ドルべ「近親相姦とは近い親族関係にある者による性的行為である」 (46)

ドルべ「性的行為…」

アリト「お?勉強か」

ギラグ「大変だな、3年生ってのは」

アリト「俺みたいに1年に生まれ変わりゃ羽を伸ばせるってのに」

ドルべ「違う」

アリト「何が違うってんだよ」

ドルべ「ナッシュとメラグの距離…近くないか」

ギラグ「今更じゃねえか」

ドルべ「何とも思わないのか」

ミザエル「近親相姦なんて私が居た時代では良くある事だったぞ」

ギラグ「俺の時は男色が横行してたっけな。早え話がホモな」

アリト「俺は…そういや野郎同士で戦ってた事しか覚えてねえな」

ドルべ「今は現代だ。人間として第二の人生を歩むには適応せねばならない…近親相姦なんてした日には」

アリト「避妊すりゃいいだろ?メラグは賢いからナッシュにさせるだろ」

ドルべ「そういう意味じゃない!危機感だ…!当てはまる節が色々と!私も長い付き合いだが…冷静に考えてみたら!」

アリト「子供できたら何て名前だ?鮫太郎か?」

ギラグ「ナッシュは割りとズレてっからな…何とか丸じゃねえか?漁船みたいに」

ミザエル「そうなれば姓を変える必要もなく楽だろ?面倒な挨拶や親戚同士の付き合いもしなくて済む」

ドルべ「真面目に考えてくれ!アリト!ギラグ!ミザエル!」

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ドルべ「何が子供だ…メラグが14歳の母になってもいいのか!」

