モバP「だりやすかれんと前川さん」 (26)



―――真夜中の泰葉のお部屋


李衣菜「――あ、日付変わった。ちょっと電話していい?」


泰葉「ん、どうぞ。誰に?」

李衣菜「友達。誕生日なんだ……んーと」

加蓮「……友達? ふーん、誕生日……日付変わってすぐお祝い? そんな大事な友達ぃ……?」


李衣菜「――もしもしみくちゃん? うん、約束してたし。誕生日おめでと。……へへ、私が一番だった? そっか」


加蓮「……みく。前川みく。ふーん、あの猫耳アイドルか……」ムスッ…

泰葉(あ、嫉妬モード)

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李衣菜「当たり前だよ、ずっと起きてたよ? ……や、眠いけど。みくちゃん祝おうって決めてたから。えへへ」

加蓮「…………」

李衣菜「みくちゃんこそ眠くない? なに、待ってたの? 犬なのか猫なのか分かんないじゃんそれ――」


加蓮「……んっ」ノシッ


李衣菜「ってうわぁ!? な、なに加蓮、あっごめんみくちゃん驚かせてっ。ちょ、待って重っ……!」

加蓮「むー。むーぅー……」ムギュー

泰葉「もう……加蓮たら」

李衣菜「ちょ、ちょっと待っててみくちゃん――もうっ、加蓮! なにすんの電話してるのに!」

加蓮「…………」プイ ギュー

李衣菜「なんなの……言ってくれないと分かんないよっ」

加蓮「……知らない。李衣菜のバカ」

李衣菜「えぇ!?」


泰葉「はぁ……。……もしもし、電話代わりました」

みく『――うええ!? ど、どちらさまですかっ?』

泰葉「あ、すみません名乗りもせずに。泰葉です、岡崎泰葉……以前一緒にお仕事しましたよね。覚えてますか?」

みく『え、あ……泰葉チャン! 久しぶりにゃ、前川みくですっ』

泰葉「ふふ、お久しぶりです。ごめんなさい、せっかくのお誕生日に……おめでとうございます」

みく『にゃふふ、ありがとにゃ♪ って、じゃなくて。今どういう状況なの……? 李衣菜チャン急に慌てるし、泰葉チャンが代わりに……』

泰葉「あ、あはは……」


加蓮「むぅ~……」ムギュー

李衣菜「ああもうっ、いい加減怒るよ加蓮!」ジタバタ

みく『――にゃ。なるほど、いつも李衣菜チャンって泰葉チャンのところに泊まりに来るんだ』

泰葉「うん。それで、まぁ……加蓮、嫉妬しちゃったみたいで。すぐ元に戻ると思うんですけど……」

みく『嫉妬? んーん、もともとみくが誕生日になったら一番に電話して、ってわがまま言ったんだし……それに』

泰葉「?」

みく『李衣菜チャン、いつも泰葉チャンや加蓮チャンのこと話してくれるの。メロンパンやフライドポテトが好きー、とかね♪』

泰葉「そ、それはっ……もう、李衣菜ってば……!」

みく『ふふ~、だから嫉妬することないよ! 李衣菜チャン、2人のことが大大大好きだからっ』


李衣菜「か、れ、ん~! 離れ、ろ~っ!」グニィー

加蓮「んゅ、にゅ、うぅゅ~! い、やぁ~……!」ギュゥゥゥ

泰葉「すっ、少しいいですか? 私ばっかり話すのもいけませんしスピーカーに切り替えますねっ」

みく『そんにゃ照れなくても~』

泰葉「いいですから!」

みく『んふ、はーい♪』


李衣菜「ほ、ほんと勘弁して加蓮……重いし疲れたぁ」クテッ

加蓮「♪」スリスリ…グリグリ…


泰葉「――はい。いいよ、みくちゃん」

みく『こほんっ。あーあー、李衣菜チャン聞こえますかにゃー?』

加蓮「……!」

李衣菜「わっ。あ、みくちゃん。ごめんさっきは……ていうかスピーカーモード? どゆこと?」

泰葉「ちょっとね。一緒に話そうかなと思って」

李衣菜「あぁ、なるほど……じゃ、じゃあ加蓮、もういいでしょ――って」


加蓮「前川みくぅ……!!」ガルルル…!

