矢部「パワプロ君、初めましてでやんす。オイラは矢部明雄でやんす」(30)

オイラの名前は矢部明雄。
恋恋高校に入学したピチピチの男子高校生でやんす。
見ての通りのオタク野郎でやんす。
でも、こう見えてもオイラ、足は早いでやんすよ?
中学時代は野球部をやってたでやんす。
あまり野球は得意でなかったでやんすし、高校進学を機に野球をやめることにしたでやんす。
女の子といちゃいちゃしたい…。
そう思ってた時でやんす。

※矢部主人公です。

パワプロ「俺はパワプロ。君は?」

矢部「オイラは矢部明雄でやんす」

パワプロ「へぇ…。矢部君、結構いい身体してるね?」

矢部「パワプロ君こそ、いい身体でやんす。羨ましいでやんす…」

パワプロ「ははは、まあ、野球で鍛えたからね。矢部君はどうなんだ?」

矢部「オイラも野球をやってたでやんす。でも…」

パワプロ「でも、なんだい?」

矢部「オイラに野球は向いてなかったでやんす…」

パワプロ「……」

矢部「どれだけ頑張っても、目標に届かないのが嫌だったでやんす」

パワプロ「そうか…」

矢部「だから、オイラは、野球部の無い、ここを選んだのでやんす。パワプロ君はどうして恋恋高校に来たでやんす?」

パワプロ「ああ、それは……ん?」

矢部「どうしたでやんすか」

パワプロ「あそこに壁当てをしてる子がいる」

矢部「あ、ホントでやんすね。可愛い女の子でやんす」

パワプロ「…」スタスタ

矢部「パワプロ君!?どこ行くでやんすか?!」

パワプロ「いや、味見をしようとね」

矢部「味見でやんす?!」

パワプロ「ああ」

そして…。

パワプロ「やあ。ちょっと、いいかな?」

??「…」

パワプロ「ああ、そんな怖い顔しないで」

??「…何か、用?」

パワプロ「ああ、君のボールに興味があってね」

??「ふぅん…?」

パワプロ「あ、俺はパワプロ。君は?」

あおい「…ボクは早川あおい」

パワプロ「早川さん。君は中々いい球を投げるね」

あおい「見てないでしょ」

パワプロ「うん。でも、音で分かるよ。そこで、俺に打たせてくれないかい?」

あおい「いいけど…何打席勝負にするの?」

パワプロ「一打席で十分さ」

あおい「随分と強気だね」

パワプロ「まあね。審判は矢部君、やってくれないか?」

矢部「え?わかったでやんすけど…大丈夫でやんすか?早川あおいと言えば凄腕投手として有名でやんすよ!」

パワプロ「いや、別に打てるとは思ってないよ。ただ、打ちたいだけさ」

矢部「大丈夫でやんすかねぇ…」

………。

あおい「肩あったまったし、もういいよ」

パワプロ「…」コク…

あおい(とりあえず、まずは様子見で…)シュッ

パワプロ「…」

矢部「ボール!」

パワプロ(なるほど…インローのカーブか)

あおい(目はいいみたいだね…じゃあ、これはどうかな?)シュッ

パワプロ「…!」キン!

矢部「ファウル!」

矢部(甘いストレートだったでやんす)

パワプロ(やっぱりアンダースローは厄介だな。捉えたと思ったが、ボールの下か…)

あおい(うーん、ちょっと高めに行ったかな?助かった…)シュッ

パワプロ「…」

矢部「ストライク!」

矢部(振らなかったでやんすね、インハイの、これまた甘いストレートだったのに)

あおい(よし、追い込んだ!これで決める!)シュッ

矢部(!? 消えたでやんす)

パワプロ「…シンカーか」ボソッ

キィン!

ドサッ…

矢部「ほ、ホームランでやんす!凄いでやんす!」

あおい「…え?ホームラン…」

パワプロ「早川さん」

あおい「なに、パワプロ君」

パワプロ「最後の球、シンカーだよね。」

あおい「うん、そうだよ」

パワプロ「…もし君がシンカーを外して、その次にまたストレートを投げたなら、俺も打てなかっただろう」

あおい「そう?余裕のある、見逃し方だったけど…」

パワプロ「どっちにせよ、慣れない球筋だったからね。変化球に頼ったのが君の敗因だ」

あおい「…」

パワプロ「っと、そうじゃない。こんな嫌味を言いに来たんじゃあ、ないんだ」

矢部「…?」

パワプロ「俺には、夢があってね。野球部を創って、甲子園を優勝するという夢が」

あおい「…つまり、ここ恋恋高校で野球部を創るってこと?」

パワプロ「そ」

矢部「ちょっと待つでやんす!男子は7人しかいないのにどうやって野球部を創るでやんすか!」

パワプロ「…え?上級生は?」

矢部「そもそも男子がいないでやんす!今年から共学になったの、知らなかったでやんすか?」

パワプロ「え、そうなの…?」

あおい「そうだよ」

パワプロ「うっそぉ…」

矢部「そもそも、その男子生徒も野球部に入ってくれるかどうか分からないでやんす」

パワプロ「で、でも矢部君は入ってくれるよね…?」

矢部「まだ一言も言ってないでやんす」

パワプロ「………」

パワプロ「矢部君、一つ、いいことを教えてやろうか」

矢部「…?」

パワプロ「野球部ってな、モテるんだよ」

矢部「なんでやんすと?!」

パワプロ「それに甲子園に出てみろ…全国の女子も見るんだぞ!」

矢部「凄いでやんす!オイラ、野球部に入るでやんすー!」

パワプロ(チョロいな)

