【まほいく安価】ルーラ「なんでアイツは私に逆らうの!」【魔法少女育成計画】 (1000)


前スレ
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の続き

・なんどめだまほいく並何番煎じ
・安価とコンマで進行
・キャラメイクは1人のみ
・基本的にそのキャラが主人公となる視点
・無印(アニメ)が舞台なので原作要素はそんなに無いぽん!多分
 でも突然原作QUEENSまでのネタバレが出ても責任はとれないぽん

・頑張って生き残ってほしいぽん


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487332116


主人公ステータス

魔法少女「ブギーポップ」

本名:葉々木 由良(はばき ゆら)

魔法:【諦めない限り負けないよ】

容姿:髪型は茶髪のセミロング。服装は黒い筒のように見える黒マントと黒帽子で、マントの下は学校の制服

性格:楽観的でまっすぐなちょっぴり泣き虫

口調:煽り癖のある普通の女の子

好きなもの:模型作り、ヒーロー

嫌いなもの:邪悪


身体能力……47 ★★★
精神力……80  ★★★★
知力……49   ★★★
幸運……76   ★★★★
自己主張…… ★★
野望・欲望…… ★★
魔法のポテンシャル…… ★★★★

好きなもの……可愛い模型作り、ヒーロー
嫌いなもの……邪悪


子供の頃から魔法少女より日曜の朝は戦隊ヒーローや仮面サーファーを見てきた中学3年生
友や仲間よりも自身の正義を貫く(予定)
「だがそれでも、私は”負け”ない」


あらすじ

時は新西暦1027年――旧・新潟県西部に位置するN市

ブギーポップはルーラの仲間になった

ブギーポップはルーラの仲間を辞めた

ブギーポップは死にかけた


・・・・・・


ブギーポップ「ほら、土下座だよ土下座。はよゲザんな」

ラ・ピュセル「うう……」

ブギーポップ「土下座と言ったら謝罪でしょ? 謝ってよ」

ラ・ピュセル「謝る理由なんて……」

ブギーポップ「なにか言った?」

ラ・ピュセル「………………すみませんでした」


ブギーポップ「じゃあ次、じゃんけんしようか」

ラ・ピュセル「どんな落差だよ!」

ブギーポップ「ラ・ピュセルクッソ弱いしぃ~仕方ないからあいこでも私の負けでいいよ」

ラ・ピュセル「えっ、あいこでも?」

ブギーポップ「ただし、負けたらまた土下座ね」

ラ・ピュセル「(……どこから来るんだその自信。でも、これなら……!)」

ラ・ピュセル「分かった。私は逃げない」

ブギーポップ「じゃあ3本勝負ね。じゃーんけーん」

ラ・ピュセル「ぽん!」



3戦3勝、ラ・ピュセルはまた額を擦り付けた

次に指相撲、いっせーのーせ2のやつ、にらめっこ、全てにおいてブギーポップは勝利し、ラ・ピュセルの後頭部を見下ろした


ブギーポップ「次は~」

ラ・ピュセル「ま、待った! なにかインチキしてるんだろ!」

ブギーポップ「別に(魔法以外)なにもしてないよ。クソ雑魚ラ・ピュセルちゃんはもう土下座したくないから逃げる~?」

ラ・ピュセル「っそんなことするか! だが今度は私が勝負を決める!」

ブギーポップ「ほう」

ラ・ピュセル「サッカーで勝負だ!」

ブギーポップ「いいよ」


場所を変え、爆破予告で生徒がいなくなった学校へと向かう。無人のグラウンドに魔法少女2人が対峙した


ブギーポップ「……なんでここ?」

ラ・ピュセル「人がいない上にサッカーをやる場所とゴールとボールがある」

ブギーポップ「(なんでここに人がいないって知ってんのよ)」

ラ・ピュセル「攻守を切り替えて3本ずつ。いいな!」

ブギーポップ「あーはいはい。サッカー得意なの?」

ラ・ピュセル「まぁね」

ブギーポップ「じゃあ得意分野で負けたら、ラ・ピュセルなにしてくれる?」

ラ・ピュセル「えっ! うーん…………そうだな」

ブギーポップ「全裸で土下座してね」

ラ・ピュセル「できるか!!」

ブギーポップ「勝てばいい話じゃない。もし私が負けたら同じく全裸で土下座してあげる」

ラ・ピュセル「ぐぐぐ……! 後で覚えてろ!」

ブギーポップ「(まぁ負けるなんてないんだけどね。サッカーってあれでしょ、適当に球蹴ってりゃいいんでしょ)」プクク


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ラ・ピュセルに勝つ
 失敗→野外全裸土下座

建て乙、魔法ポテンシャルは現状4か
問題は、まだ進化する可能性がある事だが

安価下

そうちゃんのライフポイントはもうゼロよ!

コンマ神がそうちゃんに言っている野外全裸土下座しろと

にしても、ブギーは「負け」の定義に関して完全に気づいたっぽいね
じゃんけんは恐らく「勝ち以外=負け」で全勝したって感じかな

安価下


 02……クリティカル!
 クリティカル報酬、精神力が1上がった!(81)

 
 
ラ・ピュセル「最初は私が攻める。ゴールを奪われたらお前の負けだ」


ブギーポップ「その靴でボール蹴れんの?」ダッ

ラ・ピュセル「うわっ、急に来るな! 笛とか吹け!」

ブギーポップ「戦いだったら敵さんがよーいドンで来ると思ってんの? 甘いよ!」
 
ラ・ピュセル「(くっ……確かに、ヒールが邪魔だッ!)」

ブギーポップ「(流石に得意というだけあってなかなかボールが取れない…………けど、諦めない。しつこくボールを追いかけてやる!)」


ラ・ピュセルのボール捌きに舌を巻きながらも、ブギーポップは魔法を発動した

慣れないヒールに、ついにラ・ピュセルがボールをこぼしかける。それを見逃さない


ブギーポップ「もらったぁ!」

ラ・ピュセル「あっ、くそ!」


足をのばし、ボールをかっさらった。思い切り蹴って、1本目は勝ち


ブギーポップ「まず1勝……えーっと、攻守交替で3本ずつだから、あと5回勝てば全裸土下座か」

ラ・ピュセル「全勝できると思うな! 次だ次!」


今度はこちらが攻める側。技量じゃラ・ピュセルには勝てない。相手がこっちに肉薄する前に適当に蹴る


ラ・ピュセル「ふっ、そんなボールじゃ……」


ブギーポップのシュートは偶然ボールに超回転をかけるもので、偶然吹いた突風と相まってボールは急カーブし、ゴールに入った

あんぐりと開いたラ・ピュセルの口はきっとしばらく忘れないだろう

まあ、勝ち負けをしっかり意識できないといけないから気軽に使えるかは微妙なんだけどね
多分本気で負けたくないと思わないと、負けを定義しても機能するかは微妙だろうし
発動した場合の効果は凶悪にも程があるから困る


そんなこんなで終わり、ブギーポップはラ・ピュセル相手に全勝を果たした


ラ・ピュセル「」

ブギーポップ「ほら、脱げ」

ラ・ピュセル「」

ブギーポップ「脱げよ、ほらその鎧も、ブラも、パンツもだよ」

ラ・ピュセル「」ヌギヌギ

ブギーポップ「…………大きい」

ラ・ピュセル「………………見ないで」シクシク

ブギーポップ「はい、土下座。手で局部を隠すな」

ラ・ピュセル「ううううっ……」

ブギーポップ「写真撮らないだけありがたいと思ってよね。あ、もしもしスノーホワイト? 今〇〇中学のグラウンドにいるんだけど」

ラ・ピュセル「やめてぇぇぇ!!」

やめたげてよぉ!


 スノーホワイトとラ・ピュセルの信頼度が上がった!

 スノーホワイト:04
 ラ・ピュセル:04


 また金ローが終わった後に

鬼?悪魔?ブギーポップ?(建前)
いいぞもっとやれ(本音)

野外全裸土下座して芽生える信頼とは?

一旦乙、これで信頼度あがるのか…
スノーホワイトは結局見ちゃったのだろうか

現状の魔法に関する情報を纏めると
①「負けたくない」という気持ちが強まると発動
②発動すると「負け」を避けるための現象が発生する
③魔法により引き起こされる現象は、小さな幸運から奇跡レベルの出来事まで幅広い
④「負け」の定義は自分が想像した「負け」の内容に沿う
⑤魔法により引き起こされる現象は、あくまでも「負け」の回避に繋がる現象なので、
 本当に「負け」を回避できるかはその後の行動次第
ってところか

現状でもかなり強い魔法に育ってきたかな、まだまだ伸びしろはありそう

由良だけに……「負け」の
定義がゆらゆら揺れそう(^^)

現状の長期的な課題は他の人も言うようにフィジカルかな
ただ、短期的に効率よく強化したいのなら、魔法の発展を狙った方が良いかもね
魔法で可能な行動を増やしておく方が一番生存力を上げられそう
精神力が★5クラスある関係もあって、一番効果が出そうな気がする


ラ・ピュセル「スースーするよぉ……」シクシク

ブギーポップ「うはははは!! 滑稽滑稽! その尻尾も取れないの? 引っ張ったら抜けるんじゃないかなぁ!」

ラ・ピュセル「も、もうやめてぇ……」

スノーホワイト「何してるの……」

ブギーポップ「あ、スノーホワイト」

ラ・ピュセル「えっ!? ちょ、み、見ないで! 見るなぁ!! ホントに呼んだのかよ!?」

スノーホワイト「そうちゃ……ラ・ピュセルがこの街で一番大きな困った声を出してて……」

ブギーポップ「そういえばそういう魔法だったね」

ラ・ピュセル「うわぁぁぁぁぁん!」ダッ

ブギーポップ「あ、逃げた」

スノーホワイト「……酷いことしてるんですか?」

ブギーポップ「正当かつ公平な勝負の末だよ。私が負けたらこっちが全裸だったし」


ブギーポップ「そういえばスノーホワイトはこんな時間に魔法少女やってて大丈夫なの?」

スノーホワイト「うん、なんか急に時間が出来ちゃって」

スノーホワイト「(近くの学校に爆破予告ってことで念のためこっちも全校生徒下校になったし)」

ブギーポップ「なるほど……スノーホワイト。今日の予定は?」

スノーホワイト「特に無いよ。言われた通り夜に活動するのは控えてるし」

ブギーポップ「よろしい。あれからキャンディーは増えたの?」

スノーホワイト「うん。今は5万くらいかな」

ブギーポップ「…………マジ?」

スノーホワイト「うん、変?」

ブギーポップ「いや変というか、凄いというか……私の20倍近くある」

スノーホワイト「えっ、それで大丈夫なの!?」


ブギーポップ「まぁ他の連中もそんな感じだし」

ラ・ピュセル「…………」ゼェゼェ

ブギーポップ「おかえり、着るの速いじゃん」

ラ・ピュセル「うるさい……殺してやる」

ブギーポップ「あっはっはっは、いいジョークだね。今度使わせてよ」

ラ・ピュセル「うがあぁぁぁ!!」

スノーホワイト「ラ・ピュセル!」

ラ・ピュセル「さっきの忘れて! あれは、そう、違うから!」

スノーホワイト「罰ゲームだったんでしょ? 分かってるよ」

ラ・ピュセル「ううぅ……」


 スノーホワイトの信頼度(04)ロール……>>直下コンマ一桁
 
 成功→キャンディー5000個PONとくれたぜ
 失敗→頑張ってねという言葉のみ


 10……失敗

 
 
スノーホワイト「頑張ってね」


ブギーポップ「う、うん」

ブギーポップ「(キャンディーくれないかぁ……頼めばくれそうだけど、それはプライドが許さない)」

ラ・ピュセル「もう帰っていい?」

ブギーポップ「いいよ。写真も撮ったし」

ラ・ピュセル「はぁ!?」

ブギーポップ「バラ撒かれたくなかったらこれからも色々付き合ってね」

ラ・ピュセル「消せ! 今すぐ消せぇぇぇ!!」

ブギーポップ「(本当は撮ってないけど、脳内SSDには保存してあるよん)」


魔法の研究は進んでいた

この魔法はなんとも都合がいい。意外と使える

ラ・ピュセルとの実験で「諦めない限り負けない」の「負けない」部分が見えてきた。自分で「じゃんけんならあいこも負け」と思えばあいこも負けも無く、勝つ。一発で

指相撲では力んだラ・ピュセルの足がつって勝利を得たし、にらめっこでもうまいことツボを突けた。負けなしの魔法


ブギーポップ「…………ふふ」


勝負事では負けない。素晴らしい

が、問題がある。これは諦めないという前提が必要だ。こちらが相手より劣っていなければ「諦めない」という思いは生まれない

基本的に格上と対決する魔法だ

故に格下が相手だと、素の自分で戦わなければならない

何に置いても格下に負けるということはある。ジャイアントキリングはどの世界でも起こり得るのだ


そして、諦めないという気持ちは自分が苦境に立たされないと起こらない

思考も柔軟にしなくては

負けない、死なない、諦めない。標語としてはこんな感じか


ブギーポップ「私は、”負け”ない」

スノーホワイト「なに?」

ブギーポップ「ううん、なんでもない。ありがと。それじゃね」


何に置いても、負ける気は無い

この魔法は自分を押し通せる。仲間でも友でも粉砕しながら

そのせいか、性格か、ルーラ達という仲間を失った。後悔の念はある。だが、決めた

この魔法は自分のために授かったモノだ。偶然か神様のいたずらか、これは私のためにある魔法だ

ならば、その道を行けばいい


それにどこか楽観的な自分もいる。なんだかんだ、ルーラ達と仲直りできる方法があるかもしれない。また煽っては殴られの短いながらも楽しかった日々に戻れるかもしれない

大丈夫大丈夫、どんな事でも自分は通せる。だから安心してキャンディーを集めよう

心に巣食う驕りの存在を認めながら、ブギーポップは自分の地区を見回った


 今日集まったキャンディーの数……>>直下コンマ二桁


ブギーポップ「……こんなもんか」


今日で55個。フィーバーだったこの前と比べて遥かに劣る数だが、これが普通だ。コツコツ地道にいこう

空いた時間にちょっとだけキャンディーを集めたおかげでついに3000個を超えた。とはいっても3100個には届かないくらい

夜も遅い。家に帰って寝よう


ブギーポップ「……そういえば、お誕生会もうすぐだっけ…………作らないと」


魔法少女のままなら徹夜しても大丈夫かな


数日間、キャンディー集めに奔走した。3500個。これなら多分、脱落は…………いや、分からない

週末が訪れ、今日は発表の日だ。ルーラ達は今頃スノーホワイトを探しているだろう。無駄無駄。他人を蹴落とそうとするその目論見は打ち砕いてやった

誰かを蹴落とすこと前提なら、キャンディーは集めていない。総数を5等分したところでブギーポップの数よりは下のはずだ


さて、発表の時間まで何をするか


 >>51
 
 1.キャンディー集め
 2.スノーホワイトの様子を見に行く
 3.ルーラ達を遠巻きに見に行く

2

2


ブギーポップ「スノーホワイトは何をしてるかな」


魔法の端末を使い、「ちゃんと大人しくしてるか」と送る。「うん」と返された


ブギーポップ『それならいいんだ。このままルーラ達をやり過ごせればいい』

スノーホワイト『分かったよ』


ふと、このまま発表を待つというのに少しだけ恐怖があることを思い出した

下手をすれば友達が脱落し、死ぬ。それは悲しいものだ。中学生にとってそれは耐え難い苦痛であり、魔法少女になっても弱まってはいるが消えはしない

誰かと一緒にいたかった


ブギーポップ『あの、スノーホワイト。ちょっと会えない?』

スノーホワイト『えっ、今?』

ブギーポップ『うん。1人で発表を見るの怖くて』

スノーホワイト『……分かった。鉄塔はまずいよね?』

ブギーポップ『どこか適当な場所はある?』

スノーホワイト『家の近所に公園があるから、そこでいいかな? 住所は今送るね』


スノーホワイトから送られて来た住所をマップアプリで検索、急行

誰もいない小さな公園にスノーホワイトはいた。ラ・ピュセルが一緒にいないスノーホワイトというのも新鮮だ


ブギーポップ「悪いね」

スノーホワイト「ううん、私も不安だったから……そんなにルーラ達が心配なの?」

ブギーポップ「……確かに、友達が脱落したら困るよ。けど、仕方ないんだ。私は私の意地の方が勝っちゃう自分勝手な奴だからさ」


発表の時間が近付く。さっきまで3時間くらいあったはずなのに、もう2時間だ。1時間ってこんなに短かったっけ


 ルーラ達は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→スノーホワイトが見つからず、急遽標的を変更した
 偶数→ブギーポップを尾行していた


人間は上を死角とする。上に目はついていないし、空を見上げる機会なんてそうそう無い

故に、ブギーポップもスノーホワイトも、鳥に変身したユナエルに見下ろされているとは気付かなかった


スノーホワイト「友達より、優先することがあるんだね」

ブギーポップ「スノーホワイトには無い? そういうの」

スノーホワイト「うーん、どうなんだろ」


何気ない会話で発表の不安をかき消そうとする

だが、また別の不安の種が目の前に現れるのは予想外だった


ルーラ「私にもあるわよ。アンタよりも優先すること」

ブギーポップ「ッ、ルーラ!?」

ルーラ「筋金入りのアホね、アンタは。アンタの担当地区も分かってるんだから、外に出れば尾行されるくらい思わないの?」


ルーラ「言ったでしょ、今週はアンタだって。しかもスノーホワイトまでいる……これを狙わない手は無いわよねぇ」

ブギーポップ「っ、じゃあスノーホワイトだけ見逃せよ! 私とここで戦え!」

ルーラ「そんなアホなことするわけないでしょう。ここでアンタ達2人のキャンディーを貰うわ。ふふっ、2万……今ならもっと増えてるでしょう?」

ブギーポップ「……スノーホワイト、ラ・ピュセルを呼んで」

スノーホワイト「うんっ……!」

ブギーポップ「(5対2は辛いけど、5対3なら……)」

ルーラ「ミナエル、ユナエル、たま、行きなさい!」

ミナエル「おいさー! もう1回刺してあげるよ!」

ユナエル「お姉ちゃんマジ鬼畜~」

たま「ブギーちゃん……」

ブギーポップ「(ああ、私は本当にバカだ……チクショウ! スノーホワイトを巻き込むなんて……!)」


ルーラ「アンタの魔法は多人数相手には向いていないわ。手の内を知り尽くされて、それでも虚勢を張るの?」

ブギーポップ「ふっ、あれがすべてだと思った?」

ルーラ「ふぅん、自分で色々調べたのね」

ブギーポップ「ええ。私は”負け”ない」

ルーラ「いいえ、それでも勝つのは私達よ」

スノーホワイト「ラ・ピュセル呼んだよ! すぐ来てくれる!」

ブギーポップ「これ脚本が井上だったらワープしてくれるのに、ね!」


 身体能力(47+10+10=47)ロール……>>直下コンマ二桁
 (スノーホワイトを守りながら時間稼ぎ-10)
 
 成功→なんとか攻撃を避けて時間を稼ぐ
 失敗→スノーホワイトを庇い攻撃を受ける
  


 16……成功!

