ガヴ「めんどうだな……」【ガヴリールドロップアウト】 (73)

百合注意。

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ヴィーネ「ちょっとガヴ! 部屋散らかさないでっていつも言っているでしょ!」                                

ガヴ「うっさいな……、朝っぱらから大声ださないでよ……」

ヴィーネ「何言ってんのよ! もう昼過ぎなのよ? 今日、お昼ごろに課題一緒にやるって約束したでしょ!」

ガヴ「はあ、また合鍵使って入ってきたのか……。ああ、そういえばしてたようなー」

ヴィーネ「したのよ! とにかく部屋酷いからまず片づけね」

ガヴ「部屋酷いって……」

ガヴ「めんどくさ……。もーよくねー? 机の上掃ければ、ノート広げられる課題できるじゃん」

ブチッ

ヴィーネ「い・い・か・ら片付けるの! この駄天使!!」

ガヴ「……はい」

――

ヴィーネ「……ゴミまとめているんだったらゴミ出しくらい行きなさいよ」

ガヴ「めんどくさいし重いじゃん」

ヴィーネ「放置していると、そのうちゴミ屋敷になっちゃうわよ?」

ガヴ「ベッドの上で寝れさえすれば大丈夫だ」

ヴィーネ「それもう末期だから!! ちゃんとこまめに掃除しなきゃ駄目よ? こうやって放っておくと害虫が沸いてくるし、壁にシミができたりするんだから」

ガヴ「……へいへい」

ヴィーネ「そこ手を休めない! 作業中はパソコンの電源切っておくこと!」

ガヴ「お前は私の母さんか!!」

ガヴ(……早く、課題終わらせてゲームしたいんだけどなあ。ヴィーネはくそ真面目に部屋の掃除しているし、一旦熱入ると冷めにくいんだよな……。口を挟むと怒られそうだけど……)

ガヴ「ヴィ、ヴィーネ……そろそろ課題やらない? 掃除はすぐ終わりそうにないしさ。ほ、ほら明日学校だし今からやらないと帰り遅くなっちゃうよ」

ガヴ(だ、駄目か……)

ヴィーネ「泊まる……」

ガヴ「へ」アゼン

ヴィーネ「今日、私、と、泊まるから!///」カァァァ

ガヴ「はあ?」

ガヴ(ヴィーネがいたらオールできないじゃん……)

ガヴ「こんな汚い部屋で寝ると健康に悪いから!」

ヴィーネ「あんたがそれ言う!? だ、だから、掃除しているんじゃない」

ガヴ「大体どこで寝るんだよ! ベッド一つしかないぞ!!」

ヴィーネ「え/// そ、そんなの同じベッドじゃ駄目なの?」

ガブ「あ、当たり前だろ!/// シングルベッドに二人じゃキツイだろ!!」

ヴィーネ「大丈夫よ! ガヴは小さいんだから///」

ガブ「ヴィーネ、お前そ、それって///」

ガヴ(私が小さいとしても密着はする……。維持でも私と一緒に寝る気だ……。こうなったら掃除はするとしても、ぱっぱと終わらせて、ヴィーネにはさっさと課題を手伝ってもらってからお帰り頂くとしよう。一日ゲームが遅れると三日は遅れることになるぞ)

ガヴ「うっ……、ヴィ、ヴィーネ!! 早く掃除しよう! すぐ終わらせよう!! そして課題をしよう!」

ヴィーネ「ガヴったら急に協力的になったわね。ガブがやる気になっている内に終わらせようか」

ガヴ(お前の謎の暴走を止めるためだよ)

――

ガヴ「よっしゃー、終わった!!」

ヴィーネ「ガヴが自力で真面目に解くなんて珍しいわね」

ガヴ「私はやればできる子なんだよ」

ヴィーネ「そうね」フフッ

ガヴ(目的は達成した。時間は夕方を過ぎた辺り。今なら、普通に帰らせても問題ない時間だ。ここは丁重に送り出しを……)

ガヴ「なーんか、思ったよりも早く終わっちゃったね」

ヴィーネ「そうねー。ガヴが率先して取り組んでくれたおかげね。偉い偉い」

ガヴ「撫でんな馬鹿っ!///」バシッ

ガヴ「こ、こんなに早く終わっちゃヴィーネも暇でしょ? 早く家に帰って――」

ヴィーネ「ガヴ、今日の晩御飯どうする?」

ガヴ「うっ、な、何?」

ヴィーネ「あんた一人にしていると、ゲームしながら適当なお菓子で済ますでしょ」

ガヴ「き、今日は弁当を……」

ヴィーネ「コンビニ弁当? はあ……、今日は私が泊まるんだから、私が作ってあげる。なに食べたい?」

ガヴ(こいつ自然に確実に泊まれる流れを作りやがった……。ここで抗いたいけど、ヴィーネの目から有無を言わせない威圧感が出てやりにくいんだよな。何か、言ったらさっきみたいに言葉を遮られそう)

