かばん「はじめての気持ち」 (26)

けものフレンズの百合 短いです
5話終了時の話です

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サーバル「んーっ。湖、いいところだったねー」

かばん「うん。広くて綺麗で、過ごしやすくて」

サーバル「ビーバーとプレーリーの家もとってもすごかったよね!」

サーバル「あんなにおっきな家、初めて見たよ」

かばん「手伝ったお礼か、素敵なものも作ってもらったね」

サーバル「この寝床、すごく寝心地がいいよー」

かばん「ボクもあとで使ってみようかな」

サーバル「それにしても、今日はたくさん驚いちゃったよ」

かばん「たくさん?」

サーバル「家もそうだけど、私がバスをぶつけたら木がどんどん倒れちゃったのもそうだし」

サーバル「でも、1番驚いたのはプレーリーのあいさつだったかな」

かばん「あ、あはは……。あれは、その、びっくりしたね……」

サーバル「あんなあいさつをするフレンズもいるんだねー」

かばん「そ、そうだね……」

サーバル「……どうしたの?私の顔、何かついてる?」

かばん「う、ううん。ごめんね、何でもないの」

かばん(話をしてたら、さっきのこと思い出しちゃった……)

かばん(プレーリーさんにとってはあれが普通なのかもしれないけれど……)

かばん(あんまり気軽にしちゃダメ、だよね……)

サーバル「……ねぇ、かばんちゃん」

かばん「えっ?な、何かな?」

サーバル「さっきのプレーリー式のあいさつ、私たちもやってみない?」

かばん「……うえっ!?ど、どうして!?」

サーバル「実はあのとき、びっくりしちゃっててよく覚えてないんだ。だから、もう1回してみたいなって」

かばん「で、でもあれはプレーリーさんのあいさつで……」

サーバル「そうだけど、私たちがしちゃダメってこともないよ。きっと」

サーバル「私はかばんちゃんとしてみたいな」

かばん「え、えと……」

サーバル「それともかばんちゃんは私とあいさつするの、嫌?」

かばん「そういうわけじゃないけど……」

サーバル「ならいいでしょ?ほら、やろうやろう!」

かばん「えぇー……」

サーバル「えっと、どうだったっけ?確かこう、口と口をくっつけて……」

かばん「や、やっぱり待って!ちょっと待って!」

サーバル「動いちゃダメだよー!じゃ、いくよー!」

かばん「や、待っ……!」

サーバル「……あれ?何か違うかも。でもこんな感じだったし」

サーバル「ねぇ、かばんちゃん。かばんちゃんは……」

かばん「……ぃ、ま」

サーバル「かばんちゃん?おーい、かばんちゃーん」

かばん(い、今ボク、サーバルちゃんとっ……!)

かばん(何かすごく熱くて、柔らかくて、何が何だかわかんなくて……)

かばん(でも、プレーリーさんにされたときとは違ってすっごくドキドキしちゃってる……)

かばん(……どうして、こんなにも気持ちが違うのかな。相手がサーバルちゃんに変わっただけ、なのに)

サーバル「ねー、かばんちゃんってばー。ボスみたいに固まってないでよー」

かばん「……あっ、う、うん。ごめんね」

サーバル「もー。ほんとにどうしたの?」

かばん「なっ、何でもないよ、何でも。それで、えっと……」

サーバル「プレーリーとは何か違うみたいで、うまくできないんだよー」

かばん「ま、まぁボクたちはプレーリーさんとは違うから……」

サーバル「そうだ、今度はかばんちゃんからしてみてよ!」

かばん「ぼ、ボクからっ!?」

サーバル「かばんちゃんは観察するのが得意みたいだし、私よりもうまくできそうだからね」

かばん「……い、いいの?」

サーバル「もちろんだけど、何でそんなこと聞くの?」

かばん「いっ、一応聞いてみただけだよ。じゃあ、ボクから……」

サーバル「うんっ。早く早くー」

かばん(あぁ、何でこんなことに……。サーバルちゃん、きっとするまで言ってくるだろうし……)

かばん(だけどサーバルちゃんはいいって言ってるんだし、それに、ボクは……)

