ガヴ「結婚した」ヴィーネ「・・・はぁ!?」 (66)

ヴィーネ「結婚、結婚ってどういうこと!?」

ガヴ「痛い、痛い、そんな強く肩掴むなよヴィーネ」

ヴィーネ「相手は誰なの?何処のどいつなの!?」

ガヴ「結婚っていってもネトゲの話だけどな」

ヴィーネ「えっ、ゲームの話」

ガヴ「そう、ゲームの話」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487529007

ガヴ「ほら」

ヴィーネ(ノートパソコンを私に見せ、得意顔のガヴ)

ガヴ「ゲーム内で結婚すると衣装が手に入ったり、レアなアイテムが入ったりしてお得なんだ」

ヴィーネ「なんだ、ゲームのことなのね」

ガヴ「当たり前だ」

ヴィーネ(ゲームの話で安心)

ヴィーネ(安心のはずなのに、何で心がこんなに落ち着かないの!?)

ヴィーネ「それで相手は誰なの?」

ガヴ「ホワイトさん」

ヴィーネ「誰それ」

ガヴ「この子だよ、この子」

ヴィーネ(ガヴが画面を指さす)

ヴィーネ(そこには修道服を着た女キャラがいた)

ヴィーネ(女!?)

ヴィーネ「女の子なの!?」

ガヴ「うん、だって男キャラ使ってるし」

ヴィーネ(ガヴが女の子と結婚)

ヴィーネ(女の子と結婚ですって!?)

ガヴ「ホワイトさんは私にアイテム使ってくれるし、サポートしてくれるし、いい人なんだ」

ヴィーネ「・・・中身はおじさんかもしれないよ?」

ガヴ「かもな。ネカマかもしれない」

ガヴ「でも、普段話す感じ、おじさんには見えないんだよなー」

ガヴ「女の子っぽい話題多いし、これでおじさんだったら相当ひくわ」

ヴィーネ「・・・ガヴはホワイトさんのことが好きなの?」

ガヴ「いや、別に」

ガヴ「いい人だけど、それはあくまでゲーム内だけの話だ」

ガヴ「現実と直結して考えないよ」

ヴィーネ「そ、そうなのね」

ヴィーネ(何処かほっとする私がいる)


ガヴ「でも、ホワイトさんがどんな人を見てみたくはあるかな」

ヴィーネ「え、え?」

ガヴ「だって興味あるだろ?いつも一緒にゲーム付き合ってくれる人の姿」


ヴィーネ(私は)

ヴィーネ(安心できないのであった)

-ヴィーネの部屋・ベッド-

ヴィーネ(ガヴがゲーム上とはいえ、結婚)

ヴィーネ(好きではないと言っているが、興味ある発言)


ヴィーネ(そわそわする)

ヴィーネ(これって)



ヴィーネ(嫉妬だよね?)

ヴィーネ(嫉妬)

ヴィーネ(名前も知らない人間に嫉妬)


ヴィーネ(つまり、私は)


ヴィーネ(ガヴのことが<好き>ってことじゃない!)


ヴィーネ(私がガヴを好き?)

ヴィーネ(LikeじゃなくてLove?)

ヴィーネ(女の子同士、女の子同士だよ!?)

ヴィーネ(ありえない、さすがにそれはないわ)

ヴィーネ(じゃあこの感情は何?)

ヴィーネ(あくまで友達として心配しているだけよ、そう、きっとそう)

ヴィーネ(変なおじさんとかだったら、怖い人だったら危険だものね)

ヴィーネ(じゃあ普通の人だったら、いい人だったら私は許すの、認めるの?)


ヴィーネ(違う、それは違う)

ヴィーネ(ガヴを取られたくない)


ヴィーネ(・・・これって紛れもなく)

ヴィーネ(私はガヴのことが好きってことだよね)

ヴィーネ(はぁ、こんなことで自分の気持ちに気づくなんてね)

ヴィーネ(悪魔が天使に恋)

ヴィーネ(それに女の子同士って)

ヴィーネ(どんだけ歪んでいるのよ私は)


ヴィーネ(でも、今はホワイトさんのことをどうにかしないと)

ヴィーネ(どうにかできるの、どうやって)

ヴィーネ(うーん・・・)

ヴィーネ(・・・眠れない)

続きは明日…!

