桂利奈「外が寒いなら戦車の中で焼き芋すればいいんだよ!」 (32)

あゆみ「その手があったか!」
優季「桂利奈ちゃんあったまいい~~」
あや「じゃあさっそくたき木と落ち葉、集めようか」

紗希「…………」

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あゆみ「集めてきたよー」
優季「わ!すっごいたくさ~ん」
あや「戦車の中に詰め込もう。桂利奈ちゃん手伝って~」
桂利奈「あい~!」

紗希「…………」

あゆみ「ふー。足の踏み場なくなっちゃったね」
優季「これ、うさぎ小屋のおふとんみたい~」
あや「落ち葉の中にお芋を入れて、と。あ、誰か火持ってる?」
桂利奈「チャッカマンある!」

桂利奈「食らえ~!ワンハンドレッドファイヤー!」カチッ
優季「桂利奈ちゃん、楽しそうだね~」
あゆみ「お芋直接焦がさないように気を付けてね」
優季「直接焦がしたら焼き芋になっちゃうよ~」
あや「今から焼き芋にするんじゃん」
優季「あ、じゃあ焦がしても大丈夫か~」
あゆみ「あははは」

あゆみ「んー。なんか火の付きが悪いね」
あや「コツがあるのかな。ちょっと聞いてみるから待ってて」カチカチ
優季「あれ、あやちゃんまだスマホじゃないの?」
あや「うん。なんか、それと眼鏡がお前のアイデンティティ?だって天の声が」
優季「あやちゃん疲れてる~?」
桂利奈「かりなもケータイだよ!やっぱり変身ごっこするときはスマホじゃ締まんないもんね!」
あや「レスきた!」

1:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:AYA006
戦車の中でたき火が上手くつきません
コツを教えてください

2:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:A_RISA
釣乙

3:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:AKYMYKR
車種が分からないと回答のしようがありません

4:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:7RO
戦車でたき火なー俺もよくやってたなー

5:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:MAPO
んなことするアホいるか

6:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:ERI_INU
>>5
大洗女子のウサギマークならやりかねない

7:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:K
いえ~いあやちゃん見てる~?

10:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:AYA006
わたしたちウサギさんチームじゃありません
どなたか真面目に教えてください

11:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:HINA
>>10
まず服を脱いだらいいと思うよ

12:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:LOLICON
さすがにこれは釣り

13:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:K-ZOK01
骨は拾ってやる。人間の可能性を見せてくれ

14:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:SAKI005
ヤメロ

17:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:TAJIRI
マジレスするとハッチも覗き窓もぜんぶ開けて空気を通してやればよく燃えるはず

18:以下、名無しにかわりまして戦車乙女がお送りします ID:PEKO
なぜマジレスしたこいつ

あや「ハッチをぜんぶあけて!」

優季「さっすがあやちゃんのケータイさん~」
あゆみ「換気したら勢いよく燃えはじめたよ!これで焼き芋食べれるね!」
あや「ちょっと肌寒いけどまあ仕方ないかー」
桂利奈「ふっふふふふ。燃えろ!燃え尽きろ!悪は決して栄えはしない!」
優季「桂利奈ちゃん絶好調だね~」

梓「まったくもう。落ち葉集めたら戦車の側に集まってって言ったのに、みんなどこ行っちゃったの?」

紗希「…………」ツンツン

梓「きゃ!!!紗希?!びっくりした…!」

紗希「…………」

梓「え、なに?みんなは?」

紗希「…………」ユビサシ

梓「……………え?」


梓「なんでM3から煙あがってるの……?」

あゆみ「ごほっごほっ」
優季「ごほっごほっ」
あや「ごほっごほっ」
桂利奈「ごほっごほっ」

あゆみ「ちょっとこれめっちゃ煙いじゃーん!」
あや「眼鏡曇ってないのになんにも見えない…」
優季「これじゃ蒸かし芋になっちゃうよ~」
桂利奈「ならないと思う…ごほ」
あゆみ「ちょっと火弱めてくれない?」
あや「弱めかたは書かれてなかったなあ、ごほ」
優季「ごほっごほっ」
桂利奈「ごほっごほっ」
あゆみ「ごほっごほっ」
あや「ごほっごほっ」

