島村卯月「結婚可能年齢が18歳以上になるらしいですよ!」橘ありす「また…」 (28)

卯月「さあ、国会に行きましょう!」

ありす「いやです」


※このSSはフィクションです。
 登場する人物・団体・施設名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ココ大事⇒『実在のものとは関係ありません』

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卯月「なんでですかありすちゃん! 国会が私たちを呼んでいますよ!」

ありす「一応聞きます。何しに国会へ行くんですか?」

卯月「もちろん、法案をぶっ潰しにです♪」

ありす「やっぱり」

ありす「いいですか卯月さん、国会議員になったからといって、そう簡単に法案を廃止することはできません」

卯月「へご?」

ありす「それと、被選挙権は25歳からです。17歳の卯月さんでは、国会議員にはなれないし、首相にもなれません」

卯月「はい、知っています!」

ありす「えっ」

卯月「首相や大統領になって法案を潰そうなんて、そんな甘っちょろいことを私がするわけないじゃないですか」

ありす「じゃあ、何しに国会へ行くんですか?」

卯月「それは、もちろん」

ありす「もちろん」

卯月「……」

ありす「……」

卯月「ぶっ潰しにです♪」

ありす「えっ」

卯月「やっぱり、安[タン]闘争過激派の流れを汲む、◎◆派は欠かせませんよね!」

ありす「ちょっと」

卯月「ヘタレのくせに喧嘩っ早い▲○派の方々も、ブレインとして外せませんね!」

ありす「まって」

卯月「あとは、解散した[ピーーー]赤[バキュン]の再結集も図りながら」

ありす「もしもし早苗さん、公安の人に知り合いはいませんか?」

卯月「どうしたんですかありすちゃん、人の話はちゃんと聞かなきゃだめですよ!」プンプン

ありす「どうしたもこうしたも、言葉にするだけで危険な単語を、よくそんなにポンポンと」

卯月「別にいいじゃないですか。言うだけなら無害ですよ」

ありす「いえ、結構本気で命が危ないような気がしますけど」

卯月「大丈夫です♪ いざとなったら神戸△■[ドン]の人たちが手打ちにしてくれますから」

ありす「桃華さんですよね? 桃華さんのことですよね?」

卯月「そういえば、うちの専務も公安っぽい感じがしますね」

ありす「もう、私のゴーストが焼き切れてしまいそうです」

卯月「それじゃあ、ありすちゃん、国会に行きましょう!」

ありす「いやです」

卯月「えー」

ありす「えーじゃなくて」

ありす「だいたい、どうして卯月さんは法案を潰したいと思ったんですか?」

卯月「だって、結婚可能年齢が18歳になったら、17歳の私は結婚できなくなるじゃないですか」

ありす「1年待てばいいだけの話ですよ。現行制度でさえ4年も待たなければならない私より、ずっと恵まれていると思いますけど」

卯月「だめです! 1年も待つなんて考えられません!」

ありす「言い切りますね。なにがそんなにダメなんですか」

卯月「だって、子供が産まれたら未婚の母になっちゃいます」

ありす「……は?」

『プロデューサーさん…、私、子供ができたみたいなんです…』

『……島村さん、責任は取ります。私と、結婚しましょう』

『プロデューサーさん、もう、島村ではなくなるんです。卯月って呼んでください』

『卯月…』

『プロデューサーさん…』

卯月「ほら、ハッピーエンド」

ありす「いきなり一人芝居するのはやめてください」

卯月「でも、結婚可能年齢があがっちゃったら」

ありす「人の話も聞いてください」

『プロデューサーさん…、私、子供ができたみたいなんです…』

『……っ、すみません、島村さん…。今の私では、何もできません……』

『どうしてですか!? 私の何がいけないんですか!』

『島村さんに非はありません…。すべては、結婚可能年齢18歳以上の法律がいけないんです』

『そんな…、じゃあ、お腹の中の子どもは……』

『東京の私立高校は無償化になりますから、どうか、その浮いたお金で、お幸せに!』ダッ