 
 
ミナエル「ほらほら、足元お留守ー!」


ブギーポップ「うるさい!」ゲシッ

ミナエル「ぐえっ!」

ユナエル「お姉ちゃんマジよわ。じゃあ私はライオン!」

ブギーポップ「マズッ、スノーホワイト!近くの建物の上に!」

スノーホワイト「う、うん!」

スイムスイム「逃がさない。スノーホワイトも、ここで……」

ブギーポップ「おっと、やめろ!」


スイムスイムを掴もうとした手は、何に触れることも無く空を切った。馬鹿な、確かに掴んだはず。すり抜けた?


ルーラ「お前達はそのアホの足止めをしておきなさい。私は先にスノーホワイトのところに行くわ」

ブギーポップ「させるか!」


ミナエルとユナエルの攻撃と、たまの力ない妨害を潜り抜け、ルーラへとパンチを繰り出すが、避けられる。だがここから逃がさない


ルーラ「チッ、邪魔なのよ!」

ブギーポップ「ああぁぁぁ!!」ガシッ

ルーラ「ちょ、放しなさい!」

ブギーポップ「(密着すれば、他の連中は手を出せない! ラ・ピュセルも近所なら、もうすぐ来るはず……!)」

ブギーポップ「(スイムスイムだけ行ったが、タイマン勝負ならまだスノーホワイトだってなんとか……)」

ルーラ「チッ、お前達! ここは私がコイツを抑えとくからスノーホワイトのとこに行きなさい!」

ブギーポップ「柔軟な指示だねぇ……」

ルーラ「状況によってフレキシブルに役割を変えてこそ、組織は長生きするのよ」

ブギーポップ「だと、いいね!」


時間は稼いでいる。だが、4人が向かったとあればラ・ピュセルといえど守り切れるかどうか……

下手をしたら、ひとつひとつ潰すように、スノーホワイトの後にラ・ピュセルもやられるかもしれない。数の利とはそれほどに重要だ


 スノーホワイトの数値……>>↓1コンマ二桁+30
 (ラ・ピュセル到着+30)
 ラ・ピュセルの数値……>>↓2コンマ二桁
 ルーラ組の数値……>>↓3コンマ二桁
 
 スノーホワイトの数値がルーラ組に勝っていた場合……ラ・ピュセルに守られながら逃げる
 ラ・ピュセルの数値がルーラ組に勝っていた場合……ルーラ組撃退(70以上上回っていた場合誰かを撃破)
 ルーラ組の数値が勝っていた場合……スノーホワイトを人質にとる(60以上上回っていた場合ラ・ピュセル撃破)


ラ・ピュセル「はぁぁぁっ!」ブォン

ユナエル「うわっ!? なに、いきなり!」

スノーホワイト「そうちゃん!」

ラ・ピュセル「ここは私がなんとかする。スノーホワイトは逃げるんだ!」

ミナエル「なにそれ、ナイト様気取り?」

ユナエル「ウィンタープリズンといい、マジウザイ!」


ラ・ピュセルが剣を大きくし、ブンブンと振り回す。その勢いに押され、ミナエルとユナエルは近付けない

たまは言わずもがな、スイムスイムだけが平気そうにしているだけだ


ラ・ピュセル「(……スイムスイムに当たっていない? けど、他の連中なら……!)」

ミナエル「ちょ、マジヤバイ!」

ユナエル「なにアイツ、つっよ!」

ラ・ピュセル「お前達卑怯な魔法少女に、私は負けない!」


ルーラ「なっ……増援……?」

ブギーポップ「へへっ、そういうこと」

ルーラ「これもアンタの魔法ってわけ?」

ブギーポップ「さぁ?」

ルーラ「チッ、ならアンタだけでもやってあげるわ」

ブギーポップ「私にタイマン? 死ぬよ?」

ルーラ「忘れたの? アンタは魔法に驕って弱いって」

ブギーポップ「あ? 魔法少女なら魔法使わないと損じゃん。あ、ルーラは使えないポージング魔法だっけ。いやー運って重要だよね。人生運だよ。運と胸が無いとルーラみたいになっちゃうんだもん」

ルーラ「こんのおおぉぉぉ!」


 身体能力(47+10=57)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法を使わなくてもルーラくらい余裕
 失敗→ルーラに追い詰められる


 52……成功!


ルーラ「ルーラの名のもとに――」

ブギーポップ「それさ、言ってる間ってもったいないよね、時間!」


ルーラの平たい胸にパンチを入れる。ぐぅっと声をあげ2歩3歩とルーラが後退した

ルーラの魔法は発動時に「名のもとに命じる」必要がある。その時間3秒くらいだろうか。その3秒は間違いなく隙になる


ブギーポップ「前にも言ったじゃん、ルーラの魔法は誰かがいるとき向きだって! ルーラはバカだよ! バーカ!」

ルーラ「くっ、このっ!」

ブギーポップ「はははっ、お供がいなけりゃルーラなんてその程度なんだよ! なんとか言ってみろ雑魚!」


ブギーポップ「誰がバカだってぇ? 言ってみろ!」

ルーラ「ふ、くくははは! アンタよ!」

ブギーポップ「っ……?」


口から血を流しながらルーラが笑う。何故だ。スノーホワイトは逃げ、お仲間はラ・ピュセルに撃退され、自分は追い詰められている

ルーラこそ逆境じゃないか

なのに何故笑う


ルーラ「ラ・ピュセルは逃げたスノーホワイトを追って行ったわね。つまりここにはアンタ1人」

ブギーポップ「だからどうした。1対1でしょうが」

ルーラ「1対1? たまとバカ2人は逃げたけど、あと1人は?」

ブギーポップ「えっ――」

ルーラ「ねぇ? スイムスイム」


振り返るとスイムスイムが居た。無表情にピンク髪。スノーホワイトとの見間違いではない


ルーラ「私の名のもとに、動くな!」

ブギーポップ「うぐっ……!」

ルーラ「どう? アンタ向けの逆境よ。覆しなさい」

ブギーポップ「やっぱルーラってクソバカだわ。どうせ破られるって知っててさァ!」

ルーラ「ええ破りなさいよ」

ブギーポップ「(……とはいえ、下手に破ってもルーラのことだ。罠があるはず。それにスイムちゃんが何をするか……)」

ブギーポップ「(けど、今破らないとスイムちゃんに端末を奪われておしまい。多分、2度目は無い……!)」


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ルーラの魔法を破り逃げ出す
 失敗→スイムスイムに端末を奪われる

ファンブル起きるなぁ……


 91……ファンブル

 
 
諦めるな、ルーラの魔法を破ることに集中だ



ルーラ「あ、そうそう」

ブギーポップ「あ?」

ルーラ「破った瞬間、アンタは死ぬわよ。それが嫌なら破らないことね」

ブギーポップ「下手な脅しだよ。アホ」

ルーラ「……そう。なら止めないわ。スイムスイム」

スイムスイム「…………うん……」


ルーラの魔法を破った。次、今どんな状況だ。2人に挟まれて、魔法を破ったら死ぬと言われた。死なないじゃないか

だが死は突然に訪れる。それを知ったのは、自分の胸からスイムスイムの腕が生えているのを見た時だった

めっちゃおもろい(´・ω・`)


ルーラ「スイムスイムの魔法は物質透過。アンタの体も攻撃もすべてをすり抜ける」

ルーラ「そしてアンタの魔法の欠点……それは、思考しなくてはいけないことよ」

ブギーポップ「ぇ、なに……!」

ルーラ「魔法を発動させるために、負けの条件を考え、諦めないという気持ちを生み出し、発動させる……そのプロセスに一体どれくらいかかるかしら――まぁ、今スイムスイムが魔法を解いてアンタの心臓を握りつぶすよりは遅いわよね」

スイムスイム「……ごめん」


スイムスイムの腕が胸に沈んでいく。なにも感じないのは透過しているからだろうか

だが、次に感じたのは胸からの違和感。次いで痛み。何かを、握られているような

グチャッという音が聞こえた


ブギーポップ「ぁ…………」ドサッ

ルーラ「…………アンタが悪いのよ」


喉から大量の血が逆流してくる。たまらず吐いた

血の塊みたいなのが口から出る。これ、本当に自分の物か?


ブギーポップ「……ぁ……」

ルーラ「心臓を握りつぶされてもなお、思考ができるのならしてみなさい」

ブギーポップ「……しに、た、くな、い…………」

ルーラ「命乞い? 安いわね、アンタ」


死にたくない。嫌だ。死んだら負けだ

つい先日思ったばかりなのに、まーた死にそうだ。いい加減勉強しろ自分


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→まだだ
 失敗→意識が薄れていく

つっよ(思考停止)


 精神力訂正、81でした
 
 03……クリティカル!
 クリティカル報酬、精神力が1上がった!(82)

 
 
ブギーポップ「ぁ……だ」


ルーラ「遺言なら聞いてあげるわ」

ブギーポップ「……だだ」

ルーラ「はぁ?」

ブギーポップ「…………だ」

ルーラ「…………時間の無駄ね。スイムスイム、コイツの端末を探しなさい」

スイムスイム「うん」


心臓が潰れた。心臓というのは何故よく死因にされるのか

心臓の役割とはなんだ。血液を全身に送るポンプだ。血液が回らなくなれば人体は活動を停止する。脳もそうだ

心臓が無くなった。心臓の代わりが必要だ。探さなきゃ

死ぬまであと数分。数分以内になんとかしないと死ぬ。つまり負ける


スイムスイム「……」ガサゴソ

ブギーポップ「……だ」

スイムスイム「?」

ブギーポップ「ま…………だ」

ルーラ「まだ見つからないの? 早くしなさい」

ブギーポップ「 ま だ だ ! ! 」


ルーラ「はぁ!? アンタ、なんで動いて……!」

ブギーポップ「ぁぁぁぁぁああああぁぁ!!」ゴプッ


血を吐きながら、酸素の供給が途絶えて活動を弱めた筋肉を叩き起こす

不意を突き、ルーラを押し倒した


ブギーポップ「心臓……を、寄越せ……!」

ルーラ「ぁ……!」

ブギーポップ「……!」


腕を突き入れようとする。スイムスイムが邪魔をしてきた

邪魔をするな、心臓が無いと死んじゃうんだぞ


無我夢中だった。今こうして動けるのも奇跡だ

もう仲間とか信念とかどうでもいい。生きる。死ねない

諦めない

死なないために、なんでもいい、誰でもいい、寄越せ。命を


 身体能力(47+10-30=27)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ルーラから心臓をいただく
 失敗→ルーラ達に逃げられる

ルーラ殺したくねえなあ


 88……失敗

 
 
スイムスイム「だめっ!」ドカッ


ブギーポップ「うぐぅ、ぁ……!」ドサッ

ルーラ「な、なによ……コイツ……!!」

スイムスイム「逃げよう、ルーラ」

ルーラ「クッ、まぁどうせ死ぬんだし……」

ブギーポップ「ぁ……よこ、せ……!」


意識はそこで途切れた

いや、おぼろげになったと言うべきか

安価とってすまん(´・ω・`)


ルーラを追いかけさまよう。だめだ、諦めるな。諦めなければ負けない

生きることを諦めるな

本能が進める足は、いつしか病院へとついていた

表玄関を蹴破り、警報が鳴って警備員がやってくる


ブギーポップ「……ドナー寄越せ」

「何だお前は!?」

ブギーポップ「早く医者呼んでドナー寄越せ!! 殺すぞ!!」

「ひっ、ひぃぃぃ!!」


魔法は発動している。きっと助かる。諦めない限り


意識はおぼろげだ。自分はなんて言ってるのか、あまりよく分からない

心臓が潰れて何分経ったか、”奇跡的に”魔法少女としてもかなり長い時間延命しているはずだ

”奇跡的に”移植担当の医者が宿直だった。”奇跡的に”心臓のドナーがある病院だった。”奇跡的に”その心臓との相性は良いらしい。”奇跡的に”魔法少女でも人間のドナーを使える

警備員を投げ飛ばし、脅し、緊急手術をやらせた。準備とかそんなものはいらない。とにかく胸を開いて潰れた心臓を取り出して新しい心臓を付けろと命じた


「あ、あの……麻酔……」

ブギーポップ「いらないから、早くつけろ……!」

「は、はいぃ!」


手術は5分で終わった

胸を開き、心臓を取り除き、新しく取り付けると”奇跡的に”ブギーポップの体は心臓を馴染ませ、ドクンドクンと命の音を聞かせてきた

あとは縫い合わせるだけ


血管の縫合も必要ない。”奇跡的に”魔法少女の中でもトップクラスの再生力が一時的に現れている


「あ、あの……人間ですか?」

ブギーポップ「あ?」

「いえっ……!」

ブギーポップ「…………う……」ガクッ

「き、気絶した………………?」


”奇跡的に”変身が解けることなく、ブギーポップは意識を失った


・・・・・・


ファヴ『今週の脱落者を発表するぽん!』


ルーラ「まぁ、決まってるんだけどね」

ミナエル「え、分かるの?」

ユナエル「スノーホワイトには失敗したんだけど」

ルーラ「ファヴに確認は取ってあるわ。発表前に誰かが死んだ場合、ソイツをその週の脱落者として処理するからキャンディーによる脱落は無しになるってね」

ミナエル「誰か死んだの?」

ルーラ「ブギーポップは死んだわ」

たま「ええっ!?」


ルーラ「心臓を潰されりゃいくら魔法少女でも死ぬでしょ」

ミナエル「うっわ……マジ?」

ルーラ「ええ。目の前で心臓を潰されたわ」

ユナエル「ブギー……マジグロテスク」

スイムスイム「…………本当に死んだかな」

ルーラ「アレで死んでなかったらソンビよ」


ファヴ『今週の脱落者は――>>直下コンマ二桁ぽん!』


 01~20→マジカロイド44
 21~40→たま
 40~60→ミナエル
 61~80→ユナエル
 81~00→マジカロイド44

この世界線でも、たまは駄目みたいですね……


ファヴ『たまだぽん!』

たま「――――えっ?」

ルーラ「――――はっ?」


王結寺の中の時間が止まった。ファヴよりもたらされた事実が、誰の脳も処理しきれない

ルーラ組の中でキャンディーの分配は行われていない。基本的に歩合制だからだ。たまはこの中で1番キャンディーが少なかった

だが2000個はあったはずだ。それなのに足りなかった。他も沢山集めていた。いや、それよりも――


ルーラ「ちょっと待って! ブギーポップは!? 死んだ奴も脱落者にするって……!」

ファヴ「そうぽん。死んだら脱落者扱いでその週のキャンディーによる脱落者はナシだぽん」

ルーラ「じゃあなんで!?」

ファヴ「ブギーポップは死んでないぽん」

ルーラ「…………う、そ……!」


ミナエル「ま、マジ!? たま死んじゃうの?」

ファヴ「そうぽん」

たま「っ、う……うぅ……」ポロポロ

スイムスイム「たま……」

たま「……死んじゃう、んだ……」

ユナエル「……マジ……いや、なんでもない」

ルーラ「………………」

たま「…………あの、外、出てくるね」


たまを止める者は誰一人としていなかった


たま「………………う」

たま「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」


王結寺を出て、大声で泣く。多分もう戻ることは無い。このまま1人で死のう。そう思った

最期に、街を見たかった。魔法少女になってから、すごいすごいと自分に驚きはしゃいで飛び回った街を


たま「でも、ブギーちゃん……死んでない……」

たま「…………よかったにゃ……」


 幸運(76)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ブギーポップ、目を覚ます
 失敗→ブギーポップは翌朝まで寝ている


 88……失敗


ミナエル「………………たま、遅いね」

ルーラ「多分戻ってこないわ」

スイムスイム「なんで?」

ルーラ「……1人で死にたいんでしょ」

ユナエル「猫かよ」

ルーラ「………………ッ、クソッ!」

ルーラ「(なんで、なんで私のチームから脱落者なのよ!! 何が悪かったの? 私は何を……!!)」


・・・・・・


どれくらい寝たか、痛みは残っている

病室に居た。点滴を打たれ、呼吸器がついているのが分かる


「気が付きましたか?」

ブギーポップ「……………………誰」

「あなたが脅して手術させた移植医ですよ」

ブギーポップ「私が……?」

「驚きましたよ。あの、あなた本当に人間ですか?」

ブギーポップ「………………すみません。私、生きたくて……」

「…………一応、警察は呼んであります。何故あなたがあんな状態だったか、目を覚ましたら聞きたいそうです」

ブギーポップ「警察…………」


ブギーポップ「(多分、私……まだ生きてるんだ。太陽が昇ってる……キャンディーが足りた……)」

ブギーポップ「(…………警察……まずい)」


まだまとまらない思考だが、やるべきことは分かる。逃げることだ

警察に捕まったら間違いなく長い間拘束されてキャンディーが集められなくなる

本当は相応のお金を払いたいが、謝ろう


ブギーポップ「救っていただき、ありがとうございました……あの、ごめんなさい」

「いえいえ……あ、刑事さん」

ブギーポップ「……っ!」バッ

「えっ?」


窓を割って外に飛び出た。高い階の病室のようだったが、しっかり受け身を取れば着地できなくもない

きっと医者やチラッと見えたスーツの人達はポカンとしているだろう。踏み倒す形となったが、いつか出世払いで返そう


患者服のまま家に帰り、窓から自分の部屋に入った。こんな姿親には見せられない

変身を解く。由良の体に異常は無い


由良「………………私、本当に助かってるんだ」


今度こそ死んだと思ったが、最後まで諦めなかった。その思いが魔法を呼び、ブギーポップを生かした


由良「…………あ、そうだ。キャンディー……誰が脱落したんだろ」


チャットログを漁る。昨晩の発表の時間…………あった

由良は端末を落とした

心折れる(´・ω・`)


たまが死んだ

ルーラ組の中でも一番仲が良かったたまが、脱落、死

思いのほかダメージが大きかった。あんなに適当に過ごしてたはずなのになんでこんなに悲しいんだ

涙も出ないわけがない


由良「………………」


いや、都合が良すぎる。こうなるかもしれないことは分かっていたはずだ。ルーラ達の敵になるということは、仲間を間接的に殺すということだ

ルーラ達とやっていることは何が違う

たまは何故死んだ。キャンディーを集めなかったからだ

何故キャンディーを集めなかった。スノーホワイトのキャンディーを奪うつもりだったからだ

だがそれは失敗した。そしてたまが死んだ。だがそうしなければスノーホワイトが死んでいた

どっちが悪いんだ。先に仕掛けた方か、結果的に殺した方か。どっちが正義なんだ


由良は楽観的なワガママ娘だ。事実が突きつけられない限り、大丈夫きっと何とかなると問題を先延ばしにする。受験だってそうだ。まだ2学期だし、と……もう早い者は志望校を決め、勉強やら面接練習やらを始めているのに、由良は何もしていない

魔法少女だってそうだ。何かをするようで、何もしていない

流されるままルーラ達の仲間になり、流されるまま絆を作り、ちょっと自分で行動したら友達を死なせてしまった

ブギーポップに残されたものといえば、スノーホワイトを守ったということだけだ


由良「っ、そうだ……スノーホワイト…………」


魔法の端末を開く。スノーホワイトからのメッセージがたまっていた

「大丈夫?」「まさかと思うけど」「ねぇ、返事をして」……心配してくれていた


ブギーポップ『私は大丈夫。ちょっと手が放せなかっただけ』

スノーホワイト『よかった……あの、今回の脱落者……』

ブギーポップ『分かってる。仕方なかったんだ。こうしないと、私は正義を貫けなかったから』


「こうしないとスノーホワイトが死んでいた」などと恩着せがましく彼女にダメージを与えるようなことは間違っても言わない

そして自分でチャットを打って気付いた

結果的に、ブギーポップは自分の正義を貫いたのだ


由良「…………そうだけど……っ」


たまと引き換えにした正義など、嬉しくもなんともない


正義の犠牲、といえば聞こえがいいか? 否

形はどうあれ、死んだらそれまでだ。死ぬより生きていた方がいいに決まっている


由良「………………」


変身した。ブギーポップにならないと、心が折れてしまいそうだったから

コスチューム等は元通りだった。あの病院に残していった方はどうなったんだろう

と、脱線を直す。本当に自分は、何をすべきなのだ


 精神力(82)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→正義を貫く
 失敗→わからないよ……
 

誰かの死を無駄にはさせない事を選ぶか…


 19……成功!


