【ガヴリールドロップアウト】ヴィーネ「性格逆転スイッチ?」 (46)

ガヴ「そうそう。なんか道端に落ちてたから拾ったんだけどさ」

ヴィーネ「ちょっとガヴ!道端に落ちてるものなんて拾ってきちゃダメじゃない!」

ラフィ「あらあらそれは面白…愉快な装置ですね」

サターニャ「言い直せてないわよ」

ガヴ「お前悪魔らしくなりたいって言ってただろ?これを押せばお前の思う通りの悪魔になれるんじゃないかって思ってな」

ヴィーネ「説教の途中に話を進めないで!だいたいそんなあからさまに怪しいスイッチ、押すわけがないでしょ!?」

ガヴ「なんだつまらんな。そんなつまんないことばっか言ってちゃ、いつまで経っても悪魔らしくなんかなれないぞ」

ヴィーネ「ううっ…」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486563387

ラフィ「大丈夫ですよヴィーネさん。ヴィーネさんも、ちゃんと悪魔っぽいところありますから」

ヴィーネ「ほ、ほんとう…?例えば?」

ラフィ「えーと……」

ラフィ「…それはですね……」

ラフィ「……!」ニコッ

ヴィーネ「それ一番傷つくやつ!!」ガーン

ガヴ「笑顔一つでトドメをさすとはさすがラフィ」

サターニャ「まったく…悪魔らしくなりたい?そういうことなら何故早く私に言ってくれないの?」

ラフィ「そうですよヴィーネさん。身近にこんな見本にすべき模範がいるではないですか」

ヴィーネ「う、うぅん…確かにサターニャは悪魔以上に悪魔らしいけど…」

サターニャ「あっはっは!よく分かってるじゃない!
お願いするなら、私があなたの師匠になってあげてもいいわよ?」

ラフィ「わぁ、それは素敵ですね」パチパチ

ガヴ「おいお前ら待て待て。あくまで今日の目的はヴィーネにこいつを押させることなんだから」

ヴィーネ「絶対押さないわよ!」

ガヴ「いや別にスイッチ一つで世界が終わるわけでもないし、そこまでかたくなに拒むことはないんじゃないか?」

ヴィーネ「世界を滅ぼすラッパを持ってる天使に言われても説得力ないわ」

ラフィ「まぁまぁヴィーネさん。所詮お遊びじゃないですか。まさか本当に性格が反転してしまうなんて、私もガヴちゃんも思ってませんよ」

サターニャ「ちょ、ちょっと!今から私がヴィーネに有難い講釈を授けるんだから、聞いてなさいよ!」

ガヴ「せっかく拾ったしこれを押せば絶対面白いことになるって私の内なる声が告げてるし、一回でいいから押してみようよヴィーネ」

ラフィ「神様も押した方がいいと言っていますよ」

ヴィーネ「いつにも増して押しが強いわねアンタたち…!」

ヴィーネ「………わかったわよ」

ガヴ「お」

ヴィーネ「押せば満足するんでしょ?」

ラフィ「さすがはヴィーネさん。物分りがいいですね」

サターニャ「ちょっと!なに私抜きで勝手に話進めてるのよ!」

ヴィーネ「じゃあ早く終わらせるから。それ貸して」

ガヴ「ほい。まぁ何が起こるかわかんないから、一応用心はしとけよ」

ヴィーネ「そんなもの押させようとするんじゃないわよ…」ポチッ

ヴィーネ「………」

ガヴ「…………」

ラフィ「…………」

サターニャ「…………」

ヴィーネ「……ほら、なんともない」ホッ

ヴィーネ「やっぱりこれただのスイッチよ」

ガヴ「そうですか…残念です。悪魔らしくなりたいというヴィーネの願い…叶えてあげられませんでした」

ラフィ「…よ、よかったぁ。なんにもなかったぁ。爆発とかしたらどうしようかと…」

サターニャ「時間の無駄だったな。だから私はこんなことはやめようと言ったのだ」

ヴィーネ「!?」

ガヴ 堕天ガヴリール⇔天使ガヴリール
ラフィ 性悪腹黒ドS⇔気弱なドジッ娘
サターニャ 騒がしいアホの子⇔落ち着き払った凛とした女性



