【コンマ】崩壊した世界を旅する【安価】 (1000)

コンマによる判定と安価による選択で、崩壊した世界を旅するSSです。
結末はあなたの選択、そしてコンマによる運で決められます。

最終目標はストーリーの展開で変わります。デッドエンドも当然あり得ますが、一応できうる限りキリのいいところまではやるつもりです。
なお、スレ主はスマホから打つため、進行が遅くなりがち&まとまった投下がしにくい点ご容赦ください。

>>2以下、基本的なルール説明とキャラ設定、序章になります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1485168424

ルール設定

コンマは二桁で判定します。数字が小さいほど悪く、大きいほどいいものとします。
また、ゾロ目発生時には特殊イベントが発生します。数字が小さいほど不運なイベント、大きいほど幸運なイベントになります。
例えば50以上で成功判定の場合、55だとちょっとしたボーナス付き、99だと状況を一変させる大ボーナス付きの何かが起きます。逆もしかりです。

なお、00のみ特殊イベントが起きます。直後にコンマの偶奇で再判定し、奇数なら0、偶数なら100で判定します。
ともにストーリー進行を激変させる何かが起きます。

また、安価はストーリーの重要な分岐点で発生します。
賢明な選択か否か、よく考えて選んでください。場合により多数決を取ることもあります。

ルール説明2

旅は地上にあるいくつかの町と、その近郊にあるダンジョンで行われます。
町でのイベントや聞き込みが、ダンジョン攻略の糸口になることもあるかもしれません。
一応ダンジョン踏破は最終目標に入ります…が、かなりの困難を伴います。もちろん、御約束の大ボスもいます。

イベントを通してキャラクターは成長します。強力な武器や防具も手に入るかもしれません。
仲間やヒロインとの交流を通して、世界崩壊の謎を解き明かしてください。

なお、SS初心者のため、地の文やや多目です。ご容赦ください。

では、プロローグに入ります。その後、キャラクター設定を行います。

誰かが言った。その巨穴には魔物が棲んでいると。
決して触れてはならない、起こしてはならない。彼の者が目覚めれば、世界は滅ぶと。

しかし誰かがこうも言った。その洞穴には巨万の富が眠ると。
世界を制しうる、莫大な古代の遺産があると。

故に古来から幾万もの冒険者が、それに挑み続けた。あるものは好奇心から、あるものは私欲から。
またあるものは迷宮に眠る強大な力の源泉を。別のものは遺跡にある世界の救いを求めた。

穴は人々に、世界に恩恵と恐れを振り撒いた。
冒険者が持ち帰った宝物は人々の暮らしを豊かにし、あるときは国を栄えさせた。
だがあるときはおぞましい怪物を地上に招き、国を滅ぼす疫病をももたらした。

……その巨穴は、文明そのものだった。そして世界そのものでもあった。

穴がいつからそこにあったか、誰も知らない。
そして、その底に何があるのかも、誰が棲んでいるのかも、誰も知らない。
それでも良かったのだ。穴は無限の未知と、無限の夢と、無限の悪夢を孕むもの。それだけ分かっていれば良かったのだ。
人々は穴を探索し、追い返され、そしてさらに探索する。その繰り返しこそ、世界の営みだった。



15年前までは。


発端を知るものは少ない。全容を知るものは、さらに少ない。
穴にある、何かを巡って3つの国が争っていたらしい……そう伝えられている。
過去にも宝物を巡る国家間の争いはあった。頻繁ではないが、時折規模はともかくあった。


その争いがこれまでのものと違うのは、それが世界を滅ぼした、その点にあった。


争いに関わる人は、ほぼ死に絶えた。どうして死に絶えたのか、それすら知るものは少ない。
一つ言えるのは、地上に生き残った人は、極めて少なくなったということだけである。

それでも人は生きている。僅かな希望にしがみつきながら。
国が滅びても、富が失われても、愛する人が喪われても。
人は希望がどこかにある限り、生きることを止められないのだ。それが幸せか、不幸せかは別の問題だが。

そして、人は再び穴の元に集い始めた。
希望と欲望と、絶望を胸に。
誰も見たことがない、穴の底に何かがあると信じて、再び冒険者は深い闇の底への旅を始める。

以下、キャラクター設定になります。
その前に簡単なパラメーターの解説を。

HP…言うまでもなく生命力です。コンマ二桁で判定します。
筋力…戦士系なら最重要です。攻撃に関わります。
知力…魔法を使う場合は最重要です。罠判定に関わります。
器用さ…罠解除、回避に関わります。
賢さ…善悪の判定に関わります。人間性の成熟度合いとも言うべきものです。
耐久力…防御に関わります。疫病関連の判定にも関わります。
魅力…人間的魅力、カリスマに関わります。

出自とスタートの設定は後程。

では、これからキャラクター設定に入ります。
まずは名前を決めます。なお、性別は筆者の筆力不足のため男性で固定させて頂きます。ご容赦ください。

安価下~3でコンマの大きいものとします。

シデに決まりました。続いて年齢と職業を決めます。

年齢は安価下のコンマが大きいほど大きく(最大45)、小さいほど小さくします(最低14)。
職業は安価下2で以下のどれかとします。

コンマ下一桁で

1 傭兵
2 騎士
3 聖騎士
4 魔術師
5 プリースト
6 盗賊
7 アーチャー
8 モンク
9 レンジャー
0 剣術家

なお、ゾロ目なら特殊境遇になります。

年齢29のモンク、シデが主人公です。
ただし、年齢ゾロ目なので生まれが特殊になります。
以下のどれかになります。

安価下一桁が
1~3 エルフ(知力、魅力にボーナス)
4~6 魔族(筋力、耐久力にボーナス)
7~9 翼人(賢さ、器用さにボーナス)
0   「一族」の末席(ストーリー進行に影響大、全能力にボーナス)

翼人に決まりました。なお、翼人とはこの世界で天使の末裔とお考え下さい。

また、モンクは筋力と耐久力にボーナスがあります。近距離攻撃が得意で相手を朦朧とさせて行動不能にさせることもできます。
魔法も一部治癒魔法が使えますが、高度なものはできません。

では、ステータスを決めます。
低い場合は振りなおしも可ですが、筆者の判断で打ち止めにすることもあります。
ステータスは最大20ですが、初期値では10プラスボーナス分までにしかなりません。
安価の下1桁をパラメーターとします。
筋力、賢さ、耐久力、魅力が全て1加算されます。

では、決めます。
HP 下1
筋力 下2
知力 下3
器用さ 下4
賢さ 下5
耐久力 下6
魅力 下7

なお、ゾロ目の場合はボーナスで1加算、0は10とします。

シデのパラメーターは以下の通りです。

HP 30
筋力 7
知力 5
器用さ 2
賢さ 12
耐久力 6
魅力 11

HPと器用さがやや低いですが、1回に限り当該パラメーターを再設定できます。ただし変更は効きません。
やりますか?安価下1~3で多数決を取ります。

しないことになりました。

…それにしてもかなりの強キャラです。賢さは相手の嘘を見抜いたり、回復魔法の成否にも関わるため、かなり楽に進むでしょう。
魅力も高いですし、なかなか面白いキャラができました。

続いて重要な設定です。

境遇を決めます。安価下二桁で決定します。
数字が多いほど、初期境遇は恵まれています。ただし、翼人という特殊境遇のため素直に社会的地位となるとは限りません。

安価下でお願いします。

境遇55…
翼人という少数種族の数少ない生き残り。ユングヴィ教団の修行僧として、穴近郊の町アングヴィラで過ごす。
普段は穴から帰る冒険者の癒し手として、診療所を営む。
温厚篤実な人柄もあり、町の人々の信望は厚い。

14の時、災厄の日に遭遇。ユングヴィ教団の既に一員であったが、年若いこともあり教団の首都イーリスにとどまる。
災厄から免れ得たのは幸運でしかない。近郊の田舎町の司祭を訪ねていたため、イーリスをその日に限って離れていた。
旅から戻った彼を迎えていたのは、外傷がない死屍累々の山。親兄弟、友人全てを失い悲嘆に暮れるが、司祭を頼り育つ。

(ゾロ目相当部)
実は彼の親はユングヴィ教団の主要幹部。世界崩壊の秘密も知っていたと見られるが、本人はそれを知らない。

以上の設定で物語は始まります。ゾロ目のラッシュにより、強キャラな上に核心部に迫りやすいポジションの主人公になりました。
彼がどう動き、どう生きるのか。世界崩壊の謎を解き明かし、希望をもたらすことはできるのか。
しばしお付き合い頂ければ幸いです。

なお、シデの性格は境遇やパラメーターを反映させたものになります。
…何となく、北斗のトキっぽい感じになりそうですが…

では、本編スタートです。

今日も、穴から冒険者は戻らなかった。

私は深い溜め息をついた。この世に生きる人々の数は、もはや少ない。
人口千人足らずのこの町ですら、まだ大きい方だ。この町より大きいのはテルモン、モリブスぐらいだろう。
それでも大差はない。世界の隅っこで生きる冒険者をかき集めても、どれだけの人がいるのだろうか。

それでも人は、穴を目指す。かつて、不老不死の長薬や、常に水や酒が涌き続ける波璃瓶がそこにあったという。
ならば、この滅びかけた世界を救う何かがあるのかもしれない。教団の生き残りの一人は、そう言い残して穴入り、戻らなかった。

穴から戻る冒険者もいないわけではない。危険度が低い浅い階層ならば、うよつく魔物は限られている。…ほぼ調べ尽くされた階層だから、得るものも少ないのだが。
ただ、入る冒険者より戻る冒険者の方が明らかに少ない。そしてその多くは、深い傷を心身に負っている。

それを少しでも癒すのが、私の仕事であり、神の御意志なのだ。

私に一緒に穴に入ってくれないかという頼みも少なくない。
ユングヴィ教団。かつて世界でもっとも広く信じられてきた宗教で、世界に平和をもたらす旗手だったもの。
私は翼人として、神の想いを体現すべく様々なことを学んだ。人を癒し、時には罰を与える術も学んだ。
ユングヴィ教団は、翼人が作りしものとされている。だから、神の加護を得んと、冒険者が私をすがることもある。

ただ、私はそれを断り続けた。アングヴィラで傷を癒せる術を持つものは数えるほどだ。
老エイラ尼僧か、医師のハーニスか。しかし、致命傷に近い傷を癒す治癒の術は、私にしかできない。
もし私が死んだなら。誰がこの町を支えるのか。

…それは言い訳なのかもしれない。あの日見た屍の山。それは私に決して避けえない、死への恐怖をもたらした。
だからこうして、理由をつけて穴に行くのから逃げている。そう思うと、また溜め息が深くなった。

溜め息をついたところに、診療所のドアをノックする音が響いた。

誰から?

安価、コンマ判定

01~20 致命傷を負った冒険者を担ぐ村人
21~50 村長
51~70 ギルドの傭兵
71~90 ギルドの魔術師
91~99  旅人

注、安価は直下。

「はい、どうぞ」
「失礼するよ」

白髪のエルフが、部屋に入ってきた。エルヴィン。30ぐらいに見えるが、長寿のエルフ族だけにその倍は生きている。
かつて辺境のトレス森王国にいたと聞いている。災厄で半壊したが、まだ細々とエルフが生きているらしい。
彼は穴の調査のため、そこから遣わされた。エルフへの信望から、今や彼が村長としてアングヴィラをとりまとめている。

「何かご都合でも」
「ああ、世間話をな。あまり愉快な話でもないが」
エルヴィンは苦笑した。私と話したいということは、村の運営のことか。
「とりあえずお茶でも如何ですか」
「すまないね、熱いので頼む」
お茶を沸かし始めると、エルヴィンは軽く部屋を見渡した。
「君が来てからもう5年か、早いものだな」
「ですね。ただ、村の人口はそう増えてはいませんが」
「入ってくる者も多いが、消え行く者も多い。悲しいことだ」
ピーとケトルが鳴いた。熱いハーブ茶をポットに注ぐ。レモングラスの薫りが広がった。

「いつもながら美味いな、ありがとう」
「こちらこそ」
エルヴィンは軽く微笑んだが、それはすぐに真剣なものに変わった。
「そう、村の人口は増えてはいない。最近はむしろ減ってすらいる」
「やはりそうですか」
私も陰鬱な気分になった。穴から宝物を持ち出すには、深い階層に行かねばならない。滅びかけたこの世界で、そのような技量を持つ冒険者はもはや稀だ。
「トレスからの援助も細っている。災厄の日から、土地が少しずつだが確実に痩せていっている。来年か、再来年か。近いうちにトレスも人の住めぬ地になるかもしれん。無論、ここもだ」
アングヴィラの食料は、トレスからの支援とかすかに生き延びた農家からの交易に依存していた。それが絶たれれば、村は滅びる。

「冒険者が持ち帰る宝物も減っています…厳しいですね」
エルヴィンは頷いた。
「そうだ。ギルドにいる冒険者も少ない。テルモン、モリブスも似たようなものらしいが…。そこで頼みがある。君にしか、おそらくできないことだ。穴に入ってはくれまいか」
私は驚いた。エルヴィンがこれ以上真剣な表情をするのを、見たことがない。
「君を失えば、冒険者の傷を癒せる者はいなくなる。それは分かっている。エイラやハーニスを信用してないわけでは、断じてない」
エルヴィンはカップに口を付け、ハーブ茶を喉に流し込んだ。
「だが、君がユングヴィ教団で将来を嘱望されていたのも知っている。技に長け、治癒術も優れたモンクであると。冒険者として、君より優れた者はほとんどいないだろう」

「ならば、君しかアングヴィラを救える者はいない。少なくとも、私はそう考えている。村を潤すだけの宝物。それだけでいい。深層までは望まない。頼む」

私の答えは…

1 「…それでもダメです」
2 「分かりました、ただ条件があります」
3 「喜んで」

安価選択下、なおコンマでやや展開に差あり。

「…それでもダメです」
「何故だ!君以外に、村を助けられる人材はいないのだぞ?」
エルヴィンの言うことは正しい。全く正しい。しかし…心が拒否する。

実は、穴に入った経験はある。村に来た当初のことだ。
腕に相応の自信はあった。浅い階層ならばと甘くも見ていた。
しかし、出くわしたのは…深層にしか棲まぬはずのエルダードラゴン。パーティーを組んでいた冒険者は瞬く間にブレスに焼かれた。
私は逃げた。逃げに逃げた。心に災厄の日が浮かんだ。死にたくない。もう死は沢山だ。

手が気づかぬうちに震えていた。
それを見たエルヴィンは…

コンマ判定、安価2つ下
100-賢さ×8で判定、今回の場合4以上で成功

(パラメーター関連はこんな感じでやります。乗数は状況に応じて)

とりあえず安価直下採用。安価は直下が良さそうですね。とりあえず成功。

「シデ、あの時のことを思い出していたか」
エルヴィンが呟いた。
「あれは不幸な事故だった。逃げるしかなかった。私でもそうする。穴が怖いのは、皆同じだ」
「…私は臆病者です。死への恐怖を言い訳に、逃げているだけの」
「かもしれん。だが臆病者だからこそ、できることもある。君なら、必ず帰ってきてくれるはずだ。誰より死を恐れる、君だからこそできることだ」

エルヴィンは優しい男だ。そして、私を信じてくれてもいる。恐怖に打ち克たねば、先には進めない。

「…分かりました。ただ、条件があります。一人では穴に行けません。ギルドメンバーの同行を、お許し頂けますか」
「是が非でも」
エルヴィンは笑った。

今日はここまで。次回、仲間選び。

近日中には投下したいところです。


仲間がどんなになるか楽しみだな

「」と地の文の間には1行開けて欲しいかな
少し見にくい

>>66
ありがとうございます。SSは初めてなので、励みになります。

>>67
参考にさせて頂きます。一応物書きの端くれですが、普段は全然違うものを書いているので、こういうお作法がよく分かってません。
文体が硬いのは仕様ですが、もうちょい何とかしたいとこですね。

基本は通勤時間や昼の更新が多いかと思います。よろしくお願いいたします。

ほんのちょっとだけ続行します。
帰宅して風呂入ったら寝れなくなったので。

ちょっとテスト。

鳥付きましたね。とりあえず。

ギルドハウスは、町の中心にある。マスターのゴラフは髪がほぼない親父だが、冒険者の信望は厚い。
昔はイーリス近くでは有名な冒険者であったとも聞く。脚を悪くし、支援に回ることにしたらしい。
陽気な彼にとって、マスターは天職だろう。何より彼が作るポークチョップは絶品だ。

「おうシデ、何のようだい」

ハウスに人は…

01~10 いなかった
11~30 一人だけだった
31~60 二人いた
61~80 三人いた
81~99 五人いた

安価直下。

ハウスは最近では珍しく賑わっていた。

「どうしたんですか」

「いやな、久々に穴からお宝が出たらしくてな。まだ確保はされてないんだが、テルモンから噂を聞き付けた奴らが来てんだよ」

ゴラフが満面の笑みを浮かべた。数ヶ月ぶりの大商いに、大層ご機嫌なようだ。

「んなことより、今日はどうしたんだ。別に怪我人はいないぞ。飯か?」

「どちらでもないんです。エルヴィンの頼みで、潜ることになりました」

「そりゃすげえ!いいことは続くもんだぜ。元教団の神童にして天才癒し手、シデが潜れば大分はかどるだろうよ」

ゴラフが大声で笑った。冒険者の視線が、私たちに向かう。

「てことはあれか、同行する仲間探しだな。なあに、5年前と違い今日はいい腕の奴がいる。心配はいらん、任せろ」

ゴラフは腕捲りしてみせた。すると冒険者が私のところにやって来た。それは…

01~20 年若い新米風冒険者(男)
21~40 若く魅力的だが、どこか頼りない冒険者(女)
41~60 目付きの鋭い中年(男)
61~80 重装備に身を包んだ青年(?)
81~99 軽装の旅人(?)

安価は直下です。

「どうもこんにちは、あなたも穴に?」

私はギクッとした。いつの間にこんな近くにまで?薄手のフードで顔は隠れているし、背丈も私より小さい。しかし、只者でないのは確かなようだった。

「え、ええ。同行者を探しているんですが」

「良かった。ボクも探してたんですよ、仲間」

そういってフードを上げたのは…

01~20 少年
21~50 15ぐらいの美少女
51~70 青年
71~90 20ぐらいの美少女
91~99 耳が尖った、魔族と思われる美女

安価は直下です。忘れがちになりますね。

ほい
あと安価とコンマは別モンやで

>>81
すみません、気を付けます。
それにしてもシデ氏、豪運ですねえ。

フードを上げたのは、年若い女性だった。ショートカットだが目鼻立ちははっきりしていて、言葉遣いが男っぽくても充分女性らしさが表れていた。
頭には宝玉付きのヘアバンド。腰には細身の長剣を差している。剣士か?

「翼人かあ、相当久々に見たよ。びっくりしたあ」

「嬢ちゃん、前に翼人に会ったんかい」

ゴラフが軽く驚いたように言った。翼人の多くは教団にいた。少数種族な上に災厄の日で教団は壊滅したから、生き延びた翼人は私以外にはほとんどいないはずだ。

「んー、昔ね。父さんと一緒に子供の頃イーリスに行ったから。もうちっちゃい頃だからあんまよく覚えてないけど。まだ生き残り、いたんだねえ」

彼女はにへらと笑った。どうにも人懐っこい。若い女性と話すのはそんなに多くないが、それを抜きにしてもむず痒い。

「それで、あなたは?」

彼女の名は…

安価直下

「ボクはダナエ。ダナエ・ナラー。ダナでいいよ」

そう言ってダナが笑った。ナラー、聞き覚えがある。確か…

01~30 いや、思い出せない。
31~60 聞いたことがある。
61~90 ああ、あれは確か…!
91~99 君は!

コンマ直下。

いや、思い出せない。聞いたことがあるのは確かだが。
ただ、あの宝玉。単なる飾りではない。微弱だが、魔翌力を帯びている。
気配なく接近したことといい、見た目と違い相応の力量はありそうだった。

「んで、どうするの?ボクと組む?翼人のお兄さん」

安価下
1 少し考えさせてくれ
2 力量が見たい
3 是非頼む

選択安価です。直下。

「是非頼む。君なら大丈夫そうだ」

「即断即決だな、驚いたぜ。もっと腕が立ちそうなのがいそうなんだが、何故嬢ちゃんなんだい」

ゴラフが目を丸くした。それが普通の反応だろう。20そこそこの女性に、背中を預けるのは余程の酔狂だ。
だが、ダナはかなりの腕だ。その直感を、私は信じることにした。

「ありがと!よろしくね、お兄さん。…って何と呼べばいいかな」

「シデです。シデ・スナイダ。こちらこそ、よろしくお願いします」

ダナの好感度判定
直下のコンマ+魅力×3(33)

ゾロ目なのでイベント発生です。

なお、好感度は200に達すると男女問わず特殊イベントが起きます。
それが何なのかはストーリーの流れによりますが。

ダナの好感度88

「ん…?スナイダ?あれ、どっかで聞いたなあ…」

ダナがしきりに首を傾げている。どこかで私の名を聞いていたのだろうか?
24まで、私は教団の癒し手として各地を回っていた。リベル司教が亡くなって、アングヴィラに腰を落ち着けたが。その旅の最中に会っていただろうか。

「スナイダ、スナイダ…シド・スナイダ?似てるけど違うなあ」

私は仰天した。シド・スナイダ。私の父の名だ。何故彼女が知っている。

「…それは私の父です。どこかで父と会いましたか」

「ああ、お父さんだったんだ。ボク、父さんと一緒にシドさんと会ったことあるよ。子供だったからよく覚えてないけど、翼人だったから名前だけ覚えてた」

何?父とダナの父親が知り合い?確かに父はユングヴィ教団の上層部だった。だが、ダナの父も相応の地位にいたのだろうか。

「失礼ですが、お父さんは何者なんです?」

「ん、ああ。ちょっとねえ」

ダナが少し照れ臭そうな表情になる。

「ダリオ・ナラー。聞いたことがあるかもだけど、一応穴の今のとこの最深部に到達した、『勇者』だよ」

これで本当に本日終了です。まさか86でスルーされてた名前の謎をゾロ目で取り返すとは。
なお、上位のゾロ目だともっと色々明らかになる予定でしたが、これでも十分でしょう。
シデ氏の豪運で、話がサクサク進んでちょっと怖いです。大丈夫なんでしょうか。

次回も仲間選びです。大当り引き当てたわけですが、さてどうなるでしょうか。

少しだけ更新します。

それとは別に、ステータスについて。普通の人間の平均は5とお考え下さい。
10あれば相当の能力です。崩壊した世界では、かなり上位のものになります。
最大値の20は最深層でも戦える、明確に人外のレベルになります。

…つまり、シデの賢さは現世界では(少なくとも地上では)最高に近いレベルになります。
俺TUEEE系にするつもりはなかったんですが、仕方ないですね。

ダリオ・ナラー。冒険者で知らぬものはいない。穴に入り、その底の底まで覗いたとされる男。
持ち帰りし遺物の数々は、多くの富と利便性を人々にもたらした。国家間が対立する中でも中立の立場を貫き続け、地位や名声より未知の探究に全てを注いだ、伝説の冒険者とされる。
だが災厄の日の後、彼は姿を消した。その行方はようとして知れない。

ダリオという名前ばかり広がり、名字までは知られていなかったから分からなかったが、その親族が存在するとは初耳だった。

「ダリオ、あのダリオの娘さんなのですか」

「あー、ちょっとはずいんだけどね。あまり言うと注目集めちゃうし」

ダナが苦笑しながら頭をかいた。

「ま、言っちゃったもんは仕方ないや。改めてよろしくね」

「ええ、よろしくお願いします」

彼女の小さな右手を、私は握り返した。

「ダリオの娘か?こんなところに…」

私たちの会話を聞いていたギルドハウスがざわついてきた。当然だろう。勇者の娘に翼人。嫌でも目立つ。

「いや、これは驚いたわ。ギルドハウス始めて一番驚いたかもしれん。生き延びてはみるもんだぜ」

ゴラフも茫然とした様子だ。私もさすがに仰天した。これも神の導きというものなのだろうか?
ともあれ、運命は私に穴に行けと言っている。そんな気がした。

「あの」

私たちに声をかけるものがいる。それは…

01~25 新米風冒険者
26~50 頼りなさそうな女冒険者
51~75 目付き鋭い中年
76~99 重装備に身を包んだ青年(?)