ブギーポップ「………………たま、怒るかな」

ブギーポップ「でも、それが私の正義だから……」


2週間前、魔法少女になった頃は、正義なんてどうでもよかった

思えばまだ2週間しか経っていないのか。もっと長いこと魔法少女をやっていた気がする。2ヶ月とか、半年とか

いや、恐らく密度だ

魔法少女は勝手で、独善的だ。正義だなんだと謳ったところで、やっていることは悪と変わらない。悪が誰かを殺すように、正義も誰かを殺す。でも、ブギーポップには内から湧き上がるものがある。これは、勝手で独善的でワガママな使命感やら義務感やら、だが、それがブギーポップの力になるのを感じる。つまり、この敵対する人間にとって迷惑極まりないものが「正義」なのだろう

正義と悪はどちらも人を殺す。違いと言えば、殺した後のことくらいか。誰かの死を、道端の石ころとするか城の石垣とするか


ブギーポップ「……私は」

ブギーポップ「私は”負け”ない。たまもルーラもスイムちゃんもミナエルもユナエルも……全員連れて行く。私の戦いに」


多分、この先ルーラが死んでもスイムスイムが死んでもピーキーエンジェルズが死んでも、きっと泣く。友の死は悲しい

泣くだけ泣いて、連れいてく。次の戦いに。次の次の戦いに

次の戦いで死んだ者もまた次に連れて行く。そのまた次で死んだ者も

きっと何度も殺されかけても憎めないあたり、自分達は相当ルーラ達の事が好きなのだ。だがもう容赦はしない

次に対峙したら、確実に殺す

ルーラ達の「悪」による犠牲を出さないために、ブギーポップ「正義」の犠牲になってもらう


ブギーポップ「次は……本当の勝負だ。ルーラ」

まあ、ここで折れる方がたまへの侮辱にもなりえちゃうしな…
これが何に繋がるかはわからんけど、今は進むしかない


今日はここまで
次あたり何もしなければそうちゃんが死に、何かすれば他の誰かが死にます。あっちを立てるとこっちが立ちません

早期に問題解決してファヴを倒してハッピーエンド?なんのためのまほいくぽん
まほいくは魔法少女の生き様と死に様を見るものだと相場が決まっているぽん

って遠藤先生が言ってた気がしないでもない


この成長はいいことなのか(´・ω・`)

乙ー

死にかけ覚醒は凄いアツいけど、たま済まない…
とりあえず、そうちゃん死亡対策しないとか…
というか、アレに介入できないと色々と問題が大変になりそう


ひょっとしてこのまま行くとルーラ組に狙われながらクラムベリーと戦うことになる?

>>200
ありえるかもね
ルーラが仇討ちという意地を取るか、ブギーの不死性を考慮してターゲットを変更するかって感じかなぁ


ここらでアリスに出会えないものか

>>206
とりあえず、アリスには会っときたいなぁ
次のクラムベリー戦のリスクが大幅に下がるし(それでもキツイが)

ルーラ組は現状触れないのが吉かな、スイムが暴走していないからリップルやシスターを狙うリスクが下がったし

キノと似ているようで正反対になったね
魔法の国の今の秩序を守るためにペチカ派と戦うキノ
自分の正義のために敵対するなら仲間だろうと悪だと切り捨てるブギー
そろそろそのための火力も欲しいところだが…

>>209
割とルーラ購入をしちゃいそうな気がして困る、というか精神が一般人離れしているからやりかねない
そして、名前を「たま」にしそう

前回は全滅だったので、最悪一人でも良いから生存してほしい(血涙)
自分が望む結果以外は全部「負け」が出来る様になったら、守るのにも向いてる気がする。

仲良くさせたいに決まってるだろう(血涙)
でも、ブギーの性格的にあそこは離脱を選ぶだろうって考えたから選んだけどね…
そこからの展開はコンマが大きく関わるから、制御しきれないし…

ルーラと仲直りするの無理ですかね(´・ω・`)

>>219
まだ、完全に無理というわけでは無いけど、サバイバル終わらせないとムズイかな…
お互いに引けない状態になりつつあるから、時間が経てば経つほどキツクなるし

実際今回心臓潰されたが生きてたわけだけど
首飛ばされた場合でもずっと諦めてない場合どうなるんだろう

>>221
”奇跡的に”仲間が来て、”奇跡的に”病院に連れて行くのが間に合い、”奇跡的に”接合に成功するってところじゃない?
まだ他人の力は必要な段階だな。最終的には全部自前で何とかなりそうだが

>>221
>>222の他だと、そもそも首が切断される事象が起こる直前にそれが防がれるとかだな
本当に死にづらさという意味では、アリスとは別ベクトルで凄まじい

眠らせるか、プク様万歳状態にして、負けだと感じれなくすれば殺せる感じかな?
現状だと眠った所を一撃じゃないと無理そうだけど

>>226
下手するとアリスを殺害した時と同じような方法を取らないと殺害困難だからねぇ
アリスがライフ0になっても機能する高速リジェネ持ちなら、
ブギーはライフが高確率で0にならない特殊能力と自分が確定有利のパルプンテ持ちって感じ

うーん……なんかみんなの意見がバラバラだなぁ。
殺し合わせたいだの、生還させたいだの、仲直りさせたいだの。
二兎追うものは一兎も得ず。
どれか一つに絞らないとブギーもルーラ組も救われない、最悪の結末にしかならないぞ。

>>242
安価スレだからね、仕方ないね
でも、皆あくまでも優先するのはブギーの心情だと思う
選択肢が出てきたのならば、大体「正義を貫く」を選択すると思う
その上で、ルーラ達が運よく生存してくれればなって感じだと思う

生還させたいと、仲直りさせたいはベクトルは一緒だと思うが

だねぃ、そうちゃんを活かす事自体、ブギーは喜々として取り組むだろうしね

ルーラ組の結末については、ルーラ達の行動次第だと思う
ブギーのスタンスは「『対峙するならば』容赦はしない」だし

ブギーポップの言う正義って何なのかがまだよくわからないから……

キノがラ・ピュセルを襲うクラムベリーとかち合ったのはファンブル出したからだしスノーホワイトの味方を増やせば可能性はあるのかな?

>>249
だね、総統閣下との違いはまだ正義が漠然としている事ね(強いていうなら社会的な価値観での良い事)
正義が大切な誰かを守るとかにいつか変わるなら、またあり方も変わるだろう
いずれにしても今後次第って所よ

そうちゃん関連については、まずはアリスと会っておきたいね

「生還させたい」の延長が「仲直りさせたい」だと思ったからベクトルは一緒だと思った。
仲直りまでは行けなくても生還までは行けるかなと


ひとまずスノーホワイトと共にルーラの所業を他の魔法少女に伝えた。これでまともな連中はルーラ達を敵視して油断しないはずだ


スノーホワイト『よかった。トップスピード達もシスターナナ達もちゃんと聞いてくれた』

ブギーポップ『私だけじゃ絶対信用されなかったからね。助かるよ』


スノーホワイトに謝る。気にしてないと言われたが、危険な目にあわせてしまった。ラ・ピュセルが間に合っていなかったらやられていただろう

一応謝ったが、また今度会ったら改めて謝ろう。ラ・ピュセルには会ったらお礼を言えばいいか

いや、ラ・ピュセルが来たからスイムスイムがこっちに来て自分が死にかけたのか。つまりラ・ピュセルは間接的に私を殺そうとしたな。よし、今度会ったら折檻だ

土下座はもうやったから全裸で徘徊させよう。今から学校の友達と「ねぇ近所に痴女出たらしいよ!」と話すのが楽しみだ

死の淵を脱し目覚め、病院から逃げ出したのはお昼だった。つまり学校に行っていない。ブルーマンデーを休んだのだ、明日はちゃんと学校に行かねば


 今日は……>>261
 
 1.スノーホワイトに謝りに行く
 2.ラ・ピュセルに”お礼”を言いに行く
 3.他の魔法少女とコンタクトを取る

2

3


ブギーポップ『昨日は駆けつけてくれてありがとう。改めて私からもお礼を言いたいから会えないかな?』

ラ・ピュセル『私はスノーホワイトを守りに行っただけだ。お前に礼を言われる筋合いはない』

ブギーポップ『感謝の言葉くらい素直に受け取れや抜きゲーヒロイン枠。今すぐ鉄塔に来い。来なかったらこの前の全裸土下座を魔法少女全員に送ってやるからな』


返信が来ているが無視。さて、色々とスッキリしたいからシャワーを浴びてから鉄塔に行こう


ブギーポップ「おまたせ」

ラ・ピュセル「遅い!!!!!! 今すぐ来いとか言ってたくせにどれだけ待たせるんだ!!」

ブギーポップ「いやーお風呂入ってたら遅くなっちゃって」

ラ・ピュセル「ったく…………それが礼を言う立場か?」

ブギーポップ「ああそうだった。お前のせいでこっちは死にかけた。よってお前は私に礼を言われるどころか、殺されても文句を言えない」

ラ・ピュセル「はぁ? 何言ってんの?」

死にかけた(もうピンピン)


ブギーポップ「お前が駆けつけて、スノーホワイトは逃げられたじゃん?」

ラ・ピュセル「ああ」

ブギーポップ「で、お前がブンブン剣を振り回してる最中、私はルーラと戦ってた」

ラ・ピュセル「ああ」

ブギーポップ「そしたらお前が追い払ったスイムスイムが私を殺そうとした……というか私はマジで死にかけた。これ見ろ。手術の痕だよ」

ラ・ピュセル「ああ………………あぁぁ!? ちょ、何してんだよ!」

ブギーポップ「証拠を見せてやってるんだよ!」

ラ・ピュセル「しまえ!」

ブギーポップ「女同士構うことないでしょう!? よく見ろ! この傷はお前が付けたのと同じだよ!」


ブギーポップ「というわけで、私は非常に怒っている」

ラ・ピュセル「……それ、お前が弱かっただけじゃん」

ブギーポップ「そーかそーか、そんなに全裸徘徊したいか」

ラ・ピュセル「なんでそうなる! 全力で抵抗するからな!」

ブギーポップ「ほーーーーーそんなこと言っていいのかな? 私に勝つと?」

ラ・ピュセル「この前は油断していただけだ。本気になればお前くらい!」

ブギーポップ「ふっ、じゃあバトルといこうよ。私が勝ったらお前は全裸徘徊ね。10人に見られたら帰って来ていいよ」

ラ・ピュセル「私が勝ったら、もう私に変なちょっかいを出さないと約束しろ」

ブギーポップ「いいよ(いいとは言っていない)」


 精神力(82)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→剥く
 失敗→負ける

まだだ!

割とファンブル多いよね…邪な事に使ってはいけない(戒め)


 94……ファンブル

 
 
ラ・ピュセル「くっ、この!」


ブギーポップ「大人しく剥かれろ!」

ラ・ピュセル「誰がなるか!」


熱いバトルが鉄塔で繰り広げられた。そしてプライドと羞恥心を賭けたバトルはついに鉄塔を飛び出し、その辺の建物の上でも行われる

諦めないぞ、絶対剥いてやる


ラ・ピュセル「はぁぁっ!!」

ブギーポップ「っ……! くっ、やるじゃない。かませっぽい見た目のくせに」

ラ・ピュセル「あ………………」カァァ

なんというか、こういうどうでもいい時は慢心で一杯食わされて、
本番の時は凄まじく爆発するというのが極端すぎる


ブギーポップ「あ?」


ラ・ピュセルの攻撃で服がビリビリに破れていた。手術の痕どころか、大事な部分まで見えている


ラ・ピュセル「ご、ごめんっ!」

ブギーポップ「やりおったな! 罰として全裸だ!」

ラ・ピュセル「――しまっ!」

「ねぇママー、あれなにー?」

ブギーポップ「ッ……!」

ラ・ピュセル「人……!?」

「おっぱい見えてるお姉ちゃんが空飛んでるー」

「俺知ってるぜ、痴女って言うんだぜあれ」

「見ちゃいけません!」

ブギーポップ「……………………」カァァ

ラ・ピュセル「あ、あの」

ブギーポップ「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

そうちゃんが生きている限り面白いものが見れそうである
そうちゃんを生かさねば(使命感)


ラ・ピュセル「あの…………大丈夫か?」

ブギーポップ「なんで私が痴女なのよぉ………………」

ラ・ピュセル「自業自得だ」

ブギーポップ「(……また慢心して魔法が発動しなかった)」

ラ・ピュセル「その、まぁ、気にしないで。こっちも、忘れるから……」

ブギーポップ「…………帰る」

ラ・ピュセル「お、おい!」

ブギーポップ「お前なんか死んじゃえ!! うわーん!!」ダッ

ラ・ピュセル「………………なんなんだアイツ……」


 ラ・ピュセルの信頼度が上がった!
 
 ラ・ピュセル:05

最大の敵は他ならぬ自分という魔法よね…


・・・・・・


「ねぇ聞いた? 近所に痴女が出たんだって!」

「えーマジ?」

「なんでも建物の上で胸出してたとか」

「うっわぁ……引くわ。ね、由良」

由良「…………………………」

「由良?」

由良「…………ソーダネ」


「隕石により、恐竜が地上から――」

由良「は!?」

「えっ、葉々木さん、なにか?」

由良「いえ……すみません」

「私語は慎むように」


今日はいやに反応する単語が多くなってしまう


「ねぇねぇ、隣のクラスのあの子、別れたんだって!」

「え、マジ? じゃあ〇〇君今フリーじゃん。アタックしようかなー」

「でもなんで別れたんだろうね」

「あの子が浮気してたみたいよ。所謂痴情のもつれってやつね」

由良「は!?」

「えっ、どしたの結衣……あ、〇〇君狙ってた?」

由良「あ、いや別に」


「地上波初放送!」

「明日のチージョ、日曜朝8時放送開始!」

由良「……」イライラ

由良「(なに? 皆して痴女痴女って……おちょくってんの? 世の中が私を)」

由良「………………って、気にし過ぎか」


考えてみれば痴女と地上は違う。地上が痴女だったら地球は痴女であふれてしまう。って、何考えてるんだ

もう考えるのはやめよう。別に由良自身が見られたわけじゃない。あれはブギーポップという痴女で――


由良「痴女じゃない!!」

「どうしたの由良。早くお風呂入っちゃいなさい」

由良「あ、なんでもないよ」


2日連続でマジカルキャンディーは集めずじまいだった。それでいいのだろうか

まだあれから2日しか経っていない。不思議な気分だ


由良「…………」


湯船に浸かりながら胸を撫でる。傷は無い


由良「あの傷……ちゃんと残るよね?」


なるべくなら、受けた傷は残したい。それは証としてブギーポップに刻まれるからだ

死んでしまう者達にはせめて、ここにいたという証を。それがせめてブギーポップのやれることだ


と、魔法の端末がメッセージの着信を知らせた。防水防塵仕様のこの端末はお風呂の中でも使えるからいつ誰から何が来てもいいようにこうして持ち込んでいる


由良「…………誰からだろう」


スノーホワイトかラ・ピュセルか、それともルーラか

ルーラだったら嫌だ。「お前のせいでたまが死んだ」と責められれば何も言えないからだ

「別に私のせいじゃない」「お前達の自業自得だ」と返すのは簡単だ。だがそれは駄目だ。自分のプライドが許さない

と、それは仮にルーラがそんなことを言ってきた場合だ。まだメッセージの差出人すら見ていない


 端末にメッセージを送ったのは……>>302

くらむべりー


クラムベリー『失礼します。お時間よろしいでしょうか?』

ブギーポップ『珍しいですね』

クラムベリー『あまり誰かにメッセージなど送ったことのないものですから、突然すみません』

ブギーポップ『いえ、なんでしょう?』


森の音楽家クラムベリー

チャットルームのBGM係という印象の魔法少女だ。その彼女が突然何の用だろうか

キャンディー足りない助けて! とかだったらブギーポップに言えることは何もない


クラムベリー『明日の夜、お会いできますか?』

ブギーポップ『いいですよ。どこで会いますか?』

クラムベリー『〇〇山の中に小屋があるので、そこで』


指定された時間は午後7時。用は会ってからとのことらしい

向こうも敬語だからか、ついついこっちも敬語になってしまう。こうして話す限りは礼儀正しい人だ


由良「なんだろ。もしかしてルーラ達みたいに…………まさかね」


全員がログを参照できるチャットルームでルーラ達のことを告発した。いい顔をしなかった者達がルーラってやっぱ悪い奴だわと言ってたため、下手にルーラみたいにキャンディーを奪おうとすればトップスピードやシスターナナからバッシングがあるだろう

ならば考えられる可能性……


由良「もしかして、『私も同じ思いです。これからは手を取り合ってルーラ達に対抗していきましょう』とか?」


楽観的な由良はきっとそうだと思い、風呂を上がり床についた


翌日、学校から帰り母親の受験のお小言を聞き流して〇〇山へとやってきた

人の手が入っていない自然の地だ。由良の家の近所ではないが、この辺の子供達はこういうところで遊ぶのだろうか

木々の中に小屋を見つけた。送られて来たマップの座標と一致する


ブギーポップ「森の音楽家クラムベリーかぁ……どんな人なんだろ」


小屋の扉をノックする。中からどうぞと聞こえてきた

ドアを開けるとそこには何もない山小屋のスペースの半分を占める白いピアノと、その前に座るクラムベリーが居た


クラムベリー「こんばんは」

ブギーポップ「どうも」


さっき小屋に近付いたら聞こえてきたピアノの音色は彼女によるものか


ブギーポップ「えっと……素敵なピアノですね」

クラムベリー「趣味です。ここは静かで、音楽を奏でるのには丁度いい」


いい趣味だ。これで「森のみんなー!」とかいうお花畑キャラだったらどうしようかと思った

どうやら普通の人のようだ。申し訳程度に張っていた気分を弛緩させる


ブギーポップ「それで、用ってなんでしょうか」

クラムベリー「>>320

安価上


クラムベリー「ルーラ達と戦ったときの一部始終を教えてほしいのです」

ブギーポップ「えっ、ルーラ達との?」

クラムベリー「はい」

ブギーポップ「(……?)」


そんなことチャットでも言えるじゃんというのは野暮なのだろうか

これからルーラとの敵対を表明するから相手の手の内を知っておきたいというのであれば話は分かるが、それ以外が理由なら変な人だ


ブギーポップ「あの、なんで?」

クラムベリー「知りたいのです」

ブギーポップ「さいですか……」


 知力(49+10=59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→自分の魔法のことを隠しつつ曖昧に話す
 失敗→事細かに話す

