スライム「やっと薬草買えた!これでカーチャンが助かる!」 (62)

ゆうしゃが現れた

ゆうしゃ「スライムだぞ」

僧侶「勇者様、あんな雑魚は相手にすることもありません」

ゆうしゃ「そうだな」

勇者「実はお前のトーチャンをやったのは俺だ」

勇者「ちっ薬草かよシケてんな さっさと売って金に替えるか」

カーチャン「うちの子に何するのよ!」
カーチャンの攻撃!ゆうしゃに999のダメージ!

はぐれメタルの経験値がなんで高いのかって?
そりゃ、勇者達になかなか倒されないから長いこと生きてるわけよ
スライムなんか最初の町出てすぐいるじゃん?
全然長生きできないわけ。だから経験値も少ないわけ
でもはぐれメタルは逃げたりして長生きしてんの
一生懸命生きて、生活してんの
働いたり、恋愛したり、結婚したり、そりゃ一生懸命
結婚したら子供は何匹つくるか悩んだりして
養育費をどうしようとか、小学校卒業したら私立中学校に入れるかとか
ローン組んで一戸建て買うか、それともアパートでこのまま暮らすかとか
安月給で嫁さんに怒られたりとか、それでも嫁さん愛してたりとか
頑張って生きてるわけ。だから人生経験も豊富
そりゃ経験値も高くなるわ

ところでさ、はぐれメタルがなかなか逃げないときあるじゃん
あれってさ、はぐれメタルの親父が時間稼ぎしてんの
子供と奥さんだけは絶対に守りたいから
勇者達が自分に夢中になってる間に嫁さんと子供逃がしてんの
自分が死んでも家族が幸せに生きてくれるならって、自分を犠牲にしてさ
そんなことってできるか普通。自分を犠牲にだなんて
だから、はぐれメタルの親父は本当に偉大だなって思うよ俺

スライム「あ、あぁ……あぁあ……」プルプル

勇者「何だコイツ」

スライム(ど、どうしよう……このままじゃ……)

スッ

スライム(ひっ……や、やられる……)プルッ


スライム「……あ、あれ?」

勇者「お前、喋れるのか?」

スライム「はっ!! あ、あの……!」

勇者「なんだ。俺は勇者だ。魔物を一匹残らず殲滅しろとの命を王より授かっている」

勇者「ただこれまでの旅で人語を理解し、話すスライムと出会ったのは初めてだ。ほんの些細な好奇心だ。勘違いするな」

スライム「あ、あの……僕には……その」

勇者「なんだ?喋れはするのに、まともに会話はできない、ということか」

勇者「じゃあ生かしておいてもしょうがないな、しね」(ズバァ!)

スライム「お・・お母さん・・ゴメン・・ね・・」

スライム「ち、違う!いや違うんです!!僕にはその、か、カーチャンがいて!それで、この薬草を!!」

勇者「まてまて、いきなりそうまくしたてられてもよくわからないだろ」

スライム「だ、だから、その……」

勇者「つまり、助けて欲しいんだな?」

スライム「……え?」

勇者「これだけの珍しいスライムだ。仲間にしてやってもいい」

スライム「あ、いや……」

勇者「俺の他にもスライムを狩る連中は大勢いるだろう。ただ、これだけ珍しいスライムを他の人間の手に渡すのは惜しい」

スライム(そっか、僕が人の言葉を喋れるから……これならカーチャンに!!)

スライム「そ、それじゃあ僕を仲間にしてください!!」

勇者「よし、それじゃあ行くとしようか」

スライム「あ、あの! できればこっちの方に行って欲しいんです!」

勇者「こっちか? まあ大した回り道じゃない。何か面白いものがあるのだろうな」

スライム「ちなみに薬草代は人間を襲って手に入れました」
ゆうしゃ「ギルティ」

スライム母「はぁ、はぁ……」

スライム妹「カーチャン!! しっかりして!!」

スライム「おーい!!」

スライム妹「兄ちゃん!? ……え?」

勇者「……ここか?」

スライム「うん!! おい妹! ほらみろ! 薬草、ちゃんと買ってきたぞ!!」

スライム妹「で、でもこの人……」

スライム「そうだ、勇者だよ。でもここまで連れてきてもらったんだ」

スライム妹「そ、そうなんだ……」

勇者「お前達も……」

スライム妹「は、初めまして勇者さん! えっと、カーチャンのためにお兄ちゃんをここまで連れてきてくれてあり---」

ズバッ

スライム「---え?」

勇者「よくやったぞスライム。こいつらはレアなスライムだ。俺の経験にはもってこいだ」

スライム「クックック・・バカな勇者め・・こんな作り話に引っかかる奴が魔王様を倒せる訳がないわ!!」

勇者「貴様!騙したな!!グワァァァ!!」

?「クロコダイィィィン!!!」

カーチャン「あたしは毒にやられてんだよ!薬草なんて持ってきてどーすんだい!使えないグズだね!」

スライム「な、何で……」

スライム母「……アンタ……早く……逃げ」

スライム「え? ま、まさか……」

勇者「ん?」

スライム「……カーチャンまで狙うなんてこと、ないよね」

勇者「むろんそのつもりだ。みたところ衰弱しているが、命あるうちは経験になる」

スライム「ま、待ってよ! そ、それじゃ僕をここまで連れてきたのって……」

勇者「何がだ? お前がここまで連れてきたんだろう?」

スライム「それは違う!! だって……ま、待って! ならカーチャンも一緒に連れていく!!」

スライム母「お前……」

スライム「人語を理解できるんだ! 僕が一緒にいくなら問題ないだろ!!」

勇者「先からお前達が話しているのを見ているが、母親のスライムからは声が聞こえない」

スライム「え……」

勇者「もういいだろう。ぐずぐずしている間に死んでしまっては元も子もない」

勇者「おーおまえら知ってるか あの辺のスライム薬草落とすぞ」
酒場「まじかよ俺も狩ってくるわ」

スライム「……許さない」

勇者「うん?」

スライム「許さないぞ勇者!!! 僕の妹だけじゃなく……カーチャンには一歩も触れさせないッ!!」

勇者「……ほう」

スライム母「……やめ……て」

スライム「うわああああああ!!」

ザシュ

スライム「……あ……うぁ……」

スライム母「……がっ」バタッ

スライム「な、んで……」

勇者「お前は貴重だと言っただろう。予定通り、二体のスライムだけ始末した」

スライム「お、まえ……お前ぇえええ!!!」

勇者「いくら怒り狂ったところでお前には俺を倒す力など備わっていない。それはお前が一番わかっているはずだ」

勇者「そうだスライム。他にお前の家族はいないのか?」

スライムlv99が出る漫画なかったっけ

ゆうしゃLv.1「あ、すらいむだー」

スライム「ぷるぷる。ボクわるいスライムじゃ…マダンテ!!」

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