小鈴「携帯小説?」阿求「そうよ」 (44)

小鈴「そんなものが...ねえ」ハア...

阿求「どうしたのよ、そんな浮かない顔して」

小鈴「...が」

阿求「?」

小鈴「本が売れないのよおおお!!」

阿求「ああ...」

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阿求「私の連載してる小説は?」

小鈴「それは一応売れてるんだけどねぇ...」ハア

小鈴「何とかしてくださいよぉ『アガサクリスQ』せんせー」ビエエエエン

阿求「何とかって...例えば?」

小鈴「もう一作連載してくれたらなあ...って」

阿求「馬鹿言わないでよ」

小鈴「うう....どうすれば...」

阿求「・・・」

阿求「携帯小説の強みとして誰でも作者になれて誰でもそれを手に取れるところ」

小鈴「まあ、確かに」

阿求「それはつまり自分の作品で稼いでるような本業の人は少ない」

阿求「なら人気の作品を作ってる人にその作品を本にしていいか確認を取ればいいじゃない」

小鈴「でも携帯小説をお金を払って本で読みたいって人はいるのかしら」

阿求「お年寄りにはあまり携帯電話は普及してないわよ?」

小鈴「なるほど!携帯を持ってない人を対象に売り物にしてくのね?」

阿求「そういう事」

小鈴「なら、今からいろんな作品を読んで会いに行く人を厳選しなきゃ」パカッ

阿求「それじゃあ、私はもう帰るわね」

小鈴「じゃあねー」



カチカチ   

小鈴「うーん、面白い...確かに面白いだけど...」

小鈴「お年寄りに読ませるには如何せん文章がなあ...」

小鈴(それにおもしろいと思ったやつでも名前の分からないペンネームを使ってて見当もつかない)

小鈴「というか幻想郷にこんなに人っているのー?」ンーッ

総数293 ランキング 新着順

小鈴「ランキング...そんなのもあるんだ...」

小鈴「・・・」カチ...カチ...

小鈴「これは!!?」

次の日

ガラッ

阿求「あら?」

小鈴「うーん...ああ、いらっしゃい」グデー

阿求「どうしたの?」

小鈴「昨日は遅くまで携帯小説読んでて」アハハ

阿求「全く、それで?どの作者に声を掛けるか決まったの?」

小鈴「うん!!『交換恋本』って作品なんだけどね!!」

阿求「!!?」

小鈴「どうかした?」

阿求「え..なんでも」

小鈴「内容なんだけどね...

まず主人公は本屋さんの一人娘で、働きものでお調子者なんだけど、すっごく明るくてどこか憎めないところがあるの。

彼女はある時恋をしてしまう、それは毎日のようにお店に通ってくれるお得意様で良いところの跡取り

恋心は膨らみ抑えられなくなるが、格差的にも叶わないであろうその恋

しかし、実は違った。相手はその娘に会う為だけに自分の足で店を訪ねて来ていたの

幸せな時間、いじらしい二人の関係、そんな二人に迫る大きな障害」

小鈴「そう!!私が憧れていた恋愛そのままだわ!!」

阿求「そ、そう...」ダラダラ

小鈴「ちゃんと聞いてる?」

阿求「聞いてるし...」

阿求「というか聞かなくても知ってて当然というか...」ボソボソ

小鈴「?」

小鈴「とりあえず、私はこの作者『AQN』先生に会わなくちゃ」

阿求「そう....頑張ってね」ダラダラ

小鈴「それより、いいなあこんな恋愛私もしてみたいなあー」

阿求「そ、そう?」チラッ

小鈴「ウチ本屋だしこんな私に会いだけに来るような色白なお金持ちがいないかなあ」

阿求「」イラッ

阿求「今日が期限の本も返したし私は帰るわ」

小鈴「あ、うん、じゃあね」

ガララッ バタン

小鈴「よーし、頑張るぞー!!」

小鈴「さて...まず男か女かだけど」

小鈴「これは女でしょうね内容的にも」

小鈴「後は年齢...」

小鈴「内容は普通に若い子が書きそうなんだけど...」

小鈴「ただ、そうなるとこの文章...明らかに若い子が書く文章じゃないのよねえ...」

小鈴「うーん...」

小鈴「若いのに、厳格な文章...ちゃんと学校も行ってそうな感じだし...」

ガララ

マミゾウ「じゃまするぞー」

小鈴「あ!いらっしゃい、今日も外の本を?」

マミゾウ「おう、たまたま手に入ってな」

小鈴(ん?若いのに...学のありそうな...)

