瑠璃「大変よユート!兄さんがまた暴れているわ!」 ユート「!?」 (44)

ユート「今度は何が原因で」

瑠璃「私に声をかけた大芸道の人をいきなり殴り飛ばしたのよ」

ユート「無茶苦茶だ…」

瑠璃「兄さんを止められるのはユートだけよ!」

ユート「カイトはどうした?」

サヤカ「カイトなら居残り授業させられてるわ」

ユート「例の厄介な先生か?」

アレン「厄介っつうかムカつく奴だよ。遊勝って言ってさ」

サヤカ「私あの先生怖い…何か不気味だもの」

ユート「カイト不在か…これは厄介だ」

瑠璃「私も手伝うわ」

ユート「いや君に何かあったら俺は…」

瑠璃「ううん…私だって!」

アレン「イチャイチャしてねえでさっさと行けよ!死人が出ても知らねえぞ!」

ユート「わ、わかった」

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黒咲「おい」

デニス「は、はい…」

黒咲「この街のルールを知らんのか?」

デニス「いいえ…知らないって言うか知る必要も」

黒咲「俺の妹をナンパすれば殴られる…わかるな」

デニス「いや任務っていうか…あの必要なんですよ」

黒咲「どうやら他所者らしいから一発で許すが二度目は病院のベッドだ」

デニス「…」

黒咲「それと貴様から漂う匂いは何だ」

デニス「な、何の事でしょう」

ユート「隼!」

ドスッッ

黒咲「!」

ドサッ

ユート「はぁはぁ…やった!一発で仕留めた」

瑠璃「大丈夫!?」

デニス「な、何とか」

ユート「すまない事をしたな」

デニス「僕はデニス・マックフィールド」

ユート「ユートだ」

デニス「それと黒咲瑠璃だよね?」

瑠璃「どうして知ってるの?」

デニス「君は美しいから有名さ」

ユート「そういうの止めてくれないか?」

デニス「え?」

ユート「いや割りと本気で」

デニス「…」

ユート「殴られたのは一発だから大丈夫だろ」

デニス「君も嫉妬深いタイプだね。たかが声をかけた程度で…それとも美しいって言ったのがイラっと来たのかな」

ユート「…」

デニス「おっと睨むのは勘弁してくれよ、これで退散するからさ」

瑠璃「本当に大丈夫なの?兄さんに殴られて平気だなんて」

デニス「こう見えても鍛えてるんだ。またね!」

瑠璃「タフな人ね」

ユート「ああ…そして腹立たしいタイプだ」

ユート「重いな隼は」

アレン「お?またやったのか!さすがだなユートは」

黒咲「…」

アレン「死んだのか」

ユート「生きている」

サヤカ「怒ってるの?」

ユート「いいや」

瑠璃「さっきの人?別に悪そうな人じゃないと思うけど」

アレン「誰だよ」

瑠璃「デニスって人」

アレン「へえ…嫉妬?」

ユート「違う」

アレン「嘘つけ!嫉妬だろ?なあ!言えよ嫉妬だって」

ユート「怒るぞ」

アレン「やっべえな束縛だ束縛!」

サヤカ「やめなさいよアレン」

アレン「おお悪りい悪りい…これって三角関係ってやつなんじゃね?」

ユート「くっ…」

カイト「くだらん」

遊勝「君は私の教え子の中で一番の劣等生だな。エンタメの素晴らしさを笑顔の素晴らしさを理解できないなんて」

カイト「必要か」

遊勝「必要さ」

カイト「いいや不純物だ。そんなものは」

遊勝「…」

カイト「お前のデュエルは派手なだけでデュエルとは言えぬな代物…エンタメか何か知らんが勉強しろ」

遊勝「随分な物言いだな」

カイト「事実だ」

遊勝「君は力で相手を叩き潰すだけだろ?野蛮…あまりにも原始的…!それがデュエルなのか?いいや違う」

カイト「それがデュエルだ。勝った奴が笑えばいい…デュエルの基本だろ」

遊勝「私の権限で君を退学処分する事も可能なんだぞ」

カイト「やってみろ。お前のデュエルで俺を処分して見せろ」

遊勝「ああ…だが今日はやめよう」

カイト「…」

遊勝「また今度だ。さらばだカイト」

カイト「…腰抜けめ」

デニス「あー痛いな、死ぬかと思った」ピッ

デニス「デニスです」

零王「…」

デニス「えーっとですね」

零王「3日だ」

デニス「はい?」

零王「3日経っている…貴様に与えた三つの課題を一つも成し遂げていない。そこいらに転がっている無能と同じだ」

デニス「…申し訳ありません」

零王「瑠璃は」

デニス「み、見つかりません」

零王「ユートの始末は」

デニス「いいえ」

零王「遊勝は」

デニス「それも」

零王「さっさと終わらせろ。瑠璃が見つからぬ限り派遣できんだろ」

デニス「はい」

零王「私は一週間居ないに三つの課題を終わらせろと言わなかったか?使えん奴だな」

デニス「申し訳ありません(くっ…だったら自分でやれよハゲ頭…何が悲しくてお前の野望の為に…この世界を…)」

翌日

カイト「派手にやったそうだな」

黒咲「一発殴り飛ばしただけだ」

ユート「…」

瑠璃「…」

アレン「んだよ?何か距離感あるぞ」

サヤカ「アレンのせいでしょ」

アレン「へ?」

デニス「…」

ユート「お前」

黒咲「二度は無いと言ったな」

デニス「悪いけど…君には死んでもらう」

ユート「何故だ」

デニス「そして君のドラゴンと瑠璃を奪う!邪魔をするなら君も!君も!君達全員を僕が倒す!」

カイト「…」

黒咲「トチ狂って居るのか」

デニス「さあ!」

ユート「受けて立つ」

デニス「先攻は僕だ!Emフレイム・イーターを攻撃表示で召喚!Emフレイム・イーターの効果を発動!このモンスターが召喚または特殊召喚に成功した時、お互いに500ダメージを受ける!」

