小鳥「え? 千早ちゃんからもらったチョコを投げた……?」 (63)

P「あぁいえ、本当に投げたわけじゃありません。
 投げたのはその時たまたま持ってたよく似た別の箱です」

小鳥「はぁ……。でもなぜそんなことを」

P「いえ、ちょっと試したくて……。
 最近の千早はどうも、俺や仲間のことを盲信しすぎている気がするんです」

小鳥「盲信、ですか? 信頼ではなく?」

P「はい。それで昨日千早にチョコをもらったときにふと思い立って――」

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P「はーやれやれ。今日も疲れたなっと」

千早「プロデューサー。少し、いいですか」

P「! 千早、どうかしたか? って、その手に持ってるのはもしかして……」

千早「あの。いつも、ありがとうございます。
   料理はあまり得意ではないので、既製品ですが……バレンタインのチョコレートです」

P「えっ? 俺のためにわざわざ買ってきてくれたのか?
 あはは……なんか照れるな」

千早「私がプロデューサーから受け取ったものに比べたら、ちっぽけですが……。
   それでも、形にしないと伝わらないものもある、と聞いたので」

P「千早……」

P「……そぉい!」ブンッ!

千早「!? そ、そんな、どうして……」

P「さぁ取ってこい千早! これもトレーニングの一環だぞ! 走って取ってくるんだ!」

千早「これもトレーニングの一環?
   ……なるほど、さすがプロデューサーです。
   それなら……受け取っていただけるまで、何度でも走るまでです!」

P「……」

千早「……取ってきましたプロデューサー! 受け取っていただけますか!?」

P「……まだまだ! ほら次だ! 取ってこい!」

千早「はい!」




P「――そのあと結局一時間ほど投げては取ってくるを繰り返し、
 千早は汗に額を濡らして満足げに帰っていきました」

小鳥「ええ……」

P「普通キレますよね?

 『既製品が気に入らなかったのだとしても、投げるなんてあんまりです!
 私のことが嫌いなら、はっきり言ってくだされば良かったのに……くっ!』

 こうなるくらいの覚悟はしてたんですけど」

小鳥「は、はい。私も普通はそうなってもおかしくないと思います」

P「これは由々しき自体です。仲間を信頼するのはいいことですが、
 度を越えると後々致命的な問題を引き起こしかねません!」

P「……というわけで、これから第一回『千早に常識を取り戻させる会議』を始めよう!
 忙しい中集まってくれた高校生組のみんなには感謝する!」

春香「いえそんな! 千早ちゃんのためですから!」

響「今日は仕事もなかったし、何も問題ないぞ!」

真「最近の千早は昔に比べてすごく明るくなったと思いますけど、
 確かにプロデューサーの言う通りでもありますからね……」

雪歩「それでプロデューサー。私たちは何をすればいいんですか?」

P「ああ。俺としてはやはり、『仲間と言えどすべてを信じきってはいけない』
 ということを教えてやるべきだと思うんだ。そのために……」

春香「そのために……?」

P「お前たちには、千早に対してとんでもない要求やら提案やら
 酷い仕打ちやらをしてもらい、更にそれについて訳のわからん言い訳をしてもらう!
 『常識で考えていくらなんでもそれはおかしい』と思えるレベルのな!」

真「! なるほど……荒療治ですけど、確かに効果はありそうですね」

雪歩「で、でも、やりすぎちゃうと私たちが嫌われちゃうんじゃ……?」

P「大丈夫、そこはちゃんと俺がフォローするから。
 だからお前たちは全力でやってくれ!」

響「そうだぞ、雪歩。
 何かあれば全部プロデューサーのせいにすればいいんだし、なんくるないさー!」

P「おう! 責任は俺が持つから気にしなくていい!」

春香「……分かりました。私、プロデューサーさんを信じて思いっきりやります!」

真「よーし、気合入れて行くぞー!
 プロデューサー、やりすぎちゃったらフォローお願いしますね!」

雪歩「わ、私も、穴掘って埋めちゃうくらいの気持ちで行きますぅ!」

響「じゃあ気合入れるためにいつものやろうよ!
 ほらプロデューサー、早く早く!」

P「じゃあ行くぞ! 千早のために765プロー……ファイトー!」

一同「おーーーっ!」

小鳥(……大丈夫かなぁ……)

一人目:春香

春香(! プロデューサーさん、千早ちゃんを発見しました!)

