モバP「そしてキャラ崩壊へ至る」 (26)


チッ  チッ


カタカタ…


P「……」チラッ

P「……」カタカタ…

P「……」

P「……」カタカタ…

P「……」カタカタ…

P「……」チラッ

ちひろ「随分と時間を気にしてますね?」

P「……ん。ええ、まあ」

ちひろ「? この後って何かありますっけ?」

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P(……)

P「あー、ちひろさん」

ちひろ「はい?」

P「ほら、ウチの事務所って妙な慣例があるじゃないですか。ソロデビューした時に」

ちひろ「まあ、そうですね。特定のメンバーでしか受けることのできない専用の仕事が回されるようになり、他の仕事が減る。ってやつですか」

P「それです、それ」

ちひろ「それが何か?」

P「それと関係しているというか……まあ原因ってほどでもないんですがねえ」

ちひろ「はっきりしませんね。何の話です?」

P「泰葉、いるでしょ。うちの岡崎泰葉」

ちひろ「? 泰葉ちゃんはソロCDはまだ出してないですが……」

P「いやいや、そういう話じゃないんです」

P「ちひろさん、泰葉の子役時代のことはどれくらいご存知で?」

ちひろ「そりゃあもうよく知ってますよ。テレビにもしょっちゅう出てましたし」

P「そうですね。本人の言うように、プライベートの時間が見当たらない程度には出ていたと思います」

ちひろ「大変だったでしょうねえ。ウチに来たばかりの頃なんか誰も寄せ付けない!って感じで……」

P「誰にも頼らないって感じでね。幼い内から相当しっかりしてたみたいですよ」

ちひろ「というと?」

P「ほら、子役って親の差し金で動いてる、とかそういうイメージよくあるでしょ」

ちひろ「まあ、たしかに。ウチの年少組は基本的にプロデューサーさんの管轄ですが」

P「泰葉の親御さんとは何度も顔を合わせてますが、どうやら泰葉もそういう感じだったみたいですよ」

P「事務所のオーディションは受けさせたけど、降自分達はあくまで一般人の保護者兼熱心なファン。ってスタンスでね」

ちひろ「すると……マネジメントや仕事面でのケアは事務所任せってことですか」

P「そういうことです」

P「酷いときは『自分は人形』……なんて自嘲してましたがね、それはもう真面目で聞き分けの良い子って有名だったそうです」

ちひろ「あの真面目さは生まれつきでしたか」

P「みたいですね。迷惑をかけないように、何でも自分でできるように努めた。だからこそ使われたし、そのガチガチに凝り固まったさまがむしろ子供らしいとウケた」

ちひろ「それでいて演技力は十分」

P「ええ。今で言うなら……芝居に特化したありす、ってところですか」

ちひろ「しかも従順、と。で、結局何の話なんです?」

P「そんで、今の泰葉に繋がるんですがね」

P「残酷ですが、子役には賞味期限ってもんがある。小学校の卒業が近付くにつれて仕事は徐々に減ってくるんですよ」

ちひろ「それでも、まだ芸能活動を続けてたワケですよね?」

P「そういうことです。モデルとして活動、高校に上がってからはアイドル。ウチの事務所にやって来たと」

ちひろ「そしてまあ人が変わっちゃって。良い意味で」

P「ははは……そこがちょっと、ね」

ちひろ「?」

P「この事務所の方針、そして俺の方針はとにかく楽しむことです。何よりも、自由に、楽しむこと」

ちひろ「これまでの環境とはまったく違うってことですね」

P「ええ。そんな事務所だから周りもとびきりの自由人だらけ」

ちひろ「しかも、年下から年上まで皆後輩」

P「だからやっぱり『自分がしっかりしなきゃ』って意思はかなり強かったみたいですよ」

P「たまたま年少組との共演ばかりになったっていうのも影響してたみたいです」

ちひろ「自分で何とかしなきゃという意思は残り続けた、と」

P「そんなところですかね」

P「ところが、モデル時代の後輩が現れた」

ちひろ「えっと……まゆちゃんや、楓さん?」

P「あー……どうなんでしょうね。後輩ってのは悠貴のことです」

ちひろ「ああ!」

P「悠貴はあっという間に事務所に馴染みましたね。本人の希望を叶える方針を重視したっていうのもありますが」

P「それでいて、やっぱり泰葉にはよく懐いてたみたいです」

ちひろ「よく一緒にいましたね」

P「はい。後輩とはいえ見知った顔の与える影響ってのは大きかったようで。徐々に事務所に馴染んでいた泰葉はそこから一気に変わったように見えます」

ちひろ「たしかに、どことなく緩くなったというか……」

P「生真面目さは変わりませんがね。事務所でのびのびするようになりました」

P「で、その悠貴が先にソロデビューした」

ちひろ「あ、やっと話が繋がった」

P「悠貴がね、離れていったワケですよ」

ちひろ「んー……まあ、そうなるんですかね」

P「で、見知った後輩だったもんだから、泰葉にとっての『後輩』っていうのは悠貴になってたんですよ」

ちひろ「はあ」

P「そして、後輩として強く意識してた対象が離れていった結果、タガが外れ――」


ガチャ


泰葉「……」


P「泰葉、戻ったか」

泰葉「はい、ただ今戻りました」

ちひろ「お帰りなさい、泰葉ちゃん」

泰葉「はい」ペコリ

泰葉「……」キョロキョロ

泰葉「……ちひろさんだけですか?」

P「ああ、まあな。20分くらいしたら何人か迎えに行かないとだ」

泰葉「20分、ですか……」ヨイショ、ット




泰葉「(つ・ω・)つ」ン



泰葉「(つ・ω・)つ」ン


ちひろ「え、なんですかコレ」

P「さっき言いかけましたが、タガが外れた結果です」

泰葉「(つ・ω・)つ」ダッコー

ちひろ「え……え?」

P「泰葉、ちひろさんが見てるんだが」

泰葉「(つ・ω・)つ」ダッコ!

P「するのか?」

泰葉「(つ・ω・)つ」ン!

P「あー……はい。ただいまの……」

泰葉「ぎゅぅぅぅー」ギュゥゥ

P「……」

泰葉「♪」

P「……はい、おしまい」

泰葉「……ちゅーは?」

ちひろ「!?!?!?!?」

ちひろ「え、ちょ、何言って」

P「いつも言ってるだろ。ちゅーは禁止」

泰葉「え……」

泰葉「……」

泰葉「……」

泰葉「……」ハイライトオフ

P「その手には乗らんぞ」

泰葉「……」

泰葉「(つ・ω・)つ」

P「はいはいおかわりな」ギュウ

泰葉「ふふ♪」


ぎゅぅー


ちひろ「あの、そろそろ説明を要求していいですか」

P「幼少から誰にも頼ろうとしなかった反動ですね」ギュゥ

泰葉「ですっ♪」ギュゥゥー

ちひろ「やだ簡潔」


ガチャ


ガバッ

P「マズい離れろ!」

泰葉「だ、誰ですかね!?」

ちひろ「……あー、アレ」







悠貴「」



悠貴「」


泰葉「」


悠貴「」








ダッ!!!!

泰葉「ああっ待って!? ちがっ、これは違うんです!!」

P「ま、待て悠貴!! チクショウ陸上部だから速ェ!!!!」



おしまい

入院中に思いついた
「そんなことばっか考えてるからお前は入院するハメになるんだよ」と言われるかもしれない
うるせえやい絶対CINDERELLA M@STERの前弾から10弾発売までに1年もかかったせいだい

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