かばん「……サーバルちゃん。いく、よ」

サーバル「ん、ぅ……」

かばん「……っ。こ、これで、どうかな?」

サーバル「あ……」

かばん「サーバルちゃん……?」

サーバル「な、なん、だろう。今、かばんちゃんとくっついたときに何かこう、びゃーって感じがして……」

サーバル「プレーリーにされたときとは、全然違うよ……」

かばん「サーバルちゃんも……?」

サーバル「えっ……?じゃあ、かばんちゃんも?」

かばん「う、ん。こう、お腹の奥が熱くなって、胸がドキドキして……」

サーバル「それ、私も……。全力で走ったあとみたいに熱くて、どっくんどっくんして……」

サーバル「それに、かばんちゃんを見てるともっとどっくんどっくんするみたい……」

かばん「えっ……」

サーバル「……かばんちゃん。手、触ってもいい?」

かばん「い、いいけど、どうして?」

サーバル「かばんちゃんを触りたいなって思っちゃって……」

かばん「そ、そっか。じゃあ……」

サーバル「さ、触るね……」

かばん「ん……」

サーバル「……」

かばん「ど、どう……?」

サーバル「……えへへ、何だろう。かばんちゃんに触ったらハァハァしそうになるくらい苦しくなっちゃう」

サーバル「でも、それでも離したくなくて。こんなこと、今までなかったのに……」

サーバル「……でも、嫌な感じじゃないんだ。ジャパリまんを動けなくなるまで食べたときにちょっと似てるかも」

サーバル「あれよりもっともっといい感じなのに、どう言ったらいいのかがわかんなくて……」

かばん「……きっと、それは嬉しいとか、幸せって言うんじゃないのかな」

サーバル「しあわせ?」

かばん「ボクもうまく言えないんだけど、こう胸の奥がアルパカさんのフワフワでいっぱいになるような……」

サーバル「……しあわせ。しあわせって言うんだね」

かばん「う、うん。サーバルちゃんのがそうだってはっきり言えないけど……」

サーバル「ねぇ、かばんちゃん。もう1回、してもいい?」

かばん「えっ?」

サーバル「プレーリー式のあいさつ。かばんちゃんがしてくれたの覚えたから、今度は私から」

かばん「……うん。いいよ」

サーバル「ありがとう。えぇと、確か……」

かばん「焦らなくてもいいからね。ゆっくりで……」

サーバル「……いくよ、かばんちゃん」

かばん「んっ……」

サーバル「……ふぁ」

かばん「サーバルちゃん……」

サーバル「あ、み、見ないでっ!今、すごい変な顔してるからっ!」

かばん「そんなことないよ。サーバルちゃん、とっても可愛い」

サーバル「……何でかな。かばんちゃんに可愛いって言ってもらえると、嬉しいんだ」

サーバル「体の奥が熱くて、ぴりぴりして、耳から尻尾の先までぞわぞわしちゃって……」

サーバル「ハァハァしちゃいそうなくらい苦しいのに、よくわかんないくらいフワフワした気分で……」

かばん「ボクも似たような感じかな……。こんな感じ初めてで、目の前がぐるぐるしちゃう……」

かばん「でも、今はこれをもっと感じていたい、かな……」

サーバル「もしかして、これもしあわせなのかな?」

かばん「どうだろう、ボクもそこまではちょっとわからないなぁ……」

サーバル「じゃあ、じゃあ一緒に確かめようよ。私たちのこれがしあわせってことを!」

かばん「確かめるって、どうやって?」

サーバル「う、それはわかんないけど……。でも、きっと何かあるはずだよ!」

サーバル「もしかしたら知ってるフレンズがいるかもしれないし。ね!」

かばん「あははっ。サーバルちゃんがそう言うと、本当に見つけられそうな気がするよ」

サーバル「私とかばんちゃんが一緒なら大丈夫!できないことなんてないんだから!」

かばん「……うん。ボクもサーバルちゃんとなら、何だってできちゃいそうかも」

かばん「それに、もっとサーバルちゃんのこと、知りたいな」

サーバル「私のこと?」

かばん「ここまでずっと一緒に冒険してきて、何となくわかってるつもりだけど」

かばん「サーバルちゃんのもっと、もっと深いところまで知りたいな」

サーバル「かばんちゃん……」

かばん「……な、何だか変なこと言っちゃったね」

サーバル「ううん、そんなことないよ!私もかばんちゃんの全部、知りたい!」

かばん「それじゃあ、ボクたち一緒だね」

サーバル「うんっ!私たちはずっと一緒だよ!」

サーバル「図書館に着いて、かばんちゃんが何のフレンズかわかっても、ずっと一緒だからね!」

かばん「ボクも、自分が何のフレンズだったとしても、隣にはサーバルちゃんがいてほしいな」

かばん「……サーバルちゃん。好きだよ」

サーバル「私もー!かばんちゃんがだーいすきっ!」

かばん「……ありがとう。ボク、すごく嬉しっ……!」

キィィィィィ

かばん「わぷっ!?」

サーバル「んむぅっ!?」

オーロックス「お前ら、どっから……?」

オーロックス「……何やってるんだ?口くっつけて」

かばん(急にバスが止まった勢いで、またサーバルちゃんと……)

サーバル(知らない子に見られちゃってるけど、まぁいっか。悪い気はしないし)

かばん(何だかまたトラブルに巻き込まれちゃってる気がするけど……)

かばん(でも、どんなドタバタがあったって乗り越えていけるはず)

かばん(だって、サーバルちゃんがボクの隣にいてくれるんだから……)

これでおしまいです。もしもの6話に続く
けもレズSSふえろ

けもの(フ)レ(ン)ズ

あら^~

乙だけど、レズと百合の住み分けは明確にして欲しい



違いはないのに棲み分けとはこれいかに

>>20
>>22

それ以上は血で血を洗う戦争にしかならないのでやめたまえ

ボクっ娘すごいですねこれ

違うことに目くじらたてて排除しようとするのは人間の悪い習性だよ
違う相手を純粋に尊敬できるフレンズの精神を見習おう

1は百合が得意なフレンズなんだね!

すき

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