P(事務所で大人しく音楽雑誌を読んでいる……。
 そんな千早に、アレをやるんだな春香!)

春香(はい! しっかり見ててくださいね!)

千早「……」

春香「ちーはーやーちゃん♪」

千早「! おはよう、春香」

春香「うん、おはよう! それ、今月のミュージックタイム?」

千早「えぇ。ところで春香、今日は早いのね。レッスンは確か午後からじゃなかった?」

春香「えへへ……実はね、じゃじゃーん! クッキー焼いてきたの!
   事務所のみんなに食べてもらおうと思って、ちょっと早く来ちゃったんだ」

千早「そうだったのね……ふふっ」

春香「と、いうわけで。はい千早ちゃん、どうぞ!」

千早「ありがとう、春香……。なんだか、いつも私ばかりもらって悪いわね。
   バレンタインにはチョコレートを上げたけれど、あれは既製品だったし……」

春香「いいよそんなの、気にしないで!」

春香「それより早く食べて食べてっ! 今日はちょっと自信作だから!」

千早「そうなの? それじゃあ、早速……いただきます。……っ!?」

P(や……やった! 一口で食ったぞ!
 あのデス・ソースたっぷりの超激辛クッキーを!)

千早「っ……んっ、~~~~~っ!」

春香「どう千早ちゃん! 感想は!? 感想をどうぞ!」

千早「か、辛っ……! んぐっ、はぁ、はぁ……! は、春香、どういうこと……!?」

春香「辛かったでしょ? でもね……これも喉を鍛える訓練なんだよ!」

千早「の、喉を、鍛える……!?」

春香「そう! マスクだとか加湿器だとかで喉を甘やかしてたら、
   一流の歌い手なんかにはなれないんだよ! 喉にはうんと厳しくしなきゃ!」

春香(我ながらなんて滅茶苦茶な理屈を……。
   でもこれならきっと千早ちゃんも、

   『春香、あなた何を言ってるの……!?
   そんなはずないでしょう!? こんなことをするなんて、信じられないわ!』

   くらいは言ってくれるはず!)

千早「春香、あなた……」

春香(来る……!)

千早「私のためにそこまで考えてくれてたなんて……」

春香「え!?」

千早「そうね……確かに、あなたの言うことも一理あるかも知れないわ。
   こんな辛いクッキーくらいで根を上げるようでは、
   長時間のライブやコンサートに耐えられるはずはないもの……」

春香「え、あの、千早ちゃん……?」

千早「訓練を続けましょう、春香!
   残っているクッキーをちょうだい! 何個でも食べてみせるから!」




春香「――結局そのあと50個の激辛クッキーを全部食べました。
   それから青い鳥と眠り姫と細氷を高らかに歌い上げた後ランニングに行っちゃいました……」

真「すごい……」

雪歩「50個も準備してた春香ちゃんも春香ちゃんだけど、
   千早ちゃんは更にその上を行ったんだね……」

響「な、なんか千早、自分が思ってたよりずっとすごいぞ。
 これはもっと気合入れていかなきゃ駄目だな……!」

真「よ、よーし……! 次はボクの番でしたよね、プロデューサー!
 手加減なしで行きますから! フォローの準備、お願いしますね!」

P「あ、あぁ、頼んだぞ真!」

二人目:真

P(よし……千早がランニングから帰ってきたぞ)

真(ちょうどクールダウンのストレッチをしてるところですね。行ってきます!)

千早「……」

真「おーい、千早ー!」

千早「! 真……どうしたの? もしかして、あなたも今からランニング?」

真「うん、そうなんだ。千早は今終わったところだよね?」

千早「えぇ……。残念ね、もう少しタイミングが違えば、一緒に走れたのに」

真「あはは、まぁしょうがないよ。
 でもせっかくだし、ストレッチくらいは一緒にやろう!」

千早「そうね、そうしましょう」

真「それじゃあ……いっちに、さんし、っと」

千早「ご、ろく、しち、はち……」

真「に、に、さん……シッッ!!」ドゴォ!!

