北条加蓮「最近、肩こるんだよね」 (44)


*奈緒の部屋

神谷奈緒「ふーん」

加蓮「ちょっと奈緒! もう少しアタシに興味持ってよ!」

奈緒「いや、だってさ、毎日パソコンと向かい合っていれば肩くらいこるだろ?」

加蓮「……もしかして、奈緒も肩こりあるの?」

奈緒「いっそのこと、熟練者だと名乗っても良いくらいだな」

加蓮「ふーん」

奈緒「興味持てよ! お前が聞いてきたことだろ!?」





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加蓮「マッサージ店とか行ってみようかな」

奈緒「無視すんな! と言うか、事務所にエステルームみたいなのあるだろ?」

加蓮「えぇ……。だって、あそこは川島瑞樹さんとか菜々さんとかいつも居るから、行きづらいし」

奈緒(菜々さん……もう少し十七歳らしくしてくれよ……)

加蓮「そうだ、奈緒。アタシの肩揉んでよ」

奈緒「なんでだよ!」




加蓮「いいじゃん。けち~」

奈緒「あたしも肩こり持ちだって言ってんだろ!」

加蓮「後でアタシも揉んであげるからさぁ」

奈緒「……本当か?」

加蓮「ほんとほんと。アタシ頑張るよ?」




ガチャ

渋谷凛「島村卯月、がんばります。で、何の話してたの?」

加蓮「奈緒に肩揉んでもらうの」

凛「へぇ。奈緒、応援しているから」

奈緒「おい、何事もなかったかのように会話に参加すんな」

凛「私たちトライアドプリムスだよ?」

奈緒「関係ないだろ! あと、トライアドはもうやらないからな?」

加蓮「初見の人に説明するとね、奈緒は事務所で事務員のバイトしているから『今はまだ』アイドルじゃないんだよね」

奈緒「初見って何だよ!? なんで『今はまだ』を強調した!?」




加蓮「そんなわけでアタシは奈緒に肩を揉まれることになったのだ」

奈緒「なってないだろ!?」

加蓮「えー、奈緒の気持ち傾いていたじゃん」

奈緒「でもさ、よく考えると肩揉みって疲れるし、あたし文香さんから借りたラノベ読みたいし」

加蓮「アタシだって橘ちゃんから漫画借りているんだよ!」プンプン

奈緒「なんでそこで怒るんだよ……」




凛「奈緒の肩は私が揉んであげるから、奈緒は加蓮の肩揉んであげなよ」

加蓮「流石凛、分かってる」

奈緒「もう凛に揉んでもらえよ……」

加蓮「アタシは奈緒に肩を揉んでもらいたいの!」

凛「私も奈緒の肩しか揉まないよ?」

奈緒「ああ! こいつら面倒くさい!」




奈緒「……仕方がない。やってやるよ」

加蓮「やったー」

凛「良かったね、加蓮」

加蓮「うん」

奈緒「はぁ……。それじゃあ、やっていくからな」

奈緒(女の子座りをしている加蓮の後ろに回り、両肩に手をかける)




奈緒「……こうして触れると、やっぱり加蓮って華奢、って言うより細いよな」

加蓮「これでも体鍛えたんだけどなぁ。あ、奈緒の手あたたかくて気持ちいい」

奈緒(手のポジションはそのままで、首と肩の付け根を、親指を使って揉んでみる)

加蓮「あっ……」

奈緒「力加減はどうだ?」モミモミ

加蓮「あ……ちょうど、いい感じ、だ、あっ、よ……あん……」ハァハァ

奈緒「変な演技すんな!」

加蓮「バレたか」テヘッ




奈緒「たく……。ん? 加蓮なんかここに、しこりみたいなのないか?」

奈緒(肩首の付け根の下を揉んでいたら、軽いしこりみたいなのにぶつかる。骨でもないし、なんだこれ? 腫瘍? いやいやいや)