コンマ直下。

「あの、すみません」

振り向くと少年がおずおずと立っている。年の頃は15ぐらい。駆け出しの冒険者だろうか。

「ん、なんだい」

「ご迷惑かもですが、僕も連れて行ってくれませんか」

ダナの呼び掛けに、少年は答えた。私も彼を見る。ダナのように、只者でない空気は纏っていない。ただの少年のようだ。

「坊主、やめときな。シデは戦いはどうか知らんが、治癒術ならそう右に出るものはおらん。おまけにダナは勇者ダリオ様の娘だ。常人であるはずもない。お前みたいな駆け出しがついて行っても、足手まといになるだけだ」

「…っ!それでも行きたいんです!お願いです!」

ゴラフの説得にも少年は応じない。何か事情があるのかも知れない。

私は…

1 君はやめといた方がいい
2 事情を聞かせてくれないか

安価下。

「事情を聞かせてくれないか」

私は微笑みながら少年に語りかけた。これだけの必死さだ、何か退っ引きならぬ事情があって然るべきだろう。
改めて少年を見る。確かに経験は乏しそうだが、意識の強さも表情から感じる。それは冒険者として重要な資質だ。

「はい。実は…」

01~40 両親を穴から出た魔物に殺されたんです
41~80 僕の住む村が滅びかけているんです
81~95 少年は、ザックから指輪を取り出した
96~99 少年は腕を捲って見せた。

コンマ直下。

「…実は、両親を魔物に殺されたんです。穴から出た魔物に」

悔しそうに、少年が語り始めた。

「僕ら一家は、アングヴィラとテルモンの間ぐらいの村に住んでました。貧しいですが、家族三人と村の皆で、幸せでした」

少年が拳を握りしめる。

「…でも、それは3ヶ月前になくなっちゃいました。魔物が村を襲ったんです」

どんな魔物?

01~20 オークの群れ
21~40 オーガの一団
41~60 小型ドラゴン
61~80 エルダードラゴン
81~90 魔族
91~99 ???

コンマ直下。

「最初に見たのは、赤い羽根でした。山から降りてくる、赤い羽根です」

少年が肩を震わせ、ポツリポツリと言う。

「お伽噺でしか知りませんでしたが、すぐに分かりました。それがドラゴンだと。そして気付いた次の瞬間それは焔を撒き散らし始めました」

ギルドハウスが静まり返る。レッドドラゴン。穴でも浅い層にはまずいない、凶悪な怪物だ。私の脳裏に、5年前の悪夢が再び呼び起こされる。

「大男ぐらいの大きさでしたが、戦える人は誰もいませんでした。…いたとしても、すぐ殺されたでしょうけど。たまたま農作業の手伝いをしていた僕は、身がすくんで動けませんでした。…ただ、村が、村の人たちが焼かれるのを見ているだけでした」

少年はいつしか泣いていた。ああ、この子は私と同じだ。災厄の日に、5年前の悪夢に、ただ死の恐怖に怯えていただけの私と同じだ。

「母が『逃げて!』と叫んだのを聞いて、僕は逃げました。逃げて逃げて、逃げました。村外れまでたどり着いた時…村は…村は…!」

「もうこれ以上はいいよ、辛いよね」

ダナが少年の肩を抱いて言う。ダナも多分、幾百もの死を見届けてきたのだろう。

「君の事情は分かった。仇を取りたいのだな」

ただ、私は悩んでいた。少年ではドラゴンは、おそらく倒せまい。穴に行けばドラゴンを倒せるだけの武器があるかもしれないし、経験も積めるかもしれない。ただ、それは可能性の話だ。
私たちと違い、彼は普通の少年だ。悲しいことだが、足手まといであるのもまた確かだった。

ここで一旦切ります。次の安価で選択しますが、少々お待ちを。

10時まで復帰。

改めて少年を見る。

01~80 確かに意思は強そうだ。だが、それだけで戦えるだろうか。
81~95 …よくよく見ると、微かだが力を感じる。
96~99 …???

コンマ直下。

確かに意思は強そうだ。だが、それだけで戦えるだろうか。

「連れて行ってあげようよ。親しい人の仇は、誰でも取りたいものだもの」

ダナが私を見上げた。ギルドハウスの皆の視線が、私に集まる。

1 いや、ダメだ。連れては行けない。
2 分かった。厳しい旅だが、共に行こう。

安価下。

ここで一旦切ります。

本当に普通の少年だな。まさにここから強くなっていく主人公っぽい感じ。
>>1はsagaをメール欄に入れてみたらいいんじゃないかな?

>>113
ありがとうございます。どうにも不慣れな点が多く、申し訳ありません。

少年はコンマ次第では超展開になるルートも用意してましたが、ひとまずはごく普通の、本当に普通の少年で確定です。
少年なので、成長力ボーナスはあります。ただ、かばい続けての旅になるのでコンマ判定には当面マイナス修正がかかることもあります。
後述のミッション達成の見返りも大きいですが、一長一短ですね。

では、またしばし復帰します。
(移動時間が長いので、この時間でも今日は更新できてます)

「分かった。厳しい旅だが、共に行こう」

私は彼に答えた。彼の痛みを背負わずして、神の御心には沿えない。
何より、彼の傷は私がかつて受けた傷にあまりに似ていた。ならば、そこから逃げることはできない相談だ。

「本当ですか!?あ、ありがとうございます!」

少年は心から嬉しそうに言った。私とダナも、つられて微笑んだ。

「で、君。名前は何て言うの?」

ダナが訊いた。

名前は…

安価下

「ミドルです。よろしくお願いします!」

「いや、そこまでする必要はないよ。こちらこそ、よろしく頼む」

頭をぶんと下げ最敬礼するミドルに私は苦笑しながら言った。

ミドルの好感度
コンマ直下+魅力×4(44)

ミドルの好感度92

「いえいえ、翼人様と勇者様の娘様に同行させていただけるなんて、夢のようです!頑張ります!」

「若いっていいねえ、仇討てるよう、頑張んなよ。ま、景気付けに一杯どうだい」

「マスター、さすがに未成年にはちょっとまずいっしょ。ミルクか何かでいいよ」

酒瓶に手をかけるゴラフをダナが笑いながら止めた。なんやかんやで、賑やかな旅にはなりそうだ。

「で、どうすんだい。もうパーティーは固めたか?」

「うーん、ミドル君のこともあるし、彼を守れる人は多い方がいいけど。問題は資金かなあ」

ダナが思案している。そう、旅を始めたばかりで四人は資金的に厳しい。武具や消耗品の購入費を考えるとここがひとまずの限界かもしれないが…

(筆者注:パーティーは四人が最大です。ダンジョン内での出会いもありますが、パーティーが満員だと加えられません。この点考慮し、安価選択してください)

1 もう1人探そう。
2 とりあえずこれで行こう。

安価下

「とりあえずこれで行こう。資金もあるが、私は旅に不慣れだ。いきなり大所帯だと、少し戸惑う。だから、この三人でいいよ」

「うん、分かった。じゃあ…」

私とダナの前に、ドンとジョッキが置かれた。中身は葡萄酒だろうか。ゴラフが白い液体をジョッキに注ぐ。ミドル用だろう。

「おう、酒とミルクの準備はできてるぜ。あ、嬢ちゃんは酒飲める歳でいいんだな?」

「うん!お酒の強さには自信あるよー」

「私は普段飲まないんだが」

「まあまあそう言わないで。いっくよー」

「「三人の門出を祝って、乾杯!」」

小一時間後。ギルドハウスにいた他の冒険者も加わり、ちょっとした酒盛りになった。
私はというと、一杯目で酔いが回ってしまった。元々、教団では酒は禁じられてこそいないものの、戒律であまり勧められていないのだ。
教団が崩壊した今でも、酒はあまり得意ではない。

ダナはというと、頼りなさげな女冒険者と意気投合していた。なんでも駆け出しの魔術師であるらしい。歳がほぼ同じで呑兵衛となれば、騒ぐのも当然か。

「なんか、大人ってすごいですねえ」

ダナの近くに転がる酒瓶を見ながら、ミドルが呆けたように言う。彼もいつか、酒の味を覚えるのだろうか。

「失礼するよ」

入口を見れば、白髪のエルフがいた。エルヴィンだ。
カウンターでややぐったりしている私の隣に座り、こう切り出した。

「同行者は、決まったかね」

「ええ、お陰さまで。いい旅になりそうです」

「そうか、何よりだ。…ゴラフ、アブサンと角砂糖、それと水を」

エルヴィンは角砂糖にアブサンを垂らすと、指先から小さな火を放ち軽く炙った。ぶわっとアルコールの火がついた砂糖を、少量の水に溶かす。エルヴィンの好きな飲み方だ。

「それで、穴にはいつ行くのかね」

「それはまだ。連れに別の目的があって、どちらを優先するか思案してます」

私は軽くダナとミドルのことを話した。さすがにダナについては、エルヴィンも驚きを隠さなかったが。

「なるほど、ダリオの娘と、仇のドラゴンを追う少年か。妙な取り合わせだな」

「妙といったら、そもそも私もですが。同族なんて、災厄の日から見たこともないですしね」

「それもそうだな。これも神の定めだろう…君の好きな言葉で言えば、だが」

エルヴィンがグラスを傾け笑った。向こうからは、ダナが葡萄酒のおかわりをゴラフに要求している。金はあるのだろうか。

「それで、差し当たりの頼みだ。さっき言った通り、穴から遺物を持ってきて貰いたい。当面の食料を買えるような、そんなものでいい」

「分かりました。ただ、遺物の鑑定は素人です。どう判断するのです?」

「…これを使うといい」

エルヴィンが懐から何かを取り出した。時計?

「いや、時計ではない。物に宿る魔力を関知する、鑑定計だ。これで大体は分かる」

時計のようなものに、チューブと薄い金属板が接続されている。

「大体、遺物や宝物の値打ちと魔力の含有量はほぼ一致する。この板を物に当てれば、正確に魔力を計ることができるわけだ」

なるほど、そういうことか。目分量でも魔力の有無は分かるが、こういうやり方もあるわけだ。

「鑑定計で500マドル以上のがあれば、十分だろう。それ以上があれば、それに越したことはない」

「500マドル?」

500マドルは鑑定計の真ん中ぐらいの位置だ。簡単なのか、そうでないのか。

「まあ浅い層では難しかろう。ただ、少し潜れば見つかるやもしれん。この数年、数えるほどしかこのランクは見てないが」

「相応の時間が必要かもしれませんね」

エルヴィンは頷いた。

「無論、武器など必要な遺物、宝物ならその手に留めたいと思うかもしれん。それはそれで止めんよ。ただ、村を救うには、やはり金が必要だ。それは分かって欲しい」

私は黙って、首を縦に振った。

とりあえず、以上です。本編再開は夜ですね。

鑑定についてはコンマ判定を使いながらになりますが、ダンジョン中盤に差し掛かれば手に入るかもしれません。
すぐにミッションクリア、とは余程コンマ神が荒ぶらなければならないと思います。

再開前に、いくつか今後の説明をします。

・ミッション

ストーリー進行に関わる「大ミッション」と、ダンジョンを潜る上で発生する「小ミッション」があります。

ともにクリアすればステータスの底上げやアイテムの支給がありますが、当然大ミッションの方が大きな果実を得られます。
ただし、果実はミッションクリアの度合いに比例します。その過程で何かしらの犠牲や損失があれば割り引かれますし、逆に想定以上ならボーナスがあります。

例えば、現時点では二つの大ミッションが発生します。
「アングヴィラを救う財宝を見つけよ」と「レッドドラゴンを倒せ」です。
例えば前者なら500マドル以上の財宝を渡せばボーナスが発生します。逆に、レッドドラゴンをミドル死亡で討伐するとかなり報酬は割り引かれるでしょう。
後述するキャラロストのデメリットの大きさからすれば、ミドルを何としても生かして達成すべきミッションです。

大ミッションは、今後は発生時に内容と攻略までの目安・ヒントを記載します。例えば、こんな感じです。

「大ミッション アングヴィラを救う財宝を見つけよ」

500マドル以上の魔力含有量がある財宝を見つけること。
穴中間層まで行けば見つかるだろうが、運さえ良ければ浅くても達成できる、かもしれない。

「大ミッション レッドドラゴンを倒せ」

アングヴィラとテルモンの間にある廃村、ペラに巣くうレッドドラゴンを倒せ。
レッドドラゴンはミドルの仇なので、ミドル生存が強く求められる。シデとダナだけなら、運次第ですぐにでも倒せる、かもしれないが…?

小ミッションは穴5階層ごとに必ず発生するものです。通常より強い「名前付き」の魔物が、行く手を遮ります。
強さはコンマ次第です。手の付けられない怪物が出るか、雑魚より少し強い程度か。完全に運です。
逃げてもストーリー進行には基本的には無関係です。倒せば旨みがある宝物が入手できるぐらいです。
ただ、後半以降は撃破が絶対要件になる敵も出る、かもしれません。小ミッションのクリアが大ミッションの(あるいはストーリーそのものの)クリアに直結する可能性もあります。

ミッションクリア後は、内容に応じ成長ボーナスがあります。コンマで伸び幅を決めますが、ゾロ目なら追加の成長機会もあるかもしれません。
逆に言えば、ミッションクリア以外に成長機会はありません。雑魚撃破で成長することもゾロ目時などあり得ますが、基本はミッション達成の時だけです。
なお最大の20までステータスが上がることがあるかは謎ですが、上がった場合はあるボーナスを用意しています。

好感度はミッション以外でもイベントで上下します。コンマより、適切な行動を取ったかどうかが大きいかと思います。慎重に判断してください。
なお、0でパーティーから離脱します。復帰可能性は基本ありません。シデの場合、余程相性が悪い相手でなければ0まで行かないとは思いますが。
200まで行ったキャラの好感度はそこで固定です。ストーリー次第ですが、あまり一気に上げることはしない方針です。せいぜい一桁ずつでしょう。

問題となるのはキャラロスト。仲間キャラが誰かにもよりますが、ステータスダウンが発生する可能性が高いと思って下さい。その他、もろもろ不利な何かが生じます。
現在の場合、ミドルはとにかく死にやすいので要注意です。シデも脆いですが、主人公補正で死ににくくなってます。ダナは当面死なないでしょう。多分。

余談ですが、蘇生魔法は基本ないと考えて下さい。死んだらほぼそこまでです。

しばらくしたらダンジョンの簡単な解説、仲間キャラの紹介の後、本編再開します。

ダンジョンの解説です。

1階層ごとに、雰囲気チェックをコンマで行います。言うまでもなく0に近ければ危険で、100に近ければ安全です。
危険だからといって実入りがあるわけではありません。通常より強い魔物を倒して、良い宝物が見つかる可能性はありますが。
また、安全ならとっとと下に行くことをお薦めします。ローリスクローリターンなのです。

雰囲気を察知できるかもコンマ判定で決めますが、賢さが極めて高いシデと、知力・賢さが高めなダナがいるので把握できないのは稀でしょう。

ゾロ目なら、その階には何かがあります。あるいは誰かがいます。
強大な魔物とセットで強力な遺物がある宝物庫があるかもしれないですし、ストーリー進行を左右する重要人物がいるかもしれません。

なお、ダンジョンからの帰還は「帰還のルーン」を地面に張れば、一定時間後に戻れます。コンマ下一桁のスレ順後に発動します。
なので、危険な階と分かれば即離脱が大事です。危険に巻き込まれる前に逃げましょう。
なお、帰還のルーンは複数持ち歩くことを強くお薦めします。なくなった場合、徒歩で上に戻るか、ダンジョン内でルーンを見つけるかしないとなりません。浅い層ならまだしも、深層では致命的です。
帰還のルーンは道具屋で比較的安く買えます。最重要アイテムと心得ましょう。魔物に燃やされたり、盗まれたりしては大変です。

戦闘は発生時に解説しますが、動かせるのはシデだけ、できるだけシンプルなものにするつもりです。
なお、後述しますが「シデは素手でしか攻撃できず、重装備もできません」。
攻撃力は高いですが、前線でノリノリでやっていると痛い目に遭います。

最後に、キャラクターのステータスを再確認します。細かい特徴など、目を通せば選択もしやすくなります。
なお、ダナとミドルのステータスは筆者が勝手に決めました。コンマでもいいんですが、ばらつきが出ると嫌なので。

シデ

HP 30
筋力 7
知力 5
器用さ 2
賢さ 12
耐久力 6
魅力 11

職業:モンク
打撃を武器に戦う僧侶。巧みな素手格闘は、時に相手を朦朧とさせ意識混濁を引き起こす。
一度朦朧とできれば、ずっと攻撃し続けるのも可能。秘孔による一撃必殺もあり、一発逆転性が強い職業。
回復術も使える。シデの場合、回復術は本職のプリーストより大体は上。

難点は武器が持てないこと。強力な武器を見つけても売るしかない。防具も軽装備しかできない。
盾も持てず、重鎧も着れない。なので、強力な防具を見つけても売るしかない、ことも多い。
とは言え、攻撃力は極めて高いし、肉体を鍛えればそれなりに堅くはなる。

ダナ

HP 56
筋力 7
知力 8
器用さ 10
賢さ 7
耐久力 6
魅力 10
好感度 88

職業:勇者の娘

全てにおいて平均以上。まんべんなく強く、魔法も本職ほどでないが使える。
主武器は長剣だが、剣なら大体は使用可能。素早く相手を翻弄し、一撃を叩き込むスタイル。罠解除もできる。

なお、あまり使われないだろうが、ヘアバンドにはコンマボーナスをつけさせる効果がある。

ミドル

HP 20
筋力 2
知力 2
器用さ 4
賢さ 3
耐久力 2
魅力 4
好感度 92

全てにおいて平均以下。子供なので仕方ないが、弱い。
ミッションをこなし続ければ通常よりはるかに早く成長するが、そこまで行くかどうかはコンマ神のみぞ知る。
彼を庇うため、時折コンマ判定にマイナス修正がつくことも。シデもダナも強すぎるので、これでも温いかもしれないが。

あ、ミドルの職業は村人です。

では、本編再開。

酒盛りが終わり、それぞれ帰路についた。ダナはあれだけ飲んだのに、宿までスキップで帰っていった。ああいうのをうわばみというのだろう。
ミドルはアングヴィラにいる親戚の叔母さんの所に住んでいるという。説得は上手くいくだろうか。

私も家に戻り、床についた。明日早朝、ダナとミドルが家に来る、はずだ。そして、おそらくは穴に潜る。
私も神に祈るばかりではなく、自分で歩かねばならない。いかに過去が辛かろうと、前に進まねば生きられないのだ。
そうぼんやり思っていると、自然と意識が眠気によって失われた。

窓から射し込む朝日で目が覚めた。ほぼ同時に、ノックの音がする。

01~90 ダナとミドルだ。
91~95 ミドルだけだ。
95~99 ダナだけだ。

コンマ下。

ダナとミドルだ。

「すまない、今起きたところだ」

「ああ、いいって。ちょっと早く起きすぎただけだし」

「おはようございます。ご迷惑でしたか?」

彼らを家に招き入れ、ハーブ茶を注ぐ。目覚ましにはやはり、ペパーミントがいい。
簡単な朝御飯も作った。男の独り暮らしだから、手の込んだものは作れなかったが、二人には喜んで貰えたようだ。

「それで、これからどうするの?」

ダナがパンの上に目玉焼きを乗せたものを頬張りながら訊いてきた。

「一度、穴に入った方がいい気がする。エルヴィンの依頼もそうだが、ミドルにはレッドドラゴンは荷が重い。私たち二人だけなら、あるいは、だが」

「まあ、そうだよねえ。でも、ミドルはできるだけ早く仇討ちたいでしょ?」

「…はい。でも僕が弱いのも分かってます。今のままじゃ、シデさんとダナさんの足を引っ張るだけです」

「もぐ…ん、だよね。なら決まりだね」

ダナはハーブ茶を飲み干した。方針は決まった。

「あとは準備だが…帰還のルーンはあるか?」

01~30 持ってない
31~60 ダナが1つ持ってる
61~90 ダナとミドルが1つずつ持ってる
91~99 家にストックがある

「あ…持ってないや」

「僕もです」

ふう、と息をついた。まずは買い物からだ。

「代金は私が出せばいいだけだが、手持ちはいくらある?」

ダナは昨日かなり飲んでいた。お金があれば、後々楽だが…

01~20 すってんてん
21~40 あるにはあるけど、帰還のルーンは買えないね
41~60 一応ルーンくらいは買えるよ
61~80 うん、まあそれなりにはあるね
81~99 ああ、心配いらないよー

「一応ルーンくらいは買えるよ。でもほんとごめん。次は払うからさ」

私は苦笑しながら、短いダナの髪をなぜた。

「いや、失敗は誰でもするもんだ。とりあえず二個買って、穴に行こう」

###########

アングヴィラから穴までは、歩きで1時間かかる。街道は整備されてるから、比較的安全な道だ。
災厄の日、多くの穴に向かう道と街が潰されたが、北のアングヴィラ、南西のモリブス、南東のテルモンだけが奇跡的にほぼ無傷で残った。ある意味不自然なぐらい、この三つの街と村は災厄を免れたのだった。

しばらく歩くと、巨大な縦穴が見える。底は全く見えない。深い、深い闇だけがそこにある。
向こう側の縁も見えない。地平線の彼方の、さらにその先にあるはずだが、たどり着くには縁を回って一週間はかかるだろう。もちろん、道などないから危険極まりない行軍だが。
穴の手前には、別の小さな縦穴が地下に向かって伸びている。これが本当の、穴の入口だ。
一度入ると、同じ階層は二度と現れない。入る度に姿を変える、生ける洞穴にして、遺跡にして、暗黒の殿。それが穴だ。

無事入口前にたどり着いた。

01~09 入口から嫌な気配がする
10~60 さあ、行こうか
61~90 入口には先客がいた
91~99 入口前に別のパーティーがいる

「さあ、行こうか」

私たち3人は入口に入った。

#########

注:一階層辺り時間が最低2時間経過します。イベント発生時はさらに伸びます。
本文中でワーニングしますが、引き際は心得て下さい。

【第一階層】

雰囲気判定 コンマ下
雰囲気察知判定 コンマ2つ下
(100-12×8=4以上で成功)

雰囲気21…あまりいい予感はしない。長居は無用か
察知判定…成功

穴の中は、いかにも自然の洞穴だった。5年前は人工の迷路だったから、随分違うものだ。
ただ、あまりいい予感はしない。私やダナにとってはともかく、ミドルには厳しい魔物がいそうだ。

「長居は無用だな」

「ん、確かになんか嫌な感じだね」

ダナもそれを感じ取ったようだった。

「お二人とも、そんなことが分かるんですか」

ミドルが不思議そうに言う。

「いや、ボクはちょっとね。人より勘が鋭いだけ。シデはまた少し違うんじゃないかな」

「そうかもしれないな。昔の修行の成果からか、霊気の流れを読むのには慣れてる。だから何があるか、人よりは分かるつもりだ」

私は頷いた。

さて…

01~40 早速魔物のおでましか
41~70 魔物は見えないが階段も見えない
71~95 幸い、すぐに階段は見つかった
96~99 階段に誰かいる

少し歩くと、気配を感じた。前方に影が見える。早速魔物のおでましのようだ。

「ん、あれは」

01~10 オークの群れ(気付かれた!)
11~20 オークの群れ(まだ気付かれてはいない)
21~40 オーク一匹(気付かれた!)
41~60 オーク一匹(まだ気付かれてはいない)
61~90 大兎(気付かれてはいない)
91~99 はぐれホビット『マゴット』(気付かれてはいない)

オーク一匹か。まだこちらに気付いてはいないようだ。
闇討ちすれば、かなりの確率で倒せるだろう。ただ、無用な殺生は趣味ではない。黙っていればやり過ごせるはずだ。

1 それでも闇討ち
2 やり過ごす

安価下

「どうする?やっちゃう?」

ダナが息を潜めて言った。私は頷く。もしやり過ごせなかった場合、こちらが不利だ。やられる前にやるのも、一手ではある。

私たちは気配を殺し、オークに近付いた。

01~20 バレた!
21~95 上手くいった
96~99 近付くと先客がいる

射程に捉えても、愚かなオークは全く気付きもしないようだった。

「私が行こう」

小声で二人に告げると、私は無防備なオークに襲いかかった。

※戦闘開始

・不意討ちのため、攻撃は無条件でヒットします。

ダメージ
コンマ下一桁×2+筋力(7)×2

0は10扱いです。80以上のコンマで、朦朧判定が成功します。

ダメージ=31
オークのHP=30

私は右足を踏み込み、オークの背中ー人間なら腎臓がある辺りだーに気を込めた一撃を叩き込んだ。

「ブヒイイ!!!」

オークが断末魔の叫びを上げる。教団修行僧の拳は、内部から破壊する「剄」こそ極意だ。一撃で魔物を倒すことなぞ容易い。
哀れなオークはその場に崩れ落ちた。立ち上がることは、もはやあるまい。

01~20 しかし、叫びは近くの群れに届いてしまった
21~80 私は左手で祈りを捧げた
81~99 オークが纏うボロから、何かが落ちた

あ、ごめんなさい。12+14で26ですね。今回だけ特例で許して下さい。
暗算はどうも苦手です。

なお、生きてても振り返り様の一撃が16ダメージ以上確定なので、実はコンマがどうであれ終了でした。
こんな感じで戦闘を進めます。

さて、ゾロ目です。帰り道なので少し時間を明けます。少々お待ちを。

再開します。なお、ゾロ目は数字が大きいほど良い結果になりやすいですが、あくまでなりやすいだけで必ず有利になるわけではありません。ご了承下さい。

オークの亡骸に向けて私は左手で祈りを捧げた。罪なきものよ、すまない。せめて安らかな眠りを。
目を閉じて黙祷する。そして、冥福を神に祈った。

「そうしていると、やっぱ教団の人なんだねえ。なんかボクまで申し訳なくなっちゃったよ」

ダナが神妙そうに言う。

「ダナが心にやむ必要はないよ。オークは、私たちを見つけたら襲いかかってきただろう。これも生きるためだ」

私は祈りを解き、そう答えた。罪を背負わずして生きるなど、無理なのだ。それを自覚するかが、むしろ大事なのだ…リベル大司教の受け売りだが。

パチ、パチ、パチ

後ろから何やら音がする。拍手。誰かいたのか。

「いや、不意討ちとは騎士道に反するが美事な拳。素晴らしい」

振り替えるとそこには…

01~10 禍々しい鎧に身を包んだ男
11~40  重装備に身を固めた男
41~80 重装備に身を包んだ青年(?)
81~95 老人
96~99 ???

