【オリキャラ】パラレル・ダンガンロンパ【安価】Part.2 (54)


・原作ネタバレあり
・オリキャラ注意
・舞台は希望ヶ峰学園がベースですが、全く同じではないです



※前スレ
【オリキャラ】パラレル・ダンガンロンパ【安価】
【オリキャラ】パラレル・ダンガンロンパ【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474621291/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487429952

〔生徒名簿〕

生徒番号01【超高校級の語り部】
影野 継美(カゲノ ツグミ)【DEAD】性別:女
身長:162cm 体重:52kg 胸囲:82cm
特徴:茶髪ショート 制服

生徒番号02【超高校級の司書】
本居 優樹菜(モトオリ ユキナ) 性別:女
身長:160cm 体重:49kg 胸囲:79cm
特徴:黒髪三つ編み 眼鏡 制服 聖人

生徒番号03【超高校級の子役】
足立山福愛(アダチヤマ フクア)【DEAD】性別:女
身長:153cm 体重:45kg 胸囲:79cm
特徴:黒髪ロング 子どもっぽい服装 ツンデレ

生徒番号04【超高校級の仕立屋】
周藤加奈子(ストウ カナコ) 性別:女
身長:166cm 体重:58kg 胸囲:86cm
特徴:赤髪ポニーテール エプロン姿 黄色のバンダナ オタク趣味

生徒番号05【超高校級の遊び人】
樹村巴(キムラ トモエ) 性別:女
身長:145cm 体重:40kg 胸囲:67cm
特徴:金髪ロング オーバーオール 羽付帽子 嘘つき

生徒番号06【超高校級の鍵師】
南錠京(ナンジョウ ミヤコ)【DEAD】性別:女
身長:170cm 体重:60kg 胸囲:84cm
特徴:深緑髪ショート 狐目 着物 手癖が悪い

生徒番号07【超高校級の声真似師】
丹田美代子(ニタ ミヨコ) 性別:女
身長:164cm 体重:57kg 胸囲:87cm
特徴:薄茶ボブ セーラー服 無自覚メシマズ属性

生徒番号08【超高校級の新聞局員】
沢渡晃(サワタリ アキラ) 性別:男
身長:172cm 体重:71kg 胸囲:82cm
特徴:黒短髪 ジャージ 力持ち

生徒番号09【超高校級の合気道部】
吉田奈都琉(ヨシダ ナックル) 性別:男
身長:192cm 体重:99kg 胸囲:108cm
特徴:黒角刈り 黒学ラン 合気道嫌い

生徒番号10【超高校級の美術部】
一色どどめ(イッシキ -) 性別:男
身長:167cm 体重:55kg 胸囲:77cm
特徴:白長髪 ブレザー 奇妙な柄のシャツ ベレー帽 常人の感覚とのズレ

生徒番号11【超高校級の発明家】
伊賀ノ原源治(イガノハラ ゲンジ) 性別:男
身長:160cm 体重:50kg 胸囲:74cm
特徴:黒癖毛短髪 ゴーグル式眼鏡 自作ヘルメット リュック式発明セット オープンスケベ

生徒番号12【超高校級の幸運】
鉄真衣(クロガネ マイ) 性別:女
身長:163cm 体重:56kg 胸囲:82cm
特徴:茶髪ロング 制服 皮肉屋

生徒番号13【超高校級の交渉人】
ラバン・イーグル(- -) 性別:男
身長:182cm 体重:72kg 胸囲:81cm
特徴:深緑髪 深緑スーツ 日本文化を愛する

生徒番号14【超高校級の???】
神崎刹那(カンザキ セツナ) 性別:男
身長:175cm 体重:60kg 胸囲:78cm
特徴:黒長髪 黒スーツ 笑顔

生徒番号15【超高校級の番長】
伝法寺醍醐(デンポウジ ダイゴ) 性別:男
身長:185cm 体重:88kg 胸囲:90cm
特徴:金短髪 黒学ラン 着崩し 寡黙

生徒番号16【超高校級の指名手配犯】
獄門疾風(ゴクモン ハヤテ)【DEAD】性別:男
身長:178cm 体重:70kg 胸囲:80cm
特徴:深青短髪 黒学ラン 交渉人・幸運・声真似・鍵師の才能の持ち主


