【まほいく安価】プフレ「19人目が事件に介入したか」【魔法少女育成計画limited】 (1000)


前スレ

【まほいく安価】キーク「18人目はクリアしてくれる」【魔法少女育成計画restart】
【まほいく安価】キーク「18人目はクリアしてくれる」【魔法少女育成計画restart】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484914963/)

の続き


・なんどめだまほいく並何番煎じ
・安価とコンマで進行
・キャラメイクは1人のみ
・基本的にそのキャラが主人公となり、前スレまでの主人公は準主役的な視点
・突然原作QUEENSまでのネタバレが出ても責任はとれないぽん

・魔法少女育成計画limited(原作4、5巻)が舞台
・これから原作読もうと思っている人はバリバリのネタバレ注意

・頑張って生き残ってほしいぽん


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1485012235


 所属する勢力を選んでください……>>5


 1.波山中学校
 2.監査部門
 3.被研修者

3


 【残り時間 25:00】


1年前、魔法少女になった。選抜試験を乗り越え、魔法の国が認可したちゃんとした魔法少女に

試験官から魔法の国について色々教えられた。聞けば聞くほどうさん臭くて、想像したものと違う

まず大きく分けて派閥が3つあるとかいう説明の時点で察した

が、野良魔法少女というのには限界がある。自分の地域の困ってる人を助けるだけ。見返りは何もない。いや、それが魔法少女というものだろうが


私は――>>10


 19人目の魔法少女の名前

セルティ

「名前」

 セルティ


 なにか名前を付け加えますか?
 付け加えた場合「セルティ・〇〇」「〇〇××セルティ」「〇〇セルティ××」のようになります
 付け加えないも可

 ストゥルルソン以外だ!!


 >>13

メルティ☆セルティ


 メルティ☆セルティ


 の人間状態の名前……>>18

本郷麻由


 メルティ☆セルティこと本郷麻由(ほんごう まゆ)

 
 
 ……の、年齢・性格・職業

 
 ※limitedの物語の性質上、あまり意味を成しませんが一応
 

 >>22


歳28

以前は、竹を割ったような性格で面倒見が良く後輩からもよく慕われていた
元アパレル関連の経営者だった
自分の可能性を見込み退社してしまう
その後、株にのめりこみ
人生一大の勝負に出て
破産し膨大な借金を作ってしまう
元同僚、後輩から転々とお金を借りて雀の涙ほどの返済を追われる日々を繰り返す
違法の薬物を裏で常連に売ってる店主の目に止まり
店主の肩代わりに麻薬を売るようになる
青ざめた表情で渇望する常連に薬物を渡すたびに
いつしか自分は人を破滅へと導く魔法使いと思いこむようになり優越感に浸かってる。


28・・・ああ、メアリや初代ラズリーヌよりだいぶ年下だから少女ですね
ルーラよりちょっと年上だけど少女ですね


 メルティ☆セルティの
 
 口調、容姿……>>28

異様に穏やか
体が半分溶けて黒い影と同化した姿


電車の窓から見える風景が、都会のそれからだんだんと田舎っぽくなっていく。森、山、田んぼ……かといって今から行くB市はそこまで田舎らしい田舎ではないようだ

それなりに開けており、住宅街もあるし駅の近くはチェーン系列の店が軒を連ね、栄えている。東京の郊外部のような風景だと言っても差し支えない

電車のドアが開く。B市の一番大きな駅についた。降りよう

本郷麻由はうんざりした目で、田舎の都会を目にした

魔法の国の新人研修なんて用事でもなければ、一生来ることは無い場所だったはずだ。交通費はあっち持ちだったとはいえ、東京からここまで来るのには時間と労力がかかった

だが仕方ない。メルティ☆セルティがどうどうと動くには魔法の国の後ろ盾は使える

駅から出てすぐ、近くでひったくりが起きた模様だった。魔法少女になってからというもの、こういった小さな事件にやけに遭遇するようになった。あれか、主人公ってこういうものか


麻由「……」


物陰でセルティへと変身し、ビルの屋上へとジャンプ。ひったくり犯が逃げている姿がよく見える

魔法少女というのは、一般人に見られても認識攪乱がはたらいて記憶に残りにくいというが、セルティはさらに残らないだろう。黒い影のような装飾過多気味のドレスを含め、体全体がなんか透けてて影と同化かけているのだ

さて、魔法でも使うか……セルティの魔法は……>>34

影を自在に操ることができる


ひったくり犯の動きがピタリと止まる。魔法が発動したのだ

セルティは自分が見て認識した影ならなんでも操れるという魔法を持っていた。今の影縫いもその魔法によるものだ

いつだったか、初代キューティーヒーラーが放送されていた。麻由はその大ファンだった

長年ちゃんとリアルタイムで視聴し続けてきたそのシリーズの中で、特に気に入ったのがダークキューティーだった。後にネットを見ると賛否両論激しいが、麻由はあのどっちともつかないアレな終わり方に満足していた。そのためだろうか、衣装が黒く、能力もダークキューティーのようになったのは

ダークキューティーは影絵を本物みたいに操る。セルティにはテレビの中の光景を再現することはできないが、影を操るというのなら、きっとできるはずだと頑張って来た

魔法少女でいるときは、かつての明るい自分を取り戻せる気がした。似合わないものだと思う。麻薬の売人が夢見る魔法少女など

通報を受けた警官がひったくり犯を取り押さえるのが見えた。魔法を解除

こんなところにまで来て人助けとは、つくづく魔法少女とは面倒だ


 ステータス

 コンマで決める欄はコンマ二桁で、01~00(100)で決めます


身体能力(公式ステ基準の『破壊力・耐久力・俊敏性』をまとめたステ)……>>↓1コンマ

知性……>>↓2コンマ

精神力……>>↓3コンマ

幸運……>>↓4コンマ

自己主張……性格と職業から★★

野望・欲望……性格と職業から★★★★

魔法のポテンシャル……★★★★


 メルティ☆セルティ(本郷麻由)の

 好きなもの……>>59

 嫌いなもの……>>61

 安価指定ミス

 好きなもの……>>↓1

 嫌いなもの……>>↓3


魔法【影を自在に操ることができるよ】

身体能力……49
知力……70
精神力……67
幸運……18

好きなもの……他人の持ち物
嫌いな物……正しい人


ステの振りなおし関連はやっぱりギャンブル的な意味で不要だと判断したため今回以降ナシで


 魔法少女「メルティ☆セルティ」のステータス

本名:本郷麻由(ほんごう まゆ)

魔法:【影を自在に操ることができるよ】

容姿:随所に装飾が施された真っ黒なドレス。なんかお前透けてね?

性格:竹を割ったような人(現在は荒んでいる)

口調:異様に穏やか

身体能力……49 ★★★
知力……70   ★★★★
精神力……67  ★★★★
幸運……18   ★
自己主張……  ★★
野望・欲望…… ★★★★
魔法のポテンシャル……★★★★

スキル「悲運」……身体能力、知力ロール時に-10

持ち物……特に無し


ステータス「幸運」の補足


能力値が

01~20……スキル「悲運」(-10)
21~40……スキル「不運」(-5)
41~60……スキル無し
61~80……スキル「幸運」(+10)
81~00……スキル「豪運」(+15

と、強制的にステータス影響スキルが付属


約束の時間まではまだある。そういえばこの街には有名な美容院があったと記憶している

借金生活で金は無い。だが、魔法の国のどこかしらに所属して諸々の手続きをすれば、なんと魔法の国から給料が出るらしい

どうせ研修なんて形だけだろう。なら手持ちの現金の9割を使ってその美容院で色々してもらおうか。魔法少女メルティ☆セルティは可憐だ。美容院など行く必要は無い。だが本郷麻由には人並みにオシャレしたいという心があった

だがその美容院はハッキリ言って一般女性からしたら宮殿もかくやというほどの存在だ。予約も無しに入れるかどうか……


 幸運(18)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→丁度キャンセルが出て空いてた
 失敗→空いてるわけがない
 


 90……ファンブル

 
 
店に入った。噂に違わぬ高級感と、なんというか雰囲気がそこらの美容院とは一線を画している



「ご来店ありがとうございます。〇〇様でよろしいでしょうか?」

麻由「いえ、あの……今、空いてるかなーって……」

「申し訳ありません。本日はご予約のお客様ですべて埋まってしまっておりまして……」

麻由「あ、そうですか……」


まぁ、だろうなという思いと共に店を出る。思えば自分の行動は作法を知らない田舎者のそれだ。美容院なんて予約されてて当然だろう

ムカついてきた。こうなったらどこかで美味しいケーキでも食べて………………


麻由「あれ?」


どこかで財布を落としていたことに気が付いた


limited登場メンバー
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira126888.jpg

out

リップル


in

メルティ☆セルティ【影を自在に操ることができるよ】

???【?????????ができるよ】

???【??????を??????????よ】

???【?????????を?????よ】


 【残り時間 24:10】

 
 
・・・・・・



波山中学校の生徒5人と教師1人と亀1匹は、突如現れた妖精トコによって魔法少女となった

誰もが自分と他の者の姿に驚き、さらにトコが言う「悪い魔法少女がもうすぐやってくる」という話に困惑した

だが、こうして魔法少女になってしまったからには仕方がない

キャプテン・グレース、ファニートリック、ウェディン、繰々姫、レイン・ポゥ、ポスタリィの6人の魔法少女が、B市のとある路上でその魔法少女を迎え撃つべく隠れて待ち構えていた

11月の寒さに耐えながら――魔法少女は寒さに負けないが――待っていると、その魔法少女は現れた


兎の耳が特徴的な魔法少女が歩いて近付いてくる。どうやらこちらに気付いているようだ

その魔法少女はトコに「痛めつけられるか、優しく逮捕されるか」を選べと言ってきた


トコ「どっちも嫌だなぁ……」チラッ


トコがこちらに目配せをする。それが攻撃の合図だった


「ッ、魔法少女!?」

グレース「もらったぁ!」


グレースのカットラスを用いた攻撃を軽い身のこなしで避ける兎耳。なるほど、場数ではあちらの方が上か

だが、他の魔法少女達は新米とかひよっこ以前のなりたての者達だ。グレースが元々戦いを得意とする魔法少女だっただけで、魔法の使い方もチームワークもへったくれもない

兎耳は逃げ出した。魔法少女はいくら新人でも脅威になりうると知っているからだ。それを追うグレースは突如痛みを覚え座り込んでしまったが、他の魔法少女達は「悪い魔法少女」である兎耳を追う


「悪い魔法少女」は兎耳だけではない。兎耳の後ろには彼女が乗って来たバンがある。バンの中にも何人か潜んでいるのだ

兎耳は想定より敵が多かったことに一旦撤退をバンに命じ、同じくバンを降りていた隣に立っていたコート姿の魔法少女にも同じ命令を下した

だが、コートとマフラーの魔法少女はそれに応じない。迫る魔法少女達の前にザッと立ちはだかった


「……時間は稼いでやる。逃げたければ逃げるんだ」


 コートとマフラーの魔法少女は……>>97

 1.動けないグレースを狙った
 2.たどたどしい動きの繰々姫を狙った
 3.迫るレイン・ポゥを狙った
 4.ウェディンを狙った
 


「悪い魔法少女」とウェディンの目が合う。標的はウェディンのようだった


ウェディン「(冗談だろ……! 狙うならそこの不良にしろよ!)」


グレースを見るが、いまだに痛みに悶えているようだ。兎耳に一撃入れられたか。情けない

ウェディンの魔法は「約束事を守らせる」だ。とても戦闘向きではないのに……いや、戦闘向きでないからこそ、早く潰そうと思ったのか


 ウェディンの数値……>>↓1コンマ二桁
 悪い魔法少女の数値……>>↓コンマ二桁
 
 ウェディンの数値が勝っていた場合……他の魔法少女に助けられる
 悪い魔法少女の数値が勝っていた場合……ウェディンが負傷する(60以上上回っていた場合撃破)
 


手には結婚式で初めての共同作業とかに使うナイフがある。だがウェディンこと結屋美祢に結婚の経験はおろか彼氏すらいない。ナイフは傷付ける道具でしかない

悪い魔法少女の眼光にたじろいだところで、先生からの助けがあった


繰々姫「くっ、リボンが当たらない……!」

ウェディン「(先生……?)」


繰々姫だけではない。ファニートリックも気持ちだけ参戦してウェディンの隣で怯えている

バンが発進した。残るはコートにマフラーのこの魔法少女だけだ

繰々姫がありったけのリボンを使って人海戦術ならぬリボン海戦術で悪い魔法少女を捉えようとするが、そのリボンは突如地面から突き出た壁に阻まれる

相手の狙いは時間稼ぎだ。レイン・ポゥはそう察した。ならやることはひとつ。バンの追跡だ

レイン・ポゥは親友のたっちゃんことポスタリィを連れ、虹を発生させ建物の上からバンを追った


・・・・・・


ここはどこの国だったか、確か魔法の国からではない依頼で来た。しかも内容は殺しではなく護衛

依頼も正式に魔法の端末に送られてきたものではなく、口約束だった。確かに「一緒に行ってやる」とは言ったが、本当にそれは自分が言ったのか? というくらい相手の会話のペースに乗せられていた


「いやー遠かったね。でもここらへんのはずね」

「…………なんで私まで……」

「え、革命軍に入ったんじゃ?」

「なんだよ革命軍って! 聞いたことねぇよ!?」

「ええーちゃんと言ったね。魔法の国をどうにかしたいから協力してほしいって…………あ、革命とは言ってなかったね」


魔法の国をよく思っていないのは同じだ。なんでこんな奴と出会ったんだろう、と思う


魔法の国から送られてくる依頼は、血生臭いものばかりだ。罪悪感とか嫌悪感はとうの昔に消えたが、自分を許せない気持ちは強い

許せない。そうだ、許せないんだ

復讐を誓い、それも果たすことができず、自分にふりかかる地獄すら適当な管理で放っておく魔法の国が

だからかもしれない。このトットポップと名乗る魔法少女に協力して魔法の国をひっくり返せるものなら……それはとてもいいことではと思ってしまった

もううんざりしていた。あのゲームを終えても帰って来た日常はクソみたいなもので、魔法の国死ね、潰れろ、経営破綻しろと呪詛を唱えるに値する生活は続いている

ふと、あの方は元気だろうかと思う。あの方といるときの自分は限りなく白いものだった。だが、今は違う。真っ黒だ


トットポップ「ああここ! ここで間違いないね!」

「……本当だろうな?」

トットポップ「本当ね! 間違ってたら木の下に埋めても構わないね!」

「そうか。ああ、そうだ。もしここで合ってたら……その革命軍とやらに入ってやるよ」

トットポップ「マジ!? 最高ねー! よっ、正義の死神!」


死神か、ピッタリな呼び方だと苦笑いする

トットポップの後に続いて、晴れて革命軍所属となった美しい妖精のシャナは、同志とかいう複数の魔法少女と共にとある建物の中へと入っていった


今日はここまでね
ぶっちゃけ明確な敵である異なる勢力の人達が出会ったら即戦闘で事によっては死ぬかもしれない判定が出る
それがMAD MAX~limited~

 貼るの忘れてた……


魔法少女「美しい妖精のシャナ」のステータス

本名:龍崎紗南(りゅうざき さな)

魔法:【いつでも消えることができるよ】(発動条件:自分の素肌を相手に見せる)

容姿:紅い長髪に紅い瞳を持ち、地に着きそうなほど丈の長い黒コートの下は下着のみ


身体能力……87 ★★★★★
知力……59   ★★★
精神力……97  ★★★★★
幸運……96   ★★★★★
自己主張……  ★
野望・欲望…… ★★★
魔法のポテンシャル……★★★

スキル「豪運」
スキル「剣道」
スキル「殺人剣」

持ち物
「太刀」


外交部門所属の魔法少女。主に請け負う仕事は暗殺
外交部門の窓口にいたトットポップと偶然知り合い、あれよあれよという内に流されて革命軍に入ることになった
趣味はペチニー


・・・・・・


集合場所のカラオケボックスに来た。集合時間よりかなり前だが、急にお達しが来たのだ。魔法の端末に来たメールによると、この部屋だ。どこかボロい建物に入りやる気の無い店員に追加人数分の金を払えと言われ、財布を落としているから誰かに支払わせようと「連れが全部払いますので」と言ってやってきた部屋だ

中からは誰かが歌っている声が聞こえる。まぁカラオケだから歌うのは当然だと思いながら麻由はノックし、入った

部屋には5人の魔法少女がいた。魔法少女だとすぐに分かったのは五者五様の奇抜な恰好をしていたからだ。こんな格好、コスプレイヤーか魔法少女しかありえない

…………あれ、研修官ってこんなに多いの? 圧迫面接かこれ?


「3年目の浮気くらい大目に見ろよ~」

「絶対許しません」

「いや、歌詞通り歌おうよ……」


歌っていたのは2人。コートにマフラーといった季節感ピッタリな魔法少女と、修道女をいやらしくした感じの魔法少女だ。2人はラブソングを歌って盛り上がっていた

それを微笑ましく見守る魔法少女が1人、対して苛立ちを隠そうとしない眼鏡にでこっぱちなのが1人、それを諫めるのが1人となかなかに個性豊かだ


「お前が人事部門か」

麻由「は?」


人事部門……聞き覚えがある。そういえばセルティの研修を担当する魔法少女もまた人事部門だ。ということは、もしかしてその人と間違われているのか


麻由「ああ、待って。待って。私は人事部門ではなく、研修生です」

「研修生? チッ、人事部門の奴はまだ来ないのか!」


でこっぱちがそのイライラをさらに大きくしたところで、麻由の後ろから声がかかった


「お邪魔しますー」

「……お前こそ人事部門だな?」

「え? あ、はい」

「捜査のイロハも知らない奴が……」ブツブツ


兎耳魔法少女は下克上羽菜、でこっぱちはマナ、コートマフラーはヴェス・ウィンタープリズン、淫乱修道女がシスターナナ、おっとりしているのが魔王パム、そして麻由の少し後に訪れたのがセルティの研修官である7753だった

麻由と7753はマナに『魔法少女同士の間で変身してこないとはどういうことだ』と怒られ、渋々変身した


セルティ「ななななごーさん?」

7753「ああ、これで『ナナコさん』って読むんです。めんどいでしょ」

セルティ「いえ、とてもいいお名前だと思います」


7753は自分が研修することになる魔法少女の第一印象が『柔らかい微笑みを浮かべる人』になったことで少し安堵したようだった

メルティ☆セルティは常に微笑みを絶やさず、穏やかな口調ではっきりゆっくり喋る魔法少女だ。本郷麻由の内面がどうであれ、セルティの外面は非常に厚い。セルティはこのまま高評価を受けていいところに所属してやろうという野心をその微笑みで隠した


マナ「大体、外交部門は今回護衛が任務だったはずだ。何故魔王パムが出張って来る」

パム「はて……何故でしょうね……?」

ウィンタープリズン「先程の襲撃で監査部門の魔法少女が1人殺されたからだろう」

マナ「ッ、お前ら2人がちゃんと仕事をしてれば、アイツは死なずに済んだんだ!!」

シスターナナ「お怒りを鎮めてください、マナ……彼女の無念は必ず晴らしましょう。あの暗殺者を逮捕すれば、彼女も――」

マナ「お前がアイツの何を知ってる!」

羽菜「マナ、その辺にしなさい」


既に1名ヒートアップしている。なるほどマナと羽菜はコンビかと察した。マナハナ……カナじゃないのか

彼女達2人が監査部門の魔法少女。ということは残りの3人はマナの言った外交部門というやつなのだろう


元々は監査部門3人に外交部門2人の混成チームだった

ヴェス・ウィンタープリズンは暗殺者を追う監査部門の護衛として外交部門からシスターナナ共々派遣されていた。トコを守る魔法少女達との戦いで、自分の壁を越えてバンを追跡する魔法少女を見た。いくら個人の戦力においてウィンタープリズンが勝っているとはいえ、数の差はやはりいかんともし難い

ウェディングドレス風の魔法少女から狙いを外し、優先順位は空中に虹を発生させその上を走る魔法少女を追跡した

路上にありったけの壁を発生させ、他の魔法少女の道を塞いだところで虹の魔法少女と郵便配達員風の魔法少女の後を追う。まずい、バンが攻撃されている。同乗しているシスターナナは無事だろうか

追いついたところで、シスターナナが虹の魔法少女に殺されかけていた。必死に助けた。バンに飛び込み、シスターナナを担いで脱出。下克上羽菜もマナともう1人を担ごうとしたところで、その魔法少女は首の骨を折られた。羽菜は自らの腕の中で即死した魔法少女を見て叫ぶこともせず、重量軽減のために死体を捨てて逃げた

マナは戻れ、見捨てる気かと喚いていたが、羽菜には分かっていた。彼女はもう見捨てる見捨てないのレベルではないということに。そして羽菜はそれを認めた上で冷静な判断を下した。まったく、プロだ。と、ウィンタープリズンは舌を巻いた

そのすぐ後に外交部門は魔王パムを投入。というより、魔王パムが「護衛もできないとは不甲斐ない。私が出てやろう」と気まぐれに出しゃばって来た。それと同時にB市には魔法の結界が施された

結界は魔法要素のあるものすべてを遮断する。魔法少女はもちろん、変身していなくてもその中から逃げられないし中に入れない。妖精も同じだ。無理に出入りしようとすれば死ぬ

つまり、監査部門が追っていた暗殺者とその護衛ともども、監査部門、外交部門、人事部門、研修生、すべての魔法少女がB市に閉じ込められたのだ

魔法の結界の効果は24時間。それまでに暗殺者を拘束――最悪の場合殺さなくてはならない。最後のチャンスだった


マナ「まず変身したまま普通の服を着ろ。人間に紛れて暗殺者を探す。護衛の魔法少女に注意しろ。見つけたら全員に連絡。これくらいは守ってもらう」

セルティ「…………」

7753「あの、服は?」

マナ「自分で調達しろ!!」

セルティ「………………」ダラダラ

パム「汗をかいているみたいですが……暑いですか?」

セルティ「……いえ、その…………」


 セルティは……>>139
 
 1.財布を落としたと告白した
 2.なんでもないですと言った
 


財布を落とした――言葉にするなら簡単だ。だが麻由のプライドが許さない

いい大人が……今年28にもなった。女子というにはそろそろヤバい大人が、財布を落としましたというのは情けなさすぎる

が、麻由は腹をくくった。今はメルティ☆セルティだ。28歳独身体重&借金額秘密の本郷麻由ではない


セルティ「………………すみません、ここに来る途中財布を落としてしまって……」

マナ「はぁ!? お前捜査をナメてんのか!?」

セルティ「今日は新人研修だと思っていましたので……」

マナ「…………人事部門、お前がなんとかしてやれ」

7753「ええっ、私!?」

マナ「お前の部下だろう!」

7753「いや部下じゃ……」

セルティ「……申し訳ありません。私はこのまま捜査するので」

マナ「それは許さん!!」

7753「ああっ私が買います! 買います!」

セルティ「(よっしゃ)」


どうやら7753というやつはお人よしとまではいかないまでも、押しに弱いというか、状況に流されやすいようだ。金銭面では利用させてもらおう

手始めにここのカラオケ代でも奢ってもらおうか。と、そう思ったところで捜査が開始された

カラオケの前に停まっていた車はマナ達のものだった。本当は大きなバンを使っていたようだが、トコとのファーストコンタクトで逃げるために置いてきたらしい

マナのレンタカーは普通のその辺を走っている乗用車だ。大人数が入れるスペースは無い。魔王パム達外交部門は別行動をとることにした。残された4人が車に乗り込む


羽菜「お2人とも、どんな魔法を?」

セルティ「私は影を使います。対象の影に触れることによって自由に操ることが……」

7753「私はこの魔法のゴーグルで見たもののステータスを表示できます」

羽菜「なるほど……7753は人間の中に魔法少女が隠れていても判別できますか?」

7753「はい。人間状態だろうとステータスで判別できます」

羽菜「では7753の視覚を私の魔法で強化しますね。私はあらゆる感覚を1度にひとつ、敏感にすることができるんです。セルティさんの視覚も念のため」

セルティ「……感度3000倍とか」

羽菜「そういうことには使いませんっ!」カァァ


・・・・・・

~N市 とあるマンション~


華乃「はい、あーん」

結衣「あーん」モグモグ

華乃「おいしい? 自信作なんだけど……」

結衣「すっごくおいしい! 華乃ちゃんもあーん」

華乃「ん……」モグモグ

結衣「そういえばスノーホワイト達って今仕事中だっけ?」

華乃「うん。確か……えーっと…………なんとかって町に行ってたような行ってなかったような……」

結衣「へぇ……はい、あーん」

華乃「次は私の番。あーん」

結衣「おいしい」モグモグ


・・・・・・


第七宿舎――『宿舎』とは監獄の隠語である。魔法の国に逮捕された特に悪い魔法少女『重犯罪者』が投獄される場所である

イギリスのどこかにあり、看守の魔法少女が交代で番をしている


トットポップ「情報によると、今の看守はアイツ1人ね。さっき交代したからしばらく他の魔法少女は来ないね。先生、お願いね!」

シャナ「誰が先生だ……殺すのか?」

トットポップ「捕まえるのもいいけど荷物になるね」

シャナ「分かった」


宿舎を襲撃する者などそうそういない。看守の魔法少女はあくび交じりに適当にいつもの突っ立っているだけの仕事をしていた

彼女は自身の目に紅い髪が入ると同時に、意識が真っ黒になるのを感じた


トットポップ「さっすが! よっ、必殺仕事人!」

シャナ「そのおだてるのをやめろ」

トットポップ「皆、こっちね! 師匠が捕まってるのはこの部屋ね!」


5m四方の部屋にきわめて複雑な魔法陣がある。その部屋にはそれ以外何もなかったが、反体制派――通称革命軍の同志の数人が魔法陣に近付き、なにかを唱え始めた


トットポップ「あれはウチでも選りすぐりの術者ね。あのレベルの奴らなら大抵の封印は一瞬で解けるけど……さすがに手間取ってるね」

シャナ「誰なんだ? 師匠って言ってたけど」

トットポップ「トットの師匠はピティ・フレデリカっていうね。知ってる?」

シャナ「……いや、知らない」


ピティ・フレデリカ……多分、知っている。自分をふざけたゲームに放り込んだクソ野郎の資料を読んでいる時、彼女の名前が師匠欄にあった

トットポップはキークの姉弟子か妹弟子なのか


術者達が唱え始めてから1時間が経った。何もなかった空間に人影が現れ始める


トットポップ「あのシルエットは間違いなく師匠ね! 皆、もうちょっと!」

シャナ「(あれが……キークの師匠か)」


そして、スノーホワイトに捕まりキノによって監査部門へと引き渡され投獄された魔法少女ピティ・フレデリカは、現世に再び姿を現した


フレデリカ「……………………」

トットポップ「お久しぶりねマスター」

フレデリカ「…………」シュッ

トットポップ「おっと」


フレデリカがトットポップに蹴りを入れ、まるで不意討ちでも何でもなかったかのようにトットポップが受け止める。ギターのうるさい音と共に実態を持った音符がフレデリカを襲うが、彼女はスカートを翻してすべて叩き落とした。師弟の挨拶というものだろうか、フレデリカという魔法少女がどんなものかは知らないが、その表情から身体能力は投獄前から衰えていないのだろう