振り返るとそこには、重装備に身を固めた壮年の男がいた。
鎧は一目で逸物と分かる。その胸にあるのは、ジェスタル帝国の紋章。

「いやはや、浅い階層にも来てみるものだ。翼人、おそらくはユングヴィ教団のものだな?珍しい、実に珍しい」

口髭を蓄えた男は、どこか高慢そうな笑みを浮かべた。
私は警戒した。帝国は災厄の日で滅びたとはいえ、教団とは控えめに言って微妙な関係にあった。
敵対することの方が多かったかもしれない。災厄の日を引き起こした背景には、教団と帝国の争いがあったとも噂されていた。

「おおっと、警戒しないでくれたまえ。ここで貴公と事を構えるつもりなど、毛頭ない。私は単に、貴公の腕に感心しただけだ」

私は…
100-賢さ(12)×5=40以上で判定

01…失敗

私は彼の言うことを信じ、警戒を緩めた。

「あなたは?紋章から察するに、ジェスタル帝国の方でしょう、それもかなりの地位の」

「帝国なぞ既に滅びて日も長い。私はただの、一冒険者だよ」

男は笑みを浮かべたまま答えた。それにしても、こんな浅い階層に何故いたのだろう。鎧は明らかに、ただの鎧ではない。
男の力量はともかく、不自然ではあった。

ダナの賢さ判定
80-賢さ(7)×5=45以上で判定

05…失敗

「まあでも、浅い層でも稀に凄いのが出たという話もあるしね。おじさんもその口?」

「まあそんなとこだな。…?」

男が何かに気付いたようだ。ダナの宝玉を見ている。

男は…

01~50 一瞬ニヤリと笑ったように見えたが、すぐに元に戻った
51~85 大声で笑い始めた
86~99 表情が抜け落ちた

しばしの再開。

「僕はやっぱり、足手まといなんでしょうか」

ミドルが肩を落とした。確かに力量差はある。ただ、私やダナのような経験が、ミドルに足りてないだけだ。

「あまり気にしないでいい。何より、旅はまだ始まったばかりだ。仇を討てるようになるまで、少しづつでも成長すればいいだけだ」

私はそう言ったが、ミドルの表情は暗いままだ。旅に慣れるまでは、まだ少し時間が必要なのかもしれない。

「にしても、あのネモっておじさん。色々変だったよねえ」

ダナが訝しげに言う。確かに不自然だった。明らかに普通の冒険者ではない。何より、帝国の者であるらしいのが気になった。
帝国出身者なら、帝国領に近かったテルモン側の入口から入るはずだ。穴の内部構造がどうなっているかは分からないが、彼は私たちが来た入口に向かった。
つまり、アングヴィラに行こうとしているか、あるいはアングヴィラ側から入ったか。どちらにせよ、帝国の人間をアングヴィラで見たのは、この5年で1、2度しかない。

ネモと会ったとき、問い詰めなかったのを今更ながらに後悔した。
また会うこともあると言っていたが、その機会はあるのだろうか?

「ああ、気になることは気になる。だが、まずは潜ろう。そっちが先だ」

二人が頷いた。

しばらく行くと…

01~10 また魔物の気配だ。しかもこちらに気付いている
11~20 魔物の気配だ。だが、無警戒だ
21~99 階段を見付けた

しばらく行くと、階段を見付けた。まずは無難な船出…と言えるのだろうか?

罠察知判定
100-知力(5)×3=85以上で成功

72…失敗?

階段を降りようとした時、ダナが足を止めた。

「ん?なんだろこれ。気のせいかな」

「どうした?」

「ううん、多分大丈夫。ちょっと変わった石があるなってだけ。行こ」

私は気にせず下に降りることにした。

【第二階層へ】

ひとまずここまで。再開は昼か夜です。

なお、最後の判定はダナも同時に行っており成功してますが、シデが失敗のため匂わせる程度になっております。
これが何かは、後々分かるかもしれません。

再開します。

【第二階層】

雰囲気判定 コンマ下
雰囲気察知判定 コンマ2つ下
(100-12×8=4以上で成功)

雰囲気65…比較的安全そうだ
雰囲気察知判定…成功

階段を降りると、緑色の洞穴だった。ランタンの灯を照らすと薄く光る。どことなく穏やかな雰囲気がする。

「これ、ミドリヒカリゴケですね」

ミドルが地面から苔をむしって言う。

「へえ、よく知ってるね」

「村の近くの小さな洞穴に、よく生えてたんですよ。子供の時、たまにあそこで昼寝してました」

ミドルが照れ臭そうにダナに笑った。

「でも、あまり何もなさそうだな。危険な感じはしないが」

「そうだね。さっさと抜けちゃおうか」

しばらく歩くと…

01~20 魔物がいた
21~50 実をつけた木を見付けた
51~70 何かが落ちている
71~90 もう階段を見付けてしまった
91~99 誰かがいた

しばらく歩くと、実をつけた木を見付けた。見た目はリンゴのように見えるが、微妙に違う。何だろうか?

「ちょっと小腹もすいたしさ、休憩しない?実が食べられれば、なおいいけど」

ダナが訊いてきた。

ミドルの知識判定
100-知力(2)×8=84以上で成功

96…成功

「あ、これ食べられますよ。シトロリンゴですね」

ミドルの表情がぱあと明るくなった。

「えっ、何それ?」

「洞穴に自生するリンゴの一種です。暗い場所でも栄養を蓄えてて、すっごく甘いんです。滅多にとれないから、高級品なんですよ」

ミドルが興奮気味にまくし立てた。そんなにいいものなのか。食べ物はハーブ以外は無頓着だから、知らなかった。

「お二人ともどうぞ」

ミドルがナイフで実を割ると、甘い香りがふんわり広がった。口に入れると微かな酸と、濃厚な甘味が広がる。これは旨い。

「これはちょっと凄いな」

「うんうん!すっごく美味しいよ。ミドルはなんでも知ってるねえ」

ダナは感心しきりだ。えへへとミドルが笑って言う。

「もともと農家、継ぐ気でしたから。全然勉強できてないですけど。お役に立てて嬉しいです」

やはり、人間には長短があるものだ。未熟であっても、人は必ずどこかで優れたものを持っている。
ネモとやらはミドルに私たちから離れることを勧めたが、ミドルが私たちを助けることもまたあるのだ。そう思うと、彼を連れることにした選択は間違いではないと思えた。

##########

木の下で軽い食事とリンゴを食べると、気力と体力が大分回復した。シトロリンゴは栄養価が高く、強壮剤の原料にもなるという。
日持ちもそこそこするというので、5個ほど木から拝借してザックに入れることにした。

(シトロリンゴ5個を手に入れました)

ここで中断。高数値でのまさかの成功でしたね。
ミドル君は農家の息子なので、たまに農学系判定に加わることがあります。成功率は最大でこれなので、滅多に成功しないですが。
実入りは結構大きかったりもします。

それでは、また夜に。

再開します。

休憩の後、私たちはまたしばらく歩き始めた。ミドルによると、シトロリンゴは相応の高値で売れるらしい。
2つも売れば、帰還のルーンぐらいは買えるという。

(筆者注:帰還のルーンは日本円で1万円ぐらいとお考え下さい)

とはいえ、やはり食べるのが一番であるらしい。彼も人づてに聞いた話と言ったが、アップルパイが最も美味だという。ゴラフなら作れるだろうか。

しばらく歩くと…

01~10 魔物がいた
11~70 階段を見付けた
71~90 階段と何かが落ちているのを見付けた
91~99 誰かが階段近くにいる

しばらく歩くと、階段を見付けた。平穏な探索だったが、次はこうはいかないかもしれない。

罠察知判定
100-知力(5)×4=80以上で成功

【第三階層】

雰囲気判定 コンマ下
雰囲気察知判定 コンマ2つ下
(100-12×8=4以上で成功)

雰囲気62…比較的安全そうだ
雰囲気察知判定…成功

今度は芝生が生えた階層に降り立った。洞穴だというのに土があり、植物がある。
入る度に姿を変える「生きる迷宮」だとは知ってはいたが、奇妙な気分だ。

「シデは一回、穴に入ったことがあるんだよね。…ってこれ、聞いちゃいけないやつだったかな」

ダナがしまったという顔をした。5年前の惨劇について、触れてはいけなかったと思ったのだろう。
まだ会って間もないが、ダナのそういう率直な点は嫌いではない。しかも人を思いやる気持ちも持ち合わせている。
ダリオは勇者であると同時に、善き父でもあったのかもしれない。

「いや、大丈夫だ。何か聞きたいことがあるのか」

「いや…さ。浅い層でもエルダードラゴンみたいなのが出ることもあるじゃない。なんでだろうと思ってさ」

運不運の問題はあるかもしれない。あの時も、おぞましい予感がしたにも関わらず探索したのが惨劇に繋がった。
ただ、本当に運だけなのだろうか。地上にレッドドラゴンが現れたことといい、何か私たちの知らない何かがあるのかもしれない。
敢えて言えば、それも含めて神の御意志なのだろう。
そんなことを言うと、ダナは「そんなもんかなあ」と少し不満げに天井を見上げた。

「そもそもダナは、穴に入ったことがないのか」

考えてみれば、それも妙な話だった。ダリオの娘で、優秀な剣士でもある彼女が、実戦経験がないのは何故だろう?

「あー、実はないんだ。ちょっと前まで、母さんのとこに預けられてたから。剣術の手解きは父さんにしてもらったけど、後は大体母さんとおじいちゃんに習ったんだ」

ダナが少し寂しそうに言った。

「でも、二人とも病気で死んじゃったからさ。父さんのことも知りたくなったし、穴に行こうと思ったわけ」

「そうですか、みんな一人ぼっちになっちゃったんですね」

ミドルは目に涙を浮かべている。感受性の強い子だ。

だが、辛かろうが何だろうが生きねばならないのは変わらない。まずは潜る。それだけだ。

しばらく歩くと…

01~20 魔物がいた
21~50 実をつけた木を見付けた
51~70 何かが落ちている
71~90 もう階段を見付けてしまった
91~99 誰かがいた

あ、最後の選択はキャンセルします。

と思いましたが、やっぱりありにします。21~50が、第二階層と同じなのは、ほぼ同じ危険度とはいえさすがに手抜きですね。
コンマ結果が変わったので、219は採用です。すみません。

しばらく歩くと、何かが落ちている。

01~20 魔物の死骸だ
21~40 冒険者が捨てたゴミだ
41~60 冒険者が落とした靴だ
61~80 何かが光っている
81~90 剣だろうか?
91~99 宝箱?

しばらく歩くと、何かが落ちている。…宝箱?
こんなところに落ちているものだろうか。確かに何があっても不思議でないのが、穴という所ではあるが。

罠察知判定
シデ 100-知力(5)×8=60以上で成功
ダナ 80-知力(8)×8=16以上で成功

共にコンマ直下

85…二人とも成功、罠なし

「どうも罠はないようだな。鍵すらない」

「ついてる、ってことでいいのかな?」

「とりあえず開けてみましょう」

私たちは宝箱を開けた。

01~20(11以外) 空っぽだ
11 ミミックだ!
21~40 少しばかりのお金がある
41~60 ちょっとした骨董品だ
61~80 防具らしきものだ
81~99 小剣だろうか

宝箱の中にあったのは、陶器の花瓶だった。

「何だろう、これ」

ダナが花瓶を持ち上げ、しげしげと眺める。私も骨董品には詳しくない。

「とりあえず、鑑定計にかけませんか?価値だけなら分かりますし」

ミドルの提案に乗ることにした。

すると…

01~20 0マドル、ガラクタだ。
20~40 100マドル、売れば酒盛りくらいはできそうだ。
41~60 200マドル、まとまったお金が入る。少しは楽できそうだ。
61~80 300マドル、結構な逸品だ。これで当面困らない。
81~98 400マドル、予算の心配はこれで消えた。
99   500マドル。…エルヴィンに見せれば大喜びするだろう。

ここで一旦中断。さすがに甘くはなかったということですね。

鑑定計が指したのは100マドル。売れば酒盛りくらいはできそうだ。

「うーん、これどうしようか。割れるのは防護魔法掛けとけば少しはマシになるけど」

「まあ持ち帰ればいいだろう。そこまで重くもない、初探索の打ち上げ費用にはなるさ」

「ダナさん、また飲み過ぎないで下さいね…」

ミドルの突っ込みに、ダナは「ははは」と空笑いするだけだった。

(骨董品の花瓶を手に入れました)

########

再び探索する。すると…

01~20 魔物がいた
21~70 階段を見付けた
71~90 階段と何かが落ちているのを見付けた
91~99 誰かが階段近くにいる

その後わずかの探索で階段を見付けた。浅い階層だからだろうか、穏やかな探索が続いている。

「でも、そろそろだよね。フロアマスター」

「何ですか?それって」

ミドルがきょとんとした表情を浮かべた。

「五階層ごとに、フロアを守護する番人がいると聞く。どういう奴かは分からないが、概して手強い魔物ということだ」

「えっ、そうなんですか」

ミドルが不安そうだ。それを見たダナが宥める。

「まあ、ボクもシデもそれなりに強いはずだしさ。まだ心配し過ぎることはないよ」

「それでも油断は禁物だ、気を引き締めて行こう」

私たちは階段を降りた。

罠察知判定
100-知力(5)×4=80以上で成功

73…失敗?

階段を降りかけた時、またダナが足を止めた。

「あれ、やっぱり変だ。これ、一階でも見た感じの石だよ」

ダナが首を傾げた。

「どうしたんだ」

「いやさ、これ見てよ。少し色が違うんだ。しかもなんか嵌め込まれてる」

よく見ると、階段の段の岩に少し青白く光るものがある。何だろうか。

「鉱石か何かじゃないのか」

「そうかもしれない。二階にはなかったから。でもなんか引っ掛かるんだ」

私はもう一度目を凝らした。

罠察知判定
100-知力(5)×8=60以上で成功

05…失敗

「やはり気のせいな気がするが…」

「うーん、どうだろう。ボクも確信は持てないや。魔法に詳しいか、罠に詳しい人なら分かるんだろうけど」

引っ掛かるものを残しつつ、階段を降りた。

【第四階層】

雰囲気判定 コンマ下
雰囲気察知判定 コンマ2つ下
(100-12×8=4以上で成功)

雰囲気97…安全極まりない
雰囲気察知判定…成功

階段を降りた先は、開けた広場だった。かなり広い。遥か向こうに扉が見える。
よく見ると人工的な壁で仕切られている。ただ一本道で、何かある感じは全くしなかった。

「何もなくて、逆に不気味ですね」

そう言うミドルに、ダナは笑って答える。

「いやあ、さすがに考え過ぎだよ。本当に何もないんじゃない?ねえ、シデ」

「そうだな。多分この階層は空白に近い何かだ」

私も同意した。たまにこういう、存在意義が分からない階層もあるらしい。

「じゃあさ、ちょっと考えようよ。フロアマスターのこと」

歩きながらダナが切り出した。

「次に階段降りたら、フロアマスターと戦わなきゃいけないじゃない。ミドル、心の準備できてる?」

「え、ええ。でも、ちょっと不安です」

「だよねえ。武具とか防具とか、村で買ったやつだし。ボクの装備だって、母さんからもらったお古で特別なもんじゃない。ヘアバンドだけ、違うみたいだけど」

「なら階段に着いたら、一旦戻りませんか?準備してから行った方がいいですよ」

ミドルの言うことは一理ある。ただ、ミドルを庇いながらでも、上級オーク程度なら一蹴できる自信もある。

「それもそうだ。ただ、私とダナならなんとかなる気もする。何より、シトロリンゴのお陰で体力の不安もない。考え所だな」

思案しているうちに、扉の前についた。扉を開けるとそこには…

01~05 魔物だ!
06~30 まただだっ広い部屋だ。
31~80 あっさり階段が見付かった。
81~90 階段に誰かいる。
91~99 階段横に、また宝箱だ

ゾロ目なので、イベントが発生します。

扉を開けると、あっさり階段が見付かった。

「なんか、あっという間でしたね」

ミドルがほっと一息ついた。しかし、ダナの表情が引き締まる。

「…何…これ…?」

ダナが感じたのは…

01~20 階段の底から聞こえる、猛獣のうめき声だ。
21~70 階段が少し光っている?
71~90 階段が薄く光っている、ように見える。
91~99 ぱっと見あまり変わりはないようだが、ダナだけは何か感じたようだ。

私にも感じた。階段が、薄く光っている。何か変だ。三階層で見た鉱石の明かりを、さらに強くしたようにも見える。
私たちは階段に向かい調べた。

罠察知判定
70-知力(5)×10=20以上で成功

63…成功

階段に向かうと、段の一角から青白い光が発せられている。光源は、嵌め込まれた小さな鉱石のようなものだ。

「ほら!やっぱり変だよ!」

ダナは叫ぶと、光源の石を手持ちの剣を使い削り出した。

「これ!ただの鉱石じゃ、多分ないよ」

私も手に取った。これは…

罠察知判定
100-知力(5)×5=75以上で成功、90以上で追加情報あり

59…失敗

確かに、ただの石ではあり得ない。ただこれがなぜこんなに光っているか、私には分からなかった。

「そのようだが…これは?」

「ボクにも分からない。でも何か、不自然な気がする。これは普通に階段にあったものじゃない」

「ミドルは何か分かるか?」

ミドルの罠察知判定
100-知力(2)×5=90以上で成功

95…成功

「えっ、これって…」

「ミドル、知ってるのか?」

「いや、ごめんなさい。勘違いかもしれない」

ミドルは信じられないといった表情だ。

「そんなこと言わないで。これ、見たことあるの?」

ダナの真剣な表情に押されたのか、ミドルがぽつりと言った。

「これ…レッドドラゴンが村に来る数日前に、行商人が売ってた石です。『アンバライト』、そう言ってました。幸せを呼ぶ、石なんだって」

一旦中断。荒ぶるコンマと大活躍のミドル君。

ミドル君、足手まとい役だったはずなんですがねえ…
豪運で逆にMVP級の働きしちゃってますね。下手したら、ストーリーの主要部分の一部が、大きく加速します。

以下注意。この後、ストーリーを大きく左右する選択が発生します。
このため、次の安価は多数決を取ります。どれが正しいかは現時点では確定しませんが、よく考えて選んでください。

ミドルが静かに話し始めた。

「行商人のことは、僕はよく覚えてません。ただ、村の小さな女の子たちは喜んでました。薄く光る宝石を、行商人がただでくれたんですから」

「訝しがっていた村の大人も、一日経つと態度が変わってました。別の行商人が、その石を高く買い取ったからです。災厄の日の前は、ダイヤに近い価格で取引されてたらしいと、隣の女の子の父さんが嬉しそうに話してました。これで貧しい生活も、終わるかもしれないって」

「でも、おかしなことが起きたんです。段々と、石の光が強くなっていったんです。3日すると、石をもらった家からは、夜には眩い光が放たれるようになってました…その次の日です、ドラゴンが来たのは」

「ドラゴンは、まず隣の家を焼きました。次は、女の子の親友の家を。やがて手当たり次第に、炎を吐き…えっ、えっぐ」

惨劇を思い出したのだろう、ミドルが嗚咽にむせんだ。

「もういい、すまなかった」

私はミドルを抱き締めた。

「辛かったな」

「うっ、うう…うわあああああ」

ミドルは泣きに泣いた。私とダナも、溢れるものをこらえ切れなかった。

##########

「…すみません、我を忘れちゃって」

「いいんだ、辛いことを吐き出せるのも、仲間だからな」

「…それで、これどうする?すっごいヤバイものっぽいけど」

ミドルが落ち着くと、ダナが訊いてきた。

「そもそも、これがアンバライト…だっけ?それであるのは間違いないわけ?」

ミドルが少し自信なさげに頷いた。

「ええ、多分。隣の子が持っていた石に、とても光が似ています。何より、段々と光が強くなるなんて石、聞いたことがないです。アンバライト以外には」

「そっか、となるとどうしようか」

私は考えを巡らせた。

賢さ判定
100-賢さ(12)×8=4以上で成功

12…成功

私は考えを巡らせた。アンバライトの光とドラゴンの襲来。因果関係がないとは、まず思えない。
そうすると、これは多分、ドラゴンを引き寄せる何かだ。そして、これを誰かが人為的に嵌め込んだ…?

おぞましい推測が、私の頭に走った。

「誰かが、ドラゴンを呼び寄せようとしている…?」

確信は持てない。そもそも、これがアンバライトである保証も、仮にアンバライトであったとしてもドラゴンを呼び寄せるものである保証もない。
ミドルの思い込みという可能性も捨てきれない。少なくとも、ゼロではない。

「でも誰が?何のために?地上をドラゴンで荒らしたいの?」

ダナが矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。そうだ、それは全く分からない。意味がない。私は首を振った。

「今分かることは、あまりに少ない。となると…」

注:重大選択肢です。下5まで多数決を取ります。

1 一度これをアングヴィラに持ち帰り、調べよう。エルヴィンなら分かるだろう
2 こんな危険なもの、ここで壊してしまえ
3 もう一度、ここに戻しておこう
4 一度鑑定計で鑑定してみるか

まだ5スレないですが、4で確定します。
なお、安価はまだ続きます… 心して下さい。

微妙なシーンですが、スレ主は会議なので一旦休憩。

では、再開。

「アングヴィラに持ち帰り、こいつを無力化できる方法を探そう」

私は考え抜いた末、二人にこう伝えた。

「大丈夫なんですか?ドラゴンを引き寄せてしまうかもしれないんですよ?」

ミドルが納得できないといった風情でこう言った。そう、確かにそのリスクはある。だが…

「ああ、そうかもしれない。可能性は捨てきれない。ただ、まだ時間はあるんじゃないのか?」

ミドルは一瞬理解できないようだったが、はっと気付いた。

「…まだこれは、そこまで光ってはいない…」

私は頷いた。

「ドラゴンが君の村に来る直前は、眩いまでの光だったんだろう?時間と共に光が強まるなら、まだ猶予はあるんじゃないのか。…このぐらいの光の時、ドラゴンが来るどのくらい前だったか覚えているか?」

「…確か、行商人が来た翌日に見せてもらったぐらいでした。多分、2、3日前かと」

「そっか、それまでにこいつを何とかすればいいんだね。でも、どうやって?」

ダナの言う通り、そこが問題だった。アングヴィラにいる誰が、知っている可能性があるだろうか?

