サターニャ「最近ガヴリールがさらに駄目になってきてる気がするんだけど」 (38)

ガヴリール「いきなり失礼な奴だな」

ヴィーネ「ガヴが駄目なのはいつものことじゃない、はいガヴあーんして」

ガヴリール「もぐもぐ」

サターニャ「どうみても前より駄目になってるじゃない!」

ヴィーネ「そうかしら?ガヴ口にソース付いてるわよ、仕方ないわね拭いてあげるからこっち向いて」

サターニャ「ちょっとヴィネット甘やかしすぎじゃない?」

ヴィーネ「これくらい普通だと思うんだけど・・・」

サターニャ「十分異常よ!もはや親から餌をもらう雛鳥みたいになってるじゃない!」

ヴィーネ「言っていいことと悪いことがあるわよサターニャ、ガヴはそこまで酷くないわ」

サターニャ「酷いわよ!どこに悪魔に食べさせてもらう天使がいるのよ!」

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ガヴリール「静かに食べられないなんてまるで子供みたいだぞ、ヴィーネ次はプリン食べたい」

ヴィーネ「はいはい、ちょっと待っててね」

サターニャ「そんな状態になってるけどいったい家ではどうして生活してるのよ?」

ガヴリール「別に普通にゲームして過ごしてるけど」

サターニャ「食生活についてよ」

ガヴリール「それはヴィーネが作って食べさしてくれてるけど」

サターニャ「いや、そういう日もあるんだろうけどヴィネットがいないときはどうしてるのよ」

ガヴリール「ヴィーネがいないとき?そんなときは無いけど」

サターニャ「は?そんな訳ないでしょ、ヴィネットにはヴィネットの生活があるんだし」

ガヴリール「あれ?知らなかったのか、ヴィーネはうちで暮らしてるぞ」

サターニャ「え?なにそれ聞いてないんだけど」

ガヴリール「別に言うほどのことでもないしな」

ヴィーネ「ガヴ~プリン取ってきたわよ、はいあーん」

ガヴリール「あーん、やっぱプリンは・・・」

サターニャ「絶対おかしいわよ!なんで当然のように住み込みでお世話してんのよ!」

ヴィーネ「一緒に寝泊まりしてること聞いたの?恥ずかしいからあんまり大声で話さないで欲しいんだけど」

サターニャ「恥ずかしがる前に自分がガヴリールを駄目にしてることに気づきなさい!」

ヴィーネ「確かにガヴにはちょっと甘いかなって思う時もあるけど、駄目になるほど甘やかしてはないわよ」

サターニャ「してんのよ!現在進行形で駄目にしてんのよ!」

ヴィーネ「たまにサターニャは意味がわからないことを言うわよね」

サターニャ「ヴィーネの方も手遅れだった!?」

ヴィーネ「ガヴもうお腹すいてない?教室までおんぶしてあげるから背中につかまって」

ガヴリール「つかまるの疲れる」

ヴィーネ「じゃあお姫様抱っこにしましょ、ガヴは今からお姫様よ」

サターニャ「なんかもう見てるのが辛いわね」

ー教室ー

ヴィーネ「はい、到着よガヴ」

ガヴリール「お疲れヴィーネ」

ヴィーネ「その言葉だけで私は満足よ」

ラフィエル「あらーお姫様抱っことは大胆ですねヴィーネさん」

ヴィーネ「あれラフィどこにいたの?一緒にお昼ごはん食べようと思ってたのに」

ラフィエル「ちょっと用事がありましてーところでなぜガヴちゃんを膝に乗せてるのですか?」

ヴィーネ「クッションもない椅子に出来るだけガヴを座らせたくないからよ」

ラフィエル「えっと・・・」

サターニャ「無駄よラフィエル、今のヴィネットとガヴリールはちょっと・・・いやだいぶアレだから」

ラフィエル「確かにアレですね、ではそろそろ授業が始まるので私は自分の教室にもどりますね」

サターニャ(まさかラフィエルがいなくなることに不安を感じる日が来るなんて思わなかったわ・・・)

