栗原ネネ「まってちがう」 (20)

ある日の事務所


ネネ「あ、裕子さん。ちょっとご相談があるんですけど、いいですか?」

裕子「ええ、いいですよ! サイキックお悩み解決教室ですね!」

ネネ「ふふ、よかった」

裕子「それで、相談の内容は?」

ネネ「赤ちゃんの名前、何にしようか悩んでいるんですけど……」

裕子「いつの間にママになっていたんですかネネちゃん」

ネネ「まってちがう」


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裕子「なるほど。動物園でカンガルーの赤ちゃんが生まれて名前を募集しているんですね」

裕子「私はてっきりネネちゃんに赤ちゃんが生まれたのかと……お赤飯を炊くところでした」

ネネ「そ、そんなわけないですよっ! 私アイドルですし、まだ15歳ですし」

ネネ「そもそも、相手がいません」

裕子「ええー? 本当ですかぁー?」

ネネ「い、いませんってば」

裕子「ではサイキックパワーで占ってあげましょう! 目を閉じて耳を澄ませば、あなたの想い人の声がどこからともなく聞こえてきます」

ネネ「だ、だからそんな人いませんって……」

裕子(と言いつつ目は閉じるんですね)

ネネ「まだまだいろんなことで手いっぱいで、想い人なんてとてもとても」



ガチャリ

P「ああ、ネネ。ここにいたか。ちょっと話があるんだけど」

ネネ「………」ボンッ

P「どうした? 顔が真っ赤だぞ」

裕子「すごいタイミングで来ましたね……さすが私たちのプロデューサーです。エスパーです」

ネネ「ま、まってちがう……違いますからぁ」カアァ

P「?」

後日


ネネ「よしよし♪ いい子ですね~」

ネネ「怖くないから、こっちにおいで? ふふっ」

ネネ「いっぱいなでなでしてあげますからね♪ Pくん♪」


飛鳥「………」

飛鳥「これが噂に聞く赤ちゃんプレイ……まさか同僚と担当プロデューサーの間でそれを見ることになるとはボクも予想していなかった」

ネネ「まってちがう」


飛鳥「なるほど。今度の仕事でカンガルーの赤ちゃんと触れ合うから、その予行演習をしていたと」

ネネ「最初に言っておきますけど、私は違う名前で応募したんですよ? 結果的にたまたま『Pくん』って名前になって、たまたま私がお仕事で触れ合うことになっただけです」

飛鳥「はたしてそうだろうか」

ネネ「もうっ。疑わないでください」

飛鳥「ふっ、冗談さ。アナタはきっと、違うやり方でアプローチをかけるだろうからね」

ネネ「あ、アプローチって……違いますからね? もちろんPさんのことは信頼していますし、とても感謝していますけど。そういうあれじゃないですから!」

飛鳥「ふうん」

ネネ「そもそも――」


ガチャリ


P「ただいまー。ふう、外回りは疲れるなあ。身体が冷える冷える」

ネネ「あ、Pさん。おかえりなさい、お疲れ様です」

ネネ「今、あったかいココアを淹れますね」

P「ああ、ありがとう。助かるよ」

ネネ「寒さで身体を壊すと大変ですから。温まってもらわないと」

P「ネネは気が利くなあ。本当、偉いぞ」

ネネ「そんな、たいしたことじゃありませんよ。私たちみんなのために頑張ってくれているPさんのほうが、ずっと」

ネネ「えらいえらい、です」ナデナデ

P「おっと。頭を撫でられてしまった」

ネネ「あっ……す、すみません。つい」

飛鳥「よかったじゃないか。練習の成果が出て」ニヤニヤ

ネネ「まってちがう」

P「練習の成果?」

飛鳥「あぁ。実はさっき」

ネネ「あ、飛鳥ちゃん! コーヒーに砂糖入れてあげませんよっ」

飛鳥「おっと、それは困るな」

また後日


梨沙「もうすぐバレンタインね!」

ネネ「梨沙ちゃんは、やっぱりパパさんへのチョコレートが本命?」

梨沙「もちろん! 手作りチョコでバッチリパパのハートを射止めちゃうんだから!」

ネネ「ふふっ。頑張ってくださいね」

梨沙「やっぱり、本命チョコといえば手作りよね。頑張ってお店のチョコよりおいしいものにするわ!」

ネネ「梨沙ちゃんならきっと大丈夫です。何か困ったことがあれば、私も手伝います」

梨沙「ありがと。やっぱりネネは頼りになるわ! お姉ちゃんみたいね」

ネネ「一応、本物のお姉ちゃんやってますから♪」

梨沙「そういえば、そっちはバレンタインどうするの? 誰かに手作りあげたりする?」