トットポップ「どんなもんね」

フレデリカ「どんなもんですかね……まぁ、恩に報いるだけの働きはできそうですね」

トットポップ「うぃっひっひっひ、相変わらずなのねえ」

フレデリカ「お世話をおかけしました……それで、あなたは?」


革命軍は全員ガスマスクを装着している。トットポップも今外してフレデリカに顔を確認させるまで例外ではなかったが、外様のシャナの分は無かった。その紅い髪と瞳のせいで余計に目立つ


シャナ「……シャナだ。はじめまして、キークのお師匠さん」

フレデリカ「おや、キークを知っているんですか」

シャナ「あのクソ野郎のゲームとかいうのに放り込まれて死にかけた。師匠としてなにか言うことはないのか?」

フレデリカ「それはそれは、弟子の不始末をお詫びします」

シャナ「…………まぁ、記憶を取り戻せたからチャラにしてやる」

トットポップ「シャナ師匠のこと知ってたね!? なんでさっき嘘ついた!?」


フレデリカ「それで、わざわざこんなところまで来て私を救出するということは、それなりにやるべきことがあるのですね?」

トットポップ「そうね! 実はある筋から魔法の国お抱えの暗殺者がB市に潜伏しているとのタレコミがあったね! それを捕まえて告発したいね!」

フレデリカ「なるほど……」

シャナ「おい、暗殺者を告発って今初めて聞いたぞ」

トットポップ「あれ、言ってなかったね?」

シャナ「仲間を助けたいから手伝えとしか言われてない!」

トットポップ「あーシャナはいいやつだから捕まえて告発なんてしないね」

フレデリカ「あなたも暗殺者なのですか?」

シャナ「……まぁ、そうだ」

フレデリカ「大方トットポップと話してるうちに乗せられてこんなところまでやって来たのでしょう」

シャナ「(チッ)」


フレデリカ「なら、あと2名の魔法少女を開放してあげましょう。ここが第七宿舎なら、彼女達も投獄されているはずです」

トットポップ「ちょ、ちょっとマスター! マスター1人を開放するのにもこんなに時間がかかったんだからあと2人なんて無理ね! 交代時間になって看守がやってくるね!」

フレデリカ「私の見立て通りならまだ時間はありますよ。あのプキンとソニア・ビーンなら……おそらく、予想の100倍は頼りになりますよ」

トットポップ「プキンにソニアって……あの伝説のね!?」

フレデリカ「はやくとりかかりましょう」

シャナ「(プキン……ソニア…………聞いたことがある。童話の参考にしようと色々調べてた時……300年前にとても凶悪な魔法少女がいたと……『悪いことをするとプキンとソニアが来る』と子供への脅し文句だと言われるくらいイギリスでは有名な話……まさか、実在していたとは)」


革命軍はフレデリカを連れ、まずプキンを開放した

プキンの放つ空気は圧倒的だった。300年前の伝説が今、現実として目の前に蘇ったのだ


トットポップ「すっげ……」

シャナ「(……なるほど、確かに伝説だ)」

フレデリカ「フレデリカと申します。プキン将軍、お迎えに上がりました」

シャナ「(英語……童話の資料には翻訳されてないのが多かったから多少は分かるけど……英会話は……断片的にしか分からないな)」

プキン「…………………………………………仕事か?」

フレデリカ「報酬は用意してございます」

プキン「ほう、ただ働きではないと」

フレデリカ「この監獄から解き放ち、自由を差し上げましょう。ソニア・ビーンも閣下の許可が出次第――」

プキン「吾輩の許可など必要ない。早く出してやれ。吾輩には従者であるソニアが必要なのだ」

「ぷっ、イマドキ吾輩って」「マジウケるんですけど」


 シャナの身体能力(87)ロール……直下コンマ二桁
 
 成功→失言した魔法少女2人を撫で斬りにする
 失敗→プキンの凶行を止められない


 09……クリティカル!
 クリティカル報酬 身体能力が1上がった(88)

 
 
シャナ「ッ!」ズバッ


「ぐあっ!」「う……っ!?」ドサッ


シャナの突然の乱心に周りの魔法少女達から悲鳴が上がる。嫌われ役を買って出たのだ。これくらい効果があった方がプキンも……

プキンはレイピアの柄にその手をかけようとしていた。やはりこういうタイプは自分への無礼を許さない。シャナは直感ではあったが自分の行動が今傷つけた2人の命をつなげることになったと分かって安堵した


シャナ「…………無礼者2人を始末した。フレデリカ、コイツにそう伝えろ。トットポップ、そこの2人を早く運んでやれ。致命傷は与えてない」

トットポップ「わ、分かったね」

フレデリカ「閣下、この者はシャナと言います。今閣下への無礼を働いた者達に罰を与えたそうです。閣下への忠誠心は相当なものかと」

プキン「ほう……素晴らしい。シャナ、貴様を我が従者にしてやろう。その反抗的な目は吾輩の好むところである。だが命を奪わなかったのはいただけないな。次は殺せ」

フレデリカ「プキン将軍はシャナのことをいたく気に入ったようです」

シャナ「……どうも」


フレデリカ「さて、早速ソニア・ビーンの開放も……」

トットポップ「もうしたね。プキン将軍に会いたくて仕方ないみたいね」

プキン「おお、さすがはソニアだ。シャナ、ついてこい。従者同士積もる話もあるだろう」

シャナ「ついてこいって言ってるのか? 英語はよく分からない……」

フレデリカ「あなたはプキン将軍の従者になったみたいですよ」

シャナ「は?」


ソニアはどこか特殊な魔法少女だった。なんというか、触れたら噛みつかれそうな雰囲気があった。つぎはぎだらけのコスチュームは魔法少女らしくなく、どちらかというと灰被り姫だ

プキンはソニアとの再会を喜んだ。そしてシャナを新たな従者として紹介した。ソニアはシャナへ敵対的な目を向ける。あ、この目知ってる。自分がペチカに寄って来る奴に対して向ける目と同じだ


プキン「さて、腹が減った」

フレデリカ「とりあえずここから離れましょう。食事もそこで」

プキン「うむ。吾輩とソニアはとにかく腹が減っている。シャナ、同席しろ」

シャナ「…………(なんかめんどくさい奴に気に入られたっぽいな……ああ、ペチカ様……助けて)」


  【残り時間 18:46】


・・・・・・


魔王パムから連絡があった。トコの護衛についている魔法少女の内1人が空を飛んでいたと

ポイントを確認して急行する。どうやらトコ達は古いアパートに潜伏しているようだった。どうやら他に誰も住んでいないらしい。隠れ家には丁度いい

敵の魔法少女達は屋上に居た。海賊風な魔法少女が魔王パムを見つけて叫ぶ。が、ウィンタープリズンとシスターナナは彼女達が逃げる前に屋上に躍り出た。羽菜も後援として駆けつける予定だ

魔法少女達は散り散りになって逃げようとしていた。逃がさない。誰か1人でも捕まえて情報を吐かさなければいけない


シスターナナ「ウィンタープリズン、殺してはいけません。捕まえて話し合いをするのです」

ウィンタープリズン「分かっているさ」


 ウィンタープリズンは……>>181
 
 1.繰々姫を狙った
 1.ウェディンを狙った
 


先程睨んだだけでたじろいだウェディンは恐らく戦い慣れしていない。ならば次は先ほど自分に向けて大量のリボンを放った魔法少女だ

魔法少女は万能ではないが、万能2歩手前くらいは万能だ。リボンを操る能力なら、それは攻撃にも使えるし防御にも使える。つまり彼女は戦える魔法少女だ


ウィンタープリズン「悪いが、掴まってもらう」

繰々姫「っ……来る……!」

ウェディン「先生、作戦通りに!」

シスターナナ「大人しくしてください! 私達は戦う必要なんてありません!」

ウェディン「そっちから来たくせに、何を言っている!」


 ウィンタープリズンの数値……>>↓1コンマ二桁
 繰々姫の数値……>>↓2コンマ二桁
 
 ウィンタープリズンの数値が勝っていた場合……繰々姫の捕縛に成功
 繰々姫の数値が勝っていた場合……逃げることに成功(50以上上回っていた場合、他の魔法少女が助けに来てウィンタープリズンかシスターナナ撃破)
 

 >>179
 1は繰々姫で2がウェディンでしたケジメリッパー


 ウィンタープリズンの数値……22
 繰々姫の数値……93

 
 
テプセケメイはどこかへ飛んで行った。キャプテン・グレースとファニートリックは突如現れた黒いなにかと戦っていてこちらに手を回せない


ならば、他の魔法少女でこの2人を倒すしかない


繰々姫「ていっ!」

ウィンタープリズン「(遅い……やはり彼女達は戦い慣れしていない? トコが頼った暗殺者の仲間ではないのか?)」

ウェディン「(考えろ……私の魔法は、使えるはずだ……!)」

シスターナナ「分かってください、私達はあなた達を殺しに来たのではないのです」

ウェディン「……なら、攻撃をやめてくれ。攻撃をやめてくれると約束するなら投降を考える」

シスターナナ「分かりました。私達はあなた達に攻撃しません!」

ウェディン「(かかった……!)」


シスターナナ「ウィンタープリズン、矛を収めてください」

ウィンタープリズン「…………」スッ

ウェディン「(よし、これであいつらは私達に攻撃できないはず…………後は、どうする……逃げるか。だけど逃げても攻撃されないとはいえ追いかけてくる……!)」

レイン・ポゥ「はぁぁぁぁ!!」

繰々姫「ッ、あなた……!」


レイン・ポゥがアパートの一室から虹を伝って屋上へ。ポスタリィも一緒にいる

彼女の目には、シスターナナの姿。そして、シスターナナは油断している。チャンスだ。ここで数を減らす


 レイン・ポゥの数値……>>↓1コンマ二桁
 ウィンタープリズンの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 レイン・ポゥの数値が勝っていた場合……シスターナナ撃破
 ウィンタープリズンの数値が勝っていた場合……シスターナナを庇う


レイン・ポゥが虹をシスターナナと飛ばす。虹には足場としてだけではなく、相手に向かって飛ばすことで殺傷能力を持つ武器となっているのだ

シスターナナは動かない。目を見開いてレイン・ポゥの協定違反を受けようとしている


ウィンタープリズン「ナナッ!!」


壁を作って虹を弾こうとする。が、できない。壁が作れない

ウェディン達に攻撃できない……つまり造物主がウェディンの仲間であるレイン・ポゥの虹にも攻撃ができないのだ

ウィンタープリズンの動きは速かった。数年前に魔法少女になってから、シスターナナを守るためにすべてをなげうって来た。すべて、それは自分の命でさえもだ

シスターナナを突き飛ばし、迫るレイン・ポゥの虹を前にし、ウィンタープリズンは見る。手を伸ばし、こちらを心配する大事な人の姿が

逃げろ、と言いたいがこのB市にいる以上、この騒ぎには巻き込まれている……なら自分に言えることは何か


ウィンタープリズン「……奈々、生きて……」


言い終わり、虹が胸を貫いた。すぐさま第2第3の虹がウィンタープリズンへと迫っている。ああ、終わりか……短くも幸せな日々だった。奈々……

そして、あの試験、ほんの少しではあったが共に戦ったラ・ピュセル、アリス、リップル、キノ、試験が終わった後にスノーホワイトも……今度の集まりには参加できそうにないようだ


シスターナナ「ッ、ウィンタープリズン!!」


ウィンタープリズンは優しい笑みをこちらに見せると、レイン・ポゥの虹にさらに胸に1発、首を刎ねる虹を一発貰い絶命した

シスターナナには信じられなかった。今まで外交部門の仕事上危険は沢山あったが、ウィンタープリズンはそのすべてから守ってくれた。嬉しかった。ずっとこのまま、私はヒロインになれると思っていた


羽菜「なっ……! くっ!」


視界の片隅に羽菜の姿がある。羽菜はウェディンとの約束の外のため、仲間を手にかけた魔法少女達へと一直線だ。シスターナナはポツンと取り残され、転がって来た亜柊雫の首を抱きしめた


セルティ「(なんだ? アパートの屋上で何か……)」

7753「大丈夫でしょうか……」

マナ「羽菜がいる。大丈夫だ」

7753「とはいえ、私達だけアパートの外で待機というのも……」

マナ「取りこぼしが無いようにだ!」

7753「……どうしました?」

セルティ「…………>>207


 1.加勢に行きましょう
 2.その辺を探してみていいですか


セルティ「……ここは確かにアパートの入り口ですが、このアパートには裏口とか、他にも秘密の抜け道があるかもしれません。隠れ家に選ぶくらいだから、不自然ではないと思いますが」

マナ「……確かにそうだが、どうする?」

セルティ「アパートの周りを調べようと思います。お2人は戦闘は得意ではありませんが、私なら多少は……」

7753「…………確かに、ゴーグルで見たところ戦闘能力は多少高いですが」

セルティ「もう夜です。影はそこかしこにありますから、大丈夫ですよ」

マナ「分かった。何かあったらすぐに知らせろ」

セルティ「はい」

セルティ「(本来なら7753の前で活躍した方がいいだろうが、これは戦いだ。プロセスじゃなくて結果で示してやるか)」


アパートをぐるりと回った。何もない。徒労かと舌打ちしたところでなんと魔法少女を見つけた

海賊風の魔法少女とマジシャン風の魔法少女が、黒いなにかと戦っている

彼女達は情報にあった2人だ。トコの護衛。彼女達が戦っている相手はつまり、こちらの仲間だろう。加勢したいところだがあんな黒一色の原型を持たない魔法少女は知らない

さて、どうするべきか……


 >>214
 
 1.加勢する
 2.7753達に連絡を入れる

2


ここはポイント稼ぎだ。私は言われた通りちゃんと報告しますよという真面目さをアピールしておく

マナに連絡を入れた


マナ『ソイツらは確かにトコと共にいる奴らだ。黒いのは魔王パムの羽根だろう』

セルティ「羽根、ですか?」

マナ『そいつらから目を離すな。魔王パムの羽根ならそう簡単にはやられない。仮にやられたらすぐに言え。そして逃げたら追跡しろ』

セルティ「……分かりました」

セルティ「(増援には来てくれないんですね)」


会話している間に海賊風の魔法少女がどこからか大砲を持ち出してきた。魔王パムの羽根はそれを受け止めてもなお戦いを続けている。なるほど、確かに強い

だが勝負は海賊魔法少女の勝利に終わった。なんと巨大な海賊船を空中に出現させ、周りごと羽根を叩き潰したのだ。セルティも危ないところだった。もう少し近かったら死んでいた

ああなんて幸運だと喜ぶも、こんな状況に巻き込まれたのは間違いなく不運だろうと嘆いた


2人の魔法少女は羽根を倒した後はまだその場にいた。逃げる気配もない。とりあえずもう1度マナに連絡しようとしたところで、閑静な住宅街を震わす轟音がアパートの方から聞こえて来た

セルティも2人の魔法少女も驚く。互いに仲間がアパートにいるのだ。心配もする

マナに急いで連絡を入れる。繋がらない。ええいと7753に連絡……繋がらない

舌打ちをした。人前では柔和な笑みを浮かべてるセルティは1人の時もその微笑みを絶やさない。微笑んだまま舌打ちという不自然な恰好になった


 幸運(18)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→2人の魔法少女に気付かれることなくマナ達のもとへ
 失敗→2人に気付かれる


グレース「ッ、誰!?」

セルティ「……(まずっ)」

ファニートリック「ま、魔法少女……!」

グレース「なるほど、今度こそ魔法少女ってわけ! 勝負勝負!」ダッ

セルティ「(クソッ、なんでこんなことに……!)」


海賊が迫って来る。逃げるわけにもいかない。7753達が心配だ。羽菜や外交部門の人達も気になる。ああもう仕方ない

セルティは魔法を使おうとした。グレースの影に触れさえすれば、後は魔法でどうとでもなる

セルティの魔法は、対象の影に触れれば発動する。そして影はつながり合う。光源と影の間に物が被れば、影は重なり、ひとつとなるのだ。先ほどのひったくり犯も建物と彼の影がつながった瞬間に魔法を使い動きを止めた。影を操るということは、影の元も操ることができるということだ。影を動かさないようにすれば本体も動けない。影と連動しているのだから当然だ

グレースの影は街灯に照らされ、近くの塀とつながっている。なら、塀に触れればグレースの影に触れることになるのだ


ダークキューティーの能力とは違って、影絵を作ってそれを自由自在に扱うということはできない。セルティの魔法が作用するのはあくまで影の範囲だけだ。影は元の形を無視して何かに変化したり、元々あった影の範囲の外に出ることはできない。セルティが自分の魔法をあまり使えないかもと評価しているのはそこが原因である

だが、影が覆う範囲はセルティのテリトリーだ。そこに敵を誘い込めば何でもできる。ダークキューティーとまではいかないが、影を簡単な槍として実態を持たせ影の範囲内の敵を攻撃することだってできる。扱える影に相手がすっぽり入ってしまえばこちらのものなのだ

故に相手がなるべく影の範囲内に入ってくれなければセルティにできることはない

そしてそれは考え無しにカットラスを振りかざし突っ込んできた。そしてグレースの影とつながった塀の影とつながったセルティの影に触れ、グレースの部分だけの動きを止めた


グレース「……っ、な――!?」

セルティ「(成功……)」


 知力(70-10=60)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→困惑するグレース達を脅す
 失敗→相手は聞く耳を持たない
 


 64……失敗

 
 
グレース「何をした……!?」


セルティ「落ち着いてください。私達はあなた達にどうこうしに来たのではありません。暗殺者を探しているのです」

グレース「暗殺者? なにそれ」

セルティ「(…………? ごまかしているのか)」

セルティ「私達は魔法の国の……警察みたいなものです。トコという妖精と共に行動している魔法少女は暗殺者で――」

グレース「はぁ? 何言ってんの。トコがやってきて私達を魔法少女にしてくれたのよ? なったばかりなのに暗殺者になんてなれるわけないじゃない」

セルティ「……白を切ろうと無駄です。あなた達を一旦捕まえます」

グレース「ッ、悪い魔法少女が……! これを解きなさい!」


どうやら相手は聞く耳を持っていない。どうするか……影縫いをするにはその影に触れ続けている必要がある。そしてセルティが触れられる影は1つだけ。右手で触った影を操ったまま左手で別の影に触れても意味がない。つまり、もう1人はフリーだ

相手が聞く耳を持たない以上連行は無理だ。連絡がつかないマナ達も気になる


 セルティは……>>234
 
 1.さらに情報を聞き出そうとした
 2.いったん解放し、マナ達のところへ向かった
 3.いったん解放し、跡をつけた
 

3


 >>232
 ×→いったん解放し、跡をつけた
 〇→いったん解放し、後をつけた

 
 
こうなったら仕方ない。一旦泳がせよう。マナ達も気になるが、彼女達も魔法少女だ。自分のことは自分で何とかするだろう


この場でポイントを稼ぐには、彼女達のところに戻って安否を確認することではない。相手に対していかに有利な情報を持ち帰るかだ


セルティ「………………」パッ

グレース「ッ、動ける……」

セルティ「そうですか。ではあなた達は暗殺者ではないのですね。間違えてしまい大変申し訳ありませんでした」

グレース「…………」

セルティ「それでは」

グレース「あっ、待ち――くっ、逃がした!」


セルティは塀の影の中に溶け込んだ。その影が自分より面積が大きければ、影の中に逃げ込むことができるのはこの魔法のいいところだ。ただ実際は影の中にいるだけなのでそこに刃を深々と突き立てられればヤバいのだが、こういう時相手は自分に逃げられたと勘違いする。まぁ影の中に入れば誰もがこの場から逃げたと思うだろう

グレースとファニートリックもその考えに至ったようで、この場を離れアパートへと向かっていった。よし、尾行タイムだ


・・・・・・


下克上羽菜は繰々姫のリボンによって拘束されていた。シスターナナはピクリとも動かず、使い物にならない。繰々姫が近づいてくる。そのままそのまま……よし、効果範囲に入った

繰々姫の聴覚を思い切り強化する。強化された聴覚は周りの音を必要以上に拾ってしまい、脳への負荷を通常の何倍にもするのだ。繰々姫は羽菜の術中に嵌り、意識を失った


ウェディン「せ、先生!」

羽菜「さて、残るはあなただけですねぇ」


レイン・ポゥとポスタリィはアパートの外に停まっている車から魔法少女が出てきたと言って撃退のために屋上から去っていった。この場は繰々姫とウェディンの2対1――シスターナナは数に入れていない――に任せようと思ったのか

ほどなくしてなにか轟音が聞こえて来たから戦っているのだろう。その結果がこれだ。繰々姫は無力化され、残るは戦いに向いていないウェディンと俊敏な動きを見せつけた羽菜だ。どちらが勝つか、そんなものは火を見るよりも明らかである

ウェディンはどうにかして先程シスターナナに通じた手を使おうとしたが、羽菜の警戒は強い。羽菜は言葉を駆使してくる相手が嫌いなのだ


・・・・・・


マナと7753は突如やってきた魔法少女2人の襲撃に這う這うの体で逃げ出していた。ポスタリィはともかくとして、レイン・ポゥが虹を繰り出して車をメッタ刺しにしたときは生きた心地がしなかった。なんとか虹を避けながら車から飛び出し、突如空からやって来た魔王パムの羽根の1枚が足止めをしてくれている内に裏路地に逃げ込んだ。なんということだ、と歯噛みする

あの魔法少女達はアパートにいたはずだ。それなのにこちらに来たということは、アパートは少なくとも優勢ではなく、下手をすれば……

とりあえず羽菜に連絡を取ろうとしてつながらないことが分かり、マナは苛立ちをピークにさせた。7753にも当たり散らし、これからどうするかも分からない。

とにかく探そう。その結論に至った2人は再び歩き出した


・・・・・・


プキン「どうした、食わないのか?」

シャナ「……もうお腹いっぱい……」

プキン「何と言っている?」

フレデリカ「シャナはこれ以上いらないそうです」

プキン「なんと……ちゃんと喰わんといざという時力が出ないぞ。さぁ食え。吾輩は従者のコンディションにも気を配るのだ」

フレデリカ「シャナ、閣下は食わないと殺すと言っています」

シャナ「た、たすけてぇ……」


プキンの食事が終わった。2人はとんでもない量を食べ、シャナもゼーゼー言いながらプキンに差し出された分を完食した。これがペチカの料理なら腹が破裂しようと食っただろうが、それなりのレベルとはいえこの料理はペチカの料理に遠く及ばない。シャナは食事責めを乗りきり、魔法少女らしからぬポッコリとした腹をさすった


