【モバマス】李衣菜「なつきちはずるいよ!」 (20)


このSSはスターライトステージのアイドルコミュ第23話を基にしています。
特に最初の方はコミュ内容ほぼそのままです。まだご覧になっていない方はお気を付け下さい。


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夏樹(……今日のライブが終わってから、だりーの様子が変だった)

夏樹(打ち上げにも来ないで帰ったり)

夏樹(電話しても、口籠って黙ったままだった)

夏樹(何かある、と思ってアタシはだりーをドライブに連れていった……)


夏樹「……明けてきたな」

李衣菜「……うん」

夏樹「それで……どうしたんだ?」

夏樹「もうだんまりはナシだぜ。それとも……」





李衣菜「なつきちは!」

李衣菜「なつきちはさ……ずるいよ」


夏樹「……そうか。ずるい、か」

李衣菜「そうだよ! ずるいよ!」

李衣菜「いつだって……いつだってカッコよくて」

李衣菜「レッスンもさっさと要領よく終わらせて帰っちゃってさ!」

李衣菜「本番日でもぜんぜん緊張してないし」

李衣菜「私が遅れて行っても、仲間のみんなとロックな音楽の話してて!」

李衣菜「ステージだって、涼しい顔で大成功しちゃってさ!」

夏樹「……あぁ」


李衣菜「ロックな仲間のみんなと楽しく打ち上げやって!」

李衣菜「いつだって自分のペースで、ロックなアイドルでいられて」

李衣菜「どんな時も、ロックでカッコいいから……」

李衣菜「いつだって、まぶしいんだ……」

李衣菜「そんなの、ずるいよ……」

夏樹「……」


夏樹「……そうか」

夏樹「……それで、全部か?」

夏樹「他に言い残したことは無いのか?」

李衣菜「なつきち?」

夏樹「この際だ、言いたい事があるなら、全部言えよ」

李衣菜「……うん、分かった。ありがとう、なつきち」

李衣菜「まだ……まだ、なつきちに言いたい事があるんだ!」


李衣菜「前に、なつきちのバイクを洗車した時に」

李衣菜「さらっと、私とプロデューサーを大切な存在だなんて言ったり」

李衣菜「普段と違う、前髪を降ろした髪型を普通に見せてくれたり……」

夏樹「……え?」

李衣菜「私とプロデューサーに信頼してる、っていう事を簡単に伝えられちゃったりしてさ!」

李衣菜「と思ったら、急にプロデューサーと2人だけの空間を作ったりして!」

夏樹「いや、別にだりーを除け者にしたつもりなんて……」

李衣菜「今はそこはいいのっ!」

夏樹「い、いいのか……?」


李衣菜「あの頃の髪を下ろしたなつきちの姿をだよ?」

李衣菜「あの時には事務所内でも多分、まだ誰も見たことがなかったなつきちの姿を」

李衣菜「普段のカッコいい感じとは違うなつきちの姿を見せたりして……」

李衣菜「口先だけなんかじゃなくて、ちゃんと2人を信頼してるんだって事を見せるために」

李衣菜「いつもと違う、ギャップのある姿を平気で私とプロデューサーに見せたりしてさ!」

李衣菜「しかも、プロデューサーさんが家に行った時も髪を下ろした姿を見せてたみたいだし」

夏樹(Pさん、そんなこと話さなくてもいいだろ……)



李衣菜「ギャップと言えば!」

夏樹(なんだか、思ってた感じとは違かったな……まあ、いいけど)


李衣菜「執事の衣装での撮影があった時も」

夏樹(……言われることが想像ついた)

李衣菜「あのなつきちがメイド服を着たりしてさ!」

夏樹(やっぱり……)

李衣菜「いつもとはだいぶ毛色の違う衣装を着て」

李衣菜「照れながらも、難なく着こなしててさ!」


李衣菜「しかも、このお仕事を受けるかチェスで賭けたのにわざと負けたりして!」

李衣菜「信頼してるプロデューサーが取ってきてくれたお仕事だから」

李衣菜「プロデューサーを信じて、このお仕事を潔く引き受けてさ!」

李衣菜「普段とのギャップのある姿を見せつつ、普段通り決める所は決めて!」

夏樹「……」

李衣菜「まだ……まだあるよ!」

夏樹(なんか、話の方向おかしくないか……?)