ガヴ「えっと……、ヴィーネが作ったのなら、何でもいいよ」

ヴィーネ「へ/// も、もう何言っているのよガヴ」テレッ

ガヴ(自分でも何言っているのかわからん。私は堕天しそうだよ)

ヴィーネ「じゃあ、今からスーパーに買い物行きましょうか」

ガヴ「はあ!? そんなめんどくさいことできるか! 人多いし!! 私は夕方以降は外に出ないって決めているんだよ」

ヴィーネ「そんなこと初めて聞いたわよ……」

ガヴ「私はもう疲れたんだ! これ以上めんどうなことさせんなよ!!」

ヴィーネ「ああーもう! パソコンつけて寝転がるな!」

ガヴ「いやだ! 私はもうゲームするんだ!! 私のためにご飯作ってくれるなら買い物もヴィーネがやることだろ! 私お菓子でいいし」

ヴィーネ「私の目が黒い内は……ただれた生活は止めなさい?」ユラァ

ガヴ「わ、わかったからそのフォークみたいなやつしまって……。これで、また部屋黒焦げにされたら堪ったもんじゃない」アセッ

ヴィーネ「そう。なら、一緒に行きましょう」

ガヴ「め、めんどう……」

ヴィーネ「行くのよね?」

ガヴ「……はい」

ガヴ(今日のヴィーネ本当どうしたんだ!? 目怖いし、途端に顔赤くなったりするし……今日は逆らわないようにしたほうが良さそうだ)

――

ガヴ(私の隣には軽快なステップを踏みながら嬉しそうにいる悪魔がいる。愉快な悪魔はサターニャだけで十分だけど、こう見ているとヴィーネもサターニャと同格なんじゃないか、と疑う)

ヴィーネ「私、お肉見てくるからカゴ見ていてよ」

ガヴ「へいへい、行ってらっしゃい」

ガヴ(カゴの中身はじゃがいも、人参、たまねぎ、カレー粉などだ。カレー粉をヴィーネが選んだ時点で、カレーを作るんだろうなーって予想できたけど、どうして泊まりの日に出る夕食って大体カレーなんだろうな)

ガヴ「めんどいからだろうなー」

ラフィ「ガヴちゃんこんばんわ」

ガヴ「っえ、ラフィ?! な、なんでここに?」

ガヴ(ヴィーネと一緒にいるとこ見られていたらめんどうなことに……っていうかいつの間にいたんだ?!)

ラフィ「私はサターニャさんと一緒に夕食の買出しです!」

ガヴ「サターニャもいるのか?」

ラフィ「はい! サターニャさんにはパルチェを探してきて欲しいとお願いしました。きっと、今は店内をうろうろしているんじゃないでしょうか」

ガヴ「なんだそれ……。ここに売ってないものを探させるなよ。相手がサターニャでもさ」

ラフィ「ありますよ。ほらここに」ヒョイ

ガヴ「それトマトじゃん! 黄色いトマトって本人にいってやれよ。しかも、すでにカゴに入れてるじゃん」

ラフィ「でも――」

サターニャ「ラフィエル! パルチェなんているお魚いないわよ! ここ洋物売ってないんじゃないの?!」スタタ

ラフィ「あ、私うっかりしちゃってました。実は魚じゃなくて果物なんです!」

サターニャ「ちょっと! 弟子のくせに何師匠に嘘ついててんのよ! ていうか、ラフィエルが知っているんだったらアンタが行った方が早いんじゃないの!?」

ラフィ「ですが! 大魔王サターニャ様と在ろう方が弟子の不手際に温情の意を示して頂けないんですか!! 大魔王サターニャ様と在ろう方が!!」

サターニャ「な、なんか厚かましいわね……。でも、そうね。弟子の一度の失敗を見捨てるのも大魔王気ないものね……」

サターニャ「いいわ! この地獄の支配者、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルが我が弟子ラフィエルのために悪魔肌脱いであげるわ!! なっはっはははは!!」

ガヴ「うぜえ」

サターニャ「あらっ、ガヴリールじゃない! この私の崇高な姿を瞠っていたわね。くふふ」

ガヴ(お前の愚かさを笑っていたんだよ)

サターニャ「残念だけど、私は悪魔的任務をこさなくちゃいけないの、じゃあ――」

ラフィ「高貴なサターニャ様! アイベリーもお願いします! 同じ果物です!」

サターニャ「へ、ま、またわけのわからないものを……、まあ、私にかかればすぐにでも見つけ出して見せるわ!」シュタ

ガヴ「いったな」

ガヴ(うざいのが……)