ベクター「…」

ドルべ「はっ!?」

ベクター「あれれ~?どうしちゃったのぉ?」

ドルべ「何でもない」

ベクター「どうせナッシュ」

ドルべ「!」

ベクター「どうせメラグ」

ドルべ「!?」

ベクター「はい当たり」

ドルべ「な、何故だ」

ベクター「お前は単純だからなぁ…余裕だぜ」

ドルべ「な、何か方法ないのか!?このままじゃ近親相姦だぞ!(ベクターの悪知恵なら…何か案をくれ)」

ベクター「はあ?俺らの時代じゃ普通だったろ?それに昔のナッシュとメラグは」

ドルべ「言うな!」

ベクター「プフッ…言ったらどうなるんだ?」

ドルべ「お前を…[ピーーー]」

ベクター「じゃあ俺は、私を殺しにいらっしゃ~い…ってか?知ってるか?[ピーーー]って言う奴に限ってマジで殺せねえんだぜ?知ってるよなぁ~優等生のお前なら!」

ドルべ「くっ…」

ドルべ「普通の兄妹はベタベタしないんだぞ。そりゃ昨今頻繁に見るアニメじゃベタベタしているが…私達はリアル!アニメじゃないんだ!」

アリト「あいつブツブツ言ってるな」

ギラグ「さっきの事だろ?」

アリト「あいつ頭でっかちだもんな」

ギラグ「ああ」

ミザエル「…ドルべ」

ドルべ「ミザエル!何かあるのか!?」

ミザエル「ああ」

ドルべ「さすがはバリアン七皇の3番手!さあ言ってくれ!!」

アリト「2番手じゃね?」

ギラグ「シッ!」

アリト「だって実力じゃドルべどころかナッシュだってヤバいぞ?」

ミザエル「それは認める。私こそがバリアン最強だ」

ドルべ「下克上か?」

ミザエル「事実だ。ドラゴンが魚に負けるか?そもそもナッシュは気性が荒すぎる。口より先に手が出るだろ」

ドルべ「ナッシュは手より蹴っ飛ばしてくる方が多い。それにナッシュは海竜族も引き入れている」

ミザエル「飛べないドラゴンなどドラゴンにあらず!ましてや海竜などウナギと大差がない」

ドルべ「ミザエル…許さん!」

璃緒「何やってるのよ?」

ドルべ「メラグ!ナッシュは?ナッシュは何処に!?」

璃緒「さあ?」

アリト「ん?」

璃緒「な、何?」

アリト「手から何か匂うぞ?こりゃ男の匂いだ」

璃緒「!?」

ギラグ「そっか…まあ座れよ」

璃緒「どうしたのよ?別に私は」

ギラグ「座れ!」

アリト「何だ?えらいムキになってんな」

ギラグ「そりゃ大所帯だ。お前らの両親の遺産も底が尽きるだろう…でもな!」

璃緒「…」

ギラグ「ピンサロで働く事ねえだろ!」

璃緒「…は?」

ギラグ「とぼけるな!アリトの鼻が男の匂いとか言ってんだろ!?そりゃ精液だ!石鹸で洗ったつもりだが、そうは問屋が卸さねえ!こいつの鼻は誤魔化せねえぞ!」

アリト「そりゃ本当か!?教えろ!何処の変態オヤジだ!?」

璃緒「…」

ベクター「あーあ怒らせちまったよ。俺は知ーらね」

アリト「い、痛え…」

璃緒「そんなお店で働くわけないでしょ」

ギラグ「お、おっす」

プルルルルル

ベクター「はい?」

ミザエル「さっきの続きだ」

ドルべ「…受けて立つ」

ベクター「あー神代凌牙?そりゃ何かの間違いでしょ」

「間違いなもんですか!また御宅の凌牙くんが」

ベクター「あいつね、警察署が好きなんすよ。構ってほしいっつうか」

「しかしだね!」

ベクター「それじゃ忙しいんで」

ピッ

ベクター「どいつもこいつもバカばっかだな」

璃緒「どうかしたの?」

ベクター「アリトが何かやったってよ。ハートランド署の少年課のおっさんがカンカンだったぜ?」

アリト「やっべえゲーセンの件か?ち、違うんだよ!俺と遊馬がゲームしてたら高校生が絡んで来て…それで!」

璃緒「…」

ベクター「マジで何かやってたのかよ。こいつの相当だな」

カイト「…」

シャーク「さすがカイトだな。署長がペコペコしてやがったぞ」

カイト「…」

シャーク「ま、Dr.フェイカーの息子って凄えってのが改めてわけだ。お前は凄くねえんだぞ?親父が居るから…」

カイト「じゃあな」

シャーク「おい…理由聞かねえのか?」

カイト「どうせ璃緒だろ。話によれば璃緒はⅣと会って遊ぶ仲だそうだな」

シャーク「何で知ってんだよ」

カイト「オボットが目撃している。この街でオボットの目を逃れるのは不可能だ」

シャーク「チッ」

カイト「あれは妹だ。やめておけ」

シャーク「何が言いてえ」

カイト「それはお前が1番理解している筈だ」

シャーク「てめえはどうなんだ?ハルトが女と!」

カイト「その時に考える。少なくとも嫉妬にかられチンピラ相手に大喧嘩する無様な真似はしないだろ」

シャーク「…」

カイト「忠告はした」

シャーク「余計な世話だぜ!てめえに言われる筋合いはねえんだよ!!」

翌日

ドルべ「はあ…」

シャーク「…」

ドルべ「ナッシュは何処かで派手に暴れたようだ」

璃緒「さっさと用意しなさいよ」

ベクター「双子座が一位か」

アリト「何で嬉しそうなんだよ?双子座じゃねえじゃん」

ベクター「十二星座の中で双子が1番強えんだよ」

ギラグ「天秤だろ?ありゃ底が見えねえよ」

アリト「いいや獅子座だぜ。だってさ主人公って顔してね?主人公補正っての知ってるか?」

ミザエル「竜座だ」

アリト「十二星座に竜はねえんだよ!あるけどねえんだ!」

ミザエル「この面子ではドラゴンに勝てる奴が居ない」

ドルべ「…」

シャーク「くだらねえな」

アリト「じゃあナッシュは」

シャーク「ポセイドン」

ギラグ「あいつは強えか微妙だぞ?妙に影が薄いっつうか」

ドルべ「…」

ミザエル「まだ昨日の事を気にしているのか」

ドルべ「違う」

ミザエル「これだけは忠告しておく、お前が弱いんじゃない私が強いだけだ」

ドルべ「フォローになってない」

ベクター「ヒャハハハ!また喧嘩か?」

アリト「今度は負けんじゃねえぞ!」

シャーク「朝からくだらねえ事してんじゃねえよ」

ドルべ「!」

シャーク「お前ら受験生だろ?真面目にやれ真面目に」

ドルべ「ナッシュ」

シャーク「あ?」

ドルべ「言いたくないが君にも責任があるんだぞ」

シャーク「ねえよ。俺の喧嘩か?違うだろが」

ドルべ「いいや!考えてみれば君が実妹に対して如何わしい感情を抱いているのが原因だ!さすがの私も怒っている!」

シャーク「八つ当たりじゃねえか」

ドルべ「八つ当たりなもんか!君に私の気持ちがわかるか!?不慣れな環境!昔と今とでは人間社会も違うんだ!」

シャーク「そりゃ石頭だから色々と考えるんだろうよ。早え話が慣れだろ慣れ」

アリト「ってわけよ」

小鳥「あの温厚なドルべがね」

遊馬「ああ」

アリト「どうよ遊馬、Ⅲ、アンナ」

アンナ「別にいいんじゃね?なあ!」

小鳥「けど二人は距離近くない?カイトもだけど」