シャナ「(きゅ、旧型の魔法少女って……飯が必要なのかよ…………ちっきしょう……まるで妊婦だ)」

プキン「よし、食い終わったところで仕事といこう。何をすればいい?」

フレデリカ「私達と日本のとある街へ飛んでもらいます。事態は急を要するそうです」

プキン「ニホンか! あそこはいいところだと聞いている。スシがあるのだろう? あとテンプラとか」

シャナ「(寿司、テンプラ…………まさか、まだ食い物の話をしてるのか……!?)」

プキン「トットポップの話によるとこの国には日本から飛行機というもので来たのだろう? 吾輩も乗りたいぞ」

トットポップ「そんな余裕ないね! 早く行かないと!」

フレデリカ「そうですね。私の魔法ですぐに行きましょう。ここにB市在住の者の髪の毛があります」

トットポップ「ウチらの同志が持ってきてくれたね!」

プキン「ふむ……メンバーは?」

フレデリカ「ここにいる5人ですね」

シャナ「……は? 私も?」

プキン「シャナは連れて行くぞ。我が従者は常に吾輩と共にあるのだ」

シャナ「いやああぁぁぁぁ…………」


こうしてシャナは日本へと電撃帰国を果たした。といってもここはどこだろうと周りを見渡す。見覚えのある景色ではない。フレデリカはB市と言っていたが……

たまたま通りかかった車にプキンはひどく興味を持った。なんでもプキンが見たことのある映画に出てきた車だとかで、プリムス・フューリーという車だった


プキン「車は好きだ」

トットポップ「車がお好き! 結構、ではますます気になるね!」

プキン「ソニア」


ソニアはフューリーに飛びつき、運転手の顔に触れた。するとフューリーは操作を失い、塀に激突する。中を見ると、運転手の顔は黒ずんだ何かになっていて、もはや原型は無かった


シャナ「(マジかよコイツ……)」

トットポプ「エグいね……」

プキン「さぁいくぞ」


暗殺者とやらを探す道中、回転寿司屋に立ち寄る羽目になり、シャナはここでもプキンに食事責めされた


・・・・・・


人間に戻った繰々姫とウェディンを拘束し、ビルの上を移動している時に異変は起きた。なんと魔法少女はもう1人いたのだ。フヨフヨと空気と同化しかかっている魔法少女にしてやられ、2人の拘束を解かれた。繰々姫は気絶しているためビルの屋上にでも放置すればいいが、ウェディンともう1人は逃げていく。逃がすわけにはいかない。せっかく捕まえたホシだ。そしてそれを追えるのは自分だけ。羽菜は全力疾走だった


キャプテン・グレースとファニートリックは仲間と合流すべく動いていた。魔法の端末がつながらない。2人ともだ。何かの拍子に一斉に通信できなくなってしまったのだろうか。アパートには最早誰もいない。仲間を探して街中を駆け回っているとテプセケメイに話しかけられた。なんでもウェディンと共に廃工場に逃げ込んでいるとのこと。2人はテプセケメイと共に廃工場へと向かった。もちろん、2人を尾行しているセルティもまた、同じ場所へと向かう


マナと7753を見失ったポスタリィとレイン・ポゥは何故か怒られていた。怒っているのは魔王パム。なんか知らないけど魔法少女としての自覚が云々かんぬん。意味が分からなかった。どうやら暗殺者を探しているらしい。2人は知らないと答えた。暗殺者を捕まえに魔法の国の各部門の合同チームが動いていて、既に2人も殺されていると魔王パムは言った。外交部門からも死人が1人出たようで、非常に怒っている。その2人を手にかけたレイン・ポゥは白を切った


波山中学校の魔法少女達はトコに言われてやってくる魔法少女達と戦った。トコはトコでレイン・ポゥに隠れながらクライアントと話し、状況を随時更新してくれる。結界が張られて24時間出れないこと、複数の魔法少女が自分達を狙っていること、その中でも魔王パムは別格中の別格で、絶対に逆らってはいけないことなどなど

ここでポスタリィの中に矛盾が生じた。トコは魔王パムを含め、自分達を狙う連中を「悪い魔法少女」だと言う。魔王パムは暗殺者を狙ってここに来てその仲間達を無力化しながら暗殺者の逮捕をするという

どちらが悪いのだ。どちらの言い分も信じるに値しない

今まではとにかく無我夢中だったが、ぶつかり合いを一旦終え、仲間を探している者達には少しだけだが考える余裕ができた

グレースとファニートリックはセルティよりもたらされた情報を信じないまでも頭の片隅に残してはいる

ウェディンは羽菜にその旨を伝えられた。完全に信じているわけではないが、相手はそんな理由で自分達に襲い掛かって来るのだと知った

状況を飲み込めていないのは現在絶賛気絶中の繰々姫とテプセケメイだ

魔法の国としては、暗殺者を逮捕するだけの簡単な仕事だった。それなのに監査部門と外交部門から死人が出た。もうこれはただの捕り物ではない。複数の魔法少女との戦争だ


7753はゴーグルに映し出される文字を読んでいた。それは人事部門の上司からのメッセージだ。7753の上司が変わった時、ゴーグルを貸せと言われ、帰って来たゴーグルには7753が通して見たものをそのまま上司に報告できる機能と、上司からのメッセージを受け取る機能が追加されていた。人の物を勝手に改造しやがって! と思わないでもなかったが、報告書を書く手間が省けるようになったのは嬉しいことだった

そして、上司から来た新たなメッセージは7753を驚愕させるに値した


マナ「クソッ、だめだ……これだけ探して見つからないし、誰にも連絡が通じないし!」イライラ

7753「……な………………!」

マナ「なんだ!」

マナ「…………今、ヤバい状況…………です……」ワナワナ

7753「なに?」

『今このB市に結界を突破して入り込んできた魔法少女が5人いる。詳細なデータは別に送る』

『1人はプキン。こちらは伝説級の極悪党だ。非常に危険な存在である魔法の国に長いこと投獄されていたが脱獄したらしい』

『1人はソニア・ビーン。こちらも危険だ。できれば立ち会うな』

『1人はピティ・フレデリカ。最近捕まっていた魔法少女だが、脱獄したようだ』

『1人はトットポップ。彼女は魔法の国の反体制派だ。上記の3人を脱獄させたのも彼女だ』

『1人は美しい妖精のシャナ。彼女には会うな。絶対に関わるな。彼女は反体制派でも脱獄囚でもない。とにかく会うな。会った場合協力を申し出ろ』


 >>248訂正

7753「…………今、ヤバい状況…………です……」ワナワナ

マナ「なに?」


・・・・・・


ウェディンとテプセケメイ、グレースとファニートリックは廃工場で合流した。全員の魔法の端末が通信できず、変身している者はスマホも消えてしまっているために連絡ができない。テプセケメイがいなければこうして会うこともなかっただろう


セルティ「(……敵の魔法少女が4人……いや、5人か。私と同じように透けている魔法少女がいる)」


ほどなくしてウェディン達を追っていた羽菜が駆けつけた。1対4の状況に緊張が走る。まずい、このままでは羽菜が不利だと、セルティもその場に躍り出た


グレース「お前! 逃げたんじゃ……」

セルティ「申し訳ありません。少々尾行させていただきました」

羽菜「マナ達と一緒にいたはず」

セルティ「少し別行動をとり、彼女達を見つけたのでつけてきたんです。マナさん達に連絡したかったのですが、通じなくて……」

羽菜「……なら、ここで私達がやるしかない……」


2つの勢力が対峙する。数の差はあれど、個人の経験や戦闘力なら互角かもしれない……どちらも動けない

そんな時だった。廃工場の奥から、第3の勢力が顔を出してきたのは


プキン「なんだ、さっきから見ていれば楽しそうな鬼ごっこをしているじゃないか。せっかくだからそれに途中参加させてもたおう。鬼の役は引き受けようじゃないか。追いかけてやるから、逃げられるだけ逃げるといい」

フレデリカ「――と、プキン将軍は申しております。というわけで逆らう者には容赦しないのでなるだけ逆らわないのをオススメしますよ」

セルティ「(ッッ…………!!)」

羽菜「ッ……!」

セルティ「(コイツらは……危険だ……!)」

羽菜「……逃げる」ジリ

セルティ「(…………)」


 セルティは……>>252
 
 1.残って観戦しようとした
 2.残って自分は戦うと言った
 3.羽菜と共に一目散に逃げ出した

3


もう何を考える必要もない。セルティは羽菜と共に逃げ出した。奴らは危険だ。戦えば間違いなくどちらかの命が尽きるまで終わらない

その判断が正しかったのか正しくなかったのか、それはおそらく正しかったのだろう。プキンと名乗る魔法少女は逃げたきゃ逃げろと言った。なら逃げるまでだ

他に逃げる者は……いない。まさかあいつら、あのヤバそうな連中と戦うつもりなのか? 馬鹿か? 命知らずか?

魔法少女は確かに優れた存在だ。可憐な容姿に身体能力に精神。すべてが人間よりはるかに勝る

だが、魔法少女同士にも差はあるのだ。突如現れた連中は間違いなく自分達と差がある。しかも向こうの方が上だ


羽菜「っ……とにかく、ここから離れましょう。リボンの魔法少女を置いてきた。彼女をマナのところにつれていく……」

セルティ「どこにいるか分かるのですか?」

羽菜「分からない……けど、見つけなきゃ……マナ、大丈夫なのかな……」

セルティ「マナさんとは長いのですか?」

羽菜「はい。ずっと一緒で……だから心配なんです」

セルティ「そうですか……無事だといいですね」


心にもないことを言った。セルティにとって仲間だの正義だのはどうでもいい。とにかくアピールして出世する。それだけだ。自己中心的だとは自分でも思う。だがそうでもなければ肝心の自己が持たないのだから仕方ない。セルティは心の中でそう言い訳し、微笑みを作り続けた


・・・・・・


おかしかった。そもそも、なんだよ鬼ごっこって。暗殺者を捕まえて告発するんじゃないのかよ

このプキンとかいう頭に羽じゃなくて花が咲いてそうな奴はヤバい。頭のネジがぶっ飛んでるとかそんなレベルじゃない。その従者もまた然りだ。こんな奴らと3馬鹿を演じる気は毛頭無い

対峙する魔法少女達は、見たところとてもベテランとはいえない。身構えた時の体勢やチームワークというものがまるで見えない。初心者の集まりだ

これが暗殺者なわけが無い。そもそも暗殺者は1人のはずだ

なら彼女達はなんだ? 巻き込まれたのか? 一斉に何人も?

分からない。とにかく今は……>>260


 1.障害を排除して一刻も早く解放されたい
 2.プキンを諫めよう
 3.その他

2


シャナ「フレデリカ」

フレデリカ「なんでしょう?」

シャナ「プキンをなんとかするぞ。こんなふざけた鬼ごっこなんてしてる場合じゃねぇんだよ」

フレデリカ「あら、私は楽しいと思いますが?」

シャナ「こっちは楽しくない! とにかくあいつらと話し合いをさせろってプキンに言え!」


 シャナの知力(59-10=49)ロール(プキンは余興を楽しもうとしているため-10)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→なんとか話し合いにこぎつける
 失敗→プキンは世界の中心だ。プキンに意見するということはシャナが間違っているということだ


フレデリカ「閣下、シャナから進言です」

プキン「なんだ、言え」

シャナ「私達の目的は暗殺者の拘束だ。私に話させろ。あいつらに暗殺者を差し出させる。荒事は嫌いだ。言うことを聞いてくれたら美味い料理を作る料理人に頼んでなんでも食わせてやるから」

フレデリカ「――と言っています」

プキン「シャナ、我が従者よ。お前は従者になってから短いから説明してやろう。私は余興を楽しんでいるんだ。これは奴らが用意してくれた余興だろう? 暗殺者に至るまでに何人倒せるかというゲームだよ。お前にも参加させてやろう。あの中から誰か1人選ぶといい。あと、その料理人とやらには興味がある。後で紹介しろ」

フレデリカ「将軍はあの中の誰か1人を殺せと言っています」

シャナ「ざっけんなゴラァ!!!!!!」

プキン「早くしないか」

フレデリカ「選べないなら全員私が殺すぞと言っています」

シャナ「(クッソぉ……!! なんか絶対違うこと言ってた気がする! けどイギリス英語なんてアメリカ英語よりわけわからねぇし……やるしかないのか……!)」


 誰を狙う?……>>268

 1.キャプテン・グレース
 2.ウェディン
 3.テプセケメイ

2


シャナ「…………分かったよ畜生……じゃあ、そこのウェディングドレスみたいな奴をやるよ。やりゃいいんだろやりゃあ」

フレデリカ「――だそうです」

プキン「なるほど。分かった。ソニア、あの白いドレスには手を出すな。後はなんでもいいぞ」

ソニア「……!」ワクワク

グレース「ふざけないでしょ!!」ダッ


グレースがプキンに対して斬りかかる。プキンの反応は速く、レイピアでカットラスの斬撃を防ぎ、鍔迫り合いにしてみせた


プキン「威勢がいいのは嫌いではないぞ? バイキング」

グレース「あんたも悪い魔法少女でしょ? 退治してやるわよ!!」

シャナ「(できれば倒してくれ、無理なら逃げてくれ! コイツヤバいって!)」


シャナは怯えるファニートリックや浮いて事態を静観するテプセケメイを無視して、ウェディンを無力化すべく駆け出した


現在の状況

【残り時間 15:15】


監査部門

・マナ→7753と共に仲間を捜索中
・羽菜→セルティと共にマナを捜索中


外交部門

魔王パム→ポスタリィとレイン・ポゥを保護? 暗殺者の捜索を継続
ウィンタープリズン→死亡
シスターナナ→放心状態


人事部門

7753→マナと共に仲間を捜索中
セルティ→羽菜と共にマナを捜索中


波山中学校

・グレース→プキン達と交戦
・ファニートリック→プキン達と交戦
・ウェンディン→プキン達と交戦
・テプセケメイ→プキン達と交戦
・ポスタリィ→魔王パムに保護された?
・レイン・ポゥ→魔王パムに保護された?
・トコ→レイン・ポゥのどこかに隠れている。魔王パムには見つかっていない


革命軍

・全員→中学生組と交戦


 B市は現在隔離された空間のため、各部門は内部の状況を知らない
 
 唯一内部の状況を知る7753の上司は事態を重く見て監査部門と外交部門に報告を……>>276


 1.した
 2.しない


今日はここまで

今日は随分と誤字脱字が目立ったな。こんな時はそうちゃんを食べよう。おお、これがそうちゃん! すごいじゃないか。ベルトコンベアで運ばれている。工業大国だとは聞いていたがそうちゃんにまでそれを応用しようとは恐るべき民族よ。落ち着けソニア、そうちゃんは逃げない……いや逃げているな。よし、さっさと食べよう


・・・・・・


羽菜「魔法少女らしき人いますか?」

セルティ「いえ……7753ならすぐに見つけられるのでしょうが」

羽菜「向こうもこちらを探してるはずです。生きているのなら……」

セルティ「あなたの相棒なのでしょう? 生きていますよ」

羽菜「……ですよね。外交部門の魔法少女が1人あっという間に殺されちゃって……」

セルティ「っ、それは……あのカラオケの部屋にいた誰かですか?」

羽菜「ヴェス・ウィンタープリズンです。マフラーの」

セルティ「なんと……!」


羽菜「外交部門はこれを見越して魔王パムを……? 彼女なら1人でさっきの魔法少女達も殲滅できるだろうけど……」ブツブツ

セルティ「そんなにお強いのですか? 魔王パムさんは」

羽菜「彼女は、外交部門が……魔法の国が保有する最強の戦力なんです」

セルティ「……!(あのおっとりとした人が?)」

羽菜「視覚の強化をしていますが……見つかりませんね」

セルティ「…………そうですね……」


 セルティ達は……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→逃げている繰々姫を見つけた
 31~60→マナと7753を見つけた
 61~90→魔王パムを見つけた
 91~00→何も見つけられなかった


羽菜「っ、あれは……魔王パム?」

セルティ「どこに?」

羽菜「あの路地の中です。空にいるものだと思ってたけど……」

セルティ「合流しましょう」

羽菜「はい!」


魔王パムと合流した。彼女の後ろには見知らぬ魔法少女が2人いたが、資料と一致する外見だ。虹の魔法少女と郵便配達員だ


パム「ご無事でしたか」

羽菜「そちらこそ………………ッ!! 魔王パムさん、離れて!」

パム「?」

セルティ「どうしました?」

羽菜「…………その魔法少女は……ウィンタープリズンを殺したんです!」


羽菜が虹の魔法少女――レイン・ポゥを指さす

ウィンタープリズンを殺した相手――外交部門にとっての仇敵だ。魔王パムはレイン・ポゥ達に何故自分達と戦っているかの経緯を聞いていた。話を聞く限り、中学生のひよっこ達に暗殺者は紛れているらしい。ウィンタープリズンは新人に不覚を取るような相手ではないはずだ。なら暗殺者は――


魔王パム「…………ほう」ニヤ

ポスタリィ「ひっ……!」

レイン・ポゥ「……!」


 レイン・ポゥは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→自分達は暗殺者じゃないと訴えた
 偶数→瞬時に虹を飛ばしてきた
 


レイン・ポゥの反応は速かった。ポスタリィの手を掴み、複数の虹を同時に魔王パム達に放って来たのだ


パム「ふっ、なるほど……!」


魔王パムの反応も速かった。虹が一直線にこちらに向かって来るやいなや、残った2枚の羽根の内1枚を大きな壁にし、虹を防いだのだ

……ん? 2枚? 確か魔王パムは羽根を4枚持っていたはずだが……と、セルティが首を捻った瞬間だった


パム「その服は誰が与えたか、忘れたようだな」


壁の向こうで、電気が放電する音が聞こえた。

魔王パムは2人が一般人に魔法少女バレしないよう、2枚の羽根を使ってコートを作り出していたのだ。そしてそのコートは、逃げようとしたときの拘束用にもなる

セルティは舌を巻いた。なるほど、これが魔王か。羽菜と共に壁を飛び越えながら、気絶しているであろう2人を見ようとし――壁に叩きつけられている白い羽の生えたコートを2着見た


羽菜「逃げられた!?」

パム「なに? ふむ……どうやら面白い相手のようだ」

セルティ「(あんたそんなキャラじゃなかっただろうに……)」

セルティ「2人はどこに……?」

羽菜「…………いた。あそこ! ビルの上に!」


 身体能力(49-10+20=59)ロール(羽菜と共に追っているため+20)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→追いついて交戦状態になる
 失敗→取り逃がしてしまう
 


 13……成功!


羽菜「逃がさない……! あなたを捕まえれば!」

セルティ「(捕まえればアピールになる。出世!!)」

レイン・ポゥ「チッ、追って来る……たっちゃんは逃げて!」

ポスタリィ「えっ、でも……」

レイン・ポゥ「あの2人相手に戦えるの!?」

ポスタリィ「ひっ! あ、う、うん!」

トコ「ちょっと! なんでバレてんのよ!?」

レイン・ポゥ「知るか!」

羽菜「セルティさん、アイツと私の距離が3m以内になるよう協力お願いします」

セルティ「3m……? 魔法、ですか?」

羽菜「はい」


ビルの屋上で3人の魔法少女がぶつかり合う。虹が飛び、それを避け、時にビルの避雷針の影で極薄の壁を作って破られて、屋上から屋上へ。傍迷惑な鬼ごっことなった。レイン・ポゥの虹を避ければ建物が破壊され、瓦礫が路上に落ちた。羽菜は舌打ちしていたが、セルティにレイン・ポゥを咎める正義感は無い


セルティ「(せめて、建物の間に入ってくれれば……!)」


今は夜だ。路地裏になど入ればたちまち影の餌食になる。それを望むところだがレイン・ポゥは器用に屋上だけを移動している

セルティは勝負に出た。自分はあまり強い方ではない。弱い方でもない普通な身体能力だ。この1年、それなりに多くの魔法少女と触れ合う機会があり、それを学んだ

相手は暗殺者。身体能力は自分より高いだろう。だが、建物の間に追い込むことくらいは……!


 身体能力(49-10=39)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→レイン・ポゥが建物の間に入った
 失敗→虹で反撃された
 


 99……ファンブル

 セルティに襲い掛かるとてつもなく悪い状況は……>>直下コンマ一桁

 奇数→虹がセルティの腕を飛ばす
 偶数→まんまと逃げられ見失う


功を焦った。羽菜に任せればよかったのに、ポイント稼ぎをしようとするがあまり、羽菜と離れて突出し、レイン・ポゥに不用意に近付いてしまったのだ

レイン・ポゥがしたり顔をした。まずいと思ったときにはもう遅い

虹が視界の右端を渡る。同時に痛みと喪失感に襲われた


セルティ「ぁ……!」


血がしぶいた。痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。右腕が無い。右肩から先が無い。見なくても分かる。見たくない見たくない

羽菜が叫んだ。自分も悲鳴を上げていると気付いた

更に虹が飛んでくる。確実に殺そうとしている。やばい、やばいやばいやばい。羽菜が助けてくれなければ、確実に死んでいただろう

生きている。ああ生きている……よかった…………だが、暗殺者とその仲間は完全に見失ってしまった


羽菜「今止血します!」

セルティ「ぁ……ぐ……!」

羽菜「こんな時くらい笑うのはやめましょうよ!」

セルティ「これ、は……仕様です……」

羽菜「血も透けてるんですね。とりあえず私の服の袖で……」ビリビリ

セルティ「ありがとう、ございます…………」

羽菜「魔王パムさんは……?」

パム「ここです」

羽菜「暗殺者は!?」

パム「補足しています。止血し終わったらついてきてください。羽根を1枚道案内に置いていきます」バッ


セルティは魔王パムを睨んだ。この野郎、なんで一緒に追いかけてきてくれなかったんだ。舐めプしやがって


セルティは決意した。あの虹野郎許さねぇ。絶対捕まえるか殺してやる

屈辱だ。ダークキューティーに欠損なんてなかった。なのに、自分はまんまと右腕まるまる失った。誰に言ったわけでもないが、ダークキューティーの同類のつもりのセルティにとって、この事態はダークキューティーの名をひどく傷つける行為に等しい

ぶっ殺してやる。破滅させてやる。ヤク漬けにしてぱっぱらぱーにしてやる。虹色の世界に連れて行ってやる

まだ左腕がある。影に触れるのはたやすい。たとえ左腕が無くなっても靴を脱げばいい。体のどこかが触れていれば操れるのだ。だが操るという特性上、足より手の方がコントロールしやすい


 幸運(18)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→それにセルティこと麻由は左利きだ
 失敗→利き腕を失ったがやってやる


 92……ファンブル

 
 
利き腕を失ったことは大きい。影を操るレベルは利き腕が一番強い。影縫いくらいは左手でもできないことはないが、右手で触れれば影に実態を持たせて自由自在に扱うことも可能なのだ。左手では例えば槍を作ったとしても一直線にしか飛ばせない


セルティの戦力は約70%削れていた。それだけ右手で影を操るというのがこの魔法のミソだったのだ

だが、関係ない。やってやる

店の常連にさせて金を搾り取ってやる。あれ、アイツ中学生だっけ。まぁいいか。クズに年齢は関係ない。未熟なクズか成熟したクズかなだけだ


セルティ「……追いましょう」

羽菜「大丈夫ですか?」

セルティ「はい。少し動きづらいですが、まだいけます」

羽菜「……無理、しないでくださいね。私、もう目の前で仲間が死ぬのは……」


下克上羽菜はプロだ。目の前で親友が死のうとそれを表に出すことはない。だが、内面は違う。悔しい悲しい恨めしい。それらの感情がドロドロしているのだ

セルティは正しい人である羽菜を内心嫌っていた。だが、心配されて感謝しないわけがない。少しだけ、仲良くなれるような気がした


地面に落ちた腕はこの際置いて行った。セルティが操れるのは影だけで、造物主の動きは制限できても影の本体そのものまでは操れない。右腕を持って行ったところで、ブラックジャックでもいなければ何の意味も無い。時間が惜しかった

魔王パムの羽根が飛んでいく。2人は屋上を再び稲葉した。人間の状態であれば右腕を斬り落とされたら確実に発狂していただろう。魔法少女というものはすごい。もう右腕が無い体のバランスに慣れて来たし、精神面でのダメージも無い


羽菜「そうだ、マナ……」

セルティ「後にしましょう。今は暗殺者を」

羽菜「だけど……あの連中のことを伝えないと……下手に遭遇してしまったら……」

セルティ「(……確かに、そうだが……)」


 セルティは……>>322
 
 1.自分でマナ達を探しに行った
 2.羽菜にマナ達を探しに行かせた
 3.2人でマナ達を探しに行った
 4.マナ達は捨て置いた

3


セルティ「……分かりました。探しに行きましょう」

羽菜「……ありがとうございます」

セルティ「お礼を言われるようなことはしてませんよ」


羽根を通して魔王パムも聞いていたのか、羽根が進む方向を変えた

おそらく、マナと7753はそこにいるのだろう。マナ達は何も知らない。今まで自分達が戦っていた魔法少女は何も知らない中学生で、暗殺者はあの虹を使う魔法少女で、とびっきりにヤバイ連中がB市に入って来てて、今自分達は大ピンチなのだということを


