未央「プロデューサーと旅館で二人きり……」 (38)

未央「プロデューサーの家で二人きり……」の続き

NGは基本年上に甘える妹的ポジション

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486810942

未央「なんてことはなく私はしぶりんと枕たたきを勤しんでいた! くらえぁ!」

凛「ふっ! そんななまくらで私がやられると思ってんの?」

未央「なまくらな枕ですか! しぶりんが親父ギャグを言うなんてね!」

凛「あ、いや! 違、」

未央「隙ありぃいい!」

凛「ぐはっ!」

未央「しぶりん討ち取ったり! 次はしまむーだ! ん?」

卯月「よいしょっと。うん。枕で作った防壁の完成です! これで未央ちゃんから身を守れ、」

未央「粉砕!」

卯月「防壁が踏み砕かれましたー!」

未央「しまむー覚悟!」

卯月「きゃー! ぶへっ!?」

未央「む? 後ろから枕が? まさか!」

凛「あんなので私がやられると思ったの?」

卯月「うぅ……やられました」

未央「しまむー! 大丈夫かしまむぅ!」

卯月「私は……みんなを笑顔にしたかったんです。アイドルになって……みんなに笑顔を……ガクッ」

未央「しまむー! 許さん、許さんぞ!」

凛「もう私を倒せるのはいないみたいだね」

未央「ここにいるぞ! 不意打ちなんて……許さんぞ人間のクズめ!」

凛「じゃあ決着つける?」

未央「望むところ! うおぉおおおおお!」

卯月(ナレーター)「こうして未央ちゃんと凛ちゃんのあくなき戦いの火ぶたが切って落とされました。続く」

P「何やってんだ……何やってんだお前ら! 人の部屋来て支離滅裂なことしやがって! 自分たちの部屋に帰れ!」

三人「やだ」

P「クソが!」

卯月「まあまあプロデューサーさん。お茶注ぎますから落ち着いてください」

P「いら立たせてる原因はお前らにあるんだけどな」

凛「何してるのさ未央」

未央「完成! 敷布団を重ねて作ったクッション。肉弾エルボードローップ!」

P「そんなに布団出してんじゃねぇよ! 旅館に迷惑だろ!」

未央「ほら、しぶりんも飛び込みなよ。フカフカで気持ちいいよ」

凛「ふーん。ホントだ。座ると結構柔らかい」

未央「間に掛け布団を挟んであるからね」

P「ほんとにお前ってやつは」

卯月「お茶淹れてきましたー」

P「おう、ありがと」

未央「しまむーも飛び込みなよ。楽しーよ」

卯月「布団を重ねて作ったんですか? うわっ! ふぼっ!」

凛「足引っかけて顔面から突っ込んだ。大丈夫卯月?」

卯月「はい。布団が柔らかくて痛いとかはないです」

未央「足を引っかけて転んじゃうおっちょこちょいを披露するなんて、流石はキュートですな!」

卯月「そ、そうですか?」

P「だいたいナァお前ら。明日はニュージェネwithみくにゃんのLIVEがあるから旅館に泊まりに来てるんだぞ。そんな遊び感覚で、」

凛「はっ。枕たたきの必勝法を思いついた」

未央「え? 何かいい案があるの?」

凛「布団をこうして頭からかぶって体に巻いてしゃがめば完全防御」

卯月「ほ、ほんとです! まるで貝のようです!」

未央「ほんとにぃ? だったら……えい!」

凛「全然痛くないよ。ほら、もっと強くしてもイタッ! ちょ、プロデューサー。何でおでこ叩いたの?」

P「俺の話を聞けや! だいたい顔を出している時点で完全防御が聞いて呆れるっての!」

凛「……盲点だった」

P「もうほんとお前らアホだな。部屋に戻れ。と言うかみくはどうしたんだ? お前ら全員一緒の部屋のはずだろ」

卯月「みくちゃんは部屋で明日のLIVEの確認をしてますよ」

P「みくが明日の確認してんのにお前らは何で浴衣は着て俺の部屋に来てんだよ! 帰れ!」

未央「みくにゃんが『みくは明日の確認してるから三人はPチャンの所に遊び行ってていいよ』って言ったんだよ」

P「あいつこいつらの御守りをしたくなくて俺に押し付けやがったな」