 
 09……クリティカル!
 クリティカル報酬、知力が1上がった!(50)


だがなんか違う。クラムベリーは、純粋にブギーポップの話を楽しみにしている感じがする

直感だが、なんとなく当たっている気がする


ブギーポップ「……普通に、スノーホワイトと一緒にいるところにルーラ達に襲われて、ラ・ピュセルが助けに来て……」

クラムベリー「あなたは何をしていましたか?」

ブギーポップ「……>>330


 1.細かいことは隠しながらルーラと戦っていたと言う
 2.逃げ回っていたと嘘を吐く

2


ブギーポップ「私は逃げ回ってただけですよ」

クラムベリー「…………ふむ」

ブギーポップ「なにせ相手は5人だし、私とスノーホワイトは無双できるような力無いし」

クラムベリー「ならラ・ピュセルが追い払ったのですか?」

ブギーポップ「まぁそうなりますね」

クラムベリー「なるほど……そうですか」

ブギーポップ「あの、クラムベリーもルーラと敵対を?」

クラムベリー「敵対?」キョトン

ブギーポップ「?」

クラムベリー「ああ、すみません。私は別に誰かとどうこうとかに興味はありませんよ」

ブギーポップ「(風見鶏か……まぁ、下手にルーラ達みたいに暴れる奴じゃないって分かっていい感じかな)」


クラムベリー「あ、少し違いますね」

ブギーポップ「何がですか?」

クラムベリー「私はキャンディーを奪うだの奪われるだのに興味がないだけです」

ブギーポップ「流石に危機感は持った方が……」

クラムベリー「お気遣いありがとうございます。もういいですよ」

ブギーポップ「そう、ですか?」


クラムベリーがピアノを弾き始める。彼女からの話はここまでということなのだろう


 ブギーポップは……>>338
 
 1.山小屋を出る
 2.クラムベリーに何か質問する(質問内容も記載)

1


山小屋を出た。掴みどころの無い人だった気がする


ブギーポップ「キャンディーを奪ったり奪われたりに興味がない……」


どういう意味だろう

スノーホワイトみたいにキャンディーを大量に持ってていくら奪われても大丈夫ということか、それともねむりんやかつての自分みたいに別に脱落してもという口か……後者は無いだろう。脱落したら死ぬ以上、キャンディーを集めざるを得ないはずだ。誰だって死にたくない


ブギーポップ「……」


不思議な人だ。底知れない


・・・・・・


数日が過ぎた。キャンディーを集め、数は4000を超えた。ルーラ達はまた性懲りもなく誰かを付け狙っているのだろうか

あれからルーラ達は襲ってきていない。スノーホワイトも襲われた様子はない

学校が終わった。金曜は誰もが明日からの2日間の休みを楽しみにした顔で下校するが、由良は浮かれていられない。もうすぐ発表の日なのだ


颯太「あ、ボール!」

由良「……ん」

「キャッチしたぞ! そろそろ慣れられたか!」

由良「あんだけ飛んでくればね」

颯太「ごめんごめん」

由良「ったく、これきりにしてよね」

颯太「あはは……努力する」


家に帰り、ブギーポップに変身する

窓を開け、街に出た。今日は……>>347


 1.スノーホワイト達とキャンディーを集める
 2.ルーラ達を遠巻きに監視


自分達は脱落者発表の直前に襲われた。つまり、奪った後相手にキャンディーを集める時間を与えないということだ

だがもう誰も彼もがキャンディーを集め、1日2日で集められるような数はとうに最低ラインよりもはるかに下だ

どの段階で誰かを襲ってもおかしくない


ブギーポップ「……もし、ルーラ達が誰かを襲ったら……」


戦って、排除するしかない

できるのだろうか。いや、ならなければ。たまを思い出せ

王結寺へと向かう。コソコソと建物の周りを移動し、破れた障子の穴から中を覗いた

いる。全員


 ルーラ達は……>>直下コンマ一桁
 
 01~10→今週は動かない
 11~30→マジカロイドを襲うつもりだ
 31~50→シスターナナ達を襲うつもりだ
 51~70→カラミティ・メアリを襲うつもりだ
 71~90→スノーホワイト単体を襲うつもりだ
 91~00→何奴ッ!
 


 二桁でした

 
 
ルーラ「今日こそスノーホワイトからキャンディーを奪うのよ!」


ミナエル「えー先週失敗したじゃん」

ルーラ「あれはブギーポップとラ・ピュセルに邪魔されたからでしょ。今回は1人でいるところを狙うわ」

ユナエル「また鳥?」

ルーラ「そうね。スノーホワイトの居場所を教えなさい」

ユナエル「はいはい、行ってくるよ~」


 ブギーポップは……>>366
 
 1.スノーホワイトに緊急事態だと教え自分も駆けつける
 2.ルーラ達を襲撃する

1


鳥に変身したユナエルが飛んでいく。まずい、スノーホワイトに知らせねば


ブギーポップ『ルーラ達がまたあなたを狙ってる! 早く身を隠して!』

スノーホワイト『ええっ……!』

ブギーポップ『今1人?』

スノーホワイト『>>直下コンマ一桁』


 奇数→そうだけど……
 偶数→ラ・ピュセルと一緒


スノーホワイト『ラ・ピュセルと一緒にいるよ』

ブギーポップ『なら一緒にどこかに隠れて。いざという時は守ってもらって』


スノーホワイトへの告げ口はこれで十分だ。あとはユナエル……

一応追いかけてはいる。ユナエルは鼻歌まじりに飛んでいるようで、ブギーポップに気付いていない


 ここは……>>378
 
 1.ユナエルを排除すべきだ
 2.どうせスノーホワイトは見つけられないから自分もやり過ごすべきだ

2


いざとなったらユナエルを排除――殺すしかない

視界の端に避雷針が入る。アレを陸上選手のように投げれば、ユナエルを撃ち落とせる

槍投げなんてやったことないが、諦めなければ必ず当たる。そういう魔法を持っている


ブギーポップ「………………やめとこう」


今ユナエルを殺せばルーラ達といらぬごたごたを招くだけだ。ただでさえルーラは自分達の中から脱落者なんて出さないと言っていた。きっとたまが死んだだけでも頭に来ているはずだ

という建前を「友達を攻撃したくない」という僅かに残った良心に塗りたくり、ブギーポップはユナエルをやり過ごすべく路地裏に入った


 知力(50+10=60)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→変身を解けばどうどうとしててもバレないはず
 失敗→スノーホワイトのところへ急いで行こう


 93……ファンブル
 
 地獄のファンブル効果選択のお時間……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ユナエルをやり過ごしたスノーホワイトとラ・ピュセルが別れる
 偶数→ユナエルにブギーポップが発見される


ブギーポップ「(急いで向かおう。ユナエルはもういないはず……)」

ユナエル「ふんふーん…………ん? あのマントと帽子……」


ユナエルはルーラの命令に従うなんて癪だな~適当に飛ぼう。鳥になって飛ぶの楽しいし。と、遊び半分に飛んでいた。たまにルートを変えて同じところを行ったり来たりもしていた

その遊びが、ブギーポップを発見することに繋がった。鳥なんて空にはいくらでもいる。ブギーポップはユナエルがどこかに飛んでいったと思っていた

ユナエルが変身を解き、ブギーポップのはるか頭上に躍り出る


ユナエル「あーっ! ブギー!」

ブギーポップ「ッ、やば……マジ!?」

ユナエル「みーつけたみーつけた! ルーラに報告しちゃおっと!」

ブギーポップ「…………!!」


ああ、こうするしかないのか


 身体能力(47+10=57)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→投げた避雷針がユナエルに刺さる
 失敗→ユナエルに避けられる


 96……ファンブル
 
 地獄のファンブル効果選択のお時間……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ユナエルをやり過ごしたと思ったスノーホワイトとラ・ピュセルが別れる
 偶数→ユナエルがブギーポップの魔法が発動する前に逃げ、ルーラに報告する


ユナエル「うわっ!? あっぶね!」

ブギーポップ「まだだ!!」


1本目の避雷針が避けられた。なら、次の建物から頂戴するだけだ


ブギーポップ「(今のでコツは掴んだ……諦めない)」

ブギーポップ「(ごめん、ユナエル…………でも、私は、”負け”ない)」


 精神力(82)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ユナエルに避雷針が突き刺さる
 失敗→ユナエルに避けられ、逃げられる


 05……クリティカル!
 クリティカル報酬、精神力が上がった!(83)
 
 天国のクリティカル効果判定……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→さっきのファンブル効果相殺
 偶数→ユナエルが仲間になる
 
 基本的に効果判定コンマはこっちが事態の好転悪転を考えるため発生しませんが、「うわぁどうやってこれの処理しよう」と思ったときにのみ出ます
 なので連続で判定コンマとるとはいえ、いつもあるとは限りません悪しからず
 


ブギーポップ「あああああぁぁぁぁぁ!!」


思い切り投げた。絶対に届かせる。諦めない。ユナエルに避雷針が当たらなかったら、逃げられてすなわち「負け」だ

魔法が発動するのを感じた


ユナエル「え――」


避雷針はユナエルの胸に深々と刺さった

ユナエルが力を失い、落ちていく。すぐさま急行した


ブギーポップ「…………ごめん」

ユナエル「ぁ…………ぶ、ぎー……!」

ブギーポップ「私の正義は、ユナエルを――ルーラ達を許さない。恨んでいいよ。呪ってもいいよ。皆ちゃんと、連れて行くから」


虫の息のユナエルを、せめてこれ以上痛くないように、首の骨を折ることで解放した


ブギーポップ「………………っ、う、うぅぅぅぅ……!」


初めて人を殺した。生々しかった。柔らかい皮膚の中にある固い骨の感触、手に力を籠めて折った。力を入れて締めるから感触がより強く伝わってくる

ユナエルの命を奪った。あ、あ……


ブギーポップ「うっ、オエエェェ……!」


ユナエルにかからないように、その辺に吐く。なにか、大事な物も一緒に吐き出した気がした

ユナエルを見る。変身が解けていた。思ったよりも大人だった。てっきりノリからして自分と同じくらいかと思ってたのに……


ブギーポップ「あっ……うぅ、うっ、うああぁぁぁぁぁ……!!」


抱きしめて泣いた。何をしているんだ、彼女を殺したのは不可抗力によるものでも偶然でもない。明確な殺意を持ってこの手で殺した。お前に泣く権利は無い

冷静な自分は本当に残酷だ。正論で心を追い詰める。追い詰められた心はついに決壊し、涙として吐き出された


ブギーポップ「ごめんなさいっ、ごめんなさい、ごめ、なさい……ぃ……!


いくら謝っても、ユナエルが許してくれるわけがないだろう。時間の無駄だ

都合が良すぎる。陳腐な茶番をいつまでも続けるな

どのツラ下げて泣いている。どのツラ下げて抱いている


ブギーポップ「ああああぁぁ……! ごめんなさいっ、ユナ、エル……! ごめんなさいっ、ぃっ……!」


決意をしたはずだ。こうなることも分かっていたはずだ

甘い。甘い。甘い。甘い。甘い

お前は甘い


ブギーポップ「………………っ、せめて……」


返そう。そう思った

せめてミナエルに、ルーラ達に


ブギーポップ『スノーホワイト、もう大丈夫だよ』

スノーホワイト『え、大丈夫なの?』

ブギーポップ『うん。ユナエルは私が殺したから、もう見つかることもない』

スノーホワイト『えっ……!?』


魔法の端末をしまう

見事に心臓を貫いた避雷針を抜き、名前も知らないお姉さんを抱え、王結寺に向かった


ブギーポップ「これじゃ完全に悪い意味でのプレゼントだよね」


アジトに部下の死体を置く。確実に挑発だ。ルーラは怒り狂うだろう

だが止まらない。たまとユナエルの命を背負った


ブギーポップ「傷は出来なかったけど……大丈夫、忘れないから」


ユナエルを置き、帰宅しようとし街を移動していると……>>直下コンマ一桁


 奇数→スノーホワイトに声をかけられた
 偶数→クラムベリーに声をかけられた
 


スノーホワイト「ブギーポップ!」

ブギーポップ「っ、スノーホワイト?」

ラ・ピュセル「ユナエルを殺したって……どういう……」

ブギーポップ「そのまんまの意味。この手で首を折ったんだ」

スノーホワイト「っ……そんな……」

ブギーポップ「……スノーホワイトが気に病まないでよ。前から言ってるように、スノーホワイトのためにやってるんじゃない。私のためだから。ユナエルは邪魔だった」

スノーホワイト「……」

ブギーポップ「いいかな、そろそろ」

スノーホワイト「う、うん……」

ラ・ピュセル「お前……」

ブギーポップ「それじゃ」

スノーホワイト「……ひどい涙の痕………………もう、困った声も聞こえない……」


・・・・・・


ファヴ『今週の脱落者発表の時間だぽん!』

ファヴ『と、実は今週はいいお知らせが2つ、悪いお知らせが1つありますぽん』

ファヴ『まずはいいお知らせから! 今から魔法の国特製のアイテムを解禁するぽん! それぞれ先着1名様限り!』

ファヴ『次に悪いお知らせ。ユナエルが通り魔に襲われて死んじゃったぽん。悲しいぽん、辛いぽん』

ファヴ『もう1つのいいお知らせは、ユナエルが死んじゃったので今週の脱落者は無し! それじゃ、また来週~』


魔法の端末にアイテム購入ページを表示させる。先着1名限り。買うなら早くしなければ

武器、透明外套、元気が出る薬、四次元袋、兎の足。恐らく説明文を見る限りどれも捨てがたいだろう


ブギーポップ「……ねぇファヴ、アイテム欄の数字って? キャンディー?」

ファヴ「それは寿命ぽん。その数字の数だけ購入者の寿命をいただくぽん」

ブギーポップ「ふぅん」


寿命か

 ブギーポップは……>>445

 1.アイテムを買った(買ったアイテムも記載)
 2.買わなかった
 

槍いったく


武器を買った。寿命5年分

……買ってみたが、特に命が削れる感覚とか寒気とかはしなかった


ファヴ「武器ぽん? ブギーポップは好戦的ぽん」

ブギーポップ「5種類の中から選べるって書いてあるんだけど」

ファヴ「ああ、この中から選んでほしいぽん」


 >>455
 
 1.槍(ルーラと同じもの)
 2.剣
 3.拳銃
 4.ハンマー
 5.鎌


ファヴ「剣にするぽん?」

ブギーポップ「うん。かっこいいし」


ヒーローといえば剣だ。迷わず剣にした

何もない空間に剣が転送された。どういう原理だ、マジカル的なやつか

鞘とセットだ。抜いてみる

光を反射して鈍く輝く刀身はなんでも斬るぜと言ってきているようだった


ブギーポップ「なんでも斬れるの?」

ファヴ「まぁ、魔法の国のアイテムだからね。斬鉄剣みたいなものぽん」


ファヴ「ちなみに名前が付けられるぽん」

ブギーポップ「名前ぇ? うーん……」


エクスカリバーとか、アロンダイトとか、中学生特有のセンスのある名前が出てくる

ヒーローが使うのは自分の名前にソードとかブレイドとか付けてたなぁ


ファヴ「何にするぽん?」

ブギーポップ「>>465

たま


ブギーポップ「たま」

ファヴ「たま?」

ブギーポップ「うん。なんでも斬る正義の剣『たま』」

ファヴ「気の抜ける名前ぽん……ん? たまって」

ブギーポップ「うん、たま」

ファヴ「…………それじゃ、ファヴは忙しいぽん~」


たまは最初の友達だ

ブギーポップの剣となり、悪を斬る。ブギーポップの正義を、ずっと見ていてほしい

ずっと隣で


今日はここまで
そうちゃんめ……運のいい奴だぜ
ちなみに、仮にルーラがスノーさんとそうちゃんを目の前に対峙した場合、「どちらかが死ぬまで殺し合え!」というとっても素敵な命令を下してくれるのでお楽しみに


やっと追いついた。
さすがコンマ神と1主やで(愉悦)
??「ウンバボ」
??「くびのほねをおられたいのか!」


・・・・・・


学校から帰り、さっそくブギーポップに変身した。今日はやりたいことがある

たまの試し切りだ

峰のある直刀という日本刀とは違うこの剣は一見強そうだが、どれだけ斬れるか。ファヴは何でも斬れると言っていた

まぁそこまで言うからには想像できる限りのものは斬れるのだろう

初めて魔法少女になった時に行った廃車を扱う工場まで行く。まず車を斬った

スパンッと斬れた


ブギーポップ「おおう……」


工場を出て次に来たのは山。車が斬れたんだから木も斬れるだろう

案の定だった。魔法少女の腕力と相まって、ズバンとやったら一切の抵抗なく木は倒れた

刃渡りと柄の長さ的に片手でも扱えるし両手でも扱える便利な剣だ。幅は6~7cmと、日本刀よりも少し大きい


ブギーポップ「すご……」


 ブギーポップに湧き出したのは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→全能感
 偶数→恐怖


急に全能感が湧いてきた。魔法少女となんでも斬る剣、いい組み合わせじゃないか


ブギーポップ「……ははっ」


笑って木を斬った。音を立てて倒れる


ブギーポップ「あははははははっ!!」


次々と斬りまくった。岩がある。斬ろう。斬れた

本当に切れ味がいい。岩を斬ったというのに刃こぼれひとつしていない

これなら魔法少女だって――


 次は……>>531
 
 1.人を斬ろう
 2.建物を斬ろう
 3.魔法少女を斬ろう

1はダメ絶対


人は駄目駄目、駄目ゼッタイ

というフリが自分の中にあった


ブギーポップ「人って……流石にイカンでしょ」


人としての最低限の倫理観だ

…………とはいえ、ユナエルは殺した

何故殺した。正義に立ちはだかるからだ。ブギーポップの正義の敵だからだ

ならば同じく自分の敵なら……


 精神力(83)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→イカンでしょ
 失敗→悪い奴なら斬っていい


 92……ファンブル
 

例えば、社会的に悪い奴ら。暴力団とかどうだろうか

ヤクだの銃だのを売っておまんま食べてる腐った連中だ。彼らが死んで悲しむのは少ないだろう

とはいえ仮に悲しむ人間がいたら家族とか友達とか、おひとりずついらっしゃいだ。正々堂々非難を浴びて謝っとこう

港へ向かった


ブギーポップ「この街は悪に脅かされている。正義が街を救うのだ。正義の味方は忙しい」


棒読みで独りごちた。誰への言い訳だろうか


港に着く。もう深夜だというのに人がいた。深夜に活動するのは魔法少女か悪い奴だ


「おいアンタ」

ブギーポップ「私?」


なんか声をかけられた。悪い奴か?


