池袋晶葉「逆睹の衣」 (23)

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こちらと同時進行します
池袋晶葉「逆賭の衣」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1486117410/)



~晶葉のラボ~



晶葉「光、少し理科のお勉強をしよう

南条光「どうしたんだ突然?それより例の・・・」

晶葉「まあ、まずは聞いてくれ。話はそれからでも遅くはないはずだ」

光「博士がそう言うなら聞くけどさ」

晶葉「そうしてくれると助かる」

晶葉「では光よ、『質量保存の法則』は知っているな?」

光「ああ!それなら授業で習ったぞ!」

光「化学反応が起こって物が溶けたり別の物に変わっても、重さは変わらないってヤツだろ」

晶葉「その通りだ、きちんと授業を受けているようで安心したよ」


晶葉「ならば『エネルギー保存の法則』はどうだ?」


光「それは聞いたことないな」

晶葉「だが、名前から何となくは察せるだろう?」

光「さっきの『質量保存の法則』のエネルギー版ってこと?」

晶葉「Exactly、そうだな、例えば・・・」


晶葉「ここに文香が淹れてくれた紅茶がある」

晶葉「元々は暖かかったのだが、今は冷めてしまっている」

晶葉「さて、紅茶がかつて持っていた熱はどこに行ってしまったのだろうね?」

光「そりゃあ無くなっちゃったんじゃ・・・いや、違う、エネルギー保存の法則か!」

晶葉「そう、よく気付いた」

光「無くなってないってことは別のどこかにあるはずだから・・・」

光「わかったぞ、周りの空気を暖めるのに使われたんだな!」

晶葉「正解だ。質量保存の法則と同じく、エネルギーもまた何らかの現象が起こる前と後を比べても、その総量は変わらない」

晶葉「この部屋が完全に密閉、断熱されていると仮定するなら、紅茶が冷める前と後を比べても、室内の熱エネルギーの総量は同じということになる」


晶葉「では次は質量とエネルギーの関係性についてだ」

晶葉「かの天才物理学者アルベルト・アインシュタインはある論文の中でE=mc^2という式を以て質量とエネルギーの等価性を示した」

光「とうかせい?」

晶葉「等価交換の等価だよ、つまり同じ価値があるという意味だ」

光「ま、待ってくれ!急に難しくなったな・・・」

晶葉「まあ私も専門ではないのでほんのさわりの部分を知っているだけだ」

晶葉「心配しなくても、わかりやすいように要点をかいつまんで話すさ」

晶葉「この世には様々な現象があるな」

晶葉「燃える、氷る、爆発する、蒸発する、溶ける・・・」

晶葉「質量保存の法則に従うなら何が起ころうと重さは変わらないはずだが、ある現象が起こったとき、この法則が崩れてしまう」

光「え、そんなことがあるのか?」

晶葉「うむ、それが起こると反応後は軽くなってしまうのだ」

光「じゃあその軽くなった分はどこに行ったんだ?」

晶葉「質量からエネルギーに変換された、と考えると矛盾がなくなるわけだ」

光「なるほど、さっきの質量とエネルギーの等価性ってそういうことか!」

晶葉「うむ、E=mc^2という式は、質量がエネルギーに変換されるとこれくらいの数値になる、というのを表したものだ」

晶葉「さて、質量をエネルギーに変換する、この現象を利用した最たる例を知っているかな?」

光「うーん・・・さっぱり」




晶葉「原子爆弾だ」



光「い、いきなり物騒な話になったな!」

晶葉「正直、ここでこの話をするのは不謹慎かもしれないが、具体例がある方が理解しやすいので敢えて言おう」

晶葉「原子爆弾はプルトニウムが核分裂反応を起こした際の質量欠損を利用して大規模な熱エネルギーを発生させる兵器だ」

晶葉「第二次世界大戦においてこれが日本の広島、長崎に使用されたことはもちろん知っているだろう」

光「ああ、当然だ・・・あんな物は二度と使っちゃいけない」

晶葉「そうだな、都市一つを簡単に壊滅させるような物は使ってはならないし、作ってもいけない」