遊馬「何でカイトも?」

小鳥「私の友達にも弟や妹が居る子は居るけどね。あの2人は愛が重すぎるのよ」

Ⅲ「カイトの場合は歳が離れてるって事もあるし」

小鳥「だよね。カイトは良しとして」

遊馬「いいんじゃね?本人の自由だしよ」

アリト「だろ?」

Ⅲ「けど法律上は…いや倫理観的にも」

アンナ「問題ねえだろ?」

遊馬「問題ねえさ」

アリト「な?問題ねえだろ」

小鳥「えぇ…けど」

遊馬「それでドルべは平気なのかよ?」

アリト「それがいじけて何処かに行っちまったよ」

ドルべ「ここで砕けてはダメだ…何としてでも悲劇を防がねば」

カイト「…」

ドルべ「君しかいないんだ!」

カイト「で?」

ドルべ「食い止めてくれ…近親相姦の可能性がある二人を…私の友人を!」

カイト「璃緒なら心配はない。あいつはⅣと遊んでいるらしい」

ドルべ「それは本当か!?」

カイト「ああ」

ドルべ「いや待て」

カイト「今度は何だ」

ドルべ「Ⅳ…Ⅳか」

カイト「…」

ドルべ「うーん…」

カイト「俺は帰るぞ」

ドルべ「待ってくれカイト!」

カイト「…」

ドルべ「まだナッシュが終わってない」

カイト「お前は予想以上に面倒な奴だな」

カイト「こいつを使ってみろ」

ドルべ「何だこのヘルメットは」

カイト「悪夢発生装置」

ドルべ「悪夢発生装置!?」

カイト「近親相姦の果てに何が待ち受けてるか…凌牙の脳裏に刻み込んでやれ」

ドルべ「危険じゃないか!?」

カイト「あいつなら耐えられるだろ」

ドルべ「…ピンポイントで近親相姦の悪夢を見る事が」

カイト「その為に一晩かけて作った。どうせ誰かしらが来ると思ってな、言わば近親相姦兄妹の場合タイプだ」

ドルべ「いい奴なんだな君は」

カイト「あいつなら人体実験には最適だろ」

ドルべ「前言撤回だ!何だ今の君の発言は!?」

カイト「あいつは精神が折れても平気な顔して帰ってくる。俺は何度も見た」

ドルべ「くっ…こうなれば心を鬼にするしかないようだ」

カイト「もういいな」

ドルべ「待ってくれ!」

カイト「…」

ドルべ「ナッシュだけ悪夢を見せるのは忍びない。だから私にも共有できるようにしてくれないか?」

カイト「…本当に面倒な奴だ」

ドルべ「そういうわけでヘルメットを二つ貰った…これで連動するってわけか」

ドルべ「悪夢を見せる→ナッシュに近親相姦は危険だと覚えさせる→そんな悪夢からナッシュをサポートしつつ救う」

ドルべ「これなら今朝の件も和解できる。一石二鳥だ」

ベクター「そこまでやるか普通」

ドルべ「!」

ベクター「まあ頑張れよ」

アリト「お前も変なこと考えるよな…」

ギラグ「そこまでするか」

ドルべ「ああ」

ミザエル「…」

ドルべ「ナッシュは1度寝たら朝まで起きない」

ギラグ「あいつはキングギドラとガイガンが近場で暴れても寝てるだろうぜ」

アリト「不良の癖に健康優良児だもんな」

ドルべ「という事で頑張ってくる」

ギラグ「逆にお前が悪夢でひっくり返ったりしてな」

ドルべ「それは無い」

ミザエル「大丈夫だろうな」

ドルべ「私を信じろ」

シャーク「ドルべ」

ドルべ「zzz」

シャーク「おい!」

ドルべ「どうした!?」

シャーク「どうもこうもねえ…何処だここ!?」

ドルべ「ここは…」

「ヒャッハー!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ドルべ「見た事のないモンスターばかりだ!?それに」

シャーク「どいつもこいつもバイクに乗ってやがる…右見ても左見てもモンスターだらけだぜ」

ドルべ「これがナッシュの夢…色々と狂っている」

キキッ

アーマード・ウィング「見かけねえ顔だな?っつうかモンスターっぽさがねえ」

ハマ「ああ…てめえら何属性の何族だ?」

シャーク「俺は人間だ!お前らこそ何者だよ」

ハマ「B・F-降魔弓のハマ!風属性の昆虫族だぜ」

アーマード・ウィング「BF-アーマード・ウィング!闇属性の鳥獣族よ」

ドルべ「知らないモンスターだ…ナッシュは何という夢を見ているんだ」

アーマード・ウィング「で?人間族の何属性なんだ」

シャーク「んなのねえだろ」

ハマ「ねえのか?ねえわな…」

ドルべ「独創的というのか?想像力が豊かすぎる」

ハマ「ブツブツ言ってんなよ。俺らは食ったりしねえぞ?」

ドルべ「近親相姦!」

ハマ「は!?」

アーマード・ウィング「何っつったてめえ!」

ドルべ「これは夢!兄と妹の近親相姦の果てに起こり得る悪夢を私達は見ているだけなんだ!」

アーマード・ウィング「…」

ハマ「…」

シャーク「てめえまで何を叫んでやがるんだ!」

ハマ「近親相姦ってのは神だけに許された神聖なる性交」

アーマード・ウィング「この街でその事を安っぽく口に出してんじゃねえ!見ろ」

シャーク「あ?」

アーマード・ウィング「あれがシンクロ城だ。この街のトップが君臨してやがる」

ハマ「兄と妹って言ったな?あそこに今のトップが住んでやがる。ライフ・ストリーム・ドラゴンとエンシェント・フェアリー・ドラゴンの兄と妹がな」

ドルべ「妙に恐れているようだが何かあるのか」

ハマ「とりあえず俺らのアジトに来いよ」

クリアウィング「見た事ねえモンスターだ!へえ」

シャーク「触ってんじゃねえぞ!」

ウィンター・ベル「獣族?」

ドルべ「人間族…いや敢えて天使族としておこう」

シャーク「で?あの城の連中に何を恐れてやがるんだ」

ハマ「最初は普通のガキだった…んだよな?」

アーマード・ウィング「ああ…それが神の領域に踏み込んじまった」

シャーク「たかが近親相姦じゃねえか」

ドルべ「たかがではない!」

アーマード・ウィング「眼鏡の言う通りだ」

ハマ「大事だぜ?緊張感無さすぎだろ」

シャーク「だから何だってんだ?そんなのどうでもいいじゃねえか!所詮は男と女なんだぞ」

ドルべ「ナッシュ!」

レッド・デーモンズ「何だそいつは」

クリアウィング「あいつらが拾って来た捨て魚族と捨て天使族」

シャーク「捨て?舐めてんのかドラゴン野郎」

クリアウィング「誰がドラゴン野郎だ!焼き魚にして食っちまうぞ!」

ドルべ「続きを聞かせてくれ親族間の交配により君達モンスターにどのような影響があるのか」

アーマード・ウィング「ああ…そいつは」

ドルべ「爆発的な繁殖力?」

アーマード・ウィング「そう、近親相姦は神の領域って言ったよな?何でも大昔の神様連中は近親相姦によって俺らモンスターの先祖を誕生させたんだってよ。それもかなりの数」

ハマ「そいつをやれば俺ら生態系のバランスが崩れちまう。何百年か前に六武衆のヤリザが近親相姦しちまって増えちまったそうだぞ?モンスターにとって近親相姦はタブーだってわけよ」

