俺「腕は大丈夫か、シャンクス?」(32)


俺「失せろ」ギンッ!

近海の主「―――!!」ブルブルブル

バシャン!

俺「ふぅ…」

シャンクス(なっ、なんて覇気だ!しかも的確に主だけを威圧しやがった!!)

俺「腕は大丈夫か、シャンクス?」

シャンクス「あっ、ああ…また借りを作っちまったな」

俺「まったく。いくらお前とは言えその子を抱えたままではどうなっていたか」

シャンクス「いやぁ、すまんすまん!ほら、ルフィ!俺のおかげで助かったぞ!!」

ルフィ「びえーん!海こええ!!おれ、海賊なんてならねえ!!!」ドン!




俺「もう行くのか」

シャンクス「ちょっと長居しすぎた。それに、また一から鍛え直そうと思ってな」

シャンクス「俺…これを預かってくれないか」パサッ

俺「麦わら帽子。いいのか、大事なものなんだろう?」

シャンクス「いいんだ。おれが俺と肩を並べられるくらいになるまで持っておいてくれ」

俺「ふっ、そういうことなら構わないぜ。どれ…」パサッ

俺「どうだ、似合うか?」ドン!


シャンクス「俺は海へ出ようとは考えないのか?」

俺「俺には東の海が性に合ってるのさ」

シャンクス「残念だな。俺なら海賊王に…いや、何でもない」

シャンクス「…そろそろ時間だ」

俺「じゃあな、シャンクス。また会おうぜ!」

シャンクス「ああっ!約束だ!!」ドン!


数年後

俺「…最近は海賊の動きが活発だな」

俺(誰もが誰もシャンクスみたいな奴らじゃない)

俺(冒険とは名ばかりの略奪行為が多発しているのが現状だ)

俺(海軍の黒い噂も聞く。このままでは世界から戦乱の火種が消えることはない)

俺「俺は…どうすればいい」

村長「悩んでおるようじゃな」

俺「村長!」ドン!


村長「俺よ。お前が亡き母の故郷であるフーシャ村にいてくれるのは助かる」

俺「………」

村長「だが、そろそろ自分の人生を歩いてもええんじゃよ」

村長「俺が本当にやりたいことは何じゃ。俺自身の心に問いかけてみろ」

俺「俺…俺は…!!」

俺「この力で誰かを守りたい!誰かの笑顔を守りたい!!」

俺「…村長、決めたよ。俺が」

俺「俺が海賊王になってこの大海賊時代を終わらせる!!」ドドン!!


早朝の港

俺「………」

村長「みんなには黙って行くつもりなのか」

俺「湿っぽいのは苦手でね」

俺「村の皆には村長の方から…」

マキノ「そんなこと許さないわよ!」

俺「マキノさん!?」


「そうだー!」「水臭いぞ、俺!!」「見送りくらいさせろー!!」
「俺ー!!」「寂しいぞこんちくしょう!!」「今までありがとー!!」


俺「みんな…」

村長「また、いつでも帰って来い」

俺「…ああっ!行ってくる!!」ドン!






【数日後】

アルビダ「ほら、コビー!ぼさっとすんじゃないよ!!」バキッ

コビー「ひぃ!すみません!ごめんなさい!!」

アルビダ「本当に役に立たないやつだね!見張りでもしてきな!!」

コビー「はっ、はいいいいいいい!!!」

コビー(くそう!くそう!絶対に逃げ出してやる!!)

コビー(そしてぼくは海軍将校になるんだ!!)ドン!


【浜辺】

コビー「と言っても、こうしてボロ船を作ることしかできないんだけど…」カンカン

コビー「ん?向こうに誰か倒れて…ひっ、人だ!大変だ!!」タッタッタッ

コビー「大丈夫ですか!?しっかりしてください!!」

俺「うっ…ここは」

コビー「ああっ、良かった。海賊にでも襲われたんですか、あなた」

俺「いや、泳いで海を渡ったまでは良かったんだが…」

コビー「泳いで!?」ドン!


俺「つい途中の大渦で遊ぶのに夢中になってグルグルと…」

俺「ガキっぽいのが俺の悪いところだな。いや、助けてくれてありがとう」

コビー「いえ、僕なんて何も…」

俺「俺は俺だ。よろしくな、えーっと」

コビー「あっ、コビーです。今は訳あって海賊の下っ端をしています」

俺「そうか。間違えて海賊船に乗り込んだらそのまま…か。災難だったな」

コビー「ええ~~~~~っ!どどどどうして分かったんですか!!」

俺「勘」ドン!


俺「コビー、あの船は?」

コビー「あっ、あれは僕が脱出用にコツコツ作ってるものなんです」

俺「へぇ、どれ…ありゃりゃ、こりゃ酷いもんだ」

コビー「仕方ないじゃないですか。廃材の寄せ集めなんですから」

俺「ちょっとまってな。助けてもらった礼だ」

コビー「えっ?」

シュババババババッ!

