

イズル「……これからは、皆のいるところが帰るところだよ」

アサギ「! …ああ、そうだな」

イズル「これからも五人で…チームザンネンの皆でがんばろう!」

アサギ「チーム名間違ってるだろ!」

イズル「あれ?」

スルガ「あれじゃねーよ!」

タマキ「ばかあほおたんちん!」

ケイ「…ふふっ」

ミツヒロ「――イズル! 皆!」タタッ

イズル「あ、ミツヒロ! 皆!」

ビリー「お疲れ様! スズカゼ艦長に言われて迎えに来たよ!」

アサギ「そうか、例のDアイランドにもう出発するのか?」

アイ「いいえ、さらにDアイランドに同行するメンバーが増えるそうだから、その顔合わせするみたい」

イズル「それって、さっきの人のこと?」

ミツヒロ「ああ、そのようだ。さぁ、行こう」




地球 グランツェーレ都市学園 ゴディニオン

スズカゼ「…さて、全員揃ったわね」

イズル「あの、その人たちが…?」

スズカゼ「ええ。…自己紹介をお願いできますか?」

森次「了解した。…こうして顔を合わせるのは初めてだな。私はJUDA特務室の室長を務める、森次玲二だ」

山下「ども、ウサギさん。ボクは山下、山下サトル。どーぞよろしくっす」

シズナ「遠藤シズナや。よろしゅうに」

イズナ「遠藤イズナです。よろしくお願いします」

浩一「早瀬浩一、です。えっと、さっきはドウモ」

イズル「早瀬浩一…あっ、さっきのロボットの人ですか! ありがとうございました! おかげで学園が守れて…」

スズカゼ「個人的な話は後にして。それよりも説明することがあるから」

ランディ「そうそう、艦長、例の島に行くのは俺たちだけじゃなかったのか?」

石神『いろいろとねェ、事情があるんだよ』パッ

イズル「わっ!?」

石神『どうも。JUDA Corporation 代表の石神邦生です。ウチのファクターたちをよろしくね』

海動「全然話が見えねーぞ。どういうこった?」

シモン「――それは、私から説明しよう」

アサギ「シモン司令!」

シモン「近年、地球にはあらゆる危機が迫っているのは分かっているな? フェストゥムやウルガル、木星蜥蜴はもちろん、世界中を混乱に陥れようとする加藤機関――」

石神『でも、地球のお偉いさんたちは、こんなときでもプラントとの戦争に夢中で、もっと向き合うべき危機に対してあまりにも無防備だ』

シモン「そこで、私は秘密裏に石神や、各国の賛同者との協力を取り付け、ある準備を進めていた」

ミツヒロ「準備?」

シモン「そうだ。この地球という場所を守るために、それぞれの立場などを超えて、一つの力として集まり、戦う準備だ」

石神『我々の前にある脅威は、一つではない。ならばお互いの力を合わせればいい。そういう理念の下、「Gプロジェクト」が立ち上がった』

イズル「Gプロジェクト……」

シモン「そうだ。Gプロジェクト――正式名称は、Guardianプロジェクト。つまり、この地球の守護者となる部隊を設立する計画だ」

石神『そして、そのメンバーが今ここに集まった、というワケだよ』

ランディ「はぁ。そのJUDAの連中がその部隊のメンバーってのは分かったけど。っつか、そんな部隊設立するなんて辞令…」

海動「俺たちにも来てねーぞ」

由木「先ほど正式に来たわ。WSOも、この計画に私たちの出向という形で協力するの」

真上「ほう…まぁ、先ほどのような戦闘が待っていると考えれば、悪くはないか」

海動「命令ってのがちっとばかし気に入らねーけどな」

ナレイン「私もシモン司令たちの計画に賛同することになった」スタスタ

ミツヒロ「ナレイン司令!」

ナレイン「これより君たち三人にも、このGプロジェクトへの参加の命令を与える。受けてくれるな?」

ミツヒロ「もちろんです! ……Gプロジェクト…か」

ビリー「すごいね! 地球を守る部隊だなんて、兄さんに自慢できるよ!」

アイ「私にどこまでやれるか分かりませんが…精一杯任務を果たします!」

シモン「チームドーベルマンおよびチームラビッツにも辞令が後で正式に届く。ただし、この部隊は地球連合とは独立した存在となる」

石神『連合に戦力を接収されてプラントとの戦争に巻き込まれる、なんてことになるわけにはいかないからね。ある意味私設部隊になるのかもしれない』

イズル「ええっ!?」

石神『あ、心配しないで。物資とかはウチから融通するし』