ドルべ「そうなのか…」

ハマ「モンスターの癖に無知だな?学のねえ俺らだって知ってるってのに」

シャーク「バイクの意味あるのか?お前ら翼あるじゃねえか!意味ねえだろ」

クリアウィング「こいつで俺らは競い合ってるんだよ。田舎者かよ」

シャーク「あ?何だって」

クリアウィング「やろうってのか?喧嘩上等だぞ」

アーマード・ウィング「この街には大勢のチームがある。中には100人を超える大所帯ってのもな」

ドルべ「君達は」

レッド・デーモンズ「5人だ」

シャーク「プッ、そんなので意気がってるのか?たかが5人って簡単に潰せそうだぜ」

クリアウィング「やっぱ田舎者だな!チームサテライトは5人で最強なんだよ!」

ドルべ「君もなのか?」

ウィンター・ベル「野郎同士の小競り合いに興味ないわよ」

シャーク「じゃあもう1人居るってわけか」

レッド・デーモンズ「リーダーがな」

シャーク「こいつより強え奴が居るってのか」

ドルべ「彼は強いのか?」

シャーク「本能が呼びかけてやがるんだ…奴は強えってな」

ガチャッ

スターダスト「ただいま」

クリアウィング「よっ!」

シャーク「あいつがリーダーか」

ドルべ「バカな!?あれを見ろ!」

レッド・デーモンズ「段取りはできたのか」

スターダスト「バッチリだ」

ドルべ「あまりにも細すぎる…人間で言えば女性のような雰囲気だぞ!」

シャーク「見た目で判断するなよ。あのリーダーは何か違うぞ」

スターダスト「ん?見慣れないモン…みんな!」

アーマード・ウィング「どうした!?」

スターダスト「人間だぞ」

ハマ「何だそりゃ?」

スターダスト「これが人間か…俺も伝承でしか聞いた事がないが」

シャーク「…」

レッド・デーモンズ「聞け!俺達は今からシンクロ城へ乗り込む!!」

アーマード・ウィング「パス」

ハマ「俺ら明日仕事なの」

レッド・デーモンズ「今しかない!」

クリアウィング「よっしゃあ!俺も一発決めてやっかな」

シャーク「上等」

ドルべ「どうせ夢なんだから私達が」

シャーク「この白ドラゴンが気に入らねえんだよ!」

ドルべ「ダメだ…近親相姦に恐怖するどころか盛り上がってしまっている」

レッド・デーモンズ「いいから来い!このままでは俺達の存続すら」

ハマ「タコ!そんな事より明日の心配しろってんだ!」

アーマード・ウィング「またクビになったんだってな!いい加減にしろよ」

レッド・デーモンズ「くっ…」

ドルべ「私達も同行しよう」

スターダスト「腕はあるか」

ドルべ「無い…しかし!私には知恵がある」

スターダスト「そっちは」

シャーク「地元じゃ高校生も俺にビビって道をあけるぜ」

ブオオオオオオオオオオオオ

クリアウィング「落ちんじゃねえぞ?飛ばすからよ」

シャーク「誰に言ってんだ?俺は神代凌牙だぞ」

レッド・デーモンズ「どうだ!」

ドルべ「アアアアアアアアアア!!!」

ハマ「悲鳴上げてやんの」

アーマード・ウィング「へっへっへ」

スターダスト「フッ」

「やっべチームサテライトだ」

「逃げろ逃げろ」

シャーク「どいつもこいつも避けてくな」

クリアウィング「だろ?だから最強なんだよ」

シャーク「てめえは強くねえだろ」

クリアウィング「はあ?だったらここでやるってのか!」

シャーク「おう!下ろせよ」

スターダスト「ストップ」

レッド・デーモンズ「むっ」

ドルべ「うわっ!?急に止まらないでくれ」

ブラック・ローズ「…」

スターダスト「…」

シャーク「何だあいつは」

クリアウィング「ブラック・ローズって言って女総長だ」

ドルべ「凄まじい数だな…というか女のか!?」

レッド・デーモンズ「どう見ても女だろ」

ドルべ「いや違う。女のわけがない!いい加減にしてくれナッシュ!」

シャーク「何で俺なんだよ」

ハマ「うちのライバルチームだぜ」

アーマード・ウィング「と言ってもスターダストにホの字なんだぜ?厳つい見た目してっけど女なんだな」

ブラック・ローズ「今日こそは縄張りを頂くわよ」

スターダスト「俺達は自由を求めているだけだ。邪魔をするな」

ブラック・ローズ「自由ですって?そんなものは私が許さないわ」

スターダスト「いい加減にしろ。何かあると俺達…いや俺にばかりお前は襲いかかってくる」

ブラック・ローズ「自意識過剰ね」

スターダスト「今日中にやらねばならない事がある。レッド・デーモンズ」

レッド・デーモンズ「準備運動と洒落込むか」

ドルべ「ひ、避難するぞ!」

シャーク「てめえらの腕を見させてもらうぜ」

ドルべ「これは…」

シャーク「相手は30人近く居るってのに何て強さだ」

「はぁはぁ…総長ってば何でまあスターダスト達に喧嘩ばかり…俺達が持たないよ」

シャーク「おい」

「何だお前!?チームサテライトの新入りか!」

シャーク「そんなんじゃねえよ。あいつらが街の頂点ってのはマジか?たった5人で」

「ああ…親衛隊長のレッド・デーモンズ・ドラゴン…怪力無双のレッド・デーモンズって言ったら有名だぜ。奉行所の同心を相手に大暴れして南町奉行所を全焼させちまったんだぜ?」

ドルべ「江戸…そういえば寝る前にナッシュは時代劇を見ていたな。バイクにチームに江戸…ナッシュの夢は友人として精神鑑定にかけたいぐらいだ」

「特攻隊長のBF-アーマード・ウィング…鉄砲玉って異名があってな、とにかく先陣切って突撃してくるんだよ」

「リーダー補佐のB・F-降魔弓のハマ…喧嘩屋の異名通りピカイチの喧嘩っぱやさと手加減のしなささで有名だ。こいつとアーマード・ウィングが花札衛組に殴り込んだって話だぜ」