ヴィーネ「…あは、あはは。なんだろう、幻聴が聞こえるわ。おかしいわね、何なのこの装置」

ガヴ「?どうしたんですか、ヴィーネ?顔色が優れませんけど…」

ヴィーネ「やめてやめてガヴやめて。私をからかってるだけなんでしょ?その純新無垢な目を向けるのをやめて。ついさっきまでの闇に濁った目に戻って」

サターニャ「…どうしたんだ、ヴィネット。さっきから言っていることが支離滅裂だぞ」

ラフィ「う、うゆぅ…やっぱり、あの装置、変なものだったんじゃ…」

ヴィーネ「あは、あはははは。サターニャもラフィも冗談がすぎるわよ。サターニャに至っては何?支離滅裂なんて言葉どこで覚えたの貴女」

サターニャ「……これは本格的におかしいな」

ヴィーネ「あはははははははは」ガタガタガタガタ


ガヴ「座布団に顔を突っ伏したまま戻って来てくれなくなりました…」

ラフィ「ど、どうしたんだろう、ヴィーネちゃん。あんな狂ったように笑う子じゃなかったのに…」

サターニャ「…ほぼ100%このスイッチが原因だろうな」

ガヴ「性格逆転スイッチ…やはり、そうですよね。ヴィーネはこれを押してから様子がおかしくなりました」

サターニャ「あの様子を見てると、性格が逆転したというよりは、性格逆転に失敗し、人格に何かしらの悪影響を及ぼしていると考えた方が良さそうだな」

ガヴ「……っ!そ、そんな…。じゃあ、ヴィーネは、私のせいで…」

ラフィ「が、ガヴちゃんのせいじゃありませんっ!だってガヴちゃんは、ヴィーネちゃんのためを思って…」





ヴィーネ(耳を塞いでも頭に飛び込んでくる会話を脳が処理しきれない)ガクガクガクガク

ヴィーネ(ヴィーネちゃんってなに。サターニャの口調は何アレ。ガヴはなんで自分以外の人間の心配なんてしてるの)ガクガクガクガク

ヴィーネ(……待って。落ち着くのよ。落ち着くのよ月乃瀬=ヴィネット=エイプリル….)

ヴィーネ(この状況…ガヴとラフィの2人だけなら2人の悪戯ということも考えられたけど、サターニャが有り得ない変貌を遂げていることからその可能性は考えにくい)

ヴィーネ(となると必然的に、私が押した性格逆転スイッチ…これに原因があると見ていい)

ヴィーネ(問題はこのスイッチがどのように作用して、こんなカオスを作り上げたのかということなんだけど…)

ヴィーネ(このスイッチの効果であるところの、性格逆転は私には起きていない…むしろガヴたちの方に起きている気が…)

ヴィーネ(……ん?)

ヴィーネ「…ねぇ、ガヴ」

ガヴ「ひゃいっ!」

ガヴ(び、びっくりしたぁ!)ドキドキ

ヴィーネ「あなたと私の出会いって、どういうのだったかしら?」

ガヴ「ど、どうしたんですかヴィーネ?いきなりそんなことを聞いてきて…」

ヴィーネ「ごめん、とりあえず答えてくれない?」

ガヴ「は、はいっ」

ガヴ「あれは、私が人間界へ降りてきてすぐのところでした…」

ガヴ「天界に居た頃の私は、ぐーたらで怠け者で、慈愛の精神の欠片も持ち合わせておらず…」

ヴィーネ「ああ、もう、いいわ」

ガヴ「えぇっ!?まだ私たち出会ってすらいないですけど!?」ガーン


ヴィーネ(……やっぱり、私の考えは正しかったみたい)

ヴィーネ(このスイッチ…『スイッチを押した人』の性格を逆転させるんじゃなくて)

ヴィーネ(『スイッチを押した人以外』の性格を逆転させるんだ…)

ヴィーネ「…ごめん、落ち着いたわ。ありがとう、ガヴ」

ガヴ「い、いえ…ヴィーネがいいなら、それでいいですけど…」

サターニャ「どうしたのだ、ヴィネット。あんな風に急に取り乱すなど、お前らしくもない」

ヴィーネ「っ……!いや、なんでも、ないのよ…」

ヴィーネ(ダメっ…!この口調のサターニャは笑っちゃう…!失礼だとは思うけど!)