今宵は素晴らしいガヴィーネ回でしたね…!
続き書いていきます

-教室-

ヴィーネ(一睡もできなかった)

ヴィーネ(ガヴが私の前にやってくる)


ガヴ「おいヴィーネ、目真っ赤だぞ」

ガヴ「お前もネトゲで徹夜か?」

ヴィーネ「違うわよ」

ヴィーネ(眠れなかったのはあんたのせいよ)

ヴィーネ(・・・なんてことはいえない)


ガヴ「でね、ヴィーネさんや。折り入ってお願いがあるんですが、数学の宿題をですね、写させていただけないでしょうか」

ヴィーネ「数学の宿題、あっ」

ヴィーネ「やるの忘れた」

ガヴ「えっ、ヴィーネが」

ヴィーネ「うん」

ガヴ「大丈夫かお前」

ヴィーネ「うん、大丈夫」

ガヴ「ヴィーネが宿題を忘れるなんて今日は雪でも降るな」

ヴィーネ(大丈夫じゃないわよ)

-放課後-

ヴィーネ(やっと終わった)

ヴィーネ(眠すぎて授業が全く頭に入ってこなかったけど、なんとかノートは書けたわ)


ガヴ「ふらふらじゃないか」

ヴィーネ「へいきへっちゃらよ」

ヴィーネ(立ち上がり、体がよろける)

ヴィーネ(ガヴが慌てて私の体を支える)

ガヴ「どこがだ」

ヴィーネ「大丈夫だから」

ガヴ「んなことあるか。心配だから私が一緒に帰ってやるよ」

ヴィーネ「え、ええ」

ガヴ「ほら行くぞ」

ヴィーネ(なんだかんだいって私のことを心配してくれるガヴ)

ヴィーネ(風邪ひいたときもお見舞いにきてくれたっけ)


ヴィーネ(気持ちを自覚してから、よりいっそう彼女の優しさが身に染みる)



ヴィーネ「好き」



ヴィーネ「!?」



ヴィーネ(ガヴが振り返る)

ガヴ「何か言ったか?」

ヴィーネ(私は凄い勢いで横に首を振る)

ヴィーネ「何も、何も言ってないわ」

ガヴ「なんだ空耳か、早くいくぞ」

ヴィーネ「う、うん」


ヴィーネ(なに口走ってるの私!?)

ヴィーネ(眠くて頭が回らないからって、洒落にならないレベルの発言よ)

ヴィーネ(馬鹿、馬鹿)


ヴィーネ(・・・私をこんなに馬鹿にするガヴの馬鹿)

-帰り道-

ガヴ「目の下にクマができているヴィーネなんて新鮮だな」

ヴィーネ「悪魔がクマ作っちゃいけないっていうの?」

ガヴ「それはギャグのつもりか?」

ヴィーネ「ごめん、頭が働かなくて何言っているのかわからないの」

ヴィーネ(思わず色々喋っちゃいそうだから抑えないと)

ガヴ「そうだ、ホワイトさんと今度会うことになったんだ」

ヴィーネ「えっ」


ガヴ「なんとホワイトさんも同じ街に住んでいたんだ」

ガヴ「それで話盛り上がって、近いんだし、今度一緒に遊ぼうと誘われて」

ガヴ「オフ会ってやつだな」

ヴィーネ「いつ行くの?」

ガヴ「今週の土曜」

ヴィーネ「明後日じゃない!」

ガヴ「先だとだるいしな」

ヴィーネ「大丈夫なの?女の人っぽいけど、その、怖い人だったり、おじさんだったりするかもしれないじゃない」

ガヴ「そしたらその場で帰るよ。何かあっても力使えばいいしな」

ヴィーネ「そうだけど、そうなんだけど」

ガヴ「お前にも引きこもってばかりじゃ駄目だって言われてるしな、たまには外に遊びに行くのもいいだろう」

ヴィーネ(あー、何言っているのよ過去の私!)

ガヴ「心配するなって、ただ遊ぶだけだ」

ヴィーネ「そうね」

ヴィーネ(心配だらけなんですけど!)