ユート「こいつ昨日のチャラついた奴と少し違うぞ」4000→3500

デニス「そしてダメージを受ける効果が発動した時、手札からフレイム・イーターを特殊召喚する事で自分へのダメージを0にする!」

デニス「負けてたまるか…約束しろユート!このデュエルに勝てば君の大切な物を二つ奪う!」

ユート「俺が勝てば」

デニス「僕の両腕を…君に渡す!」

ユート「いいだろう」

サヤカ「良くないでしょ」

カイト「構わんだろ」

黒咲「吐いた唾を呑むなよ」

アレン「行け!行っちまえ!!」

瑠璃「…」

デニス「僕はレベル4Emフレイム・イーター2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!Emトラピーズ・マジシャン!!」

デニス「カードを1枚伏せてターンエンド!」

ユート「俺のターン!」

遊勝「何やら騒がしいと思ったらEm?私のEMの紛い物か何かかな」

デニス「榊遊勝…!」

遊勝「はっきり言って不愉快だ」

遊勝「このデュエルは中断させてもらう」

ガシッ

カイト「なら俺とデュエルしろ」

遊勝「それは断らせてもらおう」

黒咲「殴るか」

瑠璃「さすがにマズいわよ。相手は大人なんだから」

ユート「君のデッキと先生のデッキは何か関係あるのか」

デニス「Emはアカデミアが作り出した対EM用のデッキ…あなたを倒す為に作られたカード達だ!」

遊勝「零王か?あいつめ…」

ユート「カードを4枚伏せてターンエンド」

デニス「なっ…僕のターン!」

ユート「速攻魔法『非常食』を発動!このカード以外の伏せカードを墓地へ送り送った枚数×1000ライフを回復させる!」4000→7000

デニス「だが君のフィールドはガラ空きだ!Emトラピーズ・マジシャンでダイレクトアタック!」

ユート「この瞬間、墓地の幻影騎士団シャドーベイルの効果を発動!レベル4通常モンスターとして守備表示で特殊召喚する!」

デニス「ターンエンド…1体は破壊した。だが同じレベルのモンスターが2体残った…これは」

ユート「俺のターン!俺はレベル4の幻影騎士団シャドーベイル2体でオーバーレイ!漆黒の闇より現れし反逆の牙!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!」

ユート「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果を発動!オーバーレイ・ユニットを二つ使い相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このモンスターの攻撃力をアップする。これでお前のモンスターの攻撃力は1250となりダーク・リベリオンの攻撃力は」

デニス「3750…!」

ユート「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃!反逆のライトニング・ディスオベイ!!!」

デニス「くっ…」4000→2500

デニス「この瞬間、罠発動!『トリック・ボックス』自分フィールドのEmモンスターが戦闘または効果で破壊された時、相手フィールドのモンスターのコントロールを自分エンドフェイズ時まで得る!そして相手フィールドに自分の墓地からEmモンスターを特殊召喚する!Emフレイム・イーターを特殊召喚!」

デニス「500のダメージを受けろ!」

ユート「…」6500→6000

デニス「そ、そして…トラピーズ・マジシャンは破壊された時にデッキからEmモンスターを特殊召喚する!僕はEmスティルツ・シューターを特殊召喚!」2500→2000

ユート「カードを2枚伏せてターンエンド」

デニス「僕のターン!」

ユート「たった1日で随分と人が変わったな」

デニス「僕は君達とは違う…戦わなければ生き残れない!そう教育されて来た!!」

ユート「どういう事情か知らないが本当にそれだけか?」

デニス「それ以上に何がある!僕はスケール1のオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンとスケール8のオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンでペンデュラムスケールをセッティング!」

遊勝「オッドアイズか」

デニス「ドラゴンにはドラゴン…プロフェッサーの作り出したドラゴンの力を受けてみろ!ペンデュラム召喚!オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!!」

ユート「…お前、無理してるだろ」

デニス「そんな事は無い…バトル!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンで攻撃!」

ユート「ッッ!」6000→3500

デニス「そしてオッドアイズ・ファントム・ドラゴンの効果を発動!このモンスターが戦闘ダメージを与えた時、Pゾーンのオッドアイズモンスターの数×1200のダメージを与える!合計2400のダメージだ!!」

ユート「…」3500→1100

デニス「これで二つの課題はクリアできる…それに遊勝も居る…けど」

ユート「次の攻撃で決着が付くな」

デニス「ああ…これで救われる」

ユート「…」

デニス「これで…」

「さっさと奴を始末しろ」

デニス「プロフェッサー…」

「何を躊躇している。簡単な事だろ」

アレン「どうしたんだよブツブツ言って」

黒咲「妙だ」

カイト「ああ」

瑠璃「何が?」

カイト「奴の髪だ」

サヤカ「髪?」

黒咲「まるでピッタリ張り付いている…あれだけ長い髪質なら靡くのは必然的!」

ユート「来い…俺を倒してみろ!何を悩んでいるか知らんがデュエル中ならデュエルだけを考えろ!」

デニス「あああああああああ!!!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで攻撃!」

ユート「罠発動!『聖なるバリア-ミラー・フォース』」

「愚か者が!」

デニス「ぜ、全滅…」

ユート「…」

デニス「まだだ…例え破壊されたとしてもPモンスターのオッドアイズ・ファントムは再び!」

「クズが…次のターンで終わればどうする?任務失敗は貴様の死で償え!」

デニス「わかりました…しかし孤児院の子達は」

「問答無用!仮初めの命を持つ貴様らに生きる価値など無い!」

デニス「…ターンエンド」

ユート「モンスター…ドロー!来たか、カイト!隼!」

カイト「…」

黒咲「任せろ」

ユート「どうやら考えは同じのようだな。俺は幻影騎士団サイレントブーツを攻撃表示で召喚!そして罠発動!『幻影騎士団トゥーム・シールド』このカードは発動後、レベル3通常モンスターとして特殊召喚ができる!」

ユート「レベル3の幻影騎士団サイレントブーツと幻影騎士団トゥーム・シールドでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!」

