えり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです!」咏「だねぃw」(1回戦前半) (911)



~ここまでのあらすじ~

竹井久提案・主催による、古今東西の女子高生雀士を集めて№1を決定する「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ」も前哨戦が終了…

既に本選出場が決定していた23名に改めて9名の雀士が加わり、32名の精鋭による1回戦が始まろうとしていた…

しかし、昼休みの食事の最中、清澄・朝酌陣営に17歳の小鍛治健夜が現れると、久がある「ゲーム」をすることを提案する…



久「ちょっと、“ゲーム”をしてみない?」

まこ「ゲーム…?」

閑無「いいね、私はたいていのゲームは達人級だぜ! で、何やんの? トランプ? それともボードゲームか?」

久「違うわよ。 使うのはもちろんコレよ」スッ、ジャラジャラ・・・


久は、自分のバッグから麻雀牌をいくつか取り出してみせた…


まこ「麻雀か? おい久、試合前に選手同士が麻雀で対戦するのは禁止じゃろ?」

久「あのねぇ、麻雀牌を出したからって、麻雀をするとは限らないでしょ。 これからするのは、対戦型二人麻雀ゲーム・・・」

久「“ナイン”よ」ニタッ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489231941


・ミスコン・モチコンシリーズ
玄「全国咲-saki-おもちコンテスト(ドラフト部門・後半編)なのです!!」
玄「全国咲-saki-おもちコンテスト(ドラフト部門・後半編)なのです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469532409/)  の続編なのです。

・第一スレ→久「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップよ!」咲・慕「「え?」」
      久「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップよ!」咲・慕「「え?」」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1485685602/)

・第二スレ(前スレ)→恒子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだアァ―ッ!」健夜「私も?」(前哨戦)
          恒子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだアァ―ッ!」健夜「私も?」(前哨戦) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486037996/)

・ちょっと大がかりな読み手参加型闘牌SSなのです。

・「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ」とは、竹井久提案主催のイベントで、古今東西の様々な「女子高生雀士」を集めて最強決定戦の個人戦を行うものです。 大人や中学生も、過去や未来から「女子高生」として参加しています。

・このスレでは、前々スレの投票でのランキング上位者と、前スレの前哨戦を勝ち上がった計32名による本選一回戦の第四戦目までが闘われます。

・前哨戦は比較的シンプルなコンマや安価を使ったバトルでしたが、一回戦は雀士それぞれの独自の「能力」や安価による行動選択が勝敗に大きく関わってきます。

・みんなで楽しんでいけたらいいなと思います。 >>1は運営に徹しますので、どうぞよろしくお願いします。

・2日に一回、1日おきに更新していきます。(3月の間は奇数の日、4月以降は偶数の日に更新) 一回戦が全て終了するのはだいたい一ヶ月半~二ヶ月後くらいです。



慕「ナイン・・・?」

久「そっ♪ 聞いたことないかしら? 麻雀漫画の金字塔『天』で描かれたことで、全国的に知られることになった麻雀の数牌一種のみを使ったゲーム…」

和「私は、ネットでやったことがありますね。 運任せのシンプルなゲームですよね?」

久「和がやったのはパソコンのCPUが相手のゲームでしょ? それだと確かに運任せになるけど…」

久「これを“人対人”でやると、究極の心理ゲームになるのよ」

まこ「一体どんなゲームなんじゃ?」

久「すごく簡単よ? 咲、ちょっと相手してくれる?」

咲「は、はい…」


久「使用するのは麻雀牌の数牌… なんでもいいんだけど筒子でやるのがわりと一般的ね」

久「私も咲も、持ち駒として一筒から九筒までの九つの牌を手元に… 相手に数が見えないようにしてセットするわけね」

久「じゃあ咲、その牌の中から、なんでもいいから好きな牌を一つ、伏せたまま前に出してくれる?」

咲「…なんでもいいんですか?」

久「ええ、なんでもいいわよ」

咲「じゃあ、これで…」スッ…


ランダムに並べた九牌から中央の牌をつまみ取り、場に出した咲…


久「そして私も同じように九牌から一枚選んで場に出す…」スッ…

久「二枚の牌が出されたら、両方ともめくって数を確認するの」クルッ


咲:一筒

久:五筒


久「この場合は私の五筒の方が数が大きいから、私の勝ちで、二枚とも牌をゲット… 1+5で6点が私のものになるわけ」

久「数字が同じの場合は、引き分けでどちらの点数にもならないわ」

久「これを9回繰り返して、最後に獲得点数の高かった方が勝ちになるの。 どう?簡単でしょ?」


閑無「ふーん… 面白そうじゃん。 いいよ、やってみようぜ!」

?「へぇー… “ナイン”か。 ねぇ、私も混ぜてくれません?」ヌッ

閑無「!?」ギョッ


閑無の後ろから現れた小柄なツインテ美少女…

先ほどまで晴絵たちと牌譜研究をしていた新子憧だった。


久「あら新子さん、ちょうどいい所に。 これで一回戦の第一戦のメンバーが揃っちゃったわねw」

久「せっかくだから、小鍛治さん、優希、石飛さん、新子さんの四人で総当たりでやってみたら? 麻雀で対戦する前の前哨戦として♪」ニッ

優希「勝負なら私はなんでも受けて立つじぇ!」

憧(ふふ…w 竹井さん、いい提案だよ。 ナインは相手の性格や打ち筋を推し測るのにもうってつけだからね…)ククク・・・

健夜「………」


対戦型麻雀ゲーム「9(ナイン)」、第一戦…

・優希VS憧


第一投目

優希「ん~… 最初は、やっぱりコレで行くじぇ!」タンッ

憧「…」トンッ


優希に続いて憧が手牌から一牌を場に出し… めくられる…


優希:九筒
 憧:一筒


優希「よしっ! 私の勝ちだじぇ!! これで…9+1で私に10点が入るんだな?」

まこ「いや、優希… 確かに勝ちじゃが、その“勝ち方”ではいかんのじゃないか?」

優希「じょ?」

まこ「これは多分ただ勝てばええってもんじゃないじゃろう。 なるべくギリギリで勝つことが求められるゲームなんじゃないかのう」


憧(そう…、染谷さん、その通りだよ。 ナインは同じ一勝でも、勝ち方で大きな差が出てくる…)

憧(ポイントはいくつかあるけど、まず言えることは強い数字では確実に勝ち、弱い数字は相手の強い数字にぶつけて潰すのが得策)

憧(今私は確かに負けたけど、一番弱い一筒で一番強い九筒をつぶせたんだから、殆ど勝ちみたいなものなのよ…w)フフフ・・・


そして第二投目…

優希:七筒
 憧:八筒


優希「じぇ!?」

憧「あら、運が良かった♪ これで私が15点ゲット… 逆転ねw」

優希「むぐぐぐ・・・?」


そのあとも、憧は優希に面白いように勝ち続け・・・


終局

優希:975682431
 憧:187695423


久「ふーん… えーっと、結果は優希の二勝五敗二引き分け・・・で、点数は優希が15点、新子さんが55点で、新子さんの圧勝ねww」

優希「っこ・・・こんなの麻雀の勝負には何も関係ないじぇ!!」=3

憧(そんなことないよ… 牌の出し方なんかから、片岡さんはやっぱり強引に攻めるタイプ… ある程度のリスクがあっても、自分に高い手が入ってれば危険牌を切ってくるってことが想像できる)

憧(桜子と綾との対戦の時は、周りを気にして合わせて打ってる時もあったけど、やっぱり基本は猪突猛進タイプ… やっぱりこの子はくみしやすいみたいねw)ククク・・・

閑無「おい」

憧「ん?」

閑無「あんた経験者だな? 私はそのゲーム、今初めて見たけどさぁ・・・」

閑無「大体分かったよ。 次は私が相手になってやる。 ま、私の勝ちは見えてるけどな…w」

憧「へぇ・・・?」ニタア…


第二戦

・憧VS閑無


第一投目

憧(石飛閑無さん… この人もやっぱり牌譜や昔の映像を見た限りでは、ダイナミックで豪快な打ち手… でも…)

憧(状況対応力に優れ、臨機応変、変幻自在に打ち方を変える器用なこともできる)

憧(さてさて… 10年前の大先輩さんは、どんな考えで来るのかな…?)チャッ


  スッ


憧、先に牌を場に出す。


閑無「……」

憧(さあどうかな…? このナインというゲームは、普通、第一投目はなんとしても勝って精神的に優位に立ちたいという心理が働くもの…)

憧(でもだからといって、さっきの片岡さんみたいにいきなり一投目から切り札の九筒を出す人なんてのは珍しい。 大体七筒や八筒あたりを出してくる人が多い…)

憧(私が今出したのは二筒… もちろん負けを想定しての一投よ)

憧(一筒でもいいんだけど、さっき最初に出したからね… 読まれて二筒を出される可能性もある)

憧(今回は保険をかけた二筒出し… さあ、あなたの一投目は?)


閑無「…ふん、これだな」スッ


閑無も牌を出し、二つの牌が同時にめくられる・・・


憧「・・・うっ?!」


閑無:三筒
 憧:二筒


 オオオオォ・・・!  ギリギリダッ! ヤッタァカンナチャン!☆


憧「……」

閑無「ふふっ、意外と考えてること分かるもんだなww」ニタニタ

憧「な、何を…? ナメんじゃないわよ!」カッ


そのあと… 憧と閑無は勝ったり負けたり引き分けたりを繰り返し…


第7投目までの結果
閑無:3147829
 憧:2187359


憧「……」ハア、ハア…

閑無「……」


はやり「これは… 閑無ちゃんの得点が16点… それに対して新子さんの方は19点…」

慕「残りは二投…」

悠彗「閑無の方が不利だね」


憧(いやいや・・・違いますよ本藤さん? ここまでくるともう3点なんて差は関係ない… この第8投で全て勝負が決まるんですよ…!)

憧(なぜなら、石飛さんの残りの牌は五筒と六筒… それに対して私の持ち牌は四筒と六筒…!)

憧(この第8投目で考えられる結果は、次の4通りしかない!)



閑無:五筒
 憧:四筒


閑無:五筒
 憧:六筒


閑無:六筒
 憧:四筒


閑無:六筒
 憧:六筒


憧(①のパターンだと、石飛さんに9点を取られて逆転… そして、第9投目は④になるのが決まってるから、引き分けで点が入らず、私は負けてしまう…)

憧(②の場合は、私が11点を獲得、次の9投目は③になって10点取られるけど、4点差で勝利することができる…)

憧(③の場合は②と逆になって、先に10点を取られていったん逆転されるけど、最後に11点取れるからこれでも勝てる…)

憧(そして④は、①の逆になり、引き分けで点が入らないけど最後に確実に9点を取られて負けてしまう…!)


憧(つまり、勝率は完全な50%… ここで読みが相手の上を行った方が勝つ…!)


閑無「……」スッ、コトッ…

憧「!」


憧が迷っているうちに、閑無は手牌の二つの牌から一つを選択… 静かに場に出した。


憧(う… どっちだ…? 五筒を出したの? それとも六筒を出したの…?)

憧(この伏せてある牌が五筒なら、私は六筒を出せば勝利できる… でも四筒を出したら負けが決定…!)

憧(そしてもし六筒が出されているんなら、私は四筒を出せば勝てるけど、六筒を出してしまったら負ける…!)

憧(一体、どっちを出したの…?)チラッ

閑無「~~♪」

憧(・・・ダメだ、何考えてるのか分からない… こんな時、憩さんとかなら相手の心理を読めるのかもしれないけど…)

憧(くそ・・・! ここは、多分・・・こっち・・・!)スッ・・・


 コトッ…


憧、勝負の第8投目を場に出す…


久「OKね? じゃ、めくるわよ」スッ


審判をやっていた久が、まず先に出した閑無の牌を引っくり返した。


 六筒 


憧「…!」


久「石飛さんの牌は六筒… さあ、じゃあ新子さんの牌は・・・」スッ…


久の手が憧の牌に伸び、人差し指で端を押すと、ピンッと牌が跳ねて引っくり返った。


久「えっと、これは・・・」


※憧の出した牌は…?

>>16コンマ以下が
01~50→四筒
51~00→六筒

はい


 六筒


久「六筒… ってことは、引き分けね。 どちらも点は入らず…」

久「じゃあ終わりね。 二人とも最後の牌を場に出してくれる?」


閑無「…」コトッ→「五筒」

憧「…」コトッ→「四筒」


二人とも、数字を上にして牌を出した。


久「えーっとこれは石飛さんの勝ちで9点が入るから・・・」

久「勝負アリね。 石飛さんが合計25点。 新子さんが19点で、石飛さんの逆転勝利!!」


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・


杏果「へー… やるじゃん閑無」

慕「かんなレボリューション炸裂だねっ♪」

はやり「よっ! レボってるね! 閑無ちゃん!!☆」

閑無「へへ、ま、苦戦したけどな。 こんなもんよww」


憧(・・・チクショウ… 心理的に、最後に大きい方の牌を残すと思ったんだけどな…)ウウウゥ・・・

憧(豪快なようでいて繊細で思慮深い… 侮れないわね、石飛閑無…!)

閑無「ま、気にすんなよ? これで麻雀の強い弱いが決まるわけじゃねーんだからさ? カナブンちゃんww」

憧「だ、誰がカナブンよ!?」=3


閑無「ふふ、さてじゃあ・・・ お手合わせ願いましょうかね? ランキング1位さん?」

健夜「…うん」ユラァ・・・


劇的な逆転勝利を収め、気分よく健夜に声をかけた閑無・・・

しかし、そのわずか1分後には、閑無の顔は真っ青になっていた。


第三戦

・閑無VS健夜


第一投目
閑無:六筒
健夜:七筒


閑無「…ちっ」


第二投目
閑無:一筒
健夜:二筒


閑無「…ん?」


第三投目
閑無:四筒
健夜:五筒


閑無「…はぁ?」


第四投目
閑無:八筒
健夜:九筒


閑無「…お、おいおいおいおい…?!?」


終局

閑無:614825973
健夜:725936184


久「え、えーっと、これは・・・」

久「小鍛治さんの8勝1敗で… 点数は小鍛治さんが80点で、石飛さんが10点…」

久「小鍛治さんの圧勝、ね…」タハハハ・・・


 シィーン・・・・


目も当てられないほどの一方的な展開に、もはや誰も拍手すらできなかった。 

そんな中、健夜は、勝ったというのにまるで困っているかのように眉毛をへにょっと八の字に曲げ、愛想笑いをしていた…


健夜(ふぅ… 私は勝ってもいつも誰にも賞賛してもらえないんだよね… 別に慣れてるからいいけどさ…)ハア

閑無「ぐむむむむ・・・?」ブルブルブル


憧(ど、どういうこと…!? 一筒以外は、全部紙一重・・・一差のギリギリの勝利・・・??)

憧(しかも、毎回小鍛治さんの方が牌を先に出していた… まるで、最初から石飛さんがどんな風に牌を出してくるか分かっていたかのように…)

憧(信じられない… 人間にこんなことが可能なの…?)


このあと、四人の総当たりが全て終わり、結果が出た時には、優希、憧、閑無の3人とも、まるで魂が抜けてしまったかのような表情になっていた…


・「ナイン」総当たり対戦結果

1位 小鍛治健夜 三戦全勝(全て80対10)

2位 石飛閑無・新子憧・片岡優希 一勝二敗


久「いやー… すごいわねぇ、ホントに… とても同じ人間とは思えないわ…w」

和「こんなランダム性の強い遊びで、一人が一方的に勝つなんて… ありえません」

優希「・・・ま、まだだじぇ! コカジィ! 私ともう一度勝負しろだじぇ!」

咲「ゆ、優希ちゃん、もうやめときなよ…」

まこ「そうじゃぞ優希… 傷が浅いうちに引いときんさい」


優希「いや… 私はあきらめないじょ… 今一度! 対決を申し込ぉ――むっ!!」ババンッ

健夜「… 別にいいけど… またこのナインをやるの?」

優希「違うじょ! 次の勝負は・・・“東引き勝負”だじぇ!!」

健夜「トンビキ勝負・・・??」

優希「そうだ! まあ見てろ… 部長! この麻雀牌全部借りるじぇ!」バッ

久「へ?」


久から麻雀牌のボックスを奪い取った優希は、テーブルの上に牌を全て出し、ざらざらと洗牌を始めた。


優希「いいか、勝負は単純だじぇ…」ジャラジャラジャラ・・・

優希「この雀牌34種136牌から、“東”を先に3枚引いた方が勝ちだじぇ!!」


閑無「? どーゆーことだそれ?」

優希「この伏せた牌から好きな牌を一枚ずつ引いていって、“東”を3枚先に引いた方が勝ちっていうゲームだじょ。 2対2になった場合は引き分けだ!」

閑無「はぁ…? そんなの完全な運任せじゃねーか。 勝負する意味あんのか?」

優希「ふふ…w まあ見てろだじぇ…」ニィ・・・

健夜「……」


久(ははあ… 優希ったら、考えたわね… 普通の勝負で勝てないなら自分の土俵に相手を誘い込んで勝負しようってわけね…?)

久(優希の起家率は9割以上… そして最初に4種の風牌から東を引く仮東決めでは、先に東を引かれてなければほぼ100%の確率で東を引いてくる)

久(優希の右手はまるで東を引く磁石みたいに働くのよね。 これならさすがの小鍛治さんでも、優希には勝てないはず…)


即興ゲーム“東引き”、優希VS健夜・・・

先攻・優希


優希「よし、やってやるじぇ…!」グイッ


腕まくりした優希は、ジッと伏せられた134牌を睨みつけ… 

おもむろにその一つを指で弾いた。


 東


閑無「うっお…?!」

悠彗「すご…!」

はやり「…確率1/34… 3%くらいしかないのに…」

慕「手品みたいに、東を…!」

憧(・・・なるほどね… 片岡さんは、対局する時、トンパツの起家を担当する確率が異常に高い…)

憧(玄がドラを集める力があるように、この子は“東”に対する何か特別な力を持ってるのね…)


優希「ふふ… どんなもんだじぇ!w さあ、おぬしの番だじょ!!」

健夜「…東を引けばいいんだよね?」スゥ・・・


健夜は…

まるで、落とした10円玉を拾うかのような、何気ない動きでランダムに散らばっている牌の中から一つを拾い上げた。

そして…


健夜「…はい」ポトッ


健夜の手から落ちたその牌は、トンと一回テーブルの上で跳ね、表を晒した。


 東


優希「なっ・・・にぃ?」

憧(!?)


  ザワザワ・・・  マジカ・・・?  ドーナッテンノ?  ガヤガヤ・・・   イカサマ・・・?


憧(・・・掌に牌を隠し持っている様子もなかった… 135牌から、残り3牌しかない牌をあんな何気なく…?)

優希「ぬぬ… お、おねーさんもなかなかやるじぇ… で、でも、勝負はここからだじょ!!」


気合を入れ、残り134牌をジッと睨む優希…

その額から、ふつふつと汗が浮かんできた。


久(・・・まずいわね。 いくら優希が東を引き寄せる力があるって言っても、それは風牌のみ4牌の中での話…)

久(しかも東は残り2牌… それも134牌もある中から引かなきゃいけない… さすがに難しいかしら…?)


優希「・・・こ、これだじぇ!!」スッ


  パシッ!


優希が、少し震える手で弾いた、その牌は・・・


 發


優希「うっ、あ・・・?」


久(やっぱり… いくら優希でも、他の牌があまりにも沢山あって、正確に東を探り当てられなくなってる…)


優希「…お、おねーさんの、番だじぇ…」ググ・・・

健夜「……」スゥ…


また… 机の上の消しゴムを手にするかのような、何気ない動きで牌をつかむ健夜… 


健夜「はい…」ポロッ


その手からこぼれた牌は、一度卓の上でタテに立ち、ゆっくりと表を上にして倒れた。


 東


優希「っひ・・・?!」


閑無「マジかおい…? あれだけ牌がある中から、二連続で東引き…??」

はやり「今のは1/67… 2%にも満たない確率だよ…」


まるで神か悪魔か… あるいは魔術師かペテン師か…?

健夜の超人的な「引き」に、その場の人間は何かに呑まれたようにその様を見守っていた。


健夜「…どうぞ?」

優希「う…?」タジ・・・


久(先に二枚引かれた… でも、これで勝負が決したわけではない…)

久(残り一つの東を、優希が先に引ければ、2対2の引き分けにできる…)

久(優希! あんたの土俵で闘ってもらってるんだから、せめて引き分けにはしてみなさい…!)


しかし…


優希「く… こ、これか…?」スッ


  パシッ!


汗ばんだ手で弾いた、その牌は・・・


 白


優希「・・・あ、う・・」ブルブル

健夜「あ、じゃあ…」スッ・・・


優希が白を引いてしまったのを横目で確認した健夜が、三度手を伸ばし・・・ テーブルの端の方にあった一牌を人差し指、中指、薬指でスッとつかんだ。

そして…


健夜「……」ギュウウゥ・・・


空中で強く牌を握りしめ・・・

フッと掌を開くと、そこには・・・


 東


 ザワッ、ザワザワザワ・・・  マ、マジカ・・・?  テジナ・・・?  ガヤガヤガヤ・・・・


閑無「・・・有り得ねぇ・・」タハハ…

優希「そ、そんな…??」

憧「・・・ウソでしょ・・?」


それは、まるで健夜の手の中で任意の牌が魔法で東に変化したかのようだった…







憧「ただいま…」ユラ・・・

晴絵(高1)「ああ、憧… どこ行ってたんだ?」

灼「長いトイレ…」

憧「いやーちょっとね… 対戦相手と遊んでたんだけど…」

憧「小鍛治健夜。 アレはもうダメだわ… とてもとても、勝てる気がしない」

灼「…え?」

晴絵「……」

憧「清澄の片岡さん、それと石飛さん、小鍛治さんと“ナイン”で対戦してきたのよ… だけど…」

憧「小鍛治さんとやってる時は、まるで頭の中を見透かされてるみたいだった」

憧「悪魔みたいな直感力、洞察力、そして運・・・」

憧「何から何まで化け物じみてる。 ヒトじゃないよほんとに…」

晴絵「… 憧、あのなぁ・・・」

憧「ん?」

晴絵「だったら、出場を辞退すればどうだ?」

憧「は?!」


憧「辞退? どーゆーことよ?」

晴絵「灼から話を聞いたが… 私は、インハイで小鍛治に負けたことがトラウマになって、10年間もそれを引きずり続けるんだろう?」

憧「……」

晴絵「そんな私と同じように壊されてしまうのが怖いなら、辞退して逃げた方が得策なんじゃないか?」

憧「な、なにを・・・・」


憧「ナニを言ってるのよっっ!!!」カッ


憧「バカにするんじゃないわよ…! この私に尻尾巻いて逃げろっていうの…?」

晴絵「……」

憧「私は宥姉や和を破ってここに来てるのよ! フザケたこと言わないでよ!」

晴絵「そうか。 牌が握れなくなっても知らないぞ?」

憧「大丈夫よ、私はハルエみたいに“ヤワ”じゃないんだから!」

灼「な!? 憧、お前…!」ザッ


立ち上がろうとした灼を、晴絵が手で制した。


晴絵「じゃあやってみせろよ、“怪物退治”を…」

憧「勿論…! 私があんたとは違うってとこ、見せてあげるわよ!!」ゴゴゴォ・・・


晴絵(ふふ…w あの、望の年の離れた妹のチビスケが、こんなに立派になるとはね…)

晴絵(お前ならきっと小鍛治が相手でも勝機はある…! 私の仇討ち、頼んだぞ…!)






閑無「共闘?」

優希「ど、どういうことだじぇ?!」


それは…

健夜がトイレに立った時に、久が二人にこっそり提案したことだった。


久「言葉通りよ。 石飛さん、優希、新子さんの3人で、小鍛治健夜を封じるように闘ったらどう?ってこと」

閑無「……」

久「だって見たでしょ? あのバカげた悪魔的な豪運・・・圧倒的な支配力・・・!」

久「どう考えても普通に打って勝てる公算は無いんじゃないかしら」

優希「………」

久「でも麻雀は一対一で闘うものではない… 常に四人で打つんだから、一人超人的な打ち手がいても策が無いわけではない…」

久「三人で協力プレイをして、小鍛治さんを抑え込むようにすれば、まだ勝負になるんじゃないかなと思うんだけど、どうかしら?」


まこ(…久の言うことはもっともじゃ。 別にズルいことでもなんでもない。 麻雀ちゅうのはもともと状況に応じて他家と協力関係を築いて闘うもんじゃ)

まこ(あんだけ強力な力を見せられたんじゃ… メンツやプライドもあるかもしれんが、ここは素直に提案を呑むべきじゃろ)


久「だから… 対局する前に、二人である程度作戦とか… あるいはサインなんかを決めといてもいいんじゃないかしら。 共同戦線をはるために…」


久の言葉に、押し黙る閑無と優希。

久だけでなく… 健夜の神がかり的な強さを目にした周りの者たちは皆、共闘は当然だとその時は考えていた。

しかし…


閑無「…あのなぁ、竹井さん、あんた、誰に向かって言ってんだ?」

久「え?」

閑無「共闘? サイン? 協力プレイ? この石飛閑無が、そんなダセえことすると思ってんのか?!」

閑無「お前もそう思うだろ? タコスちゃんよ!」

優希「へ? ・・・そ、そうだじょ! 共闘なんか必要ないじぇ! 正面から当たってブチ破ってみせるじぇ!!」


マホ「優希先輩…」

和「優希…」

咲「……」

杏果(…まあ、閑無ならそう言うよねぇ… たとえ負ける闘いだとしても、何より自分のプライド・メンツ・誇りが大切だもんね…)

悠彗(でも、勝ちに徹するなら、竹井さんの言うことももっともなんだけどな…)


閑無「とにかくそーゆーことだ。 私たちは協力プレイは一切しない。 一人一人がガチで勝ちにいく…」

閑無「その上で、私が堂々トップ通過してみせるさ」

優希「いや! トップは私が頂くじぇ!!」


 タコスチャンニハムリダロ、ムリスンナッテw ナニオオオォ! アンナハチノジマユゲニマケルワケナイジェ!!


久「………」

久(ふふ…w まあ、この二人ならこう言うだろうなとは思ってたけど…)フフ・・・

久(これで少しは“恐怖”から解放されたかしら? のびのび打って、全力を出し切れれば、きっと優希にも勝機はあるはず…!)

久(頑張ってよ! 優希!!)





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PM1:40

東京国際フォーラム館内、円形大ホール・・・


 ザワザワザワ・・・  ガヤガヤザワザワ・・・・  


恒子『レェイディイウイイイィス・・・ッ!!』

恒子『ウウェエェ―――ンドォ・・・!』

恒子『ジュィウェエェェントゥルマアアアアァァ―――ンンッ!!!』

恒子『お昼ごはんはちゃーんと食べたかな? これより!!』

恒子『全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ・一回戦をカイッサイッ!するぞぉ―――っっ!!!』カッ


  ウワアアアアアァァ―――ッッ!! ドオオオオオオオォォォ―――ッッ!!  ピーピ――ッ!  ヒューヒュ――ッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!


恒子『総合司会は、午前中の前哨戦に引き続いて、いつでもどこでも元気モリモリッ!のスーパーアナウンサー福与恒子が担当しますっ!!』

恒子『でわでわまずは改めて! この本選一回戦を闘う32名の組み合わせを確認してみましょう! こちらだァッ!!』バッ


<本選一回戦組み分け>

1.S小鍛治健夜 A石飛閑無  B片岡優希  B新子憧

2.S白築慕   A獅子原爽  B本藤悠彗  B森脇曖奈

3.S三尋木咏  A藤田靖子  B園城寺怜  B愛宕洋榎

4.S赤土晴絵  A石戸霞   B稲村杏果  B白水哩

5.S戒能良子  A神代小蒔  B龍門渕透華 B福路美穂子

6.S瑞原はやり A春日井真深 B雀明華   Bハオ・ホェイユー

7.S野依理沙  A善野一美  B染谷まこ  Bエイスリン・ウィッシュアート  

8.S宮永照   A辻垣内智葉 B荒川憩   B天江衣


恒子『いやはや、実に層々たる顔ぶれ…! まさにオールスターですね。 一体どんなデンジャラスでクレイジーな闘牌が待っているのでしょうか?!』

恒子『ちなみに一回戦はランキングも組み分けに関わっていて、全ての卓が「SABB」という組み合わせになっています!』

恒子『ランキング上位のSランカーAランカーが順当に勝ちを収めるのか? それともBランカーが下剋上を果たすのか? そういったところも見所の一つとなるでしょう!』


恒子『続きまして、ルールの確認ですが…』

恒子『勝負は東南戦、つまり半荘一回の勝負! 赤ドラ四枚で、ダブロン無しダブル役満無し! あと細々したことはインハイ個人戦と大体同じ!!』

恒子『前哨戦では3卓同時に対局してもらったけど、1回戦からはきちんと1卓ずつ、順番に中央ステージの闘牌スペースで対局してもらいます!』

恒子『実況は私と針生アナと村吉アナと佐藤アナの四人! ニ卓ずつ交代してやっていくからね♪』

恒子『んで、最初の持ち点が25000から30000点にアップです! 全小や全中の個人戦と一緒ですね』

恒子『1回戦を勝ち抜けるのは各卓上位2名まで、つまり半分の16名が2回戦の準決勝へと進出するよ!』 

恒子『準決勝はまた全く異なる試合形式になる予定ですが、16名による麻雀バトルの上位4名が最後のファイナルステージ・決勝戦へと駒を進める、という流れになります!』


恒子『ここまでいいかな? 質問とかない? 無いなら早速! 第一戦の対局を始めたいと思います!!』

恒子『まずは選手の紹介から参りましょう! 10年前のインターハイ優勝校の大エース! 土浦女子高校3年生、小鍛治いいいいぃぃ・・・・健夜アアアアァァ―――――ッ!!』


恒子のコールと同時に、セーラー服姿の健夜が、卓がセットされた中央の丸いステージに姿を見せる…


健夜(高3)「…ど、どうも、よろしく…」トコトコ


  ザワザワザワ・・・  ホ、ホオ、アレガ・・・  10ネンマエノスコヤン・・・  ナンカヨワソウ・・・  ワイワイガヤガヤ・・・ パチパチパチパチパチ・・・・


恒子『ついに登場オォ! 総合ランキング圧倒的1位の絶対的強者・・・!!』

恒子『果たしてその人外と言われる強さを私たちに見せびらかしてくれるのか? それとも手痛い下剋上を味わうことになるのか? 注目です!!』


恒子『続きまして二人目は!』

恒子『ランキング12位! 島根朝酌女子高校3年生、石飛ぃ・・・・カンナアアアアアァァァ―――――ッッ!!!』


閑無「ふん… やっと私の出番か! 全員公平にボコってやるぜ!!」


  カンナチャーン!  ガンバレェー!!  ファイトォイッパツゥッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・


恒子『インハイで土浦女子に敗れた朝酌女子のレギュラー… しかし、彼女の凄絶な闘牌は現在でも語り草になっているほど! まさに伝説の雀士の一人!』

恒子『果たして小鍛治健夜にリベンジなるのか? 目が離せません!!』


恒子『そして三人目ェ!』

恒子『ランキング24位、午前中の前哨戦では、未来から来た自分の後輩たちをことごとく破って本選への切符を手にしました!』

恒子『自称清澄高校の切り込み隊長! 片岡ああぁ・・・優希イイイィ――――ッッ!!』


優希「タコスチャージ完了の私に死角はないじょ!!」モグモグ


 キャー!ユーキセンパアアァーイッ!!  ユーキチャン!  ユウキィ!  タコスゥ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・ 


恒子『マントを羽織ってタコスを頬張りながらの登場! 10年前のレジェンドたち相手に、“東場の神”の力は通用するのかァ?!』


恒子『そして…ラスト四人目はこの人ォ!!』

恒子『ランキング同じく24位、前哨戦ではインターミドルチャンピオン原村和と自らの先輩である松実宥を破って勝ち上がってきました!』

恒子『阿知賀女子高校1年生! 新子いいいぃ・・・・アコオオオオオォォ――――ッッ!!』


憧「先輩方の好きには・・・させないっ!!」


 ア゙ゴヂャ゙ン゙ガン゙バレ゙エ゙エ゙ェ゙ェ゙ェ゙~~~!!  アコチャー!  マケルナァ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・ 


恒子『華奢な体に燃えるような闘志を詰め込んでの登場! ミスコン・モチコンでは圧倒的強さを魅せてくれた阿知賀のアイドルは、果たして麻雀でも主役を張れるのかァ?!』


恒子『以上! 四名の女子高生雀士によるガチバトル!! いよいよスタートですッ!!』


ーーーーーーーーーーーーーーー

☆対局前に、能力に関するルールなど、前スレでも書きましたが改めておさらいしときます↓


※能力には「常時発動系」、「ステージ発動系」、「特殊発動系」の3種類があります

・「常時発動系」→基本的に東一局から南四局まで常に発動している能力

・「ステージ発動系」→本選では全ての局が“ノーマルステージ(常時発動系と特殊発動系以外は能力が発動されない局)”と“能力ステージ(特定の誰かが能力を発動する局)”に分かれています。
           基本的には東一、東三、南一、南三が“能力ステージ”。 東二、東四、南二、南四が“ノーマルステージ”。 連荘の一本場、二本場などはオーラス以外は全て“能力ステージ”です。
           「ステージ発動系能力」とは、その能力ステージにおいて四人が順番に、あるいはコンマ等で誰が発動できるかが決められて、一人ずつ発動される能力です。
          
・「特殊発動系」→ある特定の条件をクリアした場合に発動される能力


※「ステージ発動系」の能力の発動される順番は、東一局の「北→西→南→東」という順番です。(親の流れと逆。 トビ終了も有り得るため、北家側が有利、だと思う)

※ノーマルステージでは毎回誰かが「主役」になります。主役が巡る順番は「能力の発動される順番と逆(基本、東→南→西→北)」。

※特殊発動系能力が発動されると、せっかくステージ発動系能力を発揮する順番がやって来たのに、ツブされて次局に回されるということも有り得ます。
 ただし、能力がかぶっても問題なければ、一局で二人以上の能力が同時に発動されることもあります。

※二人以上の能力が発動され、どちらかの能力を優先しなくてはならない場合は、ランキング上位者の能力が優先されます。

※1回戦では、基本和了率は、S35%、A25%、B二人は20%。 準決勝ではまた和了率や能力といったアドバンテージは調整されます。


続いて、第一戦の四人のメンツの能力詳細↓


『S1 小鍛治健夜(高三)』

<常>無し

<ス>→「ゴッドハンドリーチ」
    圧倒的圧力により、他家3人をベタオリさせる。 ロン和了りはできないが、70%の確率で満貫以上をツモる。 残り30%は流局。 自分が振り込むことはない。

<特>→「魔王の呪い」
    自分が満貫以上を振り込むと、次の局でその振り込んだ相手から、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了りすることができる。
    ただし、一試合で同じ人間に一度しか効かない。

<特>→「ファイナルオールクラッシャー」
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 最下位をトバして終わらせてしまう。

ーーーーーーーーーーーー

『A12 石飛閑無(高三)』

<特>→「カンナレボリューション」
    トップに3万点以上の差をつけられた場合に発動。70%の確率でトップから一度だけ倍満を出和了りできる。(自動的に発動される)

<特>→「不屈のカンナ」
    ハネ満以上を振り込んだ時に発動。(発動しなくてもいい) 
    次局で同じ翻の役を70%の確率で「ツモる」。

※閑無には<常>も<ス>も無い。(無い方が特殊能力を発動しやすい)

ーーーーーーーーーーーーーーー

『B24③ 新子憧(高一)』

<ス>→「スーパーあこっち」
    鳴き三色や鳴きイッツー、染め手、三色同刻などを視野に入れた鳴きの速攻。
    和了率70%。

<特>→「特急親流し」
    トップが親の時に発動。
    70%の確率で和了して親を流す。(ただし倍満以上は全てハネ満に繰り下がり。失敗した場合は連続では使えない)

ーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑥ 片岡優希(高一)』

<ス(特)>→「東場の神」

    東一局で発動。 超速攻・高火力。 
    和了を決めるコンマバトルで2レス分ゲットして闘える。(1・2・3翻は満貫に繰り上がり)    

<特>→「パワー・オブ・タコス」
    東場の間、基本和了率が20から35%にアップした状態で打てる。    


<打点表> ※前哨戦の時と同じ

コンマ以下
01~10→1翻
11~30→2翻
31~50→3翻
51~70→4・5翻(満貫)
71~80→ハネ満
81~90→倍満
91~98→三倍満
99、00→役満

※ツモかロンか決まってない場合は、和了点のコンマが偶数ならツモ、奇数ならロン
ロンの場合、コンマが3の倍数なら和了者の下家、3の倍数+1なら対面、3の倍数+2なら上家からの出和了り(ただし役満ロンだけはあとで振り込み者を決める)


<その他細々したルール>

※4人のコンマ以下の大きさを競う「コンマバトル」では、最も大きい数の者が和了できる。(00は100とする)

・最大値が偶数ならツモ、奇数ならロン。 ロンの場合、振り込み者は最も数が小さかった者。 最も大きい数や小さい数が同点で二人以上いた場合は「秒」の大小で決定。


※牌表記
一ニ三→萬子
①②③→筒子
123→索子


※点数の符は基本30符で固定です。暗刻や明刻などあっても、符は増やしません。
 そして30符4翻は7700ではなく満貫8000になります。
 ただし、カンをしていて3翻以下だった場合だけは、符を増やして計算します。

 また、ピンフツモ(20符)と七対子(25符)の4翻以下は基本出てきません。(能力発動や、もう勝敗が決定している場合などには出てくることもある)

ーーーーーーーーーー






~実況室~


恒子「と、いうわけで! ついに始まりました本選一回戦!」

恒子「ここからは実況室にて、解説の小鍛治プロと共に対局の模様をお伝えしてまいります! 小鍛治プロ、午前中に引き続き、よろしくお願いしますね♪」

健夜(27)「うん、よろしく…」

恒子「むむ? テンションが低いですねぇ小鍛治プロ。 やっぱり…30年前の自分自身の対局を自分で解説するっていうのは、気が進まないんですか?」

健夜(27)「30年前は生まれてないんだけどなぁ私…」ハア…


健夜(27)「でも正直、本当に自分の対局をナマで解説する日が来ようとは… 夢にも思わなかったよ」

恒子「小鍛治プロは牌を初めて握ったのが10年前って言ってましたよね。 ていうことはこの時はまだ初心者だったの?」

健夜(27)「そういうことになりますね… この時はまだ麻雀のルールも、はっきり言ってよく分かんない部分もあったし…」

恒子「そんな初心者に優勝を持っていかれてしまったわけですから… 当時の高校生雀士たちはみんなタマらなかったでしょうねぇ…w」

健夜(27)「そ、そうかもしれないけど… でも私自身は、当時はなんか自分だけみんなと違う感じがして、周りが羨ましかったんだよ?」

恒子「ウラヤマシイ?」

健夜(27)「うん、前にも話したでしょ? 麻雀にかける強い思いとか、仲間たちと競い合った青春とか、私にはよく分かってなかったって…」

恒子「そうそう、すこやんは青春を知らない女なんだよね!w」

健夜(27)「だから言い方!」=3


恒子「さてさて! くっちゃべってるうちに、卓では場決めが終わったようですね!」

恒子「よく鳴く雀士が下家に座ると自分のツモ番がなかなか回って来なくなるなど、戦況によっては大きな意味をもってくる最初の“場”ですが、果たして・・・?」


※場決め

健夜→>>50

閑無→>>51

優希→>>52

憧→>>53

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

うぃ

ーーーーーーーーー

第一戦場決め
東 優希(73)
南 憧(48)
西 閑無(34)
北 健夜(10)

     閑無
     (西) 
   ―――――

   |   |
 健夜|   | 憧
 (北)|   |(南)
   |   |
   ―――――

     優希
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順だが、優希の「東場の神」は東一局限定の能力なので、この局では「優希→健夜→(閑無)→憧」の順になる(閑無はステージ発動系は無い)。

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「憧→閑無→健夜→優希」。

※また、東場での各自の基本和了率は、優希の特殊能力「パワー・オブ・タコス」が働くため、「優希35%、健夜30%、閑無20%、憧15%」。
 南入すれば、基本通り「健夜35%、閑無25%、憧20%、優希20%」に戻る。


恒子「おっとぉ起家は片岡優希ィ!!」

恒子「さすがは起家率9割を超える東場の神! レジェンドたち相手でもその力は健在か?!」

恒子「さていかがですか小鍛治プロ? この卓はどんな展開になると思います?」

健夜(27)「えっと… まずは東場の爆発力を持つ片岡選手に、他家3人がどう対応するか、がキーになると思うけど…」

健夜(27)「正直言って、多分… この対局は南四局まで回らないんじゃないかと思います」

恒子「へ? それはどういうことですか?」

健夜(27)「私か… あるいは石飛さんが、新子さんか片岡さんのどちらかをトバすんじゃないかと思う」


恒子「ほほお…? これはまた歯に衣着せぬご意見ですが… どうしてそう思うの?」

健夜(27)「え、いや… 単純に、総合的な雀力にかなり差があるんじゃないかと思うんです。 まあ、もちろん麻雀だから絶対ではないけど…」

恒子「ふぅん…? あの、小鍛治プロ、私、一度聞きたかったんだけど…」

健夜(27)「ん?」

恒子「すこやんって、初心者なのにどうして最初っからそんなに強かったの?」

健夜(27)「えっと、それは・・・」


 『リーチだじぇえぇっ!!』


~会場~


 恒子『おっと…! ちょっと目を放していた隙に片岡選手が先制リーチィ!!』

 健夜(27)『五巡目… さすがに早いですね』


憧「…ふん」チャッ、パシッ
 
閑無「…ちっ」チャッ、トンッ

健夜(17)「……」チャッ、パシッ


 恒子『他家は… オリた様子はないですが、鳴けません! さあぁ片岡選手得意のトンパツ一発ツモが成るのかぁ!?』


優希「フハハハハッ!! 開幕一発目はもらったじぇ!!」ザッ!!


目に炎のコントラストを宿した優希の右手が、ツモ山に伸びる・・・!


※コンマバトル
憧→>>58
閑無→>>59
健夜→>>60
優希→>>61>>62 (ステージ系能力「東場の神」発動)

・和了点>>63 (打点表>>44

はい

憧(82) 閑無(44) 健夜(86) 優希(84+27=111)

和了点(06)→優希の能力により満貫に繰り上がり


優希「一発ツ・・・!!」チャッ

優希「・・・モならずだじぇ…」トンッ・・・→「六萬」

憧「! それチー!」→「四五六」

優希「じょ!?」


憧(よーっし一鳴きでタンヤオドラ2テンパイ… さっさとこれで片岡さんの親を流し…)


 「ロン!!」


憧「は?」
閑無「げっ!?」
健夜「……」


憧が鳴いた直後… 下家の閑無が牌を捨てると同時に、優希が卓に覆いかぶさるようにして手牌を倒した。


優希手牌:三四③④⑤⑥⑦⑧34588 ロン「二」 赤「⑤」


優希「リーチタンヤオドラ1・・・ 裏のって親満12000だじぇ!!」カッ

閑無「ぐぅ…?」

優希「ふははっ! 三色がつかなかっただけありがたく思うんだなっ!ww」


優希「一本場だじぇ!!」チャッ!


第一戦東一局

東 優希 30000→42000   
南 憧  30000  
西 閑無 30000→18000 
北 健夜 30000


※「親がトップ」になったため、次局、憧の特殊能力「特急親流し」発動

ピンフェ・・・

>>66
Oh! No-!! 訂正↓

>>65一部訂正

×優希「リーチタンヤオドラ1・・・ 裏のって親満12000だじぇ!!」カッ

〇優希「リーチタンピンドラ1・・・ 裏はのらず… 親満12000だじぇ!!」カッ


東一局一本場 親:優希


 ワアアアアァァ――ッ・・・  ユーキセンパイ!サスガデスッ!!  パチパチパチパチパチ・・・・


 恒子『決イィまったアァッ!! やはりトンパツはこの人! 清澄高校1年片岡優希選手が、わずか六巡目で親満の出和了りいィ!!』

 健夜『タンヤオ手だということは読めたでしょうが… 石飛選手は強気な打牌が災いしましたね』


憧(あっぶなー… 今の鳴いてツモ筋ズラしてなかったら、私振り込んでたな…)フウ・・・

憧(直接対戦したことはないけど、清澄の先鋒片岡優希… やっぱり東場の爆発力はハンパないみたいね…)

憧(親で連荘なんかされたら一気に持ってかれる…! ここは…)

憧(速攻で流す!!)カッ


憧「ポン!」→「②②②」

憧「チィー!」→「七八九」


 恒子『さぁ片岡選手の一本場! 連荘なるのか? しかしここは新子選手が得意の鳴きの速攻で攻めます!!』


憧(よしよし、テンパイ… 今度こそ…!)フヒヒ・・・

閑無(ちっ、はえぇな… もう少しのんびり打てよこんにゃろ…)

優希(ピーピーよく鳴く女だじぇ… でも、今のでテンパイか…?)

優希(高くはないだろうけど… なんだ? イッツーか鳴き三色か…?)


憧のテンパイから、四巡が経過・・・


?「ロンorツモ!!」


・和了者 ※憧の「特急親流し」発動
>>72コンマ以下
01~70→憧
71~80→閑無
81~90→健夜
91~00→優希

・和了点>>73 (打点表>>44

47憧和了、和了点67(満貫ロン)、振り込み者3の倍数+1で対面健夜


健夜「……」トンッ→「2」

憧「あ、ロン!!」

健夜「ん?!」


健夜の出したニ索を見て一瞬目を大きく見開いた憧は、ガタッと一気に手牌を倒した…


憧手牌:二二二22南南 鳴き「②②②」「七八九」 ロン「2」 ドラ:南


憧「さ、三色同刻! ドラ2・・・満貫!!」カッ

憧「8000の一本場は8300です!!」ニコッ

すこやんから直撃を奪うとは
流石は憧ちゃーでしょうか?
しかし跳直を奪ったハルちゃんはボコボコに成りましたからね
憧ちゃーはどう成りますやら?
時に閑無さんは憧ちゃーが望さんの妹だと気付いてないんでしょうかね?
閑無さんなら気付いて居てもおかしくないと思いますが


閑無「さ、三色同刻!?」ガタッ

優希「じぇ、じぇ?!」

健夜「え…」


他家3人… 一瞬ポカンとした顔で憧の手牌を見る…


 恒子『こ、これは…?』

 恒子『なんと新子選手、Sランク1位認定の小鍛治健夜選手から満貫の出和了りですっ!!』


 ワアアアアアアァァ――ッ!!  ア゙ゴヂャ゙ン゙ヤ゙ッ゙ダア゙ァァーッ!!  マジカ・・・?  ザワザワザワザワ・・・・


 恒子『役はなんと三色同刻…! 役満並のレア役が飛び出しましたっ!!』

 健夜(27)『三色同刻は鳴いても食い下がりがないですからね… 自風の南と2索のシャボ待ち、南が出ても役牌ドラ3で満貫になりましたね』

 健夜(27)『普通あの手なら三暗刻やトイトイを複合させてもっと高めを狙ってくと思うんだけど… 片岡選手のスピードを考慮した上で、最速で和了れる手段を選んだみたいですね』

>>75
新子望さんは、インハイで朝酌メンバーやすこやんたちと闘ってるんですよね。
珍しい苗字だし、多分二人とも気づいてると思… 憧は姉越えなるのか…?

>>77
朝酌の面々や善野さんやいくのんやのよりんは気付いて居ても良いと思いますが
すこやんは気付いて居ないかも
ただ阿知賀の制服を見て跳直を奪ったハルちゃんを思い返しそうですがね


 恒子『みたいですねって… ちょっとすこやん! さっきはあのBランクの二人とはすごい実力差がある、みたいなこと言ってたけど、振り込んじゃったよ? だいじょぶなの?』

 健夜(27)『え? まあ…、あの頃の私なんて、三色同刻なんてナマで見るの初めてだろうし… あんまり考慮してなかったんじゃない?』

 恒子『いやちょっとちょっと! すこやんが強いとこ見せてくれないと、ぶっちゃけアタシ実況しづらいんだけど…』

 健夜(27)『ははっ、いやまあ…w 多分私もそろそろ動くと思うよ?』


健夜「はい…」ジャラ・・・

憧「へへへ、どーもー♪」ニコニコ


締まりのない笑顔で健夜から点棒を受け取る憧…


憧(・・・なーんだ、大したことないじゃんw ナインで対戦した時はこの人リアル魔王なのかと思ったけど…)

憧(これなら十分闘える! ふふ… 確かお姉ちゃんって、ちょうど10年前にこの人たちと団体戦で対戦したんだよね…?)

憧(だったら、ここで私がトップ取れたら、私お姉ちゃんより上ってことになるよね!)グフフ・・・

憧(よぉーっし俄然ヤル気出てきた…! このまま一気に憧ちゃん旋風を・・・ ひゃっ!??)ギョッ


健夜「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォ・・・・


対面の健夜を見て、おののく憧…

健夜の背中から、なんとも禍々しい黒々としたオーラが噴き出してきたのである…!

うわ…憧ちゃーピ~ンチ!
優希ちゃんと閑無さんもすこやんのプレッシャーを感じてどんなリアクションをするのやら?


閑無「ん!?」ピクッ

優希「じぇえ?」チョロ・・・


健夜「……」ズモモモモモオオォ・・・


憧(っつ…!? なんつー圧力なのよ…!? ぐぇ、気持ち悪くなってきた…!)

憧(これは… 龍門渕の天江衣さんと対局した時と似てるけど… なんか、もっと、凶暴なかんじ…)ブルブル

憧(本性現してきたってわけ…? 巫女で霊視ができる私以外の二人も、何か見えてるみたいだし…)

憧(ちっ… 望むところよ! 本気の化け物と闘って倒さなきゃ、意味ないんだから…!!)キッ


勇気を振り絞る憧… 

しかし、その細い首には、もう既に死神の鎌がピタリと当てられていたのである…


第一戦東一局一本場

東 優希 42000   
南 憧  30000→38300  
西 閑無 18000 
北 健夜 30000→21700


※満貫以上を振ったため、次局、健夜の特殊能力「魔王の呪い」発動

今日はここまでなのよー
コンマ・安価対応あざした!
また明後日20:00から

乙です
すこやんから直撃を奪った憧ちゃーに対し
同卓者(優希ちゃんと閑無さん)は勿論ですが
インハイで卓を囲んだ者達(はやりんとのよりんとハルちゃん)や
魔物オーラを察知出来る人達の反応が見たいですね
特にのよりんと咏ちゃんはプロと高校生の両方の反応が見たいですね!

乙あざす
>>90了解
東四局くらいまで進めるのよー


東二局 親:憧


健夜「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオォ・・・!


 咲「ひっ…!?」ビクッ

 衣「…ん?」ゾクリ

 淡「へー…?」ピクッ

 照「……!」モグモグ

 小蒔(!? これは…? う、なんて禍々しい…!)


 はやり(高3)「げっ、出たよ!☆」ハヤッ

 のよりん(高2)「… フゴッ!?」=3

 良子(高3)「く、クレイジー…」

 咏(高3)「あん? なんだありゃ…?」

 晴絵(高1)「………」カタカタカタカタ

 灼「は、ハルちゃん? どうしたの?」


健夜(17)の豹変に反応して、卓の上だけでなく、会場のあちこちであらゆる雀士たちがただならぬ気配を感じ取っていた…


~放送スタッフ用モニタールーム~


えり「…? どうしたんでしょう、なんだか、卓の雰囲気が突然変わったように思うのですが…」

のよりん(27)「ブッコワス! ブッコワス!!」プンプン=3

えり「は?」

のよりん「スコヤ! ブッコワス!!ww」プンスコ=3

みさき「の、野依プロ? どうしたんですか?」


咏(25)(あ~あ、やっぱり出ちゃうよねぃ…)

咏(この時のすこやんって… 今と違って、アレをちゃんと制御できてないみたいだし…)

咏(頼むからちゃんと手加減しろよ…? 前途ある若者の未来を奪うんじゃねーぞ?)


~会場~


健夜「… ふぅ…」ズモモモモモォ・・・


優希(な、なんだじぇこの重苦しい空気は…? 宮永照と対局した時を思い出すじぇ…)ブルブル

閑無(これがはやりと慕が言ってたヤツか… 魔王がいよいよ本気になったってわけか?)


憧「………」ハァー、ハァー・・・

憧(ったく… なんなのこの悪寒は…? 嫌な汗がだらだら出てくる…)

憧(確か… ハルエがインハイでこの人にハネ満直撃した時は… その直後にメチャクチャ狙い撃ちされて、トバされる寸前までいったんだよね…)

憧(過去の牌譜を見ても、小鍛治健夜は大きいのを振り込んだ直後は、その相手からやり返すように出和了りを取ることが異常に多い…)

憧(とは言ってもこの局は私が親… そう簡単に和了られてたまるか!)カッ

憧「ポン!!」カシィンッ!→「八八八」


憧「それもポン!!」パシィンッ!!→「⑧⑧⑧」


 恒子『東二局! 親の新子選手がまた鳴きの速攻で攻めます! 連荘狙いだァ!!』

 健夜(27)『……』


優希(この…! ポンポンポンポンほんとにうるさいじぇ! 私のツモ番を飛ばすんじゃないじょ!!)

閑無(また二鳴き… 今度はトイトイ狙いか? …いや、まさか、また三色同刻?!)


憧(・・・なーんて、思ってるかもしれないけど…)ムフフ…

憧(今度はただの喰いタンですよ。 でも、8巡目でテンパイ、しかも2-5-8の三面張で、赤含めてドラ2…!) 憧手牌:2345678

憧(小鍛治さんがみょーな圧力かけてきたけど、私の手が重くなってるわけじゃない…)

憧(配牌時に既にヤオチュー牌が殆ど無かったから、捨て牌見てもタンヤオの多面張だと断定できないだろうし… 今回もイケる!)


と、その時…



 ひた・・・


憧「ん?」


ひた、ひた、ひたひた・・・


憧(え、何? 足音?)クルッ


ぺたぺたというおかしな音を聞いた憧は、後ろを振り返ってみたが…


 シィーン・・・


憧「…?」


 ・・・ ひた、ひたひたひたひた・・・・


卓の方に向き直った憧だったが、また後ろから不気味な足音が聞こえてきた…


憧(な、何コレ…? 後ろから聞こえるような、頭の中で鳴り響くような… しかも、段々大きくなってくる…?!)ゾク・・・


憧の背筋に、また嫌な悪寒が走る…

そして、


健夜「…リーチ」トンッ

憧「う?」


 恒子『王者小鍛治健夜、先制リーチです! 果たして… 沈んだ分を取り返せるのかァ?』


憧(来たか…! って、ん…? その捨て牌…?)


健夜捨て牌:西12⑥北五
      ③6


憧(…なんか違和感ある捨て牌だな… とりあえず最初に西12って手出しで捨ててるってことは、チャンタ手ではない…)

憧(普通に考えるならタンピン手… ちょっとうがった見方をするなら三暗刻とかの刻子手…?)