みく『な、なんか威嚇されてるにゃー!?』


李衣菜「えぇ……」

泰葉「やっぱりこうなるんだ……」


―――

――



―――しばらくして


みく『――だーかーらぁ! ちょっとお願いしただけでしょー! みくだって李衣菜チャンにお祝いされたいのー!』

加蓮「それがダメだって言ってるのっ、李衣菜は私たちのなんだから! 同じ事務所の友達くらいいるでしょ、その子に頼めばいいじゃない!」

みく『いるけど、……ちょっとネジぶっ飛んでるんだモン! そもそも李衣菜チャンがいいって言ったんだから加蓮チャンは関係ないでしょ!』

加蓮「なによ~!」

みく『なんにゃあ~!』


李衣菜「いつまで続くのかなぁ……。騒音大丈夫、これ?」

泰葉「一応防音だけど……うーん」

加蓮「むむむむ……!」

みく『にゃにゃにゃあ……!』

李衣菜「ふ、2人ともそこまでにしようよ。私たちとっくに寝る時間過ぎてるし……みくちゃんも普段はもう寝てるでしょ?」

加蓮「でも!」

みく『だって!』

李衣菜「……あーもう! いい加減にしないと2人のこと嫌いになるからねっ!?」

『「!!!!????」』

泰葉(これは効きそう……)

加蓮「み、みく。この勝負預けたからね……」

みく『こ、今度会ったら決着つけるにゃ加蓮チャン……』

李衣菜「まったく……!」

泰葉「も、もう寝ましょうか。明日に響いちゃう」

李衣菜「うん、じゃあ電話切ろっか――」


加蓮「ふんだ、単純猫。キャットフードでも食べて野良の仲間入りしたらどう?」ボソボソ

みく『べーっ。そっちこそジャンクフードで脳みそギットギトの油塗れになればいいにゃ』ボソッ


李衣菜「 聞 こ え て る よ ? 」

『「ぴっ!?」』

泰葉「私もう勝手に寝ていい?」

李衣菜「――じゃあね、みくちゃん。改めて誕生日おめでとう。また一緒にお仕事しようね」

みく『はぁ~、李衣菜チャンは優しいにゃあ♪ ……どこかの頭ハッピーセットとは大違いにゃ』

加蓮「は? 喧嘩ならいつでも買うけど?」

みく『にゃあ~? だーれも加蓮チャンなんて言ってなーいけーどにゃー?』

加蓮「こんのぉ……!」

李衣菜「はぁ……。喧嘩するほど、なのかな……」

泰葉「ま、まぁまぁ……」

加蓮「しっしっ。早く切っちゃってよ、猫の毛でくしゃみ出そう」

みく『こっちだって塩味で口の中しょっぱいにゃ。ぺっぺっ』

泰葉「……切ります」

李衣菜「おーけー」

みく『にゃ、ばいばい――』プツン



加蓮「……はー。ま、李衣菜へのラブは少しは認めてあげなくもないけ、ど……?」

「「お説教」」

加蓮「だ、だよね~……。ごめんなさーい……」シュン…



―――とある寮の一室


みく「……はっふぅ。久しぶりにあんな喧嘩したにゃ……」


みく「まったく、加蓮チャンは独占欲強すぎだよ。なんなの、あの懐きっぷりは」プンスカ

みく「その分李衣菜チャンや泰葉チャンが苦労してるんだろうなー……って、あ。LINE来てる」


ペコン


あーにゃん
『с днём рождения!
 お誕生日おめでとうございます、みく!』

あーにゃん
『(ΦωΦ)にゃん、です♪♪』


みく「えへ。あーにゃんはいっつもかわいいにゃあ♪」

みく「……ネジぶっ飛んでる方からは来てない。嫌な予感が」


ぴんぽーぴんpぴんぽぴぴんぽぴんぽぴんぽーん!


みく「……来てしまったにゃ……」



かちゃん、がちゃり


のあ「来たわ」スッ…

アーニャ「ドーブルィヴィーチル……みく……。ふあぁ……」クシクシ


みく「すんごいナチュラルにカギ開けて入ってきたしあーにゃん超眠そうだし……」

のあ「誕生日おめでとう、みく。今年は少し遅れてしまった……申し訳ないわ」

みく「もっともっと遅れて朝でも良かったよ。無理してのあにゃんに付き合わなくていいんだよ、あーにゃん?」

アーニャ「ニェート……、みくは大切な、友達です……。お祝い、しなくちゃ」フラフラ

みく「あああ、そんなフラフラで祝われても!」

のあ「私の心配は、みく?」

みく「そんな鋭い眼光、無理してるとは思わないにゃあ! のあにゃんは帰って、あーにゃんはウチで寝かせる!」

アーニャ「スパーチ……。みくとおやすみ、しますね……」クテッ

みく「あっ待ってここで寝ちゃダメあーにゃん!」

のあ「では眠気覚ましに……」スッ

みく「ちょっ! そのクラッカーどうする気にゃ、まさk」


パパパパパパーン!!