デニス「すまない皆…本当にすまない…さあ倒してくれ」

ユート「バトルだ!」

デニス「…」

カイト「今だ」

黒咲「うむ!」

アレン「どうしちまったんだ!?」

ユート「デニス!ジッとしていろ!!」

デニス「うわあああああああああああああ」2000→0

黒咲「カイト!こいつから取れ!」

カイト「誰だか知らんが…こいつの親玉はイかれているな。離れろ!」

アレン「離れろだってよ!大統領命令だぞ!!」

「な、何だ!?」

「何が始まるんだ!?」

カイト「こいつはカツラ…そして爆弾だ」ポイッ

ドォォォォォォォォォォォォ

遊勝「美しい…まるで花火だ」

瑠璃「カツラだったの…でも何でカツラが爆弾に」

デニス「プロフェッサー…僕のボスはこの世界で毛狩りを行うとしている」

サヤカ「毛狩り!?」

デニス「そう毛狩りだ…人間の頭髪は古来より神聖視されている。特にデュエリストにとって頭髪は多くのデュエルエネルギーが集中している部位だ…デュエリストの髪型が異常に奇抜なのはも、その理由さ」

ユート「俺の始末と瑠璃が必要な理由は!?」

デニス「プロフェッサーは君達を恐れている…そして瑠璃はプロフェッサーの娘の1人…」

黒咲「そんなバカな話があるか、瑠璃は俺の妹だぞ」

デニス「殺してくれ…任務に失敗した僕は…プロフェッサーは必ず僕の大切な人を場所を」

ユート「…今は何も考えず休め」

零王「少しは使える奴かと思えば…無能が」

バレット「やりますか」

零王「奴の故郷を焼き払え…全てを破壊し丸坊主にしてしまえ」

バレット「はっ!」

ユーリ「ストップ」

零王「私に意見する気か」

ユーリ「どうせならデニスの目の前で故郷を破壊してやりましょう」

零王「…」

ユーリ「どうですか?」

零王「お前はザークの一部だけあってクズとしか言い様がないな。良かろう貴様の意見を通そう」

ユーリ「どうも」

零王「あまり図に乗るな。お前達は消耗品…ただの駒という事を忘れるな」

ユーリ「はいはい」

零王「エクシーズ次元へ侵攻する。奴を牢から解き放て」

ドクトル「あれは使えるのでしょうか?私の洗脳でタダの獣に」

零王「構わん」

バレット「では早速」

零王「奴らの毛を一本残らず狩り採れ!ハンティングゲームの始まりだ!!」

数日後

デニス「…」

コンコン

ガチャッ

アレン「生きてるか!」

デニス「生きてるよ」

アレン「生えるのかよ毛」

デニス「剃ってるだけだからね」

サヤカ「ノックしていきなり開けちゃダメでしょ」

アレン「問題ねえだろ?なあデニス!」

デニス「…」

アレン「塞ぎ込んでやがるな…心配いらねえよ。お前は俺達が守ってやっからよ」

サヤカ「強くない癖に」

アレン「はあ?段々強くなって行くんだよ!カイトのお墨付きだぞ俺は」

ユート「…」

デニス「僕のミスできっとアカデミアが本腰を入れる。気をつけてくれ」

ユート「瑠璃は俺が守る。そして俺自身も殺されはしない」

デニス「…」

黒咲「…」

瑠璃「カツラ?」

黒咲「カツラだ」

瑠璃「ふーん…」

黒咲「たまたま奴と同じ髪型のカツラを見つけタダで貰った。あのままでは見苦しいからな」

瑠璃「プフッ」

黒咲「何がおかしい」

瑠璃「ううん何でもない」

黒咲「カイトは」

瑠璃「デニスの持ってたデュエルディスクを解析中だって」

黒咲「暇人め」

瑠璃「別に暇人じゃ」

黒咲「むっ」

ゴゴゴゴゴゴゴ

瑠璃「な、何!?」

黒咲「空だ!」

瑠璃「も、もう来たの!?」

黒咲「来るぞ」

野呂「来た来た…来たァ!エクシーズ次元だぞ!!!」

バレット「…」

野呂「聞け!この世界に生きる人間の髪を全て狩り尽くせ!ハンティングゲームの始まりだ!!」

素良「ははは!前線は始めてだからワクワクするよ!」

バレット「お前達のやるゲームではない。戦地で遊び心は禁物だ」

素良「むっ」

野呂「バレット!私の指示以外で勝手な行動は許さんぞ!」

バレット「私は戦士…そしてお前の部下ではない」

野呂「私はプロフェッサー直々にエクシーズ次元制圧を任されたのだぞ!言わばお前の上司!」

バレット「それが何だ。私はやるべき事だけはする」

野呂「くっ…」

ユーリ「さっさと指示出してくれませんかね?総司令官様」

野呂「ああ…行け!」

「おおおおおおおおおおおお!!!」

素良「降下訓練が始めて役に立つね!」

ユーリ「ゴチャゴチャうるさいんだよチビ」

野呂「さて私達も行動するか、狙いは天城カイト…プロフェッサーは奴の頭脳を恐れている」

「…」

スタッ

バレット「…」

ドサッ

ドサッ

ドサッ

バレット「ほぉ…訓練されたデュエリストなのだなエクシーズも」

黒咲「空から降りるとはバカな連中だな。狙い易かったぞ」

スタッ

素良「君が最初の獲物だね、悪いけど狩らせてもらうよ?」

黒咲「来い」

バレット「うむ」

素良「待ちなよ!こいつは僕の獲物だ」

黒咲「チビは引っ込んでろ」

素良「いいのかな?相当強いよ僕は…君達が倒したデニス以上にね」

黒咲「お前はカスだ」

バレット「好きにしろ」

素良「後悔させてやる!僕をカスだと罵った罪を受けさせてやる!!」

黒咲「…」

素良「融合召喚!デストーイ・シザー・ベアー!デストーイ・チェーン・シープ!」

素良「ターンエンド!」

黒咲「俺のターン」

素良「ねえ!何で僕は喜んでると思う?これはゲームさ!周りの連中も見て…」

黒咲「侵略者かと思えば雑魚も雑魚だな。どいつもこいつもカツラが爆発して死んでいる…で?お前はどうする」

素良「くっ…」

黒咲「RR-バニシング・レイニアスを攻撃表示で召喚!そして効果を発動!手札からレベル4以下のRRモンスターを特殊召喚する!2体目のRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!さらに魔法『RR-コール』を発動!デッキからRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!」

黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアス3体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!RR-ライズ・ファルコン!!ライズ・ファルコンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃力を合計させた数値分アップ!そして相手フィールドに特殊召喚されたモンスター全てに一回ずつ攻撃が可能!」

素良「何だって!?」

黒咲「弱い奴ほどよく吠えるというが…その通りだな」

素良「くっ!」

黒咲「安心しろカツラだけを上手いこと吹き飛ばし命だけは救ってやる…なあチビ」

素良「チビじゃない僕は紫雲院素良だ!!」

黒咲「お前の名は」

バレット「バレット」

黒咲「お前の名は覚えてやる…じゃあなチビ」

素良「うわあああああああああああああああああ」

黒咲「…」

素良「クソ!クソ!ふざけるな!」

黒咲「…」

バレット「…」

素良「僕は本気じゃない!本気じゃなかった!」

ドガッッ

素良「うっ!」

黒咲「邪魔だ」

バレット「甘いな。奴の命を救うとは」

黒咲「…」

バレット「命にやり取りはした事がないようだ」

黒咲「喧嘩だけなら腐る程ある」

バレット「奴ら兵士程度では勝てんだろう。このエクシーズ次元はプロフェッサーが恐れただけはある」

黒咲「自分の部下に爆弾カツラを装着させる奴だ。裏切りが怖い小心者のゲスだろう」

バレット「フッ…正解だ」

黒咲「そして貴様も同じ穴の狢」

バレット「私のデュエルに頭髪は関係ない…命のやり取りをしようじゃないか!」

黒咲「上等…!」

黒咲・バレット「デュエル!!」

素良「やっちゃえ!鳥をぶっ殺しちゃえ!!」

アレン「アカデミアの戦術ってワンパだな」

サヤカ「同じモンスターばかりだしね」

デニス「…」

グロリア「見つけたぞデニス」

グレース「裏切り者は…わかってるわね?」

デニス「グロリア!グレース!」

アレン「うわっ!すっげえ乳無しだ!幼稚園児か!?」

グレース「誰が幼稚園児よ!」

サヤカ「誰なの?」

デニス「僕と同じ幹部クラスのタイラー姉妹さ」

アレン「ハッハッハ!タイラーだって?本当にタイラーって苗字かよ!?」

グロリア「何が可笑しいんだ」

アレン「そういや隼もファルコンだもんな…っつうか苗字がタイラーで自分らも真っ平らなんて先祖からのイジメじゃね?」

グロリア「あまり私達を舐めるなよ小僧」

グレース「このチビ!」

アレン「あの乳無し姉妹もカツラか?」

デニス「うん」

アレン「だったら俺が2人纏めて倒すからライフ0になった瞬間にカツラ取ってやれよ。頼んだぜ」

カイト「騒がしいと思ったら何の騒ぎだ…まさか」

エド「…」

カイト「何だお前」

野呂「この街の象徴が自分の家とはどういう気分かな?金持ちめ!」

カイト「俺に話があるなら俺に話せ」

野呂「ううっ…やっちゃって下さい!」

エド「…」

野呂「名はエド・フェニックス!融合次元が生んだ最強のデュエリスト!若干15歳でプロとなり数々の博士号を習得!そしてアカデミアに入学し数々の困難を解決した伝説のデュエリスト…それがエド・フェニックス!!」

カイト「随分と詳しいな」

野呂「元マネージャーでしてね。そして今!この私はエクシーズ次元制圧総司令官に抜擢されたのだ。しかもエドさ…いいやエドを操っているのだぞ?凄くないか」

カイト「そのエドの後ろで喋るな。前に出ろ」

野呂「エドさんを舐めるなよ!この人はプロ10年目にしてトップだったんだぞ?どうだ!」

カイト「こいつの伝説には興味がない」

野呂「お前には死んでもらう。プロフェッサーとの約束があるんでね」

カイト「…死んだ目をした男に俺を倒せるのか」

野呂「エドさ…エドは強い!お前のような小僧っ子とは年季が違うのだよ年季が!いいか?何の不自由もなく育ったお前と両親を幼くして亡くしたエドさんとでは雲泥の差がある!恐竜とアリだ!!」

カイト「さっさと始めるぞプロ」

エド「デュエル」

エド「僕のターン…D-HEROダイハードガイを攻撃表示で召喚…カードを1枚セットしターンエンド」

カイト「ドロー!苦労知らずの坊ちゃんか」

エド「…」

カイト「故に鍛え方は常人とは違う。自分フィールドにモンスターが存在しない事でフォトン・スラッシャーを特殊召喚!そしてフォトン・クラッシャーをリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

エド「罠発動『Dシールド』攻撃表示のD-HEROを守備表示にし装備カードとなり装備モンスターは戦闘では破壊されない…」

カイト「バトル!」

野呂「バカが!破壊されないのだと聞いていないのか!」

カイト「破壊ではなく除外ならどうだ…効果を発動!銀河眼の光子竜と相手フィールドのモンスターをバトルフェイズ時まで除外する!そして銀河眼の光子竜が除外された時、手札のディメンション・ワンダラーを墓地へ送り相手に3000のダメージを与える!」