憧(それとも七対子かな? …いや、七対子なら生牌でドラの六索を捨ててリーチかけないでしょ? それに西と北切りもおかしい…)モンモン

憧(やっぱり… 普通にタンピン手… だよね…?)スッ・・・


  チャッ


憧「…」


健夜のリーチ直後、憧がツモったのは、タンヤオには完全不要牌の一筒…

しかし、憧は、その時一瞬、一筒の円がギョロッと目玉のように動いたような気がした。


憧「!?」ギョッ

憧(何今の?! 一筒の“筒”が動いた?)

憧(いや… げ、幻覚よ! 後ろに聞こえた変な音も、今のも、多分対面の圧力で現れた幻…! 惑わされるな!落ち着け私…!)ハアハア

憧(…一筒は河に既に2枚出てるし… しかも二筒はもう4枚見えてるんだから、一-四筒待ちは絶対に有り得ない…)

憧(ど、どう考えたってコイツで振り込むことなんかない!!)スッ


  タンッ!


憧、そのまま一筒をツモ切り・・・


 シィーン・・・・


憧(よ、よし、通った…!)


 …ひたたたったたたたたっ!


憧「え?!」


 ザシュッ!!


憧「 ぅアッッ!!? 」


まるで・・・

まな板の上で野菜でも切ったかのような音が憧の耳に響いた。

そして… その瞬間、憧は鋭いナイフのようなモノで後ろからその体を貫かれていた…


・・・ような、気がした。


憧「あっ! はっ? えっ!?」


慌てて自分の体をさする憧…

どこにも、傷などなかったが…


健夜「・・・ロン」

憧「!?」


 パラララァ・・・


健夜が親指を左から右へとゆっくり手牌に滑らせる。

すると… 全く予想だにしなかったその牌姿が憧の目に飛び込んできた。


健夜手牌:一ニ三七八九①⑦⑧⑨789 ロン[①]


憧(・・・う、上のジュンチャン三色一筒地獄待ち・・・??)

憧(バカな…? なんでわざわざ残り一枚しかない牌でリーチを…?)ワナワナ


健夜「リーチ一発・ジュンチャン三色・・・ ハネ満12000です」ゴォッ!


第一戦東二局

東 憧  38300→26300  
南 閑無 18000 
西 健夜 21700→33700

北 優希 42000 


  ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤ・・・・  ナ、ナンダ?イマノアガリ・・・?  ザワザワザワ・・・・


~実況室~


恒子「き、決まりましたッ! 新子選手、小鍛治選手のリーチに引き寄せられるように、地獄待ちに一発で振り込んでしまったァ!!」

恒子「もし裏がのっていたら倍満だったという強烈な一撃…!」

恒子「しかし… 今のはいささかおかしな打ち筋でしたよねぇ? 小鍛治プロ! 今のご自分の和了りをちょっと解説してくれますか?」

健夜(27)「えっと… 今のは上の三色に最初から決め打った形ですね。 まず最初に西、一索、二索と、チャンタ系に必要な牌を先に落としたことで、迷彩をかけたんです」

健夜(27)「不要のドラを最後まで残してリーチをかけたのは、タンピン手でドラの近牌が待ち牌だと錯覚させるためですね」

恒子「えー…? でも… 必要ないのにドラを残してたりしたら、それで振り込んじゃう可能性もあるよね? なぜそんなリスクを?」

健夜(27)「それは… なんて言ったらいいのかな… こうなるのがある程度分かっていたというか…」

恒子「え?」


恒子「分かっていた?」

健夜(27)「うん、さっき、こーこちゃん『なんで初心者なのに最初から強かったのか』って聞いてきたけど… それは、私、子どもの頃からちょっと“人には見えないモノ”が見えたからなんです」

恒子「見えないモノって…何? …もしかしてすこやん透視能力者? まさか私の服も透視して・・・///」

健夜(27)「いや、透視はできないよ/// ただ、これから起きることがなんとなく分かることがあるんだ」

恒子「!? それ未来予知じゃん? 地震とかも予知できるの?」

健夜(27)「ううん、地震は予知できないよ… 私のは、自分の知覚できる範囲で働く直感的なモノで…」

健夜(27)「それで昔からどんなゲームでも、負けるということがほとんどなかったんです」


健夜(27)「でもかえってそれがなんか、周りには気味悪がられて… 人から避けられたりインチキって言われてdisられたりすることもあったんだけど…」

健夜(27)「高3の時に、たまたま誘われて麻雀を始めて… 麻雀は運の要素が強いから、おかしな勝ち方をしても表向きは“偶然”や“ツキ”のせいになるから、割とウマが合ってね…」

健夜(27)「そのままインハイに出場したら優勝しちゃった…っていうのが、あの時の私なんだ」

恒子「“優勝しちゃった”って…w そ、そうですか… やっぱりすこやんもただならぬ力の持ち主だったわけですね!」

健夜(27)「うんまあ…」


健夜(27)(………)

健夜(27)(ごめんねこーこちゃん、今はやっぱり、私の本当の力を教えることはできないよ…)

健夜(27)(私の力を正確に理解している人は、良子ちゃんと咏ちゃんと野依さん…、そしてはやりちゃんと慕ちゃん、の5人しかいない)

健夜(27)(それも… それは“現在”の話であって、この高校生の時代に、私の力を知って分かってくれる人は一人もいなかった)

健夜(27)(私の力は“未来を見る力”じゃないんだ。 本当は・・・・)



 ?『リーチ!』カッ!


東三局 親:閑無


健夜「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・・


 恒子『おっと、小鍛治選手がまたもや先制リーチィ!』

 恒子『場は既に12巡目に入っていますが… 他家の手が重い! まだ軒並み二シャンテンといったところです!』


優希(じぇ…? タコスの力が効いてないのか…? 全然手が進まないじぇ…)タンッ

憧(…今度は染め手…? いや、また予想だにしてない手を作ってる気もする… 鳴けないし、本意じゃないけど、ここはオリ…)タンッ

閑無(チキショウ…! 親だってのにこの状況… 突っ張りたいとこだけど、これ以上振り込む訳にいかねぇ…!)タンッ


 恒子『このリーチに不穏なモノを感じたのか… 他の選手はオリ気味…!』

 恒子『またもや小鍛治選手が和了ることになるのか?!』


健夜「……」スッ・・・


また眉毛をへにょっと曲げた健夜が、山に手を伸ばし、ツモった牌を手元に引き寄せた…


※健夜のステージ系能力「ゴッドハンドリーチ」発動
>>108コンマ以下
01~30→流局
31~70→満貫ツモ
71~80→ハネ満ツモ
81~90→倍満ツモ
91~98→三倍満ツモ
99,00→役満ツモ

04→流局


健夜「…」トンッ・・・


そのままツモ牌を捨てた健夜…


閑無(一発は無し…か)ホッ

優希(心臓に悪いじぇ…)トンッ

憧(河にドラが見えない… とりあえずここは凌ぐ…!)タンッ


そして…

18巡目、海底牌をツモった憧が、静かに健夜の現物を切った。


閑無「・・・ノーテン」パラァ・・・

健夜「テンパイ」パララ

優希「ノーテンだじぇ」パラッ

憧「ノーテン…」パララ・・・


 恒子『東三局は流局…! 小鍛治選手ドラ4の倍満手をテンパイしていましたがここは逃げられました!』

 恒子『親の石飛選手がノーテンなので、場は東四局へと入ります!』


第一戦東三局
   
東 閑無 18000→17000
南 健夜 33700→35700

西 優希 42000→41000 
北 憧  26300→25300

供託:1000(健夜のリーチ棒)


【東四局流れ一本場 親:健夜】


 ザワザワザワ・・・  ガヤガヤ・・・  ワイワイガヤガヤ・・・


 悠彗「閑無の奴… 親なのにベタオリかよ? 最下位なのに…みっともないな…」

 杏果「まぁ… 手が悪かったからね…」

 慕「それに場が重い上に小鍛治さんの手がヤバかったから、しょうがないよ」

 はやり「閑無ちゃんならきっとここからなんとかしてくれるよ!☆」ハヤッ


配牌…


健夜「……」カチャカチャ


閑無(ち… どうせ悠彗あたりが日和ってるとかなんとかってぬかしてんだろーけどさ…)カチャカチャ

閑無(一歩踏み込んだらブッた切られるようなプレッシャーがあんだよな… 迂闊に攻めれねー…)


優希(おのれ… でもまだ東場だじぇ…! タコスの力をナメるなよ!)カチャカチャ

優希(見てろ… 親っかぶりで一泡ふかせてやるじぇ!)


憧(ふぅ… 一局凌いだらちょっと落ち着いてきた… 幻聴も幻覚も消えた…!)カチャカチャ

憧(またタンヤオにうってつけの配牌… よし、ここで攻める!!)カッ


9巡目

憧(よし、一シャンテンまで来たけど、他家もそろそろテンパイの気配…)チラッ

憧(急がないと・・・! ん?)


優希「……」タンッ→「五筒」

憧「!」


ここで… 上家の優希が赤ドラを場に出してくる…!


憧(…この牌をチーすれば、タンヤオ手のテンパイだけど…)

憧(面前で三色にできるような気がしなくもないんだよね…)

憧(でも、まごまごしてたら他家に和了られちゃう可能性もある…!)

憧(どうしようか…?)


※どうする?

1、赤ドラを鳴く(打点は>>44のままだが、和了率が15%アップする)

2、鳴かずにリーチ(打点が1ランクアップするが、和了率はそのまま)

3、鳴かずにダマテン(打点が3翻・満貫・ハネ満に限定される。 和了率は15%アップする)

※最も早く「2票」を獲得した番号でイキます(東場での基本和了率は「優希35%、健夜30%、閑無20%、憧15%」)

1→鳴き

憧(9巡目… やっぱりここはいつも通り鳴きで行く!)

憧「チー!」カシィンッ→「④⑤⑥」


閑無(こいつ、またか!)
健夜「……」
優希(じょ…! テンパイか、この女…?)


憧が手牌から四筒六筒を倒し、滑らかな動きで牌を右角に叩きつけると、他家三人に緊張が走る…!


憧(タンヤオなのはバレてるかもしれないけど、ツモれば問題なし…!)

憧(それに状況に応じてまだ手変わりもできる! さあこいっ!)チャッ


そして、16巡目…!


?「ロンorツモ!!」


>>116コンマ以下(和了者)
01~30→憧
31~60→優希
61~85→健夜
86~00→閑無

打点
>>117コンマ以下(打点表>>44) 

80健夜和了 53満貫ロン 3の倍数+2で上家閑無から出和了り 


16巡目…

優希「リーチだじぇっ!」タンッ!


 恒子『お、おお…? トップ片岡選手が残すところ2巡というところでリーチだッ!?』


優希(張ったじょ! ホンイツドラ3…! 並の雀士はここはダマで済ますんだろーけど…)

優希(私は東場の神! この局が終わる前にもっと稼いでおかなきゃこのメンツにはきっと勝てないじぇ… トップでも捨て身のリーチだ!!)

憧(ちっ、追いつかれたか… あぁもう… 多面張で待ってんのに、来ないなぁ…)イライラ

閑無(この…! 上家も対面もテンパイかよ… 私はまだ一シャンテン…)チッ

閑無(不本意だけどここももうオリるっきゃねー… チキショウ、何が通る…?)

閑無(上家はタンピンの多面張… 対面のタコスちゃんは索子のホンイツか…?)

閑無(とりあえず… コレなら通る!)タンッ


閑無、優希の現物の西を切る・・・

ところが、


健夜「…ロン」パタッ


閑無「は? そっち?」


それは… まるで「おはようございます」と挨拶するようなのんびりした声だった。


健夜手牌:西西四四四②②⑨⑨⑨444 ロン[西]


閑無「げっ!? それ…」

健夜「三暗刻トイトイ・・・」

健夜「親満12000の一本場、12300です」


 ウオオ・・・?  ザワザワ、ガヤガヤ・・・  オヤマンカヨ・・・ ギャクテントップ・・・!


優希「じょぉ… リー棒持ってかれたじぇ…」シュン・・・

憧(小鍛治さん、静かだなぁと思ってたら… 三暗刻トイトイ? ツモれば四暗刻じゃない!)


 恒子『ま・・・またもや決まったアァッ!!』

 恒子『片岡選手のリーチを警戒したのか… 石飛選手、現物の西を切ったところ…』

 恒子『小鍛治選手のダマテン三暗刻シャボ待ちに振り込んでしまいましたァッ!!』


閑無(この…? ちゃっかり漁夫の利得たってか…?)

閑無(まるでテンパイ気配が無かった… しかも三暗刻… 杏果みてーだなまったく…)


 ワアアアアァァ――ッ・・・  サスガ・・・  パチパチパチパチ・・・


 悠彗「ちょっと! また振り込んじゃったよ? 閑無の奴」

 慕「うん、でも今のは… ちょっとかわすのは無理があったよね…」

 杏果「これで、閑無の点棒は、4700…? まずいね、トバされそうだね…」

 はやり「だ…大丈夫だよまだ!☆ 南場がまるまる残ってるんだから…!」

 慕「そうだね、きっと、ここからかんなレボリューション見せてくれるよね!」


しかし… 慕たちの思いも空しく、閑無はもう棺桶に両脚を突っ込んでしまっていたのである…


健夜「………」ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオォ・・・・!!


第一戦東四局流れ一本場
東 健夜 35700→50000

南 優希 41000→40000 
西 憧  25300
北 閑無 17000→4700


※健夜の特殊能力「ファイナルオールクラッシャー」と閑無の「カンナレボリューション」の発動条件を満たしているが、ランキング上位の健夜の方が優先されるため、次局で「ファイナルオールクラッシャー」発動

本日はここまでです
コンマ・安価対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
明後日から始まる第二戦のメンバーのメンツの「能力」を貼るのを忘れてた!↓
何か「ん、これは…?」と思う点がもしあれば指摘して下さい(一応アドバンテージはS>A>Bになってるはず)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『S2 白築慕(高三)』

<常>→「フォーゲルセット(鳥さんいらっしゃい)」
    一索が集まる。 チャンタ系、イッツーなど和了しやすい。 常に打点が1ランクアップする。

<ス>無し(南三局で必ず「プリマヴィント」を発動する)

<特>→「プリマヴィント(最上の風)」
    南三局で和了率が70%、南四局では和了する機会が最も早く来る。 和了できれば満貫以上で和了れる。

ーーーーーーーーーーーーー

『A10 獅子原爽(高三)』(全てのオカルトは、一試合で一度しか使えない)

<ス>→「赤い雲」
    他家に数牌を寄せることで、自分に字牌が集まる。
    和了率70%。和了れば1ランクアップの役で和了れる。

<ス>→「白い雲」
    索子を集める。
    和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

<ス>→「パコロカムイ(寿命の支配者)」
    特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

<ス>→「フリカムイ」
    自風以外の風牌を集め、70%の確率で鳴きホンイツ(満貫以上)を和了

<特>→「アッコロとホヤウ」
    自分が倍満以上を和了した時に発動。
    次局で他家のオカルトを完全に封じ、中と萬子が集まる。 40%の確率で満貫以上を和了。

<特>→「パウチカムイ」
    自分の持ち点が一万点を切った時に発動。
    トップの雀士に××××。 とりつかれた雀士は、その局だけ和了することができない。

ーーーーーーーーーーー

『B19 森脇曖奈(高三)』

<常>→「パーフェクトウォール」
    シュンツ手には100%振り込まない。
    常に60%の確率で振り込みを回避できる(流局になる)。

<ス>→「クレイムフラッシュ」
    鳴きの速攻。 和了率70%。

ーーーーーーーーーーーーーーー

『B20 本藤悠彗(高三)』

<ス>→「腐一色」
    どんな状況からでも染め手を作ることができる。
    和了率70%。ハネ満以上。

書いてくにょ
このあと22:00くらいから第二戦スタートします

上の四人の能力、曖奈だけ少し付け加えたので貼っときます↓

『B19 森脇曖奈(高三)』

<常>→「パーフェクトウォール」
    シュンツ手には100%振り込まない。(単騎待ちは例外)
    常に60%の確率で振り込みを回避できる(流局になる)。

<ス>→「クレイムフラッシュ」
    鳴きの速攻。 和了率70%。


【東四局二本場 親:健夜】


 ワアアアァァ――――ッ・・・  ザワザワ・・・ ガヤガヤガヤ・・・・ 


 恒子『全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ本選一回戦・第一戦ン!!』

 恒子『満を持して登場した総合ランキング1位、土浦女子3年小鍛治健夜選手が! 遂にその本領を発揮ィ!!』

 恒子『親満の出和了りで片岡選手をまくり、暫定トップに立ちましたッ!!』

 恒子『一方、Aランカーである朝酌女子石飛閑無選手は… 未だ和了ならず、二回の振り込みで窮地に立たされています!』

 恒子『しかし彼女も10年前のインハイで伝説を作ったレジェンドの一人…! このあとの巻き返しに期待したいところですッ!!』 


閑無「・・・・・」

閑無(ったく、ツイてねー… 二回の振り込みが両方とも親満とか、今日は厄日かよ…?)

閑無(トップの小鍛治とは、アッという間に45000点以上の差…)

閑無(ガチで勝負して、全員ボコってトップ取ってくる、なんて言って来たのにこのザマか。 これじゃまるでピエロだぜ…)


閑無(でもなぁ・・・・)

閑無(私だって、もう昔の… 悠彗にトバされてみんなの足を引っ張ってたような、脆くて弱っちい打ち手じゃねーんだ!)

閑無(努力と研鑽を重ねて、強くなって… 私の活躍もあって、インハイ団体戦では準優勝まで行った…!)


 カンナァーッ!  カンナチャーンッ!!  イシトビサンファイトヨォッ!!


閑無(ふん… 見てろよお前ら…! ここからの私の逆転劇をよ…!)

閑無(真の一流ってのは、どんな窮地でも動じねーんだ! 最後に笑うのは私だっ!!)カッ


そして配牌… そんな閑無の意気込みに呼応したような牌姿が現れる…!


閑無(よしキタ! ドラで自風の北が暗刻で揃ってやがる…!)カチャカチャ

閑無(しかも13牌中11牌がヤオチュー牌…! こいつぁ…ホンロートイトイにうってつけだ…!)

閑無(ホンロートイトイ役牌ドラ3なら、鳴いても倍満… 速攻で和了って度胆抜いてやるぜ!)クク・・・


思いがけない好配牌に、口元を緩め、頭の中で点数の皮算用をする閑無…

そこへ…


健夜「…」トンッ→「九」

閑無「! ポン!」カシィンッ!→「九九九」


さらに…

健夜「…」タンッ→「①」

閑無「ッポン!!」パッシィンッ!→「①①①」

憧「ん?」

優希「じょ?」


なんと… わずか2巡目に立て続けに健夜から鳴いた閑無は、アッという間にホンロートイトイをテンパイしてしまった…


閑無(よ、よしよし…! 南と西のシャボ待ち… これならすぐ出る!)タンッ!

健夜「ロン」

閑無「あ・・・  は?」


健夜「白のみ、1500の二本場は2100です…」パララァ・・・

閑無「…? はぁ…??」

優希(? な、なんだ今のは? 何が起きたんだ?!)

憧(…上家を鳴かせて… 自分のツモを増やしてテンパイし、その上で当たり牌をあぶり出した…? いや、まさか、ね…?)


健夜「……」ズモモモモモオォ・・・


第一戦東四局二本場

東 健夜 50000→52100

南 優希 40000 
西 憧  25300
北 閑無  4700→2600



【東四局三本場 親:健夜】


閑無(こ、この…! 私のホンローをそんなクソ手で飛ばしやがって…!)ワナワナ

閑無(ったくなんなんだよさっきからその困ったような八の字眉毛はよ… そんな顔で淡々と和了りやがって… 何考えてんだ?)

健夜「……」


そして4巡目…


閑無「チー!」
健夜「ポン」


閑無「……」

健夜「あ、すみません」ペコッ


憧が河に六筒を捨てると、ほぼ同時に閑無と健夜が鳴きの発声…

ポンの方が優先されるため、健夜はペコリと閑無に会釈をすると六筒を拾い上げ、赤ドラの五筒を捨てた。


閑無(・・・こ・の・や・ろ…! 私が六筒欲しがってるってことが他家にもバレちったじぇねーかよ…!)

閑無(今の鳴けてりゃイッツーホンイツドラ1テンパイできてたのに…!)チャッ

閑無「……」


ここで閑無、二筒をツモる…

筒子で既に①②③④⑤⑦⑧⑨と揃えている閑無には不要牌である。

サッサと捨てたいが… 牌を見た瞬間、なんとも言えないイヤな気配を感じた…


閑無(小鍛治の奴… 赤ドラ切ってきたってことはさっきのでテンパイか…?)

閑無(…つっても、二筒は生牌じゃねーし…)チラッ

閑無(五筒を捨ててるってことは二-五筒待ちは有り得ねーんだから…)

閑無(こんなの捨てるしかねーだろ!)タンッ

健夜「ロン」

閑無「おいっ!!」=3


驚き、というよりはなんでそうなるんだ、というかんじの怒りの声を上げた閑無の前で、健夜は手牌を開いた…


健夜「タンヤオのみ… 1500の三本場は2400です」パララァ・・・


健夜手牌:五六七②②⑦⑦567  ロン「②」 鳴き「⑥⑥⑥」


閑無(はぁ・・・?? なんだよコレ、なんで二筒と七筒のシャボ待ち…?)

閑無(六筒を鳴く前の手牌って… こうだよな?)


健夜手牌(鳴く前):五六七②②⑤⑥⑥⑦⑦567


閑無(タンピン三色高めイーペーコーでもうテンパイしてたんじゃねーかよ! なんでここからわざわざ六筒を鳴くんだッ!?)

閑無(こいつフザケてんのか…? ・・・いや、それとも・・・)

閑無(私のテンパイを封じて… さらにツモ筋をズラして私に当たり牌をつかませたってのか・・・??)ゾク・・・


憧(ああもう…! 早過ぎて何もできないじゃない… このままじゃ3位で敗退する…!)

優希(と、東場の私が麻雀をさせてもらえないじぇ…?! どーなってるんだ…??)


第一戦東四局三本場

東 健夜 52100→54500

南 優希 40000 
西 憧  25300
北 閑無  2600→200



【東四局四本場 親:健夜】


 ザワザワザワ・・・  ナンダイマノ・・・?  ドーナッテンノ・・・??  ガヤガヤ・・・・


 恒子『第一戦東四局… 親の小鍛治選手が怒涛の三連続和了!!』

 恒子『石飛選手一人を狙い撃っています! 完全にトバして終わらせようという魂胆ですねこれは!!』

 恒子『しかし… 会場もザワついていますが、今の和了はなんとも違和感のある和了りでした… 小鍛治プロ、これはどういうことなんですか? わざと翻数を下げていたぶってんの?』

 健夜(27)『い、いや、いたぶってるわけじゃないよ。 ただ和了れる最速の手段を選んで自分の親を守っただけで…』



閑無(・・・・寒い・・・)

閑無(なんだよ残り200点って… もうリーチもできねーじゃねーか…)

閑無(なんなんだ私は… どうしてこんな無様な目にあってんだ…?)チャラ・・・


閑無は、ほとんど空になってしまった点棒ボックスを開き、二本しかない百点棒をさわってみた。

強靭な精神力を誇る“基本無敵”の石飛閑無も、さすがにまいり始めていた…


閑無(ぜってー遊んでやがる… 私を少しずつ痛めつけて喜んでるんだ、こいつは…)

閑無(困ったような顔は仮面なんだろ? どうせ心んなかでは私をさげす・・・ うっ!??)


健夜「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・・


そこにいたのは… さっきまで気弱そうな顔をしていた小鍛治健夜ではなかった。

まるで能面のように無表情になり、瞳孔が開いて目が据わっていたのである。


閑無(…う… おえっ!? なんだ、体が…!??)ゾクゾクゾク・・・


吐き気と共に、頭痛… そして、目が霞み… まるでじわじわと蟻の大群が体を這い上がってくるような、言い知れない感覚が閑無を襲う…


優希(じぇ、これは…!?)ビクッ

憧(ま、また雰囲気が変わった…? うっ、これは… さっきの数倍はヒドい…!!)ウグゥ・・・



・・・麻雀卓という四角い宇宙の上で、地獄の狂宴が始まろうとしていた。


~実況室~


健夜(27)「…あ、まずい!」

恒子「えっ? すこやん?」

健夜(27)「ちょ、ちょっと・・・止めた方がいいかも。 てゆうか止めて!」

恒子「は…? 何を言ってるんです? まだ試合は終わってませんよ?」

健夜(27)「い、いや… 私の意識がトビ始めてる…! 高校生の時って、集中したり感情が昂ぶるとたまにああいう風になっちゃうことがあったんだよぉ…!」

健夜(27)「あの状態になると手加減ができないんだ… 早く止めないと本当にとんでもないことになるよ!!」


~放送スタッフ用モニタールーム~


 グニャアアアアアァァ~~~~~・・・・・


えり「えっ!? は? な、どうなってるんですかこれは??」


モニターをずっと見守っていたえりは、今までの人生で一度も見たことのない不可思議な現象を目にしていた。

卓を映している大画面が、グニャリと歪み始めたのである…!


えり「が、画像の乱れ…? 一体、これは…?」

咏(25)「いや、えりちゃん違うって。 これは…すこやんが本気になったもんで、そのオーラで周囲の空間がグニャり始めてんだよ」

えり「は? そんな、バカな…?」

咏「そこまで珍しいことじゃねーよ? 私や…良子ちゃんとかもこれくらいはできるんだけどさぁ…」

咏「やっぱりすこやんが本気になった時のが一番圧が強いね。 これは…ちょっとただじゃ済まないぜマジで…?」ヤレヤレ

のよりん(27)「巨大災害!!」プンプン=3


みさき「あの、三尋木プロ… 一体、小鍛治さんは… 何者なんですか? これから何が起きるんですか?」

咏「すこやんはただの実家暮らしの冴えないアラサーだよ。 女子高生時代のすこやんもただの地味な女の子だけどさ… でも、一つだけ、とんでもない力を持ってんだよねぃ…」

みさき「力…?」

咏「そう、最早神にしか許されない能力をね」

咏「本人はそれを“未来が見える力”なんて言ってゴマかしてるけど、それは正確じゃないんだなぁ…」

咏「本当は・・・・」



 『ポン!』


~会場~


憧「う、うぅ…!」ブルブルブル・・・


 恒子『東四局四本場! トップ小鍛治選手未だに手をゆるめません! 3巡目でまず対面からの白をポン!』

 恒子『ただ役牌を鳴いただけですが… なんでしょう? さっきから他家三人の様子がおかしい! 全員顔面蒼白ですっ!!』


憧(う… 気持ち悪い… 息が苦しい…!)ハアハア

優希(な、なんか… 耳が聞こえなくなってきたじょ…? どうなってるんだ私は…?)ハアハア

閑無(か、体全体が痺れてきやがった… うまく牌が持てねえ…!)ブルブル


健夜「……」ズモモモモモモモモモモモモモモオオオォ・・・・・!!!


閑無(くっ、この、悪魔め…! このもやもやした気持ちわりぃ空気も… 全部お前の仕業なのか…?)ハアハア

閑無(チキショウ…! はやりも慕も、こんなのを相手にしてたってのかよ…!?)

閑無(で、でもなぁ… 私だって…)

閑無(何もできずに終わらせてたまるか! 一矢報いてやるっ!!)タンッ!


 ザワザワ・・・  オエエエェェ・・・!  チョ、チョット、ダイジョウブ?  ガヤガヤガヤ・・・・


健夜の黒い禍々しいオーラは… 卓上のみならず、会場全体にまで及び始め… あちこちで気分を悪くして退出する者が出始めていた。


 咲「う…! わ、私、ちょっとおトイレ行ってきます!」ダッ

 和「咲さん?」

 久「ちょっと咲! 大丈夫?」

 
 初美「こ、これは… 一体、どうなってるんですかー…?」

 春「異常…」ポリポリ

 霞(今卓上にあるのは… 九面でも最強の女神の力を超えるほどの、莫大なエネルギー…)

 霞(巫女でもない生身の人間が、何故こんな恐ろしいモノを…?)ワナワナ


 洋榎「おい… ちょっと、あかんで、これは…!」

 絹恵「おねーちゃん?」

 洋榎「下手したら死ぬであいつら…? 止めた方がええんちゃうか?」


~放送スタッフ用モニタールーム~


えり「え…?」

みさき「三尋木プロ、もう一回、言ってくれますか…?」

咏「だから、すこやんの力は、“未来を見る力”じゃなくって…」


咏「“未来を創る力”なんだよ」


えり「… いや、未来を創るって… ちょっとよく意味が分かんないんですけど…」

咏「いや、私もちょっとうまく説明できねーんだけどさぁ…」


 ガチャッ


?「ハローエブリワン。 小鍛治さんの能力は、“因果律を破って運命を捻じ曲げる力”なんですよ」スッ


咏「おろ? 良子ちゃんじゃん! 何? どったのこんな所に」

良子(20)「どうしたのって… 私もワークですよ。 第七戦と八戦は私が解説を担当するので…」

?「おーやってるね!☆ キャー女子高生のすこやんMAJIになってんじゃん!!ww」ハヤヤッ=3


良子の後ろからひょこっと姿を現したのは、なんとも痛々しい格好をした超美巨乳アラサーアイドルだった…


のよりん(27)「はやり!?」プンスコ=3

咏「ん? はやりんも解説の仕事なの?」

はやり(28)「ううん、はやりはただの良子ちゃんの付添いだYO!☆ 観戦も兼ねてね♪」ハヤッ!


えり「戒能プロ、先ほど因果律を破って… とおっしゃってましたが、それはどういうことなのですか?」

良子「えっと、それは…」

はやり(28)「ちょっとまったァ! そーゆーことの説明なら理系博士課程を修了してるはやりの出番だぞっ!!☆」

えり「え、はあ…」

はやり(28)「因果律っていうのはつまりある“結果”には必ず“原因”がある、“原因”があったら必ずそれに応じた“結果”が立ち現れるっていう物理法則の一種を言ってるんだけどぉ…」

はやり(28)「すこやんはね、この法則をブチ破って自分が思い描いた“結果”を創ることができるんだなっ!☆」

えり「…??」

はやり(28)「まだ分かんない? じゃあさ、針生さん、二次関数は知ってるよね?☆」

えり「二次関数? y=x2とかのですか?」

はやり(28)「そ。 y=x2のあのU字型のうにょーんてしたグラフを思い描いて欲しいんだけどぉ…」

はやり(28)「yがこの世の事象、xが時間の流れだとして、すこやんはこの絶対の法則を書き換える… つまり途中で新しい数式を組み込んで有り得ない“結果”を創ることができるんだ☆」

はやり(28)「y=x2のあのグングン上に上ってく曲線を、途中でグニャグニャ曲げちゃうことができるわけ!☆」

はやり(28)「つまりね、“絶対に起きるべき事”を起こさずに、“起きるはずがない事”を起こしちゃう事ができるんだなっ!☆」ハヤッ!

はやり(28)「そんで一番恐ろしいのは、この力が極限に高まると、“実際に起きてしまったことを無かったことにする”こともできちゃうんだ☆」


えり「えー… そんな…? そんなの、能力というより、本当に神様の力じゃないですか…?」

はやり(28)「そーだよー☆ だからすこやんを拝むとみんないい事あるかもねっ!♪」

みさき「…あの、瑞原プロ… 小鍛治さんは、一体どうして、そんなとてつもない力を身につけてしまったんですか? 生まれた時からそんな力があったんですか?」

はやり(28)「んー? さあ、それははやりも知らないけど…?」

咏「その事なら私、酒の席で以前本人から聞いたことがあるねぃ」

えり「三尋木プロ?」

咏「あー… コレ言っちゃっていいのかな? みんな内緒にしてね? すこやんはね、実は昔、一卵性双生児の妹がいたらしいんよ」

みさき「え、小鍛治プロが双子??」

咏「うん。 でもそれがね、子どもの時に二人とも水難事故に遭ってさ、それで妹さんは・・・・」



 ?『ポン!』


~会場~


 ザワザワ・・・   ガヤガヤガヤガヤ・・・・


健夜「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオォォ・・・・


 恒子『小鍛治選手ゥ! 今度は上家から出た發を鳴きました!! これでテンパイだァ!!』 


優希「……」ハァーハァー・・・
憧「……」ゼーゼー・・・
閑無「……」ブハーブハー・・・


 恒子『他家3人はまだ6巡目だというのに、何故か42,195kmでも走ってきたかのように疲弊しています! 一体卓上で何が起きているんだァ?!』


閑無(体が… 重い… くそったれ、意識が飛びそうだ…!)ハアハア…

閑無(でも… まだ、まだ…! 私はヤレるぞ… 何も出来ないまま終わってたまるかよ!)チャッ

閑無「…!!」


閑無… ここで意地のテンパイ…! 

萬子のチンイツ・タンヤオ・イーペーコードラ3・・・ ダマでも三倍満、リーチをかければ数え役満も見える超モンスター手・・・!

しかし… 不要牌は三元牌の中! もし白と發を鳴いた健夜が大三元をテンパイしていたら、役満を振り込む可能性もある…


閑無(よく… 白と發が鳴かれた後は、中を捨てるのは御法度… それが麻雀のセオリーだ…なんて言う奴がいるけどさぁ…)ハア、ハア・・・

閑無(そんな理屈は、私に言わせりゃ出鱈目なんだよ…! 確率から言って、白と發をポンした奴が、6巡目でさらに中も二枚持っているなんて、ほとんどありえねーんだ…)

閑無(だから、こういう時はすぐ中を処理するのが正解なんだ。 後になればなるほど相手が中を二枚揃える可能性も出てくるし、早目に河に中が出れば他家は中を捨てられなくなって手が止まるんだからな…)

閑無(つまり役満がこえーからってこんな中を抱えてれば、危険性は増すだけなんだ。 この状況での、最良の選択ってのは・・・即座に中を切ることなんだよっ!!)チャッ!


 タァンッ!


閑無、渾身の中切り・・・!

一瞬… その時、卓上では時間が止まったような気がした。


しかし・・・

その直後、健夜の口から出たのは・・・・

閑無が夢にも思っていなかった言葉だった・・・・・








健夜「カン」


閑無「は!?!?」



なんと・・・ 健夜は既に手牌に三枚揃っていた中を倒し、閑無の中を拾って4つ揃えて右角に叩きつけたのだ…!



閑無(は…? え…? 一体、な、何を・・・??)


思考がショートした閑無の前で、健夜の右手が嶺上牌をつかみ、綺麗な弧を描いた…



健夜「カン!」パシィンッ!


加槓…!

健夜、嶺上から引いてきた白を、既にポンしていた白3つに叩きつけ、さらに嶺上へと手を伸ばす・・・!


閑無(お・・・ おおおぉ・・・・!!)


 “『んぉ? だれだおめー、なんか用か?』”

 “『あ… あの…っ、 わ、私… 麻雀が大好きで…』”


閑無(… 慕…?)


閑無の脳裏に、初めて出会った時の慕の笑顔が浮かんだ。

そして…


健夜「カン!!」カシィンッ!!


さらに、健夜の手で引かれてきた最後の發が、またもや既に鳴かれていた發の刻子に叩きつけられる・・・


閑無(あ、あ・・・ あああっ、あ・・・?)


 “『はやっ 大丈夫かな?』”

 “『!! 出たなァ…ッ! 瑞原はやりっ!!』”


閑無(は… はやり…?)


健夜「カン!!!」ピシイィンッ!!!


健夜の… 四回目のカンの発声と共に、手牌からバラリと東が三枚倒れ、嶺上牌と共に白發中の上に滑り込んだ。


閑無(う・・・ はあああ、あ――・・・っ!)


 “『あなた麻雀やるの?』”

 “『お前もやんのか?』”

 “『やるのかって聞いてるの!』”

 “『…やんのかよ』ニッ”


 “『今まで… 手を抜いてたってことは?』”

 “『えっ? ・・・そんなの、閑無がいやがるからやるわけないでしょ』”

 “『……』”

 “『でも… 今回は自分だけのことじゃないから、“絶対に負けられない”っていう真剣さみたいなものは、いつもよりあったかもね…』”


閑無(悠彗…! 杏果・・・!!)


頭の中に走馬灯を巡らせる閑無の前で、小鍛治健夜はむんずと最後の嶺上牌をつかんだ。

と、その時・・・!


 ギャリギャリギャリギャリギャリィッ!!

 ビビビビビビビビビビビイィッ! バリバリバリバリバリバリイイィッッ!!!


優希「じょっ!?」

憧「あっ!?」


その瞬間優希と憧は、健夜の右手の五指の先からプラズマのような光が放射され…

その中で嶺上牌が凄まじい速度で回転しているのを見た。

そして・・・・・





 タアアアァンッ!!



嶺上牌の西が卓に叩きつけられると同時にバリバリと電流が卓上を駆け巡り、最後に残っていた健夜の手牌一牌がゆっくりと倒れた。



健夜手牌:西 ツモ「西」 カン「東東東東」「發發發發」「白白白白」「中中中中」



 シュウウウウウウウウウゥゥゥ~~~~~~・・・・!!!



健夜「ツモ・・・ 大三元・字一色・四槓子・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオォ・・・・・!!


健夜「役満。 48000の四本場は49200です」ゴォッ!!!


 ブッバアアァッ!!


優希「ひっ!??」

憧「あっ?」


悲鳴を上げる優希と憧…

卓上に鮮血が降り注ぎ、それぞれの手牌を真っ赤に染めたのだった。


 バタアアアァンッ!!!


鼻から大量の鼻血を吹き出しながら椅子から一度立ち上がった閑無は、そのまま卒倒・・・

白目を剥き、泡を噴きながら失神してしまった。


会場は… 一瞬水を打ったように静まり返り… その後、スタッフたちが慌ててステージへと駆け上がり、閑無を担架に乗せたのだった・・・



第一戦東四局四本場(終局)

東 健夜 54500→103700

南 優希 40000 
西 憧  25300
北 閑無   200→-49000(大明槓の責任払い)




1位 小鍛治健夜(準決勝進出)
2位 片岡優希 (準決勝進出)
3位 新子憧
4位 石飛閑無







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~国際フォーラム内・医務室~


慕「荒川さん! 大丈夫なんですか閑無ちゃんは?!」

憩「うんうん、心配せんでもだいじょーぶやで! 気絶しとるけどただの脱水症状と貧血やから~ぁ、そのうち目ぇ覚ますって!」


医務室に担ぎ込まれた閑無は、憩により点滴を刺され、ベッドに横になっていた…


はやり「まさか… 失神しちゃうなんて…」

悠彗「あの重苦しいオーラん中で闘い続けて、最後にトリプル役満ブチ当てられたんだもんな… 無理ないよ…」

杏果「……」


閑無「・・・ん?」パチッ

慕「あっ、閑無ちゃん?」

憩「おっ、目覚めたな! 石飛さん?気分はどないや? 気持ち悪かったりしませんかーぁ?」

閑無「ん… あ、え… ここ、どこだ…?」

はやり「館内の医務室だよ!」

悠彗「トバされた時に失神して… 担架で運ばれてきたんだよ」

閑無「え…」


閑無「そっか… 私は、また無様にトバされたんだな…」ハア・・・

慕「う、うん… ツイてなかったよね…」

悠彗「閑無… 仇は私がきっちり取ってやるからさ… 悔しいだろうけど、しばらくゆっくり休みなよ?」

はやり「私も、もし健夜ちゃんとまた対戦することになったら… 絶対負けないから!」


閑無「うるせーよ」


悠彗「へ?」


閑無「前にも言っただろ? お前たちは仲間だけど… 全員敵でライバルなんだよ」

閑無「自分のケツくらい自分で拭くさ。 お前たちはそんなこと気にしねーで、自分の闘いに集中しろよ?」

はやり「閑無ちゃん…」

閑無「てか、第二戦って、慕と悠彗出るんだろ? こんなとこで油売ってねーで、とっとと行ってこいって!」


ベッドの上で、青白い顔で仲間に出てくように促す閑無…


杏果「…そーだね。 大事ないみたいだから、みんな、会場に戻ろっか?」

慕「え、杏果ちゃん…?」

杏果「私たちがいたって騒がしいだけだもんね。 さ、戻ろ戻ろ?」スタスタ


くるっと背を向けて歩き出した杏果を… 他のメンバーもあわてて追いかける…


慕「じゃ、じゃあね閑無ちゃん」

悠彗「試合終わったらまた来るからね!」

閑無「おーう、二人とも負けんなよ」


 バタンッ


杏果「……」スタスタ


杏果は… 館内の廊下を歩きながら、5年前、中学一年の時の… 試合があった夜に突然いなくなった閑無を、宍道湖のほとりまで迎えに行った日のことを思い出していた。


宍道湖ほとりの公園―――

 “杏果『あれ(ボートでの事故)からもうすぐ5年か…』”

 “閑無『ちょっと気ぃ引き締めてーなーってときに、ここに来るんだよね』”

 “閑無『あのときはホント… 悪かったな… ガキすぎた』”

 “杏果『今でもあんま変わらんけどね』ププッ”

“閑無『そんな!!』ガンッ”


杏果「………」スタスタ


 “杏果『来週の個人戦までになんとかなりそうかい?』”

 “閑無『どーかな… でも・・・』”


 “閑無『もう二度と、無様にトんだりはしねぇ』”


杏果「…………」スタスタスタ・・・


杏果(わがままで… プライドが高いくせに、不器用で…)スタスタ

杏果(口はいつもデカいけど、失敗すると自分のことは棚に上げて周りに当たり散らす…)

杏果(それが閑無)

杏果(ま、今は多少マシになってはいるけどさ… ガキっぽさは変わりゃしない…)

杏果(今頃、私たちがいなくなったところで、一人でメソメソ泣いてんだろーな…)

杏果(でも・・・)

杏果(閑無が、ただただダメなままでは終わらないやつだってことは・・・ この私が、一番よく分かってる)

杏果(インハイに出る前… 閑無は周りに見せないようにしながら、誰よりも練習を頑張っていた…)

杏果(その努力があったからこそ、私たちは全国で決勝まで行くことができたんだ)

杏果(・・・小鍛治健夜・・・・)

杏果(はやりちゃんも、慕ちゃんも勝てなかった化け物…)

杏果(閑無にいたっては最早オモチャ…)

杏果(その閑無よりも弱い私が、相手になんかなるわけないけど…)

杏果(もし対戦出来たら… その時はただでは済まさない。 閑無を傷つけた報いを、受けさせてやる…!)ゴゴゴゴオオォ・・・


はやり(…? 杏果ちゃん、どうしたんだろう。 なんだか怖い…)






~阿知賀陣営~


憧「た、ただいま・・・」フラフラ

玄「……」

宥「……」

灼「……」

穏乃「あ、憧、おかえり…」

憧「… いやー… ははは、まいったまいったw なーんにも出来なかったよ私…」

綾「そ、そんなことないでしょ! あの小鍛治さんに満貫直撃させたんだから… すごいよ! 善戦してたよ!」

凛「そうだよ… いい記念になると思うんだけど…」

憧「記念って…w はあ… でも、本気で勝つつもりだったんだけどな、私…」ポロポロポロポロ・・・

桜子「あこちゃー…」


穏乃「憧も負けて… これで、うちらで残ってるのって、先生だけになっちゃいましたね…」

晴絵(高1)「だから先生はやめろって・・・まあいいか、もう・・」

玄「先生! 負けないで下さいよ!」

晴絵(高1)「ふん… 玄、お前私を誰だと思ってるんだ?」

玄「え?」

晴絵(高1)「私は高名なる“阿知賀のレジェンド”なんだぜ?」


 ソ、ソウデスヨネ!  センセイガマケルワケナイ!  ガンバッテクダサイヨセンセイ!!


晴絵(……)

晴絵(私の試合は第四戦… 対戦相手は朝酌の稲村杏果と、石戸霞、白水哩…)

晴絵(稲村はもちろんのこと… 石戸と白水の二人もとてつもない実力者みたいだ。 決して簡単な相手ではない…)

晴絵(でも・・・)

晴絵(この私を“先生”なんて呼んで慕ってくれるこいつらのためにも、負けるわけにはいかない…!)

晴絵(そして… 準決勝に進み、小鍛治健夜を、討つ…!)

晴絵(私は、今、人生の壁にぶつかっている… この壁を壊すには、それを成し遂げるしかないんだっ!!)カッ!







一方、清澄陣営では… 準決勝進出を決めた優希が戻ってきていたが、誰も「おめでとう」の言葉をかける者はいなかった…


優希「うっ、ううっ、ううううぅ…」ポロポロ・・・

まこ「優希… いつまで泣いとるんじゃ。 お前は2位で1回戦突破したんじゃぞ? 見事なもんじゃろが」

優希「に、2位も、4位も、変わらないじぇ… わ、私も、あいつの掌の上で、転がされてただけなんだじょ…」グスグス

優希「い、一体、“アレ”はなんなんだじぇ…? 一体私は、ナニと闘ったんだ…?」

和「優希…」

咲「優希ちゃん…」

マホ「優希先輩…」


久「優希、あなたちょっと、仮眠室行って寝てきなさい。 準決勝は明日だけど… 今のうちに頭と心を休めておいた方がいいわ」

優希「…そ、そんな、寝てたら、染谷先輩を応援できないじぇ…」

久「まこの試合は第七戦、夜になるまで始まらないから大丈夫よ。 ちょっと休んできなさい」

久「咲と和と、マホちゃんも、ついてってあげて? 良かったらあなたたちも少し寝てきていいわよ」

咲「あ、はい…」


久「……」

久(やれやれ… 小鍛治健夜が、まさかアレほどの人外だとは、さすがに思わなかったわ…)

久(どうなんのかしらね、この大会… 主催者として心配になってきたわ…)フウ・・・







~館内トイレ~


放送『第二戦に出場する選手の皆さん、試合を始めますので、そろそろステージ前までお集まり下さい』


慕「あ… まずい、急がなきゃ…!」ジャバジャバ


Sランク2位・白築慕(高3)は… 対戦相手でもある悠彗と曖奈と離れ、トイレで一人手を洗っていた…


慕「ふぅ…」キュッ

慕「閑無ちゃん心配だけど… とりあえず自分のことに集中しなきゃだよね…」フキフキ

慕「ま、対戦相手3人のうち2人は、部のメンバーだから、なんかあんまり緊張しないけど…」スッスッ


独り言を言いながら鏡で前髪を整える慕…

と、その時、



 ジャバアアアアァァ~~~・・・ ガチャッ!


?「ふ~・・・ スッキリしたぜ! 爽快爽快!!w」テカテカ

慕「ん?」


トイレの個室から、悟りを開いたかのような満ち足りた表情で現れたのは・・・

赤毛の、それはそれは残念なおもちをおもちの、目に逆三角のコントラストがある少女だった…


爽「ん…? お、あんた、白築慕じゃん!」

慕「へ? は、はい… あなたは… 獅子原爽さん?」

爽「オ――ッ! よく御存知で! こんなにお美しい方にワタクシメの名前を知ってもらえるとは・・・実に恐悦至極!!w」

慕「は、はあ… 獅子原さんも第二戦の選手ですよね。 さっき呼び出しの放送あったから、急いで行きましょうか」

爽「んー・・・ うん、うん、そうだけどさ…」キョロキョロ

慕「…?」


爽は… キョロキョロと周りを見渡して、人がいないことを確認すると… ずいっと慕を洗面台に押しつけるようにして体を寄せてきた。


慕(!? な、なに? ちょっと、近いんだけど…?)


身を固くする慕… それを見た爽は、ニッと口角を上げると、こう言ったのだった。


爽「ねえ、白築さんさぁ・・・」

爽「この試合、私と差しウマ握りません?」ニタァ


慕「え、差しウマ・・・?」

爽「そっ、知ってるよね? 麻雀の差しウマ」

慕「知ってるけど… 要するに、試合で負けたらお金を払うってこと?」

爽「いや、お金じゃないよ。 私が言ってるのは、この勝負に何か賭けませんか? ってこと」

慕「賭け…?」

爽「そっ! だって、ただ試合するだけじゃつまんないっしょ? こう、もっとハラハラドキドキ勝負を楽しむためにさ、どうですか?」

慕「・・・何を賭けるんですか?」

爽「ふふっ、そうだなぁー… もし白築さんが、私より点棒が少なかったらさぁ・・・・」


爽「    」


※爽のセリフ

1.「パンツを下さい!!」

2.「そのすばらなおもちを頂けませんかねw」

3.「今夜、私と二人で食事に行きませんか?(そこで酒を飲ませてムヒヒヒヒヒ…w)」

4.その他(セリフ併記)

(最も早く2票を獲得した番号で。 4の提案があったらそれでイキます)


爽「今夜、私と二人で食事に行きませんか?」ムヒヒヒ・・・

慕「え?」

爽「私が勝ったら、デートして下さいよ! 高級ホテルのディナーに連れてってあげますよ?」

慕「・・・二人でですか?/// あの、学校のみんなと一緒ならいいですけど…?」

爽「いや、それじゃデートになんないじゃないっすか! いいじゃん?ね、今夜だけ!!」

慕「… あの、じゃあ、もし私が勝ったら?」

爽「その時は、白築さんが言うコトなんでも一つ聞いてあげます!」

慕「…うーん……」

爽「ね、ねっ! お願い! お願い! お願い!!」ペコペコ


両手を拝むように合わせてぺこぺこ頭を下げる爽…

そんな爽を、慕は澄んだ瞳でジッと見つめ・・・


慕「じゃあ…」

慕「>>183

北海道産の毛ガニを送ってください


慕「北海道産の毛ガニを送ってください」

爽「へ? 毛ガニ?」

慕「はい、私こないだテレビで、北海道の食べ物の特集番組を見て…」

慕「毛ガニのすき鍋がすっごく美味しそうだったんです。 だから、私が勝ったらカニをくれませんか?」

爽「えっと… それはつまりOKってことね? 賭けにのるってことね?」

慕「うん…」

爽「いいぃやああああああああっっっふううううううううぅぅぅぅ――――――っっ!!! やったぜ!! ありがとうございます!!」

慕「…いや、別に感謝されるようなことは何も… だって・・・」


慕「私はあなたなんかに負けませんから」ボッ!






~試合会場~

14:50

 
 ザワザワ・・・  ワイワイガヤガヤ・・・・


 恒子『さあああああぁぁ皆さんお待たせしましたッ!』

 恒子『これより、本選一回戦の第二戦を始めたいと思います!!』

 恒子『まずは選手紹介からまいりますよぉ! 一人目は、こちらだアァ―――ッ!!』バッ


 恒子『ついにこの人が登場です! 総合ランキング2位! 10年前の世界より現世に舞い降りたる華麗なる麻雀シンデレラ!!』

 恒子『島根朝酌女子高校3年生! 白築いいいいいぃぃ・・・・・慕オオオオオオオォォォ―――――ッッ!!!』


慕「よろしくお願いしまーす! がんばります!」ニコニコ


 ウワアアアアアアアアァァ―――――ッ!!  シノチャアアァーンッ!! カワイスギダァッ!!  ガンバレェッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!!


 恒子『うおおこれはまた凄い声援と歓声ですね! かなりの人気です!!』

 恒子『第一戦で登場した石飛閑無選手のチームメイト、インハイ団体戦準優勝の立役者!』

 恒子『現在ドイツのヨーロッパリーグで活躍している白築プロですが… そのうら若き女子高生時代! 一体どんな闘牌を見せてくれるのか… 興味が尽きません!!』


 恒子『続きまして二人目はこちらァ!』

 恒子『ランキング10位! 「現在」の女子高生雀士の中では、チャンピオン宮永照に次ぐ実力者とされるこの人ォ!』

 恒子『北海道有珠山高校3年生! 獅子原あああぁぁ・・・・爽アアアアアアァァ――――ッッ!!』


爽「さー始めようかね! 血沸き肉躍る麻雀バトルをよ!!」


 サワヤサン!  サワヤー!テメーハジサラスンジェネーゾォ!!  ガンバッテクダサイ! サワヤサン!!  パチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!


 恒子『今年のインハイで初出場にしてベスト8まで駒を進めた南北海道有珠山高校の絶対的エース!!』

 恒子『そのポテンシャルの高さはまさに未知数!! あの戒能良子と並び称されるオカルトデパートな彼女は、10年前の猛者たちを相手にどんな対局を見せるのか?』


 恒子『そして三人目はこの人ォ!』

 恒子『ランキング19位! インハイ準優勝の朝酌女子のメンバーを鍛え上げたというグランドマスター!!』

 恒子『朝酌女子高校3年生! 森脇いいいいぃ・・・・・曖奈アアアアアアァァァ―――――ッッ!!』


曖奈「ふふ、お手柔らかにねぇ♪」


 アイナサーン!ファイトオォッ!!  シンノレジェンドォ!  カクノチガイミセテクレエェッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!


 恒子『対戦する白築慕は彼女の後輩! 試合での直接の対戦も多くあり、後輩たちにほとんど負けることがなかったという実力者!!』

 恒子『インハイ準優勝を果たした5人のメンバーに比べればネームバリューは劣るかもしれませんが、その強さはホンモノ! 後輩たちの壁となって立ちはだかるのか――?』


 恒子『そしてそして最後はこちらァ!!』

 恒子『ランキング20位! 2位の白築慕選手とは小学生の時から交流があり、やはりあのインハイ準優勝を成し遂げたレジェンドの一人!!』

 恒子『腰まで伸びた長い緋色のツインテールが美しいっ! 朝酌女子高校3年生、本藤ううううぅぅぅ・・・・悠彗エエエエエエェェェ――――ッッ!!』


悠彗「曖奈さんにも慕にも負けないよ!!」


 ユエチャアアァ――ンッ!!  ツイニキタァ!  ココカラハユエノジダイダゾォッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!