「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン…異名は火の玉小僧だ。次期チームサテライトの頭だって専らの評判だぜ」

シャーク「あいつだけ役職ねえのかよ。いや職じゃねえか」

ドルべ「随分と詳しいんだな」

「ま、まあな!へへへ」

スターダスト「俺はシンクロ城の2人に勝負を挑む」

ブラック・ローズ「あの2人に!?やめなさい!あの2人は勝てない!あなたやレッド・デーモンズでさえ無理よ!」

スターダスト「やって見なければわからない…それが俺達モンスターだ!」

「そしてリーダーのスターダスト・ドラゴン…頭脳明晰、喧嘩の腕も最強、異名は色々とありすぎて困るって話だ。ちなみにダンスが死ぬほど苦手らしいぜ?阿波踊りはできるらしいけどよ」

シャーク「5人で最強のチーム…面白え連中に出会ったかもしれねえな」

スターダスト「到着だ」

レッド・デーモンズ「で?どうする」

スターダスト「俺達はいつだって正面からの勝負を仕掛けているだろ?いつも通りだ」

アーマード・ウィング「ああ」

ハマ「暴れてやっか!」

クリアウィング「よーし行くぜ!」

スターダスト「そしてサタンを炙り出す」

シャーク「見ろよ」

ドルべ「あれはモンスターか!?まるで岡っ引きだぞ」

レッド・デーモンズ「ゴヨウモンスターだ」

シャーク「あの岡っ引きモンスターが俺らで言うポリ公ってわけか」

レッド・デーモンズ「騒ぎを聞きつけて警護を強化しているのだろう」

シャーク「どうすんだ」

スターダスト「言っただろ?正面突破だと」

ドルべ「あの数では…それに君達は先の戦いで」

スターダスト「数ではない。気合だ」

アーマード・ウィング「じゃ、何時もの行くか」

ハマ「チームサテライトだァ!当たると痛えぞォ!!」

シャーク「ポリ公怖くて不良やってられっか!」

アリト「うるせえなナッシュは」

ミザエル「これで寝言なのか」

ギラグ「仕方ねえ大将だぜ」

ドルべ「うぅ…恐ろしい連中だ…モンスター…ドラゴン族…」

ミザエル「ドラゴン族だと!?」

アリト「ほらドラゴンに反応してやがる」

シャーク「おい、クリアウィング!俺も手を貸してやるぜ!」

アリト「何か楽しそうだな」

ギラグ「放っておこうぜ」

ミザエル「ああ」

ギラグ「暇潰しが一つできたな」

アリト「夢の話か?」

ギラグ「それしかねえだろ」

ミザエル「ドラゴンだな」

アリト「ドラゴンドラゴンうるせえな!」

ミザエル「お前には一生わかるまい」

アリト「わかりたくもねえよ!」

翌日

ドルべ「返却する」

カイト「死んだか」

ドルべ「いや生きている…死んだ?死んだとは何だ」

カイト「随分と疲れているな」

ドルべ「ナッシュの夢があまりにも意味不明でな」

カイト「近親相姦兄妹タイプだぞ。俺は確かに璃緒が凌牙を殺す107の法をインプットしていた筈だが」

ドルべ「君はナッシュに恨みでもあるのか」

カイト「で?その夢とは何だ」

ドルべ「モンスターが生息する近未来風の街に居た。だが警察官が岡っ引きだったり城だったり奉行所だったりと」

カイト「…」

ドルべ「それだけじゃない!モンスターの大半が暴走族のような…」

カイト「もういい」

スッ

ドルべ「これは?」

カイト「精神安定剤だ。お前はイかれている」

ドルべ「待て!本当にナッシュの夢なんだぞ!?」

カイト「同時にお前とも連動していた。お前の不安定な精神状態が装置にバグを起こしたのだろう」

ドルべ「私は頭が変になったのか…そんなまさか」

カチャカチャ

ドルべ「何をやってるんだ」

シャーク「こいつの整備だよ」

ドルべ「バイクじゃないか!?」

シャーク「俺の乗ってるのは免許いらずのバイバイクだよ。そんなに驚くんじゃねえよ」

ドルべ「まさか彼らに感化されて」

シャーク「そんなんじゃねえよ」

ドルべ「…」

シャーク「何だよ」

ドルべ「君だよ」

シャーク「はあ?」

ドルべ「君だ!私のストレスの大半は君が原因!幾ら親友でも我慢の限度がある!」

ゴンッッ

シャーク「て、てめえ…スパナで人の頭を割るか普通!?」

ドルべ「私と勝負しろ!」

シャーク「売られた喧嘩は買うぜ…で?今からやるのか」

ドルべ「明日…ハートランド川の五本松で私は待つ」

璃緒「それでスパナで頭を殴られて」

シャーク「あいつ本気でやろうとしたぜ」

アリト「ドルべみたいなタイプは怒らせると厄介だもんな」

シャーク「明日だとさ」

ベクター「強ち間違いじゃねえわな」

シャーク「てめえは何処から来るんだ」

ベクター「寝ても覚めてもナッシュナッシュ…これだけは昔から何も変わらねえ」

ギラグ「こっちの気でもあるんじゃね?」

ベクター「ああ見えてペガサスナイトだったんだぜ?ペガサスを自在に乗り回しやがったのは後にも先にもドルべしかいねえ…ありゃ強かったぜ。英雄って言われてたからよぉ」

アリト「そんなにヤバい奴だったのか昔のドルべって」

ベクター「…だから周りの仲間から疎まれちまったんだろうよ」

ミザエル「よく知ってるな」

ベクター「ポセイドン王国を潰すにはペガサスのドルべをやれ…これは俺らの時代で天下統一しようとしてた連中の口癖だ。とりあえずポセイドンの同盟国じゃ最も恐れられてたぞ?寒気がする程の剣の腕だったからな」