梓「え?!ちょっ…!?みんなっ…!!!」

あや「ごほっあー!梓!」

梓「なにやってるのこれ?!」

紗希「焼き芋」

梓「なんで?!!はやく出てきなさーい!!!」

桂利奈「うぅ~~…なんか頭がくらくらする」

あや「身体がおもい~…ごほ」

梓「ほらあや!手ぇかして!あゆみと優季もそっちのハッチから出て!すぐに!!」

あゆみ・優季「はぁ~~い…」


梓「みんな歩ける?!紗希!手ぇかしてあげて!M3から離れるよ!!」

桂利奈・あゆみ・優季「はぁ~~い…」

あや「あぁ…お芋がM3の蒸し焼きに…」

梓「ここまでくれば大丈夫…。みんな、息できる…?深呼吸して、新鮮な空気を吸って」

あゆみ「すぅ~~~~」

優季「はぁ~~~~。M3、すごい煙だよぉ…」

梓「あれじゃもうどうしようもない…。みんなが逃げるまで火事にならなくてむしろ良かったよ」

梓「まったく…寒いからって戦車の中で焼き芋なんて…。ほんとにびっくりしたんだから…!!」

桂利奈・あや・あゆみ・優季「ごめんなさぁ~~い…」

あゆみ「あ…火が…」
あや「燃えてる…鉄なのになにが燃えてるんだろう…」
紗希「ガソリン引火」
あや「あ!すごい激しくなってきたよ…!」

梓「…みんな、もう少し離れておこう。私、先輩たちに連絡入れてくる」

優季「…なんだかキレイ…」
桂利奈「…M3、直せるかな…」
あや「直せるかなぁ…」
あゆみ「あ…旗が出た…」

あや「なんか、シューシュー言ってない?」
あゆみ「バチバチ、も聞こえる…」
紗希「弾薬引火」
あゆみ「も、もうちょっと離れた方がいいんじゃない…」
桂利奈「…ごめんね…M3。ごめんなさい…」
優季「もう、戦車の中でお芋は焼かないから…」
あや「ごめんなさい…!」

「ごめんなさい…!!!」


ドォォン…

ナカジマ「…で、こうなったと…」

ウサギさん「すみませんでした…!!!」

桃「お前たちは……!いや、今は何も言うまい…とにかく無事で本当に良かった」

ウサギさん「ご心配おかけしました…!!!」

優花里「しかし車内で焼き芋とは…生活用品やクッションを置くよりもはるかに斜め上の発想ですね…」

華「そこまで戦車に愛着を持つというのは、むしろ素敵なことですが…」

麻子「あんなガソリン臭い車内で、真っ先に出火しなかっただけでも奇跡みたいなものだ」

みほ「もう、あんなことしないでね…。換気してたから酸欠で意識を失わずには済んだみたいだけど…動けなくなってたらどうなってたか…」

沙織「ほんとだよ!私も卒倒しそうになったんだから…!も~~!!」

桂利奈「あの、ナカジマ先輩…。M3、直りますか…?」

ナカジマ「うーーんなんとも言えないけど…ホシノー!どんな具合ー?」

ホシノ「よいしょ…どうもこうもって感じかな。エンジンは丸焦げ。電気系統もイッちゃってるし…。やってやれないことはないと思うけど、新しく買いなおした方がはやいね」

あゆみ「じゃあ、直せるんですか?!」

あや「お願いします!M3をこんな風にしちゃったのわたし達だから…!」

優季「またM3に乗りたいんです!」

桂利奈「お金がかかるなら、みんなで集めて何年かかっても払います!だから、お願いします…!!」

ウサギさん「お願いします!!!」

ホシノ「その言葉が聞きたかった…!」ニヤッ

ナカジマ「ホシノ~、最近ハマってんの?ソレ」

杏「ま、お芋を少しでも美味しく食べようって気持ちは、とめようがないからな~」

優花里「あ、会長」

麻子「そうだろうか」

桃「しかし会長、明日は聖グロリアーナとの親善試合があります。雪辱戦です。負けられません。ただでさえ台数不足なのにこれでは…」

杏「あ~、その辺の作戦はもう考えてあるから。あとでアヒルさんとこの車長、生徒会室に呼んどいて~」

桃「はっ!」


ナカジマ「ああ、そうそう」

ナカジマ「これを渡すの、忘れてた」ガサッ

桂利奈「?…なんですか?この包み…あ!」

あや「え?なになに?…あ!」


ウサギさん「わあ…!」


ナカジマ「これは…M3の最期の意地だね」


ナカジマ「お芋、美味しく焼けてたよ」

---翌日---

アッサム「予想ではまもなく接敵です」

オレンジペコ「大洗にとっては雪辱戦。気を引き締めていかないと…」

ダージリン「そう気構える必要はないわ。相手のM3は数合わせの木偶。こちらが1両有利な分、優雅な勝利をおさめましょう」

オレンジペコ「…どうしてそのようなことをご存知で…?」


ガインッ!!!

アッサム「!!?…左側面から砲撃!!!」

ダージリン「奇襲…すぐに敵影を捕捉しなさい…!」

オレンジペコ「敵影………ありません!戦車の影も形も…!」

ダージリン「!?…そんなはずh」


ズガッ!!!シュパッ


アッサム「そんな?!!…有効打!!当車戦闘不能!!!」

ダージリン「ま、まさか…そんな……っ!!!」

パリーーーン

当親善試合よりM3が復帰するまでの間、非公式戦において、ウサギさんチームの6名に加えて、アヒルさんチーム車長、磯辺典子を砲手に据えた7人騎馬、「ウサギのゆうれいさんチーム」はその見た目に反して大いに猛威を振るった。
生身の人間による騎馬のため隠密性に特に優れ、砲手による砲撃という名のスパイクの威力は重戦車のそれに匹敵するものであったからだ。
あまりに捨て身な戦法のため相手方より抗議の声が上がることもなく(むしろ称賛の声さえあった)、戦車道連盟理事長 児玉七郎氏は「砲撃力があるならば、鉄と原動機だけが戦車とは限らなない」と黙認の姿勢を貫いた。
M3復帰後「ウサギのゆうれいさんチーム」は解体され、今でも伝説だけが残っている。

------大洗女子新聞部号外特集「ウサギのゆうれいさんチームの伝説」より抜粋


おわり

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