 恒子『幼少より森脇選手に麻雀の腕を鍛えられた一番弟子的存在! 白築選手や石飛選手とは何度か試合で対戦したことがあり、チームメイトであり良きライバル!!』

 恒子『果たして今日は師匠・仲間越えなるのか? 注目ですっ!!』


 恒子『以上! 四名の少女たちに卓を囲んで頂きます! 激戦必至ぃ! 一回戦第二戦、スタートですっ!!』


※4人の能力については>>132を確認して下さい。 その他諸々のルールは>>42>>44>>45






~実況室~


恒子「さてさてということで始まりました一回戦第二戦…!」

恒子「解説は引き続き、第一戦でチート過ぎる強さをこれでもかと見せつけてくれた小鍛治健夜プロです! よろしくお願いしますね!!」

健夜(27)「はい、よろしくお願いします」

恒子「おろ? 第一戦を始めた時よりシャキッとしてますねぇ… なんかあったの?」

健夜(27)「いや、別に… 自分の試合が終わってくれたから、ちょっと気が楽になっただけだよ」

恒子「そうですか… しかしまあ、先ほどの第一戦は凄絶な試合でしたねぇ… この私ですら言葉を失いましたもの!」

恒子「南四局まで回らないだろうという小鍛治プロの予測でしたが、実際には東四局での小鍛治選手の怒涛の四連続和了で南場にさえ回りませんでした… しかもまさかトリプル役満まで飛び出すとは!」

健夜(27)「も、もうそれはいいでしょ? ほら、場決め始まったよ!」


※場決め

慕→>>192

爽→>>193

曖奈→>>194

悠彗→>>195

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

はい


第二戦場決め
東 悠彗(50)←秒の数が慕より大きい
南 慕 (50)
西 爽 (31)
北 曖奈(15)

     爽
     (西) 
   ―――――

   |   |
 曖奈|   | 慕
 (北)|   |(南)
   |   |
   ―――――

     悠彗
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順だが、慕の「プリマヴィント」は南3局から以外では発動されないので、この局では「曖奈→爽→悠彗→(慕)」の順になる。

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「慕→悠彗→爽→曖奈」。

※また、基本和了率は「慕35%、爽25%、曖奈20%、悠彗20%」。


恒子「決まりましたね! 起家は本藤選手!!」

恒子「さあそれでは小鍛治プロ・・・ この第二戦はどんな展開を予想されます?」

健夜(27)「うーん… 4人中3人が朝酌のメンバーですからね。 勝手知ったる者同士、やっぱり少しやりにくいんじゃないかと思います。 自分の打ち方を知られちゃってますからね」

健夜(27)「その点、獅子原さんは周りの打ち筋を知らないという点では不利だけど、自分の力も周りには知られてないでしょうから、そこは有利ですよね」

健夜(27)「まあ獅子原さんはやっぱりインハイの時みたいにいろんなことやってくるだろうから… それに対して他家3人が上手く対応できるか、が、この試合の肝になるような気がします」


恒子「Sランク2位の白築選手とは、すこやん高校時代に一回対戦して、勝ってるんだよね?」

健夜(27)「そうだけど… プロになってからも何度も対戦して、その時は私もかなりやられたよ」

恒子「へ? すこやんって“国内無敗”なんでしょ? 負けたことあるの?」

健夜(27)「いや、それは… 一応プロの試合でマイナスになったことがないから、ああいう風に書かれてるだけで… 麻雀なんだからいつでも必ずトップを取ってきたわけじゃないよ」

健夜(27)「慕ちゃんは本当に強いから。 何よりも精神性が高いです。 どんな逆境でも麻雀を楽しむ人です。 そして、牌がまるで彼女を慕い寄り添うようにして集まってくる… まさに元祖牌に愛された子ですね」

恒子「ほほお… すこやんがそこまで言う白築慕選手… そのライバルの本藤悠彗選手は?」

健夜(27)「本藤選手といえばとにかく染め手。 私もいろんな雀士を見てきたけど、この人ほど染め手作りのセンスの高い人は他にいません。 インハイでもはやりちゃんや慕ちゃんに負けず劣らずの活躍をしてましたからね、強いですよ」

健夜(27)「その二人の先輩の森脇選手は、非常に守りが固く、攻めも速い… 比較的鳴きが多いみたいだけど、あらゆる状況に柔軟に対応できるオールラウンダータイプだと思います」

恒子「なるほど… それぞれが強い個性を持った雀士なわけですね! さあ、実際にはどのような試合展開になるのか…? 場決めも終わり、いよいよ東一局、スタートです!!」


【東一局 親:悠彗】


悠彗・慕・爽・曖奈「「「「 よろしくお願いします!!!! 」」」」


 チャッ、パシッ、タン・・・  チャッ、パシッ! タンッ・・・・


挨拶、配牌…

静かに牌を操作し始めた四人の少女…


悠彗(よーっし起家…! しかも鳴きが多い曖奈さんの下家。 ベストポジションだね!)チャッ、タン

慕(ふふ… カニもらったら、家にみんなを呼んでカニ鍋パーティーやっちゃおっと♪)チャッ、パシッ

爽(白築ちゃんの下家… ふふん、鳴きを多くすれば、ツモ数を削って有利に進められそうだぜ…!w)チャッ、タン

曖奈(上家の赤毛の子… 話ではとんでもないオカルト使いだっていうことだけど… 何をしてくるのかしら…?)チャッ、パシッ


3巡目

曖奈「チー」パシィンッ→「二三四」

爽「ん」


5巡目

曖奈「チー!」カシィンッ!→「六七八」

爽「う…?」


 恒子『東一局! 一歩リードしたのは北家森脇選手! 二鳴きで早くもテンパイです!!』


爽(ち… なんだ? 染め手か、ただのタンヤオか役牌か…)

悠彗(ちょっと…! 曖奈さんにそんな簡単に鳴かせないでよ! 私の親が流れちゃうでしょ!?)

慕(曖奈さん… やっぱり卓につくと、怖い…)


曖奈「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオォ・・・


・和了者 ※曖奈の「クレイムフラッシュ」発動
>>201コンマ以下
01~70→曖奈
71~80→悠彗
81~90→慕
91~00→爽

・和了点>>202 (打点表>>44

07曖奈 52満貫ツモ


曖奈「ツモ」トン


悠彗「うっ」ビクッ
爽「なっ?」
慕「……」


曖奈「タンヤオ三色ドラ2・・・ 満貫8000」パララァ・・・


曖奈手牌:②③④3488 ツモ「2」 鳴き「二三四」「六七八」 ドラ[8]


 恒子『決まりました! 第二戦最初の和了は森脇曖奈選手の満貫ツモ!!』

 恒子『まるでこれくらい朝飯前だとでも言わんばかりに、6巡目であっさりツモ和了りましたァ! たった一回の和了で、大物の香りがぷんぷん漂ってきます!!』

 健夜『他家の状況もきっちりチェックしながら、肩の力を抜いて素直に手を進めていますね。 さすがです』


悠彗(ああ、もう、私の親が・・・)ウウゥ・・・

爽(ちょ、はええなおい… なんだこのタレ目は?)

慕(まずいまずい、カニのことなんか考えてる場合じゃないよね…)

慕(気を抜いたら一気に持ってかれちゃう。 曖奈さんに、私が成長したとこ… 見せないと!)カッ


第一戦東一局

東 悠彗 30000→26000   
南 慕  30000→28000  
西 爽  30000→28000 
北 曖奈 30000→38000


本日ここまでなのよー
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙です
閑無ちゃんが無茶苦茶心配ですが
先に進めた優希ちゃんはもっと心配です
次戦牌を握れるのか?
その鍵は晴ちゃんが握って居ると思うのですが
如何でしょうかね?

おもんな

乙あざす
まったり進めてくにょ

>>215
優希が牌を握れなかったら久たちみんな困る… もしそうなったら憧が繰り上がり?
能天気な子だから寝れば復活すると思ってたんだけど、ちょっと不安になってきた。 今んとこどうなるかよく分かりません

>>216
つまらない思いをさせてしまってごめん
不満に思う点や良くないところなど、もし良かったら指摘してね
なるべく改善する

>>203一部訂正↓
×第一戦東一局
〇第二戦東一局


【東二局 親:慕】


 ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤガヤ・・・・


 恒子『さァ、場は東二局へ! 森脇選手一歩リードの状況ですが… 次に和了を決めるのは果たして!誰かァ!?』 


4巡目

慕「……」チャッ…

慕(あ…来た。 イッツーの一シャンテン…)


慕手牌:122一ニ三四五七九③③⑥ ツモ「八」


慕(うーんどうしよ。 萬子に染めるのはちょっと遅いかな…?)


 恒子『おっと白築選手! カンチャンズッポシで早くも一シャンテンですッ!!』

 健夜『これは… 染め手への移行も視野に入ってきたんじゃないですかね』


慕「… 失礼…」


慕、少考に入ることを他家に軽く伝え、左側の悠彗の捨て牌を横目で確認する…


悠彗捨て牌:9二4七


慕(まだ4巡目だから確定ではないけど、悠彗ちゃんは多分筒子の染め手狙いだな…)

慕(何しろ悠彗ちゃんは和了りの8割以上が染め手。 手牌にある字牌と偏ってる数牌を集める力があるんだよね…)

慕(その火力とスピードは脅威だけど、染め手である以上手がかなり読みやすい…)

慕(それに、悠彗ちゃんに筒子が集まるのなら、その分山に圧縮が効いて、私は萬子と索子をツモりやすくなる)

慕(悠彗ちゃんは萬子をつかんだら全部場に出してくるはずだし… つまり六萬を鳴いて鳴きイッツーにしたり、チンイツに持って行ける可能性も低くはない、はず…)

慕(さてさて方向性を決めなきゃだね。 どうしようかな…?)


※どうする?

1、六萬が出たら鳴いて、イッツーを確定させて早和了りを目指す(打点は>>44のままだが、和了率が15%アップする)

2、鳴かずにジュンチャン三色を狙ってじっくり手作り(打点が1ランクアップするが、和了率はそのまま) ※慕は常時発動系の「フォーゲルセット」があるため、実質打点は2ランクアップする

3、鳴かずにチンイツへの移行を狙いながら手作り(打点が3翻・満貫・ハネ満に限定される。 和了率は15%アップする)

※最も早く「3票」を獲得した番号でイキます(基本和了率は「慕35%、爽25%、曖奈20%、悠彗20%」)

1→鳴き速攻

慕(う~む……)モンモン

爽「…おいおい白築ちゃん、考えたって手が良くなるわけじゃないっしょ? 早く切ってよ」

慕「あ、ごめんね」タンッ→「六筒」

曖奈「ポン」カシィンッ→「⑥⑥⑥」

慕「う」


さらに次巡

曖奈「チー」パシィンッ→「567」

爽「…ちっ」


慕(曖奈さんがまた二鳴き… テンパイかな?)

慕(獅子原さんも赤五索を切ってきたってことは、多分かなり手が進んでる…)

慕(ここはやっぱり、鳴けたら鳴いて、速攻で和了って連荘にかけよう)

慕(…悠彗ちゃん、出してっ! 六萬・・・!)


悠彗「……」


7巡目…

悠彗「…」トンッ→「六萬」

慕(来たっ!!)

慕「チー!」パシィンッ!→「四五六」

悠彗(ん… 慕も鳴いてきた。 安和了りの連荘狙い?)


しかし9巡目…

 恒子『さあぁ! ここで獅子原、森脇、本藤の3選手がテンパイ…!』

 恒子『白築選手は2巡前に一度テンパイし、早和了り狙いと思われたのですが… どうも手変わりを狙っている模様です。 一シャンテンに戻しています!』

 健夜『2巡前はまだイッツーのみのペンチャン三索待ちでしたから、待ちも良くて打点も高い方へと移行しようとしてますね…』

 健夜『慕ちゃんらしい打ち方だけど、果たして吉と出るか、凶と出るか…』


慕(ドラが入った…! コレを抱えて… 絶対和了る!)


賭けに出た慕…

そして13巡目…!


?「〇×!!」


>>227コンマ以下(和了者)
01~50→慕
51~70→爽
71~85→曖奈
86~00→悠彗

打点
>>228コンマ以下(打点表>>44) 

うぃ

81曖奈 14二翻ツモ


曖奈「ツモ」ドッ

慕「…!」

曖奈「タンヤオドラ1、500・1000」パララァ・・・


曖奈手牌:三四五六七66 ツモ「二」 鳴き「⑥⑥⑥」「567」 赤ドラ[5]


 恒子『おっと! 全員テンパイに到達していましたが、和了り切ったのはまたもや森脇選手!』

 健夜『他家3人もホンイツ、チンイツ、ジュンチャンなどテンパイしていましたが、潰されてしまいましたね』


慕(親っかぶり… 今回は失敗か。 でもまだまだ、次頑張るよ…!)


第二戦東二局

 
東 慕  28000→27000  
南 爽  28000→27500 
西 曖奈 38000→40000

北 悠彗 26000→25500 


【東三局 親:爽】


曖奈「……」ゴゴゴゴゴオオォ・・・


爽(むぅ… またこのタレ目のねーちゃんの和了支援しちゃったよ…)

爽(対面の本藤さんがやたら睨んでくる…)

爽(森脇さんは鳴きの速攻が得意なのか。 ちょっと、捨て牌にも気を使わないとだな)


 サワヤサンガンバッテー!  ナニヤッテンダサワヤァ!!  シッカリシナサイサワヤ!!  サワヤサンココカラデスヨ!!


爽(ふんうるせーな、分かってんよ、ここまで置き物になっちまってんのはよ)

爽(連れてきてるカムイもそこまで多くはねーから、温存してたけど…)

爽(親だしな! 白築ちゃんも南3局からがつえーみたいだし、ここで稼いでおかないとまず勝てない・・・ よし!)

爽( やるしかないか!! )ブワァッ!!


曖奈「!」
悠彗「ん?!」
慕「…!」


※爽のステージ系能力4種から、使いたいのを一つ選んでレスして下さい↓ 最も早く「3票」を獲得した番号でイキます

1.「赤い雲」
他家に数牌を寄せることで、自分に字牌が集まる。
和了率70%。和了れば1ランクアップの役で和了れる。

2.「白い雲」
索子を集める。
和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

3.「パコロカムイ(寿命の支配者)」
特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

4.「フリカムイ」
自風以外の風牌を集め、70%の確率で鳴きホンイツ(満貫以上)を和了

4フリカムイ


爽(オタ風の北、西、南が一つずつある。 ここは、思い切って・・・)

爽( フリカムイ!!! )ブワアアアアァァ・・・!!


フリカムイ召喚…! 爽の背後に、巨大な怪鳥が出現する…!!


曖奈(あら… 攻めてきたわね)

悠彗(ひ…? な、何アレ? 鷹みたいなバカデカイ鳥が見える…!)

慕(ん…! すごい風。 これが、獅子原さんの能力…?)

慕・・・どうもSだけど負けそうよね


~実況室~


健夜「あ… 出ましたね」

恒子「はい? なんですか?」

健夜「獅子原さんが、親番なのでいよいよ仕掛けてきました。 あれは・・・“フリカムイ”ですね」

恒子「フリカムイって… 獅子原さんがインハイ準決勝で使った能力の一つ?」

健夜「うん。 アイヌ民族の間で伝説として言い伝えられてきた、人の何倍もある怪鳥… その羽ばたきで起こされた突風は、木々や家々を吹き飛ばすほどの力があったそうです」

恒子「へえ…? てことは、臨海の雀選手の“風神”みたいに、自風を呼び込むことができるんでしょうか?」

健夜「あ、いえ、配牌時から常に自風や場風を呼び込む雀明華選手とは違い… 手牌に“自風以外の風牌”が来た時、それをさらに呼び込むことができるみたい」

恒子「自風以外の風牌…? つまりオタ風ですか。 なんかややこしい能力ですね?」

健夜「いえいえ、普通自風場風以外の風牌なんて、早々に切ってしまうことが多いですから… それを呼び込むことができるのは大きいよ?」

健夜「状況次第で染め手やトイトイを簡単につくれます。 速度も火力も兼ね備えた恐ろしい能力ですよ」


 爽『ポン!』


健夜「あ、早速・・・来ましたよ!」

>>237
はやり(18)「なんだって? 慕ちゃんは負けないよ!☆」


~会場~


4巡目

悠彗(ん…? 獅子原さん、一筒をポン… なんだろ、チャンタ?)


 恒子『む! 獅子原選手、どうやら筒子のホンイツを狙っているようです。 あれ? いつの間にか南西北が全部対子になっています!?』

 健夜『3回連続でオタ風を山から引いてきましたね… まだまだ集まりそうですよ』


爽「それもポン!!」カシィンッ!→「西西西」

慕(え? オタ風を鳴いてきた…? ホンイツかな?)


爽「…」トンッ→「七筒」


慕(筒子出してきた… もしかしてホンイツテンパイ?)

慕(まずい… 親に和了らせるわけにはいかない!)チャッ


そこから2巡経過・・・

卓上に鳴り響く声!


?「〇×!!」


>>242コンマ以下(和了者)※爽の「フリカムイ」発動
01~70→爽
71~80→曖奈
81~90→悠彗
91~00→慕

打点
>>243コンマ以下(打点表>>44) 

11爽 25満貫ロン(3の倍数+1なので対面悠彗から出和了り)


爽「それロンだッ!!」カッ

悠彗「い゛っ!?」=3

爽「うぇひひ…ww ホンイツ・トイトイで満貫12000だっ!!」ザンッ!


爽手牌:⑥⑥南南北北北 ロン「⑥」 鳴き「①①①」「西西西」


悠彗(あちゃっ、ヤラれた…! チャンタ系かと思ったら、トイトイだったんだ…)

悠彗(⑥⑥⑦の状態からノータイムで七筒切って、リャンメンじゃなくシャボ待ちで受けたのか… くっそ、思い切るね…)

悠彗(てか、オタ風8枚も揃えてのホンイツなんて、殆ど見たことない… まだ役牌もドラも無かっただけ、マシか…)


 恒子『獅子原選手親満和了! 染め手の達人の本藤選手から逆に出和了りを取ってみせました!! これでトップに500点差の2位ですっ!』


爽「よし・・・一本場だッ!」チャッ!


第二戦東三局

   
東 爽  27500→39500 
南 曖奈 40000

西 悠彗 25500→13500 
北 慕  27000


【東三局一本場 親:爽】


 揺杏「よっしゃ! 一発決まったぜ!」

 成香「素敵です!」

 誓子「本当はホンローも複合させたかったんだろうけど… まあ親満和了れれば上出来よね」

 ユキ「爽さんは火力がありますから… ここは一気に突き放すチャンスですね」


配牌…

爽「~~♪」カチャカチャ

曖奈(やられた… 今のがオカルトの一つってわけね… 風牌を集める力だったのかしら?)カチャカチャ

悠彗(まっずいなー… 早く取り返さないと…)カチャカチャ

慕(ううぅ、カニが、遠く・・・)カチャカチャ


※一本場なので能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>247コンマ以下
01~33→爽
34~66→曖奈
67~00→悠彗
 

ああ

98悠彗

悠彗(ん…よし! 配牌で索子と字牌が合わせて10牌…!)

悠彗(いいカンジだね… ふふっ、さっきは獅子原さんに一本取られたけど…)

悠彗(度胆抜いてあげるよ…! 見てなさい、染め手の真髄ってヤツを魅せてあげるから!!)カッ


“ボオオォ~~~・・・・・”


爽「ん?!」


悠彗の紫色の瞳が、ランランと輝き… 背中からゆらゆらと水蒸気のようなモノが立ち上り始めた。


慕(! わ、今度は悠彗ちゃんか…)

慕(使うんだね・・・ あの“腐一色”を!)

今日はここまでにします
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ

ちょっと今日は一部、本来ならRで書くべきような過激な描写があるので、気分を悪くしないように気をつけて下さい、マジで


【東三局一本場 親:爽】


悠彗「・・・・・」ズモモモモモモモオオォ……!!


爽(ん…? なんだ? 対面の本藤さんが、妙なオーラを…)ピクッ


…獅子原爽と言えば、全国でも五指には入ろうかという魔物中の魔物……

インハイで個人戦にも出場した爽は、勿論、全国のありとあらゆる化け物雀士たちと闘った経験があり、様々な“異能”を目にしたことがあった。

しかし… この時、本藤悠彗に立ち現れたオーラは、今までに見てきたどんな異能とも雰囲気が違っていた。


爽(ぐお…! な、なんか、すげー嫌な予感がする… 気持ちわりぃ…!)ゾクゾクゾク・・・


背筋に鳥肌が立つのを禁じ得ない爽…

しかしそれも当然、爽はこのあと、卓に座ったことを後悔するほどの凄絶な地獄を見ることになるのだった…


~実況室~


 “ズモモモモモモモモモモオオオオォ・・・・・!!”


恒子「おや? これは・・・?」

恒子「なんだか、本藤選手の様子がおかしいですね。 体からなんか湯気みたいなモノが立ち上り始めましたよ…?」

健夜「体温が上昇していますね。 これは… ちょっとマズいかもしれません」

恒子「え? マズい?」

健夜「どうやら… 本藤選手は、ある意味、私や戒能さんを凌駕するほどの恐ろしい能力を持っているようです…」

恒子「え、えぇ・・・!? すこやん以上!? ウソでしょ!??」

健夜「いや、一言で“能力”と言っても色んなモノがあるからね… 本藤さんのは多分、“洗脳型”の能力… 免疫が無い人にとっては、ちょっと厳しいかもしれませんよ…」

恒子「洗脳型…??」


~会場~


  ザワザワ・・・  ガヤガヤザワザワ・・・・


 はやり(18)「! あ、悠彗ちゃんが…!」

 杏果「うん… どうやら、ここで使うみたいだね」

 はやり「悠彗ちゃんのアレはキツイよねぇ… 慣れちゃえば大したことないんだけど…」

 杏果「……」


杏果は、この時… 自身が小学6年生の時、初めて全小の県予選に出場した時のことを思い出していた。

この時、一年前の夏に海水浴に行った美保関で初めて出会った本藤悠彗と再会… その時、悠彗がとんでもないことを口走ったのだ。


 “耕介『慕! ドリアンジュース買ってきたぞ!』”

 “慕(小6)『ありがとう…!』”

 “周藤『お、おい、リチャ! お前、姪に毒を!?』ヒキ”

 “耕介『盛らないよ? ドリアンは毒じゃないよ?』”

 “周藤『何その口調w』”

 “耕介『慕の影響かな… 俺もドリアンは無理だけど』”


慕の応援にやって来た耕介と質屋周藤… その3人のやり取りをジーッと見ていた悠彗が、こう呟いたのだ・・・


 “悠彗(小6)『あの二人・・・ デキてんの?』”


 “閑無(小6)『い、いや、慕の叔父さんだぞ?』”

 “杏果(小6)『………』”


杏果(あの時… 私と閑無は悠彗ちゃんが、慕ちゃんと耕介さんが“デキてる”って言ってんのかと思って、何あぶねーこと言ってんだコイツ…、って思ってたんだけど…)

杏果(実は悠彗ちゃんは、慕ちゃんのことは全然眼中になかったんだよね)

杏果(そう、あの時悠彗ちゃんは・・・)

杏果(耕介さんと質屋さんの二人に、熱い視線を送っていたんだ)


杏果(悠彗ちゃん… あの後、私たちは朝酌の特待生として寮に入って一緒に暮らすようになったわけだけど…

杏果(そこで初めて、悠彗ちゃんの常軌を逸した本性を知った時は、マジで戦慄したよ…)

杏果(そう、悠彗ちゃんは・・・)

杏果(“腐女子”・・・ つまり、男同士のガチな恋愛に興奮する腐った性癖の持ち主だったんだ)


杏果(悠彗ちゃん… 黙ってれば物凄く可愛い子なのに、その脳内は実はヌカ味噌のように発酵してしまっている… まさに発酵の美少女…!)

杏果(そして恐ろしいのは、悠彗ちゃんは自分だけでなく、そのボーイズラブの腐った性癖を周りに伝播させる力が物凄く強かったんだ…)

杏果(私の同級生も、何人か悠彗ちゃんの毒牙にかかって、まるで瑞々しい無垢な野菜がヌカ味噌に漬けられて臭い漬け物に変わってしまうように、脳内を犯されてしまった…)

杏果(私やはやりちゃんも、あと一歩で脳内を腐一色に染められちゃうとこだったよ)

杏果(いや… 悠彗ちゃんのとんでもない妄想に免疫が出来てしまったってことは、私たちも既に半分腐に染められている… 腐ホンイツみたいな状態なのかもしれない)


杏果(そう、つまり、悠彗ちゃんのあのオカルティックな染め手作りの能力は、彼女の限りなきボーイズラブへのイカれた愛が源泉になってる…)

杏果(普通に自然体にしてるだけでも、十分その染め手の能力は強いんだけど、悠彗ちゃんは一半荘で2~3回ほど、“本気”になる… つまり脳内で男たちが〇×△してるとこを妄想しながら打ってくる)

杏果(その時の悠彗ちゃんの染め手作りの力はハンパない。 アッという間に手牌を腐らせるかのように染め手をテンパイしてしまう…!)

杏果(そして、何よりも厄介なのが・・・)

杏果(あのハイパーモードに入ってしまうと… 恐ろしいことに、同卓している他家の脳内にも悠彗ちゃんの過激な妄想が流れ込んでしまうんだ…!)


悠彗「ポン!」カシィンッ!→「發發發」


 恒子『! 本藤選手3巡目で役牌を鳴きました! アッという間にホンイツ一シャンテンです!!』

 健夜『いや、これは・・・ただの役牌ホンイツでは終わらないかもしれませんね』


悠彗「・・・ ぐひっ、 ぐぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇ・・・・www」ニタニタニタ


爽(な、なんだ…? 気持ちわりーなこいつ… いきなりキャラが変わりやがった…?)

爽(ナニ考えてんだ一体・・・  ん!??)


この時… まるで侵食して犯すかのように、恐るべきモノが爽の脳内に入り込んできたのだ…!


爽(ぐっ?!? オオオオオオォォ…!? こ、これは・・・!!)


 “周藤「おい、リチャ… いいだろ? 今夜・・・///」ズモモォ…”

 “耕介「す、周藤…! そんながっつくなよ… 慕が上で寝てるんだぜ?」”

 “周藤「起きやしねーって…! 俺、もう我慢できねーんだよ…!」ツツー…”

 “耕介「あっ、 ん・・・///」”


耕介の首筋を、周藤のザラリとした舌が伝うと、耕介は身をよじらせて切なそうな声を上げた。


 “周藤「ふふ… なんだよ、お前だってもうカタくなってんじゃねーかよ…!」サスサス”

 “耕介「おぅふ…!///」”


耕介の股間を、周藤の右手がさすり上げる・・・ 

既に盛り上がっていたソコは更にムクムクと隆起し始め… ズボンを突き破らんばかりに張りつめていた。


 
爽(なっ! なんだ・・・?? どーなってんだコレ、一体・・・??)


 チュパァッ  ジュル・・・  レロレロ、クリクリクリ・・・・


 “耕介「んっ、あっ、ふううぅ・・・ん・・///」”

 “周藤「はぁっ、はぁはぁはぁ……」ペロペロペロ”


お互い上半身裸になった二人の男は、リビングのソファの上で秘密の情事を始めた。

周藤が耕介の股間をさすりながらそのサーモンピンクの乳首を責めると、耕介は手の甲を口に当てて頬を赤らめる…


 “周藤「クク…w かわいいぜ、リチャ…!」ペロォー…”

 “耕介「ぁん…/// す、周藤…!///」”


徐々に快楽に引きずりこまれ、艶っぽい声色をあげて吐息を漏らす耕介…

周藤は頃合いと見て、自分のベルトをはずし… ズボンとトランクスを一気に脱いだ。


 ビィィンッ!!


周藤の股間からまろび出たその黒々とした肉棒は、天井に向かって隆々と反り上がり、その威容を示していた…



爽(あっ、あひょえええぇ・・・??! ナンダヨコレマジで!?!)=3

爽(勘弁してくれよ…! 目をつぶっても頭ん中に直接映像が浮かんできやがる…!!)


悠彗「ポン!!ww」カシィンッ!

爽「!?」


脳内に流れ込むBL映像に苦しみながら、爽が八索を捨てると… 対面の悠彗が即座に鳴いた。


 恒子『5巡目! 本藤選手二鳴きでついにホンイツテンパイですッ!!』

 健夜『いえ、これは、ただのホンイツではありませんよ…!』

 恒子『すこやん?』


悠彗「グフォッ!  グヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョオオォ・・・ww」ニタニタ

曖奈「……」チャッ、タンッ

慕(ちょっともう… 悠彗ちゃんまた叔父さんと質屋さんで妄想してるの…? いい加減にして欲しいなぁ…)チャッ、タンッ


この時… 爽だけでなく、曖奈と慕の脳内にも男の宴の映像が送り込まれていたのだが、二人は既に免疫があるため、ダメージは殆ど無かった。


爽(こ、このぉ… キモい映像のせいで集中できねぇ…!)ハアハア

爽(対面の女… テンパイか? 發と八索を鳴いて、捨て牌に索子がねぇ… ホンイツ…? あっ、いや、これは、もしかして・・・)


爽( 緑一色?? )


悠彗「ウィヒッ!!  ドゥヒヒヒヒヒヒヒヒヒイイィ・・・ww」ニヤニヤ


悠彗手牌:??????? 鳴き「發發發」「888」


爽(・・・もし、緑一色をテンパイしてて、和了られでもしたら・・)

爽(私は親だから、ツモでも-16000… 振り込みでもしたら-32000で一気に一万点以下にまで点棒が減っちまう…!)


爽は、急いで卓全体の捨て牌を確認してみた。


爽(緑一色で使われる牌は發と索子の2、3、4、6、8索のみ…)

爽(6索と4索が一つ… そして2、3索はそれぞれもう二つずつ河に出てる…)

爽(緑一色は、多分、無い・・・と、思うけど・・・)

爽(万が一が絶対ないとは言えねーな…)


6巡目…

悠彗(ふひひ…w やっぱりこの二人は最高だよ…! ほら質屋さん! 早くそのギンギンに勃起したリーチ棒を、リチャさんのお尻の一筒にブチ込んでよっ!ww)


悠彗手牌:666???? 鳴き「發發發」「888」


爽「……」チャッ

爽(うっ! やっべ…!)


爽、ここで危険牌の二索をつかむ…!


爽(…とは言っても、私が今作ってるのは筒子のホンイツ…)

爽(二索なんか抱えてたら、テンパイもままならねぇ…!)

爽(くそっ、ここは・・・・)

爽(捨てるっきゃねーんだよっ!)タンッ!


爽、二索を強打・・・

その、刹那!!


?「〇×!!」

爽「ゔぃっ?!」


>>273コンマ以下(和了者)
01~70→悠彗(腐一色発動)
71~80→慕
81~90→爽
91~00→曖奈

打点
>>274コンマ以下(打点表>>44) 

59悠彗 84倍満ツモ


曖奈「チー!」パシィンッ!→「234」

爽「ゔぃっ?!」


 恒子『おっと! ここで森脇選手が喰いタンをテンパイ! 本藤選手に追いつきました!!』


曖奈(悠彗の染め手… 今回は大きい。 間に合うかしら…?)タンッ


和了させるものかと必死の追い上げをみせる曖奈・・・

しかし、その直後、悠彗のしなやかなツインテールがゆらめき、男たちの快楽の喘ぎ声が響き渡ると同時に、その牌は卓に叩きつけられた。


悠彗「ツモォ!! 腐いっしょ・・・じゃない、發・白・ホンイツトイトイドラ2・・・・」ゴゴゴゴオォ・・・

悠彗「倍満! 4100・8100です!!」ニコォッ!!


悠彗手牌:6669白白白 鳴き「發發發」「888」 ツモ「9」 ドラ[9]


 ウワアアアアアアァァ―――ッ!!  サスガユエチャンッ!  オミゴトォッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!! 


 恒子『き、決まりましたァ!! 本藤選手の役牌ホンイツトイトイが炸裂ゥ!!』

 恒子『ドラ単騎に受け、見事に一発で当たり牌を引き和了ってみせました! さすがは随一と言われる染め手のスペシャリストォ!!』


曖奈「はあ、止められなかったわねぇ…」

慕(悠彗ちゃん… その妄想だけやめてくれれば、すごくカッコイイのに…)

爽(ちっ、親っかぶり… でもまだ私は2位だ! こっからが勝負だぜ…!)


しかし… 本藤悠彗のターンは、実はここで終わりではなかった。

これはただの序の口… 南場でさらなるBL地獄を味わうことになるなどとは、この時の爽は知る由もなかった…


第二戦東三局一本場

   
東 爽  39500→31400 
南 曖奈 40000→35900

西 悠彗 13500→29800 
北 慕  27000→22900


【東四局 親:曖奈】


配牌…

曖奈「……」カチャカチャ

慕(さあ来ちゃった。 曖奈さんの親番… とにかく連荘だけはされないように、早く流さないと…)カチャカチャ

爽(タレ目ちゃんの親番か。 鳴かれねーように気をつけないとな…)カチャカチャ

悠彗(慕はまくれたけど、まだ3位… この程度じゃ全然足りない…)カチャカチャ

悠彗(さて配牌は・・・ ん?)

悠彗(よし、この手なら… >>279を狙っていこうかな!)


※悠彗が狙う翻数(打点)を決めます。

>>279コンマ以下
01~33→1~3翻

34~66→満貫~ハネ満 
67~00→倍満以上 

はい

23→1~3牌


悠彗手牌:49二五六①③⑤⑦⑦中中北


悠彗(あまり良くないなぁ… できれば筒子に寄せてメンホンに仕上げたいとこだけど…)

悠彗(この場での最悪の展開は、とにかく親の曖奈さんに連荘をされること… それだけはなんとしても避けたい)

悠彗(ここは、中が出たらすぐ鳴いて、とにかく早く和了ろう。 安くても構わない、次の私の親番に繋げる…!)


そして2巡目

爽「…」トンッ

悠彗「! ポン!」パシィンッ→「中中中」


 恒子『本藤選手また役牌を鳴きました! またホンイツ狙いかァ?』

 健夜『勿論できればホンイツに… と思ってるでしょうが、この局は森脇選手が親ですからね。 安手でも和了ってくると思いますよ』
 


曖奈「チー」パシィンッ

曖奈「ポン!」カシィンッ!


 恒子『特急券をゲットした本藤選手…! しかし親の森脇選手もやはり速い! 5巡目でテンパイです!!』


慕(う… 二人とも早そうだなぁ… 私もそろそろ和了りたい…)チャッ、トンッ

爽(ふん… テンパイしても、和了れなきゃ意味ねーんだ。 ここは私がもらう!)チャッ、パシィッ!

悠彗(さあ来いこんにゃろ…!)チャッ・・・!


>>283コンマ以下(和了者)
01~20→悠彗
21~55→慕
56~80→爽
81~00→曖奈

>>284コンマ以下(打点表>>44) 

※悠彗が和了した場合の打点表↓
01~33→1翻
34~66→2翻
67~00→3翻

73爽 55満貫ロン(3の倍数+1で対面悠彗から出和了り) 


爽(んー…? でもこんままじゃ、下家か対面が和了るか…?)

爽(まだ温存したかったけど… ここは、もう使うっきゃねーか!)カッ

爽(“青い雲”!!)ボフゥッ!!


曖奈「!?」
悠彗「ん?」
慕(… 獅子原さん、また何か仕掛けてきたね…)


空中で“何か”をつかみ、卓の右隅を叩いた爽…

すると…!


 ザザァ・・・  ザザザザザアアアァ・・・・


悠彗「うっ! い゛ッ?! な、ナニコレ!??」

曖奈「…!」


おののく悠彗と曖奈… 

なんと、どこからともなく水が湧き出し、足元に流れ込んできたのである…!


 咲(えっ、アレは…?)

 咲(確か、衣ちゃんの… 一向聴地獄?)


 恭子(! 獅子原、それ・・・)

 恭子(地区大会決勝で琴似栄の吉田に使うたヤツやな?)

 恭子(あの時、吉田は確か7巡目で倍満手を良形の5メンチャンでテンパイしていた…)  

 恭子(もう和了るのは時間の問題、と思われたその局面で、爽があの妙な動きをしたんや)

 恭子(すると… まるで足に枷でもつけられたかのように、吉田のツモが悪くなり…)

 恭子(結局17巡目で、逆に獅子原が吉田から満貫を出和了ったんや)


 恭子(相手の手を止めるという点では、あの有名な天江衣の一向聴地獄と似とるけど…)
 
 恭子(私の推測では、獅子原のあの力は天江のモノとはまた違い、相手がテンパイした時に仕掛け、最後の当たり牌が場に出るのを抑える能力…!)

 恭子(ったく… 相変わらずえげつないことしよるやっちゃな…)


 ザザザザザザアアァ・・・  ゴポゴポゴポゴポゴポオオォ・・・・!


悠彗(っく…! ナニコレもう! 膝下まで水が上ってきた…!)

曖奈(また獅子原さんのオカルトの力ね… 悠彗、それは幻影よ。 惑わされちゃダメ…!)


~実況室~


 チャッ、パシッ、タンッ  チャッ、パシッタンッ!・・・


恒子「おや…? これは何か……」

恒子「ヘンですね? 森脇選手が5巡目、本藤選手が6巡目で、絶好の3メンチャンでテンパイしたのに… 全く当たり牌が出ません! もう16巡目ですよ?」

健夜「獅子原さんがオカルトの力で二人の和了を邪魔しているみたいですね。 これは恐らく… “青い雲”だと思います」

恒子「青い雲?」

健夜「うん。 獅子原さんが使役できるのは、カムイだけでなく… アイヌ民族における天地開闢の伝説で国造りの神が使ったとされる“五色の雲”を自在に操ることができるんです」

恒子「へ、へえ…? さすがはオカルトデパート…」

健夜「インハイで黄色、黒、赤、白の4色を使ってましたね。 それぞれ黄色は土、赤は金銭、白は生き物、など、世界を形造る時に神が雲を材料にして創造したらしいんですが…」

健夜「青い雲は、創造神が海を創る時に使った雲なんだそうです。 つまり大量の水へと変化する雲…」 

健夜「恐らく体に水が上ってくるような幻影を作り出し、テンパイしてる他家の和了を抑えてるんだと思いますよ」

恒子「えー… それはまた随分とチートな能力ですねぇ… じゃあ、この局はもうりゅうきょ…」


 爽『ロン!!』


恒子「おっ?!」


悠彗「えっ?!」

爽「うぇひひ…w タンピン三色イーペーコー・・・・!」ゴゴゴゴゴオオォ・・・

爽「満貫8000だっ!!」クワッ!


爽手牌:二二三三四②③④23488 ロン「四」


 恒子『おおぉ、なんと獅子原選手追いついた! 対面本藤選手から満貫の出和了り… 先ほどの倍満で親っかぶりされた分を取り返しましたっ!』

 健夜『リーチすればハネ満でしたが、ダマでの和了り… ロン和了りを狙っていたようですね』

 恒子『これで獅子原選手、森脇選手をまくって初めてトップに立ちましたァ!!』


悠彗(くっそ、またやられた… 水のせいで危機意識が弱まってたかな…?)グムム・・・


第二戦東四局
   
東 曖奈 35900

南 悠彗 29800→21800 
西 慕  22900
北 爽  31400→39400



【南一局 親:悠彗】


 恒子『一回戦第二戦もいよいよ南入! さあぁ後半はどんな展開が待っているんだァ?!』


配牌…

悠彗(ちぇ… また最下位に落ちちゃったよ。 でも、まあ…)カチャカチャ

悠彗(こんぐらい大した差じゃあない。 すぐに取り返してやる…!)

悠彗(さてさて、今度は、萬子だけで8牌ある…)カチャカチャ

悠彗(ここは… やっぱまた、使っちゃうしかないよね!)カッ!

悠彗「… ウィヒッ! ウェヒヒヒヒヒヒィ・・・・」ズモモモモモモモモモモオオオォ・・・


恒子『おや? 本藤選手が、また…?』


慕(う… 悠彗ちゃん、ここでも来るかぁ…)

曖奈(困ったわねぇもう…)

爽(・・・ん、お・・?)


悠彗「……」ボオオオオオオォォォ~~・・・


また、悠彗の体から陽炎のようなモノが沸き上がり、背後の空間がぼんやりと霞み始めた。

そして、その中に、二人の全裸の男が現れる・・・!


 “耕介「おい、周藤お前・・・ ペ〇スが前より大きくなってねーか…?」ハアハア”

 “周藤「ふふ… リチャをもっと気持ち良くさせたくってな… やっちまったんだよ、増大手術を…!」ボッキーン”

 “耕介「ま、マジかよお前…///」ハアハア”


爽(ま、またかよこいつら・・・!? いい加減にしてくれっ!!)


本藤悠彗の“腐一色”… 再び発動…!!


 “周藤「よおリチャ… じゃあまた、裏筋から攻めて気持ち良くしてくれよ…///」”

 “耕介「お、おう・・・」ペロォ~…”

 “周藤「うっ! おぅふ…! お―――ぅウふ…!!」ハアハア”


爽(チキショウ…!! やっぱり目をつぶっても目蓋の裏に情景が浮かんできやがる… どうしてもこのキッショい映像から逃げられねぇ…!)

悠彗「… ウェヒッ、ウェヒヒヒヒ…!ww」チャッ!・・・


 恒子『おっとぉ…? これはすごい! 本藤選手どんどん有効牌を引き入れていきます! 手が一気に萬子で染まってイクゥ!!』

 健夜『今度もホンイツ… あわよくばチンイツを狙っていくようですね…』


 “周藤「あ゙―――ッ、やっべぇ… マジやべえ…! 超キモチイィィ…!!」ハアハア”

悠彗「グフッ! グェヒャヒャヒャヒャヒャ・・・!w」チャッ!…


 “耕介「んっ、ちゅぱぁ…/// れろれろ… なあ周藤…ココどうだ? 気持ちイイか…?///」ペロペロ”

悠彗「ウィヒッ!  アヘヘヘヘヘヘヘ・・・!ww」チャッ!!……


男たちが熱い吐息を漏らせば漏らすほど、悠彗の手に萬子が集まっていく・・・!

そして・・・!!


 “周藤「よ、よし、挿れるぜっ、リチャ…!///」ハアハア”

 “耕介「あ、ああ…/// や、やさしく、してくれよな…!///」ハアハア”

 “周藤「ふふ、まかせろ…! おっらあぁっ!!」ガッ”


 ズッボオォッ!!

悠彗「リーチィ!!ww」ドォッ!!

爽「あひっ!?」


周藤が股間の巨大リーチ棒を耕介の一筒に挿し込むと同時に・・・ 悠彗は、まるで園城寺怜のようにリーチ棒を卓上に垂直に突き立てていた。


 恒子『! ほ、本藤選手またもや6巡目でテンパイィ! 今回はリーチをかけてきましたァ!!』

 健夜『これは珍しいですね。 本藤選手はほとんどリーチをかけることはないのですが…』


慕(! 悠彗ちゃんが初めて萬子を出してきた…! 大物手のテンパイかな?)

曖奈(マズイ流れねぇ…)


 “周藤「うっ、おおぉ…/// すっげぇ! 腰が勝手に動く…!///」パンパンパン”

 “耕介「アッ! んんん…!/// も、もっと、激しく突いてくれぇ!周藤!!///」ハアハアハア”


爽(あ、う、うううぅ… 嫌だ、嫌過ぎる…! マジで誰かなんとかしてくれよぉ…!)ポロポロ


恐るべきBLの責め苦に耐えかねた爽は、ついに涙を流し始めた。

ざっくばらんで男勝りな少女である爽だが、カワイイ女の子と百合が大好物である彼女は、BLの方はひどく嫌悪感を覚えるタチだったのである…


爽(う…! おえっ! やっべぇ… 昼に食べたリン〇ーハットの長崎ちゃんぽんが食道を上ってきてる…!!)ウググ・・・

爽(くっそ… こんなにつれー麻雀は初めてだ…! 男の喘ぎ声が頭ん中でこだましてキモくて仕方ねぇ…!)

爽(こ、このままじゃ… 卓上にゲロぶちまけちまうぞこんにゃろ…?)ハアハア


ユキ「…? なんだか、爽先輩、様子がおかしくありませんか…?」

 揺杏「体調でもわりーのかな?」

 誓子「さっき、東三局の時もなんか変な時あったわよね…?」

 成香「な、なんだか、私、嫌な予感がしますぅ…」


そして、11巡目…

ようやく、爽がその責め苦から解放される時が来た…


?「ロンorツモォ!!」


>>295コンマ以下(和了者)
01~70→悠彗(腐一色発動)
71~80→慕
81~90→爽
91~00→曖奈

打点
>>296コンマ以下(打点表>>44) 

ステージの連続が圧倒的に強かったな・・・やっぱりSでも慕がそこまで有利じゃなかったんやろな

慕はステージ能力がなくて連荘で基本不利で
能力も二位で良いものもらえればよかったけど、A級位の強さがあるかないかだから難しいわな…

24悠彗 95三倍満ロン(3の倍数+2で上家曖奈から出和了り)


11巡目…!


曖奈「…」チャッ

曖奈(北…? う~ん…)チラッ


字牌をツモってしまった曖奈… ここで捨て牌全体を改めて確認する…


曖奈(北は既に2枚場に出ている。 悠彗の待ちは普通に考えるなら萬子の多面待ち…)

曖奈(地獄単騎待ちという可能性が無いわけではないけど… まあ通常ならそんな待ちでリーチは考えられない)

曖奈(それに私はタンヤオだから… 北を抱えていては和了ることができない…)

曖奈(まだオリるところではないわね。 ここは・・・通す!!)タンッ!


森脇曖奈、一抹の不安を抱きながらも、北強打・・・!

そして、


悠彗「・・・r!」


※曖奈の常時発動系能力「パーフェクトウォール」発動
>>302コンマ以下
01~60→流局
61~00→振り込み

26流局

悠彗「・・・r! ・・・う」


悠彗、三倍満和了れず…!

曖奈の予想の裏をかき、単騎待ちにしていたのだが… 待ちは北ではなく西だったのである…


18巡目…

悠彗「て、テンパイ…」パララァ・・・

慕「…ノーテン」パララァ・・・

爽「ノーテンだ」パラッ

曖奈「ノーテン」パラリ・・・


 恒子『本藤選手… チンイツイーペーコードラ3の、裏がのらなくても三倍満という手をテンパイしていましたが…』

 恒子『残念ながら和了ならず! 流局です!!』

 健夜『他家3人は… この局はオリに徹しましたね』


悠彗(この…! やっぱカタい… でも、まだ私の親! 次こそは…!)

悠彗「一本場!!」チャッ!


第二戦南一局

   
東 悠彗 21800→23800 
南 慕  22900→21900
西 爽  39400→38400

北 曖奈 35900→34900

供託:1000(悠彗のリーチ棒)

本日ここまでです
安価、コンマ対応あざした!

ところで、ルールや各自の能力についてなんですが、アドバンテージは一応>>1が、できる限りランキング通りになるように、且つ個性が表現されるように、計算して設定しています。

勿論絶対ではないので、事前に何度も貼って読み手の人たちに確認してもらって意見も募っています。

対局が始まり、「結果」を見てから、>>298>>300のようなことを書き込むのはマナー違反ではないかと思うんですが、どうでしょうか?

皆さんの意見お願いします。

ごめんね、勿論>>298>>300に悪気が無い事は重々分かってるんだけど…

>>1に言われた時点でマナー違反でしたね、二度卓をして少し思った事を述べて申し訳ない

>>307一部訂正(西待ちでチンイツは有り得ない)

×恒子『本藤選手… チンイツイーペーコードラ3の、裏がのらなくても三倍満という手をテンパイしていましたが…』

〇恒子『本藤選手… メンホンイーペーコードラ3の、裏がのれば三倍満も有りえるという手をテンパイしていましたが…』

>>315
謝ることはないっす、このスレは皆さんのモノなので、色々言ってもらっていいんだけど…

一応、運営者として以下のことを提案したいです↓


1、「対局が始まってから、ルールと各自のアドバンテージについての“有利不利”について言及するのはタブー」

2、「ステージ系能力は、一試合で一人最高2回までしか使用できない。 3回以上使用されるような場合になった時は、その局はノーマルステージになる」


試合が始まってからルールを付加するのは本来ならタブーですが、一応追加という形で。

賛成ならばレス願います。 本日中に反対や訂正の意見が無かった場合、この2つを追加して進めていきます。

いろいろいけんあざす
皆さんの意見を追加して、以下でどうじゃろか↓


1、「対局が始まってから、ルールと各自のアドバンテージについての“有利不利”について言及するのはタブー」

2、「ステージ系能力は、一試合で一人基本最高2回までしか使用できない。 3回以上使用されるような場合になった時は、その局はノーマルステージになる。 ただし例外として、ステージ系能力を3つ以上持っている雀士は、“1回ずつ”ならば全ての能力を使用できる」


寝ぼけてるので、変なこと書いてたら指摘してちょ、もう寝るお

乙、おkあざす
まったり進めてくにょ

一応、以下の2点をこのSSのルールとします。 もし疑問に思う点や納得できない点があったら、早目にレスお願いします。


1、「対局が始まってから、ルールと各自のアドバンテージについての“有利不利”について言及するのはタブー」

2、「ステージ系能力は、一試合で一人基本最高2回までしか使用できない。 3回以上使用されるような場合になった時は、その局はノーマルステージになる。 ただし例外として、ステージ系能力を3つ以上持っている雀士は、“1回ずつ”ならば全ての能力を使用できる」


以下、>>1の考えをグダグダと述べていますので適当に読み飛ばして下さい。

大体の方は分かってると思いますが、上の「1」のような書き込みがあると勝負の純度が落ちます。
「ルールや>>1の設定ミスなどのせいで勝負が決まった、〇〇は勝てなかった」なんてことになってはいけないのです。

仮想とはいえ各自の雀士の実力や頑張りやツキ、思いの強さなどが勝敗を分かつべきです。 もしそれ以外の要素が勝負を決めたと見なされたら、勝利を勝ち取った雀士がフロックで勝ったみたいでかわいそう。

慕のアドバンテージは相当に強力です。 
例えば、一般の雀士の和了時の平均得点期待値は子で8260点です。 常に満貫以上を和了る三尋木咏で10960点。 しかし慕は常に1ランクアップするので12200点あります。 慕は32名の中で最も火力のある雀士です。
そして慕はここまで一度も和了れてませんが、そうなる確率は0.9×0.5×0.9×0.9×0.65×0.9で、約21%しかありません。(実際は振り込みを回避する能力者の森脇がいるので25~27%くらい?)

和了のチャンスはあるのにそれをモノにできない慕が不甲斐ないか、他の雀士がよく頑張っている結果でこうなっているんだと思います。 まあ最終盤以外は慕は実際そんな強くないしね。
でも慕はまだ一度も振り込んでない点はすごいと思う。

キャラクターというのは仮想ではあるけれども、「個性」があるし、人に対する強い影響力もあるという点では、ある意味生きているので、ナメてはいけない。 大切に扱わなくてはいけない(自戒)。

運営者としては、頑張ってる雀士を褒めてやってほしいと思うのが、率直な感想です。


【南一局一本場 親:悠彗】


 ザワザワ・・・  ミンナガンバレェーッ!  シノチャンファイトォッ!  ユエチャンモウイッパツブチカマセェッ!!  ガヤガヤガヤ・・・・


 恒子『南入の一局目は流局ゥ! 手に汗握る攻防が続いております一回戦第二戦!!』

 恒子『現在順位は1位獅子原爽、2位森脇曖奈、3位本藤悠彗、4位白築慕・・・』

 恒子『ここまで、各選手の和了回数は森脇選手と獅子原選手が2回、本藤選手が倍満ツモを1回…』

 恒子『白築選手だけがまだ一度も和了れていません! 振り込みも無いですが、徐々に削られて現在最下位…』

 恒子『何度かテンパイまでは漕ぎつけているのですが、和了れません。 今のところ全く目立てていませんねぇ…』

 恒子『一応ランキングでは彼女が一番強いということになっていますが、苦境に立たされています! 果たしてこの不利な状況を覆すことができるのでしょうか?!』

 健夜『いや… 別に不利な状況ではないですよ。 アレが平常運転です』

 恒子『へ?』

 健夜『慕ちゃんは和了率は決して高くありません。 鳴きも少ないし、大体いつも高めを狙ってくるから手も遅めだし、安めの当たり牌をスルーすることもよくありますしね』

 健夜『彼女に最初に麻雀を教えたお母様がそういう打ち筋だったので、逆転型の打ち方が身に染みてしまっているそうです』

 恒子『白築プロのお母様といえば、あの伝説の世界王者シャルロッテ・ニーマンに勝利したという白築ナナさんですね?』

 健夜『はい。 慕ちゃんはむしろ南1、南2あたりでは上位にいる方が珍しいかも。 彼女の真骨頂は終盤での爆発力ですから』

 健夜『何しろ南3、4局では、あの咏ちゃんですら慕ちゃんには引き遅れるからね… ピンポイントで上げてくるパワーは並ではありません』

 健夜『そんな慕ちゃんの打ち方をよく知ってる森脇選手と本藤選手は… 逆に焦ってるかもしれませんよ』


慕(みんなやっぱり強いなぁ… ずっと何もできない)チャッ、パシッ

慕(でも… 私だって負けられない。 まだまだここから頑張るよ!)ニコニコ

爽「……」チャッ、パシッ

爽(…白築ちゃん、ヤキトリでラスなのに、相変わらず楽しそうに打つな… はぁ、やっぱかわええ…///)デロォー…

慕「・・・? 獅子原さん? ヨダレたれてるよ?」

爽「へ、あ、ああぁ・・・/// いやーちょっとハラ減っちゃってさ!///」グイッ

慕「袖で拭いたら汚いよ。 ほら、テッシュで拭いてあげるよ」フキフキ

爽「!?」=3


なんと… 慕は制服のポケットからティッシュを一枚取り出すと、自分の右にいる爽の口元を拭いてあげたのだ…


爽(・・・・・・・)

爽(フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッッッッ!!!!!)=3

爽(あっ、ああぁ~~~~~・・・/// やべえ… いけませんいけませんいけませんそれはいけませんよ白築ちゃあああぁぁんっっ!!)ズッキュウウウウウゥゥ~~~ン・・・・・

爽(まじぃよちょっと… やっっべえええぇぇ…!! 可愛すぎるウウウウゥゥッ!!!)

爽(はぁ…っ、 ウホッ! ふうううぅぅ~~~っ!! MAJI天使…/// いや、これは、もはや、神…? GOD…? この腐りきった世界に降臨した、美の女神・・・?///)

爽(尊い… 尊すぎるよ…! 完璧な可愛さだよっ! これは… 国が人間国宝に指定して保護するレベルの可愛さだろオイ…!///)ハアハア・・・

爽(まぶしい…!/// まぶし過ぎるよ白築ちゃんっ! キミのその聖なる輝きが… 病んだキモッキモな罪深き私を浄化していくようだよおおぉぉ・・・!!///)ホワワワアァ・・・

爽(あっ、あっ、ああアアアアアァァ~~~!! うぃひっ! けぇっこんしてくれぇっ!! いや、むしろ奴隷でいいっす!! 私を下僕にして毎日ヨシヨシしてくれええぇぇっっ!!!)タラアァー・・・


慕「…? 獅子原さん、鼻血も出てるよ…? ほんとに大丈夫?」


悠彗(はぁ… やっぱ慕はいつも通りだね。 よせばいいのに対戦相手に気遣いなんかしちゃってさ…)

悠彗(でも、まあそれが慕なんだけどね… どんな時も楽しそうに、笑顔で明るく自分の麻雀を貫く…)

悠彗(今はリードしてるけど、和了り始めればまるで鬼みたいな強さで迫ってくるからね… このままでは絶対にまた負ける…!)

悠彗(南3局に入る前に、最低でも2万点は差をつけておきたい。 それくらいはないと慕には勝てない)

悠彗(だから… この親番、まだまだ他家に和了られるわけにはいかないっ!)カッ


曖奈(トップに3500点差の2位、か…)

曖奈(獅子原さんの“異能”と火力はやっぱり脅威ね… なんとしても抑えないと…)

曖奈(でも、やっぱり、トップの獅子原さんより、ラスの慕ちゃんの方が怖い)

曖奈(最終盤でのあの子は神がかってる… アレを抑えるのは私でも相当しんどい)

曖奈(なんとか、今のうちに和了を取って… もっと慕ちゃんに差をつけておかないと…!)キッ


※一本場なので能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>331コンマ以下
01~33→悠彗(もう2回能力を使ってるので、選ばれたらノーマルステージ)
34~66→爽
67~00→曖奈
 

06悠彗(ノーマルステージ)


配牌…

悠彗「……」カチャカチャ

悠彗(よし、よし、今回は筒子に寄ってる…!)