ー放課後ー

ラフィエル「サターニャさん、さっきヴィーネさんがガヴちゃんをまたお姫様抱っこしてたんですが流行ってるんですかね?」

サターニャ「流行ってる訳ないでしょ、実はねーー」

ラフィエル「そこまでヴィーネさんとガヴちゃんが末期とは思いませんでした」

サターニャ「ちょっとあんたどうにかしなさいよ」

ラフィエル「いくら私でもあれは無理です・・・」

サターニャ「でもほっとくと毎日あれを見せられるのよね・・・」

ラフィエル「流石の私でもあれは引いてます」

サターニャ「あんたが引くレベルって相当ね」

ラフィエル「これはどうにかして二人を引き離して正気に戻さないとですね」

サターニャ「どうやって?」

ラフィエル「幸い明日から土日に入りますし、私がヴィーネさんを、サターニャさんはガヴちゃんを担当して無理やりにでも引き離しましょう」

サターニャ「ちょっと待ちなさい、なんで私がガヴリールなわけ?」

ラフィエル「別にたいして意味はありません、なんとなくです」

サターニャ「それじゃあ私がヴィネット担当になってもいいのよね?」

ラフィエル「いえいえ、ここは悪魔と天使でプラスマイナスゼロの組み合わせにするべきです」

サターニャ「なってないからこうなってるんでしょ!ガヴリールの世話とか絶対やらないわよ」

ラフィエル「別にお世話する必要はありませんよ、私たちの目的はあくまで引き離すことですから」

サターニャ「今のガヴリールは世話してあげないと冗談じゃないレベルで末期だから言ってんのよ!」

ラフィエル「あらあらーお優しい流石サターニャさんです、そんな気配り上手で面倒見も良い素晴らしい悪魔のサターニャさんならやり遂げてくれると思ったものですから・・・」

サターニャ「ふふん、まあこの偉大なる大悪魔様にかかればガヴリールの世話なんて楽勝なのは当然よ」

ラフィエル「じゃあお願いします、私がどうにかしてヴィーネさんを連れ出すのでガヴちゃんの世話は任せました」

サターニャ「いや、あくまでできるっていう話で・・・ってちょっと待ちなさいよ!」

ーガヴリール家ー

ラフィエル「ヴィーネさーん、出てきてくださーい」

ヴィーネ「あれラフィどうしたの?」

ラフィエル「いやー実はですね・・・隙あり!」

ヴィーネ「」

ラフィエル「月曜日までヴィーネさんを借りていきますねーお世話は他の人に頼んであるので安心して下さい」

ガヴリール「あれ?ラフィエルの声が聞こえたような・・・気のせいか」

ラフィエル「さて、悪魔が出られないような結界でも申請しないとですね」

サターニャ「ヴィネット!?ラフィエルあんた無茶苦茶ね」

ラフィエル「緊急事態ですので~ではまた月曜日に会いましょう」

サターニャ「はぁこれからガヴリールの世話だと思うと気が重い」

ガヴリール「ヴィーネ~ポテチ追加でー」

サターニャ(どんだけヴィネットに甘えてんのよ)

ガヴリール「ヴィーネさーん?」

サターニャ「ヴィネットならいないわよ」

ガヴリール「あれサターニャ?不法侵入は犯罪だぞ」

サターニャ「今日から月曜まで私がヴィネットの代わりよ、感謝しなさい」

ガヴリール「チェンジで」

サターニャ「これはもう決まったことなの、変更はできないわ」

ガヴリール「うへぇなんでそんなことに・・・まぁいいからポテチとってきて」

サターニャ「少しは動じなさいよ・・・はいこれでいい?」

ガヴリール「開いてない」

サターニャ「え?」

ガヴリール「ポテチの袋開いてない」

サターニャ「自分でやりなさいよまったく・・・」

ガヴリール「今忙しいから食べさせて」

サターニャ「なんで私がそんなことしなきゃなんないのよ!」

ガヴリール「ヴィーネならやってくれるのに」

サターニャ「というかそろそろ晩御飯でしょ、そんなもの食べてていいの?」

ガヴリール「もうそんな時間か、サターニャ今日の晩御飯はなに?」

サターニャ「私が作るの?」

ガヴリール「ヴィーネの代わりって自分でいってたじゃん」

サターニャ「いや、そうなんだけど」

ガヴリール「任せたぞ」

サターニャ「まあ今のガヴリールが自分で晩御飯を用意するなんて思ってないけど・・・」

ー???ー

ヴィーネ「ラフィ?どうしてこんなことするの?早くこの結界から出して」

ラフィエル「月曜日までの我慢ですから、欲しいものはなんでも持ってくるので我慢して下さい」

ヴィーネ「ガヴが欲しい」

ラフィエル「それ以外ならなんでも」

ヴィーネ「ガヴが欲しいのガヴ以外要らないからガヴを連れてきて!」

ラフィエル(想像以上に怖いです・・・これはガヴちゃん担当の方が良かったかもしれませんね)