小鈴「すみません、少しいいですか?」

マミゾウ「む?はて...」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

マミゾウ「なるほど、携帯小説」

小鈴「そうなんです!!」

マミゾウ「とりあえず、その作品の内容とは?」

小鈴「俗に言う恋愛小説というものですね」

マミゾウ「ならワシじゃないのう」

小鈴「そうですか...はあ」

マミゾウ「とりあえずその作品のタイトル、内容、筆者のペンネームを教えてくれぬか?」

マミゾウ「ワシもなにか力になれるかもしれん、行きつけの店のよしみじゃ」

小鈴「はい、ええと...

小鈴「といった感じで、これが簡単に抜き出した文章なんですけど」

マミゾウ「うむ...」

マミゾウ(なぜわからんのか、これは明らかに自分の相方のモノじゃろうに...)

マミゾウ(といっても...身内にいるとも思わんか)

マミゾウ(いや?それとも、もう聞いて否定されたのか?)

マミゾウ(なんにせよ、内容から言ってこの子の相方の妄想じゃろうて...)

小鈴「それで、何かわかりました?」

マミゾウ「うーむ....あまり若い者との係わりはなくてのう」

小鈴「そうですか...」ショボン

マミゾウ「・・・」

マミゾウ(かわいそうじゃが、本人に行っても残酷だからのう)

小鈴「うう...幻想郷って意外と広いなあ...」

マミゾウ「....ああ」

マミゾウ「年代的にも、お前さんぐらいなら身近な所からたどってけば辿り着くんじゃないか?」

小鈴「え?」

マミゾウ「ワシら大人にはこんな内容恥ずかしくて書けんわい」

小鈴「それも、そうですね...身近なところから片っ端に...」

マミゾウ(これくらいいいじゃろ)

マミゾウ「それじゃあ、ワシはこれぐらいで」

小鈴「はい、ありがとうございましたー!」

ガララッ

小鈴「身近なところかー...」

小鈴(阿求は一緒にいたから無しとして...)

小鈴「そういや私って意外と友達少ないのよね...」アハハ

小鈴「身近なところなら霊夢さんと魔翌理沙さんって所かな?」

神社 

小鈴「よいしょっとー...」ハアハア

小鈴「意外とこの階段ってキツいのよねー」

小鈴「魔翌理沙さんはよく毎日通ってるわねー」

「・・・・・」モーッ 「・・・・」アハハ

小鈴(何か喋ってる?)



魔翌理沙「お前!!ランキング最下位とか取ろうと思って取れるもんじゃないぞー!!?」アハハ

霊夢「うるさいわねえ!!」

魔翌理沙→魔理沙

魔理沙「悪の組織とヒーローが戦うってwww効果音がガキンとかドガアン!!ってwww」

霊夢「イラッ、というか、なんでこーりんの意味分からん小説にすら負けるわけ?」ハア

魔理沙「なんだ分からんのか?」

霊夢「何よ、説明しなさい」

魔理沙「一応知り合いのよしみでお前はこーりんの小説を読んだんだろ?」

霊夢「ええ」

魔理沙「私もな、つまりこーりんの小説は二回は見られてる」

魔理沙「しかし!こーりんがお前の小説を見ると思うか?」

霊夢「.....無いわね」

魔理沙「つまりそういう事だ」フフン

霊夢「なんかムカつくわね...」プルプル

霊夢「というか、アンタの方はどうなの?」

魔理沙「い!?///」

霊夢「書いてるの?書いてないの?」

魔理沙「わ、私は///書いてないな///」

霊夢「そう?何取り乱してるの?」

文「おや、何か盛り上がってますね」バサバサ

霊夢「文」

文「何か、スクープでも?」

霊夢「そんな事無いわよ」

文「そうですか、下で様子見していた子がいたので聞いてみたんですがねえ」

霊夢「?」

小鈴「どうも...」アハハ

・・・・・・・・・・・・・・
小鈴「という訳なんです」

霊夢「ふむ、それで家に」

魔理沙(私の小説じゃなくて良かった...)