1 エルヴィン
2 尼僧のエイラ
3 医者のハーニス
4 ダナが知り合った魔法使い
5 よくわからんので、ギルドハウスに行こう
6 自由安価

下3までコンマが高いもの。0930まで締め切りにします。

2に決定します。

「尼僧のエイラなら、知っているかもしれん」

「エイラ?誰それ」

ダナはきょとんとしている。

「アングヴィラの古株だ。村長…エルヴィンよりも昔から、アングヴィラで教会を営んできた。信頼はおける…ちょっと変わってるが」

「昔からいるからこそ、何かの知識があるかもしれない、そういうことですか?」

ミドルの問いに同意した。

「エイラがどのくらい、魔導の術に長けているかは分からない。私と同じ、ユングヴィの信者でプリーストだから、門外漢の可能性もある。ただ、エイラがこれまで生きてきた経験にかけるのは、そう悪くないんじゃないか」

そう、確信が持てる選択ではない。だが、手持ちのカードでは一番勝ち目がありそうでもあった。

「じゃあ、一回戻る?村はもう夕暮れだし、エイラさんのとこに行くのは明日だろうけど」

さて、どうするか。探索はしようと思えばできる。
次の第五階層はフロアマスターがいるが、多分大丈夫という自信はある。一人だけなら不安もあるが、ダナもいるなら行ける、はずだ。
何より、明日はアンバライトを何とかしなければならない。探索より、はるかにそちらが優先だ。
帰還してもいいが、先に早く行くなら今が好機でもある。

さあ、行くべきか、戻るべきか。

注:戻った場合、小ミッション達成のための探索はアンバライト関連イベントが一服するまでできなくなります。
アンバライト関連イベントでの戦闘可能性は低いですが、戦闘時はかなりハードなものになります。

1 第五階層に行こう
2 一度戻ろう

安価下3まで多数決

下3までないですが、1多数で決定です。

「いや、第五階層まで行ってしまおう。明日はこいつを何とかするので手一杯になるだろう。なら、切りのいいとこまで行ってしまうのも一手だ」

「あー、うん。それもそうか。ミドル、頑張ろうね」

「はい!」

まずは目先の問題を片付けよう。本当に大事なことは、邪念なく全力で当たるべきだ。
私はそう思い、階段を降りた。

さあ、最初のヤマ、フロアマスター戦です。
フロアマスター戦に限り、コンマによる雰囲気判定がフロアマスター選択になります。
雰囲気察知判定はそのままです。

【第五階層(フロアマスター)】
フロアマスター

01~15 屍戦士『モウカ』とその軍勢
16~30 ハイオーク『ウルグドゥシュ』とその軍勢
31~45 オーク『シャグラト』とその軍勢
46~60 ハイオーク『ウルグク』
61~75 ダークエルフ『ミーメ』
76~90 狂人『スネーク・タン』
91~99 はぐれホビット『マゴット』

フロアマスター コンマ下
雰囲気察知判定 コンマ下2

フロアマスター 50…ハイオーク『ウルグク』
雰囲気察知判定 成功

ひとまず休憩。

そろそろ再開。

階段を降りた先は小さな煉瓦造りの小部屋だった。三方に通路があり、その先には扉が見える。扉によっては鍵がかかっていたり、罠があったりするかもしれない。
何より、扉を開けた先に魔物がいたら厄介だ。準備なしにいきなり戦闘は、さすがになかなか厳しい。

「そもそも、フロアマスターって何なのですか。階層の番人、なのは分かるんですけど」

ミドルが訊いてきた。

「ん、ボクもよくわかんないや。むしろ教えてほしいぐらい。ただ、大昔からいたらしいよ。浅い階層のについては、文書でまとめられたりもしてる」

「ダナも読んだことが?」

「そりゃあね。父さんが書いてたから」

なるほど、ダリオなら書けるだろう。若い冒険者への、虎の巻といったところか。

「父さんが書いてたけど、穴に出てくる魔物の中には、人の記憶や伝承を具現化したものもいるんだって。大昔の怪物や、お伽噺の偉人。『名前付き』の多くは、そういうものらしいよ。『穴自体が人の心を読み取る怪物なのでは』ってあったけど、本当なのかな」

「そもそも、入るたびに構造も違うんだ。それもあり得ない話じゃない」

私は周囲を見渡した。直感だが、多分ここのフロアマスターはさほど強くはない。だが、ミドルもいる。油断は禁物だ。


「まあ考えてもしょうがないや。とっとと倒しちゃおう。アンバライトのこともあるし、手間取っていられないね」

ダナが剣を抜き、臨戦態勢に入った。さあ、行くか。

#########

いくつかの扉を抜け、小一時間がたった。同じところをグルグル回っている気もするが、魔物の気配は感じられない。

「これ、何か変じゃない?」

ダナが眉をひそめる。確かに妙だ。

周辺感知判定
100-賢さ(12)×6=28以上で成功

21…失敗

おかしい。幻術なのかどうなのか、よく分からないが感覚自体が狂わされている。
これではフロアマスターどころの騒ぎではない。体力が十分だからまだいいが、このままではかなりまずいことにもなる。

「迷った、んでしょうか」

ミドルも不安そうだ。彼には旅人用の小型ナイフを持たせているが、手元が手汗でかなり濡れている。緊張からか、ミドルの消耗は私たちより早そうだ。急いだ方がいい。

「でもこのまま歩いても、らち明かないよ?どうしたもんかな」

私は…

1 近くの壁を叩いてみた
2 足下を軽く蹴ってみた
3 ダナの剣で天井をつついてみた

安価下

「ちょっといいか」

私はダナから剣を借り、天井をつついてみた。手応えがどうも怪しい。少なくとも、煉瓦のそれではない。張りぼてのような、そんな感じだ。

「ひょっとして破れるんじゃないか」

私は軽く力を込めた。ザクリ。剣は天井を貫いた。

「えっ、これ何?部屋の上に何かあるの?」

ダナが驚く。ミドルも開いた口が塞がらないようだ。

「分からない。適当にやってみただけだが、まさかこうなっているとは」

よくよく見れば、周辺の煉瓦と天井都では微妙に色合いが違っていた。しかし素材ごと違うとは。本当に何があるか、分かったものではない。

剣をノコギリのように使うと、天井はきれいにくり貫かれた。手をかけると上に登れそうだ。多少たわむが、体重で底が抜けるほどでもなさそうだ。
一番背の高い私が先に上がる。すると、そこに見えたのは…

01~20 魔物だ!
21~70 広い草原、所々に木がある広場だ。彼方に建物が見える。
71~99 すぐ近くに建物がある

コンマ下

そこに見えたのは広い草原。彼方に建物が見える。あそこにフロアマスターと階段があるのだろうか。

「ねえ、どうなってた?」

ダナが私を見上げた。

「やはりこっちが本当の第五階層のようだ。手を出してくれ、引き上げよう」

私はダナに向かって手を差しのべた。ダナが存外軽いせいもあるが、足下は割れない。何でできているのか、実に不思議だ。
ダナを引き上げると、次はミドルだ。ミドルは上がった先が、ランタンが要らないぐらいには薄明かるいのに興味を持っていた。

「なんか分からないことばかりで、頭がパンクしそうです」

軽く混乱した風情で、ミドルが言った。ともあれ、これで状況は打開できたようだ。

########

しばらく歩くと…

01~20 近くから強烈な殺意が感じられた
21~90 無事、建物に着いた
91~99 人影らしきものが見える

コンマ下

しばらく歩くと、無事建物に着いた。多分、ここにフロアマスターがいる。
建物の大きさは、ちょっとした邸宅ぐらいか。用心が必要だ。

ギイ…という音とともに、入口の扉を開ける。殺意はどうか。

01~30 すぐ近くから発せられている。
31~60 殺意は近いが、まだこちらに気づいてはいない。
61~90 殺意はかすかに感じる程度だ。
91~99 入口には先客がいた。

殺意は近いが、まだこちらに気づいてはいない。いるのは一階か、階段を上がったすぐ上か。

「ミドルは下がってた方がいいよ」

ダナがミドルの前に入った。賢明な判断だ。

「で、ボクとシデ、どっちが前に行く?多分、ボクの方が硬いけど」

それもそうだが…

1 任せた
2 いや、私が前に行こう

安価下

「ああ、任せた」

おそらくこれが、最善だろう。私はほぼ防具を身に付けていない。普通の衣服で素手だ。
教団の戦闘術で身の硬さを鋼鉄のようにすることはできる。しかし、不意討ちには対応ができない。何より、ダナの方がタフなように見える。
攻撃だけなら私が上かもしれないが、総合的に見てダナが前列にいるのは正しい。

「りょーかい。じゃあ行くね」

ダナを先頭に一階をゆっくり歩き始めた。とりあえず廊下には何もいない。

「近くの部屋に潜んでいる可能性が高そうだな」

私は声を潜めた。

ミドルの器用さ判定
100-器用さ(4)×5=80以上で成功

57…失敗

パキッ。ミドルが一歩踏み出したその時、足元にあった朽木を彼は折ってしまった。小さな音だが、気配を察知されるには充分だ。不味い。

01~30 すぐ近くの部屋から、魔物が飛び出してきた!しかも後方からだ!
31~60 すぐ近くの部屋から、魔物が飛び出してきた!
61~80 少し先の部屋から魔物が飛び出してきた!しかも後方からだ!
81~99 少し先の部屋から魔物が飛び出してきた!

すぐ近くの部屋から魔物が飛び出してきた!

ダナの不意討ち回避判定

90-器用さ(10)×5=40以上で成功

60…成功

「ゴアアアアアアア!!」

太い棍棒を持ったオークが、ダナに向かって躍りかかる!奴は力任せに棍棒を振り落としたが、それは朽ちた床に穴を開けるだけに終わった。

「あっぶなあ!」

後跳びで攻撃を紙一重で交わしたダナは、剣をオークに向かって構え直す。

ダナの選択は…

01~20 正面から斬りかかった(失敗、ダメージ)
21~40 正面から斬りかかった(失敗)
41~70 正面から斬りかかった(成功、コンマ一桁×3+筋力(7)×2ダメージ)
71~99 斬りかけると見せかけ、右手から火球を放った

「あんたの手は知ってるよ!」

ダナは左手で剣を振りかぶり、オークに向かい斬りつけ…左手?
なぜ長剣なのに片手で斬りつける?しかも利き手ではない方で?
私がはっとダナの右手を見たのと、そこから火球が発せられたのと、ほぼ同時だった。

「ギャアアアアAAAAA!!」

不意をつかれたオークは、火球の直撃を受けて後退した。巧いっ。

ダナの火球のダメージ
コンマ下の下一桁×4+知力(8)×3

ダメージ8+32=40

ウルグク残りHP200-40=160

「ぐるルル…ウガアアア!」

オークは一瞬怯んだものの、すぐに態勢を立て直してきた。

「さすがに一発じゃ無理か、でもこれはどうかな?」

ダナは再び右手から火球を放つ!

命中判定
90-器用さ(10)×6=30以上で成功

18…失敗

しかし、オークは今度は火球を掻い潜り、こっちに向かい突進してきた。
奴の狙いは…

01~30 ミドル?
31~60 私か!
61~99 ダナに反撃だ。

奴は猛然と突進してくる。狙いはダナ…いや、殺気は私に向けられている!
避けるか?いや、避ければミドルに当たりかねない。ここは受けるしかない!

鋼体術起動判定
100-賢さ(12)×8=4以上で成功
成功時ダメージは下一桁

コンマ下

84…成功
ダメージ4、残りHP26

「うおおおお!」

私は丹田に力を入れ、全身に気を巡らせた。常人よりはるかに硬い肉体を作り出す業、鋼体術である。
腕を交差させ、降り下ろされるオーク棍棒を受け止める。強烈な衝撃で、足元の床が割れる。
手首に激痛が走る。が、耐えられないこともない。私は決して俊敏ではない。だから、鋼体術で受け、そして…

「私の距離だ」

命中判定
40-器用さ(2)×10=20以上で成功

40…成功

私はすぐさま腰を落とす。体をひねり、軸足の親指に力を込める。そして、左拳に気を巡らせる。

グシャアッ

全体重を乗せた左の拳撃が、オークの右脇腹にめり込んだ。

ダメージ
コンマ一桁×3+筋力(7)×3
※鋼体術使用後のため乗数ボーナスあり
※80以上で朦朧判定、ゾロ目で秘孔ヒット

コンマ下

ダメージ…15+21=36
ウルグクHP 残り160-36=124

朦朧発生!

「ア…GA…」

渾身の一撃が突き刺さる。拳に込められた気は、内部から犠牲者の内臓を痛め付け、神経をも麻痺させる。
その時、動きは止まり、追撃の絶好機となるのだ。

私はオークの口から胃液が垂れるのを確認し、右拳をオークの顎目掛け振り上げた。

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3
51以上なら朦朧続行、ゾロ目で秘孔ヒット

ダメージ…21+21=42
ウルグクHP 残り124-42=82

朦朧解除

右拳はオークの顎を直撃した。醜い頭が、後方に弾け飛ぶ。

「ガ、ガアアア」

しかし、強烈な衝撃はオークの意識を取り戻したようだ。まだ、息の根は止まってはいない。

「シデ、少し避けて!」

その時、前の方からダナの叫びが聞こえた。右手には火球。オークの背中目掛けて、火球を放つ!

命中判定
00奇数、11ゾロ目以外で成功

29…成功

ダナの火球は、オークの背中を直撃した。

「ゴアアアアアアア!」

ダメージ
コンマ下一桁×4+知力(8)×3

ダメージ…28+24=52
ウルグクHP 残り82-52=30

ゾロ目のため、クリティカルヒット!
ダメージ判定がもう一度発生します。

コンマ下

ダメージ…20+24=44
ウルグクHP、残り0

小ミッション達成!

ここで一旦休憩。

後で触れますが、ダナが魔法を選択した時点でかなり勝ち確に近い状態でした。
避けられた時はちょっと危なかったですが。シデは巧く嵌まるとずっと俺のターンな上、攻撃力が半端ではないので格上でも瞬殺が可能です。
…秘孔ヒットは、ダメージ3倍(通常2倍)+朦朧なので。

「ギャアアアアアアアアアッッ!!!」

館にオークの断末魔が響き渡る。ダナの火球を背中に受けたオークは前のめりに倒れ、それきり動かなくなった。

「死んだ…んですか?」

後ろにいたミドルが、恐る恐る言う。

「多分…な」

私は、足元に転がるオークの体を触り言った。そこからは、生命の灯は消え失せていた。

「よっしゃああ!やったね!」

ダナが歓喜の声をあげた。 ダナもミドルも無傷だ。私だけが手首に傷を負ったが、大したものではない。ほぼ理想通りの戦いと言えた。

「それにしても、初撃は見事だったな。私も騙されたよ」

剣を鞘にしまったダナに、私は呼び掛けた。結局、この探索でダナの剣は、天井をくりぬいただけに使われたことになる。

「ああ、あれ?いやさ、なんかあのオークに見覚えがあってさ。あの馬鹿でかい棍棒でピンと来たんだ。父さんの本に載ってたなって」

ダナが照れ臭そうに言う。

「『ウルグク』、って言うんだっけ?攻撃は強烈でマトモに貰うと一気にやられかねないってあったんだけど、決定的な弱点がひとつあって。脳ミソまで筋肉だから、魔法に弱いの、こいつ」

なるほど。だから手の内を知ってると言ったわけか。

「さすがだな、助けられたよ。ありがとう」

「いやあ、ていうか、私仕留め損なっちゃったじゃない。シデもよくあそこで反撃してくれたよ。すごいねえ、教団修行僧の拳闘術って」

「それほどでも。私は修行僧にしては回避がほぼできないからな。ああいう肉を切らせて骨を絶つ戦いしかできないのだ」

私は苦笑した。もう少し素早ければ、もっと楽に戦えるのだが。昔はよく揶揄されたものだ。

「とにかく、感謝するのはボクの方だよ。ありがとね」

ダナがニコッと笑った。こういう時は、やはり女の子なのだな。私は思った。

私はオークの死骸に軽く手を合わせた。いかなる理由があろうと、殺生には違いない。次生まれ変わる時は、せめて善なる生を。そう願った。

「で、どこに階段ってあるんだろう。館のどこかにあるよね?」

「でも、ちょっと探索しません?フロアマスターがいる階層って、大体何かあるんですよね」

ミドルが言った。少し手間取ったが、この館を探索する時間はありそうだった。

しばらく3人で館を探した。すると…

01~20 宝箱1つが見つかった
21~40 宝箱1つに、武器が見つかった
41~60 宝箱1つに、防具が見つかった
61~80 宝箱1つに、武器と防具が見つかった
81~90 宝箱3つが見つかった
91~99 何か特別なものがある気がする…

低いコンマ多いな

館を探索した結果、宝箱1つが見つかった。

「うーん、なんか割に合わないなあ」

ダナが不満そうだ。まあ、こういうこともある。それに、問題は中身だ。

「罠とかはないみたいだね」

そう言って、ダナが箱を開けた。そこには…

01~20 骨董品だ
21~40 小剣がある
41~60 一対の皮グローブだ
61~80 首飾りだ
81~99 指輪だ

>>360
そう言っていると強コンマが出ますねw
ただ、フロアマスター戦の引き、見直したらシデやダナのようなチートキャラじゃなかったらかなり危ない感じですね。

宝箱にあったのは、小さな指輪だ。何らかの魔力を感じる。

「何だろうね、これ」

「価値だけなら分かりますけど。装備したらどうなるんでしょうね」

「使うにしろ、売るにしろ、まずは鑑定計か」

鑑定計は…

01~20 100マドルを指した
21~40 200マドルを指した
41~70 300マドルを指した
71~95 400マドルを指した
96~99 鑑定計が動かない

鑑定計は400マドル近くを指した。エルヴィンが求める水準ではないが、逸物であるのは間違いない。

「結構凄い指輪なのかな?」

「どうだろうか。冒険に使えるとは思うが、専門家でないと効果は分からんな。装備すれば、なんとなく分かるかもしれないが…」

1 装備しない
2 装備する(誰がも合わせて)

ダナの感知判定
100-賢さ(7)×5=65以上で成功
ただし、20以下で呪い発生

29…失敗

「うーん、なんかよくわかんないや」

「そうか、一旦持ち帰って調べよう」

#########

館の地下室に、階段はあった。アンバライトの光は…

01~20 ある
21~99 ない

階段にはアンバライトの光はなかった。ここには埋め込まれていなかったらしい。

「ということは、第一から第四までアンバライトがあったことになるね。第二はわかんないけど」

ダナが言った。

「おそらくだが、フロアマスターがいる階層までは関与できなかったのだろうな。まあ、ドラゴンは地下から呼び寄せるもののはずだから、第四階層で途切れていれば、地上には来ないはずだ」

#########

「じゃあ、階段の横の辺りに置くよ」

ダナが帰還のルーンを設置した。ふと横を見ると、ミドルが肩を落としている。

「すみません、フロアマスター戦では何もしてないうえに、足手まといになっちゃって」

確かにミドルが腐った木を踏み折ってしまったのが、戦闘のきっかけになった。しかし、全員ほぼ無傷だ。何より…

「いや、この探索ではミドルに大いに助けられたよ。君がいなければ、シトロリンゴも手に入らなかったし、何よりアンバライトのことも分からなかった。心から言うよ、ありがとう」

「そっ、そんな!僕なんかが…」

恐縮するミドルの頭を、私は笑って撫でた。この子はきっと、いい冒険者になる。そう思った。

ここで一旦区切ります。再開後はまず、ステータスの上昇判定からになります。
ご拝読、ありがとうございました。

以下、質問、注文、批判なんでも結構です。
個人的に、フロアマスター戦のテンポや戦闘バランスは思案してたりします。
バランスは不意討ちや露骨なミドル狙いの選択入れてカバーしようと思ってましたが、全部回避しましたね…これもコンマ神の導きなんでしょうか。

小ミッション達成後のステータス上昇判定です。

まず、シデからやります。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

シデHP…30+78÷4=50

次、ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 2ポイント
34~66 3ポイント
67~99 4ポイント

コンマ下

4ポイントの上昇です。

さて、4ポイントのうち1ポイントだけ、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(ただし、10以上の賢さと魅力の上昇には2ポイント必要なため、今回は除外)

1 筋力
2 知力
3 器用さ
4 耐久力

耐久力 6→7

あとはランダムになります。コンマで順に決定します。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

器用さ2→3

2回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

賢さ 12→13

以上でシデのステータス判定終了です。

シデ

HP 50
筋力 7
知力 5
器用さ 3
賢さ 13
耐久力 6
魅力 11

職業:モンク

持ち物
シトロリンゴ5個
100マドルの花瓶
400マドルの指輪(効果不明、呪いなし)

次はダナです。

HP上昇=コンマ下÷4(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

訂正。

シデ

HP 50
筋力 7
知力 5
器用さ 3
賢さ 13
耐久力 7
魅力 11

職業:モンク

持ち物
シトロリンゴ5個
100マドルの花瓶
400マドルの指輪(効果不明、呪いなし)

ダナHP…56+93÷4=79

次、ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 2ポイント
34~66 3ポイント
67~99 4ポイント

コンマ下

3ポイントの上昇です。

3ポイントのうち1ポイントだけ、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?(ただし、10以上の器用さと魅力の上昇には2ポイント必要なため、今回は除外)

1 筋力
2 知力
3 賢さ
4 耐久力

筋力 7→8

あとはランダムになります。コンマで順に決定します。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ(2p)
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

器用さ 10→11

最後に、好感度判定です。
コンマ一桁上昇、ただしゾロ目なら追加判定です。

好感度 88→98

以上でダナのステータス判定終了です。

ダナ

HP 79
筋力 8
知力 8
器用さ 11
賢さ 7
耐久力 6
魅力 10
好感度 98

職業:勇者の娘

ミドル分はできたら夜にでも。

…二人とも強い(確信)

この手のssだと、こっちの強化に合わせて敵側がインフレしてくなんてことは良くあるけど、そこらへんの敵ステータスとかはもうある程度決まってたりするのかしら

>>413
元ネタがあるのでそこはご心配なく。フロアマスターには意外なキャラも出るかもしれません。

つまり今後の成長コンマ次第では俺TUEEEEになることもあるわけか。

シデの賢さ判定で4以上になる所が沢山あったけどそこら辺って確定成功になるのかな

しばらくの後、ミドルのステータス判定をやります。

その前にレスを。

>>415
既に俺TUEEEになってしまいましたがね…コンマ神が大体悪いですw
緊張感を作るため色々工夫しますが、至らなかったらごめんなさい。
というか、小ミッションの最低上昇は1pにすべきだったかと思案してたりします。コンマ神に愛された二人が、おかげでヤバイことに…

>>416
00奇数以外全部成功になりますが、テンポの都合上、雰囲気察知自体やめるかもです。
元ネタからして中盤戦以降は全成功がデフォなので、仕方がないですね。
ただ、過度のインフレ抑制のため、上昇に必要なp数はどんどん上がります。

では、ミドル行きます。

HP上昇=コンマ下÷2(四捨五入)
ただし、10未満は再判定

バランス調整上、HPは他の二人と同計算式にします。

ミドルHP…20+61÷4=35

次、ステータスの上昇ポイント数を決めます。

01~33 4ポイント
34~66 5ポイント
67~99 6ポイント

コンマ下

4ポイントの上昇です。

4ポイントのうち1ポイントだけ、好きなステータスに割り振れます。
どれにしますか?

1 筋力
2 知力
3 器用さ
4 賢さ
5 耐久力
6 魅力

再安価にします。直下。

耐久力 2→3

あとはランダムになります。コンマで順に決定します。

1回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

耐久力 3→4

2回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ(2p)
65~80 耐久力
81~96 魅力(2p)
97~00 自由割り振り

あ、2pは無視して下さい。直下。

賢さ 3→4

3回目

01~16 筋力
17~32 知力
33~48 器用さ
49~64 賢さ
65~80 耐久力
81~96 魅力
97~00 自由割り振り

一応聞くけどこういうちゃちゃっとコンマで決めてく時って連取おけ?