ラフィ「ほ、ほんとうに大丈夫なの?無理してない?」

ガヴ「ヴィーネ。また辛くなったらいつでも言ってくださいね。これをヴィーネに押させてしまった私の責任でもあるから…」

ヴィーネ「あ、ありがとう。2人とも」

ヴィーネ(何この天使二人。いや二人ともリアルに天使なんだけど)

ーー〇ーー〇ーー△ーー△ーー◇ーー

ラフィ「…き、記憶喪失?」

ガヴ「そ、そんな……」

ヴィーネ「う、うん…」

ヴィーネ(なんとも説明し難いので、とりあえずそういうことにしておいた)

サターニャ「チッ。やはりロクなものではなかったか」

ガヴ「ごめんなさい……ヴィーネ……ごめんなさい……私は、お友達になんてことを……」

ヴィーネ「ああ、違うの!ガヴは何にも悪くないのよ!だから泣かないで!」

ヴィーネ(悪いのは前のガヴだから!)

ガヴ「ぐすっ…でも……わたし…」

ヴィーネ「押した私に責任があるのよ!ガヴは善意で私にこれを薦めてくれたんでしょう?あなたには感謝こそすれ、責めるつもりなんて毛頭ないわ!」

ヴィーネ「それに、記憶喪失って言っても…何もわからないわけじゃないから。ちょっと記憶が混濁してて、いろいろ思い出しづらいだけ」

ガヴ「…ヴィーネは優しいです。でも、その甘えたくなる優しさは時には残酷です…」

ヴィーネ(ガヴはそう言って私の胸に顔をうずめて来た)

ヴィーネ「ちょ、ガヴ!?」

ガヴ「ごめんなさいヴィーネ。本当にごめんなさい…」

ヴィーネ(……申し訳なさよりも、愛でたくなる気持ちが先に来るあたり、私も結構ちゃんと悪魔やれてるのかな)

ねます
これはダンガンロンパの性格逆転スイッチSSを読んだ作者が軽いノリで立てたスレです
上記の理由から性格逆転スイッチの設定をそのSSから丸々引き継いでいます
性格逆転ssを書いたのはこれが初めてです
完走はさせるのでよろしくお願いします

サターニャ「…本当に、大丈夫なんだな?」

ラフィ「びょ、病院とか…行かなくても…」

ヴィーネ「うん。大丈夫だから安心して」

サターニャ「ヴィネットがそういうなら、ヴィネットを信じよう。…私はこれから用がある。失礼するぞ」

ラフィ「あっ…サターニャちゃん、まってください!」

ラフィ「ヴィーネちゃん、お大事にね!」

ヴィーネ「うん、ありがとう。二人とも」

ガヴ「………」

ヴィーネ「ガヴ。私も…帰るね」

ガヴ「…はい。また明日、学校で」

ヴィーネ「うん。また明日」

ヴィーネ(さて…)

ヴィーネ(これからどうしようか…)

ヴィーネ(……とにかく元に戻る方法を探そう)

ヴィーネ(あるかどうかなんて、分からないけど)

ヴィーネ(もしかすると、もう一個性格逆転スイッチがあるかもしれない)

ヴィーネ(ガヴは、道端で拾ったって言ってたわね…)

ヴィーネ(……この辺りを探し回ってみよう)

【よくあさ】

ヴィーネ「全く見つからなかった…」

ガヴ「どうしたんですか、ヴィーネ?すごく眠そうですけど…」

ヴィーネ「…ちょっとね」

ヴィーネ(ガヴは、ガヴなりに折り合いをつけたのか、記憶を失った私のことを、今まで通りに扱ってくれているようだった)

ガヴ「悩み事があるなら、言ってくださいね?…私、ヴィーネのためなら何だってしますから」

ヴィーネ「あ、うん。ありがとう」

ヴィーネ(…私の方は未だにこのガヴには慣れないが)

ヴィーネ(昔のガヴもこんな感じだったはずなんだけどな…)

