凛「誰に、なんと言われようとも、友チョコ」 (43)



※デレマスSSです。短いです。あと一日遅れです。



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凛「卯月。はい、これあげる」


卯月「これ? あ、もしかしてチョコですか? バレンタインの」


凛「うん。友チョコってやつ。受け取ってくれる?」

卯月「もちろんです! ありがとうございます!」

凛「よかった」


卯月「あとで私からも贈りますね! 友チョコ返しです!」

凛「ほんと? ふふ。じゃあ楽しみにしてるね」

卯月「はい! ちゃんと用意してありますよ! この、凛ちゃんのくれたチョコにも負けないくらい、の、チョコを……」


卯月「…………」



凛「……?」


卯月「凛ちゃん。これって、友チョコなんですよね?」

凛「そうだけど。どうかした? もしかして私たちは友達じゃないとか?」

卯月「ち、違いますっ! 凛ちゃんは同じ事務所の仲間で、大切な友達だと思ってますから!」


卯月「そうじゃなくてっ、このチョコなんですけど」

凛「うん」


卯月「すごくキレイにラッピングしてありますね。凛ちゃんがやったんですか?」

凛「え? うん、そうだけど……どうかな。変じゃない?」

卯月「ううん。すごく可愛いですよ」

凛「ならよかった。事務所のみんなにも色々アドバイスしてもらったんだ。実演してもらったりね」

卯月「そうだったんですか? 勉強家ですね、凛ちゃん! ……でも友チョコの、しかもラッピングだけでそこまでしてくれたなんて、なんだか申し訳ないです」

凛「そんなことないよ。大事な友達にあげるチョコなんだから。これくらいはやらないとね」

卯月「友達に、ですか……。んー、なんだかここまでしてくれたならむしろ―――」

凛「ん?」


卯月「……ううん! 友達ですもんね! ありがとうございます凛ちゃん!」

凛「うん。友チョコだからね」

卯月「はい! 友チョコですね!」


卯月「……? あれ、凛ちゃん。このラッピングのリボンに、何か挟まってますけど?」

凛「ああ。それは卯月へのメッセージを書いて、挟んでみたんだ。直接だとちょっと恥ずかしい事も、手紙なら言えるのかな、って思って」

卯月「わあ……! すごくうれしいです! さっそく読んでみますね。えっと……」ゴソゴソ

凛「あっ、ちょっと卯月。それじゃあ手紙にした意味ないじゃん。せめて私のいないとこで読んでよ」

卯月「え……あっ!? ご、ごめんなさい! そうですよね、失礼しました!」

凛「ふふ。いいよ。すぐに読みたいくらいうれしかったって事でしょ? 昨夜悩みながら書いた甲斐があったかな」

卯月「はい! とってもうれしいです!」


卯月「……。うれしい……です、けど」


凛「……けど?」

卯月「さっき、その、中身を開いた時、内容が少し見えて、読んじゃったんですけど」

凛「うん」

卯月「内容が、その……いわゆる、ラブレター……的な、内容だった……ような……」

凛「…………」




卯月「…………」




凛「…………」



卯月「……なーんて! そんな事ないですよね! 友チョコですもんね!」

凛「そうだよ。友チョコだよ? ラブレターなんて挟んであるわけないから」

卯月「ですよね! すみません、早とちりで! えへへ」

凛「ふふ。おかしな卯月」


凛「……あ、そうだった」

卯月「?」

凛「今日、卯月の家に荷物が届くと思う。私から」

卯月「凛ちゃんから、ですか? なんでしょう」

凛「花、送っておいたから」

卯月「花……って、花!? お花ですか!?」

凛「うん。友チョコと一緒に渡したかったんだけど、ほら。仕事とかで邪魔になるかもしれないから」

卯月「あ……あー、なるほどー……」


凛「大事な友達だからね。チョコだけじゃなくて、花も贈りたいなって。私、花屋の娘だし」

卯月「……。なるほど……」



卯月「…………」



卯月「……凛ちゃん。ちなみに、何のお花を?」


凛「え?」


卯月「お花の種類です。どんなお花を送ってくれたんですか?」

凛「……。それは届い」

卯月「届いてからのお楽しみっていうのは無しですよ。凛ちゃん家、お花屋さんですし。ちゃんと今、届くお花の由来とか。花言葉とか。しっかり聞いておかなきゃなーって思うんです。じゃないと、ありがたみもわからないじゃないですか。ね?」

凛「いや、ありがたく思ってもらわなくても」

卯月「ね?」



凛「…………」



卯月「…………」


凛「…………。えっと」


卯月「はい」



凛「……。バラ」

卯月「え?」

凛「バラ」

卯月「バラ?」

凛「うん。バラ」

卯月「バラの花言葉って、なんですか?」

凛「…………」



卯月「…………ん?」



凛「……。色。色によって、また違うから」

卯月「何色?」

凛「え?」

卯月「何色なんですか?」


凛「……えっと」


卯月「はい」


凛「…………。赤、かな」

卯月「赤ですか。赤いバラの花言葉は?」


凛「…………」


卯月「ん?」


凛「情熱、とか」

卯月「他には?」

凛「……。愛情」

卯月「愛情」

凛「熱烈な愛」

卯月「熱烈な」



凛「あと、あなたを愛しています、とか」


卯月「……。なるほど。よくわかりました」



凛「…………」



卯月「…………」




凛「……と、友チョコだから!」


卯月「え?」

凛「友チョコ! 友チョコだから! 友情の! 証だから!」

卯月「……友情、ですか」

凛「そう! 友情! 愛しています! 友達として! そういう事だから!」

卯月「なるほど。友達として、愛していると」


凛「そうそう! ね! これからもよろしく、卯月―――」

卯月「何本ですか?」

凛「え」

卯月「バラの本数。何本です? もしかして花束とかですか?」


凛「え……っと……。花束では、ない、かな。それはさすがに、重いかなと思って」


卯月「それじゃあ一本?」

凛「それだと味気ないじゃん。直接渡しても、邪魔にならないだろうし」

卯月「じゃあ?」



凛「…………」


卯月「何本?」


凛「…………」


卯月「…………」



凛「…………7」




卯月「ん?」


凛「7本」


卯月「7本、ですか」

凛「うん」

卯月「意味は?」



凛「…………」



卯月「凛ちゃん?」




凛「…………。密かな、愛」


卯月「……。なるほど。よくわかりました。ありがとうございます、凛ちゃん」



凛「…………」



卯月「…………」




凛「…………。友チョコ、だから」


卯月「……。はい。わかってますよ。友チョコですよね」


凛「うん」

卯月「はい」


凛「…………」


卯月「…………」





卯月「…………あの、凛ちゃん。最後にもうひとつだけ、聞いてもいいですか?」



凛「……。いいよ。なに?」






卯月「どうしてずっと、顔が赤いんですか?」






凛「…………」


卯月「…………」


凛「…………」



凛「それは……」




凛「…………。卯月だって、赤いじゃん。顔」


卯月「え」




卯月「あ……バレちゃってました?」





凛「…………」


卯月「…………」





『……ど、どうしようこの後』



おわりです。バレンタインうづりんSSのつもりです。
ありがとうございました。

ID違うけど、過去作です。


凛「結局は、ただの自問自答」

P「乙倉ユウキの可能性」

「乙倉悠貴専用寒冷地型装備・仕様検討会議」

未央「昨日アニメ観たんだけどさ」凛「へえ」

春香「千早ちゃんっ 」 千早「なに? 春香」ブンブン


書き込むの遅かったかもですけど、よかったらどうぞ。

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