加蓮「あ、ほんとだ何だかコリコリしているね」

凛「菜々さんが言っていたけど、肩こりが過ぎるとしこりみたいなの出来るらしいね」

奈緒「……あの人は何でも知っているな」

奈緒(流石十七歳。それはともかく、このしこりの部分が肩こりの原因みたいなものなのか? 揉みほぐしてみるか)

奈緒「む、ここだけ本当に硬いな」モミモミコリコリ

加蓮「うっ……ちょっと痛いかも」

奈緒「さっきとあんまり力加減は変えていないぞ?」

凛「それだけこっているんだよ、多分」

加蓮「そこ押されると頭にキーンと痛みがくるけど……諸悪の根源って感じするから、アタシ頑張るよ!」

奈緒「意味分からないけど、ほぐしてしまっていいんだな?」

加蓮「うん、お願い」

奈緒「了解」モミモミ




奈緒(普通に揉んでいても一向にほぐれる気配がないので、少しずつ力を入れて揉んでいく)

加蓮「……くっ……うぅ……痛い……ぐすっ……」

奈緒「泣いてんじゃねぇか!? 止めるぞ」

加蓮「あ、ごめん。冗談だから」

奈緒「……次やったら、本当に止めるからな」

加蓮「はーい」

加蓮(本当は結構痛かったけど、後半少し楽になったから我慢我慢)

奈緒「たくっ……」グリグリ

奈緒(しこりの部分を念入りに押していく)

加蓮「うっ……地味に痛い……けど、ほぐれている感じするかも」

奈緒「ちょっとずつ柔らかくなっているな」グリグリ

加蓮「あ、気持ちよくなってきたかも」

奈緒「……」グリグリモミモミ

凛「奈緒、集中しているね」

加蓮「あぁー、血行が良くなっていく感じがする……」キモチイイ



まさかチャットの続きが見られるとは

>>11
バレてる!?

今回番外編なので短いです


奈緒「……どうだ? 大分楽になったんじゃないか?」トントン

奈緒(何となく肩叩きもしてやる。終わったところで、加蓮が肩を上下に動かしてみていた)

加蓮「うわっ、びっくりするくらい肩が軽くなった!」グルグル

奈緒「そりゃ良かった。だけど、こういうのは本当ならプロにやってもらうべきだよな」

奈緒(今回は肩こりだったけど、しこりが病気である可能性もあるので、そういう時はメンタルへ……じゃなくて病院へ連れて行こう)

凛「按摩の免許だっけ? 奈緒はいつ取るの?」

奈緒「取るつもりはないから」

加蓮「いやいや、奈緒だったら取れるって! 肩が軽くなったアタシが保証するよ」

奈緒「なんであたしが免許取る前提なんだよ。あと、それ喜んで良いのか微妙だな」

加蓮「喜んでよぉ! あ、奈緒、肩甲骨が気持ちいいって聞くからやってよ」

奈緒「人を好き勝手に使おうとすんな! ええと、ここか?」グッグッ

凛「そう言いながらもやるのがやっぱり奈緒だよ」

奈緒「ほっとけよ!」モミモミ

奈緒(肩甲骨に沿って、親指で指圧していく。よく分からないけど、ここも多分こっている気がする)

加蓮「うん、そこそこ~」フワァー

凛「加蓮、気持ちよさそうだね」




奈緒「はぁ……疲れてきた」グッグッ

奈緒(でも、肩甲骨もほぐれたのか、大分柔らかくなっている。一仕事終えたような気分だ)

加蓮「ふわぁ……気持ちよかったぁ……」ボヘェ

奈緒「……満足してもらえたようで何よりだ」

奈緒(加蓮、すっかりとろけてしまっているな)