俺「…ふぅ、こんなもんかな」

コビー「がっ、ガレオン船ができたーーーーー!!!???」ドン!


コビー「どういうことですか!どうなってるんですか!!」

俺「まぁまぁ、いいじゃんか。これで脱出しろよ」

コビー「逆にこんなの一人じゃ動かせませんよ!!」

俺「えっ、できないのか?」ドン!


海賊「ひゅー!こりゃすげえ!!」

海賊「俺たちの船よりデケェんじゃねえのか」

アルビダ「いつの間にこんな…」

ゾロゾロ

コビー「ひっ!あっ、ああああアルビダ様!?」

アルビダ「どういうことか説明しな、コビー!」

コビー「こここここれはそそそそそそののののの」

俺「この船は俺がコビーのために作ったものだ」ドン!


アルビダ「ああん?…何者だい、あんた」

俺「俺は俺。コビーの友達だ」

コビー「おっ、俺さん…!」

アルビダ「ハッ!何だか分からないがコビーのだってんなら話は早いね」

アルビダ「この船は私が頂くよ!!」

コビー「そっ、そんな!…って元々ぼくじゃ使い道がないしなぁ」

俺「これはコビーに作ってやってものだ。お前らには渡せないな」ドン!


アルビダ「あんたの意見なんか知ったこっちゃないのさ!」

アルビダ「お前たち!やっちまいな!!」

シーン………

アルビダ「? お前たち、聞こえてるのかい!?」


海賊「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」「 」


アルビダ「なっ!全員気絶してやがる!!」

俺「………」ドン!


アルビダ「お前のしわざか!まさか、悪魔の実の能力者!?」

俺「悪魔の実なんざ食っちゃいねえ」

コビー「すっ、凄いです俺さん!一歩も動かずに倒すなんて!!」

コビー「だけど、何でアルビダは何ともないんでしょうか」

アルビダ(たっ、たしかに!奴の実力なら簡単にできたはずだよ!)

俺「俺は死んでも女は傷つけん」ドン!


アルビダ「!?」

コビー「!?」

俺「………」

アルビダ「…あんたの目は本気の目だ。冗談抜きで私なんかを女だと思ってやがる」

アルビダ「金棒のアルビダと恐れられたこの私を!ハハハッ!!」

俺「違わないだろう?」

アルビダ「ああ、そうさ。…何だか馬鹿らしくなっちまったね。コビー」

コビー「はっ、はいいい!?」

アルビダ「どこへなりと行きな。今まで…悪かった」ドン!






パッパッパッ!

コビー「本当に俺さんのおかげですよ!ありがとうございました!!」

俺「俺は俺のやりたいようにやっただけだ」

コビー「けど、いいんですか。船を置いてきちゃって」

俺「お前がいらないんなら俺にも必要はない」

俺「それに2人で行くんならお前を背負って海を走ったほうが楽だしな」

【現在 海の上】ドン!


コビー「俺さん…ぼく夢があるんです」

俺「そうか。聞かせてくれ」

コビー「海軍将校になって海賊から市民を守りたいんです」

俺「いい夢じゃないか」

コビー「けど、無理ですよね。海賊に脅されて下っ端をやってた奴なんて」

俺「なれるさ!」ドン!


俺「お前ならできる。俺が保証するよ」

コビー「えっ…えへへ、お世辞でも俺さんにそう言ってもらえると心強いです」

俺「お世辞なんかじやない。誰にだって夢は叶えられる」

俺「コビーが信じていればどんな無理な夢だって実現できるんだ」

俺「人の夢は終われねえ!!」ドン!


コビー「―――!!!」

ポロポロ

コビー「はい…!はい…!!」

俺「海軍のいる島まで送ってやる。そこでお別れだ」

コビー「そう、ですよね。俺さんも海賊なんですもんね」

俺「ああ!だからいつか、俺をつかまえに来い」ドン!


コビー「はい!必ず俺さんを捕まえて見せます!!」

俺「そうだ!その意気だ!だが…次に会った時の俺はもっと強いぞ」

コビー「それでも必ず!男同士の約束です!!」

俺「ふっ、また厄介な約束ができちまったな」

コビー「ところで俺さん。海賊団の名前は決まってるんですか?」

俺「ああ?…そういえば特に考えてなかったな」

コビー「あっ、ぼく良い名前を思いつきましたよ!」

俺「奇遇だな。俺もすぐに思いついた」

コビー「じゃあ、一緒に言ってみませんか?」

俺「いいだろう。変な名前だったら承知せんぞ?」

コビー「そんなことないですよ。じゃあ行きますよ」

「「せーの」」


俺・コビー 『 俺 海 賊 団 ! ! 』 ドドン!!


.


数日後、俺海賊団の俺という名の海賊が名を上げる


END

とりあえず切りで
暇なら続き書く。蛇足になりそうなら本当に終了

あー、連載中だしどうせ最後まではやれないから終わりで
読み切りっぽくていいかも知れんし

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