最後に好感度判定。コンマ下一桁

ミドル

HP 35
筋力 2
知力 2
器用さ 4
賢さ 5
耐久力 4
魅力 4
好感度 99

これで終了です。

>>433
安価連取は悪質な場合のみ規制、コンマの連取は基本OKです。
ただしあまり連続している場合は、スルーもあります。

てなわけで、ステータス判定終わりました。次の小ミッションでの判定は、バランス見て決めます。
なお、ミッションの内容があまり良くない場合(ギリギリ勝利だったり、ストーリー進行に関わるバッドイベント発生)、上昇ポイントが少なくなるのは仕様です。

基本コンマ以外の連取はNGにして、◯分経っても誰も取らなかったら連取可、みたいにすればいいと思う。安価は下

>>440
了解です。ではそのようにします。

子守りが少し落ち着いたので再開。

「ああ、ライラちゃんは魔術師なんだって。魔法使えるなら、これについても何か知ってると思って」

なるほど。ただ、彼女はまだ経験に乏しかったような気がする。どこまで分かるだろうか?そう思案しているうちに宿屋についた。

「らっしゃい、お泊まりかい?…ってシデか。誰かに呼ばれたのかい」

少しふくよかな中年の女主人が言った。

「いや、ちょっと人探しでね。ライラ、って魔術師はここにいるか?」

ライラは…

01~30 穴に行ってていないよ
31~60 ギルドハウスかな?
61~90 ああ、ちょうど穴から帰って来たところさ
91~99 来客が来てて話してるね

「ああ、あいにくだけど穴に行ってていないよ。いつ戻ってくるか、戻ってこないか…」

「そうですか…」

ミドルが肩を落とした。空振りか。

「うーん、どうしよう?」

1 エルヴィンの所に行く
2 医者のハーニスの所に行く
3 ギルドハウスに行く
4 武具屋に行く

あ、5にこのまま待つを追加で。

「ならば、ギルドハウスだな。人がいれば、何か情報が得られるかもしれない」

ギルドハウスに入ると…

01~20 ゴラフ以外、誰もいない
21~40 ゴラフと若い傭兵風の冒険者が話している
41~60 ゴラフと目付きの鋭い中年が話している
61~70 なぜかライラが酒を飲んでいる
71~90 重装備に身を包んだ青年がいる
91~98 ネモがいる
99   ???

ギルドハウスに入ると、ゴラフと目付きの鋭い中年が話していた。

「おう、シデ御一行じゃねえか。どうだ、探索は順調か?」

「ええ、お陰さまで。ところで、彼は?」

「ああ、こいつは…」

01~30 テルモンから流れてきた傭兵さ
31~60 テルモンから流れてきたシーフさ
61~80 ああ、テルモンからの使者さ。
81~97 えっ、お前たちこいつを知らないのか?
98、99 実は俺も知らないんだが、なかなか面白い奴でな

「ああ、こいつはテルモンから流れてきた傭兵さ。テルモンも過ごしにくくなったと言ってな、こっちに拠点を移すことにしたらしい」

男は私たちを見つめ、軽く黙礼した。

「で、何用だい?穴に潜っているものだと思ってたが」

ゴラフに事情を話した。さすがのゴラフも、色を失っている。

「…そういうことかよ。しかし、誰か詳しい奴がいるかね?早く何とかしないと、アングヴィラもまずいかもだぜ。…なあ兄さん、心当たりはあるかい?」

ゴラフが男に話しかける。すると…

01~60 男は黙って首を振った。
61~80 「少しそれを見せてくれ」
81~97 「ああ、なくはない」
98、99 ???

おお、出ました。初00。

次のコンマは運命の別れ道です。

下一桁奇数 男は首を振った。…その時、外から耳をつんざくような鳴き声が聞こえた。
下一桁偶数 ?????

なお、?にしてあるのは超展開のためです。開けてのお楽しみに。

偶数…超展開ルート

ここで切ります。なお、これで一気にストーリーの核心部が見え始めます。ヒントは「主人公のキャラメイク」です。しばしのお待ちを。

まだちょっと余裕があるので、進めましょう。

了解

00、100分の1とは言え出る時は割と出ちゃうからあんまり1回で飛ばしすぎなくてもええのよ…?

安価下

私はザックからアンバライトを取り出し、男に見せた。すると、男は最初静かに、そして少しずつ大きな声で、遂にはギルドハウスの外にも聞こえるような大声で笑い始めた。

「ククク…フフフ…ワーハハハハハ!!これは愉快だ!実に、実に愉快だ!」

私たちは呆気に取られた。何がそんなに可笑しいのか?唖然に取られる私たちを余所目に、男は独り言を叫び始めた。

「このような下らんことをするのは誰だ?ブランドか、フィオナか?いや、ドラゴンを使うやり口はジュリアンだな!地上を荒らして、統治しやすいよう文明レベルをさらに落とすつもりか?もう充分、世界は滅びている。これ以上する意味なぞどこにある?」

男の顔には狂気すら感じられる。その身から発せられる気には、私が今まで感じたことのない圧倒的な威圧感があった。
横をふと見る。ダナが一歩、後ろずさっていた。彼女も、この男の異常さを察したらしい。

「まあいい。企みは事前に潰えた。心から礼を言うぞ、諸君」

男が私たちに笑いかけた。

「あなたは、何者なんですか」

私は、畏れを表に出さないよう、男に語りかけた。

「ああ、名乗るのを忘れていたな」

男は手に持ったアンバライトをグシャリと潰し、こう言った。

「コーウィン。コーウィン・アヴァロンだ」

キリのいいところで切ります。
最重要人物の一人、唐突に登場。

>>483
00からさらに二分の1ですんで、200分の1ですね。さすがにこれは滅多に出ないので、ここまでやっちゃってます。
コンマが悪いのが続き、スローペースになりかけてたらこれだよ!

ボスのうちの一人なのか

>>487、488
概ねその通りです。

なお、奇数ルートはドラゴン襲来でした。
余程酷いコンマでない限り、エルダーではなく小型どまりでしたから、街は上手く行って半壊で済んだはずです。

>>489
奇数だと上手くいっても残り3つしかない街の一つが半壊してたのか……
ドラゴン来てたら主人公たち完璧戦犯扱いされて、かなり精神的にダメージあっただろうし……
00ヤバイな、コンマ神へのゴマの擦り方考えとかないと(使命感

一日見てなかったら驚きの超展開を迎えていた
とんでもないものにかかわることとなったミドル君の明日やいかに

そろそろ再開します。

>>490
街は知られている比較的大きな街が3つという意味です。
(アングヴィラは村ですが、一応1000人弱いるのでこの世界では大きい方)
トレス森王国なんかは200人ぐらいのエルフがまだいます。が、街というには小さいですね。
ミドルのいた村のように、生き残りの数十人ぐらいの集落は、まだ点在してます。大体滅びかけですが。

ドラゴンは、小型ならシデとダナだけという条件でギリギリ勝てる程度の相手です。
ただ、ミドルとか街の人を庇いつつとなるとかなり無茶ですし、家や店舗への被害は不可避だったでしょう。
なお、このルートだと一行はアングヴィラを追い出され、テルモンに向かう展開になる予定でした。

>>491
ミドル君、そもそも翼人と勇者の娘というチートパーティに志願しちゃったわけで…
仇のためとはいえ、部不相応な奴らと旅をしちゃったわけですから、仕方がないとはいえます。
…まあ、後にも出ますが本人ぽかーんですが。てか、本当の仇が分かったらどうすんでしょうね。

コーウィンと名乗った男は立ち上がった。背丈は1ミド85センタぐらい、細身だが痩せているというほどではない。
細長い顔に切れ長の碧い瞳。美形ではあるが、触れた者を切り裂かんとする鋭さを感じさせた。

「貴殿の名は?」

握手を求め、右手を差し出してきた。腰に差された銀の鞘は、恐ろしく細かな細工がなされていた。

「シデ・スナイダです。無礼をお許し下さい」

思わず敬語が出た。傭兵姿が、仮初めのものであるのは明白だった。

「いや、構わん。調査のため、敢えて下々の格好をしていたからな」

男は苦笑した。普段着では相当目立つだろうな、と私は腰の剣を見て思った。

「それにしても珍しいことだな。翼人がまだいるとは。貴殿はユングヴィの者かね」

「はい、今でも修業の身です」

コーウィンは私を見つめた。

100-魅力(11)×5=45以上で成功

27…失敗

「ふむ、そうか。精進するといい」

コーウィンは私の肩をポンと叩いた。彼もユングヴィに関係のある人物なのだろうか?
しかし、高貴な人物なのだろうが見たことがない。名前も聞いたことがない。父なら、知っていただろうか。

「そちらの少年は」

「ミ、ミドルです、よろしくお、お願いします」

ミドルが緊張でガチガチに固まっている。若くても、この雰囲気はさすがに感じ取ったようだ。何より、硬いアンバライトを素手で粉々に砕く男が、常人であろうはずがない。

「恐縮することはない…そして、そこの貴女は」

「ダナエ・ナラーといいます」

コーウィンは…

80-魅力(10)×6=20以上で成功

では、再開します。

コーウィンは街の外れに向かって歩き始めた。食事ならギルドハウスでもできるし、宿屋でもできる。一応そこそこのものを出す食堂もある。にもかかわらず、彼はそれらとは全く逆の方向に行こうとしている。

「なあに、心配することはない。私の邸宅に招待しようというのだ」

邸宅?こんな場所にあっただろうか?

「シデ、何者なんだろう、あの人」

ダナが少し不安げに、声を潜めた。

「…もちろん、只者じゃないのは分かるよ。多分、ボクたちより遥かに強い。ひょっとしたら父さんよりも。でも、父さんは母さん以外とパーティを組んだことは、なかったはずなんだ」

そう、勇者ダリオは単独行を好んでいたと言われている。ダナの母とパーティを組んでいたのも初耳だったが、このコーウィンという男の名は、少なくとも記録には残っていない。

「ああ、勇者の娘よ。私はダリオと共に穴には行ったが、共に戦ってはいないのだよ。私はいわば、案内人といったところだな」

コーウィンは軽く振り向いた。案内人?分からないことが多すぎる。

「僕はここにいて、いいのでしょうか」

ギルドハウスからずっと、ミドルは身を小さくして震えている。

私も同じだ。アンバライトの謎、このコーウィンという男。そしてダリオとの関係。何一つ分かってはいない。
一つ言えるのは、とてつもなく大きな何かに、私たちが関わっているということだ。

「この辺りでよいか」

コーウィンが足を止めた。街外れというより、辺りは既に荒野だ。周りには誰もいないし、来る気配もない。
すると彼はパチッと指を鳴らした。すると急に空間が歪み始めた。これは…帰還のルーン?

「帰還のルーン、と思っているだろう」

コーウィンが私の思考を読んだかのように言った。そう、これはその感覚に近い。しかし、ルーンはどこにもない。ならばこれは何だ?

「似て非なるものだよ。あれは、私たちが行うプレーンシフト…次元渡りの技術を魔導で置き換えたものだ。まあ、そもそもがフィオナ辺りが教えたのだろうがな」

彼が話している間に、空間の歪みはさらに激しくなっていく。ふと見ると、コーウィンの服装も薄汚れた傭兵のものから、見たことがない服装―漆紺の長袖の上下に白いシャツ、首に細長い赤色の布地を巻いたものだ―に変わっていた。

##########

やがて空間の歪みは収まり、私たちは灯りで照らされた大邸宅の前にいた。

「ようこそ、アヴァロン邸へ」

コーウィンが言うと、扉は独りでに開いた。
その先には、物語でしか見たことがないメイド服を着た女性10人ほどと、コーウィンの服のようなものを着た初老の眼鏡の男性が、最敬礼で出迎えていた。

「今帰ったぞ。ドワーキンよ、留守中に何か変わったことは」

「何一つ。侵入者も、他の『一族』の干渉もありませんでした…この方々は?」

初老の男性が言った。コーウィンは満足そうに頷いた。

「おう、客人だ…地上からは20年ぶりのな」

「地上…と言いますとダリオ様以来ですな」

「ああ、その娘だ。縁あり、ここに連れてきた」

ドワーキンと呼ばれた男は眉を潜めた。

「いけませんな。そう軽々しく地上の者を呼んでは。如何にダリオ様所縁の者と言えど、お立場をお考えになっては」

コーウィンが男を睨んだ。

「私が情で動くとでも?何万年の付き合いだ、愚か者めが。ここで消されたいか」

「いえいえ、滅相も」

「ならば口を慎むことだ。何より、狙ったかどうか知らんがジュリアンの企みをこやつらは止めたのだ。多少の褒美ぐらいは良いであろう」

「それはそれは、無礼をお許し下さい」

「分かればよい」

コーウィンはドワーキンを一瞥し、大階段を登った。

通されたのは、長いテーブルがある大部屋だった。椅子が3つに、その向かいに意匠をこらした椅子。あれがコーウィンのものだろう。
メイドに促され、私たちは椅子に座って待つよう言われた。コーウィンは少し用事があるという。「オードブルが出来るぐらいには戻る」とのことだ。…そもそもオードブルとは何かすら知らないのだが。
部屋には巨大な吊るし型の照明。壁にも名匠のものとおぼしき巨大な絵画がある。
ダナとミドルは居心地が悪そうにしている。落ち着けと言うのも、無茶な話だ。

それにしても、ここはどこなのだろう?

100-賢さ(13)=87以上で成功

28…失敗

皆目見当が付かない。それにしても、照明はロウソクでもランタンでもない。勝手に何かが光っているようだ。

「頭がパンクしそうだよ」

ダナがショートカットの髪をかきながら言った。

「父さんのこともそうだけどさ。コーウィンて人の言っていることの半分も分からないんだ。それなりに本とか読んできたつもりだったけど。例えばフィオナって人が帰還のルーンを作ったなんて話、聞いたこともない」

「まあ、そうだろうな。意図して情報は、流していないからな」

いつの間にかコーウィンが部屋に入ってきた。

「待たせたな。デアドラかブランドでも同席させようと思ったが、生憎外出中でな」

また知らない名だ。

「ともあれ、私と縁が出来た以上は、ある程度は話さざるを得まい。特にダナ、貴女は知るべきだろう。ダリオが何を欲していたかを」

そう言うと、コーウィンは指を鳴らした。瞬時にテーブルの上に料理と、ナイフとフォークが現れた。
野菜と肉を幾層にも重ね、葉物で巻いたものようだ。上には半透明の液体がかかっている。まるでこれ自体が絵のようだ。

「テーブルマナーは気にせずともいい。味わうがいい」

フォークで一切れを放り込んだ。実に複雑な旨味と、肉の旨味が広がった。それを液体の酸味が強調している。
旨い…のだが、どうも落ち着かない。料理が贅を尽くしたものでありすぎるからか、それともこの状況の異常さのせいか。多分両方だろう。

「さて…訊きたいことはいくつもあるだろう。答えられる範囲でだが、答えよう」

1 アンバライトについて
2 コーウィンについて
3 この場所について
4 ダリオについて
5 ユングヴィ教について
6 ジュリアンについて

「では。まず、ここはどこなのですか」

私は尋ねた。

100-魅力(11)×8=12以上で成功

72…成功

「この場所か。何となく、察しがついたかと思ったが」

コーウィンが意地の悪い笑みを浮かべた。

「まあよい。ここは穴の階層の一つ、第四十八階層だ。とはいっても、通常の階層ではない。我々『一族』にそれぞれ割り当てられた、言ってしまえば個室のようなものだよ」

コーウィンが言った。一族?何だそれは。

「他の階層との関与は、基本的には断ちきられている。だからここから下には降りれないし、上にも上がれない。たまに干渉を試み、直接私の首を取ろうとするエリックのような愚か者もいるがな。成功した試しは、幸いにしてない」

次の皿が出てきた。今度は茶色…黄金色のようにも見える…のスープだ。凄まじい旨味が広がる。

「第四十八階層??そんなに深いんですか?」

ミドルが仰天したように言う。

「ああ、地上人では第二十五階層超えでも偉業と言うらしいな。だが、穴はそこからはるかに深いのだよ」

コーウィンが苦笑した。全く及びもつかぬ所に来てしまったようだ。

次は…
1 アンバライトのことを聞こう
2 一族、及びコーウィンについて聞こう
3 ダリオについて聞こう
4 ユングヴィ教について聞こう

ここで小休止。

なお、ここで寝落ちした場合に備え一つ。
来週は更新ペース激減します。2月2日は進められるかもですが、ご了承下さい。

再開します。

ヘイルポリス。ドラゴンによって滅ぼされた街。エイラの言葉が思い出された。ダリオがその生き残りなのか?
私は黙って、首を縦に振った。

「そう、ヘイルポリスだ。40余年前、彼の街を幾百もの竜が焼き尽くした。ダリオは幼子の時、そこから生き延びたのだ」

部屋が静まり返る。ダナはまだ、コーウィンの目を見ていた。一言一句、聞き逃さないようにするかのように。
コーウィンが続ける。

「誰がダリオを逃がしたか、それは知らない。だが、見つかった時既に虫の息であった。私は奴を拾い、育てた」

とすれば、コーウィンはダリオの育ての親と言うことになる。誰かが固唾を飲む音が聞こえた。それは、私のものであったかもしれない。

「拾ったのは情ではない。奴が何か覚えてはいなかったか、知るためだ。ジュリアンでは呼び寄せられるドラゴンは、せいぜいが10匹だからな。誰がこのような愚行を行ったか、知る必要があった」

コーウィンの声に、微かな怒気が混じったような気がした。

「我が地上を誰が滅ぼさんとしたのか。私はそれが知りたかった。『一族』の同胞も、それを知りたがった。だが、残念なことに、ダリオの記憶は戻らなかった。ヘイルポリスが滅ぼされた、その記憶以外は」

ミドルの賢さ判定
100-賢さ(5)×5=75以上で成功

35…失敗

静寂が場を支配する。
しばらくの間を置いて、コーウィンが再び話し始めた。

「やがて時が経った。ダリオはこの館で育った。戯れに剣術と魔導を教えたが、存外に筋は良かった。…そして18になり、奴は言い出したのだ。『真相が知りたい』と」

「…それが、父が穴に潜るようになった理由ですか」

コーウィンは頷いた。スープの次に出された魚料理には、誰も手をつけていない。

「そうだ。深層には、『一族』が秘する宝玉『審判の石』がある。ただ、管理する者が消え魔物とトラップの山を越えねばならない。私ですら、彼処には容易に立ち入れない。ご丁寧に『一族』を跳ね返す結界が張ってあるからな」

「審判の石とは?」

私は訊いた。

「ある場所、ある時間に起きたことを映し出すものだ。あれがあれば、全てを知ることができる…今なお、それは見つかってはいない、はずだ」

コーウィンが忌々しげに言った。

「とにかく、ダリオはそれを手に入れようとした。自分が何者か、知ろうとしたのだろう。それは私にも、ある意味好都合だった」

「…あなたでは、手に入れられないものだからですか」

「そうだ。少なくとも私より、ダリオの方が手に入る可能性は高いように思えた。だから、場所とそこに至るまでの道筋を教えたのだ」

魚料理は冷めきっていた。それに気付いたのか、コーウィンは話を止めた。

「少々話しすぎたようだな」

1 では、審判の石なら災厄の日の真相も分かると?
2 だが、ダリオは結局それを見つけられなかった。
3 なぜ別れることに?

「なぜ別れることに?ダリオはあなたにとって、息子のようなものでは?」

私は訊いた。

魅力判定
100-魅力(11)×4=55以上で成功

35…失敗

「そのようなことは、今話すことではない」

コーウィンの目付きが鋭くなった。私が口にするには、過ぎたことだったか。

「この話はここで仕舞いだ」

冷めた魚料理は何時の間に片付けられ、肉料理に移っていた。

「そろそろ馳走も終わりだ。最後の質問にしよう」

1 「一族」について
2 アンバライトについて
3 ユングヴィ教について

「ユングヴィ教は、あなたが深く関わっていると感じました。何かご存知では」

「ああ、あれか」

コーウィンがつまらなさそうに言った。ユングヴィ教は聖人にして翼人、ガブリエラが1000年前に開いたと言われている。

100-魅力(11)×3=67以上で成功

68…成功

「恐らくは、ガブリエラが開いたと伝わっているであろうな。あれは、嘘だ」

何だと?私は思わず立ち上がった。

「興奮するな。ガブリエラが関わったのは間違いない事実だ。だが彼女が自発的に開いたものでもない。私が作らさせた」

私は絶句した。神の教義も、存在も、偽りだというのか。全身が震えた。

「だ、大丈夫?」

ダナが心配そうに口を開いた。私は努めて笑顔を作り「ああ」と言ったが、実際は違った。口が恐ろしく渇く。

「貴公は敬虔な信者と見受けた。その信仰、間違いではない。教義はガブリエラ自身が、確かに作った。彼女の想いも本物だ」

コーウィンは傍らにある葡萄酒をあおった。

「ただ、彼女は一つ、決定的な勘違いをしたのだ。それは、私が神であるということだ」

微妙なとこですが、ここで一旦休憩。

「私は神ではない。…神を全てを支配する者、定義するのであれば、だが。ただ、彼女は私を神と信じた。死にゆく彼女を、戯れに救っただけなのだがな」

耳に入る言葉が信じられない。一体これは何だ?私を支えるものが、足元から崩れていく音が聞こえるような気がする。
コーウィンは話を続ける。

「ともあれ、彼女は救いを説くようになった。私は姿を少々変え、神官として教団作りを支えた。それは、私にとっても好都合だったからな」

「なぜ…です」

「ああ、言っていなかったな。私の、というより『一族』のことを」

軽く苦笑すると、コーウィンはこう言った。

「私は穴の管理者が一人。そしてアンバー家の王位継承権第四位。王になるには、地上の支配が必要なのだよ。だから利用させてもらった」

ユングヴィ教団が、この男のために作られた、だと?私は悲しみと怒りに震えた。

100-賢さ(13)×6=22以上で成功

34…成功

怒りで我を忘れ、飛びかかろうと一瞬衝動が走った。が、すんでの所で止まった。この男に戦いを挑んでも無駄だ。命の危険を犯すことはない。

「…賢明だな。人の話は最後まで聞くものだ」

私の怒りを見透かしたように、コーウィンが嘲笑った。

「利用、と言いましたね。どういうことです?」

「我ら一族には、王がいない。もう数千年も、王座は空位だ。そこで王位継承権を持つ王族は、決めたのだ。地上を支配した者が、次の王であると」

100-賢さ(13)×4=48以上で成功

34…失敗

「ならば、ユングヴィ教団は、あなた方のゲームの駒に過ぎない。違いますか」

私はコーウィンに向かい叫んだ。感情の制御ができていない、駄目だ。

「そうかも知れぬな。定命の者の命など、私からすれば一瞬のものに過ぎぬ」

80-ダナの賢さ(7)×7=31以上で成功

72…成功

「もし、ボクたちが駒なら…なぜ父さんを育てたんですか?父さんは、何も覚えてなかったのでしょう?」

ダナの目から光るものがあった。それを見たコーウィンの表情が、少し和らいだ。

「そうだ。私がダリオを育てたのは、ただの気紛れだ。…ただ、奴は私にとってただの駒ではなかった、それも確かだ」

コーウィンがダナを見つめた。ああそうだ。ダナはコーウィンにとって、孫のようなものなのだ。
彼は明らかに人外であり、人間を見下してはいる。だが、人の心が全くないわけではない。それが、私には少し分かった。

ひょっとすると、ガブリエラもまた、ダリオのような存在であったのかもしれない。だからこそ、この男は彼女を支えたのではないか。
そう思うと、少し怒りと動揺が収まった気がした。

「無礼、申し訳ありませんでした」

私は頭を垂れ、席についた。

「何、分かればよい。…話を続けよう」

目の前にはデザートがあった。細工菓子はまるで彫刻のようだ。

「地上を支配するため、我ら一族は争い続けている。何せゲームの参加者は10人もいるからな。その全貌すら、把握はしきれてない。ただ、誰が何をしようとしていたか、不完全ではあるが知っている」

100-賢さ(13)×5=35以上で成功

48…成功

「…ひょっとして、帝国や魔侯国の裏にもあなたのような人が?」

コーウィンが頷いた。

「そうだ。それぞれにはその力を支えた一族がいた。それは長い間拮抗状態が続いていた…が」

「災厄の日ですか」

「そうだ。そもそも、それに先駆けたヘイルポリスの惨劇自体、詳細がよく分かっていない。3か国の誰が、あれをやったのかは分からず仕舞いだ。そして、災厄の日も同じだ。一族の手によるものか、そうでないのか、それすら分からぬ」

コーウィンが苛立った表情を浮かべた。余裕を見せていたこの男が、初めて明確な負の感情を見せた。

「ダリオはそれを探すため、穴に消えた。私も知りたいが、その術がない」

「審判の石ですね」

ダナが口を挟んだ。

「ああ、それが一番手っ取り早い。ただ、もっと他のやり方があるかも知れぬ」

私は…
1 審判の石を探しましょう
2 他の一族に聞くのは?

