安部菜々「永遠の17歳」 (23)

島村卯月「菜々さんの年齢、気になりませんか?」

本田未央「しまむー急にどうしたの」

渋谷凛「そりゃ気にはなるけど、突っ込んだら駄目なとこじゃないかな、それ」

卯月「だってですよ、あれだけ自分は17歳だって言いながら自爆してるんですよ?」

卯月「もうはっきり聞いてしまった方が楽になると思うんですよ!5周年ですし!」

未央「5周年だからって許されない事もあるんだよ、しまむー」

凛「菜々さんも別に自爆したくて自爆してるわけでは無いと思うけど…」


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安部菜々「おはようございまーす」

卯月「あ、ちょうど良いところに!菜々さーん!菜々さんって何歳なんですかー?」

未央「もうちょっとさ、ためらいを持とうよ」

菜々「え、ナナは永遠の17歳ですよ?」

卯月「そういんじゃなくってですねー!5周年なんですし実年齢を教えて下さいよ!」

凛「今日の卯月は勢いがあるね」

未央「しかし直球すぎやしないかい?」

菜々「うーん…5周年ですか…なら、仕方ないですね、皆さんには秘密ですよ?」

未央「いいんだ」

卯月「えっ!?教えてくれるんですか!?」

凛「当の卯月が一番びっくりしてるんだけど」

菜々「ただし、準備に時間が掛かるので明日来てください。そうすれば教えてあげますよ?」

未央(…準備?)

卯月「わかりました!楽しみにしてますね!」

菜々「ええ、楽しいかどうかはわかりませんが…それじゃあ明日」

翌日

凛「菜々さんからこの部屋に来てくださいって連絡がきたけども…」

未央「事務所にこんな部屋あったんだ…、なんか変に緊張してきたよ」

卯月「私は緊張よりも楽しみでドキドキしてますね!」

菜々「あ、3人ともお揃いですね。どうぞ、ちょうど準備が済んだところです」

3人「「「失礼しまーす」」」ゾロゾロ

卯月(あれ…?)

未央(なんか…?)

凛(頭が軽くなったような…)