未央「みくにゃんのご厚意に甘えてプロデューサーの部屋に遊びに来たんだよ」

凛「みくの邪魔しちゃ悪いしね」

P「俺の邪魔になってんだよ。本当にお前ら自由って言うか。未央はともかく卯月と凛は普段そんなキャラじゃないだろ」

凛「そうだっけ?」

卯月「さぁ」

P「凛。お前、トライアドの連中と居る時こんなにはっちゃけないだろ」

凛「うーん……どうだろ」

P「卯月ィ。美穂と響子と居る時そんなアホじゃないだろ」

卯月「どうでしょうか」

P「未央。お前は変わんない。どこでも問題児だ」

未央「何それブーブー。酷いセリフー」

P「はぁ。誰のせいで卯月と凛がこんなパッパラパーになったんだろ」

未央「政治が悪いんじゃない」

P「お前が悪いんだよこのダミー!」

未央「人を偽物呼ばわりだとぅ!」

P「本『田未』央だからダミーで十分だ!」

未央「人にニックネームはよくつけるけどダミーは嫌だ!」

P「じゃあ……ほんだみ」

未央「そこまで言うんならおも言ってよ!」

凛「やーいほんだみー」

卯月「ほんだみー。あ、グループLINEで広めておきますね」

未央「で! 待って! やめてー!」

未央「くっそーさっきから私のLINEに『ホン・ダミ』ってメッセージがひっきりなしにくる」

P「ざまみろー。まあお前らな。本当にお前ら三人が揃ったときの暴走っぷりは業界で有名だぞ。お前ら陰でなんて言われてるか知ってるか? 『アイドル界のゲッターロボ』って言われてるんだぞ。馬鹿にしてるのかそうじゃないかわかんねぇっての」

凛「ゲッターロボ? 何それ?」

卯月「何かのロボットじゃないでしょうか」

未央「……ゲッターロボってチャンピオンの?」

P「DEVOLUTION知ってんのか? 意外だな。別冊読んでんのか?」

未央「別冊じゃなくて月刊の方を読んでてさ。たまたま知ったって言うか」

卯月「何を読んでるんですか?」

未央「あれだよ。たくみんを主役にしたコミカライズ」

P「WILD WIND GIRLか!」

未央「それそれ! まさかたくみん主役のコミカライズが連載されるなんて意外で意外で。そう言えば今週の2月8日に二巻が発売されたじゃん。プロデューサーは買った?」

P「まあな。特典CD付き1800円(税抜)の方を買ったよ。拓海と里奈がOrange Sapphire歌ったりしてさ。あ、卯月も出てるぞ」

卯月「私が漫画にですか?」

未央「しかも水着で! まあさっきみたいにドジやらかすんだけどね」

卯月「え、えぇ~」

P「はっ! いかんいかん。何和気あいあいと話しているんだ俺は。俺も仕事があるから帰れ」

未央「まあただ遊びに来ただけじゃないんだよ私たち。みくにゃんがいるとどうしてもできないことが合ってさ」

P「あん? 何テレビ見つめてんだよ」

未央「二人ともお金持ってきた?」

卯月「少しだけ」

凛「持ってきたけど、本当に見るの? 別に私はいいんだけど、卯月が見たいって言うなら」

卯月「わ、私は未央ちゃんが見たいって言ったから」

未央「私は……見たい! じゃあそれぞれの有り金を出して! 私は8円!」

卯月「11円です」

凛「私は38円……足りなくない?」

未央「確かに足りない……! なら! お金貸してくださいプロデューサー!」

P「女子高生の分際でペイチャンネル見ようとしてんじゃねーよ!」

P「男の部屋来てペイチャンネル見ようとするとか。お前ら相当の変態だな。凛が重度のムッツリってのは知ってたけどまさか卯月までもがこんなことをするなんて」

卯月「私はその……恥ずかしいですけど二人がどうしてもって」

凛「待って。私が重度のムッツリって何? 撤回して。撤回して……!」

P「うるせー!」

未央「何言ってんの。プロデューサーだって見たいでしょ。あ、でも有料チャンネルより目の前にいる生の浴衣JKがいるから見る必要ないか。ホレホレー。浴衣の隙間からはみ出る生足。お風呂上がりだからプニプニだよ」