Chapter3-(非)日常編-

-Day10-

-本居の個室-

『キーンコーンカーンコーン』

『オマエラ、おはようございます! 
朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!』

『さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』



前日にどんなことがあっても、

朝はいつも通りにやってくる。

……まあ、学園内に朝を感じられるものなんて無いんだけど。

……さて、準備をして食堂に行こう。

全員、集まってくれてると良いな。


-食堂-

沢渡「ゆっきー!おはよーッス!」

樹村「優樹菜ちゃんだー!おーはよー!」

周藤「やあ、おはよう」

鉄「おはよ、優樹菜ちゃん」

ラバン「おはようございマス」

神崎「おはようございます、本居さん」

伝法寺「……オッス」

吉田「……おはよう」

一色「ふふふふふ……おはよう」

一色「ふふふ……ふふふふふふ……」

伊賀ノ原「おはよう、本居さん!」

伊賀ノ原「一色君は、さっきからずっとこの調子だよ……」

本居「皆、おはよう」

丹田「…………。」

本居「丹田さんも、おはよう」

丹田「……おう」

そして、いつも通りポケットからメダルを出して

朝食を受け取ろうとして、気付く。

本居「……あれ?」

本居「厨房が……開放されてる!」

沢渡「そうなンスよ!今日、朝来たらこうなってたッス!」

沢渡「中も以前と同じ感じで、特に変化は無かったッス」

本居「良かった。もう、食糧難の恐怖に怯える必要は無くなったんだね」

丹田「その代わり、また毒薬が混入されないかを心配する必要が出てきたけどな」

……そっか。

最初の事件みたいなことが、また起こるかもしれないんだ。

周藤「……そうかもしれないけど、そんなことばかり気にしてたら、団結なんて出来ない」

周藤「アタシ達は、もう一度、やり直すって決めたんだ」

周藤「そして、皆も、それに賛同してくれた」

周藤「もう、コロシアイなんて起こらない……」

周藤「そう思って、アタシは仲間を信じるよ」

神崎「……周藤さんは、考えが変わられたのですね」

神崎「それもまた、1つの答え、と言ったところでしょうか」

丹田「……まあ、毒が入ってることを気にし始めたら何も食えないのは確かだけどな」

丹田「もし、この中に腹ん中でコロシアイを企んでるヤツがいるとしても」

丹田「頼むから、食事に毒を盛る、ってのは止めて欲しいね」


一色「諸君、起こってもいない、起こるかも分からない話を長々としていても、仕方がないよ」

一色「それよりも、既に起こったことについて話すのが懸命だ」

一色「私は、早朝、いつもの通り校内を徘徊していたのだが……」

伊賀ノ原「自分で徘徊って認めちゃうんだ!?やめろって言われてたよね!?」

一色「……新たに、学園エリア3Fが開放されていたよ」

一色「そして、その3Fには……ふふふ……ふふふふふふふ……」

一色「ここから先は、行ってみてのお楽しみだよ……」

沢渡「こ、こんなに嬉しそうな一色くんは初めて見たッス……」

丹田「どうせ美術室でもあったんだろ」

一色「!!!」

一色「……行ってみてのお楽しみだよ……」

鉄「丹田さん!たぶん当てちゃったよ!」

鉄「しかも、当てちゃダメなやつだったみたいだよ!」

丹田「知るかよ、面倒くせぇ……」

新しいエリアの探索……か。

脱出の手がかりを得るためにも、必要なことだよね。

……誰と探索しようかな?