セルティ「(今は捨て置いてやる……魔王パムならアイツを捕まえられるだろう)」

セルティ「(捕まったアイツを……ククク)」


セルティの微笑みの中に邪悪な部分があったのを、羽菜は見ていなかった


・・・・・・


ウェディンは自分が狙われていると知り、焦った。おいおいなんで自分なんだ。狙うならそこの不良海賊にしろよ……って、それ夕方も思ってたなあ

シャナは太刀を抜かなかった。魔法少女になりたてなら、戦い慣れしたシャナにはまず勝てない。そして戦える魔法少女なら自分の魔法を使いたがる。新人とはそういうものだ

魔法は飛んでこない。つまりあのウェディングドレスの魔法少女は戦える魔法少女ではないということだ。彼女をプキンやソニアに当ててしまっては確実に命を落とすだろう


シャナ「(全員に話ができないなら、せめてコイツだけにでも……!)」

ウェディン「(来る……ッ!)」


ウェディンがナイフを突き出す。だが、シャナはその手を絡め、関節技であっという間に地に突っ伏させることに成功した。耳元に口を寄せる。シャナは小声で話し始めた


 シャナの知力(59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ウェディンを説得し逃がした
 失敗→ウェディンの説得に失敗した
 


シャナ「落ち着け。私はお前達を傷付けるつもりはない。あのプキンとかいうクズは頭がイカれてる。早く逃げろ。本当に死ぬぞ」

ウェディン「なに……!」

テプセケメイ「……」フワッ


不意に、シャナは息苦しさを感じた。周りを見ると、空気がおかしい。空気が無くなっていっているような……


テプセケメイ「ウェディン放せ」

シャナ「クッ……かっ……!」バッ

ウェディン「はぁっ、はぁっ……! た、助かった……!」

テプセケメイ「逃げる?」

ウェディン「ああ……頼む」

テプセケメイ「わかった」


テプセケメイが再びウェディンを連れ空へと逃げ出した。説得できなかったが、逃げてくれるならまぁそれでいいかとシャナはプキン達の方を向いた


見るとプキンとグレースの間にソニアが割り込んでいた。グレースは不利を悟ったのか、ファニートリックと共に逃げようとしている

ソニアが追撃の体勢に入っている。まずい、ソニアの魔法はヤバイ。触れたものをボロボロのグズグズにするヤバイ魔法だ。あの魔法少女達はソニアに触れずに倒したり逃げたりは難しいだろう

自分にできることは……>>334


 1.ソニアよりも先にグレースを倒す
 2.プキンに止めるよう頼む
 3.ファニートリックを人質にとってグレースに投降するように言う


シャナ「おいプキン!」

プキン「ん? 先ほどの魔法少女はどうした? 倒したか?」

シャナ「ソニアを止めろ! アイツに手加減なんてできないだろ! 暴走した実験動物並の理性しかねぇじゃねぇか!!」

プキン「フレデリカよ、シャナはなんと言っているのだ?」

フレデリカ「ソニアを止めろと」

プキン「あぁ……まだ分からないのか。シャナよ。余興だよ。さっきも言っただろう? 吾輩は別に暗殺者とかはどうでもいいんだ。ソニアを見ろ。あんなに楽しそうにしている。従者がはしゃいでいるというのに、何故止められようか」

フレデリカ「――と言っています」

シャナ「さっき言った料理人は争い事が嫌いなんだ! お前が争い事を好む奴だと知ったら料理をご馳走してくれなくなるぞ!!」

フレデリカ「――と言っています」

プキン「なっ……!」


 シャナの知力(59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プキンの説得に成功
 失敗→プキンに斬りかかられる
 


プキン「止まれソニア!!」

ソニア「ッ!?」ピタッ

グレース「っ……なに?」

ファニートリック「に、逃げよう!」

グレース「……くっ、覚えていなさい!」ダッ

シャナ「(マジで止まった……流石ペチカ様。女神)」

プキン「シャナよ。主を脅すとはいい度胸だ。吾輩は吾輩の思い通りにならんものを嫌う。だが嫌わずに済む方法もある」

シャナ「……?」


 シャナの幸運(96)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プキンは従者に自分の魔法を説明した
 失敗→プキンは従者に自分の魔法を繰り出して説明した


プキン「この剣で斬るとな――」チャキッ

シャナ「ッ!」バッ

プキン「そう身構えるな。別に従者を斬ろうというわけではない。貴様の忠誠心は信用している」

翻訳ウーマンフレデリカ「――と言っています」

プキン「この剣に斬られた者は自分の考えが変わるんだ。吾輩に忠誠を誓ったり自分が犯人だと錯覚したり……まぁ俗に言う洗脳だな」

翻訳ウーマンフレデリカ「――と言っています」

シャナ「(洗脳……か…………)」

シャナ「もしその料理人に斬りかかることがあれば、私はお前を殺す」

翻訳ウーマンフレデリカ「――と言っています」

プキン「はっはっはっは!! 吾輩を殺すか! 面白い、ますますその料理人に興味が湧いたぞ!」


プキン「腹が減った。どこかにスキヤキを扱う店はないのか?」

フレデリカ「食べ放題のお店ならあるでしょう」

プキン「食べ放題?」

フレデリカ「頼めば頼むだけ食べ物が出てくるお店です。最近は鍋ものの食べ放題も多いので、この街にもきっとあるでしょう」

プキン「素晴らしい。やはり日本に来てよかった」

シャナ「ちょっと待て! 今何時だと思ってる! もう日付変わってんぞ!! 開いてる店なんてラーメン屋くらいだろ!!」

トットポップ「あ、本当ね」

プキン「店主が寝ていると? 叩き起こせ」

フレデリカ「大丈夫ですよ。お店に入れば食材があるんだから、勝手に食べさせてもらえばいいんです」

シャナ「…………」


・・・・・・


波山中学校の魔法少女達はレイン・ポゥとポスタリィを除いて学校の屋上に集結していた。繰々姫は目を覚ましてからずっと仲間達を探していたらしい


グレース「くっ、あのびんぼっちゃまみたいな奴……絶対この手で倒してみせる!」

ウェディン「……」

繰々姫「どうしました?」

ウェディン「いや、あの赤髪の魔法少女…………ずっとこちらに逃げろと」

テプセケメイ「ウェディンになにか囁いてた……愛?」

ウェディン「違う! あの魔法少女には何かあるのか……?」

ファニートリック「うう……もう、嫌……黒いオバケも怖いつぎはぎの服の人も、嫌だぁ……」

グレース「私がいるのに泣いてんじゃないわよ!」


ウェディン「ポスタリィ達は無事だろうか……」

テプセケメイ「見てくる」フワフワ

繰々姫「……あの子、メイちゃん……よね?」

ウェディン「……ええ、そうです……」

繰々姫「亀でも魔法少女になれるなんて……時代なのかしら」

グレース「いい? 佳代は私の後ろにいなさいよ」

ファニートリック「う、うん……」

ウェディン「(……リーダーは私なのに)」

ウェディン「(さっきアパートで決めた……『いざという時はリーダーの言う通りにする』という約束は多分まだ効いているはず。いざという時、この不良を……っ、なにを考えている! この子も今は仲間なんだ……!)」


・・・・・・


セルティと羽菜は魔王パムの羽根の案内のもと、ようやくマナ達と合流することができた。マナと羽菜は表には出していないが再会を喜んでいるようである


7753「だ、大丈夫!?」

セルティ「不覚をとりました……」

7753「生きて帰れたら、ウチの上司に再生魔法を使う魔法少女を派遣させるよう頼むから、ちょっとの辛抱です!」

セルティ「それを聞いて安心しました。ですが、今私はあまり役に立てないでしょう……」

マナ「構わん。元々新人には期待していない」

セルティ「(……コイツ)」

羽菜「そんな言い方駄目でしょ!」

マナ「っ、犯人も捕まえられなかった上に負傷した奴など知らん!」


羽根を通して、魔王パムから現在の状況について説明は受けた

あの虹の魔法少女以外はただの中学生で、トコに利用されているということ。その魔法少女達は自分達を「悪い魔法少女」と言っていること

セルティと羽菜はそれに追加して、ヤバイ連中も介入してきたことを話した。監査部門として、マナはその魔法少女達を知っている。プキン、ソニア・ビーン、ピティ・フレデリカ……極悪人すぎて知らない奴はモグリというレベルだ

後の魔法少女について、マナと羽菜は知らなかったが、彼女達と行動しているということはヤバい連中なのだろう

という会話をしたところで、7753から報告があった。人事部門の上司からその5人のデータが送られてきているとのこと


マナ「早く言え! だからさっきヤバイ状況だって言ってたのか!」ゲシゲシ

7753「あう、すみません……でも、どうしますか? これから」

マナ「どうするもこうするも……暗殺者は魔王パムが追っている。ならそっちはもうこの際どうでもいいだろう」

セルティ「(えー……)」


 セルティは……>>360
 
 1.中学生組と話し合いがしたいと言った
 2.魔王パムの加勢に行くべきだと言った
 3.脱獄囚達をどうにかしなければと言った


セルティ「……私は、その中学生の魔法少女達と協力するのがいいと思います」

マナ「なに?」

セルティ「この状況、私達、中学生達、脱獄囚……3つの勢力がこのB市にいます。ですが、暗殺者は今魔王パムが追跡していて、中学生達は宙ぶらりんでしょう。ならば協力して少しでも敵を減らすべきだと思います」

7753「……確かに」

マナ「馬鹿馬鹿しい! その中学生にウィンタープリズンは殺されたんだろう!」

羽菜「マナ、ウィンタープリズンを殺したのは暗殺者だよ」

マナ「………………」

セルティ「……どうでしょうか?」

マナ「…………分かった。お前の言い分を聞いてやる」


すると魔王パムの羽根がタブレットに変わった。セルティ達もマナ達のところに行く道中説明を受けた形態だ。タブレットのメモ帳アプリが勝手に起動して文字を映し出す。それは中学生組を探してやるからこの羽根についてこいというものだった

……最初から魔王パムの羽根を携帯してればこんなに混乱する状況にならなかったのにと呟いたが、まさか魔法の端末が使えなくなるとは思わなかったでしょう? と浮かび上がった文字に反論できなかった


羽菜「そういえば、シスターナナはどうしましょう……いまだに合流できていませんが……」

マナ「死んだだろ」

羽菜「そういうこと言っちゃ駄目だよ。彼女も外交部門なんだから荒事は得意のはず……合流する?」

マナ「……セルティ、お前はどう思う」

セルティ「えっ? 私ですか?」

マナ「お前が提案した状況だ! シスターナナについてもお前が決めろ!」

セルティ「はぁ……」

羽菜「ごめんなさいね、マナはこういう言い方しかできなくて……本当はあなたのことを少し信用し始めているんですよ」

マナ「そんなことはない! 素人がッ!」

セルティ「なら……>>369


 1.探し出して合流してから中学生組を探しましょう
 2.捨て置きましょう


セルティ「合流しましょう。魔王パムさん、彼女を探してくれますか?」


魔王パムの羽根は球体に羽が生えた形態に変形し飛び立った。全員でそれを追う

シスターナナは外交部門のベテランだ。死んではいないだろう。そう思いながら羽根を追うと、アパートの屋上で座り込んだシスターナナの姿があった


羽菜「シスターナナ、さっきの場所から移動していない……」

マナ「クソが! 仕事放棄か!」

セルティ「私が話してみます」

7753「気を付けて。今見てみたんですけど……ウィンタープリズンを喪って相当のショックを受けています。下手に刺激しないように」

セルティ「……はい」ニヤ


セルティ「シスターナナさん、こんなところにいたんですね」

シスターナナ「………………」

セルティ「ウィンタープリズンは残念でした。ですが、この状況をどうにかしないと、彼女を弔うことすらできません」

シスターナナ「………………」

セルティ「……シスターナナ、行きましょう」

シスターナナ「……駄目ですよ。雫がまだここにいるんですから、置いてはいけません」

セルティ「(……本名? 親友だったのか……それとも……)」

セルティ「(……やりようはある。クックック……)」

セルティ「(だがこれが魔法の国にバレたら大問題だな……うまく隠せるといいが……)」


 セルティは……>>380
 
 1.シスターナナに甘い話を持ち込んだ
 2.そうですかと置いて行った
 

1


セルティ「……また、ウィンタープリズンに会えるとしたら……どうしますか?」

シスターナナ「……えっ?」

セルティ「私はそういう魔法を使えるんですよ。ああ私のじゃないんですけどね、魔法の薬を売ってるお店で働いていて……」

シスターナナ「会える……ウィンタープリズンに……雫に……!?」

セルティ「はい。ですから、共にこの苦境を乗り切りましょう。あなたの雫さんに会うために」

シスターナナ「……はい…………雫も一緒に連れて行っていいでしょうか?」

セルティ「(生首かよ! うえぇぇ……)」

セルティ「え、ええ……いいと思います。早く開放すればその分早く雫さんにまた会えますよ。髪をとかしてくれます。一緒にご飯にもいけます」

シスターナナ「行きましょう、雫!」

セルティ「(ちょろいな)」


セルティ「シスターナナも同行してくれるそうです」

マナ「…………それ、置いてけ。いや、置いていってくださいお願いします私が悪かったです」

セルティ「彼女も一緒じゃないと嫌だとのことです。我慢しましょう」

7753「う、うえぇぇ……」

シスターナナ「さぁ、早く行きましょう!」

羽菜「は、はいぃ……」


 シスターナナ(with生首)が加わった!


魔王パムの羽根が中学生組を見つけるのは早かった。波山中学校の屋上に集結していたのだ

すぐに飛んだ。説得もセルティに任せるとのことだった

だがこの状態では説得もなにもないだろう。だが、今はあの第3勢力がいる。奴らを引き合いに出せば恐らく成功するだろうとは思っていた

セルティは外堀を埋めるタイプだ。降って湧いたような文句をベラベラオカマ野郎みたいに喋っても相手に通じないのは分かっている

まず第3勢力がいるというのはあちらも分かっているから、簡単に話はつきそうだ。あとはどうこちらを信用させるか……

全員で行くのは論外だ。なによりシスターナナが怖すぎる

かといって1人で行っても心細い。襲われたら片腕のセルティなど一瞬で溶けるだろう

ならせめてもう1人、同行者が欲しい


 セルティが同行者に選んだのは……>>396
 
 1.マナ
 2.羽菜
 3.7753


羽菜を選んだ。この中ではセルティがまだ信用している魔法少女だ。少なくとも変な失態は演じないだろう

マナとシスターナナと羽根を物陰に待機させ、2人で屋上に移動した。中学生組はこちらを確認すると同時に臨戦態勢をとる。セルティと羽菜は2人で両手――1人は片手――を挙げて戦意が無いことを示した


セルティ「警戒を解いてください。私達はもうあなた達に攻撃しようという意思はありません」

ウェディン「…………」

羽菜「あのウェディングドレスには警戒してください。言葉を駆使してくるタイプです。おそらく魔法もそういう系統の……」ヒソヒソ

セルティ「……」コクッ


さて、これからの交渉で我々の運命が決まるかもしれない


セルティ「私達は、B市に潜伏した魔法の国の暗殺者とそのマスコットキャラクターであるトコを追ってここまで来ました。あなた達はトコに魔法少女にさせられた人達ですね?」

ウェディン「……そうだ」

セルティ「私達はあなた達を、『トコを護衛する暗殺者の仲間』だと思っていました。攻撃も加えました。謝罪します」

グレース「……」

セルティ「ですが、あなた達がただ巻き込まれただけと知り、私達は魔法の国の人間として、あなた達との協力を提案しに来ました」

ウェディン「それを信じろと?」

セルティ「悲しい行き違いがあったのは認めます。こちらも2人、そちらの仲間に殺されました。その人が暗殺者です」

繰々姫「えっ……あの……待って……それ……ウチの生徒です!」

ウェディン「(レイン・ポゥが…………?)」


セルティ「私達は暗殺者を逃がさないために、街に結界を張りました。街から出られないのはそれが理由です」

セルティ「そして私達にとっても予想外の事態が起きました。それは、脱獄囚達がこのB市にやってきたことです」

グレース「……それ、私達が遭遇した奴ら?」

セルティ「そうです。彼女達のデータもこちらは持っています。プキン、ソニア・ビーン、残り3人のデータも」

ウェディン「………………」

セルティ「信用できないのなら仕方がありません。私達は私達で事態の収拾にあたります」

セルティ「どうか私達と共に行動してください」ペコリ

羽菜「お願いします」ペコリ


 知力(70-10+30=90)ロール(真摯な姿勢と正当な理由で理詰めしたため+30)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→説得して協力を申し付けた
 失敗(ファンブル)→ピャー


ウェディン「…………分かった……」

セルティ「(ホッ……)」

繰々姫「でも、あの子が……暗殺者って、信じられません……まだ中学生なんですよ……!」

羽菜「魔法少女に年齢は関係ありません。中学生どころか、小学生でも悪いことをしている魔法少女はいます」

グレース「……そう。ひとつ言っておくわ。そのプキンとかいう奴は私が倒す。いいわね?」

セルティ「お好きになさってください。ですがこれからは仲間です。仲間として忠告させていただきます。プキン達脱獄囚は非常に危険です。できれば接触しないのが……」

グレース「心配ご無用! 私は絶対に勝つわ!」

セルティ「(……なら勝手に死ね)」


ウェディンがテプセケメイを呼び戻そうとしたが魔法の端末がつながらないためにできない。まぁ会ったときに説明しようと思ったのか諦めたようだ

マナ達も屋上に集まる。シスターナナを見て誰もが戦慄したのは言うまでもないだろう


マナ「そちらの代表はいるのか? こちらは各部門の混成チームではあるが、見ての通りセルティが代表だ」

セルティ「えっ……?」

マナ「口裏を合わせろ! どんくさい奴め!」

羽菜「まぁまぁ」

ウェディン「……一応、私が」

セルティ「そうですか。では情報交換と行きましょう」

ウェディン「その前にひとつ、約束してください。仲間となった以上、あなた達全員、私達を裏切らないと」

マナ「ッ、待て」

セルティ「……?」

マナ「約束するためには条件がある。そちらが先にこちらを裏切った場合、我々がどう対応しようとそちらを裏切ったことにはならない。先に反故にしたのはそちらだからな。それでなら約束してやる」

ウェディン「…………分かりました。皆さん、いいですね?」


約束をしたところで改めて情報交換を始める。7753が5人のデータを大きな液晶モニターとなった魔王パムの羽根に送信する。原理は分からないが、マジカル的な何かだ


ウェディン「……美しい妖精…………」

7753「彼女は無関係だと私の上司は言っていました。上司を疑うわけじゃないですが、無関係ならなんで一緒に行動しているんでしょう……」

ウェディン「……彼女は、プキンと対峙していた私に逃げろと言いました」

マナ「……なるほど。好きで奴らと行動を共にしているわけではないと」

7753「絶対に会うなと。もし会ってしまったら上司の名前を出して協力を申し出ろと言っていました」

ウェディン「その上司の名前は?」

7753「プフレ、です」


・・・・・・


プリムス・フューリーを駆り、まさかと思っていたすき焼き食べ放題の店を見つけるとは思っていなかった

もう深夜だ。当然の如く店が開いているわけが無い。だが、真っ暗な店内にプキン達はどうどうと入っていった。鍵のかかっていた入口をブチ破り、警報もなんのそのでドカッと席に座る


プキン「店主いるか! 吾輩は腹が減っている! 従者のソニアとシャナも空腹に喘いでいるのだ。疾く飯を出せ!」

フレデリカ「トットポップ、お願いします」

トットポップ「あいあい、キッチンからありったけ持ってくるね」

シャナ「…………」ダラダラ

プキン「シャナ、酷い汗だ。どれ拭いてやろう」フキフキ

シャナ「…………」

プキン「待ちきれないか? 吾輩もだ。スキヤキというのはどんな食い物であろうな? シャナはこの国の出身と聞く。やはりうまいのか?」

シャナ「…………そりゃもう」


そこからの店はもうパーリナイだった

電気を点け、ありったけの肉と野菜と鍋とわりしたを持ってきて宴となった


プキン「うまいじゃないか! 日本は素晴らしいな……イギリスの味気の無い食事とは大違いだ。まったく、食にここまでこだわる民族も珍しい。そうだ、この隣の大陸の国もうまい飯を作っているのだろう? 結界とやらが消えたらそこに行こう」

ソニア「おいしーーー!!」ガツガツ

プキン「ソニア、はねているぞ」フキフキ

トットポップ「追加のお肉ねー!」

フレデリカ「あ、卵追加で」

トットポップ「あいあいあいー! トットの分も残しておいてほしいのね」

シャナ「……………………」

プキン「ほうらシャナ、取り分けてやったぞ。ありがたく食え」

シャナ「…………ハイ」


警報はもう鳴り止んだ。警察は何してんだよ。早く来いよ。深夜にここまで大々的に事件を起こしてるんだぞ

この警備会社はクソだ。通報してるんだよ。もう1回ベルならせばいいのか?


プキン「まだ足りんぞ! 食糧庫にあるものすべてを持ってこい!」

シャナ「お腹いっぱい……」

プキン「シャナももっと食いたいだろう? 安心しろ、すぐに来る」

シャナ「………………ハイ」

ソニア「まだ? まだー?」

プキン「はっはっは、そう興奮するな。肉は来る」

シャナ「………………おい、このバカ野郎!! よく聞け、いいか!?」

プキン「どうした、急に立ち上がって」

シャナ「ここを宿とする!!」

フレデリカ「ここに泊まろうと言っています」

プキン「ふむ……いいな。この椅子はフカフカだ。そのままベッドにできるだろう」


トットポップ「駄目ね! 早く暗殺者を捕まえないと先を越されちゃうね!!」

プキン「トットポップよ、英気を養うためには休息も必要だ」

トットポップ「協力者からお知らせがあったね! さっき戦った魔法少女達と魔法の国の合同チームが手を組んだって!」

フレデリカ「おや……それは少々厳しいですね。暗殺者は孤立無援ではないですか」

トットポップ「食べ終わったらさっさとずらかって暗殺者を追うね!」

プキン「………………」

シャナ「(……そうだよ。ここに泊まってあわよくば警察に捕まえてもらおうとかいうのは幻想だ。警察がコイツらに勝てるわけがない。私としたことが、コイツらの雰囲気にあてられていた)」

プキン「……ふむ、なら>>直下コンマ二桁」


 奇数→暗殺者とやらを捕まえにいくか
 偶数→合同チームとやらに喧嘩を売りにいくか


プキン「合同チームとやらに喧嘩を売りにいくか」

シャナ「……?」

プキン「腹ごなしに運動は必要だ。なぁソニア?」

ソニア「あい!」

フレデリカ「シャナ、合同チームと戦いに行きますよ」

シャナ「は? なんでだよ!?」

フレデリカ「将軍は食後の運動がしたいそうです」

プキン「行こうか」

シャナ「おい片付けろよ!」

フレデリカ「強盗が片付けてからずらかりますか?」

シャナ「………………ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………よし、行くか」


・・・・・・


波山中学校生徒にして魔法の国の暗殺者レイン・ポゥは魔王パムの追跡を撒けずにいた。つかず離れず、虹を放っても簡単に避けられる。そしてポスタリィのせいで全速力で逃げられない


トコ「はぁ!? あいつらが裏切ったぁ!?」

『ウェディン、キャプテン・グレース、ファニートリック、繰々姫は魔法の国の合同チームと協力を約束したにゃん』

トコ「ふざけんな!!」

『ただ、プキン以下の脱獄囚が合同チームの方に向かってるにゃん』

トコ「……これならあいつらの共倒れを狙える?」

『あと、美しい妖精のシャナについては触れてはいけないにゃん。触れたら死ぬにゃん。絶対に近付かないことをオススメするにゃん』

レイン・ポゥ「美しい妖精のシャナ……外交部門の暗殺者。ぶっちゃけ、ご同業としては尊敬すらしてるよ」

トコ「そんなすげーのがなんで脱獄囚と一緒にいんのよ! クソが!」


・・・・・・


護「ふあぁ~ぁ……お嬢、こんな時間まで起きて何してるんですか?」ウトウト

庚江「……3人と同時に連絡するのは骨が折れるなぁはっはっは」

護「? まぁいいや……早く出てってください。ここは私の寝室です」

庚江「知ってるよ? 私が起きてるのに護が寝てるのは不公平だと思って。あ、音楽かけようか。パンクロックとかジャカジャカしよう」

護「私はもう電気を消して寝てたんだよ! そこにお嬢がだ! ねぇ!? ドンドンドーンとしてきて、なんですかーい? って言ったらね、『寝てるのかーい』とドカドカドカドカ入って来たと思ったら電気を点けて!」