晶葉「さて、話を戻そう」

晶葉「その原子爆弾だが、どれ程のプルトニウムが使用されたかは知っているかな?」

光「あれだけの破壊力となると、100キロや200キロなんてもんじゃなさそうだな」

晶葉「それが驚くべきことに・・・」




晶葉「たったの6キロだ」



光「6キロ!?600とか6トンの間違いじゃなくて!?」

晶葉「うむ、6キロだ」

光「信じられないな・・・やっぱり核兵器は恐ろしい物だ」

晶葉「先程、質量とエネルギーは等価だと言ったな」

光「う、うん」

晶葉「すなわち、プルトニウム6キロ=核爆発のエネルギーであると言える」

晶葉「逆に言えば、だ・・・」


晶葉「仮に原子爆弾とは反対に、エネルギーを質量に変換する技術があったとして」

晶葉「都市を壊滅させるほどの莫大なエネルギーを以てしても、たった6キロの物しか作ることができないということだ」


光「え・・・あ!!たったのそれだけか!?」


光「今までの理屈からして確かにそうなるはずだけど、何か物凄く納得いかないぞ!」

晶葉「私もそう思ったさ、だがこれは確かな理論に裏付けられた厳然たる事実だ」

晶葉「無から有を生み出すということはそれほど難しく、そして莫大なエネルギーを要する」


晶葉「では次の議題に移ろう」

光「ま、まだあるのか?」

晶葉「うむ、続いては空間についてだ」

晶葉「ブラックホールとは何か、説明できるかな?」

光「えーっと、宇宙にある何でも飲み込んじゃう穴?」

晶葉「概ねその認識で間違いないだろう」

晶葉「ではブラックホールはどのようにして出来るのか?」


晶葉「星には重力がある」

晶葉「厳密に言えば、質量を持つものは全て重力がある。そして質量が重ければ重いほど重力は強くなる」

光「あ、重力って読んで字のごとく重さの力ってことだったのか」

晶葉「ふむ、科学用語の日本語訳はいい得て妙なのが多くて中々面白いな」

晶葉「さておき、太陽などの恒星は地球よりも遥かに重く、当然重力も強い」

晶葉「こういった高質量の星が寿命を迎えて崩壊する際は様々な過程を経て、最終的に極めて重力が強い状態になる」

晶葉「その重力により際限なく周囲の物を飲み込みさらに密度を増し、重力が更にもっととてつもなく強くなったもの」

晶葉「それがブラックホールが出来る原因だ」

晶葉「では重力が空間に与える影響について説明しよう」

晶葉「光、まずはトランポリンを思い浮かべて欲しい」

晶葉「そこにピンポン玉を置くとどうなるだろうね?」

光「うーん、軽すぎて何も起こらないんじゃないか?」

晶葉「だろうな。今度はボウリングの玉を置いてみよう」

光「さすがにその重さならゴムが伸びて玉が沈んでいくな」

晶葉「では玉を星、玉の重さを重力、そしてトランポリンを空間に置き換えて考えてみてくれ」

光「つまり、重力が強いと空間が歪むってことか?」

晶葉「その通りだ。通常の天体ならトランポリンを少々沈ませる程度で済むが」

晶葉「先程の重い星が崩壊した末に出来る超高重力状態だと、重力が強すぎてどこまでも沈む・・・それこそ永遠にな」

光「底なしのアリ地獄みたいなものか?」

晶葉「ふむ、そんな感じに考えてもらえばいい」


晶葉「重すぎる玉によってトランポリンに出来た底なしのアリ地獄、それこそがブラックホールの正体だ」

晶葉「SF映画やアニメでは、空間を歪めるだとかワープ航法、異次元への入り口を作るなどといった言葉が気軽に使われるが」

晶葉「実際にそれを実現しようとすれば太陽が自壊するほどのエネルギーと質量が必要となる、ということだ」

光「うん、何となくだけどわかったよ」


晶葉「さて光よ、そろそろ私が何を伝えたいのか、察しているのではないか?」

光「ああ・・・でもアタシは博士なら出来るって、そう思ったから頼んだんだ・・・」

晶葉「君が私を信頼してくれるのは嬉しい。それでも私はこう言わねばならない」






晶葉「変身ベルトは諦めたまえ」

光「やっぱり!!!」


光「どうにかならないのか、博士!?」