↓3まで、1人ずつ生徒を選択

[丹田・周藤・ラバン]で決定です。
本日22時頃から更新再開します。


本居「それじゃ、この4人でまとまって探索しよっか」

丹田「は?何で一緒にする必要があるのー?」

丹田「どうせ探索結果の報告会はするんだし、1人でやっても変わらねーだろ?」

周藤「まあまあまあ、たまには集団行動もしときなって」

ラバン「そうデスよ。丹田サンは輪を乱す行動が多すぎマス」

ラバン「この機会に、しっかり教育しておかねばいけマセンね」

丹田「はっ……やってみろよ。出来るもんなら、な」

本居「……お願いだから、仲良く探索しようね?」

丹田「うるせえ!売られた喧嘩は買うしかねーだろーがよ!」

ラバン「コラ!もう少し言葉遣いにも気を付けナサイ!」

……確かに、丹田さん、最初はもう少しマシだったのに

日に日に口調が荒くなってるよね。

……出来れば、もう少し穏やかになって欲しいんだけど。


-学園エリア3F 娯楽室-

開放されていた3Fへの階段を上ると、

目の前に新しい施設があった。

扉を開け、中に入ると……

本居「……ゲームルーム?」

周藤「電子生徒手帳のマップには、娯楽室って書いてあるね」

周藤「ダーツ、ビリヤード、ボードゲーム、カードゲーム……」

周藤「それ以外に、雑誌なんかもあるみたいだ」

丹田「ふーん……せっかくだし、遊んでいくか」

ラバン「だめデス。探索中デショウ」

丹田「樹村ー、それ何してんのー?」

丹田さんはラバン君の制止を無視して、

奥のテーブル付近にいる樹村さんに声を掛けに行く。

……絶対、わざと怒られるようなことしてるよね。

樹村「1人オセロ!」

樹村「黒の巴とー、白の巴が戦ってるよー」

樹村「序盤は、白の巴が1歩リード!」

樹村「さあ、中盤戦はどうなるかぁー!?」

丹田「おー、それ終わったら、次は私とオセロしようぜ」

樹村「いいよー!ちょっと待っててー!」

ラバン「丹田サン、ダメだと言ってるデショウ。樹村サンも乗らないでクダサイ」

ラバン「反抗期の中学生みたいな行動はやめてクダサイ。ほら、行きますよ」

丹田「やだー」

ラバン「……ならば、引っ張って連れて行くまでデス」

丹田「ちょっ……!おい!服引っ張るなよ!伸びるだろ!」

ラバン「自業自得デスよ」

……ともかく、ここが開放されたおけげで、

暇をもて余すようなことは少なくなりそうだな。

今度、誰かとゲームをしたりしてみよう。

樹村「おっとー!黒の巴、意地の抵抗ー!勝負は終盤にもつれこむー!」

……それにしても、楽しそうだなあ、樹村さん。


-美術室-

一色「ふふふふふ……ふふふ……」

美術室に入ると、一色君が笑っていた。

周藤「おっ、やっぱり美術室があったんだね」

ラバン「流石に、超高校級の美術部である一色サンは、嬉しそうデスね」

丹田「…………。」

……丹田さん、今度は拗ね始めてるよ……。

周藤「……ん?んんん……?」

周藤「んんんん!?」

周藤「一色、こ、これ、アンタが作ったのかい!?」

周藤さんが、人間の全身像の彫刻を指して言う。

一色「ふふふ……ああ、そうだよ……」

一色「もっとも、この程度のものは、誰でも作れるけどね……」

一色「美術用具が揃っている環境が久しぶりだったものだから、少し基礎の復習を、ね」

よく見ると、何枚か絵も描いてある。

のどかな自然を描いた、風景画が多いみたいだ。

……早朝に開放されてるのを知ったって言ってたけど、

短時間で、これだけの量の絵を描きあげられるんだ……。


周藤「だ、だったらもしかして、何かのキャラクターのフィギュアなんかも、これの応用で作れたりするのかい!?」

一色「もちろん、その程度、造作もないことだが……」

一色「周藤君、少し落ち着きたまえ。何か壊しでもしたら……」

周藤「本当に!なら、ちょっと作って欲しいキャラクターのフィギュアがあってね!」

丹田「どうしたんだコイツ……」

一色「分かった、分かった。作っても構わない。だから落ち着き────」

丹田「きゃーっ!ありがとう!一色!」

興奮した丹田さんが、一色君の方に向かって、走り寄ろうとする。

その時、一色君が作った彫刻を思いっきり蹴飛ばして……


『ガンッ!!!』


彫刻に派手にヒビが入ってしまった。

周藤「あ……」

丹田「うわっ、やーりやがった」

ラバン「これは……」

一色「……周藤君」

周藤「あ……えっと……ゴメン、ほんとに、わざとじゃないんだよ……」

一色「これに関しては、先程も言ったように、肩慣らし程度に作ったものだから構わないけどね」

一色「……゙次"は無いと思っておきたまえ」

周藤「……はい……」

一色「全く……。まあ、これも、修繕のウォームアップには丁度良いがね」

一色君は、溜め息をつきながら、ヒビ割れた彫刻を拾い上げる。

本居「こんなヒビだらけの彫刻、元通りに出来るの?」

一色「当然さ。たとえ真っ二つになったって、粉々になったって、数分で修繕してみせるよ」

本居「数分!?すごい……」

一色「いいや、これくらいは、本当に当然のことなのさ」

一色「私は、その先の……私にしか出来ない゙美"の表現を追求しているのだよ」

当然、と言いながらも、一色君は少し得意気だった。

やっぱり、美術が好きなんだな。

彼の理解出来る部分を垣間見ることが出来て、少し親近感が沸いた気がした。

一色「ふふふ……美術室が開放されたのは、本当に大きな収穫だね」

一色「美しき犠牲となった、影野君、南錠君、獄門君、足立山君には、感謝しておくとするよ……」

一色「ふふふふふふ……」

……やっぱり、到底理解できない部分もあるけど。


-美術倉庫-

その後、私達は、一色君の許可を得て、

美術室の奥にある、美術倉庫に足を運んだ。

本居「わあ、沢山道具があるね」

画材に、彫刻刀に、ハンマーに……ノコギリのようなものまである。

それに、素人には何だかよく分からない液体も幾つか並んでいる。

塗装用に使ったりするのかな?