悠彗(今のうちに、出来れば慕か獅子原さんから直撃を取っておきたい… よし!)

悠彗(今回も使うか! “腐一色”!!)ブワアアァ・・・!!


曖奈「…ん」
慕(…また?)
爽「…ひっ!?」


悠彗の体からまたゆらゆらと陽炎のようなものが立ち上り始め… 他家に緊張が走る…!

ところが、


悠彗(ふひひ…w また質屋さんとリチャさんのカラミで・・・  ん?!)


 “周藤「ふぅ・・・ やっぱり一発ヤッた後の一服は五臓六腑に染みるぜぇ・・・」スカー・・・”

 “耕介「おい、周藤… お前もう休憩かよ?」”

 “周藤「休ませてくれって… やっぱ俺ももう33だからさ。 ちょっと体力がな…」フー・・・”

 “耕介「しょうがねーな… じゃあ、コーヒーでも淹れるか…」スッ”

 “周藤「あ、俺ミルクと砂糖タップリで頼むな」”


情事を既に終えていた二人の男は、テレビをつけ、煙草をふかしコーヒーを飲みながらくつろぎ始めてしまった…


悠彗(な、何もう…? たった一発ヤッただけで、終わり…?)

悠彗(使えない奴らだなぁ… これじゃあ腐一色を発動できないじゃん!)

悠彗(ちぇ… 仕方がない。 ここはヒラ打ちでなんとか頑張るしかないっ!)チャッ、パシッ!


10巡目・・・

  チャッ、パシッ、タンッ・・・  チャッ、パシッ! タンッ!・・・・


 恒子『南一局一本場… この局は全体的にやや手が重いようです。 まだテンパイはおろか一シャンテンになっている選手もいません!』

 健夜『今… ちょうど4人全員が二シャンテンで横並びになってる状態ですね』

 恒子『一歩リードできるのは誰か? 和了できるのは誰なのか!? 知るは麻雀の神のみです!!』


悠彗(くそ… 字牌と筒子のみにはなってるんだけど… テンパイできない…)チャッ、タンッ

慕(ん~… 手が進まないなぁ。 でも、周りも手が悪いのかな…?)チャッ、パシッ

爽(チクショウ、ツモがわりーな…)チャッ、タンッ

曖奈(鳴けない… ここはツモ牌に頼るしかなさそうだけど…)チャッ、パシッ!


※ここより、有効牌を「3つ」先に引いた者が和了します。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~35→慕
36~60→爽
61~80→曖奈
81~00→悠彗

レスをして有効牌をツモらせてやって下さい。 誰かが「3つ」獲得した時点で和了者決定。 一応一人一レスで

>>342で慕が3つ達成


慕(よ、よし! 来たっ! テンパイ・・・)チャッ

爽(テンパイ… でも、カンチャン待ち… 最後の牌が来ねえ…)チャッ、パシッ

曖奈(メンゼンでテンパイ… でも、これ出るかしら…?)チャッ、パシッ

悠彗(ん~… 一シャンテンで全然進まないよ!)チャッ、タンッ


そして、最終18巡目・・・!


慕「ツモorロン!!」パラァッ!


慕がこの日初めて手牌を倒すと同時に、その後ろにふわりと白い羽が舞った・・・


>>345コンマ以下(打点表>>44) 

34、慕の「フォーゲルセット」発動、1ランクアップし満貫ツモ


慕「ツモォ!」フワァッ

慕「メンゼンツモ・ジュンチャン・・・ 満貫の一本場は2100・4100です!!」ニコォッ!


慕手牌:11123789①①七八九 ツモ「1」


 恒子『で・・・出ましたッ! ついに白築選手が和了ァ!!』

 健夜『一索と一筒のシャボ待ちジュンチャン・・・ 見事に最後の一索を引き和了りましたね』

 恒子『やはり“鳥使い”の名は伊達ではない! まるで一索が彼女の元に自らやって来たような和了!! これで3位に浮上です!!』


第二戦南一局一本場

   
東 悠彗 23800→19700 
南 慕  21900→31200(悠彗のリーチ棒含む)
西 爽  38400→36300

北 曖奈 34900→32800


【南二局 親:慕】


 ワアアアァァ―――ッ・・・  ヤッタァ!シノチャン!!☆  パチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・


 恒子『いやはや… 赤ドラありの麻雀であそこまでチャンタ系に固執するなんて、大してメリットはないと思うんですが… そんなことはこの白築選手には関係ないのでしょう!!』

 恒子『続いて彼女の親番! 連続和了で一気に追い上げることになるのかァ?!』


悠彗(はぁ… 最悪。 親っかぶりな上にリー棒まで持ってかれた…)

曖奈(このタイミングでの和了はまずいわねぇ… 連荘は絶対させないわよぅ、慕ちゃん…!)

慕(ふぅ、やっと和了れた…)ホッ

慕(と言ってもまだ3位。 最後の親番だし… ここでガンバッて稼がないとだね!)チャッ


爽(白築ちゃん、遂に来たか… でも・・・・)

爽(ふひひっ、まだまだ私の方が5000点以上の差でリードしてるからな… この親さえ流せば私の方が有利だっ!)

爽(賭けに勝てば、この天使ちゃんと今夜はデート・・・)フヘヘ・・・

爽(はああぁ…っ、やっべ。 想像だけで脳味噌トロけそうだわ…!)ポワポワポワーン・・・


ーーーーーー
ーーーー
ーーー


~高級ホテル最上階レストラン~


慕『わっ、すごいここ・・・! 夜景が綺麗だね!』

爽『フフ… 慕、夜景も綺麗だけど、お前のそのドレス姿の方が何倍も綺麗だぜ?』キリッ

慕『え、そんな…/// もう、爽さんったら、からかわないでよぅ…///』ポッ

爽『からかってなんかいねーよ。 慕の笑顔は、あの夜空に輝く一番星よりずっとキラキラしてるさ』イケメンスマイル

慕『さ、爽さん///』キュン


ハギヨシ『お待たせしました。 フォアグラのソテー・ロッシーニ風とノンアルコールワインのモンターニュ・スタッセンでございます』スッ

慕『わぁー美味しそう・・・!』パアアァ・・・

爽『今日は私の奢りだからさ、お金のことは気にしねーで沢山食べろよな』

慕『う、うん… でも、ほんとにいいの? こんなに高級な料理…』

爽『何言ってんだよ。 慕みたいなお姫様に割り勘させるなんて、出来るわけないだろ?』キリリッ!

慕『あ、ありがとう、爽さん…///』

爽『・・・慕、実は今夜、ここのスイートを一室予約してんだけどさぁ… 今夜、泊まってかね?』

慕『えっ、と、泊まり…? で、でも、私・・・///』

爽『大丈夫だよ慕、優しくするからさ…』ソッ…

慕『・・・・うん///』


ーーーーーー
ーーーー
ーー


爽「グフォッ、グフォッ!w ムフォフォフォフォフォフォフォフォ・・・www」ニタニタ


慕「…?」


曖奈「・・・えっと… 早く切ってもらっていいかしら、獅子原さん…」

爽「ん? あー… わ、わりっ」トンッ

曖奈「チー」パシィンッ→「①②③」

爽「!?」


さらに…

曖奈「ポン!」→「白白白」


爽(やべ、やべ、今は妄想してる場合じゃねーよな… 集中しねーと…)

爽(タレ目ちゃんがまた二副露… そして更にツモ牌を中に入れて手変わりしやがった。 確実にテンパイしてんな…)チャッ

爽(! オッ、来た…! タンヤオ手の多面チャンテンパイ…!)

爽(…不要牌は東… ん~… ちょーっと危ねー気もするけど・・・)

爽(これくらい通せ!)タンッ!


※掛け算コンマバトル(コンマ以下の数に基本和了率の比率を掛けた数の大小で勝負。 積が偶数にしかならない雀士もいるので、ロンかツモかは打点の方で決定)
・爽→>>351×5
・曖奈→>>352×4
・悠彗→>>353×4
・慕→>>354×7

>>355コンマ以下(打点表>>44 ※爽が和了した場合は打点1ランクアップ) 

爽(1×5=5) 曖奈(88×4=352) 悠彗(97×4=388) 慕(70×7=490)

打点03、慕が1ランクアップで二翻ロン、3の倍数で下家爽振り込み


爽(これくらい通せ!)タンッ!→「東」

慕「あ、それロンです」

爽「ほひっ?!」=3

慕「えーっと、東ドラ1で、2900です♪」パララァ・・・

爽「… あい…」シュン…


 恒子『白築選手連続和了だアァ! これで、僅差ではありますが白築選手がトップに立ちましたァ!!』

 健夜『目まぐるしく順位の入れ替わる… 良い攻防ですね』


悠彗(この・・・バカかあんたは! なんでそんなとこで親の自風なんか出すかなぁ…)モオオオォ…! 

曖奈(本格的にまずい。 この親を流しても、次はもう南3局… 賭けに出て大物手を狙おうかしら…?)

爽(ま、まくられた… くそっ! 気ぃ引き締めろ! 私!!)


慕「一本場です!」チャッ!


第二戦南二局

     
東 慕  31200→34100
南 爽  36300→33400

西 曖奈 32800
北 悠彗 19700


【南二局一本場 親:慕】


 ザワザワァ・・・  ワイワイガヤガヤ・・・  ザワザワワ・・・・


 はやり「慕ちゃんがトップになったね!☆」 

 杏果「そうだね… これで、逆に悠彗ちゃんと曖奈さんは厳しくなってきたね」

 はやり「南3局からの慕ちゃんは怖いもんねぇ… うーん… 誰を応援すればいいか迷うなぁ~… みんな頑張れェ―ッ!☆」


配牌・・・

悠彗(慕に走らせるわけにはいかない… くっそぉ…! ここでまた大きいの一発和了りたいけど…)カチャカチャ

慕(トップに立てたけど、油断禁物… まだ親は手放さないよ!)カチャカチャ

爽(次は私の親なんだ。 焦んな焦んな…)カチャカチャ

曖奈(出来れば… 慕ちゃんから直撃を取っておきたいわねぇ…)カチャカチャ


※一本場なので能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>359コンマ以下
01~33→爽
34~66→曖奈
67~00→悠彗(もう2回能力を使ってるので、選ばれたらノーマルステージ)
 

11爽

爽(南3局から白築ちゃんは上げてくるって話もあるしな… 親番の前に…)

爽(やっぱもう一発、やるしかないか!!)ブワアァッ!


北海道のオカルトデパート獅子原爽… ここで2回目の“異能”発現…!!


※爽のステージ系能力残り3種から、使いたいのを一つ選んでレスして下さい↓ 最も早く「3票」を獲得した番号でイキます

1.「赤い雲」
他家に数牌を寄せることで、自分に字牌が集まる。
和了率70%。和了れば1ランクアップの役で和了れる。

2.「白い雲」
索子を集める。
和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

3.「パコロカムイ(寿命の支配者)」
特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

1「赤い雲」


爽(赤いの!)ボッ!


爽、また空中で“何か”をつかみ、卓の右隅に叩きつける…!


曖奈「ん?」ピクッ

悠彗(? あの動き、さっきもやってたよね… また、こっちの手を重くする気?)

慕(いや… さっき、東四局の時は、局の途中であの動きをした…)

慕(それにあの時は何か青い煙みたいなものがうっすらと見えたけど、今回は赤かった)

慕(また何か… 違う力を使ってくるのかな?)


爽(クク…w インハイ準決でも使ったこの“赤い雲”の力はハンパじゃないぜ皆さん…?)

爽(インハイでは最後にネリ―の奴に横から和了りを取られちったけど、今回はうまくやってやる…!)

爽(ドカンと一発かましてやるぜ! 見せてやるよ! この獅子原爽の本気をよ!!)カッ!

本日ここまでにします
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

>>360一部訂正
×北海道のオカルトデパート獅子原爽… ここで2回目の“異能”発現…!!
〇北海道のオカルトデパート獅子原爽… ここで3回目の“異能”発現…!!


賢者タイムの質リチャの映像も対局者は見えたん?

乙あざす
進めてくのよー

>>373
他家にも見えるのは、悠彗が ヒャッハーッ してる時だけなので、この時は見えなかったと思うにょ


 恒子『さあさあここまで全くいい所の無かった白築選手が連続和了でトップ獲得ゥ! そしてその親は継続中! これに対して他家3人はどう動くのか…?!』


7巡目

曖奈「チー」カシィンッ→「六七八」

曖奈「……」タンッ

曖奈(・・・おかしい。 これは…異常ね)

曖奈(ここまで河に全く字牌が見えていない… 捨て牌がもう2段目に入ってるのに…)

曖奈(まさか… これが、獅子原さんの能力の影響・・・?)


爽「…」ゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・


恒子『… おやぁ…? コレは一体…??』


~実況室~


恒子「なんなんでしょうこれは? まだ7巡目だというのに、獅子原選手の手牌がとんでもないことになってますよォ?!」


爽手牌:東東西北發發白白白⑥⑦35


恒子「13牌中既に9牌が字牌… まァ、それだけならさして珍しいことではないんですが…」

恒子「なんと、他家3人には一つも字牌が回っていないのです! 配牌とここまでのツモ牌含めて全部ですよ?!」

恒子「完全に獅子原選手が字牌を独占している状況… これはやっぱり、例によってオカルトの力が働いてるんですかね?」

健夜「そうですね… これはインハイ準決勝の東二局で獅子原さんが見せた“赤い雲”ですね。 てゆうかこーこちゃんあの時実況してたじゃん。 覚えてないの?」

恒子「へ? そだっけ? えっと… 字牌を集める能力なんですかね?」

健夜「そうだけど、“字牌を集める能力”というのは正確ではありません。 実際は“他家に数牌を流し込む能力”なんです」

恒子「・・・?」

健夜「さっきも話したけど、アイヌの神が天地創造の際に、“五色の雲”を世界を形作るための色々なモノに変えたわけですけど… 赤い雲は金銭へと変えられたんです」

健夜「ですから、その赤い雲を相手に仕掛けることで、他家には数牌しか集まらないようになっている訳です。 それで、必然的に字牌が獅子原さんだけに流れている、という状況ですね」

恒子「んー…? えっと… なんでその赤い雲を仕掛けると、数牌しか集まらないの?」

健夜「麻雀牌の数牌は全てお金を元にして創られたモノだからですよ。 『萬』というのは昔の中国の金銭単位、『筒』は貨幣の形状、『索』は貨幣の穴に通してまとめるための縄あるいは竹串をモチーフにしてるんだよ」

恒子「へー… それは知らなかったですねぇ… 麻雀牌がお金…」

健夜「こーこちゃんアナウンサーなんだから、そういうことも勉強しなきゃダメだよ?」

健夜「獅子原さんは、インハイであの赤い雲を使った時は、結局は和了れなかったとはいえ大三元をテンパイしていましたからね… 他家も用心する必要がありますよ」


~会場~


9巡目

曖奈「ポン」パシィンッ→「②②②」


 恒子『獅子原選手に対して何か良からぬモノを感じたのか… 森脇選手更に加速! 一シャンテンです!』


曖奈(数牌しか集まらないのならそれでも構わない。 いや、むしろ好都合… 先に和了って潰す!)タンッ

悠彗(ん~… 字牌が来ないのはいいとして… ダメだな、完全にランダムで今回は染め手は無理っぽい…)チャッ、タンッ

慕(すごいなぁ獅子原さん、本当にいろんなことできるんだ… 字牌抜きの麻雀してるみたいで面白いな♪)チャッ、パシッ

慕(って… 楽しんでる場合じゃないよね。 万が一四喜和や字一色でも和了られたら目も当てられないよ。 急がなきゃ…!)タンッ!

爽(クク…w さあ、来いッ!!)チャッ!


そして、12巡目・・・!


?「〇×!!」


>>385コンマ以下(和了者)
01~70→爽(「赤い雲」発動)
71~80→曖奈
81~90→悠彗
91~00→慕

打点
>>386コンマ以下(打点表>>44) 

ほい

46爽 33「赤い雲」の能力により1ランクアップ、満貫ロン(3の倍数なので爽の下家曖奈に直撃) 


曖奈「ポン!」→「222」


 恒子『森脇選手三鳴き! タンヤオテンパイです!! 獅子原選手に追いつきましたァ!!』


しかし、次巡、13巡目…

曖奈「…」チャッ

曖奈(… うーん…?)


曖奈、ここでタンヤオの不要牌、九索をつかむ…


曖奈(獅子原さんはテンパイしている。 でも、待ちはなんだろう…?)

曖奈(読みにくい… でも、全体的に筒子が切られてないところを見るに、6~7割は筒子待ち…)

曖奈(字牌が集まるのなら、少なくともホンイツにはしているはず。 やはり筒子の何かで待ってる可能性が高い)

曖奈(それに、さっき三索五索と手出しで捨ててるから、索子待ちはちょっと考えにくい…)

曖奈(しかし・・・)

曖奈(なんだろう、何かイヤな予感がする・・・)


※曖奈の常時発動系能力「パーフェクトウォール」発動
>>389コンマ以下
01~60→流局
61~00→振り込み

41流局

曖奈(・・・ここは… 理屈より、自分の直感に従ってみようか…)チャッ

曖奈「…」タンッ→「二萬」

爽「!」


 恒子『えっ、はっ? これは・・・??』

 恒子『どういうことでしょう? 森脇選手、獅子原選手の当たり牌九索をつかみましたが、なんとテンパイを崩してかわしました!!』

 健夜『?? これは・・・ちょっと考えられないですね。 明らかに九索は危険と判断しての打ち筋… 一体何が見えたんでしょうか』


そして、流局・・・


慕「…ノーテン」パタッ

爽「テンパイ…」パラァ・・・

曖奈「ノーテン」パタッ

悠彗「ノーテン…」パタ・・・


伏せられた曖奈の手牌… しかし、モニターで観戦していた恒子たちと観客は皆戦慄していた。


曖奈手牌:四⑧99 鳴き「六七八」「②②②」「222」

爽手牌:東東東發發發白白白⑥⑦⑧9


  ザワザワザワッ  ガヤガヤガヤガヤ・・・


 末原「な、なんや、なんでアレが止まるんや?!」

 咲(考えられない… あの森脇さんって・・・透視能力あるのかな?)

 胡桃(てゆーか、アレでホンイツに取らない獅子原がどうかしてる… まるで清澄のマナー悪い人みたい…!)


 恒子『獅子原選手、13巡目で發・白・三暗刻九索単騎待ちをテンパイしていたのですが、結局和了ならず!!』

 恒子『そして驚くべきは森脇曖奈選手! なんと2回も獅子原選手の当たり牌をつかんでいながら、きっちり止めてみせたのです!』

 恒子『小鍛治プロ、一体、今のは何故かわせたんですか?』

 健夜『えっと・・・ ごめんね、私もよく分からない。 今のは、多分私でも振り込んでたと思う』

 健夜『獅子原さん、普通は絶対ホンイツで受けるべきところを、あえて九索単騎待ちにして、直撃を取るハラだったんでしょうが・・・』

 健夜『通用しませんでしたね。 素直にツモ狙いにした方が良かったのかもしれません』


爽「チッ・・・」ジャラジャラ

曖奈(…本当に九索単騎待ち… 私がタンヤオ狙いなのを見越した上で、ヤオチュー牌… そして私に字牌が来ないから、1・9牌に狙いを定めてたのね…)

曖奈(喰えない相手ね。 やっぱり用心して良かった…)


第二戦南二局一本場

     
東 慕  34100→33100
南 爽  33400→36400

西 曖奈 32800→31800
北 悠彗 19700→18700


【南三局流れ二本場 親:爽】


 ザワザワザワ・・・   ガヤガヤワイワイ・・・・


 恒子『一回戦第二戦も佳境ォ! 南3局へと突入ですっ!』

 恒子『現在トップは獅子原爽選手! 2位に白築慕選手! そして僅差で3位は森脇曖奈選手! ラス本藤選手はやや遅れを取っています!!』


爽(和了できなかったのは残念だけど、ノーテン罰符ゲットで、トップ奪還で私の親だ…!)

爽(ヒヒ…w ここで稼いで、一気に勝負決めてやるぜ!)カチャカチャ


 はやり「さぁ・・・いよいよだね、杏果ちゃん♪」

 杏果「うん… 慕ちゃんにとってはほぼ理想的な展開だね…」

 はやり「みんな頑張れ! ぶちかませ慕ちゃん!!☆」 


慕「ふぅ…」ズモモモモオオォ・・・


 ゴオオオオォ・・・  ビュオオオオオォォ・・・・!


室内だというのに・・・ 

どこからか草原を駆け抜ける春風のような・・・

爽やかな香りのする空気が流れ込んできて、慕の髪がざわざわとなびき始めた。


悠彗(う… 慕、ついに来たかぁ…)

曖奈(ふふ、いよいよね… 思う存分ヤリ合いましょうか、慕ちゃん…!)

爽(ん…? なんか、白築ちゃんが、ちょと、怖いかんじに・・・?)


慕「・・・・・」ザザザザアァ・・・
 
慕(親番はもうない… つまり和了れるとしてもあと2回…!)

慕(獅子原さんも、曖奈さんも、悠彗ちゃんも本当に強いから、どうなるか分からないけど・・・)

慕(思いっきりぶつかっていこう! いざ、勝負!!)ゴォッ!


配牌・・・


慕手牌:①③④⑤2459二二八北白


慕(う~ん… 獅子原さんの親も怖いし、ここは、鳴いてタンヤオ…?)

慕(えっとドラは…)チラッ


ドラ表示牌[七]


慕(このドラ(八萬)を使えたらいいんだけど…)スッ

曖奈(・・・慕ちゃん、手牌の右にドラがあるわね…?)

曖奈(まだ甘いわね慕ちゃん… ここは和了らせないわよ…!)ニッ


慕「…」トンッ

爽「ポン!」→「白白白」

慕「ん」


慕(役牌鳴かれちゃった。 獅子原さんはさすがにここは、速攻で連荘狙いかな…?)

慕「…」チャッ

慕(! 鳥さんが来た… よし、ここは・・・!)


慕、最終的な和了の形をここで思い描く・・・

そして、9巡目…!


慕「リーチっ!」ドッ!

 
 恒子『! キマシタッ! ここで白築選手が初めて千点棒を場に出しましたァ!!』


悠彗(! 来たか… でも私も染め手の一シャンテン。 オリはないよ…!)チャッ

曖奈(テンパイ… めくり合いでは分が悪いけど、勝負するしかないわねぇ)チャッ

爽(くそっ、先手取られたか… でも親だし、逃げるわけにいかねえ!)チャッ


四者四様の思いが卓上で交差する・・・

そして…!


?「〇×!!」


>>399コンマ以下(和了者)
01~70→慕(「プリマヴィント」発動)
71~80→爽
81~90→曖奈
91~00→悠彗

打点
>>400コンマ以下(打点表>>44) 

73爽 30二翻ツモ


12巡目…

爽「ツモッ!!」タァンッ!!

慕「!」
曖奈「……」
悠彗「…くっ」

爽「白・ドラ1! 二翻の二本場は1200オールだっ!!」カッ!


慕(う… やられた。 白取っとけば良かったかな…?)シュン

曖奈(オカルト無しのヒラ打ちでも、十分強いみたいね… 侮れない)

悠彗(安手の連荘なら歓迎だよ… 次こそは私が…!)キッ


 恒子『白築選手のリーチをかわして、獅子原選手の早和了りが決まりましたァ! これで… 南3局は3本場に突入ですっ!』

 恒子『まだまだ… 誰が勝つのか、全く分かりませんッ!! 第二戦終盤戦、戦況は混沌としてまいりましたァ!!』


第二戦南二局流れ二本場
     
東 爽  36400→41000
南 曖奈 31800→30600
西 悠彗 18700→17500
北 慕  33100→30900

>>401一部訂正

×第二戦南二局流れ二本場
〇第二戦南三局流れ二本場


【南三局三本場 親:爽】


 ワイワイガヤガヤ・・・  ユエチャンマダギャクテンデキルデェーッ!  シシハラァ! ソノママトップトッテマエェッ!!  アイナサンココカラデスヨォッ!  シノチャンガンバレェーッ!! ガヤガヤガヤ・・・・


恒子『場が混沌となるにつれて、卓の緊迫度も増していきます! まるで選手たちの心臓の鼓動が聞こえてくるようですッ!!』

 恒子『観客の方々もここが勝負の分水嶺だと分かっているのでしょう! 声援がひときわ大きくなっています!!』

 恒子『果たして… 勝利の女神は誰に微笑むのか?! 目が離せません!!』


 揺杏「お・・・おい、爽があの10年前のレジェンドたち相手に、終盤でもトップ守ってるぜ…?」マジカヨ

 成香「すごいです…! 爽さん!!」

 誓子「いや~… でも最後まで分からないわよ…?」

 ユキ(爽さん…! 頑張って下さい!!)


配牌・・・

爽(ここだ… ここが勝負のキモだッ! 絶対に連荘決めてやる…!!)カチャカチャ

曖奈(慕ちゃんだけでなく、親の早和了りも抑えて和了るのは骨ね… でも、やるしかない!)カチャカチャ

悠彗(一発を狙うしかない。 ここで終わってたまるか!!)カチャカチャ

慕(…みんなすごい気合い… でも… 私だって負けないよ!!)カチャカチャ


※能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>406コンマ以下
01~25→爽
26~50→曖奈
51~75→悠彗(既に2回能力を使ってるので、選ばれたらノーマルステージ)
76~00→慕(南3局なので「プリマヴィント」発動可能) 

24爽

爽「・・・・・」ハアハア

爽(フリカムイに青い雲、赤い雲まで使って、、さすがに息切れしてきてるけどさ・・・)

爽(もう一発… 使わせてもらうぜっ! 出でよっ!! 〇△×!!)


 “ブワアアアアァァ・・・ッ!!”


曖奈(くっ!? また、何か…?)

悠彗(上等だよ… 見せてみなさいよあんたの異能…!)

慕(しまった… また獅子原さんが…!)


身構える他家3人… そこへ現れた、獅子原爽4回目の“異能”は…?


1.「白い雲」
索子を集める。
和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

2.「パコロカムイ(寿命の支配者)」
特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

※早く「3票」を獲得した方で

慕のものはステージではなく特殊発動系なので南3局だから発動されないのでしょうか?
>>42においても能力が被った場合、ランキング上位者が優先されるといった内容があるのですが

>>412
>>42の「ステージ系能力」の説明で、
「連荘の一本場、二本場などはオーラス以外は全て“能力ステージ”です」とあります。

オーラスではないのでここは能力ステージになります。

慕のステージ系兼特殊系能力の「プリマヴィント」は、南三局で必ず発動するとありますが、これは東南西北のどこになっても、南三局で発動されるという意味です。優希が東一局で「東場の神」が必ず発動されるのと一緒ですね。

南三局からオーラスに亘って発動されるので、特殊能力になっています。 南三局で発動されている今は、ステージ能力と変わりないです。 ランクが上の雀士でも、一本場以降はコンマによる能力選択になります。

曖昧でごめんなさい。 ということでここでは慕の能力は発揮されないということでいいでしょうか?

>>413 回答ありがとうございます。慕の特殊系能力はステージ兼ということは初耳でしたので、それを考慮するとあまり後半といえどそこまで有利ではないという風に理解いたしますね

>>414
どうすればいいの?

>>326は読んでもらえたでしょうか?
「対局が始まってから、ルールと各自のアドバンテージについての“有利不利”について言及するのはタブー」
というのをルールとして定めています。

一応了解を得られたルールだと思っているんですが、変えますか?
他の方もご意見お願いします。

1「白い雲」


爽(恐らくコレが私が使うこの試合最後の能力になるだろう・・・)ズモモモモォ・・・

爽(温存してきて良かったぜ…! インハイで親倍8000オールを和了ったコイツをよ・・・!)

爽(出でよっ! “白い雲”!!)カッ!

 
 ボボォッ! バンッッ!!


爽が… またもや“あの動き”で卓の右角を叩いた・・・


曖奈(・・・まったく、呆れた“能力者”ね… 一体何種類のオカルトを使役できるのかしらぁ…?)

悠彗(“能力”は絶対じゃない… その能力の特徴をつかめば、ウラをかくこともできる…!)

慕(今度は白い煙… 一体、何をする気なんだろう…?)


爽(うぇひひ…ww 白築ちゃんとのラブラブデートも、カウントダウンに入ったみてーだな…!)グフォフォフォフォ・・・!!

中途半端で申し訳ないんだけど、今日はここまでにします。
質問は一向に構わないし、むしろ貴重なんだけど、運営者として>>326のルールは読み手の人たちに守ってもらいたい、と思っています。 いいよね? 

コンマ・安価対応あざした!
引き続きみんなで楽しんでいけたらいいなと思います
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ

ところで、よくよく考えたんだけど、>>326で定めた「対局が始まってから、ルールと各自のアドバンテージについての“有利不利”について言及するのはタブー」というルール、無しにした方がいいような気がするので、今更だけど撤回していいでしょうか?

やっぱり誰でも気軽に率直な意見を書き込めるのがこういう掲示板SSの一つの長所だし、>>1にはこんなルールを定める権限はないと思うし。

でも勿論、対局が始まってからはルールやアドバンテージについての苦言や意見を書くのは出来る限り控えて欲しいんだけど、書くのならそう思う理由や根拠を一緒に書くようにして下さい。

それでみんなが納得してその意見に賛同するなら、対局を無効試合にして一から書き直すなど、出来る限りの対応はしたいと思います。 読み手が納得できない勝負を書いても仕方がないからね。


※慕のアドバンテージがSランカーとしては弱いと感じている方がいるようなので、例として三尋木咏と比べてみます。 気になる人は良かったら参考に読んでみて下さい↓(Sランカーの能力は咏を標準としています。一番シンプルなので)


『S2 白築慕(高三)』

<常>→「フォーゲルセット(鳥さんいらっしゃい)」
    一索が集まる。 チャンタ系、イッツーなど和了しやすい。 常に打点が1ランクアップする。

<特>→「プリマヴィント(最上の風)」
    南三局で和了率が70%、南四局では和了する機会が最も早く来る。 和了できれば満貫以上で和了れる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『S3 三尋木咏(高三)』

<常>→「業火の火力」
    1・2・3翻は全て満貫和了となる

<ス>→「迫り来る怒涛の火力」
    和了率70%。 ハネ満以上確定。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まず常時発動系の能力は、慕は平均打点期待値が12200、咏が10960。 通常(アドバンテージの無い場合)の平均打点期待値は8260なので、慕は一回の和了につき3940点、咏は2700点のアドバンテージがあります。

そして、能力を使用せずヒラで打った際に和了できる回数は、ノーマルステージ4回×0.35=1.4回。 そして他家の能力が使用された時に和了できるのが3回×0.1だとして0.3回。 1.4+0.3=1.7回。 実際にはもう少し和了しやすかったり、連荘時にノーマルステージが出る可能性も出てきたので、大体2回を少し超えるくらいが平均的と推測できます。

従って慕は3940×2=7880点、咏は2700×2=5400点のアドバンテージがあるということになります。


次に<ス>と<特>ですが、まず咏から。 

ハネ満以上確定の打点期待値は13760点。 それを70%の確率で和了するので、13760×0.7=9632点。 この時の他家の打点期待値は、8260×0.1=826点。 よって9632ー826=8806点がアドバンテージになります。

ステージ系能力を発現させるチャンスは、まず振り分けられた1回。 そして、半荘は大体平均11局くらいになることが多いので、連荘時の発現チャンスが3回あって、それを他家とコンマで取り合うとして、まあ大体1回。 つまり合計2回。

ステージ系能力が一つしかない雀士は3回以上能力を発現させることができないルールが付け加わったので実際は1.8回くらいと思われるため、8806×1.8=約15850点。

よって、咏の、能力によるアドバンテージの総合計は、5400+15850=21250点。 


続いて慕。

満貫以上確定の打点期待値は10960点。 それを南3局で70%の確率で和了するので、10960×0.7=7672点。 この時の他家の打点期待値は、上と同じで826点なので、7672-826=6846点がアドバンテージ。

そして南4局では100%の確率で満貫以上を和了ってしまうため、10960×1=10960。 「和了する機会が最も早く来る」ということは、前哨戦のオーラスと同じで、他家で最も早い雀士が二向聴なら慕は2回、三向聴なら慕は3回打点コンマをゲットできる上に、常に1ランク打点はアップするので、実際はもっと高く、多分14000くらい×1=14000点。

この時の、他家の和了する可能性は0ということになりますが、実際には慕がトップあるいは2位に追いつけない場合は和了できないので、南4局で慕が和了できる可能性は多分7割くらい?と推測できるので、ここで期待できる得点の平均は14000×0.7=9800点。 そしてここから他家の和了点8260×0.1=826を引いて、アドバンテージは9800ー826=8974点。

よって、慕の、能力によるアドバンテージの総合計は、7880+6846+8974=23700点。


この計算では、慕は咏より23700-21250=2450点だけアドバンテージが多いですが、実際は、南3局まで常時発動系しか使えない慕はトビ終了があった場合不利なので、総合的に見て、慕と咏の能力の力はほぼ互角だろうと思います。

かなりザッとですが、32名全ての能力のアドバンテージをこんな感じで計算し、Sランカーは20000~25000くらい。 Aランカーは15000~20000くらい。 Bランカーは15000前後、という感じで能力の強さは一応S>A>Bになるようにしています。(ただ、能力の他家に対する相性などもあるため、今のところ、はやり、真深、透華、哩、照などは少し調整する予定)


配牌終了…


爽(よぉーっしいいぞイイゾォ~~w さすが白い雲! いい感じに竹生えてるぜ…!ww)

爽(これなら、迷彩かけながらチンイツ張って… リーチかけてツモれば、最低でも倍満…! 親倍8000オール…! ほぼトップ決定だッ!!)


爽手牌:1222457899④⑧二南


爽(クク…w この手なら多分7~8巡目くらいまでにはチンイツテンパイできるよな)タンッ

悠彗「ポン!」カシィンッ!→「南南南」

爽「びぇっ?!」


悠彗「……」ゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・


爽の第一打でいきなり場風を鳴いた悠彗・・・


悠彗(・・・ちょこまかちょこまかと・・ 小細工ばかり使いやがって・・・)

悠彗(ナメるんじゃないよ。 そんなモノ毎回通用させてタマるか!)キッ

爽(…やべっ、染め手のねーちゃんに役牌鳴かれたか… のんびりはしてらんねーな…)


そして2巡目…

曖奈「チー!」パシィンッ!→「⑦⑧⑨」

爽「あっ」


さらに3巡目

慕「ポン!」カシィンッ!→「二二二」

爽「うぉ?」


悠彗・曖奈・慕「「「………」」」ズモモモモモモオオオォ・・・


爽(な、なんだ…? 全員早和了りか?)

爽(くっそ… ほんとはダマで進めてーんだけど、他家に和了られたら元も子もねー…)

爽(不本意だけど… ここは加速だっ!)

爽「チー!」パシィンッ!→「456」


親にコレ以上和了させるものかと、爽に牽制を仕掛ける他家3人…

しかし、インハイで咲、恭子、ネリ―というメンツを相手に倍満を和了した「白い雲」の力は、悠彗が言うような小細工というレベルのモノではない…!

爽、わずか6巡目にしてチンイツを3メンチャンでテンパイ!!


爽手牌:1122278999 鳴き「456」


爽(よしよし…! 1、6、9の3メンチャン… 二索が出たらカンしてもいいし… 悪い待ちじゃねーだろ…)

爽(索子の染め手だってのはバレてっかもしれないけど、もう局数がすくねーからな。 多少無理してでも和了りに来るはず…!)

爽(ふひひ…w 振り込み待ってるよ! 皆さん!!)ククク・・


~実況室~


恒子「親の獅子原選手6巡目でチンイツテンパイ! 他家も急いでるようですがさすがにまだ1~2シャンテン…! これは追いつけるのかぁ?!」

恒子「しかし… すごいですね獅子原選手! 配牌もかなり索子で偏っていましたが、一鳴きしたとはいえほぼ一直線でテンパイしてしまいました」

健夜「これもオカルトの力を使ってますね。 五色の雲のうちの一つ“白い雲”だと思います」

恒子「やはりオカルトですか… そういえば、永水の石戸霞選手の“絶一門”と同じじゃないですか、これ?」

健夜「いえ… 似てはいますけど違います。 石戸さんのは、他家を強制的に絶一門状態・・・つまり萬子・筒子・索子の数牌のうちどれか一種類が完全に手元に来なくなるようにして、その分の絶一門牌を自分の配牌、ツモに全て引いてくることで染め手を作る・・・という能力です」

健夜「それに対して獅子原選手が今使ってるのは、“白い雲”を自らに仕掛けることで、“索子が集まりやすくなる”というだけの能力ですね。 絶一門と違って他家にも索子が行きます」

健夜「白い雲は、アイヌの創世伝説で“植物や動物”に変えられた雲です。 つまり貨幣を通す竹串を現している索子を集めることができるわけです」

恒子「ほぉーん… つまり絶一門の劣化版みたいな感じ?」

健夜「いや、えっと… 確かにパワーは劣りますが、他家にも少しだけ索子が行くというのは、振り込みも期待できるっていうことだよ?」

健夜「絶一門はツモ和了りしかできませんからね。 強力ではあるけど、使い勝手という点では・・・」


 ?『ロンorツモor〇×!!』


恒子「おや?!」


>>437コンマ以下(和了者)
01~70→爽(「白い雲」発動)
71~80→曖奈
81~90→悠彗
91~00→慕

打点
>>438コンマ以下(打点表>>44) 

はい

10爽 88倍満ツモ

~会場~


爽「ツッモオオォッ!!」タァンッ!


曖奈「うっ?!」
悠彗「っか・・・」
慕「あ…」


爽「開眼して見やがれッ!! チンイツドラ3! 倍満! 8000オールの三本場は8300オールだッ!!」ザァッ!!


爽手牌:1122278999 ツモ「6」 鳴き「456」 ドラ[6]赤[5]


爽「続けて四本場ァ!!」カッ!


第二戦南三局三本場
     
東 爽  41000→65900
南 曖奈 30600→22300
西 悠彗 17500→ 9200
北 慕  30900→22600

※爽が倍満を和了したため、次巡で特殊能力「アッコロとホヤウ」発動

「アッコロとホヤウ」
自分が倍満以上を和了した時に発動。
次局で他家のオカルトを完全に封じ、中と萬子が集まる。 40%の確率で満貫以上を和了。


 シィ――ン・・・・

・・・ドッッオオオオオオオオオオオオオオォォォォ―――――ッッ!!!  ウワアアアアアアアァァァ―――ッ!!  サッスガァ!  キマッタァ!!  シシハラサンダイテエエェ――ッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


会場は・・・

一瞬、水を打ったように静まり返った直後、大歓声に包まれた・・・


 恒子『っき・・・・』ブルブル…

 恒子『決イイィまったアアアアアアァァ――――ッッ!!!』=3

 恒子『南三局三本場! 獅子原選手の親の倍満が炸裂ゥ!!』

 恒子『まるで… まるで! あのインハイでの有珠山高校の奇跡の連続和了を見ているかのようです!!』

 健夜『すごいですね… 他家3人も、早和了りでなんとか流そうとした対応は間違っていませんでしたが、それに対して鳴きで加速した獅子原選手が一歩早かったですね』

 健夜『インハイでは、獅子原さんはわずか30300点しか点棒がないという絶望的状況から7万点近くの点棒を稼ぎ、一時は2位にまで順位を上げました』
 
 健夜『この選手はやはりノセると恐ろしい力を発揮しますね… これは、まだまだ親の連荘が続くかもしれませんよ…』


【南三局四本場 親:爽】


 ユキ「や、やった! 爽さん!!」

 揺杏「あ、あんにゃろ… やりやがった!」

 成香「素敵すぎます!!」

 誓子「2位に4万点以上の大差… しかももう南3局で親は継続中…」

 誓子「確かに、かなり有利ではあるけど… でも、まだ分からないわよ…」


悠彗「はい…」ジャラ・・・
曖奈「……」ジャラ・・・
慕「はい、獅子原さん」ジャラ

爽「ふへへw あざーすww」チャッ


3人それぞれから8300もの点棒をもらい、ニタニタと口元を緩める爽…


爽(ひひ…w どんなモンだよ! この終盤でこの点差だ。 私のトップはもう決まったようなもんだな…)ククク・・・

爽(いい気分だぜ。 他家もみんなさすがに顔面そうは・・・  ん?!)


慕「~~♪」ニコニコ


爽(な、なんだ? 白築ちゃんだけ全然動じてねー… 東一局の時と変わらずニコニコ楽しそうにしてやがる…)

爽(暫定2位だからか? いや・・・ 本当に、単純に、このシチュエーションを楽しんでるっつーのか・・・?)


爽「おい・・・ 白築ちゃん、“賭け”のこと… 分かってんだろーな?」

慕「え? ああ、うん。 勿論、忘れてないよ?」

爽「…随分余裕っすね… もう私と白築ちゃんは… 4万点以上の点差があるんだぜ?」

慕「そうだね。 でもまだ終わってないよ」ニコニコ

爽「…ここから、私をまくる自信があるっつーのか…?」

慕「いや、別に、そんな自信なんかはないけど… でも、こうして獅子原さんみたいなすごい人たちと麻雀できるだけで、私は楽しいもの」

爽「こんだけ点差があってもか?」

慕「ふふっ、点差があったらあったで… 考えることが変わってくるんだから♪ そこが麻雀の面白いところじゃん」ニコッ

爽「…!」






~国際フォーラム内・医務室~


憩「・・・白築さん… 笑ってますねーぇ…」

憩「さすがはレジェンド。 こんな不利な状況でも、勝つ公算があるんやろか…?」

閑無「………」


医務室内の、モニターを眺める憩と閑無…

閑無は、相変わらず点滴を刺されたままベッドの上で横になっていたが、食い入るようにモニター画面を見守っていた…

そして、そんな閑無の頭に思い浮かぶのは、7年前… 初めて慕と試合で対戦した全小県予選決勝のことだった。


閑無(あん時… 慕は、一人だけぶっちぎり最下位だってのに、ヘラヘラ笑ってやがった…)

閑無(当時はそんな態度を見てイラッとしたもんだけど、今はあいつのあの表情を見るとホッとするな…)

閑無(あいつは麻雀が好きで好きで仕方がない… 本物の麻雀狂いだ)

閑無(どんな不利な状況でも、あいつは何度も何度も終盤で信じられねーような逆転を成し遂げてみせた…)

閑無(慕… このまま自分の麻雀を貫けよ! 最後まで楽しむんだ!)

閑無(そして、曖奈さんは勿論、悠彗だって… このまま終わるようなタマじゃねーはず… 見せてくれよお前の本気をよっ!!)


~会場~


2巡目

悠彗「……」チャッ、パシッ

曖奈「……」チャッ、タンッ

慕「……♪」チャッ、パシッ


爽(……)

爽(白築ちゃんは勿論… あとの二人も、目が全然死んでねー… マジでこの状況から、私をまくるつもりなのか…?)

爽(ふぅ… でもな、勝つのは私… この獅子原爽なんだよっ!)

爽(へへ…w 一回戦のうちに、コイツラが戻ってきてくれるとは思ってなかったぜ… まさに僥倖…ww)

爽(見せてやんよ私のとっておきを!)カッ!


その時… 雲間が切れ、そこから“紅”の日光が降り注ぎ… 爽の背後に現れた海を真っ赤に染めた・・・

そして、そこへ現れた、二体の巨大な異形・・・!


爽(インハイで数え役満を和了した、私が持つ最強の力・・・!)

爽(その健気な表情を絶望に染めてやるぜッ! “アッコロとホヤウ”―――ッ!!)ブワアァッ!


悠彗「うぇっ?!」

曖奈「な…?」

慕「ぶっ!?」=3


一同におののく3人…

そう、爽の体から、まるで卓を覆い尽くすかの如き強大なオーラが噴き出し…

その背後に、翼の生えた巨大な“蛇”と、足が数十本はあると思われる山のような“タコ”が現れたのである…!


 咲「ぅわわ?!」フルフル

 衣「ぬぅ?」

 穏乃「な、なんだあれ…?」

 小蒔(! こ、これは… かなりの高位レベルの妖異幻怪…!)

 良子(18)(むぅ…? アレは、スネイクとオクトパス…? いや、マヤのククルカンに似てますね…?)


卓上のみならず、会場のあらゆる場所で、魔物級の雀士たちが敏感に反応する…


爽(さあぁ私は容赦しねーぜ! まずは・・・)

爽(やれっ! “ホヤウカムイ”!!)ザッ!


悠彗(ん?!)
曖奈(え!?)
慕(…あれ?)


爽がホヤウカムイを発動すると同時に、他家3人の、ランランと輝いていた瞳が、曇る…!


悠彗(…なんだ、なんか変だ… 筒子で染めたいのに… ま、まるで引ける気がしない…??)

曖奈(何かしらこの変な感じ… まったく鳴くことができない…?)

慕(あ、あれ…? 鳥さんが来てくれる気がしない…? ど、どうなってるの??)


動揺を隠せない3人…


爽(ふひひひ…w ホヤウカムイはな、あの宮永咲やネリ―など、最高レベルの異能をも完全に封じることができる最強のオカルトキャンセラーなのだッ!)

爽(古代、洞爺湖の守り神だったホヤウカムイは、どんな異形どもがそこに攻め込んできても、凄まじい臭気を放つことで撃退し、湖に生きる生き物たちを守ったんだ)

爽(へへ…w わりーが、この局だけはあんたたち固有の能力は作用しないぜっ!w)


爽(さてじゃあ… 確実にキメにいくかっ! 出でよっ! “アッコロカムイ”―――ッ!!)バアアアアァァ…ッ!!


化け物ダコ、アッコロ降臨…! と同時に、爽の手牌に次々と萬子と中が集まっていく…!


 恒子『おっ、おお…? これは…?』

 恒子『獅子原選手の手牌が… まるで血に染まっていくかのように赤く染まっていきます! 7巡目にして面前ホンイツ一シャンテンですっ!!』


爽手牌:中中中一一一四五七八八八④


爽(クク…w アッコロは北海最強…! そして船やクジラをも一呑みにしてしまうほどの巨躯をもつ…!)

爽(コイツが海表面に浮き上がってくると、付近の海はもちろん、空までもが体色を反射して赤く染まったと言われている…)

爽(ゆえにアッコロの染め手の力は無敵だッ! 手牌だけでなく、河までもが萬子で赤く染まるんだからな…!)


8巡目・・・

爽「…」チャッ!

爽(! よし入った! 中メンホンテンパイ…!)

爽(ほんとはリーチかけてーところだけど… 4万点以上の差をつけてトップなんだから、何も無理することはない…)

爽(ここはダマだっ! さあ… みんな、萬子は不要だろ? 早く私の当たり牌出せよ…!w)グフォフォフォフォ・・・


手ぐすね引いて待ち構える爽…

それに対して、他家は…


悠彗(ちぃ… 何も染め手ばかりが私の力じゃない! ホンイツが無理なら三色狙いで…)チャッ、パシッ

曖奈(鳴けなければ面前で進めるだけ… もう独壇場にはさせないわよ…!)チャッ、タンッ

慕(鳥さんが来なくても、大丈夫…! 負けない!!)チャッ、パシッ


四者四様の思いが渦巻く卓上・・・

そして、10巡目!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>451コンマ以下(和了者)
01~40→爽(「アッコロとホヤウ」発動)
41~60→曖奈
61~80→悠彗
81~00→慕

打点
>>452コンマ以下(打点表>>44) 

18爽 74ハネ満ツモ


爽「ツモだぁっっ!!」タァンッ!

爽「ツモ・中・メンホンドラ2・・・ ハネ満6000オールの四本場は6400オールだッ!!」クワッ!


爽手牌:中中中一一一四五六七八八八 ツモ「九」 ドラ[七]赤[五]


悠彗「っつ…!」

曖奈「ぅぐ…」

慕「……」


爽「まだ終わらねーぞ! 五本場だッ!!」チャッ!


第二戦南三局四本場
     
東 爽  65900→85100
南 曖奈 22300→15900
西 悠彗  9200→ 2800
北 慕  22600→16200


【南三局五本場 親:爽】


 ウワアアアアァァ――ッ!・・・ ドヨドヨ・・・  ザワザワザワ・・・・  トマラネェーナオイ・・・  マジヤベェ・・・  ナンダアイツ・・・?  ガヤガヤガヤ……


 恒子『またまた決まったァッ! 獅子原選手見事なハネ満和了ァ!!

 恒子『ですが… 会場は一瞬歓声が湧きましたが、すぐにどよめきへと取って代わりました… しかしそれもそのはず!』

 恒子『親の連荘が止まらないのですっ! なんと現在五本場!!』

 恒子『開局前に、小鍛治プロが「獅子原さんがいろいろやってくるだろうから、それに対して他家がどう対応できるかがこの試合のカギになる」みたいなこと言ってましたが、本当にそんな感じになってきましたねぇ…』

 恒子『北海道のオカルトデパート獅子原爽に対して! 朝酌の伝説の雀士3人が手も足も出ませんッ!! 完全にワンサイドゲームになりつつありますッ!!』

 恒子『これで獅子原選手は2位に7万点近くの差をつけてのトップ… 最下位の本藤選手はトビ終了も見えてきてしまいましたッ!』

 健夜『さすがに逆転は難しいでしょうね。 しかし… 獅子原さんが“ハマる”と、こんなに力を発揮するとは…』


爽(よし…! 誰も不要牌の萬子を出さなかったのはさすがだけどさ… 私がアッコロとホヤウを呼び出せた時点で、この局の勝利は決まってたんだよ!w)


 ザワザワザワ・・・  ガヤガヤ・・・・  ドヨドヨドヨドヨ・・・・


ユキ「…? 爽先輩がオヤッパネ和了ったのに… 全然拍手ありませんね…」ヒソヒソ

誓子「え? あぁ… そ、そうねぇ。 爽、ちょっとヒールになっちゃてるかもしれないわねw」

成香「ヒール…?」

揺杏「悪役になりつつあるってことだよ… ま、あんな性格の奴だからごもっともな話だけどな…」ヤレヤレ

ユキ「そ、そんな…! そんなの頑張ってる爽さんがかわいそうですよっ! みんなでもっと応援しましょう!!」

揺杏「おう、そうだな!!」

誓子「サワヤガンバレー(棒)」

成香「チカちゃん… 全然心がこもってないよ…?」


 サワヤサン! ガンバッテクダサーイ!!  ステキデスサワヤサン!!  ソノママキメチマエサワヤァッ!!


観客席から飛んでくる有珠山メンバーたちの声・・・

しかし、爽には、そんな仲間たちの声すらもう耳に入っていなかった・・・


爽(むふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉ・・・ww ここまで来ればもう勝ったようなモンだッ!)ウェヒヒ・・・w

爽(白築ちゃんとのデートまであともう少し…! この局で決めてやるぜっ!!)


悠彗(… 情けない… まさか、こんなに情けない展開になるなんて…)ジワァ・・・

悠彗(でも… 私にだって意地がある! こんな無様なままで終わらせてたまるかっ!)キッ!


曖奈(…獅子原さんの力を見誤ったかしらぁ…? まったく止められない…)

曖奈(でもまだ勝負はついていない。 次局は私の親だし… とにかく全力で流す!)ゴォッ!


慕(すごい… 獅子原さん本当にすごいよ…!)

慕(でも、私はあきらめないよ…! 最後まで、私らしい麻雀で・・・頑張る!!)カッ!


※能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>461コンマ以下
01~25→爽
26~50→曖奈
51~75→悠彗(既に2回能力を使ってるので、選ばれたらノーマルステージ)
76~00→慕(南3局なので「プリマヴィント」発動可能) 

08爽
「パコロカムイ(寿命の支配者)」
特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)


4巡目・・・

 チャッ、パシッ、タンッ!  チャッ、パシッ、タンッ・・・・


爽「……」チャッ、タンッ

爽(…ん? オッ? おっ おおおぉ…?)ズズズズズズウウゥ・・・


爽の背後に… 真っ黒な、老婆のような異形が現れる…!


爽(お・・・おいおいマジかよ! お前まで戻ってきてくれたのか…?)

爽(ヨッシャ! これでトドメが刺せるぜ… 何しろパコロカムイを取り憑かせれば、そいつはもう振り込むしか道がないんだからな…!)ククク・・・

爽(インハイで末原さんに仕掛けた時は、カンの連続で結局逃げられたけど… パワーアップしたコイツからはもう何人も逃げられねんだよっ!w)

爽(ふふ…w じゃ、早速、〇〇〇にパコロを仕掛けるか!)バッ


 “ズオオオオオオオオオォォォ・・・!!!”


?「ひっ?!?」


※爽がパコロを仕掛けた相手は…?

1、曖奈
2、悠彗
3、慕
4、「いや、これはコンマで決めるべきだ」

最も早く「3票」を獲得した番号でイキます

そう言えば爽さんのカムイって去って行く迄その場に居座って居た筈ですが
この局でも暴れ続けて居るんでしょうか?

2悠彗


 “ズオオオオオオオオオォォォ・・・!!!”


悠彗「ひっ?!?」=3


悠彗の細くしなやかな体に、真っ黒なパコロカムイがまとわりつく・・・!


爽(ふひひ…!w ここは当然、仕掛けるべきはトビ寸前の本藤さんだ!)

爽(私が和了れなくてもいい… 森脇さんか白築さんがロンしてくれてもいーんだ)

爽(五本場で自動的に1500点が加わるんだから、二翻以上を振ったらそこで本藤さんはトビ…! 私のトップで終了だッ!!)


悠彗(・・・な、なにこのカンジ・・? 何か触手みたいのが体にまとわりついてるような…?)ビビクンビクン・・・

悠彗(あ… でもBL×触手って・・・新しいしイケてるかも・・! よし、今度の同人はそういうテーマで・・・ww)グフォフォフォ・・・


危機的状況に置かれながらも、男の宴の妄想をやめない悠彗… 

しかし、それが命取りだった。


?「ロン」

悠彗「・・・は?」


>>473コンマ以下(和了者)
01~50→爽(「パコロカムイ」発動)
51~75→曖奈
76~00→慕

打点
>>474コンマ以下(打点表>>44) 

はい

82慕 77ハネ満


慕「・・・ロン」パラァ・・・

悠彗「・・・は?」


唖然とする悠彗…


慕「ピンフ・三色・ジュンチャン・・・ ハネ満12000の五本場は13500です」

悠彗(・・・あ、あれ? なんで私、慕相手に一索切ってんの…?)


慕手牌:1123一ニ三七八九①②③ ロン「1」


慕(う… 本当は、獅子原さんから和了りたかったんだけど…)

慕(悠彗ちゃんが強敵だからこそ、ここは見逃せない… その鳥さんだけは、見逃せなかったよ…)

曖奈(あらぁ…? どうしたのかしら、悠彗が明らかなチャンタ手の慕ちゃん相手に一索切るなんて…?)


爽(ひひひ…w 思惑通り! うまくいったぜ!!)ケケケ・・・


爽、ほくそ笑む…!

10年前の最強メンバーのうち二人を撃破…!

伝説の雀士、森脇曖奈、本藤悠彗… 「現在」の雀士の中でも指折りの魔物・獅子原爽の前に、惜敗・・・!


