勇者「オークと姫騎士と、そして魔王…」 (78)


オーク隊長「ぐっへっへ、やっと捕まえたぜ、女騎士さん」

オークA「まったくこの尼、手間かけさせやがって」

女騎士「くっ、魔物風情にこの私が…!」

女騎士「……貴様たちなど、勇者様さえ一緒にいれば」

オーク隊長「んっんー?まだ生意気にも自分の立場が分かっていないようだなァ」

オーク隊長「それに、お望みの勇者様なら、俺の部下が丁重におもてなしをしているさ」

オークB「へっ、じゃあ俺たちもお楽しみと行こうか…」

女騎士(くっ、こんなところで…)



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オークA「今からそのすました顔がどう変わるか、楽しみだぜ…!」

女騎士「お、お前らなどには絶対屈しない!」

オークB「そういっていられるのも今のうちだ」

オークA「なぁ、隊長、やっちまってもいいんだろ!」

オーク隊長「あぁ、いいぞ」

オークA「じゃあ…」

オークB「さっそく…」

女騎士(ゆ、勇者様……)




????「待てっ…!」 ザンッ

オークA「ぐ、グワーッ!」


オーク隊長「お、お前は…?どうしてここに!」

女騎士「あ、あぁ……」

オークB「て、てめえは部下たちが足止めしているはずじゃあ」

???「あぁ、確かに数が多かった」

???「おまけに、背中を預ける女騎士ともはぐれてしまったしな」

オーク隊長「馬鹿な、あの数のオークを相手にたったひとりで……」

???「あぁ、それでも俺は、俺たちは負けるわけにはいかないんだよ」

女騎士(……あっ)

オーク隊長(ん……?)

???「なぜなら俺こそ、人族の希望の証である」


勇者「勇者、だからな……!」



オーク隊長「……」

オークB「……」

女騎士「……」 ハァ

勇者「……」


オークA(フリフリ)

勇者「……アレ、もしかして、俺またやっちゃった?」

オークA(コクコク)

団長「はーい、NGね、一旦止めるわよー」


勇者「え、うそうそ!?オークA、台本持ってきてよ」

オークA「…セリフ、飛んだ。名乗りはまだ先」

オークA「オークBを倒して、姫騎士救って、そしたら名乗る」

勇者「……あっちゃー、完全に飛んでた」

勇者「本当に、すみません、団長。そして隊長さん、女騎士さん」

女騎士「まぁ、気にしない気にしない。ミスなんで誰にもあるんだから」

オーク隊長「それにいい啖呵だったぞ?」



オークB「やーいwwwwwAの切られ損wwwwww」

女騎士「…あんたは黙ってろ、うるさい」

オークB「あべしっwwwwww」


監督「んー、隊長ちゃん?このあとどうしよっか?」

オーク隊長「確か練習スケジュールはだいぶ前倒しになっているんだろ」

監督「そうねぇ、隊長ちゃんと女騎士ちゃんのおかげで、流れはだいたい問題ないわねぇ」

オーク隊長「なら、少し休めばいい。疲れがたまると自然とミスも多くなる」

監督「おっけー、じゃあ再開は一時間後、いいわね?」

スタッフ「了解しましたッ」



勇者「うぅ…、またこの展開か」

オークA「気にしない。誰にでもミスはある」

勇者「でも俺のミスで中断するの、この演目で4回目だぜ…」

オークA「……気にしない。誰にでもちょっとくらい多めのミスはある」


女騎士「勇者君も、なかなか肩の力が抜けないわよねぇ」

オークB「姉御がwwww怖いからじゃんwwww」

女騎士「ぶったたくわよ」 ベシッ

オークB「叩いてからいわないでくださいwwww」

女騎士「はぁ、あんた素のしゃべりはなんとかならないの」

オークB「姉御だって、絶対姫騎士ってより盗賊団のお頭の方がにあ」



女騎士(無言の鳩尾)

