渋谷凛「寒い」 (36)

アイドルマスターシンデレラガールズの二次創作SSです

原作のキャラとの乖離がヒドイですが、読んでいただけるとありがたいです

寛大な心でご覧ください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486304986

二月に入って、アイドルにとっては忙しい日が続く。

新曲や雑誌モデル、CM出演

仕事が多いのはうれしいけど、こうもぎっしりだと休む暇もない

それに、どこもかしこも節電うんぬんで常にうっすら寒い、冷え性には、ちとつらい

どれもこれもバレンタインがあるからだ、おのれ、バレンタイン

「もっとさー、ゆっくりすべきだよ、日本人はさ」

移動中の車内で、同じ現場に向かう杏がひとりごちる

「あと二週間もあるんだからさー、間に合うって、ぜったい」

プロデューサーは「お前が休みたいだけだろ」なんて言ってるけど

正直、杏の言い分に、ちょっとだけ同意だったりする

外の温度計は、氷点下0度を指していた、寒いわけだ

バレンタインが近づくと、家の方も繁盛する

「やっぱり一番人気はバラか」とお父さんが言っていたのを聞いた

・・・バラか、私なら、何を渡されると嬉しいかな、と少し考えたけどパッとした答えは出なかった

なんだろうかな

2月10日、外から帰ってきてマフラーを解いている私に、卯月がこう聞いて来た

「凛ちゃんは何のお菓子が好きですか?」

なるほど、直接聞いてくるのか

一瞬とんちんかんなお菓子を言って困らせてみようかと思ったけど、それは未央がやるだろうし、やめておこう

おかし、お菓子、うーん、やっぱり

「やっぱり、チョコレート、かな」

私はビターなものが好きだ、けど、そこまで指定するのも野暮かと思ってやめた

そうか、私がもらうこともあるのか、と今更気づいて、少しバレンタインが楽しみになった

その楽しみな気持ちもも数分で覚めてきた

「しまむーからのお菓子のおたずね、しぶりんはなんて答えたのかなー?」

卯月からの質問を聞いた後であろう未央が、にやけながら聞いて来た

「私はチョコレートって答えたよ、未央は?」

「私はかりんとうって答えた!あせるしまむー可愛かったよ~」

想像通りの展開ですこし笑いそうになる、見てみたかったな

「けどお返しはどうしよっかな~、どうせならスッゴイ豪華な・・・ってしぶりん?」

当たり前のことを忘れていた

貰うってことは返さないと

そんな義務的なものではないとわかっていても、やっぱりお礼はだいじだ

それに、卯月にはいつもお世話になっている、しっかりと返さないといけないだろう

どうしよう

「お~い、渋谷さ~ん、渋谷凛さ~ん」

「あ、うん、どうしよっか、な・・・」

「いや~そんな深刻に考えなくても大丈夫だと思うよ?なんなら一緒に買いに行こうか?」

「・・・いや、いいよ、自分で考えてみる」

「がんばれしぶりん!」

よし、まずはデパートに行ってみよう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「しぶりん大丈夫かなー・・・あの顔はお返しするって発想も無さそうだったしなぁ」