文「その小説なら私も読んだことならありましたけど」

文「携帯小説の商売化ですか...アリですね」パカッ

霊夢「なんか河童が好きな事ね」

小鈴(河童?それに天狗の人も携帯を持ってるんだ...)

霊夢「それにしてもその作品の作者かー、見当もつかないわね」

魔理沙(え!?)

小鈴「やっぱり、無茶ですかねー」

霊夢「意外と幻想郷って広いしねー...あとようk」

小鈴(妖怪?)

霊夢「ごめん、なんでもないわ」

魔理沙(いやいや、マジかこいつらどっからどう見ても阿求ちゃんが作者だろこれ)

魔理沙「いやちょっとm」ハッ

霊夢「...?なによ?」

魔理沙(いや、でも私が同じ立場だったら...)ウーン

霊夢「ちょっと?」

魔理沙「やっぱり何でもないぜ」

霊夢「変なの」

小鈴「そうですか....それじゃあ、失礼します」

霊夢「何か分かったら教えるわね?」

小鈴「ありがとうございます!!でもあまり大そうなことじゃないのでお手を煩わせる程じゃないですよ」

霊夢「そうね、本当に偶然なにか分かったらってことで」

小鈴「はい!」

魔理沙(頑張れ阿求!!)

スタスタ

小鈴(確かにこうやって見ると)


咲夜「はい、それではあんみつも...」


翠香「なに!?良い酒が入っただと?地底で...ふむふむ」


小鈴「意外とそれっぽい人でも携帯を持つようになったんだなあ」

小鈴(これは、もしもの時は...もしもするかもしれない)


スタスタスタ



小鈴「あっ!!『交換恋本』新話来てる!!」


場面はいつもの本屋に始まる。

いつものような甘酸っぱい日々が過ぎていく

しかし、相手の家では頭首が老い先短いと医者に言われたらしく大パニックらしいという噂で内心、穏やかではなかった

口に出せず時間は過ぎていくそして、日が暮れると相手は半身体を表に出し、こう言った

「これからここに私は通えない、おそらく使いの者が来ることになる
  最後に 私はあなたが好きでした。叶わない恋なのは重々承知だった。」

主人公はただ後ろ姿を見送ることしかできなかった。

ショックで一周間ほど寝込む主人公。

そこへ届いたのは吉報などでは無く、相手の家の使いの者が持ってくる返却用の本だった

涙と共に本を開く、一枚...一枚、それは今まで思い出を開くように....