エド「…」4000→1000

野呂「そ、そんなバカな…ストップ!」

カイト「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

野呂「デュエルは中断だ!」

カイト「…」

野呂「あなたが強いのはわかった分が悪すぎる!だったら待ってくれ!援軍を…頼む!」

カイト「無理だな」

野呂「ふざけるな!命がかかってるんだぞ!?いいか!私達は敗北すれば…処刑だ!エドさんだって例外じゃない!この人は死なせてはダメだ!」

カイト「こいつは死んだ魚の目をしている。希望を持つだけ無駄だ」

野呂「無駄ではない!今は死んでいるが…必ず元に戻る…この人は融合次元の最後の希望なんだ!!」

カイト「…」

野呂「だから頼む…この人だけは…何だったら私の命をくれてやってもいい!この人は特別なんだ!!」

カイト「司令官だというのに随分とセンチな男だな」

野呂「多くを生かすには少数が犠牲になったっていい…それにエクシーズ次元侵攻の兵士達の多くは犯罪者や殺し屋で固めてある…多少ぐらい」

カイト「それで俺達は傷ついても構わんか」

野呂「所詮は別世界…誰が死んだって」

カイト「一理あるな。だったらいい事を教えてやる…デュエルに敗北すればカツラが爆発する。そうだな?」

野呂「あ、ああ」

カイト「だが10秒…たった10秒だけ間がある。俺がライフを0にした瞬間に奴からカツラを取れ」

野呂「む、無理だ!我々に装着されたカツラは!」

カイト「第三者の手…若しくは別世界の人間なら取り外す事が可能かもな」

野呂「…」

エド「手札のD-HEROドリルガイを融合…融合召喚…D-HEROディストピアガイ…ディストピアガイのエフェクトを発動…セメタリーのレベル4以下のD-HEROモンスターの攻撃力の数値だけ相手にダメージを与える…」

カイト「…」4000→2400

エド「そしてフィールド魔法『ダーク・シティ』を発動…バトル…このモンスターが戦闘を行う時、相手モンスターの攻撃力より低い場合、ダメージ計算時のみ1000ポイント攻撃力がアップする…」

野呂「それが事実だとしてもディストピアガイの攻撃力が変動した事で効果を発動しカイトのフィールドはガラ空き…負けだ!」

カイト「どうやら奴はそのまま突っ込んでくるようだ…罠発動!『反射光子流』相手モンスターの攻撃力分銀河眼の光子竜の攻撃力はアップする!今がチャンスだ!カツラを取れ!!」

野呂「エドさん!この野呂守があなたをお助けしますよ!!」

エド「…」1000→0

野呂「カツラァ!!」

3月15日

ユート「同じ戦術では俺達は倒せない」

パチパチ…

ユート「むっ」

ユーリ「やあ」

ユート「誰だお前」

ユーリ「誰なんて冷たいなぁ!兄弟じゃないか僕達は」

ユート「何を言っているのかサッパリだ」

ユーリ「今に理解ができる」

ユート「デュエルなら受けて立つ!先攻は俺から行くぞ幻影騎士団ラギッドグローブを攻撃表示で召喚!自分フィールドに幻影騎士団モンスターが存在する事で幻影騎士団サイレントブーツを特殊召喚!レベル3の幻影騎士団ラギッドグローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!ラギッドグローブが素材になった事でブレイクソードの攻撃力は1000アップし3000!」

ユート「カードを1枚伏せてターンエンド」

ユーリ「ドロー…デニスを倒したのは君かい」

ユート「ああ」

ユーリ「ふーん…だったら大したものだ。あいつは強いからね、さすがは兄弟」

ユート「さっきから兄弟兄弟と何なんだ…?」

ユーリ「捕食植物オフリス・スコーピオを攻撃表示で召喚!そして効果を発動!このモンスターが召喚または特殊召喚に成功した時、手札のモンスターを墓地へ送りデッキから捕食植物モンスターを1体特殊召喚する事ができる。捕食植物ダーリング・コブラを特殊召喚!」

ユーリ「捕食植物ダーリング・コブラの効果を発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、デッキから融合またはフュージョンカードを1枚手札に加える。僕は捕食植物オフリス・スコーピオと捕食植物ダーリング・コブラを融合!融合召喚!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!!」

ユート「ドラゴン!?」

ユーリ「こんな事で驚いてもらっちゃ困るな。第一の効果を発動!スターヴ・ヴェノムが融合召喚に成功した時、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターを1体選びターン終了時までそのモンスターの攻撃力分アップ!」

ユート「攻撃力5800!?」

ユーリ「そういえば名乗ってなかったっけ?僕の名はユーリ…全てのデュエリストの頂点に立つ男さ」

ユート「ユーリ…まさかと思うがカタカナで伸ばしてユーリ?」

ユーリ「その通り」

ユート「まさか本当に彼は俺の兄弟では…?」

ユーリ「積もる話もあるだろうけどちゃっちゃと終わらせちゃうよ?バトルだ!」

ユート「くっ…」4000→1200

ユート「だがブレイクソードは破壊される事で墓地の同じレベルを持つ2体の幻影騎士団モンスターのレベルを一つ上げ特殊召喚する!蘇れ、幻影騎士団ラギッドグローブ!幻影騎士団サイレントブーツ!」

ユーリ「ターンエンド」

ユート「俺のターン!君はいくつだ」

ユーリ「ん?14歳だけど」

ユート「双子か…じっくり見れば背丈も俺と同じだ。レベル4となった幻影騎士団ラギッドグローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!ダーク・リベリオンのオーバーレイ・ユニットを二つ使い相手モンスターの攻撃力を半分にしその数値分攻撃力をアップ!」

ユーリ「君もドラゴンを出したってわけか…けど使わない方が身の為だと思うよ?君と僕は」

ユート「兄弟だ。そして立ち振る舞いから考えて俺が兄」

ユーリ「は?」

ユート「そうなんだろ兄弟という意味は俺とお前が双子!違うか!?」

ユーリ「あのね兄弟ってそういう意味じゃ」

ユート「バトルだ!」

ユーリ「ふぅ…やれやれだ」4000→1500

ユート「俺に肉親が居たなんて…何をやっているんだお前は!毛狩り軍団の仲間になるなんて兄として許せんぞ!」

ユーリ「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンは破壊された時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」

ユート「だが俺は一歩先を行く!速攻魔法『RUM-ファントム・フォース』を発動!自分フィールドのオーバーレイ・ユニットを持たない闇属性エクシーズモンスターを対象に発動する事ができる!そのモンスターよりランクの一つ高いモンスターを重ねて特殊召喚できる!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク5!ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン!!」

ユーリ「RUM?」

ユート「そう…RUMとは太古の昔、エクシーズモンスターが恐竜と共に生息していた時代に遡る。生態系を狂わせたエクシーズモンスターに対し神々は本来の力を奪いカードとして封印した!」