第二戦南三局五本場(終局)
     
東 爽  85100
南 曖奈 15900
西 悠彗  2800→-10700
北 慕  16200→29700


順位
1位 獅子原爽(準決勝進出決定)
2位 白築慕 (準決勝進出決定)
3位 森脇曖奈
4位 本藤悠彗





本日以上です。
今日も安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

南四局書く準備を一昨日からしてたのに、結局無駄骨折りだったよ! 獅子原さんアンタ何すんねん!(怒)

>>470
ホヤウは数局にまたがって居座ってましたよね。 ここではアッコロと一緒に帰ったようです。


第三戦のメンバーの能力をまた貼っておきます↓(靖子・怜・洋榎に少し加除訂正があります)
もし変更や調整などの意見があったら、試合スタートまでにレスお願いします。

※対局が始まれば、変更や調整は非常に難しい、というかほぼ無理だと思います。 一から書き直さなくちゃいけなくなる。 なので面倒ですが必ず意見は試合が始まるまでにお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『S3 三尋木咏(高三)』

<常>→「業火の火力」
    1・2・3翻は全て満貫和了となる

<ス>→「迫り来る怒涛の火力」
    和了率70%。 ハネ満以上確定。

<特>無し

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『A15 藤田靖子(高三)』

<ス>→「ショットガンMAKURI」(東3局以降で発動)
    発動時、トップとの点差が1万点以下の場合→直撃で100%まくる
                1万点~2万点の場合→直撃で70%の可能性でまくる
                2万点~3万点の場合→直撃で40%の可能性でまくる
    
    ※自分がトップだったり、3万点以上差がついてる場合は、能力は発動されない。

<特>→「まくりの女王」
    南4局、必ず最も早く和了の機会を得られる。(ただし自分がトップの時は発動されない)

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『B21 園城寺怜(高三)』

<常>→「一巡先を見る者」
    常に一巡先が見える。 リーチをかけていない限り振り込むことはない。 和了者のツモになる。(ただし、ダブルかトリプルを使うと、次局だけ見えなくなり、振り込むこともある)
    また、ダブルとトリプルを両方使用していた場合は、体力の低下により南四局では見えなくなり、振り込むこともある。

<ス>→「リーチ一発ツモ」
    鳴かれない限り和了れる。 和了率40%で満貫以上確実。 ただしリーチをかけているため、失敗すると振り込むこともある。

<ス>→「ダブル」
    和了率70%。

<ス>→「トリプル」
    自分で和了ることはできない。 卓を読んで操り、特定の誰かを、特定の誰かへと振り込ませることができる。(満貫かハネ満か倍満)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑨ 愛宕洋榎(高三)』

<常>→「格の違い」
    他家のテンパイ及び当たり牌を察知する。
    振り込みを60%の確率で回避できる。(他家に押しつける)

<ス>→「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

>>1の個人的推測では、Bランクの二人の防御が強いので、咏と靖子はわりと苦戦するのではないかと思っています。フタを開けないと分かりませんが。
ちなみに、靖子の「ショットガンMAKURI」が発動されれば、怜や洋榎でも無条件で振り込みます。(靖子の方がランクが上なので優先される。 あと基本的にはステージ系は常時系より優先されるので)

乙です
カツ丼さんの能力ですが
ツモにも対応した能力にしたら如何でしょうか?
後…洋榎姉さんの能力は鋭い勘による物ですから対局相手のランクによって放銃率を変えたら如何でしょうか?

咏能力が他の子と比べるとシンプルに感じていまいちに見えるけど、計算上の結果はでてるからそういう事なんかね。
防御系は誰かにそれを押し付けることが出来るから2位になり易くなれるって思えば強いんだろうけど

ご意見あざす。

>>489
了解です。ちょっと変えてみました。以下でどうじゃろか?↓

『A15 藤田靖子(高三)』

<ス>→「ショットガンMAKURI」(東3局以降で発動)
    発動時、トップとの点差が1万点以下の場合→100%まくる
                1万点~2万点の場合→70%の可能性でまくる
                2万点~3万点の場合→40%の可能性でまくる
    
    ※7割はトップに対する直撃でまくる。また、自分がトップだったり、3万点以上差がついてる場合は、能力は発動されない。

<特>→「まくりの女王」
    南4局、必ず最も早く和了の機会を得られる。(ただし自分がトップの時は発動されない)

ーーーーーーーーーーーーーーーー
『B24⑨ 愛宕洋榎(高三)』

<常>→「格の違い」
    他家のテンパイ及び当たり牌を察知する。
    振り込みを、相手がSランカーの場合は40%、Aランカーの場合は60%、Bランカーの場合は80%の確率で回避できる。(他家に押しつける)

<ス>→「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

>>490
本藤悠彗と比べると分かりやすいと思います。(Bランカーは本藤悠彗を標準にしています。一番シンプルなので)

咏の「迫り来る怒涛の火力」は、悠彗の「腐一色」と、能力の強さという点では全く同じです。

つまり咏は「業火の火力」がある分、悠彗よりアドバンテージが強力なわけです。

そして間のAランカーはみんな、咏よりは弱く、悠彗よりは強い能力をもつように設定してる感じです。


他の方も良かったら意見ドウゾ

乙あざす
第三戦開始まで進めるにょ

試合開始は例によって22:00頃から

>>477本当は一部訂正
慕の「フォーゲルセット」が発動して、本来はハネ満ではなく倍満でしたが、勝敗への影響もなく直す必要はなさそうなので、このままにします


〇第三戦のメンバー各自の能力詳細

他の方の意見を加えて、少しだけ加筆してます。 もし何か調整、変更が必要と思われた場合は、試合開始までにレスお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『S3 三尋木咏(高三)』

<常>→「業火の火力」
    1・2・3翻は全て満貫和了となる

<ス>→「迫り来る怒涛の火力」
    和了率70%。 ハネ満以上確定。

<特>無し

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『A15 藤田靖子(高三)』

<ス>→「ショットガンMAKURI」(東3局以降で発動)
    発動時、トップとの点差が1万点以下の場合→100%まくる
                1万点~2万点の場合→70%の可能性でまくる
                2万点~3万点の場合→40%の可能性でまくる
    
    ※7割はトップに対する直撃でまくる。また、自分がトップだったり、3万点以上差がついてる場合は、能力は発動されない。

<特>→「まくりの女王」
    南4局、必ず最も早く和了の機会を得られる。(ただし自分がトップの時は発動されない)

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『B21 園城寺怜(高三)』

<常>→「一巡先を見る者」
    常に一巡先が見える。 リーチをかけていない限り振り込むことはない。 和了者のツモになる。(ただし、ダブルかトリプルを使うと、次局だけ見えなくなり、振り込むこともある)
    また、ダブルとトリプルを両方使用していた場合は、体力の低下により南四局では見えなくなり、振り込むこともある。

<ス>→「リーチ一発ツモ」
    鳴かれない限り和了れる。 和了率40%で満貫以上確実。 ただしリーチをかけているため、失敗すると振り込むこともある。

<ス>→「ダブル」
    和了率70%。

<ス>→「トリプル」
    自分で和了ることはできない。 卓を読んで操り、特定の誰かを、特定の誰かへと振り込ませることができる。(満貫かハネ満か倍満)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑨ 愛宕洋榎(高三)』

<常>→「格の違い」
    他家のテンパイ及び当たり牌を察知する。
    振り込みを、相手がSランカーの場合は40%、Aランカーの場合は60%、Bランカーの場合は80%の確率で回避できる。(他家に押しつける)

<ス>→「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

※靖子の「ショットガンMAKURI」が発動されれば、怜や洋榎でも無条件で振り込む。



 恒子『っけ・・・・』

 恒子『決着ウウウウウウゥゥゥッッ!!!』=3

 恒子『南三局五本場! 残り点数2800点となっていた本藤選手が、白築選手のダマッパネに放銃ゥ! ブットビで終了オオォッ!!』

 恒子『第一戦に引き続き・・・第二戦もまさかのまさか! 南四局まで回りませんでしたッ!!』

 恒子『これにて… 1位獅子原選手と2位白築選手が勝ち上がりィ! 準決勝へと駒を進めることになりましたァ!!』

 恒子『3位森脇選手と4位本藤選手も・・・大変魅力的な闘牌を魅せてくれましたが、残念ながら!ここで敗退ですッ!!』


爽(ひひひ…w めちゃくちゃグッドなタイミングでカムイが来てくれたおかげで… 圧勝できたぜ!ww)

爽(どーよ白築ちゃん! これで私に惚れたんじゃねーの?)ニタニタ


慕(勝ち抜きはできたけど… 私は、やっぱり、トップになりたかった… 悔しいな…)

慕(こんな麻雀じゃ、全然納得できない。 次の準決勝こそは、もっといい対局をしたいな!)


曖奈(ふぅ… いまいちノリ切れなかったわねぇ… それに… 私たち3人が、これだけの点差をつけられて負けるなんて… 屈辱ね)

曖奈(でも、ここはこれだけの点数を叩き出した獅子原さんを称えるしかないわねぇ…)


悠彗(トバされた… まさか、閑無に続いて、私までトンじゃうことになるなんて… あぁ… カッコ悪いなぁ、私…)

悠彗(でも… さっきは、なんで私、慕のあんなミエミエの待ちに振り込んじゃったんだろ…?)


爽・慕・曖奈・悠彗「「「「 ありがとうございました!!!! 」」」」

 
 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・  ミンナヨクガンバッタァッ!  モリワキトホンドウモヨカッタデェッ!!  パチパチパチパチパチパチ・・・・・


慕「お疲れ様でした。 今日もとっても楽しかったです♪」

曖奈「私も楽しめたわぁ。 不甲斐ない結果で悔しいけど… 慕ちゃんも獅子原さんも応援してるから、次も頑張ってねぇ」

爽「もちです! 私は優勝しか見てませんからっ!」

悠彗「………」

慕「…あー… 悠彗ちゃんごめんね… でも、私、どうしても準決勝行きたかったから…」

悠彗「なっ、なに言ってんの? なんで謝るのよ! 振り込んだ私が抜けてただけなんだから… そんなこと気にしないでよ」

悠彗「慕が勝ち上がれたんなら、まぁ、私はしょうがないよ… 次も頑張ってね、慕」

慕「うん♪」


対局が終わり、しばし卓で談笑する4人…

しかし、この時… 爽が慕に、こっそり小さなメモを渡していたことには、悠彗たちは気がつかなかったのだった…






~実況室~


恒子「さてさてやっとこさ終局しました一回戦第二戦! では、最後にこの対局について、小鍛治プロと少しだけ振り返ってみたいと思います!」

恒子「まずは… ついさっきの、試合を決めてしまった本藤選手の振り込みですが、ダマテンとはいえ、私にはいささか、ちょっと不注意だったような気がするのですが…?」

健夜「うん、あれはねぇ… ハッキリ言っちゃうと、本藤さんも慕ちゃんも、裏で糸で操られてたんだよね…」

恒子「は? それはどういう・・・?」

健夜「えっとね、今回も、全部獅子原さんのオカルトの力によるものだったんです。 四巡目を過ぎたあたりで、獅子原さんが本藤さんにある呪いをかけていたのです」

恒子「呪い…?」

健夜「インハイでも使っていたパコロカムイという、それに取り憑かれると当たり牌をつかんでしまう、という呪いですね」

健夜「あの時の獅子原さんの目的は、本藤選手をトバして試合を終わらせることでした」

健夜「だから… 本藤選手が振り込めばそれでいいわけで、和了者は自分でなくても良かったんです。 つまり… 獅子原さんは慕ちゃんが和了ることまで見越してたのかもしれないですね」

健夜「慕ちゃんは勿論、最後までトップを取ることを考えていたと思います。 だからこそ、本藤さんからあの一索が出た時は、一瞬、迷ったようですが・・・」

健夜「さすがに、ここでアレを和了らずに7万点をひっくり返すことはほぼ不可能と判断し、やむなくロン和了りした・・・といったところだったんじゃないかと思います」

恒子「へぇ… この局、獅子原さんは何もしていないように見えたんですが、裏で暗躍していたということなんですね…?」

健夜「そうゆうことだね」

恒子「でも、他家が振り込むように誘導するなんて、なんというか・・・ちょっと、高校生らしからぬというか、ひきょーでいけすかないですよね?」

健夜「いや、そうはいっても、麻雀っていうのはもともとそういう、相手を如何にして出し抜くか、騙すか、裏をかくか、っていうことが重要な競技なんだから、ひきょーとかそういうんじゃないよ」

健夜「持てる力を駆使して勝った獅子原さんの立派な勝利だと思いますよ」


健夜「全体的には・・・やはり、最終的に圧倒的点差をつけてトップに立った獅子原選手が、自分のポテンシャルを最大限に引き出すことで他家を寄せ付けなかった、という闘いになりましたね」

健夜「まあでも、結局はトバされてしまった本藤選手が、獅子原選手より実力で劣るかというと、そうでもないかもしれないですよね。 ただ、ほんの少しだけ何かがズレていた… ほんの少しだけ運が悪かった… ほんの少しだけ判断を誤った…といった、非常に微妙な差が、結果としてあの大差に結びついてしまったように思います」

健夜「麻雀は一瞬の、非常に些細な判断ミスが命取りになることがよくあります。 それが麻雀の怖いところであり、面白いところでもあるんだけど…」

恒子「あの南三局の怒涛の連荘が始まるまでは、お互いに非常に僅差の競り合いが続いていましたもんね」

健夜「そうですね… あと、ポテンシャルという点では、今回最もその実力を発揮できなかったのは、慕ちゃんだと思うよ」

健夜「敗退した森脇選手も本藤選手も、見せ場というか… 自分の得意分野を発揮して活躍する場面がありましたが、慕ちゃんはこの半荘ではあまり“らしさ”が見られませんでした」

健夜「彼女の実力は当然こんなモノではないからね… 準決勝では、是非彼女らしい華麗で豪快な和了を魅せて欲しいですね」


恒子「そうですね… さて、準決勝での白築選手と獅子原選手の活躍も気になるところですが、次の試合、一回戦第三戦の開始のゴングも刻一刻と迫っております!」

恒子「第三戦からは、例によって針生アナに実況を交代しますので… 私とすこやんの実況解説はここまで!ということになります!」

恒子「次、このわたくしが登場するのは、また明日の準決勝からですので・・・それまではしばし、お別れです!!」

恒子「ではここまで、あなたのミラクルアナウンサー福与恒子と・・・恐るべき麻雀デストロイヤー小鍛治健夜プロでお送りしました! 皆さん、さようなら!!」


 プチッ


健夜「もぉーなんなの最後! いい加減ヘンなあだ名つけるのやめてよ!?」

恒子「ん? えっと・・・麻雀デストロイヤーじゃなくって、麻雀アルマゲドンの方が良かった?」

健夜「もっとヒドイよっ!!」=3





ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー

第二戦が終局してから、およそ6時間後・・・

21:40… とっぷりと日は暮れ、窓の外では、まんまるの満月が煌々と照っているのが見えた。


~会場~


 ワアアアアアアァァ―――ッ!!  キャ――キャ――ッ!!  ウオオオオオオォォ――――ッ!! ……


衣「ふぅ…」ハアハア
憩「はぁ…」ハアハア
智葉「うむぅ…」ハアハア
照「……」


歓声が乱れ飛ぶなか、卓上には宮永照、荒川憩、辻垣内智葉、天江衣の四人の魔物の姿…!

そして、実況席では放送界随一の美巨乳の持ち主、佐藤裕子アナがマイクを握って興奮気味に叫んでいた。


 裕子『ほ、本選一回戦、第八戦・・・ついに終局っ!!』

 裕子『マニア垂涎の好カードと言われたこの卓を制したのは・・・・ 〇〇高校〇年生〇〇〇ですっ!!』

 良子『いやぁ・・・実にマーベラスな対局でしたね』


 ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤガヤガヤ・・・・・


こうして一回戦の八卓全てが終了… 観客たち及び選手たちは、各々帰路につこうとしていた…


閑無「ふぅーっ! やっと終わったな! じゃあ…みんなで飯食いに行こうぜ!!」

悠彗「夕飯、パンとおにぎりしか食べてないもんね。 お腹すいた~…」

杏果「でも、閑無… 体調はもう大丈夫なの?」

閑無「ん? 心配すんなって。 もうこの通りどーってことねーからさ」ブンブン

はやり「何食べに行く? 曖奈さんと真深さんは何が食べたいですか?☆」

曖奈「私はなんでもいいわよぅ。 でもこの時間じゃ… ファーストフードか、ファミレスかしらねぇ…?」

真深「私もなーんでもいいよん♪ みんなの食べたいもんで」

慕「・・・あ、あの、みんな・・・」

閑無「ん? なんだ慕?」


慕「えっとね… 私、ちょっと用事があるから、ゴハンは、ちょっと遠慮させて?」

悠彗「用事?」

閑無「なんだよ慕、つれねーな。 どうゆうことだよ?」

慕「知り合いと会う約束をしてて… ゴハンもその人と食べることになってるから大丈夫だから。 じゃ、また明日ね!」タタタ・・・

はやり「えっ、ちょっと、慕ちゃん…?」

杏果「……?」






30分後、JR有楽町駅東改札口


爽「……」ソワソワ

爽「そろそろ約束の時間だな… チクショウ、10分も早く着いちまったから…立ってるとさみーな…」ソワソワ

爽「白築ちゃん… ちゃんとメモで渡した通り、一人で来てくれっかな…?」


 テテテテテテテ・・・・


爽「ん? あれは…?!」

慕「獅子原さんお待たせ! ごめんね遅くなって?」パアァッ

爽「・・・!」


爽は言葉を失った。

私服で現れた慕は、まるで本物の天使のように… 街灯やネオンに照らされた薄暗い雑踏の中、ふんわりと柔らかい光を放っているように見えた。

息を呑む美しさとは、こういうモノなのか、本当に息呑んで止まっちまうんだ・・・と、爽は呼吸の仕方を忘れたかのようにカタまって佇んでいた…


爽「…あ、い、いや、全然、待ってねーから…/// わ、私も今来たところだからさ!///」

慕「そう?」

爽「えと、それより… ちゃんと、一人で来てくれたんだよな?」

慕「うん、まあ… 約束だからね」

爽「あのさ、私、高級ホテルのディナーに連れてく… とか言っちゃったけど、やっぱこの時間じゃもうホテルのレストランは厳しいからさぁ…」

爽「こっから歩いて5分くらいのとこに、24時間営業のファミレスがあんだよ。 わりーけどそこでいいかな?」

慕「もちろん。 私ファミレス大好きだよ?」

爽「じゃ、じゃあ・・・行くか!」

慕「うん♪」


 テクテクテク、テコテコテコテコテコ・・・・


並んで歩き始めた二人・・・

道行く人たちが、度々爽たちの方を見る…

その視線の先は、当然美少女白築慕である。


 オ、オイ、アノコメッチャカワイクネ・・・?  マジダワ アイドル?  イヤメガミカ・・・?  テカトナリノキタネーヤツナニ?


すれ違った者は一人残らず振り返って慕を二度見、三度見していく…

それほどまでに慕の清楚で可憐な美しさは周りの人々を引きつけていた。


爽(へへ、へへへ…w どーよおめーら! 私は今、この超絶美少女ちゃんとデート中なんだぜ…?)ムフォフォフォォ・・・


爽「な、なあ、白築ちゃん・・・」

慕「ん?」

爽「あ、あのさ、手ェつないでも、いいかな…?」

慕「・・・うん、いいよ。 今日だけね?」スッ

爽「!?」


 キュッ・・・


慕の右手が伸びてきて… 爽の掌を、ふんわりとした温かい感触が包んだ。


爽(・・・おぅふ…///  おおおオオォ―――ウフゥ…!///)

爽(はぁ…/// お父さん、お母さん、立先生… 私をこの世に生んでくれてありがとう…!!///)ポヘエェー・・・


 オイ…ナンダアノアカゲノクソオンナハ!  ダレカコロセヨマジデ・・・  インセキニデモブツカッテシネ!


もはや爽には、周りで羨む嫉妬の声すら、耳には入らなかった…






~ジョナサ〇 有楽町店~


慕「わぁ~、美味しそう! どうしよう… 何食べようかな?」メニューミテル

爽(はぁ… どんな食いもんより、あなたの方が美味しそうっすよ、白築ちゃん…!)ハアハア

慕「う~んホントに悩むなぁ… やっぱりこのハンバーグとエビフライが一緒になってるのにしようかな?」

爽(白築ちゃん、体は細いけど、おもちの方はわりとちゃんとあるんだよな…)ジロジロ

慕「ねえ獅子原さん、本当に奢りでいいの? ここ、ファミレスにしてはちょっと高いよね…?」

爽(ふへへ…w そのスカートの下… 何色のパンツはいてんだよ白築ちゃん!)ハアハアハア

慕「・・・獅子原さん、聞いてる?」ズイッ

爽「えっ?! は、はひ?!!」






ネリー「エーット、ハンバーグエビフライとライス、ビーフシチューオムライスとモッツァレラのマルゲリータピザ、生ハムのサラダにフライドポテトに若鶏の唐揚げ、そしてドリンクバーセット2つ・・・ お前たちよく食うな! 以上でいいカ?」

爽「お、おう… てかなんでネリ―がここにいるんだよ?」

ネリー「ヘソクリ作りのためのバイトだよ! サトハには内緒だから… 誰にも言っちゃダメだぞ?」テコテコ


慕「さっきの民族衣装みたいなの着てたウェイトレスさん、友達なの?」

爽「ん? あー… いや、因縁浅からぬ戦友っつーかなんつーか… あ、そーだ。 私ドリンクバー行ってくるよ。 白築ちゃんの飲み物も作ってきてあげるからさ!」スッ

慕「え、いいよ、自分でやるよ」

爽「ま、まーまーお姫様は座ってなって! ワタクシメがやりますから! で、何飲みたい?」

慕「・・・じゃあ、オレンジジュースで・・」

爽「かしこまりぃ! ちょっと待っててなっ!!」ピューン

慕「…?」


ドリンクバーの前に来た爽は、ポケットから、こっそり妖しげな粉薬とバニラエッセンスのような小さな瓶を取り出した…


爽(ひひ…w 白築ちゃん! 悪いけど今日は食事だけで帰しはしねーぜ…?)グフォフォフォ・・・

爽(この強力な睡眠薬と、ネットで海外から個人輸入した媚薬“チョコレートラブ”・・・!)

爽(酒を飲ませようと思ったけど、やっぱりこっちの方が確実だからな…w)サラサラサラ・・・

爽(コレで今夜は私のモノになってもらうぜ! 白築ちゃん!ww)クククク・・・!


爽は慕のオレンジジュースに眠剤と媚薬を仕込むと、壁の方を向きながらこれ以上ないというほどに、ニンマリと嗤った。






慕「わぁ~… エビフライプリプリで美味しい…! …でね、獅子原さん、その時に閑無ちゃんがねぇー…♪」ペチャクチャ

爽「うんうん」モグモグ


食事をしながら、楽しそうに談笑する二人・・・

しかし、それから20分ほど経過した時だった・・・


慕「………///」モジモジモジ

爽「…ん? 白築ちゃん、どうかした?」ニタァ…


慕「・・・あ、えっと…/// な、なんだろう? なんだか、体が、熱くて、眠くって… か、風邪かな?///」モジモジ

爽「風邪? そいつぁいけねーな… 明日もまた試合があんのにさ」

慕「う、うん…/// ご、ごめんね、獅子原さん… 私、もう、帰るね?」スッ・・・

爽「あ、帰るんなら私送ってや・・・ あっ?!」

慕「ふぇっ?」グラァ・・・


 ドッ!


立ち上がったとたんに足元がフラつき、爽のうすらぺったんこな胸に倒れ込んでしまった慕…


爽「おっ、だ、大丈夫か?」

慕「… ご、ごめん、獅子原さ・・・ だい、じょ・・・ ふにゅぅ・・・?」zzzzzz…


そのまま慕は爽にもたれかかったまま寝息をたて始めてしまった…


爽「・・・・・」ニタアアアアアアァァ・・・・


爽「おいおい、こんな所で寝るなよ白築ちゃん、ほら、シッカリシロッテ…(棒)」ヨイショヨイショ

慕「… zzzzz…」ムニャムニャ…


意識朦朧としている慕の体を支えながら、爽は店内のトイレに向かって歩き始めた…


爽(ふっ、ふうううぅぅ~~っ!/// ほ、本来の予定では、帰ろうとする白築ちゃんをタクシーに乗せて、ホテルに連れ込む作戦だったけど…)ハアハア

爽(も、もうこれ以上ガマンできねぇよっ! アタシ爆発しちゃいますよっ!!)ハアハアハア・・・

爽(ここは、もう、ここの障碍者用トイレに連れ込んで… そこでヤッてやるっ!)ゲスススススウウゥ・・・

爽(し、白築ちゃん…/// す、すぐ、私のテクで気持ち良くさせてあげるからな…?)ズルズル・・・


ネリー「ん? おいどうした獅子原? その子大丈夫か?」

爽「へ? あ、いや、へーきへーき!w ちょっと眠いみたいだから、顔洗ってやるだけだから…ww」ハアハア・・・

爽(うるせぇネリ―てめぇ! 邪魔すんじゃねえぇぇっ!! マジで殺すぞこんにゃろ…? 早く消えろ! 蒸発しやがれこのチンチクリンがぁっ!!)ギロッ

ネリー「…?」


~障碍者用トイレ前~


爽(よしよし… 誰も入ってねえ!)

爽(店内にほとんど客もいねーし… 2~30分使ってても多分大丈夫だろ?)

爽(さ、さあ… 白築ちゃん! 一緒にトイレという名の花園に…!)スゥ・・・

慕「… zzz…」ムニャムニャ


慕を支えながら、トイレの引き戸に手をかけ、扉を開けた爽・・・

無人のトイレの室内が、爽に微笑みかける…!


爽(うぇひひひひ…!w これで白築ちゃんの貞操は、私の・・・!)


と、その時だった…



 ガシィッ!


爽「!?!」


突然、引き戸の取っ手を握っていた爽の右手の手首を、横から伸びてきた長い腕がガッチリとつかんだ。


爽「なっ!? お、お前は・・・??」

揺杏「よぉ爽・・・ ナニやってんだ? お前・・・?」ニタァ


爽に微笑みかける揺杏・・・

しかし、彼女のその目は笑っていなかった。


爽「あ、い・・・?! な、なんでお前が、ここに・・・?」

誓子「あんたの様子がおかしかったから、念のため尾行してたのよ… 早く質問に答えなさいよ、爽?」ニコニコ


いつものようにニコニコ笑顔で現れた誓子… しかし、彼女は右手にメリケンサックを握り込んでいた。


爽「お・・・おいおい! ゴカイだよっ! わ、私はただ、この白築ちゃんが調子わりーみたいだから、ちょっと介抱を・・・」

ユキ「爽さん… ゴカイも六階もありませんよ。 私たちは、影から全部見てたんですよ…?」ゴゴォ・・・

爽「ユ、ユキ…?!」


ユキは・・・その左手に、重そうなバールのような物を握っていた・・・


爽「ち、ち、チガウンダッテ! 話を聞けよお前らっ!!」

成香「爽先輩…! 見損ないましたよ私は… この期に及んでまで言い逃れするつもりですか…?」ズモモモォ・・・


誓子の後ろから現れた成香は… 何故か自転車用のヘルメットを頭にかぶり、両手で金属バットを握っていた…


爽「ひ・・・!?」




このあと… 慕は無事有珠山メンバーに保護され、杏果たちの元へと送り返され…

国際フォーラムの医務室に泊まり込んでいた憩の元に、全身打撲の赤毛の重傷患者が運び込まれたことは、言うまでもない…







ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー

時間巻き戻り・・・

15:45、国際フォーラム大ホール・・・


館内放送『…まもなく一回戦第三戦を開始いたします。 出場する選手の方は、5分後までにステージ前までお集まり下さい』


絹恵「あ、おねーちゃん! いよいよ出番やで!」

洋榎「あぁ、せやな… ほな一発かましてくるか!」カッ

恭子「相手は千里山のエース園城寺に、今から7年前の世界から来た“迫り来る怒涛の火力”三尋木咏… そして“まくりの女王”藤田靖子…!」

漫「午前中の前哨戦の相手とはワケが違いますね…」

由子「洋榎、これは姫松と千里山のエース対決でもあるのよー。 園城寺には絶対稼ぎ勝ってなのよー!」

洋榎「はん… 何言うとるんや由子? あんな三流雀士がうちの相手になるわけないやろ? 格が違うわ」フン

由子「のよ?」

洋榎「うちが狙うのはあくまでトップ…! ちょこっと先読みが出来るだけの園城寺なんか眼中にないで。 狙うは三尋木咏の首や…!」

漫「いや、そうは言うても、主将・・・ 三尋木プロは、小鍛治健夜と並び称されるくらいのバケモンなんですよ…?」

洋榎「うちが闘うのは“女子高生”時代の三尋木咏やろ? 同じ女子高生に、うちが負けるわけあらへん」

恭子「さすがは主将… あれだけのビッグネームが相手でも、全く物怖じしてませんね」

由子「心臓に毛が生えてるのよー」

洋榎「当然や。 お前ら凡人とはメンタルの作りが違うんや!」フフン

漫「心臓に毛が生えとったら気持ち悪いですよ。  ちゃんと無駄毛は処理しないと」

洋榎「何度も言わすな! やかましいわ!!」バチコンッ!

漫「たわらばっ!?」=3


関西の名門姫松高校の大黒柱・愛宕洋榎・・・出陣―――!


竜華「怜ぃー、あんたんこと呼んどるで? はよ行ってきぃー」ナデナデ

怜「はぁ・・・ お出掛けつらいなぁ・・・」ゴロゴロ

セーラ「怜! お前・・・洋榎には絶対負けるんやないで!」

フナQ「千里山VS姫松のエース対決… ここで負けたら、うちらが姫松より格下やってことになりかねませんからね」

泉「メンツがかかってますからね… 頼みますよ園城寺先輩!」

怜「なんやあんたらは… こんな病人に学校のメンツなんて重いもん背負わせるなんて、どうかしとるで?」

竜華「そうは言うても… うちもセーラも午前中の前哨戦で負けてもうたから… しゃあないやん。 もう怜しかおらんのやで、千里山の生き残りは」

怜「でもなぁ… 相手は愛宕姉だけやないやろ… 三尋木咏に藤田靖子って… なんの冗談やまったく。 闘う前から気ぃ重いわ」

セーラ「怜… 俺は分かっとるで! お前そんなこと言うても、ほんまは強者と闘える喜びで内心ドキドキワクワクしとるんやろ?」

怜「ないない。 うちに限ってそれはあらへん。 あのメンツ、フトモモも細くてカタそうやし、ヤル気出ぇへんわ。 まぁ、でも…」

怜「世話んなったあんたらに、恥かかせるのはうちもいたたまれんからな。 ま、適当に頑張ってくるで…」スタスタ

竜華「怜、頑張って欲しいけど、あんま無理せんようにな」

怜「はいはい。 今日はちゃんと昼飯食うたで、低血糖で倒れることはないと思うでー…」フリフリ


全国2位の千里山の新エース・・・“一巡先を見る者”園城寺怜・・・ヤル気は無いが、とりあえず出陣―――!


貴子(高2)「靖子さん、出番みたいですよ」

靖子(高3)「んー…」

咏(高3)「靖子ちゃん! 私と手ぇつないで一緒に行こか?w」

靖子(高3)「ちょ・・・もうかまわんで下さいよ。 馴れ合いは嫌いなんですよ私は…」


長野弓振高校3年藤田靖子。 そして横浜妙香寺高校3年三尋木咏・・・

二人とも7年前のインハイ個人戦で活躍した実力者である。

そして… インハイ団体戦に長野代表として出場した風越女子高校2年生久保貴子も、同じ世代の雀士ということで応援に駆け付けていた。


咏(高3)「さーてほんじゃ一発、未来の後輩雀士ちゃんたちに先輩の洗礼ってヤツをかましてきてやろうかねぃ!」ヨイショ


17歳の三尋木咏は扇子を着物の帯にはさみ、白くてやたらと胴体の長い猫のぬいぐるみを、たすきがけするように自分の体に巻きつけた。


貴子(高2)「…三尋木さん… 気になってたんですけど、ソレ… なんなんですか? 猫・・・のぬいぐるみ?」

咏(高3)「あ、これ? これはゲンかつぎだよ。 猫蛇セアミィちゃん♪ 好きな形に曲げられるぬいぐるみでね、コレがあると勝率いいんだ」ニョーン

貴子(高2)「はー… 猫蛇…」


靖子(高3)「…ちっ、遅ぇな… 5分前には来るって言ってたのによぉ…」イライラ

咏(高3)「? 靖子ちゃんどしたの? はよ行かな遅刻して怒られるぜ?」

靖子(高3)「あ、いや、私ちょっと人を待ってて… いいですから先に行ってて下さいよ」

咏(高3)「あん? ヒト? 何それ、あ、もしかして靖子ちゃんのコレかい?w」ピッ


小指を立ててみせる咏…


靖子(高3)「そんなんじゃねぇーって! いいから先行ってろって!」


と、その時・・・


 チワース、ソバヤノサラシナデース!


靖子(高3)「あぁ良かった! おせぇーよお前!」

 スンマセンッスー

貴子(高2)「? や、靖子さん? なんですかソレ…??」

靖子(高3)「ふふ… 麻雀って言ったらコレだろ? 何が無くてもコレがなきゃ牌は握れねーっつーのw」ククク・・・

咏(高3)「あっはぁー! なんかイイ匂いすんね! 靖子ちゃん!」


7年前のレジェンド女子高生雀士、三尋木咏、藤田靖子・・・ それぞれ自分の“アイテム”を身につけ、ついに、出陣―――!!






~試合会場~

15:50

 
 ザワザワザワ・・・  ワイワイガヤガヤ、キャッキャッキャ♪・・・・


 えり『皆さん、大変お待たせいたしました! ただ今より・・・』
 
 えり『本選一回戦の第三戦をスタートしたいと思います!』

 えり『早速、選手の紹介から参りますね。 まず、一人目は・・・ こちらです!!』バッ


 えり『総合ランキング3位! 7年前の世界からこのイベントのために、着物姿で馳せ参じてくれました』

 えり『神奈川妙香寺高校3年生、言わずと知れた“迫り来る怒涛の火力”・・・ 三尋木咏選手です!!』


咏(高3)「はいはーい、よろしく頼むよぉーん♪」フリフリ 


  ワアアアアアアァァ――――ッ!!  ツイニデタァッ!  ウタチャアアァーンッ!!  ドカントカマシテクレェッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!!


 えり『小学2年生の時に、当時小学5年生だったあの瑞原はやり選手を全国大会の舞台で破った、まさに“天才”の名がふさわしき雀士・・・!』

 えり『かわいい猫蛇のぬいぐるみを身につけての登場です。 こうして見ると小柄で可愛らしい少女ですが・・・』

 えり『その内側はまさに麻雀卓の鬼! 圧倒的火力で他家をなぎ倒す爆撃の如き闘牌が見れるのか・・・非常に気になります!』

 咏(24)『おいおいえりちゃん! こぉーんならぶりぃーな私をつかまえて鬼だなんて、それはちょーっとヒドすぎるんでないかい?』ヌッ

 えり『あ、あの、三尋木プロ、あとでちゃんと紹介しますんでまだ出てこないで下さいよ…』


 えり『続きましてはこちら、総合ランキング15位!』  

 えり『同じく7年前の世界から来てくれました。 長野弓振高校3年生、誰が呼んだか“まくりの女王”! 藤田靖子選手です!!』


靖子(高3)「はいよろしく」ゴトゴト


 ン・・・?  ナンダアレ?  ナニモッテンノ?  オカモチ・・・?  ザワザワガヤガヤガヤ・・・・


 えり『お、おや、これは・・・?』

 えり『藤田選手、右手に何か持ってますね。 なんでしょうアレは? 銀色の箱・・・?』

 咏(24)『ありゃ出前用のオカモチだねぃ』

 えり『は!?』


 咏(24)『中にカツ丼仕込んでんじゃねーの? さすがは靖子ちゃんだねぃww』

 えり『え、カツ丼…? で、でも、これは半荘一回の勝負ですから、休憩はありませんよ? 食べ物を持ち込んでいいんですか?』

 咏(24)『いや知らんしw ま、公式試合じゃねーんだから、対局の合い間にかっこむなら別にいんじゃね?w』

 えり『そ、そうですか・・・ えーっと、女子高生の藤田選手… 紺のセーラー服で、地面につきそうなほど裾が長いロングスカートという出で立ち…』

 えり『髪型も現在のショートヘアーとは違います。 胸元まである真ッキンキンに染めたロングヘアー… そして耳にはたくさんのピアス…』

 えり『しかもキセルのようなモノをくわえていますよ。 ちょっと… 未成年者なのに堂々と喫煙は困りますねぇ…』

 咏(24)『あ、だいじょーぶよえりちゃん、アレ煙草は入ってないから。 顎の咬筋力を鍛えるために、なんか重い金属で出来てるキセルを咥えてんのよ』

 えり『は、はあ… まるで時代錯誤の不良少女みたいですね。 目つきもまるでヤクザ… オカモチではなく鉄パイプでも持たせたら似合いそうです。 昭和のヤンキーといったカンジですね』

 咏(24)『靖子ちゃんは当時弓振のスケバン張ってたらしーぜw』


 えり『あ、えっと… 紹介が脱線し失礼しました。 続きましては、ランキング21位・・・』

 えり『過去インハイに35回も出場している名門中の名門、北大阪千里山女子高校3年生! “一巡先を見る者”園城寺怜選手です!!』


怜「はぁ、やっと呼んでもらえたわ」テコテコ


  ワアアアアアアアアァァァ―――ッ!!  トキチャアァーンッ!!  ヨッ、シュジンコウ!  タオレンヨウニナー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


怜「はいはい皆さんどーもなー」フリフリ


 えり『あの清水谷竜華選手と江口セーラ選手をおさえ、現在の千里山で最強とされている美少女脱力系雀士…』

 えり『“未来視”というなんともチート過ぎる能力を持っているとされる異端の病弱美少女雀士です。 果たしてその力は7年前のレジェンドたちに通用するのか…?』

 えり『ボーッとしたヤル気のなさそうな目をしていますが、心の奥では熱い闘志の炎を燃やしていることと思います! 期待しましょう!!』


 えり『そして、レジェンドたちに対する現世代の刺客の二人目は、この人・・・!』

 えり『千里山と並び称される関西の超名門! ランキング24位、姫松高校3年生・・・“最強の血筋の系譜”愛宕洋榎選手です!!』


洋榎「はいよ。 ほなサクッと化け物退治でもしよかいな」ステステ


 ドオオオオオオオオオォォ―――ッ!!  アネゴォッ!  ネキィッ!  エエモンミセテヤァ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 えり『あのかつて一世を風靡した愛宕雅枝元プロを母にもつ愛宕姉妹の姉のほう…!』

 えり『名門姫松の精神的支柱! 非常に安定した打ち筋を見せる野性的かつ技巧に優れた雀士! 園城寺選手との関西ライバル対決にも注目が集まりそうです』


 えり『以上四名! 全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ一回戦第三戦・・・! いよいよ、スタートですっ!!』


※4人の能力については>>493を確認して下さい。 その他諸々のルールは>>42>>44>>45






~実況室~


えり「さあ! ということで始まりました一回戦第三戦!」

えり「解説は、先ほどからちょこちょこ登場して頂いてますが… 前哨戦に引き続き、日本代表チームの先鋒を務めるこの方、三尋木咏プロです。 三尋木プロ、改めてよろしくお願いします」

咏(24)「はいはいよろしくね~ぃ」モギュモギュ

えり「・・・今度は何を食べてるんですか三尋木プロ・・」

咏(24)「わらび餅だよん♪ えりちゃんも食べ・・・けふっけふっっ!」=3

えり「だ、大丈夫ですか三尋木プロ?」

咏(24)「…き、きな粉で、 むせた!w」ケフケフ

えり「だから解説の時にオヤツ食べるのやめて下さいよもう…」サスサス


えり「さて… この試合、まずは例の話題に触れたいわけですが…」

咏(24)「おん? 何よ改まって。 靖子ちゃんの見た目が怖すぎることかな?」

えり「違いますよ。 この試合、三尋木プロご自身が出場してるじゃないですか」

咏(24)「あぁ… そーみたいねぃw」

えり「三尋木プロは会われたんですか? あの“7年前の自分”とは」

咏(24)「いやー会ってねーよ。 別に話すこともねーし。 第一同じ場所に私みたいのが二人もいたらなんかやべぇーんじゃね?」

えり「… 三尋木プロが、二人・・・」ポワポワポワーン・・・

ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー

咏(17)「いやーわっかんねーw」

咏(24)「私もわっかんねーw」

(17)(24)「「全てがわっかんねーww」」

ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー

えり「確かに… これはカオスになりますね」

咏(24)「だろ?w あ、場決め終わったみてーだぜ?」


※場決め

咏→>>528

靖子→>>529

怜→>>530

洋榎→>>531

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

咏やカツ丼さんが苦戦しそうっていう見解が出てたけどどうなるやら

はい



第三戦場決め
東 咏 (88)
南 洋榎(48)
西 靖子(19)
北 怜 (18)

     靖子
     (西) 
   ―――――

   |   |
  怜 |   |洋榎
 (北)|   |(南)
   |   |
   ―――――

     咏
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順なので、この試合は「怜(東1)→靖子(東3)→洋榎(南1)→咏(南3)」の順になる。

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「咏(東2)→洋榎(東4)→靖子(南2)→怜(南4)」。

※また、基本和了率は「咏35%、靖子25%、怜20%、洋榎20%」。


えり「席が決まりましたね! えーっと… 起家は三尋木選手ですね」

えり「さて三尋木プロ。 では、この卓の四名の選手それぞれについて、簡単に解説して頂きたいんですが… まずは妙香寺のご自分について解説してもらっていいですか?」

咏(24)「そうねぃ。 今もそうだけど私はハイリスクハイリターンなかんじだからねぃ。 振り込むこともあるだろーけど、ま、最終的には私が勝つんじゃね?w」

えり「同学年の藤田選手とは、インハイの個人戦で対戦した経験があるんですよね」

咏(24)「そだね。 靖子ちゃんはかなーり変わった打ち手だよ。 私の麻雀はわりと、とにかく自分の手をなるべく早く高く仕上げるってことに重点を置いた王道タイプの打ち筋だと思うんだけど、靖子ちゃんはのらりくらりよく分かんない掴みどころのない打ち方をするんよね」

咏(24)「まくりの女王の名の通り、序盤中盤で不利な状況に立たされても、最終的に勝っちゃうってことが多いね。 ま、私は一応インハイで対戦した時は稼ぎ勝ったけどねぃ」

えり「それに対するは関西の名門のエース二人ですが、こちらは」

咏(24)「千里山の園城寺ちゃんも姫松の愛宕ちゃんも守りが固いよねぇ… だから、一発の重みってもんが大きな意味をもつことになるだろうけどさぁ…』

咏(24)「この試合… なんとなく高打点の殴り合いになるような気がするねぃ… ま、知らんけどw」



【東一局 親:咏】


 えり『ありがとうございました。 さぁ、卓上ではもう対局がスタートしていますが、まずはどのような動きに・・・ おっ?!』


怜「〇×△ー」


 えり『え、これは・・・!』


※怜、何を使う?(最も早く「3票」を獲得した能力でイキます)

1、「リーチ一発ツモ」 鳴かれない限り和了れる。 和了率40%で満貫以上確実。 ただしリーチをかけているため、失敗すると振り込むこともある。

2、「ダブル」 和了率70%。

3、「トリプル」 自分で和了ることはできない。 卓を読んで操り、特定の誰かを、特定の誰かへと振り込ませることができる。(満貫かハネ満か倍満)

※ダブルとトリプルは、使うと次局だけ一巡先が見えなくなる

1「リーチ一発ツモ」


怜「リーチ」ドッ!


園城寺怜、わずか4巡目で、点棒箱を開き、青いリーチ棒を垂直に突き立てる・・・!


洋榎(な、なんやと? 4巡目?!)

靖子「…ちっ」

咏「? わーナニコレ? なんで立ってんの? すげーなオイ!ww」パタパタ


怜の右手にいる咏が、扇子でそのリーチ棒をあおいでみるが、まったく、微動だにしない…!


 えり『園城寺選手、タンヤオ手を3メンチャンでテンパイしたんですが… なんとカンチャン待ちでリーチ!』

 えり『まぁ、彼女にとってはいつものことでしょうが… 相変わらず変なことをしますねぇ…』

 咏『えりちゃん、園城寺ちゃんは3巡目でテンパイしてたんだぜ。 だけど、あえてリーチするのを一巡待った…』

 えり『…それは、つまり……』

 咏『そういうことだよ。 次のツモでイッパツで和了れる…! そう確信してのリーチだねありゃ』


洋榎(園城寺のリーチ宣言… 奴の次のツモの前に、誰かが鳴かな一発でツモられてまう…)ギリッ

洋榎(この… うちは鳴けへんぞ…? 三尋木と藤田はここでツモ筋をズラさなあかんこと、分かっとるんかな…?)チラッ

洋榎(多分知らんやろな… くそっ、この牌なら・・・どっちか鳴くか?)トンッ


洋榎、危険を承知で、場に赤ドラの五索を出す…!


靖子・咏「「……」」


洋榎(む、無理か?)


>>540コンマ以下(和了者)
01~40→怜(「リーチ一発ツモ」発動)
41~60→咏
61~80→洋榎
81~00→靖子

打点
>>541コンマ以下(打点表>>44 ※怜はツモ和了りのみ) 

うぃ

75洋榎 78ハネ満ツモ


靖子「…チー」パシィンッ→「345」

怜「!?」

洋榎(よ、よし、よう鳴いてくれたでヤンキーのねーちゃん…)ホッ


 えり『おっと… ここで藤田選手が鳴きました! これでツモ筋がズレて… 園城寺選手、一発ならず!』

 咏『今のは、愛宕ちゃんがわざと赤五索を出して鳴かせた感じだねぃ』


その直後… 咏が怜の和了り牌をつかむものの、手牌に取り込み… 怜、和了ならず…!


そして、6巡目…

洋榎「ポン!」カシィンッ→「南南南」

怜「…く」


怜の出した南を洋榎がポン…! 自風牌ゲット…!


さらに8巡目

洋榎「それポンや」パシィンッ→「①①①」

靖子「ん?」


そして、、11巡目・・・


怜(…あかん、次のツモで愛宕がハネ満ツモや…)キイイィーン・・・

怜(完全に裏目ってまったな… 全然鳴かれる未来は見えへんかったんやけど… 愛宕に無理やり捻じ曲げられたかんじか…?)タンッ


怜、ふうと一息ついて、目を閉じて椅子の背もたれにもたれかかる…

そして、牌をツモった洋榎の口角がニッと和了り、静かに手牌が開かれた。


洋榎「ふん、ツモや。 南・白・ホンロートイトイ・・・」パラァ・・・

洋榎「ハネ満、3000・6000や!」ニタァ


洋榎手牌:一一一九九白白 ツモ「白」 鳴き「南南南」「①①①」


  ワアアアアアァァ―――ッ!!  サスガオネーチャーンッ!  ヒロエスゴイノヨー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・


 えり『第三戦一発目の和了は、姫松愛宕洋榎選手のハネ満和了!』

 咏(24)『すごいねぃ。 五索を鳴かせた時は、ホンローを作ろうっていう気じゃなかったろうけど… うまく牌が寄ってきて、結果オーライになったねぃ』


怜「……」ケホッ、コホッ

洋榎「ふふ… さあうちの親番や! サイコロ振るでー!!」


気分よく親番を迎えた洋榎・・・

ところが、


靖子「・・・ふw」ジロッ

咏「親っかぶり… やってくれたねぃ…w」ギロッ!

洋榎「!??」ゾクッ


靖子、咏が洋榎を一睨み・・・ 洋榎の背筋に冷や水を浴びせられたような悪寒が走る・・・!


洋榎(…ま、惑わされたらあかん。 平常心… 平常心や…!)ハアハア・・・


第三戦東一局

東 咏  30000→24000   
南 洋榎 30000→43000  
西 靖子 30000→27000 
北 怜  30000→26000

本日ここまでなのよー
安価・コンマ対応あざした
また明後日20:00から

>>517
咏ちゃんが持って居るのはセアミィじゃなくて同種族のエイミーですよ

乙あざす、進めてくにょ

>>554 キャーッ!あざす。 これか!→http://livedoor.blogimg.jp/zohnam/imgs/3/b/3beaadf4.png

フェイタライザーに出てたんですね。
>>517訂正
×咏(高3)「あ、これ? これはゲンかつぎだよ。 猫蛇セアミィちゃん♪ 好きな形に曲げられるぬいぐるみでね、コレがあると勝率いいんだ」ニョーン
〇咏(高3)「あ、これ? これはゲンかつぎだよ。 猫蛇エイミーちゃん♪ 好きな形に曲げられるぬいぐるみでね、コレがあると勝率いいんだ」ニョーン

もしかしてスーパーまほっちが持ってる尻尾の長いコアラみたいな使い魔(?)も名前があるのかな。


【東二局 親:洋榎】 


 コラッ、トキィー!  ナニヤットンネン!  ヒロエニアガラセンナァー!!


怜(やかましいわセーラ… 未来視は万能の能力じゃないんやで…?)チャッ

怜(先が見えとってもどうにもならへんことも、往々にしてよくあるんや…)パシッ

怜(しかし… やっぱり愛宕姉の勘の鋭さは尋常じゃない… もはやオカルトの領域やで…)チラッ

怜(リーチはしばらく控えた方がええかもしれへんな… ズラされてはずしたら振り込む危険もあるし… 基本ダマで進めてくか)タンッ


3巡目

怜「……」チャッ

怜(ほーん… この發を捨てると対面の愛宕が鳴くわけか…)キイイィィーン・・・

怜(うちはタンピン手狙いや。 役牌ちゅうても、他家が既に二つ抱えとる牌を持っとっても邪魔なだけやからな…)コホッ

怜(トップの親を鳴かせたらヒンシュクかいそうやけど、三尋木のツモも飛ばせるしまあええわ。 ほれ、プレゼントやでおねーちゃん)タンッ

洋榎「それポン!」カシィンッ!→「發發發」

咏「……」


 えり『親の愛宕選手、第一ツモで重なった發の対子… 一つ目が河に出ると即座に鳴きました』

 咏(24)『ふぅん… こりゃ愛宕ちゃん、私の下家に座ってるから、鳴き多めで進めるつもりなのかもねぃ』

 えり『え?』

 咏(24)『私はメンゼンで… つまり鳴き無しのツモのみでじっくり高い手を仕上げるスタイルだからねぃ、速攻をやられるのはイヤなんよ』 

 咏(24)『それに園城寺ちゃんからポンすれば、私のツモ番を飛ばすことができるからね。 ツモ頼りの私には痛手なんさ』

 咏(24)『さっきのハネ満も二回もポンして仕上げてたからねぃ… 手を進めつつ、私の和了をできるだけ抑えるハラなんじゃねーの? もしあの関西エースちゃんたちが協力しだしたりしたら、私にとっちゃちょーっち不利になるねぃ』
 
 えり『なるほど… 三尋木選手にとっては不都合な配置になっている、ということですね?』

 咏(24)『んー… ま、そーだけど、ああいう小細工はしょせん限界があるからねぃ… どこまで私の邪魔ができるか見物だねw』フフフ・・・


8巡目

咏(17)(ふぅーん… 下家のカニ頭ちゃん、やっぱり私のツモを削る気なんかねぃ…?)

咏(まぁ好きなだけやるがいいよ。 その程度で私の“引き”は抑えられんぜ…?)チャッ

咏(ほれキタ。 萬子のホンイツテンパイ…)

咏(ドラの六筒を切ればテンパイだけど… んー…、どうかな、ちと危ないかねぃ…?)チラッ

咏(下家の愛宕ちゃんは發を鳴いて、しかもここまで筒子を捨ててない。 多分筒子の染め手狙い…)

咏(上家の園城寺ちゃんは捨て牌がほとんどヤオチュー牌。 あからさまなタンピン狙い… そして…)

靖子「……」ユラユラ

咏(対面の靖子ちゃんはなんだろねぃ。 刻子手か… 七対子?)

咏(どちらにしろ、誰かテンパイしてたらこのドラ六筒は超危険牌…)

咏(とはいっても、せっかくホンイツを多面チャンでテンパイなのに、このドラを抱えて手を作り直すのは骨だねぃ…)

咏(さーって・・・ どぉーすっかなー?)


※どうする?

1、ドラを切ってホンイツダマテン(打点は>>44のままだが、和了率が15%アップする)

2、ドラを抱えて改めて手作り(打点が1ランクアップするが、和了率はそのまま。 ※咏は必ず満貫以上を和了るので、実質ハネ満以上を和了することになる)

3、ドラ切りリーチ(打点が満貫・ハネ満・倍満に限定される。 和了率は15%アップする)

※最も早く「3票」を獲得した番号でイキます(基本和了率は「咏35%、靖子25%、怜20%、洋榎20%」)

1ドラ切りホンイツダマテン


咏(まぁ、まだテンパイ気配はないからねぃ… 今のうちにドラは処理しちゃうのが正解っしょ!)チャッ

咏(でもリーチはやめとこうかねぃ。 もっとイイ待ちに変えられるかもしれんしね…)トンッ


咏、ドラの六筒を河に出す・・・

と、他家3人の視線が動き、その六筒に集中する・・・!


咏(おろ? まさか…)


>>565コンマ以下(和了者)
01~50→咏
51~70→靖子
71~85→怜
86~00→洋榎

打点
>>566コンマ以下(打点表>>44) 

ふう

85怜 72ハネ満ツモ


怜「…ポン」カシィンッ!→「⑥⑥⑥」

咏「!?」


怜、少し間をおいてから、ドラ六筒を鳴く…!


 えり『おっと… 三尋木選手、ドラ切りでホンイツテンパイとなりましたが… そのドラを上家園城寺選手がポン!』

 えり『ドラ3でタンヤオをテンパイです!』

 咏『うーわぁー… こりゃやらかしちったかもしれんねぃw』


咏(ドラ3… 怖いねぃ。 これでツモれればいいけど・・・ 来ないか)チャッ、タンッ

洋榎(ちっ…! 園城寺、今のは他家の和了を抑える鳴きやなくて、純粋に手を進めるための鳴きやな…?)チャッ・・・

洋榎(ズラした方がええんかな…? いや、次のツモが園城寺の当たり牌とはまだ限らん…)タンッ

靖子(捨て牌二段目でドラ切り… 三尋木は染め手をテンパイか? ドラを鳴いた園城寺もタンヤオ手のテンパイが匂うな…)チャッ、タンッ


咏、洋榎、靖子、全員ツモ切り・・・

そして、園城寺怜のツモが回ってくる・・・!


怜(ふぅ… 今回はうまくいったわ。 ドラ鳴く前からこの結果は見えてんけど、万が一またズラされたら危なかったで…)チャッ・・・!