アリト「けど今じゃ大人しい奴だぜ?俺らが始めて会った時もそこまで」

ギラグ「ガミガミうるせえタイプだな。今も昔も」

ベクター「強すぎる頭が良すぎるってのも罪なもんよ。てめえの知らず知らずの内に内面に押し込めちまったんじゃね?」

ミザエル「あいつは私達を信じていないのか?長い付き合いの…私達を!」

ベクター「心の傷ってのは簡単には治らねえよ。てめえらにも覚えがあるんじゃないの?最も俺はそーいうのに縁はねえけど」

シャーク「…」

カイト「剣?」

シャーク「騎士が持ってそうな剣…あるだろ?」

カイト「あるわけないだろ」

シャーク「ボンボンの癖に持ってねえのかよ」

カイト「喧嘩するならバットでもいいだろ」

シャーク「剣が必要なんだよ」

カイト「相手を殺せば天城家の権力も通用せんぞ」

シャーク「ゴタゴタ言ってねえで出せばいいんだよ!御託並べやがって、てめえは察する事もできねえのか!」

カイト「…」

シャーク「何処行くんだよ」

カイト「着いて来い」

シャーク「…」

カイト「バリアンの遺跡から剣が発掘された。そいつを渡す」

シャーク「そんなのあるのかよ」

カイト「ああ」

シャーク「最初から渡せ」

カイト「人に頼む時ぐらい頭を下げろ」

シャーク「てめえも頭下げねえだろ?一緒じゃねえか」

カイト「俺は自力でやる」

シャーク「ああ言えばこう言うってか」

小鳥「ドルべが居るわ」

遊馬「おーい!」

ドルべ「…」

遊馬「何やってんだよ」

小鳥「1人だなんて珍しい」

ドルべ「ナッシュを待っている」

遊馬「シャークを?」

ドルべ「明日…私はナッシュと戦う」

小鳥「本当に!?」

ドルべ「男に二言はない」

遊馬「ここでか?」

ドルべ「そうだ」

遊馬「仲良いってのに喧嘩か?」

小鳥「らしくないよね」

ドルべ「男には引き下がれない時があるんだ…なあ遊馬」

遊馬「ああ!」

ドルべ「私は明日まで待つ、この場所で」

遊馬「1人で大丈夫か?」

ドルべ「大丈夫。だから君も見に来てくれ」

シャーク「…」

ミザエル「その包みは何だ?」

シャーク「別に」

璃緒「まるでピクニックね。朝早く起こされたと思ったらお弁当作らされて…」

アリト「天気も良いしいいんじゃね?腹減ったから食わしてくれよ」

璃緒「さっき食べたばかりでしょ」

アリト「腹減ったよな?なあナッシュ?」

シャーク「…」

アリト「しんみりしちまって…」

ギラグ「お前は気楽でいいよな」

ミザエル「珍しいな」

ベクター「ナッシュとドルべの喧嘩なんて始めて見るからな」

ミザエル「…少しは見直した」

ベクター「気色悪いからやめてくんねえか?それとも俺に惚れちまったてかぁ?女みたいな顔してっからソッチの方に趣味があると思ったら…悪りいけど男に興味ねえから」

ミザエル「貴様!」

ベクター「ま、丸坊主にするってんなら俺のパンツやるぜ?どうだミザちゃん」

ミザエル「貴様はゲスだ!この場で首を跳ね飛ばしてくれる!」

ギラグ「うるせえ!少しは静かにできねえのか!?」

カイト「…」

Ⅳ「へえ凌牙とドルべがやり合うってのはマジか?」

カイト「何処で嗅ぎつけた」

Ⅳ「兄貴情報」

カイト「クリス…そういえば最近見ないな」

Ⅳ「家に閉じこもってるぞ。来るか?」

カイト「いい」

遊馬「Ⅲは居ねえのか?」

Ⅳ「塾だよ塾」

遊馬「塾?何で」

Ⅳ「あいつは俺ら家族の期待の星だからな。受験対策ってやつだ」

小鳥「そういえばⅣは家族の中でも学が無いよね」

Ⅳ「…」

小鳥「ご、ごめん」

Ⅳ「小せえ親父に働かねえ兄貴に未成年の弟を支えてるのは誰だ?俺だろ?」

小鳥「う、うん」

カイト「頻繁に璃緒と会ってるらしいな」

Ⅳ「し、知らねえな」

カイト「この街でオボットの監視から逃れる事は不可能だ。それにお前は誰よりも目立つ」

Ⅳ「こいつは何考えてるかサッパリだぜ」

シャーク「ずっと立ってたのかよ」

ドルべ「ああ」

シャーク「こいつ受け取れよ」

ドルべ「…」

シャーク「…」

ドルべ「こ、これは!?」

シャーク「遺跡から見つかったんだとさ」

ドルべ「私の剣…」

シャーク「見せてくれよペガサスナイトの実力ってやつを」

ドルべ「君を斬れというのか」

シャーク「ああ」

ドルべ「…」

シャーク「ビビってんのか?来いよ」

ドルべ「死ぬぞ」

シャーク「そう簡単に死んでたまるかよ」

ドルべ「本気なんだな…こいつを握れば私は人が変わる!」

ヒュッッ

シャーク「…」

ドルべ「ナッシュ!!!」

ミザエル「見えなかった…ドルべの剣が」

ギラグ「俺も戦国の世を生きてたから解るぜ…あんな素早いの見た事ねえ」

ベクター「だから言ったじゃねえか」

シャーク「斬れよ」

ドルべ「友人を斬れるわけない…この剣は」

シャーク「この剣もどの剣も俺には関係ねえよ」

ガシッ

ドルべ「!?」

シャーク「てめえが俺を叩き斬れねえんだったら俺が剣をへし折ってやるよ」

ドルべ「やめろナッシュ!君の指が落ちるぞ!!」