護「『腹を割って話そう』と言い出したんじゃないか!!」

庚江「それ長くなるからやめておけ」


・・・・・・


華乃「ここのお風呂ってホント広いよね。1人暮らし用のマンションなのに」

結衣「正確には1~2人用の部屋だからね。はい、前向いてー」

華乃「いいって……前は自分で洗うから」

結衣「駄目だよー! 自分でやると洗い残しとか気付かないものなんだから!」

華乃「だ、だって……結衣、タオルとか使わないし……」

結衣「手で洗った方が細かく洗えるでしょ。はい、前を向く!」

華乃「………………ん」クルリ

結衣「ふんふんふ~ん」スリスリ

華乃「……くすぐったいよ…………」

結衣「あ、ごめん」


・・・・・・


グレース「で、こっからどうするのよ」

マナ「黙れ! 考えてるんだよ!」

グレース「あん?」

ファニートリック「う……」ビクビク

羽菜「まぁまぁ」

7753「予期せぬ大捕り物になってしまいましたが……魔王パムは暗殺者を追っているんですよね?」


大型モニターに「そうです」と文字が映し出される。魔法の端末での通信ができないこの状況で魔王パムの羽根は非常に便利だ


 セルティは……>>431
 
 1.魔王パムと共に暗殺者の確保に向かうべきだと言った
 2.脱獄囚達を何とかした方がいいと言った


セルティ「一刻も早く暗殺者の確保に向かいましょう」

グレース「ちょっと、あいつらはどうするのよ」

セルティ「まずはこちらの目的を果たした上で、後顧の憂いを絶ってから向かうべきです。二面作戦はこちらの分断を招く可能性があります」

ウェディン「だが二面作戦をできる人数だと思うが?」

セルティ「普通の魔法少女相手ならいいでしょう。ですが相手は監査部門の方々が音に聞く凶悪犯の集団です。この全員で当たっても勝てるかどうか……なのでしょう?」

羽菜「はい。非常に危険です」

セルティ「全員で向かいましょう。手分けは論外。ですね?」

マナ「ああ。手分けした結果、ウィンタープリズンは…………いや、なんでもない」

シスターナナ「どうしました?」

マナ「なんでもないです……ごめんなさい私が悪かったです許してください」


魔王パムはこちらに合同チームと中学生組が全員来ると知り、息を吐いた

監査部門の魔法少女を屠り、ウィンタープリズンすら倒したその暗殺者がどんなものかと思っていたが、期待外れだった。自分の手で倒す価値も無い。これなら魔王塾の門下生の挑戦を受けている方がはるかに楽しい。結界が無ければ投げ出して帰っていただろう

受けた仕事は果たしている。彼女達が来れば暗殺者は確実に終わりだ。同行している魔法少女は知ったことではない

2人には老婆心で少しばかり魔法少女としての指導をしてやった。どちらも情けなかった。片方は演技だったようであるが、もう片方は正真正銘の小動物だ。本来この場にいるべきではない存在だ

さて、暗殺者が拘束されるまであと少し。適当に流すか


パム「………………ハァ、まったく」


しょっぱい仕事だ


マナ「この先の大通りだな。この時間だ。人通りは無い」

繰々姫「(もうすぐ夜が明ける……空が白み始めている)」

セルティ「(まずい……夜明けは面倒だ。影が限定される)」

羽菜「これ以上の犠牲は避けましょう。慎重に」

グレース「はん、そんな必要あるのかしら?」

7753「……あなたが生きているのはシャナのお陰だ」

グレース「なんですって!?」

7753「うわああ違いますよ! 今上司からキャプテン・グレースにこう言えってお達しが!」

グレース「上司ぃ? なんでソイツのお陰なのよ」

7753「シャナが必死にプキンを止めたからそちらの被害が無いのだ……って言ってます」

グレース「フン、舐めてくれちゃって……見てなさい、次こそは倒すから。上司にもそう言っておきなさい!」


・・・・・・


トットポップ「あー協力者が言うにはこっちね!」

シャナ「気になってたんだが、協力者って誰だ?」

トットポップ「知らないね。匿名ね」

シャナ「ふーん……」

プキン「もっと飛ばせ。吾輩が見た映画ではもっとスピードが出ていたぞ」

トットポップ「5人も乗ってりゃ積載なんちゃらがあるね!」

フレデリカ「アクセルベタ踏みでいいじゃないですか」

プキン「そうだ」

シャナ「おい前! 人! 人歩いてる!!」

トットポップ「あ……」

シャナ「こっの野郎!! 轢いちまったじゃねぇかよ!! 今すぐ車停めて救急車を呼べ!!」

プキン「はっはっは、景気がいいな。よしトットポップ、敵と会うまでに10人轢けば褒美をやろう」


・・・・・・


同じようで違うコースをグルグル回って逃げていたレイン・ポゥとポスタリィは、正面に見えた仲間の魔法少女に助けを求めていた

笑顔で「助けて、あそこに悪い魔法少女が!」と言ったところで、仲間達が監査部門の魔法少女と行動しているのが見えた。あ、これまずい状況だ。非常にまずい


パム「やっと来たか」

ポスタリィ「香織ちゃん、助かったの?」

レイン・ポゥ「逆、まずい。多分今、味方……たっちゃんしかいない」

ポスタリィ「えっ?」

マナ「ソイツだ! 捕まえろ!! 逃がすな!!」

羽菜「次こそは……!」ダッ

ポスタリィ「くっ!」


トコ「ちょっとアンタ達、魔法少女にしてやった恩を仇で返すの!?」

ファニートリック「っ……」

ウェディン「一旦捕まってほしい。その上で私達も弁解する…………その弁解ができたらな」

トコ「裏切り者ー!!」

セルティ「(アイツだけは……!)」

グレース「とりあえず捕まんなさいよ!」

レイン・ポゥ「チッ!」


羽菜とグレースがレイン・ポゥの繰り出す虹を避けながら突撃していく。今度こそ逃がさない。お前の影を捕まえる


 身体能力(49-10+30=69)ロール(他の魔法少女との共闘により+30)……>>直下コンマ二桁

 成功→影縫いをした
 失敗→レイン・ポゥの動きが速くて捉えきれない


影に移動する。左手でいつでも触れられるように

日が昇り始めて来たとは言え、まだ影はある。そしてレイン・ポゥに影縫いは見せていない。レイン・ポゥは羽菜とグレースから逃げるべく、セルティの影と繋がっている建物の影に足を踏み入れた


レイン・ポゥ「――ッ、なっ、これ……!?」ピタッ

ポスタリィ「香織ちゃん、どうしたの?」

レイン・ポゥ「たっちゃん、早く……助けて……!」

羽菜「(止まった……セルティさんのか!)」

セルティ「お早めに」

マナ「お前か、でかした! 羽菜、コイツを使って拘束しろ!」

羽菜「ああ、そういや魔法のロープ、さっき切られてたんだっけね!」


動けないレイン・ポゥと呆然としているポスタリィを拘束し、これにて暗殺者の追跡劇は終わりを告げた

――かのように思えた


パム「ようやく終わったか……さて、外交部門に結界を解除させ………………ん?」

パム「ほう、あれは……」ニヤ


トコ「放しなさいよこのクズ共! 悪い魔法少女が!!」

レイン・ポゥ「皆助けて! 皆は騙されてるんだよ!!」

ウェディン「…………レイン・ポゥ、本当のことを言うと約束しろ」

レイン・ポゥ「っ………………!」


ウェディンはどうやら頭がキレる方のようだった。この約束をしてしまえばレイン・ポゥは本当のことを喋らざるを得ない。かといって拒めばそれは自分で私はクロですと言っているようなものだからだ。もう退路は無い

爆走してくるプリムス・フューリーさえ来なければ、このまま穏便に終わるはずだった


トットポップ「おお! ひーふーみー……あれだけ轢けばさっきの分と合わせて10人いくねー!」

フレデリカ「いけいけゴーゴー」

シャナ「ざっけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


プリムス・フューリーは魔法少女達を轢くことなく壁に激突した。全速力だった。アクセルベタ踏みだった。旧車故のエンジンの爆音さえなければ絶対いけたのにとトットポップは嘆く


シャナ「いっつぅーーー………………テ、メェ…………」

トットポップ「悪かったね。つい興奮したね」

フレデリカ「どうやら誰も轢けなかったみたいですね。飛び退かれました」

プキン「構わん。さぁ行こうかソニア、シャナ」

ソニア「!」コクコク

シャナ「ちっきしょぉ…………」


ヨロヨロと車から出たシャナを出迎えたのは、懐かしい声だった


パム「久しぶりじゃないか! 何年振りだぁ?」

シャナ「げっ……」

パム「よもやお前がこんなところに来てるとはな、丁度退屈していたんだ! さぁ来い! もちろん漢字にカタカナのルビをふった技名は考えて来たんだろうな!」

プキン「……なんだアイツ?」

ソニア「ッ!」

フレデリカ「おやおや、ご指名ですよ」

シャナ「嫌だ」

トットポップ「げげげげげげ……魔王パムね!」


マナ「あいつら……! 何で!?」

羽菜「皆さん、下がって! 下手に近付いちゃいけない!」

グレース「悪いけどアイツには借りがあるのよ……このキャプテン・グレースが一瞬とはいえビビッて逃げ出してしまった借りがねぇ!」ダッ

ファニートリック「あっ、待って!」

プキン「さっきのバイキングか。誰が相手をする?」

ソニア「…………」

プキン「ソニアは別の奴と相手がしたいか。ならシャナかフレデリカかトットポップだな」

フレデリカ「シャナ、ファイト!」

トットポップ「やってくださいね先生!」

シャナ「テメェら覚えてろ!」


セルティ「(美しい妖精のシャナが前に出て来た……ということは、キャプテン・グレースの命の心配はしなくてよさそうだが……いや、絶対に近付くなってことは危険ってことか?」

グレース「はぁぁぁぁ!」

シャナ「チッ、剣かよ……!」シュッ


カットラスと太刀が激突する。それが戦いの火蓋を切って落とすことになった


パム「……フられたか。まぁいい。あっちも楽しめそうだ」

ソニア「……!」


ソニアが手袋を外し、魔王パムに投げつける。それが届くことは無かったが、戦いに精通した魔王パムにはそれが決闘を挑む合図だと知っていた


ソニア「私と勝負しろおおぉぉぉぉーーーーーーー!!」

パム「面白い!」


プキン「おっと従者が2人とも行ってしまった。裸の王か」

フレデリカ「私達がお傍にいますよ」

プキン「2人とも戦い慣れしているのは承知している。だが吾輩より弱いだろう? 吾輩も暴れたいと思っていたところだ」

羽菜「……!」

プキン「兎狩りか。面白い余興だ」

マナ「羽菜、アイツ……羽菜を狙ってる」

羽菜「分かってる。マナは2人を」

マナ「ああ。お前ら動くなよ。虹を繰り出そうとしても無駄だからな」

レイン・ポゥ「チッ……」

羽菜「シスターナナ、協力してください」

シスターナナ「分かりました。雫のためです……あ、これ持っててください」

マナ「」


シャナ「(まずい……ソニアだけじゃなくプキンまで動き始めた! 早くコイツを無力化しないと!)」

グレース「どきなさい、私はアイツに用があるの!」

シャナ「悪いがそれはさせられない。みすみす命を捨てるな、馬鹿野郎が」

グレース「じゃあアンタを倒してからにしてやるわ!」


キャプテン・グレースの魔法は『魔法の海賊船の召喚』だ。シャナどころか、周りで戦っている魔法少女達も巻き込みかねない

だが彼女はお構いなしに魔法を使った。シャナの頭上に魔法の海賊船が現れ、重力に引かれて落ちようとしている


シャナ「(おいおいおい、マジかよ!)」


 シャナの身体能力(87)ロール……直下コンマ二桁
 
 成功→船底を斬って中に突入する
 失敗→魔法を使ってしまう


 95……ファンブル


シャナ「クソッ、間に合え!」バッ

グレース「ッ、脱いだ!?」


魔法の海賊船がシャナ目がけて落ちる瞬間、シャナはコートを脱ぎ捨てグレースにその肌を見せつけた

が、1歩間に合わず魔法が発動する前に船底がシャナの頭に当たった

他の魔法少女は海賊船をうまく避けたようだ。ならこれ以上海賊船を出現させている意味は無い。グレースは魔法の海賊船を消し、その跡に誰もいないことを訝しんだ

はて、自分は誰に向かってこれを放ったんだったか。それは何もない空間に現れた赤髪を見てようやく思い出された


グレース「……無事とはね」

シャナ「…………………………クッ」ヨロッ


魔法を使う直前に頭を強打した。額が割れて血がドバドバ出ている。シャナは意識が薄れゆくのを感じ、吠えた


シャナ「私に………………私に魔法を使わせたなぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッッ!!」


ブチ切れた

この感覚、前にも味わった気がする。そうだ、あの時……あのゲームの中で、初めてメルヴィルに襲われた時――


シャナ「クソがあああああああぁぁぁぁーーーーーーーーー!! 死ねぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーー!!!!!!」ダッ

グレース「ッ!?」


突如コートを脱ぎ、しかもその下に下着しか着ていない痴女が鬼の形相で襲い掛かって来るのをグレースは見た

シャナの魔法は自分で解いて相手に認識させたものなら、再度発動可能だ。コートは魔法の海賊船のせいでボロ布と化した。もう着るものが無い。寒い


シャナ「ぶっ殺してやるぁぁぁぁぁ!!」ズバンッ

グレース「クッ、なに、コイツ……!」ガキィン


だ、大丈夫大丈夫。口ではああ言ってるけど私は大丈夫

勢い余って真っ二つにしそうだけど大丈夫。私は平気だ

ただ目の前の海賊が憎くて憎くて仕方ないだけだ

シャナは自分の魔法が嫌いだった。1歩間違えたら痴女なのだ。元々の性格的にシャナにとってその問題はペチカの次に重要だ。そしてそれは簡単に破られた。殺す

大丈夫。自分の精神力は人一倍だと自負しているし、頭は冷静だ。クールダウンクールダウン。ふぅ……よし、殺そう


シャナ「くたばれぇぇぇぇぇぇ!!」

グレース「っ、まず……!」

シャナ「テメェなんか死んだ方が世のためになるんだよぉぉぉぉ!!」

ファニートリック「っ……!」

グレース「(やばい、佳代がすぐ後ろに! 避けたら佳代に……!)」ギリ


 シャナの精神力(97)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→グレースを生きたまま無力化した
 失敗(ファンブル)→逆に斬られた
 


首を飛ばしそうになった。危ない危ない

心臓を一突きしそうになった。危ない危ない

せめてもの慈悲として右腕と右足を一太刀で一気に斬り落とした


グレース「な……ッ、が……!!?」

シャナ「…………!!」

ファニートリック「ッ、あ、あああぁぁぁ!!」

シャナ「…………フー! フー……ふぅ。おい」

ファニートリック「ッ、ひ、あ……!」

シャナ「すぐに止血してやれ。そうすりゃコイツは生きる」

ファニートリック「ぁ……あ……ぁぁぁ……!」

シャナ「早くしろボケが!! テメェも死ぬか!?」

ファニートリック「ひっぁ! あ、は、はいぃ!」


セルティは建物の影の中でシャナの戦いを見ていた。なるほど、わからん

グレースは一瞬シャナの姿を見失っていた。つまり、認識攪乱だ。しかも人を選べる。彼女が「コイツに対して消える」と思えば姿を消せるのだろう。頭から血が出ているということは、物理的に消えるわけではないらしい

そしてグレースを殺すわけでもなく、手足を斬り落として無力化し、ファニートリックに止血しろと言った。つまり、殺す気は無いのだ

羽菜とシスターナナを見る。プキンと戦っているようだ。お互い攻撃を受けることなく、ギリギリの上で戦っている……シスターナナ、見てるだけじゃね? アレ

魔王パムを見る。ソニア・ビーンとじゃれ合っていた

マナはレイン・ポゥとポスタリィの監視と状況の観察に勤しんでいる。さて、私の仕事は……>>500


 1.シャナに強力を申し出ることだ
 2.羽菜の援護をすることだ
 3.魔王パムの援護をすることだ
 4.のほほんとしているフレデリカとトットポップを倒すことだ


影を出てシャナの前に出た。警戒されている。突然現れれば当然か


セルティ「私はこの人達と行動を共にしていた者です。そして、人事部門から、あなたに強力を申し出ろと言われました」

シャナ「なに? ………………とりあえず服がほしい」

セルティ「そこの海賊さんの上着を羽織ってみては?」

シャナ「頭いいなお前」


シャナはグレースから追いはぎをした。青い海賊羽織はふくらはぎまで届く丈で、右腕部分の袖がないがなおかつ長袖なのでシャナ的にありがたい

借りるぞと言ったが返事が無い。返すのは後でいいだろう


シャナ「ふぅ……落ち着いた」

セルティ「(コイツを怒らせたらヤバい)」

シャナ「それで、人事部門が私になんて? 強力つっても見れば分かるだろ、あのアホ将軍とアホ従者をどうにかしないとこの状況は終わらない。いい迷惑だ。死ね!!」

セルティ「まぁまぁ」


全然落ち着いてねぇじゃねぇかよ。という言葉を出しそうになった


セルティ「人事部門のプフレという方の名前を出してもいいとのことでしたので……」

シャナ「プフレ……?」


シャナは考えるそぶりを見せた。知り合いだろうか


シャナ「……分かった。協力してやる。だがまずはこの状況を何とかするぞ。お前も手負いだ。無茶すんなよ」ダッ

セルティ「(なんとか協力は取り付けた……これでアイツによる被害は無くなった……と)」


セルティ「(私に敵と面と向かって戦うだけの力は無い。なら、裏側からコントロールしたり、奇襲をしてやろう)」

セルティ「(レイン・ポゥと言ったか。お前への罰は終わってからだ)」


 セルティの次の行動……>>511
 
 1.魔王パムの援護
 2.羽菜の援護
 3.フレデリカとトットポップへの奇襲


セルティ「(プキンとかいうの……メチャクチャ強いじゃん……)」


あの羽菜と渡り合っている。羽菜の動きは何度か見たが、完全にプロのそれなのだ。困った顔が庇護欲をそそられる顔をしているが、その裏にとんでもない牙を隠し持つ魔法少女だ

プキンの戦いはまさに王者だった。自分はあまり動かず、腕から先がとんでもない動きで様々な角度からレイピアを突き出す

羽菜は追い込まれつつある。ああ、やっばいじゃんあれ。シスターナナ動けよ!


セルティ「(クッ……!)」


動きは速いが、プキンは飛び回るタイプではない。動いているように見えて実はそんなに移動していないのだ。よし、全員建物の影に入っている。今なら……


 身体能力(49-10+20=59)ロール(プキンは羽菜に夢中のため+20)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プキンの動きを止めた
 失敗→急にプキンが跳んだ
 


セルティ「(よし、今だ!)」

プキン「ッ!」バッ


影縫いさえすればあとは羽菜の魔法でチェックメイト。コイツも逮捕しておしまい

建物の影に溶け、左腕だけを出して影に触れ、プキンの影縫いを試みた。が、失敗した

プキンはその野性的な直感でセルティの思惑に感づいたのだ。マジか。化け物だ。これが伝説と噂される魔法少女というものか


プキン「ネズミが紛れていたか。危なかったぞ」


プキンがこちらにかかってくる。逃げねば。今いる建物の影は大きい。溶け込んで移動しなければ


プキン「……影の中に逃げたか…………ソニア!!」

ソニア「ッ!」バッ

パム「ん? おい逃げるのか!」


ソニア「?」

プキン「よく駆けつけた。ソニア、ここら一帯の影のある地面を破壊しろ」

ソニア「あい!」

セルティ「(なんだ? アイツ……確かデータでは、触れたものをボロボロに…………まずい!!)」


急いで影の中から飛び出した。何でバレた。経験の差か直感か、とにかくまずい


プキン「あぶりだされたな」シュッ


目の前にレイピアが飛んでくる。避けねば……あ、駄目だ早い


 プキンのレイピアを受けたのは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→セルティ
 偶数→羽菜
 ゾロ目→シスターナナ


羽菜「っ……!」

セルティ「な……っ、羽菜……さん!?」

羽菜「……大丈夫、腕を掠めただけです」

プキン「ほう、仲間を庇うか。いい友愛だ。羽菜、ソイツの首を絞めろ」

羽菜「はい」ガシッ

セルティ「ガ……ハッ…………!?」

セルティ「(え、なんで……羽菜、お前……裏切ったのか!?)」

プキン「羽菜は我が僕だ。遠き昔より吾輩を敬い、吾輩に憧れて来た」

羽菜「その通りです」グググ

セルティ「ぁ……や、め…………」


 羽菜を突き飛ばしたのは……>>直下コンマ一桁

 奇数→シャナ
 偶数→マナ
 ゾロ目→シスターナナ


シャナ「クソが!」ドゴォッ

羽菜「ッ!?」

セルティ「ぅ、ゲホッ、ゴホッ! た、助かりました……」

シャナ「下手に手を出すなつったろ!!」

プキン「……どういうことだ? 吾輩はそこな魔法少女が友に殺されるのを所望するのだ。お前の手で殺したいというのなら、まぁ従者のわがままを聞いてやってもいいが……」

シャナ「(なんて言ってるか分からんが、とにかくまぁ怒られてるだろうな)」


 シャナは……>>540
 
 1.セルティに斬りかかりわざと逃がした
 2.プキンに斬りかかった
 3.あ、あーすみません!間違えちゃって!許してチョンマゲ

1


シャナ「いいか、アイツは英語以外通じないからこうして話せる。私がお前に斬りかかるから、とにかく逃げろ」

セルティ「……!」コクッ

シャナ「おらぁあぁぁぁ!! ぶっ殺してやんよー!!」

セルティ「キャー」

シャナ「待ちやがれぇぇぇい!!」

セルティ「オタスケー」

プキン「はっはっは、従者が楽しそうで吾輩も嬉しいぞ」

トットポップ「……マスター、あれほっといていいね?」

フレデリカ「まぁいいでしょう。シャナの思惑がなにかは知りませんが、人死にを必死に防ごうとしていますね」


ソニア「戻っていいです?」

プキン「ああ、すまなかったな。楽しみの邪魔をして」

ソニア「……」フルフル

パム「おらどうした早くかかってこい灰被り!」

ソニア「うがあああーーーーーーー!!」

プキン「……さて、吾輩は……」

羽菜「う……」ムクッ

プキン「大丈夫か?」

羽菜「はい」

プキン「お前達は何故ここにいる?」

羽菜「暗殺者を捕まえに来ました」

プキン「その暗殺者とは誰だ?」

羽菜「あそこにいる、虹の魔法少女です。レイン・ポゥと言います」


プキン「そうか……」スタスタ

マナ「っ、羽菜……なんで……!」

プキン「羽菜、コイツは誰だ?」

羽菜「監査部門の同僚で、マナと言います。魔法少女ではなく魔法使いです」

プキン「ほう……魔法使いがまだ存在したのか。てっきり封印されている間に滅んでいたと思ったが」

マナ「羽菜、おい羽菜!」

プキン「羽菜、コイツにレイン・ポゥを差し出すよう言え」

羽菜「マナ、レイン・ポゥをプキン様に渡して」

マナ「なっ、なにを!?」

プキン「邪魔するようなら排除しろ」


羽菜「プキン様は邪魔するようなら殺せって言ってる。だから、邪魔しないで。マナを殺したくはないけど邪魔するなら殺すしかないから」

マナ「ぁ…………ぁ……!」

羽菜「じゃ、レイン・ポゥもらうよ」

マナ「待て……渡してどうするんだ!!」

羽菜「それはプキン様が決めることだから」

マナ「渡せるか、そんなんで!」

羽菜「……邪魔するようなら、本当に殺すよ?」

マナ「ッ……」

羽菜「それでいいの。マナは昔から強がりばかりで本当はヘタレだもんね」

プキン「よくやった羽菜」


レイン・ポゥ「放せコラ! 放せコラ!」

トコ「放せコラ! 放せコラ!」

プキン「ほう、妖精タイプか……」ジュルリ

トコ「ヒッ!?」

プキン「ひと暴れして腹が減ったなぁ」

レイン・ポゥ「ッ、トコに手を出したら殺す!」

トコ「流石レイン・ポゥ! 長年の相棒!」

レイン・ポゥ「ソイツはまだ使えるんだから!」

トコ「死ね! お前が食われろ!!」

プキン「…………やっぱ後にしておくか」

トコ「ホッ」


ポスタリィ「た、たっちゃん!」

マナ「羽菜、頼む……目を覚ませ…………ソイツの魔法は洗脳なんだ! お前は洗脳されてるんだよ!!」

7753「羽菜さん!」

羽菜「………………プキン様、いかがなさいますか?」

プキン「とりあえずソニアとシャナが帰ってくるまで待つか。そいつらが刃向かってきたら殺せ」

羽菜「はい」


シャナ「……ここまで逃げればいいよな?」

セルティ「そうですね。だいぶ離れましたし。あなたはどうしますか?」

シャナ「私は>>560


 1.魔王パムの援護
 2.フレデリカ達にプキンを諫めろと言う

2


今日はここまで

次の更新で羽菜かマナか魔王かソニアかプキンかトットかたっちゃんかそうちゃんが死ぬ可能性がある

それを見た親しい人間が怒りと悲しみに暮れる

それを一般人が目撃する

遂には一般人までもが闘争に

身体は闘争を求める

アーマードコアが売れる

フロムがアーマードコアの新作を作る


シャナ「おいフレデリカ」

フレデリカ「うわっ、びっくりした。急に話しかけないでくださいよ。あの透けてる魔法少女はどうでしたか?」

シャナ「……これでいいだろ」

フレデリカ「これは……服の切れ端ですか。こんなもので騙されると?」

シャナ「騙されてくれ。お前ら2人が口裏合わしてくれりゃプキンも納得するはずだ」

フレデリカ「ふむ………………ま、いいでしょう。プキン将軍の従者ということは、プキン将軍の中で私よりあなたの方がランク高いでしょうからね」

シャナ「すまん……あと、プキン達にもう止まるよう言え。暗殺者は確保したんだ。とっととずらかるぞ」

トットポップ「呼んだね?」

シャナ「うるせぇよ! とっととが持ちネタかお前!」

トットポップ「あーバレたね! ダジャレが持ちネタって恥ずかしいから秘密にしてたのにね!」


フレデリカ「我々もそうしたいんですがねぇー……魔王パムがねぇー」

シャナ「……魔王パムは本気を出さない。ここには他にも魔法の国の魔法少女がいるから本気を出して戦えない。逃げようと思えばいつでも逃げられる」

フレデリカ「そんなもんですか。じゃあソニア・ビーンを止めてあげてください」

シャナ「アイツはそれこそプキンが何か言わなきゃ止まらないだろ!! というか言葉が通じない!」

フレデリカ「英会話くらい覚えてくださいよ~」

シャナ「クソが! とにかくお前はプキンを説得しろ! いいな!?」

フレデリカ「前向きに検討します~」

シャナ「トットポップ、お前一緒に来い!」ガシッ

トットポップ「え、あちょっと! まさか魔王パムの目の前に出る気ね!?」

シャナ「ソニアはそこにいるんだから仕方ねーだろ! 通訳しろ!」

トットポップ「ひいいいい!! ちょ、ちょっとおしっこ行きたいね!!」

シャナ「魔王にぶっかけろ!!」


 シャナの知力(69)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→ソニアを釣る
 失敗→ソニアは止まらない


 67……成功!