P「……」

卯月「未央ちゃん大胆です。ん? どうしたんですかプロデューサーさんカバンを漁ったりして」

P「未央。動くなよ」

凛「プロデューサーが未央の足に手を伸ばしてる……!」

未央「もしかして、とうとう私の愛を受け入れる気になったのかい!? いやぁごめんねぇしまむーしぶりん。先に幸せになってく、」

P「ペタ」

未央「ペタ? ぎゃああああ!」

卯月「ど、どうしたんですか未央ちゃん」

未央「ふ、ふとももに……ふとももに……!」

凛「ふともも?」

P「お前らは俺を怒らせた! 罰としておやつカルパススタンプの刑に処す! 肌出せやオラァ!」

凛「うわっこの人カルパス手に持ってる!」

卯月「カルパスでスタンプなんてされたらお肌がベタベタになっちゃいます!」

未央「に、逃げるんだ! 総員退避ー!」

P「逃がすかボゲェ!」

三人「わぁー!」

卯月「追い出されましたね」

未央「本当に、カルパススタンプとか常人の発想じゃない。絶対あの人アホだ」

凛「しかも押し付けたカルパスをお前たちの前で食ってやるとか言って精神的恐怖も与えてくるし、ほんと何なのあの人」

未央「どうする?」

卯月「とりあえず部屋に戻りませんか」

凛「プロデューサーの部屋から追い出された以上部屋に戻るしかないしね」

三人「ただいまー」

みく「あ、おかえりにゃ」

みく「どうしたのみんなげんなりしてるけど」

卯月「プロデューサーさんにおやつカルパスされて」

みく「おやつカルパス?」

凛「知らなくていいよ」

未央「にしてもみくにゃんはまじめだねぇ。資料を見て明日のLIVEの確認まだしてたんだ」

みく「損はないからね。と言うみくから言わせてもらえば三人がはっちゃけすぎてるんだよ」

卯月「そうでしょうか?」

未央「逆にみくにゃんが大阪人のくせにど真面目なんだよ。ほっら。せっかくの温泉付きの旅館なんだからリラックスリラックス」

みく「……前から言おうと思ってたけど、三人ともちょっとネジが緩み過ぎじゃない? 張り詰めるのは良くないけどみくみたいに明日のLIVEの資料の確認ぐらい、」

卯月「やることないですねー」

凛「何しよっか」

みく「ほら人の話聞いてない」

凛「暇だなー」

卯月「未央ちゃん何か面白い話をしてください」

未央「私に振るー? 仕方ないなぁ。未央ちゃんが面白いことしてあげるよ!」

卯月「本当ですか! 言ってみるものですね」

未央「しぶりん。しまむーを羽交い絞めにして」

凛「ん? あー……わかった」

卯月「え、なんですか? え? 手に何を持ってるんですか未央ちゃぐあ」

未央「ほらしまむー。あーん。あぁぁあああん」

卯月「うぶぇ。止めてください! シュークリームを無理やり口に詰め込もうとしないでください! クリームが、クリームがすごい飛び出てクリームが口の周りに!」

凛「逃げちゃダメだよ卯月。一回口にしたものは全部食べないと」

卯月「凛ちゃんも! 最近イエスマンになってませんか! 凛ちゃんはこんなことする子じゃなかったはずです!」

凛「ごめん卯月。面白い……未央がどうしてもって言うから仕方なくやってるだけで本心じゃないから」

卯月「絶対嘘ですうぐっ」

未央「美味しいかいしまむー?」

卯月「うぇえ。美味しいです」

みく「何してんの。何してんの三人とも! 何虐めみたいなことしてるにゃ! 卯月ちゃんほら、ティッシュティッシュ!」

卯月「ありがとうございます」

未央「別に虐めじゃないよね」

凛「これくらいのことは日常茶飯事だよ」

卯月「私も二人にこういうことする時ありますし」

みく「えぇ……未央ちゃんはともかく凛チャンと卯月ちゃんはそんな性格じゃないでしょ」

未央「私はともかくって何さー」

みく「凛チャンだってトライアドと一緒の時は今みたいなことしないでしょ」

凛「しないかな」

みく「卯月ちゃんも美穂チャンと響子チャンと居る時今みたいなことしないよね」

卯月「しないと思います」

みく「未央チャンは……まあいいや」

未央「おい」

みく「本当にさぁ。何でそんな風になっちゃったのさ」

未央「政治が悪いんじゃない」

みく「どっからどう見ても未央ちゃんが悪影響与えてるんだよ!」

未央「なにおうプロデューサーと似たようなこと言って! 未央ちゃんは悪くない! ね! 二人とも」

卯月・凛「……」

未央「答えてよ!」

みく「そんなんだから陰で『アイドル界のゲッターロボ』とか意味の分からないこと言われることになるにゃ。もう少し気を引き締めて」

卯月「お風呂にもう一回行きませんか? もう顔中クリームまみれで」

凛「いいね。プロデューサーの部屋で汗かいたし、さっぱりするのも悪くないかな」

未央「お客さんも少ないし今なら貸し切り状態だ!」

みく「もうさ、人の話聞いてる?」

卯月「みくちゃんも行きますよね」

みく「だからみくの話を」

凛「行かないの?」

みく「……行く」

未央「ようし風呂場に直行!」

未央「到着! いやぁさっき来た時もそうだったけど私たち以外人いないなぁ」

凛「貸し切り状態ならそれでいいじゃん。思いっきり羽伸ばせるし」

みく「と言うより未央チャン。そんな堂々と体にタオルも巻かずにはずかしくないの?」

未央「何言ってんのさ! ロケとかじゃないんだからタオル巻くなんて邪道だよ邪道! 何しぶりん? 体にバスタオル巻いて。己が肉体に自身がないなんて言わせないよ! 剥ぐんだ!」