落ちた、一枚の新たな思い出が

「寝込んでいるようですが大丈夫ですか?」

紙を拾い上げた主人公の顔は、いつもの憎めない看板娘がいた

小鈴「んんー!!」グーッ

小鈴「面白かったー!!」

小鈴「というより、良いなー!良いなー!」

小鈴「私もこんな恋してみたいなー!」

小鈴「相手の人も良い文章力してるわよねー!」

小鈴「それは、作者が考えてるんだから当たり前かー!」アハハ

小鈴「...ふう」ハア

小鈴「やっぱり、私はこの人の話を本にしたい」キラキラ

小鈴「というか会ってみたい!!」キラキラ

小鈴「早く、阿求にもこの熱を語りたいなー」

小鈴「そうだ!!そのための携帯じゃない!!」

小鈴「こんな時間だけど、私たちにそんなの言いっこなしよねえ~♪」パカッ

「アハハ ごめん」

    「その時にねー...」

とりま今日は終わり

今度は先になるかも

霊夢は霖之助さんをこーりんなんて呼ばんし魔翌理沙は香霖呼びだバカタレ

>>30
勉強の足りないニワカですまない

もしもそこら辺をまとめてるサイトがあれば誰か教えてください、私の勉強のためにもssの整合性の為にも

次の日

阿求「それで、結局昨日は分からなかったと」

小鈴「うん...」

阿求「」ホッ

小鈴「私の友好関係なんてこれくらい打ち止めよー」ワシャワシャ

阿求「そうね、やっぱり無理だったのよ、意外と幻想郷っt「おじゃましまーす」

文「これ、明日の新聞なんですけど...お取込み中ですか?」

小鈴「いえ、そこまで重要なことじゃないので」

文「そうですか、なら早速説明を」バサッ

小鈴「?」

文「今日の携帯小説ブームに伴い、文々。新聞も連載小説を始めることになりまして」

小鈴「え!?もしかして?」

文「いえ、昨日聞いた作品ではありませんよ、身内に上位の作品を書いてる者がいたので」

小鈴「上位?作品名は?」

文「そこまでは言えませんよ、そういう約束ですので」ニコッ

阿求(完全に脅してるじゃない!)ゾワッ

文「そこで、一応新聞に作者応募の項目を設けさせたので、何か有用な情報があれば」

小鈴「ありがとうございます!!」

文「ではいつものはここに、それでは!これからもご贔屓に」

小鈴「さようなら!」

阿求「なかなか面白いわね」バサッ

小鈴「そうね、主従のイケない恋を書いた三角関係か...」


小鈴「それにしても、同じ発想を新聞に取られるなんて!!」

阿求「なかなかのやり手な雰囲気があったわね」

小鈴「しっかし、こんな大きな規模の新聞でこれをやられたらー!!」

阿求「まあ、二番目のドジョウ狙いも出てくるでしょうね、作者側も企業側も」

小鈴「あんまり時間は掛けていられないか...」ブツブツ

阿求「?」



阿求「・・・」ハア



小鈴『ごめん、ちょっと私野暮用がー...』

阿求『お店はいいの?』

小鈴『うん、今日は他に人いるし』

阿求『そう、それじゃあ、私も帰るわ』

小鈴『じゃあねー』


阿求「・・・」ズキッ

阿求(素直になりたい、しかしなれない、正直になりたい、しかしなれない)

阿求(そんな矛盾だらけの私が)

阿求(素直で正直な真っ直ぐなあの子に惹かれるのは必然で)

阿求(なら、こんな気持ちになるのも必然で)

阿求(一生実らないのも必然で...)

阿求(もしも次に望むことがあれば、彼女がいなければと思いながら...)

阿求(明日また、次の日もまたと、一生こんな時間が続けばいいと)

阿求(また矛盾で思いを馳せる...)

阿求「ふふ...また恥ずかしい詩を考えてしまった...」

メモびっっっっっっしり

阿求「・・・」

阿求「流石にこれはないわ///」クシャクシャ

小鈴「計画は順調...」ピラピラ

小鈴「これでやっとAQN先生に...」フフフ

ピロン♪

小鈴「ん?新話来た!!早いわねぇ」

小鈴「えーと...なになに?」

今日はここまで

二人のやりとりは続く、それはそれまで多くを語りはしなかった二人を近づけていく

他愛無い話は交わせば交わす程に人の確信へと迫る

やがて、主人公は想いを抑えられなくなった「あなたに会いたい、あの言葉の返事を伝えたい」


どうすれば...頭首の状態は決して良いものではなかった

むしろ日に日に悪くなるのが少なる口数に反比例していることが分かる

多くを語っていれば軽く受け流せる言葉も、少ない言葉で呟かれれば重く受け取らざるを得ない

「古くからの付き合いのある由緒ある道具屋、あそこの娘と結婚しなさい」

それは昔から言われていた戯言であった。しかし、会ったことも無い人と結婚などするものか

だが、こうなってはただの妄言では済まされない。

相手は選択を迫られていた、しかし答えは一つしか許されていなかったのだが。


次の日から、本に挟まれた手紙は途絶える

小鈴「・・・」

小鈴(何これ...すっごい気になる終わり方)

小鈴「というか、もう家なんか無視して付き合っちゃえばいいのに」

小鈴「どうせ、二人とも好き同士なんだし」アハハ

小鈴(いやまあ、そういう小説なんだけど)

小鈴「...少し没頭しすぎかも」

小鈴「なんで、こんな...」

小鈴「そうか、そういや私も....

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