丹田「誰が作ったんだか分かんねーような作品も、幾つか保存されてんな」

丹田「……にしても、埃被り過ぎだろ」

丹田さんが、乾燥用の棚から絵を引っ張り出して言う。

本居「……ん?この絵……」

本居「どこか、さっきの一色君の絵に似てるような……」

丹田「……あぁ?そうかあ?私には分かんねーけど」

ラバン「第一、そんな古そうな絵、一色サンが描いたわけありマセンしね」

本居「だったら、一色君の親とか師匠とかが希望ヶ峰学園出身で、その人が描いたのかな?」

丹田「その線はあり得るかもな。気になるなら、後で一色に聞いてみたら良いんじゃね?」

本居「……ううん、そこまでするほど気になってるわけじゃないし、いいけど」

本居「それじゃ、そろそろ他の場所の探索に行こうか」

周藤「…………。」

……今度は、周藤さんが落ち込んで、黙ってしまっている。

丹田「……おい。過ぎたことをずっと落ち込んでてもしょーがねーだろ?」

見兼ねて、周藤さんが声をかける。

丹田「大体、一色も良い練習になるとか言ってたし、気にすることねーだろーよ」

周藤「……で、でも……怒って、フィギュア作ってくれなくなったら……」

本居「……そんなに、フィギュアが欲しいんだ?」

周藤「う、うん……実は、アニメとか漫画とか、結構好きで……」

周藤「そういうのの限定品とかって、1度逃したら、なかなか手に入らないんだ」

周藤「でも、一色なら、それに限りなく近いものを作れそうだから……。」

丹田「……趣味は好きにすりゃあ良いけど、一色の舎弟になったりはするなよ」

丹田「あんなのが2人になったら、私はマジで個室に引きこもるからな」

ラバン「……丹田サン、忘れてるのかもしれマセンが、一色サンはすぐそこにいるんデスよ」

ラバン「扉越しに聞こえたらどうするんですか……」

丹田「別に良いだろ。悪口言われて凹むようなタマでもあるまいし……」


-物理室-

美術室から出て、廊下を直進、

突き当たりを左折、少し真っ直ぐ進んで右折

そして、また少し進んで左折すると、

向かって左側に物理室があった。

3Fの全体図を見ると、ずいぶん奥まった位置にある。

本居「物理室……か。確かに、言われてみると、それっぽいかな」

最初は、研究所か何かだと思ったけど。

丹田「……で、このでけぇ機械は何なんだ?伊賀ノ原に聞けば分かるのか?」

丹田さんが気にするのも無理はない。

私も、入ってすぐに目についたのは、これだった。

確実に、物理室の4分の1以上は占めている、巨大な機械。

どんな役割をしているのか、見当もつかない。

ラバン「何とも、奇妙な物体デスね……」

ラバン「こういうものは、日本語で、゙メカメカしい"と言うのデシタっけ?」

本居「う、うーん、合ってるような、間違ってるような……」

伊賀ノ原「あっ!4人共!探索お疲れ様!」

巨大な機械について話し合っていると、

奥の部屋から、伊賀ノ原君が出てきた。

丹田「お、ちょうど良かった」

丹田「伊賀ノ原、この機械は何なんだ?」

伊賀ノ原「ああ……それね」

伊賀ノ原「……何だと思う?」

丹田「質問に質問で返すなよ、面倒くせぇ奴だな」

伊賀ノ原「そんなに嫌がらないでよ!仲良くしよう!?」

……この機会が何なのか、か。

相変わらず全く見当がつかないけど、

何か答えてあげないと、話が進まなさそうだな……。



1.ミキサー
2.空気清浄機
3.タイムマシン

↓1


本居「タイムマシン……とか?」

丹田「へー。なら、中に伊賀ノ原突っ込んで、ちょっくら未来を見てきてもらうか」

伊賀ノ原「軽々しく僕をよく分からない機械に突っ込もうとしないでよ!」

周藤「……タイムマシン、か」

周藤「本当に、そうだったら良いんだけどねぇ……」

周藤「タイムマシンってのは、過去にも戻れるんだろう?」

ラバン「……そんなもの、あるわけありマセンよ」

ラバン「過去はやり直すことなんて出来ない……」

ラバン「私達に出来るのは、過去を反省し、未来をより良くすることだけデス」

周藤「……そうだね。その通りだ」

丹田「……おい!本居!お前のせいだぞ!私はフォローしたからな!」

本居「ご、ごめん……」

適当に答えるにしても、あんまり良くない選択だったかな……。


丹田「……で?答えは何なんだよ?伊賀ノ原」

伊賀ノ原「え?さっき言ったよ?」

丹田「は?まだ言ってねーだろ」

伊賀ノ原「いやいや、間違いなく言ったよ!」

伊賀ノ原「軽々しぐよく分からない機械"に僕を突っ込もうとしないでよ!って」

伊賀ノ原「つまり、それが何かは、僕にも分からないのさ!てへっ!」

丹田「……お前とは向こう半年は口を聞かねえ」

伊賀ノ原「長いよ!せめて2日程度にしてよ!」

伊賀ノ原「お詫びに、モノクマを呼んで聞いてあげるからさ!」

丹田「…………。」

伊賀ノ原「お、おーい!モノクマー!」

伊賀ノ原「僕と丹田さんの関係を修復する為に、出てきてよー!」

丹田「……修復も何も、そもそも大して仲良くなかっただろ」

……小声で丹田さんが酷いことを言ってた気がするけど、聞かなかったことにしよう。

モノクマ「はいはい!呼ばれて飛び出てじゃじゃんのじゃん!」

モノクマ「オマエラ、新しく開放したエリアを自主的に探索してるんだね!結構結構!」

モノクマ「で?何か用?」

伊賀ノ原「あのね、物理室の、この大きな機械って、何のためにあるの?」

モノクマ「ん?ああ、これはね……」

丹田「タイムマシン、とかいう悪趣味な回答は既出だぞ」

本居「ご、ごめん……私が悪かったよ……」

モノクマ「……なーんだ。なら、正直に言おうかな」

モノクマ「これは、空気清浄機みたいなもんだよ」

モノクマ「窓も扉も鉄板で塞いでるから、基本的には新鮮な空気を供給できないでしょ」

モノクマ「その不足を全部、この巨大な空気清浄機が補ってるってわけ」

モノクマ「だから、絶対に、壊したりしちゃダメだよ」

モノクマ「絶対ダメだぞ!絶対だからな!フリじゃないからな!」

モノクマ「やるなよ!やるなよ!」

しつこいくらいの注意換気(?)をした後、

モノクマは私達の前から姿を消した。

丹田「……いざという時は壊すか」

伊賀ノ原「ダメって言われたばっかりなのに!?」


-物理準備室-

さっき伊賀ノ原君がいたらしい、

物理室の奥にある物理準備室には、

大量の研究資料が、段ボールの中に保管されていた。

その他には、重いものを運べそうな台車や、

筒状に巻かれた大きな紙などがある。

何に使うのかさっぱり分からない。

本居「ここにも、特に脱出の手がかりは無さそうかなあ……」

丹田「……ん、棚と棚の隙間に、何か挟まってるぞ」

ラバン「本当だ、目ざといデスね。取れますか?」

丹田「手ぇ伸ばせばな…………よっと」

丹田「何だこれ?写真?」

裏面を見てそう言いながら、

丹田さんはゆっくりとその紙を表に向けた。

丹田「……は?」

本居「何……これ……?」

ラバン「……!?」

周藤「こ、これ、継美ちゃん……!?」

ラバン「いえ、彼女だけじゃありマセン……」

ラバン「隣にいる2人は、南錠サンと足立山サンデスよ……!」

丹田「なんで、こいつらが仲良さほうに写真撮ってんだよ……?」

丹田「そんな機会なかったろ?あったのか?」

丹田「いや、っつーか、この背景、窓がある……?どういうことだよ?」

確かに、その写真には、

継美ちゃんと、南錠さんと、足立山さんが写っていた。

しかも、3人は仲が良さそうで、とても良い笑顔だ。