ガヴ「どんな人かな、ホワイトさん」


ヴィーネ(期待しているガヴに苛々してしまう)

ヴィーネ「何処に行くの?」

ガヴ「とりあえず12時に駅前で待ち合わせて、その後はご飯食べながらお喋りしてーという感じかな」

ガヴ「正直、ノープランだ。でも話したいことたくさんあるし大丈夫だろう」


ヴィーネ(たくさんの話したいこと)

ヴィーネ(ずるい、私だってもっと話したいのに)

ヴィーネ(ホワイトさん)

ヴィーネ(どんな奴か、私が見定めてあげるわ)


ガヴ「おーいヴィーネ立ち止まってどうした、おいてくぞ―」

-ヴィーネの部屋-

ヴィーネ(敵を知るには、まず敵のフィールドを知らなくては)

ヴィーネ(家に帰った私はガヴとそのホワイトさんが、けっ、けっこんしているネトゲについて調べる)


ヴィーネ(基本はダンジョンを仲間とクリアしていくゲーム)

ヴィーネ(たまにイベントがあって、高得点だとアイテムが手に入るらしい)

ヴィーネ(普通のネトゲだと思うが、違うのはこの結婚システムだ)

ヴィーネ(結婚するとアイテムが貰えるだけじゃなく、カップル専用クエストなんてものもある)

ヴィーネ(結婚してなきゃ、このネトゲを堪能できない)


ヴィーネ(恐ろしい、恐ろしいゲームだわ)

ヴィーネ(ゲーム内で式を挙げることもでき、皆の前で祝福される)

ヴィーネ(ガヴもホワイトさんと式を挙げたのかしら)

ヴィーネ(ガヴの花嫁姿・・・)

ヴィーネ(いや、ガヴは男キャラって言っていたわね)


ヴィーネ(でも、それでも)

ヴィーネ(結婚式は特別なものだ)

ヴィーネ(それがたとえゲームの中だとしても)


ヴィーネ「うーん、もやもやする!」

ヴィーネ(今日も眠れない夜になるのであった)

-当日、駅前-

ヴィーネ(来てしまった)

ヴィーネ(待ち合わせ場所を物陰から眺める)

ヴィーネ(ガヴはまだ来ていない)


ヴィーネ(来なければいいのに、寝坊してすっぽかせばいいのに)

ヴィーネ(!!)


ヴィーネ(ガヴが来た)

ヴィーネ(えっ、まだ待ち合わせ時間10分前よ)

ヴィーネ(あの遅刻、欠席の常習犯のガヴが10分前行動…)

ヴィーネ(ありえない、ありえないわ)

ヴィーネ(それだけ、ホワイトさんに会うのが楽しみってこと!?)

ヴィーネ(痛い、心が痛い)

ヴィーネ(ガヴの方向にチャラそうな男が歩いていく)

ヴィーネ(あの人がもしかしてホワイトさん?)

ヴィーネ(駄目よ、あんな軽薄そうな男は駄目絶対)

ヴィーネ(ガヴの目の前をその男が通り過ぎる)

ヴィーネ(良かった、違った)


ヴィーネ(!)

ヴィーネ(次は、逆方向から汗だくのおじさんが走ってくる)

ヴィーネ(もしやあの人が、駄目、本当に駄目)

ヴィーネ(ガヴの目の前をおじさんは走り去る)

ヴィーネ(ほっ、違った)

ヴィーネ(・・・これ凄い疲れる)

ヴィーネ(来るなら来なさいよ、ホワイトさん!)


ヴィーネ(時計は待ち時間を指していたが、一向に来ない)

ヴィーネ(ガヴを待たせるなんて最悪な人ね)

ヴィ―ネ(そんな人にガヴを任せられないわ)

ヴィーネ(ガヴの近くに制服を着た可愛らしい女の子が立つ)

ヴィーネ(あっ、ガヴが話しかけた)

ヴィーネ(あの人がホワイトさん?)


ヴィーネ(あれ、ガヴと話すの辞めちゃった)

ヴィーネ(女の子は去っていく)

ヴィーネ(どうやら勘違いだったみたいね)



ヴィーネ(私は過保護なのだろうか)

ヴィーネ(お前に娘はやらんっというお父さんの気持ちがわかる気がする)

ヴィーネ(いや、これは過保護という感情ではないのは知っているのだが)

ヴィーネ(駅前も人が増えてきた)

ヴィーネ(ここからだとガヴがよく見えなくなってきた)


ヴィーネ(もう少し近づいてもバレないよね?)

ヴィーネ(私はガヴの近くに歩いていく)


ヴィーネ(ガヴの近くに)


ヴィーネ(ガヴが見える場所に)



ヴィーネ「!?」


ヴィーネ(気づいたらガヴが目の前にいた)

ガヴ「あれ、ヴィーネ、どうしてここに?」


ヴィーネ(私の馬鹿-!!)

