千歌「そこ梨子ちゃんの部屋だったんだ!」 (12)

梨子「そうか引っ越したばかりで全然気付かなくて」

千歌「今のユメノトビラだよね?梨子ちゃん歌ってたよね」

梨子「いや、それは」

千歌「夢のトビラずっと探し続けていた」

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梨子「そうね」

千歌「その歌私大好きなんだ。第二回ラブライブ~~」

梨子「高海さん
私どうしたらいいんだろ
何やっても楽しくなくて変われなくて」

千歌「梨子ちゃん
やってみない?スクールアイドル」

梨子「ダメヨ
このままピアノを諦めるわけには」

千歌「やってみて笑顔になれたら
変われたらまた弾けばいい
諦めることないよ」

梨子「失礼だよ
本気でやろうとしてる高海さんに
そんな気持ちで
そんなの失礼だよ」

千歌「梨子ちゃんの力になれるなら私は嬉しい
みんなを笑顔にするのがスクールアイドルだもん」

ビュー

千歌「んっ」

梨子「千歌ちゃん」

千歌「それってとっても素敵なことだよ」

梨子「はは」

梨子「さすがに手が届かないね」

千歌「まってダメー」

ピトッ

千歌「届いた!!」

梨子「はー!」キラキラ

千歌「はー!」キラキラ

ガタッ

千歌「え?」

梨子「え?」

ガタタタ


ドサッサッ

ゴンッ


ドゴォォオオッ



ボキッ



ツー--------


ダラァァァ

ーーー
ーー






チュンチュン

「千歌?千歌?また寝坊?遅刻するわよ??」

「え?部屋にいない?」

「ベランダに何か引っかかってる……」

「ん?下??」

「キャーーーーーーーー!!!!!!」

翌日の新聞には「少女達の事故か?無理心中か!!?」との見出しで
社会面の片隅に小さく掲載された。

ただの事故であって欲しいと思っていた。
だが彼女たちの繋がった手が死後硬直も相俟ってだろうが不思議なぐらい固く結ばれていた。
その様子を見た人々が無理心中と思ったのも無理からぬ話かもしれない。

お葬式も両家同時に、棺も大きめのものに二人のまま入っていた。
いくら手を施しても両手が離れないためだと言っていた。

とても不幸な事のはずなのに、二人は手をしっかりと結び合って至福の表情で安らかにしていた。
誰もが幸せな結末を迎えたとしか思えない光景。

そんな彼女たちに置き去りにされた私がいる。

棺の中で手を握っているのは私じゃないの?先約は私でしょ?
そんな妄想が頭をよぎる。

転校生なんて来てほしくなかった。
私は閉じた世界で、彼女と二人だけのスクールアイドルをしていれば満足だったのだ。

だから今日も私の手は予約を待ちわびている。


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