オークB「うわらば……」チーン


オーク隊長「はは、二人のど付き合いも慣れたものだな」

女騎士「あ、隊長…///」

女騎士「すいません、変なところ見せちゃって」

オーク隊長「あぁ、気にはしないさ」

オーク隊長「もちろん、勇者のミスにもな」

女騎士「いつもは、こんなミスしないんですけどね、あの子」

女騎士「やっぱり、大役ってことで緊張してるんでしょうかね?」

オーク隊長「あぁ、なにせ大戦を終わらせた伝説の」

オーク隊長「”勇者”なんだからな」


――かつて、この世界には勇者と魔王がいた

    お互いはお互いを倒すために、世代を超え、終わりのない戦いを続けていた

    その対立は多くの犠牲をうんだ

    あまたの人族が死に、あまたの魔族が死に、それは悲惨な過去であった



    だが、今は違う


――100年前、勇者と魔王は滅んだ

    どちらか生き残り、何度も何度も繰り返してきた戦いも、これで終わりを告げたのだ

    人族も魔族も、お互いを恨み戦い続けるには、既に疲弊しきっていたのだ

    そして、現代、人族と魔族はともに生活を送っている




    この物語は、そんな勇者と魔王がいない世界の、とある劇団の物語である

といったところで導入は以上です
毎週何かしらの形でぽちぽち更新していければーと思っております

楽しみにして頂ければ、と思います


ちなみに、女騎士さんがオークさんにエロス!な展開はありませんので…


――翌朝

オークA「勇者…、朝」

勇者「うぅーん、あと5分寝かせてくれよぉ」

オークA「約束、みんな、朝起こす」

オークA「昨日のミス、挽回」

勇者「…でも、まだ早いじゃん」

オークA「勇者言ってた、早く起きるか、もしくは…」

オークA「団長に、後ろをささg…」

勇者「おっとぉ、起きないとなぁー!急に俺起きたくなっちゃったなー!」


勇者「まったく、オークAは昔からいい神経してるよ」 ブツブツ

オークA「幼馴染、この劇団に入る前からの」

勇者「そうだよなぁ、家が隣だっていうから、もう20年近くの付き合いか」

勇者「…お前みたいな筋肉隆々のオークじゃなくて、かわいい女の子だったらよかったのに」

オークA「人生、うまくいかない」

勇者「まったくだよ」

オークA「無駄話、早くしないと、みんなにいろいろ言われる」

勇者「おっと、じゃあ行ってこないとな」

オークA「無事、帰ってくるのを寝て待ってる」

勇者「ってお前は寝るんかい!?」


――オークBの部屋

勇者「オークBさん、朝ですよ?」

勇者「とびら、開けますよ」 ガチャ

オークB「……」

勇者「どうしよう、部屋に入ったらベッドじゃなくて床にうつ伏せになってるオークBさん」

勇者「とりあえず、声をかけてみよう」

勇者「オークBさん、大丈夫ですかー?」

オークB「……」 チンモク

勇者「へんじがない、ただのしかばねのようだ」

オークB「……な、ナントカイキテルヨ」

勇者「あ、しゃべった」


勇者「オークBさん、どうしたんですかこの惨状」

オークB「アネゴガサケヲモッテキテ」

勇者「あぁ、女騎士さんに付き合わされた、と」

勇者「あの人、酒樽開けても酔いつぶれたことがないし」

オークB「……」 コクリ

勇者「じゃあ、水持って来ますね」

オークB「……ヨロシク」





勇者「それにしても」

オークB「?」

勇者「草、はやさないんですねw」

オークB「ソンナゲンキナイ」


――女騎士の部屋

勇者「っと、オークBさんの部屋にいったから、女騎士さんがお酒を飲んでるのは分かってる」

勇者「大丈夫かなぁ…」

勇者「女騎士さん、おはようございます」 ガチャ

女騎士「あぁ、おはよう」

勇者(よかった普通だ)

勇者(でも、気崩れた女騎士さんを見てみたかった気もする)