ヴィーネ(何、無意識にガヴの目の前に現れているのよ!)


ヴィーネ「あっ、その、ガヴ、こんにちは」

ヴィーネ「あはは」

ヴィーネ(ガヴが不審な目で私を見る)

ガヴ「もしかして」

ガヴ「ヴィーネがホワイトさんなのか・・・?」


ヴィーネ「へ?」


ヴィーネ(私がホワイトさん?)

ヴィーネ(違う違う、全然違う)



ヴィーネ「そ、そうよ、私がホワイトよ!」

ヴィーネ(何言ってるの私―!?)

-ファミレス-

ガヴ「まさかヴィーネがホワイトさんとは思わなかったよ」

ヴィーネ「はは」

ガヴ「言ってくれればいいのに。こんな近くにホワイトさんがいたなんて」

ヴィーネ「はは、そうね」

ガヴ「結婚したと言ったらあんなに驚いていたのも、全部演技だったんだな」

ガヴ「役者だな、ヴィーネ」

ヴィーネ「はは、そうね、だまされちゃってー」


ヴィーネ(思わず嘘ついちゃったけど、これ明らかに不審だよね?)

ガヴ「あ、そうだ今日はヴィーネじゃなくて、ホワイトさんだったな」

ヴィーネ「え、ええ」

ガヴ「ホワイトなんて名前だから、妙に親近感湧いていたんだけど、お前だったとは納得だよ」

ガヴ「私の名前つけるなんてどんだけ私のこと好きなんだよ」

ヴィーネ「ネトゲといえばガヴだからしょうがないじゃない」

ガヴ「ヴィーネ、いやホワイトさんにとってはそりゃそうか」

ヴィーネ「ややこしいわね」

ガヴ「今日は名前禁止」

ヴィーネ「え、うん」

ガヴ「私のことも呼んで」


ヴィーネ「・・・」

ヴィーネ(まずい、まずい、わからない)

ヴィーネ「あの、恥ずかしくて」

ガヴ「もう、いつもテン君、テン君うるさいじゃん」


ヴィーネ「テ、テン君」


ガヴ「・・・」


ヴィーネ「・・・」


ガヴ「うう、改まって言われると恥ずかしいな」

ヴィーネ「そ、そうね」

ガヴ「・・・恥ずかしいからいつも通りにしようか」

ヴィーネ「・・・うん、賛成」

ガヴ「それにしても来たのがヴィーネで良かったよ」

ヴィーネ「え?」

ガヴ「強がってはいたものの、変な奴が来たらと思って心配だったんだ」

ガヴ「それに会ったことで楽しいゲーム世界が壊れちゃうんじゃないかと」

ガヴ「ヴィーネで良かった。その心配がなくなったわ」


ヴィーネ(違う、その言葉を私は受け取ってはいけない)

ヴィーネ(私はホワイトさんじゃない)

ヴィーネ(ガヴを騙している)

ヴィーネ「あのね、ガヴっ」



サターニャ「あれ、ガヴリールにヴィネットじゃん」

ラフィ「あらあら、偶然ですね~」

ヴィーネ「ラフィにサターニャ!?」

ヴィーネ(何で、こんなところで?)


ガヴ「こんなところで会うなんて偶然だな」

ラフィ「ガヴちゃんが休日にお外に出ているなんて珍しい」

ガヴ「たまにはそういう日もあるんだよ」


サターニャ「そこもっと詰めて。私たちも座るから」

ヴィーネ「えっ、うん」

ガヴ「駄目だ」


ヴィーネ「へ?」

サターニャ「え?」


ガヴ「今日はヴィーネと二人で過ごす日なんだ」

ガヴ「悪いが別の席に座ってくれ」

サターニャ「何よそれ」

ラフィ「うふふ、サターニャさん、二人のデートの時間を邪魔しちゃ駄目ですよ。ほら行きましょ」

ヴィーネ「で、デートじゃないわよ」

ガヴ「悪いな」

サターニャ「ちぇっー」

ヴィーネ(サターニャとラフィが去っていく)

ヴィーネ(なぜかラフィが去り際に笑顔で親指をぐっと突き立てた)

ヴィーネ(頑張れよということ?)