晶葉「ああ、さっきの授業で語ったように」

晶葉「何らかのエネルギーを使って瞬時にコスチュームを作って身に付けるだとか」

晶葉「ワープ装置で鎧やパワードスーツを転送してきたりだとか、肉体そのものを変化させて巨人になったりだとか」

晶葉「そういう超常的な技術を再現する変身装置は無理だ!」

光「そ、そんなあ・・・博士は諦めるのが嫌いなんじゃなかったのか!?」

晶葉「ええい、私とて不本意なのだ!」

晶葉「だが理想に技術が追い付いていない以上、どこかで妥協せねばなるまい」

光「そうか・・・他ならぬ博士が言うんだ。なら本当に無理なんだろうな」

晶葉「まあそう沈んだ顔をしないでくれ」

晶葉「私が無理だ無駄だと喚くだけの人間ではないことは光も知っているだろう?」

光「ということは、まさか!」

晶葉「ちゃんと建設的な妥協案を用意してある」

光「さすが博士だ!!」

光「で、一体どんな発明なんだ?」

晶葉「ふむ、一口に変身と言ってもヒーローによって様々なスタイルがあるな」

晶葉「その辺りは光の方が詳しいだろう」

晶葉「だがどの変身スタイルも結果だけを見るならば、『短時間で見た目が劇的に変化する』という共通点がある」

晶葉「要はそこさえクリアしたなら、プロセスや使用された技術がなんであれ、周囲には変身したように見せることが可能だ」

晶葉「今回の発明に当たり、私はあるヒーローの変身スタイルを参考にした」

光「そのヒーローとは一体・・・?」


晶葉「『大いなる力には大いなる責任が伴う』、その言葉を胸に」

晶葉「自らの幸せを犠牲にして戦う偉大な男」

晶葉「マーヴェル界きっての庶民派ヒーロー、その名も・・・」




晶葉・光『スパイダーマン!!』

光「彼は凄いカッコいいよな!クモの特性を活かしたアクションはもちろんだけど、何よりあの信念だ!」

晶葉「うむ、あの生き方はそうそう真似できるものではないな」

晶葉「さておき、彼の変身スタイルについてだ」

晶葉「スパイダーマン。その名の通りクモの力を持ったヒーローだが、実写映画での彼のバックボーンはただの庶民だ」

晶葉「警察や軍隊のように組織的なバックアップがあるわけではない」

晶葉「そして彼は超人ではあるが、その能力は怪力や優れた跳躍力、糸を発射、壁に張り付くなど物理的なものばかりだ」

晶葉「魔法や超能力といった便利なものは持ち合わせていない」

晶葉「故に、彼の変身は極めて地味であると言わざるを得ない」

光「う、うん・・・まあそこは・・・そうだな」

晶葉「自作のコスチュームを普段着の下に予め着用しておき、有事の際は物陰で普段着を脱ぎ捨て戦いに挑む」

晶葉「偽装を取り払うことで真の姿を現す、というスタイルだな」

光「そう表現すると何だかカッコいい気がする!」


晶葉「そのスタイルを参考に作ったのがコレだ!」

光「・・・ポーチ付きのベルトに普通の服とペンライト?」


晶葉「では概要を説明しよう」

晶葉「まずは当然ながらその服とベルトを着てもらう」

晶葉「光、服をよく見てくれ。様々なところに目立たないようファスナーが仕込まれているだろう?」

光「うん、たくさんあるな」

晶葉「次にペンライトを使用すると強い光を放ち周囲の人間の目を眩ませる」

光「あ、これは本当にライトなんだ」

晶葉「うむ、同時にベルトのポーチに仕込まれたモーターのスイッチにもなっている」

晶葉「このモーターはファスナーとワイヤーで繋がっていて、起動すると自動的にファスナーが開放され服がバラバラになるのだ」

晶葉「服はそのままモーターに巻き取られポーチに収納される、という訳だ」

光「なるほど、さっき言った『偽装を取り払うことで真の姿を現す』ってのが一瞬で出来る装置なんだな!」

晶葉「まあそんなところだが、もちろんデメリットもある。スパイダーマン同よ・・・」


光「凄いじゃないか!これはもう普通に変身ベルトと言ってもいいんじゃないか!?」


晶葉「光、わかっているとは思・・・」

光「よし、早速試そう!更衣室で着替えてくる!」ダダダッ!!ガチャバターン!


