サーバル「歌の特訓には全裸!が良いらしいよ!」(25)

トキさんとゆかいなフレンズたちが歌の練習をするだけの健全なSSです。

よろしくお願いします。

【山頂・ジャパリカフェ】

かばん「歌の特訓?」

トキ「ええ。私、もっともっと素敵な歌が歌いたいの」

トキ「貴女、何か良い方法を知らないかしら」

かばん「うーん、すぐには思い付かないです……ごめんなさい」

サーバル「はいはーい! 大きな声をずーっと出し続けるのはどう?」

トキ「それは喉が痛くなるだけでダメだったわ」

アルパカ「んーとぉ、じゃあ喉に優しい紅茶を口一杯に含んで歌ってみるのはどぉかなぁ? なーんて……」

トキ「……! 試してみるわ、ごくごく」

かばん「ええっ、ちょっとそれは無理が」

トキ「わたぁゴホゲホォ!!」

サーバル「わあっ!? 大丈夫、トキ?」

トキ「ごほごほ、駄目だったわ」

アルパカ「ごみんねぇ、冗談のつもりだったんだよぉ」

トキ「中々良い特訓は思い付かないわね」

アルパカ「そだねぇ」

サーバル「あ! じゃあボスに聞いてみれば? 何か知ってるかも!」

かばん「うん、聞いてみるね」

かばん「ラッキーさん、何か良い歌の練習方法は知りませんか?」

ボス「検索中、検索中……」

ボス「良い方法が、見つかったよ」

トキ「……! 本当?」

サーバル「なになに? どーするの?」

ボス「まずは全裸になろう」

かばん「!?」

トキ「わかったわ」ヌギヌギ

かばん「わああああっ!? だめですよトキさん!」

かばん「ら、ラッキーさん! 何を言い出すんですか、全裸って、何でですか?!」

ボス「歌を上手に歌うには体力が必要だよ」

ボス「だからまずはフィジカルトレーニングから始めよう」

ボス「ジョギングや腹筋、腕立て伏せなどが良いよ」

ボス「でもそうすると体温が上昇してしまうよね」

ボス「汗をかくのが下手で体温の調節が苦手なフレンズは多いよ」

ボス「だから予め全裸になるのが最適なんだ(けもフレ特有のためになる動物知識)」

かばん「え、ええー……?」

アルパカ「へぇ、そうなんだねぇ~」

サーバル「よくわかんないけどボスって物知りなんだね、すごーい!」

ボス「そんなわけだからさあ全裸になろう」

トキ「わかったわ」ヌギヌギ

かばん「だ、だからダメですってば!」

トキ「どうして?」

かばん「どうして、って……裸になるなんて……そんなの、え、えっち……じゃないですか……」///

トキ「えっち?」

サーバル「えっち、ってなにー?」

かばん「ええっ?!」

アルパカ「裸になるってぇ、そんなに悪いことなのかなぁ?」

トキ「私たち、動物だった頃は服なんて着てなかったわ」

サーバル「うんうん、そーだよねー」

かばん「そ、そうなんですか?!」

ボス「フレンズは動物だったころの価値観が残っているんだ」

ボス「だから裸に抵抗がないんだよ」

ボス「裸でも平気なんだ、むしろ裸のほうが自然なんだ」

かばん「そ、そっか……それが普通なんだ……普通、なのかな……?」

ボス「服などという虚飾を脱ぎ去って自然に帰ることこそ」

ボス「ストレスを抱えた現代社会からの離脱であり」

ボス「生物本来の幸せに近付くことができるプロセスなんだよ」

ボス「というわけだからさあ脱ごう、ありのままの自分をみせよう」

ボス「飾らなくて大丈夫だよ(けもフレ特有のありがたい人生哲学)」

トキ「わかったわ」ヌギヌギ

かばん「……っ! あ、あのっ、一つ気が付いたんですけれど!」///

トキ「何かしら?」

かばん「い、いくら何でも裸は寒いと思うんです!」

かばん「風邪を引いちゃうかもしれないから裸は止めておいたほうが良いんじゃないかなって!」