ガヴ「それで、最初のクエストのボスがさー」

ヴィーネ「あの蜘蛛のやつね」

ガヴ「そうそう、最初のボスなのにさ、やたら強くて最初は倒せなかったんだ」

ヴィーネ「ガヴは突っ込みすぎなのよ」

ガヴ「そうなんだよ、ともかく攻撃するしかねーという感じだから、ホワイトさんの後方支援がすごく助かるんだ」


ヴィーネ(調べといてよかった、ゲームのこと)

ヴィーネ(でも思わず話にのっちゃって、私がホワイトさんじゃないと言い出すタイミングを見失った)

ヴィーネ(どうしよう・・・)

-ゲームセンター-

ガヴ「ヴィーネはリズム感全然ないな」

ヴィーネ「仕方ないでしょ、太鼓を叩くのなんて初めてなんだから」

ガヴ「じゃ、次はヴィーネがやりたいのでいいよ」

ヴィーネ「じゃあ、あれなんてどう?」

ガヴ「エアホッケーか」

ヴィーネ「怠け者には負けないわよ」

ガヴ「なんだとー、負けた方がジュースおごりな」

ヴィーネ「いいわ、やってやろうじゃない」

ヴィーネ「・・・負けた」


ヴィーネ「私がガヴなんかに負けた」

ガヴ「おいおい、なんかって失礼だろう」

ガヴ「ヴィーネは馬鹿正直すぎるんだよ。真っ直ぐ打つだけじゃ対処は簡単だ」

ガヴ「もっとぶつけて、読みづらくして」

ガヴ「・・・そんなに落ち込むなよ」

ヴィーネ「うう、私が負けるなんて」

ガヴ「ああ、もう次、次やろうぜ」

ガヴ「あれなんてどうだ?」

ヴィーネ「プリクラ?」

ガヴ「そう。今日の記念にってさ」

ヴィーネ「う、うん」



ガヴ「はは、ヴィーネの笑顔ぎこちない」

ヴィーネ「ガヴこそ変な顔しすぎじゃない!」


ヴィーネ(楽しかった、ガヴとこうやって遊ぶのは新鮮で楽しかった)

ヴィーネ(でも、この写真に写るのは本当は違う人で、私じゃない)


ヴィーネ(ごめんなさい)

ヴィーネ(私じゃない、私じゃないんだ)

-公園-

ヴィーネ(時間はあっという間で気づけば夕方になっていた)

ガヴ「あー今日は楽しかった」

ヴィーネ「そうね」

ガヴ「ヴィーネも楽しかった?」

ヴィーネ「・・・うん、楽しかったわよ」

ガヴ「そう、それは良かった」

ヴィーネ(ガヴが微笑む)


ヴィーネ(その笑顔は私に向けては駄目だった)

ガヴ「じゃあ、そろそろ帰ろうか」


ヴィーネ(ガヴの服を掴む)

ヴィーネ(ガヴが不思議そうな顔で振り返る)

ガヴ「どうした、ヴィーネ?」


ヴィーネ「・・・ごめん」

ガヴ「え?」

ヴィーネ「ごめんなさい」



ヴィーネ「私はホワイトさんじゃないの」

ガヴ「え」

ヴィーネ「騙してごめんなさい。嘘ついてごめんなさい」

ガヴ「・・・」

ヴィーネ「ガヴが勘違いして、それにのって嘘ついたの」

ヴィーネ「ガヴの世界を壊してごめんなさい」


ガヴ「どうして、何でそんなことしたんだ?」

ヴィーネ「それは・・・」


ヴィーネ(それは、知っている。嫌という程自覚している)



ヴィーネ「好きだから」

ガヴ「!」


ヴィーネ「大好きだから」

ヴィーネ「他の人と結婚して楽しくしているのが許せなかった」

ヴィーネ「好きなの、大好きなの」


ヴィーネ「私と結婚してほしいの」

ガヴ「・・・」


ヴィーネ「・・・気持ち悪いでしょ?」

ガヴ「・・・泣くなよ」

ヴィーネ「うっ、うん」

ガヴ「そんなに好きなのか」

ヴィーネ「うん」

ガヴ「泣くほど好きなのか」

ヴィーネ「大好き」


ガヴ「そうか」

ヴィーネ「うん」

ガヴ「わかった」

ヴィーネ「うん?」

ガヴ「じゃあ行こうか」

ヴィーネ「え」


ヴィーネ(ガヴに手を掴まれ、引っ張られる)

ヴィーネ「何処に行くの、ねえガヴ」

ガヴ「結婚するんだよ」

ヴィーネ「えー!!」

-ガヴの部屋-

ヴィーネ(結婚すると言われてガヴの部屋に連れてこられた)

ヴィーネ(どういうこと、どういうことなの!?)