サターニャ「ヴィネット、ガヴリール」ゲンナリ

ガヴ「あ、サターニャさん、おはようございます」

ラフィ「おはよう。今日もいい天気だね!」ギュウウウ

ヴィーネ「……なんでラフィはサターニャに抱きついてるの」

ガヴ「毎朝のことじゃないですか」

サターニャ「……いい加減、私が出てくるまで家のチャイムを鳴らし続けるのはやめてくれないか」

ラフィ「だ、だって……サターニャちゃんと一緒に学校行きたいんだもん…」

ヴィーネ(サターニャのストーカーなのは相変わらずなのね…)

ヴィーネ(教室についた……けど……)

ワイワイガヤガヤ

ヴィーネ「ぱっと見では、それほど変わったようには見えないわね…」

ガヴ「?何がですか?」

ヴィーネ「いや、なんでもないの」

ヴィーネ(…まぁ、ラフィをサターニャからひっぺがすのが大変でよく見れなかったこともあるけど)

ヴィーネ(というか私もだいぶこの世界に慣れてきたかも。もうちょっとやそっとのことじゃ驚かないぞう)

ガラララ

先生「はーい、席についてくださーい」

ヴィーネ(そう言って入ってきたのは、柔和そうな笑みを浮かべた、頭のはげたおじいちゃん先生)

先生「はい、じゃ、号令お願いしようかな」

ヴィーネ(…あの人も随分かわったな…)

みんなに恐れられてる先生⇔みんなに愛されてる先生


ヴィーネ(……今冷静になって考えてみると)

ヴィーネ(可愛くてしっかり者のガヴ)

ヴィーネ(頼りになりそうなサターニャ)

ヴィーネ(腹黒くないラフィ)

ヴィーネ(怖くない先生)

ヴィーネ(この状況、かなり悪くないのよね)

ヴィーネ(……なんか、もやもやっとしたものは、あるけれど)

ヴィーネ(ずっとこのままというのも…)

先生「あれ、委員長はお休みですか」

サターニャ「そうみたいですね」

ヴィーネ「え、委員長が休み?珍しいわね」

ガヴ「そうですか?いつものことですよ」

ヴィーネ「えっ……?」


バターーーーーン


委員長「………」

先生「あ、来ましたね、委員長。号令お願いします」

委員長「………」

委員長「きりィィィーーーつ!」

委員長「れェェェい!」

「おはようございまーす」

ヴィーネ「何よこれ!?」ガーン

ドカッ

ヴィーネ(号令を済ませると、委員長は自分の席に、荒々しく座った)

ヴィーネ(ふてぶてしい顔、耳にピアス、制服を完全無視したファッションセンス)

ヴィーネ(何これ……何これ……)

ガヴ「気合の入った号令。今日も姐さんはかっこいいですね」

ヴィーネ「姐さん!?」ガーン


名誉委員長⇔番長

ヴィーネ(いけない……そうよ、普段まともじゃない子たちはまともになってるかもしれないけど)

ヴィーネ(まともな子は逆にとんでもないことになっているんだわ……)

ヴィーネ(急いで元に戻してあげないと……委員長のためにも……)

先生「では、これから理系選択、地歴選択の紙を集めます」

先生「今日が締切です。まだ出してない人は、持ってきてください」

男「あっ、すいません。ボク忘れました…」

先生「おや、そうですか。困りましたね…」

委員長「………」ブチッ

ヴィーネ(ブチッ?)