「コスプレかなんか知らねぇがさっさと失せろ」

ブギーポップ「見られたら悪いことでも? カチコミ? 何かあるの?」

「パンピーが知る事じゃねぇってんだよ。ただちょっとなんか俺達が管理してる港で密売しようって奴がいるだけだ」

ブギーポップ「(話してんじゃん……)」

「だからもしかしたらソッチの職業の奴がいるかもしれねぇ。悪いことは言わねぇから失せろ」

ブギーポップ「私も行くよ!」


「なに言ってんだお前」

ブギーポップ「その密売人どこ?」

「言えるわけねぇだろ! あそこの船の近くで海外からのブツを捌いてるらしいが……絶対行くなよ!」

ブギーポップ「あーはいはい」


作業着のおじさんを適当にあしらい、言われた船の近くに行った

あーヤバそうな連中がいる。これは悪い奴らだ


「オイ、お前。これ以上近寄るな」

ブギーポップ「私は港湾労働者組合のモンだ」

「は?」

ブギーポップ「アンタらがウチの優秀な組合員使わずに荷物積んでるって小耳に挟んだ。まさか違うよなぁ?」

「……どこの組のモンだ」

ブギーポップ「(あ、マジで当たりだった?)」


「そのコスプレみてぇな恰好……まさか、魔法少女か!?」

ブギーポップ「あれ、知ってるの? 随分メルヘンなヤクザだね」

「クソッ! 2人もかよ! 聞いてねぇぞ! お前ら、敵だ!!」


ヤバそうな連中がヤバそうな武器を持って来た。映画で見たことのある光景が目の前に広がる


ブギーポップ「あ? そういうことしていいの? もういい歳なんだからそろそろまっとうに働けよ」


たまを抜いた


 身体能力(47)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→全滅させる
 失敗→銃弾を喰らう


 80……失敗

 
 
「クソッ、撃ちまくれぇ!」



バララララとマシンガンから銃弾が発射される

大げさすぎだろう。コイツら、魔法少女を知っている


ブギーポップ「ちょ、こっち剣よ!?」


銃は剣より強いというのは歴史が証明してくれている。だが人間の銃が魔法少女の剣より強いという歴史は無い

――と思ってたが、普通に当たった


ブギーポップ「うぐぇ、っつぅ……!」


魔法少女は頑丈だ。普通の銃が効くわけがない。当たったとしても豆鉄砲だ

だが豆鉄砲でも当たれば痛い


「効いてる!?」

「いや、魔法少女にゃ普通の銃は効かねぇ!」

「じゃあどうすりゃいいんだよ!」

「とにかく時間稼げ! ブツを早く車に入れろ!」

ブギーポップ「(させるか……!)」


 精神力(83)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→「連中を倒せず逃がしたら負け」発動
 失敗→ブツとやらは逃がす
 


 35……成功!

 
 
ブギーポップ「ああああぁぁぁぁぁ!!」


「こっちに向かってるぜ!」

「う、撃て!」

「撃ってらぁ! 野郎、構わず走って来やがる!」

ブギーポップ「ああぁぁぁ!!」ズバンッ


人間を斬った。結果は飛んだ上半身が教えてくれている。たまの試し切りはここらで終わりだ

多分、魔法少女も斬れるだろう


「くそっ、早く車出せ!」

ブギーポップ「ッ……!」ダッ


走り去ろうとする車を真っ二つにした。2つに分かれた車はそれぞれ建物に激突し爆発炎上。B級映画みたいだ


「や、野郎! ブツを!」

ブギーポップ「悪いね、大事な物だったみたいだけど」

「死ねぇぇぇ!!」

ブギーポップ「今のは誰かへの誕生日プレゼント? クマのぬいぐるみ?」

「コイツ、マジ倒れねぇ!」

ブギーポップ「だとしたら謝るよ。でもそれ以外だったら……やっぱり謝るけど」


そこからはたまが真っ赤になるまで斬りまくった


ブギーポップ「……………………うぷっ」


また吐いた。人を殺すというのには慣れないものだ。できれば慣れたくないけど、きっと慣れなくちゃいけない


自分でケンカを売りに行き皆殺し。これが勘違いだったら自分は悪人だ。しかも稀代の人殺しだ

まぁ、こっちから手を出したわけじゃないし銃ぶっ放してきたしその心配はきっといらないだろう

たとえ人殺しの汚名を着ようが、止まる気はさらさら無いが


ブギーポップ「……帰ろう」


夢中になっていたらいつの間にか朝日が見えていた


「お、おいアンタ!」

ブギーポップ「あ、さっきのおじさん」

「これ……アンタが?」

ブギーポップ「なんかヤバいブツみたいだったから成敗しといたよ。港湾労働者組合は安泰だね」

「俺達別にそういう組合じゃねぇし……ただの港の警備員だし……」

ブギーポップ「えっ、違うの!?」


「どうすんだよこれ……警察になんて言えば……」

ブギーポップ「ヤクザが取引してるところに別のヤクザが来て殺し合ったって言っておけばいいよ」


帰宅して鏡を見ると返り血が凄かった

汚い。変身を解いて風呂に入る


由良「…………刃物を使うと、感触が減るんだ」


人を斬った感触はあった。肉を骨ごと絶つ感触が

だが、それでもユナエルを殺した時ほどの嫌悪感は感じない

相手が名前も知らない悪い奴だったからか、単に2度目だから衝撃が少なかったのか、それとも得物を使っていたからか


朝。学校へ向かう。夜、魔法少女として活動する

その生活に慣れつつある。というかもう慣れた。親は受験前に遊び回って……と呆れ果てているようだが、大丈夫。キャンディーを集めて死なないようにするより受験の方が気楽なはずだ

確認したところ、港での一件によりキャンディーの数が増えていた。きっと敵対する組が困っていたのか、それとも例のブツ……思い当たるとしたらお薬だろう。それの被害者の潜在的なキャンディーかは分からないがかなりたまった


ブギーポップ「すごいねぇ。人を殺してキャンディーがたまるなんてバカの考えたシステムだよ」

ファヴ「困っている人間全般だからそこに善悪は関係ないぽん。バカとは失礼ぽん」

ブギーポップ「ああゴメンゴメン。ファヴが考えたんだっけ?」

ファヴ「一般人を殺すイカレポンチ魔法少女は少ないぽん」

ブギーポップ「……うるさい」


魔法少女なんて、大抵誰かしらどこかイカレてるに決まってるんだ


次の脱落者発表まで、あと3日

キャンディーを集めなくては


 >>576
 
 1.スノーホワイト達と
 2.1人で悪い奴退治

1


スノーホワイトに一緒にキャンディーを集めたい旨を伝えた。快諾してくれた

ある意味で彼女は清涼剤だ。今のところ、自分が守ったという正義の証明だ

自分のためだのなんだの言っておきながら、その正義を正義たらしめる証が無ければ、ブギーポップは迷走していたことだろう


スノーホワイト「どうしたの?」

ブギーポップ「スノーホワイトは可愛いなぁって」

ラ・ピュセル「おい」

ブギーポップ「あ、いたの? もう帰っていいよ」

ラ・ピュセル「……大丈夫なのか?」

ブギーポップ「は?」

ラ・ピュセル「いや、なんでも」


いつもは煽れば楽しい反応を返してくれたラ・ピュセルが乗ってくれない

心配されている。心配?

別にされる要素は無いぞ


スノーホワイト「今度は……あっち。誰かが困ってる」

ラ・ピュセル「分かった!」

ブギーポップ「いやーホントにスノーホワイトがいるだけで効率が違うね」


スノーホワイトが見つける困り人は財布を落とした、足腰が弱くて階段がのぼれないなどという小さなものばかりだ

だが塵が積もって山となったからこそ何万ものキャンディーを手にしているのだろう

ルーラ達とは根本的に違う。まったく、見習えアホ共め

そう思っていたら魔法の端末にメッセージが届いた。誰からだろうか、またクラムベリーみたいな不思議な要件やルーラからの恨み節だったら面倒だ

 
 メッセージの差出人……>>583


マジカロイド


ブギーポップ「マジカロイド44…………誰だっけ」

スノーホワイト「前にシスターナナが紹介してくれた魔法少女だったね」

ラ・ピュセル「ああ。どうやらウィンタープリズンはマジカロイドのお陰で魔法少女になれたとかで……シスターナナはすごく感謝していた記憶があるね」

ブギーポップ「ふーん……」


スノーホワイトと交流があるシスターナナの恩人……悪い奴ではなさそうだ


マジカロイド『アノー、昨日の港での騒ぎって知ってマス?』

ブギーポップ『港?』


港での騒ぎ……ああ、思いつくのはある

どこで嗅ぎつけたか、しかも魔法少女の仕業だと分かったのだろうか。だがわざわざ自分にピンポイントで聞いてくるものか?


 >>588
 
 1.自分がやったという
 2.白を切る

2


ブギーポップ『さぁ……知らない。というか港でなにかあったの?』

マジカロイド『ならいいのデスガ……あ、自己紹介もせず要件ダケ聞いてスミマセンね』

ブギーポップ『いえいえ、お互いキャンディー集め頑張ろう』


なんだったんだろう。あんな惨状を自分が生み出しましたなんて言ったら印象が悪くなるだろうからやめておいた

ブギーポップは正義を掲げているが、それはまだ多人数相手に勝てるものではない。ルーラ達だけがヘイトを集めているこの時に暴力団を殺しましたなんて自白すれば「やっぱルーラ組って野蛮だわ」と白い目で見られる可能性は十分にある

まだその時ではないのだ


スノーホワイト「話終わったの?」

ブギーポップ「うん。簡単な挨拶だった」

スノーホワイト「まめなんだ。あ、次こっち!」


もうすぐ発表の日だ。明日はルーラ達の監視に行こう


・・・・・・

~翌日~


この前と同じように王結寺へと向かう

プレゼントは受け取ってくれただろうか。あの時はいっぱいいっぱいで、自分が殺したという証拠を残さずに去ってしまった。「ユナエルの命はいただいたHOHOHO」とか書置きしておいた方がよかったかもしれない

障子の間からルーラ達の姿を確認する。おお、鬼気迫る感じだ

見るからにイライラが分かる。ルーラだけではなく、ミナエルからも。そりゃ片割れを殺されれば怒りもするだろう


 ルーラ達は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ブギーポップがユナエルを殺したと思っている
 偶数→ユナエルが誰に殺されたかまだ分かっていない 


ルーラ「さて、そろそろ次の獲物を狙うけど」

ミナエル「は? 次とか言っておいて……今まで1度も成功してないじゃん」

ルーラ「…………」


険悪だ。罵り合いながらもなんだかんだいい感じだったあの雰囲気はもう無い。自分が無くしてしまった

あのルーラが言い負けている。よほど部下を2人も失ったのが堪えているのだろう。これを機にそろそろ普通にキャンディーを集めようとか思わないのか。思わないだろうな

ルーラにとっては部下達を脱落させないことが正義だ。ブギーポップが自分の正義のために仲間を手にかけたように、ルーラも自分の正義のために他の魔法少女を手にかける

それがブギーポップとルーラの正義の違いであり、双方が互いを悪と定める


ルーラ「だからって……やらないと次に死ぬのは私達よ」

ミナエル「そうだけど……やるならユナを殺した奴を……!」

ルーラ「それが分かれば苦労はしないのよ」

ミナエル「ブギーに決まってる!」

スイムスイム「でも、ブギーポップって決まってない」

ルーラ「そうよ。可能性はあるけど……でも……」


ルーラ組は正面からの戦闘力が無い分、搦手と数を武器とするチームだ。だがその二本柱の内、数という面が弱くなっていている。もう2人も脱落してしまった

例えば3人でシスターナナとウィンタープリズンを奇襲するとかいう作戦。ルーラはきっと選ばない。スノーホワイトもラ・ピュセルと自分が共に行動していると分かっているわけだからきっと狙わないだろう

ならばルーラが狙うのは正真正銘のソロプレイヤーだ

今のところソロはカラミティ・メアリ、マジカロイド44、クラムベリー、あとは名前も知らない16人目とやら

案の定、ルーラはソロプレイヤーの名前を出した


 ルーラ達が狙うのは……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→マジカロイド44
 31~60→16人目
 61~90→カラミティ・メアリ
 91~00→クラムベリー


ルーラ「私達が狙うのは、カラミティ・メアリよ」

ミナエル「え、マジ?」

ルーラ「ええ」

ミナエル「えぇー……いや、それは……」

ルーラ「なにか文句ある?」

ミナエル「……ぶっちゃけさ、ルーラってメアリのことビビッてると思ってたからここで名前出るなんて思わなかった」

ルーラ「ええそうね、確かにアイツは怖いわ」

ミナエル「え、いやに素直じゃん」

ルーラ「…………素直にもなるわよ」

ミナエル「……ごめん」


おいおいなんか友情的なの芽生えそうなんだが。あれか、逆境が絆を深めるってやつか

それにしてもあんなに弱弱しいルーラは初めて見た


ルーラ「正直に言うわ。アンタ達を集めた理由を」

スイムスイム「……?」

ミナエル「理由?」

ブギーポップ「(……お山の大将やりたかっただけじゃないの?)」

ルーラ「私はカラミティ・メアリを倒すことを目標に魔法少女をやってきた。そこでアイツを倒すための戦力を集めてたのよ」

ミナエル「ええっ、マジで!?」

ルーラ「肉壁は1枚でも多い方がいいと思ってね」

ミナエル「って、捨て石かよ! やっぱルーラってクソだわ」

ルーラ「最後まで聞きなさい! でももう私を含め3人……もう失う気は無いわ。アンタ達を失わずにカラミティ・メアリを倒してみせる」

ミナエル「できんのー?」

ルーラ「ええ。できるわ。ブギーポップにもお見舞いしたスイムスイムの魔法と私の魔法……あとアンタの囮でアイツを倒せる」

ミナエル「って、結局肉壁と大して変わりないじゃん!!」


ブギーポップ「………………」


なるほど、そういう理由か

ただ自尊心を満たす道具にされているものだと思っていたが、目的があったのか

カラミティ・メアリ、ねむりんやファヴから聞いている。過激派

何が過激かは言わずもがなだろう。チャットルームで見たアバターの通りなら、ガンマン風な魔法少女だ

王結寺を出た。スノーホワイトの時のようにメアリに警告を送るのは……どうすればいいか

スノーホワイトは知っている魔法少女だから助けた。だが、メアリは知らない

正義がそれでいいのか。知っているか否かで手を差し伸べるかどうかを迷うのか

メアリに良い噂は無い。おそらくはルーラと同じような魔法少女だろう


 ブギーポップは……>>609
 
 1.メアリに密告する
 2.成り行きを監視し介入の機会を伺う
 3.ユナエルを殺したのは自分だとルーラに言う

2


ルーラ「決行は明日よ。アイツを呼び出すわ」

ミナエル「呼んで来る相手なの?」

ルーラ「会いたいって言えばどこかに呼び出すことくらいできるでしょ」

ミナエル「…………まぁ、なんでもいいよ。ユナを殺した犯人を殺せれば、なんでも……」

ルーラ「この透明外套と元気が出る薬があれば可能よ。奇襲をかけるわよ」


 透明外套は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ルーラが買った
 偶数→スイムスイムが買った


ミナエル「寿命25年ねぇ……確かにすごいけど、スイムちゃんは25年も早く死んじゃうのって怖くないの?」

スイムスイム「怖い……?」

ルーラ「スイムスイムが買わなけりゃ私が買おうと思ってたけど……ま、3年使ったからいいとしましょう」

ミナエル「なにそれ、私が寿命ケチったって言いたいの? 悪いけど武器買おうとしたからね? 売り切れてただけで」

ブギーポップ「(ルーラ達もアイテムを……透明外套は厄介か)」


あんなのに奇襲されたら確実に気付かずにやられるだろう

誰もいない夜道を歩いてたら殺されることもある。注意しなければ


ルーラ「呼び出せたわ。明日の10時、採石場よ」

ブギーポップ「(明日……か。私も行ってみよう)」


どちらに与するか、それともどちらとも敵対するか……まだ分からない


と、クラムベリーから連絡があった

なんだよまたかよ。もう話せるネタは無いぞ


クラムベリー『明日の夜、空いてますか?』

ブギーポップ『すみません、予定が』

クラムベリー『どうしても会いたいのですが』


なんだしつこいな。こちとら大事な用があるんだよ


クラムベリー『もし会えない場合、>>622

は結構です


クラムベリー『もし会えない場合は結構です。他の方にお願いするので』

ブギーポップ「…………他の方?」


誰でもいい用事なのか

ならわざわざこっちに言わなくてもいいだろうに


クラムベリー『お時間を取ってしまい申し訳ありません』

ブギーポップ『いいえ』


だが、せっかくの数少ない交友? のある魔法少女からの誘い。無下にするのも……


 明日は……>>628
 
 1.採石場に行く
 2.クラムベリーと会う

1


やっぱりルーラ達の方に行こう。クラムベリーからの誘いは改めて丁重に断った

どんな用だったのかは少しだけ気になるが、ブギーポップは1人だけしかいない

翌日、学校に行ったらまたサッカーボールが飛んできた


由良「あいたっ」

颯太「今日は当たっちゃいましたか……」

由良「いい加減にしてよ!」

颯太「ご、ごめんって!」

由良「ったく……この前これきりにしてって言ったよね」

颯太「あはは……じゃあ今度こそ! これきり!」


 その日、クラムベリーの”用事”の相手は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ウィンタープリズン
 偶数→ラ・ピュセル
 


クラムベリーは1度フラれた相手に会いに行った

ちゃんと2人いるところを狙う。シスターナナの魔法はウィンタープリズンをさらに強くしてくれる。どうせなら万全以上の相手と戦いたいと思うのが一途な乙女心だ

ハッキリ言ってシスターナナの魔法がなければとても互角とは呼べない。互角になってようやく、クラムベリーとの命のやり取りがより楽しくなる

会いに行くと「またお前か」と警戒され、今にも噛みつかれそうな雰囲気になった

そりゃそうだ。先日シスターナナの誘いを蹴ってあまつさえ攻撃を加えた。もう1度会うことの意味、決着だ


 ウィンタープリズンの数値……>>↓1コンマ二桁
 クラムベリーの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 ウィンタープリズンの数値が勝っていた場合……クラムベリー撃退(90以上上回っていた場合撃破)
 クラムベリーの数値が勝っていた場合……ウィンタープリズン撃破
 


・・・・・・


ブギーポップ「時間までもうすぐ……」


採石場の物陰に隠れ、ルーラ達とメアリが来るのを待った

こういう場所は戦隊ヒーローが悪を退治するときによく見た。テンションの上がる場所だ

と、ルーラが1人で来た。10分後にメアリが来る


メアリ「なんだい? 用事って」

ルーラ「私達、一応師弟なわけじゃない? たまには会いたいと思うわよ」

メアリ「おや殊勝な心掛けだねぇ。本当のことをいいな」チャキ


メアリが銃を抜いた。マジか、ファヴに好戦的と言われた自分の10倍は好戦的だぞアイツ


ルーラ「そんな物騒なの向けないでよ」

メアリ「チャットで色々言われてたねぇ。人のキャンディー奪おうだなんて。そんな奴に育てた覚えはないよ」

ルーラ「よく言うわ」

メアリ「で、私からキャンディーを奪おうって?」

ルーラ「そんなこと言ってないでしょ。私は――」


ルーラ「アンタを跪かせたいだけよ」


 ルーラ達の数値……>>↓1コンマ二桁
 メアリの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 ルーラ達の数値が勝っていた場合……メアリ負傷(60以上上回っていた場合メアリ撃破)
 メアリの数値が勝っていた場合……ルーラ負傷(50以上上回っていた場合ミナエル撃破)
 