ーガヴリール家ー

サターニャ「買ってきたわよ」

ガヴリール「おっそーい」

サターニャ「ゲームしてただけなんだから文句言わない!」

ガヴリール「やっぱりサターニャは私に厳しいな」

サターニャ「これくらい普通よ・・・」

ガヴリール「じゃあはい食べさせて」

サターニャ「自分で食べなさい」

ガヴリール「ちぇっヴィーネ早く帰ってきてくんないかなー」

サターニャ「ちょっとこぼしすぎよ!」

ガヴリール「最近箸使って無かったからなー」

サターニャ「フォークとスプーン持ってきてあげるからちょっと待ってなさい」

サターニャ(箸すらまともに使えなくなってるなんて・・・)

サターニャ(そして食べ終わったらすぐゲーム・・・本当に天使なのか疑わしいわね)

サターニャ「それ楽しいの?ガヴリール」

ガヴリール「ネトゲのこと?楽しいに決まってるじゃん」

サターニャ「楽しむのはいいけどそろそろ風呂に入りなさい」

ガヴリール「もうそんな時間?じゃあ連れてって」

サターニャ「あーもう、ヴィネット甘やかしすぎ!」

ガヴリール「だっこ」

サターニャ「しないわよ!自分の足で動きなさい」

ガヴリール「疲れるじゃん」

サターニャ「ったく、ほら着いたわよ」

ガヴリール「どこ行こうとしてんの?」

サターニャ「え?」

ガヴリール「洗ってくれるんじゃないの?」

サターニャ「洗うわけないでしょ、甘えすぎよ」

ガヴリール「いいじゃんこれくらい」

サターニャ「よくないわよ私はあんたを少しでも一人で行動できるようにしに来たんだから」

ガヴリール「頼んでない、諦めて洗え」

サターニャ「今日だけよ、明日は一人で入りなさいよ」

ガヴリール「それはサターニャ次第だな」

サターニャ「・・・」

サターニャ(まさかここまで要介護天使になってるなんて・・・)

サターニャ「なに万歳してるのよ?」

ガヴリール「脱がせて」

サターニャ「イヤよ、洗ってあげるんだからそれぐらい自分でしなさい」

ガヴリール「ちっ」

サターニャ「清々しいくらいの駄天っぷりね」

ガヴリール「サターニャ早く洗ってーこれでも忙しいんだからー」

サターニャ「はいはい、じゃあ髪洗うわよ」

ガヴリール「ちょ!シャンプーハット忘れてる!」

サターニャ「子供か!それくらい我慢しなさい、というかなんでシャンプーハットなんてあるのよ」

ガヴリール「ヴィーネが持って来てくれた」

サターニャ「ほんと人を堕落させることについては一流ね」

ガヴリール「私の目が開かないうちに早く」

サターニャ「分かったから急かさないで、今からお湯掛けるわよ」

ガヴリール「次は体だな」

サターニャ「一応聞いとくけど背中だけ・・・とかじゃないわよね?」

ガヴリール「そんなわけないだろ、全部に決まってんじゃん」

サターニャ「少しは恥じらう心を持って欲しいわね」

ガヴリール「泡で汚れを落とすように丁寧に慎重に優しく洗えよ」

サターニャ「注文多すぎ・・・はぁ・・・」

ガヴリール「よし、やっと水責めから解放される」

サターニャ「ちょっとガヴリール髪乾かしてからゲームしなさい」

ガヴリール「サターニャお願い」

サターニャ「あーもう!」

サターニャ「そういえばヴィネットはどこで寝てたの?」

ガヴリール「私のベッドで、ちなみに私はここで寝落ちするのがいつものスタイル」

サターニャ「そんなんでよく風邪ひかないわね」

ガヴリール「これでも天使だし、なんかの加護でもあるんじゃない?」

サターニャ「適当ね、私はもう寝るからほどほどにしなさいよ」

ガヴリール「へいへい」

ー???ー

ヴィーネ「ガヴどこにいるの?なんでガヴはここにいないの?ガヴ・・・」

ラフィエル(これは大丈夫なのでしょうか・・・)

ラフィエル「ヴィーネさんお腹空いてませんか?よろしければなにか持って来ますが・・・」

ヴィーネ「もうそんな時間なの?ガヴにご飯作ってあげなきゃ、ふふっ今日もご飯美味しいって言ってくれるかな」

ラフィエル(今すぐサターニャさんと代わりたい・・・)

