真姫「冬がくれたのは恋の予感」 (25)

ラブライブ!です。地の文ありです。昔書いた書き溜め分の投稿が終わったらゆっくりになります。

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月日は12月24日。行きこう人々はまたやってきた聖なる夜に恋い焦がれ、互いの手を結ぶ。

松尾芭蕉の俳句を今日風にもじりながら練習の帰り道。私は1人、ポケットに手を突っ込みアイドルに似つかわしくない膨れっ面で家に帰る。

今日はクリスマスイブ。大通りですれ違う彼氏彼女達カップルは、互いの手を絡めあいアダリティな雰囲気が漂ってる感じがする。今宵は性なる夜、なんて、揶揄されるような日。多くの男女は最高にパラダイスな夜になりそうね。私には最低なんだけど。

はあ、下衆な考えにすぐ変わるだなんて、とんだ厄日ね。これでもアイドルよ、花の女子高生よ、私。


まぁ、そう考えるのも仕方ないわ。なぜなら、この一大イベントに私は1人で夜を越えなければならないのだから。

一応、みんなに予定を聞いてみようと思ったけど、穂乃果は、海未やことりとで毎年過ごしているみたいだから気を遣って聞かなかった。希と絵里は、誘うのなんだか空気が読めない奴みたいでもちろんやめた。凛や花陽に一緒にどう?と聞かれたけれども家族ぐるみでパーティーをすると聞きそれは場違いだと思いやめた。

しょうがなく。仕方なく。もう本当に、どうしよもなく、にこちゃんに予定を聞こうか考えていたら、もう帰ってた。

従って、私は、1人でこの峠を越えなければならなくなったのだ。

家族は、今日も仕事。まぁ毎年通りで今更何も思わない。

真姫 「そうだ、コンビニでケーキでも買ってこ...」

唐突に思いついたので一度歩みを止める。私は近くにあるコンビニにへと足を向けた。


ふと、溢れかえる人々の中、私にゆっくり近づく足音に気がついた。

あぁ、私、知ってるこの足音を。聞き慣れたこの音を。待ちわびたこの音を。

徐々に近づく足音に胸がとくん、とくんと、昂ぶる。緊張が心臓に針を突いてるようで痛い。

私は、服の袖を指先で強く握る。寒さのせいか痛みは感じているのに感じない。そんな矛盾に対しての意識は薄く、淡い期待の願望が次第に大きくなり、私は後ろを向いた。

いたのは、見知らぬ誰かだった。

私と目があった誰かさんは、目を開き少し驚いた後、怪訝そうな表情で私の横を行く。

そうよ、ね。私の期待した人なわけないか。なんでドキッとしたのよ、当たり前なんだから。そんなこと。

真姫 「ーーーちゃん....」

吐息でもれた人の名は、冬風に晒され凍りつく。もう少しだけ暖かったら、この声は春風に乗って思い人の元へと運んでくれたのかしら。

街角にあるコンビニの前。私は感傷に浸る。拭いきれないあの期待は、次に私を溢れかえる雑踏の中に向かわせた。

探してしまうの。あなたの小さな背中を。

もちろん見つかるわけなんかない。私は、クリスマスケーキをワンホールと、チキンを二本買い、バカみたいに流れるクリスマスソングに耳を痛めながら自宅へ帰った。

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真姫 「よしっと。どうせ暇だしクリスマスツリー立ててみたけど、案外いい雰囲気だすじゃない」

