塩見周子「速水奏は引っ張りたい」 (13)

奏(皆さんこんにちは。速水奏よ)

フレデリカ「亀って甲羅剥がしてみたらカナヘビになると思わない?」

周子「それなー」

奏(こっちで適当……というかもう普通にサイコな会話をしてるのは宮本フレデリカと塩見周子)

奏(最近の私はずっとある問題について考えているの。それは……)

フレデリカ「甲羅叩き割ったら死んじゃうかな?」

周子「んー。生き物って基本叩き割られたら皆死ぬんじゃない?」

奏(フレちゃんの左側の一房だけ伸びてる髪がめっちゃ気になるという事よ)

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奏(なんなのかしらアレ……引っ張りたい……とても引っ張りたいわ)

奏(引っ張ったらどうなるのかしらアレ。すっごく伸びそう。あの……あの部分)

奏(アレはそう……フレ髪。フレ髪よ。今命名したわ。フレ髪引っ張りたい欲が凄いのよ最近)

奏(そもそもなんで髪が一部分だけ伸びてるの? それはもう引っ張るためじゃないの?)

奏(そう。あれはもはや引っ張るために存在しているのよ。引っ張らない方が失礼に当たるんじゃない?)

奏(引っ張るべきかそうでないかでいったら、引っ張るべきなんじゃない?)

奏(いえ、お友達の髪をいきなり引っ張り出したらそれはもうイカレ女よ。そんな事出来ないわ)

奏(でもフレ髪引っ張りたい欲が抑えられなくておかしくなりそうなの本当に)

奏(このままじゃいつかいきなりフレ髪を引っ張ってしまうわ……どうしたらいいの……)

奏「……」ジー

フレデリカ「叩き割るんじゃなくってこう、ズルンと引き抜く感じでね?」

周子「あーうんうん」

周子(奏ちゃんさっきからめっちゃフレちゃんの事見とるな)

~別の日~

奏(あ、「フレちゃん髪綺麗よね」とか言いながら自然と触るのはどうかしら)

奏(これなら自然よね。いえ、それとも「ゴミが付いてるわよ」の方がいいかしら)

奏(うん。これよ。いけるわ。ゴミを取る体で自然にスッと……)

周子(今日も奏ちゃんフレちゃんの事めっちゃ見てる)

フレデリカ「それでその時にハシビロコウが……シューコちゃん聞いてる?」

周子「あ、ごめん。聞いてなかった」

フレデリカ「ンモー! これからハシビロコウがワシビロコウになっていく良い所なんだからね?」

周子「ははは。意味が全然分かんないのは話聞いてなかったせいじゃなさそう」

フレデリカ「すっごい好きな話なんだからちゃんと聞いてよー」

奏(いくのよ。いくのよ速水奏。女は度胸、映画は音響よ!)

奏「あら? フレちゃん、髪にゴミが……」

周子「そういえばフレちゃんって嫌いな事とかあるん?」

フレデリカ「あるよー? 急に髪触られたりするのとか嫌いかな」

周子「へー。なんか意外」

フレデリカ「『髪にゴミ付いてるよー』とかいきなり触られたりすると、なーんか気持ち悪いんだよねー」

周子「そうなんやー。って、ごめん奏ちゃん。なんか言いかけてたの遮っちゃった?」

奏「大したことじゃないから平気よ」ダラダラ

周子「どしたんその汗」

フレデリカ「もしかして具合悪いの?」

奏「ああ、これ? 大丈夫よ。汗じゃなくて鳥の糞が落ちてきただけだから」

周子「いやそんな言い訳するくらいだったら、素直に具合悪いって言っといたほうが良くなかった?」

フレデリカ「ありゃー。掃除する? 高圧洗浄機あるけど」ドン

周子「なんでそんなもん持ち歩いてんの」

奏「そんなの顔面にプッ放されたら私の顔がワン・ツー・キスキスしちゃうわよ」

周子「言いたいことは分かるけど、言ってることが全く分からん」

フレデリカ「そーれアン・ドゥ・トロワのリズムでー」ブシュアー

奏「今夜ッ!?」ズバー

周子「奏ちゃーん!!!」

~また別の日~

フレデリカ「最近すっごい誰かの視線を感じるんだよね」

周子「アイドルだからじゃないの?」

フレデリカ「いやあ、そういう感じの視線じゃなくてねえ。こう、執着みたいな物を感じる視線というか」

周子「気のせい気のせい」

フレデリカ「わーお。ちょっと傷付いたから周子ちゃんのダーツ矢コレクション使ってセミの標本作っちゃお☆」

周子「ちょ、やめてよ」

フレデリカ「フレンチジョークだよ」

周子「嘘だ本気だった。フレちゃん前に怒らせた時あたしのダーツ、ぬか床に刺した事あったでしょ。あれ三日間匂いが取れなかったんだよ」

フレデリカ「つかさちゃんのあんなに怒った姿始めて見たね」

周子「自分が大事にしてるぬか床にダーツ刺されたら誰だってああなるよ」

ありす「ダーツの矢は太すぎるので昆虫針には向いていないと思います」

周子「ありすちゃーん。そういう問題じゃなーい」

ありす「橘です」

周子「橘ちゃーん。そういう問題じゃなーい」

ありす「ありすです!!」

周子「なんなんこの子」

フレデリカ「話本題に戻していい?」

周子「あ、うん。まさかフレちゃんからそんなセリフ言われるとは思ってなかったよ」

奏「何の話をしてるの?」

フレデリカ「あ、奏ちゃん」

ありす「フレデリカさんがストーカー被害に合ってるそうです」

周子「誰かの視線を感じるんだってさ」

奏「あら。それは大変ね」ダラダラ

周子「汗すごいよ」

奏「ああ。これは汗じゃないわよ? さっきトイレで水浴びしたから」

フレデリカ「今真冬だよ?」

ありす「いえ、例え真夏であったとしてもトイレで水浴びするのはおかしいですよね」

周子「奏ちゃん誤魔化すの下手になったよね」

フレデリカ「軽石あるけどこれで拭く?」

奏「顔面ズタズタになるわよ」

ありす「まあ水分は良く吸ってくれそうですけど」

周子「なんでフレちゃんは変なもの持ち歩いてんの?」

フレデリカ「備えあればって言うでしょー」

奏「軽石なんかより常識を備えて欲しいわ」

ありす「ともかく奏さんは顔を拭いてください。タオル探して来ます」

奏「ありがとうありすちゃん。でもその辺のソファとかで拭くから大丈夫」

周子「他人に常識を説いたすぐそばからお前」

フレデリカ「顔面をソファに擦り付けるのって汚くない?」

奏「汗じゃなくて水なんだから衛生的よ」

ありす「衛生的かどうかとか、そういう問題なんでしょうか」

フレデリカ「んー。精神衛生的には良くないね」

周子「いくら奏ちゃんがキス魔だからってソファにチューリップしてる所は見たくないよ」

奏「ダメなの? もう汗……じゃなくて水が目に入ってきて痛いんだけど」

フレデリカ「塩水で水浴びしてきたの?」

周子「ありすちゃんやっぱりタオル探してきて貰っていいかな」

ありす「ありすじゃなくてありすです」

周子「うん。……うん? いや、もう何でもいいから早く行って」

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