 
 
シャナ「おいソニア!」


ソニア「あはははっ!」

パム「ふはははははっ!!」

トットポップ「聞いてないね」

シャナ「(考えろ……ソニアの気を引いてこっちに来させる……ソニアの関心を引くものといえばプキンと飯だが……いや、まさかこんなんで釣れるわけ……でもなぁ)」

シャナ「………………トットポップ、ソニアに『プキンが一緒に飯食いに行こう』って言ってるって言え」

トットポップ「シャナ、ソニアを舐めすぎね」

シャナ「いいから言え!!」

トットポップ「ソニアー! プキン将軍がー!」

ソニア「! 行く!」

シャナ「釣れたぞ!?」


パム「おい、貴様! 決闘を申し込んでおいて逃げるか! この腰抜けが!」

ソニア「う……ガルルルルル!」

トットポップ「プキン将軍は早くしろって言ってるね」

ソニア「行く!」

シャナ「……………………あー……ども。ちょっとソニア借りてくんで、決闘はまた別の機会に」

パム「逃がすかァ!」

トットポップ「ああわわああわわあわわ!!」


 シャナの身体能力(87-13=74)ロール(魔王パムの武力100からシャナの武力87を引いた13がマイナスされる)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→2人を庇って脱出成功
 失敗→トットか自分が負傷


 思い出した現在のシャナの身体能力は88でした今後訂正
 
 10……成功!

 
 
シャナ「クッソ!!」ズバッ


パム「ッ、我が羽根を斬るか……少しはできるようになったじゃないか」

シャナ「トットポップ、早くソニア連れてけ!」

トットポップ「了解ね!」

ソニア「ご飯、ご飯」

シャナ「(さて、魔王を撒いたら後はプキンだが……)」


大通りは大惨事とはいかないまでも、大きく破壊されていた。特にグレースの魔法の海賊船によって道路には楕円のクレーターが出来ている

当の本人はシャナに手足を斬られて動けず、ファニートリックは涙目で止血中だ。セルティは逃げ、羽菜はプキンに操られ、レイン・ポゥとトコも引き渡された。マナと7753はプキンに威圧され動けずにいる。ポスタリィと繰々姫は完全に怯えきっているし戦力にはならないだろう。この場は完全にプキンが掌握してしまった

魔王パムとソニアがじゃれ合ったビルの屋上一帯はもっと酷いだろう。魔王は味方を巻き込まない範囲でドンパチやっていたし、ソニアの能力が周りに被害を及ぼさないわけがない


フレデリカ「閣下、ソニア・ビーンと美しい妖精のシャナが撤退したようですが」

プキン「なんだ、もう遊びには飽きたのか……仕方ない。我々もあのスキヤキ屋に戻るか。そろそろ飯の時間だ」

フレデリカ「はい。その魔法少女を連れて行くんですか?」

羽菜「……」

プキン「ああ。コイツは使える」

フレデリカ「そうですか……あ、今の内に皆さんの髪の毛を回収しておきましょうかね。ぬふふ」


セルティは影の中でフレデリカが敵であるはずの魔法少女に気やすく近付き、「ちょっと髪の毛もらいますね」と言ってぷちんとするところを見ていた

魔法に必要なのか、趣味か。どちらにしろロクなことではない

プキン達がここまで強いのは予想外だった。シャナとの鬼ごっこが終わった時に互いの事情を説明し合ったが、どうにもレイン・ポゥがその革命軍とやらに捕まった場合、告発の材料にされるとか。まぁ確かに魔法の国が暗殺者を飼っているなどと大々的に言われたら困るだろう

告発するような材料があることを前提で、魔法の国合同チームが暗殺者を逮捕したいのはつまりその暗殺者が告発されないようもみ消すためだ

セルティは迷っていた。自分は正義ではない。ダークキューティー――悪役に憧れている

魔法の国は正義だ。そして反体制派というものはいつも悪だ

事情が分かったうえで、セルティは……>>590


 1.魔法の国合同チームの一員として犯人を捕まえようと思った
 2.革命軍に与した方がいいんじゃないかと思った


セルティは革命軍に与した方が色々とやりやすいのではないかと考えた

別に自分じゃ魔法の国に忠誠を誓っているわけではない。今回の研修だって給料がもらえる身分になるために半年前に予約してやっとこぎつけたチャンス。ただそれだけのことだ

金さえあればなんでもいい。革命軍はお金になるだろうか

とりあえず接触しよう。そう思った

だが理由が無い

下手したらスパイとして即刻殺される可能性がある。ここはまず話の通じる相手に……そうだな、ピティ・フレデリカかトットポップがいいだろう

シャナは話の分かる奴だが悪ではない。善人のにおいがする。苦手なタイプだ。だがフレデリカからは同族のにおいがした。トットポップはただの子供なだけが気がする

フレデリカに話を持ち込んでみよう。手土産は合同チームの情報すべてだ


フレデリカに連れられてプキン達が去った。魔王パムはなにやら考え事をしているようで、ビルの屋上から微動だにしない

あの魔王のことだ。きっと何か手は打っているはずだが……


ポスタリィ「うう……ひっく……香織ちゃん…………」グスッ

マナ「羽菜…………ちっくしょう……!」

7753「戦いがひと段落ついたみたいですね…………なにも、できなかった……」

繰々姫「……(手出し、できなかった……こんなに怖いの? 魔法少女って……)」

グレース「…………ん……佳代……?」

ファニートリック「っ! よかったぁ……生きてた!」

グレース「…………畜生……」

ウェディン「…………なんで、下克上羽菜はレイン・ポゥをプキンに引き渡せた……? 私達を裏切らない約束じゃないか!」

マナ「……あの場に、レイン・ポゥとポスタリィがいなかったからだろ。そういえばセルティはどこにいった?」

7753「……いない……この場に、いません……」


太陽が顔を見せていた


プキン達は先程の食べ放題の料理店に集まっていた。そこはKEEP OUTのテープが張られ、パトカーも数台止まっていたがプキンとソニアが全滅させた

そして再び席に座り飯を所望したがさっきの今で補充されているわけがなく、キッチンから出て来た鑑識の命を奪うことで鬱憤を晴らした

近くの建物の影からそれを見ていたセルティは、突如現れた左手に掴まれ、何が起こったのかも分からずに店内へと引きずり出された


フレデリカ「おはようございます」

プキン「誰かと思えば、さっきのネズミか」

セルティ「え……えっ……!?」

フレデリカ「羽菜の服についていた髪の毛、やっぱりあなたのだったんですね。さっき首を絞められた時に服についたんでしょうね。魔王パムの他にはあなたのが回収できてなかったんですが、幸運でしたね」

セルティ「……(思い出した……フレデリカの能力……髪の毛で……!! クッソッ……私の馬鹿! なんでさっき髪の毛を取っているのを見て思い出さなかった!!)」

シャナ「ハァ…………馬鹿が……」


プキン「吾輩は拷問が得意だ。スパイに対してもな」ニヤリ

セルティ「っ……(落ち着け……私…………元々これを望んで来たんだろうが……!)」

セルティ「…………私は、革命軍に入りに来たんですよ」

シャナ「は?」

プキン「?」

フレデリカ「…………ふむ」

トットポップ「おおー! 同志になりにきたね!?」

フレデリカ「我々の仲間になりたいそうです」

プキン「………………なるほどな」

セルティ「合同チームの情報とか、手土産はありますよ」

フレデリカ「すみません、それはこの下克上羽菜で事足ります」

セルティ「う……!」


プキン「吾輩はかつて英国で大量の犯罪者を捕まえて来た。故に人を見る目だけは鍛えられてな。貴様が何を考えているか分かっているぞ」

フレデリカ「――と言っています」

セルティ「なに、を……?」

プキン「貴様は>>601


 1.かつての仲間の破滅を願っているな
 2.我々を出し抜こうと思っているな
 3.正義を嫌っているな


プキン「貴様は正義を嫌っているな」

訳デリカ「――と言っています」

プキン「吾輩はかつて正義の死者として官吏をやっていた。悪を罰してきた。自伝もある。今度読ませてやろう。だが最近は悪も悪くないと思い始めている。心変わりというやつかな?」

訳デリカ「――と言っています」


プキンが何を言っているのか……まぁ、当たっているのだがそれがなんだというのか

セルティは正しい人が……引いては正義が嫌いだ。正しいと思って行動したことが裏目に出て破滅に追い込まれたからこそ、何を信じていいのか分からなくなった

死人のような顔をして薬を買っていく客を見て、ああこれは天職だと思った。それほどに自分はやはり悪が好きだったのだ


 セルティは……>>612
 
 1.自分の思いを吐露し、どうしても仲間に入れてくれと言った
 2.あくまで平静を保ち、自分を売り込んだ

2


セルティ「…………ええ、そうです。私は正義が嫌いです。だからあなた達についていこうと思ったのです」

トットポップ「ちょっと待つね! トット達は自分達を悪だなんて思ってないね! 悪いのは魔法の国で――」

フレデリカ「まぁまぁ。客観的に見て私達は悪ですよ」

セルティ「私は役に立ちます。私の魔法は使えます」

フレデリカ「片腕を失っているのに?」

セルティ「失っていても問題はありません(あるけど)。あなた達をサポートする仕事を果たせます」

訳デリカ「――と言っています」

プキン「…………ならセルティとやら、首をひとつ持ってこい。吾輩の役に立つというのなら、それくらいできるな?」

訳デリカ「――と言っています」

セルティ「……分かりました」


フレデリカ「あなたはどこか私と同じにおいがするので、少しだけ信じてあげますよ。目付け役にトットポップをつけます。誰でもいいので1人殺してきてくださいね」

セルティ「はい。では、行ってまいります」スタスタスタ

プキン「…………」

フレデリカ「何故彼女に剣を使わなかったのですか?」

プキン「言っただろう。あやつは正義を嫌う。我らをどう思っているかは知らんがな……それに、まだ羽菜には利用価値がある」ナデナデ

羽菜「……♪」

シャナ「(………………ったく、知らねぇからな)」


プキン「だが奴はひとつ勘違いしている。吾輩は悪もいいなと思ってはいるが、悪ではない。正義なのだ」

フレデリカ「承知しております」


プキンは正義だ。プキン自身が強くそう思っている。たとえ自分を悪と断じる相手がいれば、その相手こそ悪であり、間違いであるのだ

だが正義は2つと無い。プキン以外の正義は必要ないのだ。セルティが「魔法の国は正義だから思い直せ」と擦り寄って来た場合は有無を言わさず首を飛ばすつもりだった

プキンは自分を投獄した魔法の国を悪と断じている。セルティは正義である魔法の国に悪として敵対しようとしているのだ。まったくもってプキンと違う思惑ではないか

それでもプキンは役に立つなら使ってやろうと思った。王者には清濁飲み込む器量を持つ。従者はこれ以上増やしたくないが、手駒はあって越したことはない


プキン「仮に奴が逃げ出したら――」

フレデリカ「彼女は逃げられませんよ。私の魔法で逃がしませんもの」


トットポップ「それで、誰を狙うね? コトによってはトットもちょっとだけ協力するね」

セルティ「そうですね……」


フレデリカがセルティの髪を持っている限り、ここでトットポップを殺して合同チームに合流しようとしてもこちらが死ぬだけだ

現在、合同チームは全員が共に行動をしている。少しでも単独行動をとった者を陰から狙うのが妥当だろう

利き腕が無いから正面から当たるのは危険だ。が、奇襲くらいはできる

戦わない魔法少女は狙いやすいが誰かと行動を共にしている。誰とも行動していない者……魔王パムは例外だ

そこで思い出した。キャプテン・グレース。彼女は負傷して動けない。合同チームは彼女を置いていくだろう

だが他の魔法少女でもいい。単独行動をしそうなのは……誰だろう


 >>620
 
 1.グレースを殺す
 2.他の魔法少女を殺す

1


セルティ「やはりキャプテン・グレースを殺しますか。彼女は今負傷して動けない」

トットポップ「なるほど。どうやって探すね? もう朝だし大通りは人がいっぱいね」

セルティ「1度別れましょう。大丈夫逃げはしません。合同チームと合流するふりをして彼女の居場所を聞き出します」

トットポップ「分かったねー」


 セルティは……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→合同チームを探してる中たまたま中学校の屋上にいるグレースとファニートリックを見つけた
 40~00→合同チームと合流した
 


建物の屋上を伝っていると、上空に魔王パムがいた


セルティ「魔王パムさん、皆さんどこにいるか分かりますか?」

パム「あの後、あっちの方の廃ビルで作戦会議をしています。大丈夫でしたか? はぐれてしまっていたようですが……」

セルティ「はい……美しい妖精のシャナに追われて、這う這うの体で逃げていたらどこか分からなくなってしまって」

パム「ああっ……私の弟子が申し訳ありません」ペコリ

セルティ「いえいえ。彼女、外交部門なのですか?」

パム「はい。なのに何故脱獄囚達と一緒にいるのか……ともかく、私は捜索を続けますね」

セルティ「お願いします」


言われた廃ビルに行くと、そこには確かに全員いた。だが、グレースとファニートリックはいない


 【残り時間 9:03】

 
 
マナ「お前ッ! 今までどこにいた!!」


セルティ「すみません……敵に追われていたらはぐれてしまって……キャプテン・グレースとファニートリックの姿が見えませんが?」

繰々姫「2人は今中学校に隠れさせています。キャプテン・グレースはかなりの重傷だったので……なんとか一命は取り留めているのですが」

ウェディン「無事でよかった」

セルティ「(…………ッ!!)」

セルティ「(忘れてた…………コイツが……いた……!)」


ウェディンの魔法、それはセルティにも通用している。協力を申し出た場にはキャプテン・グレースもファニートリックも居た。あああああ私のバカバカバカ

居場所を突き止めたところで手が出せないんじゃ意味がないじゃないか!!

セルティは考えた。そうだ、トットポップに殺させよう


 セルティの幸運(18)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→単独で行動しようとしたところにポスタリィがついてくる
 失敗→トットポップに泣きつく


 89……失敗

 
 
セルティ「それでは私も探してきますね」


7753「単独は危険です!」

セルティ「脱獄囚達は既に暗殺者をその手にしています。殺されはしないでしょうが、もう時間がありません。タイムリミットは今日の夕方……魔王パムだけでこのB市全域をすべて探すのはあまりに人手が足りません」

マナ「そうだが……」

セルティ「彼女達の目的も暗殺者のようでした。なら、向こうも結界が消えるまでこちらには会いたくないでしょう。探さねば」

7753「…………分かりました。見つけても手を出さないでくださいね。魔王パムの羽根は……」

セルティ「大丈夫。見つけたらすぐに戻ってきますよ」ニコッ


魔王パムの羽根の内1枚はここにあった。だがそれは魔王パムとの連絡用だ。残りの3枚は捜索用に使っている。セルティへの目は無い


セルティはトットポップと合流し、波山中学校を目指した

経緯を話すと殺すことを快諾してくれたあたり、コイツもいい奴そうに見えてなかなかのワルだ


トットポップ「作戦はどうするね? うまくいけば2人もやれるね!」

セルティ「ええ。できれば2人共とりたいですね」

トットポップ「でもそんな大事な約束を忘れてるなんて馬鹿ねー!」

セルティ「今度余計なことを言うと口を縫い合わしますよ」


 グレースとファニートリックは中学校の……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→屋上にいた
 偶数→屋内にいた


2人は屋上にいた。どうやら日陰で休んでいるようだ。よし、手は出せないまでも影の中にいるなら何かしらできるかもしれない

シナリオはこうだ。脱獄囚達を探している道中無事を確認しきたセルティを奇襲するトットポップはここぞとばかりにグレースとファニートリックを殺してしまった

よし、完璧だ。トットポップを屋上前の階段に潜ませ、セルティは校庭からジャンプして屋上に向かった


ファニートリック「ッ! あ、あなたは……」ホッ

セルティ「ここにいると聞いたので、ご無事かどうか確認しに」

ファニートリック「グレースは変身を解いてそこの日陰で休ませてます。ケガした状態で変身を解いてもダメージは残るんですね……今は寝てます」

セルティ「ファニートリックさんが連れて来たんですか?」

ファニートリック「>>直下コンマ二桁」


 奇数→はい。そうです
 偶数→いえ、テプセケメイに連れてきてもらいました


ファニートリック「はい。そうです」

セルティ「そうですか……ではここにはあなた達2人だけですね」

ファニートリック「あの……まだ、あの怖い人達は見つかってないんですよね?」

セルティ「はい。ですが大丈夫。結界が消える前に必ず捕まえてみせますよ」

ファニートリック「…………」

セルティ「もう少しの辛抱です。では私は行きますね。それでは」


「それでは」という言葉を合図にしていた。トットポップが屋上の扉を蹴破り、ギターをかき鳴らす。キャプテン・グレースこと芝原海は、自分が死んだことにすら気付かず実体を持った音符に叩き潰された


ファニートリック「えっ!? あ、あぁぁ……! きゃあああぁぁぁぁぁっ!」


 トットポップの数値……>>↓1コンマ二桁
 ファニートリックの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 トットポップの数値が勝っていた場合……ファニートリック撃破
 ファニートリックの数値が勝っていた場合……なんとか逃げ出す


トットポップ「逃がさないね!」


いくつもの音符がファニートリックに襲い掛かる。戦い慣れしていない彼女にこれを避けろというのは酷だろう


ファニートリック「たっ、助け――セルティさっ……!」

セルティ「…………」ニヤ

ファニートリック「ッッ!!」


セルティの微笑みが違うものになった。彼女の真意に気付いた時にはもう遅い。音符は超振動しながらファニートリックへと食らいつき、彼女の体をズタズタにした


セルティ「…………く、あ、あっはっはは…………あはははははは! ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」


トットポップ「おめでとーね! これでセルティも同志ね」

セルティ「ふっふはは……はぁ…………ありがとうございました」

トットポップ「とっとと首持って帰ろうね。あ、今のはトットととっととをかけたギャグで――」

セルティ「さて……」


海の付けていたリストバンドと、佳代の携帯についていたストラップを失敬した


トットポップ「なんねそれ?」

セルティ「あー……そうですね。今決めました。殺した魔法少女の私物をもらっていきます」

トットポップ「トロフィーみたいなもんね。トットのマスターも魔法少女の髪の毛を絶対もらっていくね」

セルティ「首の運搬お願いしますよ」

トットポップ「トットがやるね!?」


プキン達のもとに戻り、2人の首をプキンの目の前にゴロゴロと転がした

プキンはほうと口角を上げた


プキン「2人も殺してくるとは、なるほど。本気のようだな」

フレデリカ「これからはウェディンとの約束云々はちゃんと言ってくださいね。まぁ羽菜からそれを聞いていたから助け舟としてトットポップをつけたのですが」

セルティ「(……つまり全部分かっていたと…………なるほど、コイツが一番頭がキレるのか)」

プキン「いいだろう、従属を許す」

フレデリカ「将軍は仲間に入れてやると言っています」

セルティ「そうですか。それはありがたいです。魔法の国の魔法少女は現在、ある廃ビルにいます。街は魔王パムが捜査しているため、ここが見つかるのも時間の問題です」

フレデリカ「知っていますよ。私の魔法で見ましたから」

セルティ「……」

フレデリカ「ですが、あなたは情報も持って帰る有能な者だと将軍に言っておきましょう」


シャナ「…………いいのか? それで」

セルティ「はい?」

シャナ「仲間を裏切ったんだろう」

セルティ「ええ。ですが昨日会ったばかりの連中ですから」

シャナ「……お前がその気ならまぁいいか」

トットポップ「後は結界が消えるまで待ってとっとと脱出ね!」


セルティの中に燻ぶっていた悪の魂は完全に芽を出した。革命軍とやらについていけば、自分はもっと悪になれるし、もしかしたらお金も入るだろう。悪い奴は金持ちが多い

シャナはなるべく相手を殺したくはなかった。だが、プキン達は本気だ。なら、自分にできることはもう限られている。ならばプフレの名に免じて、人事部門と監査部門の連中だけでも助けてやるか。魔王パムは放っておいても死なないだろう


暗殺者を脱獄囚なんかに奪われた魔法の国合同チームは面子的にも死に物狂いで探すだろう。このまま魔王パムだけに任せて時間をいたずらに浪費していくような連中ではあるまい