背景は教室のようで、窓から陽の光が差している。


本居「こんな写真……撮れるわけない……」

本居「だって、この学園の窓や扉は、全部鉄板で塞がれてるはずだよ!」

そう言ったところで、私は1つの可能性が思い当たる。

本居「モノクマだ……」

本居「モノクマが、私達を動揺させる為に、捏造したんだ……」

周藤「な、なるほど……そういうことか……!」

周藤「悪趣味なことするよ……。あんなことが起こった次の日にさ」

ラバン「しかし、捏造にしては、とてもリアルな写真デスね……」

ラバン「本当に、こんな時があったのではないかと、錯覚してしまいそうな……」

丹田「……これは私が預かっておく」

丹田「お前らに預けて、これ以上他のやつらに広まるのは御免だ」

丹田「混乱の元……どころか、それ以上に酷い事態になり兼ねねぇ」

本居「そう……だね。丹田さんに預けるよ」

周藤「まあ、アンタは、こういうのを見せびらかして広めるタイプじゃないしね……」

周藤「……分かった。信用しよう」

ラバン「……ええ、良いデショウ」

ラバン「ただ、念のため、捨てたり、トラッシュルームで燃やしたりはしないでクダサイ」

ラバン「何か、大事な手掛かりになる可能性もありマスから……」

丹田「分かってんよ。それも考慮して、私が預かりたかったんだ」

『写真を丹田さんに預けた。』



周藤「……これで、開放されたエリアの探索は終わりだね」

周藤「食堂に戻ろうか。皆も、調べたいことは調べ終えてる頃だろう」

本居「うん……そうだね。皆と情報を交換しよう」


-食堂-


『全員で食堂に集まり、情報を交換した。』


本居「じゃあ、学園エリアの3F以外に、開放されてるエリアは無かったんだね」

沢渡「そッス!隅々まで確認したッスけど、どこも開いてないッス!」

吉田「そして、新しいエリアにも、特に脱出の手がかりは無し、か……」

吉田「……困ったな。打つ手が無いじゃないか」

周藤「そういえば……獄門が進めてだアレ"はどうなってるんだい?」

伊賀ノ原「ああ、その話もしておかなきゃいけなかったね」

伊賀ノ原「……念のため、場所を移そうか」



-大浴場 脱衣所-


伊賀ノ原「結論から言うと、ロックの解除も、データファイルの解析も、殆ど獄門君が終わらせてくれていたよ」

伊賀ノ原「彼は本当に多才な人だったね……。正直僕も、PCを確認した時びっくりした」

伊賀ノ原「あとは、僕が少し手を加えるだけで、遅くとも明日の夜までには終わると思う」

沢渡「獄門くん……ちゃんとやってくれてたんスね」

神崎「……であれば、現状、その内容に期待するしかありませんね」

神崎「明日の夜21時に、ここに集まる、ということで、どうでしょう?」

周藤「ああ、そうしようか」

ラバン「そうデスね。何か、役に立つ情報があることを祈りマショウ」


あの写真について気になることは多いし、

意見交換をしたいところではあったけど……

それ以上に、今は混乱を避けるべきなのは確かだ。

もう一度団結し直そうって時に、

分裂しかねない原因を作るのは良くないだろう。



……さて、夕食までは、当然まだまだ時間がある。

じっとしていても時間の無駄だし……

……何をして過ごそうかな……?



-自由行動時間1-

1.誰かと話す(生徒指定)
2.探索する
3.購買部へ行く(メダル:10)
4.休憩する

↓2


-娯楽室-

本居「真衣ちゃん、ここにいたんだね」

鉄「あ、優樹菜ちゃん。もしかして……僕の相手をしに来てくれたのかな?」

オセロ盤を広げて、真衣ちゃんが言う。

……うん、オセロは2人でするものだよね。

本居「いいよ、せっかく遊べる場所が開放されたんだし、息抜きにとことん遊ぼっか」

鉄「よーし!この才能に賭けて、運が絡むゲームでは負けられないよ!」



……さて、ゲームをしながら、

真衣ちゃんとどんな話をしよう?


1.幸運について(通信簿埋め)
2.ゲームの実力について
3.新しく開放されたエリアについて

↓2


本居「真衣ちゃんは、自分の幸運について自覚したのは、いつ頃だったの?」

鉄「うーん……いつだったかなあ」

オセロの駒をペチペチと盤に叩きつけながら、

真衣ちゃんは目を閉じて考え込む。

鉄「あ、そうだ、小学校に入ったばっかりの頃だったかなあ」

鉄「確か、立て続けに、運良く事故を回避した時期があったんだよね」

鉄「車に轢かれそうになる直前に、車の方が故障したり……」

鉄「ドッジボールしてて、当たりそうになったら、急にボールの空気が抜けちゃったり……」

鉄「家の2階のベランダから落ちちゃった時に、偶然真下に人が現れて、僕をキャッチしてくれたり、だったかな?」

本居「た、確かに、そんなのが立て続けに起こったら、才能かと思いもするだろうね……」


本居「……あれ?そう言えば、真衣ちゃんって、抽選でこの学園の生徒に選ばれたんだよね?」

本居「真衣ちゃんの幸運に、抽選で当たりくじを引き寄せる要素は無いけど……これって偶然なの?」

鉄「え?僕、抽選で選ばれたなんて言ってないよ?」

鉄「確かに、僕は超高校級の幸運だけど……」

鉄「入学できたのは、純粋に、危機回避の才能が認められたからだったと思うよ」

本居「?……そうだったっけ?」

本居「希望ヶ峰学園って、毎年1人、全国の高校生の中から抽選で、超高校級の幸運を選んでるはずだけど……」

鉄「ふーん、そんなのがあるんだ?」

鉄「でも、それが本当なら、僕以外に、もう1人超高校級の幸運がいないと変だよね?」

本居「そうだね……。今年は真衣ちゃんがいたから、抽選は無かったのかな?」 

鉄「その可能性もあるね……って!ちょっと!1列全部ひっくり返すのはずるくない!?」

本居「いや、ルール通りに動かしてるんだから、ずるくないよ……」

鉄「むむむむむ……これは厳しくなってきたな……圧倒的劣勢……」

本居「……そういえば、真衣ちゃんの幸運って、こういう状況でも発動するのかな?」

鉄「いや、こういうので自然に発動したことはないよ。」

鉄「意識して発動させようとしてみたことは無いから分からないけど……」

鉄「……せっかくだし、試してみようかな」

鉄「これは危機、これは危機……幸運よ、発動せよ……って、あれ?」

鉄「……これ、駒の数が足りてなくない?」

鉄「ほら、今空いてるマス、残ってる駒の数じゃ埋められないよ」

本居「えっ?……あ、ホントだ……」

本居「す、すごいね……偶然なのか、幸運が発動したのか分からないけど……」

鉄「あららー、残念だなー」

鉄「勝負が終わらないってことは、僕がどれだけ劣勢でも、引き分けってことにするしかないね」

本居「えー、微妙に納得いかないような……」

私の抗議も虚しく、

真衣ちゃんは得意気に笑いながら、駒を片付け始める。

その時、娯楽室に樹村さんが入って来て……

樹村「あっ、2人共、オセロで遊んでたのー?」

樹村「ごめんねー。駒足りてなかったでしょー」

本居「あ……そう言えば、樹村さん、さっきオセロで遊んでたね」

樹村「うん!その時にー、駒を何枚かポッケに入れっぱなしにしちゃってたんだー」

樹村「はい、これ、返しとくねー」

そう言って、樹村さんは不足分の駒を差し出す。

鉄「残念、時既に遅し、ってやつだね。もう片付けちゃったし」

……これが全部真衣ちゃんの幸運によるものなら、

ゲームで真衣ちゃんに勝てる日は、永遠に来なさそうだな……。



プレゼントを渡しますか?