女騎士「昨晩はよく眠れた、そうかもう起床の時間か」

勇者「あ、はい」

女騎士「昨日言ったとおり、きちんとみんなを起こしてるんだな」

勇者「まぁ、昨日、あのあとも細かいミスしましたし」


女騎士「そうか、個人的にはお前が寝坊する方に賭けてたんだがな…」

勇者「え、なんですかそれは」

女騎士「いやなに、そうだったら今日の休み返上でみっちりしごいてやろうと思ってな」 ニヤリ

勇者「久々の休みなんですから、勘弁してください…」

女騎士「はは、まぁ、意識が高ければ大丈夫だろう」

女騎士「なにせ今回の公演は、王都でやるんだ、下手なことはできないからな」

勇者「肝に銘じておきます」


勇者「それにしても、オークBさんが酔いつぶれてましたけど、女騎士さんは大丈夫ですか?」

女騎士「あぁ、あれくらい、なんてことはないさ」

女騎士「オークBがだらしないだけ、さ」

勇者(そのオークBさんも、オークAから酒に強いって聞いてたんだけどなぁ)

女騎士「そうだな、今日は勇者の代わりにオークBをしっかりしごくか」

勇者「…まぁ、今日は休日ですし、ほどほどにしてください」

女騎士「そうだな、検討しよう」


――オーク隊長の部屋

勇者「さて、だいたい劇団の人はおこして、最後のオーク隊長だけど」

オーク隊長 <29、30、31……

勇者「部屋の中から、なにか数える声が」

勇者「これ、確実に」

オーク隊長 <ヨシ、3セットメシュウリョウダ

勇者「筋トレ、してるんだろうなぁ」


勇者「隊長、おはようございます」 ガチャ

オーク隊長「あぁ、勇者か。おはよう、しっかり有言実行しているようだな」

勇者「えぇ、失敗は自分の手で挽回する、って隊長から耳にタコができるほど言われましたから」

オーク隊長「そうか、なによりだ」

勇者「隊長は筋トレですか?」

オーク隊長「あぁ、健全な精神は、健全な肉体に宿る」

オーク隊長「オーク族は、その魅力は全て筋肉に現れるからな」

オーク隊長「上半身裸で劇をすることも多い」

オーク隊長「日頃の鍛錬が欠かせないさ」


勇者「そうですよね、隊長、オーク族の中でも飛び抜けて身長が高いし、筋肉のつき方も違いますもんね」

オーク隊長「それが、鍛錬というものだ」

勇者「いや、うちの父親よりちょっと若いくらいなのに、全然見た目の年齢が違いますよ」

オーク隊長「なに、見た目だけは気にしないとな」

オーク隊長「実家にいる嫁にも愛想をつかれるかもしれん」

勇者「あぁ、隊長のお嫁さんも、筋肉隆々ですもんね」

オーク隊長「オークの好みに合わせるように、鍛えたそうだ」




勇者「華奢な体つきな、エルフなのに、あの人」

オーク隊長「はは、エルフらしくはないな」


――そう、これが今、俺が所属している劇団で、ともに過ごしている人たちと魔族たちである

    幼馴染で、壇上での悪役の姿と私生活の静かさが180度違う、俺の友人オークA

    基本は語尾にwwを付けるなど、あまり真面目ではないが、壇上ではしっかり演じる、オークBさん

    外見だけは美人で誇り高い騎士だけれど、中身はがさつな姉御にして、先輩である女騎士さん

    そして、45歳にして現役バリバリ、嫁と子持ちの頼れる劇団の父、オーク隊長

    この人たちと今、3ヶ月後に迫った王都での公演に向けて、ただ今練習真っ只中、というわけだ

今日の分は以上になります
思ったよりもみなさんの反応がよく、とても感謝しています

とりあえず、人族とオークやエルフ、他の魔族とは好みの異性の系統は大きく異なっている設定です
あと、ここのオークたちは、別に自分の待遇に不満とか、オークとしての差別なんかもないです