アルパカ「そういえば風邪になると咳が出ちゃうし、喉も痛くなっちゃうよねぇ」

トキ「それは困るわ」

かばん「そう、そうです! だから脱ぐのはやめましょう!」

トキ「一理あるわね。やっぱりやめておこうかしら」

ボス「…………」

サーバル「でもでも、全裸じゃないと歌の特訓が出来ないんだよね? どーするの?」

かばん「うっ、それは……」

ボス「大丈夫だよ、そんなときのために別の特訓もあるよ」

トキ「本当? ならそっちにするわ」

かばん「ほっ、よかった……」

アルパカ「それでぇ、どんな特訓なのかなぁ?」

ボス「ボイストレーニングをしよう」

かばん「ボイストレーニング?」

ボス「歌を歌うにはやっぱり声が大事だからね」

ボス「さっそく滑舌の練習から始めてみよう」

ボス「ボクの後に続けて同じセリフを言ってみてごらん」

トキ「わかったわ」

ボス「『アメンボ赤いなアイウエオ』」

トキ「あめんぼあかいなあいうえお」

ボス「『竹屋の塀に竹立て掛けた』」

トキ「たけやのへいにたきぇたてたてた」

トキ「……意外と難しいわ」

サーバル「おもしろそう! ねえかばんちゃん、私たちも真似っこしようよ!」

かばん「う、うん。これなら良いかな……」

アルパカ「私もやってみよぅかなぁ」

ボス「『庭には2羽ニワトリがいる』」

みんな「にわにわにわにわとりがいる!」

ボス「『赤巻紙青巻紙黄巻紙』」

みんな「あかまきがみあおまきがみきまきがみ!」

ボス「『かばんちゃん大好き愛してる』」

みんな「かばんちゃん大好き愛してる!」

かばん「……って、ええっ!?」

ボス「『私たち、かばんちゃんのこと好きなの』」

トキ「私たち、かばんちゃんのこと好きなの」

かばん「ちょ、ちょっと」

ボス「『かばんちゃんをもっと良く知りたいな、えへへ♪』」

サーバル「かばんちゃんをもっと良く知りたいな、えへへ♪」

かばん「み、みなさん、何を言って」///

ボス「『だからいっしょに裸になろ? 恥ずかしいところもいっしょに見せっこしようよ』」

アルパカ「だからいっしょに裸になろぉ? 恥ずかしいところもぉ、いっしょに見せっこしようよぉ」

かばん「ま、待って、何なんですかそのセリフ!」

ボス「ここで半脱ぎになりながらかばんに迫るといっそうボイストレーニングの効果がアップするよ」

トキ「わかったわ」ヌギヌギ

サーバル「かばーんちゃんっ♪」ヌギヌギ

アルパカ「うふふ、なんだか楽しいねぇ」ヌギヌギ

かばん「わああああっ!! ストップ、ストップです!! い、いったんやめてくださいっ」

トキ「またなの? 良いけれど」

サーバル「今度は何が気になったの、かばんちゃん?」

かばん「ぬ、脱いだら風邪を引くから止めようって言ったばっかりじゃないですかっ」

アルパカ「そいえばそだったねぇ」

トキ「つい勢いで」

ボス「大丈夫だよかばん、今度は半脱ぎだよ」

ボス「着エロだからセーフだよ、健全だよ」

かばん「は、半脱ぎでもだめだと思います!」

アルパカ「意外と頑固さんなんだねぇ」

サーバル「うーん、どうしてかばんちゃんはそんなに裸がイヤなのかな」

トキ「えっち? って言っていたけれど良く分からないわ」

かばん「だ、だって……それは、その」

かばん「だってぼくは、サーバルちゃんも、トキさんも、アルパカさんも……」

かばん「みんなのことが大好きですし……」

かばん「だからみんなに変なことして欲しくないっていうか」

かばん「軽々しく、その、裸とかなっちゃいけないと思うっていうか」

かばん「うう……なんて言えば良いんだろ、よく分かんないです……」

トキ「…………」