凛「ちょ、待って。止めて! タオル引っ張らないで!」

みく「未央チャンは本当におおざっぱにゃ」

卯月「まあ文章のみで構成されている以上タオルを巻いているか巻いて無いかは読んでる人の想像力に任せるしかないですからね」

みく「卯月ちゃん。またよくわからないこと言って」

卯月「みくちゃん。御背中流しましょうか?」

みく「お。じゃあ流しっこしよっか」

卯月「はい!」

未央「取るんだぁ!」

凛「イ・ヤ!」

卯月「じゃあお背中流しますね」

みく「いやぁ。こうやって流しっこするってアイドルとしてはいい絵なんだろうね。それにしても」チラッ

未央「ブクブクブク」

凛「何やってんの未央。加連みたいにお風呂に浮かんで」

未央「どぶぁ! どざえもんごっこ! かれりんことかれんがこれをしたらかみやんこと奈緒っちが果てたと声を上げて心配したとか」

凛「あぁ……あれ」

みく「だめだよ二人とも。温泉のマナーをちゃんと守らなきゃ」

未央「ふーい」

凛「私は守ってるんだけど。身体は洗ったの?」

卯月「はい。なので今から湯船に浸かろうと」

未央「ストーップ! 何タオル巻いたまま入ろうとしてんのさ二人とも! マナー云々言うんならタオルを剥いでマッパになるんだ!」

みく「ぐ! 痛いところついてくるにゃ。わかったよ。みくは一肌脱ぐにゃ!」バサァ

凛「うわぁいい脱ぎっぷり」

未央「ホラしまむーも。豊満なお尻を曝け出さないと湯船には浸かれないよ」

卯月「うぅ。わかりましたぁ」

みく「はにゃぁ~。いいお湯にゃ」

未央「水鉄砲水鉄砲水鉄砲!」

卯月「きゃ。もう未央ちゃんったら」

未央「さらにそこから足を上げてのセクシーポーズ!」

凛「その足を私が持ってと」

未央「ちょ、そんな持ち上げられたら体制が崩れてうわぁ! ぶくぶく」

みく「他にお客さんいないからってちょっと度が過ぎるんじゃない」

凛「お客さんいないんだし、いいんじゃない」

卯月「そう言えばフロントでちらっと見たんですけど、この旅館予約制の混浴があるみたいですよ」

凛「!」

未央「混浴だってぇ!」

みく「混浴って……みく達別に一緒に入る男の人なんていないじゃん」

未央「いや、一人だけいる。混浴か……」

凛「混浴……」

卯月「混浴ですか……」

~島村の混浴~

卯月「お背中お流ししますね」

P「ありがとう。本当に卯月はよくできた子だ」

卯月「そんな。でもうれしいです」

P「今度は俺が洗ってやるから。ほら、小さくてかわいい背中を見せて……」

卯月「プロデューサーさん……」


~本田の混浴~

未央「ふぃ~。いやぁいい湯だねぇ。ばばばんばんばんってね」

P「本当だな。この露店から見える景色もいい。ほら、未央あんなに月が輝いて、星もきらめきを放ってる」

未央「そうだね。本当に綺麗」

P「でも一番輝きを放っている星は俺の隣にいるお前だよ。未央」

未央「そ、そうかな。えへへ」


~渋谷の混浴~

自主規制


凛「うん!」

未央「よし!」

卯月「いいですね!」

みく「みんな変な感じにトリップしてたにゃ……混浴」


~前川の混浴~

みく「まさかこうして一緒にお風呂に入ることになるなんて、みく自身びっくりにゃ」

P「確かにな。いつも頑張ってるお前のために用意した最高の宿だ。俺は今日お前の今までの頑張りを目いっぱい労いたい」

みく「Pチャン……」