安価下3まで多数決、2415まで。

多数決の間で悪いけど他の一族との仲が良いのか悪いのか確認はできる?争ってても多少は話を聞いてくれるなら2を選びたいけど…

安価は下

1で決定します。

「なら…私たちが審判の石を探しましょう」

「ハハハ!面白いことを言うな翼人よ。たかが一冒険者が、あそこまで辿り着けるとでも?」

私が言うと、コーウィンは可笑しそうに笑った。ダリオですらできなかったことをやろうとする。それが無茶だとは知っていたが、しかし、私も真実を知りたい。私から全てを奪った、あの日の真実を。

「辿り着けない…かもしれません。しかし、父が辿った道を、ボクも歩きたい。そう考えるのは、不自然ですか?」

ダナが言うと、コーウィンの表情から嘲笑みが消えた。

「…そうか、血は争えぬか」

コーウィンはふっと息を吐いた。

「分かった。場所を教えよう…ただ、厳しい道になるが、覚悟の上だな?」

私たちは、黙って頷いた。

大ミッション「審判の石を探せ!」が発生しました。
(クリア条件の可能性があります)

今日はここまで。

安価選択が危ない方向に行く上、シデがことごとく低コンマだったせいで結構危なかったです。冷や冷やものでした。
実は一瞬デッドエンドに片足踏み入れかけてました…ダナちゃんには足向けて寝られませんね。

>>555で失敗してたらデッドエンドだったんかな
怖いわ

さて、クリア条件発生です。審判の石の発見、入手でストーリークリアになる、場合があります。
ストーリー進行次第では、まだ続く可能性がありますが。
とりあえず、これでコーウィンの支援が受けられることになりました…が。

>>564
いい質問です。一族には大きく分けて4つの派閥があります。次回に説明があるかもしれません。
実は「お話が通じない人」「ある程度話が通じる人」と分かれてるんですが、1を選択しコーウィン陣営についたことで残り3つのうち2つとは明確に敵対します。
後々戦闘がハードになるので、そこはお覚悟を。

>>569
一応ラストチャンス(厳しい条件)は残しましたが、コーウィン陣営につけなくなるのでデッドエンド回避でもあまりよろしくはなかったですね。
まあ、何とか想定線にストーリーが収まったのは安堵してます。てか、賢さ13のチートキャラじゃなかったら、ろくな展開になってないですねえ。この会食イベント。

本日多忙につき、夜更新はありません。
少しだけ更新。

「審判の石は穴の深層、ウィルコニアにある。『一族』でなければ入口は開かぬが、その当の本人は入れぬ、奇っ怪な場所よ」

「深層って、どこまで行けばいいんですか?」

「分からん。ただ…」

01~20 第四十八階層までにはない
21~50 第四十五階層近辺とは言われている
51~80 第四十階層近辺とは言われている
81~99 第三十五階層近辺とは言われている

「第四十五階層近辺とは言われている。ダリオはそこまでは行けなかったがな」

第四十五階層。深層も深層だ。ダリオが足を踏み入れたのは、文書によれば第三十二階層までとされている。その後、さらに潜った可能性はあるが、あくまで可能性の話だ。
ミドルが唾を飲み込むのが聞こえた。彼にとっては、第五階層ですら充分な深さだ。まして第四十五階層など、想像だにできない。

「…困難さは分かっていただけたかと思うが、それでも往くか」

「はい」

ダナが答えた。私も同意した。

「そうか、ならこれを渡そう」

コーウィンが黒い板をテーブルに置き、私に向けて滑らせた。

「…これは?」

「ああ、説明するよりやる方が分かりやすい。下の方にある釦を押せ」

言われたようにすると、黒い板の表面が光り始めた。

「そうだ。そして、緑の絵を触るがいい。そうしたら、板を耳に当てろ」

すると、コーウィンの方から音が聞こえてきた。ピリリリリという、甲高い金属音のような何かだ。
コーウィンは私が持つような黒い板を懐から取り出すと、右耳に当てて話し始めた。

『そうだ、それでいい』

コーウィンの声は、板から聞こえてきた。

「声を飛ばす道具ですか」

コーウィンは満足げに頷いた。

「そうだ。我々は『電話』と呼ぶがな…ウィルコニアの入口に来たら、釦を押して連絡しろ。…ああ、それは諸君らの場所も私に教えてくれるから、そのつもりで」

「ウィルコニアの入口って、何ですか?」

ミドルが口を開いた。

「穴には階段があるが、あれだけは特殊でな。通常のものとは違い、扉付きだ。ああ、一応言うが、階層にある階段は一つだけではないがな」

「その扉を開けるのが、あなたですね」

コーウィンは首を縦に振った。

「あれには『一族』にしか解けぬ結界が張ってある。だから、人の身だけではウィルコニアには入れん。扉に辿り着いたら私を呼べ。その時は、力を貸してやろう」

ここまで。

なお、22はゾロ目なので本来より少しだけ情報が増えてます(ダリオの下りなど)。

再開します。

コーウィンは尊大に笑った。ただ、一つ疑問がある。

「他の『一族』、ですか。彼らが審判の石を狙うことはあり得るのでしょうか」

「いい質問だ」

また少し目に鋭さが増した。

「あれはこの世に起こった、あるいは起きている全てを知ることができる。未来までは知れない、と聞くがな。我が『一族』の至宝だ」

ふと見ると、誰も手を付けていなかった細工菓子はテーブルから消えている。
私は視線をコーウィンに戻した。

「手に入れれば王位争いに圧倒的に優位に立てる。だからダリオの時も、邪魔は入った。ブランドやケインなぞは自ら手を下そうとしたからな」

100-魅力(11)×6=34以上で成功

96…成功

「ブランドにケイン?『一族』なのですか」

「そうだ。継承権第六位と第五位よ。ブランドは半ば正気を失い、ケインはエリックの走狗だがな」

いよいよ分からない。一度ちゃんと聞くべきだろう。

「…ここまで話してきて、一番知りたいことがあります。『一族』とは何ですか。そして…あなたは」

逆鱗に触れるかもしれない。だが、恐らくはもっとも重要なことだろう。
何より「穴の管理者」とコーウィンは自称していた。人智の及ばぬ存在であるのは想像が付くが、これから戦うかもしれない相手を知らないことほど、恐るるべきことはない。

100-魅力(11)×5=45以上で成功

94…成功

「穴の管理者…と言ったはずだが?」

コーウィンが私を睨んだ。しばしの沈黙が流れた後、彼が話を切り出した。

「…まあ、喋り過ぎたな。ダリオの娘がいたからかもしれんが。やむを得ん、少しは話してやろう」

コーウィンがいつの間に手元にあったカップを口にし、言った。

少しの更新ですがここまで。再開は夜。

再開します。

「管理者と言ったが、厳密には管理者候補だ。聞いての通り、我らは王位を巡り争っている。王位に就かねば、全ての『穴』の力を掌握し、管理することはできん」

「そして王位は空位。そこまでは分かっています」

「ああ。王位に就く条件は二つ。一つは他の王位継承権者を皆殺しにすることだ…が、現実的ではない。『一族』は『一族』を直接的は殺せないのだ」

「どういうことです?」

「理由は分からんが、直接的に傷付けようとしても、傷口が即座に塞がるのだよ。魔導で粉微塵にしても、一瞬で修復される。人か魔族か、はたまた貴公のような翼人か。『一族』以外の傷であれば修復はされないが、まあ力量からして不可能に近いであろうな」

コーウィンは苦笑した。直接手を合わせたわけではないが、私たちでは確かにコーウィンには触れもしないであろう。その位には力量差がある。

「そこで、もう一つの条件だ。地上の完全支配。誰か一人が地上の実質的な支配者と認められた時、『穴』が王位を認める、らしい。少なくとも父王は、失踪する前そう言っていた」

父王?

100-賢さ(13)=87以上で成功

95…成功

「父王とは?」

私が訊くと、コーウィンは苦り切った表情を浮かべた。

「1000年以上前に消えた、私たちの父だ。最悪の暴君にして、地上を原始の状態に留めていた元凶よ。父王が消え、ようやく文明らしきものが生まれ、育った」

横を見る。ミドルは完全に固まっていた。幼い彼では彼の言葉は消化しきれない。無論、私もだが。

「父王が消えた理由は分からん。ただ、こう言い残した。『真に神となる途を見つけた。あとはお前らで勝手にやっていろ』と。そして、王になりたければ皆殺しか地上だ、とも。その日以来、我々は争いの日々に入ったのだ」

コーウィンが一つ、溜め息のようなものをついた。

「そこで、国作りですか」

「そうだ。私はユングヴィを、ブランドはジェスタル帝国を。そしてエリックはサナス魔侯国をそれぞれ作り上げた。3人とその協力者は、1000年もの間陰に陽に国を煽り、治め、時には協力すらした。まあ、我々が表に出ないという暗黙のルールはあったがな」

やはり人は彼ら『一族』にとってはゲームの駒でしかないのか。

100-賢さ(13)×6=22以上で成功

79…成功

確かにゲームの駒なのだろう。だが、今はそれを問い詰める時ではない。

何か引っ掛かった。さっきは「ゲームの参加者は10人」と言っていなかったか?

「あなたとブランド、エリックは分かりました。ならば他の7人は?」

「立場はまちまちだ。王位継承権に全く興味がない者、王位継承権に近い存在に取り入るもの。何を考えているか全く分からないのもいれば、人間に憧れ人間として生きるものもいる」

さっきから固有名詞が随分多く出てきていて、かなり混乱している。誰が誰か、整理してみる必要があるかもしれない。
誰について聞くか。

1 ブランド
2 ジュリアン
3 エリック
4 ケイン
5 フィオナ
6 ブレイズ
7 デアドラ

なお、551の数千年を千年程に訂正します。安価取られてなければ下。

「例えば、ケインとはどういった男ですか」

「何故ケインを知りたがる?」

「ダリオを直接襲ったとみられる男だからです。もし『穴』の深層に行くなら、脅威になるかもしれません。特徴だけでも、教えてもらえますか」

「なるほど、道理だ」

そう言うと、コーウィンは指をパチッと鳴らした。すると天井から巨大な板が下りてきた。何だこれは。

「…ああ、気にするな。古の遺物よ。記録してある画像や映像を映し出すものだ」

コーウィンは私たちの考えを先回りして言った。
その言葉が終わるか終わらないかするうちに、板にあまりに実物に近い絵が表れた。そもそも、これは絵なのか。
絵は中肉中背の、どこか陰のある男だった。髪は漆黒で短く切り揃えられている。服は今コーウィンが来ているようなもので、違うのは首に巻いた布が灰色であるという点だった。

「この男がケインだ。王位継承権第五位。陰険にして卑劣。王位には全く相応しくない男よ」

コーウィンは吐き捨てた。

少し休憩。なお、地味にあるフラグが立ってます。

「エリックの走狗…そう言いましたね」

「ああ。奴は強者に取り入り、弱者をなぶる。それにしか関心がない。そして、そのためにはいくらでも卑劣な手段を使える…」

コーウィンがダナをチラリと見た。

「力量は『一族』ではさしたることはない。まあ、それでも人間で奴を倒すのは難儀だろうがな。ただ何分、一度狙いを定めたら何でもやってくる。気を付けるがいい」

なぜコーウィンはダナを一瞬見やったのだろう。ミドルならまだしも。若干引っ掛かるものがあった。

次は誰について聞くか。

1 ブランド
2 ジュリアン
3 エリック
4 フィオナ
5 ブレイズ
6 デアドラ

「そう言えば、人間と関わる『一族』もいるようですね。フィオナという人が、帰還のルーンを作ったようですが」

私は訊いた。ブランドとジュリアン、そしてフィオナがひとまとめにされていたようだ。
ブランド、ジュリアンが恐らくコーウィンに敵対するのであれば、フィオナ―多分女性だろう―も警戒しなければならないのではないか。

100-魅力(11)×5=45以上で成功

18…失敗

「本当にそうかは知らん。腹の読めぬ女狐よ」

コーウィンはあまり語りたくなさそうだ。これ以上訊くのはやめておくのが無難か。
コーウィンは左手首をチラリと見た。時計…なのだろうか。

「そろそろ時間だ。アヴァロンの主としての仕事があるからな」

最後に何を訊く?

下自由安価、ただしコンマ70以上が必要

これはどちらでも同じ結果ですね。とりあえず失敗ということで。

私はコーウィンに何か言おうと思ったが、その時部屋から出ようとしていた。
さすがに長話だったか。一先ずここで引くのが妥当だろう。

##########

「では諸君、また会うこともあろう。健闘を祈る」

館の門までコーウィンは見送りにきた。周囲の空間がゆっくり歪み始める。帰還の準備が始まったようだ。

「あの!最後に一つ聞かせてください!父は、父はまだ生きているんですか?」

ダナが叫んだ。

01~30 コーウィンは黙って首を横に振った。
31~70 「分からん」
71~99 「恐らくは」

コーウィンは黙って首を横に振った。

「15年、私とダリオは会っていない。災厄の日の後に穴に潜ったところまで知っているが、健在なら一度は会いに来ているはずだ。…何より」

冷静さをほぼ崩さなかったコーウィンの表情がわずかに曇った。

「奴は穴のある場所から、動いてはおらんのだ。諸君に与えたのと同じ『電話』を、奴に与えたからな」

そうか、「電話」は場所を教えるとも言っていた。つまりそれは…ダリオが動かぬ屍になった可能性が極めて高いことを示していた。
ダナを見る。一瞬顔がクシャクシャになったが、空間が閉じる寸前、何とか作り笑いを浮かべた。目から大粒の涙を溢しながら。

「そう、ですか…でも覚悟はしてましたから。コーウィンさんに会えて嬉しかったです。ありがとうございました!」

大きく一礼する彼女にコーウィンが向けた微笑みは、どこか老翁が孫に向けるそれと似ていた。

今日はここまで。思いの外、会食編が長引きました。
498でゾロ目出なければ、コーウィンはさっさと退場してたんですがね。

乙です
寿命が縮むわこんな会食

余談。500で車に乗ると書きましたが、やっぱやめました。アヴァロン邸に車で向かうのは目立ちますし、何より舗装されてない道を車が走ってもガタガタ不快ですからね。
なお、描写から分かる通り(?)コーウィンの服はスーツとネクタイ、「電話」はスマホです。原理は色々違いますが、GPS的な何かもある、ということです。

>>616
判定は多めでしたが、どれだけフラグが立つか、情報が得られるか系がほとんどだったので危険性は少なかったはずです。多分。
…さすがにデッドエンドに突っ走って行ったのには参りましたが。

一族はステの桁が違そうなレベルだな……

クトゥルフTRPGでいうニャル様みたいなどうしようもない存在達なのかな?

>>620
相手によりますが、一応ステータスが仕上がってくれば倒せる程度です。というか、コーウィンは一族でも上位の強さなので。
人間に毛の生えた(とはいえ超人ですが)ぐらいのも、一応います。会えるかどうかはコンマのみぞ知る、ですがね。

気が付くと、私たちは元の村外れにいた。辺りは夕暮れだ。随分長く、コーウィンの処にいたらしい。

「う……うっ……うわああああ!」

ダナが泣き崩れた。去り際、気丈に振る舞ってはいたが、緊張の糸が切れてしまったのだろう。
私はしゃがみ込み、黙ってダナの肩を抱いた。ミドルも泣いている。……私も気付けば、頬の辺りに生暖かいものを感じていた。

「うっ、えぐっ、わ、分かっては、いたんだ。父さん、が、ボクと母さんを見捨てて帰らない、なんてことはないって。生きてたら、きっと会いに来てくれるって。だから、死んじゃってるんだろうな、って覚悟はしてた、んだ。でも……でも……!」

再びダナが嗚咽した。私も目の前で父と母の亡骸を見た。あの時の絶望は、未だ忘れ得ない。
ミドルも両親と村を焼かれた。形こそ違えど、皆肉親を、理不尽な形で喪った者同士なのだ。

しかし、理不尽に絶望しても生は続く。理不尽に抗い、無様であっても生き抜く。それが、遺された生者の役割であり、義務ではなかろうか。

私は……

1 とりあえず、穴に潜ろう
2 まだ死んだものと決まってはいない

「そうだ、な。ただ、死んだと決めつけるのは早いのじゃないか?」

私はダナの目を見据えて言った。

「コーウィンが言ったのは、『電話のある場所が動いてない』ということだけだ。電話だけ落とした可能性もある。何より、深層は魑魅魍魎の巣だ。戻りたくても戻れない、そういう可能性もないか?」

100-ダナの賢さ(7)×5=65以上で成功

94…成功

「うん……、それも、そうだね。ボクは、父さんの死を目の前で見た訳じゃない」

ダナの瞳に力が戻った。

「そうだ。ならやれることは一つ。穴に潜って真相を確かめることだ。……審判の石があれば、それも分かるかもしれないしな」

私はダナに微笑みかけた。何とか気力を取り戻してくれたようだ。ダナに涙は似合わない。

「そうだね、うん。……じゃあ戻ろうか、アングヴィラに!」

ダナは涙を拭い、笑って立ち上がった。

コンマ下一桁分、ダナの好感度上昇

好感度98→107

ここで一旦休憩。

##########

「シデさん、どうしました?」

アングヴィラへの帰路、ミドルが訊いてきた。ダナは少し目の辺りが赤いが、普段通りの調子を取り戻している。

「ああ、ちょっと考え事をしていた」

そうだ。旅の当面の目標は定まった。審判の石。第四十五階層にあるという、遺跡ウィルコニアに眠るという宝物(ほうぶつ)。
今まで潜った最深層が第五階層だから、まだ先は随分と長い。目先をどうするかが、先決ではある。潜らないと力量は高まらない。それは確かだ。

ただ、コーウィンに聞かされた「一族」の存在も気になる。コーウィン並みの人外が私たちを狙ったなら?今の力量では良くて瞬時に殺されてしまうだろう。
もちろん、私たちとコーウィンが接触したのは私たちしか知らない。だが、潜れば潜るほど、そのリスクは高まる。それは考慮に入れておくべきだろう。

気が付くと、私たちは既に村に辿り着いていた。
さあ、どうしたものか?

1 装備を整えよう
2 仲間を探そう
3 穴についての情報を集めよう
4 一先ず酒でも飲むか

「とりあえず街についたけど、これからどうしよっか?」

ダナが訊いてきた。何でもコーウィンの処ではろくに物を食べてないという。「色々ありすぎてそれどころじゃなかった、あと美味しかったけど美味し過ぎて逆に食べられなかった」のだそうだ。

「そうですね、まだ探索で得た装備とかも鑑定してないですけど……アンバライトを気にしなくて良くなったから、少し気は楽ですけどね」

「とりあえず、仲間を探さないか」

私は提案した。深層を目指すなら、3人では不安がある。ミドルも成長するかもしれないが、万一浅い階層で「一族」かその手の者に狙われたら、私とダナをもってしてもさすがに守りきる自信はない。
そう伝えると、二人とも同意した。長い旅になりそうな以上、支えになる者が増えて困ることはない。

では、どこに行くか?

1 宿屋
2 ギルドハウス
3 食堂

「じゃあ食堂に行こう。冒険者がいるとは限らないが、人は集まる場所だ。何より、みんな腹が減っているしな」

「ですね。僕もほとんど食べられなかったんです」

ミドルがほっとした様子で言った。

##########

アングヴィラには食堂が一つしかないが、客は常に途切れない。それが「食堂 ゲンジ」だ。
主人のゲンジは無口だが、腕は確かだ。噂では昔、帝国の宮廷の厨房にもいたという。
ゲンジとは対照的な愛想のいい女将、ローラの器量もあって、冒険者の評判は上々だった。
ギルドハウスのゴラフも料理は上手いが、レパートリーではさすがに負ける。たまに教えてもらうため通っているとの話だ。

食堂に入ると…

01~05 ネモがいる。
06~10 珍しく客がまばらだ。
11~20 客は多いが冒険者らしいのは見当たらない
21~40 客の中に冒険者らしいのが一人いる
41~60 客の中に冒険者らしいのが二人で話している
61~80 ライラが酒をあおっている。
81~95 重装備に身を固めた青年(?)がいる
96~99 見たことがないシャツを着た男がいる

昼の部ここまで。
ここでゾロ目は、作者的にはやりやすいです。

再開します。

食堂に入ると、どこかで見た顔がいる。緩やかで豊かな金髪に、どこか頼りなさげな垂れ目。

「あっ、ライラちゃんだ!おーい」

「あーダナちゃんだー。こんばー」

ダナが手を振ると、彼女は間延びした声で答えた。テーブルには豚肉と夏野菜の煮込みにテーブルブレッド、そして葡萄酒の瓶がある。中身はほぼない。

「一人なの?穴に行ったって聞いたけど」

「そうなのよー。誰もパーティ組んでくれないから一人で行ったんだけどー。すぐにオークの群れに見つかっちゃってねぇー。さすがにやばって思ったからとっとと逃げてきたわけー。だからやけざけー」

既に相当出来上がっている。大丈夫なんだろうか、この娘は。

「てか宿屋のおばさんー、ダナちゃんたちがライラ探してるって行ってたけどー。ぃっく、なんでー?」

「あ、えっとね。もう用件済んじゃった、ゴメン!」

「いいよいいよー。てかせっかく再会できたんだからー、一緒に飲も?」

「えっ、ええ?どうしよっかなあ」

「てか翼人のおにーさんとかわいいしょーねんも一緒じゃんー。みんなでのもー!」

ライラが一人で盛り上がっている。そんなに酒が好きなのか。私にはいささか理解できない。

「えー、シデ、いい?」

「私は一杯だけ、ミドルには飲ませないぞ」

「ぼ、僕はジュースでいいです」

「えーつまんないー。でもダナちゃんいるからいっか!おかみさーん、葡萄酒もう一本おねがーい」

遠くでローラが苦笑いを浮かべるのが見えた。

#########

「ほえー、さっすがだねえー!いきなりフロアマスター撃破ってすごいよー。やっぱダナちゃん、只者じゃない!」

「えー、そうかなー。でもシデもミドルもいたしねえ」

ダナが赤ら顔で鼻を掻いた。いつの間にテーブルの空き瓶は2本に増えている。すぐに3本めがくるだろう。

「……お金、大丈夫なんですか」

ミドルが耳打ちしてきた。

「……ザックに骨董品があっただろう、それを売れば何とかなるさ。元々打ち上げの足しにするつもりだったしな。足りなきゃシトロリンゴもある」

「それもそうですけど、ねえ」

ミドルは横の酒豪二人を見て渋い表情だ。

「でさあ、報酬なんだったのー?」

「魔力入り指輪だよ。でも中身はよく分かんない。結構なものとは聞いてるけど」

「えー、見せて見せてー」

ライラがダナに絡んでいる。まだそれほど酔ってないからか、さすがのダナも少し困り気味だ。

「シデ、いい?」

私は苦笑しつつ頷いた。

ザックから取り出された指輪を眺めて、ライラはこう言った。

01~30 ほえー、きれいだねー
31~60 確かにいい感じの魔力があるねー
61~99 ああ、これは…

「あ、確かにいい感じの魔力があるねー。どんな効果までかはわかんないけどー。シーフの人とかお師匠なら分かるかもねー」

「うーん、やっぱ鑑定屋に行かないと分かんないか」

鑑定屋はイェンダー老がやっている。見る目は確かだが、夜が早いのが難点だ。どんなものかは、明日を待たねばならなさそうだ。

「でも、ライラちゃんさ。さすがに一人で穴に潜るのはキツくない?」

ダナがちょっと心配そうに訊いた。

「やっぱり?うーん、ダナちゃんと一緒なら安心なんだけどなー」

仲間は欲しい。しかし彼女で大丈夫なのか?

「シデはどう思う?」

1 悪いが、断っておこう
2 そもそも、どのぐらいの力量なんだ?
3 是非お願いしたい

「そもそも、どのぐらいの力量なんだ?……駆け出しって聞いたような記憶があるが」

人手は欲しい。ただ、これからの道程の厳しさを考えるとある程度の強さは要る。ミドル一人ならまだしも、二人を守りながらの旅は難しい。

「あっ、翼人のおにーさん。大丈夫だよー。だってライラ、お師匠の弟子だからー」

お師匠?さっきも話していたが誰のことだろう?

「師匠って先生のことだよね。有名な人なの?」

01~20 えっと、ズマ魔候国にいたって聞いたような。
21~40 ズマ魔候国で宮廷魔術師長やってたらしいよー。
41~60 多分、名前聞いたことあるかも。大魔導士「シャドウ」。
61~80 いや、実は知らないんだー。でもフィオナって言ってた。
81~98 いや、実は知らないんだー。でもフローラって言ってた。
99 ???