にゃあああああああああ……!!


―――

――



―――次の日、事務所


みく「移籍希望です」グスン


P「は、はぁ。いや、前川さん……それはそちらのプロダクションと直接話をしないと……」

みく「いやにゃああああ! みく、李衣菜チャンと一緒にアイドルするぅぅううう!! あーにゃんも引き抜いていいからぁぁああ!」

P「う、うーん……」

ちひろ「困りましたね……」

加蓮「帰ってよっ! なんで昨日の今日でウチに来るわけ、意味分かんない!」

みく「うっさいにゃ! みくの苦労も知らないでぇ!」

加蓮「迎えに来てもらうからねっ、アンタのところの……そうだ、高峯さんに連絡――!」

みく「やめてええええ! 後生にゃ、のあにゃんの顔はもう見たくないぃぃい!!」

加蓮「そんなに!?」


李衣菜「……うー……。なにぃ……? 誰か来たの……?」ウツラウツラ…

泰葉「ううん、なんでも。李衣菜は昨日眠れなかった分ゆっくり休んでて、ね?」ナデナデ

みく「にゃああん! にゃあああ……!!」

加蓮「分かった、分かったからっ。気が済むまで居ていいから泣かないの!」

みく「ぐしゅ、うえぇ……初めて加蓮チャンが優しく見えたにゃ……」グスグス

加蓮(イラッ……!)

P「あー、前川さん。お迎えが来たみたいだけど」

ちひろ「こちらですー」


のあ「来たわ」スッ…

アーニャ「みく! 見つけました♪」


みく「……ぁぁぁぁああああああッ!!!!」ブワッ

加蓮「うるさい!」

のあ「帰るわよみく。私たちには私たちの仕事があるのだから」

アーニャ「みくがいないと寂しい、です……」

みく「のあにゃんがいないところがいい! あーにゃんと李衣菜チャンと新生にゃんにゃんにゃん結成するぅ!! 解散にゃあ!!」

のあ「!?」ガーン

アーニャ「ノアが可哀想ですみく!?」

加蓮「はあ!? 勝手なこと言わないでよこのおたんこ猫ー!」

P「なんだこれ……」

ちひろ「と、とりあえずお茶出しますね」


李衣菜「……うるさくて寝れない」

泰葉「みくちゃんの誕生日プレゼント考えたら? 泣き止んでくれるかも」

李衣菜「あ、そうだね。んー……そういえばハンバーグ好きだって言ってたっけ――」


李衣菜(それからというもの、みくちゃんは何度も『解散』の名目で逃げてくるようになりました)



―――後日


みく「――解散してきたにゃ」ムスー


李衣菜「あ、いらっしゃいみくちゃん」

みく「今日からここでお世話になります!」

加蓮「また来た……! 泰葉、塩撒いて塩っ」

泰葉「ふふ。今日で累計20回目ですね、みくちゃんの解散」

みく「今日こそみくはここのアイドルに――!」


のあ「来たわ」スッ…

アーニャ「プリヴェート♪ みくのお迎え、来ました」

みく「はっっっや!?」

李衣菜「こんにちは、のあさん、アーニャちゃん」

のあ「ええ、こんにちは」

泰葉「段々お迎えが早くなりますね……」

アーニャ「いなくなったら、ここですから。お世話に……なっております?」

李衣菜「あはは。お世話って言うより……」


加蓮「ほら、迷子の子猫引き取りに来たよ。さっさと帰ったら?」

みく「みくは李衣菜チャンとユニット組むまで諦めないにゃ!」

加蓮「……いい度胸してるじゃん……!」

みく「みくは自分を曲げないよ……!」


ばちばちっ!


李衣菜「……ね、勝手に喧嘩してるだけだから。まぁ私は無関係じゃないかもだけど」

のあ「…………」クスッ

泰葉「ふふっ♪」

アーニャ「ハラショー! とっても仲良し、ですね♪」


「「仲良くないっ!」」



おわり

というお話だったのさ
何故かこうなった、許せ解散芸……

モバP「だりやすかれんの手作りプレゼント」
モバP「だりやすかれんの手作りプレゼント」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487073296/)
ひとつ前のお話

おつおつこののあにゃん見たことある
っていうかあなたのネタだったのかwwwwwwwwwwwwww

>>24
あ、多分違うと思う……そのSSを参考にさせてもらったからこうなったよ、作者に感謝

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