怜… ツモった牌を、盲牌もせずに卓に置く…

そして、ゆっくりと手牌が開かれた。


怜手牌:三四五③④⑤4588 ツモ「3」 鳴き「⑥⑥⑥」 ドラ[⑥]赤[五]


咏「あちゃっ?!」
洋榎「…このぉ」
靖子「……」


怜「ツモ。 タンヤオ三色ドラ4、ハネ満3000・6000。 ごっそーさんです」ニッ


第三戦東二局

   
東 洋榎 43000→37000  
南 靖子 27000→24000 
西 怜  26000→38000
北 咏  24000→21000



【東三局 親:靖子】 


 ウワアアアアアアアアァァ―――ッ!!  ヤッタデェ!  トキィ!  サッスガオンジョウジセンパイ・・・!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 えり『二回目の和了は千里山園城寺選手! ドラを喰い取っての見事な和了… これで愛宕選手を親っかぶりで引きずりおろし、トップに立ちました!』
 
 咏(24)『さすがだねぃ。 ぜーんぶ見えてたんかな?』


怜(ふふ…w 私の純粋な雀力はまだ三軍程度なんやけどな。 一巡先が見えるおかげで、テンパイ速度もこのバケモンたち相手にタメ張れるんやで…!w)ククク・・・


ドヤ顔の怜… ところが!

その時… 怜の上家から異様なオーラが放出される…!


靖子「ふん…w」ズモモモモモモオオオオォ・・・

怜「ん?!」


靖子「……」ゴゴゴゴゴゴゴオオォ・・・


怜(なんや、突然… 今まで静かやったのに… 親番来たから本気出すってか?)

咏(ふーん… 靖子ちゃんココで来るんかい…)

洋榎「・・・おい、アンタ、オーラ出せば強そうに見えるとでも思っとるんか? はよサイコロ振らんかい、親番やで?」

靖子「ふん… まあ焦るなよ?」パカッ

洋榎「あん?」


靖子は・・・おもむろに脇に置いていたオカモチを開き、中から漆塗りの朱色のドンブリを取り出した・・・


洋榎「? な、なんやそのドンブリは…?」

靖子「お前たち、知ってるか…? 出前用のカツ丼っていうのはな、溶き卵が半熟のゆるゆるのまま、ドンブリに盛り付けるんだぞ」

洋榎「はあ…?」

靖子「オカモチには保温機能がある… つまり宅配中に、中のカツ丼は温められて、卵も丁度いいあんばいにかたまり、タレもじっくり米に染み込む…!」

靖子「私の計算では、オカモチに仕込んでから30分ほど経過したカツ丼が、もっともうまい・・・!」ムフフ・・・

怜「…だからなんやっちゅうねん……」

靖子「フフ…w このカツ丼はな、店から届くのに15分、そして試合が始まってから15分… つまりちょうど30分経ったところなんだ」

靖子「さぁ… その目と鼻に焼き付けるがいいさ。 “完璧なカツ丼”とはいかなるモノなのかをな!」バッ!

咏・怜・洋榎「「「 !!?? 」」」


 ピカアアアアァァ―――――・・・・・!!!


洋榎「おっ、うぉおおおおおぉ…? こ、これは…!!」


 “ふわあああああぁぁ~~~~~ん・・・!”


靖子がドンブリのフタを取ると同時に、中から輝かしいばかりの光と蒸気が溢れ・・・さらに得も言われぬ芳香が周囲に充満する・・・!!


咏「おほっ!」
怜「ふひっ?」
洋榎「むぅお…!」


そのドンブリの中には…

肉厚で柔らかそうな上質ロース肉…! サクサクの衣…! ふかふかのつやつや白米のベッド…! そこへしっとりとからみつく黄金の卵…! さらにその上に彩られた目に鮮やかな三つ葉…!


大盛りカツ丼「… ドヤァ…」プルップルッ、トロットロッ、ジュウウウゥゥ~~・・・!


洋榎「な、なんなんやこのカツ丼は…!?」

咏「あっはあぁ~~! たまらん匂いだねぇ~~!!」クンクン

怜「か、カツ丼が・・・うちに向かって微笑んどる・・・!?」ジュルリ・・・!


そして・・・


 ガッ!


咏怜洋榎「「「あっ?!?」」」


こみ上げるヨダレを耐えながら見守る3人の前で、靖子がドンブリを持ち上げ・・・ 右手の割り箸をカツ、卵、米がからみ合ったその桃源郷の中に突っ込む・・・!


 ガッツガッツムッシャムッシャパックパックザックザックモッグモッグムッギュムッギュ・・・・!!


洋榎「あ、ああぁぁ~~…!?」
怜「くっ、こ、この…!」
咏「……」


洋榎たちの前で、アッという間に靖子の胃袋の中へと消えていく麗しきカツ丼…!


靖子「・・・ ふぅ… ごち!」ドンッ!


靖子が脇の棚に置いたそのドンブリは・・・ もう、米の一粒、衣の一カケラすらも残っていなかった・・・


 えり『こ、これは・・・』

 えり『なんということでしょう! 藤田選手、ものの一分もかけずにあのカツ丼大盛りをペロリと平らげてしまいました!!』

 咏(24)『掃除機みたいだねぃww』


怜「・・・き、きっ、貴様ああぁ~~~!!」ギンッ!


まるで、超上質のフトモモを目の前で凌辱されたかのような、憤怒の表情で立ち上がる怜…!


靖子「…なんだ? 麻雀というモノは、対局の合い間に食事もしながら楽しむモノだろう…?」ニタアァ・・・

怜「っく…!」ギリッ

靖子「さぁ… 私の親番だッ! 見せてやろう!! マジモンの地獄ってヤツをなぁ・・・!」カッ!


カツ丼パワー満タンとなった靖子・・・“まくりの女王”、目覚める・・・!






16巡目…

 チャッ、パシッ、タンッ、  チャッ、パシッ、タンッ! …


靖子「…」チャッ、パシッ

怜(…な、なんやなんやまったく… このカツ丼女、アレだけの啖呵切ったんやから、何か仕掛けてくるんかと思うたが…)チャッ

怜(相変わらずのらりくらり打っとるだけやんか。 もう流局になるで…? ・・・・んっ!!?)ビクッ


この時… 怜の脳内に、恐ろしい状景が現れる…!


“咏『ツモォ! チンイツ三暗刻ドラ3! 三倍満6000・12000だねっ!!』カッ!”


怜(ま、マジかいな? 次ツモで三尋木が三倍満ツモ・・・?)

怜(こんの… せっかくトップ取れたのに、一発でまくられてまうやんか…)

怜(あ、あと2巡で流局なんや… なんとか… なんとかできへんか…?)キイイィーン・・・!


怜… 手牌の14牌を見ながら、集中力を高め… 複数の未来を模索する…!


怜(…! み、見えたで! これや! この牌や!!)チャッ、タァンッ!→「⑨」

洋榎「ポン!」カシィンッ!→「⑨⑨⑨」

咏「!?」


 えり『はい? え、これは・・・??』

 えり『園城寺選手、何故かここに来てテンパイを崩しました!? そして・・・』

 えり『愛宕選手までもがまるでそれにリンクするかのように、せっかくのピンフ手を崩して九筒を鳴きました! 三尋木プロ、これは、一体…?』

 咏(24)『うーん… 園城寺ちゃんが私の大物手を察知したんだろうねぃ… それで、ツモを飛ばすために、テンパイを崩して愛宕ちゃんが鳴ける牌を切った…』

 咏(24)『それを愛宕ちゃんも理解して、すかさず鳴いたわけだねぃ。 思ったよりヤルねぃ、あの二人…』

 えり『完全に… 三尋木包囲網が出来上がってしまっているわけですね…』

 
怜(よし、よし、さすがは愛宕姉や… 味方にすればこんなに頼りがいのある奴も、そうはおらんで…)ハアハア…

怜(ここは和了れんでもええ。 未来改変したせいで、一巡先がちょっと見えなくなってまったけど…)

怜(三尋木の当たり牌は分かっとるし、まあ大丈夫やろ。 ここは・・・対子落としで凌ぐ!)タンッ→「②」


怜、17巡目で、最も安全と思われる二筒切り… 最終18巡目でも、二筒を切って流局させる公算である…

ところが、その直後…


靖子「カン」パシィンッ!→「2222」

怜「へ?!」

洋榎「あん…?」


17巡目の最後に、洋榎が捨てた二索を、靖子がカン…!


怜(だ、大明カン…? この巡目で? 何考えとるんや…?)

靖子「…」チャッ、タン…


嶺上牌をツモッた靖子が、それを手牌の中に入れ、静かに牌を切る…


怜(…なんなんや… 最後の悪あがきか?)タンッ→「②」


怜が、前巡に続いて、二筒を出した、その、刹那・・・!


?「ロンorツモor〇×!!」

怜「は?!」


※靖子の特殊能力(「ショットガンMAKURI」発動。 トップ怜との差が1~2万点のため、70%の確率でまくる)

>>578コンマ以下(和了者)
01~70→靖子
71~80→怜
81~90→咏
91~00→洋榎

打点
>>579コンマ以下(打点表>>44 ※靖子が和了者の場合は、01~70→トップ怜への直撃、71~00→ツモ和了りでトップをまくる) 

10靖子和了 94ツモ


洋榎「ポン!」パシィンッ→「②②②」 

怜「は?!」

怜(な、なんや、ビックリした… 愛宕…さっき最後の二筒をツモって対子になってたんか?)

怜(まあええわ。 これでまた三尋木のツモを飛ばして、予定通り流局・・・)チャッ…


“ノーテン”と言って、牌を伏せようと構えた怜・・・

しかし、その時、信じられない言葉が左から聞こえてきた。


靖子「ツモ」タンッ

怜「ゑ?」

靖子「海底撈月。 タンヤオドラ2・・・満貫4000オールだ」ドォッ!!


靖子手牌:二三四五345⑥⑥⑥ ツモ「二」 大明槓「2222」 カンドラ[二]


 シィーン・・・  ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤ・・・・  ナ、ナンダ?  ナニガオキタンダ・・・?  ザワザワ・・・・


なんと・・・

本来なら回るはずの無かった海底牌が、洋榎が鳴いたことで親の靖子へと回り… その最後のツモで靖子は和了ったのだった。


怜「・・・??」

怜(こ・・・こんなことがあるか!? 海底牌で和了って、しかもカンドラ二つのっけて満貫やと…?)

怜(まるで意味のなかったはずの大明槓が、しっかり意味を持ってしまっとる… なんやこりゃ… どういう麻雀や!?)


 えり『・・・りゅ、流局と思われたその刹那・・・ 親の藤田選手が満貫ツモォ!』

 えり『これで… 一発でトップ園城寺選手をまくってしまいました! さすがは「まくりの女王」! その本領を発揮ですっ!』


靖子「ふふ…w 一本場だ」チャッ!


第三戦東三局

     
東 靖子 24000→36000 
南 怜  38000→34000
西 咏  21000→17000

北 洋榎 37000→33000


【東三局一本場 親:靖子】 


 えり『東三局は一本場に突入です! 今の和了で、藤田選手、園城寺選手、愛宕選手の3人が、大体横に並んでる状況・・・』

 えり『ただ一人、ランキングでは最も高い三尋木選手が一人沈み状態です! 大丈夫ですか?三尋木プロ!』

 咏(24)『さーねぃw まぁ、まだ17000点もあんだから別に大丈夫なんじゃねーの? 知らんけどw』

 
配牌・・・

怜(こなくそ…! なんか悔しいで今の和了は… 掌で転がされた気分や…)カチャカチャ

怜(ナメるんやないで…! 今度はうちがまくり返したるわ!)ボッ

洋榎(三尋木に気を取られとるスキを突いてきたんか…? …ちっ、このヤンキーも油断ならんな…)カチャカチャ

咏(ふぅ~ん… そーろそろ私のターンだと思うんだけどねぃ…)カチャカチャ

靖子(さてここからだ… トップになってから守るのは得意じゃないが… うまく連荘したいとこだな)カチャカチャ


※一本場なので能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>585コンマ以下
01~25→靖子(トップなので、選ばれても能力は発動されず、ノーマルステージに)
26~50→怜
51~75→咏
76~00→洋榎

58咏

咏「……」カチャカチャ

咏「ふーん…」ムフー=3


理牌を終えた咏がふーっと鼻息を出すと、左右の前髪を首の前で留めている“鈴”が、ちりんちりんと綺麗な音をたてた。


 えり『お、おお・・・? これは・・・??』

 えり『三尋木選手が凄まじい配牌です! えーっと、タンヤオ、ピンフ、三色・・・を一シャンテン! ダマで和了れれば満貫以上は確実です!』

 咏(24)『えりちゃん、この手牌ならイーペーコーも狙えんぜ』

 えり『ダンラスの三尋木選手… ここで挽回なるのか?』


咏(17)(ふふ…w みーんなヒトクセもフタクセもある打ち手で、面白いねぃ…w)

咏(私もそろそろ・・・一発ドカンとかましてあげないとだねっ!)カッ


怜(!? ん…? 今、なんか、三尋木の猫のぬいぐるみが… ニタッて笑ったような気が…?)


伝説の“迫り来る怒涛の火力”・・・ 炸裂なるか・・・?

今日はここまでにします
安価・コンマ対応あざした!

明後日の夜は私用で書けないので、次回は4日後の日曜の20:00からです

乙あざす
進めてくのよー

ところで、南一局では洋榎の「出バナくじきリーチ」が発動されますが…↓

<・「出バナくじきリーチ」 トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。 和了率70%。>

今回は「特定の他家」とのタイマン勝負(洋榎がロン和了りできなければ、その相手に振り込む)の勝負にする予定です。

もし、うーむそれはちょっと…と思うなら、南一局開始までにレス下さい。






一回戦第三戦東三局一本場・・・、めぐってきた好配牌にほくそ笑む三尋木咏(17)・・・!

しかしその時… 国際フォーラム内・仮眠室では・・・


優希「zzzzz… じょぉ…、でっかいタコスだじぇ… zz…」グーグー

マホ「zzzz… うぅ… マホまたチョンボしてしまいましたぁ… zzz…」ムニャムニャ

和「zzzzzz… はぁ、咲さん… 愛しています…/// zz…」スースー


第一戦で準決勝進出を決めたものの、小鍛治健夜(17)の鬼神の如き強さに精神をヤラれてしまった片岡優希は…

久に促された通り、仲間と布団を並べて仮眠を取っていた…


和「zzz… ん、んんっ…/// あっ、さ、咲さん、ちょっと、そんな…/// zz…」ムニャムニャムニャ・・・・

ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー

“和「んっ、ああ… 咲さん…!///」ハアハア”

“咲「ふふ…w 和ちゃん、オッパイ揉むの、そんな気持ちイイの…?w」モミモミ”

“和「は、はい…/// さ、咲さん…/// もっと…もっと強く揉んで下さい…!///」ハアハア・・・”

“咲「じゃあさ、和ちゃん… 上の服脱いじゃってよ? 直に揉んであげるからさぁ…w」ニタニタ”

“和「は、はい…!///」ヌギッ!”


 ヌギヌギ・・・  ぷるぅんっ!


和がセーラー服を脱ぎ、緊張で震える手でブラをはずすと… 咲の前に、世にもすばらなのどっぱいが現れる…!


“咲「へぇー… 何? 乳首立ってるよ和ちゃん? いやらしいなぁ…w」キュフフ・・・”

“和「そ、そんな… い、言わないで下さい、恥ずかしいです…///」カアァ”

“咲「ちょっと、手で隠さないでよ… ほら、気持ちよくさせてあげるからさぁ…!」ペロォー…”

“和「アッ! はぁんっ!!///」=3”


咲が、和の首筋に舌をはわせながらのどっぱいをワシヅカミにすると、和は身をのけぞらせて悲鳴のような喘ぎ声を漏らした。


“咲「ふふ… 和ちゃん、好きだよ…」レロオォー…”

“和「あ、ああ…/// 咲さん! 私もです…!///」ハアハア”


咲の舌が、和の首筋から鎖骨… そしてやわらかなのどっぱいへと下がり… ついにそのピンと立ったピンクの蕾を口に含む…!


“和「アッ!? はああぁっ!/// さ、咲さん! そ、そんなっ! そんな・・・・///」”


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー


和「そんなオカルトありえませんッ!!」ガバッ!


和「・・・・ あれ・・・?」キョロキョロ

和「… はぁ…/// また、咲さんに責められる夢をみてしまいました…///」カアアァ…

優希マホ「「zzzzz……」」グーグー・・・

和「… ま、まさか、今、優希たちに寝言を… 聞かれたのでは…?///」

優希「zzz… じぇ… のどちゃん……」ムニャムニャ

和「ふぇっ?!」=3

優希「… のどちゃん… ほらあそこに… タコスの山があるじぇ… zzzz…」ムニャニャニャ・・・

和「・・・・」ホッ


優希「ふへ… ふへへ…w のどちゃん… そんなにたくさん、食べられないじぇ…w zzz…」ニタニタ

和「… 優希… 小鍛治さんに怯えて泣いていましたが… この様子なら、もう心配ありませんね…」クスッ

和「…ほら、優希… そんなに布団をはいでいては風邪をひきますよ。 ちゃんとおヘソをしまって…」ススゥ・・・


優希に毛布をかけてやろうとした、その時だった…


和「えっ?!」

セアミィ「……」カタカタカタ・・・

和「こ、これは・・・??」


セアミィ「… ウウゥ…!」ブルブルブル・・・


なんと… 和がプレゼントし、いつも優希が肌身離さず身につけている猫蛇セアミィが… ギュッと目を(><)形につぶり、まるで何かにおびえているように震えていたのだ…


和「こ、これは・・・一体・・・??」


オカルト現象は一切信じない和…

しかし、この時は何か、どこかで大変なことが起きようとしている… そんな気配を感じ、背筋をぶるりと震わせたのだった…





~会場~


咏「リーチだねっっ!!」タァンッ!


 えり『! 来ましたっ! 三尋木選手、きっちり高めに手を仕上げ3巡目でテンパイ・・・!』

 えり『リーチ無しでも十分な手かと思われますが、ここはダマでは済まさないとばかりに、この試合初めて卓にリーチ棒を出しましたっ!』


咏が牌を曲げ、リーチ棒を卓に叩きつけると同時に、バチッと火花が散り… 一瞬小さな炎が現れて卓上を焦がす…!


洋榎(! くっ、3巡目…? ふん…“早いリーチはなんとやら”ちゅう格言を知らんのか…?)

洋榎(そんなもん恐るるに足らずや! こっちもテンパって先に和了ったるわ…!)カッ


靖子(く… 三尋木、今回も相当に高い手… 私が親の時に… 困ったもんだな…)

靖子(こんなに早くては当たり牌も読めない… どうする…?)チャッ


怜(来よったか… 早くても高いのは確実… 誰かが先に和了らなそのうちドカンと一発かまされてまうな…)

怜(それにしても… リーチする時、またあの猫の目が光ったような… なんなんやあのぬいぐるみは…?)


三尋木咏のリーチ・・・ それはまるで、卓上に仕掛けられた時限爆弾・・・!

果たして爆発させずに、安全に解除することはできるのか・・・?


 チャッ、パシッ…タンッ チャッ、パシッ…タンッ  チャッ、パシッ、 タンッ! ・・・


爆弾処理班となった工作員、洋榎、靖子、怜の3人が・・・ 配線を慎重にハサミで切るかのように、牌を切っていく・・・

一体、いつ、爆発するのか・・・? 

誰かがゴクリと唾を呑む音が響き渡った。   


怜(う、ううぅ… な、なんか、不自然に暑くなってきたで…? これも… 三尋木の力のせいなんか…?)ハアハア

怜(…まぁでも、一巡先が見えとる間は、うちが振り込むことはな・・・ おっ!?)キイイィィ――ン・・・!


怜… またもや脳内に、未来の和了の情景が浮かび上がる…!


怜(こ、これは・・・?!)


>>605コンマ以下(和了者)
01~70→咏(「迫り来る怒涛の火力」発動)
71~80→靖子
81~90→怜
91~00→洋榎

打点
>>606コンマ以下(打点表>>44) 

やあっ

19咏 01「迫り来る怒涛の火力」の能力によりハネ満に繰り上がり(3の倍数+1で対面靖子が振り込み)  


怜(こ、これは・・・?!)キイイィ――ン・・・


 “咏「おっとそれロン!!」ドガァーンッ!!”

 “靖子「ぶおっ?!」=3”

 “咏「リーチ・タンピンイーペーコー三色! ハネ満12000の一本場は12300だねっ!!w」クワッ!”


怜(次巡で藤田が三尋木のハネ満に振り込み・・・)

怜(トップを引きずりおろしてくれる上に、親が流れる。 こらぁ棚からボタモチやな…w)ククク・・・

怜(ご愁傷サマw うちはのんびり高見の見物させてもらうわw)フウ…


怜、内心ほくそ笑みながら、ふうとため息をついて、背もたれにもたれかかる。

そして、一巡後・・・!


靖子「・・・」チャッ!

靖子(! よし、役牌が入った… チャンタ三色テンパイ…!)

靖子(… しかし… チャンタで受けるには、五索を切らなくてはいけないな…)チラッ

靖子(五索は三尋木のリーチには危ない。 アレは明らかにタンヤオ手… ド真ん中は切りづらい…)

靖子(一応、二索を切っても、役牌のみでテンパイしておくことはできるが… どうするか…?)


靖子、究極の選択…! 比較的安全だが、安めの二索切りか… 危険だが高めの五索切りか…!

二索か、五索か? 青の配線か、赤の配線か?


靖子(・・・まだ東場… トップだからと守りに入る時じゃない、ここは・・・)

靖子(五索だっ!)タァンッ!


靖子、心の中で目をつぶりながら、五索出し・・・ 赤の配線を切る・・・!

と、その刹那・・・!


 “ピカァッ!!”


靖子「!?」


咏の肩から顔をのぞかせていた猫蛇“エイミー”の目が、突如光り・・・


 ズガアアアアアァァ―――――ンッ!!


靖子「ひっ?!?」


靖子の出した五索に雷のような凄まじいエネルギーが降り、卓全体がカタカタと震えた。


咏「おっとそれロン!!」ガタァッ!

靖子「ぶおっ?!」=3

咏「リーチ・タンピンイーペーコー三色! ハネ満12000の一本場は12300だねっ!!w」クワッ!!


咏手牌:二二三四五33445③④⑤ ロン「5」 


三尋木爆弾、解除ならず…!


第三戦東三局一本場 
     
東 靖子 36000→23700 
南 怜  34000
西 咏  17000→29300

北 洋榎 33000


 ウワアアアアアアァァ――――ッ!!  ツイニデタァッ!  サスガウタチャン!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 えり『ついに・・・三尋木選手の大物手が炸裂! 一発でトップを最下位へと引きずりおろしましたッ!』

 咏(24)『靖子ちゃんは運がいいねぇ。 普通あそこは赤ドラと裏がのるんだけどねぃ…』


靖子(っく… 二索でも振り込んでたのか。 しかし、二索ならリーチタンヤオピンフの3翻のみに留められたのに…)ギリッ

咏「ふふ…w 靖子ちゃん、高めご馳走様だねっ!w」


洋榎(ちっ… 追いつけへんかったか)

怜(ふん。 三尋木の火力も… 他家に当たっとるうちはこわぁないでw)フフフ・・・


【東四局 親:怜】


怜(さて親かいな。 しんどいではよ終わらせたいなぁ…)カチャカチャ

咏(これで… 私も牌も少しノッてこれるといいんだけどねぃ…)カチャカチャ

靖子(アッという間に最下位転落か。 しかし… まだ折り返しにも来てないからな。 いくらでも取り返せるさ…)カチャカチャ

洋榎(さぁーてと、今度は園城寺の親かいな)カチャカチャ

洋榎(きっちり和了って、まくってから南入しときたいとこやけど… ん…? こん配牌は……)チャッ


洋榎手牌:二五六2336788中中北 ドラ[二]


洋榎(これは… 悪くはないんやが、どう攻めてったらええかな…?)

洋榎(中が対子… 浮いとる二萬がドラ…)

洋榎(鳴いて速攻か、面前でタンピン手か、索子のホンイツか・・・)

洋榎(ま、とりあえず北捨てて… 打ちながら決めりゃええねんけど…)チャッ

洋榎(最初にある程度イメージしとくか。 とりあえず…〇×△狙ってみよか!)パシィッ!


※何を狙う?

1、メンゼンでホンイツ・チンイツ狙い(和了率そのまま(20%)。打点満貫~倍満)

2、手なりに進めてリーチ(和了率35%にアップ。打点2翻~倍満)

3、鳴き速攻(和了率50%にアップ。打点2~4翻)

※最も早く「3票」を獲得した番号でイキます

2、手なりに進めてリーチ


洋榎(とりあえず… 手なりに進めてリーチ狙ってみよか!)パシィッ!


洋榎、ここは染め手などの手役にこだわらず、ドラや五六のリャンメンターツが生きることを期待しつつ、素直に手を進めていく選択をする…!


 カチャッ、トッ、パシッ!  タンッ、 カチャッ、パシッ、タンッ・・・・


静かに牌は巡り、8巡目…!


洋榎「リーチや!」ドッ!


洋榎が牌を曲げる!


怜(んー…? なんやろ愛宕姉。 ただのリーチのみにも見えるし… 高いような気もするし…)チャッ

洋榎「~~♪」

靖子(…表情からは読めないな… 何を考えてるんだ…?)パシッ

咏(ん~… 今度は先制されたねぃ。 でも私はオリないよ…!)タンッ


そして、11巡目・・・!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>620コンマ以下(和了者)
01~35→洋榎
26~55→靖子
56~70→怜
71~00→咏

>>621コンマ以下(打点表>>44) 

※洋榎が和了した場合の打点表↓
01~20→2翻
21~40→3翻
41~60→満貫
61~80→ハネ満
81~00→倍満

開花ならずや!

08洋榎 50満貫


洋榎「ツモォ!!」タァンッ! 

怜靖子咏「「「!??」」」ギョッ

洋榎「リーチ・ツモ・中・ドラ2・・・満貫2000・4000や」ニタッ


洋榎手牌:二二五六七34678中中中 ツモ「2」ドラ[二]


 えり『東四局! 愛宕選手の満貫ツモ炸裂! 東一局に続けて2回目の和了です!』

 咏(24)『おぉ~w やるねぃ! 裏がのればハネ満以上だったのに。 おしぃねっ♪』

 えり『これでまたトップが入れ替わりました。 愛宕選手現在4万点越えのトップです!』


怜(やれやれ、ズラせへんかったわ)フウ

靖子(…? クセのある打ち手かと思ったが、今回は随分素直に手を進めたな…)

咏(いろいろ器用になんでもできるみたいだねぃ。 これは面白くなってきたねぃ…w)ククク・・・


 えり『これで第三戦は南場へと突入!』

 えり『ここまでの5回の和了は全て満貫以上! 確かに三尋木プロが言ったように高打点の叩き合いなっています』

 えり『さぁ後半は、どのような展開が待っているのでしょうか…?』


第三戦東四局 
      
東 怜  34000→30000
南 咏  29300→27300

西 洋榎 33000→41000
北 靖子 23700→21700


【南一局 親:咏】


 えり『一回戦第三戦南入・・・!』

 えり『現在トップは姫松主将愛宕洋榎! 2位に千里山エース園城寺怜…!』

 えり『7年前のレジェンド二人は、自分より低いランクの雀士たちに苦戦を強いられています!』
 

  ザワザワザワ・・・  ガヤガヤガヤガヤ・・・・  Bランカーガンバッテルナ!  テカミヒロギモフジタモアンマタイシタコトナクネ?  ガヤガヤガヤ・・・・


咏(最後の親番… ここはさすがに稼がないとヤバいことになるねぃ…)チャッ、パシッ

靖子(トップまで2万弱か… ふん、ちょうどいいハンデだな)チャッ、タンッ

怜(さすがは愛宕姉やな… やっぱ、無理してダブルやトリプル使ってかんと厳しいか…?)チャッ、タンッ

洋榎(ふふ…w 思ってたよりラクな展開で何よりやけど…)チャッ…!

洋榎(勝負はここからや。 最後まで油断は禁物やで… っと、張ったわ)カチッ

洋榎「…よぉーっし、ほな… 南入したことやし、いっちょ景気づけいっとこか!」カッ


洋榎「出バナくじきリーチ!!」ドォッ!

洋榎「“先んずれば人を制す”・・・や!!」クワッ!


洋榎、今回はわずか5巡目でリーチ…!

咏のリーチの時に思った“早いリーチはなんとやら”の格言など、もう頭には無い…!

いつでも物事は自分の都合の良いように考える… それが愛宕洋榎…!!


 漫「うぇっ?! あそこでリーチですか…?」

 由子「棒テン即リーのカンチャン待ちリーチ… 普通はせめてリャンメンになるのを待ってからリーチかけるのよー」

 絹恵「確かに… リーチかけるにしてはアレじゃ待ちが悪すぎるけど… おねーちゃんはたまにああいうことするんですよねー…」

 恭子「せやな。 理由を聞くと… どうせまた“勘”だの“なんとなくの経験則”だの言うんやろうけどなぁ…」

 恭子「それでも洋榎がリーチをかけると何故か和了ってしまうことが多いんやな…」

 由子「洋榎には、リーチをかけてからでも、自分に振り込むように他家を誘導するワザがあるのよー」

 漫「へ、ワザ…? なんですかそれは…?」

 由子「見てれば分かるのよー」

 恭子「いや、由子… あんなモンは技とは言えへんで…?」


 えり『トップ愛宕選手がまたもや先制リーチ! これに対して… 他家はどう動くのか?』


洋榎捨て牌:北1白東9    


 チャッ、パシッ、タンッ!  チャッ、パシッ、タンッ・・・


あからさまにタンヤオ手が匂う洋榎のリーチに対して、他家3人はまずは全員現物やヤオチュー牌を切ってくる・・・


洋榎「ふん… さぁくるで――イッパツくるで―――っ!!」チャッ!

洋榎「…かぁーっ! なーんで六筒やねん!!」ドスゥッ!


洋榎、わざわざ自分がツモった牌を大声で宣言して河に叩きつける…!


洋榎(クク…w うちの待ちはずばり“三筒”待ち…!)

洋榎(六筒をこれ見よがしに捨てれば、他家はスジを頼って三筒を出してくるはずや…)ククク・・・

洋榎(これが愛宕洋榎の後ひっかけや! さあはよ振り込まんかい!w)


六筒が当たり牌でないのなら、四筒五筒と抱えた三-六のリャンメン待ちは有り得ない…

従って三筒は比較的安全牌…! という麻雀のメカニズムを逆手に取った洋榎の“後ひっかけ”…

しかし・・・!


 チャッ、タンッ チャッ、パシッ、タンッ  チャッ、パシッ、タンッ・・・


洋榎(…おろ? 誰も出さへんな、三筒…)


誰も洋榎のトラッシュトークなど聞いていない…!


洋榎(ちゅーことは… 三筒はまだ山にガッツリ残ってる、ってカンジか?)フム

洋榎(他家がツモりよったら手牌に取り込まずに出してくれれば・・・ お?!)チラッ


この時、洋榎、他家3人のうちある1人の捨て牌に目を留める…


〇〇「……」ズモモモモモオオオォ・・・


洋榎(ほお… 〇〇の奴、捨て牌二段目に入ってから、いきなりド真ん中の五萬切り…その直後にドラの八索切りか…)

洋榎(テンパイしよったな…? うちのリーチを警戒してダマで済ます気か…?)

洋榎(ふん… おもろないな。 ここは… ちょいと煽ってみるか…!)


※〇〇は誰…?(最も早く3票を獲得した番号で)
1、靖子
2、怜
3、咏
4、コンマで決めようぜ

※洋榎の「出バナくじきリーチ」は、「特定の他家」から70%の確率でロン和了りを取れる。ロンできなければ逆に振り込む。

1靖子


洋榎「はぁ・・・ おもろないなぁ・・・」フゥ・・・

靖子「ん?」

洋榎「ったく… これも誰かさんが日和ってるせいやで… なーんでこんなつまらん奴がこの卓に座っとるんかいな…?」

靖子「お前… 何を言ってるんだ?」ギロッ

洋榎「ただの独り言やでー。 でもほんまに… 麻雀ちゅうのは死地に踏み込む勇気があってこそ、楽しめる競技やで」

洋榎「危ない橋の一つも渡れんビビリがおるとほんまにつまらんわぁ…」ハア…

靖子「………」ゴゴゴゴォ・・・


洋榎… 靖子を挑発…! テンパッてるなら追っかけて来んかいこのスカポンタンが! という意思表示…!!


咏「カニ頭のおねーさんイイ事言うね! 私もその通りだと思うよ♪」

洋榎「やろ? って、誰がカニ頭やねん!」=3


そしてその1巡後…!


靖子「リーチだ」ドォッ!

洋榎(! 来よった!w)


挑発が成功したのか… 靖子も追っかけリーチの千点棒を卓上に出す!


靖子(ふん… 愛宕、お前の挑発に乗ったんじゃないぞ…? 十分に待ちの良いテンパイになったから、リーチをかけただけだ) 

洋榎(クク…w よう出してきたで藤田… 正々堂々めくり合いの振り込み合いで勝負しよやないかい!)


お互いの喉元にナイフを突き立てたような、ギリギリの勝負・・・ 勝者は・・・?


>>637コンマ以下(和了者)
01~70→洋榎
71~00→靖子
※どちらかがどちらかに振り込む

>>638コンマ以下(打点表>>44) 

うぃ

60洋榎 79ハネ満ロン


靖子「……」チャッ

靖子(ん…? 三筒…?)


この時… 靖子、なんとも言えないイヤな気配に包まれる…

しかし…


靖子(うーむ… なんだか切りたくない… 切りたくないんだが…)

靖子(リーチをかけている以上切るしかない! 通れ!!)タァンッ!


場に出された三筒・・・!

と同時に、はあとため息をつく洋榎・・・!


洋榎「やれやれ… それが出てまうとはなぁ…」ハア

洋榎「ロンや。 リーチタンヤオ三色・・・ おっと、裏ドラ2丁で・・・ハネ満やなぁw」ニタアアアァ・・・

靖子「・・・ぐっ?!」


洋榎手牌:②④⑤⑥⑦五六七33567 ロン「③」 裏「3」


靖子(なっに…? 三筒カンチャン待ちだと…??)

靖子(この手で何故5巡目でリーチかけるんだ…? 普通なら赤ドラが来るのを待ったり、リャンメンになるのを待ってピンフがついてからリーチだろう…??)

靖子(な、なんで、こんな手に、私の5メンチャンが負けるんだ…!?)ワナワナ


洋榎… 藤田靖子を完全に翻弄!


第三戦南一局 
      
東 咏  27300

南 洋榎 41000→54000
西 靖子 21700→ 8700
北 怜  30000


【南二局 親:洋榎】


 ドオオオオオオオオォォォ―――ッ!!  スゲエェッ!  サスガヒメマツノエース・・・!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 えり『な、なんと、愛宕選手連続和了!! またもやハネ満! これで5万点越え・・・ダントツのトップです!』

 えり『しかも南二局はその愛宕選手の親番! いつまで続くんでしょうかこの勢いは!?』 


 絹恵「す、すごい…! あのメンツ相手に圧倒…! おねーちゃんカッコええでっ!」

 漫「うっわ・・・本当に和了っちゃいましたね・・・ なんでアレで和了れるんや…?」

 恭子「洋榎は基本は理に適った王道の打ち筋がベースやねんけどな… たまにああいう和了りをするから、掴みどころがない言われるんや」

 由子「洋榎にしかできない和了りなのよー」


咏(たっはー… 親が流されちゃったよ! これは… 本格的にヤバくなってきちゃったねぃ…)

怜(あーめんどいことになってきたなぁ… 今んとこ2位やけど、愛宕に稼ぎ負けたらどうせまたセーラたちに文句言われてまうんやろな…)

洋榎(ったく、手応えないでほんまに…w 前哨戦で闘った弘世の方がまだ骨があ・・・うぉっ?!?)


靖子「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオォ・・・!


 えり『これで最下位藤田選手の持ち点は一万点を切ってしまいました。 このままではトビ終了も・・・おや!?』

 えり『こ、これは・・・!!』


本日以上です
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
まったり進めてくにょ

オーラスまで行けるかな…?


 えり『こ、これは・・・!!』

 えり『藤田選手の配牌がとんでもないことに! な、なんと・・・』

 えり『配牌時でチンイツ一シャンテンです! こ、これが配牌なのでしょうか?!』


靖子手牌:一一一ニ三四五六八八八九3 


靖子「……」チャッ


信じられないような好配牌の靖子… しかし、第一ツモは四索…!


 えり『藤田選手、最初にツモったのは四索… しかしそれでも、この手ならきっと5巡目くらいまでにはチンイツをテンパイできるでしょう』


ところが… 次の靖子の一手を見たえりは、思わず目を剥いた。


靖子「リーチ」タンッ→「九萬」


 えり『えっ?! はひっ??』


なんと… 靖子はチンイツには目もくれず、いきなりダブルリーチを仕掛けたのだ…!


靖子手牌:一一一ニ三四五六八八八34


 えり『えー… これは…? チンイツを目指さず、そのまま二-五索のリャンメン待ちでリーチ・・・??』

 えり『ど、どういうことなんでしょうこれは? 三尋木プロ?』 

 咏(24)『信じらんないことするねぃw 私なら100パーメンチン目指すとこだけど…』

 咏(24)『まったく迷いなくリーチしたねぃ。 これは… 靖子ちゃんなりの目的があるんだろね』

 えり『目的…? 残り三局で、トップには4万点以上も差をつけられてるんですよ? こんな絶好のチャンスに… 何故チンイツを張ろうとしないんですか?』

 咏(24)『ん~… まずね、靖子ちゃんは確かに大差をつけられてダンラス状態だけど、そこまで焦ってはいないと思うぜ?』

 咏(24)『あの人は逆境でこそ力を発揮できるんよ。 “まくりの女王”の名は伊達じゃない… オーラスまでに、トップとの差を3万点以下に縮められればなんとかなるって思ってんじゃねーかな?』

 えり『は…?』

 咏(24)『だから、ここはまだそこまで無理して高い打点を目指さなくてもいいってワケなんだろね』

 えり『え、いや、でも・・・ 最初の配牌なら、えーっと… 一、四、七、八、九萬のどれかが来れば、一発でチンイツをダマテンできるんですよ?』

 咏(24)『そうだねぃ。 でもさえりちゃん、そーやってチンイツをテンパイするためには、三索四索のターツを捨てなきゃなんないんだぜ?』

 えり『…え?』


 咏(24)『あのメンツだからねぃ。 序盤でいきなり三、四索の絶好のターツを落としたりしたら、必ず他家に何かカンづかれる』

 咏(24)『次ツモで一四七八九萬のどれかが都合よく引けりゃまだいいけど、まごまごしてたら捨て牌でいろんな情報を与えて、萬子のチンイツ狙いだってバレバレになるだろうね』

 えり『えー… でも、七萬が来ればイッツーまでつく超好配牌なのに…』

 咏(24)『えりちゃん、仮に七萬が来ても、イッツーで和了れる待ちは残り一牌ずつしかない一-八萬待ちだぜ?』
 
 咏(24)『それに比べて二-五索待ちなら残り八牌もある。 和了れる可能性は段違いに高いよん』

 えり『……』

 咏(24)『まーもったいない気がするのはもっともだけど、ダブリ―なら他家も手が分かりようがないし、“無言の圧力”を卓上にかけられるからねぃ…』

 えり『無言の圧力、ですか…』

 咏(24)『ダブリーを警戒することで手が遅くなるんよ。 つまり、靖子ちゃんのこの局での目的は・・・』

 咏(24)『他家をビビらせて手を遅らせ、そのスキにさっさと和了ってトップの親を流す… そういうことなんだろうさ』


その時、卓上では…


 ざわ… ざわ… ざわ… ざわざわ……


まるで福本作品のように、言い知れぬ緊張感、戸惑い、焦燥感といった感情がざわつきとなってあたりを漂っていた…


洋榎(なんや…? 九萬切りダブリー…??)ザワ…

咏(靖子ちゃん… 一体ナニを張ってるんだい? サッパリ分っかんねーな…)ザワザワ…

靖子「……」


完全なポーカーフェイスの靖子。 そして捨て牌は九萬一つのみ。

これではさすがの洋榎も咏も、勘など働かせようもない。

しかし、ただ一人・・・“一巡先を見る者”園城寺怜だけは余裕の表情・・・! 自分だけは絶対に振り込まないという自信があるのだから・・・!


怜(ほーんダブリーねぇ…)フン

怜(三尋木も愛宕もさすがに少し動揺しとるみたいやな…)チラッ

怜(こらチャンスかもしれん。 藤田もそこまで待ちがええわけじゃないやろ。 他家の手が縮こまっとるうちに、一気にテンパイして和了ったるわ!w)


怜「…」タンッ→「六索」

洋榎「!?」


怜、平気な顔でいきなり第一打で危険牌ド真ん中の六索切り…!


咏「… んー…」タンッ→「東」


そして咏は少考の後、第一打に東を捨てる・・・

と、その時、


靖子「あ、それ・・・」

咏「!?」ビクッ!


靖子「・・・通し、です」

咏「な、なんだよ靖子ちゃん… 驚かさないでくれんかねぃ…!」ドキドキ


洋榎(ん~…なんや…? 字牌に反応したっちゅうことは、もしかして役牌のシャボ待ちとかか…?)

洋榎(うちの手牌の南… 邪魔だで切りたいけど、藤田にとってはコレはダブ南や。 もし… 南と白のシャボ待ちにでもしとったら、ダブリー一発ダブ南で、ドラが一つでものったらハネ満になってまう…)

洋榎(く、くそ…! そんなモンに振り込むわけにはいかへん! ここは… 一旦、回す!)タンッ→「六索」


洋榎、ここは靖子の圧力に屈する…! 怜の出した六索合わせ打ちでまずは様子を見る…


洋榎(園城寺は一巡先が見えとるんやから、振り込むわけあらへん。 ほれ園城寺、はよもっと安牌を開拓しろやっ!)

怜(ん…? なんや、うちに道案内させるつもりか、愛宕のお姉ちゃんは…? 相変わらず喰えんやっちゃな…)フン


最初は、まるで目隠しをして歩いているような感覚だった咏と洋榎…

しかし、靖子と、靖子の下家の怜が切っていく牌が増えるにつれ、徐々に暗闇が晴れ、明るくなっていく…!


洋榎(よし… 回しながらも一シャンテンまで来たで…!)チャッ!

咏(大阪のカニ頭ちゃん、順調に手が進んどるみたいだね… 靖子ちゃんも怖いけど、この親もなんとかしないとねぃ)パシッ

怜(よぉーっしテンパッたでー… さくっと和了って、トップまくったるわ!)タンッ

靖子「……」チャッ・・・


そして… 牌が11巡目まで巡った、その時…!

卓上に鳴り響く声!


?「ロンorツモor〇×!!」


※掛け算コンマバトル(コンマ以下の数に基本和了率の比率を掛けた数の大小で勝負。 積が偶数にしかならない雀士もいるので、ロンかツモか及び振り込み者などは打点の方で決定)
・靖子→>>659×5
・怜→>>660×4
・咏→>>661×7
・洋榎→>>662×4

>>663コンマ以下(打点表>>44 ※靖子は主役なので、和了した場合は打点1ランクアップ) 

はい

靖子(87×5=435) 怜(30×4=120) 咏(26×7=182) 洋榎(48×4=192)

打点05、靖子なので1ランクアップし2翻ロン。(3の倍数+2で上家洋榎振り込み)


洋榎「……」チャッ


 えり『! おっと… ここで、愛宕選手がダブリーの当たり牌の二索をつかみました!』

 咏『へぇ… 守りのカタい愛宕ちゃんでも、これは振り込んじゃうかもねぃ』


洋榎(んー… 二索は生牌… 場には一枚も出とらん)チラッ

洋榎(危ないな… コレは当たる可能性があるで…)

洋榎(しかしなぁ… うちもテンパイまであと一歩なんや。 こんな浮いとる牌を抱えるのは、事実上の和了り放棄や…)

洋榎(んー・・・ ここは・・・・)


※洋榎の特殊能力「格の違い」発動(靖子はAランカーなので、60%の確率で回避)

振り込み者、>>666コンマ以下
01~40→洋榎
41~70→怜(リーチをかけていないので振り込むことはない。 靖子のツモになる。 ツモの場合は3翻にアップ)
71~00→咏

00咏振り込み


洋榎(ここは… 本意じゃあらへんが… やっぱりオリや…)

洋榎(日和ってると思われるかもしらんが、トップの今、無理することはあらへん)タンッ


洋榎、ここは和了りをあきらめ、ベタオリ… 靖子の現物を切る。


 えり『お、おお…? 愛宕選手、かわしましたよ!?』

 咏『へぇ…? すごいねあの子はほんとに…』


そして、一巡後…


咏(…よし、私もタンピン手のテンパイだよ…!)チャッ

咏(浮いてるのは二索… んー… ちょっと怖いけど…)

咏(ま、だいじょぶっしょ! それ、通れ!)タンッ→「二索」

靖子「ロン」

咏「ほひっ?!」=3

靖子「ダブリー・・・ 裏のらず… 2000です」パララァ・・・


靖子手牌:一一一ニ三四五六八八八34 ロン「2」


咏(!? そ、その手で染めなかったんかい? ま、まあ、まだ安くて良かったぜ…)ホッ


第三戦南二局 
      
東 洋榎 54000

南 靖子  8700→10700
西 怜  30000
北 咏  27300→25300


【南三局 親:靖子】 


 えり『藤田選手、ダブり―のみの安和了り…』

 えり『一応思惑通りということなのでしょうか。 ここでその藤田選手の親! 更なる挽回に期待したいところですが、果たして…?』


配牌…

靖子(裏がのらなかったのはアンラッキーだが、まあ仕方ない… この親で一気に取り返す!)カチャカチャ

洋榎(ダブリーのみの和了り優先… なんや、そんなにうちの親が続くんが怖かったんか?)フン、カチャカチャ

怜(三尋木から和了るんなら、もっと高い手で和了ってくれても良かったんやけどなぁ…)カチャカチャ

咏(振り込んじゃったねぃ… 私の親はもうないから、和了チャンスはあと2回…)カチャカチャ

咏(ほんじゃまあ・・・全力でイカせてもらおうかねぃ!)


咏「……」ボッ!


咏の瞳の奥に… 炎のコントラストが現れる…!

三尋木咏の「迫り来る怒涛の火力」・・・再び着火!!


咏「・・・・・」ボボボボボボボボオオオォ・・・

靖子(くそ、私が親の時に来たか… 三尋木の後ろに… 炎のようなオーラが見えるな…)チャッ

洋榎(なんや、熱気が… 熱風みたいなもんがゆらゆら漂ってきとるで…? ちっ、まやかしやこんなモン!)パシッ

怜(ん…? またかいな。 空調変えんのやめて欲しいでほんまに…)フウ


 チャッ、 ボッ!  パシッ、タァンッ! ボボォッ!!


咏が牌をツモり、卓に叩きつける度に、小さな炎が現れ卓上が焦げるような匂いが他家3人の鼻をつく…!


 泉「あと二局… 園城寺先輩、振り込むことはないでしょうから、このままなんとか準決勝行けそうですね」

 セーラ「あん? 何を言うとるんや泉! 例え2位でも洋榎に勝たな意味ないわ!」

 フナQ「ま、まあでも… 準決勝に進めれば、また再戦する機会もきっとあるでしょうから… ここは勝ち上がるのが優先ですよ」

 竜華(… あかんわ、3位の三尋木がまたデカいの和了るような気がしてならへん…)

 竜華(怜・・・ 頑張ってや!)


 チャッ、パシッ! ボッ!  ピシッ、タァンッ!  ボボボォッ!!


 えり『おっと、これは… 三尋木選手の手牌が、どんどん数牌一色で染まっていきますね…! またもや大物手を狙っているようです!』

 咏(24)『私が狙うのはいつも大物手だよん♪』パタパタ

 えり『三尋木プロは、数多のプロ雀士の中でも、最も平均和了点が高いんですよね。 確か、子で15000点以上あるとか…』

 えり『現高校生で最も平均火力の高い選手というと、江口セーラ選手や天江衣選手、渋谷尭深選手などが思い浮かびますが… そんな彼女たちでも、平均和了点は12000程度です』

 えり『つまり… 三尋木プロはもはや常識はずれの高火力プレイヤーということになるのですが、やはり高校生の時もそうだったんですね』

 咏(24)『そりゃーね! 私は、麻雀を始めた幼稚園の時から、和了る時はほとんど満貫以上だったよ。 やっぱ麻雀はさ、あのドカァンッ!てのがキモチイイんじゃん♪』


そして、10巡目・・・


咏「……」ゴゴゴゴゴゴゴオオォ・・・


洋榎(三尋木…張りよったな。 今回は索子の染め手か…?)

怜(あかんな… コレを和了らせるわけにはいかんで…!)

靖子(くっ… しかし私もテンパイだ。 ここでオリるわけにはいかん…!)チャッ・・・!


靖子(… く… 西か…)


タンピン手をテンパイした靖子… しかし、ここで、完全に不要な字牌の西をツモってしまう…!


靖子(くそ…! 三尋木は…)チラッ


咏捨て牌:⑨②四一⑤北
     東中九④


靖子(あの捨て牌… 索子の染め手なのは十中八九間違いない)

靖子(そして… 数牌のあとに字牌を手出しで処理したということは、チンイツよりはホンイツの可能性が高い)

靖子(この西は生牌な上に、三尋木の自風牌だ… つまり相当危険だということだ…)

靖子(くっ、しかし… 今は親だし、この点差なんだ… 行くしかないっ!)タァンッ→「西」


靖子、バンジージャンプで飛び込むような、決死の覚悟での西切り・・・!

と、その時


?「ロンorツモォor〇×!!」

靖子「う゛っ?!」


>>676コンマ以下(和了者)
01~70→咏(「迫り来る怒涛の火力」発動)
71~80→洋榎
81~90→靖子
91~00→怜

打点
>>677コンマ以下(打点表>>44) 

うぃ

09咏 32能力によりハネ満ツモに繰り上がり


咏「ポン!」カシィンッ→「西西西」

靖子「う゛っ?!」


洋榎(な、なに? 三尋木が鳴きやと?!)

怜(あー・・・シマッタ。 これはあかんわ…)


ほとんど鳴くことのない咏の「ポン」の発声に、靖子と洋榎は表情をこわばらせ… 怜はまたため息をついて後ろにもたれてしまった。


そして、一巡後・・・ 

咏が着物の裾をひらりとなびかせながら、その牌を叩きつけると・・・

卓上に紅蓮の炎が湧きたち、肩の“エイミー”の口角がニタリと上がった。


咏「ツモッ!!」タァンッ!!

咏「西・ホンイツ・ドラ3・・・ ハネ満3000・6000だねっ!!」カッ!


咏手牌:456678999發發 鳴き「西西西」 ドラ[9]


 ピシィッ!  パリィ――ンッ!!


怜「へっ?!」
洋榎「なっ!?」
靖子「・・・!!」


咏が和了ると同時に、闘牌スペースの天井に設置されていたカメラのレンズが砕け散り、パラパラと床にガラスが降ってきた・・・


 えり『!? こ、これは・・・? モニター画面の一つが、突然真っ暗に・・・』

 咏(24)『あちゃー、ごめんねぃ。 圧でブッ壊しちゃったみたいだねぃ…w』タハハ・・・


怜(まくられたか… でも次のオーラスはうちの親番や! このまま3位では終わらせんで…!)ゴゴォ・・・


第三戦南三局 
      
東 靖子 10700→ 4700

南 怜  30000→27000
西 咏  25300→37300
北 洋榎 54000→51000






【南四局 親:怜】


 えり『えー・・・お待たせしました! ステージのガラスの掃除と、カメラの交換が終わりましたので、これより第三戦のオーラスを開始いたします!』
 
 えり『現在トップは姫松主将愛宕洋榎選手! 一度も振り込まず、なんと3回も和了を決めて5万点以上の点棒を持ち、かなり有利な状況でこのオーラスを迎えています!』

 えり『そして2位は三尋木咏選手! 先ほどの2度目のハネ満和了で2位に浮上! 逆に3位の園城寺選手に1万点以上の点差をつけることに成功しています!』

 えり『しかし3位、千里山エース園城寺怜選手はラス親! まだまだ十分2位以上に入る可能性を残しています!』

 えり『そしてラスは藤田靖子選手… 二度の大きな振り込みとハネ満親っかぶりで残り点棒わずか4700・・・ 如何に“まくりの女王”といえど、ここからまくりを決めるのはさすがに厳しいでしょうか?!』


 オネーチャーン! モウチョイヤデェーッ!!  トキィ! レンチャンヤレンチャン!!  ウタチャンモウイッパツダァッ!!  コラカツドン!コンジョウミセロヤアァッ!!


 えり『各選手に応援の声が飛びます! さあ、命運を握る、配牌は・・・?』


洋榎(よし… あとは安手をちゃちゃっと和了るだけや。 一気に決めたんで…!)カチャカチャ

咏(やれやれ、苦戦したねぃ… 最後も私の和了で、トップもまくっときたいとこだねぃ♪)カチャカチャ

怜(しんどいけど、ラス親… ここは踏ん張りどころやで… 見とれや!セーラ、竜華、泉、フナQ…!)カチャカチャ

靖子(ここまで点差があっては、まくるのは難しいが・・・それでも、私なら・・・出来る!!)カチャカチャ


結果は・・・?


※靖子を除いた配牌時シャンテン数を決定します(靖子は「まくりの女王」が発動されるため無条件で最も早く和了チャンスが来る)

怜→>>682
咏→>>683
洋榎→>>684

それぞれコンマ以下が、
01~20→5向聴
21~40→4向聴
41~60→3向聴
61~80→2向聴
81~00→1向聴
(前哨戦での「ゾロ目は配牌時テンパイ」は無し)

※この局ではシャンテン数が少ないほど、早く和了のチャンスがやってきます(同じシャンテン数の場合は、コンマ以下数が大きい方が優先) 

怜→3向聴(56) 咏→4向聴(33) 洋榎→4向聴(22) ※(靖子は計算上「0向聴」。 靖子→靖子→靖子→怜の順で和了チャンスが来る)   


靖子「・・・・・」カチャカチャ

靖子(よし!)チャッ!

靖子(「まくりの女王」にとっては最高の舞台だ… 考えられないような逆転で、目にモノ見せてやる…!)キッ!

怜(ほぉーん3シャンテン… とにかく和了らないかんな)チャッ!


>>689>>690>>691コンマ以下(靖子の打点)

>>692コンマ以下(怜の打点)(打点表>>44

※下の和了条件を満たしていれば和了

<第三戦南四局各自点棒状況> 
東 怜  27000(和了れば最低でも次局へ)
南 咏  37300(和了れば通過)

西 洋榎 51000(和了れば通過)
北 靖子  4700(役満ツモか、咏に三倍満以上直撃など)

靖子(85、84、39)和了ならず  怜(12)二翻ツモ和了


怜「ポン」カシィンッ

怜「チー!」パシィンッ

洋榎(あん…? 園城寺、その鳴きは…)

咏(早和了り狙いかい…)


怜「…ツモ。 タンヤオドラ1、1000オールや」パララァ・・・


第三戦南四局

東 怜  27000→30000
南 咏  37300→36300
西 洋榎 51000→50000
北 靖子  4700→ 3700

※次局、南四局なので一本場でも能力ステージにはならないが、靖子の特殊能力「まくりの女王」のみは発動される


【南四局一本場 親:怜】


 えり『オーラス・・・ 和了を決めたのは親の園城寺選手!』

 えり『喰いタンの速攻で次局へと繋げました!』


セーラ「よし、怜… それでええで。 頑張れ…!」

竜華「……」ハラハラ


配牌、二度目・・・!