千早「げふぅッ!?」

千早「ッ、ゲホッ、ゲホッ……!」

P(ほ……本当にやりやがった!
 両腕を上げた完全な無防備な状態へ、不意打ちの腹パンを……!)

千早「ま、真……なぜいきなりお腹を……!?」

真「あーあー駄目じゃないか千早! そんな腹筋じゃまだまだだよ!」

千早「な、なに……? どういう……?」

真「これも特訓だよ! いつ殴られても平気なように鍛え上げておかなきゃ!
 そんなんじゃ世界的な歌手になんかなれないよ!」

真(わ、我ながら暴力的な上になんて無茶苦茶なことを……。
  でもこれならきっと千早も、

  『真、あなた何を言ってるの……!?
  いきなり殴るなんて、普通じゃないわ! 人として最低よ……!』

  くらいは言ってくれるはず!)

千早「真、あなた……」

真(来るっ……!)

千早「私に甘さを気付かせてくれたのね……ありがとう」

真「え!?」

千早「これでも腹筋は鍛えているつもりだったけれど、まだまだだったみたい。
  歌の質を高めるために腹筋は必要不可欠……。
  もっと鍛え直さなければ……」

真「え、あの、千早……?」

千早「さぁ真、特訓を続けましょう!
   もう一度……いえ、何度でも殴ってちょうだい! 必ず耐えてみせるから!」




真「――結局そのあとボディブロー100発に耐えて、
 『次は腹筋以外ね』って呟いてジムに行っちゃいました……」

春香「ひえっ……」

響「100発も人体を殴れる真も真だけど、千早はその上を行ったってことか……」

真「人体っていうか人外を殴ってる気持ちだったよ……」

雪歩「色んな意味で常識はずれ過ぎますぅ!」

響「つ、次は自分の番だね……。よ、よし、頑張れ自分! ちばっていこう!」

P「あ、あぁ! 頼んだぞ響!」

三人目:響

P(見つけた、あそこだ! まさか室内プールに居るとは予想外だったが……)

響(でも水泳なら自分の十八番だぞ! よし、行ってくるさー!)

千早「ぷはっ! ふぅ……」

響「はいさーい、千早!」

千早「! 我那覇さん……ここで会うなんて珍しいわね」

響「えへへっ、確かにそうかもね!」

響「でも時々は自分も泳ぎに来てるんだぞ。やっぱり体がうずいちゃってさ。
 それに、水泳って全身鍛えられてトレーニングにもいいし!
 だから千早もやってるんでしょ?」

千早「ええ。ついでに汗も流せてさっぱりするし……」

響「あっそうだ! ねぇ千早!
 せっかく一緒になったんだし、競争しようよ! 50mでいいからさ!」

千早「ふふっ……いきなりね。でもたまにはいいかも」

響「でしょ? よーし、それじゃあ行くぞ! よーい……スタート!」グイッ!

千早「がぼっ……!?」

P(マ、マジでやりやがった!
 いきなり脚を引っ張って水中に引きずり込むという、
 小学生がイタズラで友達にやって先生に滅茶苦茶怒られるような危険なことを……!)

千早「っ……! ……ぷはあっ! げほっ、げほっ……!
   が、我那覇、さん……!? いきなり、何を……!」

響「あーあ、全然なってないぞ千早! そんなんじゃ世界的な歌い手なんて夢のまた夢さー!」

千早「え……? ど、どういうこと……?」

響「これは肺活量を鍛える修行なんだぞ!
 息くらい一瞬で吸って五分は止められるようにならないと!」

響(うぎゃー! 自分、暴君にも程があるぞ!
 で、でもこれならきっと、

  『が、我那覇さん……ふざけないで! プールでいきなり脚を引っ張るなんて、
  どれだけ危険なことか分からない年齢じゃないはずでしょう!?』

  くらいは言ってくれるはず!)

千早「が、我那覇さん……」

響(来るっ……!)