ネネ「私ですか? うーん、そうですね~」

梨沙「あれ、ちょっと意外。てっきりPには、手作りあげること決めてるのかなって思ってたんだけど」


ガチャリ

P「ただいま。ふー、腹減った」

ネネ「あ、Pさんおかえりなさい。はい、これ今日のお弁当です」

P「お、ありがとう。いつもすまないな」

ネネ「今日は栗ごはん入りですよ。唐揚げもあります」

P「おおっ! いいなあ、俺の好物ばかりじゃないか」

ネネ「ちゃんと栄養バランスも考えて作りましたから、残さず食べてくださいね」

P「もちろん」


梨沙「………」

梨沙「あー、なるほど。もうバッチリ掴んじゃってるのね。ハートっていうか、胃袋」

ネネ「まってちがう」

梨沙「違わないでしょ。毎日手作りのお弁当持ってきてPにあげてるくせに」

ネネ「そ、それは、ほら。自分のぶんを作るついでから、そこまで負担にならないし」

梨沙「へー。Pのお弁当とネネのお弁当、ところどころ具が違うんだけど。負担にならないんだー」

P「いつも俺の好きなもので固めてくれるからありがたい」

ネネ「………」カアァ

梨沙「いいお嫁さんになりそうね~~」ニヤニヤ

ネネ「ち、違うの。そもそも、私とPさんじゃ年齢が離れすぎていて」

梨沙「歳の差なんて関係ないわよ!」←ファザコン

ネネ「説得力がある……」

さらにさらに後日


晴「ネネさんってPのこと好きだよな」

ネネ「ついに最初からストレートに言われるように……」

晴「いや、だってさ。カメラに保存した写真見せてもらってるんだけど、Pが映ってるやつだけやたら多いし」

ネネ「き、気のせいでは」

晴「気のせいじゃないぞ。なんなら他のみんなに見せても同じこと言う、絶対」

ネネ「……だ、だって。Pさんの笑顔、思わず撮りたくなるほど素敵ですし」

晴「うわぁ」

ネネ「まってちがう。言葉を間違えました」

晴「へー。ほー」

ネネ「な、なんですかその反応!?」

晴「べっつにー? オレはただ、ラブラブなんだなあって思っただけ」

ネネ「ら、ラブラブっ!? そんなこと……そもそも、Pさんは私のことそういうふうに見てないし……ごにょごにょ……」

ガチャリ

P「ネネー。今度、群馬のネネの実家に行くときの話なんだけど」

ネネ「あ、はい。なんでしょう」

晴「結婚のあいさつ?」

ネネ「ふぇっ!?」

晴「顔真っ赤だぞ、ネネさん……」

P「あいさつ?」

ネネ「ち、違いますからね! 確かに、妹に紹介してあげようとか思ってますけど、けけけつこんのごあいさつだとか、そんなの早すぎます!」

晴「早いってことは、いずれやることは決まってたり」

ネネ「まってちがうっ! ちがうの~~」カアァ



………

……

ネネ「――なんて、昔は必死にちがうちがうって否定しちゃってましたけど」

P「結局現実になったな」

ネネ「ふふっ、そうですね。結婚して、家庭、もっちゃいましたっ」

ネネ「『それみたことか』って、今でもたまにからかわれます」

P「ははっ。でも、からかわれるような親しい関係を、今でも持てているのはいいことだ」

ネネ「その通りですね!」

P「ところで、今日の晩御飯は?」

ネネ「お鍋です。すっぽん入りの、元気がたっぷり出るお鍋」

P「そうか。楽しみだなあ」

ネネ「いっぱい食べて、ずっと健康でいてくださいね」

P「ああ」

P「ところで……健康といえば。最近、お互いにあまり運動できていないな」

ネネ「そうですねー。Pさんはお仕事が忙しいですし、私も子育てに追われてなかなか……」

ネネ「それこそ、運動できる時間なんて夜くらいしか……」

P「夜か………」

ネネ「はい……夜、ですね」

P「………誘ってる? 夜の運動」

ネネ「………」

P「わざわざ精のつくすっぽん鍋を用意してくれてることだし、俺はお前が最初からそういうつもりかと」

ネネ「ま、まって。ちが」

P「ちが?」

ネネ「ちが………」




ネネ「……ちがわない、です。えへへ」



おしまい

終わりです。お付き合いいただきありがとうございます
そろそろネネさんの19コス以上のSR出してくれないかな。かわいい


過去作
【モバマスSS】泉「プロデューサーのすけべ」
相葉夕美「花言葉」

などもよろしくお願いします

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