P「トップアイドルおめでとうみく。これからも頑張ろうな」

みく「ウン! 一緒に頑張るにゃ!」


みく「……ないか」

未央「よぉーし! さっそく混浴するための準備を」

卯月「待ってください!」

みく「どうしたの?」

凛「仕切りの向こう。男湯の露天風呂に人が入った。おそらく」

三人「プロデューサー(さん)」

みく「何でわかるの」

未央「ニュージェネだからだよ。おーいプロデューサー! 未央ちゃんだよー!」

みく「ちょ、ちょちょちょ! ダメだよ叫んじゃ! 他の人だったらどうするのさ! それに迷惑だし」

卯月「返事がないですね」

みく「やっぱり違う人だったんだよ。未央チャン。軽率な行動は慎んで」

凛「みくもいるよー!」

P『壁の向こうにみくにゃんがいるのか! みくにゃーん! 俺だー! Pチャンだよー! 神様だー! いたら返事をしろ、みくにゃーん!』

みく「えぇ……」

卯月「そちらに誰かいますかー!」

P『しまった。つい返事をしてしまった。いない。俺だけだ!』

未央「この旅館混浴があるらしいんだけど。よかったら」

P『ぜってーヤダ! ごめんだ』

凛「要件を言う前に否定された」

未央「なんで嫌なのさー!」

P『未成年と入ってなんかいられるかよ! それにお前らぜってーアホなことするし』

みく「おそらくあってるにゃ」

未央「じゃあさ! この中で一番一緒に混浴に入るなら誰がいい!?」

P『……卯月!』

未央「なにぃ!?」

凛「嘘……!」

卯月「絶対みくちゃんって言うと思いました」

みく「う、否定できない」

凛「理由はー!」

P『えーっと……あれだ! みくと凛と未央は10年早いけど卯月の場合8年早いってのが理由だ!』

みく「10年?」

未央「つまり年齢で決めたってことー! それひどくない!」

P『それもあるけど卯月と入るのが一番平和そうだからだ!』

卯月「信頼してくれてるんですね! ありがとうございます!」

みく「いや、お礼を言う場面じゃないでしょここは」

凛「ちなみにみくにしなかった理由は!」

P『それはあれだ! 絶対俺がみくを触ろうとするからやめたんだ!』

三人「あぁー……」

みく「納得しないでよ!」

未央「じゃあ逆にこの中で一番入りたくないのは誰!?」

卯月「誰でしょうか?」

凛「未央でしょ。一番問題児扱いしてるし絶対ロクな目に合わないってわかってるはず、」

P『凛!』

凛「ちょっと! 何で即答で私って答えたの!?」

未央「っしゃあ! 予想外だけどワースト回避!」

みく「ワーストだって思ってったんだ」

凛「理由! 理由は!?」

P『だってお前重度のムッツリじゃん! 俺と混浴してる想像が破廉恥な内容っぽいし!』

凛「ぐっ! そんなことない……! そんなことないよ!」

卯月「どう思います? ムッツリはあってると思いますけど」

未央「ムッツリはまあ確定だろうね。常にやらしい妄想してそう」

みく「同じユニットなのに散々な言いようにゃ」

凛「……そこの三人。温泉の味を噛みしめたい?」

卯月「ちょ、待ってください! 凛ちゃんがすごい怒ってます!」

未央「やめるんだ! やめるんだしぶりん!」

みく「みく関係ないよ!」

P『話は終わりだ! あんまりはしゃぎすぎんなよ!』

みく「うぇえひどい目に遭ったにゃ」

凛「次プロデューサーに会ったらどつくマジでどつく」