ヴィーネ(早すぎ、早すぎよ、もっと仲良く手を繋いでから、口づけて・・・)


ヴィーネ(ガヴの唇・・・ぐはっ)

ヴィーネ(落ち着くのよ、月乃瀬=ヴィネット=エイプリル)

ヴィーネ(深呼吸、すーはー)


ヴィーネ(落ち着けるわけないじゃない!!)

ヴィーネ(そして、ガヴは部屋に入ってから何でずっとパソコンいじっているの!?)

ヴィーネ(お預け、お預けなの!?焦らしプレイなの!?)

ガヴ「おいヴィーネ」

ヴィーネ「ひゃい」

ガヴ「作ったよ」

ヴィーネ「へ?」


ヴィーネ(ガヴがノートPCを見せる)

ヴィーネ(そこには黒髪の女の子キャラがいた)

ヴィーネ「えっ、これって?」

ガヴ「お前のキャラだよ」


ヴィーネ「はい!?」

ガヴ「好きなんだろ、泣くほど好きなんだろ」


ガヴ「このゲーム」


ヴィーネ「・・・」

ヴィーネ「は?」


ガヴ「いや、だってゲームやってないのに、あんなに詳しいなんて相当調べたんだろ」

ガヴ「やりたくてうずうずしていて、でも結婚しないと魅力半減のこのゲームで」

ガヴ「私に結婚相手がいて、他にネトゲをやりそうなやつもいなくて」

ガヴ「かといって知らない人と結婚するのも抵抗があって困っていたんだろう?」

ヴィーネ「・・・」

ガヴ「おい無言で泣くなよ、そんなにキャラができて嬉しいのかよ」

ガヴ「私も申し訳ないけど、ホワイトさんとは別れたから」

ガヴ「これでヴィーネと結婚できるよ、良かったな、ネトゲ友達できて」

ヴィーネ「このゲーム脳がー!」

-ヴィーネの部屋-

ヴィーネ「ああああああああ」

ヴィーネ(私の一世一代の告白が勘違いで終わった)

ヴィーネ(騙した代償ね、当然の報いね)




ヴィーネ「好きなの、大好きなの」

ヴィーネ「私と結婚してほしいの」



ヴィーネ(何言ってるの、私!?)

ヴィーネ(恥ずかしすぎるんですけど)

ヴィーネ(死にたい・・・)

>テン がログインしました

>テン いきなり帰るなよ、そんなに自分の家で一刻も早くプレイしたかったのか?

>つっきー 違うわよ、この馬鹿

>テン まぁいいや、

>テン 30分後式挙げるからな宜しくな

>つっきー 急すぎない!?

>テン こういうのは勢いなんだよ

>つっきー 勢いで結婚なんてしたくないわ

>テン じゃあ辞めるか

>つっきー やだ、結婚する

>テン 我儘な嫁ですこと



ヴィーネ(勘違いで終わったけど)

ヴィーネ(今は)

ヴィーネ(このままでもいいかな)

ヴィーネ(いつかはきちんと笑顔で言うからね)


ヴィーネ(ガヴ、大好きって)

-ガヴの部屋-

ガヴ(顔が熱い)




ヴィーネ「好きなの、大好きなの」

ヴィーネ「私と結婚してほしいの」



ガヴ(あれはこういうことだよな)

ガヴ(けして私のことじゃないよな?)


ガヴ(顔が熱い)

ガヴ(思わず勘違いしてしまうところだった)

ガヴ(勘違いしない方が可笑しい)


ガヴ(・・・ヴィーネ可愛かったな)

ラフィ「ふふふ、ホワイトさんは振られちゃいましたね」

ラフィ「そして、このつっきーさんはおそらくヴィーネさん」

ラフィ「こういう形になりましたか、私はリアルで見たかったんですけどね」

ラフィ「でも、まだ当分楽しめそうですね、ふふ」

終わりです。
めんどくさヴィーネ可愛い。

ホワイト→ラフィ で、彼女の策略にまんまとーという感じでした。前回と同じパターン。
ガヴィーネもっと流行れ(切実

前回はヴィーネがチョコあげる話書きました
またガヴィーネ書きたい、ではー

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