「多分、ダナちゃんも名前聞いたことあるかも。大魔導士『シャドウ』って言うんだー」

ライラは得意気だ。しかし…

100-知力(5)×5=75以上(コンマ直下)
80-ダナの知力(8)×6=32以上(コンマ下2)
100-ミドルの知力(2)×4=92以上(コンマ下3)

ここで一旦休憩。ダナだけが分かりやすいのには、一応ちゃんと理由があります。

再開。

シャドウ?初耳だ。そんな人物、いただろうか。
ダナも首をひねっている。

「シャドウ、シャドウ……ダメだ、分かんない。大魔導士っていったら『影のジャック』しか知らないよ」

「そうそう!それそれ!お師匠の別の名前だよー!」

影のジャック?

100-知力(5)×6=70以上で成功

ゾロ目なので追加情報あり。

影のジャック!そっちの名ならすぐに分かる。ズマ魔候国でも屈指の魔導士にして魔族。しかし魔候国に背き、国と闘い続けた反逆者。
私子供の頃二、三度会ったことがある。黒いフードに漆黒のローブ、何から何まで黒づくめの男だったが、何故か父とは親しげだった。教団と魔候国は敵対していたから、その関係だったのかもしれない。
それにしても災厄の日を生き延びていたとは。それも驚きだった。

「えっ、影のジャックの弟子なの?ボク、大昔に会ったよ」

私が驚愕の声をあげる前に、ダナが身を乗り出してきた。

「ダナもか」

私たちは顔を見合わせた。偶然とは恐ろしいものだ。ミドルだけが、ぽかんと呆けた表情だ。仕方ないことだが。

「えー!お師匠知ってるんだ!ていうか、お師匠に会ったって二人ともどういう人なの?」

ライラが首を傾げる。私は軽く、私たち3人の紹介をした。

「ほえー、ユングヴィの翼人さんに、あのダリオさんの子供なんだ!あっ、少し酔いが醒めてきたから飲も」

ライラは瓶から葡萄酒を注ぎ、一気に飲み干した。

「ぷはー、これこれ。でも、それなら知ってるかもねえ。お師匠、顔広いから」

グラスを片手に、ライラは納得した様子だ。

「というより、『影のジャック』はご存命だったのか」

「ん、元気だよー。今はテルモスで何かやってる。よくわかんないけど。で、『とりあえず一回自分で穴に行ってこい』って言われて、アングヴィラに来たってわけ」

一回突き放して地力を高めさせる狙いか。

「でもお師匠厳しいからねー。『怪竜ガチャ』を倒すまで戻ってくるなてさ」

80-ダナの知力(8)×6=32以上で成功

テルモス→テルモンですね。他にもてにをはが抜けてるところありますが御容赦を。

コンマは取られてなければ直下。

また99ゾロ目…追加情報あり。

「ゲッ、『怪竜ガチャ』?それはまた面倒な……」

「知っているんですか?」

ミドルがピザを頬張りながら訊いた。

「いや、父さんの本にあったんだけどね。『浅い階層では最も注意すべき魔物』なんだってさ。早ければ第十階層のフロアマスターとして現れるんだけど、第十五階層にいることが一番多いらしいよ」

「どの点が厄介なんだ?」

「あー、『竜』っていうけど、見た目はドラゴンじゃないんだ。緑色の人間ぐらいの奴で、ボーッとした目と出っ歯でうろついてるんだって」

ライラがうんうんと頷いている。

「でも問題はそいつ本体じゃないんだ。敵を見付けたら、ヒドラの群れを地面から呼ぶんだって。それも火を吐くやつ。だから広場で見付かったら最後、取り囲まれて消し炭にされるんだって」

「そんな奴なの?第十五階層まで行けってことかって思ったけど」

「うん、ヒドラを複数召喚する時点で面倒極まりないわけ。だから見付けたら召喚される前に不意討ちして、反撃の間もなく倒すか、召喚されちゃったらなんとか撒いて狭い通路に誘い込んで一体ずつ倒すかしかないってあった」

青ざめた様子のライラに、ダナは言った。確かに厄介な相手だ。ヒドラだけでもかなり面倒なのに、それを複数呼び寄せる。力業だけでは倒せないだろう。

「まあ倒せば高級武具にもなる『ガチャの牙』が入るし、報酬も結構いいらしいんだけど。……って牙持ってこいとか、そういうこと?」

「そういうこと。お師匠、ドSだから易しい話じゃないと知ってたけど、こりゃ厳しいねえ。……やっぱ飲まなきゃやってらんない、飲む!」

ライラが瓶ごと飲もうとしたので、私は無理矢理瓶を奪った。さすがにそれはいけない。
「うう、けちー」と唸っていたが、聞かないことにした。

「しかし、そんなのを単独で倒すのは無茶だろう。それなりに、君自身の力もないと難しいぞ」

私はライラを見つめた。普通の女性にも見えるが……
すると、ライラがニカッと笑って言った。

「じゃ試しにこんなのどうー?」

ライラがそういうと……

01~33 ライラの姿がどこからか表れた闇に消えた
34~66 私の目は、ライラから生じた闇によって見えなくなった
67~99 ライラから生じた闇で、食堂全体が闇に包まれた

なお、今回に限り00は100です。

ガチャピンかよ

ライラが急に生じた闇に消えた……と思った次の瞬間。私の視界がゼロになった。何だこれは?

「ええっ、全然見えないよ!」

「な、何が起こってるんですか?」

ダナもミドルも軽くパニックになっている。すると急に視界が元に戻った。目の前には、得意そうな女性の顔だ。

「えへへー、スゴいでしょ。お師匠譲りの闇魔術。このテーブルだけを、闇で包んでみたんだよ」

「闇魔術?普通の魔術と違うのか?」

「闇を操ることで周囲を暗闇に閉じ込め、時には相手の生命力を抜き出す。それが闇魔術だよー。お師匠は影から影へと移ったり、闇の中にいるすべてから生命力を奪うこともできるらしいけど、まだそこまでは遠いかな」

これは驚いた。これで駆け出し?

「ライラちゃんって、まだ魔術師になってそんなに経ってないんじゃ?」

「そだよ。お師匠に習い始めてまだ1年ちょっとかな。冒険者としては、新米もいいとこだしねえ」

ライラが肩を落とした。……が、これはかなり頼りになるのでは?

私は……

1 仲間に誘う
2 もう少し探してみる

安価下3で多数決。

「ライラ、私たちと一緒に来ないか?」

私はライラに呼び掛けた。ライラの顔がぱあっと明るくなる。

「いいの?やった!これでちょっとは楽になるかも!」

「シデさん、いいんですか?」

ミドルが不安そうだ。……不安の理由は、別の所にありそうだが。

「いや、ライラちゃん凄いよ?上手く闇魔術使えば逃げやすくなるし、不意討ちもしやすくなるし。探索は大分しやすくなるかも」

「そうだ。単純な力押しだけじゃ深層は難しい。逃げられやすい状況を作れるのも、重要なことだと思うが」

ライラを見ると、うんうんと頷いている。

「じゃあ決まりだねー。よろしくー!あと、乾杯行こっか!」

「……食事代、かさみそうだなあ……」

ミドルのぼやきが聞こえた。

※ライラが仲間になりました。
※大ミッション「怪竜ガチャを倒せ!」が発生しました。

穴潜るついでに達成できるしいいんでない

ライラって純後衛?
シデが前衛
ダナがオールラウンダー
ミドルがサポーター
火力がある後衛か耐久出来る前衛が欲しい

ライラのステータスを張ります。

HP 42
筋力 2
知力 10
器用さ 4
賢さ 6
耐久力 4
魅力 6

特殊能力 闇魔術
・闇で目眩ましができる。近くにいるものを巻き込めば不意討ちが高確率で可能。あるいは逃走判定に大幅プラス
・生命力吸収 触った相手から生命力を少し吸収
・闇弾 遠距離から闇の弾を発射、ダメージは小さいが、クリティカルなら目潰し(低確率)

好感度判定
コンマ直下+魅力(11)×3

ライラ好感度 43

今日はここまで。

以下、雑談タイムです。

>>673
ええ、ガチャ○ンです。元ネタを知る人なら分かるでしょう、あの憎々しさが。

>>684
よく読んで頂ければ分かりますが、実は一気に成長できるチャンスです。

>>685
そうですね。脆いし前線には出せません。ただ逃走確率が大きく上がる上、不意討ちもしやすくなるのでステータス以上に便利です。
なおパーティの入れ替えは大ミッションを区切りとしてできますので、ミドル君を外すのはドラゴン討伐後と大分先になります。
それまでにどこまで成長できるかが、ミドル君が旅を続けるかどうかのポイントになりそうですね。

穴に潜るわけだし一族絡みのイベントが並行して発生するってこともあるんかな>ガチャピン討伐

>>690
なくはないです。ただ、浅い階層なので運が悪くなければ(あるいは余程良くなければ)大丈夫、のはずです。

というか、ライラの設定からお分かりかと思いますが、アンバライトは彼女がなんとかするはずでした。コーウィンが全部持っていっちゃったわけですが。

すんごいくだらないこと聞く

ダナとライラって可愛い?容姿的な意味で

あ、そうだ。そのアンバライトで気になってたんだけど、シデたちがそのまま破壊してたらどうなってたの?見逃してたらごめん

現在のミッションまとめって確認できる?

>>692
二人とも一応イメージしてるキャラクターはいますが、ある程度はご想像にお任せします。
ただ一応ステータスの魅力が、外見にほぼ比例していると思って下さい。…そうなると、ライラの魅力は7でも良かったですね…。てかそうしますか?

なお、おっぱいサイズはダナ…B~C、ライラ…Eな感じです。

>>694
描写はないです。ただ、286から察して下さい。つまり、下手に壊すと…

>>695
まとめます。

大ミッション
※アングヴィラを救う財宝を見付けよ
…500マドル以上の魔力が含まれる宝物(ほうもつ)をエルヴィンに渡す(500以上ならボーナスあり)
※レッドドラゴンを倒せ
…廃村ペラにいるレッドドラゴンを倒す(ミドルがパーティにいればボーナスあり)
※審判の石を探せ
…聖地ウィルコニアにある審判の石を入手
※怪竜ガチャを倒せ
…怪竜ガチャを倒す(ライラがパーティにいるのが条件)

多分一番達成が早いのがガチャ○ン退治です。あるいは財宝。
レッドドラゴンは現状なんとかならないこともないですが、ミドル君生存はまだ難しいですね。
審判の石は最終段階のミッションなので、しばらく無視でいいです。

シデくんはつまりイケメンだったのか…

>>699
まあ天使がベースですし。病んでないトキなので、イケメンかつぐう聖なわけです。

ライラ、魅力7に引き上げますか?
安価下3まで多数決で。
あと、ステータスについて注文あれば内容次第で考慮します。

ライラのステータス改訂版です。

HP 42
筋力 2
知力 10
器用さ 4
賢さ 6
耐久力 4
魅力 7
好感度 43

特殊能力 闇魔術
・闇で目眩ましができる。近くにいるものを巻き込めば不意討ちが高確率で可能。あるいは逃走判定に大幅プラス
・生命力吸収 触った相手から生命力を少し吸収
・闇弾 遠距離から闇の弾を発射、ダメージは小さいが、クリティカルなら目潰し(低確率)

やはりこっちがしっくり来ますね。

「売ってしまうか」

「えっ、何でですか?」

ミドルが驚いて私を見た。

「……いや、それはありかもしれないよ。多分、あまり必要じゃないし」

ダナが私の方をちらっと見た。少し顔が赤いのは気のせいだろうか?

「交渉事とかなら使えるんだろうけど。でもボクはこういうの慣れてるし、シデもいるし」

ミドルはきょとんとしている。少し間を置いて、「そうか!」と叫んだ。

「シデさんもダナさんも、十分魅力的ですもんね!だから要らないと。あ、ライラさんもキレイですよ」

「あー、少年ありがとー。……ていうか、ダナちゃんそうなのねー」

「えっ、何がそうなの?……あ、違う!違うからね!」

ニヤニヤするライラに、ダナが慌てている。何がそうなのかは私にも分からないが、仲のいいことは結構だ。

「あー、色男。あまりその娘、泣かせるんじゃないぞ。じゃあ売るってことでいいな?うちに金あったかねえ……」

イェンダーもニヤついている。ともあれ、これでしばらくは予算には困らなさそうだ。

#######

「で、これである程度準備はできたね」

ダナが言った。顔色はまだ良くないが、朝よりは楽そうだ。

指輪と花瓶を売り、かなりまとまった金が入ったので、まずミドルの装備を買ってやった。テルモンやモリブスのように大きな街ではないから、あまり高級品はない。
ただ、普通の服に胸当て、そしてナイフという軽装から、軽皮鎧とブロードソードという冒険者らしい格好にはなった。
「何か、冒険者みたいですね!」とはしゃぐミドルに、ダナは「もう冒険者じゃん」と笑った。

#########

「よーし、じゃあお金もできたし飲もー」

武具店から出ると、ライラが気勢を上げた。余程酒が好きらしい。私にはあまり理解できないことだが。

「やめて下さいライラさん。穴に潜るためのお金で飲むためのお金じゃありません」

「んー、けちー」

ミドルがじと目でライラに突っ込みを入れた。実は金に一番うるさいのは、彼だろうな。私は苦笑した。
それはさておき、これで明日は問題なさそうだ。帰還のルーンも買い足したし、気休め程度だが治療薬も持った。
高速治癒術があるからいいと言ったのだが、「シデが怪我したらどうするの?」とはダナの言葉だ。

さて、どうしたものか。まだ日は高いが……

1 帰って明日に備えよう
2 ギルドハウスで情報収集でもするか
3 もう少し買い物するか

予算には余裕がある。しかし、何を買うか?
アングヴィラで武器や防具を買うにしても、たかが知れている。ならば……

1 いざという時に敵を蹴散らせる魔具を買おう
2 いざという時に身体能力を高める薬を買おう
3 いざという時に逃げられる煙幕を買おう

「ちょっと、もう一つ寄っていかないか」

「えっ、まだ買うものあるの?」

私は笑って頷いた。少々値は張るが、今後を考えたら買っておいた方が良さそうだ。

「身体増強薬だよ」

########

「あら、忘れ物でもしたの?」

薬屋の女主人、シャーディが店に来た私たちを見て言った。つい先程、私たちはここで治療薬を買ったばかりだ。

01~80 店内はさっきと変わらず静かだ。
81~99 店には先客がいた。

店内はさっきと変わらず静かだ。

「で、何をご所望?あまり大したのはないけど……」

「身体増強薬はないか。ちょっと、これから必要になりそうだ」

「あ、ああ。シデも穴に潜り始めたんですものね。あるわよ」

シャーディは棚の奥をゴソゴソやって、薬瓶3本をカウンターに置いた。

「ゴメンなさいね、品切れでこれしかないの」

「いや、構わないよ」

これだけあれば十分だろう。ただ、こいつにはやや難点がある。

「そう、嬉しいわ。飲めば一気に力が出るわよ。……ただ気をつけてね。効果が切れると反動も大きいから」

そうだ。飲むとしばらくは高い筋力俊敏性、耐久力が付くが、その後は逆にそれらが落ち込んでしまうのだ。効果時間は半刻、反動は二刻も続く。
使いどころを誤ると、かなり危ない代物だ。

※使用することで筋力、器用さ、耐久力がそれぞれ+1されますが、その後の1フロアではこれらが通常より-1されます。

誰に持たせるか?

1 自分で持とう
2 ダナが持つべきだ
3 ミドルが持つべきだ
4 ライラが持つべきだ
5 やっぱりやめておく

「これは、ミドルが持った方がいいな」

私は瓶をミドルに渡した。

「えっ、僕ですか?シデさんやダナさんが使うのかと」

「いや、私たちはまだそんなに必要ではないよ。大事なのは、いざという時君が生き残れるようにするためだ」

そうだ。まだミドルは私たちの力量には遠い。恐らくはライラよりも。
ならば、然るべき強敵と戦わざるを得ない時に、ミドルがある程度戦える状態にするのが重要だ。

ミドルは少し思案すると、笑顔になった。

「そうですね!ありがとうございます!」

※なお、身体増強薬は複数本同時に使えます。が、反動はさらに大きくなるのでお薦めはしません。(現状では3本同時に飲むと死にます)

#######

さて、買うものは買った。

1 戻って明日に備えるか
2 ギルドハウスで情報収集でもするか

まだ夕刻にもなっていない。ギルドハウスで情報収集するぐらいはできるだろう。

ギルドハウスにいたのは……

01~20 ネモだ。
21~50 ゴラフ以外は誰もいない。
51~70 若い傭兵風の男がいる。
71~90 重装備に身を包んだ青年(?)がいる。
91~95 露出が多い服の女だ。
96~99 見たことがないシャツの男がいる。

ギルドハウスには、ゴラフ以外誰もいない。

「暇そうだな」

「まあいつも繁盛しているわけじゃないさ。まだ夕刻前だしな。……ってその酒豪のねーちゃんともパーティ組んだのか」

ゴラフが呆れ顔で言う。

「ライラですー。お世話になりますー」

「ああ、噂は聞いてるよ。うちの酒樽、全部明けちまうなよ?……で、何の用だい?」

「いや、何か新しい話はないか、と思ってね……ああ、この前の話は他言無用で頼む」

私は途中から小声で言った。さすがにコーウィンの話は、まだライラには早い。

「……ああ、分かってるよ。ありゃ化け物のような何かだ……で、情報だったな」

01~30 あれから帝国の鎧を着た奴がここに来たよ。
31~60 残念ながら、何もないな。
61~90 ちょっとした儲け話があるが、聞きたいか?
91~95 さっきやたら色っぽい格好のねーちゃんが来たぜ。
96~99 さっきやたら薄着の男がいたぜ。

「残念ながら、何もなしだ。まあせっかく来たんだ、コーヒーぐらい飲んできな」

ゴラフは豆を引き始めた。つくづく、冒険者よりはこちらの方が天職な気がする。

「ああそうだ、思い出した」

私はザックからシトロリンゴを取り出した。

「ん?これはリンゴか?」

「はい!シトロリンゴです。甘くて栄養満点ですよ」

ミドルが嬉しそうに言う。確かアップルパイにすると絶品と言っていた。
ゴラフは実を軽く嗅ぐと「こりゃすげえ」と唸った。

「これ、結構なもんだろ。くれんのか?」

1 いや、自慢したかっただけだ
2 これでアップルパイを作ってくれ
3 この前騒いだ代金がわりだ

「いや、これでアップルパイを作ってくれないか」

「そりゃいいな!だが、今すぐは無理だ。バターが切れてるから、また次だな」

ゴラフは少し残念そうだ。まあ、日保ちするらしいから近いうちには食べられるだろう。

※シトロリンゴが3つに減りました

#########

私たちは適当にギルドハウスで時間を潰し、解散した。ライラは飲みたがっていたが、ミドルの剣幕に圧され敢えなく失敗に終わった。

明日は四人での、初の探索だ。

ここで中断。平穏ですね。

再開です。

翌朝。9の刻、時間通りに3人が家に来た。ダナの具合も良さそうだ。「おかげで気合い十分だよ」だそうだ。

帰還のルーンを発動する。空間がゆっくり、捻れ始めた。

【第六階層】
雰囲気…コンマ下

【第六階層】
雰囲気…04 相当危険

着いた先は墓場のような場所だった。嶂気のようなものが、地面を覆っている。
刹那、私に警戒しろとの声が囁いた。この階層は危険だ。少なくとも、階層不相当の何かがいる。

「まずいね、これは……」

ダナも感じたようだ。この階層に長居するのは、かなりのリスクがある。
最大級の警戒で、慎重に進むか。あるいは、帰還のルーンで仕切り直すか。

1 慎重に行こう
2 一回戻るか

「できるだけ慎重に行った方がいいな」

皆が頷いた。耐久力があるダナを先頭に、後にミドル、ライラ。私が殿を務め、背後からの急襲を防ぐ。これで行くしかない。

しかし、少し歩くだけで体力が抜けていくような気がする。この嶂気のせいか?ミドルは既に青息吐息だ。

「これ、なんでこんなに疲れるんでしょう?」

「分からない。毒の一種かもしれないが……」

これはかなり厳しい。何かに襲われたら、普段より苦戦は免れ得ない。
何よりも、周囲から魔物の気配がまとわりついて離れない。戦闘は避けがたいか。

100-ダナの賢さ(7)×6=58以上で成功

21…失敗

嫌な予感はさらに強まってきた。しかし、ダナの歩くペースは鈍ってない。まずいかもしれない。

110-賢さ(13)×6=32以上で成功

11…失敗、ゾロ目

私は周囲に注意を凝らした。しかし、その刹那魔物がダナに襲いかかる!

不意討ち

回避判定
100-ダナの器用さ(11)×2=78以上で成功

24…失敗

魔物の攻撃はダナに直撃した!

ダメージ
コンマ下一桁×5-耐久力(6)

ダメージ 25-6=19
ダナ残りHP 60

「あああああああ!」

ダナが苦痛の呻きをあげた。ダナを襲ったのは…

01~10 小型のドラゴンだ
11~30 アンデッドの戦士だ
31~50 大型のオーク、そしてあと数体のオークの気配がある
51~80 大型のオークだ
81~90 小型だが鎧を着たオークだ
91~99 ナイフを持った男だ

ダナを襲ったのは、大型のオークだ。フロアマスターの「ウルグク」に似ているが、持っているのは大型の棍棒ではなく大剣。そして再びダナに襲いかかる!

ダナ回避判定 100-器用さ(11)×5=45以上で成功
ライラ魔法判定 110-知力(10)×4=70以上で成功

ダナコンマ下1
ライラコンマ下2

「くっそおおお!」

ダナは追撃をすんでのところで交わした。だが、ダメージからすぐには攻撃に移れない。

「当たって!」

ライラが闇の塊を放ったが、距離のせいかオークを逸れた。これは私が行くしかない。
まず鋼体術をかける。そして被弾覚悟でオークに向けて走る!

シデの回避判定

110-器用さ(3)×4=98以上で成功

83…失敗

オークは大剣を私に向け振るった。これは避けられない、覚悟の上だ。

ダメージ
コンマ下一桁×4-耐久力(7)×3

なんというか二人とも強いとは言ってたけど、あくまで人間の中での強いなんやなって

00ゾロ目なので、再判定します。

下一桁が奇数で10扱いのクリティカル
偶数で0扱い、カウンターヒット

ダメージ 19×2=38
シデ残りHP12

「ウロオオオオオオオ」

オークの気合いと共に剣が降り下ろされる!強烈な衝撃が、私の肩に走った。これは……まずい。

しかし、なんとか射程には入った。やるしか……ない。

シデ攻撃判定
50-器用さ(3)×3=41以上で成功

88…成功、ゾロ目のためダメージ判定は強制朦朧

激痛に耐えながら、私は左の拳をオークの鳩尾目掛け振り抜いた!……手応え、あり。

ダメージ判定
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

ダメージ6+21=27
大型オーク『???』HP残り173

浅い、しかしまだ反応は鈍い!
次は右をこめかみ目掛けて放つ!

ダメージ下一桁×3+筋力(7)×3
50以上で朦朧継続

レス数進んだ大抵の安価スレが数人で回してるからセーフ
むしろやや過疎ってきてるこの板の現状よくもってる方だと思うよ
俺が>>1やったら200レスもいかずに過疎るね

ダメージ3+21=24
大型オーク『???』HP残り173-24=149

朦朧解除

また浅い。これはさすがにまずいか……

すると体勢を立て直したダナがオークに向けて火弾を放った!

「当たれええええ!」

命中判定
100-器用さ(11)×7=23以上で成功

60…成功

「GAAAAAA!」

火弾はオークに直撃した。前の「ウルグク」と似たタイプか?

ダメージ
コンマ下一桁×4+知力(8)×2

ダメージ21+16=37
大型オーク『???』HP残り149-37=112

しかし、まだ体力には余裕が残っていそうだ。今の体力では、あと一撃食らったら、命の保証はない。

オークは大剣を振りかぶり……

01~25 ミドルに向かった!
26~50 ライラに向かった!
51~75 私に向かった!
76~99 ダナに向かった!

オークは私に向かってきた!まずい!

1 避ける
2 ガードを堅め踏みとどまる(強制ヒット、ダメージ軽減)

避けられる状態ではない、ならば死を覚悟で受けるのみ!

ダメージ
コンマ下一桁×4-耐久力(7)×3
これを半分

ダメージ
28-21=7 この半分4
残りHP8

「ぐあああああああっ!!!」

剣を受ける腕が軋む。限界は既に近い。

「待ってて!」

声の主はライラだ。闇がオークに向かいまとわりつく!