1.渡す
2.渡さない

↓1

-所持プレゼント一覧-
毛虫くん
水笛
水笛
G-SICK
黄金のスペースシャトル
アンティークドール
白兎の耳当て


本居「真衣ちゃん、これ、あげるよ」

本居「モノモノマシーンで当たったんだけど、真衣ちゃんにピッタリだと思って」

鉄「わあ、可愛いお人形さんだね」

鉄「こういうの、子どもの頃に集めたりしたなあ……」

鉄「……って、そういう子どもっぽいのがお似合い、って意味じゃないよね?」

本居「ち、違うよ!なんとなく、似合いそうだなって思っただけ!」

本居「それに、そういう人形って、一部ではすごく人気があって、収集家だっているんだから」

本居「一概に、子どもっぽいとは決めつけられないと思うよ」

鉄「……なら、良いけど」

鉄「せっかくだし、後で部屋に飾っとこーっと」

良かった。まあまあ喜んでくれたみたいだ。



鉄「さあ!優樹菜ちゃん、今度はトランプで遊ぶよ!」

鉄「今日は遊んじゃおう!遊び人並みに、遊んで遊んで遊び尽くそう!」

本居「うん、付き合うよ」

本居「……でも、もう幸運を発動させるのは禁止ね?」

『真衣ちゃんと色々なゲームで楽しく遊んで過ごした。』




『真衣ちゃんとの親密度がまあまあ上がった』

『通信簿 1/5
鉄は、小学生になったばかりの頃、立て続けに危機を回避する時期があり、自分の幸運の才能を自覚し始めたらしい。希望ヶ峰学園には、才能を認められて入学したのであって、抽選で選ばれたわけではないようだ。』


-本居の個室-

……さて、夕食まで、まだ時間はあるみたいだな。

じっとしていても時間の無駄だし……

……何をして過ごそうかな?