李衣菜「ファーストフードのお店で、みおちゃんと3人で話した時も」

李衣菜「近所の子猫と仲良くなりたいっていう話をして」

李衣菜「いつものロックな雰囲気とは全然違うような……」

李衣菜「普段からは想像が付かないような女の子な面を強調したりしてさ!」

夏樹「いや、あれは強調とかそんなに深い意味はないんだけどさ……」


李衣菜「たまにロックななつきちとのギャップ萌えを見せたりして!」

夏樹(ギャップ萌え、って……)

李衣菜「でも、ギャップに頼り過ぎたりしない」

李衣菜「なつきちらしいロックでカッコいい姿でステージに立って」

李衣菜「そして、クールに決める所を決められるんだ」

李衣菜「やっぱりそんなの、ずるいよ……」

夏樹「……」


夏樹「……言いたい事は、言えたか?」

李衣菜「……うん」

夏樹「そうか」



夏樹「……アタシは何をしたってアタシだよ」

夏樹「ギターを持っていても、髪型がいつもと違くても」

夏樹「誰と組んでいても、メイド服を着ていても」

夏樹「……だりーと組んでも、アタシはアタシだよ。これまでも、この先も」

夏樹「そして、だりーとアタシとの関係も」

李衣菜「なつきち……」


夏樹「アタシは出来て、だりーには出来なくてずるいと思われることがある」

夏樹「でも、アタシには出来なくて、だりーには出来てずるいと思うことだってあるさ」

李衣菜「なつきち……」

夏樹「そして……アイドル多田李衣菜と木村夏樹でしか出来ない事もある」

李衣菜「それって……」

夏樹「そう、アタシたちのやり方でしか出来ない……」

李衣菜「Rock the Beat!」
夏樹「Rock the Beatだ」

夏樹「アタシたちはこうやって本音をぶつけ合って互いに競い合って……」

夏樹「そうやって、2人で高みを目指していくんじゃないか?」

李衣菜「うん……うん!」


李衣菜「……」

夏樹「……」

李衣菜「……ねえ、なつきち」

夏樹「なんだ?」

李衣菜「……本音で話せる相手がいるのって、いいね」

夏樹「……ああ、そうだな」


夏樹「……その顔なら、もう大丈夫そうだな。ドライブの続きといくか」

李衣菜「うん……ありがとう、なつきち」

夏樹「こっちこそ、この気持ちを思い出させてくれて、ありがとな」

李衣菜「これからも、なつきちは私にとって理想で、ライバルで……」

李衣菜「そして、かけがえのない仲間だからね!」

夏樹「ああ……!」



李衣菜「でもメイド服はいいかな……なーんて!」

夏樹「……よく掴まっとけよ、だりー。それと……」

夏樹「どんなスリルでも目を開けて楽しめよ!」ブロロロロン!

李衣菜「ごめんなつきちーっ!」ウワーッ


――――

―――

――


~ 数日後 ~


夏樹(あの時に、だりーのわだかまりが解けたようでホントに良かった)

夏樹(それにしても、アタシのイメージはどうなってるんだ一体……)

夏樹「よう、おはよう」ガチャ



里奈「あー! それチョー分かるーっ!」

涼「お、夏樹おはよう」

亜季「噂をすればなんとやら、でありますな!」

夏樹「何、アタシの話か?」

拓海「ああ。前から思ってたんだけどよ、夏樹ってさ……」

夏樹(……何か嫌な予感がする)


亜季「普段、夏樹殿はロックでクールに決めておりますが……」

里奈「メイドさんとか、カワイー系も出来ちゃったりしてー」

涼「いつもとのギャップを上手い具合に使ったりしてさ」



拓海「なんていうか、色々とズルイよな」

夏樹「その話はもういい!」

以上で終わりになります。
コミュが追加された段階でこのSSのプロットを考えていたはずが……どうしてこうなった。

ここまで見て下さった方々、ありがとうございます。
HTML化依頼出してきます。

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