トキ「良く分からないけれど、分かったわ」

トキ「私、もう無闇に裸にはならない」

かばん「えっ……!」

ボス「えっ!!!!?!?!!!?」

トキ「私だってかばんのことが好きだもの」

トキ「貴女が嫌がることはしたくないわ」

かばん「トキさん……!」

アルパカ「うん、そーだねぇ。だいじなお客さんに、だいじなお友達に嫌なことするのは良くないよねぇ」

サーバル「ごめんねかばんちゃん、何度も変なことしちゃって」

かばん「アルパカさん、サーバルちゃん……!」

かばん「よかった、分かって貰えて……みんな、ありがとう……!」

ボス「……………………」

アルパカ「でもそうなると特訓はどうすれば良いのかなぁ?」

トキ「特訓はもういいわ。今まで通りに歌うから」

トキ「一生懸命歌って、みんなが聞いてくれる。それだけで幸せよ」

かばん「……あ、あの! 特訓の邪魔をしちゃったお詫びをさせてくれませんか?」

トキ「お詫び?」

かばん「はい! 思い付いたことがあるです!」

かばん「アルパカさん、カフェの前に少しだけ高い丘がありますよね」

アルパカ「あ~、あるねぇ、少ーし出っ張ってるねぇ」

かばん「あそこって使わせてもらっても良いですか?」

アルパカ「良いよぉ、なーんにも使ってないから」

サーバル「なになに? どーするの、かばんちゃん!」

かばん「うん、サーバルちゃん!」

かばん「あそこにステージを作ろう!」

【数日後】

トキ「わたしは~トォキぃ~♪」

サーバル「わぁー! すごいすごーい!」

アルパカ「ふわぁ……ステージ? に声が響いて、とぉっても上手に聞こえるねぇ~」

トキ「歌ってて気持ちが良いわ」

トキ「ありがとう、かばん。貴女のおかげだわ」

かばん「いえ、そんな。材料を運んだのは殆どサーバルちゃんだし……」

サーバル「もー、かばんちゃんがアイデアを出してくれたおかげでしょ♪」

アルパカ「そういえば博士から聞いたんだけどぉ……」

アルパカ「こういうとこで歌って踊るとアイドルっていうのになるんだってぇ」

トキ「アイドル。理由は分からないけれど魅力的な言葉に聞こえるわね」

トキ「決めたわ、今日から私はアイドル。アイドルのトキよ」

かばん「わあ、素敵だと思います!」

サーバル「いいないいな、とっても楽しそう! わたしもアイドルやりたい!」

かばん「えっ、サーバルちゃんも?」

サーバル「うん! そうだ、かばんちゃんもやろうよアイドル!」

かばん「えええっ? ぼ、ぼくはいいよぉ」

トキ「いっしょにやりましょう、かばん。いっしょに歌えばきっと気持ちいいわ」

かばん「で、でもぼく、歌に自信ないし……」

アルパカ「カフェも楽しいけどアイドルも楽しそだねぇ、私もやろっかなぁ」

トキ「大歓迎よ」

サーバル「じゃあ私たちみんなアイドルだね!」

トキ「さっそく一曲歌いましょう」

アルパカ「いいねいいね、楽しいな、楽しいな♪」

かばん「ぼ、ぼくは良いですってぇ……!」

ボス「…………」

ボス「生ぬるいよ」

かばん「えっ」

ボス「そう簡単にアイドルになれると思ったら大間違いだよ」

ボス「アイドルというのは険しい道のりを乗り越えた者だけがなれる神聖な職業なんだ」

ボス「勝手にアイドルを名乗ってもらっては困るよ」

トキ「そうなの?」

サーバル「えー、だったらどうすればアイドルなの?」

ボス「アイドルになるにはね」

ボス「枕営業が必須なんだ」

かばん「!?!?」

くうつかれましたこれにて完結です
アルパカさんの魅力を文字で表現するのは難しいと思いました
すごーい

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