ならばここはまずい。首を持って帰ってきた時はさっきと比べてパトカーが増えてたし、死体も黒ずんだ何かも増えていた

ではどうするか


フレデリカ「あなたならどうしますか?」

セルティ「……私に振りますか」

フレデリカ「アピールチャンスですよ」


ああここでもアピールか。出世とはどの組織でも面倒なものだ。だが、出世しなければ仕方ない


 セルティは……>>660
 
 1.場所を変えて隠れようと言った
 2.こちらから攻めようと言った


セルティ「場所を変えて隠れてやりすごし、結界が消えるのを待つべきかと」

フレデリカ「おや、2人も殺してきた人とは思えない消極的な意見ですね」

トットポップ「殺したのはトットね」

セルティ「相手には魔王パムがいます。彼女は危険でしょう?」

フレデリカ「魔王パムが単独で行動していれば、全員でかかればあるいは……と思いますが?」

セルティ「全員でかかって、何人死のうと魔王パムを倒せればそれでいいと?」

フレデリカ「分かっていますよ。言ってみただけです」

プキン「なんだ、移動するのか?」

フレデリカ「場所を変えましょう」

プキン「次の飯屋か……次はどこにしようか」

フレデリカ「焼肉はご存知ですか? いいお店があるのですが」


セルティ達はパトカーを奪って移動していた。いつの間にかフレデリカはこの辺のうまい店を調べてたようで、焼肉屋目がけてパトカーは突っ走る


『ザッ、こちら本部。211、現場を離れているようだが何かあったのか』

プキン「なんだこれは! 車の中に人が入っているのか!?」

フレデリカ「これは無線と言って、離れたところの人間と話せる道具です」

プキン「魔法だな……人間とは技術で魔法を叶えてしまうものか」

フレデリカ「こちら211、お腹が空いたので焼肉屋に行きます」

『ザッ、ふざけているのか!! お前は誰だ!』

フレデリカ「こちら葛飾区亀有公園前~」

シャナ「(ひっでぇ……)」


焼肉屋はまだ開店前だった。有名な個人経営の店で、狭い店内にうまい焼き肉を出すと評判の店だ

プキン達は昼の開店に備えて準備をしている店のドアを蹴破り、またまたドカッと席に座った


「ちょ、ちょっと! まだ開店前で……」

プキン「早く出せ。腹が減った」

フレデリカ「プキン将軍は空腹です。この店のすべての食材を使ってでもお腹いっぱいにしてください。あ、警察に通報しても無駄ですよ」

「な……!?」

セルティ「(あー……これはワルだわ)」

シャナ「(もう慣れて来た……)」


・・・・・・


セルティが去ってからしばらく待っても戻ってこないのを気にして、7753達は一丸となって移動していた

もう朝の通勤ラッシュの時間が終わろうとしている。もう時間は無い

焦っていた。魔王パムが居ながらここまで手こずるとは思わなかった。7753の上司はできればファニートリックも一緒に連れていけと言った。全員で中学に行く

待っていたのは首の無い死体だけだった


7753「な………………!?」

マナ「……クソッ!!」

繰々姫「あ……し、芝原さん……! 根村さん……!!」

ウェディン「バカな……奴ら、なんで!」

ポスタリィ「ぁ……ぁぁ……!」

マナ「離れていたところを奇襲されたか……」


ウェディン「なんで……くそおお!!」


毛嫌いしていたとはいえ、芝原海は仲間だった。即席のチームではあったが、共に魔法少女になり、頼りになる戦力だった

根村佳代も海の金魚の糞だったが仲間だった。彼女の魔法の有効活用法を探していた


7753「…………探しましょう」

マナ「ああ。あの連中、絶対にしょっぴいてやる」

ウェディン「しょっぴく……? 殺されたんだぞ!! 奴らも殺さないと!」

マナ「監査部門は殺しはしない!!」

ウェディン「おたくの相棒は裏切った!」

マナ「あれはプキンの洗脳だ! 羽菜とは昔から一緒にいた。プキンとはあれが初対面だ!!」

ポスタリィ「香織ちゃん……おねがい……無事で、いて……」グスッ


・・・・・・


プキン「はっはっは、うまいなこれは!」

ソニア「ガツガツ!!」

セルティ「確かに、美味しいですね」

シャナ「よく食えるな……」

フレデリカ「重い朝ご飯になりましたが、これはこれで」

プキン「おい、貴様にも肉をやろう。吾輩は慈愛の心を持つのだ」

レイン・ポゥ「…………」

トコ「いただきまーす」

レイン・ポゥ「ちょっと! 私達人質なんだよ!?」

トコ「なんかあんたを材料に告発するだけみたいだし、殺されるこたないっしょ。食わなきゃ損損」


ソニア「……妖精、うまそう」

トコ「え?」

ソニア「…………」ガシッ

トコ「ぎゃああああ!! タレつけないで!! 焼かれる! 焼かれる!!」

プキン「ソニア、やめないか」

ソニア「でも……うまそうです」

プキン「ソイツは非常食だ」

ソニア「……なるほど」ポイッ

トコ「ぐえっ」

レイン・ポゥ「いい気味」

トコ「あんたねぇ……!」


しばらくしてから大量のパトカーが押し寄せた。機動部隊の車もある


トットポップ「サツね!」

フレデリカ「ああそういえばパトカーって本部から位置が分かるんでしたね」

プキン「なんだ? あいつらは」

フレデリカ「さっき大量に殺した連中が仕返しに来たんです」

ソニア「……」スタスタスタ

プキン「おおソニアよ、頼んだぞ。食事は静かに楽しむものだからな」

シャナ「(さっきまで騒がしく食ってたろ!)」

セルティ「(ソニア・ビーンの魔法は……触れたものをボロボロに…………ご愁傷様。ぷくく)」


・・・・・・


マナ「……もう、やるしかない。連中をなんとしても捕まえる。お前達にも協力してもらうぞ」

ウェディン「……」コクッ

7753「セルティさんの位置も分からない……けど、戦いになって近くにいれば気付くはず」

マナ「いいか? 我々に残された戦力は魔王パムと繰々姫くらいだ」

7753「あの、シスターナナは……」ヒソヒソ

マナ「さっき羽菜の手助けをしてなかった時点で察しろ! もう肉盾にしても何にしてもかまわん!」ヒソヒソ

7753「そこで、あなた達は魔法少女になって間もないから……私があなた達の可能性を調べます!」スチャ


7753のゴーグルでこの場にいる中学生組の魔法のポテンシャルを見た

ポスタリィは「物を持ち主に返す」魔法だ。物に触れて魔法を使うとそれに羽が生え、普通に飛んでいくものと、速達と呼ばれる猛スピードで飛んでいく2種類に分かれている

ウェディンの魔法は約束事を強制的に守らせる。今すぐジュース買ってこいと約束すれば相手はすぐさま走り出す。多様性がある

繰々姫は最大216本のリボンを攻守移動と何にでも使える。リボンの強度はそれなりにあり、拘束されれば魔法少女といえども簡単には抜けだせない


7753「羽菜さんに施した魔法は生きています。多分、あなた達を裏切って襲うことはないでしょう」

ウェディン「そうか……裏切るなという約束……」

マナ「だが奴は多分私達には容赦がないだろう。分かっているな?」

7753「ええ。私達は羽菜さんと当たらないようにする……繰々姫の魔法が、私達が保有する魔王パムの次に強いものです。頼りにしています」

繰々姫「は、はい!」

7753「(この人達のメンタルは皆一様にダメージを追っている……多分、この中の誰か1人でも脱落すれば、まずいかもしれない)」

マナ「…………お前達、そう気負うことはない。我々には魔王パムがいる。お前達は知らないだろうが、魔王パムは最強だ。彼女に任せて我々はサポートに回ればいいんだ」

7753「……マナさん」

マナ「今更手柄の横取りだなんだは言わん! 私は羽菜を取り戻して帰る!」

7753「…………はい。取り戻しましょう!」


マナ「お前達の魔法を知れたのは大きい。有効活用法を考えた。まず、ポスタリィ。レイン・ポゥの私物かなにかを持っていないか?」

ポスタリィ「えっ?」

マナ「お前はレイン・ポゥの友人だったのだろう。それを普通便で送れ! 私達はそれを追う! 同行しているなら連中もそこにいるし、どこかに隠しているならそれをかっさらう!」

ポスタリィ「あ、はい! 何か借りてたかなぁ……」

7753「そんなことしなくても、ここに通ってるんだから教科書とかあるんじゃないですか?」

マナ「じゃあお前はそれ持ってこい!」

7753「は、はいぃー!」

繰々姫「私が案内します」


 合同チームは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→レイン・ポゥの私物を見つけた
 偶数→レイン・ポゥは私物を学校に残すタイプではなかった


ポスタリィが変身を解き持ち物を調べても何も出てこなかった


マナ「なんだお前は! 友達のくせに物のひとつも借りてないのか!!」

ポスタリィ「す、すみませぇん……」

ウェディン「(別に借りてなくても不自然じゃないだろ……)」


7753と繰々姫は教室に行き、レイン・ポゥの机を見た。教科書の類は無い。ロッカーを見ても何もない。体操着や上履きなど、彼女はいちいち持ち帰るタイプのようだった


7753「……ありませんね」

繰々姫「はぁ……生徒の持ち物を調べるなんて」


 フレデリカは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→気まぐれに繰々姫を奇襲した
 偶数→監視するだけに留めてなにもしなかった


7753「そうだ、彼女の自宅に行けば! そうすれば必ずなにかありますよ!」

繰々姫「せ、生徒の個人情報を……!?」

7753「もうそんなこと言ってる場合じゃないです。先生なら住所の書かれたファイルがどこにあるか分かりますよね!?」


フレデリカ「…………ふむ」

セルティ「(……それが魔法か。水晶での監視……)」

フレデリカ「どうやらしばらくしたらこちらに来るようですね」

プキン「よく分かったな」

フレデリカ「魔法で見たんです。彼女達の髪の毛は先ほどもらいましたから」

シャナ「ならどうする。黙って正面から当たるか?」

フレデリカ「…………どうしたいですか?」ニヤニヤ

セルティ「…………>>683


 1.フレデリカの魔法を使ってこちらに来るまでに各個撃破
 2.黙って正面から当たる

1


セルティ「……その魔法、見るだけですか?」

フレデリカ「どういう意味でしょう?」

セルティ「その水晶玉を通して、色々できたりしないんでしょうか?」

フレデリカ「あなたは随分と察しがいいですね。できますよ。水晶玉を通してそこに移動したり、そこから引っ張り出したり、そこに何かを放り込んだり」

セルティ「…………なら、色々しましょうか」ニヤ

フレデリカ「いいですよ。あ、すみませーんホルモンタレで」

セルティ「キュウリキムチ追加でー」


ピティ・フレデリカ……かなり使える仲間を手に入れた。奴らが遠からずこちらに来るのなら、魔王パムもここに来る。それまでに相手の戦力は減らしておきたい

フレデリカは中学生組の魔法を教えてくれた。さて、誰を殺すか……シャナは人事部門と監査部門は狙うなと言っている。まぁ仕方ない。狙わずにおいてやろう。なら中学生組だ

ポスタリィ、繰々姫、ウェディン……どれも面倒な魔法だ。ポスタリィはこちらを特定する魔法を持っているし、繰々姫は魔王パムの次に脅威となりうる。ウェディンがいる限りセルティはポスタリィを除いた中学生組に手を出せない。

 
 誰を狙うか……>>690
 
 1.ポスタリィ
 2.繰々姫
 3.ウェディン

3


セルティ「ウェディンを、やりましょうか」

フレデリカ「分かりました。たしか彼女の髪は……これですね。はい。煮るなり焼くなりどうぞ」

セルティ「分かってるくせに、いじわるですね。私は手を出せませんよ」

フレデリカ「ああそうでした。ふふふ……では、シャナ」

シャナ「……マジ?」

フレデリカ「はい。革命軍でしょう? 障害は排除するんでしょう?」

シャナ「えー……気が進まないんだが」

トットポップ「先生、お願いね!」

シャナ「…………」チャキッ

セルティ「ちゃんと殺してくださいね。生きている限り、約束は続いてしまいますから」


シャナはウェディンに手を出せる。これは裏切りではない。適当に「あーウェディンの奴死なねーかなー」と呟いたら真に受けたシャナが勝手に殺しただけだ

水晶の向こうにウェディンが見える。彼女は今仲間達と共にレイン・ポゥの自宅に向かっているようだ。太刀を水晶に突き立てればそのまま彼女の背中を貫くだろう


 シャナの身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ウェディンの心臓を一突きにした
 失敗→合同チームは警戒していた


 13……成功!


合同チームはポスタリィの自宅に着いた。なんてことはない、普通の家だ

これでポスタリィの魔法を使い、レイン・ポゥのもとへと行ける。進展に少しだけ心が楽になった一同を襲ったのはウェディンの呻き声だった


ウェディン「ガ、ふっ……!?」ドサッ

7753「ッ、ウェディン!?」

ポスタリィ「きゃああああぁぁぁぁぁ!!」

マナ「フレデリカだ!!」


何もない空間に、血まみれの太刀が消えていく。ウェディンは助からなかった

セルティは水晶玉を覗きながら心でガッツポーズをした。やった。これで心置きなく奴らを狙える


シャナ「……これでいいだろ」

セルティ「ありがとうございます」

フレデリカ「しかし今ので警戒されてしまいましたね。奇襲は難しかもしれません。手榴弾でも放り込んでおきますか」


フレデリカが水晶のチャンネルを武器庫にいる革命軍の同志に変え、手榴弾を取ってからピンを抜き、再びチャンネルを戻してからそこに放り込んだ

水晶の中の魔法少女達はパニックだった。セルティはそれを見て高らかに笑い、店主をビビらせた


フレデリカ「今ので誰かが死んだとは思えませんが、まぁ面白かったのでよしとしましょう」

プキン「フレデリカよ、もう肉がないとほざいているぞ」

フレデリカ「では行きましょうか。戦いやすい場所に」


店を出ると満足げに黒い何かの上で座るソニアがいた。警察は全滅していた

再びパトカーを駆って行くところはただひとつ。B市の人口密度が最も高い、セルティが最初に降りた駅前だった


合同チームはウェディンを失い、警戒を強めながらレイン・ポゥの私服に魔法を使い、空を飛ぶシャツを追いかけるというおかしな光景を作っていた


マナ「こっちは……何があるんだ?」

繰々姫「駅とか……」

7753「駅にわざわざ行きますか?」

マナ「さぁな……駅を通り過ぎたどこかかもしれん。クソッ、セルティは……羽菜は……」

7753「……ありがとうございます。セルティさんのことも心配してくれて」

マナ「共に捜査をしていたんだ。心配もする…………」

ポスタリィ「……ひっく……うっ……」

テプセケメイ「なにしてる?」

マナ「うあぁぁっ! 何者だ!」

繰々姫「あっ、仲間です! テプセケメイって言って、ずっとどこにいたの?」

テプセケメイ「その辺にいた。なんか色々あった。最初にメイを襲ってきた奴は仲間だって言われた」

マナ「最初に? 魔王パムか……」


テプセケメイ「変な奴らがいた。何か食ってた」

繰々姫「変な奴ら?」

テプセケメイ「お前達とは違う、魔法少女」

マナ「奴らか! 奴らはどこに?」

テプセケメイ「凄いスピードの何かに乗って移動してた。追いつけなかった」

7753「凄いスピード……車とかでしょうか」


 テプセケメイは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→革命軍とセルティが一緒にいるのを見ていた
 偶数→セルティの姿は見ていなかった


マナ「革命軍の奴らはあの5人でいいな?」

テプセケメイ「5人いた」

マナ「よし、フレデリカの奇襲も恐ろしい……早く行かなければな」


魔王パムも合流した。7753は道中テプセケメイをゴーグル越しに見て、そのポテンシャルを調べた

彼女は風と同化し、少しなら空気を操れる。風と同化し続けている限り攻撃されないし、空気になって透明にもなれるというなんとも隠密向けだ


マナ「作戦はこうだ。まずプキンから暗殺者と羽菜を取り返す。あとは――」

魔王パム「お任せください」

マナ「……なるべく、犠牲は出さないでほしい」

魔王パム「場所にもよりますが……相手は強いですからね。約束はできません」


セルティは微笑みをさらに強くし、声に出してしまいそうな笑いを我慢した

裏切りはまだバレていない。つまり、まだやれる。まだ奇襲ができる。ウェディンの私物はあとで回収すればいい。いや、あれはシャナが殺したものだし別にいいか

次の獲物は誰にしよう。やり方はこうだ。影に溶け込み、誘い込まれた奴の動きを止めて影の槍で心臓を貫く。左手でもそれくらいはできる

駅に着き、出ると一気に注目を集めた

もう日は高く、昼時だ。パトカーの中から多種多様で派手な連中が出てきたら注目もするか


フレデリカ「相手の作戦はレイン・ポゥと下克上羽菜を奪還した後に魔王パムによる殲滅です」

プキン「ふっ、そんなにこの兎が恋しいか」

フレデリカ「いかがなさいますか?」

プキン「裏を返せばその魔王とやらはこいつらを解放しない限り手を出してこないということだろう? 簡単だ」


マナ「どうやら駅で間違いないようだな……クソッ、あんなに人目が付く場所で……!」

7753「どうしますか?」

マナ「配置を変える。繰々姫はそこのビルの屋上にいろ。何かあった時にはリボンでサポートしろ」

繰々姫「は、はいっ」

マナ「7753はそこの郵便屋のお守りだ。シスターナナは……ついてきてもらう」


しばらくして、合同チームが駅前に降り立った。セルティは見つかる前に建物の影に溶けこんだ

ただでさえ奇抜だった者達が増えたことによって、通行人はイベントかと携帯を向ける


プキン「よく来たな、愚民共」


合同チーム

マナ、7753、魔王パム、繰々姫、ポスタリィ、、テプセケメイ、シスターナナwith生首


革命軍

プキン、ソニア、フレデリカ、トットポップ、シャナ、セルティ


7753「(上司から『各部門は脱獄囚の確保も求めている』って言ってるけど……これじゃ……)」

7753「(それに外交部門の一部が暴走して大量破壊兵器でB市ごと消すとかいう噂まであるって……まずいよ……! マナさんにも教えたけど、このメンバーじゃ……もう魔王パムだけが頼り……)」


マナ「……できれば、話し合いで済ませたい」

訳デリカ「――と言っています」

プキン「話し合うまでもない。貴様らが欲しがっているこの兎は返してやろう。羽菜、奴らのところへ行け」

羽菜「……」スタスタスタ

マナ「羽菜!」ダッ

シャナ「(…………プキンの考えることだ。どうせ……)」チャキッ

プキン「……ふっ」チャキッ

シャナ「(だろうな!)」ダッ


 シャナの身体能力(88-20=68)ロール(プキンが本気で速く動いたため-20)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→シャナが羽菜を斬る
 失敗→プキンが羽菜を殺す


 07……クリティカル!

 
 
シャナ「ッ!」ズバッ



血がしぶいた。羽菜の背中をズバッと斬ったのだから当然だ。だが、シャナに殺す気は無い

羽菜は血まみれになりながらマナの腕におさまった


羽菜「が……ぁ…………ぁ……」ガクッ

マナ「羽菜、羽菜ぁぁぁ!!」

シャナ「(浅い。すぐに止血すれば失血死も無いはずだ)」

プキン「なんだシャナ、お前も同じ考えだったか。はっはっは、従者と気が合うとはいいものだな」ナデナデ

シャナ「……どうも」

マナ「貴様ァァァァァ!!」

プキン「さて、暴れるか」


魔王パムの羽根が壁となってプキンとマナの間に突き刺さった


シャナ「ッ!」

パム「(なるほどな、お前はそういう考えか)」

シャナ「…………」コクッ

7753「マナさん、今の内に下がって!」

プキン「ソニア、この邪魔な壁を崩せ」

ソニア「あーい」

パム「ふっ、やはり奴の相手は私だな!」


プキンに繰々姫のリボンが絡みつく。サポートとしてのせめての仕事だろう。だがプキンはソニアにリボンを外させ、繰々姫の姿を見つけた


プキン「ふっ、踊るか」

シャナ「(さて、ここで全部決められるといいが……)」


セルティは建物と建物の影を伝って合同チームの背後をとった

7753とポスタリィが後ろで羽菜の手当てをし、テプセケメイはぷかぷかと浮かび、魔王パムはまたソニアとじゃれ合い、繰々姫はプキンの攻撃を必死に避け、そんな繰々姫を援護しようとマナが向かっている

よりどりみどりだ。シャナの手前魔法の国の面子は狙えない。まったくぬるい奴だ。悪としての自覚が足りないよ自覚がー

とはいえ人事部門のプフレとかいう奴との密約でもあるのであれば仕方ない。元々は自分からシャナに持ち掛けた話だった

おっといけないいけない。誰を狙おうか


 >>733

 1.ポスタリィ
 2.繰々姫
 3.テプセケメイ

1


ポスタリィがいい。あの小動物はきっといい声で鳴いてくれる

だが7753と共に羽菜の手当てにあたっている7753の前で殺すのは、つまり裏切りを自ら明かすということだ

さてどうするか


 幸運(18)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ポスタリィか7753が1人で薬局に行く
 失敗→ポスタリィはその場から離れようとしない

 成功時のみ、奇数であればポスタリィが離れ、偶数であれば7753が離れる


…………なかなか離れてくれないな。その辺の薬局にでも行って包帯なり薬なりかっぱらってくればいいのに

仕方ない。7753の前で殺すか

左手で操作するが、どうしても裏切られたくない場合はバレないように殺せばいい


 >>742
 
 1.どうどうと裏切りを明かして殺す(不意討ちなのでロール必要無し)
 2.バレないように殺す
 

2


よし、バレないように殺そう。仮にだまし続けられている場合、魔法の国のポストにはまだ価値がある

影の中に潜んだまま、同じく建物の影にすっぽり収まっている3人の背後に影の槍を発生させた

7753が羽菜に夢中になっている間に、ポスタリィの心臓を貫く。さっきのシャナリスペクトだ


 身体能力(49-10=39)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→バレずに殺した
 失敗→殺したが7753にバレた


7753はマナに託された羽菜の治療にあたっていた。羽菜の残った片方の袖をちぎり、背中に……ああ布面積が足りない。し、仕方ない……上を脱がせてまるまる背中に巻こう。サラシが巻いてあるから胸が露出することはないだろう

ポスタリィに羽菜の上体を起こしてくれと頼もうとしたとき、ドサリと何かが倒れる音が隣から聞こえた

ポスタリィだった。変身は解け、胸から血を流して死んでいた


7753「っ、フレデリカ……!!」


さっきと同じ手口だ。あのクソ野郎!!

死んでしまってはどうしようもない。手を合わせ、7753は涙ぐみながらも羽菜の応急処置をし、この場から離れていった。ポスタリィは、置いていった……


やった。殺した。ははははは!!

しかもフレデリカの名前を言ったことから、またさっきと同じやり方で殺されたと思ったのだろう。いい感じだ

さて、初めてこの手で殺した魔法少女だ。ポスタリィの私物をいただこう。なににしようかな。制服のポケットに入っていたハンカチをいただいた

悪とはこういうものだ。誰かが見ていれば吐き捨てるような嫌悪感を自分に抱くだろう。卑怯で、卑劣で、残酷で

それがメルティ☆セルティの悪だ。ダークキューティーのものとは少し違うが、悪には変わりないだろう

あぁ、次は誰にしようか


フレデリカは事態を静観していた。別に自分が何もしなくてもセルティとかいう血の気の多いのがどんどん殺してくれる

シャナは魔法の国の面子は殺すなと言ったが、どうしようかなぁ~という思いをトットポップに吐いてみると、トットポップは意外にも反対した


トットポップ「シャナはいい奴ね。シャナの言うことならなるべくその通りにしてあげたいね」

フレデリカ「お人よしですねぇ」


そのシャナは考えあぐねていた。自分が何もしなくても、形勢は決まりつつある。繰々姫とマナはプキンには勝てない。ソニアも、あの魔法を持ってしても魔王パムには勝てないだろう

人伝ではあるが、プフレが協力してくれと言った。ならしてやるのが、スポンサー様への原作者としての姿勢だろう

ならどうするか。やることはひとつだ。マナをプキンに殺させない


今日はここまで

多分ダークキューティーの悪と全然違うと思うんですよ(今更)
ぶっちゃけ無印を始めた時点でキノもこうなるんじゃないかと思っていたけどちゃんと主人公になってましたね


魔王パムは考えていた。ソニアに負けることはないが、ソニアの魔法に勝つ方法を考えないことにははじまらない

ソニアは触れたものすべてをボロボロにする。デイジービームのような分子分解かなにかは分からないが、すべて黒ずみにしてしまうのだ

直接倒すことはできない。魔法少女同士の戦いは第一に「魔法の相性」がモノを言うのだ。ソニアはある意味、物理のすべてにおいて相性がいい。魔王パムの魔法はは精神攻撃系の魔法でない。つまり、相性の悪い相手に立ち向かう以上、手加減ができないのだ

横目で駅のロータリーを見る。ソニアとの戦いの余波で死人が大勢出ていた。いまさら一般人の死を気にすることはないが、注目するのはフレデリカとトットポップに掴まっているレイン・ポゥだ

魔法の国は表向きは殺しを認めない。どんな凶悪犯であろうと、必ず生かして逮捕するのだ

だが、事故はどうだろうか

ソニアは強い。強い相手との戦いは楽しい。もっと楽しくなるために、全力を出したい

魔王パムは「これで避けられなければそういう運命だ」と自分の中に答えを出し、3人の魔法少女が呑気に突っ立っているロータリー目がけ、羽根を3枚繰り出した


パム「『憎悪』」


スクリュー状になった巨大な羽根のドリルがフレデリカ達目がけて迫って来る


トットポップ「びえっ!?」

フレデリカ「逃げましょう」

レイン・ポゥ「……!」ダッ

トットポップ「ちょ、待つね! 死ぬ気ね!?」

トコ「ついにこの世が嫌になったの!? ちょっと! 勝手に死ぬんじゃないわよ!」


レイン・ポゥはこのまま捕まったままのつもりはない。これは博打だ。魔王パムの羽根なら、このロープを破壊できるだろう。だが、それはギリギリの賭けだ。下手をすれば両腕を失う

だが、このまま捕まっていればどの道レイン・ポゥに希望は無い


 レイン・ポゥは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ロープだけを切らせて拘束から脱出した
 偶数→ロープごと両腕を失った


ロータリーを掘削する羽根に駆け寄り、体を近付ける

あと1cm、あと1mm、今だ!