晶葉「ふーむ、予想通り最後まで説明を聞かなかったか・・・」

晶葉「まあ何かに夢中になるとどこまでも突っ走る性質は彼女の美点ではあるのだが」

晶葉「これを機に少し落ち着く癖を付けてもらうとしようか・・・」




光「よし、準備完了だ!!」ガチャバターン!

晶葉「ああ、早かったな」

光「それじゃあ博士、見ててくれ!」



光「行くぞ!これが私の・・・」



木場真奈美「やあ晶葉くん、失礼するよ」

晶葉「あ!待て、ひか・・・」




光「変身ッ!!!」


ピカッ!!



真奈美「な、何だ!?」



真奈美(いや、こういう時こそ冷静に勤めねば・・・何が起こっているのか考えてみよう)

真奈美(晶葉くんのラボというロケーションにヒーローに憧れるアイドル・南条光)

真奈美(そして変身というキーワード。恐らく光くんが晶葉くんにヒーローに変身するための道具の発明を頼み)

真奈美(丁度その実演テストを行っている、といったところだろう)

真奈美(すなわち、この眩しさが治まった時、ヒーローのコスチュームを纏った光くんが現れる!)





真奈美「だが、ふむ・・・・なぜ私の目にはパンツ一丁の光くんが映っているのだろうね?」





光(半裸で決めポーズ)「・・・・・・」


晶葉「やはりこうなったか・・・」

光「は、は、博士!これはいったい///」

真奈美「これは・・・晶葉くん謹製の変身装置の実験は失敗・・・ということでいいのかな?」

晶葉「実験そのものは成功だ。私が作ったのは変身ベルトではなく・・・」

真奈美「ああいや、待ちたまえ。皆まで言うな。この状況と君の呆れた表情でおおよその察しはついたよ」

真奈美「そう、晶葉くんが作ったのは変身装置ではなく『早脱ぎ装置』といったところだろう?」

真奈美「ベルトに何らかの仕掛けがあって服を一瞬で脱ぐことが出来る」

真奈美「ただあくまで脱ぐだけの装置なので、変身したように見せるには予めコスチュームを下に着ておかなければならない」

光「あ、そういうことか!」

晶葉「その通り。言ったはずたぞ、スパイダーマンの変身スタイルを参考にした、と」

晶葉「渡したベルトと服だけで変身が成立するとは言っていない」

真奈美「光くんは気が逸るあまりその説明を最後まで聞かず、下に何も着ないまま装置を使用してしまい・・・」

晶葉「このザマ、というわけだ」

真奈美「何か訂正する箇所はあるかい、光くん?」



光「・・・返す言葉もない」


真奈美「光くん、君の前へ前へと突き進む姿勢は敬意に値するよ」

真奈美「だが少し立ち止まり、周囲の声に耳を傾けることも時には必要だと私は思うよ」

光「うん、アタシは焦り過ぎてたのかもしれないな」

光「これからはちゃんと落ち着いて人の話を聞くよう心掛けるよ!」

晶葉「フフッ、私のセリフを取られてしまったな」

真奈美「おっと、それはすまないことをしたね」

晶葉「いや、構わないさ。やはりこういうアドバイスは大人から伝える方が説得力があるものだ」

晶葉「ところで私に何か用があるのでは?」

真奈美「ああ、そうだった。杏くんを見なかったかい?」

真奈美「もうすぐレッスンの時間だというのに見当たらないのだよ」

晶葉「またサボるつもりか・・・上の階に使われなくなった会議室があるだろう?」

真奈美「あの半分物置になった部屋かい?」

晶葉「うむ、杏は最近あそこで昼寝がお気に入りのようだ」

真奈美「そうか、ありがとう。探してみるよ。ではまた」

晶葉「ああ、また」

光「またな、真奈美さん!」


晶葉「さて光、いつまでもそんな格好でいるわけにもいかないだろう」

光「うん、でもアタシの服は更衣室のロッカーに置いて来ちゃったし」