「念のため情報を送ってあげよう、あっおーい!しまむー!」

まいった、早速課題が見つかった

移動中、未央から、卯月の好物についてLINEが来た

『しまむーの好きなもの、生ハムメロンだって・・・
 どうするしぶりん?』

まさかお菓子であるかどうかも怪しいものが出てくるとは思わなかった

それに、味がわかるならそれに似た何かを探せばいいけれど、残念なことに味を知らないし、今後知ることもないだろう

・・・好きなものからたどるのはやめよう、まっとうに私もチョコレートを買おう

デパートに入ると、寒い外との温度差で、大きく息を吐いた

・・・まいったまいった、どうしよう

チョコレートが、ない

まだ4日前だというのに、在庫すらないという

『もっとさー、ゆっくりすべきだよ、日本人はさ』

まったくもってその通りだと思う

今ないとなると、卯月はどうするつもりなののだろう

まあ、なんとかしてるんだろう、多分

一旦、デパートから外に出る、同時に強めの風が吹いて来た

相変わらず、今日も寒い

さて、どうする

家に帰って色々とネットで調べてみたけど、なかなかいいものが見つからない

花・・・ダメだ、流石に恥ずかしすぎる

うーんうーんと頭を抱えていると、未央からLINE

『しまむー手作りだって!しぶりんもそうしてみたら?』

それは教えてもらっていい情報なのか怪しんだけれども、ちゃんといいよとは言われてるらしい

なんでも、かりんとうを手作りしようとしたけれどなかなか厳しいので

『チョコでもいいですか・・・?』

とLINEが来たらしい

手作りか・・・ちょっと探してみよう

「ん、これいいかも」

よさげなものは、案外早く見つかった

部屋のストーブが灯油切れの音を鳴らす

音が無くなった部屋は、それだけで寒いような気がした

2月14日、バレンタインデーである

結局この四日間、仕事が多くて卯月とも未央とも会えなかった、

何とか空いてる1時間くらいで集まって、交換し合おうという話になった

・・・大丈夫だろうか、なんとか色々がんばって作った「コレ」は

ドキドキしながら、ふたりを待った

・・・早く来すぎちゃったかもね

「あっ凛ちゃん!おはようございます!」

「おはよう、卯月」

先に、卯月がきた二人で仕事が忙しいこととかの話をしていると、二人の携帯が鳴った

ニュージェネで作ったグループLINEだった

『確実に遅れるから先にお二人で楽しんでて!』

何となく予感はしていたのは内緒の話だ

さて、交換の時間が来た

ともだちどうし、いつものお礼、お菓子の交換・・・

頭の中で理由を重ねるけどそれでもドキドキする、恥ずかしい

「じゃあ私からですね!はいどうぞ!」

「ありがとう、開けてみてもいい?」

「どうぞどうぞ」

「それじゃあ」

卯月の作ったチョコは、トリュフチョコだった

普通の色のチョコ、真っ白のチョコ、真っ黒のチョコ

それらがごろごろとハートのパッケージに陣取っている

すこし色がまざったり、かけたりしていて、手作り感がよく出ていて、とてもおいしそうだった

実際、とてもおいしかった

「未央ちゃんが『しぶりんもおかし用意してるって!』と聞いたんですけど、本当ですか!?凛ちゃんの作ったお菓子、初めてなので楽しみにしてたんです!」

「用意、うん、大丈夫、持ってきてるよ」

大分ハードルが上がっていたようだ、未央にはあとで何かしらしておこう

さて、いよいよだ、腹をくくろう

「はい、どーぞ」

「ありがとうございます!開けてもいいですか?」

「いいよ、できれば感想も聞かせてほしいな」

「もちろんです!それじゃあ早速・・・」

うう、大丈夫かな

「わあ・・・!キレイ!きれいですよ!凄いです凛ちゃん!」

見た目は、喜んでもらえたようだ

私が作ったのは、アップルパイだった

ただのアップルパイではなく、「バラのアップルパイ」という、バラをかたどったお菓子

「食べるのがもったいないくらいです!これ一人で作ったんですか?」

「いや、愛梨に手伝ってもらったよ、ぜひ味の感想も欲しいな」

アップルパイが得意だという愛梨に手伝ってもらったりしたけど、いろいろと大変な道のりだった

それだけに、口に合うかとかの心配も大きかった

「美味しいです!アップルシードも、パイ生地も!もしかしたら今までで一番かも!」

「そんな・・・愛梨のレシピと手伝いのおかげだよ」

「そんなことないです!」

急に私の手をとってくる卯月

とても、しんぞうに、わるい

「手伝いがあっても、作ったの凛ちゃん何ですから!」

「それに、とってもおいしいものを作るのはレシピだけじゃないんですから!」

「とってもおいしかったです!ありがとう、凛ちゃん!」

多分、このときの私は、耳元まで真っ赤だっただろう

未央に見られなくて本当に良かったと思う

「おやおや~お熱いですな~おふたりさ~ん」

見られてた、くそう

「未央ちゃん!お疲れ様です!現場は終わったんですか?」

「ちゃんみおパワーで全力進行!ちゃんと終わらせてきたから大丈夫だよ」

「・・・案外早かったんじゃない?終わるの」

「いやぁ~しぶりん的にはもっと遅かった方がよかったかな?」

「別にー」

「まあまあ、チョコをあげるから機嫌を直したまえよ渋谷くん、はい、しまむーにも」

「ありがとうございます!」

「・・・ん」

「さーて、私へのお菓子はどこかなー?」

「あ!そうでした!はい、どーぞ」

「ありがとー!しまむーはいい子だなあ、さて、そこのいい子は私にはないのかな?」

「・・・はい、どーぞ」

「おぉ~あのクール娘がこんなに優しくなって・・・わたしゃうれしいよ・・・」

「やっぱ返して」

「あぁっ!待って待って!嬉しいよしぶりん、ありがとう!」

・・・実際問題、未央がいなければ卯月にアップルパイを渡すことも、てを握られることもなかっただろう

「・・・こちらこそ」

「へ?」

「ふぇ!?」

「しまむーが・・・私に・・・お礼を・・・」

「あぁっ!未央ちゃーん!しっかりしてくださーい!」

ワイワイと騒ぎながらふと思う

私が、渡されて嬉しいものは、花とか、チョコとか、そういうものじゃなくて

こんな感じの「あったかさ」かなあ

おわり

これ地の分いらねえな?

ところで◆9IiwWr6nWでちょろちょろ書いてたりするので、もし見かけたらよろしくお願いします

最初にレズ注意って書いてたらもう少し寛大な心で見れたんだがな
さすがに確信犯はな

おまけ

「ごめんね愛梨、いきなりこんなこと頼んじゃって」

「いいんだよ、私もアップルパイを評価されて嬉しいし」

「じゃあさっそく・・・何で脱いでるの!?」

「袖がじゃまだし、汚れるからね♪それになんか暑くない?」

「♪じゃなくて!暑くないし!それに下着まで脱ぐことないでしょ!?」

「ほらほら♪凛ちゃんも脱いじゃおうか♪」

「ちょ、ちょっと・・・」

>>21
ごめんなさい、自分の中ではソフト百合くらいだし許されるべくらいの感覚でした
今度からは気を付けます

乙です


まあ、「次回からはきをつける」
もしくは、「次は無いぞ」
位で堪忍しません?
皆々様。

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