ーガヴリール家ー

ガヴリール「ふわぁあれ?なんでいるのサターニャ」

サターニャ「昨日のことぐらい覚えておきなさいよ、それともう昼なんだけど寝すぎよガヴリール」

ガヴリール「休みの日なんてこんなもんだろ、朝飯は頼む」

サターニャ「昼だって言ってんでしょうが、もう作ってるわよ」

ガヴリール「サターニャにしては優秀だな」

サターニャ「一言多い」

ガヴリール「じゃあ私はゲームしてるから、口を開けたらタイミングよく食べさせてくれ」

サターニャ「しないわよ、ほら立ちなさい」

ガヴリール「だっこ」


サターニャ「こいつぅ・・・」

サターニャ(というかなんでガヴリールに言われるがまま動いてんのよ私)

ガヴリール「お腹空いて動けん」

サターニャ(でもなんでだろ、ガヴリールの笑ってる顔ってなんか癒されるのよね)

サターニャ「はいはい、すぐお腹いっぱいにしてあげるわよ」

サターニャ「あーなんでそんな器用にこぼしてんのよ」

ガヴリール「やっぱり箸は使いにくい」

サターニャ「またスプーンとフォークを持って・・・いや面倒だし今だけは食べさせてあげるわ」

ガヴリール「ありがとな、サターニャ」

サターニャ「べ、別に礼とかいらないから早く一人で暮らせるようになりなさい」

ガヴリール「サターニャがいるし、一人になることなんてないだろ」

サターニャ「そういうのはいいから!早く口を開けなさい」

サターニャ(いきなりあんなこと言うなんて・・・べ、別に嬉しくともなんともないけど)

ガヴリール「さて食後のゲームといきますか」

サターニャ(ヴィネットはどんな気持ちでガヴリールといたのかしら)

ー???ー

ラフィエル「あぁ余計なことしてしまった気しかしません・・・」

ヴィーネ「ガヴリールが八千七百四十人、ガヴリールが八千七百四十一人、ガヴリールが八千七百四十二人・・・」

ラフィエル「ヴィーネさんちょっと大丈夫ですか?もう少し待ってくれたら外に出れますので・・・」

ヴィーネ(そういえばなんで私待ってたんだろ、私のガヴへの想いはその程度だったの?)

ヴィーネ「違うそんなわけない!結界なんて壊せばいいのよ、なんでこんなことに気がつかなかったのかしら」

ラフィエル「いやこの結界は丈夫なので一人では無理かと・・・」

ヴィーネ「壊さなきゃ、早く壊さなきゃ、今すぐ壊さなきゃ・・・」

ラフィエル「手から血が出てますから!ちょっと落ち着いてくだ・・・結界にひびがっ?!」

ヴィーネ「やっと出られたわ、ふふっガヴ今すぐ行くからね」

ラフィエル「ヴィーネさん、ちょっと待ってください!」

数十分後

ラフィエル「はぁはぁ・・・ヴィーネさんなんで私が追いつけないほど速く走れてるんですか・・・」

ラフィエル(そもそもここは天界から手配してもらった場所なのでガヴちゃんのお家からめちゃくちゃ離れてるんですよね)

ラフィエル(ヴィーネさんはいったいどこへ・・・?まさかとは思いますが一応ガヴちゃんのお家に行てみますか)

ーガヴリール家ー

ラフィエル「やっと・・・ここまで来れました・・・サターニャさんはガヴちゃんを少しはまともにできたでしょうか?」

ラフィエル「これはどういうことですか・・・」

ヴィーネ「ああっ!ガヴ~もう絶対離れないからね」

サターニャ「はい、あーんしなさいガヴリール」

ガヴリール「もぐもぐ」

ヴィーネ「口にケチャップ付いてるわよ、拭いてあげるからこっち向いて」

サターニャ「いいえ、私が拭いてあげるからこっち向きなさい」

ヴィーネ「サターニャは食べさせてあげてるんだから私に譲りなさい!」

サターニャ「こないだまでヴィネットはずっとガヴリールと一緒にいたんだから別にいいじゃない!」

ヴィーネ「全然よくないわよ!それとガヴに近ずきすぎよ」

サターニャ「今のヴィネットに言われたくないわ!」

ガヴリール「あ、ラフィエルご飯食べに来たの?」

ラフィエル「もう天界に帰りたいです」

終わる

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