【モバマスSS】モバP「噂の現場」 (18)

お久しぶりです。今年お初になります。

インフルエンザにかかり、体調が上がらないなどいろいろありました…

書きためがないためゆっくり更新していきます。お付き合いよろしくお願いします。

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モバP「シーリーズ噂の現場。今日は、『廃工場の謎に迫る』です」


藍子「10年前。突如郊外で来た巨大な工場。工員が次々とその工場に入ったまま出てこない。近所では『死の工場』と言われた工場に迫ります」


――


凛「んぐ。んぐ。ぷはぁ」


凛「皆さんが手軽に飲んでいる、スタミナドリンク。これらが私たちの手に普及したのは約10年前と言われています」


凛「そして今では手つかずの廃墟となったこの工場。これが出来たのも10年前。果たしてこれは偶然なのか。真相の現場、調べてみましょう」ガコン


凛「…飲んだ瓶は、きちんとゴミ箱へ。ね?」


ナレーション「渋谷凛が行く、噂の現場。工員が出てこない?死の工場に迫る!」


凛「××県××村のはずれに来ております。役場から何と車で数十分。民家もない険しい山とけもの道の奥に、工場はあります」


凛「ココが稼働しなくなって5年。手つかずの工場は荒れ放題になっています」


凛「果たしてここでは何が、作られていたのでしょうか?」

ナレーション「人里から離れたこの工場。ここに向かうには山道に強い車くらいしか行けません。近所の人はこういいます」


老人1「数年前までは夜な夜な車の走る音が響いていたね。こんな何にもない村なのにね…」


老人2「車を運転していたのは、黒いサングラスを付けた男だった…」


老人3「…思い出したくもない。話です…」


ナレーション「このように村人も当時のことを重々しく話していました」


凛「役場の許可を頂いて、中に入ることが出来ますので入ってみましょう」


――工場の中


凛「放棄されて5年…。ものすごく広い工場です。置かれていた機械はすっかり錆びています。ベルトコンベアーのようなものがあるので、何かを作っていたのではないかと思います」


凛「見たください。これは、製品の一部でしょうか?割れた瓶が転がっています。ラベルは剥がされていて何と書いているかは分かりません。ですが、形状から見て栄養ドリンクだと思います」


凛「果たしてここでどれだけの人が働いていたのでしょうか?」


ナレーション「工場の奥に行くと、工員の休憩所らしき部屋がありました」


凛「すっかり朽ち果てていますが、ベッドのような残骸が数多くあります」

凛「しかし、このベッドかなり小さく見えますね。それに半分は畳で腐ってます。ここでは雑魚寝だったのでしょうか?」


ナレーション「その後、食堂や事務室のような部屋もありましたが、機械類は全てありませんでした」


――スタジオ


モバP「うーん。一体ここでは何が作られていたんでしょうね?」


凛「ここでは瓶に何かをつめて販売していたのではと思います。これが落ちていた瓶です」


卯月「これは…栄養ドリンクですね!パパが週末近くに良く飲んでいた記憶があります」


未央「うーん。スタドリとうり二つの見た目だね…」


加蓮「こんな山奥で作ってるっていうことは、なにかいけないことしてるんじゃないかな?」


奈緒「そうだな!アニメなんかでも離れた所で悪さをしているというのはありがちだな」


未央「なおなお?それってどんなアニメ?もしかして…」


卯月「え、えっちぃやつですか?」


奈緒「な、な、あななあ、そんなわけねーだろ!」アハハハ


菜々「でも、私たちだって、大変ですよね。『24じかん、たたかえますか~♪』って歌がありますし」


ニュージェネ・トラプリ「?」

モバP「え、えーっと。さて、こんな山上になった工場ですが、一体何の目的で作られ、工員はどこへ消えたのでしょうか?私たちは役場へ向かいます」


ナレーション「消えた工員、そして目的なんだったのか?××村役場の担当者に聞きました」


凛「あの工場で作られていたものは何でしょうか?」


役場担当者「そこでは××村名物のこけしが作られておりました」


凛「こけし…ですか?あの温泉街で売っている?」


役場担当者「はい。ここでは××温泉という源泉がありまして、肉体疲労の回復。滋養強壮という効能がありますが、酸性が強いので水で薄めて飲むことが出来るんです」


凛「それでこの瓶で栄養ドリンクを売っていたということは?」


役場担当者「それは分かりません。あくまでも我々は工場の売り上げの金額だけですので…」


凛「では、工員が夜な夜なやってきているという話は?」


役場担当者「従業員の増減のお話は聞いておりません。100人、新工場開設という名目で雇ったという情報が来ております。閉鎖される5年前まで給与は支払われておりました」