決着はすぐだった。ブギーポップが介入する余地など無いほどに

メアリの背後――地中からスイムスイムが出現した。それに感づいたメアリが間髪入れずに発砲

だがスイムスイムには通用しない。物質透過――銃弾すら透過する


メアリ「なに……?」

スイムスイム「……」


スイムスイムが何かを突き出す。一見すれば素手だが、手の形を見るに何かを持っている

それは透明外套で姿を消した「槍に変身したミナエル」だった

刺す直前に透明外套を外した槍が腹に突き刺さり、メアリが声を上げて悶える


メアリ「この……クソガキ……!」

ミナエル「うっわ、奇襲成功しちゃったよ」


ルーラ「よくやったわスイムスイム、ミナエル」

メアリ「う、ぐ……!」

ルーラ「ルーラの名のもとに命じる……カラミティ・メアリ、動くな!」


勝負が決まった

ルーラの魔法は発動までは厄介だが、発動してしまえば打ち破れる者はいない

ブギーポップの魔法が例外すぎるだけと言えるだろう


ルーラ「…………クッ、アハハハハハ! アッハハハハハハハ!!」

ミナエル「カラミティ・メアリ、ひとつ聞きたいことがある。ユナエルを殺したのはお前?」

メアリ「はぁ? 誰が……お前達に興味なんて……」

ミナエル「……そっか。じゃあいい」


ルーラ「気分いいわ……ほんっとに。やっと宿願が叶ったんだもの」

メアリ「はぁ? ルーラぁ、これが、目的……? 随分……小さい奴だねぇ」ゴプッ

ルーラ「死にかけに言われたくないわ。さて、スイムスイム、キャンディーを」

スイムスイム「……」


スイムスイムの手によってメアリのキャンディーは残らず奪われた。その数1万。何をしたらこんなに貯まるのか


ミナエル「まだー?」

スイムスイム「終わった」

ルーラ「へぇ、かなり貯めてたのね。アホみたいに時間がかかるわけだわ。あー疲れた……もうちょっとで筋肉痛よ」

メアリ「お前……!」

ルーラ「さて、ルーラの名のもとに命じるわ。土下座して私に謝りなさい。今までの愚行の数々をね」


ルーラはかつて与えられた屈辱を何倍にも何十倍にもして返した


ルーラ「あっはははははは!! あはははははは!! あー……もう満足よ。カラミティ・メアリ、私の名のもとに命じるわ。自害しなさい」

メアリ「っ、あ、ぐ……あぁ……!」


メアリが自分の銃を自分に向け、口の中に突っ込む

カラミティ・メアリという魔法少女がどんな人間か、ブギーポップは知らない。多分悪い奴なんだろうが、もう見ていられない

1発の銃声が鳴り響き、ルーラはやっと魔法を解いた


ルーラ「よくやったわスイムスイム、ミナエル。ありがとう」

スイムスイム「っ……」

ミナエル「え、今お礼言ったの?」

ルーラ「っ、そうよ! なに、悪い!?」

ミナエル「いや……へぇ~」

ルーラ「次はユナエルの仇討ちよ」

ミナエル「うん……絶対に、犯人を殺す……!」


 ブギーポップは……>>666
 
 1.ルーラ達の前に姿を見せた
 2.そのまま帰宅した

1


ブギーポップ「…………」ザッザッ

ルーラ「ッ、誰……って……!」


3人の視線が集中する。姿を見せたのだから当然だ

しかも、ルーラ達が今もっとも会いたい魔法少女だ


ミナエル「ブギー……!」

ルーラ「本当に生きてる……ゾンビみたいな奴ね」

スイムスイム「……」

ブギーポップ「…………カラミティ・メアリは、どんな魔法少女だった?」

ルーラ「なに、文句言いに来たの? コイツは私に屈辱を与えたクズよ。普段も暴力団とかと結託して金やキャンディーをせしめてたみたいだけど」

ブギーポップ「そう」

ルーラ「何しに来たの? 私達にイチャモンつけるんならもう1度心臓を潰してあげるわよ」


ブギーポップ「ひとつ教えてあげる」

ルーラ「何よ」

ブギーポップ「ユナエルを殺したのは私」


そう言った瞬間だった。ミナエルが襲い掛かって来たのだ

雄叫びをあげながら、突進してくる。たまを抜いて応戦した。通常状態のミナエルなど、恐れるに足りない


ルーラ「ミナエル!」


ルーラが何かを投げつけた。丸い何か、それをミナエルが飲み込む…………あれが元気が出る薬か


ミナエル「死ね……!!」


ミナエルが頭上で巨大な鉄球に変身した


 身体能力(47+10+10=67)ロール……>>直下コンマ二桁
 (たま使用+10)
 
 成功→鉄球を真っ二つにする
 失敗→避けようとして足を潰される
 


 02……クリティカル!
 クリティカル報酬、身体能力が1上がった!(48)


たまを強く握りしめる。大丈夫、鉄球くらい、斬れる!


ルーラ「あれは、前までは持ってなかった……ッ、まずい! ミナエル下がりなさい!」

ブギーポップ「はぁぁぁぁぁぁ!!


思い切り縦に振った。鉄球に触れ、刃が鉄に入り込んでいく感触を得る

人間じゃない。これは、鉄球だ。ただの鉄球なんだ


ミナエル「お゛……ぁ゛ぁ゛っ゛!」ズシン


真っ二つになった鉄球はそのまま人の形を作り始め、見るも無残な死体に変わっていった


スイムスイム「ミナエル……!」

ブギーポップ「ルーラ」

ルーラ「お前……よくも!」

ブギーポップ「これは忠告。もしこれからも誰かを狙うようなら……次はルーラを殺す」

ルーラ「やめれば許してくれるの? ユナエルじゃ飽き足らず、ミナエルまで殺すなんてね……アンタ、それが本性?」

ブギーポップ「本性?」

ルーラ「ええ。なんでアンタは私を殺すの?」

ブギーポップ「私の正義のため」

ルーラ「正義? 笑わせないで。アンタはただの人殺しよ!」

ブギーポップ「……そうだね、私はただの人殺しだよ。ルーラが起こした」

ルーラ「私のせいにするつもり? 最初に仕掛けてきたのはお前だとでも?」

ブギーポップ「感謝してるよ。お陰で私は自分の本当の気持ちに気付けた」

ルーラ「………………イカれてるわ。アンタ」


ブギーポップ「争いってなんで起こると思う?」

ルーラ「禅問答?」

ブギーポップ「いいや、私の考え。正義ってさ、人によって違うよね。私には私の正義があって、ルーラにはルーラの正義がある。その違いが衝突につながる」

ブギーポップ「じゃあさ、争いを起こさない方法ってなんだろう。どっちも譲らないなら、どちらかが倒れれば終わるよね」

ルーラ「ならアンタは、私を殺すまでそれを続けるっての?」

ブギーポップ「ルーラが折れてくれればいいんだよ。これからは他の魔法少女を狙わなければいい。そうすれば私はルーラを狙わなくて済む」

ルーラ「………………」

ブギーポップ「ルーラ、私に誓える? もう誰かを襲ったりしませんって」


 ルーラは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→もう誰も襲わないと言った
 偶数→自分達は変わらず誰かからキャンディーを奪い取ると言った


ルーラ「……アンタにアンタの正義があるように、私にも私の正義があるのよ」

ブギーポップ「………………そう、残念だよ……ルーラ」


駆け出す。ルーラを殺すために


ルーラ「(剣はどうしても近接攻撃になる。5m以内なら私の勝ちよ……!)」

ブギーポップ「(ルーラの魔法を受けようが、関係ない。ルーラを殺す。ルーラを殺せなかったら、”負け”)」

スイムスイム「させない……!」

ブギーポップ「邪魔」ズバッ


案の定たまはスイムスイムを通り抜ける。だが、スイムスイムには勝てなくてもルーラに勝てればいい


 身体能力(48+10+10=68)ロール……>>直下コンマ二桁 

 成功→ルーラ負傷
 失敗→スイムスイムに組み敷かれる


 41……成功!


ルーラ「動くな!」

ブギーポップ「ッ……ルーラの魔法を破れなきゃ”負け”……!」


魔法が発動する。動ける。捉えた

たまを振るう。ルーラの肩口を深く切り裂いた


ルーラ「ッ、ぐ……あ……!」

スイムスイム「ルーラ!」

ブギーポップ「今トドメを刺してあげる。満足でしょ? カラミティ・メアリを倒せたんだからさ」

ルーラ「……死ね、るか……!」

ブギーポップ「ルーラはここで死ぬんだよ」

スイムスイム「だめっ……ブギーポップ……!」ガシッ

ブギーポップ「っ、放してよスイムちゃん! ルーラは殺さないと!」


スイムスイム「ルーラ、逃げて!」

ルーラ「でも……!」

スイムスイム「私は大丈夫……だから……!」

ルーラ「くっ……!」


まずい、ルーラを逃がしちゃ、負けなんだ。負けない。諦めない、諦めたくない、のに……


スイムスイム「…………!」ギュウウ

ブギーポップ「ぐっ……!」


なんで、スイムちゃんがいると気持ちが揺らぐんだ


ブギーポップ「やめてよ……今殺さないと、私はなんのために……!」

スイムスイム「ブギーポップ、優しかった。私に、沢山教えてくれた…………なんで、こうなるの? 戻ってくれないの?」

ブギーポップ「戻れるか! 今更っ!」


スイムスイムの力が強い。だめだ、進めない。諦めたくないのに、強く思えない


スイムスイム「私、お姫様……見つけた。私がなりたいお姫様、見つけたの……だから……っ」

ブギーポップ「だからなんだ! なりたいなら勝手になれ! 私は関係ない!!」

スイムスイム「前に言ってくれた……誰かの心の支え…………私、なりたいの……!」

ブギーポップ「ああそう、じゃあ親とか友達とか、恋人とかのお姫様になればいい!」

スイムスイム「だめ……ブギーポップじゃないと……」

ブギーポップ「お姫様なんているか! 今更、なんで仲良くしなきゃいけない……っ、何人……、こうしてっ、殺してきたと!」


スイムスイム「ルーラは優しい、謝れば、許してくれる……」

ブギーポップ「許すもんか! ミナエルとユナエルは私が殺した! たまだって、私が殺したようなものなんだ!」

スイムスイム「…………」


 スイムスイムは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→魔法は使わないからルーラを殺すなら私を殺せと言ってきた
 偶数→変身を解いた


スイムスイム「…………なら」


スイムスイムが力を緩め、ブギーポップは脱出した

向き直るとスイムスイムは直立不動、まったくの無防備でいる


スイムスイム「ルーラを殺すなら……私を、殺してから」

ブギーポップ「な、んで……」

スイムスイム「魔法、使わない……殺せるから」

ブギーポップ「…………怖くないの? 死ぬんだよ?」

スイムスイム「……怖くない」

ブギーポップ「…………………………」


 スイムスイムを……>>715
 
 1.殺す
 2.殺さない

2


ブギーポップ「…………………………できるか……そんなこと……っ!」

スイムスイム「どうして?」

ブギーポップ「だって……だってぇ……!」ポロポロ


ルーラを負傷させた。しばらくは行動できないはず。それにもうルーラにはスイムスイムしかいないし、常にブギーポップが狙っている宣言をした

大きなことはできない

なら、狙う理由なんてない。友達を殺さなきゃいけない理由も無いはずなんだ


スイムスイム「……私は、殺されてもいい。ブギーポップなら、いい

ブギーポップ「私は……たま、を……っ、ユナエル、ミナエルっ……」ダッ

スイムスイム「っ、ブギーポップ!」


逃げ出した。眩しすぎた

ブギーポップは自らの正義を裏切った。殺さなくてはいけなかった。だが、なにかと理由を付けて殺さなくていい理由を探す自分がいた

情けなかった。不甲斐なかった。クズだった


その日、ブギーポップは暴れた

山に行って叫びながら木々を好き勝手に斬りまくった

岩を斬り刻んだ

凶暴な野犬を殺した

世界など消えて無くなってしまえと言わんばかりの呪詛を振り撒いた

全然スッキリしなかった

与えられたのは徒労感と心労だけだ


ブギーポップ「…………私、なんで……できないのよぉ……!」


スイムスイム如きに止められた。いつでも殺せるはずだった。なのにしなかった


ブギーポップ「失格だ……私は…………」


・・・・・・


ファヴ『今週の脱落者発表のコーナーぽん!』

ファヴ『今週も不幸なことに魔法少女が死んでしまったぽん』

ファヴ『今週の死亡者はカラミティ・メアリとミナエルぽん』

ファヴ『よって今週の脱落者は無し! ということでまた来週ぽん~』


クラムベリー「…………」

ファヴ「マスターどうしたぽん? ウィンタープリズンにやられたあざが痛むぽん?」

クラムベリー「いいえ別に。ウィンタープリズンは思いのほか楽しめますね。思わず見逃してしまいました……もしかしたらもっと強くなるかも」

ファヴ「顔面に思い切りパンチ喰らっておいてその台詞は小物臭しかしないぽん」

クラムベリー「事実なのですから、仕方ありません。それより……」

クラムベリー「ブギーポップは随分と好戦的ですね」

ファヴ「もう2人殺してるぽん」

クラムベリー「ふむ……会ったときはただの弱い魔法少女だと思っていましたが…………見事に欺かれたということでしょうか。これなら無理を言ってお誘いすればよかったですね」


今日はここまで

言うなれば運命共同体
互いに頼り、互いにかばい合い、互いに助け合う
1人が5人の為に、5人が1人の為に
だからこそ戦場で生きられる
チームは兄弟、チームは家族
嘘を言うな!
猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑う
無能、怯懦、虚偽、杜撰
どれひとつとっても戦場では命取りになる。それらをまとめて無謀で括る
お前(ルーラ)も!
お前(スイムスイム)も!
お前(ピーキー)も!
だからこそ、俺の為に死ね!

『魔法少女育成計画 クラムベリー・ファイルズ』

これがボトムズだ!!


・・・・・・


スイムスイム「大丈夫……?」

ルーラ「大丈夫じゃないわよ……!」


ルーラは深手を負っていた。命に別状こそないものの、動かそうとすると痛い

魔法少女をここまで傷つけられる武器、解禁された魔法の国のアイテムだろう

5年という寿命を払ってまで武器を得た。つまりそれほどにルーラ達を殺したがっているということだ


ルーラ「…………なんで……」

スイムスイム「……?」

ルーラ「なんでアイツはこうまでして私に逆らうの?」

スイムスイム「…………分からない」


・・・・・・


「葉々木さんどうしたの?」

由良「えっ?」

「今日4回も先生に注意されてたけど」

由良「あー……ちょっと寝不足で」

「あ、模型作りまくってたとか?」

由良「そうそう、お誕生会近いし」

「あーそういえば」


学校にいるときは気楽だ。嫌なことを忘れられる

魔法少女なんてクソだ。ヒーローなんてクソだ。なるんじゃなかった

意気揚々と寿命まで費やして残ったのは人を沢山殺したという事実と肝心なことができなかったという虚しさだけ


由良「(マジ、退会できないの……?)」


今更できないだろう。退会することは自殺と同じだ

そんな折、またクラムベリーから連絡があった


クラムベリー『すみません、お時間よろしいですか?』

ブギーポップ『なんですか?』

クラムベリー『昨日の今日……ということになってしまいますが、今夜お会いできますか?』

ブギーポップ『……いいですよ』

クラムベリー『ありがとうございます』


もうしばらくはルーラ達を監視する必要は無い。他の奴と交流したっていい


クラムベリー『場所は前と同じ、時間は夜の7時に』

ブギーポップ『分かりました』


 メアリの四次元袋は……>>直下コンマ一桁

 奇数→ブギーポップが回収していた
 偶数→ルーラが回収していた


・・・・・・


また同じ山、同じ小屋

違うとすればブギーポップは剣を持っていることくらいだ

物騒な奴だと思われないだろうか。まぁもうどうでもいいか

前と同じように扉をノックし、どうぞという声を聞いてから開ける


クラムベリー「こんばんは」

ブギーポップ「こんばんは」

クラムベリー「急に呼んでしまって申し訳ありません。ひとつ確認したいことがありまして」

ブギーポップ「なんでしょうか」

クラムベリー「ミナエルとユナエルを殺したのは、あなたですね?」

ブギーポップ「ッ……!?」


何故知っている。いや、順当に考えていけば分かるのだろうか

だが、ファヴは不幸にも死んでしまったとしか言っていない


ブギーポップ「……ルーラってカラミティ・メアリを目の敵にしてましたから、ついに激突してミナエルと引き換えに倒したんじゃないですか?」

クラムベリー「嘘はいけませんね。ユナエルを殺し、ミナエルを殺しましたね」


なんだよ、わざわざ順番通りに名前を並べやがって

そうだよ殺したよ。だがそれがなんだってんだ

クラムベリーの微笑みにムカついてきた


ブギーポップ「……仮にそうだとして、なんでそれを問うんですか? 私を咎めようと? 悪いけど先に仕掛けてきたのは向こうっすよ」

クラムベリー「別に私は誰かを殺したからと言ってどうこう言うつもりはありません。ただ、やはりあなたを推薦してよかったと……そう思っているだけです」


ブギーポップ「は?」

クラムベリー「最初に聞いた時も、あなたは逃げ回ってなどいなかった……本当は戦っていたのでは?」

ブギーポップ「知りませんよ」

クラムベリー「ちょっと戦ってみましょうか」

ブギーポップ「嫌ですよ」


なんだよちょっと飲みに行こうぜ的な軽い誘い方は

気楽に戦いたいならカードゲームとかゲーセンでいいだろう。なんならじゃんけんでいい


クラムベリー「あら、それは残念」

ブギーポップ「じゃんけんならいつでも受けますよ」

クラムベリー「戦っていただけないとなると……私は>>直下コンマ一桁」


 奇数→スノーホワイトを狙うしかないですね
 偶数→ルーラを狙うしかないですね


クラムベリー「スノーホワイトを狙うしかないですね」

ブギーポップ「……なんか薬でもやってます?」

クラムベリー「何故ですか? 私はあなたと戦ってみたいだけなんですよ」

ブギーポップ「…………(何だこの人)」


ますますよく分からない

戦いたいだのなんだの、まさにお前は何を言っているんだというやつだ


クラムベリー「お帰りになるのでしたらどうぞ。私は止めません。キャンディーも集めなくていいですよ、今週はどの道死人が出るのですから」

ブギーポップ「それ、本気で言ってるんですか?」

クラムベリー「ええ本気です。あなたは誰かを殺すことに躊躇が無いようでしたからこうしてお話をさせていただいているだけで」

ブギーポップ「っ……別に躊躇が無いとか」

クラムベリー「それで、どうでしょうか?」

ブギーポップ「……>>775


 1.分かりました。戦いましょう
 2.付き合ってらんない

間違えた1で

>>782
本当に1でいいんだな?本当に本当に?1か?2も捨てたもんじゃないぞ?1もでいいんだな?本当に?


