キャンディアイランドの懲りずに毒にも薬にもならないおしゃべり (22)


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります



----社内カフェ----

杏「私はレアチーズケーキと……コーラでいいや」

智絵里「えぇと、モンブランとミルクティーをお願いしますっ」

かな子「うぅ~ん……どっちにしよう……これもおいしそうだし……でも智絵里ちゃんが頼んだモンブランも捨て難いし……」モンモン

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杏「……かな子ちゃん。日が暮れるよ?」

智絵里「モンブラン、少し分けようか?」

かな子「えっ、いいの? ……って、そんな。それは悪いよぉ」ブンブン

菜々「あはは……いっそのこと、両方頼んじゃってもいいんですよ?」

かな子「そっか……よし! 決めました!」

かな子「モンブランと、このラズベリーのタルトと、それからガトーショコラで!」

杏「増えてるし」

智絵里「あの……本当に、半分分けるくらいなら別に……」

かな子「いいのいいの。あ、飲み物はカフェラテでお願いします~!」

菜々「かしこまりましたー! 少々お待ちくださいねっ」

<オーダーハイリマース

杏「……一応聞くけど、カロリー大丈夫?」

かな子「えー? 美味しいから大丈夫だよ~♪」

智絵里「さすが、かな子ちゃん……」

杏「甘い物は別腹……とはいうけど、かな子ちゃんは別腹たくさん持ってるよね、きっと」

智絵里「牛さんみたいですね」

杏「いや、牛さんの胃袋はそういう役割じゃなくない?」

智絵里「そっか」

かな子「もぉ~、二人とも大袈裟だよ! ……ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ食べ過ぎかもしれないけど……」