アサギ「いや、そーじゃなくて…」

スルガ「俺たち、正式に地球連合に一兵士として所属するんじゃないんすか?」

スズカゼ「…名義上はね。もちろん、ウルガルに対する作戦が発令されたときには、戦闘に参加するわよ」

タマキ「うえー。やることがさらに増えたってことなのらー…」

石神『まぁね。とにかく、我々もこれから戦力をそちらに提供して、本格的に計画を始動するってわけ。これからは人類のためにも皆で力を合わせて戦おう!』オー

イズル「おー!」

アサギ「よくそんな乗り気でいられるな…っつか、ガキっぽいからやめろ!」

スルガ「イズル的にはむしろどんとこいって感じだよな、そりゃ。ヒーローっぽいし」

浩一「! …ヒーロー、か。確かにな」

石神『お、早瀬クンもやる気出てきた?』

浩一「……ナイスな展開ですよ。地球を悪から守る。いかにも正義の味方って感じで」

石神『うんうん、そうこなくっちゃ』

シモン「とにかく。今緊急的に優先すべきはフェストゥムの問題だ。これより、君たちにはDアイランド――竜宮島に向かってもらう。すでにGプロジェクトのことやアルタイルについてある情報筋に伝えてもらっているから、島に入ること自体は問題ないだろう」

スズカゼ「……では、何もなければ出発よ。何か質問は?」

ランディ「特になーし」

海動「よーするに敵を倒しゃいいんだろ?」

イズル「あ、あのう」

スズカゼ「何?」

イズル「いえ、その。部隊名とかないんですか?」

スズカゼ「……部隊名は――」

(よくある部隊名決めるパート)



スズカゼ「ガーディアンズよ」

イズル「ガーディアンズ…」

シモン「質問は以上か? では、君たちの無事と成功を祈る。我々人類の希望は、君たちだ」ビシッ

ラビッツ「」ビシッ

ドーベルマン「」ビシッ

カイザーチーム「」ビシッ

ペルセウス中隊メンバー「」ビシッ

森次「……」

石神『いいねェ、ああいうの。ウチもやる?』

山下「いやいや、ウチら別に軍人さんじゃないですし」

石神『あ、そう…じゃ、森次クン、あとよろしくね』

森次「了解しました」

浩一(地球を守るヒーロー、か。矢島、見ててくれ。俺は、今日みたいに悪と戦って、必ず正義の味方になる。お前との約束を、果たすために――)




ヒカル「イズルくん、またゴウバイン?」

イズル「はい! これ、すごくおもしろいんですよ!」

ガイ「まーそれは認める。ゲキガンガーほどじゃねーがな!」

イズル「ええー、ゴウバインだって、違う方向性でおもしろいですよ!」

保「何してるんだ?」

イズル「あ、保さん! ゴウバインの最新刊が出たらしくて、さっそく読んでるんです!」

保「そうか…おもしろいか?」

イズル「はい! すっごく!」ニコリ

衛『』ニコリ

保「! ……衛」

イズル「え?」

保「…すまん、何でもない。イズルは確か、マンガも描くんだったな?」

イズル「え? ええ、まぁ」

保「どういうのを描くんだ? 少し見せてくれないか?」

ヒカル「あ、あたしも興味あるなー!」

イズル「えっと、じゃあ。これ、よかったらどうぞ」




キラ「あの、これどういう集まりなんですか?」

ランディ「何だ、聞いてないのか?」

キラ「ムウさんには親睦のための集まりだとしか…」

森次「……」

浩一「も、森次さんも興味あったんすね、こういうの」

森次「いや、親睦を深める集まりだと聞いてきたんだが…どうも違ったようだな」

アサギ「ある意味間違いじゃないですけどね」

テレビ「」アッハーン

キラ「!? え、あの、これって」

アキト「うわぁ…すげぇ」

一騎「……」

総士「……何だ?」

一騎「何だよ?」

彗「り、里奈先輩もこんな感じなのかな……い、いや! 俺、何考えて…!」

ガイ「つまんねーぞ! やっぱゲキガンガー見ようぜ!」

アンジュ「その方がつまんねーよ!」

アサギ「何で凶暴モードなんだよ…」

ガチャ

ケイ「やっぱり…!」

ランディ「げっ、何でここが!?」

真矢「なーんか怪しい動きがあるなーって」

総士「しまった、遠見がいたか!」

真矢「皆城くん、一騎くんまで…」ジトー

総士「遠見、何か勘違いしているようだが、僕は無理やり連れてこられたんだ、むしろ被害者と言える」スラスラ

一騎「と、遠見。その、えっと…」メソラシ

ユリカ「アキト! 私よりこんな女の子の方がいいの!?」ウガー!