シャーク「こいつが折れるか俺の指が落ちるか…二つに一つだぜ」

ドルべ「早まるな!指が落ちれば二度とデュエルが」

シャーク「だったら手加減してんじゃねえよ!」

バキッッ

ドルべ「グハッ!」

シャーク「立てよドルべ」

ドルべ「…ッッ」

シャーク「いいから来いよ」

ドルべ「こ、この」

シャーク「チッ!てめえは!!」

ドルべ「おおおおおおおお!!!」

シャーク「何でもかんでも1人で背負いやがって!何が裏切られたからだ!この馬鹿野郎が!!」

ドルべ「ぐっ…ナッシュ!」

シャーク「ブフッ!」

ドルべ「君に私の何がわかるんだ!?自分勝手な行動ばかりして…君はリーダーなんだぞ!」

ガシッ

シャーク「責任責任うるせえんだよ!」

ゴスッッ

ドルべ「くっ…」

シャーク「んなもんはクソくらえだぜ!」

ドルべ「ナッシュ…!」

シャーク「じゃあなドルべ」

ドルべ「私は…」

アリト「ナッシュのハイキックだぜ…あんなのドルべが食らったらひとたまりもねえよ!」

ベクター「こいつはタイマンだぜ?落ち着けよ」

アリト「けどよ!」

ベクター「こっからがドルべの真骨頂ってやつだ」

シャーク「くたばれ!」

ガッ

シャーク「!?」

ドルべ「君の攻撃パターンは知っている…何が来るのか…君の技を!技巧派の君の攻撃パターンは全てお見通しだ!」

シャーク「やってやる気になったなドルべ」

ドルべ「今日だけは昔の私に戻らせてもらう」

シャーク「騎士として挑むってか?だったら剣を拾えよ」

ドルべ「素手だ。騎士だからと言って全員が全員持っているわけじゃない!!」

ミザエル「ドルべ…あの眼は普段のドルべとは違う」

ギラグ「おい解説」

ベクター「少しは自分で考えろよ」

璃緒「…」

アリト「おい!解いてくれよメラグ!ドルべが死んだらどうするんだよ!?ナッシュの馬鹿野郎!マジでやる事ねえじゃねえか!!」

璃緒「大丈夫よ」

アリト「ドルべがボコボコにされてんだろ…あれ?」

璃緒「凌牙を圧倒してるわ」

アリト「マジだ…しかもナッシュも手加減してる気配がねえ!」

ギラグ「やるもんだな…ドルべも」

ベクター「…」

小鳥「殴って気絶させる事ないじゃない!」

遊馬「…」

カイト「ドルべの開花の邪魔をする気だったからな」

Ⅳ「もし死んだらどうしてたよ」

カイト「その時はその時だ」

Ⅳ「…」

カイト「あいつは生真面目すぎる。凌牙と璃緒の件にしても他の連中にしても…大切にする気はあるのか」

Ⅳ「そんなんじゃねえよ。俺は暇潰しに妹を」

カイト「お前が居る限り安泰だろ。凌牙もお前が璃緒の男なら内心では祝福する筈だ」

Ⅳ「色々と重いんだよ。まるで結婚する感じじゃねえか?俺ら若者だぜ?」

カイト「…」

Ⅳ「考えても見りゃたった1人の肉親よ、多少なりともお互い過保護になるもんじゃね?俺もお前も片親同士だから何となくわかるだろ」

カイト「ああ」

Ⅳ「いつかは兄離れ妹離れするもんだ…まあ凌牙の件も任せとけよ」

カイト「何をする気だ」

Ⅳ「極東チャンピオンってモテるんだぜ?合コンでも開いてパッと…どうだカイトも?(どうせ行かねえだろうけど一応聞いてやるか…)」

カイト「構わんぞ」

小鳥「!?」

Ⅳ「は?な、何だと?お、お前…嘘だろ!?からかってんじゃねえだろうな!?」

カイト「2度は言わん」

シャーク「夢の続き…覚えてるか…」

ドルべ「あんな夢は一緒見ないだろう。立てるかナッシュ」

シャーク「顎がバカになるところだったぜ」

ドルべ「すまない」

シャーク「あいつら今を懸命に生きてたな自由を求めて」

ドルべ「…」

シャーク「現代に適応するってのも悪くはねえ…だがな俺らは10代だぜ?一生で一度しかねえ10代だ」

ドルべ「…」

シャーク「一瞬の輝きだ…成人すりゃ嫌でも社会の壁にぶち当たる。現代の人間ってやつはな…昔と今とじゃ10代のガキの価値観なんて違うんだよ」

ドルべ「ああ」

シャーク「スターダストは権力を相手に大暴れしやがった。あのドラゴン兄妹を誘惑したサタンをぶちのめして生態系を守った…若いから出来る芸当だ」

ポンッ

シャーク「夢の中の連中だったかもしれねえが確かに熱さを持ってやがった。見てくれはモンスターだったが俺らと大差ねえよ」

ベクター「本当にお似合いのコンビだぜ」

ドルべ「ベクター…」

ベクター「昔も今もバリアンの頃もお前らは2人揃えば負けねえんじゃね?宿敵が言うんだから間違いねえよ」

シャーク「遊馬とアストラルのコンビには負ける…いや負けねえか」

ベクター「そいつは自分で考えろよ。何でも俺に質問するなよ?専門家じゃねえんだからよぉ~」

アリト「あー腹減った。飯にしようぜ飯に」

ミザエル「さっきから見ている連中は何者だ」

ギラグ「この辺じゃ見ねえ顔だ」

ベクター「あいつら今、売り出し中のクリストロンってチームだ。人数は少ねえがヤバい連中だって聞いたぜ」

シャーク「降りて来やがった」

ドルべ「…」

「やるなお前ら」

シャーク「勧誘か?」