だだっ広いリビングの窓際に、一際大きなクリスマスツリーを立てた。

家に帰ってきてからは特にやることもなかったし。暇を持て余すのも癪だし立ててやったわ。

組み立てはスゴく簡単だった。外の物置からツリーを力尽くで引っ張ってくるだけだし時間さえかけてしまえば1人でも何とかなる。

問題は、次だった。出したツリーは裸同然で何の飾りもなかった。そんなことは、このスター西木野が許すわけない。

部屋中に存在するありとあらゆる物をかき集めてはツリーに着せ、あーでもない、こーでもないと暗中模索。


そのおかげか、外の景色の移り変わりに気がつかなかった。気がつくと、窓辺から見える空の帳はとうの前に落ち、空は暗くなっていた。

東京の夜空に瞬く星は数えられるほど。届かない星の煌めきはイルミネーションがなしこの街を照らす。窓辺から見えるその光景は無数の恒星が密集した銀河の様に見えた。

腕時計の針は進み帰ってきてから彼此5時間も経っていた。私の集中力は伊達じゃないというのが改めて証明されたわ。

真姫 「いい時間だしそろそろ晩餐といこうかしら。あれだけの量食べたら絶対太るわよね...まぁいいわ。無礼講よ今日は。お酒ないけど」

私は脈絡のない愚痴をこぼしながらテーブルの元へと向かう。当たり前だけど木製のテーブルには私が買ってきたショートケーキがワンホールと二つのチキンが鎮座する。

ふいに大皿に肩を並べるチキンへと視線が向く。サニーレタスと半切りになったミニトマトで綺麗に彩飾されたチキンに我ながらセンスを感じる。ううん、そこじゃないの。私が気になるのわ。


なんで二つ買ったの?最近体重を気にして食事制限をしているとはいえ、今日みたいな特別な日でも二つはない。大体一切れのケーキでお腹いっぱいになるのに、その事を忘れワンホール買うなんてバカなことは私はしないはず。

そもそもなんで私は一人なの。どうしていつも私は一人なの。

トントン拍子に考えが浮かび、深く深くへと深層にある本音を見つけだす。抑圧された感情が今だと思ったのか、大きく揺れ始めた。

ほんの5時間前に時を巻き戻したい。それが本望。

もしもあの時、期待した人だったのなら私は帰り道を孤独に帰らなかったし、この有り余るケーキを分かち合い、一人一つでチキンを食べあって談笑していたはず。

どうして誘えなかったの私は。穂乃果は誘おうした。ことりと海未だって三人の事情を知らなければ誘おうとしたはず。絵里や希だってその気になれば二人の仲に入って行けたはず。凛と花陽の家族は私を温かく迎えてくれるはずだ。なのに断った。

もしも話しなんて私はキライよ。だってどうせそれは叶わないのだから。

なら、どうして今後悔しているの?会いたいと云えなかったの?

だって、それは、簡単なこと

私が好きなにこちゃんのことだから。

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二年くらい前に書いた最初のお話です。ちぐはぐな部分がありますが、何とか完成させたいと思って投稿しました。また今日のどこかで更新します。