ブギーポップ「付き合ってらんない」

クラムベリー「おや残念」

ブギーポップ「というか、なんでスノーホワイト?」

クラムベリー「単にあなたと交流のある魔法少女を適当にピックアップしただけです。スノーホワイトを狙えばラ・ピュセルも釣れて一石二鳥でしょう?」

ブギーポップ「…………本気じゃないですよね?」

クラムベリー「それはすぐに分かりますよ」

ブギーポップ「馬鹿馬鹿しい」


小屋を出た。引き留める声も不意討ちも無い

一応スノーホワイトとラ・ピュセルにはクラムベリーが狙っていると声をかけておく

もう魔法少女もなんもかんも興味は無い。惰性でクラムベリーと交流でも深めるかという考えも失せた

勝手にしてくれ


適当にキャンディーを集めて適当に生き残って、退会できるようになったら退会しよう

やっぱり正義の味方はなろうと思ってなるもんじゃないんだ。ああいうのは運命とか周りとかがヨイショして初めてなるものなんだ

今週、誰かが死ぬ

ブギーポップは正義を貫くならクラムベリーを止めるべきだった。なにせ殺人予告だ

だが止めなかった。ルーラも殺せなかった。失格、正義の味方失格


由良「…………」


情けない。自分には力があると思ってた

中学生の夢なんて所詮こんなもんだ


ラ・ピュセルはブギーポップからの連絡以降、ずっと警戒していた

スノーホワイトと共にキャンディーを集めながら、周りに魔法少女らしき者はいないか

そしてやってきた。ブギーポップの言う通り、スノーホワイトを殺すために


クラムベリー「こんばんは」

スノーホワイト「本当に……クラムベリー、あなたは……」

クラムベリー「ええ。ブギーポップが戦ってくれないものですから、彼女を奮い立たせるために仲間の死は必要です。王道ですね」

ラ・ピュセル「させるか……!」


 クラムベリーの数値……>>↓1コンマ二桁
 ラ・ピュセルの数値……>>↓2コンマ二桁

 クラムベリーの数値が勝っていた場合……スノーホワイト負傷(40以上上回っていた場合撃破)
 ラ・ピュセルの数値が勝っていた場合……クラムベリー撃退


 クラムベリーの数値……28
 ラ・ピュセルの数値……48


ラ・ピュセル「スノーホワイトは私が守ってみせる!」

クラムベリー「こちらも王道でしたか」


ラ・ピュセルはとにかくスノーホワイトを守ることに固執した。獅子奮迅とも言える活躍をもってクラムベリーと互角に渡り合った


クラムベリー「ふむ……やはり強い」

ラ・ピュセル「(どんな魔法かは知らないが……このまま……!)」

クラムベリー「(ラ・ピュセルも化ける可能性がある……ますますスノーホワイトを潰したくなりますね)」

ラ・ピュセル「はぁぁっ!」

クラムベリー「(……1度退くのもアリでしょうか)」

ラ・ピュセル「ッ、逃げるのか?」

クラムベリー「ええ。あ、また来ますね。鍛えて待っていてください」

ラ・ピュセル「2度と来るな!」


ふむ、だがブギーポップにはスノーホワイトを殺すと予告してしまった

まぁこの際誰を殺すかはいいとして、キャンディーを集めなくていいと言ってしまったからブギーポップはキャンディーを集めず普通に脱落する可能性がある

それは少しいただけない。せっかくの相手だ。奮起してもらわねば


 クラムベリーは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ルーラを狙った
 偶数→いまだに姿を現さない16人目を狙った


よし、ここはルーラだ

これでブギーポップも奮起してくれるだろう

彼女の居座る場所は確か王結寺だったか、行ってみよう


クラムベリー「こんばんは」

ルーラ「……?」

スイムスイム「森の……」

クラムベリー「どうも。傷を負っているのですか?」

ルーラ「アンタには関係ないわ。チャットのBGM係が何の用?」

クラムベリー「そろそろBGMにも飽きてきまして……違う音を聞きたいのです」


スイムスイム「っ、ルーラ……下がって」

クラムベリー「スイムスイムですか。どのような魔法かは知りませんが、楽しめたらいいですね」

ルーラ「なるほどね……そういうこと」

クラムベリー「ブギーポップは腑抜けになってしまいました。彼女を今一度奮い立たせるためにもあなた達の死は必要なものです」

ルーラ「アイツが? ………………私には関係ないわ」

クラムベリー「私にはあるのですよ」


 クラムベリーの数値……>>↓1コンマ二桁
 ルーラ達の数値……>>↓2コンマ二桁

 クラムベリーの数値が勝っていた場合……どちらかを撃破
 ルーラ達の数値が勝っていた場合……這う這うの体で逃げる
 


 クラムベリーの数値……76
 ルーラ達の数値……46


ルーラ「くっ……」ゴクッ

スイムスイム「ルーラ」

ルーラ「……思った通り、元気が出る薬で少しは動けるようになったわ。アンタも飲みなさい」

クラムベリー「アイテムは存分に使ってください。こちらも魔法を使おうと思います」

ルーラ「言ってなさい! ルーラの名のもとに――」

クラムベリー「遅い」


クラムベリーが高周波を飛ばす。ルーラとスイムスイムは耳を塞いでその場に座り込んでしまった


ルーラ「(ッ、なに、これ……! スイムスイムまで!?)」

クラムベリー「……この程度ですか」

スイムスイム「っ、く……!」


クラムベリー「あっけないのもいかがなものかと。さ、かかってきてください」

スイムスイム「……!」バッ


高周波が止まる。スイムスイムはルーラを守るため、クラムベリーに挑んだ

パンチとキックを繰り出すも、クラムベリーは簡単に避ける


スイムスイム「(……これじゃ、心臓掴めない……)」


だがクラムベリーの攻撃もスイムスイムを通り抜ける。ルーラはどうにかタイミングを見計らって魔法を使おうと思っていた


ルーラ「ルーラの名のもとに――」

クラムベリー「おっと、それは厄介ですからね。させませんよ」


クラムベリーが何かを飛ばす。見えない何か――


ルーラが吹っ飛ばされた。音速で飛来する何かを避けられるはずがない。ただでさえボロの王結寺の壁に穴が空く


スイムスイム「ッ、ルーラ!」

クラムベリー「心配している場合ですか?」

スイムスイム「(強い……負けないけど、勝てない……!)」

クラムベリー「物質透過……近接戦においては最強とも言うべきでしょうか。これで武器でも持っていれば、強かったのでしょうが」

スイムスイム「(どうすれば……)」

クラムベリー「しかし、透過中もあなたを見ることができて、そして会話ができるということは――」


 クラムベリーは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ルーラを殺した
 偶数→スイムスイムを殺した


クラムベリー「光と……そして音は、透過できないということ」

ルーラ「ッ!」


ルーラはありったけの元気が出る薬を飲んだ。油断していたクラムベリーが虚を突かれる形となり、王笏によって殴られ吹っ飛ぶ


スイムスイム「ルーラ!」

ルーラ「アンタは逃げなさい」

スイムスイム「えっ……?」


スイムスイムに透明外套を被せ四次元袋を預けると、すぐさま王結寺から投げ飛ばした。スイムスイムはわけもわからずキョトンとしている


ルーラ「早く!」

スイムスイム「なんで……!」

ルーラ「命令よ、逃げなさい!」

スイムスイム「っ、あ……ルーラ!」

ルーラ「なんで聞かないの! 命令を聞かないならアンタなんて部下じゃない! とっとと出て行きなさい!!」


スイムスイム「いや……」

ルーラ「ッ、アンタを殺すわよ!」


スイムスイムは王笏を振り上げるルーラに怯え、夜の街中へと逃げ出した


クラムベリー「逃がすと思いますか?」

ルーラ「いいえ、アンタはここで……!」


思えばブギーポップが離れていったのがケチのつけはじめだったのか

目標であったカラミティ・メアリを倒せたが、たまとピーキーエンジェルズを失った。唯一残ってくれたスイムスイムだけは失いたくなかった

意地でも守ってみせると、ガラにもないことを考えていた


クラムベリー「あなたにもう興味は無いのですが……まぁいいでしょう。元はあなたを殺すために来たのですし」


ルーラ「私の名のもとに命じる――」

クラムベリー「その魔法……発動までのタイムラグが惜しかったですね」


クラムベリーの腕がルーラの胸を貫いた

が、ルーラは血を吐くだけで倒れない


ルーラ「動くな!」

クラムベリー「ッ……!」


ポーズと命がどこまで続くかは分からない。だがこうしている限り、クラムベリーはスイムスイムを追えない


ルーラ「タイムラグくらい、承知してんのよ……!」

クラムベリー「……なるほど、弱点を利用して私を捕まえたわけですか」

ルーラ「これで……っ、ぐ……!」

クラムベリー「いいでしょう。付き合ってあげますよ。あなたが立ったまま死ぬまで」


ルーラ「(…………スイムスイム、誰かを……頼れば……)」

ルーラ「(無理かしら、ね……私達は……悪名高い、ルーラ……)」


何故か思い浮かんだのは、ブギーポップだった

馬鹿な、アイツがスイムスイムを助けてくれるはずがない

今まで散々敵対してきた。何度も殺そうとした


ルーラ「(でも…………)」

ルーラ「(都合がよすぎよ……今更)」

ルーラ「(殺し殺された相手しか……浮かばないなんて)」


意識が暗闇へと閉じようとしている。まだ、まだだ。まだクラムベリーを逃がすわけにはいかない

諦めない。クラムベリーを逃がしたら”負け”なんだ

その思いだけが、ルーラの命の火をより一層輝かせた


・・・・・・


由良「…………」

「あら、勉強? やっとやる気になってくれたのね」

由良「まぁね」


魔法少女は諦めた。キャンディーを集めなくていい生活なら、もうそろそろリアルに戻ってもいい

由良はやっと受験勉強を始めた。志望校を決め、先生や友達と相談し、参考書を買ってくる

皮肉なものだった。半ば受験から逃げるために始めた魔法少女が、受験へのブーストになってしまった


由良「…………んんっ……」


のびをする。クラムベリーは今頃スノーホワイトを殺そうとしているのだろうか。彼女が死ねば、ブギーポップの正義は音を立てて崩れる

知り合いが死んで悲しくないわけがない。恐らく由良は怒り、クラムベリー打倒に燃え再び正義を翳すだろう。まるで今の自分はそれを待っているようで、自分が嫌になった


だからだろうか、無性にキャンディーを集めたくなった

勉強の息抜きにとうそぶいて、ブギーポップに変身した


ブギーポップ「…………たま」


たまを見る。今の自分にこれを使う資格は無い

いっそ誰かにあげてもいい。これを使うための正義はもう無いのだから


 ブギーポップは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→街で偶然スイムスイムと出会った
 偶数→チャットですら見たことの無い魔法少女と出会った


建物の屋上から街中を見渡す。魔法少女の視力なら困っていそうな人間の判別くらいはつくからいつもやっている方法だ

ふと、路地裏にどこか人間離れした少女の姿を見た

人間離れした少女――思ってから感じる。あれは魔法少女ではないか


ブギーポップ「こんばんは。迷子?」

「…………」

ブギーポップ「お母さんはどこ? よければ案内してあげるけど」

「白い……」

ブギーポップ「?」

「白い、魔法少女は……どこ?」

ブギーポップ「………………」


アカン、これはアカン。面倒事だ。魔法少女が魔法少女を探す、もうそれは今までの経験からしてロクなことがない


ブギーポップ「白い魔法少女? テレビの話かな?」

「……ブギーポップ」

ブギーポップ「ッ……!」バッ


一瞬で距離をとり、たまに手をかけようとしてやめた

何者だ。魔法少女ということは分かるが、見たことがない

まさか、コイツが例の16人目か


ブギーポップ「あなた、名前は?」

「……ハードゴア・アリス」

ブギーポップ「ふぅん……白い魔法少女を探してどうしようって? 殺すの?」

アリス「殺す……?」


不気味な少女だ。死人のように青白い肌と目の下のクマ、漆黒のゴスロリ衣装が路地裏と相まって異形かと思ってしまう


ブギーポップ「白い魔法少女ねぇ、3人くらい思い浮かぶけど」

アリス「…………どこに……いますか」

ブギーポップ「その前になんで会いたいのかくらい言ってくれてもいいじゃない」

アリス「……お礼を、言いたい……だけ」

ブギーポップ「お礼?」

アリス「……」コクッ

ブギーポップ「………………」


 ブギーポップは……>>853
 
 1.適当に白い魔法少女の所に連れて行こう
 2.適当に白い魔法少女の場所を教えて関わらないでおこう

1


ブギーポップ「……一応私、白い魔法少女がどの辺りにいるかは知ってるけど」

アリス「教えてください」ズイッ

ブギーポップ「う、うん……分かったよ。とりあえず顔近付けるのやめて。怖い」

アリス「……」

ブギーポップ「(とっとと押し付けよう……)」

アリス「白い魔法少女、どこにいますか?」

ブギーポップ「連れていってあげるよ」

ブギーポップ「(>>902のところでいいかな?)」


 1.スノーホワイト
 2.スイムスイム
 3.マジカロイド44

ごめんなさい!!! ↓2のつもりでした
1ということで失礼 こちらのミスでした


ブギーポップ「スノーホワイトっていう魔法少女がいて、一応白い魔法少女だけど」

アリス「お願いします」

ブギーポップ「う、うん」


スノーホワイトの担当地区へと向かった。もう夜の11時だが、鉄塔で待っていればきっと来るだろう


ブギーポップ「…………」

アリス「……」

ブギーポップ「(怖い! 無言で死人がついて来てるみたいで嫌だ!)」


 道中アリスに……>>874
 
 1.話を振る(何の話かも記載)
 2.アリスはいないものとして鉄塔を目指す

なんでお礼なのさ


ブギーポップ「あの、なんでお礼したいの?」

アリス「…………」

ブギーポップ「あ、いや別に話しづらいことならいいんだけど」

アリス「……助けてくれました」

ブギーポップ「助けてくれた?」

アリス「困っているところを、助けてもらいました。だから、そのお礼がしたくて……」

ブギーポップ「へぇ……」

アリス「お礼したさに魔法少女になりました」

ブギーポップ「お礼したかったらなれるの!?」

アリス「なれました」

ブギーポップ「そ、そう……」


魔法少女になるにはお礼したいという気持ちが必要なのか

いやまさか


ブギーポップ「あそこだよ。あの鉄塔」

アリス「あそこに……?」

ブギーポップ「丁度2人ともいる。おーい」

ラ・ピュセル「ん? ブギーポップか」


鉄塔に行くとちゃんとスノーホワイトとラ・ピュセルがいた


ブギーポップ「クラムベリーは……?」

ラ・ピュセル「なんとか撃退した。が……なんでアイツからお前の名前が出てきたのかは分からない」

ブギーポップ「えっ、私の名前?」

ラ・ピュセル「ブギーポップが戦ってくれないからスノーホワイトを狙うと言っていた。どういうことなんだ!」

スノーホワイト「ま、まぁまぁ。そんな怒らなくても」

ラ・ピュセル「命を狙われたんだぞ! 怒るに決まってる!」


ブギーポップ「……そっか。それはクラムベリーの適当なでまかせだから気にしないで」

ラ・ピュセル「ふざけるな! ならなんでお前はクラムベリーが襲ってくることを知っていた!」

ブギーポップ「……それは」

ラ・ピュセル「まさか、黙って見てたのか? ユナエルは殺したくせに、クラムベリーの時は黙って私達が襲われるのを見逃すつもりだったのか!」ガッ

ブギーポップ「っ、そんなんじゃ……」


その通りだ。ハッキリ言って、まったくもって、ラ・ピュセルの言う通り

言い訳ならいくらでもできる。だがしたところで許されるはずがない


ブギーポップ「…………ああそうだよ。悪い? アイツさ、私が戦いたくないって言ったら私の近しい奴を狙うってさ。勿論断ったよ。戦いたくないもん!」

ラ・ピュセル「ッ、貴様ぁ!!」


鉄塔から吹き飛ばされた。されるがまま、近くの建物の屋上に落ちる

ラ・ピュセルは追ってきた


ラ・ピュセル「なにが正義だ! 気まぐれに助けたり殺したりしやがって!」ドカッ

ブギーポップ「うぐっ、うるさい……もう正義じゃない!」

ラ・ピュセル「…………なら、魔法少女なんてやめろ……!」


言い返せなかった


ブギーポップ「…………私と一緒にいたハードゴア・アリス。彼女白い魔法少女に会いたがってる。だからスノーホワイトのところに連れてきた」

ラ・ピュセル「そうかよ」

ブギーポップ「……それじゃ、帰る」

ラ・ピュセル「………………ごめん」

ブギーポップ「あ?」

ラ・ピュセル「この前はスノーホワイトを助けてもらったのに……その恩も忘れて、感情的になりすぎた」

ブギーポップ「……いいよ。止めなかったのは事実だ」


鉄塔に戻ることなく、ブギーポップは家に帰った

スノーホワイトはアリスの探している魔法少女だったのだろうか、確認するのも億劫だ


由良「…………」


帰ってももう勉強をする気分じゃなかった


由良「私……どうしたらいいのよ……」


ベッドに倒れこむ

理由を探していた。正義の理由を

理由が無ければ成り立たない正義とはなんと弱いことか

端末にメッセージが送られてくる。もう今日は魔法少女なんてこりごりだ。明日確認しようと思い目を閉じた


翌日、いつも通りの時間に目が覚めた

携帯と、魔法の端末を確認する


由良「あ、そういえば誰かからメッセージが来てたんだった」


昨日はラ・ピュセルに現実を突きつけられてすべてがどうでもよくなっていたが、一晩寝て少しはスッキリした

誰からだろう、どんな用だろうくらいには思える


 メッセージの差出人……>>888
 

ナナ


由良「シスターナナ?」


珍しい。初めてチャットルームに行ったときに挨拶しただけの関係だったのに

内容は簡単だった。簡単かつ、今の由良の神経を逆撫でする


シスターナナ『このまま殺し合いが続くのはいけないことだと思います。ブギーポップもそうは思いませんか?』

ブギーポップ『そりゃまぁ』

シスターナナ『実は、戦わないために同志を集めているんです。スノーホワイトとラ・ピュセル、ハードゴア・アリスも賛同してくれました』

ブギーポップ『戦わないため?』

シスターナナ『はい。魔法少女とはただ殺し合うだけの存在ではありません。そのために』


どうやらシスターナナはその名の通り、争いを嫌うらしい。平和主義……良い言葉だ、感動的だな


 ブギーポップの返信内容……>>895
 
 1.良いと思います
 2.だが無意味だ

2

まあそらね、頑張ったけどその方向性はダメだったし
荒らしまわる勢の存在も認識してるし


ブギーポップ『具体的に何をするんですか? ケンカはよくないって触れ回るんですか?』

シスターナナ『そうですね。例えルーラ達であっても、私はそう言いに行くつもりです』


由良「……」


ブギーポップ『ルーラは既にカラミティ・メアリを殺し、私はミナエルとユナエルを殺した。あなたの言う平和主義とはかけ離れた存在になってる』

シスターナナ『えっ、ミナエルとユナエルを殺したのは……』

ブギーポップ『私。だからあなたのいう平和主義には賛同できない』


フツフツと湧き上がるものがあった。何故だ、とっくに腐ったはず


ブギーポップ『私も誰かからキャンディーを奪ったり誰かを殺したりなんて嫌だ。だけどそうしないとこっちがやられる。私は誰も傷付かなくていいように人を殺す』

シスターナナ『しかしそれでは、殺された方は……!』

ブギーポップ『ええ。私を恨む。それでいい。それが私の正義だから』


腐りきったはずの正義でシスターナナに大見得を切ってしまった

シスターナナはきっと間違ったことは言っていない。ケンカはよくないし争いは忌むべきものだ。だが、眩しすぎる

それに、ルーラとかクラムベリーに同じことを言いに言ったところで、良くて自分みたいに断られ、悪ければ攻撃されるだろう。それが分からないのか

むしろそれを望んでいるのか?