菜々「確認しますけど、3人が聞きたいのはナナの年齢という事でいいんですよね?」

卯月「そうです、教えてくれるんですよね?」

菜々「わかりました…ナナの実年齢なんですが…」

未央「」ドキドキ

凛「」ゴク

卯月「」ワクワク

菜々「17歳です!」

3人「「「えー!!…って17歳!?」」」

菜々「嘘じゃないですよ?ほら保険証にだって17歳って記入されてますし」

凛「…ホントだ」

未央「…こう言っちゃなんだけど、ちょっと拍子抜けしたって言うか」

卯月「そうですよ!じゃあなんで『永遠の17歳』なんて言ってるんですか!キャラ付けですか!」

菜々「もちろん、そういう反応が返ってくるのはわかっていましたよ」

菜々「今日お話しするのは『永遠の17歳』についてです」

菜々「いいですか?ここからの話を聞く覚悟はありますか?」

未央「え、なにそのプレッシャーは…」

凛「そう言われると余計に聞きたくなっちゃうな」

卯月「御託はいいんですよ!早く話してください!」

菜々「そうですか、わかりました。…まず卯月ちゃん、ナナに年齢を聞くとき5周年って言ってましたよね?」

卯月「そうですよ?それが何か?」

菜々「なら、5周年って何が5周年何ですか?」

卯月「え?それは私たちがアイドルになってから…の?あれ…?」

菜々「質問を変えましょうか、凛ちゃん?」

凛「…はい」

菜々「凛ちゃんは何歳でアイドルになりましたか?」

凛「…15歳だけど」

菜々「それじゃあ、凛ちゃんは今、何歳ですか?」

凛「15歳だけど…って、ん?え?」

菜々「うん、5周年というからには、それ相応の年が経過しているはずですよね」

未央「は?…いやいや…え?」

菜々「もう、気づきましたよね?ナナが永遠の17歳なんて言っている理由が」

菜々「アイドルは年を取らないんですよ?」

未央「ちょ…!ちょっと待ってよ!?いきなりそんなこと言われても…!」

菜々「いきなりも何も、皆さんが今、実際に体験なされているじゃないですか」

菜々「アイドルになってからの記憶や思い出はしっかりと残っている、けれど年齢はアイドルになった時のまま、変わっていない」

菜々「これ以上ない証明ですよ」

卯月「けど…そんな…そんな事って…」

菜々「いやー…ナナもこの事実に気づいた時にはかなり驚きましたけど、3人とも大丈夫ですか?」

菜々「凛ちゃんなんて、お顔が真っ青じゃないですか」

凛「そりゃ…こんな事を聞いたら気分も悪くなるでしょ」

菜々「まあいいじゃないですか、考えようによってはいつまでも若いままでいられるんですよ?女の子の夢じゃないですか」

未央「菜々さんはどうしてそんなに冷静でいられるのさ!」

菜々「冷静にもなりますよ。ナナが何年17歳をやっていると思っているんですか」

卯月「…聞きたくは無いんですけど、ナナさんは何年17歳のままなんですか…?」

菜々「そうですねえ…だいたい100年くらいは超えてると思いますよ?」

卯月「100!!?」

凛「そんな…」

未央「嘘だ…うそだよ、こんな…」

菜々「あっ!勘違いしないでくださいね?ずっとこのままという訳じゃなくて、アイドルを辞めるとまた年を取り始めますからね?」

3人「「「!?」」」

菜々「アイドルを辞めて娘さんを育てている人もいらっしゃいますし…まあナナは自分の意思でアイドルを続けていますけど」

菜々「アイドルでいる内は若々しく、アイドルを引退したら普通に年を取り生活する。そう考えたら別に悪くはないですよね?」

未央「…なんだー!そういう事は先に言ってよー!!!」

卯月「はい!むしろメリットにしか感じなくなりました!」

凛「うん、なんだか安心した」

未央「私ずっとこのままで過ごすのか…とか考えちゃったよ」

菜々(まあ、確実にという訳ではないんですけどね。その人だってまた年を取らなくなっているみたいですし)

菜々(あれ?考えたら別の事務所の事務員さんやプロデューサーさんも、また年を取らなくなってますね)

未央「ねー菜々さん!このことを知ってる人って他に誰かいるのー?」

菜々「急に元気になりましたね…。んーそうですねー、こずえちゃんと芳乃ちゃんくらいですかね」

卯月「へー!芳乃ちゃんって凄いんですねー!」

凛「こずえは何かわかる気がする…」

菜々「杏ちゃんや比奈ちゃん、奈緒ちゃんなんかは気付きかけてますね」

未央「ふーん…ゲームとかアニメが好きな人は気付きやすいのかな」

菜々「あー、そうみたいですね。正確には違いますけどループ物に近いですからね。普通の人より馴染み深いんですかね」

卯月「はーい!質問です!この部屋に入った時に頭が軽くなった気がしたんですけども」

凛「あ、わかる」

未央「うん、私もそんな気がした」

菜々「ああ、それはこの部屋に張っている結界の影響ですね」

未央「結界!?」

菜々「はい、早い話がウサミンパワーですね」

菜々「ナナにもよく解らないんですが、どうやらフィルター?みたいなモノが掛かっているらしく年齢の事に気づかなくしてるんですよね」

卯月「え、何か怖くないですか」

菜々「そういうわけで、ウサミンパワーによってフィルターを外したので、頭が軽くなったように感じたのでしょうかね」

凛「なんか色々ありすぎてウサミンパワーにツッコむ気力も無くなっちゃた…」

菜々「とまあ、これがナナのお話しできる事の全てですね」

菜々「なんでこうなっているのかというのはナナも知りえない事ですし、そう言った理由については残念ながらお答えすることが出来ません」

未央「そっかー…何か凄い事を知ってしまったよ…」

凛「うん、明日から普通に過ごせるか不安になってきた」

菜々「あっ、そこについては心配しないで下さい。皆さんが年齢の事に気づいたのは結界の中の出来事ですので、部屋の外に出たらきれいさっぱり忘れてしまいます」

未央「まだ新情報が!?」

卯月「えー、全部忘れちゃうんですかー…」

菜々「まあ、極たまに覚えたままの人がいますけど…滅多にないことですので」

卯月「うーん…そういったことなら仕方ないですね」

菜々「あっ3人とも、そろそろレッスンの時間ですよ」

未央「おっもうそんな時間か」

凛「うん、もう準備して行かないと」

卯月「菜々さん、面白いお話ありがとうございました!」

菜々「いえいえ~、と言っても部屋を出ると忘れてしまうんですけどね」

~部屋から退出~

未央「…あれ?私たち、何してたんだっけ?」

凛「んー、なんか頭がボーッとする…」

卯月「えっ…?え、あれ?」

菜々「3人とも、どうかしましたか?」

未央「あ、菜々さん。いや、ここ数時間の記憶が曖昧で…」

菜々「3人ともお忙しいですから、疲れてボーッとしてしまったのではないですか?」

凛「うーん…そうかな…」

卯月「ん…?あれ?…うそ」

未央「あっそうだ!今日は菜々さんに年齢を教えてもらう予定だった…って、もうこんな時間!?」

未央「2人とも行くよ!菜々さん、また今度教えて下さいね!」タッタッタ

凛「ちょっ!ちょっと待ってよ、未央!菜々さんまたね」タッタッタ

卯月「…ねえ、菜々さん」

菜々「はい、何でしょう?」

卯月「菜々さんの年齢って…いくつでしたっけ」

菜々「…いやだな~卯月ちゃん、いつも言っているじゃないですか」

菜々「ナナは永遠の17歳ですよぉっ!キャハっ!」

終わりです ありがとうございました

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