ガヴ(サターニャが去ってから、ラフィがつんつんと私の肩を叩いてきたからラフィのほうを見てみたら、にやにやしながらイチゴを見せびらかしてきたけど……)

ガヴ「お前……」

ラフィ「アイベリーです!」キラッ

ガヴ(せめて、サターニャにパルチェもアイベリーも実は野菜だ、とでも言ってあげれば、あのテンションを少しは抑えられたのかもしれない)

ラフィ「そういえばガヴちゃん」

ガヴ「なんだ」

ラフィ「先ほど、なにやら楽しそうなヴィーネさんと一緒にいましたよね」

ガヴ(こ、こいつ不意を突いてきやがった……!)

ガヴ「何を言っている。わ、私は一人で買い物に……」

ヴィーネ「ガヴリールー、牛肉と豚肉どっちがいい?」

ガヴ(なんで、このタイミングで戻って来るんだよ! どっかで見ていたのか?! つーか、カレーに混ぜたらどっちも同じだろ! どっちでもいいわ!!)

ヴィーネ「あれ? ラフィがいるのね」

ラフィ「はい、ヴィーネさん、こんばんわ」

ヴィーネ「うん。こんばんわ。こんなところで偶然ね。ラフィも買出し?」

ラフィ「はい! 今日はサターニャさんのお家でお泊りするんです」

ヴィーネ「へえ、そうなんだー・私たちと一緒ね」

ガヴ「ちょ、ちょっと、ヴィーネ!」

ヴィーネ「何よ。別にいいじゃない」

ガヴ(こんなこと言って私までおちょくられるのは御免だぞ……)

ラフィ「ああ、やっぱり――じゃなくて、そうなんですかー」

ヴィーネ「うん、そうなのよー」

ガヴ(気づけヴィーネ、玩具の標的にされているぞ)

ラフィ「どこでお泊りするんですか?」

ヴィーネ「ガヴの家よ。課題を終わらせるために来たんだけど、ついでに泊まる事になったの」

ガヴ(掃除を終わらせるために来て、ついでに課題をして、実のところ泊まる事が本命でしたー、みたいな感じだったけどな)

ラフィ「珍しいですねー。ガヴちゃんの家で課題をやるなんて――ところで、お二人はどこで寝るつもりなんですか?」

ガヴ「急に変な話に持ってくるな!! 何がところで、だ!!」

ヴィーネ「え/// そ、それは……」///

ガヴ「真面目に答えようとするな! 顔を赤らめるな!」

ガヴ「っていうか、ラフィエル!! お前はどうしてサターニャなんかと泊まったりしているんだ!?」

ラフィ「へ///」ボンッ

ガヴ(これは変な地雷踏んだパターンじゃないかなー。……でも、この反応はたぶん)

サターニャ「もーう、ラフィエル! お前のいう食べ物、果物じゃなくて野菜だったわよ!」

サターニャ「トマトとイチゴって、野菜だったのね。私初めて知ったわよ!」トテテ

ラフィ「あ、サターニャさん……」///

サターニャ「ん? 話聞いてんの? なんか、顔赤いし」ペトッ

ラフィ「サ、サターニャさん……!」///

サターニャ「うーん、熱はないみたいね。ほら、早くお会計済まして家に帰りましょ」

サターニャ「弟子の健康状態を気に配るのも師匠の役目だしね」フフン

ヴィーネ「サターニャ、あんた……」

サターニャ「あら、ヴィネットもいたのね。ごめんなさいけど、アナタに構う暇ないの、くふふ」

ラフィ「そ、それではごきげんよう」///

ガヴ「手、つないでいったな」

ヴィーネ「そ、そうね」

ガヴ(明日学校で会ったらどう反応すればいいんだ……。馬鹿はいいとしても、あのラフィエルは割りとマジだぞ……)

ガヴ「面倒なことが増えたな……」

ヴィーネ「…………」スッ

ガヴ(今日ここにも面倒なのが増えたのに、さらに面倒なことが増えるなんて面倒だ)

ガヴ(ラフィエルの影響かなんだか知らんが、無言で手を出してくんな)

ガブ(私ら女同士だぞ。それに天使と悪魔だ。恋人同士なんてありえないから)

ガヴ「行くぞー、材料はそろったんだろ」

ヴィーネ「あ……」シュン

ヴィーネ「ま、まだ牛肉か豚肉か決めてないわ」

ガヴ「そんなのどっちもでいいって」

ガヴ「迷ってんだったら両方入れればいいだろ? 混ざってしまえばわかんないんだからさ」

ヴィーネ「……そうね」

ガヴ(ヴィーネは手を引っ込め、渋々持っていた牛と豚の肉をカゴに入れた)