-自由行動時間2-

1.誰かと話す(生徒指定)
2.探索する
3.購買部へ行く(メダル:10)
4.休憩する

↓1


-厨房-

再度開放された厨房……

何か変わってないか、もう一度確認しに来たけど……

……何の変化も無いみたいだな。

沢渡「あっ!ゆっきー!丁度良かったッス!」

沢渡「今から、ナックル君と、みっちゃんと、同じ料理を作るッスから、判定役になって欲しいんスよ!」

丹田「……まあ、私が食うわけじゃないなら、素材への毒の混入とか気にせずに作れるしな」

丹田「作るだけなら、ってことで、誘いに乗ってやったんだよ」

丹田「……実は、割と料理の腕には自信があるんだよねー」

吉田「頼めるか?本居」

そう言えば、吉田君は、この前図書室で料理本を読んでたっけ。

作ってもらうって約束してたし、良い機会かも。

本居「うん、構わないよ」

本居「それで、料理は何を作るつもりなの?」

沢渡「実は、それもまだ決まってないんスよねー」

丹田「本居に決めさせりゃ良いんじゃねーの?食うのはコイツなんだし」

吉田「……だな。何でも、食べたいものを言ってみてくれ」

本居「何でも良いの?じゃあ……」

時間は14時……

今から作り始めるって考えると、

完成する頃には、丁度おやつが欲しくなる時間なんだよね……。

となると……


1.クッキー
2.パンケーキ
3.ラーメン
4.カレーライス

↓1


本居「それじゃ、パンケーキを作ってもらおうかな」

沢渡「パンケーキとホットケーキの違いって、よく分からないッスよねー」

沢渡「ここから出たら記事に載せたいことランキングNo.1ッス!」

本居「たぶん、もっと他に書くべきことがあると思うな……」

丹田「パンケーキねー、了解」

丹田「クソうめぇ!って言わせてやるから、待ってろよ」

仮に美味しくても、そんな反応にはならないと思うけど……。

沢渡「いやいや、勝つのは絶対オイラッス!侮ってもらっちゃ困るッスよー!」

吉田「俺も料理本でみっちり勉強したからな……。負けるつもりはないぞ」

本居「それじゃ、同時に始めてもらうよ……」

本居「よーい……始め!」

それぞれが闘争心を燃やし、

3人同時に、パンケーキ作りに入る。

……さて、私は、紅茶でも淹れてから、

食堂に戻って完成を待つとしようかな。


-食堂-

食堂で暫く待っていると、

それぞれが完成させた料理を持って、3人が食堂に戻ってきた。

沢渡「ふー!疲れたッス!」

丹田「激旨パンケーキが出来たぞー」

吉田「……待たせたな」

……丹田さんのお皿の上に乗ってるのは何だろう。

紫色の物体に、ところどころ黒い斑点があって、

湯気と言うよりは煙のようなものが出てるんだけど……。

沢渡「それじゃ、1皿ずつ試食してって、1番美味しかったパンケーキを教えて欲しいッス!」

本居「分かった。じゃあ、まず沢渡君のパンケーキから食べるね」

見た目は、ごく普通のパンケーキだ。

バターとハチミツがたっぷりと掛かっていて、美味しそう。

生地には焦げ目も無いし、ふっくらと仕上がっている。

一口サイズに切って、口に運ぶと……

本居「……うん、美味しい。すごく上手く出来てると思うよ」

沢渡「良かったッス!焦げないように、頑張ったんスよー」

本居「沢渡君は、普段料理をしたりするの?」

沢渡「いや、あんまりしないッスね」

沢渡「でも、知らない料理でも、大抵レシピさえあれば作れるッスよ」

沢渡「ただ忠実に、レシピに従うだけッスからね」

本居「うんうん、変にアレンジを加えて失敗しちゃうのってありがちだし、レシピ通りに作れるのは凄いと思うよ」


本居「さて……次は……」

本居「……吉田君のパンケーキを頂こうかな」

丹田「おっ、本命は最後に、ってことだな」

……禍々し過ぎて、選択する勇気が無かっただけだよ……。

本居「わあ、吉田君のパンケーキ、すごいね」

一目見ただけで、生地のふわふわ感が伝わってくる。

分厚さも、沢渡君のパンケーキの2倍近くあるように見える。

上にはアイスクリームとジャムが乗っていて、

まるでお店で出てくるパンケーキみたいだ。

ナイフを入れると、まるで柔らかいクッションに飛び込んだ時のように、

パンケーキの中に沈み込んでいく。

口に運ぶと……

本居「……すごい!めちゃくちゃふわふわだよ~!」

本居「吉田君、これ、どうやって作ったの?」

吉田「ふっ……実は、料理本に載っていたコツを覚えていたんだ」

吉田「生地に使うメレンゲを、かなり強めに仕上げ……」

吉田「そのメレンゲの塊を崩し過ぎないよう、ある程度形を残したまま生地に混ぜ混むと、柔らかい生地が出来上がるらしい」

本居「へえ~、さすが、勉強してただけのことはあるね!」

本当に美味しいな……。

また、お願いして作ってもらいたいくらい。



本居「……最後は……丹田さんのパンケーキだよね」

丹田「おう!優勝間違いなしの力作だ!」

お皿が目の前に差し出された途端、

鼻がツンとなるほどの刺激臭が襲ってくる。

本居「こ、これ……何を混ぜたの……?」

丹田「えーっと……ほうれん草、にんにく、ブルーベリー……」

丹田「あと、サンマと鮎だろ?それと、納豆、梅干し……」

丹田「スタミナ付きそうな肉も入れたな……何の肉か知らねーけど。それと……」

丹田さんが材料を挙げる度に、

隣にいる沢渡君と吉田君の顔も青ざめていく。

沢渡「み、みっちゃん、ずいぶん材料選びに時間かけてるなとは思ってたッスけど……」

沢渡「隣でそんなものを生成してたッスか……」

吉田「……本居、無理はするなよ」

丹田「見た目はちょっと悪くなったけど、味は絶対旨いって!」

丹田「健康も意識したから、一石二鳥だぞ!」

本居「……た、たた、た、食べてみたら美味しいかもしれないしね!」

本居「作ってもらったのに食べないなんて失礼だし……」

本居「……た、食べるよ」

そう言って、私は丹田さんの自称パンケーキを一口サイズに切り、

恐る恐る口に運んだ……。


-保健室-

本居「……はっ」

……ここは……保健室……?