ユーリ「つまり…それは」

ユート「エクシーズの持つ原初の力!故にモンスターと心と心が繋がったデュエリストのみが体得できる秘中の秘!RUMはエクシーズモンスターを原始の時代へと戻す事が可能!」

ユーリ「ふふふ…ははは!!!」

ユート「何が可笑しい」

ユーリ「そうだよね…昔とは違うんだ。僕達は悪魔なんかじゃない」

ユート「悪魔?」

ユーリ「けど念には念を入れなきゃね。誰か1人が犠牲になれば…」

ユート「?」

ユーリ「君に友達は?」

ユート「居る」

ユーリ「この勝負は僕の負けでいい…ねえ兄弟」

ユート「最後までやれ!」

ユーリ「プロフェッサーの次の狙いはスタンダードだ。あいつは自分の故郷すらも標的に定めた」

ユート「お前は何故そこに所属している」

ユーリ「気まぐれ」

ユート「無関係な人間の髪をハゲにする罪悪感はないのか!?」

ユーリ「無いね。だって命までは取らないでしょ?僕を殺すかい?」

ユート「止める」

ユーリ「甘いなぁ…はっきり言って僕は忌み嫌われている存在だ。僕を理解している人間は生まれてこの方2人しか居ない」

ユート「俺も居る。始めて出会った肉親だからな」

ユーリ「本当に大切なものを守りたいなら甘さを捨てるべきだ。男なら命をかけて守るんだ…甘い感情は捨てろ!融合使いは全て敵だと思え!」

ユート「…」

ユーリ「…なんちゃってね。とりあえず君は死ぬな、何があってもね」

ユート「ユーリ!」

ユーリ「そしてプロフェッサーの野暮を叩き潰すんだ。四つの次元が一丸になれば誰にも負けない…決して」

ブンッッ

ユート「…あいつは何かを背負っている眼をしていた。一体何を…?」

バレット「私の片目を潰すとは…RUM!確かに原始の力を感じた」

黒咲「…」

バレット「嬉しそうではないな…どうやらRUMはお前の身体を蝕む代物か」

黒咲「克服する」

バレット「…」

「バレットよ」

バレット「プロフェッサー!」

「本部へ帰還せよ」

バレット「黒咲隼だったな」

黒咲「ああ」

バレット「覚えておく」

素良「覚えておく」

黒咲「まだウロウロしていたのかチビ」

素良「ひっ!?」

バレット「お前も生きたくば融合次元へ戻らぬ方がいい。故郷を捨てろ」

素良「ぼ、僕を処刑しないの?だってバレットはプロフェッサー直属の」

バレット「私は戦士…戦い以外に興味はない。無論、お前達を処刑する権利は私には無い」

素良「なーんだ!それを早く言ってよ!共倒れ狙ってた僕がバカみたいじゃないか!じゃあ僕は第二の人生歩むから」

黒咲「…」

素良「バーカ!次に会う時は僕の本気で君を潰してやる!」ピッ

バレット「さらばだ」ピッ

黒咲「バレット…RUMを支配せねば次に奴と対峙した時は…俺が負けるやもしれぬ」

ドサッ

数日後

エド「…」

ユート「もう具合はいいのか」

エド「君は確か」

ユート「ユート」

エド「ユートか…ここは綺麗な場所だ。眺めがいい」

ユート「何せ俺と瑠璃が最初にデートした場所だからな」

エド「あの夕陽…まるで融合次元を現しているようだ」

ユート「無視か…融合次元の?」

エド「沈んだ太陽…決して昇らぬ太陽さ」

ユート「だが明日になれば朝日となって昇る。融合次元の明日と共にな」

エド「…」

ユート「そう思うだろ」

エド「ユート…君の名前の意味は」

ユート「物心ついた時から俺はユートだった」

エド「いい名前だ…ユートピアのユートかと思ったよ」

ユート「もしかしたらユートピアのユートかもしれないな」

エド「…融合次元に希望を取り戻す。だがデュエルが怖い」

ユート「何故だ」

エド「僕は誰にも負けなかった…だがプロフェッサーには何をしても勝てなかった!あいつは人間じゃない…人間を超えた別の何かを!」

カイト「なら面白い場所を紹介してやる」

ユート「カイト!」

カイト「ついて来い」

エド「随分と薄暗い場所だな」

カイト「ここだ」

バンッッ

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ

エド「ここは」

カイト「地下デュエル闘技場…隼の庭だ」

エド「あの目つきの悪い男の」

カイト「そして隼は王者だ」

エド「…」

黒咲「全員だ!全員でかかって来い!!」

エド「ここで何を」

カイト「お前の失われた牙を取り戻す」

エド「…」

カイト「隼!」

黒咲「むっ」

カイト「こいつを鍛えてやれ」

黒咲「後でお前から金を取るぞ」

カイト「地下のルールは勝利のみ…やってみるな」

エド「勿論…やるさ!」

黒咲「名は」

エド「エド・フェニックス」

黒咲「ならば有象無象の雑魚共とともに俺に飛びかかって来い!」

エド「ああ!(王者…懐かしいな。僕もプロの世界に飛び込んで時は彼のように荒っぽかったな…)」

アレン「あそこに居るの小学生な」

グロリア「それが何だ」

アレン「最近の小学生ってのは発育いいよな…あれ?お前ら小学生以下じゃねえか!」

グレース「やっちゃおう姉さん!こいつ同じ事ばっかり!!」

グロリア「落ち着け!こいつの口車に乗るな!」

サヤカ「やめなよアレンも…そりゃ2人とも…だけど」

グレース「大きくたってデュエルに邪魔なだけじゃない!」

デニス「そうかな?大きさってデュエルに関係ないと」

グロリア「おい」

デニス「あ、ごめんごめん…」

グロリア「ったく…しかし私達がエクシーズ次元に居ても良いのだろうか…」

グレース「そうよね。毛狩りされた人も居るんだし…あそこだって私達の故郷だもんね」

グロリア「それにプロフェッサーの魔の手からは…決して」

アレン「人生はチャレンジだ、チャンスは掴め」

グレース「何それ?」

アレン「ジャンボ鶴田がジャイアント馬場から受け継いだ座右の銘だぜ」

グロリア「それがどうした」

アレン「プロレスってのは数ある格闘技の中でも最高のエンターテイメントだ!俺が言いてえのはお前らはチャンスを掴んだんだよ!」

デニス「チャンス…」

アレン「おうよ!いつまでもアカデミアに居たんじゃ行動も起こせねえだろ?俺達と出会って解放されてチャンスを掴んだんだ!そんでプロフェッサーとアカデミアに反旗を翻すチャレンジが始まったってわけだ!」