凛「それじゃあ、約束通り私が奈緒の肩揉んであげるよ」

奈緒「悪いな」

凛「別にいいよ。……奈緒、こってるね」モミモミ

奈緒「あぁ……そこそこ……最近は書類仕事もやっていたからな」

加蓮「『奈緒に肩もみしてもらったなう』と」ポチポチ

奈緒「肩揉んでやったばかりなんだから、ケータイ使うのは控えてろよ」

奈緒「……凛、そこもっと強く頼む……ああ、いい感じだ……どうでもいいけど、なうとか滅茶苦茶懐かしい響きだな」

加蓮「『奈緒が気持ちよくなっているなう』と」ポチポチ

奈緒「やめろよ! その誤解を招くような呟き!」

加蓮「大丈夫だよ。クローネのLineに書いているだけだから」

奈緒「よりにもよって! 厄介な奴らがいるところじゃないかっ!?」




凛(後日、奈緒は志希デリカにからかわれていたけど、まぁ、いつものことだね)

加蓮「ねぇ、奈緒。また肩揉んでよ~」

一ノ瀬志希「アタシも~」

宮本フレデリカ「フレちゃんも~」

奈緒「誰がやるかー!」

志希「ほわわ~ん」

フレデリカ「きもちいー♪」

加蓮「すっごい気持ちいいよ、奈緒。腕上げたんじゃない?」

奈緒「くそっ、こいつら満喫しやがって!」モミモミ

加蓮(そう言いながらも、皆の肩を揉んであげる奈緒なのでした)



                                終わり




マッサージをするトライアドの姿が見たかっただけなんだ……

↓は加蓮が肩こりをすることになった原因

神谷奈緒「チャット」
神谷奈緒「チャット」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473564844/)
神谷奈緒「オフ会」
神谷奈緒「オフ会」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474875110/)

(文香の人格が入れ替わったり、ありすが凛などに進化するSSは別世界設定です)


まさか続編が見れるとは、志希もクローネに所属してるのか
フレデリカはフリーダムだな…トライアドしたけどバイト扱いのなのね奈緒

前作を覚えている方が多くてとても嬉しく思います

>>19
奈緒がクローネに所属していない影響ですね

奈緒が事務員の時点ですぐわかった

でだ、加蓮が漫画を橘に借りた言っていたがどっちの橘なんだ?
本物橘なのかチャット橘なのか

>>23
チャット橘
本物からチャット橘が借りて、それを加蓮にまた貸ししたら後日本物に怒られたという無駄な設定

192:名無しNIPPER[sage]
2017/02/27(月) 05:16:01.17 ID:C3Qgn93+o
体調崩してインフルかかったわ全裸待機も考えものだな

193:名無しNIPPER[sage]
2017/02/27(月) 09:45:10.25 ID:mN/pAbMHo
>>192
そのインフルエンザウィルスを、全身くまなくじっくりと調教してやるんだよ。
そして「もう二度とご主人様(の体内)で悪戯なんてしません」って誓わせろ。
そうすりゃこっちのもんよ。
(訳:ちゃんと治すんだぞ、お大事に)


*おまけ(前作読んでいる人向け)

strawberry:今日、ありすさんにとんでもなく怒られてしまいました……

benio:その口調でありすさんとか言われると何がなんだかだな

karen:橘ちゃん、ありすさんに何かいたずらでもしたんでしょ? 駄目だよ

strawberry:違うんです! ええと、昨日karenさんに漫画貸したじゃないですか?

karen:うん。ちょうどさっき読み終わったよ。ちょー面白かった! 続き読みたい!

strawberry:それ、ありすさんの漫画なんですよ

karen:えぇー!? あたし聞いていないよ!?

benio:漫画のまた貸しとか、許されざる行為だぞお前

strawberry:違うんです(2回目)! 貸したこと自体を怒られたのではなく、その本だったのが問題だったようで

benio:? 何の漫画を貸し借りしていたんだよ?

strawberry:プリティでキュアキュアの漫画版

benio:あぁ……。まぁ、そういうのが恥ずかしい年頃だもんな

strawberry:『私のクール・タチバナのイメージがぁ!』って叫んでいたよ~

benio:……karenの先輩だからあんまり突っ込みたくないんだけど、どっちかと言えばキュート・タチバナじゃね? 事務所に一緒に居る時とか妹みたいでめっちゃ可愛いぞ

karen:何それ見たい! でも、そういう漫画読んでいてもありすさんはクールでカッコいいと思うけどなぁ

strawberry:にゃはははっ。ありすちゃんに心配ないよって伝えておこうかな~


奈緒(後日、加蓮とありすさんと橘がプリティでキュアキュアな会話をしていたので、和解は成功したようだった。あたしも文香さんと借りたラノベの話をするかな)