アキト「いや、ユリカ、その、これはだなぁ…」

ルリ「……大人って、汚い」

ラクス「あらあら。キラ、これはどういう映像なんですか?」

キラ「え、いや、あの……」アタフタ

絵美「浩一クン…」

浩一「や、その、城崎、これには深いわけが…」

絵美「久しぶりに言わせてもらいますが…最低!」パーン!




一騎「もうやめろ! キラ、あいつはお前の友達なんだろ!」

キラ「一騎さん…」

総士「僕も、昔一騎とすれ違ったことがある。だが、話せば分かり合えるということも、僕たちはそのとき学んだ」

一騎「もう一度話し合え! 何度だって、分かり合うために!」

アスラン「キラ……! 俺は、俺は……」

キラ「アスラン…僕は……」

イズル「! あいつは!」

ジアート「(見つけたぞ、我がラマタたちよ!)」

キラ「あのときのやつか!」

浩一「ウルガルのボスってわけかよ! 上等だ!」

一騎「本当に戦うしかないのか…!」

ジアート「(ほう…以前よりも増えたな。――おもしろい! 私を楽しませろ、地球人よ!)」




一騎「……」

イズル「……」

ケイ「イズル…一騎さん……これ、私なりに作ったケーキなの。二人が目覚めたら、食べてもらおうと思ってたんだけど……いつもの十倍くらい、甘くて、おいしいのよ? もう、出撃の時間だから、せめてお見舞いに置いておくね」コトッ

一騎「……」ピクッ

イズル「……」ピクッ

ケイ「え? え、ええ、ええっ!?」

一騎「……!」ゴボゴボ

イズル「……!」ゴボゴボ




一騎「もうやめろミツヒロ!」

ミツヒロ「そこをどけマカベ! お前も、消してやる!」

イズル「ダメだミツヒロ! こんなこと、やっちゃダメだよ!」

ミツヒロ「イズル…! お前になら分かるだろ! 戦うための人形として生み出された俺たちには、こんなやり方しかないんだよ!」

イズル「違う! ミツヒロは人形なんかじゃない! 言ってたじゃないか! 戦いから離れて、平和に暮らしたいって!」

ミツヒロ「そんなの…ただの妄言だ! プログラムされた人格をただ俺は素直に演じてただけなんだよ!」

イズル「そんなことない! 僕は信じてる! ミツヒロはミツヒロだ! 僕の大切な仲間だ!」

ミツヒロ「……! もういい、お前も、消してやる!」

イズル「消えるわけになんかいかない! 僕にはまだまだ描きたいマンガもあるし、それにヒーローにだって、まだなれてないんだ! ミツヒロ、君を止めて、僕はヒーローになる! 仲間を助けられないようじゃ、ヒーローになれるわけないんだから!」




一騎「くっ…!」

マークレゾン「」ワームスフィア

ミツヒロ「これまでだ! マカベ!」

マークレゾン「」チュドーン!

ミツヒロ「! 誰だ!」

???「一騎は……島は、やらせない!」

一騎「! お前は……」

カノン「……私がまだ、ここにいる限り!」

一騎「カノン…! ホントに、カノンなのか! お前は、そこにいるのか!」

カノン「ああ。……一騎、私はまだ、ここにいるぞ!」

長いこと書きましたが、これでこのスレは終わりにします そろそろマジメにマジェプリを家庭用ゲーム機スパロボにはよ出してください

最後に、スレとは無関係な個人的次のエーアイスパロボ参戦希望だけ書いて終わりにします ありがとうございました

機甲戦記ドラグナー 機甲界ガリアン

ガン×ソード ブレイクブレイド

革命機ヴァルヴレイヴ 銀河機攻隊 マジェスティックプリンス(TVシリーズ)

キャプテン・アース 冥王計画ゼオライマー

鉄のラインバレル(原作漫画版) 機動戦艦ナデシコ アルドノア・ゼロ

マジンカイザーSKL 新ゲッターロボ

機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムAGE

SDガンダムフォース

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