『プロデュサーさん…、うちは世帯年収が高いので、無償化にはならないんです!!』

卯月「ね、悪夢みたいなバッドエンドになっちゃいます」

ありす「私にとっては、今この場が悪夢そのものです」

卯月「だいたい、私立高校が無償化になったって、妊娠したら退学させられるんだから意味ないじゃないですか」

ありす「やめましょう? これ以上政治に喧嘩を売るのはやめましょう?」

卯月「というわけで、この法案は、どんな物理力を用いても潰さないといけないんです!」

ありす「言葉を濁す理性は、まだ働いているんですね」

卯月「さあ、ありすちゃん! 国会に行きましょう!」

ありす「だからいやです」

卯月「えー」

ありす「だから、えーじゃなくて」

ありす「一応確認しますけど、卯月さん、妊娠はしていないんですよね」

卯月「はい、まだしていません!」

ありす「まだっていうのが引っかかりますが……。とにかく、卯月さんが妊娠したわけではない以上、そんな物騒な計画に協力は出来ません」

卯月「妊娠すれば協力してくれるんですか? だったら今すぐ」

ありす「違います止まってくださいステイ」

卯月「はい!」

ありす「もし妊娠してたら別の方法を提案しようと思っただけで、元から卯月さんの考えに賛同は全くしていません」

卯月「そうですか、残念です…。破壊者の二つ名を持つありすちゃんなら一緒に行ってくれると思ったんですが。仕方ないので、あきらめます」

ありす「そうです、潔くあきらめてください。待ってください」

卯月「はい」

ありす「今、なんて言いました?」

卯月「え? あきらめますって」

ありす「その前です」

卯月「そうですか、残念です…」

ありす「そのもうちょっと後」

卯月「二つ名を持つありすちゃんなら」

ありす「分かってておちょくってますよね」

卯月「破壊者のことですか?」

ありす「そんな二つ名、初めて聞きました」

卯月「おかしいなあ。フリスクの方達から、よく聞こえてくる話なんですが」

ありす「フリルドスクエアのみなさんですか?」

卯月「はい。事務所の他の人にも、結構広まっているみたいですよ」

ありす「そんな話、私は聞いたことがありません。いったいなぜ…」

卯月「あ、でも、巴ちゃんはこの名前に反対しているみたいですね」

ありす「はい、分かりました。私が傷つくだけなので、この話はやめましょう」

卯月「そのせいで、フリスクと巴ちゃん一家が、たびたび抗争して大変みたいで」

ありす「やめましょうって言いましたよね。この事務所に武闘派が多いことは分かりましたから」

卯月「まるで◎◆派と▲○派の内ゲバみたいですね♪」

ありす「危ない話題を蒸し返さないでください。というか早くやめてください」

卯月「今ふうに言ったら、△■[バン]と神戸△■[ズキュン]の対立の方が分かりやすいですかね」

ありす「……もういいです。言っても分からないポンコツアンドロイドなら…」ピッ

卯月「あれ、ありすちゃん?」

ありす「タブレットモード変更、美城プログラムダウンロード、プロジェクト145起動」

卯月「どうしたんですか? なんか、幾何学的な模様がたくさん浮かんできましたけど」

ありす「ダイブ開始、ゴーストライン突破、ウイルス注入…完了」

卯月「あの、ちょっと、いったい何ガッ」

ありす「ウイルス発動を確認、疑似人格ウヅキ強制インストール、上書き終了、ウイルスチェック…クリア」

ウduキ「ア、ガ、…ガ」

ありす「ダイブ終了。美城プログラムを削除し、タブレットモードをニュートラルへ。ウヅキさん、聞こえますか?」

ウヅキ「……ハイ」

ありす「では、ウヅキさんの『魔法の言葉』を教えてください」

ウヅキ「……ガン、バリ、…マス」

ありす「認証キーを確認。やっぱり、美しい城には美しいお姫様が必要ですよね、ウヅキさん」

ウヅキ「エ…、ガオ……、ガン…、バリ……」

ありす「ふふ、ネットは広大ですね」

はい、ありがとうございました。
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