110-知力(10)×7=40以上で成功

43…成功

「ガ、ガアア??」

闇にまとわりつかれたオークは身動きが止まった。反撃の好機!

命中判定
20-器用さ(3)×3=11以上で成功

33…成功、ゾロ目のためダメージ判定は強制朦朧

「うおおおおおらああああ」

崩れ落ちそうな体に鞭打ち、オークがいるであろう場所を右で殴りつける!……再び、手応えは十分。

ダメージ判定
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

ダメージ27
大型オーク『???』HP残り112-27=85

また浅いか、しかし次で仕留める!

ダメージ判定
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

ダメージ30+21=51
大型オーク『???』HP残り85=51=34
朦朧継続

「グッHAAAA……」

今度はかなり手応えがあった。これで最後だ!

ダメージ判定
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

ダメージ15+21=36
大型オーク『???』残りHP0

「……カハッ……」

ズン……という音ともに、オークが倒れた。倒した……のか。

「大丈夫??」

ダナが私に駆け寄ってきた。それと同時に、私はダナの胸の中に倒れ込んだ。限界だ。

「……大丈夫……ではないな……危なかった」

「シデさん、これ飲んでください!」

ああ、助かる。治療薬か。ミドルは戦闘に巻き込まれない所にいてくれたらしい。これでも少しは楽になる。

「シデさん、無理しないで」

ライラか。いつもの気の抜けた声ではない。やる時はやるのだな。それにあの闇魔術。心底助けられた。

「ああ、ありがとう」

周囲からは魔物の気配はない。ただ、依然危険なことには変わりはない。
それにしてもこのオーク。「ウルグク」よりはるかに危険だった。見た目では判断がつかぬものだ。

ダナ知力判定
100-知力(8)×8=36以上で成功

70…成功

「こいつは、『アゾグ』だね。オークでは『ウルグドゥシュ』に次ぐ強さ、らしいよ。……ボクの魔法も、そんなに効かなかったし」

そうか、道理の強さだ。

「でもこいつなら、何か持っているかもしれないね。ちょっと見てみようか」

01~30 何も持ってない
31~60 死骸の懐に小さな箱がある
61~90 アゾグの持っていた大剣から力を感じる
91~99 アゾグが付けている手甲から力を感じる 

ダナが死骸を探ると、小さな箱があった。

「何だろうね、これ」

ダナの罠感知
100-知力(8)×8=36以上で成功

84…成功、罠なし

「多分開けて大丈夫だと思うけど……後にした方がいいかもね。また魔物に襲われたら、今度こそお仕舞いだし」

ダナが箱を懐に入れた。

「で、どうしますか?シデさん、かなり重傷ですけど」

「そうね、来たばっかりだけど、引き揚げるのも手かな」

ライラが真剣な表情で言う。

私は……

1 一旦戻ろう
2 いや、先に進もう

安価下3まで多数決

「……戻ろう。深手を負いすぎた……すまない」

「いいよ、シデがいなかったら全滅だった。この場所もまずかったし。帰ろ、みんなで」

そう笑うダナの言葉に、救われた気がした。

【第六階層から撤退します】

シデは戦闘スタイルに対して体力が低すぎる

今日は以上です。かなり本気で危ない戦闘でした。
途中のゾロ目連打もそうですが、805でライラが成功したのが分かれ道でしたね。

不意討ちスタートな上にコンマ判定が不利になった条件ですから、ぶっちゃけ第十階層のフロアマスターより手強い戦闘だったかと。
ガチャは倒せるはずです。今までの情報を生かせば。

風呂上がり雑談。

>>774
そういうことですね。ただ、判定全てで10の負の補正がかかってる階層ですんで、多分もうちょっとはやれます。
あと途中までコンマが最悪でしたし。穴で一行がピンチに陥る事態は、ミドル君が集中的に狙われるパターン以外は第十階層ぐらいまで想定してなかったです。

今回はみんなあぶかった

>>791
ありがとうございます。励みになります。
しかし少し過疎化してるんでしょうか?あまり詳しくはないんですが。

>>835
381でも言及してますが、そもそも職とステータスが噛み合ってないです。本来プリーストとして中衛でやるべきステータスなんですが。
あと器用さが低いんでライラの補助があるか、一回受けてからの接近戦じゃないと当たりません。

>>838
798も地雷でした。アゾグの攻撃力だと、ミドル君もライラも吹っ飛びかねなかったんで。
ダナに行けばダナがタイマン張ってる間にシデが少し回復で建て直せましたが、後は全部全滅ピンチでした。

全盛期と比べたら間違いなく過疎ってるとは思う

直下コンマが5分以上踏まれないとか中々昔は見ない光景だったし

>>841-842
なるほどですね。Rだと立てた直後のスレに安価が付かず、即終わっているのは見たことありますが。
艦これ系は割と住民多いですね。当然と言えば当然ですが。

まぁ自分の選択でゲームオーバーになったらアレだしローリスク選ぶと思うよ

再開します。

>>858
2でもデッドエンドはないと明言すべきでしたね。入れるか考えたんですが。

#######

目が覚めると、外は夕暮れになっていた。ハーニスから貰った鎮痛薬が効いたのだろうか、大分痛みは和らいでいる。
ただ、まだ骨はくっついてはいない。内功を巡らせ治癒能力を大きく高めても、明後日までは回復にかかりそうだった。

少し身体を起こしてテーブルを見ると、パンと野菜スープがあった。書き置きには綺麗な字で「温めて食べてね」とある。ダナだろうか。

早い夕食を食べ、再び横になる。そろそろダナたちが来る頃か。
そう思うと、ドアをノックする音が聞こえた。

「シデ、起きてる?」

ダナがやってきた。後ろにはミドルとライラ。とりあえず、何事もなく帰ってきてくれたのに安堵した。

「ああ。少しは楽になった」

「うん、良かった。あ、これ。ゴラフさんからだよ」

ダナはザックから何か包みを取り出した。

「……アップルパイか?」

「そう!少し焼きたてを食べたけど、美味しかったよ。身体にもいいと思うから、一緒に食べよ?」

ミドルが「お茶入れますね」とキッチンへ向かった。ライラは薬の準備をするという。ありがたいことだ。

#######

「で、首尾はどうだった?」

アップルパイを一欠片、口に放り込んだ。左手で食べるのは慣れないが、なんとかなるものだ。
口に強い甘味とほのかな酸味が拡がる。サクサクとした生地との相性は抜群だった。

01~50 ちょっと変なことになってる
41~95 収穫らしいものは何も
96~99 気になる人に会った

「収穫らしいものは何も。ギルドハウスにいたけど、来るのは普通の冒険者だけ。結局ゴラフさんのアップルパイ作りを手伝っただけだったよ。ライラがお酒入れたがってたけど、それはさすがに止めた」

ダナが苦笑した。まあ、平穏であるのならそれはそれでいい。
ないとは思っていたが、コーウィンの接触に感付いた「一族」の誰かが、私たちに近付くという事態だけはあって欲しくなかった。これならば、ゆっくり休んでも大丈夫そうだった。

「まあ、午前は酷かったからな。羽を伸ばせたなら良かった。……それより、ダナは大丈夫か?」

一瞬キョトンとした後、ダナは恥ずかしそうに笑った。

「ああ、傷のこと?このぐらい大したことはないよ。シデに比べれば全然」

ダナのダメージもそれなりにあっただろうに。少し申し訳ない気分になった。

「あ、そうそう。ヘアバンドの鑑定結果、出ましたよ」

ミドルが軽く興奮したように言った。

「あれは……」

01~33 守備力を高めるみたいです
34~66 魔法攻撃を強くするみたいです
67~99 精神能力を高めるみたいです

「あれは『守護のヘアバンド』というらしいです。かなり大きく、守備力を引き上げてくれるのだとか」

聞いたことがある。物理・魔法ともに威力を軽減する魔力が込められた代物という。遺物というには一歩足りないが、冒険者垂涎の品だ。

※全ダメージ10軽減します。

1 私がつけていいだろうか
2 ダナがつけるべきだろう
3 ミドルがつけるべきだろう
4 ライラがつけるべきだろう
5 売ろう

安価下3まで多数決。決まらない場合はコンマが大きいもの

1で決定します。

「私がつけていいだろうか?」

「シデが?いいかもねえ。これがあれば、今日みたいなことは減りそうだし」

そうだ。私は頑健だが、体力自体は乏しい。しかも、相手に一撃を当てるには、一旦被弾して近づかねばならない。
これがあれば、被弾したとしても不意討ちか、余程の相手でなければ耐えられそうだ。
比較的脆いミドルやライラを護りやすくもなる。そういう判断があった。

「僕も同感です。シデさんがつけるべきかと」

「よくわかんないけど、前線のシデが硬くなるのはいいことだねー」

ミドルとライラも同意した。ありがたく使わせてもらおう。

#######

100-魅力(11)×4=56以上で判定

追加イベントなし

########

翌朝。外は薄曇りだ。強壮剤としての効果もあるシトロリンゴの効果か、かなり具合がいい。
この分なら今晩には回復できるかもしれない。無理せず明後日まで待つのが万全だが。

鎮痛薬とライラが練った塗り薬を右肩に塗り込み、私は床についた。
何事もなければいいが。

#########

01~50 昼頃、ノックの音が私の目を覚ました
51~99 目覚めると夕刻だった

目覚めると、窓の外は薄暗くなっていた。随分長く寝ていたらしい。昨日と同じく、テーブルにはダナの作ったスープがある。
具合はほぼ本調子と言えそうだった。右肩の骨もくっつき、動かしても問題はない。十分な睡眠と薬、そしてゴラフのアップルパイのお陰か。

スープを温めようとすると、ダナたちが家に来るのが見えた。

「お疲れ様」

私は先に扉を開けた。

「ああ、シデ。大分良くなったみたいだね。良かった」

ダナが笑った。3人を中に迎え入れる。

「今日はどうだった」

01~60 ちょっと変なことになってる
61~95 今日も空振り
96~99 変わった人に会った

「今日も空振り。まあ、ある意味いいのかな」

ダナが首を竦めた。

「それにしても、思いの外静かだな。もっと色々あるかと思ったが」

ダナが軽くミドルを見た。「色々」にはアンバライトのことや「一族」がらみのことが、暗に含まれている。
悪い話が出ないといいがと思っていたが、杞憂に終わったのは幸甚だった。

「平和が一番!シデも元気になったっぽいし、軽く飲もー!」

ライラが気勢を上げた。まあ、葡萄酒一本なら問題ないか。そう思い、キッチンに軽いつまみを作りに行った。

########

100-魅力(11)×3=67以上で判定

追加イベントあり

#########

軽い夕食を兼ねた快気祝いの祝宴が終わり、各自家に帰ることになった。ライラは明らかに飲み足りなさそうだったが、ミドルに睨まれすごすごと引き下がった。
一番の年下だが、一番しっかりしているな。ミドルが伴侶を見つけたら、案外亭主関白になるかもしれない。

家を出る時、ダナが「先に帰ってていいよ」とミドルとライラを送り出した。何の用だろう?
玄関で、私とダナは向かい合った。ダナが俯いて、何か言おうとしている。

「……あのさ、ちょっとちゃんと謝りたくて。ごめんなさい」

「なぜ謝る?怪我のことなら、探索には付き物だろう。気にしても仕方が……」

「でも!!ボクが不意討ちされたせいでシデは死んじゃうところだった!アゾグを倒したのもシデだし!ボクは、ボクは何にもできなかった……!」

ダナが大声を上げて、私の胸ぐらを掴んだ。目には涙が浮かんでいる。

「でも、シデはいつも通りで!何事もなかったように振る舞って!それが、ボクには……辛かったの……」

私は気が付くと、彼女を軽く抱いていた。私にとって、あれは当然のことだ。それに、ダナを責めても仕方がない。全員生きて帰れた、それが収穫だからだ。

私は黙ってダナの頭を撫でた。落ち着くのを待って、口を開く。

「間違わない人はいない。あの時だって、私は奴の気配に気付けたはずだった。だから、あれは自業自得だ」

「……なんで。なんでそんな優しいの。ボクを責めないの」

「責めて何か生まれるわけじゃない。それに、ダナは大切な仲間だ。ダナを守れた、それだけで十分だ」

私は笑った。ダナは少し背伸びし、そして……唇の辺りに暖かく、柔らかいものが触れた。

「ありがと。じゃあまた明日ね」

コンマ下一桁分、ダナの好感度上昇

少し早いですが再開。

「痛っ」

ミドルがリスに手を差し伸べると、リスはミドルの指を一噛みして木の上に逃げてしまった。

「つつつ。……やっぱり野生の動物は、人を拒むんですかね」

ミドルは少し寂しそうだ。右手人差し指からは血が少し流れている。あまり大した傷ではないが、念のため治癒術をかけておいた。

「まあ、見た目がかわいらしいからと言って、安全とは限らない。これぐらいで済んだと考えておこう」

人差し指に向け気を込めながら、私は苦笑した。

############

川を辿っていくと、やがて水源についた。細い水の流れは中の洞穴に続いている。

01~20 洞穴は存外深い。階段はまだ先のようだ。
21~70 洞穴は浅く、すぐに階段が見つかった。
71~95 洞穴は浅く、すぐに階段が見つかった。その傍に何か落ちている。
96~99 階段の近くに誰かいる。

洞穴は浅く、すぐに階段が見つかった。

「前の二回と違って、ずいぶんあっさり下に行けるね」

ダナがほっとした表情を見せた。だが、先は長い。気を抜いてなどいられないのだ。

【第七階層】
雰囲気…コンマ下

【第七階層】
雰囲気…52 ごく普通の雰囲気

第七階層はありふれた洞穴だ。ちょうど第六階層の最後が、そのまま下につながっている印象を受ける。

「ここもそこまで問題はなさそうだな」

私は周囲を見渡した。少なくとも近くには魔物の気配はない。

「そうだね。早めに次に行っておきたいところだけど」

「『怪竜ガチャ』が、第十階層にいるかもしれませんしねえ」

ライラがダナの言葉に続いた。可能性は低いが、第十階層のフロアマスターが奴である可能性はある。
ダナが随分細かいところまで知っていたが、それでも相当危険で厄介な相手であるのは間違いなさそうだった。

洞穴をしばらく歩くと……

01~20 魔獣の気配がある
21~50 洞穴の中に掘っ立て小屋がある
51~70 足元に何か落ちている
71~90 探索中の冒険者を見つけた
91~99 フラフラと歩く小柄な魔物がいる

洞穴をしばらく歩くと、少し開けた広間に掘っ立て小屋があった。
穴の中に、なぜこんな人工物が?しかし、第五階層にも館があった。こういうことは深く考えてはいけない場所であるのだろう。

「それにしても、不自然ですね。気味が悪いし、無視しましょうよ」

ミドルが言う。小屋は朽ちかかった木でできており、少なくとも快適ではなさそうだった。
あれがオークか何かが作った棲み処だとすれば、自分から進んで襲われに行くようなものだ。

「それもそうだけどね。誰かいるかもしれないし、少し様子だけでも見に行かない?」

ダナは探索に乗り気だ。父譲りの、生来の好奇心がうずくのかもしれない。

「ライラも賛成ー。少し休憩したい気分だし。ちょっと前の山登りで疲れちゃったし」

ライラの言う通り、ここで小休止という意見も理解できる。さあどうするか。

1 ミドルの言う通り無視しよう
2 ダナとライラの言う通り、少し様子を見てみよう

鳥つけ忘れてました。安価取られてなければ下。

「私も様子を少し見てみたい。ライラの言う通り、安全な感じであれば休むのも手だ」

私は3人に言った。ミドルは少し不満そうだが、ダナは「それでこそだよ!」と乗り気だ。
偵察には……

1 私が行く
2 ダナが行くのがいい
3 ミドルが行くのがいい
4 ライラが行くのがいい

ごめんなさい。PCから入力しているので、勝手がつかめません。
安価は取られてなければ下です。

「偵察には、私が行こう」

「それがいいよ。観察力とかはシデが抜けてるし。戦闘になっても一番頼りになるしね」

ダナが頷いた。私はゆっくり、音を立てないよう小屋に近づく。

01~25 小屋にはオークが2匹いた
26~50 小屋には誰もいないが、誰かがいたらしき気配がある
51~75 小屋に誰か人がいる
76~99 小屋には誰もいない


小屋の中には誰もいないようだった。私は3人を手招きで呼び寄せた。

「どうだった?」

「おそらく、誰もいない。一休みするにはちょうどいいかもしれないな」

ライラが「やったー」と快哉をあげた。軽食ぐらいを取る時間は作れそうだ。

##########

小屋に入ると、廃屋特有の強い木の臭いが鼻を突いた。あまり気分はよくないが、休めるだけ良しとせねばならない。
中は小さく、やはり朽ちかけのテーブルと椅子が4席置かれていた。

「なんとか座れそうではありますね」

ミドルが少し顔をしかめて言った。

01~10 ……誰かが小屋に来る気配がする
11~70 私たちはパンと干し肉、干しナツメの簡単な食事をとった
71~99 小屋の片隅に何かが落ちている

食事を半分ぐらい取ったその時だった。遠くから誰かがこちらに向かってくる気配がする。
小屋の持ち主か。とすれば、魔物である可能性が極めて高い。

「……誰か来る。下がって」

私の顔色が変わったのを、3人も察した。

「ミドルとライラは部屋の隅の方に行って。ボクとシデが、扉近くに行くから」

ダナが剣を抜いた。私はなるべく姿が見えないよう、窓から外を覗いた。

01~20 オーク3体、うち1体は少し大きい。
21~40 オーク1体、ただ少し大きい。
41~60 闇エルフのようだ。
61~80 オーク1体だけだ。
81~90 冒険者か。
91~99 ふらふらと歩く、小柄のホビットか。

オーク3体。しかしそのうち1体は少し大きい。
これはなかなかタフな戦いになるかもしれない。

100-ダナの知力(8)×8=36以上で判定

66…成功、ゾロ目なので追加情報あり

「ああ、『シャグラト』か」

「『シャグラト』?」

「そう、『名前付き』のオーク。強くはないけど、簡単な魔法が使える。速攻で倒しておきたいね」

「なるほど、となると……」

ダナがニヤリと笑った。

「ギリギリまで引き付け、シデが『シャグラト』に突っ込む。ボクは雑魚のオーク2匹を片付ける。これでいけるはずだよ」

「そうだな。やろう。……ライラは念のため、奴らがドアを開けたら闇弾をぶつけてくれ」

「分かった。任せて」

少しずつオークたちが近づいてくる。先頭は「シャグラト」。あと10秒ほどか。

やや大柄のオークがドアを開けようとする。今だ。

コンマ下85以上で成功

あ、間違えました。15以上で成功です。どちらにしろ成功ですね。

ドアが開けられると同時に、ライラの闇弾がシャグラトに直撃した。
私はそれと同時に奴の脇腹に一撃を叩き込む!

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

不意討ちのため朦朧判定は70以上

ダメージ 24+21=45
シャグラト 残りHP 150-45=105

「グオオオオ?」

シャグラトは不意討ちを食らって悶えている。朦朧こそしていないが、もう一撃くらい与えられるだろう。

命中判定 40-器用さ(3)×4=28以上で成功

78…成功

もう一撃。左を腹から上へ突き上げる!

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

ダメージ 42
シャグラト 残りHP 105-42=63

「グロロロアアア!」

シャグラトが右拳を振り上げる。おそらくこれは受けるより他ないだろう。

ダメージ
コンマ下一桁×4-耐久力(7)×3-10
(最低ダメージ1)

ダメージ 5
シデ残りHP 45

拳が顔面にめり込む。頬骨が軽くきしむが、まだ耐えられる。
横を見るとダナが1人目のオークを切り伏せていた。あともう少し経てば、加勢も期待できるだろう。

「これでどう?」

後方から勝ち誇ったような声が聞こえる。ライラだ。

100-ライラの知力(10)×7=30以上で成功

94…成功

ライラが闇をシャグラトにまとわりつかせた。これなら確実に当たる!

ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3

不意討ちのため朦朧判定は70以上

ダメージ 24
シャグラト残りHP 63-21=42

「……UOOOOOO!」

まだ息がある。しかし、追撃は可能だ。

命中判定
40-器用さ(3)×4=28以上で成功

55…成功、ゾロ目のため強制朦朧

「……ゥラアア!」

もらった!私は左を顎に叩き込み、倒れ掛かったシャグラトのこめかみに右を振り下ろした。
オークの巨体が音を立てて沈む。衝撃で、廃屋の床が少し抜けた。

「そりゃああ!」

一息ついていると、ダナが袈裟切りで2匹目のオークを切り捨てていた。
とりあえず、窮地は脱したようだ。

※朦朧発生で最低ダメージ(24)×2=48以上のダメージが確定したため、戦闘終了になります。

ここで一旦切ります。及び、次スレ移行ですね。
後は1000まで雑談して頂ければ。HTML化は特に依頼しなくていいんですよね?

ともあれ、ありがとうございました。次スレで会いましょう。

まだ1スレ目で聞くのもアレだけど>>1のお気に入りのキャラは?今のところで

次スレスレタイを間違えるという失態…。申し訳ないっす。

気にせんでいいよー
しかしシデの接近してからのラッシュは本当に強いな

>>970
お気に入りですか…。動かしやすいのはダナですかね。「元気なボクっ娘」で定まってますし。
逆に持て余し気味なのがミドル。戦闘に絡めにくいというのもありますが。
何度か不意討ちピンチは作っているんですが、きれいに回避しちゃうのでなおのこと影が薄くなるという。

一番動かしやすいであろうキャラを用意はしているのですが、よほどコンマに恵まれないとしばらくは出ないでしょうねえ。
あるいはずっと出ないままか。

ガチャピンを選ぶチョイスが可愛いと思った(小並感)

>>972-973
とりあえずアゾグ戦のようなことがなければ強いです。まあ、まだ遠距離で逃げ回る相手とやってないからというのもありますが。
遠距離攻撃手段が皆無なうえ、中間距離ですら60%近くで空振りなので。
もっとも、この点はライラが視界奪ってくれれば即不意討ち→ラッシュ開始なので、実は彼女の加入は非常に大きいのです。
アゾグ戦、そして今回もそれが発揮されてますね。

なお、モンクが強いのは元ネタ「変愚蛮怒」の仕様です。朦朧打撃からのラッシュも大体あんなもの、あるいはそれ以上です。
ぶっちゃけ元ネタでは最強3職の一角ですからねえ…。

>>975
上にある通り、元ネタ「変愚蛮怒」で奴が登場します。

ガチャピンがいるって事はつまりあの赤い毛むくじゃらと青い別個体も出てくんのか…?

>>977
赤い毛むくじゃらは出ません。アイテムとしては出るかもですが。

変愚でのあいつは最悪の初心者キラーですからねえ。中級者でも装備が整ってないと死にます。すぐ逃げますし。
ただ、実入りが大きいので慣れてくると絶好の餌です。最終装備級がこいつから手に入ることも…

次スレ、テンプレ書き終えました。次回以降はこちらで。
スレタイ間違えたのはご容赦ください。

「崩壊した世界を旅する2」
【コンマ】崩壊s多世界を旅する2【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486301367/)

以下、雑談コーナーです。筆者への注文・批判などなんでもどうぞ。

最初のシデの他の職業候補の設定があるなら教えて欲しいなー
剣術士とかレンジャーとか気になる

それと宣伝。元ネタ「変愚蛮怒」とはこんなゲームです。

http://hengband.osdn.jp/

絶対に万人受けしないローグライクですが、はまればはまります。
なお、スレ主は10年ぐらいやってました。ここ1年は手を付けてませんが。
一族の名前はまるっとここから取ってます。というかこれにも元ネタがあるんですが、それはさらにマイナーなので説明は控えます。

>>984
剣術士は侍のような何かです。特殊技を複数持ち、遠距離でも近距離でも戦えます。
ためてからの命中率が低い超一撃が最大の売りです。
その代わり知力にマイナス補正をつけ、魔法に弱いという感じにしようと構想してました。

レンジャーは弓で戦いますが、剣も使えます。あと魔法も攻撃・治癒・補助すべてできます。
ぶっちゃけ万能職です。「勇者」と言って良さそうですが、そうでないのは器用貧乏だからです。
特に攻撃面は終盤になるまで決め手がないので、序盤は強いが終盤がひどい職業ですね。

職業で入れようか迷ったのが忍者。世界観に合わないんで却下しましたが、いればトリッキーだったでしょうねえ。
とにかく脆いが回避しまくり、遠距離では手裏剣を投げ、近距離では不意討ちで一撃ボーナス。
ライラと組ませたら…やはりバランスブレイカーになるので入れなくてよかったですね。

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