凛「この村に工場建設という話、地元の住民は反対していたのでは?」


役場担当者「確かに不安視する住民の方もおりましたが、ここは温泉以外に大きな工場やお店もないのです。むしろ歓迎する人もいたんです」


凛「地元での工員の採用は?」


役場担当者「…ありませんでした。一応募集はかけてみたらしいのですが、全員不採用という話でした」


凛「工員の方を見たという人はおりますか?」


役場担当者「工場は住み込みで行っているということだったので、私たちは見たことありません」

ナレーション「人の動きも見たことがない。どんな人が働いているかもわからない。そんな工場を疑問に思わなかったのだろうか?」


役場担当者「私どもと致しましては、税金もきちんと納めて頂いていますし、違法行為も行われていないので、それ以上を追及するのは…」


――


モバP「違法行為が行われていない。ね…。住み込みに関しての労働基準はどうなんですか?」


凛「労働基準監督署によれば、住み込みでも週40時間を守れれば問題ないとのことで、工場からの問い合わせは5年間1度もなかったそうです」


卯月「つまり、あの工場は?」


凛「いわゆるホワイト企業というレッテルが貼られているわけです」


奈緒「なあ、そのドリンクは本当にそこで作られていたのか?今の流れではそう結論付けられないぞ?」


凛「全く奈緒さんはせっかちですね。それだから、ツンデレって言われるんですよ」アハハ


奈緒「そ、それはカンケーねーだろ!」


凛「さて、我々はそこで作られたドリンクと、温泉の関係性に迫ってみました」

――


凛「××温泉には疲労回復、栄養補給という成分があるということ。そこに目を付けた企業が、温泉を使った栄養ドリンクを製造していたのではないか。早速専門家に調査してもらいました」


専門家「成分レベルで調べたところ、一部着色料、保存料などがありましたが××温泉の成分が高レベルで一致しました」


凛「ということは、このドリンクは温泉を薄めて作られたものだと?」


専門家「ほぼ間違いないと思います。非情に微量ですが、温泉成分も検出されております」


――


ナレーション「温泉を使って商品を作っていたことが判明。それは法律的には許されているのでしょうか?」


凛「温泉のお湯を薄めて売るというのは、認められているのでしょうか?」


弁護士「温泉組合に入っていれば問題ないと思いますが、販売しないという組合の規則があれば販売は出来ません。××村の温泉組合では販売が許されていますので、組合に入っていれば問題ありません」