沢渡「あっ!ゆっきー!目が覚めたッスね!?」

沢渡「良かったッスー!急に倒れたから、心配したッスよ……」

吉田「……気分は悪くないか?」

丹田「お、目覚ましやがったか」

丹田「ったく……旨過ぎて気絶するとは思わなかったぞ」

丹田「あ、言っとくけど、もうさっきのパンケーキは残ってねーからな」

丹田「全部、私のおやつにしたから」

丹田「また作って欲しかったら、何か見返りを用意して頼みに来いよ」

沢渡「はは……は……」

沢渡「な、何を持っていけば、あのパンケーキに見合うッスかねー……」

吉田「う、うむ……まるで思い浮かばないな……」

私……気絶してたんだ……。

丹田さんのパンケーキの味……

………………

………………

……思い出せない……。

しかも、思い出そうとすると、なんだか頭痛が……。

沢渡「あっ、ゆっきー、大丈夫ッスか?頭痛いッスか?」

本居「う、うん……平気だよ」

本居「……でも、夕食の時間まで、もう少し休ませてもらっても良いかな」

吉田「もちろんだ。ゆっくり休め」

吉田「……俺は、ラバンに、何か体調不良に効く紅茶が無いか、聞いて来るとしよう」

丹田「はぁ?体調不良なワケねーだろ。旨過ぎて衝撃で気絶しただけなんだから」

丹田「な?本居。優勝は私だろ?」

本居「え、えーっと……」

本居「ちょっと、まだ起きたばかりで、記憶が曖昧だから……」

本居「判定は、後にさせてもらおうかな……なんて」

丹田「なんだそりゃ……まあ、結果は聞くまでもねーし、良いけどさ」

……この自信は、一体どこから沸いてくるんだろう。



その後、皆の協力もあり、数時間休んだだけで、何とか体調は元に戻った。



『丹田、吉田、沢渡との親密度が少し上がった』


-食堂-

体調が回復した後に食堂に戻ると、

一色君を除いた10人が、夕食を摂るために集まっていた。

鉄「あ、優樹菜ちゃん、大丈夫だった?」

伊賀ノ原「聞くところによると、色々と……その……大変な目に遭ったらしいね……」

ラバン「夕食は、甘口のカレーと、消化に良いお粥を作っておきマシタ」

ラバン「お好みの方を召し上がってクダサイ」

皆が、心配して声をかけてくれる。

本居「ありがとう。でも、もう大丈夫だから」

そう言って、厨房からカレーを持ってきて、食べ始める。

それから間もなくして、珍しく食堂の入り口から、

モノクマがトボトボと歩いて入ってきた。

モノクマ「やあ、お前ら。お揃いのようだね……一色君以外」

鉄「……うわっ、出てきた。今日は顔を見なくて済むと思ってたのに……」

周藤「アタシは今日2回目だよ……反吐が出る」

モノクマ「……学園長への言葉の暴力も、禁止にしようかなぁ」ショボーン

モノクマ「さっき、美術室の一色クンのところに行った時も、邪魔するなって、酷い罵声を浴びせられたよ……」

沢渡「そこに関しては、一色くんグッジョブッス!」

モノクマ「……事務連絡しに来ただけなんだから、そう邪険にしないでよ」

モノクマ「知っての通り、オマエラの強い要望もあって、厨房を再度開放しました」

モノクマ「モノクマメダルの支給に関しても、明日から再開させて頂きますよ」

モノクマ「ボクって、生徒の要望をよく聞く、柔軟な学園長だから……」

モノクマ「今後も、改善して欲しい部分があれば、どんどん申しつけくださいな」

モノクマ「……ね?たまには学園長らしいこともするでしょ?」

丹田「ここから出せー」

モノクマ「残念だけど、それは却下」

モノクマ「ボクって、時には教育のために、厳しくもなれる学園長だから……。」

丹田「はっ、都合の良いこった」

モノクマ「とりあえず、今伝えたかったのは……」

モノクマ「明日からは前みたいに、朝になったらモノクマメダルが個室にあるってことと……」

モノクマ「それと、オマエラは以前、調理当番とやらを決めてたみたいだから、それを再開させた方が良いんじゃない?ってことだね」

モノクマ「それじゃ、快適なコロシアイライフを!」

事務連絡とやらを終えると、

モノクマはそそくさとその場から去って行った。


周藤「食事当番……か。どうするかね」

周藤「正直、要望を聞くって言うなら、制度はそのままで、メダルの支給だけ再開してくれりゃ良かったんだが」

丹田「そりゃしねーよ。なんだかんだで、私達が揉める原因を作りたいだけなんだからさ」

丹田「前の制度だと、皆でメダルを分け合ったりして、かえって結束が強まり兼ねないから、止めたんだろ」

伊賀ノ原「あのさ、ちょっと良いかな?」

伊賀ノ原「僕は、当番を作ること自体には賛成なんだけど……」

伊賀ノ原「前みたいに、全員で順番に回す必要は無いと思うな」

伊賀ノ原「考えたくはないけど、それって、誰か1人でも殺人を企んだら、数日に1回、毒殺のチャンスが回ってくるってことでしょ?」

伊賀ノ原「それだったら、誰か信頼出来る1人に調理を任せた方が、安全だと思う」

ラバン「……確かに、その方が良いかもしれマセン」

ラバン「任せられた人も、食事に問題があれば真っ先に疑われるわけデスから、下手に怪しい動きは出来なくなりマスし」

丹田「……で?その任せられる1人ってのは、どうやって決めるんだよ?」

丹田「言っとくが、私は御免だぞ」

鉄「そっか!なら、とっても残念だけど、丹田さんは除外だね!」 

樹村「ざんねんだー、ざんねんだー、とってもざんねんだー」

本居「……皆で1人ずつ、推薦していけば良いんじゃない?」

本居「信頼出来る1人、なんだから、皆から推薦で選ばれるような人がピッタリだと思うな」

沢渡「それで良さそうッスね」

沢渡「じゃあ今から、1人ずつ、この人が良い、ってのを、言っていくッス!」



信頼出来る人……か。

この中だと、誰だろう?


『丹田、一色を除く生徒10人の中から指名』

↓1

一旦ここまでで。
次回は土曜日の22時~を予定しています。

安価↓1


本居「私は、吉田君が良いと思うな」

本居「料理も上手だし……信頼も出来る人だと思うよ」

沢渡「あっ!それ、オイラも賛成ッス!」

沢渡「ナックル君なら信用出来るッス!間違いなく!」

丹田「ふーん……まあ、無害そうな感じはしなくもねえな」

丹田「料理も私の次に上手かったし、構わねぇぜ」

神崎「へえ、吉田さんは料理がお上手なんですか」

神崎「私としても、せっかく食べるなら、美味しいご飯が食べたいですし……」

神崎「皆さんが彼を推すのであれば、私も賛成致しますよ」

鉄「うーん……まあ、優樹菜ちゃんが信頼出来るって言うなら、僕もそれに乗るよ」

鉄「信じてる人が信じてる人のことは信じなきゃね!」

吉田「……皆が俺で良いと言うのであれば、喜んで引き受けよう」

吉田「出来るだけ食事の時間を楽しみに出来るよう、努力させてもらう」

伊賀ノ原「おっと、本人含めて6人賛成なら、ここにいる11人の中だと過半数だから、決定だね」

周藤「一色の意見は……まあいいか。来てないんだから、仕方ないね」

鉄「さっきのモノクマの言いぐさだと、美術室に籠ってるんだっけ?」

鉄「あそこが開放されたのが、よほど嬉しかったんだろうね」

伝法寺「……真面目に芸術の道に励んでンなら、放置しといて良いんじゃねェか」

ラバン「確かに……不穏な動きをされるより、よっぽど安心できマスね」

樹村「じゃあじゃあー、巴が一色くんの代わりに、校内で俳諧しよーかなー」

樹村「ここで一句~!」

樹村「楽しいな~ みんなでご飯 楽しいな~」

伊賀ノ原「いや……でも実際、彼は何をしでかすか分かんないよ」

伊賀ノ原「ここに来たばかりの時なんて、僕を作品の材料にしようとしたんだから!」

丹田「されときゃ良かったのに」

伊賀ノ原「酷いよ!丹田さんは僕に対して辛辣すぎない!?」

伊賀ノ原「あんまり冷たくしてると、パンツ見るよ!!」

丹田「はっ、誰がお前みたいな奴に見られるかよ」

伊賀ノ原「いやいや、僕に見ることが出来ないパンツなんてないよ!」

伊賀ノ原「……!!!……いや、待てよ……」

伊賀ノ原「丹田さん……も、もしかして、ノーパンなのか……?」

伊賀ノ原「くそっ!だとしたら確かに、何をどうやっても僕にパンツを見ることは出来ない!」

丹田「勝手に気持ち悪い妄想繰り広げてんじゃねーよ!」

丹田「いい加減にしねーと、私はまた個室に引き籠るからな!」

沢渡「……それを脅しに出来るのは、みっちゃんだけッスね」

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