卯月「先ほどから凛ちゃんの負のオーラが半端じゃないですよ」

未央「小梅ちゃんと共演してホラー映画出れそう。まあとにかくお風呂に入ってさっぱりしたし、もう一回プロデューサーの部屋に行こっか」

卯月・凛「おー」

みく「また行くの? 懲りないねぇ。まあいいけど。みくは部屋に戻るから」

未央「待った! 今回はみくにゃんも一緒に来て。私たちだけだと絶対追い返されるからね」

卯月「確かにみくにゃんと一緒なら入れてくれますね」

みく「いや、みくは部屋に戻って明日の準備を」

未央「ちょっとは息抜きしないと。夜は怪談話って相場が決まってるんだから。よしじゃあプロデューサーの部屋にちょっこー!」

みく「いいのかなぁ」

凛「扉は……開いてる」

卯月「不用心ですね」

未央「いや、これはきっとプロデューサーが私たちをいつでも歓迎するという意思の表れ何だよ」

みく「随分都合のいい解釈にゃ」

未央「皆。ここはいきなり入るんじゃなくてまずは襖の隙間から中を伺うんだ。もしかしたらペイチャンネルを見てるかもしれないからね」

卯月「見てないと思いますよ」

凛「私たちと違うんだから」

みく「三人は有料チャンネルなんて見ようとしてたの?」

未央「どれどれ~」

P『あーもう忙しい』

卯月「仕事をしてますね」

凛「まあプロデューサーならそうだよね」

未央「ちぇー。もっとこう、一人だからこそ人に見せられない事してるって期待したのに。みくにゃんと一緒で真面目すぎ」

みく「みくを引き合いださないでにゃ」

P『新装版エルマーのぼうけんの表紙を由愛が候補。舞台かぼちゃワインの朝丘夏美役にきらりがオファー。かな子にダッダーンボヨヨンボヨヨンの復刻CM……ってこんなのかな子のイメージがぶち壊れるだろうがァ!』

凛「うわぁなんか吠えてる」

P『やめだやめだ! デレステしよ』

卯月「デレステをやるみたいですよ」

P『ようしガチャ回すぞー。ドナキチ当たれぇ!』

みく「そう言えば今デレステのガチャで法子チャンのSSRの当たる確率がUPしてるにゃ」

未央「恒常だけど法子ちゃんPは回さないと後々後悔するかもしれないから回した方がいいね」

P『うぉおおおお! よっしゃ来た! SSR来た!』

未央「え。マジで」

P『よっしゃよっしゃよっうわぁああああああああああ! またみくにゃんだ! みくにゃんのSSRだ! これで5人目だぞ! 艦隊作れるっての!』

3人「……」

みく「こっちみんにゃ」

P『やる気失せた。ん? 楓から電話だ』

凛「!?」

未央「皆静かに! かえ姉さまの電話って、すごい怪しい」

卯月「まさかほんとに楓さんと……」

みく「……」

P『何だよ楓。って何だ川島さんですか?』

卯月「あれ?」

P『なんですか楓の携帯から電話して。もしかして楓と飲んでるんですか? あ、飲み会? つまり酔っぱらった状態で俺の声が聴きたくなったと』

みく「どうやら飲み会の席でノリでPチャンに電話してきたっぽいね」

P『誰がいるんですか? 楓に真奈美に瞳子に留美さんに美優さんetc。クールの人たちと飲んでるんですね。いいですねぇ。僕もそっちに行きたいですわ。はい。明日LIVEなんでガキどもの保護者として何ですけどちょっと後ろから美優さんの泣き声が聞こえるんですけど、飲ませすぎてませんか? あの人泣き上戸なんですからね』