千早「流石だわ……あなたは沖縄の海でそうやって鍛えたから、今の体力があるのね……」

響「え!?」

千早「肺活量や息継ぎの技術がなければ、
   歌いこなせる歌にも表現の幅にも限界がある……。
   ありがとう、我那覇さん。あなたのおかげでそのことに改めて気付かされたわ」

響「いや、あの、千早……?」

千早「我那覇さん、もう一度私を水中に沈めて!
   一人ではきっと、甘えが出て限界の前に顔を出してしまうわ……。
   だから我那覇さんには、私の肩をしっかり抑えて欲しいの!
   大丈夫、あなたを信じてるから!」




響「――結局そのあと沈めては引き上げてを繰り返して、
 最終的に20分くらい息を止められるようになったら満足げにレッスンスタジオに行ったぞ……」

真「ほとんどギネス記録じゃないか……」

春香「な、なんだか千早ちゃんがどんどん遠い存在になっていってるような……」

雪歩「あの……つ、次、私ですよね?
   なんていうかその……こ、怖くなってきたんですけど……」

P「な、何を言ってるんだ雪歩! 全ては千早のためだということを忘れたのか!?」

雪歩「っ……! うぅ、そうでした、これも千早ちゃんのため……!
   わ、わかりました、私、やります! 頑張りますぅ!」

P「あぁ、頼んだぞ雪歩!」

四人目:雪歩

P(居た……。いつものようにレッスンスタジオで発声練習をしている……)

雪歩(よ、よぉーし……やってやりますぅ……!)

千早「あー、あ、あ、あ、あー」

雪歩「ち、千早ちゃーん。ごめんなさい、手伝ってぇ~……」

千早「! 萩原さん? ど、どうしたの? それは……スピーカー?」

雪歩「これ、レッスンスタジオに運ぶように言われて……。
   でも私、他にも運ばなきゃいけないものがたくさんあるから……」

千早「わ、わかったわ。私はこのスピーカーを奥に運べばいいのね?」

雪歩「うん、お願い……ご、ごめんね。せっかくレッスン中だったのに」

千早「いいのよ、気にしないで。よい、しょっ……と」

雪歩「……」

千早「……? ねぇ萩原さん、このスピーカー、コードがどこかへ繋がって……」

雪歩「いえええええええええええええええい!!!!!!!!!!」キィィィィィィィィィン!!!

千早「!?」

P(や、やった……! スピーカーを通して拡声された、超至近距離からの最大音量の絶叫!
 下手すりゃ難聴になりかねない暴挙をあの雪歩が……!」

千早「っ、あ……!? な、何、を……!?」

雪歩「ミュージックスタートですぅ!」

スマホ『READY SET GO!! 行きたいトコ行ってみようよ♪』

雪歩「千早ちゃん、この歌が聞こえますか!? 聞こえないならダメダメですぅ!
   一流の歌い手になるには、耳も鍛えなくちゃダメなんですぅ!」

千早「……!」

雪歩「いえええええええええええええええい!!!!!!!!
   空前絶後のおお!!!! 超絶怒涛の穴掘りアイドルうううううう!!!!」

雪歩(ひぃ~~~~ん! 今すぐ穴掘って埋まっちゃいたい気分ですぅ~~~!
  で、でもこれならきっと、

  『は、萩原さん、何を言ってるの……!? 本当に意味が分からないわ!
  あなたみたいなひんそーでちんちくりんで頭のおかしいダメダメなアイドルは、
  今すぐマントルを突き抜けて燃え尽きるべきよ! 死ね、五流アイドル!』

  くらいのことは言われちゃうはずですぅ!)

千早「は、萩原さん……」

雪歩(来るっ……!)

千早「あなたの言う通りだわ……。
   耳も鍛えなければ、歌い手としての成長はすぐに限界を迎えてしまう……」

雪歩「え!?」

千早「優れた歌い手は必ず耳も優れているもの。
   私も音感には自信があったけれど……まだまだ、甘かったみたいね。
   萩原さんのおかげで目が覚めたわ……!」

雪歩「え、あの、千早ちゃん……?」

千早「続けて、萩原さん……!
   私、どんな騒音の中でも、どんな小さい音でも、聞き取ってみせるから!」




雪歩「――結局そのあとサンシャイン萩原を一通りやって一時間経ったくらいに、
   『事務所の電話が鳴ってる』って言って帰っちゃいました……」

春香「……レッスン場って、事務所の電話の音聞こえたっけ?」

真「さ、さぁ……」

響(サンシャイン萩原ってなんだ……?)