ガヴ(私はカゴをヴィーネに渡して不意にポケットに手を突っ込んでいた)

ガヴ(……まあ、でも、今日はちょっと寒いのかもな)

――

ガヴ「やっぱ、肉は多いほうがおいしいな!」

ヴィーネ「そう、よかった」

ガヴ「ヴィーネは料理うまいからな」

ヴィーネ「もう/// 褒めても何も出ないわよ」

ガヴ(うっ……、今のヴィーネを褒めるのは墓穴だ。こっちが恥ずかしくなる。なんだこの恋人同士の会話は)

ヴィーネ「ガヴ、私お皿洗っておくから先にお風呂入ってきなさいよ」

ガヴ「え、ああ、そうだな……」

ガヴ(お泊りを申し出た割りに一緒にお風呂入ろうとはしないんだな……)

ガヴ「……ヴィーネ、一緒にお風呂入らない?」

ヴィーネ「別に、いいわ……、私お皿洗わなきゃいけないし」

ガヴ「……む」

――

ガヴ(私は何を聞いているんだ)チャポ

ガヴ(……何を期待していたんだ)

ガヴ(…………はあ)

ガヴ「めんどうだな……」

――

ヴィーネ「じゃ、じゃあ、寝ましょうか」///

ガヴ(なんでお風呂に一緒に入ろうとして来ないくせに、ここは積極的なんだよ!)

ガヴ「……っ/// わ、私床で寝るからさ。ヴィーネ、ベッドで寝なよ」

ヴィーネ「だ、駄目よ!/// 風邪引くわ!」

ガヴ「私、いっつも床でゲームしているから大丈夫って。むしろ、ゲームしているし」

ヴィーネ「駄目駄目! 今日は私がいるんだから一緒に寝るの!!」

ガヴ「なに駄々こねてんだっ。お前は駄々っ子か!」

ヴィーネ「だって……、ガヴと一緒に寝たいんだもん」///

ガブ「……うっ」///

ガヴ(そんな目で見るなお前悪魔だろっ……)

ガヴ「わ、わかった。けど、こっち見ないで」///

ヴィーネ「う、うん」///

ガヴ(私とヴィーネは背中合わせの形でベッドに潜り込んだ)モゾモゾ

ガヴ(うっ……、これかなり恥ずかしいぞ。背中はぴったりくっ付いているし、離れようとしたら布団からはみ出る)

ガヴ「ヴィーネ、もっと奥に詰めてくれ」

ヴィーネ「む、無理よ」///

ガヴ「これじゃあ寝返り打ったら落ちる。それに、ヴィーネのほうに返ったら恥ずかしいし……」

ガヴ「や、やっぱ、私床で寝る!」

ヴィーネ「やだ!」

ガヴ「ヴィーネ……」

ガヴ(ホント、どうしたんだよ……)

ヴィーネ「……あのさガヴ」

ガヴ「なに」

ヴィーネ「私ね、ガヴのこと好き」


ガヴ「…………そうか」

ガヴ(そうだとは思っていたけどな)

ヴィーネ「驚かないんだ……、私ってわかりやすい?」


ガヴ「そうだな。こっちが恥ずかしくなるくらい」


ヴィーネ「……そう」

ヴィーネ「私って変かな。女の子に恋しちゃうの」

ガヴ「なんでそう思うんだよ」

ヴィーネ「だって……魔界でも天界でも人間界でもさ」

ヴィーネ「女の子は男の子に恋して一緒になるものじゃない。女の子は女の子と一緒にはなれないわ」

ヴィーネ「でも、私はどうしようもなくガヴの事が好きで――」


ガヴ「何、泣いているんだよ。バカヴィーネ」

ヴィーネ「ガ、ガヴこっち見ないでよっ!」

ガヴ「バーカ。お前もこっち向いているじゃん。お互い様」

ヴィーネ「グスッ、ガ、ガヴはどうなの私の事……」

ガヴ「そうだな……」ギュ

ヴィーネ「ガヴ……」


ガヴ「今日は少し寒いからさ、こうさせてよ。それに離れているとベッドから落ちそうなんだ」

ヴィーネ「……ありがとう」

ガヴ(ヴィーネも私を抱きしめてきた)


ガヴ(ヴィーネは泣きつかれたのかすぐに寝た)

ガヴ(いつも怒ってばっかのヴィーネが静かでいるのを眺めるのは安心した)

ガヴ「……私もヴィーネのこと大好きだ」


ガヴ(面と向かって言わないのは気恥ずかしさではなくて、たぶんめんどいからだ)

終わりです。
見て頂いた方、レスくれた方ありがとうです。

ガヴィーネかわいい

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