パワプロ「…早川さん、君も…野球部に入ってくれないかな?」

あおい「…ボクが野球を続けても、いいの?」

パワプロ「ああ!女だろうと関係ない!君のようなピッチャーがいれば心強いよ!」

あおい「そっ、か…少し、考えさせて?」

パワプロ「うん、待ってるよ」

……で、

ちなみに能力はこんな感じです。

矢部(外野) 弾道2 ミートF5 パワーF50 走力D8 肩力F5 守備F5 エラーF5 特殊能力 無し

パワプロ(遊撃) 弾道2 ミートE7 パワーD85 走力D8 肩力D8 守備E7 エラーE7 特殊能力 無し

早川(投手) 球速113km/h コントロールD120 スタミナD60 カーブ1 シンカー2 特殊能力 短気
弾道1 ミートG1 パワーG0 走力G3 肩力E6 守備E6 エラーE6

………。

矢部「しっかし、パワプロ君は上手いでやんすねぇ」

パワプロ「……いや、まだまだだよ。まだ、足りない」

矢部「そうでやんすか?十分上手いと思うでやんs…」

パワプロ「まだダメなんだ。アイツはもっともっと上手い。その為に練習しないと」

矢部「アイツって誰でやんす?」

パワプロ「ああ、猪狩守だ」

矢部「あぁ~、そりゃ確かに凄いでやんすね…」

パワプロ「ああ、クソっ!矢部君、さっさと部員集めるぞ!」

矢部「ブ、ララジャーでやんす」

パワプロ(猪狩…)

ともかくこうして、パワプロ君と知り合ったのでやんす。
そ部員探しは簡単だったでやんす。
と言うのも、彼らは元々女ばかりの部活に入るのに消極的で、新たな部活を創るほどの行動力もなかったからでやんすね。

さて、そうしてくうちに残りの男子生徒、5人を無事に集めることができたでやんす。
野球部…凄いでやんす。
………そして、8人目の部員も今日……………。

あおい「やあ」

パワプロ「早川さん、久しぶりだね」

あおい「野球部への入部についてだけど…いいかな?」

パワプロ「勿論さ」

あおい「うん、ボクは野球部に入る事にするよ」

パワプロ「歓迎するよ。…所で、隣の子は?」

あおい「七瀬はるか。ボクの親友だよ」

はるか「七瀬はるかです。よろしくお願いします。」

矢部「うおおおおー!!!タイプでやんすー!」

パワプロ「…ええと、七瀬さんは、マネージャーってことで?」

はるか「はい。あおいは、野球が好きですから」

パワプロ「なるほどね、分かった。となると、後は監督だな」

あおい「そのことだけどね、もう話はつけてあるんだ」

パワプロ「マジかよ」

加藤「加藤理香よ。これからよろしくね」

矢部「大人の魅力でやんす…」

パワプロ(気配を感じなかった。この人は一体…)


ついでに他のモブ5人の能力

菅野(投手) 球速130km/h コントロールE110 スタミナE45 スライダー1 カーブ1 特殊能力 無し
弾道1 ミートF4 パワーF36 走力E6 肩力D8 守備D9 エラーE7

田中(捕手) 弾道2 ミートG3 パワーF53 走力F4 肩力E6 守備F4 エラーF5 特殊能力 無し

西村(一塁) 弾道1 ミートG2 パワーF61 走力G2 肩力F4 守備G1 エラーG3 特殊能力 無し

赤田(三塁) 弾道3 ミートF5 パワーE72 走力F5 肩力D9 守備E6 エラーF5 特殊能力 チャンス4

金澤(外野) 弾道1 ミートG1 パワーF26 走力E7 肩力G2 守備G3 エラーF4 特殊能力 無し


パワプロ「うし、じゃあ…野球愛好会創立を記念して練習だ!」

矢部「記念すべき最初の日でやんす。何の練習を中心にするでやんすか?」

パワプロ「一先ず、体力強化だね。野球未経験の人が多いし」

矢部「どのように振り分けるでやんす?」

パワプロ「とりあえず全員、3ヶ月は体力を鍛えるべきだね」

矢部「何事も地道に、ということでやんすね」

パワプロ「うん。」

矢部「公式戦にはどうせ出れないでやんす。でも、試合はするべきでやんすよね?」

パワプロ「それは後回しかなぁ…。基礎ができてからじゃないと、どう負けたかが解らない」

矢部「負けるの確定でやんす?!」

パワプロ「別に勝とうが負けようがいいんだよ。何をしたか、何に失敗したか。これが解るのに時間がかかるんだよ」

パワプロ「練習の為に機材は大量に買っておいたから安心してほしい」

矢部「…おいくら万円でやんす?」

パワプロ「大半は学校側から出たよ」

矢部「つまり一部は…」

パワプロ「自腹だね」

矢部「よく自腹でやるでやんすね~」

パワプロ「俺の我儘だからね。こればかりは自分でも出すべきと思ったんだ」

矢部「さ、時間でやんす!」

パワプロ「皆を集めよう」

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