いや、流石にそれはないだろう

誘いは断った


由良「…………私、なにやってるんだろう」


どうせ辞めるつもりの魔法少女人生、これ以上敵になる可能性を増やしてどうする

そんなに大事か? 正義が


由良「……………………大事、なんだなぁ……」


・・・・・・


ファヴ『今週もこの時間がやってきたぽん!』

ファヴ『あ、今週も1人死んじゃったぽん。今週の死亡者はルーラぽん』


由良「……っ…………ルーラ……!?」


ファヴ『というわけで今週も脱落者は無し! それじゃまた来週~』


由良「ちょ、どういうことよファヴ!」

ファヴ「言った通りぽん。今週はルーラが不慮の事故で死んでしまったぽん」

由良「…………理由を聞かせて」

ファヴ「えー……チクリ魔は嫌われるぽん」


 精神力(83)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動。ファヴから理由を聞き出す
 失敗→理由を聞けずじまい


 77……成功!

 
 
ブギーポップに変身した



ファヴ「どうしたぽん?」

ブギーポップ「理由、教えてよ。教えるまで返さないから」

ファヴ「いや返す返さないは大して意味がないんだけど……」

ブギーポップ「いいから教えなさい!」


諦めない。誰だルーラを殺したのは。ルーラを殺すのは自分だったはずだ

誰かを狙って返り討ち、自業自得、因果応報。そんなことは分かってる。だが、それでもルーラは……!


ファヴ「うう……仕方ないぽん。ここだけの話ぽん」

ブギーポップ「うん」

ファヴ「ルーラを殺したのはクラムベリーぽん」


ファヴ「(こうした方がブギーポップも奮い立ってマスターに攻撃を仕掛けて面白いのが見れるはずぽん)」

ブギーポップ「…………そう、クラムベリーが」

ファヴ「スノーホワイトを襲うのをやめたクラムベリーはルーラを狙ったぽん」

ブギーポップ「理由は、私なの?」

ファヴ「分かってるじゃないか」

ブギーポップ「…………そうだ、スイムちゃんは?」

ファヴ「逃げたぽん」

ブギーポップ「……そう…………」


 ブギーポップは……>>918
 
 1.スイムスイムを探した
 2.1人なら大きな行動はしないだろうから捨て置いた

1


ブギーポップ「スイムちゃん……今どこに?」

ファヴ「さぁ?」

ブギーポップ「答えなさい!」

ファヴ「これ以上は無理ぽん」

ブギーポップ「…………なら、自分で探すまでよ」


王結寺へと向かった

そこには死体が1つだけ転がっていた。ルーラのものだろう

寺の中の蝋燭は消え、死後何日が経っているのか分からないがこの寒い気温のお陰で死体の保存状態は良い方だった


ブギーポップ「…………ルーラ………………」


その死に顔は安らかだった

資格は無い。無いとは分かっているが……抱かずにはいられない


ブギーポップ「……ごめん、なさい…………」


少しだけ、涙が流れた

スーツ姿の女性、名前も知らない。けどルーラだ


ブギーポップ「私、あなたに……迷惑…………挙句、死んじゃって……!」


死んだ者に正義だのなんだのは言わない。残るのはたま達と同じ、かつての仲間への罪悪感と、自分への嫌悪感。そして、本当は大好きだったという自分でも押し殺していた感情

死者にのみ素直になれる。悲しかった。虚しかった

感情を吐露した。許しを得られるとは思わない。だけどそうせずにはいられない


ブギーポップ「………………私、どうしたらいいの……ルーラ」


答えは無い

クラムベリーの思惑通りだ。ブギーポップの正義が蘇りつつある

駄目だ、都合がよすぎるんだよ、それは

1度捨てたんだ。今更それに縋るわけには

だがルーラは死んだ。自分の曖昧な正義で。間接的に自分が殺した。たまのように

このままではルーラはただクラムベリーに殺された者になってしまう。ルーラを、正義の犠牲にできなくなってしまう


ブギーポップ「ルーラ…………ルーラぁ……!」


 ルーラの死にブギーポップは……>>929

 1.2度と正義を失わないと誓った
 2.正義などもう……
 

1


ブギーポップ「ルーラ…………私、どうすればいいの……」

「ブギーポップ……」

ブギーポップ「っ、スイム……ちゃん……」

スイムスイム「………………」

ブギーポップ「ルーラが、ルーラが死んじゃった…………私……が……殺した……」

スイムスイム「ルーラを殺したのはクラムベリー……」

ブギーポップ「私が殺したようなものだよ!」

スイムスイム「……なら、どうするの?」

ブギーポップ「…………」

スイムスイム「私も、殺す?」

ブギーポップ「…………」フルフル


ブギーポップ「私は…………」

スイムスイム「……」

ブギーポップ「私は……”負け”ない…………私は、変わらない……っ……ルーラを、たまを、ミナエルとユナエルを……無駄に、しない……」グスッ

スイムスイム「……どうするの?」

ブギーポップ「私は、まだ……貫く…………正義……」

スイムスイム「どうやって?」

ブギーポップ「…………ルーラを私に刻んで」

スイムスイム「刻む……?」

ブギーポップ「スイムちゃん、これで私を斬って」

スイムスイム「っ!?」フルフル

ブギーポップ「いいから、思い切り」


たまを無理やりスイムスイムに持たせる

覚悟の表れを、ブギーポップを見た全員に見せつけるために


ブギーポップ「ここ、よく狙ってね」

スイムスイム「できない……」

ブギーポップ「友達、でしょ?」

スイムスイム「友達に……暴力を振るっちゃいけないって……先生が……」

ブギーポップ「なら、絶交。はい、私を斬って。その後でまた友達になって」

スイムスイム「……無理…………」

ブギーポップ「お願い、スイムちゃん」

スイムスイム「…………………………っ……!」


刃が額に当たる感触。次に、肌に食いこみ、食い破る感触。額から鼻を通り、口を避けて顎まで斜めに切り裂かれる感触が顔を襲った


ブギーポップ「っ、ああぁっ……!」ドサッ

スイムスイム「ブギーポップ……!」


たまが投げ捨てられ、カラカラと音を立てて転がる。ブギーポップも痛みに悶え転がった

血が出てる。思い切り斬られた


ブギーポップ「っ……つぅ……! ありがとう……スイムちゃん」

スイムスイム「すぐ、治さないと……」

ブギーポップ「いいの。治さなくて…………これで、ルーラの死に向き合える」


痛みは最大の荒療治

痛みによって今までの思考をすべてシャットアウトされ、また0から考えることができるようになった


血が止まらない。思ったよりも深い傷だ。下手をしたら死ぬかも

だが諦めない。血が止まらずに死んだら無様すぎる。それは負けを意味する


スイムスイム「……っ、血が……」

ブギーポップ「……なんとか、止まったかな……」

スイムスイム「包帯……」

ブギーポップ「……うん、それくらいならいいかも」


顔に包帯を巻き、ルーラの遺体をせめて人目につくような場所に置いた

これでニュースになり身元が分かれば家族なり友人なりが相応の対応をしてくれるだろう

魔法少女はどこで死ぬか分からない。人目につかない場所で活動しているのだから死体も人目につきにくいだろう

だからこそ、最後はせめてこの女性は存在していると証明したかった


・・・・・・


クラムベリー「ブギーポップに教えたんですか?」

ファヴ「いやーすごい剣幕で」

クラムベリー「大方、そうした方が楽しめると思ったのでは?」

ファヴ「あれ、マスターにはバレてるぽん?」

クラムベリー「私も同じことを思っただけです」

ファヴ「なーんだそうだったぽん」

クラムベリー「しかしブギーポップだけでは足りませんよね?」

ファヴ「当たり前ぽん! まだ魔法少女は11人もいるぽん!」

クラムベリー「はぁ……仕方ありません。試験官として、生徒にはちゃんと試験を受けさせないといけませんしね」

ファヴ「さっすがマスターぽん! 試験官の鑑!」


 >>943訂正
 ×→ファヴ「当たり前ぽん! まだ魔法少女は11人もいるぽん!」
 〇→ファヴ「当たり前ぽん! まだ魔法少女はマスターを除けば9人もいるぽん!」


試験官は忙しい

やる気の無い生徒にはちゃんと受けさせるよう矯正しなければならない。熱血教師だ

殺し合いをやる気の無い生ぬるい魔法少女は必要ない

そしてクラムベリーと渡り合えるだけの強さを持たない魔法少女も必要ない


クラムベリー「さて、今のところ殺し合いに無関係なのは……」


ブギーポップは言わずもがな、ルーラ組ももうスイムスイムだけしか残っていない。必ず動くだろう

スノーホワイトとラ・ピュセル、シスターナナとウィンタープリズンはクラムベリー自らけしかけた。こちらが動けばあちらも動く。ハードゴア・アリスもスノーホワイトと行動を共にしていると聞く

残るはマジカロイド44、リップル、トップスピードか。狙うなら……>>直下コンマ一桁


 奇数→マジカロイド44
 偶数→リップルとトップスピード


 >>943さらに訂正
 ×→ファヴ「当たり前ぽん! まだ魔法少女はマスターを除けば9人もいるぽん!」
 〇→ファヴ「当たり前ぽん! まだ魔法少女はマスターを除けば10人もいるぽん!」


クラムベリー「リップルとトップスピード……2人はどうでしょうか?」

ファヴ「リップルは1度カラミティ・メアリにつっかかったくらいぽん。2人の強さまでは」

クラムベリー「ふむ……どちらかを殺せばどちらかは奮起するでしょうか」

ファヴ「さぁ?」

クラムベリー「狙うのもアリですね」


 マジカロイド44は……>>直下コンマ一桁

 奇数→メアリを(勝ってに)引継ぎ暴力団を使ってキャンディーを集めていた
 偶数→誰でもいいから頼るかの精神でシスターナナと行動を共にしていた


・・・・・・


ブギーポップ「スイムちゃんはどうするの?」

スイムスイム「……分からない」

ブギーポップ「………………ついてくる?」

スイムスイム「……うん」

ブギーポップ「そっか。じゃあ」


 >>959
 
 1.変身を解く
 2.ルーラの教えに従う

1


変身を解いた

葉々木由良として、スイムスイムに向き直る


スイムスイム「っ!?」

由良「これが私。ブギーポップ……葉々木由良」

スイムスイム「なんで……!」

由良「ルーラは正体を教えるなって言ってた……だからって、仲間に教えないってのもね」

スイムスイム「…………」

由良「……ルーラ達の仇を取りたいなら、いいよ。スイムちゃんにはそれをやるだけの資格がある」

スイムスイム「…………」


スイムスイムも変身を解いた


由良「…………えっ……!?」

綾名「坂凪綾名……7歳」

由良「えっ、しょ、小学生……!?」

綾名「……」コクッ

由良「………………わ、私は15歳……」

綾名「お姉ちゃん」

由良「………スイムちゃんって、もっと大人だと思ってた」


下手したらルーラよりも年上かと。少なくとも自分よりは上だと思っていただけに衝撃がある


由良「それじゃ、行こうか」

綾名「どこに?」

由良「人を殺す練習」


スイムスイムにとって、ブギーポップという存在の立ち位置はよく分からない

仲間なのか敵なのか、今は仲間だ

だがブギーポップはミナエルとユナエルを殺した。仲間を殺された。悲しくないわけがない

なのに、憎めない。何故だろう

でもまぁ今は仲間だからいっかという感じだ


ブギーポップ「暴力団って知ってる?」

スイムスイム「ううん」

ブギーポップ「殺してもいい連中ってこと」


嘘だ。殺していい連中なんてこの世にいるわけがない

だがブギーポップの言う意味は少しだけ違う

無条件に殺していいわけではない。むしろ殺すなら誰でもいい。殺した相手の近しい者は確実にこちらを悪とみなす。それをひっくるめて殺すという意味だ

ブギーポップの正義は大衆的な正義に基づいたものがある。見ていたヒーローモノがそういうのが多かったせいかもしれない。だが今は少し違う。殺すという実感を伴う以上、ただの正義じゃいられない

スイムスイムが仲間になるのなら、その業を一緒に背負えるか、試す必要がある


ブギーポップ「ここがなんかすごい悪い奴らのアジトみたいだから、ちょっと中に入って来て。私はここで待ってるから」

スイムスイム「入ったらどうすればいいの?」

ブギーポップ「まず1人殺して。で、もし相手が怒って攻撃してきたら皆殺し。分かった?」

スイムスイム「分かった」


さて、スイムスイムはどうなるか。罪悪感で自分には無理だとなればそれでいい。一緒に行動しなくなるだけだ。彼女の魔法なら死ぬこともないだろうし

おかしなことを言っていると思う。人を殺せるかのチェックなど、まるで悪の組織だ

だが魔法少女の戦いなどという中で、そんなきれいごとはもう通じない。高潔な正義を悪の血で飾り付ける必要がある

事務所らしきビルの中から銃声が聞こえてきた。ああ、やったのか


スイムスイム「…………」

ブギーポップ「どうだった?」

スイムスイム「皆、殺した」

ブギーポップ「……そっか。それで?」

スイムスイム「それで?」

ブギーポップ「吐き気とか嫌な気分とか」

スイムスイム「……怖かった」


怖い。普通の感性だ


スイムスイム「怒って、ピストルとか、剣とか使ってきて、たくさん撃たれたし斬られた」

ブギーポップ「スイムちゃんの魔法なら大丈夫だと思うけど」

スイムスイム「大丈夫……でも」

ブギーポップ「それは仲間を殺された人達がスイムちゃんを殺してやるって思ったから怖かったんだよ。スイムちゃん、人を殺すってのは怖いんだ」

スイムスイム「……」コクッ

ブギーポップ「これからたくさん怖い目にあわないといけない。それでも私はとまらない。嫌ならついてこなくて大丈夫。スイムちゃんは悪くないから」

スイムスイム「……ついていく」


その翌日、マジカロイド44からメッセージが入った


ブギーポップ『なんでしょ?』

マジカロイド『あノー……昨日〇〇組の事務所襲いました?』

ブギーポップ『はい』

マジカロイド『あ、それデスネ、ちょっとマズいというか』


そういえば前に港で殺した暴力団の連中は魔法少女を知っていた。調べたらカラミティ・メアリが暴力団を仕切っていたらしい


ブギーポップ『マジカロイドさん、カラミティ・メアリに頼まれたんですか?』

マジカロイド『イヤイヤ、あの人死んでますシ』

ブギーポップ『じゃあカラミティ・メアリに代わってとか』

マジカロイド『アー……まぁ、そうなっちゃうんですけどモ』

ブギーポップ『分かりました』


スイムスイムを呼び出した


ブギーポップ「ちょっと殺しに行かない?」

スイムスイム「分かった」


いつものように街のチンピラから探していき、チンピラをボコってヤクザとの関連のある奴を吐かせ、ソイツをボコッてヤクザの居場所を吐かせ、そのヤクザをボコッて事務所の場所を割り出した

今日はかなり大きな規模の事務所だ


ブギーポップ「ここみたいだね」

スイムスイム「また、やる?」

ブギーポップ「今日は私もやる」

スイムスイム「分かった」

>ブギーポップ「ちょっと殺しに行かない?」
>スイムスイム「分かった」
15才と7才の会話じゃないよぉ…


中に入り、銃弾の雨の中バッサバッサと殺していく

スイムスイムの火力を心配したが、魔法少女の身体能力なら素手でも殴り殺せるしいざとなったらハートキャッチ(物理)がある


「クソッ、クソクソ! なんなんだお前ら!」

ブギーポップ「あ? 正義の味方だよ!」ズバンッ

「くそぉ! あのクソガンマンがいなくなったかと思えばロボが来るし、かと思えばお前達が来る! なんなんだこの街ぁ!」

スイムスイム「……」ドカッ

ブギーポップ「(そろそろ来るかな)」


ただ殺しているわけではない。これは挑発だ。暴力団も組織だ。組織に異常があれば必ず動くはずだ


マジカロイド「えぇぇ……ま、マジ?」

「あっ、ロイド姐さんやっと来てくれたんすね! お願いします、なんとかしてくだせぇ!」


メアリは1万ものキャンディーを持っていた。つまり暴力団を使って集めたということだ

そしてそれを引き継いでいるマジカロイド。大衆的に見て悪。すなわちブギーポップの敵


マジカロイド「ちょ、ちょっと待っテ! 私戦うのは!」

ブギーポップ「リアルでは初めまして。これは見せしめだよ。これで暴力団という悪が街から消えるといいね」


 マジカロイドの今日の秘密道具は……>>直下コンマ一桁
 
 成功→マジカルワイヤー
 失敗→豊胸器具


 いつものくせで成功失敗にしてしまいました。奇数偶数です

 
 
マジカロイド「ナラ……仕方ありませんネ」


ブギーポップ「(マジカロイドの手から……なにか光るものが……)」

マジカロイド「いやー今日に限ってクソみたいなアイテムだったらどうしようカト」

ブギーポップ「スイムちゃん!」

スイムスイム「……!」


何かがスイムスイムをすり抜けた。後ろにある作業机が斬り刻まれる


マジカロイド「エッ!?」

スイムスイム「……ワイヤー」

ブギーポップ「チッ、厄介な」


マジカロイド「これなら魔法少女とはいえ両断できます、ヨ!」シュバッ


たまをワイヤーで掴まれた。マジカロイドはワイヤーでバラバラにできない剣に訝しみながらも、引っ張ってブギーポップを壁に叩きつける


ブギーポップ「ぐっ……う……!」

スイムスイム「ブギーポップ……!」

「今だ、死ねぇぇ!」

スイムスイム「邪魔」


刀で斬りかかって来た1人の頭を破裂させる勢いで殴り、スイムスイムはマジカロイドの前に出た


 スイムスイムの数値……>>↓1コンマ二桁
 マジカロイドの数値……>>↓2コンマ二桁

 スイムスイムの数値が勝っていた場合……ハートキャッチ
 マジカロイドの数値が勝っていた場合……なんとかスイムスイムからは逃げる
 


新スレのお知らせ
【まほいく安価】スイムスイム「ずっとついていく」【魔法少女育成計画】
【まほいく安価】スイムスイム「ずっとついていく」【魔法少女育成計画】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487602946/)

マジカロイドは前の周と同じ末路に……

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