委員長「てンめェェェェェ!!!」

男「ひ、ひィィィ!?」

ヴィーネ(ええええええええ!?)ガーン

委員長「散ッ々センセイが今日までに出せっつってただろうがァァァ!!!」

委員長「テメェがちょっと遅れるだけで、センセイ全員に迷惑がかかンだぞォォォ!!!」

委員長「わかってんのかァ、アァ!?」

男「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」

先生「ちょ、ちょっと、委員長!その辺にしてあげて!」

ヴィーネ(というか服装規定無視してるアンタに言われたくないわよ!?)ガーン

ガヴ「さすが姐さんです。憧れちゃいます」

ヴィーネ「……」

サターニャ「…委員長。その辺にしておけ」

委員長「胡桃沢…チッ、オラ、今すぐ取りに帰れ。そしたら許してやる」

男「はっ、はいっ!」ドタドタドタ

サターニャ「委員長。お前の言ってることは正論だ。だが、これ以上風紀を乱すようなことはやめろ」

委員長「はッ、オレにはこんなやり方しかできねェンだよ」

委員長「オレを委員長にしたのは誰だ?このクラスのみんなだろうが」

委員長「だったらオレはその責務を果たすだけだ」

サターニャ「…何を言っても無駄なようだな」

ヴィーネ「…責任感強いところは一緒なのね」

ヴィーネ「」ズーン

ラフィ「どうしたんですか、ヴィーネちゃん」モグモグ

サターニャ「委員長とのやり取りでショックを受けたようだ」パクパク

ラフィ「ああ…」

ガヴ「姐さんはかっこいいですけど、ヴィーネとの相性は悪いですからね…」

サターニャ「前からそうだったもんな」

ヴィーネ「……つまり、いつまで経っても私があの委員長に慣れることはないと…」

ガヴ「ヴィーネ、元気だしてください。ほら、卵焼きあげます」

ヴィーネ「あ、ありがとうガヴ……って、ガヴ、お弁当なの?」

ガヴ「え?えぇ…私は毎日お弁当ですよ」

ヴィーネ(あのガヴが、自分で料理……)

ラフィ「サターニャちゃんも、あーん」

サターニャ「…いらん、私にはパンがある」

ラフィ「つれないなぁ」

ヴィーネ「…ラフィって、なんであんなにサターニャのこと好きになったんだっけ?」

ガヴ「前聞いた話では、犬に襲われていたラフィが、サターニャさんに助けられて…その流れで一緒にいるようになったんだとか」

ヴィーネ「そこでも逆転が起きてるの!?」ガーン

サターニャ「…ちょっとトイレ」

ラフィ「わ、私も行く」

サターニャ「ちょっと待て!お前個室まで付いてくる気だろ!」

ラフィ「なんでわかったの!?」

サターニャ「読みやすいんだよばか!いいから付いてくるな!トイレくらいは1人で―――」

窓パリーーーーーン ドンッ ズシャァァァーーー

サターニャ「!?」

ヴィーネ「な、何事!?」

???「ぐ、ぐうぅ……。パラグライダーで教室までダイレクト登校。窓が空いてないという可能性は計算していませんでした…」

???「この天界特製防護服がなければ、今頃私は三途の川を渡っていたでしょう…」

ガヴ「……っ、はぁっ、はぁっ!」

ヴィーネ「ガヴ、大丈夫!?」

ガヴ「いえ、これは……咄嗟に結界を大量展開して、体力を消耗しただけです」

サターニャ「……またお前かぁ、タプリス!」

タプリス「ふう。そうでしたね。この実験が成功したとき、周りの人に怪我をさせてしまう可能性…それも計算外でした。申し訳ありません」

慎重で好奇心旺盛なバカ⇔猪突猛進で実験大好きなバカ


ラフィ「」チーン

ガヴ「し、死んでる…」

ヴィーネ「気絶してるだけでしょ……それにしても、どうしたのタプちゃん。あなたは何をしてるの…」

タプリス「思考実験です。遅刻しそうな時、わざわざ階段を使うのって面倒くさいですよね」

タプリス「校門を経由せず、教室に辿り着く方法はないか……それを考えた結果、パラグライダー登校という結論に落ち着きました」

タプリス「理論だけでは証明になりませんから、こうして実験をし、本当にパラグライダー登校は便利かどうかを確かめていたんです」

ヴィーネ「知識欲がとんでもない方向にイッちゃったのね…」

サターニャ「いいから早く窓直せ。なんで天界はこんなのを下界に寄越してしまったんだ…」

タプリス「自分の教室に来れたと思ったら、まさかの真上にあった先輩たちの教室」

タプリス「窓を破壊し、危うく怪我人を出すところ…この実験は失敗ですね。メリットに対しリスクが大きすぎます」

タプリス「ですが、問題点は見えました」

タプリス「では、窓や人を含めたあらゆる物質を透過できるパラグライダーの作成に取り掛かるとしましょう」

タプリス「先輩方、ご迷惑をおかけしました。これからもまだまだかけるとは思いますが、暖かい目で見守って頂けると幸いです。では」

サターニャ「もう二度と来るなよ…!」

ガヴ「あれで天界きっての天才発明家なんですよね…」

ヴィーネ「……早く戻さないと、地球が危ない…」

ここまで

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