待ちわびた足音に私は惹かれ、意を決して振り返った。

にこ「まったく!真姫ちゃんは素直じゃないわね~~」

目の前には、頭に二つ縛りの短い黒の尻尾をつけ、私より年上とは思えない可愛らしい風貌をした彼女、にこちゃんがいた。

腰に手をあて言うその仕草はさながら背伸びをしている小学生みたい。

真姫「なによ....つけてたの?」

にこ「そうよ。てか、練習終わりに私をいつ誘ってくれるのかずっと待ってたのに先に帰っちゃうなんてヒドイじゃないの!?」

にこちゃんは先に帰ってなんていなかった。話しを聞くとにこちゃんはずっと私をつけていて今か今かと誘ってくれるのを待っていたらしい。

練習の最中から。着替えている時も。私がうじうじしている時も。ずっと、ずっと待っていたらしい。

で、とうとう痺れを切らしたにこちゃんは突然コンビニの前で止まった私を見てチャンスだと感じ、自分から話しかけたらしい。

にこ「で、なによ。そんな所で突然止まって。歩いてく人に迷惑よ」

私達の横を怪訝な表情で歩いて行く人を見ると申し訳ない気持ちになる。


真姫 「コンビニでケーキ買ってこうと思ったのよ。にこちゃんもくるでしょ私の家に?そのためにつけてたんだからね」

にこ「何サラッと言ってるのよ....まぁいいわ、そのつもりだったし」

そうだ、大事なことを言わなくちゃいけない。いつも言わないのは私の悪い癖だわ。

真姫 「にこちゃん」

にこ「何よ」

真姫 「待っててくれて、あ、ありがとう....」

冬風に晒された言葉は私の異常な程高まった体温のせいで凍らず、伝えたい人の元へと届く。恥ずかしさのあまり私は髪の毛をくるくるいじりまわしてしまう。

にこ「なっ....!?何よ急に....急に言うもんだからこっちまで恥ずかしくなるじゃない....」


にこちゃんは顔を真っ赤にして下を向く。目の赤さと同じくらい赤くなった顔は可愛らしい。

にこ「さっ、さぁ!!さっさと買って帰るわよ!!」

にこちゃんは私の手を掴むとコンビニの中へと引っ張っていく。寒さで敏感になった私の肌はにこちゃんの手の温度をしっかりと感じる。内側は暑くて仕方ないのに私の腕を握りしめる小さな手の温度でまだ冷たい外側がじんわりと温まっていく。

街角にあるコンビニの前。私は悦に浸る。幸せすぎるこの気持ちはコンビニへと向かう足と共に歩きだす。

にこ「あーー寒かった。あったかいわねやっぱり」

中に入るとにこちゃんは私の腕を離した。ほんの少しばかり虚しい。

コンビニには誰かと待ち合わせをしているのか、雑誌のコーナーでしきりに腕時計を確認する男の人と、この時期にバイトに入らさせられたのがイラただしいのか、眉間に皺が寄った、不機嫌そうな男の人がいる。

にこ「さって、ケーキケーキ♪真姫ちぁんにこぉ、おっきなショートケーキがいいなぁ??」

猫なで声で私に擦り寄る。ものすごく可愛いのだけれど時と場所を考えてほしい。

バイトの人がこっちを異質な物を見る感じで見ているのだから。


クリスマスが近くなると、どこもかしこもクリスマスケーキの販売が始める。

外でサンタクロースのコスプレをして売りさばく人も居れば、こうして店内に置いて放っておけば売れる自信があるからか、余裕綽々な所もある。前者は、大抵ノルマがあり後者はというと、翌日セールで投げ売りをする。

まぁ私には全然関係のない話だけど。どうやら、にこちゃんは違うらしい。

真姫 「ワンホール約6000円」

にこ「え"っ?ちょっと高くない?.....ケーキは二日三日経てばになると割引きされるし、いいわよ、買わなくても」

真姫「今度買ったら意味ないじゃない。気にしないで、私が買いたいから買うの」

店頭に並べられているケーキを一つずつ吟味しながら選ぶ。私が気に入ったのを見つけると、掴み取り、レジへと支払いに向かう。

見ると、レジの近くあるホットウォーマーの中にはフライドチキンが丁度よく二つある。


真姫「すみません。あとフライドチキン二つください」

にこ「ほんとそんなに買わなくていいわよ....?結構出費になってるでしょ?」

真姫「大丈夫。諭吉あるから」

心配しているにこちゃんを尻目に、財布から一枚の日本円最高峰、福沢諭吉を取り出す。人差し指と中指で諭吉を挟んで見せたけど希のモノマネって気づいてるかなにこちゃん。

ここでかっこつけて、お釣りはいらないわ。なんてのは言えない。にこちゃんが言うように今月のお小遣いが半分までいってしまっているのだから。貰える物は貰わなきゃ。

春夏秋冬。春が終わり、近づく夏に期待し、やってきた秋に寒さを感じ、冬に夏の暑さが恋しくなる。

移ろう季節の変化に戸惑うのはふとした瞬間。コンビニを出ると共に現れた冷気に襲われ、一気に体は熱を失う。改めて冬なんだったのだと同時に、不意に真夏の太陽を思い出した。あれだけ鬱陶しかったのに今では欲しているは、きっと寒さのせいだ。