このあたりもちょいちょいSSの中に入れていければいいなぁ、って思っております

わりと私事がゴタゴタしているので9月頭までお待ちをー

オークが豚食べたりミノタウロスが牛食べたりハーピーが鳥食べたり人魚が魚食べたりしている世界です

だから隊長とかももぐもぐ豚食べます


――劇団一同、食堂にて


メイド「みなさーん、朝ごはん、できましたよ」

メイド「しっかりたべてくださいね、お残しは許しませんよー!」



  「「「「いただきます」」」」



オーク隊長「ん、オークBがいないな」

勇者「女騎士さんがお酒飲ませて潰れてました」

オーク隊長「…女騎士もほどほどにな、今日は休みだがいいが」

女騎士「すいません、ちょっと調子乗っちゃって」


オークA(…勇者、Bが潰れるって相当) ヒソヒソ

勇者(あんまり触れない方がいいんじゃない) ヒソヒソ


勇者「それにしても、朝食がこれか…」

メイド「あれ、お嫌いでしたか勇者さん?」

勇者「いや、そんなことないよ」

勇者「それに、メイドちゃんの料理は美味しいから残す理由はないしさ」

メイド「ふふ、ありがとうございます」

勇者「ただ、長年の疑問というか」


オークA「たしかにおいしい」 モグモグ

オーク隊長「ふむ、やはり朝は肉に限るな」 ムシャムシャ


勇者「…オークって、豚肉食べるんだなぁって」

勇者「なんていうか、似た者同士じゃないか」

メイド「でも、みなさん好きですよ?」


オークA「美味しいものは好き」

オーク隊長「健全な肉体は、まずは健全な食事からだからな!」

女騎士「歴史をたどれば、家畜用の豚もオーク族もひとつになるらしいが」

女騎士「本人たちにとっては完全な別物、だそうだな」

勇者「そんなものかな」

オークA「種族の壁、なかなか難しい」


オーク隊長「そういえば、団長の姿が見えないが、何か知らないか?」

メイド「いえ、私は特には…」

オーク隊長「勇者は知っているか?」

勇者「朝部屋に行った時はもういなかったのでてっきり起きているのかと」

オーク隊長「ふむ、すこし調整をしたかったんだが…」

メイド「うーん、そういえば昨日の夜、誰かが団長さんのところに訪ねてきましたね」

メイド「黒いコートにフードをつけて、顔もわかりませんでしたけど」

女騎士「なにか問題でも起きたんですかね?」

オーク隊長「いや、それならこちらにも相談がくるはずだ」

オーク隊長「まぁ、夜に帰ってこなかったら、また考えることにする」


勇者「さて、ごちそうさま」

オークA「いつも勇者は早い、味合うべき」

勇者「なに、俺にだっていろいろやることがあるんだ」

オーク隊長「うむ、こっちも食べ終わった」

オーク隊長「メイド、いつも美味しい飯、感謝する」

メイド「あ、ありがとうございます」

勇者「あ、じゃあ隊長の分も片付けておきますよ」

オーク隊長「そうか、では頼むぞ」

メイド「勇者さん、いつも手伝ってもらってすみませんね」

勇者「これくらい、お安い御用さ」


オークA「.……勇者の好みも、よくわからない」

オークA「種族の違い?」


勇者「さて、ごちそうさま」

オークA「いつも勇者は早い、味合うべき」

勇者「なに、俺にだっていろいろやることがあるんだ」

オーク隊長「うむ、こっちも食べ終わった」

オーク隊長「メイド、いつも美味しい飯、感謝する」

メイド「あ、ありがとうございます」

勇者「あ、じゃあ隊長の分も片付けておきますよ」

オーク隊長「そうか、では頼むぞ」

メイド「勇者さん、いつも手伝ってもらってすみませんね」

勇者「これくらい、お安い御用さ」


オークA「.……勇者の好みも、よくわからない」

オークA「種族の違い?」



女騎士「ん、どうしたオークA?小難しい顔をして」

オークA「勇者の好みについて」 チラッ

女騎士「あぁ、メイドちゃんか」



メイド「それにしても、いつも手伝ってもらってますね、私」

勇者「なに、メイドちゃんはこの大所帯を一人で切り盛りしてるからね」

勇者「まだまだ新米だし、手伝いできることはなんでもするさ」

勇者「頼ってくれていいからね、ドーンと来い!」

メイド「…じゃあ、ちょっとだけ甘えさせてもらいます」


姫騎士「なんていうか、バレバレだな」

オークA「本人はあれで隠してるつもり」

姫騎士「はは、違いない」


姫騎士「ま、劇団のなかでメイドちゃんにぞっこんなのは勇者君だし」