レイン・ポゥ「…………やったぁ!!」


すぐさま虹を使ってでドリルから離れ、逃げていたフレデリカとトットポップからトコを奪い返した


フレデリカ「まさか魔王がこんな荒業に出るとは……我々ごと押し潰す気でしたね」

トットポップ「ああっもう! 暗殺者が逃げたね!!」

トコ「マジ愛してる!」

レイン・ポゥ「逃げるよ!」


セルティ「(……なにあれ)」

セルティ「(あれが魔王パム…………まともに戦って勝てる奴いないでしょ)」

セルティ「(しかも暗殺者逃げてるし……フレデリカとトットポップが追ってるみたい)」

セルティ「(で、次に殺せそうなのはその暗殺者と……プキンと戦ってるリボンの奴)」


 セルティは……>>796
 
 1.レイン・ポゥの追跡に向かった
 2.繰々姫の奇襲に向かった


セルティ「(レイン・ポゥ……お前にしてやる)」

フレデリカ「おや、一緒に追いますか?」

セルティ「ええ。彼女は昨日1度追いかけたことがありますから……その時は逃げられましたけど」

トットポップ「今度は逃がさないね!」


レイン・ポゥの背中を見た時だった。複数の虹がセルティ達を囲うように展開され、しかもお互いの間にも壁のように現れたために分断された

彼女の目的は最初から逃げることではなかったのだ


セルティ「(ッ、誘い込まれてた!?)」


 レイン・ポゥは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→セルティを狙ってきた
 偶数→トットポップを狙ってきた
 ゾロ目→フレデリカを狙ってきた


虹で作られた6m四方くらいの空間に閉じ込められた。日の光は塞がれ、虹越しに表は明るいんだなというくらいだ。そして目の前に虹を割ってレイン・ポゥが現れた


レイン・ポゥ「なんだ、あんたか。死にぞこないが」

セルティ「……」ピキッ

セルティ「(コイツやっぱ殺す。ヤク浸けになんかさせるか……この場で殺してやる!)」

レイン・ポゥ「あんたはもう死んでいいよ」

セルティ「>>807


 1.誘い込んだつもりですか?
 2.あなたのお友達の悲鳴を聞かせてあげたかったですよ


セルティ「あなたの悲鳴も聞いてあげますよ」

レイン・ポゥ「強がりはよした方がいいよ? あんたとは戦闘力ってやつが違うんだから。悲鳴をあげるのは――」

セルティ「お友達の悲鳴もよかったですからねぇ。あなたのも楽しみです」

レイン・ポゥ「…………は?」

セルティ「えーと、生徒手帳生徒手帳……」ゴソゴソ

レイン・ポゥ「(コイツ……殺した? あの連中を? 魔法の国の人間が殺すだと!?)」

セルティ「あったあった。あなたに聞かせるためにわざわざ私物とは別に集めてたんですよ。えーっと、波山中学2年芝原海、同じく根村佳代、同じく結屋美祢」

セルティ「――1年、酒己達子」

レイン・ポゥ「…………死ねよ、お前」


レイン・ポゥが虹を飛ばしてきた。だが狙いが甘い。今の中に友達がいたか。よかったよかった

ジャンプし、天井に溶け込んだ。レイン・ポゥは無言で目の前に虹を突き刺しまくっている


この空間は影の宝庫だ。影しかない分断された時は焦ったが、よく見れば周りには影しかない。コイツ、私の魔法を知らなかったのか? いやそんなはずはない。昨日1度虹を防ぐために影の壁を作ったのを見られたはずだ

だがそれだけか。それだけで影を自在に操る魔法とは思うまい

影の濃さによって魔法の質が変わるが、これだけ影しかない空間なら気にしなくていいだろう

全方位からの槍でハリネズミにしてやる


 身体能力(49-10=39)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→レイン・ポゥをメッタ刺しにした
 失敗→防がれた


 03……クリティカル! 
 クリティカル報酬、身体能力が1上がった!(50)
 
 あと、プキンより先に羽菜を斬ったクリティカル分シャナの身体能力を上げるのを忘れていたためここで記載(89)


レイン・ポゥ「(これだけ撃ち込んだんだ……死んでないわけ…………いない!?)」

セルティ「ここですよ」

レイン・ポゥ「な……っ!」

セルティ「さようなら」


レイン・ポゥの両足の間から槍を真上に出す。股に突き刺さった


レイン・ポゥ「あ、……ぁ……! お、まえ……!」

セルティ「あっはっはははははははは!! 死ぬ前にバージンは捨てさせてあげますよ!!」


次いで胸、脚、頭、肩、腹、首と無数の槍を出し、メッタ刺しにした。だがこれはあくまで第1波。すべての槍を消し、また全方位から突き刺した。そしてまた抜き、刺し、抜き、刺し、レイン・ポゥが赤い何かになるまで続けた


ちなみにいまさらですが
幸運ロール成功やクリティカルはあくまで「その人にとっての」幸運です
それが成功したとき、他の誰かは不幸になってたりするかもしれません

restartの時のマジカルデイジーを救うには太刀がすっぽ抜けた方がよかったと言えば分かりやすいでしょうか
(あの時すっぽ抜けた場合、シャナは負傷していたがデイジーはあの場では助かった)


セルティ「はぁっ……はぁっ……はぁっ…………」


虹がガラガラと崩れ落ちる。フレデリカとトットポップが顔を見せた


トットポップ「おおー無事だったね…………って、なんねこれ!!?」

セルティ「レイン・ポゥです」

トットポップ「どうするね!? 暗殺者殺したら意味無いね!!」

セルティ「………………あ」

トットポップ「『あ』じゃないね!! ああああ革命軍の作戦が失敗したねぇぇぇ!!」

セルティ「まぁまぁ。まだ暗殺者を殺しただけでしょう? マスコットが生きていれば色々とやりようがありますよ。ね? トコさん?」

トコ「」ガクブル


トコ「ぁ……れ、レイン・ポゥ…………」

セルティ「ごめんなさいね。彼女が私を殺そうとするものでしたから……やむなく殺してしまいました」

トコ「こ、の……クズが!」

セルティ「ほほほ」

トットポップ「とりあえずコイツは捕まえておくね」

トコ「くっ、殺せ!」

フレデリカ「あなたが言っても全然そそられませんよ。プキン将軍あたりは喜んで殺すのでしょうが」

トコ「ひっ!」

フレデリカ「彼女は妖精博士と呼ぶにふさわしいくらい、妖精のいじめ方を熟知してますからねぇ。自伝には妖精いじめがどれだけ楽しいかたっぷり書いてありました」

セルティ「プキン将軍にバラされたくなければ、息を殺して私達に捕まってくださいね」ニコニコ

フレデリカ「フフフフフフフ」

セルティ「フフフフフフフ」


セルティ「さて、私はこれからどうしましょうか?」

フレデリカ「争いをやめさせるなら、あの場に戻ってレイン・ポゥが死んだことを大声で叫ぶことでしょうね」

セルティ「なるほど」

フレデリカ「……ですが、あなたはどうでしょうね」

セルティ「……?」

フレデリカ「いえいえ。なんでもありません」

セルティ「(…………やはり、頭いいなお前)」


 セルティは……>>846
 
 1.合同チームの仲間として、レイン・ポゥが殺されたと報告しに行った
 2.まだ殺し足りない


セルティ「では私は合同チームにでも戻りましょうかね」

フレデリカ「今頃どうなっているんでしょうね」

セルティ「さぁ? あ、レイン・ポゥは追い詰められた結果自害したってことでいいですね?」

フレデリカ「それが妥当でしょうね。いいですね?」

トコ「…………ペッ!」

トットポップ「ちょっと! トットにつばついたね!」

セルティ「口にテープでも貼っておけばいいじゃないですか。では行ってきます」


駅前に戻ると、そこはまさに地獄絵図だった

駅前が自慢のビルは無残にも破壊され、ロータリーは魔王パムの掘削によって見る影も無い。ソニアが暴れ回ったおかげで駅にも被害が出ており、再びここが駅として交通の要所になるには数日では足りないだろう

7753は羽菜を背負って先に離脱したようだ。マナはシャナの殺す気の無い攻撃を避けるのに必死で、繰々姫はプキンに対して完全に劣勢である


 プキンの数値……>>↓1コンマ二桁
 繰々姫の数値……>>↓2コンマ二桁
 
 プキンの数値が勝っていた場合……繰々姫を撃破or支配下
 繰々姫の数値が勝っていた場合……なんとか逃げ出した


プキン「そろそろしまいにするか」

繰々姫「っ、たくさんリボンを使ってるのに……!」

マナ「勝てないなら逃げろ! お前は民間人なんだ、命を張るな!!」

シャナ「よそ見している場合か!」

マナ「くっ、コイツ!」

テプセケメイ「グレース、帰って来た」

シャナ「なんだお前」

テプセケメイ「青い服と長い棒。グレース。ウェディンが死んだ」

シャナ「……?」

マナ「そいつはキャプテン・グレースではない! って、所詮亀か……!」


繰々姫は移動用のリボン以外のすべてを防御用に展開した。流石のプキンもこれには繰々姫の逃げる隙を突けない。繰々姫はマナの言う通り、離脱した。プキンはそれを追おうとはしなかった


 プキンは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→テプセケメイを狙った
 偶数→ソニアの援護に向かった
 


プキン「おや、シャナが押されているか。あの異国の踊り子を狙ってやるか」

マナ「ッ、おいテプケセメイ、じゃない、テプセケメイ! 上だ!」

テプセケメイ「?」

プキン「がら空きだぞ」ズバッ

テプセケメイ「?」

プキン「ほう、空気か」

シャナ「(プキン!? やばい、この魔法使いを遠ざけないと!)」


 プキンの剣は……>>直下コンマ二桁
 
 奇数→空を切るという言葉通りテプセケメイを斬りつけたことになっていた
 偶数→テプセケメイを斬れない


プキン「…………これでは斬ったかどうか分からんな。おい、お前はなんだ?」

テプセケメイ「……メイは、プキンの僕」

プキン「……ふむ、なるほど。お前の魔法は?」

テプセケメイ「空気になれる。飛べる。どこにでもいける」

プキン「空気を操る魔法ということか?」

テプセケメイ「多分」

プキン「それは雰囲気という意味もか? それとも物理的なものか?」

テプセケメイ「……?」

プキン「……? どうやら知能はそれほどではないようだな。まぁいい……ついてこい。ソニアを紹介しよう」


セルティはシャナに追い立てられるマナに合流した

影に入った2人の間に壁を作り、シャナの追撃をやめさせる


シャナ「(アイツは……ならここまででいいか)」

セルティ「大丈夫ですか?」

マナ「あ、ああ……助かった…………クソッ、なにが無関係だ。アイツ、容赦なく羽菜を……!」

セルティ「ひとまず撤退しましょう。暗殺者はもういません」

マナ「……どういう意味だ?」

セルティ「……レイン・ポゥは、自殺していました……」

マナ「なんだと!?」

セルティ「拘束が解け、ピティ・フレデリカとトットポップに追い立てられている時に……」

マナ「っ、くそっ……!!」

セルティ「すみません。私は隠れて見ていることしか……」

マナ「……お前の責任ではない。暗殺者が自害したのなら、我々の仕事は脱獄囚達の確保だ」


セルティ「あの危険な人達を……ですか?」

マナ「ああ。それが監査部門としての私の仕事だ……もうなんでもいい。殺してもいいから、あいつらを……!」

セルティ「……しかし、私達にできるのですか?」

マナ「無理だろうな。戦力が無さすぎる……」

セルティ「…………(私が殺していいのは繰々姫だけになった。この際、コンプリートは目指さないが……)」

マナ「だが魔法の国は魔王パムですら手こずるこの事態に、大量破壊兵器の準備をしているとの噂がある。本当なら、この街は地図から消える」

セルティ「っ……!?」

マナ「私は監査部門に殉じられれば、死んでもいい。奴らをどうにかする。お前達はなんとか逃げろ……」

セルティ「……できませんよ」


 セルティは……>>
 
 1.結界が消えると同時に逃げようと言った
 2.私も付き合うと言った
 
 そのレスで知力(70-10=60)ロール
 
 成功→マナを説得する
 失敗→マナを説得できない

安価指定ミスこのレスの直下


 92……ファンブル
 
 セルティを襲う運の無い事態……直下コンマ二桁
 
 奇数→気絶させられ7753に預けられる
 偶数→マナに疑念を抱かれる
 


セルティ「……私も行きます」

マナ「許さん。お前の直属の7753だってそれは許さんだろう」

セルティ「ですが……あなたが死地へと赴こうとしているのに、私だけ指を咥えて逃げるなど、魔法少女としてできません!」

マナ「…………そうか。ありがとうな」


セルティに電流が走った。表現ではなく、実際にだ。マナの手にはスタンガンが握られていた

魔法少女がスタンガン……? ああ、彼女は魔法少女じゃなくて魔法使いか。私に効くということは、魔法のスタンガンだろうな……というのがセルティの最後の意識だった


マナ「…………7753と合流できればいいが……」


マナはセルティを担ぎ、走り出した

残り時間、あと2時間49分


7753は必死に逃げる繰々姫に声をかけ、マナとテプセケメイ、それにセルティの安否を気にした

ポスタリィがフレデリカに殺され、羽菜はシャナに斬られて意識がない。もう戦力の優劣は明らかだ


繰々姫「………………私、あのプキンという人に……勝てなくて……」

7753「いいんですよ。プキンは伝説になるような魔法少女ですから……私、あそこに戻りますね」

繰々姫「えっ?」

7753「羽菜さんのこと、よろしくお願いします」

繰々姫「なんで……!」

7753「あはは、上司からもはやく逃げろって言われてます。でも、私にもサラリーマンとしての意地がありますから。あ、サラリウーマンかな」

繰々姫「…………(私には……この人を止める資格が無い……)」

7753「もうすぐこの街に大量破壊兵器が投入されるそうです。肉親や友達がいるなら早く逃がしてあげてください」

繰々姫「えええっ!?」

7753「黙っててごめんなさい。これを言ったら、あなた達についてきてもらえない気がしてたから、ギリギリまで伏せてました……結果的に、裏目に出ちゃいましたけど」

 
 7753とマナは……>>直下コンマ一桁

 奇数→道中バッタリ出会った
 偶数→行き違いになった


7753は大通りを走っていた。こんな気分は久しぶりだった。ひとり戦いに赴く。まるで主人公だ

ただの新人研修のはずだった。上司はゴーグルに馬鹿なことはやめて早く逃げろと送って来る。7753は無視した


マナは大通りを歩いていた。こんな気分は久しぶりだった。ひとり戦いに赴く。まるで主人公だ

ただの捜査のはずだった。セルティはいい奴だと思う。いい奴には死んでほしくない。彼女は新人だ。みすみす殺すなんてできない


そして、2人はバッタリと出会った


7753「マナさん……セルティさん……!」

マナ「……こいつを頼む」

7753「えっ」

マナ「お前も逃げろ。最悪、フレデリカなりなんなりに泣きつけ。私は今からあそこに戻る」


7753「っ、なんであなただけ!」

マナ「私は監査部門の魔法少女だ! 悪党を目の前にして逃げられるか!!」

7753「私だって……!」

マナ「お前は人事部門だ。本来ここにいるはずのない奴だ。頼むから逃げてくれ。フレデリカ達はなんらかの方法でこの結界の中に入って来た。出る手段も持っているはずだ。お前に悪を目の前にして立ち向かう義務は無い。なんとしても皆を生かせ」

7753「っ……でもっ……!」

マナ「……羽菜を、頼む」


犬死にになることは分かっている。だが、それでも、それでもマナは監査部門の魔法少女なのだ

7753はマナの本気に、なにも言えなかった


・・・・・・


魔王パムは手こずっていた。やはり強い。自ら開けた大穴の中でソニアと鬼ごっこを始めてから随分と経つ。外はどうなっているかなんて分からない

まったく、魔王を手こずらせるとは流石は伝説といわれる魔法少女だ

だが、それももう終わりだ


パム「『煉獄の炎』」

ソニア「……!」


穴の中でソニアの周りに炎を発生させる。魔王パムは羽根を自在に操るのだ。羽根を炎に変えることくらい造作もない。それほどに魔王パムの魔法は強く、その二つ名たらしめている

ソニアが炎の中でもがく。いかに炎を消そうと、熱さと奪われる酸素には勝てないのだ


プキン「シャナ、ソニアの危機だ」

シャナ「(ソニア死んだらプキン悲しむだろうなぁ……チッ、やるか)」


シャナは最早遺品となったグレースのコートを投げ捨てた


シャナ「魔王パムッッ!!」

パム「シャナか!」


魔王パムは目を閉じてこちらを向いた。やはり魔王だ。シャナの手口も読まれている

だが目を失ったことにより、シャナの元々の身体能力とプキンの戦闘力が勝てるかもしれないという希望が生まれた


 シャナ達の数値……>>↓1コンマ二桁
 魔王パムの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 シャナ達の数値が勝っていた場合……ソニア救出(70以上上回っていれば魔王パム撃破)
 魔王パムの数値が勝っていた場合……ソニア死亡
 


シャナ「ッ!」ズバッ

パム「甘いな、そういえばお前と戦うのはあの時以来か。魔王塾ではなんだかんだ戦えずじまいだったものな」

シャナ「くそっ、羽根が……!」

パム「相当腕を上げているようだが、お前はまだ弱い!」ブォン!

シャナ「ぐあぁっ!」

プキン「チッ……こうも当たらないのでは話にならんな」


魔王パムはシャナが視界に入らない程度に目を開けては状況を確認していた。プキンとシャナの連携は無いといってもいいほどだ

この程度で魔王を討伐しようとは笑わせる

その間にもソニアは炎の中で酸欠に喘ぎ、既に力尽きようとしている


パム「そろそろ穴の中も飽きて来たな」

シャナ「逃げられる!」

プキン「ソニアが先だ!」

シャナ「(クソッ、トットポップとフレデリカは何してんだよ!)」


魔王パムはすべての羽根を戻し、空へと飛び立った

シャナとプキンがソニアのもとへと駆け寄るが、遅かった。ソニアは炎に奪われる酸素に体力を奪われ、魔法を使えずに消耗させられていた。それでもとまらない炎がソニアの体を燃やすのに時間はかからなかった


プキン「………………」

シャナ「っ……」


ロクな奴じゃなかった。見るからに頭パーだし、人は殺すし、プキンの言うことしか聞かないし、シャナには敵愾心むき出しだったし……でも、一緒にいて嫌じゃなかった


魔王パムは次元が違う。伝説になるほどの魔法少女といえど、勝てないほどに


シャナ「っきしょう……!」

プキン「……」

トットポップ「2人とも無事ね!? 音符出すから足場にしてほしいねー!」


シャナ「やっと来てくれたか……行くぞ」

プキン「…………」

シャナ「…………おい!」

プキン「ッ、従者が主の胸倉を掴むな!!」

シャナ「うおっ!」


プキンは持っていた小刀をシャナに突き刺そうとした。が、シャナは避ける。プキンは完全に八つ当たりをしていた


シャナ「……落ち着けよ。って、通じねぇか……」

プキン「…………シャナ、命令だ。魔王パムを殺せ!!」

シャナ「……なんて言ってるかはなんとなく分かるよ。魔王パムを殺しに行くんだろ? やめとけ。あれは勝てる相手じゃねぇよ」

プキン「早く行かないか! さもなくば貴様を殺すぞ!」

シャナ「…………アイキルユーくらい聞こえるっつの……行かなきゃ殺すって?」

プキン「………………!」

シャナ「……はぁ…………分かったよ」


何の因果だ。魔王パムとまたサシの勝負をしなくてはならないとは

クソが、どれもこれもトットポップについてきてしまったせいだ。穴から出たらトットポップを一発殴ろう


魔王パムは一気にシャナとプキンを殺そうと思えばできたはず。なのにしなかった。飛び立っていったのだ

誘われている。「仇を討ちたければ立ち向かってこい」と言っているのだ

プキンはソニアの遺体から離れようとしない。ならシャナにできることはひとつだけ。ファッキン将軍の言うことを聞いてやるだけだ

できなかったら死ぬだけ。それだけだ。そういや最近ペチニーしてない。ああペチカ様に会いたい。そうだ、結界が消えたら真っ先に会いに行こう


シャナ「……」ドカッ

トットポップ「いたあぁっ!! なんで殴ったね!?」

シャナ「とりあえず魔王んとこ行ってくる。お前らはあのクソ将軍を引きずり出してこい。もし魔王を倒せたら暗殺者も見つけて来てやる」

フレデリカ「暗殺者はもういません。自殺しました」

シャナ「自殺……? そうか。じゃあとっとと脱出しろ」

トットポップ「シャナを待つね!」

シャナ「……」ナデナデ

トットポップ「今度はなんで撫でるね!?」

シャナ「まぁ、多分死なないだろ。じゃ、行ってくる」


シャナが去ってから、しばらくしてマナがやってきた

マナは監査部門としてフレデリカ達を捕まえるらしい

魔法使いのマナなど、魔法少女2人の敵ではないのだが、正義の美学にでも酔ったのか。シャナには殺すなと言われていたが、向かってくるのなら仕方ない。死にたいのなら殺してやろう


7753「待ってください!!」

マナ「ッ、お前ら!!?」

7753「……私達の負けです。だから、皆を助けてください!!」


フレデリカはため息をはいた


・・・・・・


シャナ「……さて、魔王はどこかな」

テプセケメイ「あっち」

シャナ「うおっ、お前か……なんで教えてくれるんだ?」

テプセケメイ「プキンに言われた。魔王を殺せって」

シャナ「そうか。今度はお前が洗脳されてんのか」

テプセケメイ「?」

シャナ「なんでもない。ありがとな」


テプセケメイの案内のもと、B市の街中を走る

波山中学校の校庭に、魔王パムは立っていた


パム「やはり来たか。早かったな……プキンはどうした?」

シャナ「どうやらアイツは部下にお前を殺させたいらしい。自分の手で仇を討ちたくないってのも面白いよな」

パム「そうか。それで2人でのこのことやってきたわけか」

テプセケメイ「プキンの敵……倒す」

パム「味方になったと思えば今度はまた敵か……流されてばかりだな。お前は」

シャナ「悪いが倒されてくれるわけにはいかねぇか」

パム「そういうわけにはいかん。この魔王パムを倒すことができれば、二つ名を増やしてやろう」

シャナ「…………それは嫌だ」

パム「結界が解除されるまであと1時間だ。それまでに倒してみせろ!!」

シャナ「……!」チャキッ


 身体能力(89-50+10=49)ロール(魔王相手なので-50 & テプセケメイとの共闘+10)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔王に一太刀入れる
 失敗→ボッコボコにされる


 81……失敗


かつてと同じ戦法をとった。魔王パムはしっかりとシャナを見ている。なら、魔法を使うしかない

魔王パムは全力のシャナを叩き潰そうとしているのだ。なら、馬鹿みたいに全力で当たるしかないだろう

テプセケメイが空気の塊を魔王パムに飛ばす。が、けん制にしかならない

シャナは魔王パムの背後で魔法を解き、心臓を狙った。が、阻まれた


パム「本気で殺す気でかかってきたのは評価してやる」

シャナ「ッ!」


1枚の羽根が巨大な拳となり、シャナを殴り飛ばした

追撃は無い。つまり、1度隠れてまた魔法を使ってこいということだ


シャナ「ッ、やってやるよクソがあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


魔王パムの動きが変わる。彼女の記憶からシャナが消えたのだ

テプセケメイへの攻撃が苛烈になる。空気と同化できる彼女だが、その空気を攻撃されたらまずい

羽根が1枚、テプセケメイを包み込み、そして閉じ込めた。空気の漏れは無い。完全に封じた


シャナ「だらああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

パム「阿呆が!」


羽根は本当に万能だ。盾になって斬撃を防いだかと思えば、次の瞬間にはその盾から衝撃波が飛んでくるのだ

それでもシャナは立ち向かった


シャナ「死ねええええぇぇぇぇぇ!!」

パム「遅い!」

シャナ「ぐあっ、くそがああぁぁぁ!!」

パム「語彙力無いのかお前は!」

シャナ「ぐええぇ……作家舐めんなァァァァァァァ!!」


シャナ「くたばれぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!」

パム「その手はさっきも使ったろう!」

シャナ「召されろおおおおおぉぉぉぁぁぁぁーーーーー!!」

パム「効かぬわ!」

シャナ「あの世へ逝けぇぇぇぇぇぇぇ!!」

パム「動きの鋭さが無くなってきているぞ!」

シャナ「地獄に落ちろおおおおぉぉーーーーーーー!!」

パム「地獄は我が住処よ!」

シャナ「もういいから死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

パム「『死ね』の表現尽きてんじゃねーよ!」


ボッコボコだった。魔王パムは決して致命傷を与えてこない。シャナに立ち向かわせるだけの気力と体力を残す

だが、魔法少女の体力と気力も有限だ


おそらく、これが最後の攻撃になる。これが通用しなければ、魔王には勝てない

攻撃の手段はこうだ


 魔法を……>>直下
 
 1.使い
 2.使わず
 


 >>直下

 1.真正面から
 2.左右にフェイントをかけながら


 太刀を……>>直下

 1.構え
 2.捨て


 >>直下

 1.首を
 2.胴体を
 3.腕を
 4.脚を


 >>直下

 1.叩き斬る
 2.ブッ刺す


最後の攻撃をする覚悟を決め、方法が決まった

もう陽は傾き、背景がオレンジ色へと変わってきている。夕方の校庭でバトル。青春漫画だ

魔法を使わず、シャナは凄まじいスピードで駆け出す

魔王パムの羽根が槍となって飛んできた。左右にフェイントを入れ避けた。まだ近付かない。まだ飛んでくる。また避ける

太刀を構えた。重い。この武器こんなに重かったか……いや、自分の力が無くなってきているのだ。羽根を弾けばそのはずみで手から離れかねない。攻撃はすべて避けた

ついに魔王パムをリーチに捉えた。見えるのは不敵な笑み。クソが、不愉快だ

狙うは首

振りかぶり、下ろすという簡単な動作ですら魔王の前では命取り。ましてやシャナにそんな大きな動きをする余裕は無い

太刀の切っ先が夕日に反射してに煌めいた。それはまるで、シャナの髪や瞳のように――


 身体能力(89-50=39)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→届く
 失敗→届かない


届いた

肉を刺す感触が切っ先から手に、手から腕に、腕から方に、肩から――


パム「……その名を決めようか」

シャナ「…………」

パム「そうだな……『獄炎の光-ライトニング-』と名付けてやる。覚えておけ」

シャナ「……やな…………こった……クソだせぇ」バタッ


魔王パムの首に1mmだけ刺さった太刀が抜け、シャナと共に地に落ちる

残り時間 00:04


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【まほいく安価】プフレ「19人目はかき回してくれた」【魔法少女育成計画limited】
【まほいく安価】プフレ「19人目はかき回してくれた」【魔法少女育成計画limited】 - SSまとめ速報
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