ふいに、流れ行くこの雑踏の中を、脇目も振らず行き交う人々の背中を私はなぜか追ってしまう。


なぜか、そうしてしまう。理由は見当もつかない。

にこ「真姫ちゃん?」

真姫「えっ?あぁ、そうね。帰ろっかにこちゃん」

バカみたいに街を駆け巡るクリスマスソング。流れる曲なんかは毎年同じで耳が痛くなっていたのに今年は違う。一人じゃなきゃこんなにも満たされるなんて、夢にも思わなかった。

にこ「重たくないのそれ?私半分持つわ」

私は今、片手にケーキ。もう片手にはチキンを携えている。にこちゃんのためならなんのその。恋路には時に我慢が必要、今がその時よ西木野真姫。

真姫「にこちゃん。余裕よ私」

にこ「ハァ...遠慮するような仲じゃないでしょ?まったく、にこが好きで持つって言ってんの。ほら渡しなさい」

真姫「ほんと!大丈夫だって!!」

にこ「なにムキになってんのよ....じゃあ、これならいいでしょ?」

そう言ってにこちゃんはケーキの入ったレジ袋の取っ手を片方だけ分取った。なるほど確かにこれなら私が持っていることになる。

にこ「なんだか恋人同士みたいねこれ」

聞こえない。聞こえてしまったら私、取り乱してしまいそうだから。

真姫「そうね、じゃあ帰ろっか」

素っ気ない返しをし、やっと私達は家へと帰る。

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今日はここまでです。また頑張ります。


にこ「無駄に広いくせに妙に殺風景ね、この家は」

真姫「仕方ないでしょ、うちの家はシンプルイズベストの方針なの」

とは言いながらもリビングにはテレビにソファ、観葉植物としかなく殺風景と言われるのもわかる。

しかしその中で異彩を放つ物が。それは私が獲得したトロフィーの数々。それらはテレビ周辺に鎮座されていて一際目立つの。その様は両親の顕示欲を誇示してるようで、私は背中がむず痒い。

おかげで居心地が悪く息苦しさが蔓延している気がしてならない。

いつも思う。部屋の肥やしになってるトロフィなんてしまっちゃってカワイイ小物を置きたいと。

だけど親が許してくれるわけない。やれ真姫にふさわしくない。やれこんなチンケな物。やれやれ、本当にメンドクサイ。


にこ「ふーん。前に真姫ちゃんの家に来た時は穂乃果達とでお父さんに、真姫ちゃんにアイドルやらさせてあげてくださいっ!!って頼み込んだ時だったわね~。あの時は必死だったしこんな風だったなんて知らなかったわ」

真姫「その節はどうもありがとうございます.....」

それは夏場の頃の話し。

何かと言うと私はμ's の活動を始めてから成績が下がってしまったことに原因がある。

その事は私には微々たる差にしか感じなかったが、元々、親は私には「一番」である事しか認めない人だったからこの差異をとても大きな事柄として見たらしい。

それに加え、アイドルという俗物な活動がより拍車をかけ、まぁμ's を辞めろと言われたわけだけど、にこちゃんが言ったように穂乃果達がパパに直談判し、家に押しかけてくれたおかげで、私はμ's を辞めるのを首の皮一枚で免れたのだ。


あの時の穂乃果達を思い出すと、目頭がほんの少しだけ熱くなる。ううん。その時だけじゃない。私はμ's に、穂乃果に助けられてばっかり。もし、穂乃果が音楽室で話しかけてくれなかったら。あの時、屋上でアイドルなるの一押しをしてくれなかったら。

もしも話しなんかキライ。でも、もしもの悲しい結末を考えてしまうのはなんでだろう。それはもう絶対起きない事なのに。

にこ「ま、いいわ。私の分はケーキでチャラにしといてあげる。それよりもこの部屋をどうにかしないとね」

真姫「そういえば、たしか物置きにクリスマスツリーがあった気がするわね。見てくるわ」

にこ「じゃあ私もついて行くわ。ツリーはさっきみたいに一人じゃ持てないだろうし」

真姫「そう、じゃあお願いするわ」

にこ「さっきあんだけムキになってたくせに妙に素直ね....あんなにヤケになるよりなましだけど」

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離れにある物置の前へ。ここには滅多に訪れない。使わない物を置くから物置だからである。