デニス「…うん」

アレン「ま、決戦に備えようや」

グロリア「…ああ」

ユート「アレンの言う通りだな」

アレン「ヌッと出てくるなよ!マジでビビったぞ」

ユート「すまない」

デニス「やあ」

ユート「ああ…そういえば君に言わなければならない事があった」

デニス「?」

ユート「ユーリに会った」

デニス「ユーリに!?」

ユート「ああ」

デニス「あいつ…」

ユート「アカデミアはどうやって融合次元を支配したんだ」

デニス「僕が聞いた話じゃ10年以上前から闇に隠れて計画を立てていたらしいんだ。本格的に始まったのは1年前」

ユート「1年前?」

デニス「本来のデュエルアカデミアっていうのはデュエル専門の学校なんだ。プロフェッサーが乗っ取ったのは高校生のみが通う高等部…そこは島にあってね」

ユート「何故君たちは」

デニス「プロフェッサーは各地から子供達を大勢拉致した。中には僕やユーリの様に自ら志願してね」

グロリア「私達は拉致だった」

グレース「どうしてデニスとユーリは」

デニス「あいつが行くって行ったから」

グレース「馬鹿じゃないの!?それだけで!」

デニス「まあね。けど…ユーリは何かを感じ取ったんだ」

アレン「ダチなのか?」

デニス「友達っていうよりも兄弟っていうか相棒っていうか」

瑠璃「これで良しっと…兄さんも少しは買い物に付き合ってくれれば」

キキッ

ユーゴ「おお…何だここは?やっべえな…とうとうスピードの向こう側に行っちまったのか?明らかに景色違うもんな!」

瑠璃「…」

ユーゴ「リン!何だお前もスピードの向こう側に来ちまったか!?」

瑠璃「えぇ…人違いですけど」

ユーゴ「そんなこと言うなって!何か悪い事したか?」

瑠璃「人違いよ?だって私は黒咲瑠璃だもの」

ユーゴ「は?何言ってんだよ!」

瑠璃「とにかく人違いだから」

ユーゴ「やっべえなパンツか?あれはシンジだぞ!それとも便所詰まらせた事か?あれはクロウだ!」

瑠璃「誰?」

ユーゴ「な?悪りい事してねえだろ」

瑠璃「どうしよう…変な人に捕まったわ」

ユーゴ「ま、とりあえず乗れよ」

瑠璃「…」

ユーゴ「遠慮するなって!」

瑠璃「…じゃあ」

ユーゴ「アクセルシンクロ完成しただろ?だってよ移動しちまうんだぜ?凄くねえか」

瑠璃「そ、そうね」

ユーゴ「クロウとシンジがひっくり返るだろうな!それにジャック…あいつも驚くかもしれねえな!」

瑠璃「ねえ!その人達って誰なの?」

ユーゴ「水臭えな!同じハウスで育った兄弟分じゃねえか!記憶喪失か?」

アレン「へえ…これがユーリか?おお!?この隣に写ってるの誰!?」

デニス「僕だよ。今はハゲてるけど昔の」

アレン「違う!この金髪爆乳美人…うわぁ…こりゃ平の天敵だわ」

グレース「殺す!」

グロリア「落ち着けグレース!」

デニス「天上院明日香…僕らが通ってた学校の担任の先生でね。デュエルアカデミアのOBにしてエドさんの一つ上の先輩で」

アレン「これが担任かよ!反則じゃね?俺らの学校なんてババアかゴリラしか居ねえんだぞ!後は胡散臭い遊勝とかさ!」

デニス「そしてユーリの数少ない理解者だった。今頃何をしているんだろ」

アレン「羨ましいなぁ…なあサヤカ」

サヤカ「別に」

ブオオオオオオオオオオオオオ

ユート「ん?」

デニス「あれって瑠璃じゃない?誰かと一緒にバイク乗ってるけど」

アレン「浮気だ」

ユート「瑠璃!」

瑠璃「止めて!」

ユーゴ「お?」

キキッ

ユート「そいつは」

瑠璃「何か誰かと勘違いしてね」

ユート「何者だ」

ユーゴ「ユーゴ」

ユート「融合?」

ユーゴ「融合じゃねえ!ユーゴだ!」

ユート「融合の名を冠する男…アカデミアか」

ユーゴ「マカデミア?何処がだ!」

アレン「モテ期だぜ」

デニス「まあ瑠璃は可愛いもの」

ユート「…」

デニス「おっとと…別に僕は」

ユート「で?瑠璃に何をする気だ」

デニス「瑠璃達4人の少女を拉致しろ…新しい刺客?それにしては」

グロリア「見た事がない」

グレース「言われてみれば」

サヤカ「危ないわよ瑠璃!」

瑠璃「もしかして敵なの!?」

ユーゴ「リン!そりゃねえだろ」

デニス「リン!プロフェッサーのリストに載ってた子だ」

ユート「やはり…瑠璃から離れろ」

ユーゴ「誰と勘違いしたか知らねえが…俺は」

ヒュンッ

ユート「!?」

サヤカ「き、消えちゃった…」

デニス「2人揃ってバイクごと…」

アレン「逃避行だ…逃避行だぜユート!」

ユート「瑠璃…何故だ瑠璃!?」

デニス「融合…ユーゴ?いやいや無いな。そんな直球勝負な紛らわしい名前なんて」

黒咲「何だと!?」

ユート「すまない…俺が居ながら」

黒咲「どういう事だ!!!」

デニス「!」

黒咲「ハゲ!」

デニス「は、はい」

黒咲「こいつを受け取れ」

デニス「カツラ?黒焦げだけど」

黒咲「すっかり渡すのを忘れていた」

デニス「黒咲…」

黒咲「3万円だ」

デニス「…はい」

アレン「本当に3万かよ」

黒咲「胸倉を掴んで壁に穴を開けたらタダになった。気の良い店主だった」

アレン「絶対にパクられるぜ」

黒咲「で?何があった」

ユート「融合を名乗る男に拉致された」

黒咲「デニス」