*事務所

文香「奈緒さん、お疲れ様です」

奈緒「あ、文香さん、お疲れ様です。そうそう、この間借りた本読み終わったんで──」

文香「さ、先ほど! フレデリカさんからお聞きしたのですが……」

奈緒(うぉ、珍しいな。文香さんが食い気味に話すなんて)

文香「奈緒さんは……とても指圧がお上手、とのことでしたが……」

奈緒(文香さんがそう言ってモジモジする。指圧って、肩もみのことだよな? 最近、あいつらに毎日ねだられていたから無駄に上達したんだよな)

奈緒「一応、そこそこ上手になってきている気はしますね。実際に確かめてみますか?」

文香「よろしいのですか!?」

奈緒(めっちゃ顔輝かせているな。まぁ、この人なら肩こりに悩まされているだろうさ。何と言うかそのボリューム的に)

奈緒(文香さんには椅子に座ってもらい、両肩に手を置く。この人も随分細い身体をしているんだな。加蓮の時と同じように、首と肩の付け根からゆっくり力をかけ、揉んでいく)

文香「……あっ……ん……」

奈緒(……何と言うか、声を抑えている感じが非常にあれだ、うん)

奈緒「力加減は大丈夫ですか」モミモミ

文香「……はい……はぁ……とても、……良い……です……」




奈緒(半端なく色っぽいよ、この人!? ……それにしても大分こっているな)

奈緒「文香さん、これ日常生活に支障あるレベルじゃないですか」コリコリグッグッ

文香「……お恥ずかしいながら……ん……長年の、あっ……悩みでして……」

奈緒「滅茶苦茶こってますもんね。この辺とか痛いでしょう?」グイグイ

奈緒(しこりの部分をほぐしてみる。知る限りの肩の中では一番硬かった)

文香「……はい……っ……痛みは、ありますが……それ以上に、ほぐれていくのを……感じます……はぁ、ふぅ……」

奈緒(残念ながらあたしの技術では完全にはほぐせなかったけど、最初と比べればかなり柔らかくなったと思う)

奈緒「肩甲骨も揉んでいきますね。……ここも中々に酷いこりですね」グッグッ

文香「……奈緒さん……はぁ……とても、お上手……です……」

奈緒「喜んでもらえたなら嬉しいですよ」モミモミ

奈緒(そんな感じで約三十分揉みまくった)




奈緒「うーん、ほぐしきれませんでしたけど、そろそろ休憩時間も終わりなのでこんなところですかね」

文香「……ありがとうございます。とても心地よい時間でした……。そして、奈緒さんに強制してしまい、誠に申し訳ございません……」

奈緒「謝らないでくださいよ。あたしも肩こり持ちの辛さはよく分かりますから。それに、加蓮たちが四六時中せがんでくるのと比べたら可愛いもんですって」ハハッ

文香「……お気遣いありがとうございます。……実は、マッサージに目がなく、誘惑に負けてしまいました……」

奈緒「と言うことは、結構マッサージ店とかにも行っているんですよね? 素人のあたしじゃ力不足だったんじゃないですか?」

文香「いえ! そんなことは決してありません! ……マッサージ店にはない心地よさが、奈緒さんにはありました」ニコリ

奈緒(すっごい良い顔で微笑まれたんだけど)

奈緒「ほ、褒めても何も出てきませんよ?」

文香「……事実であり、私には何よりも代え難い時間でした」


奈緒(そんな文香さんの言葉が嬉しくて、二人きりの時は、今でもたまに肩を揉んでいる。三人組に知られるとうるさいので、これはあたしと文香さんだけの秘密だ)



                                                          本当に終わり



うん。>>29で終わろうと思ったら、絶対文香こっているだろうと思って突発で書きました
junkだけ出ていないけど、まぁ良いよね

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