未央「大人も大変そうだなぁ」

P『まあこっちも大変ですよ。なんせ襖の向こうでガキどもが出歯亀働かせて人の部屋覗いてますから」

卯月「え?」

みく「Pチャンこっち見たんだけど」

未央「こっち来たぁ!」

P「ようガキども。男の部屋のぞくたぁ随分高尚な趣味をお持ちで」

凛「……未央が覗こうって言いだして」

P「うるせぇ! 四人とも部屋入れ!」

P「旅館の夜恒例。怖い話でカイバナ大会~」

卯月「結局怪談話をすることになりましたね」

未央「すっごい怒られたけどね」

凛「怪談話か」

みく「あの、みく怖い話はあんまり得意じゃないんだけど」

卯月「安心してください。私もです。お揃いですね」

みく「何にも安心できないんだけど」

P「明日も仕事なんだし適当に怪談話をして部屋帰って寝ろよ。じゃあまず俺から。この話は昔友人が自転車から転んで顎の骨が露見した話なんだけどな」

卯月・みく「きゃー!?」

未央「ちょ、ちょっと待ってプロデューサー! 今のだけで全部落ちてるし痛々しい話は怪談じゃないからNG!」

P「ダメェ? じゃあ、次の人」

凛「はい」

未央「お、しぶりんが二番手。何かあるの?」

凛「実はこれ、実話なんだけど」

卯月「え? 今の親父ギャグですか?」

凛「え? いや、ちが、」

P「ナチュラルに親父ギャグか! 凛はその素質がありそうだ! よし。お前に次期ポスト高垣の認めよう」

未央「えーいいなポスト高垣! やったじゃんしぶりん」

みく「確かにうらやましいけど……羨ましく聞こえないにゃ」

凛「と、とにかく私が昔体験した真夏の夜の出来事。静まり返った深夜。外は暑いけど、室内はいい具合にエアコンが効いてて快適な睡眠が約束されていた夜だった」

未央「うんうん」

凛「だけど寝ている最中。突然バキン! ってラップ音がして不意に私は目を覚ましたの」

卯月「ラップ音、ですか」

凛「何事かって思って私は起きて部屋の電気をつけた。周りを見ても別段変わった様子もない。気のせいかって思った矢先。また、バキン! って音が部屋に響き渡った」

みく「ごくり」

凛「私は一瞬体が跳ねてもう一度部屋を見渡した。けど今度はさっきみたいに間が空かずにバキン! って音がしてそれが一定のリズムで部屋に鳴り続けたの」

P「こえぇな」

凛「絶対におかしい! 私は見回して音のする場所を探した。そして分かった。音がする場所。それはエアコンだった。何だ。エアコンの不調かって思って安心したんだけどやっぱりバキン! って音は続いた。だけど私は何となく電源を落とす前に机に置いてあったものさしでエアコンを叩いたの! そしたら!」

未央「そしたら……!」

凛「いくつもの黒塊がエアコンから落ちてきたの! それぞれ本当に蠢いて! しっかり確認してみたらそれは全部真っ二つに裂けたゴキブリだったの!」

卯月・みく「きゃー!」

未央「真っ二つのゴキブリ? こわっ! すっごいコワっ!」

凛「あの時は生きた心地しなかったね」

P「えぇ? 今の怖かったか? ラップ音の正体がエアコンってわかった時点で怖さが半減って言うか」

卯月「怖かったですよ!」

みく「ほんとに背筋がヒヤッとしたにゃ!」

未央「あぁもうダメ。夢に出そう」

凛「自分で言っててすっごい嫌な汗かいたよ」

P「えぇ……」

凛「……」

未央「あ、もうしぶりん起きてる。早起きだなぁ」

凛「毎朝ハナコの散歩してるからこれくらいの時間には起きるんだよ。卯月は?」

未央「幸せそうな顔してみくにゃんに抱きつきながら寝てるよ」

卯月「うぅ……ゴキが……迫ってくるぅ」

みく「くかー」

凛「……二人とも起こしちゃって」

未央「了解! メガホンを使って……おきろぉー!」

卯月「うわぁっ!? 何事ですか!?」

みく「うぅ……劈くような声。もう朝? もうちょっとマイルドな起こし方をしてほしいにゃ」

凛「二人は随分と寝起き事情が悪いみたいだね」

みく「そんなことないよ。みくは遅くまでLIVEの確認してたからつい夜更かししちゃっただけにゃ。えっと昨日言ってたけどもうすぐPチャンが部屋に来るみたいだからそれまでに準備しちゃおうねー」

三人「ふーい」

みく「やる気のない返事にゃ。まあとにかく! 今日はみく達のライブにゃ。気合入れるにゃ!」

三人「わぁー!」

終わり

2月8日発売『アイドルマスターシンデレラガールズWILD WIND GIRL』第二巻 皆買おう!

他に書いてるシリーズの最新作『渋谷凛「膝枕……してあげようか?」』

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