デニス「はい!」

黒咲「どう落とし前をつける?殴られるか蹴られるか選べ」

デニス「何で僕が!」

黒咲「俺の目の前に居るからだ」

デニス「無茶苦茶だ!」

ユート「融合次元へ突入する…いいな隼!」

黒咲「勿論だ」

カイト「頭を冷やせ」

黒咲「邪魔だ」

カイト「プロフェッサーがスタンダードに狙いを定めたのならお前達はスタンダードへ飛べ」

黒咲「誰に命令している?俺はお前に35勝25敗9引き分けしているだろ」

カイト「誤魔化すな。俺が30勝12敗3引き分けだろ」

黒咲「何だったら今この場で決着をつけるか」

カイト「いいだろう」

グロリア「不仲なのか」

グレース「ああいう殺伐としたタイプは好みじゃないかも」

サヤカ「ギリギリの友情ってやつかな…待って!それよりも瑠璃よ!」

カイト「俺達が融合次元へ飛ぶ。エド次第だがな」

アレン「俺達?」

カイト「アレン、ユートそして隼がスタンダードだ。こいつを持っていけ」

黒咲「瑠璃の命がかかっているのだぞ!?プロフェッサーとかいう中年が拉致したい理由がわからんか!」

カイト「毛狩りはエネルギー集め…そしてデニスの言う四人の少女集めは趣味だろう。ロクでもないロリコン親父の戯れだ」

ユート「俺の抹殺指令は」

カイト・黒咲「嫉妬」

ユート「それは君達が…いや何でもない」

アレン「2人揃って10代もそろそろ終わるってのに彼女ができた為しがねえ!ってユートは言いたいんだろ?」

ユート「シッ!」

黒咲「俺は3年残っている」

カイト「2年だ」

アレン「流行ってんのか?ヌッって出てくるの」

デニス「クール系は忍みたいだしね」

カイト「頭を冷やせ他の世界で」

黒咲「瑠璃に何かあればどうする」

カイト「俺が腹を切る」

黒咲「大きく出たな」

カイト「ああ」

デニス「ユート…これを受け取ってくれ」

ユート「これはアカデミアの作った」

デニス「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン…対ドラゴン用って言ったけどファントムの名を持つ君のデッキと相性が良さそうだ」

ユート「いや悪いだろ…しかし受け取っておこう」

黒咲「それにしてもアレンが同行する理由は」

カイト「ユートもお前もコミュニケーションを取る事が不得意だろ。こいつは最適だ」

アレン「だろ?」

カイト「遠慮知らずでズケズケと相手の領域に入って行けると言えばアレンぐらいだ」

アレン「何か始めて褒められた気がするぜ」

サヤカ「半分貶されてるのよ」

ユート「カイト…瑠璃は俺にとって命より大切な人なんだ。だから」

アレン「浮気性だけどな…へへへ」

ユート「…」

アレン「馬鹿野郎!嘘だよ嘘!こう曇った空気をパッとさ…な?そうだろデニス」

デニス「いやぁ…それは何とも言えないね。僕も元凶だし」

ユート「とりあえずスタンダードへ行こう…しかしどうやって」

カイト「アカデミアの技術を拝借した」

零王「30人分の頭髪しか集まらんのか、放った人数の大半は私に反逆した。大損害だぞ」

バレット「…」

零王「で?貴様は片目を潰されたか…役立たずめ」

バレット「申し訳ありません」

零王「だが貴様はアカデミア三銃士の一角…生かしてやる。ありがたく思え」

バレット「はっ」

零王「そこで貴様にはセレナの護衛の任務を与える」

バレット「セレナ様の」

零王「力だけが取り柄で知恵の無いお前にはうってつけだろう。それとも再び戦地に出陣し残りの目を潰すのか?」

バレット「…いいえ」

ドクトル「オベリスクフォースが到着致しました」

零王「来たか」

ドクトル「しかしオベリスクフォースをスタンダードに送り込むとは」

零王「あそこには我が最高傑作が居る。油断はできぬ」

バレット「三位一体のオベリスクフォースを…まさか!」

ドクトル「そう、究極の毛狩りフォーメーション3狩リアを行う」

バレット「プロフェッサー!幾らなんでも3狩リアなど戦士としての」

零王「貴様の薄っぺらな戦士論など私は興味がない」

バレット「くっ…」

零王「今の薄っぺらという言葉に反応し私の頭を見たな。薄っぺらなど私の頭にとって過ぎ去った過去!それでも私を薄っぺらだと思うか」

バレット「いいえ」

零王「さっさと私の前から失せろ。負け犬め」

バレット「…」

シンクロ次元

シンジ「拉致はねえよ拉致は」

ユーゴ「だから拉致じゃねえっての!」

クロウ「犯罪だぜ!」

ユーゴ「てめえらだって窃盗するし喧嘩もするじゃねえか!」

クロウ「けど俺らは拉致はしねえ」

シンジ「男らしくねえぞ!」

瑠璃「…」

リン「ごめんね、うちのユーゴが」

瑠璃「うん…」

リン「しかし似てるね」

瑠璃「言われて見れば」

シンジ「こりゃ双子だな」

クロウ「双子?」

シンジ「そう!双子だ」

ユーゴ「見りゃわかるっつうの!」

シンジ「しかも二文字だしよ」

クロウ「関係あんのか?」

シンジ「当たり前よ!」

リン「まあゆっくりして行って?」

瑠璃「…うん」

ユーゴ「どっちも幸せにすっから安心しろよ!」

リン「そういう問題じゃないわよ!」

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