洋榎(園城寺… あきらめの悪いやっちゃな… 病弱ちゃんは無理せんでええんやで…?)カチャカチャ

咏(差が6300… ううぅ~ん… なんでも和了ればそれで終わりだけど、私は速攻は苦手なんだよねぃ…)カチャカチャ

怜(よし…! 次で3翻以上をツモれば、うちが三尋木をまくって終了や…!)カチャカチャ

靖子(首がつながった… 次こそは…!)カチャカチャ


 えり『これまでにないほどに緊迫した雰囲気の卓上…! さあ、最後に和了るのは、誰か…?』


怜→>>697
咏→>>698
洋榎→>>699

それぞれコンマ以下が、
01~20→5向聴
21~40→4向聴
41~60→3向聴
61~80→2向聴
81~00→1向聴
(前哨戦での「ゾロ目は配牌時テンパイ」は無し)

配牌和了

それ

怜→3向聴(48) 咏→4向聴(26) 洋榎→1向聴(85) (靖子→洋榎の順で和了チャンスが来る)   


洋榎(お… よし、ええ配牌や。 ここはうちも鳴いてくで!)

洋榎「ポン!」カシィンッ!

靖子(っく…! まだ、まだだっ!!)カッ


トップ洋榎、速攻を仕掛ける…!

しかし、一縷の望みをかけて・・・藤田靖子がツモ山に手を伸ばす!!


>>702コンマ以下(靖子の打点)

>>703コンマ以下(洋榎の打点)(打点表>>44

※下の和了条件を満たしていれば和了

<第三戦南四局各自点棒状況> 
東 怜  30000(和了れば最低でも次局へ)
南 咏  36300(和了れば通過)

西 洋榎 50000(和了れば通過)
北 靖子  3700(役満ツモか、咏に三倍満以上直撃など)

靖子(62)和了ならず  洋榎(45)3翻ロン和了(3の倍数なので下家靖子から出和了り)


靖子「……」チャッ、パシッ、タンッ!


 えり『おっ、おお・・・?! 配牌時で九種十牌だった藤田選手・・・ ここは国士一直線です!』

 咏(24)『もうイチかバチか賭けるしかないからねぃ』

 えり『…あっと! 藤田選手十種まで来ました! 果たして… 奇跡の逆転は起きるのかぁ?!』ハアハア


普段はクールなえりがその口から唾を飛ばし、マイクを握る手に汗がにじむ・・・!

しかし、靖子のそんな必死の思いを打ち砕くように、和了の声が静かに響き渡った・・・


靖子(さぁ、来い…! 国士一シャンテンまで来たぞ!)タンッ

洋榎「…ロンや、それ…」ゴォッ!

靖子「・・・あっ、 かっはぁ・・・?!」ブルブル

洋榎「残念やったなぁ、ヤンキーのねーちゃん! 国士の余り牌をさらうくらい、うちには造作もないことやで!」

洋榎「白・ドラ2・・・3900の一本場は4200で終了やっ!!」クワッ!!


“最強の血筋の系譜”愛宕洋榎・・・“まくりの女王”藤田靖子を、粉!砕!!


洋榎「見たか! これが姫松の絶対エース・・・愛宕洋榎やぁ!!」カッ!



第三戦南四局一本場(終局)

東 怜  30000
南 咏  36300
西 洋榎 50000→54200
北 靖子  3700→ -500


順位
1位 愛宕洋榎(準決勝進出決定)
2位 三尋木咏(準決勝進出決定)
3位 園城寺怜
4位 藤田靖子

本日ここまでなのよー
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

第四戦メンバーの能力貼っておきます↓(霞、杏果、哩に加筆修正あります)
訂正や変更の希望がありましたら、必ず対局開始までにレスお願いします。

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『S4 赤土晴絵(高一)』

<ス>→「レジェンドリーチ」

    和了率70%。(満貫以上) 
   
<特>→「レジェンドアイ」

    他家がハネ満以上を和了した場合、次の局でその和了者をマークし、和了を封じることができる。   
  
<特>→「レジェンディフェンス」

    一試合で一度だけ、振り込みをかわすことができる。(他家に押しつける)

ーーーーーーーーーーーーー

『A16 石戸霞(高三)』

<ス>→「絶一門」
    70%の確率でメンゼンチンイツ(ハネ満or倍満)をツモ和了する。

<ス>→「迫り来る怒涛の魔乳」
    10000%の確率でメンホン(3翻or満貫)を和了する。

<特>→「鉄壁のおもち」
    トップに立っている場合、基本和了率が25から40%に上がる。 しかし倍満以上は全てハネ満止まりになる。

ーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑤ 稲村杏果(高三)』

<ス>→「マザーキョウカ」
    超集中状態。 手牌にある牌の同種牌を次々と引くことができる。 
    和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

<ス>→「マッドリーカンナー(閑無狂い)」
    閑無のために勝ち上がりたいという思いが最高潮に達し、和了率が一時的に70%になる。    

<特>→「前髪パッツンプロテクション」
    刻子手を多く作り、読みの精度も高いため、振り込みを最小限に抑えることができる。
    一試合で一度だけ、振り込みを「相手のツモ和了り」に変更できる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑦ 白水哩(高三)』

<特>→「セルフリザベーション」
    東一~南三の全ての局で、配牌時に3~7翻の「しばり」をかけることができる。
    しばり通りの翻数で和了した場合、次局で、その和了の倍の翻数で確実に和了することができる。  
    (哩は毎局、「3つの翻数」の中から一つを選ぶ(コンマで決める)。 「3つの翻数」は、「345」「456」「567」の3パターンがある。 つまり和了した場合の、しばり通りの翻数で和了できる確率は1/3)

乙あざす
第四戦開始まで進めるにょ

試合スタートはまた22:00頃から

「怒涛の魔乳」の和了率が10000%なのは、あの霞サンの常軌を逸する迫力のおもちは、100%ではとても足りないと思っただけです。
決して、100×100でメンホンを100回連続で和了るとかそういう意味ではないのよー

晴絵、霞、哩の能力に少し加筆したので、一応また全部貼っときます↓ 能力に変更や修正が必要と思う場合は、必ず試合開始までに書き込みお願いします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『S4 赤土晴絵(高一)』

<ス>→「レジェンドリーチ」

    和了率70%。(満貫以上) 
   
<特>→「レジェンドアイ」

    他家がハネ満以上を和了した場合、次の局でその和了者をマークし、和了を封じることができる。(ただし哩のリザベーションだけは止めることはできない)   
  
<特>→「レジェンディフェンス」

    一試合で一度だけ、振り込みをかわすことができる。(他家に押しつける)

ーーーーーーーーーーーーー

『A16 石戸霞(高三)』

<ス>→「絶一門」
    70%の確率でメンゼンチンイツ(ハネ満or倍満)をツモ和了する。

<ス>→「迫り来る怒涛の魔乳」
    10000%の確率でメンホン(3翻or満貫)を和了する。

<特>→「鉄壁のおもち」
    トップに立っている場合、基本和了率が25から40%に上がる。 しかし倍満以上は全てハネ満止まりになる。
    (ただし、発動されるのは「ノーマルステージ」のみ)

ーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑤ 稲村杏果(高三)』

<ス>→「マザーキョウカ」
    超集中状態。 手牌にある牌の同種牌を次々と引くことができる。 
    和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

<ス>→「マッドリーカンナー(閑無狂い)」
    閑無のために勝ち上がりたいという思いが最高潮に達し、和了率が一時的に70%になる。    

<特>→「前髪パッツンプロテクション」
    刻子手を多く作り、読みの精度も高いため、振り込みを最小限に抑えることができる。
    一試合で一度だけ、振り込みを「相手のツモ和了り」に変更できる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑦ 白水哩(高三)』

<特>→「セルフリザベーション」
    東一~南三の全ての局で、配牌時に3~7翻の「しばり」をかけることができる。
    しばり通りの翻数で和了した場合、次局で、その和了の倍の翻数で確実に和了することができる。  ただし、「オーラスで、2位以上に届かない和了」だけはできない。
    (コンマでしばりの翻数を決める。 和了した場合、しばり通りの翻数で和了できる確率は1/3。 哩は毎局、3つの翻数の中から一つを選ぶ。 「345」「456」「567」の3パターンがある)

ミス発見
第二戦の南四局、怜は「主役」なので、「和了したら打点1ランクアップ」というアドバンテージがあったのに、計算されてませんでした。

順位に変動はないけど、一応訂正します↓

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>>694
怜「…ツモ。 タンヤオドラ2、2000オールや」パララァ・・・


第三戦南四局

東 怜  27000→33000
南 咏  37300→35300
西 洋榎 51000→49000
北 靖子  4700→ 2700
ーーーーーーーーーーーーーー
>>695
咏(3位との差が2300…! ううぅ~ん… なんでも和了ればそれで終わりだけど、私は速攻は苦手なんだよねぃ…)カチャカチャ

怜(よし…! 次で何でもいいでツモれば、うちが三尋木をまくって終了や…!)カチャカチャ
ーーーーーーーーーーーーーー
>>706

第三戦南四局一本場(終局)

東 怜  33000
南 咏  35300
西 洋榎 49000→53200
北 靖子  2700→-1500



  ウワアアアアアアアアアアアアァァ――――ッッ!!  ドッオオオオオオオオオオオオオオオォォ―――ッッ!!  スゲエエエエエェェ――ッ!!  アタゴネキツヨスギヤァッ!  オネーチャァーン、ヤッタデェッ!!  ヒロエサスガナノヨー!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!


 えり『つ、ついに・・・ ついに決着です!!』

 えり『第三戦終局! 最後に和了を手にしたのはまたもや姫松の愛宕洋榎選手!』

 えり『最下位藤田選手の国士をかいくぐり、直撃・・・ 逆にトバしてしまいました!!』

 咏(24)『いやぁ~… ホントに強かったねぃ、愛宕ちゃん…』

 
洋榎「はー… 終わった終わったァ! わりとラクな試合やったわぁww」

靖子「う、ううぅ……」ギリッ

咏「たっはー! こりゃヤラれたねぃ… でもカニのおねーちゃん、次は負けないよ!」

怜「お疲れ様・・・」ヨイショ…


洋榎「おーう、園城寺!」

怜「…あん? なんや…?」


重そうに体を動かして椅子から立ち上がった怜に、まだのんびり腰掛けている洋榎が声をかける・・・


洋榎「勝てたのはお前のおかげやで。 うちの思い通りに動いてくれておおきに!w」

怜「……」

洋榎「お前とは合同練習で何度も卓を囲んどったからな、大体ナニしてくるか分かっとったわ。 うまく利用させてもらったでw」

怜「…減らず口叩いとらんと、自分も戻ったらどないや」

洋榎「あんたの子やなし孫やなし~♪ いらんお世話やほっちっち~~♪」

洋榎「もうちょいここに座っとりたい気分なんや。 勝利の味をじっくり噛み締めたいんやw」

怜「……」フン

係員「いや、あの、次の第四戦の準備するので早く戻って下さい」

洋榎「あ、はい…」ビクッ





~実況室~


えり「これにて一回戦第三戦終了…! 準決勝へと駒を進めたのは、姫松愛宕洋榎選手と、妙香寺三尋木咏選手、ということになりました」

えり「それにしても愛宕選手は強かったですね… この試合の10回の和了りのうち、実に4回が愛宕選手1人の和了り… しかもそのうちの2回はハネ満…!」

えり「さらに、一回も振り込まずに非常に安定した試合運びでした… この試合、三尋木プロはどう見ましたか?」

咏(24)「うん、確かに愛宕ちゃんのうまさが光った試合だったねぃ… 正直、イマイチ牌がノッテてこなかったとはいえ、高校生の私が稼ぎ負けるとは思わんかったよ。 さすがはあの雅枝さんの娘さんだわ」

えり「やはり、関西の二人が三尋木選手をきっちりマークしていたのが効いたんでしょうか」

咏(24)「それもあるけど… 愛宕ちゃんはとにかく立ち回りが良かった。 それが一番の勝因だろうねぃ」

えり「立ち回り・・・ですか?」

咏(24)「そ。 ほとんどの局で、うまく他家を利用したり動かしたりして、自分の有利になるように試合を運んでたんさ」

えり「えっと… 具体的にはどういうことですか?」

咏(24)「そうねぇ… まず東1局では、園城寺ちゃんがリーチをかけてきたのに対して、うまく靖子ちゃんを鳴かせてツモ筋をズラし、結果として自分のハネ満和了に繋げた…」

咏(24)「そして東3局では、逆に園城寺ちゃんから自分が何度か鳴くことで、私の三倍満ツモを潰すことに成功…」

咏(24)「南1局では靖子ちゃんを煽って追っかけリーチをかけさせることで、うまく自分の当たり牌を引き出してハネ満を和了った…」

咏(24)「それと、愛宕ちゃんは常に園城寺ちゃんを観察して、自分のナビゲーターとして利用してたみたいだねぃ」

えり「ナビゲーター? えっと、それは…?」


咏(24)「園城寺ちゃんは常に“一巡先”が見えるっしょ? だから、彼女を観察することで、自分もちゃっかりその能力の恩恵に預かってたんよ」

咏(24)「園城寺ちゃんは他家の和了が見えると、それが表情や態度に出るんだ。 そこを見て、愛宕ちゃんも“未来”を推測し、攻めるか守るかといった判断の一助にしていた…」

咏(24)「南2局で靖子ちゃんがダブリーを仕掛けた時はさすがに動揺してたけど、園城寺ちゃんが切っていく牌をナビゲーションにしてうまく回し打ちし、結果として振り込みも回避することができた…」

えり「な、なるほど… 園城寺選手のあの類稀な能力を、逆に利用していたと…」

咏(24)「うん。 それに最初から最後まで、ほとんどミスらしいミスもなかったしねぃ…」 

えり「愛宕選手は前哨戦でも一度も振り込むことなく、ほぼ圧勝という形でした… これは準決勝でも、どんな闘牌を魅せてくれるか、期待がもてますね」

咏(24)「そーね。 無理なく肩の力を抜いて打ちつつ、周りの“環境”を最大限に利用する… あの打ち方がもう一回できるんなら、ハッキリ言ってすこやんにも勝てるぜ?」

咏(24)「今回は、園城寺ちゃんも靖子ちゃんも… そして私も、愛宕ちゃんに手玉に取られちゃったね。 ま、でも、あの私も“学習”してるだろうから… もしまた再戦することがあれば、次は勝っちゃうと思うけどねっ!」






~会場・観客席~


 ザワザワァ・・・  ガヤガヤガヤガヤ・・・・


怜「ただ今戻ったでー・・・」フララァ~…

泉「あ、園城寺先輩… お疲れ様でした!」

セーラ「怜… 残念やったな。 まあ、洋榎の奴バカヅキ状態やったから、まぁアレはしゃーないわ…」

フナQ「体調はどないですか? 園城寺先輩…」

怜「ん~・・・」ポフッ


泉、セーラ、浩子の3人を半ば無視し、竜華のフトモモに頭を埋めた怜…


竜華「怜… よう頑張ったな。 頑張り過ぎてまた倒れたりしたらどないしようって、心配やったけど…」

竜華「無事帰ってきてくれて安心したで♪ うちは、怜が元気なら勝ち負けなんかどうでもええねん」ナデナデ

怜「……」ゴロゴロ


いつものように竜華のフトモモに顔をこすりつける怜…

ところが、


竜華(…!? フトモモに、水が…? い、いや、違うわ。 これ、怜が、泣いとるんや…!)

竜華(やっぱり… なんだかんだ言うても、うちらのエースとして、絶対勝とうって思ってくれてたんやな…)

竜華(ごめんなぁ怜。 うちが前哨戦で勝っとれば、あんたにこんな重荷背負わせることもなかったんやけどな…)ヨシヨシ

怜(竜華… うちはな、倒れる覚悟で… ダブルやトリプルも使うつもりで、卓に座ったんやけどな…)

怜(結局、最後まで使うタイミングが掴めなかったんや… ほんまに、ごめんなぁ…)スリスリポロポロ・・・


咏(17)「戻ったよ~ん、貴子ちゃん!」

貴子(高2)「あ、お疲れ様でした、三尋木さん… 準決勝進出おめでとうございます」

靖子「……」ズゥーン・・・

貴子「あー… 藤田さんは… 残念でしたね…」

咏「靖子ちゃん! いつまでもしょげとってもしょーがないっしょ? 最後までよく頑張ってたじゃないの」

靖子「いや… しかし… 同じ高校生とはいっても、“未来”の奴らに負けるっていうのは… ホントに悔しいな…」ギリ・・・

咏「まぁね、この世界のコたちはみんな私たちの後輩なワケだからねぃ… 私も先輩としてガツゥーンと決めてトップ取りたかったけどさ」

咏「負けちゃったモンは仕方ねーよ! これを糧にまた強くなればいいじゃん! ほれ靖子ちゃん、私がカツ丼おごってあげるからいい加減元気出しなって!」バシバシ!

靖子「いって!叩くなよ… ・・・じゃあ、カツ丼特盛の大根おろしトッピングおごってくれよ」ジュルリ

貴子「さっき試合中にカツ丼食べてたじゃんよ… まだ食べるんかよ藤田さん?」

靖子「なんだ久保知らないのか? 大根おろしはジアスターゼがあるから消化を助けるんだぞ」

貴子「いやそういう問題じゃねーって…」


  ダダダダダダダダ・・・・  キキィッ!


洋榎「どやっ! 姫松の大黒柱サマのお帰りやでっ!!」ドンッ!

絹恵「おねーちゃん! すごかったで! ほんまにカッコ良かったでっ!!」キラキラ

恭子「あのメンツにアレだけの大差で圧勝するなんて… 驚きました。 さすがは主将です」

洋榎「せやろーさすがやろー♪///」ドヤドヤドヤァッ!

漫「ふん… ま、めちゃくちゃ運が良かったおかげですよね。 多分観客の8割くらいはそう思ってるんちゃいます?」

洋榎「モンゴリアンチョップ!!」ビシィッ!!

漫「ぶべらばっ!!」=3


漫「……」チーン

洋榎「誰にモノを言うとるんやコイツはまったく…」

由子「洋榎、漫ちゃんも心の中ではきっと洋榎をリスペクトしてるのよー。 照れ隠しと、次もあるんやから調子に乗り過ぎないようにしましょうって思ってるだけなのよー」

洋榎「ははっ!w そんな心配ゴム用や! 準決勝・・・誰が相手になろうと格の違いを見せるだけやでっ!!ww」


恭子(洋榎… 相変わらずあきれるほどの自信やな… でも、この“自分が負けるわけはない”っちゅう思い込み…みたいなモンが、洋榎の強さの源泉なんやろな…)

恭子(いつも負ける可能性を考えて卓につく私とは根本的に異なる。 羨ましい限りやでほんまに…)

恭子(明日の準決勝は、今日とは比べ物にならんくらい厳しいモノになるやろうけど… 洋榎ならきっと、最後には勝って戻ってきてくれる…! 何故かそう、信じてしまえるんやな…)

恭子(洋榎なら、優勝も夢やない…! 信じてるで、姫松の主将…!)





16:45

~試合会場~


館内放送『…皆様おまたせしました。 まもなく一回戦第四戦を開始いたしますので、出場する選手の方は5分後までにステージ前までお集まり下さい』


霞「あらあら、それじゃ、そろそろ行ってこようかしら…」スッ


放送を聞いた霞が椅子からゆっくり立ち上がると、そのメロンを二つくっつけたような超弩級のおもちがユサリと揺れた。


巴「いよいよ出撃ですね、霞さん…!」

春「… がんばって…」ポリポリ

小蒔「霞ちゃん、応援してますからね…!」グッ

霞「ええ、第五戦に出場する小蒔ちゃんに、いい流れを送れるよう… きっちりトップ取ってきてみせるわ♪」

初美「激乳オババの出撃ですよー!w きっと卓上に血の雨が降りますよー!ww」

霞「・・・・・」ギリギリギリギリ・・・

初美「いたたたたたたっ!! 無言でアイアンクローするのはやめて下さいよー!」=3


全国で僅か四校しかないインハイシード校の一つ、永水女子・・・!

その最凶の巫女集団の大将“迫り来る怒涛の魔乳”石戸霞・・・ 出陣―――!!


哩「よぉーっし… そいぎ行ってくっけん、応援ば頼んだぞ」スッ


全国でも最高と評されるほどの美脚と美微乳の持ち主、白水哩が椅子から立ち上がる…


煌「もちろんです! すばらな闘牌・・・期待してますよっ!」

姫子「う、ううぅ、ぶちょー・・・ 頑張って下さい!」プルプル

哩「姫子… なして震えとると」

姫子「き、緊張ば、して…」カタカタ

哩「なんば言うとるw 心配することなっけん、この私があいつらに後ればとることはなか!」

美子「でも、相手はあの石戸霞と、10年前のインハイのレジェンド赤土晴絵と稲村杏果・・・」

仁美「前哨戦とはワケが違うったい」チュー・・・

哩「ふん… 関係なか。 そいなら10年後の未来には、私は大レジェンドになっとーよ」

煌「ううむ部長… その心意気、大変すばらです!」

哩「実力で劣っとるとは微塵も思っとらん。 まあ、そこでポップコーンでもつまみながらのんびり観戦しとればええよ」フフ…

友清「さっすが部長…! かっこいいとこば見してくださいねっ!」


北部九州最強校新道寺女子・・・ 

そこで三年連続でエースを張っている“真のエース”白水哩・・・ 仲間たちの期待を背に、出陣―――!!



晴絵(16)「よし… じゃ、行ってくるな」スッ

穏乃「うおおおおぉぉ先生! 遂に出番が来ましたね…!!」ワクワク

綾「最初は、阿知賀のメンバーは8人もいたのに…」

凛「もう、生き残ってるのは赤土先生だけ…」

ひな「全滅だけは免れたい所存…」

桜子「バル゙ヂャ゙ン゙ガ゙ン゙バ゙レ゙エ゙エ゙エ゙ェ゙ェ゙ェ゙ェ゙゙~~~~~!!!」=3

晴絵(16)「……」


春菜「まぁ、先生は何しろランキング4位なんだから… こんな所で負ける訳はないですよね!」

未来「絶対勝ってよ! はるちゃん!!」

憧「ちょ、ちょっとちょっとアンタ達、ハルエに期待したい気持ちは分かるけどさ… そこまで言うと逆にプレッシャーになるからやめなって!」

晴絵(16)「いや、別に構やしないさ、憧… 応援してもらえるのはありがたいことだ」

晴絵(16)「それに、稲村はもちろん、石戸も白水も十分に研究できたからな… 私に負ける要素は無いさ」フフン

玄「お、おお~~っ/// さすがはリアル阿知賀のレジェンドなのです!!」

晴絵(16)「…ま、まあな///」


灼「ハルちゃん、でも・・・油断だけはしないでよ。 特に白水はノセると物凄い力を発揮するから…」

晴絵(16)「なーに分かってるさ。 私には油断や奢りは無い。 じゃ、行ってくるな…」スタスタ


ステージに向かって歩き始めた晴絵・・・

と、その時、


 “ズウウウウウウウゥゥン・・・・!!”


晴絵「!??」ビクッ


晴絵(こ、これは・・・!?)


おののく晴絵…

なんと、突然目の前にまるで万里の長城の如き巨大な“壁”が現れ、晴絵の行く手を塞いだのである…!


晴絵(ぐっ、これは・・・ うっ!?)ビキィ・・・!


さらに… 四肢に何かがからみついてしまったかのように、身動きが取れなくなる…!


晴絵(・・・お、落ち着け…! 落ち着くんだ!! これはみんな… 私の脳が作り出してしまっている幻影だ…)ハアハア

晴絵(し、しかし、くそ…! 牌に… 牌に、さわりたくない…! 麻雀卓に、座りたくない…!!)ハアハア

晴絵(チクショウ… 私は、まだ… あのインハイ準決勝の負けを、引きずってしまっているのか…?)ハアハアハア・・・

宥「? 先生… どうしたんですか? 顔色が…」スッ

晴絵「あっ、いや、なに… な、なんでもないさ。 だいじょ・・・おっ?!」ギョッ?!


心配そうに晴絵の顔を覗き込む宥… しかし、それは・・・


晴絵(・・・つ、露子、さん・・・・?!)


そう… 宥のその透き通ったエメラルドグリーンの瞳は、晴絵に最初に麻雀を教えてくれた故松実露子と瓜二つだったのだ…


晴絵(露子さん… もしかしたら、あなたが… このチャンスを私にくれたのかもしれないですね…)ズゥ・・・


露子が病で天に召されたのは、この16歳の晴絵にとっては、つい最近のことだった…


晴絵(あの時… 露子さんの葬式で抱き合って泣いていたチビちゃんたちが、こんなに立派になって、私のことを応援してくれている…)

晴絵(こうなったら… 見せてあげますよ!露子さん・・・! あなたの娘たちに、あなたが教えてくれた麻雀というモノを・・・!!)キッ!


前を見すえた晴絵・・・

先ほどまで目の前にあった重厚な壁も、四肢にからみついていたツタのようなモノも、もうその時には消えてしまっていた。


“阿知賀のレジェンド”赤土晴絵16歳・・・! 満を持して、出陣―――!!


~館内医務室~


閑無「… zzz…」グゴーグゴー・・・

慕「閑無ちゃん… 寝ちゃったね…」

悠彗「せっかくこれから杏果の試合が始まるっていうのにな…」

杏果「……」


第二戦が終了したあと、朝酌メンバーはまた医務室に閑無の様子を見に行き…

皆で医務室のモニターで第三戦を観戦していたのだが、閑無は試合が終わるのとほぼ同時に、ベッドでいびきをかき始めていたのだ…


館内放送<『マモナクイッカイセンヲカイシイタシマスノデ、シュツジョウスルセンシュノ・・・』


はやり「あ… 杏果ちゃん、出番だよっ!☆」

杏果「あ、うん…」チラッ


立ち上がりながら、閑無の寝顔にちらりと視線を送った杏果・・・


憩「…石飛さんならもう心配いりませんよーぅ♪ きっと、目が覚めたら体調も元に戻ってると思いますよぅ?」

杏果「え、いや、別に、そんな、心配してるわけじゃないですけど…///」


閑無「・・・ラディシオンシルヴプレマドモワゼルバウムクーヘン・・ zzz・・・」ムニャムニャ

悠彗「す、すごい寝言だな、閑無…」

はやり「なぜフランス語…」

曖奈「? なんて言ってるのぉ?」

はやり「う~ん… “お姉さん、バウムクーヘンのお会計をお願いします”かな…?」

真深「ハラ減ってんのかな…」

慕「甘い物は脳に効きますからね♪」

閑無「… zzzz…」スピースピー…

杏果「……」

杏果(まったく… 寝顔は小学生の時と全然変わらないな、閑無は…)


杏果「じゃ、行ってきますね。 応援よろしく!」グッ

慕「頑張ってね! 杏果ちゃん!」

悠彗「部長の意地… 見せてきてよね!」

曖奈「応援してるわよぅ♪」

はやり「ファイトだよ! 杏果ちゃん!!☆」


仲間の声援を背に、医務室を出た杏果…


杏果「………」スタスタスタ

杏果(対戦相手… 赤土さんも、石戸さんも、白水さんも、私なんかよりずっと、強いんだろうけど…)

杏果(閑無を負かせたあの人… 小鍛治健夜と対戦するには、ここで2位以上を取るしかない…!)

杏果(・・・私の本気の本気・・・ 見せてあげるよ! さあ・・・思う存分、“殴り合いましょう”――…!!)カッ!


朝酌女子の精神的支柱・・・ 穏やかなる中に秘めたる闘志・・・! 稲村杏果、推!参!!






~試合会場~

16:50

 
 ワイワイガヤガヤ・・・  ザワザワガヤガヤガヤ・・・・


 えり『それでは皆さん、おまたせしました!』

 えり『これより、本選一回戦の第四戦の試合を行いたいと思います』

 えり『まずは選手紹介から参りますね。 一人目の方は・・・ こちらです!!』バッ


 えり『総合ランキング4位! 10年前、関西の強豪校晩成高校を破ってインハイに出場し、怒涛の快進撃で準決勝まで進出した阿知賀女子学院のエース・・・!』

 えり『人呼んで“阿知賀のレジェンド”! 奈良阿知賀女子学院高等部1年生、赤土晴絵選手です!!』


晴絵(高1)「阿知賀のレジェンドは伊達じゃない・・・! なんつってね♪」ペロッ

 
  ドッワアアアアアアアアアアアアァァ――――――ッ!!  マッテタゼレジェンドオォッ!  ハルチャアアアァーンッ!!  スコヤンニリベンジダァッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!!


 えり『おおおこれは・・・凄まじい歓声ですね。 それだけ彼女に対する期待が高いということなのでしょう!』

 えり『今より遡ること16年前! 当時まだ小学4年生の時に、彗星のように麻雀界に現れ… あの三尋木選手や白築選手とも名勝負を繰り返してきた天才少女!』

 えり『類稀なセンスと、慎重に対戦相手を研究して柔軟に打ち筋を変えるテクニックを持ち合わせた試合巧者! 一体どのような闘牌を魅せてくれるのか・・・大変興味のあるところです』


 えり『続きましてはこの方! ランキング16位!』

 えり『インハイシード校、永水女子高校の3年生・・・麻雀巫女集団“六女仙”のリーダー的存在、石戸霞選手です!!』


霞「うふふ…w みんなで楽しみましょうね♪」ドタポヨーン!


 キキキキキタアアァァ―――ッ!!  コウガンクラッシャー・・・!  オモチダイマジン!!  カスミサンファイトォッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 えり『この存在感の高さは全出場選手中でも一、二位を争うのではないでしょうか… あまりにも貫録があり過ぎて、ちょっと17歳の少女には見えません!』

 えり『“神を降ろしその身に宿す”という驚異的な能力を駆使する打ち手…! “神域”の魔神の如き麻雀をここでも魅せてくれるのか…? 目が離せません!』 


 えり『そして三人目はこちら! ランキング24位・・・』

 えり『10年前のインハイ準優勝の5人のメンバーを部長としてまとめていたこの方!』

 えり『朝酌女子高校3年生、稲村杏果選手です!』


杏果「よろしくお願いします」ペッコリン


 ワアアアアアアアァァ――――ッ!!  キョーカサーン!!  ヤッチマエェッ!!  オウエンシトルデェッ!  ココデモトップダァッ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 えり『午前中の前哨戦では、加治木ゆみや末原恭子といった、現高校生屈指のテクニックを誇る打ち手たちを相手に一度も振り込まずに完勝! そのポテンシャルの高さを見せつけました!』

 えり『常に謙虚ですがその実力は本物! 猛者たちを相手にどのような闘牌を展開するのか・・・非常に楽しみです!』


 えり『さあラスト! 四人目の選手はこちら!』

 えり『北部九州最強の高校で、一年生の時からエースを務めている絶対強者・・・!』

 えり『新道寺女子高校3年生にしてやはり部長! 白水哩選手です!!』


哩「一回戦くらいで負けるつもりはなか。 今度は初めから全力で行く…!」ギンッ!


 キャアアアアアアアブチョオォ――ッ!!  スバラデスッ!  マイルサアアァンッ!!  ソノアシデフンデクレェッ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!
 

 えり『前哨戦では阿知賀の大将高鴨選手や、ご自分の一心同体の後輩でもある鶴田姫子選手などを相手に貫録の打ち筋で勝ち上がってきました』

 えり『非常にテクニカルな打ち方を見せる人ですが、彼女の能力というとやはり“リザベーション”・・・!』

 えり『この一回戦であの“リザべ”が炸裂することになるのかどうか…? 興味が尽きません!』


 えり『以上! 並び立つ選ばれし麻雀少女四名によって闘われる一回戦第四戦・・・! スタートですっ!!』


※4人の能力については>>718を確認して下さい。 その他諸々のルールは>>42>>44>>45






~実況室~


えり『さて、というわけで始まりました第四戦ですが・・・』

えり『解説は引き続き、先ほどの第三戦で大暴れしていたこの方、三尋木咏プロです! 三尋木プロ、よろしくお願いしますね』

咏(24)『いやー大暴れしてたのは愛宕ちゃんの方っしょ? ま、でも私もなんとか準決勝に行けて、一安心だよ♪』

えり『解説者の面目が保たれましたね』

咏(24)「そうねぃ。 …でも、今にして思うと、あそこまで頑張ってた園城寺ちゃんが負けちゃったのは、ちょっと残念だったねぃ…」

えり『そこは勝負の厳しさ、仕方ありませんよ。 あ・・・場決めが終わったようですね!』


※場決め

晴絵→>>745

霞→>>746

杏果→>>747

哩→>>748

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

はい

ゲームだと霞さんって振り込まないのよね。絶一門モードに入らなければだけど

>>749
絶一門が完全の時は、数牌で振り込むことは絶対にないですよね。 ただ、

霞(清澄の親番… 字牌での直撃に気をつけなきゃ)

という場面があるので、絶一門状態でも字牌で振り込んでしまうことはあるようです。

それと、咲がカンでツモ筋をズラして絶一門を崩している、という場面があります。その場合は数牌でも振り込む可能性はある・・・?のかも。

どうしようか?


1、霞の防御を強化する形で能力を調整する

2、このままで


早く3票を獲得した方でイキます。

2霞の能力はこのまま


第四戦場決め
東 霞 (84)
南 杏果(63)
西 晴絵(54)
北 哩 (42)

     晴絵
     (西) 
   ――――――

   |    |
  哩 |    |杏果
 (北)|    |(南)
   |    |
   ――――――

     霞
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順なので、この試合は「晴絵(東1)→杏果(東3)→霞(南1)→?(南3)」の順になる。(哩はステージ系能力が無い)

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「哩→霞→杏果→晴絵」。

※また、基本和了率は「晴絵35%、霞25%、杏果20%、哩20%」だが、霞がトップの時は特殊能力「鉄壁のおもち」が発動されるため、「霞40%、晴絵30%、杏果15%、哩15%」になる。


えり「席が決まりましたね。 今回の起家は、石戸選手…」

えり「では三尋木プロ。 また各選手の打ち筋などについて、解説をお願いしたいのですが… まずランキング4位の赤土選手ですが、三尋木プロは小学生の時から何度か対戦があったんですよね」

咏(24)「そうねぃ。 私が小四で向こうが小五の時の全小で対戦したのが最初かな? でもその一年前の全小決勝で、私、沖縄の小禄さんに大逆転されて負けたんだけどさぁ…」

咏(24)「そん時、赤土さんがさ、小禄さんに私に勝つためのアドバイスをしてたらしーんよねw」

えり「へえ…? それは… 三尋木プロの弱点を、赤土選手が見抜いていた、ということですか?」

咏(24)「まあねぃ。 ま、その時は私もまだ小三で経験不足だったから、つけ入るスキもいろいろあったんだろーけどさ…」

咏「赤土さんはすごく研究熱心でね、対戦相手の牌譜と映像を丹念に調べてから試合に臨むのよ。 わりといい加減に打ってる私とは真逆のタイプかもね」

咏「小学、中学の全国大会で何度か顔を合わせて、勝ったり負けたり繰り返してたんだけど…」

咏「えりちゃんも知っての通り、高1の時すこやんと対戦して負けたあと、しばらく麻雀の試合に出なくなっちゃったんだよね」

咏「だから… 今日はその時のトラウマ的なもんを払拭するような、赤土さんらしい“したたかな麻雀”を見せて欲しいもんだねぃ」

まあのんびり行こうよ 何気ない一言も全部慎重に扱いたいのよ

やっぱり能力とルールだけはきっちりさせとかんと


えり「なるほど… では、同じく10年前の世界から来ている朝酌の稲村杏果選手はどうでしょう」

咏「この人は… 多分ね、本当は物凄く強いんじゃないかと思うんだけど、優し過ぎるのかねぃ? あんまり勝負に固執しないところがあるんだよねぃ…」

咏「どのくらいこの試合に本気で勝つ気でいるか・・・っていう、メンタル的なもんが大きく勝敗に関わってくると思うよ」

えり「勝負に本気であればあるほど、その実力を遺憾なく発揮する・・・ということですね?」

咏「そうだね。 永水の石戸さんもわりとそーなんじゃねーかな? 神がかった強さがあるけど、本気の時とそうでない時の差が激しいっつーか」

えり「確かに、石戸選手は能力が非常に強力ですが、いろいろ制限があるみたいで… 強さの浮き沈みが激しいイメージはありますね」

咏「うん。 でも・・・私は実はね、この試合、一番のカギは白水ちゃんなんじゃねーかなー?って思ってるんよ」

えり「へ? それは…何故ですか?」

咏「インハイで鶴姫ちゃんと披露した“リザベーション”… アレは完全に高校生級の力ではないんさ。 プロだって誰も止めることができないくらいなんだから」

えり「確かに… 白水選手がリザベーションを決めた局では、鶴田選手は100%その倍の翻数で和了ってましたもんね」

咏「そう。 前哨戦では結局一度も見れなかったけど、白水ちゃんはアレを一人でも出来るようになってるみたいだからねぃ…」

咏「ハマればそれこそ鬼神のような強さで他を蹂躙することになるだろうね。 ただし、うまく発揮できなければ、大負けする可能性もある…」

咏「この試合・・・私はなんとなく、大きく荒れる気がするねぃ・・・w」ニタリ


【東一局 親:霞】


 えり『ありがとうございました。 さあ、卓上では今最初の配牌が終わりましたが… まずは・・・おや?』


哩「……」チャッ・・・


哩手牌:二五六七七244689③⑦


哩(ほお… 字牌無しか… さて、こん配牌……)

哩(タンヤオにピンフ… それに加えてドラかリーチで、3翻はいかるっか…? いや、ここは・・・)パタッ


  シィン・・・・


理牌した手牌を一度伏せた哩は、集中するように目をつぶった・・・

そして・・・!


 カッ!


哩(リザベーション・・・・・ >>761!!)バッ!


>>761コンマ以下
01~33→3(スリー)
34~66→4(フォー)
67~00→5(ファイブ)


哩(リザベーション・・・・・ フォー―ッ!!)バッ!


 ガシャンッ! ジャカンッ!! バチイィンッ!!! ビシイィンッ!!!!


伏せた手牌を起こすと同時に、哩の首、右手首、左太もも、右足首に堅固な鎖がからみつく…!


 姫子「・・・んっ!!///」ビビクンッ!


さらに、観客席の鶴田姫子の体にも、同じ場所に衝撃が走る…!


 姫子(部長… これは、4翻…! 4翻縛りで行くとですね…!///)


哩(ふふ…w セルフリザベーションは、姫子とのリザべと違うて、指定した翻数ピッタリで和了らんと発動せんとやが…)

哩(こいメンツ、小手調べは無しやけん・・・! 必ず4翻で和了るッ!!)カッ


哩「……」ゴゴゴゴゴゴオオォ・・・


晴絵(…ん?)
霞(あらぁ…?)
杏果(? 対面の白水さん… 何か仕掛けてきた…?)


6巡目…

哩(よし、よし…! タンヤオイーペーコー一シャンテン…! ドラ1やけん、メンゼンでツモればリーチかけんでも4翻… ここはダマで進める…!)パシッ

杏果(…白水さん… 張った…? ん~… いや、まだかな…?)ドキドキ

霞(あらあら、白水さん… お急ぎかしら…?)ウフフ・・・

晴絵「………」


晴絵(下家の白水… 対戦した灼の話では、配牌を一度伏せて起こす、という動作をした時は、“リザベーション”をかけ、手役の翻数を限定させているという…)

晴絵(まったくもってメチャクチャなオカルトだが… 鶴田姫子の牌譜もチェックすると、確かに同じ局で必ず倍の翻数で和了っている)

晴絵(そして… ごく最近の白水の牌譜では、そのリザベーションを自分一人で実践してしまっている形跡がある…)

晴絵(だから、仮に… 今、白水が4翻の縛りをかけているとして、実際にその翻数で和了られたら、次局で倍の8翻…倍満を確実に和了られることになる)

晴絵(なんとしてもこいつだけは和了らせたくないな… しかし・・・)チャッ・・・


牌をツモった晴絵、まったく表情を変えないが、心の中でほくそ笑みながら手出しで牌を捨てる…!


晴絵(テンパイだ。 高めイッツー… 牌を握れるかどうかすら心配だったけど… 気持ちを切り替えたら牌の方から寄ってきてくれたみたいだな…!)

晴絵(白水はタンヤオ手… しかし、8割方まだテンパイはしていない。 ここは・・・・!)


晴絵「リーチ!!」ドォッ!!


哩霞杏果「「「 ?!? 」」」


晴絵(先制リーチだッ!!)カッ!


 ゴオオオオオオオオォォッ・・・・!!!


晴絵がリーチ棒を叩きつけると同時に、卓上につむじ風のような風が吹き・・・彼女の赤いレジェンドヘアーをざわざわと揺らめかせた。


 灼「よ、よし、ハルちゃん、先制…!」

 憧「まだ誰もテンパイしてないわね… あの手なら…」

 宥「きっと… 5巡以内には和了れる…!」

 玄「遂にレジェンド和了が… 私の眼前にいぃ…!」ワナワナ

 穏乃「行っけえええええええぇぇっっ!! 赤土先生!!!」=3


未来の教え子たちの声援が飛ぶ中、晴絵の右手がツモった牌が・・・まばゆいばかりの光を放つ!!


哩(…くっ!)
霞(あらぁ…)
杏果(しまった…!)


晴絵「ツ・・・!」


>>767コンマ以下(和了者)
01~70→晴絵(「レジェンドリーチ」発動)
71~80→哩
81~90→霞
91~00→杏果

打点
>>768コンマ以下(打点表>>44

哩の打点表
01~33→3翻
34~66→4翻
67~00→5翻

うぃ

99杏果 15二翻ロン(3の倍数で下家晴絵から出和了り)


晴絵「ツ・・・!」

晴絵「モならず・・・」トン…


晴絵、和了ならず…!

そして!


杏果「! ポン!」カシィンッ!→「①①①」

晴絵「!?」


晴絵のツモ切った一筒を、上家の杏果がすかさず鳴く!


晴絵(しまった、稲村・・・テンパイか?)


さらに2巡後… 晴絵、生牌の九筒をつかんでしまう…


晴絵(く…! これは、稲村に危ない牌だが…)

晴絵(このっ、通れ!)タァンッ!


決死のツモ切り・・・

と同時に、再び稲村杏果の口が開く!


杏果「ロンorポン!!」


※晴絵の特殊能力「レジェンディフェンス」を使いますか?(一試合で「一回だけ」振り込みを他家に押しつけることができる)

1、使う
2、ここでは使わない

早く3票を獲得した方で

2使わない


杏果「ロン!!」カッ!

晴絵「う…!」

杏果「トイトイのみ… 2000です」パララァ・・・


杏果手牌:三三三666⑧⑧⑨⑨ ロン「⑨」 鳴き「①①①」(30符限定なのでトイトイでも打点は2000)


 えり『おっと…! 第四戦最初の和了は、稲村選手です!』

 えり『リーチをかけて無防備となった赤土選手から鳴いてテンパイ… 当たり牌が出ると迷わずに牌を倒しました』

 えり『しかしこれは… ロンではなくツモであれば、三暗刻もついて満貫になりますよね…? ちょっともったいないような気もするんですけど…』

 咏(24)『いや知らんしw 実際判断難しいとこだけどねぃ。 和了れる時に確実に和了ろうってコトなんだろね』


晴絵(リー棒も取られて3000の出費か… でも、まだホンローやホンイツがつかなくて安くて良かった…)ホッ

晴絵(これくらいは気にするな!私! 次だ次だ…!)ジャラ・・・


哩(こん局は未達か…)フウ


第四戦東一局

東 霞  30000   
南 杏果 30000→33000  
西 晴絵 30000→27000 
北 哩  30000

本日ここまでなのよー
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙です
さて第四戦に関してですが
すこやん(大人)もすこやん(JK)も観客席から見てそうですよね?
晴ちゃんもそうですが
すこやん(両方)も晴ちゃんを意識して居ましたからね

乙あざす
進めてくにょ


【東二局 親:杏果】


 えり『先制和了を決めた稲村選手… ここで親番! 連続和了で一気に他家を突き放すチャンスです!』


 穏乃「あちゃああああぁぁ、先生のリーチが…」シオシオ・・・

 灼「三・六・九索待ちの絶好の3メンチャンだったのに…」ギリッ

 憧「さすがに… ハルエでもそう簡単に和了れるメンツじゃないってことね…」

 
杏果「……」ゴゴゴゴオォ・・・


 慕「杏果ちゃん、すごい集中してるみたい…」

 はやり「調子いいみたいだねっ!☆」ハヤッ


晴絵(稲村杏果… インハイ準決勝で対戦した朝酌女子の部長…)チラッ

晴絵(あの5人のメンバーの中ではそれ程目立ってはいないけど、打ち方にはかなり特徴的なクセがある)

晴絵(それは… “手が縦に伸びる”こと…! つまり、対子や刻子を生かした手が多く、一般的なシュンツ手をあまり作らない)

晴絵(数の並びを作ればいいシュンツに比べ、同じ牌を重ねなくてはいけない刻子は段違いに作りにくい。 だから、普通は手が遅くなるものだけど…)

晴絵(稲村杏果に限ってはその常識が通用しない。 信じられないようなスピードで刻子手をテンパイしてしまう)

晴絵(刻子手は、たとえ鳴きが入っていても、待ちが読みづらい… その上、稲村はテンパイ気配も薄くてとにかく手牌がどうなってるのか分かりにくい)

晴絵(今、安手でも躊躇なく和了ってきたということは、序盤はスピード重視で攻めてくるっていうことなんだろうな…)

晴絵(とにかく… この親に和了らせるわけにはいかない…!)チャッ


配牌…

哩「……」チャッ


哩手牌:③⑤⑧⑧3666三四八南中 ドラ[⑧] 赤[⑤] 


哩(! ドラ3…! 喰いタンで和了ってもインスタント満貫…)

哩(ここは、素直に4翻縛りか…? いや、うむ、ここは…)パタッ


手牌をいったん伏せた哩…!


哩(リザベーション・・・ >>788!!)バッ!

>>788コンマ以下
01~33→4(フォー)
34~66→5(ファイブ)
67~00→6(シックス)


哩(リザベーション・・・ セックス! いや、シックスッ!!)バッ!!


 ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャァァンッ!!!


手牌を起こすと同時に、再び哩の体中に巻きつく6つのネビュラチェーン…! 


哩「んっ、ぅんんっっ!!///」=3


と同時に、瞳孔が大きく開き、身をのけぞらせて喘ぎ声を上げる哩…!


杏果「!?」ビクッ

霞(あらあら…)ウフフ・・・


 姫子「アッ!? はううぅんっっ!!//////」ビビクンッ!!=3=3

 美子「ひ、姫子? 大丈夫? 大きいの入ったと?」

 姫子「う、うん…/// たぶん、6翻…」

 煌「ほお…! あのメンバー相手に、6翻縛りのチャレンジ… さすが部長! すばらですっ!!」

 仁美「6翻ちゅーことは和了ればハネ満… クリアすれば次局で12翻の3倍満…!」チュー・・・

 友清「ばってん、部長のセルフリザべは翻数が一つでもズレっと効き目消えてしまっけん… 確実に6翻ちょうどで和了る必要あるとですよ」

 煌「そこはすばらくない!」


哩(面前でリーチばかけ、ツモるかさらに裏ばのせる…! そいで6翻ハネ満クリアや!)ハア、ハア、ハア・・・

晴絵「……」ジロォ…


晴絵(白水… 荒い息遣いに、紅潮した頬… それにあの、時々切なそうに身をよじらせる動作…)

晴絵(インハイの映像などを確認して、もしかしたら、とは思ってたけど…)

晴絵(やっぱり間違いない… コイツは、真性のドMの変態だ…!)

晴絵(性的なリビドーっていうのは、人間のポテンシャルを引き出すきっかけになることが、ままあるものだ)

晴絵(つまりこの女は、自らの変態的性癖を利用してセクシャルゾーンに入ることで、この強力無比のオカルトを発動させてるってわけだ…)

晴絵(まったく、ハレンチな… 卓上でそういうイメージプレイをするのはやめてもらいたいもんだが… 反則ではないもんなぁ…)ハア


2巡目…

杏果「ポン!」カシィンッ→「中中中」

哩「!」


哩の捨てたタンヤオの不要牌中を、対面の杏果がすかさず鳴く…!

親の杏果、特急券ゲット!


哩(はん…! 上等…!!)キッ

哩(ドラの八筒がうまいこと刻子になりよったけん、ここはリーチでなく… 鳴き三色タンヤオドラ4や!)カッ!

哩「チー!!」ドウッ!→「③④⑤」

晴絵「!」


そして5巡目…

杏果「ポン!」パシィンッ!→「999」


親の杏果、二鳴きで早くもテンパイ…!


霞(5巡目で二鳴き… またトイトイ? 同種牌を引き寄せる何か特別な力があるのかしら…?)

哩(対面のお団子女、ポンポンとよく鳴く… インハイで対戦した釣り人亦野ば思い出すな…)

哩(親の好きにはさせんち…! こん局は私がもらうっ!)チャッ


次巡ツモで哩もタンヤオテンパイ…! そして7巡目!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>794コンマ以下(和了者)
01~35→哩(「主役」のため、和了率が15%アップ)
36~55→霞
56~70→杏果
71~00→晴絵

打点
>>795コンマ以下(打点表>>44

哩の打点表
01~33→4翻
34~66→5翻
67~00→6翻

90晴絵 87倍満ロン(3の倍数で下家哩から出和了り)


晴絵「ロン!!」

哩「!?」ビビクンッ!


まさか、という顔の哩の前で、阿知賀のレジェンドがゆっくりと手牌を開く・・・!


晴絵「タンピンリャンペーコードラ1・・・」パラララァ・・・

晴絵「倍満、16000です」カッ!


晴絵手牌:四四六七七八八334455 ロン「六」 赤[5]


杏果(!? な、7巡目で、リャンペーコー・・・??)

霞(倍満…! しまったわね…)


哩の全身にからみついていた鎖たち… 消滅…!


哩(く…! ハネ満ば和了るために前に出たんが裏目った… ばってん7巡目でリャンペーコーとは…!)クッ・・・


第四戦東二局

   
南 杏果 33000  
西 晴絵 27000→43000 
北 哩  30000→14000
東 霞  30000


【東三局 親:晴絵】


 ドワアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ――――ッッ!!!  スッゲエエェーッ!  サスガレジェンドォッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!!


 えり『き・・・決まりました! 阿知賀のレジェンドこと赤土晴絵選手が倍満和了!』

 えり『一気にトップに立って自身の親番へと持ち込みました!』

 咏『今だーれもテンパイに気づいてなかったみたいだねぇ。 稲村ちゃんと白水ちゃんが目立ち過ぎたせいかな?』


 穏乃「やったぁ! 先生が、ついに…!」

 玄「これでダントツトップなのです!」

 綾「さすがはるちゃん…」

 凛「カッコいい・・・!」キラキラ

 憧「いやいや、まだ序盤だからね… 油断はできないわよ」


 姫子「ぶ、ぶちょーぉ・・・」カタカタ

 美子「ハネ満和了るためにちょっと無理し過ぎたね…」

 煌「いえいえ、なんのこれしき! 部長が本領を発揮するのはここからですよ!」

やべっ、ハネ満と間違えた。 >>796一部訂正↓

「×」
晴絵「タンピンリャンペーコードラ1・・・」パラララァ・・・

晴絵「倍満、16000です」カッ!


晴絵手牌:四四六七七八八334455 ロン「六」 赤[5]



「〇」
晴絵「タンピンリャンペーコードラ3・・・」パラララァ・・・

晴絵「倍満、16000です」カッ!


晴絵手牌:五五六七七八八③③④④⑤⑤ ロン「六」 赤[五][⑤(両方)]



~放送スタッフ用モニタールーム~


恒子「オオオォッ! すこやん! 赤土さんが倍満和了っちゃったよっ?!」

健夜(27)「う、うん、そうだね…」

のよりん(27)「なかなか!」プンスコ=3

みさき「白水さんは最悪のところを出しちゃいましたね…」

良子(20)「これはグレート・・・」

はやり(28)「さっすが赤土さんだねっ! まだ高一なのにすっごぉーいっ!☆」ハヤヤッ!

健夜(27)「………」

健夜(27)(赤土さん… ちゃんと麻雀を打てるのか、心配だったけど… あの様子なら、大丈夫みたいだね…)ホッ

健夜(27)(高校時代の私に唯一ハネ満以上のダメージを負わせた人だからね… 遺憾なく実力を発揮できれば、やっぱり赤土さんが1ランク上だろうなぁ…)


くどいけどまた>>796訂正↓ (哩が赤五筒を一つ持ってたので、晴絵の五筒が両方とも赤なわけない)

「×」
晴絵「タンピンリャンペーコードラ1・・・」パラララァ・・・

晴絵「倍満、16000です」カッ!


晴絵手牌:四四六七七八八334455 ロン「六」 赤[5]



「〇」
晴絵「メンチンリャンペーコー・・・」パラララァ・・・

晴絵「倍満、16000です」カッ!


晴絵手牌:一一二二三三四四七八八九九 ロン「七」



~会場~


 えり『さて仕切り直しの東三局… 次に和了るのは、果たして…?』


配牌…

杏果「……」チャ、チャ、チャ・・・

杏果「…!?」チャッ


配牌を終え、手牌を起こした時… さすがの杏果も、その牌姿には目を剥いた。


杏果手牌:九⑤東三北⑧1六5南發8①


 えり『わ…? これは、稲村選手の配牌が最悪ですね…! 13牌全てが完全にバラバラです。 えっと…シャンテン数で言うと、8シャンテンになるんでしょうか?』

 咏『そうだねぃ… チートイや国士なら6シャンテンだけどね』

 咏『悪過ぎて逆に滅多に出ないスーパー悪配牌だねぃ。 これで第一ツモで対子を一つ作ると、ローカル役満の十三不塔になるんだぜ?』フリフリ


一方、哩は・・・


哩手牌:一四四四五六七九⑤⑧⑧白白 赤[五]


哩(13牌中8牌が萬子…! しかも役牌の白が対子か…!)

哩(メンホンば期待できる牌姿… ここは、5か…? いや、6か…?)


>>804コンマ以下
01~33→5ファイブ
34~66→6シックス
67~00→7セブン

※次から、哩のリザべは「“局の点棒状況”が掲示された時のレスのコンマ以下で、次局の縛り翻数を決める」形になります。選ぶ翻数は「345」→「456」→「567」→「345」…という風にローテーションされていきます。

はい


哩(倍満の直撃くらいで日和ってる場合ではなか! ここは・・攻める!)カッ

哩(リザベーション・・・・・ セエエェェブウゥゥゥ――――ンッッ!!)バッ!!


 ガガガガガガガシャアアアァンッッ!!!


哩「あふっ!? んっ、うんんんっ!!///」ドックン!


哩の全身に強い衝撃が走り… 大量の脳内麻薬が分泌される…!


 姫子「…!!?」ビクンビビクンッ!!

 姫子(ぶ、ぶちょー… ここで7翻ですか…? ちょい無茶ですよ…!!)