ナレーション「その企業は組合に入っていたのでしょうか?」


凛「ここの企業は温泉組合に入っていたのでしょうか?」


温泉組合「ええ。工場開設と同時に組合に加盟し、閉鎖された5年前で組合から脱退しています」

凛「組合に入ると何かメリットがあるんでしょうか?」


組合「ええ。まずは温泉を使った商売が出来ます。温泉卵や源泉の販売。そして温泉を引くことが出来るのです」


凛「工場にも温泉を引くことが出来るんですか?」


組合「問題ありません。福利厚生の一つで入れている企業さんも多いんです」


凛「そこの工場でも?」


組合「はい。加盟と同時に工事に着手し、2週間後にはひけるようになりました」


凛「利用量は?」


組合「そこまで多くはなかったかと。源泉は豊富にあるので特に気にする量ではありませんでした。むしろ、温泉で使うほうが圧倒的に多いですので」


凛「気にするほどの量ではなかったんですね?」


組合「はい」


――


モバP「組合でも不審な動きがあったというわけではない。ということですね?」


凛「はい。温泉も組合に入っていたので、商品としても使ってもいいと許可を貰っていました」


藍子「ということは、この販売は極めてまともでまっとうな商売ってことですよね?」


凛「そうなります」

凛「では、なぜ工場は人里離れて操業していたのか?そこでは栄養ドリンクをめぐる戦いがあったようです」


――


ナレーション「こけし製造と偽っての栄養ドリンクの製造。偽っていた理由を元工員が匿名と情報を隠しての条件付きで応えてくれました」


元工員「あそこは非常に厳しい労働環境だったんです」


凛「あれ?労働基準の人からは残業もなかったと?」


元工員「…それは表向きです。勤務時間は上の人が管理されて、我々は奴隷のように日の出から日没まで働かされ、夜の人と交代されるんです」


凛「…でも、どうしてそんなひどい仕事を?」


元工員「…俺は借金していたんです。その借金を支払うためにここで働かされていたんだ…」


凛「借金?もしかしてギャンブルとか、ですか?」


元工員「…すいません。これは言えません。ですが、ギャンブルではないと言うだけ…」


――


凛「その後、この行員の方とは連絡が取れなくなってしまいました…」


モバP「この人は一体どんな経歴だったんでしょうか?」


凛「そこは分かりません。ですが、仕事で借金を作ってしまい、その返済でこの工場に来た。と」

卯月「…なんだかすごい怖い世界ですね…」


未央「仕事で借金作ったって。一体どんな仕事だったんだろう…」


モバP「どんな仕事だったのか、それは分からないが。困った人を食い物にしていい仕事なんて一つもない」


モバP「だからこそ、我々が精一杯になって食い物にしていく企業を摘発できるようにして行かなければいけませんね。以上噂の現場でした」

おまけ


モバP「うー。体調が悪い…。午前中休んで、病院行こう」ピポパ


ちひろ『はい。どうしましたか?』


モバP「体調が悪くて、病院行ってから出社します」


ちひろ『風邪やインフルだとまずいんで、結果が分ったら電話下さい』


モバP「了解です。――さて、病院行くか…」


――


看護師「次のモバPさーん」


モバP「はい」


春菜(ドクター)「お待たせしました」


モバP「げえ!お前は春菜じゃないか!何でここにいるんだよ!?」


看護師「なれなれしいですよ!この人は病院のドクターです!」


モバP「ええ!医者なのか!」


春菜「そうです!さて、今日はどうしたんですか?」

モバP「…春菜。診れるのか?」


看護師「失礼ですね!この人は――」


春菜「まあまあ、看護師さん。少しカリカリし過ぎですよ。この眼鏡をかけて、落ち着きましょう」つ眼鏡


看護師「あ~。癒される~」


春菜「見ましたか?私の実力」


モバP「――というよりもメガネがすごい…」


モバP「ああ、実は――」


春菜「なるほど…。モバPさん風邪ですね」


モバP「抗生物質かなんかくれないか?」


春菜「そんなものありませんよ?モバPさんにはこの眼鏡で決まりです!3日間、お風呂以外の時は付けてください。もちろん眠る時もですよ」


モバP「眠る時もかよぉ!」


春菜「でも、効果はてきめんですよ?苦いお薬なんて必要ないんですよ?」


モバP「でも、さすがにメガネじゃ――」


春菜「まあまあ、メガネでもどうぞ」ズイッ


モバP「ヒッ…」

――


ちひろ「おはようございます。――あら?どうしたんですかその眼鏡?」


モバP「医者に付けろと。薬よりもはるかに効くからって。無理矢理に…」


ちひろ「そうだったんですか?まあ、似合っていますからいいんじゃないですか?」


モバP「はあ…」


――


ちひろ「さて、終業時間なのでこれでお先に。――プロデューサーさん。咳出てませんね?」


モバP「あ、そういえば。熱も下がった気が。体温計で。――うお!平熱になってる!」


ちひろ「…この眼鏡って一体どういう効果があるんでしょうね?」


モバP「…分からない。でも、眼鏡ってスゲー」

――


モバP「…また体調が悪い」


凛「ちょっと大丈夫?」


モバP「少しまずいかも知れん。うつさないよう、凛先に帰っててくれ。俺は病院へ行く」


凛「ウン…。気を付けてね…」


――


看護師「次の方~」


モバP「お願いします…」


法子「はーい!いらっしゃーい!どうしたのかな?」


モバP「…俺は熱で幻覚を見ている?白衣を着た法子が見える…」


法子「幻覚じゃないいよ。ちゃーんとあたしが白衣を着て前に座ってるよ」


モバP「…そうなのか。じゃあ、大問題だ。なんで法子がいるんだ?」


看護師「失礼な人ですね!この方はドクターですよ!」


モバP「Oh…」

法子「今日はどうされたんですか~?」


モバP「熱があって咳っぽいんだ…」


法子「ふんふん。はい。喉見ますから、口を大きく開けて。はい、あーん」


モバP「あー」


法子「ふむふむ…。なるほどーなつ!」


モバP「?」


法子「症状は風邪だね!このドーナツを1日三食。食後にきちんと食べてね!」


モバP「え!?こんなに!?つか1個の量が大きすぎ!」


法子「いいからきちんと食べるんだよ!好き嫌いは身体に悪いんだからね!」


モバP「――好き嫌いのレベルジャネーからな」


――


モバP「うっぷ…」


ちひろ「どうしたんですか?そのドーナツ?」


モバP「病院から貰った薬、のようなものです…」


ちひろ「ずいぶん大きい薬ですね…。食べきれ…なさそうですね」


モバP「これを毎食後だそうです」


ちひろ「…ご愁傷様です」

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