光「モーターで巻き取った服を元に戻すのも時間がかかりそうだな」

晶葉「安心したまえ、全ての説明を終えたあとにこれを渡すつもりだったのだ」

光「アタシのライブ衣装か!」

晶葉「助手に頼んで予め借りておいた。それでロッカーまで服を取りに行くといい」

光「さすが博士だ、準備に抜かりがない」

晶葉「とはいえライブ衣装で歩き回るのは目立つな・・・ふむ、宣材写真の打ち合わせのために着ている、ということにでもしておこうか」

晶葉「助手にも口裏を合わせるよう頼んでおくから、誰かに突っ込まれたらそう答えるといい」

光「いや、いいんだ博士」



光「自分の失敗を隠すためにつまらない嘘はつきたくない」


晶葉「フフッ、そうか。君は強いな」

光「ああ、なんたってヒーローだからな!」

晶葉「それでこそバックアップする甲斐があるというものだ」

光「博士、ベルトと衣装ありがとうな!じゃあ着替えてくる!」

ガチャバターン!




晶葉「ふむ・・・ああいう純粋な笑顔が見れるなら、博士というポジションも存外悪くないものだな」


光「・・・」スタスタ

光(せっかくライブ衣装を着たことだし、何かヒーローっぽいことをしておきたいな)



タスケテー!



光「む!?誰かが助けを呼ぶ声がする!」

光「待っててくれ、すぐに行くぞ!」ダダダッ!!


杏「助けてー拉致されるー!」ジタバタ

真奈美「人聞きの悪いことを叫ばないでくれ、まったく・・・」ズルズル

光「あ、なんだ、杏さんと真奈美さんか」

杏「丁度良いタイミングで正義の味方が!助けてよ光ー」

真奈美「光くん、わかっているとは思うが・・・」

光「うん、さっき博士のラボでも言ってたな。杏さんがレッスンをサボろうとしてるから強制連行中・・・でしょ?」

真奈美「ああ、そういうわけさ」

光「悪いが杏さん、怠け者の味方は出来ないな」

杏「そんなー」

光「そうだ、丁度今体を動かしたい気分なんだ!アタシもレッスン付き合うからさ、杏さんも頑張ろう?」

杏「もーわかったよ。やればいいんでしょやれば!」

真奈美(そう、悪を排除することだけが正義ではない。時には歩み寄り、話し合うことも必要だ)

真奈美(またひとつ成長したようだね、光くん)


杏「ところでなんでライブ衣装なんか着てるの?」

光「実はかくかくしかじかで失敗しちゃってさ」

光「危うくパンツ一枚で歩き回る羽目になるところだったんだ!ハッハッハ!」

杏「ふふ、光らしいっちゃらしいね」


真奈美(自らの恥ずべき失敗を包み隠さず、笑い話に出来る度量・・・彼女は本当にヒーローになれる器かもしれないな)


~レッスン後・更衣室~


真奈美(ふう・・・今日は特に充実したレッスンだったね)

真奈美(皆が光くんのやる気に引っ張られていつも以上に良い動きをしていた)

真奈美(ヒーローを志すというのは、侮れないほどのモチベーション向上をもたらすのかもしれないね)



真奈美「ふむ・・・私もひとつ試してみるとしようか・・・」




真奈美「変身!」

シュバババババ!

真奈美「完了!」キリッ!



真奈美「・・・着替え完了までおおよそ7秒半か、本物のヒーローの変身には程遠いな」






杏「なにやってんの真奈美さん?」ニヤニヤ

真奈美「!?」



おわり


以上。
何か理由を付けて光を脱がせたかったわけでは断じてない。
どちらかと言うと色々着せるほうが好きです、はい。
ともあれ、池袋晶葉は光の博士カワイイ、それだけ伝われば十分だ。

過去作宣伝

基本、晶葉のダイマSSです


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