姫騎士「問題はないんじゃないか?」

姫騎士「それに、炊事洗濯もできる、器量もいい」

姫騎士「まぁ、勇者が惚れるのも、分からないでもない」

オークA「……致命的な問題がある」


勇者「さきに調理器具、洗っておく?」

メイド「あ、ゴミが溜まっているのでそちらを頼めますか」

勇者「オッケー、じゃあ力仕事と行きますか」

メイド「お願いしますね」


オークA「たしかに魅力的」

オークA「勇者が惚れるのもわかる」

オークA「でも…」







オークA「メイドの性別、男」

女騎士「たしかに外見も仕草も、そうは見えないよなぁ」


オークA「人間は、恋愛に性別は関係ない?」

女騎士「いや、あれは例外だろうな」

女騎士「それに、勇者だってもともとそっちではないだろう」

オークA「昔は、近所の女の子に告白してた」

女騎士「ふむ、その話は面白そうだな」

オークA「そしてなんども玉砕されてた」

女騎士「あぁ、それはそれは」

オークA「その度に慰めてた」

オークA「そう、昔から、そうだった」


女騎士「…寂しいか?」

オークA「そんなことは…」

女騎士「耳」

オークA「…うっ」


女騎士「オーク族は嘘をつくと耳がピクピク震えるからな」

女騎士「次からは、もうちょっとうまくやれよ」

オークA「……」


オークA「この芝居が決まってから、一緒に話す時間も減った」

オークA「ちょっと、最近勇者が遠くなった」

オークA「だから、少し、寂しい、かもしれない」

女騎士「そうか、オークAと勇者は一緒に来たんだな、この劇団に」

オークA「勇者が目指してたから、世界一の役者になるって」

女騎士「まぁ、まだまだ勇者君も未熟だからな」

女騎士「で、一緒についてきたと」

オークA「…半分は、そう」


女騎士「残り半分は?」

オークA「自分を、変えてみたい」

オークA「口下手だし、話も苦手」

オークA「そんな自分と真逆の勇者みたいに」

オークA「もっと、話せる自分に」

女騎士「そうか」

オークA「…なれる?」

女騎士「もちろん」

女騎士「人が変わるのには、時間がかかる」

女騎士「焦らずゆっくりと変わっていけばいい」

性別がわからんのがな
俺が節穴なのか頭から見てくる

>>63オークAはすごく静かな男の子でございます、でも書いてる方もたまにアレ?ってなります


女騎士「それに、勇者だってお前と離れたわけでもないさ」

オークA「なら…」


勇者「おーい、オークA、このあと暇か?」

オークA「…練習するだけ、時間はある」

勇者「じゃあ、買い物付き合わないか」

オークA「メイドの頼み?」

勇者「まぁ、それもあるけど」

勇者「お前の母さんの誕生日近いだろ」

オークA「…あっ」


勇者「まったく、お前は昔からそういうのに無頓着だよな」

オークA「耳が痛い」

勇者「ほら、一緒に買ってくるぞ」

勇者「市場に行けばよさそうなアクセサリーくらいあるだろ」

オークA「助かった、ありがとう」

勇者「なに、俺とお前の仲だろ」



女騎士「ほれ、心配する必要ないじゃないか」

勇者「ん、なんの話です」

女騎士「お前には直接関係なくて果てしなく関係のある話、さ」

勇者「???」


―――????


団長「ふふ、二人で逢引、なんて燃えるシチュレーションじゃない」

黒フード「その女しゃべりはやめろ、気色悪い」

団長「あらぁ、そのあたりのこと、わかるようになったのね?」

黒フード「…大きなお世話だ」

団長「で、わざわざ抜け出すだけの話は聞けるんでしょうね」

黒フード「あぁ、奴らのしっぽはつかめた」

団長「へぇ…」


団長「で、詳細は」

黒フード「三ヶ月後の王都の式典、その合間を狙ってくる」

黒フード「ちょうど周期が重なるからな」

団長「それって、まさか」

黒フード「あぁ、王都100周年記念祭」

黒フード「劇を披露するんだったな」

団長「…そう、ならあの子達のためにも、すこし手を打たないといけないわね」

黒フード「あぁ、なんとしても阻止しなくてはいけない」






    ――『魔王の復活』だけは、なんとしても――




本日分は以上になります

ほぼ一ヶ月ぶりの投下、お待たせして済みません
とりあえず毎週はなにかぼちぼち更新していきたいと思います

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