一方、杏果は…

杏果「……」チャッ、パシッ、タンッ・・・


 悠彗「うっわ… 最悪だな、杏果の配牌…」

 慕「うん… ため息が出そうな配牌だよね…」

 はやり「いや、そんなことない… そんなことはないよ…!」

 慕「え?」

 はやり「杏果ちゃんに限っては… “悪配牌”なんてモノはないんだよ!☆」ハヤッ
 


 悠彗「どうゆうこと?」

 はやり「シュンツではなく対子や刻子を多く作る杏果ちゃんにとっては、あれは悪配牌じゃない… だって、牌の種類が多いってことは、それだけ受け入れが広いってことなんだから!☆」

 慕「あ… そうか。 確かにアレなら、序盤でドンドン対子が出来ることもあるよね…」
 
 はやり「“同種牌を重ねる”ことに関しては、杏果ちゃんは誰よりも強い力を持ってる… あの配牌でも、まだまだチャンスは十分…!」

 悠彗「そうか… あ、發が重なったよ!」


3巡目で役牌の發を重ねた杏果… 次巡で哩から出た發を鳴き、ここでもアッという間に和了への切符を手に入れる…!


晴絵(来たか… しかし稲村でも毎回刻子手を早く作れるわけじゃないはず… ここは慌てずに手作りだ…!)チャッ


杏果「……」ゴゴゴゴゴゴオォ・・・


※杏果の能力ステージ。何を使う?(最も早く「3票」を獲得した能力でイキます)

1、「マザーキョウカ」 和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

2、「マッドリーカンナー(閑無狂い)」 和了率が一時的に70%になる。    

2「マッドリーカンナー(閑無狂い)」


杏果(よし… 發の刻子で和了への道はできた…!)

杏果(赤土さんにまくられて2位… 3位の石戸さんとも僅差だし、ここも攻めていかないと…)

杏果(稼げるときに確実に稼がないと、2位以上は難しいはず… 閑無のためにも… 私は、絶対に負けない!)ゴォッ!


杏果「……」チャッ、パシッ、タンッ、チャッ、パシッ、タンッ!・・・


 えり『…おや、稲村選手、これは…?』

 えり『ツモる度に、同じ牌を重ねていきます…! どんどん対子が出来ていきます!』

 咏『シュンツを作る気がないみたいだね… ドラ受けのあるリャンメンターツなんかが出来ても平気で切ってくねぃ』

 えり『まるで自分のツモる牌が分かっているかのような打ち筋です! 稲村選手!』


一方、哩…

哩「……」トローン・・・

晴絵(し、白水… 今回はもう目がイッてしまってる…! 相当高い“縛り”をかけてるってことなのか…?)


哩「リ~チ」ドッ!


全身に鎖を巻きつけながらも、点棒箱を開いて青い千点棒を場に出す哩…!


霞(8巡目リーチ… 萬子染めっぽい捨て牌… これも和了られるのはまずいわね…)フンフム・・・

晴絵(明らかに萬子の染め手だな… 今回は、一体何翻縛りをかけてるんだ…?)


ところが、


杏果「ポン!」パシィン!


杏果、あの異常なほどのクソ配牌からまたもや二鳴き…! 10巡目でついに一シャンテンにまで到達する!


晴絵(稲村もテンパイ手前まで来たな… こっちも気をつけないと…)チャッ、パシッ

霞(もう少しすれば、神様を降ろせそう… それまでは、なんとか自力で…)タンッ

哩(はぁう…/// 痛みと快感で、意識がトビそうやけん…!/// は、早く、当たり牌来い・・・!///)チャッ…

杏果(閑無… きっとまだ医務室で寝てるだろうから、この試合は見てないだろうけど…)パシッ

杏果(必ず、勝ったって報告してあげたい… さぁ、来なさい!)タンッ!


四人の少女の思惑渦巻く卓上・・・!

和了の声が上がったのは、12巡目だった。


>>816コンマ以下(和了者)
01~70→杏果(「マッドリーカンナー(閑無狂い)」発動)
71~80→晴絵
81~90→哩
91~00→霞

打点
>>817コンマ以下(打点表>>44

哩の打点表
01~33→5翻
34~66→6翻
67~00→7翻

12杏果 72ハネ満ツモ


杏果「ツモ!!」タァンッ!!

晴絵霞哩「「「 !?? 」」」

杏果「發・北・ホンロートイトイ・・・」ズモモモモモモオオオオォ・・・!!

杏果「ハネ満! 3000・6000ですっ!!」カッ!


杏果手牌:九九九111①①北北 ツモ「北」鳴き「發發發」


 えり『な・・・なんとぉ!』

 えり『信じられません! 稲村選手、8シャンテンのゴミ手から、ホンロートイトイ・・・ハネ満を仕上げてしまいました!!』

 えり『最後は自風の北をツモっての見事な和了…! トップを取りかえしました!』

 咏『いやぁ~… あの人もなんかヘンなモン憑いてんじゃねーの?w』


第四戦東三局

   
東 晴絵 43000→37000 
南 哩  14000→10000
西 霞  30000→27000
北 杏果 33000→46000  

三暗刻がついてるのですがそれは


【東四局 親:哩】


 ウワアアアアアアアアァァァァ――――ッ!!  キョーカチャンヤッタァッ!☆  キョーカサンサイコオォッ!!  オイッ!オイッ!オイッ!オイッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!!


 えり『さぁ場は早くも東四局へ! ここまでは稲村選手と赤土選手が有利に進めてはいますが… どのように動いていくのでしょうか?!』


配牌・・・

晴絵(親っかぶり… やっぱり稲村… ポテンシャルは瑞原や白築と変わらないのかもしれないな…)チャッ、チャッ・・・

杏果(よし、最高の和了り…! ここからは、振り込まないように十分注意していこう…)チャッ、チャッ・・・

哩(ぬかった… ばってんここで親… 次こそは…!)チャッ、チャッ・・・

霞(そろそろね… この局… 遅くとも次の局には降ろせそうだわ…)チャッ、チャッ

>>819
あらヤダw ありがとう 杏果は二回鳴いてた。>>818訂正↓

「×」
杏果手牌:九九九111①①北北 ツモ「北」 鳴き「發發發」



「〇」
杏果手牌:九九九①①北北 ツモ「北」 鳴き「發發發」「111」


霞「~~♪」チャッ、チャッ・・・


左手で右の裾を押さえながら、丁寧に優雅に山から配牌を持ってくる霞・・・


杏果「……」チャッ、チャッ…

杏果(… 東一局から、ずっと、気になってたんだけど…)チラ…

杏果(この、上家の巫女さんのおっぱいって・・・ ホンモノなのかな?)

杏果(ヨコチチが凄過ぎるよ…! とても人間の体とは思えない…)

杏果(はやりちゃんも相当の巨乳だと思ってたけど、この人ははやりちゃんの1.5倍… いや、質量で言ったら2倍くらいの大きさがあるんじゃないかな…?)

杏果(それに… この、泉のように際限なく溢れ出す母性…! 一体、何者なんだろう…?)

杏果(とても同じ高校生とは思えないよ… 絶対私のお母さんより貫録あるってこの人…)


そして、杏果の正面では…


哩(リザベーション・・・フォーッ!!)ビクンビクン!!  ※点数を表示した>>818のコンマ以下が64なので「345」の中から4を選ぶ


杏果(…やれやれ… 未来の高校生たちって、こういう人が多いのかな…? クセあり過ぎでしょマジで…)ハア


牌は巡り、4巡目…


霞「…」チャッ!

霞(あら、白…)


霞の親指にぬるりと伝わるその感触… 白が重なって対子になったのである。


霞手牌:⑤⑥⑦112345799白 ツモ「白」


霞、ここで少考…


霞(ふんふむ… ここは何を切るべきかしら…?)

霞(⑤⑥⑦のシュンツを落として、思い切ってホンイツを狙う…?)

霞(いえ、ドラは四筒なんだから、赤ドラやドラが来ることを考慮に入れて、筒子は残して七索切り… 白が来たら鳴いて、一索と九索のシャボ待ちで受けるのを狙うべき…?)

霞(いや… 索子のイッツーを期待して、ここは一索を切ってテンパイしたら即リーチ・・・という手もあるわね…)

霞(さて… 何を切ろうかしら?)


※霞さん、何切る?

1、筒子を全て切ってホンイツ狙い(和了率そのまま(25%)。打点満貫~倍満)

2、一索切りのイッツー&リーチ狙い(和了率40%にアップ。打点2翻~倍満)

3、七索切りの白鳴きシャボ待ち狙い(和了率55%にアップ。打点2~4翻)

※最も早く「3票」を獲得した番号でイキます

3七索切り

霞(ここは… やっぱり少しでも点棒が欲しいから… 白が出ることを前提として打っちゃおうかしら。 七索切りね)トン→「7」


そして6巡目… 対面晴絵から白が出て、霞すかさずポン…!

二索を切り、思惑通り一索九索のシャボ待ちテンパイとなる…!


霞(うふふ… 一索も九索も生牌… チャンタ手を作ってる人はいなさそうだし、ここはなんとか和了れるかしら?)フフ・・・

晴絵(石戸が白を鳴いての二索切り… テンパイだな。 待ちは・・・なんだ?)


7巡目

杏果「ポン!」カシィンッ→「西西西」


晴絵(! また稲村の鳴き… 捨て牌や目線の動きを見るに、今度は萬子のホンイツの気配濃厚…)

晴絵(ふん… これ以上私のいる卓で好き勝手できると思うなよ…? この局は、きっちりマークさせてもらう…!)ギロッ!

杏果「…!?」ゾクッ

杏果(ん…? なんだろう、一シャンテンまで来たのに… 何故か和了れる気がしない…?)


さらに牌は巡り、10巡目…!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>831コンマ以下(和了者)
01~55→霞
56~65→流局(杏果) ※前局でハネ満以上の手を和了ったため、晴絵の「レジェンドアイ」が発動。この局での和了はできない。
65~90→晴絵
91~00→哩

打点
>>832コンマ以下(打点表>>44

霞の打点表
01~33→2翻
34~66→3翻
67~00→4翻

哩の打点表
01~33→3翻
34~66→4翻
67~00→5翻

えい

73晴絵 40三翻ツモ


晴絵「ツモです」トンッ

霞「!」

晴絵「ツモ・タンヤオドラ1… 1000・2000」パララァ・・・


晴絵手牌:二二二三四五五五六七③④⑤ ツモ「八」 赤[五]


杏果(え…? 私の欲しかった二-五萬を、取り込まれてる…??)

霞(あらあら、残念…)

哩(く…! また未達…!)ワナワナ


 えり『東四局は赤土選手のツモ和了り…! リーチはかけずに確実に和了って、他家の和了りをきっちり抑えました』

 えり『現在稲村選手と赤土選手が二人とも4万点を超えている状況… 白水選手が残り1万点を切り、ピンチに立たされています…』

 えり『後半での挽回に期待したいところです! 第四戦も、いよいよ南入です!』


晴絵(よし… トップ稲村まで4000の差…)

晴絵(ワンチャンスで十分まくれる。 …しかし、九州の“現代”の二人は… まだほとんど動きが無いな)

晴絵(恐らく南場で仕掛けてくる… 点差は大きいけど、こっちも十分警戒しておこう…)


霞(えーっと… 2位の赤土さんとの点差が15000…)

霞(けっこう開いちゃったわねぇ… やっぱりこれは、守ってるばかりじゃ無理があるわね… じゃあ・・・)

霞(苦手分野・・・ いかせてもらおうかしら!)カッ!

晴絵「ん!?」


 ギグゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオォ・・・・!!


晴絵(な、な…!? なんなんだコレは!??)=3


第四戦東四局

     
東 哩  10000→ 8000
南 霞  27000→26000
西 杏果 46000→45000  
北 晴絵 37000→41000


本日ここまでだじぇ
安価・コンマ対応あざした!
ミスが重なり失礼しました
また明後日20:00から

乙あざす
おはよー、誰かいるかな?

こんな時間ですが、霞が、「絶一門」と「迫り来る怒涛の魔乳」のどちらをここで使うのかだけ決めたいので、ちょっと投下


【南一局 親:霞】


霞「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォォ・・・・!!


霞の、その萌葱色の美しい瞳が魔物のように爛々と輝き・・・

全身から、何か異次元の暗黒物質を彷彿とさせるような、禍々しい紅黒いオーラがゆらゆらと立ち上る・・・!


晴絵(き・・・来たか!石戸霞・・・! 守備型から、“攻撃型”に、モードチェンジしたな・・・?)

晴絵(し、しかし… なんて強烈なプレッシャーだ…! 憧たちと作戦を練る時に、インハイ二回戦の石戸の映像も確認したけど… やっぱりタブレットの画面で見るのと、実際にこうして相対するのとでは、まるで違う…!)


晴絵は… 10年前の過去の世界で、ハネ満を直撃させた直後に突然“何か”が憑いたように切り替わった小鍛治健夜のことを思い出していた…


晴絵(小鍛治ほどではないにしても… 禍々しさではほとんど同等…! くっ… 見誤ったな… まさかこれ程の力の持ち主だとは…!)ギリィ・・・


霞(うふふふふ・・・w)ズモモモモモモモモモオオオオォ・・・


遂にその能力の片鱗を見せ始めた永水の大将石戸霞・・・

そして、その左隣では・・・


哩(よし、こん配牌なら… リザベーション・・・・ SEX! い、いや、SIXッ!!///)ビクンビクンビビクゥンッ!!  ※前局の点数を表示した>>836のコンマ以下が88なので「456」の中から6を選ぶ


卓上に、現高校生中最強クラスのオカルト二柱が相見え、絡まり、うねりを伴って上昇していく…!


哩(石戸… そがん虚仮おどし… 私には通じんぞ…?)キッ・・・!

霞(あらあら… 白水さんのソレなんて、当たりもしない下手な鉄砲のようなものよ…?w ここは、格の違いってモノを、見せてあげないとかしらねっ!)カッ!


杏果(?? な、な、ナニコレ・・・??)カタカタカタ…


※霞の能力ステージ。何を使う?(先に「3票」を獲得した方でイキます)

1、「絶一門」70%の確率でメンゼンチンイツ(ハネ満or倍満)をツモ和了する。

2、「迫り来る怒涛の魔乳」10000%の確率でメンホン(3翻or満貫)を和了する。
    

あざした!
では2「迫り来る怒涛の魔乳」で

また明日の20:00から進めていきます

2「迫り来る怒涛の魔乳」  


霞・哩「「・・・・・・」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォ・・・!!


闘牌ステージでお互いのオカルトを発動させ、火花を散らす二匹の魔物・・・!


 小蒔「… zzz… ん!?」ピクッ

 初美「おや… 姫様お目覚めですかー?」

 小蒔「あ… はい。 私… 霞ちゃんの試合だというのに、いつのまにか眠って… 試合はどうなっていますか?」 

 巴「今、南一局に入ったところで霞さんは3位… 守備型から攻撃特化型に切り替えたところですね」

 春「霞が本気になれば… 相手は、皆… 死ぬ」ポリポリ

 初美「例のリザベーションを発動している白水となーんかやり合ってますけど… 白水なんか本気の霞ちゃんの前では相手になりませんよー!」


霞「… うふふ……w」ズモモモモモモモモモモモモモモモモオオオオオオオォォォォ・・・・!!

哩「…ぐっ?!」ビクッ…


卓上で渦巻く二人のオーラ・・・

しかし、徐々に霞の紅黒いオーラが、哩の緑色のオーラを侵食するように押しのけてゆく・・・!


 初美「!? こ、これは… ちょっと、本当にマズいかもしれませんよー?!」

 小蒔「初美ちゃん? どうしたのですか?」

 初美「か、霞ちゃんは… ここで禁断の技・・・“OP”を使うつもりですよ―!!」


 巴「OP・・・? 何それ?」

 初美「? そんなことも知らないのですかー? OPとは、“おっぱいパワー”・・・略して“おっパワー”のことですよー」

 巴「お、おっパワー?!」

 初美「う…? 2000… 3000… 5000…! こ、これは… 霞ちゃんのOPが青天井で上がっていってますよー!?」ピピピピピピ・・・・


おっぱいスカウタ―を取り出し、霞のOPを量りはじめた初美…

そう、彼女は、霞のあまりにも暴力的で破壊的なおもちのことをよく知っていた。

ちょっと一ひねりするだけで、周囲の空気を流動させて竜巻を起こしてしまう霞のおもち…

霧島神境に乗り込んできた数十人の地上げヤクザを、一人でオッパイビンタで叩きのめしてしまった霞のおもち…!

地球を滅亡させるサイズの超巨大隕石が落下してきた時、そのおっぱいから発した波動砲で隕石を太陽系の外までブッ飛ばしてしまった霞のおもち…!!


 初美「“おっパワー”・・・OPは、超特大のエネルギー単位のことですよ… 通常サイズの台風一個が、約2000兆キロジュール・・・原子爆弾3万発分のエネルギーがあると言われてますが…」

 初美「1おっパワーはその台風5000個分のエネルギーがあるんですよー…!」
 
 巴「そ、そんな、バカな…?!」

 初美「霞ちゃんのあのオッパイには天文学的量のエネルギーが秘められているのです…! このままでは… 死人が出てもおかしくないですよー?!」 

 小蒔「か、霞ちゃん… あ、あなたは… なんて、恐ろしいことを…!」

 春「ご、53万OP・・・! 臨界点突破・・・!!」ピピピピピィ…


 ザワザワザワ・・・!  ガヤガヤガヤガヤ・・・・!!  ナ、ナンダ、アレハ・・・?  ス、スゲエエエエエェェ・・・!!   ザワザワガヤガヤ・・・・


ざわつく観客たち・・・

その観客たちの視線は全て、闘牌ステージの上… 四方に向かって設置されている巨大モニターの方へと向いていた・・・


 爽「おっ、おおおぉ…! こ、これは…?!」

 怜「な、な、なんちゅーこっちゃ・・・!?」

 京太郎「ま、マジか? マジなのかアレ・・・!??」

 玄「そ、そんな…! こ、これは、現実なのですか・・・?!?」


自他ともに認める生粋の真性オッパニスト獅子原爽…

フトモモのみならずおもちへの造詣も極めて深いオッパリアン園城寺怜…!

最高のおっぱいを求め世界を股にかけて旅するさすらいのオッパマニア須賀京太郎…!!

そしておもちの神、古今東西全てのおもちを統べる使命をもったキング・オブ・オモチスト松実玄…!!!


そんな猛者たちが皆、口をポカンと開け、目を点にしてモニターを見つめていた…

そう… その時、全てのテレビカメラは、霞のあの迫り来る超弩級おもちを大映しにしていたのである…!


 えり『えっ、こ、これは…?』

 えり『どうなっているのでしょう? 突然全てのモニターが卓上ではなく石戸選手の胸を映して…?』


人の視線、カメラの焦点を全て引き寄せてしまう霞のおもち…

それは… 霞のその魔乳には、暴引力(ボイン力)という特殊相対性理論に基づいた宇宙物理法則が働いているからなのだった…

そして、それは、観客たちだけでなく、卓上の霞以外の3人も当然同じであった…

 
 晴絵(ど、どういうわけだ…? どうしても… 石戸のあのスイカみたいな胸から視線をそらすことができない…!)

 杏果(牌も、自分の手すらもまともに見えないよぉ… 石戸さんの胸に吸い込まれそう…!)

 哩(お、おかしい…! リザべが作用しとらん…!! ど、どがんして、こがんことに…?!)


他家3人はもはやツモ切るだけで精一杯…! とてもまともに麻雀を打つことなどできない…!!

そんな中、ただ一人自由に動くことのできる魔神… いや、乳神石戸霞が、にっこりと微笑んで和了の声をあげた。


霞「 ロ ン or ツ モ 」


打点
>>858コンマ以下(「迫り来る怒涛の魔乳」発動)
01~50→3翻
51~00→満貫

12三翻ツモ


3巡目…

霞「ポン」パシッ→「西西西」

哩「!」


霞、哩から出た西をポン…

そして、次巡…!


霞「うふふ…♪」ズオオオオオォォ・・・!!

晴絵「っひぃ…!?」


正面の山へと手を伸ばす霞・・・

その時、対面にいた晴絵は、まるで霞のおもちが膨張して自分に向かって迫ってくるように感じられた・・・


霞「 ツ モ 」トンッ

晴絵杏果哩「「「 ?!? 」」」


和了の発声と同時に、手ではなく、そのおもちで手牌に触れる霞…


 パララララララアァ・・・


杏果(なっ?! じ、自分のオッパイで手牌を倒した…?)


霞手牌:①②②③③④⑧⑧中中 ツモ「中」 鳴き「西西西」


霞「中・ホンイツ・・・ 2000オールです」ニッコリ 


字牌と萬子で綺麗に染められた手牌・・・

そう… 霞の暴引力は、牌までをもかしずかせ、引き寄せる力があったのである…!


杏果「そ、そんな…? 何これ? こんなのアリなの?!」

霞「うふふ… 一本場ね♪」カチャ・・・


第四戦南一局

     
東 霞  26000→32000
南 杏果 45000→43000  
西 晴絵 41000→39000

北 哩   8000→ 6000


 姫子「そ、そんな・・・ ぶ、ぶちょーが、残り6000点・・・??」カタカタカタ

 仁美「なんもかんもあのデカすぎるチチが悪い…」チュー・・・

 美子「今のは完全に和了りを抑えられてたみたいだね… このままじゃ、トバされるのも時間の問題…?」

 友清「な、なんば言いよっとですか! 私たちの・・・新道寺ん部長が、こんままで終わるっなんち有り得ませんって!!」

 姫子「と、友清…」

 煌「そうですとも! いかに相手が猛者揃いとはいえ… 部長なら、必ずやこの逆境を乗り越えてくれるはずです!」

 煌「さあ皆さん… 部長の勝利を信じて… 応援を続けましょう!!」スバラッ

 美子「う、うん… そうだね…」


 姫子(… ぶちょー… 頑張って下さい…!)ハラハラ


【南一局一本場 親:霞】


 えり『永水石戸選手この試合初の和了! ホンイツツモで上位二人に迫ってきました!』

 えり『現高校生で五指には入るであろう強力な“異能”の持ち主が、遂にその力を使ってきました… もしかするとここからは彼女の独壇場となるのでしょうか? 他家の動きはどうなるのでしょう?』


配牌…

晴絵(ふう… やっと普通に牌が見えるようになった… 今のは、一局限定の力なのかな…?)カチャカチャ

晴絵(しかし… 大分詰められたな。 もう一回さっきと同じものを和了られれば、一発でまくられて3位に転落する…)

晴絵(いや、最悪のシチュエーションとしては、白水をトバされて3位に落とされてそのまま敗退… という可能性もある。 くそ…! また攻めていかないとだな…)


杏果(このおっぱい巫女さん… これがこの人の特殊能力の一つってこと…?)カチャカチャ

杏果(私だって、インハイで閑無たちと全国に出て、とんでもないプレイヤーたちと闘ってきたけど… こんな訳分かんない事する人は初めてだよ…)

杏果(でも… 幸い私はまだトップなんだ… とにかく、この親を速攻で流す!)


哩(残り点棒6000…! まさか… こん私が、ここまでヤラれることになっとは……)ギリ・・・

哩(本格的にやばかね… ばってん、私は最後までこん技にこだわる…! 一発でも決まれば、まだ十分逆転は可能だ…!)

哩(行くぞっ! リザベーション・・・ シィィックスッ!!)ガガガガガガシャァンッ!! ※>>859のコンマ以下が40のため「567」から6を選ぶ


霞(さて… 暴引力を使えるのは一局だけ… 2位まで大分近づいたとはいえ、まだ7000の差がある…)カチャカチャ

霞(絶一門の神様を降ろして連荘したいところだけど… どうもまだ反応が薄い。 召喚は難しいかしら…?)


※一本場なので能力ステージ。誰の能力が発動されるか…?
>>863コンマ以下
01~25→霞
26~50→杏果
51~75→晴絵
76~00→哩(ステージ系能力は無いので、選ばれればノーマルステージに)

うりゃ

01霞 

それは… 霞が、局始めのサイコロのボタンを押した時だった。


霞「!」キイイイィ――ン・・・!

霞(来た! この土壇場で・・・!!)


ーーーーーー
ーーーー
ーー

~9年前・霧島神境~


霞(9)「わぁ、とても広い所ですね」

祖母「ここは神境の入り口です。 本殿まではまだ少し歩きますよ」テクテク

霞(9)「はいっ」コテコテ





祖母「良いですか、姫が宿し使う女神は9人ではなく… ごくまれに恐ろしいものが降りてくる…」

祖母「それをかわりにおまえが宿し、手なずけるのです」

霞(9)「………」


ーーーーーー
ーーーー
ーー


霞(はい、祖母上様… 今、それを、使います…!)カッ

>>864一部訂正

×霞(9) → 〇霞(8)


 ブワアアアアアアアアァァ・・・!!


杏果晴絵哩「「「 ?!? 」」」


突然、霞の巫女服がまるで天女の羽衣のようにふわふわとなびき始めた。

そして…!


 ズガアアアアアアアアアアアアァァァ―――――ンッッ!!!


 えり『ひゃっ?!』グラッ

 咏『!?』グラッ


国際フォーラムの屋根の避雷針に、超特大の雷が落下…! その衝撃が実況室にまで伝わってきた。

そして・・・



 シュシュシュシュシュシュシュシュシュウウウウゥゥ~~~~~~~・・・!!


杏果「えっ?!」
晴絵「…なぁ!?」
哩「…!」


闘牌ステージの四つの角にある柱を、白い煙のような霊気が伝い落ち・・・ それが全て収束し、霞の体の中に入り込む・・・!!


霞「・・・・・」ヒョオオオオオオオオォォォ・・・!!
 
霞「ふぅ… じゃあ、始めましょうか…?」ニコォ・・・


まるで雲のような大量の霊気を体にまとわりつかせて微笑む霞は… 

超自然的な“何か”を、人の型に無理やり押し込めたような… 現実離れした圧倒的な存在感があった。


杏果(もう帰りたい…)カタカタ・・・


6巡目…

 チャッ、パシッ、タンッ・・・  チャッ、ピシッ!、トン・・・


杏果(・・・ん?)

哩(くそ、石戸ん奴… ここで一番ヤバかもんを降ろしよったな…?)

晴絵(? …ははあ、そうか、これが……)

晴絵(“強制絶一門”ってヤツなんだな・・・?)


晴絵(もう捨て牌が二段目に入るというのに、石戸以外の捨て牌に全く索子がない… そして私の配牌にも、ここまでのツモにも、一枚も索子が来ていない)

晴絵(白水と稲村は一見索子で染めてるように見えるけど… 間違いなく、私と同じ状況になってるんだ…)

晴絵(そして・・・)

晴絵(私たち3人が完全に“索子抜き”の状態になってる分は、全て石戸に回っている…! つまり一色独占状態…!)チラッ…


霞捨て牌:西北東1發7
     31


晴絵(く…! 字牌を先に処理しているということは、今度はメンチンだ…!)ザワ・・・!

晴絵(くそっ、そんなモノ和了られてたまるか…! なんとしても先に和了らないと… 確実にまくられる!)

晴絵「チー!」パシィンッ!


鳴きで加速し、なんとか霞のチンイツを潰そうとする晴絵・・・


霞(うふふ…w ムダよ! この局も私の和了りで・・・終わる!!)


そして、10巡目!


?「ロンorツモor〇×!」


>>870コンマ以下(和了者)
01~70→霞(「絶一門」発動)
71~80→杏果
81~90→晴絵
91~00→哩

打点
>>871コンマ以下(打点表>>44

哩の打点表
01~33→5翻
34~66→6翻
67~00→7翻

はい

43霞 94倍満ツモ(貼り忘れてたけど、「絶一門」の打点表は01~50→ハネ満・51~00→倍満なので)


晴絵(よ、よし…! 喰いタンテンパイまで来た…! 間に合え!!)チャッ!


必死に追いすがる晴絵…!

しかし… そんな晴絵の希望を打ち砕くように… 霞の右手がツモった牌が、白い霊気を伴いながら空中で弧を描き・・・


霞「 ツ モ 」トン・・・


異形なる神を宿した霞は、ゆっくりと手牌を倒した・・・


霞手牌:2224466677899 ツモ「8」


杏果「あ…」
晴絵「・・・つっ!」
哩「… ぐぅ…!」


霞「メンゼンチンイツツモイーペーコーで・・・ 倍満、一本付けは8100オールです」ニコッ…


完全なる一色独占…!

その手牌は… まるで、卓上を絶望という色で染め上げているかのようだった…


第四戦南一局一本場(終局)

     
東 霞  32000→56300
南 杏果 43000→34900  
西 晴絵 39000→30900

北 哩   6000→-2100


順位
1位 石戸霞 (準決勝進出決定)
2位 稲村杏果(準決勝進出決定)
3位 赤土晴絵
4位 白水哩

本日はここまでにします。
コンマ・安価対応あざした!
また明後日20:00から

ミス一つ訂正→「迫り来る怒涛の魔乳」のメンホンはホンイツの間違いです…

新道寺と阿知賀の面々の心情を思うといたたまれませんが、明後日からはもう第五戦が始まってしまうので、メンバーの能力を貼っておきます↓ 透華がかなり改変されているのでチェックお願いします。
また、何か変更、調整についての意見ありましたら、必ず試合が始まるまでに書き込み下さい。
ーーーーーーーーーーーーー

『S5 戒能良子(高三)』

<常>→「テスカポリトカ」
    “煙を吐く鏡”を意味するアステカの全知全能の神。
    他家に自分の能力の正体や手牌を察知されるのを防ぐ。(照の照魔鏡だけでなく、美穂子や憩など、手牌を特別な能力で読んでくる相手に対しても有効)

<ス>→「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
    他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
    自分と、同卓している3人をのぞく雀士のステージ系能力をどれでも一つ完全にコピーできる。(ただし自分よりランクが上の4人の能力だけはコピーできない)

    「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
    人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
    特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

    「ソロモン第56柱グレモリー“時の魔神”」
    過去、現在、未来の全てを掌握できる魔神。
    5巡目くらいまでの自分のツモ牌を知れるため、淀みなくテンパイできる。 和了率70%。

    「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
    他者の企みを看破できる魔神。
    一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率50%。

<特>→「ソロモン第29柱アスタロト“能力殺し”」
    右手に巻きつけた毒蛇の力で相手の能力を塞ぐ。
    一試合で一度(一局)だけ、他家の常時発動系か特殊発動系の能力を完全に封じることができる。 他家が振り込みそうな時などにも使用可。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『A11 神代小蒔(高二)』(全ての神は、一試合で一度しか降ろせない)

<ス>→「三種の神器」
    鍛治と鋳物の守護神イシコリドメが降臨。
    草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)を使用。
    鏡で卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで自己に幸運を呼び、剣の力で他家をバッサリ斬る。 選定した相手から40%の確率でロン和了りをとれる。

<特>→“局の点棒状況”が掲示された時のレスのコンマ以下が、“ゾロ目”の時、小蒔は眠りに入り、以下の四神のうちのいずれかを降臨させる。

    「最高神アマテラスオオカミ」
    70%の確率で役満和了。

    「創世神イザナミ」
    70%の確率で三倍満和了。   

    「豊穣の女神オオゲツヒメ」
    70%の確率で倍満和了。

    「伝説の美神クシナダヒメ」
    索子が集まる。 70%の確率でチンイツハネ満和了。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー    

『B22 龍門渕透華(高二)』

<特>→「冷やし透華(治水)」
    他家に満貫以上を振り込むとゾーンへと入り、河を支配、流れを穏やかにさせて、思うように操る。

    
    他家は、捨て牌の河に干渉することができなくなり、以下の3つの行為ができなくなる。 

    1鳴けない
    2リーチできない(鳴きとリーチができないというハンデにより、他家の打点は全て1ランク下がる。1翻はそのまま)
    3ロン和了りができない(ただし透華への直撃のみ可能。 他家→他家の出和了りは、全て透華が「横取り」してしまう)

    透華だけは自在に鳴き、リーチ、ロン和了りができる。

    他家が透華の治水状態を解く方法は2つ。
    「ハネ満以上をツモる」か、「透華から何でもいいので直撃を取る」のみ。    

ーーーーーーーーーーーーーーー

『B24⑧ 福路美穂子(高三)』

<ス>→「ブルー・オッドアイ」
    右目を開眼することで、卓上で起きていることをほぼ完璧に把握できる。
    自分の手が悪ければ他家を支援して削りたい相手を振り込ませる。(満貫以下)
    手が良ければ、最速で和了へと向かう。(和了率70%。 ただし残りの30%の時は、自在に他家を出和了りさせられる)

乙あざす
進めてくにょ

このあと後半の新スレが立つのが21:00くらい、第五戦の試合が始まるのはまた22:00くらいです

上の4人の能力ですが、
「良子の“能力殺し”は、例外として小蒔の“神降ろし”だけは無効化できない」
「美穂子が“ブルー・オッドアイ”で他家を振り込ませようとしても、良子だけはテスカポリトカで手牌が読めないので効かない」
という2点を追記します。

また新スレの方で改めて貼るので、何か意見あったら試合開始までにお願いします


 シイィ―――ン・・・・  ザワザワ・・・  オ、オイ、コレ・・・  オワリカ?  ガヤガヤガヤ・・・・ 


 えり『ば・・・ い、石戸選手の親倍一閃!!』

 えり『3位から一気にトップに浮上し… そのまま逃げ切り! 終局です!』

 咏『あっらぁ~… 終わっちゃったねぃw』


晴絵「……」アゼン


 えり『これで… 2位につけていた赤土選手は3位に転落…! “阿知賀のレジェンド”1回戦敗退です!』

 えり『石戸選手の一瞬のサシ足に撃ち落とされてしまいました…!』 


杏果「あ、ありがとうございました・・・」カタカタ


杏果… “2位以上通過”という目標を達成したものの、顔色は優れない…

霞のあまりにも常軌を逸した麻雀に、半ばパニックになっていた…


霞「うふふ…w お疲れ様でした♪」


東場はヤキトリだったにもかかわらず、南入してからの電光石火の連荘で勝負を決めた霞は… 憑き物が取れたように穏やかな笑顔…

しかし、もう一人の九州“最強”の打ち手は…


哩「・・・・・」ギリィ・・・!


悔しさのあまり眉間にしわを寄せ、下唇を血が出そうなほどに強く噛み締めていた。


哩「石戸… こいで終わりじゃなかと…」ギロ・・・

霞「え?」

哩「今日は完全にヤラれたが… ばってんお前とはこいからもコクマやインカレで対戦があるだろう…」

哩「次会う時がお前の命日やけん…! 首ば洗っち待ってろよ…!」キッ

霞「あらあら… 楽しみにしてますね♪」ニコッ


4人「「「「ありがとうございました!!!!」」」」


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・  サスガカスミサン! キョーカサンオメデトウ!  ウウゥ、センセェ…  ブチョー…!  ザワザワガヤガヤガヤ・・・・・


北部九州最強の打ち手白水哩… 阿知賀のレジェンド赤土晴絵… 鹿児島の大魔人石戸霞の前に、敗北・・・!



~実況室~


えり「さあ・・・思ったより早く決着が着いてしまった第四戦… 三尋木プロはこの試合、どう見ましたか?」

咏「ん? いやー… やっぱ私はさ、白水ちゃんのリザベーションを見てみたかったよね! ドカァーンッてブチかまして試合を引っくり返してくれることを期待してたんだけどねぃw」

えり「… ドカァーンッなら、先ほどの石戸選手の親倍も凄かったじゃないですか」

咏「そうだねぃ。 あんなの親の時にやられちゃ、他家はもうタマッたもんじゃないよねw」

咏「作戦だったのか偶然だったのかは分っかんねーけど、前半は目立たないようにジッと耐えて… 後半の親番で爆発して一気にカタをつける…」

咏「“攻撃特化”への切り替えと、親番がうまくハマって、他家がもう何が何やら分からんうちに勝っちゃった、ってカンジだったねぃ。 まぁでも、アレが麻雀のスリリングなとこの一つだよね」


えり「そして2位には、赤土選手や白水選手を抑え、朝酌女子の稲村選手が滑り込みました。 これについてはどうでしょう」

咏「そうねぃ… 南場に入って超人麻雀が始まっちゃう前に、自分の特技を生かして無理なくきっちり和了を取り… 守備の方も常に油断なく固めてスキがなかったね」

咏「でも石戸ちゃんが暴れ出してからはほとんど置き物だったから、準決勝ではああいう魔物が本領を発揮した時でもちゃんと闘えるか・・・が、勝負のキモになってくんじゃねーかな?」

えり「しかし、Bランカーである稲村選手が、Sランク4位の赤土選手に競り勝ってしまったのは、多くの人が意外に感じたかもしれません」

咏「う~ん… 赤土さんも調子が悪かったわけじゃないと思うんだけどねぃ… 稲村さんと違って、石戸ちゃんが本気出してからも、なんとか対処しようと奮闘してたし…」

咏「ただ一つだけ、東一局のリーチは少し不用心だったかもしれないね。 アレをダマで様子を見てれば、稲村さんに振り込むこともなかったろーし…」

咏「技術的なことでは赤土さんはこの4人の中で間違いなく一番だと思うけど、今回は稲村さんの勝負に対する思いの強さと、石戸ちゃんの魔の力に屈した・・・ってとこなんじゃね?」

えり「堅実に技術を高めた選手でも、その時の運や、理不尽なオカルトの力に敗れることが往々にしてある… それが麻雀ですものね」

咏「そうだねぃw つーか、“理不尽”は“麻雀の本質”そのものさw そこがまた面白いんだよw」


えり「ありがとうございました。 では、第五戦のスタート時間も迫っていますので、私たちはこれで・・・」

咏「あ、えりちゃん、ちょっと待ってくんね?」

えり「え?」

咏「次の解説って、野依さんっしょ? あの人クチベタであんまり詳しい解説するのは得意じゃないからさぁ… 余計なおせっかいかもしんねーけど、ちょっと第五戦についても私しゃべってもいーかな?」

えり「は、はあ… 少しなら、構いませんが… 第五戦では、あの戒能良子プロの女子高生時代がお目見えするんですよね」

咏「そう… 戒能ちゃんはまさにオカルトが服を着て歩いてるような人だからねぃ…」

えり「でもオカルトといえば、Aランクから出場の神代小蒔選手も、現高校生の中で最強のオカルト使いの一人ですよね」

咏「うん。 その戒能ちゃんと神代ちゃんのオカルト対決も楽しみだけど、Bランクの二人が、これまた面白いんだよねぃ」

えり「龍門渕透華選手に、福路美穂子選手・・・ 片や全国でも屈指のデジタル派プレイヤー… 片や技術という点では参加選手中間違いなく一、二位を争うであろう超ハイテクニカルな選手…」

咏「“高度に発達した技術は魔法と区別がつかない”って言うっしょ? 福路ちゃんはまさにソレ… 彼女の技術はもはやオカルトと大差ない」

咏「そして、基本はデジタル打ちだけど、スイッチが入ると豹変して突然凄まじい力で卓上を支配する龍門渕ちゃんは、“技術”と“オカルト”の両刀使いだとも言えるねぃ」

えり「先ほどの第四戦のように、“オカルト”が“技術”を捻じ伏せてしまうのか… それとも堅実な“技術”が“オカルト”を駆逐するのか…という闘いになりそうですね」

咏「そーね。 ま、結果はフタを開けてみなきゃ分っかんねーけどさ… 面白い闘いになるのは間違いないんじゃないかな!」





~会場・観客席~


 ザワザワザワ・・・  ガヤガヤワイワイ・・・・


晴絵「ただいま…」フラフラ…

玄「あ、せ、先生! お疲れ様でした…!」

綾「ざ、残念だったね、はるちゃん…」

晴絵「ああ… すまなかったね、みんなで応援してくれていたのに…」

灼「ハルちゃん…」

憧「………」


結局、出場選手8名全員敗退となり、重苦しい雰囲気に包まれる阿知賀メンバー…

しかしそんな空気を一変させるような、穏乃の明るい声が響いた。


穏乃「いや、でも… 負けたのは残念ですけど…! 最高でしたよ!先生!!」

晴絵「え?」

憧「シズ…?」

穏乃「先生の試合を生で見ることができるなんて… 思ってもいなかったですから…! 今日は先生の闘う姿が見れて本当に良かったです!!」

凛「そ、そうだね… あのはるちゃんの倍満は本当に凄かったし…!」

春菜「東四局で、テンパイしてる人の当たり牌をきっちり抑えて和了ったのも、カッコ良かった…!」

未来「石戸さんの支配の中でも、最後まで抵抗して和了りを目指して頑張ってたし…」

桜子「はるちゃんがいちばんガッ゙ゴヨ゙ガッ゙ダよ゙ォ゙ッ゙!!」=3

晴絵「お、お前たち・・・」


晴絵「ありがとうな… せっかくこんなチャンスをくれたのに、初戦で負けてしまったから、怒られるものと思ってたけど…」

宥「そんな… 怒るだなんて… そんなわけないですよ、先生! ひたむきでイキイキした先生の麻雀、本当に輝いてましたよ。 ねえ、玄ちゃん?」

玄「ふぇ? …そ、そうなのです! やっぱり赤土先生が私たちの一番なのです!!」

晴絵「……」

晴絵「お前たち… あのな…」

晴絵「私は今日、本当は… 卓につく直前まで、牌にさわることすらできるかどうか… 心配だったんだ」

灼「ハルちゃん…」

晴絵「勝つことはできなかったけど… 真剣勝負をする中で、私が… どれだけこの麻雀というモノを好きだったかを、思い出すことができたよ」

穏乃「先生…」

晴絵「私に初めに麻雀を教えてくれた人が言ってたんだ。 麻雀の“心構え”は・・・相手の強さや特性を認める“謙虚さ”や・・・ 学ぶ努力を惜しまない“探究心”なんかも必要だけど・・・」

晴絵「一番大切なのは、“麻雀を楽しもうとする心”・・・ 麻雀そのものを好きでいる気持ちだって、言ってたんだ」

宥「… 先生、それって…」

晴絵「そうだ。 お前たちのお母さん… 松実露子さんだよ」


晴絵「勝負には負けたけど… 私は牌にさわり、麻雀を楽しむことができた。 正直言うと、今回はもうこれで十分だったかな、と思う」

晴絵「また… 10年前の世界に戻っても、私は牌を握るさ。 そして… いつか、あの小鍛治健夜にも勝ってみせる!」


 ソ、ソウデスヨネ!  レジェンドフッカツダ!!   コカジサンナンカヘノカッパデスヨ!   ソツギョウシテプロニナレバスグタイセンデキマスヨ!! 


憧(… いや、でも… そうなると、晴絵が私たちに麻雀を教えない未来が来るんじゃないの…? 大丈夫なのかな? パラレルワールドになるわけ…?)


実際には… このあと晴絵は小蒔らに記憶を抹消されて過去へと戻され… 無事阿知賀こども麻雀クラブを開いて、憧たちに出会うのだった…



哩「ただ今戻ったと…」

姫子「う、うううぅ…! ぶちょ――っ!」ダキッ

哩「わっと… すまんな。 みんなの期待に、応えられんかった…」

美子「部長が… ヤキトリだなんて…」

仁美「なんもかんも運が悪かったけん… 仕方なか…」チュー・・・

哩「いや… 私の実力不足やった。 まだ精進が足らなかね…」ハア


姫子「ううぅ… こいで… 私たちは全滅とですね…」

美子「そういうことに… なっちゃうね…」

煌「いえいえ皆さん! 何を言ってるんですか?!」

哩「花田…?」

煌「私たち“新道寺グループ”には… まだこの方が残ってるじゃないですかー!?」ババンッ

のよりん(高2)「…フゴッ!?」=3

美子「そ、そうか…!」

姫子「10年前、小鍛治健夜とも闘った、私たちの偉大な先輩・・・」

友清「野依理沙大先輩が!」

のよりん(高2)「… ウニニ…」プンプン=3


哩「野依プ・・・いや、野依先輩… 不甲斐なか後輩で申し訳なかが… どうか、新道寺の代表として、強かとこば見せてきて下さい」

姫子「私たちん仇… 討ってきて下さい!」

煌「伝説の雀士のすばらな闘牌… 期待してますよ!」

のよりん(17)「フギギィ・・・?」


後輩たちに取り囲まれ、目を白黒させる野依理沙(17)・・・


のよりん(17)「ウウウゥ・・・! …お、おしっこ!!」ステテテテッ!!

仁美「あ、逃げた!」

煌「あらら… ちょっと、プレッシャーをかけ過ぎたでしょうか…」

美子「なんだか… ほとんどしゃべらないよね、野依先輩って…」

哩「そやね… プロの現在でも口下手やけど、高校生ん時はそれに輪をかけて無口だったんかもしらんね」

姫子「でも、なんか… 無口かわいかですよね! 野依先輩…///」

友清「あ、そい、私も思ってました! なんか、ほっとけなかかわいさっちゅうか…」

煌「なんだか、まるで猫みたいなすばらなかわいさがありますよね」

哩「お、おい、お前たち… 大先輩に向かってかわいかとか猫とかは失礼とやろ…」

姫子「すみませんw でも… あの人がどんな闘牌ば見せてくれるんか… 楽しみですね!」


~館内医務室~


閑無「… zzzzz…」

悠彗「閑無… まだ起きないね…」

はやり「せっかく杏果ちゃんが、一回戦突破決めて戻ってきたのに…」

杏果「……」


憩「人間の脳ちゅうんは、精神的ダメージを負った時にそれを睡眠で回復させる機能があるんやで。 だから… 石飛さんは今、眠りながら自分の心の修復作業を行っとるんや」

慕「そうですか… でも、残念だね、杏果ちゃんの試合見れなかったのは…」

杏果「いや… 閑無には見られなくて良かったよ」

慕「え、どうして?」

杏果「だって私… 石戸さんにビビッちゃったからさ… あんなとこ閑無に見られたら、絶対ネタにされておちょくられるとこだったと思う」

はやり「えー?☆ 閑無ちゃんはそんなことしないでしょ…?」

杏果「そ、そうだね…/// でも、みっともない姿を閑無に見られるのは、その… 私が嫌だったからさ…///」

悠彗「みっともないって… 何言ってんの? あのメンツ相手に競り勝って2位に入ったんだから… 十分じゃん!」

慕「そうだよ… それに東場の間はずっと杏果ちゃんが圧倒してたんだから… 次やればきっと石戸さんにも勝てるよ!」

杏果(いや… 私が勝ちたいのは小鍛治さんで… 石戸さんには勝てなくてもいいんだけど…)

杏果(でも、あの超常の力を使った闘牌… あんなのは私は初めてだった…)

杏果(小鍛治さんは、あの石戸さんよりさらに強力な“異能”をもってるんだ… このままじゃ、準決勝で対戦できたとしても、絶対に勝てない…!)

杏果(今回の試合でああいうオカルトを体験できたのは良かった。 明日までに、何か… 対策を練らないとだな…)


憩「稲村さん、どうかしました?」ヒョコッ

杏果「え!? あ、いや、べつに…」ビクッ

憩「難しい顔して… 明日の試合が不安なんですかーぁ?」ニコニコ

杏果「……」

憩「ふふ… 10年前の世界には、小鍛治さん以外はああいう超能力めいた麻雀を打つ人は少なかったんかもしらんけど…」

憩「今はああいうオカルト雀士がほとんど“主流”なんやでw そんな中…」

憩「次の第五戦は、まさに“オカルトVSオカルト”、そして“オカルトVS人間力”のガチバトルが見れる好試合やで」

憩「この試合を見れば、稲村さんの・・・“オカルト対策”の一助になるかもしれませんよーぅ?」

杏果「は、はい…」


~館内・特別休憩室~


巴「・・・祓いました」ハアハア・・・

霞「ありがとう、悪いわね巴ちゃん…」

巴「いえ… いつものことですから…」フウ・・・

春「……」


生まれたまんまの姿で向かい合っている霞と春… そしてその横でお祓い棒を持っている巴…

控室がないため、永水のメンバーは館内の休憩室を借し切って、神様を祓う妖しげな儀式を執り行っていた…


霞「自分自身で祓えれば、便利なんだけどね」

初美「そこが神様の憑代としての、難しいところですよねー」

霞「そうね… 私たちは、神様を使役できるわけではなくて、この体を言わば乗っ取られるわけだからね…」


<館内放送『…おまたせしました、まもなく一回戦第五戦を開始いたします。 出場する選手の方は5分後までにステージ前までお集まり下さい』


初美「おや… ついに姫様の出番が来ましたよー!」

小蒔「そうですね… では、行ってまいります」スッ

春「頑張って…」

巴「無理しないで下さいね」

霞「うふふ… 小蒔ちゃん、気楽にね♪」

小蒔「はい… 霞ちゃんがトップで戻ってきてくれましたから… 私もその勢いに乗って、頑張ります!」フンス!


 バタン・・・


笑顔で休憩室を出て行った小蒔…


霞「…巴ちゃん、今回は… 姫様に降りる神様はどんな風に調整したの?」

初美「インハイの時みたいに、弱い神様から順番に降ろしていくかんじですかー?」

巴「いや… 今回は完全にランダムなので、いつ、どの神様がどのタイミングで降りてくるかは、全く分かりません」

巴「最初にいきなり最強の神様が降りてくるかもしれないし、最後まで誰も降りてこない可能性もあるので、こればかりはなんとも…」

春「最強の神が降りれば… 他家は全員、トブ…」ポリポリ

霞「まあ、みんなでのんびり見守りましょう」ウフフ・・・


六女仙を従える霧島神境の“姫”、神代小蒔・・・! ついに、卓上に、その神聖なる御姿を、現す―――!!


そして、館内のまた別の休憩室では・・・


  ガチャッ


咏(高3)「うぉーい良子ちゃん! 放送聞いた? そろそろあんたの出番で・・・ひょぉっ?!」

良子(高3)「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオォォ・・・


良子を迎えに来た咏… しかし、そこには、床の上で座禅を組み、ただならぬオーラを発して集中している良子の姿があった…


咏(高3)「あ、あのぉー… ヨシコさん? 早く行かねーと、遅刻しますヨ…?」

良子(高3)「…ん? あ、ああ… 三尋木さん… これはどうも、失礼… お見苦しいところをお見せしました…」スウウゥ・・・

咏「何してたんよ? 試合前に集中力を高めるってやつ?」

良子「あ、いえ… 今、意識だけ魔界に飛ばして… ちょっと、ヘルプしてくれそうな魔神たちのスカウトを…」

咏「……」


良子「では行ってきますね。 誰が相手であろうと… 全員容赦なくディフィートしてきます」スッ


 ガチャッ、カツカツカツ・・・・


控室を出ていった良子…


咏「………」

咏(戒能良子ちゃん… おっそろしいねぇ… この私に冷や汗かかせるとは…)ドキドキ

咏(あの子は、“私の時代”ではまだ中学生だったから、闘ったことはないけど… インターミドルに出場してるのをテレビで見たんだよね)

咏(まだ中学一年生にも関わらず、とんでもない和了りを連発して上級生を震え上がらせてたっけね…)

咏(私もあの子とは正直卓を囲みたくないと思ったもんだよ… まったく… 同卓する子たちに同情するぜ…)


古今東西、自他ともに認める最強のオカルト使い、戒能良子・・・!

宮永照を倒したその力は本物か・・・?

数多の異形を引きつれ… 他家を蹂躙するべく、卓に向かう―――!!


~会場・観客席~


 ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤ・・・・ 


未春「キャプテン… いよいよ出番ですよ!」

文堂「頑張って下さいね、キャプテン!」

ドム「ファイトっす…!」

美穂子「うふふ、ありがとう… みんなが対戦者の牌譜を午前中に用意してきてくれたおかげで、十分に対策は練れたわ♪」

池田「キャプテン! 化け物退治、見せて下さいよ!」

美穂子「あらあら華菜… “化け物”なんて言葉を使うのは良くないわよ?」

池田「! ごめんなさいだし…」シュン・・・

美穂子「どんな強力な力を持っている人でも、私たちと同じ人間… そして人間である以上、必ず隙はあるわ」

美穂子「私たちは、今まで… 部活の中で、堅実に技術を高め、研鑽し合ってきた…」

美穂子「この試合… そんな私たちの麻雀が正しいのだということを・・・証明してみせるわ」ニコッ


長野最強の打ち手… 名門風越のキャプテン福路美穂子・・・!

いつもと変わらぬ菩薩のような微笑をたたえながら、いざ、魔物の巣食う、戦地へ―――!!



透華「さあぁっ! 遂にわたくしの出番ですわ!!」ドォーン!

一「透華… まあ公式試合じゃないんだからさ、気楽に行ってきなよ」

透華「は? 何を言ってますのはじめ? わたくしに手を抜けと言うんですの?」

一「いや、別に、手を抜けってわけじゃなくてさ…」

純「負けるにしても勝つにしても楽しんでこいってことだよ。 国広くんなりのエールだって」

透華「何をおっしゃいますやら! 勝負である以上、本気で向かわなければ相手に失礼にあたりますわ」

透華「このイベント… 原村和が本選出場できなかったのは残念ですが… 一回戦からあの女とヤリ合えるのは僥倖というものですわw」ククク・・・


透華は… 特に同じ長野の美穂子に対してライバル意識をもっていた…

透華と美穂子は、一年前のインハイ団体県予選の決勝で初めて対戦して以来、何度か卓を囲み… 透華は競り負けることが多かったのだ…


透華「この試合… わたくしの華麗な麻雀であの女を真っ青にしてさしあげますわ! 一番目立つのはいつだってわたくしですのよ!!」カッ!

衣「頑張れとーか! 鏖殺だ――っ!!」

純「つっても透華、相手は風越のあの女だけじゃねーんだぞ?」

智紀「戒能良子と神代小蒔… まさにオカルトの“代名詞”と“頂点”…!」

透華「ふふ… 神代の去年のインハイや県予選での闘牌も、戒能さんの二年前の宮永照に勝利した時の牌譜も、すべてチェック済み…! このわたくしにぬかりはありませんわ!!」


超デジタル派でありながら、その体内に衣や咲、靖子までをも上回る魔物を棲まわせている異端の雀士、龍門渕透華・・・!

果たして“治水”は発動するのか…? 

頭頂のアホ毛をピーンと立て… ほとんど無い胸を張りながら、絢爛豪壮に、出・陣―――!!







~試合会場~

17:50

 
 ガヤガヤワヤワヤ・・・  ザワザワガヤガヤ、キャッキャッキャ・・・・♪


一回戦第五戦が始まるのを待ち構える観客たち・・・

そんな大勢の視線の集まる会場中央の闘牌スペースに、ふんわりウェーブのかかった髪型の、少しタレ目な美女が現れた・・・


 みさき『皆さんこんにちは。 午前中の前哨戦でも実況をさせて頂きました村吉です』

 みさき『ここから第五戦と第六戦の実況はまたわたくしが務めさせて頂きますので、よろしくお願いします!』

 みさき『さてそれでは… 早速選手の紹介から参りましょう。 一人目の選手は・・・ この方です!』バッ!


いったんカン

次スレ↓
みさき「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです」のよりん「一回戦後半!」=3
みさき「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです」のよりん「一回戦後半!」=3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491999549/)


このスレはこれにてカンです
毎回安価・コンマ対応ありがとうございました

引き続き一回戦後半編をお楽しみ下さい

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