なんて、意味のない言葉遊びに興じながら私は、白の塗装が剥げ、錆びついてこげ茶色に変色した引き戸に力を込める。どうやら錆びついている箇所は取っ手だけではなく、全体に行き渡っているみたい。

無意識に計算した必要である力量は答えには及ばず、ガッガッと音を鳴らし滞る。か弱い乙女みたいに、両手で握りしめ思いっきり引っ張ると、錆の塊が粉砕され砂上になったのか、すんなりと開く。

開け開かれた扉の先は私の小綺麗で胸焼けするような家とはまったく違い、ひどいものだった。

真冬の身の凍るような、とは言いすぎだけど、コートがないと億劫で外に出るのも躊躇われるような空気の鋭さは、物置小屋で丸くなっている。

まるで反抗期を迎えた幼子を無理やり閉じ込め反省を終えた後のような、そんな空気だ。

その中を色とりどりに飾るゴミが散乱している。私はゴミ屋敷の特集を何度かニュースなどで見たことがある。到底理解できないと思われた風景だったけど、まさかこんなにも近くに存在するとは思わなかった。


にこ「うわ、きったな!!何よ、真姫ちゃんの家どこでも綺麗だと思ってたけど全然違うのね!!」

真姫「一応言っとくけど使わないから物置なんだから仕方ないじゃない....。それよりも、探すわよ」

奇跡的か人為的か、裂かれたゴミの海原をモーセの様な気分で進んでいく。

よく見ると有象無象のゴミではなく、小さい頃に乗ろうとしていた真っ白な自転車、昔たまに家族一緒でやっていたバーベキューのセット。

どれもこれも、幼きころの思い出の産物が無造作に、置き捨てられている。

不意に胸の奥が切り刻まれたように酷い鈍痛を感じる。

別に思い出の品々が捨てられているからに感傷的になったわけじゃない。少なからず、私にはあの親二人との特別な時間があったことを、霞んで思い出したことが不思議に思えたからだ。


いえ、嘘はよくないわね。懐かしかった。ほんとに、懐かしかった。

どうして今、家族の関係はあんなにも冷め切ってしまったのだろう。いいえ、わかってるはず。私がスカしてるだけ。

にこ「あったわよ。ってこれ見つけたはいいけどさ、さすがにデカすぎない?」

真姫「そう、ね....。記憶ではそんなに大きくなかった気がするけど...」

私は積み上げられた思い出を懐かしく眺めていたけど、そんな事を知ることのないにこちゃんは私の真隣にあった目的の物を見つけた。

それはゴミ山から先端部分と、ベツレヘムの星を目印にして抜き出ていてた。


推測されるにおおよそ3、4メートル。

一般的な家庭にあるクリスマスツリーの大きさが子供一人分だけど、このサイズのツリーは商業用に使用されるのではないのか。

一体何故我が家に存在するのかは、私の親のみぞ知る。

にこ「じゃあまず運ぶ前に上に乗っかってるのどかしましょ」

にこちゃんは一人勇猛果敢に攻め入った。臆することなく先陣を切って行けるのは弟姉妹で培われた「なんとかする」の精神からなのだろう。

傾斜度は高くはないが積み重なった物々でできた足場は、近くに寄らずとも非常に危うく見える。湖に張った氷の上を歩く、それと同じ。


真姫「にこちゃん、危ないわよ!てかいったい何するつもり?登った所でどうしようもないでしょ」

にこ「決まってるじゃない。上から崩すのよって!うぁあ!!」

にこちゃんはゴミの湖に落ちていき、頭が抜きでて腕を上にしたまま挟まってしまった。

にこ「....見てないで抜いてよ」

真姫「ハイハイ...。下から崩すからそのままで待ってて、にこちゃん」

笑いそうなのを堪えて、私は少しづつ事を進めるのであった。

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書き溜めが終わりましたので、ゆっくりになります。

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