「この街も俺らが制覇する。文句あるか?」

シャーク「…」

璃緒「出番よアリト!さっさと食べて行きなさい」

アリト「返事はこうだぜ!」

シュッ

「ッッ!随分と活きがいいな!」

アリト「舐めんなよ!俺らは天下無敵の七皇だ!!」

ギラグ「そういうわけだ。並の中坊とは違うぜ」

ドルべ「行くかナッシュ」

シャーク「…ああ!」

Ⅳ「元気な事だぜ」

遊馬「殴る事ねえだろ!」

カイト「…」

遊馬「痛えな!タンコブできてるぜタンコブ」

小鳥「酷い!」

カイト「…」

Ⅳ「どうする?俺らも行くか」

カイト「放っておけ」

遊馬「大乱闘じゃねえか」

カイト「今回は七皇のヤマだ。俺達が手助けする必要はない」

遊馬「そうか?て言うかタンコブ」

カイト「唾でも付けとけ」

遊馬「そんなんじゃ治らねえよ」

小鳥「本当よ!幾ら遊馬が石頭だからって」

カイト「昼飯を奢ってやる。これで文句ないだろ」

遊馬「本当か!?」

Ⅳ「太っ腹だな、ケチくさいカイトにしては」

カイト「お前は自腹だ。中学生の小遣いとプロの年収では雲泥の差がある」

Ⅳ「やっぱケチだなお前」

カイト「何が悲しくて俺より稼いでいる奴に奢らねばならんのだ」

数日後

シャーク「そんでシンクロ城で大暴れよ。向かってくる奴らをギタギタにして前に進んだってわけだ」

アリト「うんうん」

シャーク「それで出現したのはサタンだ」

アリト「サタンってモンスターか?」

シャーク「大老ジャン・ミシェル・ロジェってモンスターよ。見た目からして戦士族だな」

アリト「聞いた事ねえな」

シャーク「将来的にハゲそうな頭で悪趣味な紫色の服着て背も高くてな。言ってみればシンクロ城のナンバー2だ」

アリト「何でサタンなんだ?悪魔族じゃねえのか」

シャーク「アダムとイヴに禁断の果実を食わせたようにドラゴン兄妹を禁断の関係に導いたんだよ。だからスターダストはサタンって呼んでるんだとさ」

アリト「へえ…アダムとイヴって誰だ?」

シャーク「とにかくだ!そいつは近親相姦ってモンスターの界隈じゃ神の領域って言われてる道に踏み外させてモンスターの生態系を崩そうってしたわけだ!何でやったと思う」

アリト「スケベだからだろ」

シャーク「そんなわけねえだろ!ドラゴン兄妹ってのは巨体のわりにモンスターの中じゃ子供だったんだよ。で、ナンバー2のそいつがコントロールして自分の天下を取ろうとしたってわけだ。大老ってのは将軍の補佐だからな。上に立つより何かと便利なんだろ。相手がガキなら尚更だぜ」

アリト「どうしたんだ?」

シャーク「野郎は将棋が得意だった。スターダストと将棋で勝負した」

アリト「うんうん」

シャーク「って言ってもものの3分でスターダストの右フックが野郎に直撃、シンクロ城の壁を突き破って転落死したけどな。回りくどい計画の結果が転落死なんて惨めなもんだ」

アリト「ドラゴン兄妹はどうなったんだ?」

シャーク「レッド・デーモンズを追い込んだが結局は場数の差でレッド・デーモンズが勝った」

アリト「死んだのか?」

シャーク「2人とも引き取られたっぽいぜ」

アリト「ハードな夢見てんな!ナッシュが1番能天気じゃねえか!」

ドルべ「…」

ミザエル「もう心配はないのか」

ドルべ「ああ…きっとな」

ミザエル「…」

ドルべ「近親相姦は生態系を狂わせる。それは恐らく人間も」

ミザエル「近親者同士で子作りをし滅んだ集落も過去に大勢あるからな」

ドルべ「ああ」

ミザエル「しかし驚いた」

ドルべ「?」

ミザエル「お前の本来の強さとベクターのお前達への情」

ドルべ「付き合いが長いからな」

ミザエル「ああ」

ドルべ「かなり面倒な男だが…」

ミザエル「それは言えてるな。あいつは読めない」

ドルべ「ベクターの心を読める事はない。敵対していた頃からトリッキーな奴だった」

ミザエル「しかしベクターの本来のドルべに対しての畏怖は何なのだ」

ドルべ「それは…あれだろうな」

ミザエル「あれ?」

ベクター「これを見ろよ」

ギラグ「何だそれ」

ベクター「この脇腹の傷がドルべの一撃よ」

ギラグ「そんなわけねえだろ?だって俺らは」

ベクター「こいつは何度生まれ変わっても浮いてくるタイプの傷だろうよ。ドルべはしつけえんだよ」

ギラグ「呪いじゃねえか」

ベクター「呪いだろうな」

ギラグ「ま、ドルべの怖さがわかったぜ」

ベクター「あんまし調子に乗ると頭をぱっくりされるぜ?ナッシュみたいによ」

ギラグ「あ、ああ」

シャーク「璃緒はどうした?腹減ったぞ」

アリト「出かけちまったんじゃね?きっとⅣだ!あいつ…飯時にメラグを拉致るなんて酷い事しやがるぜ!」

ギラグ「拉致じゃねえだろ」

シャーク「Ⅳの野郎…!」

ドルべ「メラグの貞操の危機だぞナッシュ!」

シャーク「行くぜお前ら!」

ベクター「今日の標的はⅣか?」

シャーク「ああ!」

ドルべ「Ⅳだけは認められない…断じて」




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