P「くそっ……まさかこれだけのことをやってもダメだったとは……!
 だが諦めるにはまだ早い! みんな、千早のためにまだやれるな!?」

真「そ、そうですね! 千早に常識を取り戻させるため、
  こんなところで諦めるわけにはいきません!」

春香「だって、私たちみんな……!」

一同「仲間だもんね!」




それから数日が経ち、数週間が経ち、数ヶ月が経ったが、
千早は相変わらず仲間のことを信頼し続けた。

俺たちは諦めなかった。
あらゆる苦難を千早に与え続け、
その度に千早はそれを受け入れ、乗り越え続けた。

そして更に月日は流れ、
とうとうあのバレンタインの日から今日でちょうど一年が経ち――

司会者(外人)『それでは登場していただきましょう!
        彼女こそが全世界のアイドルの頂点……チハヤ・キサラギ!』

千早「ありがとうございます……! 本当に、ありがとう……!」

千早「今の私があるのは、全て仲間のみんなのおかげです。
   みんな、私のために本当に色々な手助けをしてくれて……。
   765プロのみんなは私の友人であり、家族であり、そして先生でした。
   私は、仲間のみんなのおかげでここまで成長できたんです……!」

スポットライトを浴びて語る千早の表情は何よりも綺麗で、
その目に光る涙は、何よりも輝いて見えた。
手にしたトロフィーが霞んで見えるほどに、
今の千早は最高のアイドルとして完成されていた。

それから千早は多くの拍手と歓声を浴びながら降壇し、
あっという間に式典は終了し、そうして今……

千早「――プロデューサー? どうしたんですか?」

P「あぁ、いや……。ちょっと、感慨深くなっちゃってな」

P「あれからたった一年で、千早がここまで来られるなんて、思ってもみなかったからさ」

千早「! プロデューサー……覚えていたんですか? 一年前の、今日のことを」

P「ってことは、千早も?」

千早「はい……。思えばあの日から、始まった気がします。
   プロデューサーや事務所のみんなの、厳しい訓練の日々が……」

そう言って千早は、笑いながら顔を伏せた。
そんな彼女の顔に不覚にもドキッとしてしまう。
と、そんな俺の反応に気付いたわけではないだろうが、
千早はふと顔を上げて、

千早「プロデューサー……。今度は、一度で受け取ってくださいますか?」

千早「今度は既製品じゃありません。あれから、春香に教わって勉強して……」

P「千早……」

差し出されたのは、これも恐らく自分でラッピングしたものだろう、
可愛らしい袋に入ったチョコレートだった。

千早「たとえ投げられたとしても、また何度だって拾って来ますけど」

いたずらっぽく笑った千早の瞳は、
寒さのせいかは少し潤んでいるように見えた。
その瞳に吸い込まれるように俺は千早に向けて手を伸ばし……

P「ありがとうな、千早!」フニッ


響「はい、プロデューサーこれ!沖縄の黒糖チョコレート!」

P「サンキュー響!」

響「ほっぺたがおっこちでもしらないぞ~」

P「落ちたら響に責任とってもらないとな」

響「せ、責任だなんて、セクハラだぞ!」

P「ニヤニヤ」

小鳥「・・・・・・・・・」

千早「え……!? ど、どこを触ってるんですか、プロデューサー!?」

P「えっ、あ、あれっ!? す、すまん、手がすべって……!」

千早「どうやったら手が滑るんですか!?
   まさかプロデューサーがそんな人だったなんて!」

P「い、いやほらあの……! く、訓練の一環だ! これも訓練の一環!
 胸筋を、いや、メンタルを鍛えるための……!」

千早「何を言ってるんですか……! 私、プロデューサーのこと、信じてたのに……くっ!」ダッ

P「ああっ!? ま、待て、待ってくれ千早! 待っ……」

P「……」

P(これはダメなのか……)



 おしまい

何これ

付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした
ミリオンの運営ちゃ時々ホント頭おかしい

すません戦誤爆しました・・

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