杏「あ、今の『もぉ~』は牛っぽい」

かな子「ちょっと、杏ちゃんったらぁ」

智絵里「でも、牛さんって穏やかで優しそうで、結構かな子ちゃんに雰囲気合ってると思うけどな……」

かな子「そ、そうかな?」

杏「あー、それは分かる」

杏「あと胸も……いやゴメン。何でもない」

智絵里「杏ちゃん?」

かな子「どうしたの?」

杏「胸焼けしないか心配って言ったんだよ」

かな子「ふふっ。杏ちゃん、最近ちょっと心配症になった?」

智絵里「私がいつも、お仕事で心配かけちゃうから……」

杏「いや、それについてはもうそこまで心配してないってば」

杏「智絵里ちゃんがやればできる子だってのは、もうじゅーぶん分かってるからね」

かな子「うんうん」

智絵里「え、えへへ……ありがとう」テレテレ

智絵里「……あっ。それはそうと、ひとつ思うことがあって」

杏「んー?」

智絵里「ここのカフェに来ると……あの時のこと、思い出さない?」

かな子「そういえば……あのあたりだったっけ? みくちゃんや杏ちゃんが、テーブルでバリケード作ってたの」

杏「……あー、あったねぇ、そんなことも」

智絵里「うん、あの時は私、どうしたらいいか分からなくって……」

智絵里「ごめんね、杏ちゃん。何もできなくて」

杏「いや、杏に謝られてもさ。あの時は、"ストライキ"っていう響きに惹かれて、ノリで参加してたようなもんだし……」

かな子「あはは、確かに、杏ちゃんだけ主張の内容が違ってたよね」

杏「そうそう。あの時の週休八日の要求は、未だ通らずだよ……」ハァ

かな子「それを通すには、まず一週間を八日間に増やすところから始めないと……」

智絵里「そ、それは大変だね……」

杏「杏的には、第一日曜日と第二日曜日を作れば週八日でみんな幸せだと思うんだよね」

杏「ハッピーな日曜日が二つになって、まさにHappy×2 Days ってね」

智絵里「な、なるほ……ど?」

かな子「でもアイドルのライブなんかは、むしろ休日の方にあるよね」

杏「うぐ。……うーん、やはり労働からは逃れられないとでもいうのか……?」

智絵里「でも、お仕事を貰えるのは嬉しいよ? 特に、キャンディアイランドでのお仕事は」

かな子「だよね! いろんな人達と一緒にお仕事させてもらったけど、やっぱり二人と一緒だとホッとするもん」

杏「……またそういう殺し文句をポンポン言うんだから」

菜々「お待たせしましたー♪ こちらレアチーズとモンブラン、コーラとミルクティーでーす!」コト

智絵里「あっ、ありがとうございます」

菜々「かな子ちゃんの分も、すぐお持ちしますね!」トコトコ

杏「さすがにまとめては無理だったか」

かな子「……レアチーズケーキも、おいしそう……」

杏「ちょっと」

かな子「みっ、見てるだけだよ!? 見てるだけ!」

菜々「あぁ、『見~て~る~だ~け~』っていうCM、昔ありましたね! いやぁ、懐かしいですねぇ」

三人「……?」キョトン

菜々「……はっ」

菜々「ンンッ! ……は、はーい! こちらカフェラテと、豪華ケーキ三点セットでございますー! かな子ちゃん、どうぞ!」

かな子「わぁい! ありがとう、菜々ちゃん♪」

智絵里「……あれ? かな子ちゃん、飲み物もふたつ頼んだんだっけ?」

菜々「あぁ、これはナナもちょうど休憩入れようと思ってて、自分の分ですよっ」

杏「なんだサボりかぁ。菜々さん、杏側の人間だったんだ」

菜々「さっ、サボりなんかじゃないですよぉ! ……ただちょーっと、体力的に休憩のスパンが短くなりがちなだけで……」ボソボソ

菜々「あっそうだ! 折角なので、お邪魔じゃなければ休憩の間、お話ご一緒させてもらってもいいですか?」

かな子「もちろん! ね、いいよね? 二人とも」

智絵里「はい! 私も、ウサミンさんとお話したいですっ」

杏「別にいーんじゃない?」

菜々「ありがとうございますー!」ドッコイセ

菜々「ふぅ。皆さん、どうですか? 最近のアイドル活動は」

かな子「少しずつだけどお仕事も増えてきてるし、プロデューサーさんやスタッフさん、他のアイドルのみんなもいい人たちばかりで、凄く充実してるよ♪」

智絵里「まだまだ慣れないこともたくさんあるけど、ファンの人たちに笑顔を届けられるように、頑張ってますっ!」

菜々「わはー……! 二人とも、眩しい! キラキラと輝いて見えますよぉ!」

杏「杏はいつもどーり、だらだらゆるーくやってるよ」

菜々「あらら、一人若年寄みたいな人がいますね」

杏「だって、杏は根本的に働きたくない人だしー」グデー

菜々「ダメですよ杏ちゃん! まだ若いんだから、もっとシャキッとしないと!」

かな子「そうだよ杏ちゃん。ほら、菜々ちゃんだってウエイトレスさんの時も、アイドルの時も、いつでも元気いっぱいだし」

智絵里「前にライブの映像を見させてもらったんですけど、お客さんと一緒に、ウサミンコールですごく盛り上がってましたねっ」

菜々「はいっ! あの時はもう、感動で胸がいっぱいでしたよ……!」シミジミ

菜々「あんな大きな会場でライブができるなんて……アイドルを夢見てウン十年、長い間諦めずに頑張ってきた苦労が報われました……」

智絵里「そんなに……じゃあ、すごく小さい頃からアイドルを目指してたんですね。すごいなぁ」

菜々「あっ!? え、ええ! そうです! なんたってナナは、ナチュラルボーン・アイドルですからねっ! キャハッ☆」

かな子「菜々ちゃんの熱意、私たちも見習わなきゃね。ね、杏ちゃん?」

杏「えー、あの路線を見習うのは、さすがにちょっと……杏はウサミン星人じゃなくて、ただの北海道出身の小市民でいいよ」

かな子「あの、そういう話のつもりじゃなかったんだけど……」

智絵里「でも、いつもうさぎさんと一緒だし、素質はあるかもしれないよ?」

杏「それを言うなら智絵里ちゃんだって、いつだかの仕事でうさぎの衣装着てたじゃん」

かな子「あはは、三人でうさぎユニットができそうだね」

菜々「どうせだったら、かな子ちゃんも一緒にやりましょうよっ! はい、ウーサミンっ♪」

かな子「で、でも私はみんなみたいに、うさぎっぽい要素も無いし……」

杏「ついさっき、牛さん説が出てたところだしねぇ」

菜々「細かいことは言いっこなしです! ほら、かな子ちゃんもこれを付ければ、立派なウサミミアイドルの仲間入りですよ!」スチャ

かな子「わわっ!? これは……ウサミミのヘアバンド……?」ピョコン

智絵里「あっ、かわいい」

杏「……みくちゃんもそうだけど、どうしてそう当たり前のようにスペアミミが出てくるのさ」

菜々「あら~! よくお似合いじゃないですかー!」

かな子「えへへ……なんだか、ちょっと恥ずかしいよ」テレテレ

杏「どう、かな子ちゃん? ウサミン星からの電波、ちゃんと届いてる?」

かな子「えぇと……特にそれらしきものは聴こえないけど……」

智絵里「ウサミンさん。ウサミン星の電波って、具体的にはどんな感じなんですか?」

菜々「うぇえ!? そ、それはですね、なんというかこう、ピピッと……くる、感じ? ですかね?」

かな子「うーん、それだけじゃ分からないよぉ」

菜々「か、かな子ちゃんはまだウサミン星人見習いだから、電波を受信するに至ってないんですよ、きっと!」ウンウン

智絵里「そっか。残念だったね、かな子ちゃん」

かな子「う、うん」

杏「そもそもウサミン星人って、後付けでなれるもんなの?」

菜々「ソ、ソウデスネ……努力次第で、なんとかなる、かも?」

杏「だってさ、かな子ちゃん。頑張ったら、ウサミンビームくらい出せるようになるかもしれないよ?」

智絵里「ビームかぁ……。女の子向けアニメのヒロインみたいだね」

かな子「ふふっ、そうかも」

かな子「こんな感じかな? うさみーん、びーむ! ピリピリーン! ……なんちゃって」


卯月「うわぁぁ!?」ドサッ



かな子「」

卯月「いたた……何もないところで転んじゃいました……」

智絵里「う、卯月ちゃん!? 大丈夫ですか?」

卯月「……あっ!? だ、大丈夫ですっ。お恥ずかしいところを見られちゃいましたね……」エヘヘ

卯月「で、では今から打ち合わせなので、また後ほど!」トコトコ

智絵里「う、うん……」

杏「……かな子ちゃん、今ホントに飛ばした?」

菜々「なんてこと……これはまさに、ウサミンパワーの申し子……?」

かな子「ちょ、ちょっと待ってぇ! 私、フリしただけだよ!? 今の、私が原因なの!?」



おわり


下手にキャラが濃い人を出すと、メインのはずのCIが食われかねないということを書いてて学んだ回でした


前作
中野有香「ツッコんでほしい?」 水本ゆかり「ええ」

毒薬シリーズ
キャンディアイランドのてんで毒にも薬にもならないおしゃべり

も、よろしければどうぞ。

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